国会、裁判所及び会計検査院は、内閣に対立する国家の機関であるから、物品管理法の対象とならない。

所有動産とは、国に所有権があるもので、現金、日本銀行に寄託すべき有価証券、国有財産を除いた動産のことである。

金融商品取引法に規定する有価証券は、物品管理法における物品に該当しないことから、船荷証券や貨物引換書についても、該当しない。

国が借り上げて国の事務事業に使用している船舶や航空機は、国有財産法の規定により、国有財産として扱われる。

保管動産とは、国に所有権がないが、供用のために保管する動産のことであるが、ここでいう保管とは、物品の管理権限としての保管である。

図書館の館内で閲覧するのは供用にあたるが、館外貸出をし、利用者の自宅で閲覧するのは処分にあたる。

準用動産とは、( )ではなく、( )でもないもの。法律では、( )以外の動産で国が保管するもののうち、( )で定めるもの。 ①国が( )を受けた動産 例 国の( )の( )とするため提供させた動産 ( )や( )等を行うための提出物 ②刑事収容施設等で( )した動産 ③( )が指定する動産 例：刑事訴訟法の規定による( )として押収した動産 　　国税徴収法による債権保全のための国税滞納処分による( )

準用動産のうち、寄託による動産については、国は受動的であるのに対し、領置及び各省各庁の長が指定した動産については、国は能動的である。

準用動産における寄託を受けた動産とは、民法上の寄託契約により国が保管する状態の物品を対象とする。

物品管理官の委任の方法としては、個別委任か官職指定による方法がある。

分任物品管理官は、その委任された範囲の物品管理については、本官から独立して行うことから、物品増減及び現在額報告書の提出や、物品の亡失又は損失の報告も独立して行う。

物品出納官を設置する理由としては、厳正の原則に立脚し、意思決定作用と執行作用を分離し、内部牽制の体制を取り入れつつ、物品管理官を意思決定に専念させることを目的とする。

物品出納官についても、各省各庁の長から委任を受ける。

意思決定作用と執行作用の相互牽制の確保のため、物品管理官と物品出納官の兼職は、代理官も含めて禁止されている。

物品管理官と物品出納官の兼職はできないことから、物品管理官の代行機関や補助者による物品出納官との兼職や、物品供用官と物品出納官との兼職もできない。

物品出納官や物品供用官は必ず設置しなければならない。

物品出納官や物品供用官にも分任官制度が存在する。

代行機関が処理できる事務は、経常的かつ軽微なものに限られるが、命令系統の物品管理官の事務だけでなく、物品出納官や物品供用官の執行系統の事務も含む。

代行機関は、物品管理官の事務を処理することとなるが、物品増減及び現在額報告書の作成や、物品管理簿の登記、物品の亡失又は損失の報告、会計検査院に対する計算書の作成などは、対象外となる。

代理官は、代理期間中、代理官本人の名において事務を行うことから、その間の不適切な管理行為の責任は、代理官が自ら負う。

代理期間中は、本官の権限は停止される。

代行機関は、物品管理官の事務のみ処理できるのに対し、補助者は、物品管理官だけでなく、物品出納官、物品供用官及び代行機関の事務を処理することができる。

代行機関及び補助者は、対外的な行為であっても、体内的な行為であっても、物品管理官の名で事務処理を行う。

代行機関は、対内的行為については、独自の判断と責任で事務処理を行うことができるが、補助者については、対外的行為も対内的行為も物品管理機関の決裁印等を要する。

物品の管理に関する事務を、都道府県知事又は知事の指定する職員に委任することはできるが、法定受託事務である都道府県の事務があり、その事務に、都道府県による物品の管理事務を付随させる必要があることの2つの要件を満たす必要がある。

