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共犯
108問 • 17日前
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    問題一覧

  • 1

    共同正犯とは、単独でも犯すことのできる犯罪を、2人以上の者が共同して実行することをいうが、法益侵害の結果に向けて、一方が積極的行為を行い他方が不作為で関与する場合のような、作為犯と不作為犯との共同正犯は成立し得ない。

  • 2

    共同正犯が成立するためには、共同実行の意思が必要であるところ、一方 にはその意思があるものの、他方にはこれが欠けている、いわゆる「片面的 共同正犯」の場合であっても、共同正犯は成立し得る。

  • 3

    共同正犯における中止犯は、共同者全員がその犯罪の実行を中止した場合だけでなく、共同者の一部の者が他の共同者の実行を阻止し、又は結果の発生を阻止した場合にも成立し得る。

  • 4

    共同正犯、教唆犯及び幇助犯の各共犯形式が競合するときは、軽い共犯形式が重い形式に吸収されるので、教唆者が教唆した後に被教唆者を幇助したときは、教唆犯だけが成立する。

  • 5

    共同正犯が成立するためには、互いに実行行為を共同することが必要であるが、法益侵害の結果に向けて一方が積極的行為をし、他方が不作為で関与 した場合にも、共同正犯が成立し得る。

  • 6

    共同正犯とは、 2人以上の者が共同して特定の犯罪を行うものであるところ、必ずしも罪名が同一である必要はなく、各人の該当する構成要件が重なり合う限度で、軽い罪の共同正犯が成立し得るので、数名が病人を放置して死亡させた場合に、殺意のある者は不作為の殺人罪の刑責を負い、殺意のない者との関係では、保護責任者遺棄致死罪の限度で共同正犯となることがある。

  • 7

    共同行為者の一方に共同実行の意思のない、いわゆる片面的共同正犯は、共同正犯として認めることはできないが、それと同様に、幇助者と被幇助者との間に意思の連絡のない片面的幫助犯も、幇助犯として認めることができ ない。

  • 8

    共同正犯における共同実行の意思は、行為者双方になければならないが必ずしも事前の謀議等によって形成される必要はなく、犯行の際にあれば足りるので、犯行現場において即時的に形成される、いわゆる現場共謀であってもよい。

  • 9

    共同正犯の中止未遂に関し、例えば、甲と乙が共謀のうえ、A宅に侵入し て金品を物色中、甲が悔悟の念から窃盗を中止するとともに、乙の窃盗をも阻止した場合には、甲・乙共に窃盗の中止未遂が成立する。

  • 10

    共同正犯による共同実行の意思の連絡は、必ずしも事前の共謀に基づいて行われなくてもよく、犯行現場の実行行為の際に行われてもよい。

  • 11

    共同正犯が成立したとしても、常に共同正犯者の全員が同一の罪名になるというわけではなく、また、全員が同一の罪名になった場合でも、その法定刑が全員同一であるとは限らない。

  • 12

    共同正犯が成立するには、共同実行の意思と共同実行の事実が必要となるところ、共同実行の意思は、犯罪行為を行うに当たり、各行為者が相互に依存し協力して犯罪を実現しようとするものでなければならないことから、他人の犯行を傍観又は認識しているというだけでは共同実行の意思があるとは いえない。

  • 13

    共同正犯が成立するには、主観的要素である共同実行の意思の連絡を要するところ、共同実行の意思は、行為者全員が相互に持っていなければならず、いわゆる片面的共同正犯は認められない。

  • 14

    共同正犯における共同実行の意思は行為者の双方になければならず、その一方にのみ存在する、いわゆる片面的共同正犯 は認められない。

  • 15

    共同正犯の中止未遂に関し、例えば、甲と乙が共謀のうえ、A宅に侵入し て金品を物色中、甲が悔悟の念から窃盗を中止するとともに、乙の窃盗をも阻止した場合には、甲・乙共に窃盗の中止未遂が成立する。

  • 16

    共同正犯が成立するためには、主観的要件として共同実行の意思の連絡を必要とするが、その意思の連絡は、明示的に行われる必要はなく、暗黙の了解でも足りる。

  • 17

    共同正犯の成立要件である共同実行の意思は、犯罪行為を行うに当たり、 各行為者が相互に依存し、犯罪を実現しようとするものでなければならず、 他人の犯行を傍観又は認識しているだけでは、共同実行の意思があるとはいえない。

  • 18

    自ら犯罪の実行行為を行う意思がなく、単に他人の犯罪実行を幇助するだ けの意思で、実行されるべき犯罪の予備罪に当たる行為をその他人と共同し て行ったが、当該他人が実行の着手に至らなかった場合、この者は、当該他 人の予備罪の幇助犯ではなく、予備罪の共同正犯としての刑責を負う。

  • 19

    2人以上の者が共同の犯罪をする目的で共謀し、そのうちの1人が実行した場合、実行していない者も共謀共同正犯の刑責を負う。

  • 20

    刑法は、身分犯に加功した非身分者について、共犯とする旨を定めているところ、ここにいう「共犯」には、教唆犯や幇助犯のほかに共同正犯も含まれる。

  • 21

    業務上占有者と非占有者が共謀して財物を横領した場合、ともに業務上横領罪の共同正犯が成立するが、非占有者には単純横領罪の刑を科している。

  • 22

    業務上横領行為を共謀しこれを実行した場合において、共謀者の1人が 非身分者であり業務者でも物の占有者でもないときであっても、共謀者全員に業務上横領罪の共同正犯が成立するが、当該非身分者には単純横領罪の刑が科されることになる。

  • 23

    X社の経理課長甲とその友人の乙が共謀し、甲が自ら業務上占有するX社の現金を持ち出して、2人で遊興に費消した場合、乙は業務者でも当該現金に対する占有者でもないが、業務上横領罪の共謀共同正犯の刑責を負う。

  • 24

    承継的共同正犯とは、先行者が犯罪の実行行為に着手し、その実行行為が終了しない段階で、後行者が当該先行者との間に共同実行の意思を生じ、以後は両者が共同して残りの実行行為を行うものをいう。

  • 25

    先行者が被害者に対し暴行を加えて傷害を負わせた後、後行者が合流して先行者に共謀・加担したうえ、更に先行者及び後行者がそれ以前よりも強度の暴行を加えて被害者の傷害を重篤化させた場合、共謀・加担前に既に生じていた傷害結果につき、後行者の行為が因果関係を有することはないから、 いわゆる承継的共同正犯は傷害罪については成立しない

  • 26

    共謀共同正犯において、実行に着手した後、一部の共謀者が他の共謀者全員に離脱の意思を表明し、他の者がこれを了承すれば、それだけで共犯の離脱が認められ、その者は、それ以降に発生する結果について責任を負わない。

