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特別な法律関係における人権

特別な法律関係における人権
32問 • 1年前
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    問題一覧

  • 1

    特別権力関係論によれば、公権力と特別な関係にある者に対して公権力が包括的な支配権を有し、公権力は法律の根拠のなく人権を制限することができ、それについて裁判所の審査は及ばない。(23-2-ア)

  • 2

    特別権力関係が成立する場合としては、法律の規定に基づくものと本人の同意に基づくものとがある。前者の例として挙げられていたのは受刑者の在監関係と公務員の在勤関係であり、後者の例として挙げられていたのは国公立学生の在学関係であった。(23-2-イ)

    ×

  • 3

    かつて特別権力関係とされた在監関係につき、現在では、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律において刑事施設被収容者の権利義務が明確化され、書籍等の閲覧、外部の者との面会及び信書の発受の各制限についてその要件が法定されたことにより、刑事施設の長らはそれらの制限の可否について裁量を失った。(29-1-ゥ)

    ×

  • 4

    公権力が特別権力関係に属する個人に対して包括的な支配権を有し、その個人の人権を法律の根拠なくして制限することができるほか、特別権力関係内部における公権力の行為は司法審査に服さないとする特別権力関係論は、日本国憲法の下では妥当し難い。(29-1-イ)

  • 5

    特別権力関係論には、本質的な問題がある。それは、特別権力関係に属する者が一般国民としての地位に何らかの修正を受ける点で共通の特色を持つにとどまるにもかかわらず、権力服従性という形式的要素によって包括し、人権制約を一般的・観念的に許容する点である。(23-2-ゥ)

  • 6

    一切の公務員の団体交渉権及び争議権を否認する昭和23年政令第201号の合憲性が争われた弘前機関区事件判決(最高裁判所昭和28年4月8日大法廷判決)において、最高裁判所は、憲法第13条の「公共の福祉」論と憲法第15条2項の「全体の奉仕者」論を根拠にして、公務員の労働基本権の一律禁止を合憲とした。(19-11-ア、予25-1-ア

  • 7

    公共企業体等労働関係法における争議権規制の合憲性が争われた全逓東京中郵事件判決(最高裁判所昭和41年10月26日大法廷判決)において、最高裁判所は、公務員の労働基本権を原則として保障し、比較衡量論に基づき、その制限が著しく合理性を欠き、立法府の裁量を明らかに逸脱しているか否かにより合憲性を判断するアプローチを採用した。(19-11-イ)

    ×

  • 8

    全逓東京中郵事件判決(最高裁判所昭和41年10月26日大法廷判決·刑集20巻8号901頁)は、公務員について労働基本権の制限が許されるための基準として、①その制限は合理性の認められる必要最小限度にとどめること、②その職務の停廃が国民生活に重大な障害をもたらすおそれのあるものについて、これを避けるため必要やむを得ない場合に限ること、①制限違反者に対して課せられる不利益は、必要最小限度を超えず、特に刑事制裁は必要やむを得ない場合に限ること、①代償措置が講ぜられるべきこと、という4条件を挙げ、それに照らして、郵便職員等の争議行為を禁止する当時の公共企業体等労働関係法の規定は憲法第28 条等に違反すると判断した。(1日20-13)

    ×

  • 9

    東京都教組事件判決(最高裁判所昭和 44年4月2日大法廷判決·刑集23巻5号305頁)は、地方公務員の争議行為を禁止し、そのあおり行為等を罰する地方公務員法の規定について、これらの規定を文字どおりに解釈すれば違憲の疑いがあるとしつつ、いわゆる合憲限定解釈の手法により違憲判断は避け、規定の解釈としては、あおり行為についても争議行為については、強度の違法性の存することが必要であり、あおり行為等についても争議行為に通常随伴して行われる行為については処罰の対象とはならないとする、いわゆる二重のしぼりの限定を加えた。(日20-13、19-11-ゥ)

