憲法第14条第1項は、国民に対し絶対的な平等を保障したものではなく、差別すべき合理的な理由なくして差別することを禁止している趣旨と解すべきであるから、事柄の性質に即応して合理的と認められる差別的取扱いをすることは、なんら同項の否定するところではない。○
日本国民である父の嫡出でない子について、父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得したことを届け出による日本国籍取得の要件とする国籍法の規定は、父母の婚姻及び嫡出子たる身分の取得を要件としている部分が憲法第14条第1項に違反し、無効である。しかし、そのことから日本国民である父の嫡出でない子が認知と届出のみによって日本国籍を取得し得るものと解することは、裁判所が法律に定めのない新たな国籍取得の要件を創設するという立法作用を行うことになるから、許されない。×
男子の定年年齢を60歳、女子の定年年齢を55歳と定める会社の就業規則の規定は、当該会社の企業経営上の観点から定年年齢において女子を差別しなければならない合理的理由が認められない限り、もっぱら女子であることのみを理由として差別したことに帰着するものであり、性別のみによる不合理な差別を定めたものとして、民法第90条の規定により無効である。○
嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする民法の規定は、父母が婚姻関係になかったという、子が自ら選択する余地のない事柄を理由として不利益を及ぼすものであって、憲法第14条第1項に違反するものである。したがって、当該規定の合憲性を前提としてすでに行われた遺産の分割については、法律関係が確定的なものとなったものも含め、当該規定が同項に違反していたと判断される時点に遡って無効と解するべきである。×
企業は、自己の営業のために労働者を雇用するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、原則として自由に決定することができるが、労働者の採否決定にあたり、労働者の思想、信条を調査し、これに関連する事項について申告を求めた上で雇入れを拒否することは、思想、信条による差別待遇を禁止する憲法第14条第1項に違反する。×
憲法は、歴史的に確立された近代的裁判制度を前提として裁判を受ける権利を人権として保障し、裁判制度として、裁判の公開や三審制の審級制度を明文で規定している。×
裁判を受ける権利については、その性質上外国人にもその保障が及ぶと一般に解されており、裁判所法は、被告人が外国人である刑事裁判においては、裁判所は、検察官の同意を得た上で、日本語以外の言語を用いて裁判を行う事を決定することができる旨規定している。×
憲法第32条は、訴訟法で定める管轄権を有する具体的裁判所において裁判を受ける権利を保障したものであるが、管轄違いの裁判所がした裁判であっても、それが恣意的な管轄の間違いでない限り、同条に違反しないとするのが判例である。×
裁判員制度は、公平な「裁判所」における法と証拠に基づく適正な裁判が行われることが制度的に十分保障されている上、裁判官は刑事裁判の基本的な担い手とされているものと認められ、憲法が定める刑事裁判の諸原則を確保する上での支障はなく、憲法第32条に違反しないというのが判例である。○
憲法第40条は、何人も、抑留または拘禁された後、無罪の裁判を受けた時は、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができると定めているが、同条にいう「抑留又は拘禁」には、たとえ不起訴となった事実に基づく抑留または拘禁であると認められるものがあるときは、その部分の抑留および拘禁も含まれるとするのが判例である。○
各議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、国会の会期中その議院の許諾がなければ逮捕されず、議員が国会の会期前に逮捕された場合は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。○
両議員は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判するが、この裁判により議員の議席を失わせるには、総議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする。×
両議員は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定める権能を有するが、憲法上、その権能は憲法及び国会法の規定する内容を除く範囲に明文で限定されている。×
憲法に基づく両議員の議員懲罰権は、あくまで議院内部の秩序を乱した議員の懲罰を可能とするにとどまり、議場外の行為で会議の運営と関係のない個人的行為は懲罰の事由にならない。○
国政調査権を用いて、現に裁判所に係属中の事件について裁判の内容の当否を判断するために調査を行うことは、国会が国権の最高機関とされていることから認められると一般に解されている。×
憲法上、内閣の権限または事務とされているか否か。
最高裁判所の長たる裁判官を任命すること。×
憲法上、内閣の権限または事務とされているか否か。
下級裁判所の裁判官を任命すること○
憲法上、内閣の権限または事務とされているか否か。
法律を誠実に執行し、国務を総理すること○
憲法上、内閣の権限または事務とされているか否か。
国会の臨時会の召集を決定すること○
憲法上、内閣の権限または事務とされているか否か。
参議院の緊急集会を求めること○
憲法上、内閣の権限または事務とされているか否か。
国務大臣の訴追について同意すること。×
地方公共団体は、その区域内における当該地方公共団体の役務の提供等を受ける個人または法人に対して国とは別途に課税権の主体となることまで憲法上予定されているものではないが、法律の範囲内で条例を制定することができるものとされていることなどに照らすと、地方公共団体が法律の範囲内で課税権を行使することは妨げられないとするのが判例である。×
財産権の内容については、法律により統一的に規制しようとするのが憲法第29条第2項の趣旨であるから、条例による財産権の規制は、法律の個別具体的な委任がある場合を除き、許されないと一般に解されている。×
憲法第31条は必ずしも刑罰が全て法律そのもので定められなければならないとするものではなく、法律の委任によってそれ以下の法令で定めることのできるが、条例によって刑罰を定める場合には、その委任は、政令への罰則の委任の場合と同程度に個別具体的なものでなければならないとするのが判例である。×
憲法が各地方公共団体の条例制定権を認める以上、地域によって差別を生ずることは当然に予期されることであるから、かかる差別は憲法が自ら容認するところであり、従って、地方公共団体が売春の取締について各別に条例を制定する結果、その取扱いに差別を生ずることがあっても、憲法第14条に違反しないとするのが判例である。○
ある事項について規律する国の法令がすでにある場合、法令とは別の目的に基づいて、法令の定める規制よりも厳しい規制を条例で定めることができるが、法令と同一の目的に基づいて、法令の定める規制よりも厳しい規制を条例で定めることは、国の法令の趣旨にかかわらず、許されないとするのが判例である。×