  • 27

    社会生活上危険かつ重大な結果の発生が予想される場合において、相互利用・補充による共同の注意義務を負う共同作業者が現に存在し、その共同作業者間において、当該注意義務を怠った共同の行為があると認められる場合には、共同作業者全員に対して、過失犯の共同正犯の成立を認めることができる。

  • 28

    2人以上の者が、特定の犯罪を行うため、共同意思の下に一体となって互いに他人の行動を利用し、各自の意思を実行に移すことを内容とする謀議を行い、犯罪を実行した事実が認められた場合には、共謀共同正犯となる。

  • 29

    共謀共同正犯が成立するためには、少なくとも共謀者の1人が共謀に基づいた実行行為を行うことが必要であるところ、共謀者の1人が共謀と異なる実行行為を行ったときは、他の共謀者にその実行行為及び結果についての刑事責任を負わせることはできない。

  • 30

    成人の行為者が、物事の是非善悪を弁別する能力を有する刑事未成年者に 対して、その自由意思を抑圧しない限度において犯罪の実行を働き掛けてこ れを実現させた場合、当該刑事未成年者が正犯となるので、働き掛けた成人 に間接正犯は成立せず、当該犯罪の教唆犯又は共同正犯が成立する。

  • 31

    甲と乙は強盗を共謀し、X銀行に押し入り、現金を強取した後、二手に分かれて逃走を図ったが、その際、甲が銀行員に追跡され、それを逃れるために暴行を加え、傷害を負わせた場合、乙も強盗致傷罪の刑責を負う。

  • 32

    甲と乙が、Aの不在を狙ってA宅への放火を共謀したところ、乙が勝手にたまたま居合わせたAを殺害した場合、いわゆる抽象的事実の錯誤であるから、原則として共同正犯の故意は阻却され、甲は殺人罪について共同正犯とならない。

  • 33

    殺人の共謀をした者のうち1人が、相手を誤認して別人を殺害した場合、 共謀者全員について故意が認められ、全員が殺人罪の刑責を負うことになる。

  • 34

    必要的共犯のうち、構成要件上、相対する数人の行為者の対立的行為を必 要とするものを対向犯といい、対向犯の関係にある者の一方の行為者だけについて処罰規定がある場合は、その相手方は共犯として処罰できないのが原則である。

  • 35

    結果的加重犯とは、基本となる犯罪を犯して意図しない重い結果が発生した場合に、刑が加重される犯罪をいうところ、その基本行為について共謀していれば、発生した結果が共謀の内容を一定範囲で超えていても、当該基本行為と発生した結果との間に因果関係が認められる限り、結果的加重犯の共同正犯が成立する。

  • 36

    結果的加重犯の基本行為について共謀していれば、発生した結果が共謀の内容を一定範囲で超えていても、その基本行為と発生した結果との間に因果関係が認められる限り、結果的加重犯の共同正犯が成立する。

  • 37

    共犯の錯誤に関し、共犯者の認識と正犯者が実行した犯罪事実とが異なる場合、その不一致が同一の構成要件の範囲内にある限り、「客体の錯誤」であれ「方法の錯誤」であれ、共犯者の故意は阻却されない。

  • 38

    犯罪を共謀した者のうち、首謀者について、犯罪の実行の着手前に共犯関係からの離脱が認められるためには、共謀関係から離脱する旨の意思表示をしたこと、他の者がこれを了承したことだけでは足りず、これらに加えて、 共謀関係がなかった状態に復元させなければならない。

  • 39

    犯罪を共謀した者のうち、1人がその犯行直前に共犯関係からの離脱を表名した場合であっても、他の共犯者の了承を受けなければ共犯関係からの離脱は認められない。

  • 40

    犯罪の実行着手前の共犯関係からの離脱は、他の共謀者に離脱する意思を表明し、これを全員が了承することを要するので、この了承がない限り、被害者に対して共謀計画の一切を告白したとしても、離脱は認められない。

  • 41

    一定の身分が犯罪構成要件の要素となっている犯罪に、身分のない者が加功した場合、非身分者も共犯として一定の刑責を負うところ、この場合の加功の態様については、共同正犯、教唆犯、幇助犯のいずれであってもよい。

  • 42

    不真正身分犯において、非身分者が身分者に加功した場合、身分がない者には通常の刑が科せられ、身分がある者には身分があることによって加重された刑が科せられるところ、ここにいう通常の刑とは、非身分者が単独犯であった場合に科せられる刑を意味する。

  • 43

    「未遂の教唆」とは、教唆者が被教唆者の実行行為を当初から未遂に終わらせる意思で教唆する場合をいうが、教唆犯の故意は、他人に犯罪実行の決意を生ぜしめようという意図があれば十分であって、結果の発生まで意欲する必要はないから、この場合に被教唆者が実行に着手すれば、教唆犯が成立し得る。

  • 44

    教唆行為は、相手方に一定の犯罪の実行の決意を生じさせることを要するが、その手段、方法には特に制限はなく、指示、指揮、命令のほか、誘導や慫慂等によるものであってもかまわない。

  • 45

    教唆犯における教唆とは、特定の者に特定の犯罪の実行を決意させることであるから、被教唆者たる「人」は特定の者でなければならないが、特定してあればよく、教唆者は被教唆者がどこの誰であるかを知っている必要はない。

  • 46

    他人を唆して特定の犯罪を実行する決意を生じさせた場合には、唆された者が実際に当該犯罪の実行に着手しなくても、教唆犯が成立する。

  • 47

    教唆犯における教唆行為は、人に特定の犯罪を実行する決意を生じさせる に足りるものでなければならないから、例えば、妊婦に対して出産後にその 新生児を殺害するよう唆す場合のように、教唆行為の当時、教唆に基づく犯 罪行為の客体がいまだ存在しない場合には、犯罪の特定性を欠くため教唆犯 は成立しない。

  • 48

    教唆行為は、相手方に一定の犯罪の実行の決意を生じさせることを要するが、その手段・方法には、特に制限はなく、指示・指揮・命令のほか、誘導・慫慂等によるものであってもかまわない。

  • 49

    教唆犯が成立するためには、被教唆者が教唆行為に基づき、特定の犯罪の 実行行為を行う必要があるが、被教唆者の行為は、構成要件に該当し違法であればよく、有責性は要しないので、刑事未成年者にひったくりをさせる行為は、窃盗罪の教唆犯となる。

  • 50

    教唆犯が成立するためには、教唆者の教唆行為と被教唆者の実行行為との間に因果関係が必要とされていることから、窃盗を教唆したが、被教唆者が、別個の動機・原因に基づいて殺人を犯した場合には、教唆者は、窃盗罪及び殺人罪のいずれの刑責も負わない。

