問題一覧
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①会社 : 営利社団法人3 ・営利: 営利事業で得た利益を構成員に分配する ※儲けるだけでなく構成員に分配することまでが目的であることがポイント ・社団: 一定の目的をもった団体 (複数人の結合体) ・法人:自然人以外のもので、 法律上、権利義務の主体となりうるもの →自然人とは別個独立した権利義務主体 + 自然人と異なり集団に認められる ②会社の種類 ・持分会社-合名・合資・合同会社 (所有と経営)一致 (理念)社員間の信頼あり・社員の個性を重視 【合名会社】 (有限責任社員)× (無限責任社員)◯ 【持分会社】 (有限責任社員)◯ (無限責任社員)◯ 【合資会社】 (有限責任社員)◯ (無限責任社員)× ・株式会社 (所有と経営)分離 (理念)社員間の信頼無し・社員の個性を無視 (有限責任社員)◯ (無限責任社員)× (1) 社員: 会社の出資者 ・有限責任:社員が会社債務について一定限度 (出資分) においてのみ弁済すべき義務を負う場合 ・無限責任:社員が会社債務について無限に弁済する義務を負う場合 (2) 株主: 株式会社の出資者 2 株式会社 □ 基本的特質 ① 本質: 多数の者から出資を受け、大規模な事業を行うことをも可能とすることを法は想定 ⇒ 出資を容易にする必要 ∵株式 と 社員の有限責任を採用 ⇒ 持分会社 : 大資本不要 → 株式なし 社員の無限責任 ( 個人責任) ② 株式: 細分化された均等な割合的単位のかたちをとる株式会社の社員たる地位【A+】 (1) 目的: 大資本の結集 (2) 意義 ・細分化: 多数の株式+ 1株が小さい→多数の者が出資 ・均等:1株の価値が同じ→公平・便宜 ・割合的单位 : 100/3万株等。 not 金額 →社員の個性が喪失 ・社員たる地位 : 全権利の源たる地位。 not 株券→実質的所有者 ③ 社員: 会社の出資者≒ 会社の実質的所有者≠ 従業員 (1)株主 :株式会社の出資者 ≒ 株式会社の社員 ≒ 株式会社の共同所有者 (2) 従業員 : 会社に雇用されている者。 (正) 社員 ④ 株主有限責任の原則: 株主は出資額を超えて会社債務について会社債権者に対して責任を負わないとの原則 (1) 条文 : 104 (2) 趣旨: 多数の者が容易に出資 → 大資本の結集 ※ 有限責任社員 : 無限責任→出資者が少数者に限定 ⑤ 株主の地位:株式会社の実質的所有者 → 会社事業・会社財産は会社自身の所有 + 株主の権利(強い権利があるので実質的所有者と言われる) (1)株主権: 株式会社における社員の地位 ≒ 株式の実体 ・自益権: 株式会社から経済的な利益を受ける権利→ 剰余金配当請求権、 残余財産分配請求権等 ・共益権:株式会社の経営に参与する権利→ 議決権、監督是正等 (2) 株式譲渡自由の原則: 原則として、株主は株式を自由に譲渡することができるとの原則 a) 条文: 127 b) 趣旨 ・必要性 :払戻しによる退社が認められない→投下資本回収のため株式譲渡を認める必要 ・許容性:所有と経営の分離、株主の個性の喪失→株式会社及び他の株主に影響なし (3) 株券: 株式を表章する要式の有価証券 →旧商法: 原則発行 → 現会社法: 原則、 発行しない。 定款に定めた場合に限り例外的に発行 a) 株券による株式会社の分類 株券不発行会社: 定款に株券発行の定めがない会社→ 株主が不明確・管理費用等の減少 株券発行会社 : 定款に株券発行の定めがある会社 ⇒株主が明確管理・費用等の増大 b) 株式の譲渡 ・株券不発行会社:意思表示で譲渡 →株主名簿の名義書換 (株式会社・第三者対抗要件) ・株券発行会社 :意思表示と株券の交付 →株主名簿の名義書換 (株式会社対抗要件) →株券所持(第三者対抗要件) ⑥ 資本金【A書けるように】: 株式会社の財産を確保するための基準となる一定の計算上の数額 ⇒会社財産の入れ物 (not 会社財産金銭) (1) 会社財産: 会社が所有する金銭的価値のあるすべての財産 →資本金の中身 (2) 会社債権者 :会社に対する債権を持つ者 (例) 銀行、仕入先、 従業員、 社債の保有者 ⇒ 〇会社に請求 ・ × 株主に請求→債務の引当は会社財産のみ (3) 資本金の目的: 株式会社の信用確保及び会社債権者の保護→ 会社財産 (資本金)を確保 (4)資本金制度 446 : 剰余金 (=配当金)= 会社財産 - 資本金 - 資本準備金 口 設立 ① 設立手続 (1) 実体の完成: 権利能力なし a) 定款: 会社の組織活動に関する根本規則→ 会社及びその構成員等を拘束 b) 株式発行事項の決定と株式の引受 → 株式・株主を決定 c)機関 →会社自身の意思決定・行為を行う者 d) 会社財産の形成と株主の確定→ 出資の履行 (2)設立登記 → 会社の成立: 権利能力あり 口 機関 ①機関: その者の行為が法律上会社自体の意思決定や行為となる会社の組織上の一定の地位にある者 (1) 趣旨: 会社は概念的存在→機関が意思決定・行為= 会社の意思決定・行為 (2) 特色: 三権分立に類似 ②株主総会: 株主の総意によって株式会社の意思を決定する必要的機関 ・取締役会非設置会社 →万能の機関。一切の事項を決議できる ・取締役会設置会社→基本的事項を決定→ 法定事項と定款で定めた事項を決議できる (1) 1株1議決権の原則: 個々の株主の議決権の数は1株について1個の議決権であるという原則 ⇒ 株主の数ではなく株式の数によって決定 (2) 議決方法: 普通決議 (過半数)・特別決議 (2/3)・特殊決議 (3/4等) ③ 取締役:株式会社の業務に関して決定・執行をする必要的機関 (1) 取締役会: 取締役全員で構成し、 その会議により業務執行に関する株式会社の意思決定・監督をする機関 ・取締役会非設置会社: 取締役会を設置しない会社→中小企業が主 ・取締役会設置会社: 取締役を設置または法律上設置しなければならない会社 →大企業が主 (2)権限 ・取締役会非設置会社 : 各取締役=株式会社の機関→ 各自は会社の代表 ・取締役会設置会社 : 各取締役≠株式会社の機関→ 各自は取締役会の一構成員 (3) 代表取締役: 株式会社を代表する取締役→ 取締役会設置会社では取締役会で選定 ・社長:会社の最高責任者 →会社法の規定なし、 主に代表取締役・ 取締役・CEO (4) 会計参与: 取締役等と共同して計算書類等を作成する者→ 公認会計士・税理士等、 not 監査 ④ 監査役:取締役及び会計参与の業務執行を監査する機関 → 独任制: 独立して単独で権限行使 (1) 監査役会 :3人以上の監査役で構成され、業務執行に対する監査を行う機関 (2) 会計監査人: 計算書類等の監査をする者→公認会計士・監査法人
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1 会社の概念 ①会社法の視点→問題を解く際の分析方法 (1) 会社法の目的: 企業の健全な秩序ある発展 ・発展: 合理化が要請 ≒ 利益を最大化 ・健全な秩序:適正化が要請≒ 規制と法令順守・信義則・公平 ⇒ 相反する利益→合理化と適正化の調和を図る (2) 利害関係人: 株主、会社債権者 、会社 、取引の相手方、一般公衆 ⇒ 相反する利益→利害関係人の利益の調和を図る (3) 機関構造: 三権分立に類似→取締役の権限濫用に対する歯止め ②会社: 営利社団法人 3 ③法人: 自然人以外のもので、法律上、権利義務の主体となりうるもの⇒ 別個独立の権利義務主体 (1)権利能力の制限 a) 性質による制限: ×相続権 x 扶養請求権 × 親権 b) 法令による制限: 民 34 c) 目的による制限: 目的を定款に記載 + 登記が必要→ 目的の範囲内で権利能力を有する (民34) Q 定款所定の目的の範囲内の行為 ・判例: 目的達成に直接又は間接に必要な行為→ 客観的に判断 →ほぼ全ての行為 ・理由: 取引安全 ・事例:◯会社が政党に政治献金 (2) 法人格否認の法理: 特定の事案の解決のために会社とその背後にいる株主・社員を同一視する法理 →例外的に、法人の独立性または社員の間接責任を否定 → 個人の行為・判例は肯定 a) 根拠: 権利濫用(民1Ⅲ) b) 要件 【濫用事例】 (要件1) 支配の要件 (法人が株主等の意のまま) (要件2) 目的の要件(支配者に違法又は不法の目的) 【形骸化事例(実体なし)】 (要件1) 支配の要件 (法人が株主等の意のまま) (要件2) 法人形式を無視する諸徴表 ・株主総会又は取締役会の不開催 ・営業の混同 (株主と会社が同種事業を遂行) ・財産の混同 (株主及び会社の会計区分の欠如) c) 効果: 当該特定の事案の当事者間の法律関係についてのみ法人格を否認 d) 補充性:常に解決の最後の手段として存在 ④ 営利: 営利事業で得た利益を構成員に分配する= 対外活動で利益 + 構成員に分配 ⇒ 会社は構成員の私益目的→剰余金の配当又は残余財産の分配が必要 105Ⅱ (しないは不可) ⑤ 社団 一定の目的をもった団体 (複数人の結合体) (1) 社団法人: 社団のうち法人格が認められ権利義務の主体 (法人) となるもの →「社団法人」という名称自体は廃止 【一般社団法人】 目的)事業(公益性不問・利益可) 利益の分配)× 営利 or 非営利)非営利法人 【公益社団法人】 目的)公益 利益の分配)× 営利 or 非営利)非営利法人 【会社】 目的)営利 利益の分配)◯ 営利 or 非営利)営利法人 (2)一人会社: 社員が1人しかいない会社 →同一人物が社員= 株主= 代表取締役 Q一人会社がみとめられるか 通説: 認められる 理由: いつでも複数になる可能性がある = 潜在的に社団性がある ※法人格否認の法理が認められる典型
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① 会社法上の種類: 持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)・株式会社 ・持分会社: 小企業を想定・所有と経営の一致・社員間の結びつきが強い ・株式会社: 大企業を想定・所有と経営の分離•社員間の結びつきが弱い (1)社員の責任の態様 a) 債務負担の態様による ・直接責任: 会社債権者に対し社員が直接弁済義務を負う ・間接責任: 会社債権者に対し社員が直接弁済義務を負わない (間接的には負う) b) 負担額による分類 : 有限責任(出資分)or 無限責任(無限) 【別紙比較図参照】 c)直接有限責任: 未払出資金について直接責任(例:10万のうち5万しか払っていない) 間接有限責任 : 未払出資金は制度上ない(未払いだと社員になれない) (2) 業務執行と代表者 ・株式会社: 株主総会で取締役選任・取締役会構成・代表取締役が選任され会社代表 + 業務執行 ・持分会社: 原則、 全社員各自が会社代表 + 業務を執行 590Ⅰ・599I~Ⅲ (3) 持分の譲渡 ・株式会社: 譲渡自由 127 ・持分会社: 原則、他の社員全員の承諾が必要 585 I → 総社員の同意により退社 ≒ not 自由 ② 会社の法定的分類 2 (1) 支配による分類2三・四 ・子会社: 会社 (A) がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社(B) ・親会社: 株式会社 (B) を子会社とする会社 (A)。 株式会社に限らない ⇒ A=親会社•B=子会社→ AはBの総株主の議決権の過半数を持つ (2) 譲渡制限による分類2五 ・公開会社 :株式の全部に譲渡制限がない会社 or 株式の一部に譲渡制限がない会社 ⭐️一部でも譲渡制限されてなければ公開会社 ・非公開会社: 株式の全部に譲渡制限がある会社≒ 株式譲渡制限会社 ⇒公開=一部譲渡自由を含む= 非公開以外 ・ 非公開= 全部譲渡制限がある 注)上場会社または上場企業とは無関係・株式会社が前提 (3) 規模による分類2六 大会社: 資本金5億円以上または負債 200億円以上の会社 ⇒原則、 監査役必要 ・非大会社資本金5億円未満 かつ 負債 200億円未満の会社 ⇒ 原則、 監査役不要 ⇒ 中小企業 業種により100人以下等 > 零細企業: 業種により20人以下等 ≒小規模企業 ※負債200億あると言うことはどこかから金を借りて資産が200億あるのと同じと考える→監査役が必要 (4) 設置機関による分類2七 ・取締役会設置会社 : 取締役会を設置 または 会社法の規定により設置しなければならない株式会社 ・取締役会非設置会社: 取締役会を設置しない株式会社 ≒ 取締役会設置会社以外の会社 ⇒ 同様に、会計参与設置会社・監査役会設定会社・ 指名委員会設置会社等2八~十三 ③会社関係の基本用語 (1) 財務諸表 :会社の財務状況を報告する書類≒決算書→ 作成義務あり ・貸借対照表(BS): 財産状況を表す → 資産= 債務 + 純資産 ・損益計算書 (PL): 経営状況を表す → 収入 - 経費= 純利益 (2) 事業年度 : 会社が基準として決めた1年間≒会計年度 →会社が決める ⇒ 最終の月・日=決算月 ・決算日 (3) 有限会社:有限責任社員のみ・役員任期なし・決算公告義務なし ⇒ 改正により新設不可→ 特例有限会社に移行
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図
