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詐欺
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  • 1

    詐欺罪の欺き行為の相手方は、錯誤に陥り財物について財産的処分行為をな し得る者である限り、知慮浅薄な未成年者や心神耗弱者であってもよい。

  • 2

    欺き行為により、知慮浅薄な未成年者から財物の交付を受け、又は財産上不法な利益を得た場合には、準詐欺罪ではなく、本罪が成立する。

  • 3

    詐欺罪の実行の着手時期は、財物を詐取する目的で人を欺く行為を行った時であるから、保険金詐欺については、詐欺の目的を秘して保険契約を結んだ時に実行の着手が認められる。

  • 4

    詐欺罪の客体は、他人が占有する他人の財物であるが、ここにいう「財物」 には、窃盗罪の場合と異なり不動産も含まれる。

  • 5

    詐欺罪は、財産罪の一類型として個人的法益に対する罪に属しており、国家的・社会的法益を保護の対象とするものではないから、他人に成り済まし て都道府県公安委員会に虚偽の申告をし、不正に自動車運転免許証の交付を 受けたとしても、詐欺罪は成立しない。

  • 6

    詐欺罪が成立するためには、欺く手段を用いなければならず、その欺き行為は、具体的事情の下において、通常人を錯誤に陥れる可能性を有するもの でなければならないところ、欺き行為を知慮浅薄な未成年者や心神耗弱者に対して行い財物を交付させた場合であっても、準詐欺罪ではなく詐欺罪が成 立する。

  • 7

    詐欺罪の成立には、主観的要件として故意が必要であるが、窃盗罪の場合とは異なり、不法領得の意思は不要とするのが判例の立場である。

  • 8

    詐欺罪における財産的処分行為と認められるためには、主観的要件として 財産を処分する意思と、客観的要件として財産を移転する事実とが必要で ある。

  • 9

    甲は、A方に電話を掛け、応対に出た同人に対し、「医療費の還付金があります。」などとうそを言い、近くの銀行のATMへ行くように申し向け、 携帯電話で指示しながらA名義のキャッシュカードをATM機に挿入させ、 甲の指示に従えば医療費の還付金を受領できると誤信したAは、甲から言われるままに ATM機を操作したところ、入力した額の金銭が、甲の管理する預金口座に振込送金された。この場合、甲は、詐欺罪の刑責を負う。

  • 10

    詐欺罪の欺き行為は、相手方に錯誤に基づく財産的処分行為をさせる性質の ものでなければならないので、顧客を装い衣類を試着したまま便所に行くと偽って逃走した場合には、本罪ではなく窃盗罪が成立する。

  • 11

    路上で財布を拾ったAが、「これは誰の財布ですか。」と呼び掛けたとこ ろ、偶然近くにいた甲は、自分の財布でもないのにAに近寄り、「その財布 は自分の物です。ありがとう。」とうそを言って、Aから当該財布の交付を 受けた。 1項詐欺罪

  • 12

    詐欺罪にいう財物の交付があったといい得るためには、被詐欺者の処分行為によって、行為者が自由に処分可能な事実上の支配下に財物が移転すれば足 り、現実の手渡しまでは必要としないので、人を欺いてその財物を放棄さ せ、これを拾得した場合には、本罪が成立する。

  • 13

    詐欺罪について、例えば、紙幣を偽造してやるからそのための資金をくれ、売春してあげる から先に代金をよこせ、というように、人を欺いて不法な原因のために財物 を交付させた場合であっても、詐欺罪の成立が妨げられるものではないが、 売春の契約をして性行為をした後に、相手方の女子を欺いてその対価の支払 を免れたときには、詐欺罪は成立しない。

  • 14

    1項詐欺罪の客体である財物には、不動産も含まれるので、例えば、賃料を支払う意思がないのに、家屋を借り受けて居住した場合は、本罪が成立する。

  • 15

    2項詐欺罪における「財産上不法の利益」とは、財産上の利益を不法な手段で得るという意味であるところ、女子を欺いて売淫の対価の支払を免れた場合は、同罪が成立する。

  • 16

    詐欺罪が成立するためには、欺き行為による財物の交付等が、相手方の任意の処分行為に基づくものであることを要するので、財産を処分する意思を欠いている重度の認知症の者が行った財物の交付等は、任意の処分行為には当たらず、同罪は成立しない。