  • 10

    全農林警職法事件判決(最高裁判所昭和48年4月25日大法廷判決·刑集27巻4号547頁)は、国家公務員の争議行為を禁止し、そのあおり行為等を罰する国家公務員法の規定について、公務員の従事する職務には公共性があるー方、法律によりその主要な勤務条件が定められ、身分が保障されているほか、適切な代償措置が講じられていることから、争議行為を禁止する規定は憲法第28 条に違反せず、この禁止を侵す違法な争議行為をあおるなどの行為をする者は、違法な争議行為に対する原動力を与える者として単なる争議参加者に比べて社会的責任が重く、その者に対し特に処罰の必要性と合理性があるから、そのあおり行為等を罰する規定は憲法第28条等に違反しないと判断した。(1日20-13、30-9-ウ、予25-1-イ)

  • 11

    集団的かつ組織的な行為としての争議行為を成り立たせるものは、正にあおり行為等であって、あおり行為等は、その性格にかかわらず、争議行為の原動力をなすものであるとの見解は、地方公務員の争議行為の遂行を共謀し、そそのかし、あおる等の行為を地方公務員法違反として刑事罰の対象とするには、あおり行為等が争議行為に通常随伴する以上のものであることを要するとする見解の批判となる。(予R4-11-イ)

  • 12

    国家公務員法の規制をめぐる全農林警職法事件(最高裁判所昭和48年4月25日大法廷判決)において、最高裁判所は、全逓東京中郵事件判決を変更する旨述べ、「公務員の地位の特殊性と職務の公共性」論、公務員の勤務条件に関する「財政民主主義」論を根拠にして、公務員の争議行一律禁止を合憲とした。(19-11-工)

    ×

  • 13

    公務員の争議行為の制限は国民生活全体の利益を維持増進する必要との調和の見地から合理性の認められる 小限度のものでなければならず、職務の性質や違いを考慮することなく公務員の争議行為を一律に禁止することは憲法上許されないとするのが判例の立場である。(28-9-7.予28-6-ア)

    ×

  • 14

    最高裁判所の判例の趣旨に照らせば、憲法第28条の労働基本権の保障は公務員に対しても及ぶが、国家公務員の従事する職務には公共性がある一方、法律によりその主要な勤務条件が定められ、身分が保障されているほか、適切な代償措置が講じられていることなどからすれば、法律により国家公務員の争議行為を禁止することは、勤労者をも含めた国民全体の共同利益の見地からするとやむを得ない制約というべきであって、憲法第28条に違反しない。(R5-8-ウ·予R5-5-ウ、予26-7-ア)

  • 15

    全農林警職法事件判決(最高裁判所昭和 48 年4月25日大法廷判决,刑集27巷4号547頁)以降の最高裁判所の判例の趣旨に照らすと、人事院勧告の実施が凍結され、労働基本権の制約の代償措置がその本来の機能を果たさず実際上画餅に等しいとみられる事態が生じた場合には、国家公務員がその正常な運用を要求して相当な手段態様で争議行為を行うことは、憲法上保障される。(予26-

    ×

  • 16

    全農林警職法事件判決(最高裁判所昭和48年4月25日大法廷判決、刑集27巻4号547頁)以降の最高裁判所の判例の趣旨に照らすと、非権力的な労務に従事する現実の国家公務員は憲法第28条の勤労者にほかならず、労働基本権の保障を受けるから、全体の奉仕者であることを理由として、非現業の国家公務員と同様に争議行為を全面的に禁止することは、合理的な理由を欠く。(予26-7-ゥ)

    ×

  • 17

    労働基本権は、勤労者の経済的地位の向上のための手段として認められたものであって、それ自体が目的とされる絶対的なものではないから、憲法第 13 条のいう公共の福祉のための制約を受けるほか、公務員の争議行為の禁止の場合のように、勤労者を含めた国民全体の共同利益の見地からする制約を受ける。(R4-1-ウ)

    ×

  • 18

    最高裁判所の判例の趣旨によれば、公務員の労働基本権の制限については、制度上整備された代償措置が講じられていることがその合憲性の根拠とされているから、人事院勧告実施の凍結に抗議して行われた争議行為は適法である。(23-10-ア、旧20-13)

    ×

  • 19

    公務員の労働基本権の制限に関し、全農林警職法事件判決(最高裁判所昭和 48年4月25日大法廷判決、刑集 27巻4号547頁)以降の最高裁判所の判例は、職務の内容にかかわらず公務員の争議行為を一律に禁止することについて、合憲とする判断を維持している。(29-1-ア)