行政庁がその裁量に任された事項について裁量権行使の準則を定める場合、国民の権利義務に影響を与えることから、その設定には法律の根拠が必要である。×
法律上、被勾留者との接見が原則として許されているにもかかわらず、当該法律の委任を受けた規則において14歳未満の者に原則として接見を許さないと規定していることは、法律の委任の範囲を超えており、当該規定は無効であるとするのが判例である。○
従来非課税措置が採られていた物品に、通達を契機として課税処分がされた場合には、当該通達の内容が法律の正しい解釈に合致するとしても、当該課税処分は、法律に基づく処分と解することはできないため、無効とするのが判例である。×
行政手続法上、命令等を定める機関が命令等を定めようとする場合には広く一般の意見を求めなければならないとされており、意見提出ができる者も当該命令等の利害関係者に限定されていない。○
行政手続法上、命令等を定める機関は、命令等を定めた後においても、当該命令等の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、必要に応じ、当該命令等の内容について検討を加え、その適正を確保するよう努めなければならないとされている。○
行政庁は、許認可等を取り消す不利益処分をしようとする場合、当事者以外の者であって当該不利益処分の根拠となる法令に照らし当該不利益処分につき利害関係を有するものと認められる者がいるときは、公聴会の開催により、その者の意見を聞く機会を求めるよう努めなければならない。×
行政庁は、不利益処分をする場合には、その名宛人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りではない。○
不利益処分の名あて人となるべき者には、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対する当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧及び複写の請求が認められており、当該請求がされた場合、行政庁は、正当な理由があるときでなければ、当該請求を拒むことができない。×
弁明の機会の付与は、聴聞と比較してより略式の手続きであり、弁明の機会の付与を行う場合、行政庁は、不利益処分の名あて人となるべき者に対して、当該不利益処分の原因となる事実まで通知する必要はない。また、弁明は原則として書面で行われる。×
申請により求められた許認可等を拒否する処分は、申請に対する処分に当たると同時に不利益処分にも当たるため、当該拒否処分には、申請に対する処分に関する規定が適用されるほか、不利益処分に関する規定が準用される。×
行政不服審査法は、一般概括主義を採用し、処分、不作為、行政立法、行政指導等の態様を問わず、広く行政作用全般について審査請求を認めている。×
地方公共団体に対する処分のうち、地方公共団体がその固有の資格において相手方となる処分には行政不服審査法の規定は適用されない。しかし、地方公共団体が一般私人と同様の立場で相手方となる処分には同法の規定は適用されると一般に解されている。○
行政不服審査法は、国民の権利利益の救済に加えて、行政の適正な運営の確保も目的としていることから、審査請求をすることができる「行政庁の処分に不服がある者」について、必ずしも審査請求をする法律上の利益を有している必要はない旨を規定している。×
行政不服審査法の適用除外とされている処分等は、議会の議決によってされる処分等、その性質に照らしておよそ行政上の不服申立てを認めるべきでないと考えられたものであり、別の法令においても不服申立ての制度は設けられていない。×
地方公共団体の機関が行う処分のうち、法律に基づく処分については行政不服審査法の規定が適用されるが、根拠規定が条例におかれている処分については同法の規定が適用されない。×
非申請型の義務付けの訴えを提起することができるのは、一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずる恐れがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限られる。○
裁判所は、行政事件訴訟法第37条の2第1項に規定する「重大な損害」を生ずるか否かを判断するにあたっては、損害の回復の困難の程度に加えて損害の性質及び程度を考慮するものとされ、処分の内容及び性質について勘案する必要はないとされる。×
非申請型の義務付けの訴えは、行政庁が一定の処分をすべき旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。○
行政事件訴訟法第37条の2第3項に規定する「法律上の利益」の有無の判断については、取消訴訟の原告適格に関する同法第9条第2項の規定を準用することとされている。○
非申請型の義務付けの訴えが行政事件訴訟法第37条の2第1項及び第3項に規定する要件に該当する場合において、その義務付けの訴えにかかる処分につき、行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められるときに限り、裁判所は、行政庁がその処分をすべき旨を命ずる判決をすることができる。×
ある事項に関する法律解釈につき異なる見解が対立し、実務上の取り扱いも分かれていて、そのいずれについても相当の根拠が認められる場合に、公務員がその一方の見解を正当と解してこれに立脚して公務を執行したときは、後にその執行が違法と判断されたからといって、直ちに当該公務員に国家賠償法1条第1項にいう過失があったものとすることは相当でない。○
警察官のパトカーによる追跡を受けて車両で逃走する者が惹起した事故により第三者が損害を被った場合において、当該追跡行為が国家賠償法第1条第1項の適用上違法であるというためには、追跡が現行犯逮捕、職務質問等の職務の目的を遂行する上で不必要であるか、または逃走車両の走行の態様および道路交通状況から予測される被害発生の具体的危険性の有無・内容に照らして追跡の開始、継続もしくは方法が不相当であることを要する。○
保健所に対する国の嘱託に基づいて公共団体の職員である保健所勤務の医師が国家公務員の定期健康診断の一環としての検診を行った場合、当該医師の行った検診行為は国の公権力の行使にあたる公務員の職務上の行為と解すべきであり、当該医師の行った検診に過誤があったため受診者が損害を受けたときは、国は国家賠償法第1条第1項の規定による損害賠償責任を負う。×
国または公共団体以外の者の被用者が第三者に損害を加えた場合において、当該被用者の行為が国または公共団体の公権力の行使にあたるとして国または公共団体が被害者に対して国家賠償法第1条第1項に基づく損害賠償責任を負うときであっても、同項は組織法上の公務員ではないが国家賠償法上の公務員に該当する者の使用者の不法行為責任まで排除する趣旨ではないから、使用者は民法第715条に基づく損害賠償責任を負う。×
未成年者Aが、親権者Bの同意を得ずに、祖父Cから大学進学の資金として100万円の贈与を受けた場合には、Bは、Aが締結したCとの贈与契約を取り消すことができる。×
成年被後見人Aが、成年後見人Bの同意を得ずに、自宅近くにあるスーパーマーケットCで日常の食事の材料として食料品を購入した場合には、Bは、Aが締結したCとの売買契約を取り消すことができる。×