  • 51

    教唆犯における教唆行為は、単に犯罪を行うことを漫然と教唆することだけでは足りず、特定の犯罪行為を行うことを決意させることを要するところ、その日時、場所、方法等の細部について教唆することまでは要しない。

  • 52

    教唆行為は、相手方に一定の犯罪の実行の決意を生じさせることを要するが、その手段、方法には特に制限はなく、指示、指揮、命令のほか、誘導や慫慂等によるものであってもかまわない。

  • 53

    教唆者が、自己の意思により、被教唆者の実行の着手後に、被教唆者の実行を阻止した場合や結果の発生を防止した場合、当該教唆者については、刑の必要的減免を認め得る。

  • 54

    教唆犯を教唆した者には、教唆犯は成立しない。

  • 55

    教唆犯における教唆の故意が認められるためには、他人に犯罪行為の決意を生じさせることに加え、正犯による結果の発生まで意欲することも要する。

  • 56

    「未遂の教唆」とは、 教唆者が被教唆者の実行行為を当初から未遂に終わらせる意思で教唆する場合をいうところ、 教唆者において正犯による犯罪結果の発生まで積極的に意欲する必要はないことから、この場合に被教唆者が実行に着手すれば、教唆犯が成立し得る。

  • 57

    教唆犯には正犯の刑が科され、幇助犯には正犯の刑を減軽した刑が科されるところ、これは、正犯が処罰されなければ教唆犯や幇助犯も処罰されないことを意味するものではなく、教唆犯や幇助犯が処罰されるためには、正犯 が現に処罰されることも、正犯が起訴されることも必要ではない。

  • 58

    教唆犯における教唆とは、犯罪を実行する意思のない者に対し、犯罪を実行する決意を生じさせることであり、教唆行為以前から既に決意を固めていた者に対して行っても、教唆には当たらない。

  • 59

    教唆者が犯罪を教唆した後、考えを改め、犯行をやめさせようと努めた が、被教唆者が犯意を放棄せずに犯行を実行した場合、当該教唆者は教唆犯 の刑責を負う。

  • 60

    教唆とは、相手方に特定の犯罪を実行する決意を生じさせることをいうところ、教唆行為によって相手方に過失犯の犯意を生じさせることは困難であるから、過失犯に対する教唆は認められない。

  • 61

    間接正犯と教唆犯は、双方ともに他人を利用する点で共通するから、他人を道具として利用し自己の犯罪を実行しようとする間接正犯の故意と、他人に犯罪を実行させようとする教唆犯の故意は異なるが、間接正犯の故意は教唆犯の故意を含むといえる。

  • 62

    行為者が故意のない者を利用する態様の間接正犯は、被利用者が構成要件的故意を欠いている以上、被利用者に過失がある場合であっても成立し得る。

  • 63

    日本国外で教唆を行った者であっても、正犯が実行行為を日本国内で行っ た場合には、日本国内において罪を犯したものとして扱われる。

  • 64

    甲が乙に犯罪の実行を唆し、実際に乙がその犯罪を実行したとしても、乙 が以前から犯行を決意していた場合、甲に教唆犯は成立しない。

  • 65

    拘留又は科料のみに処すべき罪の教唆犯は、特別の規定がなければ不可罰であり、刑法においては、侮辱罪がこれに当たる。

  • 66

    2人以上の者が犯罪の実行を共謀し、そのうちの1人が実行行為を行った場合には、共謀者のうち直接実行行為に加わらなかった者も共同正犯としはて処罰されるところ、2人以上の者が他人に犯罪の実行を教唆することを共謀し、共謀者中の1人が教唆行為を行った場合において、被教唆者が犯罪を実行したときは、共謀者のうち直接教唆しなかった者も教唆犯として処罰される。

  • 67

    拘留又は科料のみに処すべき罪を教唆した者は、特別の規定がなくても、教唆犯として処罰される。

  • 68

    幇助者と正犯との間に意思の連絡がなく、正犯が幇助者の行為を認識していない場合であっても、正犯の実行行為を容易にさせる行為をしたときは、幇助犯が成立する。

  • 69

    幇助者と被幇助者の関係について、幇助者に幇助の意思があったとしても、被幇助者に幇助されている認識がなければ、幇助犯は成立しない。

  • 70

    幇助犯の成立には、幇助者が幇助の故意に基づき幇助行為を行うとともに、被幇助者において自分が幇助されていたことを認識し、かつ犯罪の実行行為を行うことを要する。

  • 71

    幇助犯における幇助行為は、正犯の実行行為と同時に行われることを要せず、正犯の実行行為終了後であってもよいので、万引き後に、犯人の依頼を受けてその商品の換金を行った場合には、窃盗罪の幇助犯が成立する。

  • 72

    幇助犯における幇助行為は、他人の特定の犯罪の実行を容易にするに足るものであればその手段・方法を問わないので、物理的・有形的なものはもとより、精神的・無形的なものでもよいが、不作為による幇助は認められない。

  • 73

    不作為により正犯の実行行為を容易にさせた場合には、幇助犯は成立しない。

  • 74

    不作為による幇助犯は、正犯の犯罪を防止すべき作為義務のある者が、この義務に違反して犯罪発生を防止する行為を怠った場合に成立するとされている。

  • 75

    幇助犯における幇助行為とは、実行行為以外の行為であって、正犯の実行を容易にするものであるところ、その手段・方法については制限がないが、 幇助行為の時期については、正犯の実行行為の前又は実行行為と同時になされることを要する。

  • 76

    幇助犯は、正犯の犯行を幇助することによって成立するものであるから、 成立すべき幇助犯の個数は、正犯の罪の個数に従って決定されるところ、その結果として幇助犯が数個成立する場合に、併合罪となるか、又は科刑上一 罪となるかについては、幇助行為自体の個数を基準として決すべきである。

  • 77

    共同正犯、教唆犯及び幇助犯が競合する場合は、軽い共犯形式が重い共犯形式に吸収されるので、教唆・幇助した者が実行行為を分担した場合には共同正犯が成立するが、教唆者が被教唆者を幇助した場合には幇助犯が成立する。

  • 78

    犯罪の教唆行為や幇助行為が行われただけで処罰できるものではなく、教唆犯や幇助犯が成立するためには、正犯が実行に着手したことを要するところ、この場合、正犯が犯罪構成要件に該当すれば足り、たとえ正犯が違法性や有責性を欠いていたとしても、教唆者や幇助者を処罰することを妨げない。

  • 79

    殺人を企図した甲から青酸ソーダの入手を依頼された乙が、その情を知ってこれを入手し甲に手渡したところ、甲が殺人予備罪で逮捕された場合、乙の行為は、同罪の幇助に当たるというのが判例の立場である。