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① 条文構造 第一編 会社法総則 1~24->会社一般に適用 第二編: 株式会社 25~574->設立、株式 104~235、新株予約権、 機295~430 第三編 持分会社 575~675 その他: 社債(第四編)、 組織変更等(第五編)、外国会社、雑則、罰則 ②商人:自己の名をもって商行為をすることを業とする者 (商4) ⇒⭐️会社=商人・会社が事業としてまたは事業のために行う行為=商行為5 →商法適用 ③商号: 営業上自己を表す名称→ 原則、 自由 (商号選定自由の原則。 商11I) (1)名称規制: 会社はその種類を商号中に用いる 6・会社でない者は用いてはならない 7 (2) 不正使用: 不正の目的で他の会社と誤認される虞のある商号禁止8 (3) 名板貸し他人に商号使用を許諾→誤認された場合、当該取引による債務を連帯して弁済9 ④ 使用人: 権限の制限を対抗できない (相手方悪意を除く) ・会社の支配人 10: 支店長 ・委任を受けた使用人14: 部長・課長等 ・店舗の使用人15 :正社員・アルバイト等 ⑤(会社) 支配人: 使用人のうちで会社の本店または支店の事業の主任者である者 (例) 支店長 (1) 選任: 株式会社では取締役 (取会あれば取会) の専決348Ⅲ一〜362Ⅳ三 →本店所在地で登記 918 ⭐️支店所在地ではない (2) 権限: 包括的代理権 11 I (3) 代表取締役との相違 【支配人・代表取締役共通】 事業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限 【法人との関係】 ・支配人: 雇用関係 ・代表取締役:委任関係 【法的性質】 ・支配人:代理権 ・代表取締役:代表権 349 I 【権限の範囲】 ・支配人:特定の営業所に限定 ・代表取締役:営業所に限定されない 【禁止事項】 ・支配人:営業避止義務 12I一三四、競業避止義務 12I二 ・代表取締役:競業取引規制 356 I一、利益相反取引規制 356Ⅰ二三 【禁止事項ができる場合】 ・支配人:会社の許可 ・代表取締役: 株会(取会あれば取会) の承認
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1 株式会社の基本的特質 ①本質: 株式と社員の有限責任 ∵ 多数の者から出資 + 大規模な事業を行うことをも可能 ② 株式: 細分化された均等な割合的単位のかたちをとる株式会社の社員たる地位 ※「細菌割 - 細・均・割」 ③有限責任 株主は出資額を超えて会社債務について会社債権者に対して責任を負わない 104 ④ 株式譲渡自由の原則: 原則として、株主は株式を自由に譲渡することができるとの原則 127 ⑤ 資本金: 株式会社の財産を確保するための基準となる一定の計算上の数額 ⑥ 所有と経営の分離: 所有者 (株主)と経営者 (取締役)を制度上分離→ 制度・状況・原則等 (1) 条文 : 326I、331 II、402 V ⇒公開会社において社員資格と機関資格を分離 (⭐️必須ではない) (2) 趣旨: 合理化→多大な費用・経営の意思及び能力がないことが主・多数の者から出資等 (3) 実務: 非大会社は一致が主。大会社は分離が主 第四章 株式会社の設立 1 設立の概要 ① 概要: 実体の形成 + 法人格の取得 (1) 実体の形成 : 組織の完成→権利能力なし a)定款作成→会社及びその構成員等を拘束 b) 株式発行事項の決定と株式の引受→株式・株主を決定 c) 機関の決定→ 実体組織の確定 d) 会社財産の形成と株主の確定→ 出資の履行 ⇒ 持分会社: 定款作成のみ。但し、有限責任である合同会社は出資必要。 登記は同じ。 →定款に社員 576I四、 社員=機関 590Ⅰ、無限責任社員 576Ⅱ、Ⅲ (2) 法人格の取得: 登記 → 権利能力あり a) 公証役場で公証人による定款認証 b) 本店所在地の法務局で会社の設立登記申請 → 登記完了 = 会社成立 49 ② 成立 (1) 準則主義 : 法律の定める一定の組織 要件を具備した場合に当然に法人とする主義 (2)設立登記 :法人格付与(権利能力取得) = 法人成立 (⭐️登記は対抗要件ではなく成立要件) (3) 最低資本金規制 (株式会社は資本金1千万以上) の撤廃→ 資本金0も可 ③ 設立の方法 25 ・発起設立: 発起人が設立時発行株式の全部を引受ける方法 ・募集設立: 発起人が設立時発行株式の一部を引受ける方法 ※発起設立か募集設立かで手続きが異なる ※発起人は1株以上引き受けなければならない (1) 発起人: 会社設立の企画者として定款に署名または記名押印等をした者 26Ⅰ →形式説 (判通)=定款に署名した者が発起人・資格制限なし(但し、法律行為) ○実質的企画者以外、複数、法人も発起人になれる ×:制限行為能力者 (未成年者、成年被後見人)は発起人になれない (2) 引受 : 何らかの負担を受ける → 株式・社債等に対し払込を行う代わりに取得すること 2 設立手続 □ 定款の作成 ① 定款: 会社の組織活動に関する根本規則 (1)性質:自治法 → 発起人及び後に加入した株主等をも拘束 (2) 原始定款: 会社設立時に作成された最初の定款≒ 公証人の認証を受ける対象となる定款 (3) 定款認証: 作成した定款の正当性を公証人が証明する手続 30 1 ∵ 紛争及び不正の防止 →発起人が定款作成 + 発起人全員の署名または記名押印 + 公証人の定款認証 →効力発生 ② 定款作成手続 (1) 作成方法: 「書面 + 署名等」or 「 電磁的記録 + 電子署名」 も可 26Ⅱ (2) 公開方法 31ⅠⅡ 【備置き】 (会社成立前)発起人が定めた場所 (会社成立後)本店及び支店 【閲覧謄写等の請求】 (会社成立前)発起人が発起人の定めた時間内に可 (会社成立後)株主・債権者が会社の営業時間内に可 ③ 定款記載事項 ・絶対的記載事項: 記載を欠く→定款自体が無効 ・相対的記載事項: 記載を欠く→定款自体は有効・定款外で定めても効力が認められない ・任意的記載事項: 記載を欠く→定款自体は有効・定款外で定めても当事者を拘束する ⑴絶対的記載事項 ・27: 目的、 商号、 本店所在地、設立に際して出資される財産の価額または最低額、 発起人の氏名等 ・37: 発行可能株式総数 → ⭐️× 資本金 ∵原則、資本金は株式の払込額。 1/2まで資本金としなくてよい (資本準備金) 445 (2) 相対的記載事項 a) 具体例 :株式の内容制限 107Ⅱ、 種類株式 108Ⅱ、株券発行 214、 変態設立事項 等 b) 変態設立事項:相対的記載事項のうち、 効力発生のためには原始定款への記載が必要な事項 28 (3) 任意的記載事項 29 a) 具体例 :事業年度、 取締役等の員数、 株主総会の招集時期 等 b) 記載の効果 : 明確化 + 変更には定款変更手続が必要 □ 変態設立事項 1) 変態設立事項 (原始定款に定めなければ効力が生じないもの) (1)条文 : 28 (2)具体例:現物出資、財産引受、発起人の報酬または特別の利益、設立費用 (3)趣旨 :財産的基礎への侵害のおそれ(危険な約束)(不正がしやすい) (4)手続: 原始定款への記載 + 裁判所の選任する検査役の調査 33ⅠⅡ →不正発覚→発起設立:裁判所変更33 募集設立:創立総会で変更96 ①現物出資: 金銭以外の財産をもってする出資 (1) 具体例: 動産、不動産、債権、特許権等 (2) 趣旨: 目的物の過大評価 →財産的基礎への侵害 (3) 規制: 会社設立時: ⭐️発起人に限定58Ⅰ三・募集株式発行時(会社設立後): 発起人限定なし 208Ⅱ ②財産引受(Aランク。定義書く)/ 発起人が、会社のために会社の成立を条件として、 特定の財産を譲り受けることを会社の成立前に約する契約 ※ 財産引受は第三者からの財産も譲り受けて(買い受けて)良いという特徴がある (1) 具体例 : 発起人が会社成立を条件に100万の車を売買 (2) 趣旨 目的物の過大評価 → 財産的基礎への侵害(現物出資の潜脱行為) ④ 発起人の報酬または特別の利益 ・発起人報酬: 発起人が会社の設立のために提供した労務に対する報酬 ・特別利益:設立の功労者として受ける上記以外の利益 (1) 具体例: 発起人報酬、 設備利用権、 設備利用権、優先的利用権、備品の消費等 (2) 趣旨 :不当な高額報酬・特権→財産的基礎への侵害 ⑤ 設立費用: 発起人が支出した会社の設立のために必要な費用 (1) 具体例 ・◯:定款の作成費、募集株式の広告費、 創立事務所の賃借料 ・× 定款認証手数料、検査役の報酬、 設立登記の登録免許税、 開業準備行為(会社設立後の事業に必要な行為) (2) 趣旨: 濫費のおそれ→ 財産的基礎への侵害 □ 株式発行事項の決定と株式の引受の確定 ① 株式に関する事項 (1) 株式発行事項: 設立時発行株式の数及び額、 出資される財産の価額、資本金・資本準備金等 32I (2)発行可能株式総数(B+): 発行する株式の総数 a)定款記載事項: 絶対的記載事項・会社成立時(=登記申請時) までに記載 (原始定款不要→公証人の認証に書いてなくてもよい) b) 4倍ルール: 設立時発行株式の総数は発行可能株式総数の1/4を下回ることはできない 37Ⅲ ⭐️非公開会社では不要 公開会社は 1/4以上の発行必要 ∵株主保護 (株式は取締役会で発行できる→100/4000株を設立時に発行しXが100株取得→この時点ではXは100%の議決権があるが、後で3900株発行して他社が引き受けたらXは4.5%のみになってしまう) ② 株式の引受 25 発起設立 : 発起人がその全部を引受 募集設立: 発起人がその一部を引受 + 残りの株式は、募集→申込割当て≒引受払込 (1)募集: 発起人全員の同意により発起人が株主を募集 57、58 (2) 申込: 書面または電磁的記録による 59 ⇒申込証拠金:申込の際に必要な金銭であり 実務上、 払込金額全額の支払いを請求する (3) 割当て: 申込の場合に発起人が申込人に対し引受の可否及び数を決めること 60 a)割当て自由の原則 : 割り当ての際に発起人は自由に決められる→誰にどれだけ割り当てるかは発起人の自由 b) 引受け:申込人からみた割当てを受けること (4) 払込: 引受人は割り当てられた株式数に応じて払込義務を負う63 I 発起人の裁量 (5)効果(B+) :出資の履行または払込みにより株式会社成立時に株主となる(×履行時払込時) 50Ⅰ、102Ⅱ ⭐️会社成立時に株主になることに注意 →無効・取消の制限 (申込・引受) 法的安定 ×:心裡留保通謀虚偽表示 51I102V、株式会社成立後の錯誤詐欺・強迫51Ⅱ・102VI ◯:⭐️制限行為能力・詐害行為取消
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□ 機関の決定 ① 設立時役員等: 株式会社の設立に際して役員等となる者 ⇒ 設立時取締役・設立時代表取締役 設立時監査役・設立時会計参与等を決定=機関の決定 ② 設立時取締役等の選任 ・発起設立:発起人が選任 38I→発起人の議決権の過半数 40 I ・募集設立 : 創立総会決議 88→総株主の過半数 かつ 出席株主の議決権の2/3以上 ③ 設立時代表取締役の選定 : 発起設立・ 募集設立共通 (指名委員会等設置会社を除く) ∵第6節 【取会設置】 代取の選定:必須 選定方法:設立時取締役の中からその過半数 47 【取会非設置】 代取の選定:任意(なければ各自代表 349I) 選定方法:発起人の過半数 or定款 □ 会社財産の形成と株主の確定 (Aランク) ① 出資の履行 =会社財産の形成 + 株主の確定 ・発起人: 引受後遅滞なく、全額払込または現物出資の全部給付 34I ・引受人: 払込期日または期間内に全額払込63 I ②失権:履行をしない場合に株主となる権利を失うこと ∵ 迅速な設立 ・発起人: 権予告付き払込催告→期日までに履行しなければ失権 36Ⅲ ・引受人: 当然に失権 63Ⅲ Q一部の株式が失権した場合 (1)定款に定めた設立の際の出資額またはその最低額 ・充足する→設立手続続行可 ・充足しない→引受人の追加募集が必要 →充足しないと設立無効事由 828I一 (2) 発起人が1株も取得しない場合 →(1) の要件に関わらず設立無効事由 25Ⅱ ③ 払込取扱: 払込取扱機関の払込取扱場所にてしなければならない 34Ⅱ・63I ・発起設立: 払込があったことを証する書類 (通帳コピー等)が必要 ・募集設立: 払込金保管証明書 (銀行等発行)が必要 (1) 払込保管証明請求 発起人は払込取扱機関に払込保管証明書の請求可 64I (2) 払込保管証明責任: 募集設立の場合の払込について払込取扱機関が負担 64Ⅱ ∵仮想防止 ④ 仮装払込 (1) 預合い: 借入金を預けた形。取扱金融機関と共謀 ∵会社の信用、 営業上の必要 →発起人が払込取扱機関から借入をしてそれを設立中の会社の預金に振替えて払込にあてるが、この借入を返済するまでは会社の預金を引き出さないことを約束する行為 ※定義【Aランク】。キーワード書けるように。「発起人が払込取扱機関から借入」「払込にあてる」「返済までは会社の預金を引き出さない」と言うのがキーワード) a) 特徴: 帳簿上の操作のみで現実の払込なし b) 効果: 無効 c)対策: 罰則規定 965 + 募集設立の場合保管証明責任あり 64Ⅱ (2) 見せ金: 借入金を預けてすぐ返す・ 取扱金融機関と共謀なし =発起人が払込取扱機関以外の者から借り入れた金銭を株式の払込にあて、 会社の成立後にこれを引き出して借入金の返済にあてる行為 ※定義【Aランク】。キーワード書けるように。