物品に関する事務を行う職員は、その取扱いに関する物品を国から譲り受けることができず、違反した場合は無効となる。

物品に関する事務を行う職員は、いかなる物品についても、国から譲り受けることはできない。

物品管理法において、交換を制限する規定は存在しないことから、関係職員による物品の交換は容認される。

物品を亡失した場合に弁償すべき物品の価額は、当該物品の取得価格である。

物品を損傷した場合の弁償額は、損傷による物品の減価額であり、減価額とは、損傷直前の時価と、損傷直後の時価との差額に相当する額である。

2人以上の職員が国に損害を与えた場合は、その職分や寄与した程度に応じて損害額を弁償する。

物品管理職員だけでなく、物品使用職員の弁償に関しても、会計検査院における検定の制度が規定されている。

物品に対する目的の付与として、分類制度があるが、それは予算の目の目的に従って設けられる。

物品の分類制度において、経費の目的によらない包括的な分類を行うことは可能であるが、一般会計と特別会計をまたがったり、組織の別にまたがった分類は許されない。

物品管理官は、毎年１回、物品の管理に関する計画を策定し、各省各庁の長の承認を受けなければならない。

物品の管理に関する計画は、法律上原則として全ての物品を対象としており、物品管理官は、計画のうち、供用に係る部分を物品供用官に通知しなければならない。

分類換とは、物品を他の所属の分類に変更することで、いわば、予算の目的を変更することであり、管理換とは、国内部の管理主体の変更に過ぎないが、管理換に伴って分類換が生じることが多い。

分類換及び管理換は、各省各庁の長からの命令によってのみ行うことができる。

異なる会計間で管理換を行う場合、有償整理することとされているが、その場合の対価は、時価とされている。

異なる会計間で管理換する場合でも、一月以内の期限を設定する場合や、管理換したとしてもその成果が管理換元に帰属するような場合、財務大臣協議をして指定する場合は、有償としないこともできる。

物品管理官、物品出納官及び物品供用官は、例外なく物品の全ての異動につき、漏れなく記載しなければならない。

帳簿に価格の記録をしなければならない場合 機械及び器具 取得価格が( )円以上のもの 機械及び器具のうち、防衛省所管防衛用品 取得価格が( )円以上のもの 美術品 取得価格が( )円以上のもの

物品の管理に関する検査は、毎会計年度１回行われるが、検査の日は特定されていないため、適宜の時期に行えばよい。

物品の管理に関する検査については、毎会計年度１回の定期検査があることから、物品管理官等が交替するときや、物品管理官等の廃止があったときに検査をする必要はない。

取得価格が50万円以上の機械及び器具や、300万円以上の美術品については、毎会計年度報告することを要するが、50万円未満の物品が連結された結果50万円以上となっているような物品は、報告対象にならない。

報告の手続 ①( )は、( )を作成し、( )までに( )に送付しなければならない。 ②( )は、①を元に( )を作成しなければならない。 ③( )は、①及び②の報告書を、( )までに( )に送付しなければならない。 ④( )は、( )とともに( )を、( )に報告しなければならない。

国有財産法で管理していたものを、物品管理法で管理することとなった場合は、取得に当たらない。

契約担当職員等は、物品管理官からの請求に応じて必要な措置をした場合や、予算事情等から措置することができなかった場合は、物品管理官に通知することとなっているが、法令の規定により取得しなければならないとされている物品を取得する場合や、物品管理官が契約等担当職員を兼ねている場合は、そのような通知は不要である。

供用に関する手続として、物品を使用職員に使用させるための供用手続と、使用職員から回収するための返納手続があるが、どちらも、物品管理官がその判断を下す。

各省各庁の長は、物品の不用決定に係る基準を定めていることから、物品管理官が、報告対象物品等を不用決定する場合、当該基準に基づいて処理するのであれば、各省各庁の長等の承認は不要である。

物品増減及び現在額総計算書は、会計検査院に送付することになっているが、その検査は、必要性の乏しさなどから、廃止されている。

内閣府の外局の長は、各省各庁の長にあたらない。

物品管理職員等が物品を亡失又は損傷したときは、弁償責任が課せられるが、当該職員が退職や死亡して職員ではなくなった場合、弁償責任は消滅する。

公務員が職務を行い国に損害を与えた場合に、民法上での損害賠償責任は発生しない。

物品の分類替は、いわば歳出予算の変更に等しく、移用にも等しい行為であるから、無秩序に行われるべきではなく、物品の効率的な供用又は処分のため必要があるときに限って行うべきである。