  • 80

    甲と乙女が、強いてA女と性交することを共謀し、乙女が被害者女の腕を押さえ付けている間に、甲がA女と性交した場合、乙女については強制性交等罪の教唆犯又は幇助犯の刑責を負う。

  • 81

    成人が、是非善悪を判断する能力を有する刑事未成年者に対して、その自由な意思を抑圧しない程度で犯罪構成要件に該当する違法行為を教唆し、実行させた場合、刑事未成年者は正犯に当たるので成人は教唆犯であり、間接正犯ではない。

  • 82

    幇助犯が成立するためには、幇助犯が正犯者を幇助する意思で幇助行為を行う必要があり、また、正犯者自身も幇助されたという認識が必要である。

  • 83

    不作為による幇助犯が成立するには、幇助の実行者に正犯者の行為による結果発生を防止すべき法律上の作為義務が存在することを要する。

  • 84

    幇助犯が成立するためには、被幇助者がその幇助行為に基づいて犯罪を実行したことを要するが、この場合、当該幇助行為が正犯の犯行に不可欠である必要はないものの、幇助行為と正犯の実行行為との間に因果関係がなければならない。

  • 85

    幇助とは、 実行行為以外の行為により正犯の実行行為を容易にすることをいうが、幇助行為は、凶器を貸与するなどの物質的幇助はもちろんのこと、助言・激励をするなどの精神的幇助でもよく、不作為による幇助も認められる。

  • 86

    幇助犯における幇助行為は、その方法に制限がないので、凶器の貸与や犯行場所の提供などの態様で行われるもののほかに、犯罪を行う意思を持っていない者に対し犯罪を行う意思を生じさせることも含まれる。

  • 87

    幇助犯の成立に必要な幇助行為とは、実行行為以外の行為であって、正犯の実行を容易にするものをいうところ、単に正犯の実行行為を容易にする可能性があるだけでは足りず、現実に正犯の実行行為を容易にし、かつ、正犯の実行行為に必要不可欠なものであることを要する。

  • 88

    幇助犯に対する教唆は、刑法62条2項において、従犯(幇助犯)の刑を科すると規定されているが、判例上は、幇助犯に対する幇助もまた幇助犯と して処罰できるものとされている。

  • 89

    幇助犯が成立するには、「正犯を幇助すること」及び「正犯が犯罪を実行すること」という2つの要件を満たす必要があるが、その幇助行為が正犯の実行に必要不可欠であることは要しない。

  • 90

    実行行為を行った正犯が、幇助者から幇助を受けていることを知らなかっ た場合を片面的幇助というところ、幇助犯の成立要件としては、正犯者にお いて他人から幇助されているという認識を必ずしも要しないことから、片面的幇助犯も刑法上の幇助犯として処罰できる場合がある。

  • 91

    乙は、裁判所からAに対する150万円の支払を命ずる民事訴訟の判決を 受け、これが確定したことから、自己名義の土地が強制執行を受けるおそれ があると考えた。そこで、乙は、友人の甲と共謀のうえ、X法務局において、 甲から債務を負担した事実がないのに、これがあるかのように装い、自己名 義の土地につき、自己を債務者、甲を債権者として債権額金1億円とする 架空の抵当権設定仮登記を申請し、情を知らない登記官をして、不動産登記 簿の磁気ディスクに不実の記録をさせて、債務の負担を仮装した。 ———————強制執行妨害目的財産損壊等罪の共同正犯

  • 92

    間接正犯とは、他人を道具として利用し実行行為を行う場合をいい、例えば事情を認識していない被利用者に毒入りのコーヒーを運ばせて被害者を毒殺するのが典型だが、被利用者が事情を認識していても、意思を抑圧してその行為を利用した場合には、間接正犯が成立する。

  • 93

    間接正犯とは、責任能力のない他人を道具として利用し犯罪を実行することをいうところ、14歳未満の刑事未成年者を利用した犯罪行為においては、 共同正犯や教唆犯は成立せず、常に間接正犯が成立する。

  • 94

    教唆犯における教唆とは、犯罪を実行する意思のない者に対し、犯罪を実行する決意を生じさせることであり、教唆行為以前から既に決意を固めていた者に対して行っても、教唆には当たらない。

  • 95

    共同正犯が成立するためには、主観的要件として共同実行の意思、客観的要件として共同実行の事実が必要であるところ、「共同実行の意思」とは、2人以上の者が、共同してある特定の犯罪を行おうとする意思をいい、これは、ある犯罪を行うに際して、各行為者が相互に依存・ 協力して犯罪を実現しようとする意思でなければならない。

  • 96

    幇助行為は、単に正犯の実行行為を容易にする可能性があるだけでは足りないが、正犯の実行に不可欠であることまでは要しないと解されている。また、刑法上、幇助犯の刑は、正犯の刑を減軽すると規定されていることから、幇助犯が正犯より重い刑を言い渡されることはない。

  • 97

    賭博の常習者が非常習者の賭博行為に加功した場合のように、不真正身分犯につき、その身分のある者がない者に加功した場合、通説は、身分のある共犯には、常にその身分に応じた刑を科すべきであるとしており、判例も、賭博の常習者が非常習者の賭博を幇助した事案につき、 常習者については常習賭博罪の幇助犯になるとしている。

  • 98

    共謀者の一部の者が、他の共謀者が実行に着手する前に離脱するには、離脱者がその旨の意思表示を行い、他の共謀者がこれを了承することによって共犯からの離脱が認められるところ、 実行行為着手後の離脱が認められるためには、他の共謀者の了承を得ただけでは不十分であり、 結果防止のための積極的行為により、因果性を遮断することが必要である。

  • 99

    幇助の故意とは、正犯の実行行為を認識・認容し、自己の行為が正犯の実行行為の遂行を容易にするものであることの認識をいうが、正犯の実行行為の結果についての認識は必要ないとされているから、未遂の幇助も認められると解されている。

  • 100

    共謀共同正犯とは、共謀はあるが、共同実行の事実(実行行為の分担)という要件を欠く共同正犯をいう。

  • 警察法全般

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    警察法(60条〜)

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    ②告訴(親告罪)

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    ③告発

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    ④自首

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    ⑧検死

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    ⑧検死

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    5問 • 17日前
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    ⑩令状による捜索・差押え(執行)

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    ⑩令状による捜索・差押え(執行)

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    ⑬令状によらない捜索・差押え

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    ⑬令状によらない捜索・差押え

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    総論

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    ⑰鑑定

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    ⑱差押え(郵便物)

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    ⑱差押え(郵便物)

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    ⑲逮捕(その他)

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    ⑲逮捕(その他)