  • 17

    準詐欺罪は、知慮浅薄な未成年者又は心神耗弱者から誘惑的行為によって財物を交付させることや、これらの者を欺いて財物を交付させることを、処罰の対象としている。

  • 18

    準詐欺罪は、未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させる犯罪であるところ、財物の交付又は利益の移転は、未成年者又は心神耗弱者の財産的処分行為によるものでなくてはならない。

  • 19

    準詐欺罪は、未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させることを処罰するものである。

  • 20

    自己名義の銀行のキャッシュカードを手渡し、暗証番号を教えて、銀行預金の引出しを依頼したところ、依頼された者が、銀行のATM機で依頼分の現金を引き出した後、預かったキャッシュカードを使用して同一のATM機で再度現金を引き出しこれを領得した場合、依頼分を超えて引き出した現金について詐欺罪は成立しない。

  • 21

    振り込め詐欺により犯人グループの指定する銀行口座に現金を振り込んだ被害者が、その後、だまされたことを知って直ちに銀行に連絡を取り、当該金銭の入金処理後に当該口座の出金停止措置をとってもらったため、犯人らがATM機を利用して口座から現金を引き出すことができなかった場合、詐欺罪は未遂にとどまる。

  • 22

    財物の交付に際して、詐欺犯人側から一定の対価が提供された場合の被害額は、被害者が交付した財物の価格から対価を差し引いた差額ではなく、交付した財物全体の価格であり、水増し請求による詐欺事案においても、その被害額は水増分ではなく被害者が交付した金額全額となる。

  • 23

    恐喝行為に欺く手段が併用され、その欺き行為が畏怖させる一材料となり、その畏怖の結果として相手方が財物を交付した場合、恐喝罪は成立せず、詐欺罪のみが成立する。

  • 24

    特殊詐欺グループの一員である甲は、同じグループに属する乙と共謀のう え、金融庁職員に成り済ましてキャッシュカードをだまし取る目的で、A方 に電話を掛け、「あなた名義の銀行口座が犯罪に利用されています。職員が 自宅に受け取りに行くので、キャッシュカードを封筒に入れておいてくださ い。」と申し向けたところ、その旨誤信したAは、自己名義のキャッシュ カードを封筒に入れた。その後、A宅を訪れた受け子の乙は、金融庁の職員 を装い、Aからキャッシュカード在中の封筒を受け取り、中身を確認しよう としたところ、A宅の電話が鳴って同人が部屋の奥へ入って行ったので、そ の隙に当該封筒を持ち去った。この場合、甲及び乙は、詐欺罪の共同正犯と しての刑責を負う。

  • 25

    特殊詐欺グループの一員である甲は、同じグループに属する乙と共謀のうえ、X社が所有するマンションの一室を借り受け、そこを特殊詐欺組織のアジトにすることを意図して、当該物件には「住居用に使用し、これ以外の目的で使用しないこと」、「賃借人が反社会的活動を行う者でないこと」等の条件が付されていることを知りながら、乙を賃借人とする内容虚偽の契約書等を作成し、X社と賃貸借契約を締結した。その後、甲は、乙を通じて当該部屋の引渡しを受け、特殊詐欺グループのアジトとして使用しているが、毎月滞ることなく×社に賃料を支払っている。この場合、甲及び乙は、2項詐欺罪の共同正犯としての刑責を負う。

  • 26

    電子計算機使用詐欺罪に関し、「人の事務処理に使用する電子計算機」における「人の事務処理」は、財産権の得喪・変更に係る事務に限定される。

  • 27

    電子計算機使用詐欺罪と、私(公) 電磁的記録不正作出・同供用罪又は支払用カード電磁的記録不正作出、同供用罪とは、保護法益が異なることから、電子計算機使用詐欺罪が成立する場合も、これとは別にこれらの不正作出等の罪が成立し、原則として牽連犯となる。

  • 28

    ATM機を操作して、不正に他人名義の預金口座から自己の管理する他行 の預金口座へ振込送金した場合に成立する、電子計算機使用詐欺罪の被害者 は、送金元となる預金口座を管理する銀行である。