家庭裁判所は、保佐人Aの請求により、被保佐人Bの同意を得ることなく、Bが所有する家屋の売買についてAに代理権を付与する旨の審判をすることができる。×
家庭裁判所が、補助開始の審判によってAを被補助人とし、補助人としてBを選任した上で代理権を付与したが、同意権は付与しなかった場合には、Aの行為能力は制限されない。○
未成年者Aが、親権者Bの同意を得ずに、大型家電量販店Cで高価な家電製品を購入した場合において、Cは、Aが成年に達しない間に、Bに対し、1ヶ月以上の期間を定めて、Aが締結したCとの売買契約を追認するかどうかその期間内に確答すべき旨の催告をすることができる。○
同じ内容の物権は、一つの物の上に一つしか成立しないことから、不動産投機法に基づき登記された一筆の土地について、その一部の譲渡を受けた場合、譲受人は、分筆登記の手続きを経ない限り、当該土地の一部について所有権を取得することはできない。×
所有権について取得時効が成立するためには、占有の目的物が他人の物であることを要することから、自己の所有権に基づいて不動産を占有する者が、当該不動産について取得時効を援用することは許されない。×
AがBに不動産甲を譲渡し、登記を経ないうちに、Aが甲を背徳的悪徳者Cに二重に譲渡し、更にCから甲を譲り受けたDが登記を経由し他場合、Dは、Bに対する関係でD自身が背徳的悪意者と評価されない限り、Bに対し、甲の所有権の取得を対抗することができる。○
占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有することが法律上推定されることから、Aが無権利者Bから取引行為によって動産甲を取得して占有を始めた場合において、Aが甲についての即時取得を主張するときは、Bが権利者であると信じたことにつき過失がなかったことを立証すれば足りる。×
道路運送車両法による登録を受けている自動車は、登録がその所有権の得喪の公示方法とされているため、即時取得により所有権を取得することはできないが、同法による登録を受けていない自動車については、即時取得により所有権を取得することができる。○
AがBに土地を売却して引き渡したが、その登記がされないうちに、AがCに当該土地を二重に売却し、Cが登記をした場合において、Cが当該土地を占有するBに対して土地明渡請求をしたときは、Aは、Bに対する代金債権を被担保債権として、Cに対し、留置権を行使することができる。×
AがBに土地を売却し、Bが、Aに代金を支払わないうちに、Cに当該土地を転売した場合において、Cが当該土地を占有するAに対して土地明渡請求をしたときは、Aは、Bに対する代金債権を被担保債権として、Cに対し、留置権を行使することができる。○
建物の賃借人が、賃貸借契約の終了時に、賃借中に支出した必要費若しくは有益費の償還請求権を被担保債権として、建物について留置権を行使したときは、特段の事情のない限り、その償還を受けるまで従前のとおり建物に居住することができる。○
AがBから宅地造成工事を請け負い、工事が完了した土地を順次Bに引き渡した場合において、Aが、Bの工事代金の未払いを理由に残りの土地について留置権を行使するときは、特段の事情のない限り、被担保債権の範囲は、工事代金のうち、工事を請け負った土地全体に占める未だ引き渡していない土地の面積の割合に相当する部分に限られる。×
建物の賃借人Aが、債務不履行により賃貸人Bから賃貸借契約を解除された後、権原のないことを知りながら不法に建物を占有していた場合であっても、建物を不法に占有する間に有益費を支出していたときは、Aは、有益費の償還請求権を被担保債権として、Bに対し、留置権を行使することができる。×
根抵当権者は、確定した元本については極度額を限度としてその根抵当権を行使することができ、利息や債務の不履行によって生じた損害の賠償金については、元本との合計額が極度額を超える場合にも、その根抵当権を行使することができる。×
根抵当権の極度額を変更する場合には、利害関係者の承諾を得る必要があるが、元本の確定前に根抵当権の担保すべき債権の範囲を変更する場合には、第三者の承諾を得ることを要しない。○
根抵当権の担保すべき元本が確定する期日は、当事者間の合意によって何年先であっても自由に設定及び変更することができるが、期日の変更について、変更前の期日より前に登記をしなかったときは、担保すべき元本はその変更前の期日に確定する。×
根抵当権の元本の確定前に債務者の保証人が債務者に代わって弁済をした場合には、保証人は今抵当権を行使することができない。○
元本の確定前に根抵当権者が死亡した場合、根抵当権の被担保債権の範囲は、相続開始の時に損する債権をもって自動的に確定する。×
連帯債務者AおよびBのうち、Aが債権者Cに対して反対債権を有する場合において、Aが相殺を援用したときは、債権は、Aのみの利益のために消滅する。×
既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには、受働債権につき、期限の利益を放棄することができるというだけではなく、期限の利益の放棄又は喪失等により、その弁済期が現実に到来していることを要する。○
使用者は、労働者に対して有する不法行為に基づく損害賠償請求権を自働債権とし、賃金債権を受働債権とする相殺をすることができる。×
AがBのCに対する債権を差し押さえた場合に、Cが差押前に取得したBに対する債権の弁済期が差押えの時点で未到来であり、かつ、差し押さえられた債権の弁済期よりも後に到来するときは、Cは、両債権の相殺をもってAに対抗することができない。×
不動産の賃借人は、賃借権に基づいて、賃貸人に対して当然にその登記を請求する権利を有する。×
賃貸借契約の解除をした場合には、その解除は契約締結時に遡ってその効力を生ずるが、解除以前に生じた損害賠償請求権は消滅しない。×
物の賃借人が有益費を支出した後、建物の所有権譲渡により賃貸人が交替した場合には、特段の事情のない限り、新賃貸人が当該有益費の償還義務を承継し、旧賃貸人は償還義務を負わない。○
貸主Aが借主Bとの間で建物の賃貸借契約を締結し、更にBがAの同意を得てCとの間で当該建物の転貸借契約を締結した場合において、AB間の賃貸借契約がBの債務不履行を原因として解除により終了した時であっても、AはCに当該建物の返還を請求することができない。×
AがBに対して建物所有を目的として土地を賃貸しており、その契約中にBがAの承諾を得ずに借地内の建物の増改築をするときはAは催告を要せずに契約の解除ができる旨の特約があるにもかかわらず、BがAの承諾を得ずに建物の増改築をした場合において、当該増改築は借地人の土地の通常の利用上相当であり、土地賃貸人に著しい影響を及ぼさないため、賃貸人に対する信頼関係を破壊するおそれがあると認めるに足りないときは、Aは当該特約に基づき解除権を行使することができない。○
兄Aが、その出先から自宅に連絡して弟BにA所有の自動車で迎えに来させた上、Bに自動車の運転を継続させ、これに同乗して自宅に帰る途中でBが運転を誤りCに損害を生じさせた場合において、Aが同乗中に助手席でBに運転上の指示をしていたなどの事情がある時は、Aは、Cに対して、民法第715条に基づく損害賠償責任を負う。○