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    ⑳通常逮捕

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    ⑳通常逮捕

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    46問 • 17日前
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    ㉑現行犯逮捕

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    ㉑現行犯逮捕

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    ㉒緊急逮捕

    ㉒緊急逮捕

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    ㉒緊急逮捕

    ㉒緊急逮捕

    59問 • 17日前
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    ㉓逮捕後

    ㉓逮捕後

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    ㉓逮捕後

    ㉓逮捕後

    56問 • 17日前
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    違法性(正防、緊避)

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    違法性(正防、緊避)

    違法性(正防、緊避)

    97問 • 17日前
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    問題一覧

  • 1

    共同正犯とは、単独でも犯すことのできる犯罪を、2人以上の者が共同して実行することをいうが、法益侵害の結果に向けて、一方が積極的行為を行い他方が不作為で関与する場合のような、作為犯と不作為犯との共同正犯は成立し得ない。

  • 2

    共同正犯が成立するためには、共同実行の意思が必要であるところ、一方 にはその意思があるものの、他方にはこれが欠けている、いわゆる「片面的 共同正犯」の場合であっても、共同正犯は成立し得る。

  • 3

    共同正犯における中止犯は、共同者全員がその犯罪の実行を中止した場合だけでなく、共同者の一部の者が他の共同者の実行を阻止し、又は結果の発生を阻止した場合にも成立し得る。

  • 4

    共同正犯、教唆犯及び幇助犯の各共犯形式が競合するときは、軽い共犯形式が重い形式に吸収されるので、教唆者が教唆した後に被教唆者を幇助したときは、教唆犯だけが成立する。

  • 5

    共同正犯が成立するためには、互いに実行行為を共同することが必要であるが、法益侵害の結果に向けて一方が積極的行為をし、他方が不作為で関与 した場合にも、共同正犯が成立し得る。

  • 6

    共同正犯とは、 2人以上の者が共同して特定の犯罪を行うものであるところ、必ずしも罪名が同一である必要はなく、各人の該当する構成要件が重なり合う限度で、軽い罪の共同正犯が成立し得るので、数名が病人を放置して死亡させた場合に、殺意のある者は不作為の殺人罪の刑責を負い、殺意のない者との関係では、保護責任者遺棄致死罪の限度で共同正犯となることがある。

  • 7

    共同行為者の一方に共同実行の意思のない、いわゆる片面的共同正犯は、共同正犯として認めることはできないが、それと同様に、幇助者と被幇助者との間に意思の連絡のない片面的幫助犯も、幇助犯として認めることができ ない。

  • 8

    共同正犯における共同実行の意思は、行為者双方になければならないが必ずしも事前の謀議等によって形成される必要はなく、犯行の際にあれば足りるので、犯行現場において即時的に形成される、いわゆる現場共謀であってもよい。

  • 9

    共同正犯の中止未遂に関し、例えば、甲と乙が共謀のうえ、A宅に侵入し て金品を物色中、甲が悔悟の念から窃盗を中止するとともに、乙の窃盗をも阻止した場合には、甲・乙共に窃盗の中止未遂が成立する。

  • 10

    共同正犯による共同実行の意思の連絡は、必ずしも事前の共謀に基づいて行われなくてもよく、犯行現場の実行行為の際に行われてもよい。

  • 11

    共同正犯が成立したとしても、常に共同正犯者の全員が同一の罪名になるというわけではなく、また、全員が同一の罪名になった場合でも、その法定刑が全員同一であるとは限らない。

  • 12

    共同正犯が成立するには、共同実行の意思と共同実行の事実が必要となるところ、共同実行の意思は、犯罪行為を行うに当たり、各行為者が相互に依存し協力して犯罪を実現しようとするものでなければならないことから、他人の犯行を傍観又は認識しているというだけでは共同実行の意思があるとは いえない。

  • 13

    共同正犯が成立するには、主観的要素である共同実行の意思の連絡を要するところ、共同実行の意思は、行為者全員が相互に持っていなければならず、いわゆる片面的共同正犯は認められない。

  • 14

    共同正犯における共同実行の意思は行為者の双方になければならず、その一方にのみ存在する、いわゆる片面的共同正犯 は認められない。

  • 15

    共同正犯の中止未遂に関し、例えば、甲と乙が共謀のうえ、A宅に侵入し て金品を物色中、甲が悔悟の念から窃盗を中止するとともに、乙の窃盗をも阻止した場合には、甲・乙共に窃盗の中止未遂が成立する。

  • 16

    共同正犯が成立するためには、主観的要件として共同実行の意思の連絡を必要とするが、その意思の連絡は、明示的に行われる必要はなく、暗黙の了解でも足りる。

  • 17

    共同正犯の成立要件である共同実行の意思は、犯罪行為を行うに当たり、 各行為者が相互に依存し、犯罪を実現しようとするものでなければならず、 他人の犯行を傍観又は認識しているだけでは、共同実行の意思があるとはいえない。

  • 18

    自ら犯罪の実行行為を行う意思がなく、単に他人の犯罪実行を幇助するだ けの意思で、実行されるべき犯罪の予備罪に当たる行為をその他人と共同し て行ったが、当該他人が実行の着手に至らなかった場合、この者は、当該他 人の予備罪の幇助犯ではなく、予備罪の共同正犯としての刑責を負う。

  • 19

    2人以上の者が共同の犯罪をする目的で共謀し、そのうちの1人が実行した場合、実行していない者も共謀共同正犯の刑責を負う。

  • 20

    刑法は、身分犯に加功した非身分者について、共犯とする旨を定めているところ、ここにいう「共犯」には、教唆犯や幇助犯のほかに共同正犯も含まれる。

  • 21

    業務上占有者と非占有者が共謀して財物を横領した場合、ともに業務上横領罪の共同正犯が成立するが、非占有者には単純横領罪の刑を科している。

  • 22

    業務上横領行為を共謀しこれを実行した場合において、共謀者の1人が 非身分者であり業務者でも物の占有者でもないときであっても、共謀者全員に業務上横領罪の共同正犯が成立するが、当該非身分者には単純横領罪の刑が科されることになる。

  • 23

    X社の経理課長甲とその友人の乙が共謀し、甲が自ら業務上占有するX社の現金を持ち出して、2人で遊興に費消した場合、乙は業務者でも当該現金に対する占有者でもないが、業務上横領罪の共謀共同正犯の刑責を負う。

  • 24

    承継的共同正犯とは、先行者が犯罪の実行行為に着手し、その実行行為が終了しない段階で、後行者が当該先行者との間に共同実行の意思を生じ、以後は両者が共同して残りの実行行為を行うものをいう。