  • 29

    電子計算機使用詐欺罪にいう「財産権の得喪若しくは変更に係る電磁的記録」とは、それが作出されることによって、直接的又は必然的に当該財産権の得喪・変更が生じることになるものを意味するところ、不動産登記ファイルや、キャッシュカードの磁気ストライブ部分など、財産権の得喪・変更又は一定の資格を証明するための電磁的記録はこれに当たらない。

  • 30

    来店客が酔っ払って置き忘れた財布を預かり保管していた飲食店の店長 が、数週間待っても当該客から何の連絡もなかったことから悪心を起こし、 財布内にあった現金を自己の財布に移すとともに、やはり在中していた当該 客名義のクレジットカードを店内のクレジットカード端末に挿入して、架空 の飲食代金に係る請求情報を入力・送信したが、既に当該客がカード会社に 当該カードを遺失した旨連絡していたため、クレジット決済が承認されな かった場合、遺失物横領罪及び電子計算機使用詐欺未遂罪が成立する。

  • 31

    不正に入手した他人名義のクレジットカードを使用して加盟店から物品を購入した場合、加盟店の店員にカードを示してカード取引を申し込む行為は欺き行為と認められ、店員が正常な取引の申込みであると誤信したことが錯誤となり、これに基づく商品の交付が処分行為に当たり、これらの欺き行為・錯誤・処分行為の間にそれぞれ因果関係が認められるので、加盟店を被害者とする1項詐欺罪が成立する。

  • 32

    いわゆる釣銭詐欺は、不作為によって成立するものであるから、店員が釣銭を多く渡したことに気付きながら領得しても、 帰宅してから気付いて領得しても、甲に詐欺罪が成立する。

  • 警察法全般

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    警察法全般

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    警察法(60条〜)

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    警察法(60条〜)

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    ①告訴(その他)

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    ①告訴(その他)

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    56問 • 17日前
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    ②告訴(親告罪)

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    ②告訴(親告罪)

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    ③告発

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    ユーザ名非公開 · 29問 · 17日前

    ③告発

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    29問 • 17日前
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    ④自首

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    ④自首

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    ⑥任意捜査

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    ⑦押収

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    ⑧検死

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    ⑧検死

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    ⑩令状による捜索・差押え(執行)

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    ⑬令状によらない捜索・差押え

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    40問 • 17日前
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    総論

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    ユーザ名非公開 · 103問 · 17日前

    総論

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    ⑱差押え(郵便物)

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    ⑲逮捕(その他)

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    ㉒緊急逮捕

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  • 1

    詐欺罪の欺き行為の相手方は、錯誤に陥り財物について財産的処分行為をな し得る者である限り、知慮浅薄な未成年者や心神耗弱者であってもよい。

  • 2

    欺き行為により、知慮浅薄な未成年者から財物の交付を受け、又は財産上不法な利益を得た場合には、準詐欺罪ではなく、本罪が成立する。

  • 3

    詐欺罪の実行の着手時期は、財物を詐取する目的で人を欺く行為を行った時であるから、保険金詐欺については、詐欺の目的を秘して保険契約を結んだ時に実行の着手が認められる。

  • 4

    詐欺罪の客体は、他人が占有する他人の財物であるが、ここにいう「財物」 には、窃盗罪の場合と異なり不動産も含まれる。

  • 5

    詐欺罪は、財産罪の一類型として個人的法益に対する罪に属しており、国家的・社会的法益を保護の対象とするものではないから、他人に成り済まし て都道府県公安委員会に虚偽の申告をし、不正に自動車運転免許証の交付を 受けたとしても、詐欺罪は成立しない。

  • 6

    詐欺罪が成立するためには、欺く手段を用いなければならず、その欺き行為は、具体的事情の下において、通常人を錯誤に陥れる可能性を有するもの でなければならないところ、欺き行為を知慮浅薄な未成年者や心神耗弱者に対して行い財物を交付させた場合であっても、準詐欺罪ではなく詐欺罪が成 立する。