  • 20

    公務員の政治活動に対する制約に関して、猿払事件最高裁判決に照らすと、国家公務員の政治的中立性を損うおそれのある政治的行為を禁止することは、強い政治性を有する意見表明そのものを制約する規制であるが、行政の中立的運営とこれに対する国民の信頼の確保という国民全体の共同利益のためであれば、特定の内容の表現を禁止することも許される。 (20-2-ア)

    ×

  • 21

    公務員の政治活動に対する制約に関して、猿払事件最高裁判決に照らすと、国家公務員法第102条第1項は国家公務員に禁止される政治的行為の具体的定めを広く人事院規則に委任しているが、一般に公務員の政治的中立性を損うおそれのある政治的行為を禁じることは許されるのであり、同条同項はそのような行動類型の定めを委任するものであって、委任の限界を超えることにはならない。(20-2-イ)

  • 22

    公務員の政治活動に対する制約に関して、猿払事件最高裁判決に照らすと、国家公務員の具体的な政治的行為を処罰することの合憲性判断に当たっては、当該公務員の職務内容や問題となる行為の内容などを総合的に考慮すべきである。例えば機械的労務の提供を職務とする者の政治的行為により公務員の政治的中立性が害されるおそれは小さいが、他方、行われた行為が選挙に際しての特定政党への支援活動という政治的偏向の強いものであれば、結局処罰は合憲と判断される。(20-2-ウ)

    ×

  • 23

    最高裁判所の判例の趣旨に照らすと、公務員の政治的行為の禁止を定める国家公務員法第 102 条第1項及び人事院規則 14-7それ自体は憲法第 21 条に違反しないとしても、当該公務員の行為のもたらす弊害が軽微なものについてまで一律に罰則を適用することは、必要最小限の域を超えるものであって、憲法第21条及び第31条に違反する。(24-18-ウ)

    ×

  • 24

    国家公務員法第102条第1項にいう「政治的行為」の意義について判断した最高裁判所の二つの判決(最高裁判決平成24年12月7日第二小法廷判決、刑集66巻12号1337頁及び同1722頁)によれば、「政治的行為」とは、公務員の政治的な行為一般ではなく、公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが、観念的なものにとどまらず、現実的に起こり得るものとして実質的に認められるものを指す。(27-1-ア・予27-1-ア)

  • 25

    最高裁判所は、公務員による政党機関誌の配布が国家公務員法違反に問われた堀越事件(最高裁判所平成24年12月7日第二小法廷判決,刑集66巻12号1337頁)において、被告人の配布行為には公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められず、当該配布行為に罰則規定が適用される限りにおいて憲法第21条第1項及び第31条に違反すると判示した。(R2-16-ア)

    ×

  • 26

    国家公務員法第102条第1項にいう「政治的行為」の意義について判断した最高裁判所の二つの判決(最高裁判所平成24年12月7日第二小法廷判決、刑集66巻12号1337頁及び同1722頁)によれば、管理職的地位にある公務員が政党機関紙の配布といった殊更に一定の政治的傾向を顕著に示す行動に出た場合には、その指揮命令や指導監督を通じてその部下等の職務の遂行や組織の運営にもその傾向に沿った影響を及ぼすことになりかねず、「政治的行為」に該当する。(27-1-イ·予27-1-イ)

  • 27

    国家公務員法第102条第1項にいう「政治的行為」 について判断した最高裁判所の二つの判決(最高裁判 24年12月7日第二小法廷判決、刑集66巻12号1337頁及び同1722頁)によれば、公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが認められるか否かは、諸般の事情を総合して判断する必要があるが、公務員の政治的な行為が勤務外で行われた場合には、そのおそれは存在しないと考えられる。(27-1-ウ・予27-1-ウ)

    ×

  • 28

    最高裁判所の判例によると、国家公務員と異なり、地方公務員は、憲法の明文で「全体の奉仕者」とされていないことや、人事院制度に対応する代償措置も置かれていないことから、争議行為を企てる行為や、これをあおる行為に対して刑罰を科することは許されないと解されている。(予25-1-ゥ)