  • 25

    先行者が被害者に対し暴行を加えて傷害を負わせた後、後行者が合流して先行者に共謀・加担したうえ、更に先行者及び後行者がそれ以前よりも強度の暴行を加えて被害者の傷害を重篤化させた場合、共謀・加担前に既に生じていた傷害結果につき、後行者の行為が因果関係を有することはないから、 いわゆる承継的共同正犯は傷害罪については成立しない

  • 26

    共謀共同正犯において、実行に着手した後、一部の共謀者が他の共謀者全員に離脱の意思を表明し、他の者がこれを了承すれば、それだけで共犯の離脱が認められ、その者は、それ以降に発生する結果について責任を負わない。

  • 27

    社会生活上危険かつ重大な結果の発生が予想される場合において、相互利用・補充による共同の注意義務を負う共同作業者が現に存在し、その共同作業者間において、当該注意義務を怠った共同の行為があると認められる場合には、共同作業者全員に対して、過失犯の共同正犯の成立を認めることができる。

  • 28

    2人以上の者が、特定の犯罪を行うため、共同意思の下に一体となって互いに他人の行動を利用し、各自の意思を実行に移すことを内容とする謀議を行い、犯罪を実行した事実が認められた場合には、共謀共同正犯となる。

  • 29

    共謀共同正犯が成立するためには、少なくとも共謀者の1人が共謀に基づいた実行行為を行うことが必要であるところ、共謀者の1人が共謀と異なる実行行為を行ったときは、他の共謀者にその実行行為及び結果についての刑事責任を負わせることはできない。

  • 30

    成人の行為者が、物事の是非善悪を弁別する能力を有する刑事未成年者に 対して、その自由意思を抑圧しない限度において犯罪の実行を働き掛けてこ れを実現させた場合、当該刑事未成年者が正犯となるので、働き掛けた成人 に間接正犯は成立せず、当該犯罪の教唆犯又は共同正犯が成立する。

  • 31

    甲と乙は強盗を共謀し、X銀行に押し入り、現金を強取した後、二手に分かれて逃走を図ったが、その際、甲が銀行員に追跡され、それを逃れるために暴行を加え、傷害を負わせた場合、乙も強盗致傷罪の刑責を負う。

  • 32

    甲と乙が、Aの不在を狙ってA宅への放火を共謀したところ、乙が勝手にたまたま居合わせたAを殺害した場合、いわゆる抽象的事実の錯誤であるから、原則として共同正犯の故意は阻却され、甲は殺人罪について共同正犯とならない。

  • 33

    殺人の共謀をした者のうち1人が、相手を誤認して別人を殺害した場合、 共謀者全員について故意が認められ、全員が殺人罪の刑責を負うことになる。

  • 34

    必要的共犯のうち、構成要件上、相対する数人の行為者の対立的行為を必 要とするものを対向犯といい、対向犯の関係にある者の一方の行為者だけについて処罰規定がある場合は、その相手方は共犯として処罰できないのが原則である。

  • 35

    結果的加重犯とは、基本となる犯罪を犯して意図しない重い結果が発生した場合に、刑が加重される犯罪をいうところ、その基本行為について共謀していれば、発生した結果が共謀の内容を一定範囲で超えていても、当該基本行為と発生した結果との間に因果関係が認められる限り、結果的加重犯の共同正犯が成立する。

  • 36

    結果的加重犯の基本行為について共謀していれば、発生した結果が共謀の内容を一定範囲で超えていても、その基本行為と発生した結果との間に因果関係が認められる限り、結果的加重犯の共同正犯が成立する。

  • 37

    共犯の錯誤に関し、共犯者の認識と正犯者が実行した犯罪事実とが異なる場合、その不一致が同一の構成要件の範囲内にある限り、「客体の錯誤」であれ「方法の錯誤」であれ、共犯者の故意は阻却されない。

  • 38

    犯罪を共謀した者のうち、首謀者について、犯罪の実行の着手前に共犯関係からの離脱が認められるためには、共謀関係から離脱する旨の意思表示をしたこと、他の者がこれを了承したことだけでは足りず、これらに加えて、 共謀関係がなかった状態に復元させなければならない。

  • 39

    犯罪を共謀した者のうち、1人がその犯行直前に共犯関係からの離脱を表名した場合であっても、他の共犯者の了承を受けなければ共犯関係からの離脱は認められない。

  • 40

    犯罪の実行着手前の共犯関係からの離脱は、他の共謀者に離脱する意思を表明し、これを全員が了承することを要するので、この了承がない限り、被害者に対して共謀計画の一切を告白したとしても、離脱は認められない。

  • 41

    一定の身分が犯罪構成要件の要素となっている犯罪に、身分のない者が加功した場合、非身分者も共犯として一定の刑責を負うところ、この場合の加功の態様については、共同正犯、教唆犯、幇助犯のいずれであってもよい。

  • 42

    不真正身分犯において、非身分者が身分者に加功した場合、身分がない者には通常の刑が科せられ、身分がある者には身分があることによって加重された刑が科せられるところ、ここにいう通常の刑とは、非身分者が単独犯であった場合に科せられる刑を意味する。

  • 43

    「未遂の教唆」とは、教唆者が被教唆者の実行行為を当初から未遂に終わらせる意思で教唆する場合をいうが、教唆犯の故意は、他人に犯罪実行の決意を生ぜしめようという意図があれば十分であって、結果の発生まで意欲する必要はないから、この場合に被教唆者が実行に着手すれば、教唆犯が成立し得る。

  • 44

    教唆行為は、相手方に一定の犯罪の実行の決意を生じさせることを要するが、その手段、方法には特に制限はなく、指示、指揮、命令のほか、誘導や慫慂等によるものであってもかまわない。

  • 45

    教唆犯における教唆とは、特定の者に特定の犯罪の実行を決意させることであるから、被教唆者たる「人」は特定の者でなければならないが、特定してあればよく、教唆者は被教唆者がどこの誰であるかを知っている必要はない。

  • 46

    他人を唆して特定の犯罪を実行する決意を生じさせた場合には、唆された者が実際に当該犯罪の実行に着手しなくても、教唆犯が成立する。

  • 47

    教唆犯における教唆行為は、人に特定の犯罪を実行する決意を生じさせる に足りるものでなければならないから、例えば、妊婦に対して出産後にその 新生児を殺害するよう唆す場合のように、教唆行為の当時、教唆に基づく犯 罪行為の客体がいまだ存在しない場合には、犯罪の特定性を欠くため教唆犯 は成立しない。

  • 48

    教唆行為は、相手方に一定の犯罪の実行の決意を生じさせることを要するが、その手段・方法には、特に制限はなく、指示・指揮・命令のほか、誘導・慫慂等によるものであってもかまわない。