  • 7

    詐欺罪の成立には、主観的要件として故意が必要であるが、窃盗罪の場合とは異なり、不法領得の意思は不要とするのが判例の立場である。

  • 8

    詐欺罪における財産的処分行為と認められるためには、主観的要件として 財産を処分する意思と、客観的要件として財産を移転する事実とが必要で ある。

  • 9

    甲は、A方に電話を掛け、応対に出た同人に対し、「医療費の還付金があります。」などとうそを言い、近くの銀行のATMへ行くように申し向け、 携帯電話で指示しながらA名義のキャッシュカードをATM機に挿入させ、 甲の指示に従えば医療費の還付金を受領できると誤信したAは、甲から言われるままに ATM機を操作したところ、入力した額の金銭が、甲の管理する預金口座に振込送金された。この場合、甲は、詐欺罪の刑責を負う。

  • 10

    詐欺罪の欺き行為は、相手方に錯誤に基づく財産的処分行為をさせる性質の ものでなければならないので、顧客を装い衣類を試着したまま便所に行くと偽って逃走した場合には、本罪ではなく窃盗罪が成立する。

  • 11

    路上で財布を拾ったAが、「これは誰の財布ですか。」と呼び掛けたとこ ろ、偶然近くにいた甲は、自分の財布でもないのにAに近寄り、「その財布 は自分の物です。ありがとう。」とうそを言って、Aから当該財布の交付を 受けた。 1項詐欺罪

  • 12

    詐欺罪にいう財物の交付があったといい得るためには、被詐欺者の処分行為によって、行為者が自由に処分可能な事実上の支配下に財物が移転すれば足 り、現実の手渡しまでは必要としないので、人を欺いてその財物を放棄さ せ、これを拾得した場合には、本罪が成立する。

  • 13

    詐欺罪について、例えば、紙幣を偽造してやるからそのための資金をくれ、売春してあげる から先に代金をよこせ、というように、人を欺いて不法な原因のために財物 を交付させた場合であっても、詐欺罪の成立が妨げられるものではないが、 売春の契約をして性行為をした後に、相手方の女子を欺いてその対価の支払 を免れたときには、詐欺罪は成立しない。

  • 14

    1項詐欺罪の客体である財物には、不動産も含まれるので、例えば、賃料を支払う意思がないのに、家屋を借り受けて居住した場合は、本罪が成立する。

  • 15

    2項詐欺罪における「財産上不法の利益」とは、財産上の利益を不法な手段で得るという意味であるところ、女子を欺いて売淫の対価の支払を免れた場合は、同罪が成立する。

  • 16

    詐欺罪が成立するためには、欺き行為による財物の交付等が、相手方の任意の処分行為に基づくものであることを要するので、財産を処分する意思を欠いている重度の認知症の者が行った財物の交付等は、任意の処分行為には当たらず、同罪は成立しない。

  • 17

    準詐欺罪は、知慮浅薄な未成年者又は心神耗弱者から誘惑的行為によって財物を交付させることや、これらの者を欺いて財物を交付させることを、処罰の対象としている。

  • 18

    準詐欺罪は、未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させる犯罪であるところ、財物の交付又は利益の移転は、未成年者又は心神耗弱者の財産的処分行為によるものでなくてはならない。

  • 19

    準詐欺罪は、未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させることを処罰するものである。

  • 20

    自己名義の銀行のキャッシュカードを手渡し、暗証番号を教えて、銀行預金の引出しを依頼したところ、依頼された者が、銀行のATM機で依頼分の現金を引き出した後、預かったキャッシュカードを使用して同一のATM機で再度現金を引き出しこれを領得した場合、依頼分を超えて引き出した現金について詐欺罪は成立しない。

  • 21

    振り込め詐欺により犯人グループの指定する銀行口座に現金を振り込んだ被害者が、その後、だまされたことを知って直ちに銀行に連絡を取り、当該金銭の入金処理後に当該口座の出金停止措置をとってもらったため、犯人らがATM機を利用して口座から現金を引き出すことができなかった場合、詐欺罪は未遂にとどまる。

  • 22

    財物の交付に際して、詐欺犯人側から一定の対価が提供された場合の被害額は、被害者が交付した財物の価格から対価を差し引いた差額ではなく、交付した財物全体の価格であり、水増し請求による詐欺事案においても、その被害額は水増分ではなく被害者が交付した金額全額となる。