物品管理法における取得価格には、企業会計と同様に、購入した際の据付工事費などの付随費用も含める。

物品管理法における処分とは、所有権の喪失のみならず、貸付により占有を失うような占有権の喪失も含む。

物品管理官が不用の決定をした場合は、契約等担当職員に対し何らかの措置を要求する必要がある。

物品管理法における一部適用除外物品のうち、財務大臣協議が必要なものはどれか。

都道府県の職員に、物品供用官の事務のみを委任することができる。

物品管理法第32条に規定する物品の亡失又は損傷等をした際の通知は、政令の定めるところにより、財務大臣又は会計検査院に通知しなければならない。

分類の基準については、( )の別及び予算で定める部局等の( )の別に区別し、さらに予算で定める( )の目的の別に区分して設けなければならない。

帳簿の体裁は、簿冊、ルーズリーフ、カード、磁気テープ等適宜の手段をもって充てるものとされ、帳簿の共用も差し支えない。

物品管理法は、私人間の関係を規律するものではなく、国の内部関係を規律する手続法規である。

弁償命令は、執行力を持たないため、不服がある場合は、これに応じないことができる。

財務大臣は総括機関であるので、閣議の決定を経なくとも、各省各庁の長に対し、管理換その他必要な措置を求めることができる。

物品がそのもの自体として使用できないものの、物品の一部の部品は他用途に活用できるため、同部品を取り出す場合には、不用の決定は不要である。

準用財産のうち、物品増減及び現在額報告に該当する物品は、同報告書に含める必要がある。

分任物品管理官は、その管理に属する物品について、本官以外の全く別の物品管理官に管理換をする場合にも、本官とは関係なく分任官限りで所定の手続きを経て行うことができる。

物品管理事務と物品供用事務の兼掌は禁止されている。

法定受託事務ではないが、国の要請に基づいて都道府県が事務又は事業を行う場合であり、かつ、その事務又は事業に使用される物品が国の所有に属する物品であった場合は、都道府県知事等に物品管理事務の委任をすることができる。

物品に関する事務を行う職員は、政令で定める物品を除き、その取扱にかかる物品を国から譲り受けることができず、その行為は絶対的に無効となることから、当該職員がこれを更に第三者に譲り渡した場合は、国はいかなる場合でも第三者に対して無効を主張しうる。

法第１８条における物品に関する事務を行う職員とは、物品管理職員のことであり、同職員はその取扱にかかる物品を国から譲り受けることはできない。

物品の用途を勘案し、適切かつ効率的な供用及び処分の上から適当であると認められる場合は、目的の別を更に区分し、又は統合する等、当該経費の目的によらない分類をすることができる。

検査を行う場合、検査の公正を確保するための措置として、検査員は立会人を選定する必要があるが、やむを得ない場合は、検査員が立会人を兼ねることができる。

検査は、いずれの検査も各省各庁の長が命ずる検査員が行う。

帳簿には、物品の分類、細分類及び品目ごとに、物品の増減等の異動の数量、現在高その他物品の異動に関する事項及びその物品の管理上必要な事項を、財務大臣の定めるところにより記録する。

物品管理計画の内容が別に立てる事業等の計画の内容に含まれる場合には、改めて物品管理計画を立てるまでもなく、その事業等の計画そのものを物品の管理に関する計画としてもよい。

物品管理計画の内容、様式については法の規定はなく、物品管理官は、財務大臣の定めるところ従って計画を定めることとなる。

物品管理法の取得とは、国がその物品の所有権を取得することである。

ある物品管理官に所属する物品が他の物品管理官の所属に移動する行為は、取得に当たる。

取得の意思決定は、物品等の調達を行う契約等担当職員が行う。

契約等担当職員に限り、その職務を行うことにより国において取得する物品又は取得した物品があると認めるとき、又は、取引の状況等を勘案して物品を取得することが適当であると認めるときは、物品管理官にその旨を通知することと規定されている。

共用物品（２人以上の職員が共に使用する物品）は、使用職員を明らかにしておく必要があるものの、そのうちの主任者まで明らかにする必要はない。

物品管理法において、「供用とは、物品をその用途に応じて国において使用させることをいう」と規定されているところ、「その用途に応じて」とは、物品本来の属性の基づく使い途に限定するという意味であり、「国において」とは、国自身又は国以外の他者においてという意味が含まれているが、いずれの場合においても国の支配下においてということが条件である

供用換とは、物品の有効活用を図るため、使用職員相互間において物品を移動させる行為のことである。

物品管理官は、修繕又は改造の必要があると認めたときは、物品供用官に対して必ず返納命令を出して返納させなければならない。

寄託契約による場合は、物品の所有権は国にあるが、物品自体は国の占有下から離れるので、物品の移動としては「処分」に当たる。

物品が国の事務又は事業の目的達成のための手段である財であることに鑑み、出資の目的とし、又はこれに私権を設定することはいかなる場合もできないとされている。

物品管理法では、「処分」という語を、管理行為の１つとしての処分と、国の事務又は事業の目的に従い用途に応じて行う処分の２つの意味で用いている。