  • 49

    教唆犯が成立するためには、被教唆者が教唆行為に基づき、特定の犯罪の 実行行為を行う必要があるが、被教唆者の行為は、構成要件に該当し違法であればよく、有責性は要しないので、刑事未成年者にひったくりをさせる行為は、窃盗罪の教唆犯となる。

  • 50

    教唆犯が成立するためには、教唆者の教唆行為と被教唆者の実行行為との間に因果関係が必要とされていることから、窃盗を教唆したが、被教唆者が、別個の動機・原因に基づいて殺人を犯した場合には、教唆者は、窃盗罪及び殺人罪のいずれの刑責も負わない。

  • 51

    教唆犯における教唆行為は、単に犯罪を行うことを漫然と教唆することだけでは足りず、特定の犯罪行為を行うことを決意させることを要するところ、その日時、場所、方法等の細部について教唆することまでは要しない。

  • 52

    教唆行為は、相手方に一定の犯罪の実行の決意を生じさせることを要するが、その手段、方法には特に制限はなく、指示、指揮、命令のほか、誘導や慫慂等によるものであってもかまわない。

  • 53

    教唆者が、自己の意思により、被教唆者の実行の着手後に、被教唆者の実行を阻止した場合や結果の発生を防止した場合、当該教唆者については、刑の必要的減免を認め得る。

  • 54

    教唆犯を教唆した者には、教唆犯は成立しない。

  • 55

    教唆犯における教唆の故意が認められるためには、他人に犯罪行為の決意を生じさせることに加え、正犯による結果の発生まで意欲することも要する。

  • 56

    「未遂の教唆」とは、 教唆者が被教唆者の実行行為を当初から未遂に終わらせる意思で教唆する場合をいうところ、 教唆者において正犯による犯罪結果の発生まで積極的に意欲する必要はないことから、この場合に被教唆者が実行に着手すれば、教唆犯が成立し得る。

  • 57

    教唆犯には正犯の刑が科され、幇助犯には正犯の刑を減軽した刑が科されるところ、これは、正犯が処罰されなければ教唆犯や幇助犯も処罰されないことを意味するものではなく、教唆犯や幇助犯が処罰されるためには、正犯 が現に処罰されることも、正犯が起訴されることも必要ではない。

  • 58

    教唆犯における教唆とは、犯罪を実行する意思のない者に対し、犯罪を実行する決意を生じさせることであり、教唆行為以前から既に決意を固めていた者に対して行っても、教唆には当たらない。

  • 59

    教唆者が犯罪を教唆した後、考えを改め、犯行をやめさせようと努めた が、被教唆者が犯意を放棄せずに犯行を実行した場合、当該教唆者は教唆犯 の刑責を負う。

  • 60

    教唆とは、相手方に特定の犯罪を実行する決意を生じさせることをいうところ、教唆行為によって相手方に過失犯の犯意を生じさせることは困難であるから、過失犯に対する教唆は認められない。

  • 61

    間接正犯と教唆犯は、双方ともに他人を利用する点で共通するから、他人を道具として利用し自己の犯罪を実行しようとする間接正犯の故意と、他人に犯罪を実行させようとする教唆犯の故意は異なるが、間接正犯の故意は教唆犯の故意を含むといえる。

  • 62

    行為者が故意のない者を利用する態様の間接正犯は、被利用者が構成要件的故意を欠いている以上、被利用者に過失がある場合であっても成立し得る。

  • 63

    日本国外で教唆を行った者であっても、正犯が実行行為を日本国内で行っ た場合には、日本国内において罪を犯したものとして扱われる。

  • 64

    甲が乙に犯罪の実行を唆し、実際に乙がその犯罪を実行したとしても、乙 が以前から犯行を決意していた場合、甲に教唆犯は成立しない。

  • 65

    拘留又は科料のみに処すべき罪の教唆犯は、特別の規定がなければ不可罰であり、刑法においては、侮辱罪がこれに当たる。

  • 66

    2人以上の者が犯罪の実行を共謀し、そのうちの1人が実行行為を行った場合には、共謀者のうち直接実行行為に加わらなかった者も共同正犯としはて処罰されるところ、2人以上の者が他人に犯罪の実行を教唆することを共謀し、共謀者中の1人が教唆行為を行った場合において、被教唆者が犯罪を実行したときは、共謀者のうち直接教唆しなかった者も教唆犯として処罰される。

  • 67

    拘留又は科料のみに処すべき罪を教唆した者は、特別の規定がなくても、教唆犯として処罰される。

  • 68

    幇助者と正犯との間に意思の連絡がなく、正犯が幇助者の行為を認識していない場合であっても、正犯の実行行為を容易にさせる行為をしたときは、幇助犯が成立する。

  • 69

    幇助者と被幇助者の関係について、幇助者に幇助の意思があったとしても、被幇助者に幇助されている認識がなければ、幇助犯は成立しない。

  • 70

    幇助犯の成立には、幇助者が幇助の故意に基づき幇助行為を行うとともに、被幇助者において自分が幇助されていたことを認識し、かつ犯罪の実行行為を行うことを要する。

  • 71

    幇助犯における幇助行為は、正犯の実行行為と同時に行われることを要せず、正犯の実行行為終了後であってもよいので、万引き後に、犯人の依頼を受けてその商品の換金を行った場合には、窃盗罪の幇助犯が成立する。

  • 72

    幇助犯における幇助行為は、他人の特定の犯罪の実行を容易にするに足るものであればその手段・方法を問わないので、物理的・有形的なものはもとより、精神的・無形的なものでもよいが、不作為による幇助は認められない。

  • 73

    不作為により正犯の実行行為を容易にさせた場合には、幇助犯は成立しない。

  • 74

    不作為による幇助犯は、正犯の犯罪を防止すべき作為義務のある者が、この義務に違反して犯罪発生を防止する行為を怠った場合に成立するとされている。

  • 75

    幇助犯における幇助行為とは、実行行為以外の行為であって、正犯の実行を容易にするものであるところ、その手段・方法については制限がないが、 幇助行為の時期については、正犯の実行行為の前又は実行行為と同時になされることを要する。

  • 76

    幇助犯は、正犯の犯行を幇助することによって成立するものであるから、 成立すべき幇助犯の個数は、正犯の罪の個数に従って決定されるところ、その結果として幇助犯が数個成立する場合に、併合罪となるか、又は科刑上一 罪となるかについては、幇助行為自体の個数を基準として決すべきである。

  • 77

    共同正犯、教唆犯及び幇助犯が競合する場合は、軽い共犯形式が重い共犯形式に吸収されるので、教唆・幇助した者が実行行為を分担した場合には共同正犯が成立するが、教唆者が被教唆者を幇助した場合には幇助犯が成立する。