    ×

  • 29

    職権行使の独立が保障され、単独で又は合議体の一員として司法権を行使する主体として、国に対する訴訟を含めて中立・公正な立場から裁判を行うことが強く期待される裁判官に対する政治運動禁止の要請は、議会制民主主義の政治過程を経て決定された政策を、政治的偏向を排し組織の一員として忠実に遂行すべき立場にある一般職の国家公務員に対する政治的行為の禁止の要請ほどには強くないというべきである。(R3-1-ウ、23-7-イ・予23-3-イ)

    ×

  • 30

    刑事収容施設内において喫煙を許すことにより、罪証隠滅のおそれがあり、また火災発生により被拘禁者の逃走や人道上の重大事態の発生も予想される一方、たばこは生活必需品とまではいえず嗜好品にすぎないことからすれば、喫煙の自由が憲法の保障する人権に含まれるとしても、制限の必要性の程度と制限される基本的人権の内容、これに加えられる具体的制限の態様とを総合的に考慮すると、施設内における喫煙禁止は必要かつ合理的なものといえる。(R3-1-イ、22-2-ア、旧19-17)

  • 31

    多数の被拘禁者を外部から隔離して収容する施設では、施設内でこれらの者を集団として管理するに当たり、内部の規律及び秩序を維持し、その正常な状態を保持する必要があるから、この目的のため必要がある場合には、未決拘禁者についても、身体の自由やその他の行為の自由に一定の制限が加えられることはやむを得ない。(R3-1-ア)

  • 32

    最高裁判所の判例の趣旨に照らすと、在監関係の本質は、国家が受刑者を拘禁して一般社会から隔離し、かつ当該受刑者を矯正教化することであり、そのためには受刑者の逃亡を防ぐとともに、監獄内の規律と秩序を維持しなければならないから、ある文書図画を当該受刑者に閲読させることによって監獄からの逃亡の防止と監獄内の規律及び秩序の維持に明白かつ現在の危険を生ずる蓋然性の認められる場合には、監獄の長は当該文書図画の閲読を禁止又は制限することが許される。(旧19-17、22-2-2-イ)

    ×

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  • 1

    特別権力関係論によれば、公権力と特別な関係にある者に対して公権力が包括的な支配権を有し、公権力は法律の根拠のなく人権を制限することができ、それについて裁判所の審査は及ばない。(23-2-ア)

  • 2

    特別権力関係が成立する場合としては、法律の規定に基づくものと本人の同意に基づくものとがある。前者の例として挙げられていたのは受刑者の在監関係と公務員の在勤関係であり、後者の例として挙げられていたのは国公立学生の在学関係であった。(23-2-イ)

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  • 3

    かつて特別権力関係とされた在監関係につき、現在では、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律において刑事施設被収容者の権利義務が明確化され、書籍等の閲覧、外部の者との面会及び信書の発受の各制限についてその要件が法定されたことにより、刑事施設の長らはそれらの制限の可否について裁量を失った。(29-1-ゥ)

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  • 4

    公権力が特別権力関係に属する個人に対して包括的な支配権を有し、その個人の人権を法律の根拠なくして制限することができるほか、特別権力関係内部における公権力の行為は司法審査に服さないとする特別権力関係論は、日本国憲法の下では妥当し難い。(29-1-イ)

  • 5

    特別権力関係論には、本質的な問題がある。それは、特別権力関係に属する者が一般国民としての地位に何らかの修正を受ける点で共通の特色を持つにとどまるにもかかわらず、権力服従性という形式的要素によって包括し、人権制約を一般的・観念的に許容する点である。(23-2-ゥ)

  • 6

    一切の公務員の団体交渉権及び争議権を否認する昭和23年政令第201号の合憲性が争われた弘前機関区事件判決(最高裁判所昭和28年4月8日大法廷判決)において、最高裁判所は、憲法第13条の「公共の福祉」論と憲法第15条2項の「全体の奉仕者」論を根拠にして、公務員の労働基本権の一律禁止を合憲とした。(19-11-ア、予25-1-ア