大臣秘書官Aが、私用のために国が所有する自動車を職員Bに運転させてこれに乗車していたところ、当該自動車がCの運転する自動車と衝突してCに損害を生じさせた場合には、国はCに対して、民法第715条に基づく損害賠償責任を負わない。×
銀行Aの支店長Bが、会社Cとの間で、Aの内規・慣行に反する取引を行ったところ、Cがその取引によって損害を被った場合において、Bの当該取引行為が、その外形からみて、Aの事業の範囲内に属するものと認められるときであっても、Cが、当該取引行為がBの支店長としての職務権限を逸脱して行われたものであることを知り、又は、重大な過失によりそのことを知らないで、当該取引をしたと認められるときは、Cは、Aに対して、民法第715条に基づく損害賠償を請求することができない。○
会社Aの従業員Bが、一緒に仕事をしていた他の従業員Cとの間で業務の進め方をめぐって言い争った挙句、Cに暴行を加えて損害を発生させたとしても、AはCに対して、民法第715条に基づく損害賠償を請求することができない。×
会社Aの従業員Bが、Aの社用車を運転して業務に従事していたところ、Bの過失によりCの車に追突して損害を生じさせたため、AがCに対して修理費を支払った場合には、Aは、自らに過失がないときに限り、Bに対してその全額を求償することができる。×
米国企業の多角化戦略を分類したR.P.ルメルトは、非関連事業の分野に多角化した企業の方が、本業の周辺事業や関連事業といった分野に多角化した企業よりも業績が高いことを明らかにした。彼は、その要因として、経営者の事業の概念における見方や経営資源の割当て方であるドミナント・デザインを挙げた。×
M.E.ポーターは、競争戦略の基本型について、戦略ターゲットと戦略性優位の2つの基準を用いて類型化した。このうち、戦略ターゲットが業界全体に及ぶ場合は、コスト・リーダーシップ戦略のみが適合的であるとした。また、業界内の特定の市場セグメントのみをターゲットとする場合は、顧客が知覚するユニークさに優位性があれば、集中戦略ではなく差別化戦略が適合的であるとした。×
ポジショニング戦略論におけるレントは、企業が希少価値のある資源を保有することから生じるリカードのレントである。異質性が高くユニークな資源を蓄積した企業は、独占的地位を確保できるので、価格を釣り上げて利益をあげることができる。この独占的地位を脅かす新たな敵対関係を分析するためのポジショニング戦略論の枠組みが、VRIOフレームワークである。×
業界標準の獲得競争では、自社規格の製品を他社に先駆けて発売し、後発規格の製品よりも先にクリティカル・マスに到達することがその成否を分けるとされる。一定の普及率であるクリティカル・マスに先に到達することができれば、ネットワーク外部性が働く製品では、その働きによりデファクト・スタンダードの獲得が可能となる。○
内部的展開によって多様な関連事業に進出した我が国の大手電機メーカーにおいて、製品系列を整理して選択と集中を行うために開発された分析ツールがプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)である。PPMから導かれる戦略類型には、問題児を花形に移行させる「シェア維持」や花形を金のなる木に移行させる「研究開発」などがある。×
R.K.マートンは官僚制の逆機能について指摘した。これによれば、例えば、組織における行動に関する信頼性が強調されると、組織メンバーが規則を遵守することで行動を硬直化させ、顧客の個別ニーズに対応できなくなり、顧客とのトラブルが増加する。その結果、さらに信頼性を強調する必要が出てきて、一層規則遵守が徹底されるようになる。○
第二次世界大戦後の日本企業の経営慣行は日本的経営と呼ばれ、その特徴である終身雇用、年功賃金、産業別労働組合は「三種の神器」と呼ばれた。1960年代までは、こうした特徴がわが国の経済成長の主要国であるとして海外から高く評価されたが、1970年代に入ると、P.F.ドラッカーらによって、日本的経営は前近代的であると批判されるようになった。×
企業間の戦略と業績の差異を生み出す要因について、企業に蓄積されたヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源に注目して説明したものが資源依存理論である。この理論においては、資源が適切に活用されているかについて、価値、希少性、模倣困難性及び組織といった観点から分析がなされる。×
1940年代までのリーダーシップの初期研究では、リーダーの行動と業績の関係に研究の重点が置かれていたが、1950年代に入ると状況好意性とリーダーシップ・スタイルの関係が研究対象になり、R.リッカートは、人間関係志向のリーダーシップ・スタイルがどのような状況でも有効であるとするコンティンジェンシー理論を提唱した。×
マトリックス組織は、機能ごとに全社共通の部門とするか、事業部内に配置するかを判断して組織編成が行われており、ライン・アンド・スタッフ組織とも呼ばれる。また、マトリックス組織は、個々の組織メンバーについて、命令系統一元化の原則に反して2人以上の上司が存在することになることから、連結ピン組織の一形態である。×
わが国の大手自動車会社の生産方式の重要な構成要素であるカンバン方式は、基本生産計画に基づき部品展開して所要量を計算した後、中央集権的に作った生産工程を全工程に一斉に伝達・指示する押し出し方式を採用しており、無駄な在庫が生まれにくい仕組みとなっている。×
リード・タイムの短縮化を実現する製品開発手法の一つに、各機能部門が業務を同時並行させて製品開発を行うシーケンシャル・エンジニアリングがある。これに対して、製品開発に関わる各部門が、個別に業務を完了させてから次の部門に引き継ぐ方式はコンカレント・エンジニアリングと呼ばれ、起こり得る問題を早期に発見し解決するフロント・ローディングが実現される。×
R.H.ヘイズらが示した製品・工程マトリックスによると、製品標準化が進むと、品種数を減らしてロットサイズを大きくできるので、製品のタイプとしては少量生産よりも大量生産の方が適合的になる。また、同時にフレキシビリティの要求は弱まるので、工程のタイプとしては、ラインフローや連続フローなどの流れ生産よりもプロジェクトやジョブショップが適合的になる。×
利益を管理するためのCVP分析において、変動費が売上高に等しくなるポイントは損益分岐点と呼ばれ、損益分岐点における売上高は「変動費÷限界利益率」によって求められる。したがって、損益分岐点における利益は、変動費は回収できているものの固定費の分だけマイナスとなっている。×
伝統的なイノベーションの分類によると、連続的・累積的なイノベーションの積み重ねによるインクリメンタル・イノベーションや、新しい技術の挑戦といったリスクを伴うラディカル・イノベーションがある。この分類に対して、C.M.クリステンセンは、分断的イノベーションとは既存の技術的トラジェクトリを破断し、別の新たな技術進歩の軌道を作るものであるとした。○
1970年代初頭のオイル・ショック以前においては、我が国の企業は、日本国内における低水準の賃金などに代表される企業特殊性優位を活用して、直接輸出によって国外市場に製品を投入していた。しかし、円高により輸出品が割高になると、日本国内で国家特殊性優位を有する企業は、その優位を活用してライセンシングやフランチャイジングなどの海外直接投資を行うようになった。×