  • 78

    犯罪の教唆行為や幇助行為が行われただけで処罰できるものではなく、教唆犯や幇助犯が成立するためには、正犯が実行に着手したことを要するところ、この場合、正犯が犯罪構成要件に該当すれば足り、たとえ正犯が違法性や有責性を欠いていたとしても、教唆者や幇助者を処罰することを妨げない。

  • 79

    殺人を企図した甲から青酸ソーダの入手を依頼された乙が、その情を知ってこれを入手し甲に手渡したところ、甲が殺人予備罪で逮捕された場合、乙の行為は、同罪の幇助に当たるというのが判例の立場である。

  • 80

    甲と乙女が、強いてA女と性交することを共謀し、乙女が被害者女の腕を押さえ付けている間に、甲がA女と性交した場合、乙女については強制性交等罪の教唆犯又は幇助犯の刑責を負う。

  • 81

    成人が、是非善悪を判断する能力を有する刑事未成年者に対して、その自由な意思を抑圧しない程度で犯罪構成要件に該当する違法行為を教唆し、実行させた場合、刑事未成年者は正犯に当たるので成人は教唆犯であり、間接正犯ではない。

  • 82

    幇助犯が成立するためには、幇助犯が正犯者を幇助する意思で幇助行為を行う必要があり、また、正犯者自身も幇助されたという認識が必要である。

  • 83

    不作為による幇助犯が成立するには、幇助の実行者に正犯者の行為による結果発生を防止すべき法律上の作為義務が存在することを要する。

  • 84

    幇助犯が成立するためには、被幇助者がその幇助行為に基づいて犯罪を実行したことを要するが、この場合、当該幇助行為が正犯の犯行に不可欠である必要はないものの、幇助行為と正犯の実行行為との間に因果関係がなければならない。

  • 85

    幇助とは、 実行行為以外の行為により正犯の実行行為を容易にすることをいうが、幇助行為は、凶器を貸与するなどの物質的幇助はもちろんのこと、助言・激励をするなどの精神的幇助でもよく、不作為による幇助も認められる。

  • 86

    幇助犯における幇助行為は、その方法に制限がないので、凶器の貸与や犯行場所の提供などの態様で行われるもののほかに、犯罪を行う意思を持っていない者に対し犯罪を行う意思を生じさせることも含まれる。

  • 87

    幇助犯の成立に必要な幇助行為とは、実行行為以外の行為であって、正犯の実行を容易にするものをいうところ、単に正犯の実行行為を容易にする可能性があるだけでは足りず、現実に正犯の実行行為を容易にし、かつ、正犯の実行行為に必要不可欠なものであることを要する。

  • 88

    幇助犯に対する教唆は、刑法62条2項において、従犯(幇助犯)の刑を科すると規定されているが、判例上は、幇助犯に対する幇助もまた幇助犯と して処罰できるものとされている。

  • 89

    幇助犯が成立するには、「正犯を幇助すること」及び「正犯が犯罪を実行すること」という2つの要件を満たす必要があるが、その幇助行為が正犯の実行に必要不可欠であることは要しない。

  • 90

    実行行為を行った正犯が、幇助者から幇助を受けていることを知らなかっ た場合を片面的幇助というところ、幇助犯の成立要件としては、正犯者にお いて他人から幇助されているという認識を必ずしも要しないことから、片面的幇助犯も刑法上の幇助犯として処罰できる場合がある。

  • 91

    乙は、裁判所からAに対する150万円の支払を命ずる民事訴訟の判決を 受け、これが確定したことから、自己名義の土地が強制執行を受けるおそれ があると考えた。そこで、乙は、友人の甲と共謀のうえ、X法務局において、 甲から債務を負担した事実がないのに、これがあるかのように装い、自己名 義の土地につき、自己を債務者、甲を債権者として債権額金1億円とする 架空の抵当権設定仮登記を申請し、情を知らない登記官をして、不動産登記 簿の磁気ディスクに不実の記録をさせて、債務の負担を仮装した。 ———————強制執行妨害目的財産損壊等罪の共同正犯

  • 92

    間接正犯とは、他人を道具として利用し実行行為を行う場合をいい、例えば事情を認識していない被利用者に毒入りのコーヒーを運ばせて被害者を毒殺するのが典型だが、被利用者が事情を認識していても、意思を抑圧してその行為を利用した場合には、間接正犯が成立する。

  • 93

    間接正犯とは、責任能力のない他人を道具として利用し犯罪を実行することをいうところ、14歳未満の刑事未成年者を利用した犯罪行為においては、 共同正犯や教唆犯は成立せず、常に間接正犯が成立する。

  • 94

    教唆犯における教唆とは、犯罪を実行する意思のない者に対し、犯罪を実行する決意を生じさせることであり、教唆行為以前から既に決意を固めていた者に対して行っても、教唆には当たらない。

  • 95

    共同正犯が成立するためには、主観的要件として共同実行の意思、客観的要件として共同実行の事実が必要であるところ、「共同実行の意思」とは、2人以上の者が、共同してある特定の犯罪を行おうとする意思をいい、これは、ある犯罪を行うに際して、各行為者が相互に依存・ 協力して犯罪を実現しようとする意思でなければならない。

  • 96

    幇助行為は、単に正犯の実行行為を容易にする可能性があるだけでは足りないが、正犯の実行に不可欠であることまでは要しないと解されている。また、刑法上、幇助犯の刑は、正犯の刑を減軽すると規定されていることから、幇助犯が正犯より重い刑を言い渡されることはない。

  • 97

    賭博の常習者が非常習者の賭博行為に加功した場合のように、不真正身分犯につき、その身分のある者がない者に加功した場合、通説は、身分のある共犯には、常にその身分に応じた刑を科すべきであるとしており、判例も、賭博の常習者が非常習者の賭博を幇助した事案につき、 常習者については常習賭博罪の幇助犯になるとしている。

  • 98

    共謀者の一部の者が、他の共謀者が実行に着手する前に離脱するには、離脱者がその旨の意思表示を行い、他の共謀者がこれを了承することによって共犯からの離脱が認められるところ、 実行行為着手後の離脱が認められるためには、他の共謀者の了承を得ただけでは不十分であり、 結果防止のための積極的行為により、因果性を遮断することが必要である。

  • 99

    幇助の故意とは、正犯の実行行為を認識・認容し、自己の行為が正犯の実行行為の遂行を容易にするものであることの認識をいうが、正犯の実行行為の結果についての認識は必要ないとされているから、未遂の幇助も認められると解されている。

  • 100

    共謀共同正犯とは、共謀はあるが、共同実行の事実(実行行為の分担)という要件を欠く共同正犯をいう。