「発起人が払込取扱機関以外の者から借り入れた金銭」「株式の払込」がキーワード a) 特徴: 現実の払込あり b) 対策: 明文上はない Q 見せ金による株式の払込の効果【Aランク】 (1)問題の所在: 形式的には融資 + 罰則規定なし→内心の問題(発起人が見せ金と考えるか、事業資金と考えるか) (2)判例・通説: 無効 a) 罰則規定 965: 不適用∵ 罪刑法定主義。但し、発起人等に任務懈怠責任53 I b) 見せ金を除き出資額不足 設立無効事由 (3) 理由 実質的には仮装払込 (4) 判断基準: 客観面を総合的に観察して決すべき a) 会社成立後借入金を返済するまでの期間の長短 →短いほど該当 b) 払戻金が会社資金として運用された事実の有無 →無いほど該当 c) 借入金の返済が会社の資金関係に及ぼす影響の有無 →有るほど該当 Q 見せ金による払込がされたとき、 払込取扱機関は払込金の保管証明責任 64Ⅱを負うか【Aランク】 (1) 事例: 募集設立 → 払込 (見せ金) →無効→ 会社が銀行に保管証明に基づき支払請求 (2) 通説: 払込取扱機関に悪意または重過失がある場合のみ保管証明責任を負う(64Ⅱ類推適用) (3) 理由: 預合いは共謀を前提 ※「株式払込金保管証明書」を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は払込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の会社に対抗できない ⑤ 変態設立事項の調査【B+】 ・原則 :変態設立事項を定款で定めた → 公証人の認証後遅滞なく検査役選任の申立が必要 33I ・例外 :現物出資財産引受→ 500万以下 or 有価証券 or 弁護士等の証明があれば不要 33X ⑥ 設立経過の調査【B】 ・発起設立: 設立時取締役 (監査役設置会社の場合設立時監査役も)が出資の履行・ 設立手続を調査 46I ・募集設立 : 創立総会において設立時取締役が調査・ 報告 93 ⑦ 創立総会: 募集設立の場合に設立時の株主によって構成される設立中の会社の意思決定機関 ⇒ 株主総会に相当 (1) 招集: 発起人が払込期日経過後遅滞なくまたは必要があれば 65 (2) 権限: 設立経過報告 87Ⅰ、 設立時役員等の選任88I、変態設立事項の調査報告 等 (3) 決議: 総株主の議決権の過半数 かつ 出席株主の議決権の2/3以上 73I
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□法人格の取得 【Bランク】 ① 登記 : 実体の形成・定款認証→設立登記申請→ 登記完了 = 法人格取得 (1) 条文 : 49 (2) 会社設立日 = 設立登記申請日→〇受付日・ 書面到達日・休日なら翌営業日 × 登記完了日 (3) 手続: 所定の期間内に本店所在地の法務局で申請 ② 登記事項: 911Ⅲ各号。 目的、 商号、所在、資本金、発行可能株式総数、 株式の種類、資本金、 機関 ⇒ 取締役の氏名、 代取の氏名・住所等、監査役の監査の範囲を会計に限定する旨の定款の定め ③ 効果 法人格の取得、株式申込 引受の取消等の制限、権利株の譲渡制限の消滅、株券発行 3 設立中の法律関係 ① 設立中の会社: 権利能力なし→ 実体を形成→登記によって権利能力あり (法人格の取得) ⇒ 権利能力なき社団 + 発起人は執行機関 ∵ 実体あり + 形式的には発起人に権利義務発生 Q 発起人が会社設立中になした法律行為の効果 (1) 問題の所在: 権能なき社団 - ->> 会社成立による権利義務承継の説明 (2) 通説: 設立中の会社と成立した会社は実質的に同一の存在なので当然に承継する(同一性説) (3) 理由: 実質的に会社が権利義務取得 →法人格がないので便宜的に発起人が取得 ②発起人が行う行為→設立中の会社に帰属⇒ 設立中の会社の実質的権利能力の範囲内かつ 発起人の権限の範囲内 が必要 【⑴-⑷の4つに分かれる】 (1) 成立要件的行為: 会社の設立を直接目的とする行為及びそのために法律上必要な行為 (例) 設立登記、 定款認証、 創立総会の招集、 株式の引受払込 (2) 設立的取引行為: 会社設立のために事実上必要な取引行為 (例) 設立事務所の賃借、 株主募集の広告委託、 設立のための法律相談 ⇒ (1)(2)は設立に必要な費用 (3) 開業準備行為【頻出】: 会社の成立を条件とする事業の準備行為 (例) 財産引受 28Ⅱ、 営業所の賃借、 従業員の雇用、 製品の仕入、 業務用機械の買入 (4) 事業行為: 開業前の通常の営業行為 Q 設立中の会社の実質的権利能力の範囲 (1) 前提: 法人は目的の範囲内で権利義務 (民34)→ 設立中の会社も同様 (2) 問題の所在 : 法人の行為の種類ごとの可否 (3) 結論: 設立に必要な行為及び開業準備行為 (財産引受のみ(判例)) は実質的権利能力の範囲 ⭐️判例は財産引受のみ (4) 理由:会社設立のみならず成立時の事業をなしうる状態にすることも目的としている Q 発起人の権限の範囲内 (1) 前提: 実質的な執行機関→権限の範囲内でのみ認められる (2) 問題の所在: 発起人の行為の種類ごとの可否 (3) 結論: 設立に必要な行為及び開業準備行為 (財産引受のみ判) は発起人の権限の範囲 ⭐️判例は財産引受のみ (4) 理由:執行機関 目的達成に必要な範囲、濫用の危険、明文で財産引受を許容 Q 財産引受以外の開業準備行為 ※財産引受≒売買 (1) 問題の所在:事業をなしうる目的を阻害(事務所を借りたり従業員を雇ったり銀行から借入したりすることは事業の準備として必要) + 事業開始の遅れによる経済的損失 (2) 結論: 28Ⅱ類推適用により財産引受同様の規制 (3) 理由: 権限濫用による財産的基礎への侵害の防止 ③ 定款に記載のない財産引受の効力: 無効 28 ⇒ 会社側・契約の相手方双方主張可 Q 定款に記載のない財産引受を成立後の会社によって追認することができるか (1) 問題の所在:本人の追認可 (民法)• 設立中の会社と成立後の会社は同一 (2) 判例: 追認できない (3) 理由: 法定要件欠缺から絶対的に無効 • 株主及び会社債権者保護 ④ 設立中の会社の法律関係の責任 ・会社成立前: 形式的に発起人・実質的に設立中の会社 ・会社成立後: 成立した会社が承継 → × 発起人・設立中の会社 (注) 事業行為等を除く Q 開業準備行為の効果が成立後の会社に及ばない場合の発起人の責任 (1) 問題の所在: 無権代理適用( 民法117)が考えられるが、 本人たる会社が存在しない (2) 判例: 無権代理 117 の類推適用により発起人に責任を問いうる→ 通常、 仮装の有無も不問(例:設立済みの会社の役員と説明) (3) 理由: 権利外観法理 ⑤ 設立費用: 発起人が支出した会社の設立のために必要な費用→開業準備行為・事業行為以外の費用→ 定款に記載が必要。 但し、 損害のおそれがなければ不要(法定の手数料など) ・定款記載の限度内かつ検査役の調査を通った額→○発起人は会社に請求できる ・上記を超える額:× 発起人は会社に請求できない Q 未履行の設立費用に関する帰属 (1) 事例: 株式募集の広告→定款記載金額を超過→発起人が未払会社成立→債務の帰属 (2) 判例 ・必要な手続きを経た限度内→会社に帰属 ・法定要件を満たさない債務→発起人に帰属 (3) 理由: 28IV
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□ 設立の瑕疵 ① 設立無効の訴え : 設立手続に瑕疵がある場合に会社の設立を無効とする訴え ⇒ ⭐️設立の無効は訴えによってのみ認められる (1) 条文 : 828I- 無効の主張や効果等を大幅に制限 (2) 趣旨: 取引安全 会社が成立すると多数の関係者 法律関係 ② 提訴期間: 会社の成立の日から2年以内 ③提訴権者: 株主、 社員等 → 被告は会社 834 ④ 設立手続の瑕疵 ・客観的瑕疵: 設立手続が強行法規または株式会社の本質に反する場合⇒ 設立無効事由 ・主観的瑕疵: 個々の社員の行為に瑕疵がある (例: 払込未完) ・持分会社: 設立無効事由または取消事由 832 ・株式会社: 個々の社員の行為の無効事由⇒ × 取消事由 × 会社の設立無効事由 ⑤ 設立無効事由→ 明文事例なし → できるかぎり狭く解すべき ∵取引安全・企業維持 ⇒ 絶対的記載事項27、 定款認証 30I、設立の際の出資額の履行、 発起人の引受等がない ⑥ 効力 ・対世効 838 ∵ 法律関係の画一的確定の要請 ※民法:相対効 ・将来効 839 .∵法律関係の安定 ※民法:遡及効 ⑦不成立 : 途中で挫折し設立の登記まで至らなかった場合 ⇒ 誰でもいつでも無効主張可・発起人が支出した費用を負担 払込の返還 (無過失責任) 56 □ 設立関与者の責任【B+短答】 ①概要: 準則主義→ 設立が容易+ 違法目的等でも成立可 →利害関係者の利益保護が必要 ・刑事責任: 刑罰 960Ⅰ、 962 等、過料 976 一等 ・民事責任 : 不足額支払義務 52、仮装払込支払義務52の2、 任務懈怠責任 53 等 ②不足額支払義務: 現物出資・財産引受で定款記載価額に著しい不足→不足額を支払う義務を負う (1) 条文 : 52、103 (2) 対象: 過大評価、 市場価格の変動 (3) 支払義務者: 発起人、設立時取締役、証明者、 現物出資者等 (4) 免責規定 :検査役の調査 (証明者、 現物出資者等は過失責任 52Ⅲ) ・発起設立: 過失責任 52Ⅱ ・募集設立: 無過失責任 103I ∵ 引受人の保護 ③ 仮装払込支払義務: 仮装払込 (見せ金等)→ 仮装した払込金額について支払義務を負う (1) 条文 : 52の2、103Ⅱ (2) 免責規定 発起設立: 仮装発起人以外の者は過失責任 募集設立: 仮装引受人以外の者は過失責任 (3) 株式の効果 : 有効説:有 ④ 任務懈怠責任: 任務を怠った (法令・定款違反、善管注意義務・ 忠実義務違反) ときに負う賠償責任 (1) 条文 : 53 (2) 主体: 発起人、 設立時取締役、 設立時監査役 (3) 責任: 株式会社に対し過失責任 → 悪意または重過失があれば第三者に対しても (4) 複数 全員が連帯債務者 ⑤ 疑似発起人: 募集設立において、募集広告等、募集に関する書面等に氏名または名称及び設立を賛助する旨を記載することを承諾した者 ⇒ 発起人と同様の責任を負う 103ⅣV -> × 発起人ではない、○ 電磁的記錄 ⑥ 責任の免除: 総株主の同意があれば免除 55等 ⇒ 民事責任追及の方法: 株主による取締役等に対する株主代表訴訟 847 以下
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□ 株式制度 ①株式: 細分化された均等な割合的単位のかたちをとる株式会社の社員たる地位 ・細分化: 多数の株式+ 1株が小さい→多数の者が出資 ・均等: 1株の価値が同じ->権利行使の公平・ 取扱いの便宜 ・割合的单位 :100/3万株等。 not 金額 ->株式の数のみで判断 ∴社員の個性が喪失 ・社員たる地位 : 全権利の源たる地位。 not 株券→ 実質的所有者 (1) 趣旨: 大資本の結集 (2) 株主 株式会社の社員 ≒ 株式会社の出資者 株式会社の共同所有者 ② 条文 : 104〜235 ③法的性質: 株主としての地位に基づく諸権利 (株式社員権説) ×: 議決権のみ譲渡、剰余金配当請求権のみ譲渡 ∵個々の権利のみ処分 ◯ :確定した配当金支払請求権 ∵ 単なる金銭債権 ④ 資本金: 株式会社の財産を確保するための基準となる一定の計算上の数額 ⇒会社財産の入れ物 (not 会社財産・金銭) (1) 株式と資本金の関係 ・原則: 払込・給付の全額を資本金の額とする (資本金に組入れ) 445Ⅰ ・例外:払込・給付の1/2までの額を資本準備金としてよい (半分以上資本金) 445Ⅱ・Ⅲ ・変更:資本金の額の増減も認められる 447、 450 ・4倍ルール : 設立時発行株式の総数は発行可能株式総数の1/4を下回ることはできない 37Ⅲ (2) 資本準備金: 払込・給付の際に資本金として計上しなかった金額 →赤字の補填・振替増資・税金対策等で利用 ⑤ 株式の共有: 認められる (≒ 準共有となる) (例)共同相続 (1) 準共有: 所有権以外の財産権を共有する場合 (民264) (例) 賃借権、地上権、 債権 ⇒ 物質として存在しない + 共有に準ずる (2) 権利行使方法 106 ・原則: 権利行使をする者の指定 + 株式会社への通知が必要 ∵取扱いの便宜 ・例外: 株式会社の権利行使への同意がある場合、 指定・通知不要 (3) 判例 ・共有者内部の取決めに違反して権利行使をする者が権利行使-> 有効 ∵ 取扱いの便宜 ・権利行使者の指定方法=共有者の持分の過半数 ∵252 + 困難性 ・ 指定・通知なき共有者による株会決議不存在確認訴訟 → 特段の事情なき限り、 原告適格なし □ 株主の権利・義務 ①株主の権利 (1) 自益権と共益権 a) 自益権: 会社から経済的な利益を受ける権利 (例) 剰余金配当請求権、 残余財産分配請求権 ⇒ 自己の利益のための権利→ 比較的、 制限なし ∵ 権利保護 b) 共益権: 会社の経営に参与する権利 (例) 議決権、 監督是正権 →共同の利益のための権利→比較的、 制限あり ∵他の株主に影響 (2) 単独株主権と少数株主権 ・単独株主権: 1株の株主でも行使できる権利 ・少数株主権: 一定割合または一定数以上を有する株主のみが行使できる権利 (3) 株主の権利の関係 【自益権】 (具体的分類) 剰余金配当請求権 105I一、残余財産分配請求権 105Iニ (制限による分類) 単独株主権 【共益権】 (具体的分類) 議決権 105I (制限による分類)単独株主 (具体的分類)監督是正権360、 297等 (制限による分類)単独株主権 360 or 少数株主権 297 ② 株主の義務 :出資義務 (1) 株主有限責任: 出資額を超えて会社債務について会社債権者に対して責任を負わない104 (2) 出資時期:会社成立前または新株発行前→ 出資後に株主になる →株主は出資義務なし(出資義務があるのは引受人) (3)会社債権者保護 : × 相殺 208Ⅲ・出資免除・払込金返還 (所定の手続があれば可) □ 株主平等原則【Aランク】 ① 株主平等原則: 株主としての資格に基づく法律関係について、株式会社はその有する株式の内容及び数に応じて平等に取り扱わなければならないという原則【定義Aランク】 (1) 条文 : 109 (2) 特徴: 持株数を基準(not 頭数 ) (3) 趣旨: 株式が株主の地位を均一の割合的単位としていることを裏から表現 ②内容 ・原則: 異なる内容の種類株式は異なる取扱可 + 同じ内容の株式は株式数に応じて平等 ・例外: 非公開会社は配当金等につき株主毎に異なる取扱を定款で定めることができる 109Ⅱ ③ 効果 : 強行法規的な性格 ⇒ 違反する決議、行為、定款は無効。 