憲法第14条第1項は、国民に対し絶対的な平等を保障したものではなく、差別すべき合理的な理由なくして差別することを禁止している趣旨と解すべきであるから、事柄の性質に即応して合理的と認められる差別的取扱いをすることは、なんら同項の否定するところではない。○
日本国民である父の嫡出でない子について、父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得したことを届け出による日本国籍取得の要件とする国籍法の規定は、父母の婚姻及び嫡出子たる身分の取得を要件としている部分が憲法第14条第1項に違反し、無効である。しかし、そのことから日本国民である父の嫡出でない子が認知と届出のみによって日本国籍を取得し得るものと解することは、裁判所が法律に定めのない新たな国籍取得の要件を創設するという立法作用を行うことになるから、許されない。×
男子の定年年齢を60歳、女子の定年年齢を55歳と定める会社の就業規則の規定は、当該会社の企業経営上の観点から定年年齢において女子を差別しなければならない合理的理由が認められない限り、もっぱら女子であることのみを理由として差別したことに帰着するものであり、性別のみによる不合理な差別を定めたものとして、民法第90条の規定により無効である。○
嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする民法の規定は、父母が婚姻関係になかったという、子が自ら選択する余地のない事柄を理由として不利益を及ぼすものであって、憲法第14条第1項に違反するものである。したがって、当該規定の合憲性を前提としてすでに行われた遺産の分割については、法律関係が確定的なものとなったものも含め、当該規定が同項に違反していたと判断される時点に遡って無効と解するべきである。×
企業は、自己の営業のために労働者を雇用するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、原則として自由に決定することができるが、労働者の採否決定にあたり、労働者の思想、信条を調査し、これに関連する事項について申告を求めた上で雇入れを拒否することは、思想、信条による差別待遇を禁止する憲法第14条第1項に違反する。×
憲法は、歴史的に確立された近代的裁判制度を前提として裁判を受ける権利を人権として保障し、裁判制度として、裁判の公開や三審制の審級制度を明文で規定している。×
裁判を受ける権利については、その性質上外国人にもその保障が及ぶと一般に解されており、裁判所法は、被告人が外国人である刑事裁判においては、裁判所は、検察官の同意を得た上で、日本語以外の言語を用いて裁判を行う事を決定することができる旨規定している。×
憲法第32条は、訴訟法で定める管轄権を有する具体的裁判所において裁判を受ける権利を保障したものであるが、管轄違いの裁判所がした裁判であっても、それが恣意的な管轄の間違いでない限り、同条に違反しないとするのが判例である。×
裁判員制度は、公平な「裁判所」における法と証拠に基づく適正な裁判が行われることが制度的に十分保障されている上、裁判官は刑事裁判の基本的な担い手とされているものと認められ、憲法が定める刑事裁判の諸原則を確保する上での支障はなく、憲法第32条に違反しないというのが判例である。○
憲法第40条は、何人も、抑留または拘禁された後、無罪の裁判を受けた時は、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができると定めているが、同条にいう「抑留又は拘禁」には、たとえ不起訴となった事実に基づく抑留または拘禁であると認められるものがあるときは、その部分の抑留および拘禁も含まれるとするのが判例である。○
各議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、国会の会期中その議院の許諾がなければ逮捕されず、議員が国会の会期前に逮捕された場合は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。○
両議員は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判するが、この裁判により議員の議席を失わせるには、総議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする。×
両議員は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定める権能を有するが、憲法上、その権能は憲法及び国会法の規定する内容を除く範囲に明文で限定されている。×
憲法に基づく両議員の議員懲罰権は、あくまで議院内部の秩序を乱した議員の懲罰を可能とするにとどまり、議場外の行為で会議の運営と関係のない個人的行為は懲罰の事由にならない。○
国政調査権を用いて、現に裁判所に係属中の事件について裁判の内容の当否を判断するために調査を行うことは、国会が国権の最高機関とされていることから認められると一般に解されている。×
憲法上、内閣の権限または事務とされているか否か。
最高裁判所の長たる裁判官を任命すること。×
憲法上、内閣の権限または事務とされているか否か。
下級裁判所の裁判官を任命すること○
憲法上、内閣の権限または事務とされているか否か。
法律を誠実に執行し、国務を総理すること○
憲法上、内閣の権限または事務とされているか否か。
国会の臨時会の召集を決定すること○
憲法上、内閣の権限または事務とされているか否か。
参議院の緊急集会を求めること○
憲法上、内閣の権限または事務とされているか否か。
国務大臣の訴追について同意すること。×
地方公共団体は、その区域内における当該地方公共団体の役務の提供等を受ける個人または法人に対して国とは別途に課税権の主体となることまで憲法上予定されているものではないが、法律の範囲内で条例を制定することができるものとされていることなどに照らすと、地方公共団体が法律の範囲内で課税権を行使することは妨げられないとするのが判例である。×
財産権の内容については、法律により統一的に規制しようとするのが憲法第29条第2項の趣旨であるから、条例による財産権の規制は、法律の個別具体的な委任がある場合を除き、許されないと一般に解されている。×
憲法第31条は必ずしも刑罰が全て法律そのもので定められなければならないとするものではなく、法律の委任によってそれ以下の法令で定めることのできるが、条例によって刑罰を定める場合には、その委任は、政令への罰則の委任の場合と同程度に個別具体的なものでなければならないとするのが判例である。×
憲法が各地方公共団体の条例制定権を認める以上、地域によって差別を生ずることは当然に予期されることであるから、かかる差別は憲法が自ら容認するところであり、従って、地方公共団体が売春の取締について各別に条例を制定する結果、その取扱いに差別を生ずることがあっても、憲法第14条に違反しないとするのが判例である。○
ある事項について規律する国の法令がすでにある場合、法令とは別の目的に基づいて、法令の定める規制よりも厳しい規制を条例で定めることができるが、法令と同一の目的に基づいて、法令の定める規制よりも厳しい規制を条例で定めることは、国の法令の趣旨にかかわらず、許されないとするのが判例である。×