  • 23

    恐喝行為に欺く手段が併用され、その欺き行為が畏怖させる一材料となり、その畏怖の結果として相手方が財物を交付した場合、恐喝罪は成立せず、詐欺罪のみが成立する。

  • 24

    特殊詐欺グループの一員である甲は、同じグループに属する乙と共謀のう え、金融庁職員に成り済ましてキャッシュカードをだまし取る目的で、A方 に電話を掛け、「あなた名義の銀行口座が犯罪に利用されています。職員が 自宅に受け取りに行くので、キャッシュカードを封筒に入れておいてくださ い。」と申し向けたところ、その旨誤信したAは、自己名義のキャッシュ カードを封筒に入れた。その後、A宅を訪れた受け子の乙は、金融庁の職員 を装い、Aからキャッシュカード在中の封筒を受け取り、中身を確認しよう としたところ、A宅の電話が鳴って同人が部屋の奥へ入って行ったので、そ の隙に当該封筒を持ち去った。この場合、甲及び乙は、詐欺罪の共同正犯と しての刑責を負う。

  • 25

    特殊詐欺グループの一員である甲は、同じグループに属する乙と共謀のうえ、X社が所有するマンションの一室を借り受け、そこを特殊詐欺組織のアジトにすることを意図して、当該物件には「住居用に使用し、これ以外の目的で使用しないこと」、「賃借人が反社会的活動を行う者でないこと」等の条件が付されていることを知りながら、乙を賃借人とする内容虚偽の契約書等を作成し、X社と賃貸借契約を締結した。その後、甲は、乙を通じて当該部屋の引渡しを受け、特殊詐欺グループのアジトとして使用しているが、毎月滞ることなく×社に賃料を支払っている。この場合、甲及び乙は、2項詐欺罪の共同正犯としての刑責を負う。

  • 26

    電子計算機使用詐欺罪に関し、「人の事務処理に使用する電子計算機」における「人の事務処理」は、財産権の得喪・変更に係る事務に限定される。

  • 27

    電子計算機使用詐欺罪と、私(公) 電磁的記録不正作出・同供用罪又は支払用カード電磁的記録不正作出、同供用罪とは、保護法益が異なることから、電子計算機使用詐欺罪が成立する場合も、これとは別にこれらの不正作出等の罪が成立し、原則として牽連犯となる。

  • 28

    ATM機を操作して、不正に他人名義の預金口座から自己の管理する他行 の預金口座へ振込送金した場合に成立する、電子計算機使用詐欺罪の被害者 は、送金元となる預金口座を管理する銀行である。

  • 29

    電子計算機使用詐欺罪にいう「財産権の得喪若しくは変更に係る電磁的記録」とは、それが作出されることによって、直接的又は必然的に当該財産権の得喪・変更が生じることになるものを意味するところ、不動産登記ファイルや、キャッシュカードの磁気ストライブ部分など、財産権の得喪・変更又は一定の資格を証明するための電磁的記録はこれに当たらない。

  • 30

    来店客が酔っ払って置き忘れた財布を預かり保管していた飲食店の店長 が、数週間待っても当該客から何の連絡もなかったことから悪心を起こし、 財布内にあった現金を自己の財布に移すとともに、やはり在中していた当該 客名義のクレジットカードを店内のクレジットカード端末に挿入して、架空 の飲食代金に係る請求情報を入力・送信したが、既に当該客がカード会社に 当該カードを遺失した旨連絡していたため、クレジット決済が承認されな かった場合、遺失物横領罪及び電子計算機使用詐欺未遂罪が成立する。

  • 31

    不正に入手した他人名義のクレジットカードを使用して加盟店から物品を購入した場合、加盟店の店員にカードを示してカード取引を申し込む行為は欺き行為と認められ、店員が正常な取引の申込みであると誤信したことが錯誤となり、これに基づく商品の交付が処分行為に当たり、これらの欺き行為・錯誤・処分行為の間にそれぞれ因果関係が認められるので、加盟店を被害者とする1項詐欺罪が成立する。

  • 32

    いわゆる釣銭詐欺は、不作為によって成立するものであるから、店員が釣銭を多く渡したことに気付きながら領得しても、 帰宅してから気付いて領得しても、甲に詐欺罪が成立する。