但し、不利益を受ける株主の承認あれば有効 ④ 機能: 少数株主保護 +経営者の権限濫用の防止 ⑤ 株主平等原則の諸論点 (1) 剰余金 : ≒ 純資産- 資本金≒配当金≒分配金 ⇒ 株主に分配する a) 配当の確定: 権利付最終日→ 権利落ち日 → 権利確定日 ・権利付最終日 : 配当・株主優待等を取得できる最終取引日→ この日に株式を保持していれば分配可 ・権利落ち日 : 権利付最終日の翌営業日→この日以降に株式を取得保持しても分配不可 ・権利確定日 :配当等を取得する権利を保有する株主として登録される日→ この日に株式を保持していても権利付最終日までに取得していなければ分配不可 ⇒ 権利付最終日は権利確定日の2営業日前 →以後の株式売却でも配当可 b) 分配回数 : 通常、 年1~2回。 無配当も可 c)配当額 株式数に応じて454Ⅲ(例) 1株につき500円。20株なら1万円。 ⇒ 株主により配当額が異なるが数に応じて平等 →株主平等原則に反しない Q 特定の株主を優遇する贈与契約と株主平等原則 (1) 事例: 一般株主は無配、 特定の大株主に月8万及び中元・歳暮各5万の贈与契約 (2) 問題の所在: 株主平等原則 (3) 判例: 無効 + 刑事罰 970 I (4) 理由: 特定の大株主が特別に優遇されるのは株主平等原則に反する (2) 株主優待制度: 一定の株式を有する株主に対して優待券等の利益を交付する制度 ∵ 個人株主の増大、 顧客の拡大、 宣伝、 株式の長期保有 Q 株主優待制度が認められるか (a) 問題の所在: 株主平等原則の適用があるか? + 株主平等原則に違反しないか? (b) 実務・通説 : 認められる (株主平等原則の適用あるが反しない) (c) 理由: ・株主の資格があるから優待が受けられるので、株主平等原則の適用がある ・優待の程度が軽微かつ株主の増大等合理的理由があれば、株主平等原則に違反しない (3) 株主総会の運営: 各株主に対し合理的理由なき限り同一の取扱いをすべき ∵ 株主平等原則 【判例】従業員株主を株主籍の前方に着席させた措置(総会屋対策) ⇒ 適切ではないが許される ∵権利侵害なし
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□ 利益供与の禁止 ①利益供与の禁止 株式会社は何人に対しても、 株主等の権利の行使に関し、会社の計算において財産上の利益を供与してはならない ※ 定義は120条項をみれば書ける (1) 条文: 120 I (2) 沿革:総会屋への利益提供禁止→総会屋以外の利益提供も禁止 (3) 趣旨 :会社財産の浪費を防止 + 企業経営の健全性を確保 (4) 株主等:改) 株主、 適格旧株主 847 の2 Ⅸ、最終完全親会社の株主 ・完全親会社: 子会社の発行済株式の100%を所有する会社 ・完全子会社: 親会社に発行済株式の100%を所有されている会社 ※最終:それ以上上位の親会社はいないということ ②禁止の範囲 (1)株主の権利の行使 :株主権(自益権・共益権)の行使・不行使、 株主の権利と密接に関連 【判例】議決権不行使目的で第三者に譲り受けるための対価を給付し株式譲渡させた場合→ 株主の権利の行使に当たる (単なる株式譲渡では該当しない) (2) 何人に対しても : 株主等に対する利益供与・ 株主以外に対する利益供与 (3) 利益の供与: 財産上の利益 ・推定規定 120Ⅱ: 無償で利益の供与 or 有償だが会社の利益が著しく少ない ⇒ 財産上の利益の供与をしたと推定する(擬制でない) ③ 違反の効果 (1) 返還義務: 供与を受けた者は会社に返還 120Ⅲ、不当利得の特則 (705 708 不適用) (2)支払義務120Ⅳ ・関与した取締役 : 供与相当額の支払義務 (過失責任)+ 任務懈怠による損害賠償責任 423I ・供与した取締役:供与相当額の支払義務 (無過失責任)+ 任務懈怠による損害賠償責任 423I ・監査役:任務懈怠による損害賠償責任 423I ⇒株式会社に対して連帯責任、 総株主の同意がなければ免除不可 120V (3) 代表訴訟 会社が責任追及をしない場合、 株主による支払請求可 847 847の2・3 (4) 刑事罰 : 供与をした取締役に対して 970
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□ 総説 ① 株式の種類 ・普通株式: 権利の内容が同一+ 全部の株式の内容として同一 ・特別な内容の株式: 権利の内容が異なる+全部の株式の内容として特別の定め ・種類株式: 権利の内容が異なる+内容が異なる複数の種類の株式 注) 種類株式での標準となる株式を普通株式とも (1) 原則: 普通株式を要求 → 例外として、特別な内容の株式・種類株式を認める (2) 趣旨: 株式による資金調達の多様化と支配関係の多様化の機会を与えるため ② 特別な内容の株式 (1) 条文 : 107 (2) 種類 : 107I ・譲渡制限株式: 株式の取得に株式会社の承認を要する株式 ・取得請求権付株式: 株主が会社に対して保有株式の買取を請求できる権利が付いた株式 ・取得条項付株式: 会社が株主に対して保有株式を取得できる条項が付いた株式 ③ 種類株式 (1) 条文 : 108 (2) 種類: 108I a) 優先株式等: 剰余金の配当・残余財産の配当が異なる株式 b) 議決権制限種類株式:議決権を行使できる事項が異なる株式 c) 譲渡制限種類株式: 株式の取得に株式会社の承認を要する株式 d) 取得請求権付種類株式:株主が会社に対して保有株式の買取を請求できる権利が付いた株式 e) 取得条項付種類株式:会社が株主に対して保有株式を取得できる条項が付いた株式 f) 全部取得条項付種類株式: 総会決議によって会社が当該全株式を取得できる株式 ※取得条項付株式107は発行に株主全員の同意が必要。全部取得条項付種類株式は株主総会の特別決議でよい。 g) 拒否権付種類株式:株主総会等の決議事項に対し当該種類株主総会の決議も必要とする株式 h) 選解任種類株式:当該種類株主総会で取締役等の選任を行う株式 (非公開会社のみ) (3) 属人的種類株式: 定款で株主毎に議決権・配当等に関する内容について定めた株式109Ⅱ a) 非公開会社の特則: 剰余金、 残余財産、 議決権につき定款で株主毎に異なる取扱の定め可 b) 種類株式との関係: 第二編・第五編との関係では種類株式とみなす (第七編は除く) ④ 手続 (1)発行手続 ・特別な内容の株式 : 定款で定める 107 Ⅱ ・種類株式: 定款で定める 108Ⅱ(普通株式は除く 優先株は要綱だけも可 108Ⅲ) (2) 登記等: 一定事項を株主名簿・ 株券等に記載し かつ 登記 911Ⅲ ⑤ 種類株主総会: 種類株式発行会社における、 特定の種類株式の株主による株主総会 (1) 決議: 法定または定款で定めた事項。 株主総会の規定を準用325→原則、 普通決議 (2) 法定 ・原則: 322 I各号の行為 + 種類株主に損害のおそれ→その種類株主による種類株主総会決議が必要 ・例外: 定款で決議不要とできる→定款変更関連 322 Iーイロハ 347Ⅰ等は不可 (322Ⅲ但) (3) 趣旨: 異なる種類株主間の利害調整 □ 権利の内容が異なる株式 ① 譲渡制限株式: 株式の取得に株式会社の承認を要する株式 (1) 条文 2十七、 107I、 108Ⅰ四 (2) 趣旨: 小規模会社の安定性確保 (3) 要点: × 譲渡不可、 全部譲渡制限の場合のみ非公開会社、 定款での定めが必要 ② 取得請求権付株式 :株主が会社に対して買取請求できる (1) 条文 : 2十八、 107I二、 108Ⅰ五 (2) 趣旨: 資金調達を容易(売れやすい) (3) 定款: 取得請求権付株式の旨、 取得対価、請求期間等の定めが必要 107Ⅱニ (4) 要点 ◯金銭以外 (社債 他の株式新株予約権等) の取得対価も可能 ③取得条項付株式:会社が株式を取得できる条項付の株式 (1) 条文 : 2十九、 107Ⅰ三、 108Ⅰ 六 (2) 趣旨: 相続対策、 資金調達を容易 (3) 定款: 取得条項付株式の旨、 取得事由または一定の日、 取得対価等の定めが必要107I三 (4) 要点: 〇 金銭以外の取得対価も可 〇一部の取得も可 (その旨及び決定方法の定款記載が必要) ④ 配当・残余財産の分配についての種類株式 ・優先株式: 配当・残余財産の分配について他の種類の株式よりも優先的な地位が与えられる株式 ・普通株式: 標準となる通常の株式 ・劣後株式: 配当・残余財産の分配について他の種類の株式よりも劣後的な地位が与えられる株式 (1) 条文 : 108I一・二 (2) 趣旨: 資金調達が容易 (3) 定款: 配当・残余財産の分配額の決定方法、条件、 取扱等の定めが必要 108Ⅱー・ニ (4) 要点: 多様な形態 (議決権制限株式と組合せ・ 剰余金優先と残余財産劣後の組合せ等) あり ・参加型優先株式:優先配当金額 (優先の配当金)+ 残余配当金額 (通常の配当金) ・非参加型優先株式:優先配当金額 (優先の配当金) ・累積的優先株式: 今期の配当金 + 前期の未払分の配当金 ・非累積的優先株式: 今期の配当金 ⑤ 議決権制限種類株式 ・全部議決権制限株式 : 全部の事項について議決権を有しない株式 ・一部議決権制限株式: 一部の事項について議決権を有しない株式 (1) 条文 : 108Ⅰ三 (2) 趣旨: 議決権行使に関心のない株主の必要性 (3) 定款: 議決権行使事項、 条件等の定めが必要 108Ⅱ三 (4) 要点: 1株1議決権の原則(→2株で1議決権、5株で1議決権等は×)、 公開会社では発行可能株式総数の1/2以下の議決権制限株式を発行可 115 ⑥ 全部取得条項付種類株式: 特別決議によって会社が当該全部の株式を取得できる種類株式 (1) 条文: 108Ⅰ 七 (2) 趣旨: 100%減資 (既存株主消去)、 敵対的買収からの防衛 (3) 取得条項付株式との相違 【取得条項付】 (取得の態様)強制取得(株主の同意不要) (株式の発行)株主全員の同意 (株式の取得)一定事由 + 会社の意思 【全部所得条項付】 (取得の態様)強制取得(株主の同意不要) (株式の発行)- (株式の取得)株主総会の特別決議 (4) 定款: 取得対価の決定方法、 条件等の定めが必要 108Ⅱ七 (5) 手続:株主への通知・広告→書面・電磁的記録の備置・閲覧→株会特別決議 171・172・173→事後に書面等の備置・閲覧 173の2、 法令違反及び不利益のおそれがあれば裁判所へ差止請求可 171の3 ⑦拒否権付種類株式: 株主総会等の決議事項に対し当該種類株主総会の決議も必要とする株式 (1) 条文 : 108Iハ (2) 趣旨: 旧所有者の影響力維持、 敵対的買収の防止 (3) 定款: 種類株主総会の決議も必要とする事項、条件等の定めが必要108Ⅱ (4) 要点: 1株でも行使可、 非常に強力な権限 (黄金株)、株主平等・1株1議決権の原則を侵害 ⑧選解任種類株式: 当該種類株主総会で取締役等の選解任を行う株式 (1) 条文 : 108Ⅰ九 (2) 趣旨: 合弁企業等での取締役等選任の合意を担保等 (3) 定款: 選任する取締役等の数、 選任する種類株式の種類、条件等の定めが必要 108Ⅱ九 (4) 要点: 非公開会社かつ指名委員会等設置会社でない会社のみ 108 I但 ∵合弁会社等を想定→資金調達のために公開会社にする必要なし。指名委員会等設置会社にする必要もなし
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① 株券: 株式を表章する要式の有価証券【定義Aランク】 原則:不発行→株券不発行会社 例外: 定款に定めた場合に限って発行→株券発行会社 ② 条文 : 214 ③特徴 (1) 非設権証券性: 既存の権利を記載 →有効な株式が存在しなければ無効 ※ 設権証券性: 作成により権利が発生 (2) 無記名証券性: 権利者の記名がない →所持者が権利者となる ※記名証券性: 権利者の記名がある→記名された者が権利者となる (3) 緩やかな要式証券性: 法定の記載事項が欠けても本質的事項の記載があれば有効 ※ 要式証券性: 法定の記載事項が欠ければ無効 (4) 非文言証券性 権利内容が記載されていない→ 定款・株会決議等で定まる ※文言証券性: 権利内容が記載されている ④発行 (1)発行時期: 原則、株式発行日以降遅滞なく→ 非公開会社は株主の請求があるまで不発行可 215 (2)記載事項: 商号、 株式数、 株式の種類と内容等 216 (3)善意取得: 交付を受けた者は悪意または重過失なき限り権利を取得 131Ⅱ ※株券失効制度などは現在では出ない