行政庁がその裁量に任された事項について裁量権行使の準則を定める場合、国民の権利義務に影響を与えることから、その設定には法律の根拠が必要である。×
法律上、被勾留者との接見が原則として許されているにもかかわらず、当該法律の委任を受けた規則において14歳未満の者に原則として接見を許さないと規定していることは、法律の委任の範囲を超えており、当該規定は無効であるとするのが判例である。○
従来非課税措置が採られていた物品に、通達を契機として課税処分がされた場合には、当該通達の内容が法律の正しい解釈に合致するとしても、当該課税処分は、法律に基づく処分と解することはできないため、無効とするのが判例である。×
行政手続法上、命令等を定める機関が命令等を定めようとする場合には広く一般の意見を求めなければならないとされており、意見提出ができる者も当該命令等の利害関係者に限定されていない。○
行政手続法上、命令等を定める機関は、命令等を定めた後においても、当該命令等の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、必要に応じ、当該命令等の内容について検討を加え、その適正を確保するよう努めなければならないとされている。○
行政庁は、許認可等を取り消す不利益処分をしようとする場合、当事者以外の者であって当該不利益処分の根拠となる法令に照らし当該不利益処分につき利害関係を有するものと認められる者がいるときは、公聴会の開催により、その者の意見を聞く機会を求めるよう努めなければならない。×
行政庁は、不利益処分をする場合には、その名宛人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りではない。○
不利益処分の名あて人となるべき者には、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対する当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧及び複写の請求が認められており、当該請求がされた場合、行政庁は、正当な理由があるときでなければ、当該請求を拒むことができない。×
弁明の機会の付与は、聴聞と比較してより略式の手続きであり、弁明の機会の付与を行う場合、行政庁は、不利益処分の名あて人となるべき者に対して、当該不利益処分の原因となる事実まで通知する必要はない。また、弁明は原則として書面で行われる。×
申請により求められた許認可等を拒否する処分は、申請に対する処分に当たると同時に不利益処分にも当たるため、当該拒否処分には、申請に対する処分に関する規定が適用されるほか、不利益処分に関する規定が準用される。×
行政不服審査法は、一般概括主義を採用し、処分、不作為、行政立法、行政指導等の態様を問わず、広く行政作用全般について審査請求を認めている。×
地方公共団体に対する処分のうち、地方公共団体がその固有の資格において相手方となる処分には行政不服審査法の規定は適用されない。しかし、地方公共団体が一般私人と同様の立場で相手方となる処分には同法の規定は適用されると一般に解されている。○
行政不服審査法は、国民の権利利益の救済に加えて、行政の適正な運営の確保も目的としていることから、審査請求をすることができる「行政庁の処分に不服がある者」について、必ずしも審査請求をする法律上の利益を有している必要はない旨を規定している。×
行政不服審査法の適用除外とされている処分等は、議会の議決によってされる処分等、その性質に照らしておよそ行政上の不服申立てを認めるべきでないと考えられたものであり、別の法令においても不服申立ての制度は設けられていない。×
地方公共団体の機関が行う処分のうち、法律に基づく処分については行政不服審査法の規定が適用されるが、根拠規定が条例におかれている処分については同法の規定が適用されない。×
非申請型の義務付けの訴えを提起することができるのは、一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずる恐れがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限られる。○
裁判所は、行政事件訴訟法第37条の2第1項に規定する「重大な損害」を生ずるか否かを判断するにあたっては、損害の回復の困難の程度に加えて損害の性質及び程度を考慮するものとされ、処分の内容及び性質について勘案する必要はないとされる。×
非申請型の義務付けの訴えは、行政庁が一定の処分をすべき旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。○
行政事件訴訟法第37条の2第3項に規定する「法律上の利益」の有無の判断については、取消訴訟の原告適格に関する同法第9条第2項の規定を準用することとされている。○
非申請型の義務付けの訴えが行政事件訴訟法第37条の2第1項及び第3項に規定する要件に該当する場合において、その義務付けの訴えにかかる処分につき、行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められるときに限り、裁判所は、行政庁がその処分をすべき旨を命ずる判決をすることができる。×
ある事項に関する法律解釈につき異なる見解が対立し、実務上の取り扱いも分かれていて、そのいずれについても相当の根拠が認められる場合に、公務員がその一方の見解を正当と解してこれに立脚して公務を執行したときは、後にその執行が違法と判断されたからといって、直ちに当該公務員に国家賠償法1条第1項にいう過失があったものとすることは相当でない。○
警察官のパトカーによる追跡を受けて車両で逃走する者が惹起した事故により第三者が損害を被った場合において、当該追跡行為が国家賠償法第1条第1項の適用上違法であるというためには、追跡が現行犯逮捕、職務質問等の職務の目的を遂行する上で不必要であるか、または逃走車両の走行の態様および道路交通状況から予測される被害発生の具体的危険性の有無・内容に照らして追跡の開始、継続もしくは方法が不相当であることを要する。○
保健所に対する国の嘱託に基づいて公共団体の職員である保健所勤務の医師が国家公務員の定期健康診断の一環としての検診を行った場合、当該医師の行った検診行為は国の公権力の行使にあたる公務員の職務上の行為と解すべきであり、当該医師の行った検診に過誤があったため受診者が損害を受けたときは、国は国家賠償法第1条第1項の規定による損害賠償責任を負う。×
国または公共団体以外の者の被用者が第三者に損害を加えた場合において、当該被用者の行為が国または公共団体の公権力の行使にあたるとして国または公共団体が被害者に対して国家賠償法第1条第1項に基づく損害賠償責任を負うときであっても、同項は組織法上の公務員ではないが国家賠償法上の公務員に該当する者の使用者の不法行為責任まで排除する趣旨ではないから、使用者は民法第715条に基づく損害賠償責任を負う。×
未成年者Aが、親権者Bの同意を得ずに、祖父Cから大学進学の資金として100万円の贈与を受けた場合には、Bは、Aが締結したCとの贈与契約を取り消すことができる。×
成年被後見人Aが、成年後見人Bの同意を得ずに、自宅近くにあるスーパーマーケットCで日常の食事の材料として食料品を購入した場合には、Bは、Aが締結したCとの売買契約を取り消すことができる。×