  • 7

    公共企業体等労働関係法における争議権規制の合憲性が争われた全逓東京中郵事件判決(最高裁判所昭和41年10月26日大法廷判決)において、最高裁判所は、公務員の労働基本権を原則として保障し、比較衡量論に基づき、その制限が著しく合理性を欠き、立法府の裁量を明らかに逸脱しているか否かにより合憲性を判断するアプローチを採用した。(19-11-イ)

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  • 8

    全逓東京中郵事件判決(最高裁判所昭和41年10月26日大法廷判決·刑集20巻8号901頁)は、公務員について労働基本権の制限が許されるための基準として、①その制限は合理性の認められる必要最小限度にとどめること、②その職務の停廃が国民生活に重大な障害をもたらすおそれのあるものについて、これを避けるため必要やむを得ない場合に限ること、①制限違反者に対して課せられる不利益は、必要最小限度を超えず、特に刑事制裁は必要やむを得ない場合に限ること、①代償措置が講ぜられるべきこと、という4条件を挙げ、それに照らして、郵便職員等の争議行為を禁止する当時の公共企業体等労働関係法の規定は憲法第28 条等に違反すると判断した。(1日20-13)

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  • 9

    東京都教組事件判決(最高裁判所昭和 44年4月2日大法廷判決·刑集23巻5号305頁)は、地方公務員の争議行為を禁止し、そのあおり行為等を罰する地方公務員法の規定について、これらの規定を文字どおりに解釈すれば違憲の疑いがあるとしつつ、いわゆる合憲限定解釈の手法により違憲判断は避け、規定の解釈としては、あおり行為についても争議行為については、強度の違法性の存することが必要であり、あおり行為等についても争議行為に通常随伴して行われる行為については処罰の対象とはならないとする、いわゆる二重のしぼりの限定を加えた。(日20-13、19-11-ゥ)

  • 10

    全農林警職法事件判決(最高裁判所昭和48年4月25日大法廷判決·刑集27巻4号547頁)は、国家公務員の争議行為を禁止し、そのあおり行為等を罰する国家公務員法の規定について、公務員の従事する職務には公共性があるー方、法律によりその主要な勤務条件が定められ、身分が保障されているほか、適切な代償措置が講じられていることから、争議行為を禁止する規定は憲法第28 条に違反せず、この禁止を侵す違法な争議行為をあおるなどの行為をする者は、違法な争議行為に対する原動力を与える者として単なる争議参加者に比べて社会的責任が重く、その者に対し特に処罰の必要性と合理性があるから、そのあおり行為等を罰する規定は憲法第28条等に違反しないと判断した。(1日20-13、30-9-ウ、予25-1-イ)

  • 11

    集団的かつ組織的な行為としての争議行為を成り立たせるものは、正にあおり行為等であって、あおり行為等は、その性格にかかわらず、争議行為の原動力をなすものであるとの見解は、地方公務員の争議行為の遂行を共謀し、そそのかし、あおる等の行為を地方公務員法違反として刑事罰の対象とするには、あおり行為等が争議行為に通常随伴する以上のものであることを要するとする見解の批判となる。(予R4-11-イ)

  • 12

    国家公務員法の規制をめぐる全農林警職法事件(最高裁判所昭和48年4月25日大法廷判決)において、最高裁判所は、全逓東京中郵事件判決を変更する旨述べ、「公務員の地位の特殊性と職務の公共性」論、公務員の勤務条件に関する「財政民主主義」論を根拠にして、公務員の争議行一律禁止を合憲とした。(19-11-工)

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  • 13

    公務員の争議行為の制限は国民生活全体の利益を維持増進する必要との調和の見地から合理性の認められる 小限度のものでなければならず、職務の性質や違いを考慮することなく公務員の争議行為を一律に禁止することは憲法上許されないとするのが判例の立場である。(28-9-7.予28-6-ア)

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  • 14

    最高裁判所の判例の趣旨に照らせば、憲法第28条の労働基本権の保障は公務員に対しても及ぶが、国家公務員の従事する職務には公共性がある一方、法律によりその主要な勤務条件が定められ、身分が保障されているほか、適切な代償措置が講じられていることなどからすれば、法律により国家公務員の争議行為を禁止することは、勤労者をも含めた国民全体の共同利益の見地からするとやむを得ない制約というべきであって、憲法第28条に違反しない。(R5-8-ウ·予R5-5-ウ、予26-7-ア)