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□ 株式の譲渡 ① 株式の譲渡: 法律行為によって株主の地位を移転すること ※ × 株券の譲渡を意味するのではない 株主権取得 →× 自益権・共益権の個別譲渡はできない ・○個別具体的に発生した権利の譲渡はできる ② 株券と株式譲渡 (1) 株券発行会社: 意思表示と株券の交付により譲渡128I →株主名簿の名義書換→株式会社対抗要件 130 → 株券所持= 株式会社以外の第三者対抗要件 + 適法推定及び善意取得 131 →株券喪失 →会社に通知・株券喪失登録→ 名義書換等不可・ 1年で失効し再発行 221 (2) 株券不発行会社: 意思表示のみで譲渡 128I →株主名簿の名義書換 = 株式会社及び株式会社以外の第三者対抗要件 130 ③ 株式譲渡自由の原則: 株式を自由に譲渡することができるとの原則 (1) 条文 : 127 (2)趣旨 ・必要性: 払戻しを伴う退社制度がない →投下資本回収のため株式譲渡を認める必要 ・許容性: 所有と経営の分離、 株主有限責任 ->株式会社・ 他の株主・会社債権者等に影響なし (3) 例外: 法律による制限・定款による制限・契約による制限 □ 法律による譲渡制限 ① 総説 ・時期による権利株 35・ 株券発行前の譲渡 128Ⅱの制限 ・子会社による親会社株式の制限 135 ・自己株式の制限 155 ② 権利株会社成立前または新株発行前の株式引受人の地位 ⇒ 株式の譲渡ではない → 株主となる権利の譲渡 (1) 譲渡の効果 : 当事者間では有効 + 株式会社には対抗できない ⇒ 発起人 35・ 50Ⅱ、設立時募集株式 63 Ⅱ、募集株式 208IV (2) 趣旨: 株主名簿の整備、 株券発行事務の渋滞防止 ③ 株券発行前の譲渡 (1) 譲渡の効果: 株券発行前の株式譲渡は株式会社との関係では無効 128Ⅱ (2) 趣旨: 株主名簿の整備、 株券発行事務の渋滞防止 Q 株券発行前の譲渡における当事者間の効力 (a) 問題の所在 : 明文なし (b)判例:当事者間では有効 →譲渡方法: 意思表示、第三者対抗要件: 株主名簿の名義書換 (c)理由:趣旨が損なわれない Q 株式会社が株券の発行を遅滞している場合の効力 (a) 問題の所在 : 発行を不当に遅滞 215 信義則・会社の責任から株主に帰責は妥当でない (b) 判例:不当に遅滞した場合、 有効 (=128IIは合理的期間内のみ適用∵ 215前提) (c)理由: 趣旨が損なわれない ④ 親会社株式取得: 原則、 子会社は親会社の株式を取得してはならない (1)条文: 135 (2) 趣旨: 会社財産の確保(子会社から親会社に金がいくが親会社が子会社に金を送った場合は実質払い戻し)、 株価操作(子会社が買った分だけ買える株が減って値上がりする) 投機的行為(インサイダー取引)、 (親会社の)支配的地位の固定化 の弊害防止 ⇒ 自己株式取得も同様の弊害 (3) 例外: 他会社の事業の全部を譲受、合併・吸収による承継、無償で取得等 (4) 適法に取得した場合 a)相当の時期に処分しなければならない b) 親会社による取得もできる c) 原則、 議決権を有しない 308 I括弧書
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①概要 (1) 目的: 株主の個性が問題となる閉鎖的会社の需要に応えること (2) 背景: 会社・株式会社の9割以上が同族会社等の小規模会社 (3) 同族会社 = 株主の3人以下並びにこれらと特殊な関係にある個人や法人が議決権の過半数を保有している会社 ⇒ 多くが、 家族経営・小規模会社 (4) 傾向 同族会社は株主数が少なく、株主の流動性は低い。出資金は少額で、買収は比較的容易である。株主の個性が重要であり、株式の譲渡制限の必要がある。 (5) 定款による譲渡制限: 種類株式または特別な内容の株式として定款で譲渡制限 107I・108I四 (6) 要件: 種類株式・ 全ての株式共に定款での定め→ ⭐️譲渡不可はできない ⇒⭐️ 株式会社成立後の定款変更も可能: 特殊決議 309Ⅲ一・324Ⅲ一 ②態様 (1) 譲渡の承認機関 139 ・取締役会設置会社 :原則、取締役会の承認 ・取締役会非設置会社:原則、株主総会の承認 →例外として定款で 「別段の定め」も可 (例)代表取締役にする、取締役にする、取会設置会社で株主総会にすること (2) 公示方法: 登記 911Ⅲ七・株券の記載 216 三が必要 ⇒ 善意の第三者対抗要件 908 I (3) 制限の範囲(学説) ※標準=譲渡には会社の承認が必要 (会社法の制限を強化): 許されない ∵株式譲渡自由の原則 (例)譲渡不可 (会社法の制限を軽減) : 許される ∵投下資本の回収を容易 (例)外国人のみ承認要 (4) 株主の投下資本の回収 136、138 ・ 【会社の承認あり】→予定していた譲受人への譲渡 【会社の承認なし】→譲渡不可 or 会社による買取請求 or 指定買取人による買取請求 →申立による売買価格の裁判所決定可 144Ⅷ・Ⅱ、買取人の通知により売買契約成立 ③効力 (1) 基本: 株式の譲渡の際に株式会社の承認を必要とする (2) 手続: 譲渡等承認請求 → 株会 or 取会による決定 →通知 (請求から2週間以内) 139Ⅱ ・承認→ 譲渡→ 株主名簿書換 ・不承認→譲渡不可 or 買取請求 (会社 or 指定買取人) →通知により成立 141Ⅰ・142Ⅰ (3) 買取請求: 株式取得者は会社に対し会社又は指定買取人による買取を請求できる 137Ⅰ、138 ニハ Q 定款による譲渡制限に違反した株式譲渡の効力 (a) 問題の所在: 明文なし (b) 判例: 株式会社との関係では無効・ 当事者間では有効 (c) 理由: 譲渡制限の目的を十分達成 + 137Ⅰ、 138 ニハは当事者間での承認前譲渡有効を前提 Q 承認なき譲渡制限株式の譲渡において譲渡人は株主としての地位を有する者といえるか (a) 問題の所在: 譲渡人は株主としての実質的理由を喪失 (b) 判例: 譲受人が権利行使不可となる反射的効果として譲渡人は株主としての地位を有する者といえる (c) 理由: 譲渡制限の趣旨に合致 + 権利行使の空白が生じる (4) 譲渡制限のある一人会社で株式譲渡→ 承認がなくても会社との関係でも有効 ∵ 全株主の同意 (5) 相続による取得→ 会社は定款の定めにより売渡請求できる 174
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① 総説: 関係者の契約によって株式譲渡を制限 ⇒ 法律・定款と異なり公示方法に問題→譲受人保護の必要 ② 株式会社以外の者と株主との契約による制限 例: 父と子(株主)が株式を売らない契約 【原則】: 債権的には有効 ∵ 契約自由の原則→第三者拘束力なし・ 株式譲渡は有効 【例外】: 公序良俗違反等があれば無効 ③株式会社と株主との契約による制限 【原則】: 無効 ∵ 株式譲渡自由の原則 127 脱法手段となるおそれ(本来、株会の特殊決議が必要)→契約に反してなされた株式譲渡は有効 【例外】: 合理的な場合 ④従業員持株制度: 従業員に対して自社株式の購入を促進・優遇する制度 (1)内容: 会社により多種多様。主に市場価格より低価格・ 各種特典等 (2) 趣旨: 会社側:福利厚生、 敵対的買収対策等 + 従業員側:資産形成・会社への貢献 (3) 脱退 : 退職時に従業員が会社従業員持株会等に限定して譲渡が主 Q 従業員持株制度の有効性 (a) 問題の所在 ・市場価格より低価格各種特典等 →株主平等原則に反する? ・退職時に会社等に限定して譲渡 →株式譲渡自由の原則に反する? (b) 判例・通説 : 有効 (c)理由: ・株主平等 :従業員を対象・ 優遇内容も比較的軽微→福利厚生の一環と評価 ・譲渡自由: 従業員が自由意志で合意・公序良俗に反しない→合理的 ⑤ 株式担保: 質権設定 (略式質・登録質) 146・ 147 or 譲渡担保 (1)要件 ・略式質: 質権設定合意 + 株券交付+株券占有 (第三者対抗要件)(株券発行会社のみ) ・登録質: 質権設定合意 + 株主名簿の記載 (2) 効果 151~154 ・略式質: 会社には効力なし (質権設定者が株主)・質権者は物上代位可 ※会社は略式質が設定されたことを知らない ・登録質: 権者が直接会社から配当等を受ける154Ⅰ Q 株式担保の設定を譲渡制限株式に対して行う場合の処理 (1) 問題の所在: 譲渡として会社の承認が必要となるか (2)判例?: 設定段階では不要 (実行段階では必要) (3) 理由:明文なし
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口 総説 ① 自己株式 :株式会社が有する自己の株式113ⅣV (1) 自己株式の取得: 株式会社が自社の発行した株式を取得すること →一定の場合に限り認められる + 実務上は広く認められる (2) 条文: 155 以下 (3) 趣旨・弊害・対策 (論点)【Aランク】 (趣旨1)会社債権者保護 (弊害)出資の払戻し (対策)財源規制 (趣旨2)株主間の公平 (弊害)一部株主のみ買受 (対策)特定株主からの取得に特別決議を要求 (趣旨3)会社支配権をめぐる不公正な取引の禁止 (弊害)故意に議決権総数を減少 (対策)自己株式の議決権を認めない (趣旨4)不公正な株式取引 (弊害)相場の操縦 (対策)金融商品取引法で規制 (注) 子会社による親会社株式の取得の禁止 135I と 区別 + 趣旨は同様 ②自己株式の地位 (1) 保有期間: 制限なし(h13 商法改正により撤廃) (2) 会計:純資産の控除項目として計上 → 分配可能額に含まれない (3) 株主権 ・議決権 : 有しない 308Ⅱ ・議決権以外の共益権 : 有しない ∵ 株式会社自身の行使は背理 ・剰余金配当請求権:有しない 453 ・残余財産分配請求権:有しない 504 ・募集株式等の割当てを受ける権利: 有しない ・株式併合・株式分割を受ける権利: 有する ∵ 自己株式の換価価値に変動 ③自己株式の処理 ・消却: 自己株式の消滅 →いつでもできる 178・取会設置会社は取会決議が必要 ・処分:自己株式の売却→いつでもできる、新株発行と同様 199 以下 □ 自己株式の取得 ① 自己株式取得が可能となる場合155 ・定款: 取得条項付株式、譲渡制限株式、 取得請求権付株式、全部取得条項付種類株式 ・買取: 単元未満株式、 端数処理手続、株式相続人等への売渡請求 ・承継 : 吸収分割する会社、 合併後消滅する会社 ・一般 : 株主総会決議に基づく取得 ②取得の規制 ・取得手続規制 : 各種決議を必要とする規制→ 株会決議に基づく取得の場合の規制 ・財源規制 : 一定の金額を必要とする規制→ ほぼ横断的な規制 ③取得手続規制: 株主との合意による取得、一般的な取得の方法、 原則として株会決議が必要 ⇒ 特定の株主・株主全員・市場取引等・子会社の準備厳格 (1) 株主全員から譲渡申込を受ける場合 a)条文: 授権 156、取会委任 157、通知 158 b)手続 【株主総会】:普通決議で株式数・ 引換の金銭とその総額・期間等を定める156 【取締役会】 :取会決議で取得株式数・引換の金銭とその総額・期間等をその都度定める157 【通知】: 決議事項は株主全員に通知が必要 (公開会社では公告も可)158 (2)特定の株主から取得 a)条文: 特定の株主160、 特別決議 309 Iニ b) 手続 【株主総会】⭐️特別決議(特定の株主は議決権なし)で156に併せて各事項を定める 【取締役会】取締役会決議で具体的事項を定める 【通知】決議事項は特定の株主に通知が必要 c) 売主追加請求権: 特定の株主に自己をも加えたものを売主とすることを株主総会の議案とすることを請求できる権利 【原則】: 他の株主に認められる (株会での株主の議案提出権の特例) 【例外】:市場価格以下の価格161、 株式相続人等からの取得(非公開会社のみ) 162、定款で売主追加請求権を排除 164→164の定款変更は株主全員の同意が必要 (3)子会社からの株式の取得 a) 条文: 子会社 163 b) 手続 【株主総会】: 取会非設置会社の場合、 普通決議で行う 【取締役会】: 取会設置会社の場合、 取会決議で行う→⭐️取会決議が原則 【通知等】:適宜な方法で可 ∵157~160 不適用 c) 趣旨: 親会社株式の処分135Ⅲが困難な場合があるので簡易な取得を認めた ④財源規制 (1)可能額規制: 交付する金銭等の総額は取得の効力発生日における分配可能額以下 ・下記以外(譲渡制限株式 株主総会決議等)→ 分配可能額以下461I ・取得請求権付株式・取得条項付株式→分配可能額を超えれば取得不可 160I・170V ・合併・会社分割等の際の取得単元未満株→制限なし (2) 欠損填補義務 : 規制遵守・期末欠損 ->業務執行者が連帯して支払 (総株主の同意で免除) 465 ⑤ 規制違反の効果 【Bランク】 (1)刑事罰: 5年以下の拘禁または5百万以下の罰金 963V一 (2) 賠償責任:取締役等は賠償責任を負う423I → 取得価額 - 処分価額 = 損害額 (判例) Q 規制に違反した自己株式の私法上の効果 (a) 問題の所在: 明文なし (b)通説 ・取得手続規制違反: 原則、 無効。 但し、当事者(売主と会社)の無効主張不可 ∵ 取引安全と株主保護 ・財源規制違反: 有効∵ 463I 「効力を生じた日」→法は財源規制に反していたとしても行為は有効であることを前提にしている