家庭裁判所は、保佐人Aの請求により、被保佐人Bの同意を得ることなく、Bが所有する家屋の売買についてAに代理権を付与する旨の審判をすることができる。×
家庭裁判所が、補助開始の審判によってAを被補助人とし、補助人としてBを選任した上で代理権を付与したが、同意権は付与しなかった場合には、Aの行為能力は制限されない。○
未成年者Aが、親権者Bの同意を得ずに、大型家電量販店Cで高価な家電製品を購入した場合において、Cは、Aが成年に達しない間に、Bに対し、1ヶ月以上の期間を定めて、Aが締結したCとの売買契約を追認するかどうかその期間内に確答すべき旨の催告をすることができる。○
同じ内容の物権は、一つの物の上に一つしか成立しないことから、不動産投機法に基づき登記された一筆の土地について、その一部の譲渡を受けた場合、譲受人は、分筆登記の手続きを経ない限り、当該土地の一部について所有権を取得することはできない。×
所有権について取得時効が成立するためには、占有の目的物が他人の物であることを要することから、自己の所有権に基づいて不動産を占有する者が、当該不動産について取得時効を援用することは許されない。×
AがBに不動産甲を譲渡し、登記を経ないうちに、Aが甲を背徳的悪徳者Cに二重に譲渡し、更にCから甲を譲り受けたDが登記を経由し他場合、Dは、Bに対する関係でD自身が背徳的悪意者と評価されない限り、Bに対し、甲の所有権の取得を対抗することができる。○
占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有することが法律上推定されることから、Aが無権利者Bから取引行為によって動産甲を取得して占有を始めた場合において、Aが甲についての即時取得を主張するときは、Bが権利者であると信じたことにつき過失がなかったことを立証すれば足りる。×
道路運送車両法による登録を受けている自動車は、登録がその所有権の得喪の公示方法とされているため、即時取得により所有権を取得することはできないが、同法による登録を受けていない自動車については、即時取得により所有権を取得することができる。○
AがBに土地を売却して引き渡したが、その登記がされないうちに、AがCに当該土地を二重に売却し、Cが登記をした場合において、Cが当該土地を占有するBに対して土地明渡請求をしたときは、Aは、Bに対する代金債権を被担保債権として、Cに対し、留置権を行使することができる。×
AがBに土地を売却し、Bが、Aに代金を支払わないうちに、Cに当該土地を転売した場合において、Cが当該土地を占有するAに対して土地明渡請求をしたときは、Aは、Bに対する代金債権を被担保債権として、Cに対し、留置権を行使することができる。○
建物の賃借人が、賃貸借契約の終了時に、賃借中に支出した必要費若しくは有益費の償還請求権を被担保債権として、建物について留置権を行使したときは、特段の事情のない限り、その償還を受けるまで従前のとおり建物に居住することができる。○
AがBから宅地造成工事を請け負い、工事が完了した土地を順次Bに引き渡した場合において、Aが、Bの工事代金の未払いを理由に残りの土地について留置権を行使するときは、特段の事情のない限り、被担保債権の範囲は、工事代金のうち、工事を請け負った土地全体に占める未だ引き渡していない土地の面積の割合に相当する部分に限られる。×
建物の賃借人Aが、債務不履行により賃貸人Bから賃貸借契約を解除された後、権原のないことを知りながら不法に建物を占有していた場合であっても、建物を不法に占有する間に有益費を支出していたときは、Aは、有益費の償還請求権を被担保債権として、Bに対し、留置権を行使することができる。×
根抵当権者は、確定した元本については極度額を限度としてその根抵当権を行使することができ、利息や債務の不履行によって生じた損害の賠償金については、元本との合計額が極度額を超える場合にも、その根抵当権を行使することができる。×
根抵当権の極度額を変更する場合には、利害関係者の承諾を得る必要があるが、元本の確定前に根抵当権の担保すべき債権の範囲を変更する場合には、第三者の承諾を得ることを要しない。○
根抵当権の担保すべき元本が確定する期日は、当事者間の合意によって何年先であっても自由に設定及び変更することができるが、期日の変更について、変更前の期日より前に登記をしなかったときは、担保すべき元本はその変更前の期日に確定する。×
根抵当権の元本の確定前に債務者の保証人が債務者に代わって弁済をした場合には、保証人は今抵当権を行使することができない。○
元本の確定前に根抵当権者が死亡した場合、根抵当権の被担保債権の範囲は、相続開始の時に損する債権をもって自動的に確定する。×
連帯債務者AおよびBのうち、Aが債権者Cに対して反対債権を有する場合において、Aが相殺を援用したときは、債権は、Aのみの利益のために消滅する。×
既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには、受働債権につき、期限の利益を放棄することができるというだけではなく、期限の利益の放棄又は喪失等により、その弁済期が現実に到来していることを要する。○
使用者は、労働者に対して有する不法行為に基づく損害賠償請求権を自働債権とし、賃金債権を受働債権とする相殺をすることができる。×
AがBのCに対する債権を差し押さえた場合に、Cが差押前に取得したBに対する債権の弁済期が差押えの時点で未到来であり、かつ、差し押さえられた債権の弁済期よりも後に到来するときは、Cは、両債権の相殺をもってAに対抗することができない。×
不動産の賃借人は、賃借権に基づいて、賃貸人に対して当然にその登記を請求する権利を有する。×
賃貸借契約の解除をした場合には、その解除は契約締結時に遡ってその効力を生ずるが、解除以前に生じた損害賠償請求権は消滅しない。×
物の賃借人が有益費を支出した後、建物の所有権譲渡により賃貸人が交替した場合には、特段の事情のない限り、新賃貸人が当該有益費の償還義務を承継し、旧賃貸人は償還義務を負わない。○
貸主Aが借主Bとの間で建物の賃貸借契約を締結し、更にBがAの同意を得てCとの間で当該建物の転貸借契約を締結した場合において、AB間の賃貸借契約がBの債務不履行を原因として解除により終了した時であっても、AはCに当該建物の返還を請求することができない。×
AがBに対して建物所有を目的として土地を賃貸しており、その契約中にBがAの承諾を得ずに借地内の建物の増改築をするときはAは催告を要せずに契約の解除ができる旨の特約があるにもかかわらず、BがAの承諾を得ずに建物の増改築をした場合において、当該増改築は借地人の土地の通常の利用上相当であり、土地賃貸人に著しい影響を及ぼさないため、賃貸人に対する信頼関係を破壊するおそれがあると認めるに足りないときは、Aは当該特約に基づき解除権を行使することができない。○
兄Aが、その出先から自宅に連絡して弟BにA所有の自動車で迎えに来させた上、Bに自動車の運転を継続させ、これに同乗して自宅に帰る途中でBが運転を誤りCに損害を生じさせた場合において、Aが同乗中に助手席でBに運転上の指示をしていたなどの事情がある時は、Aは、Cに対して、民法第715条に基づく損害賠償責任を負う。○