  • 15

    全農林警職法事件判決(最高裁判所昭和 48 年4月25日大法廷判决,刑集27巷4号547頁)以降の最高裁判所の判例の趣旨に照らすと、人事院勧告の実施が凍結され、労働基本権の制約の代償措置がその本来の機能を果たさず実際上画餅に等しいとみられる事態が生じた場合には、国家公務員がその正常な運用を要求して相当な手段態様で争議行為を行うことは、憲法上保障される。(予26-

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  • 16

    全農林警職法事件判決(最高裁判所昭和48年4月25日大法廷判決、刑集27巻4号547頁)以降の最高裁判所の判例の趣旨に照らすと、非権力的な労務に従事する現実の国家公務員は憲法第28条の勤労者にほかならず、労働基本権の保障を受けるから、全体の奉仕者であることを理由として、非現業の国家公務員と同様に争議行為を全面的に禁止することは、合理的な理由を欠く。(予26-7-ゥ)

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  • 17

    労働基本権は、勤労者の経済的地位の向上のための手段として認められたものであって、それ自体が目的とされる絶対的なものではないから、憲法第 13 条のいう公共の福祉のための制約を受けるほか、公務員の争議行為の禁止の場合のように、勤労者を含めた国民全体の共同利益の見地からする制約を受ける。(R4-1-ウ)

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  • 18

    最高裁判所の判例の趣旨によれば、公務員の労働基本権の制限については、制度上整備された代償措置が講じられていることがその合憲性の根拠とされているから、人事院勧告実施の凍結に抗議して行われた争議行為は適法である。(23-10-ア、旧20-13)

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  • 19

    公務員の労働基本権の制限に関し、全農林警職法事件判決(最高裁判所昭和 48年4月25日大法廷判決、刑集 27巻4号547頁)以降の最高裁判所の判例は、職務の内容にかかわらず公務員の争議行為を一律に禁止することについて、合憲とする判断を維持している。(29-1-ア)

  • 20

    公務員の政治活動に対する制約に関して、猿払事件最高裁判決に照らすと、国家公務員の政治的中立性を損うおそれのある政治的行為を禁止することは、強い政治性を有する意見表明そのものを制約する規制であるが、行政の中立的運営とこれに対する国民の信頼の確保という国民全体の共同利益のためであれば、特定の内容の表現を禁止することも許される。 (20-2-ア)

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  • 21

    公務員の政治活動に対する制約に関して、猿払事件最高裁判決に照らすと、国家公務員法第102条第1項は国家公務員に禁止される政治的行為の具体的定めを広く人事院規則に委任しているが、一般に公務員の政治的中立性を損うおそれのある政治的行為を禁じることは許されるのであり、同条同項はそのような行動類型の定めを委任するものであって、委任の限界を超えることにはならない。(20-2-イ)

  • 22

    公務員の政治活動に対する制約に関して、猿払事件最高裁判決に照らすと、国家公務員の具体的な政治的行為を処罰することの合憲性判断に当たっては、当該公務員の職務内容や問題となる行為の内容などを総合的に考慮すべきである。例えば機械的労務の提供を職務とする者の政治的行為により公務員の政治的中立性が害されるおそれは小さいが、他方、行われた行為が選挙に際しての特定政党への支援活動という政治的偏向の強いものであれば、結局処罰は合憲と判断される。(20-2-ウ)

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  • 23

    最高裁判所の判例の趣旨に照らすと、公務員の政治的行為の禁止を定める国家公務員法第 102 条第1項及び人事院規則 14-7それ自体は憲法第 21 条に違反しないとしても、当該公務員の行為のもたらす弊害が軽微なものについてまで一律に罰則を適用することは、必要最小限の域を超えるものであって、憲法第21条及び第31条に違反する。(24-18-ウ)