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□ 総説 ①株主名簿: 株主に関する事項を明らかにするために会社法の規定により作成される帳簿 →会社設立時に作成が必要。 商業帳簿ではない。 株主変更により更新 (名義書換え)が必要 (1) 条文 : 121 (2) 趣旨: 多数の株主が絶えず変動 →各種通知や株主の権利行使の円滑化 →会社・株主の利益 (3) 名義書換えの効果【Aランク】 【株券不発行会社】:意思表示で株式譲渡→名義書換え = 株式会社・第三者対抗要件 【株券発行会社】 :意思表示と株券の交付で株式譲渡 ・株主名簿の名義書換: 株式会社対抗要件 ・株券所持: 第三者対抗要件 ② 記載事項: 氏名または名称及び住所、株式数、 株式取得日、(株券発行済の場合) 株券番号 ③ 閲覧等【B+】: 本店 (株主名簿管理人がある場合はその営業所) に備置き 125 ・株主及び会社債権者: 閲覧謄写の請求ができる ・親会社社員: 裁判所の許可を得て閲覧・謄写請求ができる ⇒ 害する目的・ 第三者へ通報等の一定の場合 → 閲覧等を拒否できる ④ 通知・ 支払: 株主名簿上の住所または宛先・株主に対してすれば足りる (擬制) 126 ⑤ 電磁的記録:可(書式も自由) ⑥ 基準日制度【Aランク】: 一定の日(基準日) を定めて、その日に株主名簿に記載されている株主を権利を行使することができる者と定めることができる制度 (1) 条文 : 124 (2) 趣旨: 多数の株主が絶えず変動→ 一定の時点の株主を名簿上の株主として確定する必要 (3) 効果: 基準日の時点における名簿上の株主 = 権利行使ができる株主 ⇒3箇月以内に権利行使可 基準日後の株主に議決権可。但し、基準日株主の権利を害さない ※基準日株主の権利を害さない例:相続で株式を得た者(旧株主が既に死んでいる) □名義書換え【Aランク】 ①名義書換手続 ・株券不発行会社: 株主名簿上の株主と株式を取得した者との共同 133 ・株券発行会社 : 株券提示 ∵ 提示による推定131I (1 )提示による推定:株券を占有する者は適法な権利者と推定 ・株式会社は実質的権利者でないことの立証なき限り書換義務あり ・株式会社は悪意重過失なき限り免責 (2)株主名簿記載事項証明書:株主名簿の記載事項が記入され代表取締役の署名等のある書面 ⇒ 株主は株式会社に対しいつでも請求できる 122、 電磁的記録可 ②名義書換の効果: 株式会社対抗要件 ・資格授与的効力:名義人は株式会社に対して株主であることを対抗できる (株券提示不要) ・免責力:名義人に権利行使を認めれば、株式会社は原則として免責(善意・無重過失の場合) ・確定的効力: 株式会社は書換えなき限り名義人を株主として扱う (権利移転につき悪意でも) 130 Q 名義書換え未了の株主の地位 (a) 事例: 株式譲渡 + 名義書換未了→会社側が名義書換未了でも株主として権利行使容認 (b) 問題の所在: 株主関係の画一的処理・会社が恣意的に決定等 →否定 (反対説) (c)判例・有力説:肯定(会社の危険において容認するならば許される) (d)理由: 130I の文言 「対抗できない」から対抗要件・株式会社の便宜のための制度 Q 名義書換の不当拒絶 (a) 事例: 議決権妨害目的、過失による場合、正当な理由なく遅滞 →譲受人は株主の地位を主張できるか (b) 問題の所在: 株主関係の画一的処理 → できない 損害賠償請求すべき (反対説) (c) 判例・多数説: 株主であることを主張できる (名義書換不要) ⇒ ○株主総会決議取消の訴え提起可能831I一・○株主の地位を保全する仮処分命令申立可能 (d) 理由: 株式会社の便宜のための制度 →義務違反の責任を株主に帰するのは信義則 (民1Ⅰ) 違反 ③ 失念株: 株式の譲受人が名義書換えの請求を失念している場合⇒ 株式会社に対して株主権を対抗できない130 Q 失念株における譲渡当事者間の法律関係 (a) 事例: 失念株 → 募集株式の割当て (普通、安価)→譲渡人が新株の引受・払込 (b) 問題の所在: 譲受人が譲渡人に対して権利主張できるか + 株式割当ては固有権ではない (c)判例・学説 【判例 S35.9.15 (反対説)】 否定 ∵ 株式割当ての方法は取締役会に一任 →(批判)対株式会社と譲渡当事者間の関係を混同 【通説・自説】 肯定 ∵譲渡当事者間では特別な合意なき限り株主権は包括的に移転・ 増資含みの高値で売却益 + 新株の利益で二重にプレミアムを利得 Q肯定説に立つ場合どの様な権利主張ができるか (a) 問題の所在: 権利主張の法律構成 (b) 判例 (株式分割 H19.3.8)・通説: 不当利得として返還請求可 ・配当請求権: 返還請求可 ・募集株式等: 割当による株価と市場価格との差額の返還請求可 (新株自体は譲渡人に帰属) (c) 法律上の原因無くして利得 ④ 株式等振替制度【Bランク】:上場会社の株券等を廃止し、 電子的に株主の権利を管理する制度 (1) 法令: 社債、株式等の振替に関する法律 (社債株式振替法) (2) 趣旨: 株式取引の円滑化 株券等の費用削減、 国際的信用性確保等 (3) 対象: 振替株式 (上場会社の株式、新株予約権、新株予約権付社債等) (4) 管理: 振替機関 (証券振替保管機構のみ) 及び口座管理機構 (証券会社等) の口座で電子的に行う (5) 特徴 a) 譲渡 口座への記載 記録が効力要件かつ対抗要件 + 適法推定もあり b) 総株主通知: 振替機関及び口座管理機構による会社への振り替え口座等の通知 ⇒原則年2回、 通知義務あり、 名義書換えが必要かつ擬制される
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① 株式の発行による分類 (1)発行可能株式総数: 会社が発行出来る株式の総数 ≒ 授権資本・授権株式 ⇒ 定款記載が必要、 会社設立の際に1/4以上の発行が必要、範囲内での新株発行ができる (2) 発行済株式総数: 会社が既に発行した株式の総数 ⇒ 定款記載が必要、 自己株式を含まない 発行済株式総数の増減 ・減少する場合 : 株式の消却、株式の併合 ・増加する場合 : 株式の分割、無償割当て、 新株発行 ③ 株式の消却: 特定の株式を絶対的に消滅 (1) 条文 : 178 (2) 趣旨: 発行済株式数の適切化 (3)手続 ・取会設置会社 : 取締役会決議 ・取会非設置会社: 取締役の過半数 →会社法上、自己株式のみ消却可 →会社が取得後にのみ消却可 (4) 効果 ・発行可能株式総数:減少しない ・発行済株式総数:減少する→新株の発行可能数が増加 ④ 株式の併合 : 数個の株式を統合してより少数の株式とする行為 (例)1株1000円 ・2000 株発行→2株を1株に併合 → 1株2000円・1000株発行 (1) 条文 : 180 (2) 趣旨: 株価調整、 少数株主の排除 (スクイーズアウト)、 管理コストの削減等 (3) 手続: 株会の特別決議で、併合割合・効力発生日・発行可能株式総数等を定める ∵重大な影響 a)事前開示手続 : 事前に書面または電磁的記録で一定の事項の備置・閲覧等の措置が必要 182の2 b) 差止請求権 : 法令・定款違反がある場合182の3 c) 株式買取請求権: 1株に満たない場合182の4 (4) 効果 ・発行可能株式総数: 減少しない (4倍ルールの遵守は必要) ・発行済株式総数: 減少する ⑤ 株式の分割: 既存の株式を細分化して従来より多数の株式とする行為 (例)1株10万円・2000 株発行→1株を2株に分割→1株5万円・4000株発行 (1) 条文 : 183 (2) 趣旨: 株式の流動性の向上等 (3) 手続: 株会の普通決議 (取会設置会社なら取会決議)で分割割合等を定める ∵ 実質的影響なし →⭐️株主総会決議によらないで、分割に応じて発行可能株式総数を比例的に増加させる定款変更ができる (4) 効果 ・発行可能株式総数: 増加しない ・発行済株式総数 : 増加する ⑥ 株式無償割当て: 株主に対して無償で新株の割当てをする行為 (例)1株1000円 2000株発行→1株に別の1株を無償割当て→1株500円4000株発行 (1) 条文 : 185 (2) 趣旨: 別の種類の株式交付ができる (3) 分割との相違 【経済的実質(共通)】 (株式の分割) 株を分割→1株に追加的に株を交付 (株式無償割当て)1株に追加的に株を交付 【交付される株式】 (株式の分割)同種の株式 (株式無償割当て)異なる種類の株式もできる 【対象となる株式】 (株式の分割)自己株式も対象 (株式無償割当て)自己株式は対象外 【自己株式からの交付】 (株式の分割)不可 (株式無償割当て)可 (4)手続: 株主総会の普通決議(取会設置会社なら取会決議)で割当て方法等を定める 186 (5)効果 ・発行可能株式総数: 増加しない ・発行済株式総数: 増加する
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① 株式等売渡請求 : 特別支配株主が他の株主に対し株式等を強制的に自己に売渡すことを請求すること (1) 条文: 179 以下 (2) 基本用語 a) 特別支配株主: 総株主の議決権の9割以上を持つ者 (単独)等 ※単独(一人または一社)である必要 b) 対象会社:株式等売渡請求にかかる株式を発行している株式会社 c) 売渡株主:株式売渡請求により株式を売渡す株主 d) 売渡株式: 売渡株主が売渡す株式 ②特徴 ・少数派株主の株式を強制的に取得できる ・特別支配株主に株式を直接移転する (全部取得条項付種類株式は会社に移転) ・株主総会決議不要、 新株予約権も対象 ③ 手続: 特別支配株主の通知→ 対象会社の承認→ 売渡株主へ通知→事前開示手続→ 取得 ④ 救済方法: 差止請求、 無効の訴え等
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①単元株制度: 株式の一定数をまとめたもの1単元とし、株主の議決権を1単元に1個とする制度 (1) 条文:188 (2)趣旨: 経費削減 (3)単元株主:1単元を保有する株主 ⇒ 全ての株主権を保有 ②単元未満株主: 1単元に満たない株式を保有する株主 (1)権利: 議決権及びこれを前提とする権利(提案権等)を除いた全ての株主権を有する (2)権利制限: 定款で一定の株主権を除いて制限を定めることができる 189 (3)買取請求権 : 会社に対し単元未満株式の買取を請求できる 199 (4)売渡請求権: 会社に対し単元未満株式と合わせて1単元となる株式を売渡請求できる194 (要定款) ③ 手続: 株主総会の特別決議により定款にその旨を記載 (1)種類株式発行会社 株式の種類ごとに定めが必要 (2)単元株の減少廃止 取締役の決定 (取会設置会社なら取会決議) 195 ∵減少・廃止は株主に不利ではない
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1 株式会社の資金調達【B】 ①各種の資金調達方法 (1)資金の調達先による分類 ・内部資金: 会社内から調達した資金≒ 内部金融 (例)内部留保、 減価償却 ・外部資金: 会社外から調達した資金≒ 外部金融 (例) 借入、 社債、 株式の発行 (2) 返還義務による分類 ・自己資金: 返還義務のない資金≒ 自己資本 (例)内部留保、減価償却、株式の発行 ・他人資金: 返還義務のある資金≒他人資本 (例)借入、 社債 →※ 株式の発行 : 外部資金 かつ 自己資金 ②借入 : 多額の借財は取締役会の専決事項 362IVニ 2 募集株式の発行等【Aランク】 □ 総説 ① 募集株式: 募集に応じて会社が発行する株式又は自己株式の引受の申込をした者に対して割当てる株式 (1) 条文 : 199 (2) 特徴: 新株発行での株式と自己株式の処分の場合の株式を合わせた概念 ∵ 共通の経済実態→同一の規律を適用 (3)発行等: (新株の)発行及び (自己株式の) 処分 ※「処分」も含むので「発行等」 ②授権資本制度: 将来発行可能な株式数を予め定款で定める≒授権→授権範囲内で取会決議等で発行 (1) 条文 : 37 (2) 趣旨: 機動的な資金調達 (3) 取扱: 公開会社において募集株式の発行等は業務執行に準ずる ③ 設立時発行株式との比較 (1) 共通: 人的及び物的基礎 (の拡大) →会社の(一部) 設立の側面 →手続的共通 ・全額払込 208I、現物出資 208Ⅱ、検査役 207、権利株譲渡の対抗不可 208ⅣV、無効・取消の制限 211、取締役等の支払義務 213、仮装払込責任 965等 (2) 相違点: 会社が設立済 【財産的基盤確立】 (募集株式の発行等)あり→引受履行の範囲で有効 208V 参 (設立時発行株式)なし→定款記載の設立に際しての出資額が必要(例:定款で1,000万円と定めたが1,000万円集まらなかった場合は問題) 【監視機構の整備】 (募集株式の発行等)あり→裁判所は現物出資のみ関与207 (設立時発行株式)→なし→裁判所、 創立総会が強く関与87I(発起人は会社設立について創立総会に報告義務)等 【機動的な資金調達】 (募集株式の発行等)必要あり→創立総会等は不要・授権資本制度 (設立時発行株式)不要→創立総会等が必要 【株主保護の必要】 (募集株式の発行等)必要あり→既存株主に対する配慮必要 (設立時発行株式)不要→既存株主に対する配慮不要 ④既存株主に対する配慮: 資金調達の利益・既存株主の利益が衝突→ 株主保護の必要 ⭐️募集株式発行では市場価格よりも安くなる(∵市場価格以上では誰も買わない) (1) 既存株主の利益 (例) 1株1万円で10万株発行 (10億出資)→1株5千円で20万株発行 (10億出資) 【持株比率的利益】:既存株主の持株比率の低下(共益権の価値の低下) (例) 1株=1/10万→1株= 1/30万 【経済的利益】:自益権の価値の低下 (例)10億÷10万=1万→20億÷30万=6666円 (2) 持株比率的利益の保護 a) 原則: 保護されない ∵ 当然には割当てを受ける権利を有しない 202Ⅰ b) 公開会社 ・授権株式数の定款の定め 37(上限がある)→会社成立後の変更は特別決議が必要 309Ⅱ十一 ・4倍ルールの適用 113Ⅲ(公開会社の場合、発行可能株式総数は、既に発行している株式の総数(発行済株式総数)の4倍以内でなければならないという制限)→発行可能株式総数を増やそうとしても歯止めあり ・差止請求: 著しく不公正な方法により行われる場合 210Ⅱ c) 非公開会社 特別決議が必要309Ⅱ五・199Ⅱ IV・324Ⅱニ (3) 経済的利益の保護 (a)原則: 保護されない ∵授権資本制度 37 (b) 説明義務: 取締役は特に有利な金額で募集する場合、 必要性を説明する義務 199 200Ⅱ c)公開会社 【原則】: 取締役会決議で足りる199Ⅱ201I 【例外】: 第三者に対して特に有利な金額で行われる場合、 株主総会の特別決議が必要 199ⅡI・201Ⅰ・309Ⅱ 五 d) 非公開会社: 特別決議が必要 199Ⅱ・ 309Ⅱ五・199Ⅳ・324Ⅱニ ※ 論文対策で条文を書けるように