大臣秘書官Aが、私用のために国が所有する自動車を職員Bに運転させてこれに乗車していたところ、当該自動車がCの運転する自動車と衝突してCに損害を生じさせた場合には、国はCに対して、民法第715条に基づく損害賠償責任を負わない。×
銀行Aの支店長Bが、会社Cとの間で、Aの内規・慣行に反する取引を行ったところ、Cがその取引によって損害を被った場合において、Bの当該取引行為が、その外形からみて、Aの事業の範囲内に属するものと認められるときであっても、Cが、当該取引行為がBの支店長としての職務権限を逸脱して行われたものであることを知り、又は、重大な過失によりそのことを知らないで、当該取引をしたと認められるときは、Cは、Aに対して、民法第715条に基づく損害賠償を請求することができない。○
会社Aの従業員Bが、一緒に仕事をしていた他の従業員Cとの間で業務の進め方をめぐって言い争った挙句、Cに暴行を加えて損害を発生させたとしても、AはCに対して、民法第715条に基づく損害賠償を請求することができない。×
会社Aの従業員Bが、Aの社用車を運転して業務に従事していたところ、Bの過失によりCの車に追突して損害を生じさせたため、AがCに対して修理費を支払った場合には、Aは、自らに過失がないときに限り、Bに対してその全額を求償することができる。×
米国企業の多角化戦略を分類したR.P.ルメルトは、非関連事業の分野に多角化した企業の方が、本業の周辺事業や関連事業といった分野に多角化した企業よりも業績が高いことを明らかにした。彼は、その要因として、経営者の事業の概念における見方や経営資源の割当て方であるドミナント・デザインを挙げた。×
M.E.ポーターは、競争戦略の基本型について、戦略ターゲットと戦略性優位の2つの基準を用いて類型化した。このうち、戦略ターゲットが業界全体に及ぶ場合は、コスト・リーダーシップ戦略のみが適合的であるとした。また、業界内の特定の市場セグメントのみをターゲットとする場合は、顧客が知覚するユニークさに優位性があれば、集中戦略ではなく差別化戦略が適合的であるとした。×
ポジショニング戦略論におけるレントは、企業が希少価値のある資源を保有することから生じるリカードのレントである。異質性が高くユニークな資源を蓄積した企業は、独占的地位を確保できるので、価格を釣り上げて利益をあげることができる。この独占的地位を脅かす新たな敵対関係を分析するためのポジショニング戦略論の枠組みが、VRIOフレームワークである。×
業界標準の獲得競争では、自社規格の製品を他社に先駆けて発売し、後発規格の製品よりも先にクリティカル・マスに到達することがその成否を分けるとされる。一定の普及率であるクリティカル・マスに先に到達することができれば、ネットワーク外部性が働く製品では、その働きによりデファクト・スタンダードの獲得が可能となる。○
内部的展開によって多様な関連事業に進出した我が国の大手電機メーカーにおいて、製品系列を整理して選択と集中を行うために開発された分析ツールがプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)である。PPMから導かれる戦略類型には、問題児を花形に移行させる「シェア維持」や花形を金のなる木に移行させる「研究開発」などがある。×
R.K.マートンは官僚制の逆機能について指摘した。これによれば、例えば、組織における行動に関する信頼性が強調されると、組織メンバーが規則を遵守することで行動を硬直化させ、顧客の個別ニーズに対応できなくなり、顧客とのトラブルが増加する。その結果、さらに信頼性を強調する必要が出てきて、一層規則遵守が徹底されるようになる。○
第二次世界大戦後の日本企業の経営慣行は日本的経営と呼ばれ、その特徴である終身雇用、年功賃金、産業別労働組合は「三種の神器」と呼ばれた。1960年代までは、こうした特徴がわが国の経済成長の主要国であるとして海外から高く評価されたが、1970年代に入ると、P.F.ドラッカーらによって、日本的経営は前近代的であると批判されるようになった。×
企業間の戦略と業績の差異を生み出す要因について、企業に蓄積されたヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源に注目して説明したものが資源依存理論である。この理論においては、資源が適切に活用されているかについて、価値、希少性、模倣困難性及び組織といった観点から分析がなされる。×
1940年代までのリーダーシップの初期研究では、リーダーの行動と業績の関係に研究の重点が置かれていたが、1950年代に入ると状況好意性とリーダーシップ・スタイルの関係が研究対象になり、R.リッカートは、人間関係志向のリーダーシップ・スタイルがどのような状況でも有効であるとするコンティンジェンシー理論を提唱した。×
マトリックス組織は、機能ごとに全社共通の部門とするか、事業部内に配置するかを判断して組織編成が行われており、ライン・アンド・スタッフ組織とも呼ばれる。また、マトリックス組織は、個々の組織メンバーについて、命令系統一元化の原則に反して2人以上の上司が存在することになることから、連結ピン組織の一形態である。×
わが国の大手自動車会社の生産方式の重要な構成要素であるカンバン方式は、基本生産計画に基づき部品展開して所要量を計算した後、中央集権的に作った生産工程を全工程に一斉に伝達・指示する押し出し方式を採用しており、無駄な在庫が生まれにくい仕組みとなっている。×
リード・タイムの短縮化を実現する製品開発手法の一つに、各機能部門が業務を同時並行させて製品開発を行うシーケンシャル・エンジニアリングがある。これに対して、製品開発に関わる各部門が、個別に業務を完了させてから次の部門に引き継ぐ方式はコンカレント・エンジニアリングと呼ばれ、起こり得る問題を早期に発見し解決するフロント・ローディングが実現される。×
R.H.ヘイズらが示した製品・工程マトリックスによると、製品標準化が進むと、品種数を減らしてロットサイズを大きくできるので、製品のタイプとしては少量生産よりも大量生産の方が適合的になる。また、同時にフレキシビリティの要求は弱まるので、工程のタイプとしては、ラインフローや連続フローなどの流れ生産よりもプロジェクトやジョブショップが適合的になる。×
利益を管理するためのCVP分析において、変動費が売上高に等しくなるポイントは損益分岐点と呼ばれ、損益分岐点における売上高は「変動費÷限界利益率」によって求められる。したがって、損益分岐点における利益は、変動費は回収できているものの固定費の分だけマイナスとなっている。×
伝統的なイノベーションの分類によると、連続的・累積的なイノベーションの積み重ねによるインクリメンタル・イノベーションや、新しい技術の挑戦といったリスクを伴うラディカル・イノベーションがある。この分類に対して、C.M.クリステンセンは、分断的イノベーションとは既存の技術的トラジェクトリを破断し、別の新たな技術進歩の軌道を作るものであるとした。○
1970年代初頭のオイル・ショック以前においては、我が国の企業は、日本国内における低水準の賃金などに代表される企業特殊性優位を活用して、直接輸出によって国外市場に製品を投入していた。しかし、円高により輸出品が割高になると、日本国内で国家特殊性優位を有する企業は、その優位を活用してライセンシングやフランチャイジングなどの海外直接投資を行うようになった。×