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  • 24

    国家公務員法第102条第1項にいう「政治的行為」の意義について判断した最高裁判所の二つの判決(最高裁判決平成24年12月7日第二小法廷判決、刑集66巻12号1337頁及び同1722頁)によれば、「政治的行為」とは、公務員の政治的な行為一般ではなく、公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが、観念的なものにとどまらず、現実的に起こり得るものとして実質的に認められるものを指す。(27-1-ア・予27-1-ア)

  • 25

    最高裁判所は、公務員による政党機関誌の配布が国家公務員法違反に問われた堀越事件(最高裁判所平成24年12月7日第二小法廷判決,刑集66巻12号1337頁)において、被告人の配布行為には公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められず、当該配布行為に罰則規定が適用される限りにおいて憲法第21条第1項及び第31条に違反すると判示した。(R2-16-ア)

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  • 26

    国家公務員法第102条第1項にいう「政治的行為」の意義について判断した最高裁判所の二つの判決(最高裁判所平成24年12月7日第二小法廷判決、刑集66巻12号1337頁及び同1722頁)によれば、管理職的地位にある公務員が政党機関紙の配布といった殊更に一定の政治的傾向を顕著に示す行動に出た場合には、その指揮命令や指導監督を通じてその部下等の職務の遂行や組織の運営にもその傾向に沿った影響を及ぼすことになりかねず、「政治的行為」に該当する。(27-1-イ·予27-1-イ)

  • 27

    国家公務員法第102条第1項にいう「政治的行為」 について判断した最高裁判所の二つの判決(最高裁判 24年12月7日第二小法廷判決、刑集66巻12号1337頁及び同1722頁)によれば、公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが認められるか否かは、諸般の事情を総合して判断する必要があるが、公務員の政治的な行為が勤務外で行われた場合には、そのおそれは存在しないと考えられる。(27-1-ウ・予27-1-ウ)

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  • 28

    最高裁判所の判例によると、国家公務員と異なり、地方公務員は、憲法の明文で「全体の奉仕者」とされていないことや、人事院制度に対応する代償措置も置かれていないことから、争議行為を企てる行為や、これをあおる行為に対して刑罰を科することは許されないと解されている。(予25-1-ゥ)

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  • 29

    職権行使の独立が保障され、単独で又は合議体の一員として司法権を行使する主体として、国に対する訴訟を含めて中立・公正な立場から裁判を行うことが強く期待される裁判官に対する政治運動禁止の要請は、議会制民主主義の政治過程を経て決定された政策を、政治的偏向を排し組織の一員として忠実に遂行すべき立場にある一般職の国家公務員に対する政治的行為の禁止の要請ほどには強くないというべきである。(R3-1-ウ、23-7-イ・予23-3-イ)

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  • 30

    刑事収容施設内において喫煙を許すことにより、罪証隠滅のおそれがあり、また火災発生により被拘禁者の逃走や人道上の重大事態の発生も予想される一方、たばこは生活必需品とまではいえず嗜好品にすぎないことからすれば、喫煙の自由が憲法の保障する人権に含まれるとしても、制限の必要性の程度と制限される基本的人権の内容、これに加えられる具体的制限の態様とを総合的に考慮すると、施設内における喫煙禁止は必要かつ合理的なものといえる。(R3-1-イ、22-2-ア、旧19-17)

  • 31

    多数の被拘禁者を外部から隔離して収容する施設では、施設内でこれらの者を集団として管理するに当たり、内部の規律及び秩序を維持し、その正常な状態を保持する必要があるから、この目的のため必要がある場合には、未決拘禁者についても、身体の自由やその他の行為の自由に一定の制限が加えられることはやむを得ない。(R3-1-ア)

  • 32

    最高裁判所の判例の趣旨に照らすと、在監関係の本質は、国家が受刑者を拘禁して一般社会から隔離し、かつ当該受刑者を矯正教化することであり、そのためには受刑者の逃亡を防ぐとともに、監獄内の規律と秩序を維持しなければならないから、ある文書図画を当該受刑者に閲読させることによって監獄からの逃亡の防止と監獄内の規律及び秩序の維持に明白かつ現在の危険を生ずる蓋然性の認められる場合には、監獄の長は当該文書図画の閲読を禁止又は制限することが許される。(旧19-17、22-2-2-イ)

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