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□募集株式の発行等の手続 ①新株発行の種類 ・株主割当て : 既存株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合≒株主割当増資 ・第三者割当て: 特定の第三者に割当てを受ける権利を与える場合≒第三者割当増資 ※例) 敵対的買収対策で銀行に割り当てる場合 ・公募: 広く一般の希望者に割当てを受ける権利を与える場合 ≒公募増資 ② 公募の場合 (1) 条文 ・199Ⅱ 、309Ⅱ五:株主総会の特別決議 ・200Ⅰ、309Ⅱ五: 特別決議により取締役 (取会設置会社なら取会) に委任できる ・201I: 有利発行 199Ⅲを除いて、 公開会社においては取会決議でできる (2) 公開会社の場合: 有利発行を除いて、取締役会決議で募集事項を決める199、201I a) 募集事項 : 株式数 (種類株式発行会社なら種類)、 払込金額・給付財産、期間、 増加資本金 b)内容: 募集事項は募集毎に均等199Ⅴ→×A氏-100円/株・B氏-200円/株といった不均等な取り扱いは不可 c)通知: 差止の機会のため期間等の2週間前に募集事項の通知が必要 (公告等も可) 201Ⅲ・Ⅳ d) 支配株主: 支配株主の移動を伴う かつ 一定の株主の反対→ 株会の普通決議が必要 206の2 (3) 非公開会社の場合: 株会の特別決議が必要・その他は公開会社の場合とほぼ同様 199・309Ⅱ五 a) 募集事項: 特別決議により取締役 (取会設置会社なら取会)に委任できる200Ⅰ b) 通知等:不要 ∵特別決議を行うので株主は知っている ③株主割当ての場合 ・公開会社:取締役会決議 ・非公開会社: 株主総会の特別決議 (1) 条文: 202 (2) 特徴: 既存株主の保護、 機動的な資金調達、 資本の大規模結集に不利、 (3) 募集事項: 公募の場合の公開会社等と同様、 引受申込により割当ての権利を与える旨、引受期日 (4) 内容: 株式の数に応じて募集株式の割当てを受ける権利を有する (5)通知:必要 ④ 第三者割当ての場合 ・公開会社 : 取締役会決議 ・非公開会社 : 株主総会の特別決議 (1) 条文: 199 等 (2) 特徴:第三者との関係強化、 企業防衛、機動的な資金調達、資本の大規模結集に不利 (3) 募集事項: 公募の場合の公開会社等と同様 (4) 通知:必要 ⑤ 有利発行【A+】: 払込金額が募集株式を引受ける者に特に有利な金額である場合 (書けるように) (1) 手続: 株主総会の特別決議が必要 (公開会社 非公開会社を問わない) 199Ⅱ・Ⅲ、201 I 、 309Ⅱ五+取締役に説明義務 (2) 趣旨: 既存株主の経済的損失の回避 Q 有利発行における「特に有利な金額」の意義 (1) 問題の所在: 多様な評価方法 (純資産価額方式、 DCF方式、 ブックビルディング方式等) (2) 結論: 株式の公正な価額 (通常、時価) と比較して特に低い金額 (3) 理由:既存株主の経済的損失の回避 (4) 裁判例・実務 a) 上場企業: 時価あり → 諸事情を総合考慮して決定 + 株価に近接している b) 非上場企業 : 時価なし→ 客観的資料に基づく一応合理的な算定方法 + 特別事情なし c) 具体的金額: 公正な価格より1割低い程度なら有利とはいえない ⑥ 申込・割当・引受 (1) 申込 203 ・会社: 商号・募集事項等を通知 ・申込者:氏名・名称城所等を記載した書面または電磁的方法により申込 (2) 割当・引受: 株式会社が申込者から引き受ける者を定める 204 ※株主割当ての場合で期日までに申込をしない → 失権 ⑦ 現物出資及び財産引受け (1) 現物出資 【趣旨】 (設立時発行株式・募集株式の発行等 共通) 財産的基礎への侵害のおそれあり→ 規制が必要 【手続】 (設立時発行株式)定款・創立総会等 ∵変態設立事項 (募集株式の発行等)取締役会等 199I 三・200I・201 I ∵授権資本制度 【現物出資者】 (設立時発行株式)発起人のみ (募集株式の発行等) 制限なし 208 Ⅱ 参 【検査役】 (設立時発行株式・募集株式の発行等 共通) 必要 【検査役の調査不要】 (設立時発行株式)33X各号(500万以下、弁護士の証明等) (募集株式の発行等)33X各号に加えて、 発行済株式総数の1/10以下が割当総数等 (2) 会社成立後の財産引受 : 制限なし ⑧ 出資の履行と効力 (1) 出資の履行 208 a) 履行: 期日は期間内・払込取扱場所・全額払込または全額相当の給付 b) 相殺 :株式会社に対する債権と出資金額の債務の相殺禁止 c)不確定状態の防止 失権:出資の履行しないときは当然に(即座に)募集株式の株主となる権利喪失 ⇒≒当然失権の原則、 cf. 設立時発行株式:発起人は催告後失権 36 (2) 効力: 募集株式の株主となる 209 a) 効力発生日: 払込期日設定=当該期日 払込期間設定=出資の履行日 募集株式全ての払込の有無は不問 b) 効力発生範囲: 払込があった分について ⑨無効・取消の制限 211 ・心裡留保・虚偽表示: 民法規定不適用(申込・割当て・引受の意思表示) ・錯誤詐欺・強迫: 1年経過後または権利行使後は取消不可
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3株式の発行の瑕疵 ① 概要: 株式発行手続に法令・定款の違反があった場合 ・設立時発行株式→設立無効 ・募集株式の発行等) →(効力発生前) 募集株式の発行等の差止 (事前の制度) (効力発生後) 新株発行・自己株式処分の無効の訴え及び不存在確認の訴え (事後の制度) ② 募集株式の発行等の差止 (1) 条文 : 210 (2) 趣旨: 株主の利益保護→会社の損害不要 cf:株主による取締役の行為の差止: 株式会社の利益保護→会社の損害必要 360 (3) 要件 a)法令・定款の違反または著しく不公正な方法 【法令違反】 ○具体的義務違反: 株会等の決議欠缺、 検査役調査欠缺、払込金額不均等 ×一般的義務違反 : 忠実義務 355、 善管注意義務 (民644) 【定款違反 】: 発行可能株式総数違反、 定款に定めなく譲渡制限株式 b) 株主として不利益を受けるおそれ (例) 経済的不利益、 持ち株比率の低下 (4) 時期: 募集株式の支払期日または支払期間の初日前までに (5) 方法: 直接請求 or 訴訟上請求 (発行差止の仮処分) Q「著しく不公平な方法」210⑵による募集株式の発行等に該当する場合 (a)前提:資金調達目的=正当株式会社の支配権強化目的=不当 (b) 問題の所在: 資金調達の必要あり + 株式会社の支配権強化もできる (c) 裁判例: 主要な目的を基準として判断 (=主要目的ルール) ⇒ 資金調達目的もあるが、 主要な目的が支配権強化目的の場合は該当 (d) 理由: 資金需要は通常存在 ③ 新株発行または自己株式処分の無効の訴え【A+】 (1) 条文 : 828I二三 (2) 性質: 形成の訴え (3) 趣旨: 法律関係の画一的確定、 取引の安全確保、 瑕疵の主張制限 ∵法律的瑕疵→ 民法の原則は無効→当然に無効とすると取引安全を害する⇒ 訴えによってのみ無効主張を認める (4) 制限 a) 出訴期間 発行等の効力が生じた日から6箇月 (非公開会社は1年)以内 b) 提訴権者: 株主等 ※被告=当該株式会社834 二三 【判例】出訴期間経過後に新たな無効事由を追加主張 →許されない (5) 無効判決の効力 a) 将来効 839→無効判決確定後→剰余金配当議決権行使 株式譲渡 株会招集等に影響なし b) 対世効 838 c) 無効株式 ・株式会社は株主に払込額等の支払義務(返す義務)・ 裁判所は不相当な場合は金額の増減を命令可 840・841 ・無効株式失効 →発行済株式総数減少 + 未発行株式数回復 (6) 無効事由【A+】論点全てA+ Q 新株発行または自己株式の処分の無効事由 (a) 問題の所在: 明文規定なし ※解釈に委ねる趣旨と考えられている (b) 判例:⭐️重大な法令または定款違反がある場合 → 解釈上、限定的に判断すべき (c)理由: 株式譲受人の取引安全、 資金調達無効とされた場合の混乱への懸念 ※出資された資金を会社が使っていた場合に無効にすると大変 (d) あてはめ (多数説) 【無効にならない】著しく不公正な払込金額、検査役なし、現物出資で不当評価 (←金を払わせれば解決できる) 【無効になる】 発行可能株式総数違反、定款に定めのない種類の株式発行 Q 公開会社において取締役会の決議なくして募集株式の発行等を行った場合 (a) 問題の所在 : 明文規定なし + 組織法上の行為(役員個人ではなく組織で行ったもの) (b) 判例・通説 : 有効 (代取の行為でも同様) (c) 理由: 授権資本制度 ((通常の取引等の)業務執行に準じる)、履行部分だけで有効 208V(→払込さえあれば有効→取締役会の決議なくても有効と解すべき)、取引安全 Q 公開会社において株主総会の特別決議なくして第三者に対する有利発行を行った場合 (a) 問題の所在 : 明文規定なし + 組織法上の行為 + 重大な決議 + 株主の経済的損失 (b) 判例・通説: 有効 (c) 理由 上同、 賠償責任 423 差額支払責任 212 等によって株主の経済的利益は保護 Q 著しく不公正な方法(不公正発行210II二)により募集株式の発行等を行った場合 (a) 事例: 取締役の会社支配目的、 取会招集通知なし、 新株は当該取締役のみ引受・保有 (b) 問題の所在 : 明文規定なし + 重大な差止事由210(2) (c)判例・学説 【無効説 有力説】無効 ∵ 持株比率低下を被った株主の救済、株式譲受人の取引安全不要 【有効説 判例 自説】有効 ∵ 取引安全を重視 ※資金が増える→新たな取引が生じる→債権者等を保護する必要 Q 募集株式の発行等の差止請求 210を無視して募集株式の発行等を行った場合 (a) 問題の所在: 明文規定なし (b) 判例・学説 ・裁判外の差止請求→有効 ∵ 差止請求権の濫用の虞 ・差止判決・仮処分→無効事由 ∵法秩序の維持、株主の利益保護 Q 公開会社において募集事項の通知等 201ⅢVをしないで募集株式の発行等を行った場合 (a) 問題の所在: 明文規定なし (b) 判例・通説 【原則】: 無効事由 : 201ⅢⅣの趣旨 = 新株発行差止請求権を行使する機会を保障 【例外】: 差止事由の不存在を立証すれば有効 差止が認められない場合は無効の必要はない ④ 新株発行または自己株式処分の不存在の確認の訴え (1) 条文 : 829 (2) 原因: 登記はあるが株式発行等の実体がない=無効事由を超える瑕疵 (例) 仮装 、取締役の不関与 (3)性質: 確認の訴え (not 形成の訴え) (4)手続: 出訴期間制限なし(∵株主の権利救済の必要なし)、 提訴権者(原告)=制限なし、被告= 当該株式会社 (5)不存在判決の効力 a) 対世効 838 b) 遡及効 839→834 十三・十四を除外=将来効不適用 ∵取引安全保護する必要なし c) 登記抹消 ⑤ 差額支払義務 212 (1) 金銭出資の場合212I一 a) 内容: 取締役等と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式を引受けた者 →株式会社に対し公正な価額との差額に相当する金額の支払義務あり b) 著しく不公正な払込金額: 特に有利な金額199Ⅲと同じ ⇒ 有効な株会の特別決議があれば該当しない、 支払義務の相殺不可 (2) 現物出資の場合212Iニ a) 内容: 現物出資財産の価額が募集事項の価額に著しく不足する場合の引受人 株式会社に対し不足額相当の金銭支払義務あり + 善意・無重過失の場合取消可 b) 取締役等 連帯して差額支払義務あり + 検査役調査又は無過失立証あれば免除 (3) 代表訴訟: 上記株式引受人の責任追及は株主代表訴訟が認められる 847 I ⑥ 仮装出資 (募集株式) 213の2・3 (1) 引受人: 全額支払又は全部給付の義務あり ⇒無過失責任 (総株主の同意あれば免除) (2) 取締役等:全額支払または全部給付の義務あり ⇒無過失立証あれば免除 (出資の履行を仮装した者を除く) + 引受人と連帯債務 (3) 株主権: 全額支払または全部給付後は行使可 209Ⅱ →当該募集株式の譲受人は善意 無重過失であれば株主権を行使可 209Ⅲ ⑦ 登記 : 発行済株式総数及びその種類は登記事項→新株発行があれば変更登記必要
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1 新株予約権 ① 新株予約権: 株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付をうけることができる権利 (例) 3年間1株1万円で最大2千株購入できる権利→ 1株2万円になったので2千株新株予約権行使 ②特徴: 事前に取得金額を決定。通常、市場価格より低価で取得 ⇒新株予約権者が権利を行使することにより株式発行 ③ 趣旨: 取締役・ 従業員へのインセンティブ報酬、 敵対的企業買収への防衛策、資金調達方法 ④ 条文: 236 以下、 定義 2二十一 2 新株予約権各論 ① 内容: 新株予約権発行の際に一定事項の定めが必要 236 (必要): 株式の数または種類ごとの数、 出資される財産の価額、行使できる期間 236I一二四 (任意): 現物出資、会社の承認等 236 一二四以外 ⇒ 原則、 払込必要 + 例外、 取締役への報酬等の場合は行使価額 0も可236ⅢⅣV ②募集事項等の決定 (1) 新株予約権の性質≒ 債権 ( ≠株式)→ 既存株主の影響から募集株式の発行等と類似の規律 (2)株主割当以外の場合 238・240 【募集事項の決定】 (公開会社)原則、 取締役会決議238II・ 240 I 【有利発行の場合】 (公開会社) 株主総会特別決議 238Ⅲ・ 240 I ・309 II 【支配株主の移動を伴う場合】 (公開会社) 1/10以上の反対等で原則、株主総会普通決議 244の2V 【募集事項の決定、有利発行、支配株主の移動を伴う場合】 (非公開会社 共通) 株主総会特別決議238Ⅱ・309Ⅱ 六 (3) 株主割当の場合: 株式会社が定める 241 ③手続 (1) 申込 242: 株式会社が募集事項等を通知→ 書面又または電磁的方法により申込 a) 総数引受契約 : 一人または数人で募集株式や新株予約権の全部を引き受ける (= 総数引受) 契約 ⇒ 主にインセンティブ報酬の場合 b) 総数引受契約の特則 ・通知・申込割当不要 244 I ・譲渡制限新株予約権または譲渡制限株式を目的→株会特別決議(取会設置なら取会決議) 244Ⅲ (2)割当・引受 243 (3) 払込246: 新株予約権取得の対価(not 株式取得) ⇒○無償での新株予約権取得・○現物出資・○相殺・× 検査役調査 ④ その他手続事項 (1) 新株予約権者となる日 : 申込者または総数引受契約者は割当日245I cf. 募集株式は履行日 (2) 払込の承諾 :現物出資 相殺の場合は株式会社の承諾が必要 246Ⅱ (3) 新株予約権証券: :新株予約権を表章する有価証券 236I + 288→ 発行毎に任意・証券発行なら作成必要、 権利推定258Ⅱ、 記名式無記名式の転換任意 290 (4) 新株予約権原簿: 新株予約権に関する事項を記載した帳簿 249 ⇒ 株主名簿と同様の規定 249 以下 (5) 取得条項付新株予約権 一定の事由を条件に会社が取得できる旨を内容とした新株予約権 236Ⅰ七 →定款の定め不要、募集事項の決定毎に定める、 株式会社の自己新株予約権取得制限なし (6) 新株予約権消却: 自己新株予約権の消却として行う 276→ 取会設置なら取会決議が必要 (7) 新株予約権の消滅: 自己新株予約権の消却 または 新株予約権者が行使できなくなった場合 287 ⑤ 新株予約権の譲渡 譲渡自由の原則 254I+ 株式会社による承認を要するとの譲渡制限可 238 【譲渡方法】 (証券発行新株予約権以外)意思表示 (証券発行新株予約権)証券の交付 255I 【対抗要件】 (証券発行新株予約権以外)新株予約権原簿への記載 (証券発行新株予約権) 第三者証券の占有移転 株式会社 記名式: 新株予約権原簿への記載257Ⅰ Ⅱ 無記名式 証券の占有移転 257III 【譲渡制限付】 (証券発行新株予約権以外・証券発行新株予約権 共通) 株主総会決議 (取会設置なら取会決議) 265 + 通知を怠るとみなし規定 266 ⑥ 新株予約権の行使 (1) 効力: 当然に新株の交付(新株予約権の交付と区別)、募集株式の発行等の手続なし留保 113Ⅳ ⇒ 行使日に交付された株式の株主となる282I (2)方法 ・証券発行新株予約権以外 : 予約権の内容及び数、 行使する日を明らかにする280I ・証券発行新株予約権: 証券提示 280Ⅱ (3) 出資 行使日に全額払込または全部給付が必要 281 IⅡ (4)出資規制: 株式払込と類似 ・金銭出資 全額払込義務、相殺禁止 281 ・現物出資: 原則、検査役調査必要284I、差額支払義務、取締役等の差額支払義務 286 I (5) 自己新株予約権: 株式会社による行使不可 280VI (取得制限はなし) ⑦ 新株予約権無償割当:株式会社が、 株主に対して新たに払込をさせないで新株予約権の割当をすること 【株主割当による新株予約権・新株予約権無償割当共通】 無償での新株予約権発行可 【株主割当による新株予約権】 条文:241 意義:通知・申込割当が必要 手続: 公開会社:原則、 取会決議 非公開会社: 株会特別決議 【新株予約権無償割当】 条文:277 意義:発行決議で定めた日に新株予約権者となる 手続:株会普通決議 (取会設置なら取会決議 )⇒ 定款で取締役も可 278 ⑧ 新株予約権の発行の瑕疵: 募集株式の発行の瑕疵と類似 (1) 差止請求: 法令・定款の違反または著しく不公正な方法→発行差止請求可 247 ・法令・定款の違反 : 募集株式と同様 ・著しく不公正な方法: 資金調達目的は不問(判断材料にしない)⇒ 具体的事例毎に判断 (2) 無効の訴え 828I四・不存在確認の訴え 829 三 (3) 差額支払義務: ・新株予約権者:著しく不公正な払込金額285 ・取締役等:著しく不足 286 (4) 仮装出資 ・新株予約権者: 払込を仮装 286の2 ・取締役等: 仮装払込に関与 286の3 Q 新株予約権者の差別的取扱を株主平等違反として差止請求が認められるか (a) 事例: Yが株式公開買付→ Xが対抗して新株予約権無償発行かつYに限り行使不可・Yには金員交付 (b) 問題の所在: 株主平等原則 109I (法令違反) (c) 判例: 差止請求は認められない (d) 理由: ・株主平等原則の趣旨は新株予約権の無償割当てにも及ぶ ・株主の共同の利益を害する場合には、衡平の理念に反し相当性を欠くものでない限り、107違反にはならず、247①に該当しない→差止請求は認められない (e) あてはめ: 差別的取扱には該当。 既存株主の判断(株主総会の普通決議)+ 金員交付あり 【判例要旨】 1 会社法109条1項に定める株主平等の原則の趣旨は,株主に対して新株予約権の無償割当てをする場合にも及ぶ。 2 特定の株主による経営支配権の取得に伴い,株式会社の企業価値がき損され,株主の共同の利益が害されることになるような場合に,その防止のために上記特定の株主を差別的に取り扱うことは,衡平の理念に反し,相当性を欠くものでない限り,会社法109条1項に定める株主平等の原則の趣旨に反しない。 3 特定の株主による経営支配権の取得に伴い,株式会社の企業価値がき損され,株主の共同の利益が害されることになるか否かについては,株主総会における株主自身の判断の正当性を失わせるような重大な瑕疵が存在しない限り,当該判断が尊重されるべきである。 4 株式会社Yが株主であるXによる経営支配権取得のための株式の公開買付けに対抗して新株予約権の無償割当てを行うに当たり,新株予約権の内容につき,X及びその関係者以外の株主は割り当てられた新株予約権を行使することなどによって株式の交付を受けることができるが,X及びその関係者は割り当てられた新株予約権を行使することができず,Yは金員を交付することによって上記新株予約権を取得することができる旨の差別的な条件及び条項が定められていた場合において,次の(1)〜(3)などの判示の事情の下では,上記新株予約権の無償割当ては,会社法109条1項に定める株主平等の原則の趣旨に反せず,同法247条1号所定の「法令又は定款に違反する場合」に該当しない。 (1) 上記新株予約権の無償割当てを行うことは,株主総会においてX及びその関係者以外のほとんどの株主の賛成を得て可決されたものであり,これらの株主は,Xによる経営支配権の取得が企業価値をき損し,株主の共同の利益を害することになると判断したものといえる。 (2) 上記総会の手続に適正を欠く点があったとはいえず,また,上記判断はX及びその関係者において経営支配権取得後の経営方針を明示せず,投下資本の回収方針についても明らかにしなかったことなどによるものであるとうかがわれ,当該判断にその正当性を失わせるような重大な瑕疵はない。 (3) 上記新株予約権の無償割当ては,X及びその関係者も意見を述べる機会のあった上記総会における議論を経てX及びその関係者以外のほとんどの株主が是認したものである上,YがX及びその関係者に割り当てられた新株予約権を取得するに当たり交付する金員は当該新株予約権の価値に見合うものであって,衡平の理念に反し,相当性を欠くものではない。 5 株式会社Yが株主であるXによる経営支配権取得のための株式の公開買付けに対抗して新株予約権の無償割当てを行うに当たり,新株予約権の内容につき,X及びその関係者以外の株主は割り当てられた新株予約権を行使することなどによって株式の交付を受けることができるが,X及びその関係者は割り当てられた新株予約権を行使することができず,Yは金員を交付することによって上記新株予約権を取得することができる旨の差別的な条件及び条項が定められていた場合において,次の(1)〜(3)などの判示の事情の下では,上記新株予約権の無償割当ては,経営支配権を取得しようとする行為に対する対応策として事前に定められ,示されていなかったことなどを考慮しても,会社法247条2号所定の「著しく不公正な方法により行われる場合」に該当しない。 (1) 上記新株予約権の無償割当ては,株主平等の原則の趣旨に反するものではない。 (2) 上記新株予約権の無償割当ては,Xによる経営支配権の取得の可能性が現に生じたために株主総会において企業価値のき損を防ぎ,株主の共同の利益の侵害を防ぐためには多額の支出をしても採用する必要があると判断されて行われたもので,緊急の事態に対処するための措置である。また,X及びその関係者には,割り当てられた新株予約権の価値に見合う対価が支払われる。 (3) 上記新株予約権の無償割当ては,専ら経営を担当している取締役等又はこれを支持する特定の株主の経営支配権を維持するために行われるものではない。
刑事訴訟法 捜査 9/7
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①会社 : 営利社団法人3 ・営利: 営利事業で得た利益を構成員に分配する ※儲けるだけでなく構成員に分配することまでが目的であることがポイント ・社団: 一定の目的をもった団体 (複数人の結合体) ・法人:自然人以外のもので、 法律上、権利義務の主体となりうるもの →自然人とは別個独立した権利義務主体 + 自然人と異なり集団に認められる ②会社の種類 ・持分会社-合名・合資・合同会社 (所有と経営)一致 (理念)社員間の信頼あり・社員の個性を重視 【合名会社】 (有限責任社員)× (無限責任社員)◯ 【持分会社】 (有限責任社員)◯ (無限責任社員)◯ 【合資会社】 (有限責任社員)◯ (無限責任社員)× ・株式会社 (所有と経営)分離 (理念)社員間の信頼無し・社員の個性を無視 (有限責任社員)◯ (無限責任社員)× (1) 社員: 会社の出資者 ・有限責任:社員が会社債務について一定限度 (出資分) においてのみ弁済すべき義務を負う場合 ・無限責任:社員が会社債務について無限に弁済する義務を負う場合 (2) 株主: 株式会社の出資者 2 株式会社 □ 基本的特質 ① 本質: 多数の者から出資を受け、大規模な事業を行うことをも可能とすることを法は想定 ⇒ 出資を容易にする必要 ∵株式 と 社員の有限責任を採用 ⇒ 持分会社 : 大資本不要 → 株式なし 社員の無限責任 ( 個人責任) ② 株式: 細分化された均等な割合的単位のかたちをとる株式会社の社員たる地位【A+】 (1) 目的: 大資本の結集 (2) 意義 ・細分化: 多数の株式+ 1株が小さい→多数の者が出資 ・均等:1株の価値が同じ→公平・便宜 ・割合的单位 : 100/3万株等。 not 金額 →社員の個性が喪失 ・社員たる地位 : 全権利の源たる地位。 not 株券→実質的所有者 ③ 社員: 会社の出資者≒ 会社の実質的所有者≠ 従業員 (1)株主 :株式会社の出資者 ≒ 株式会社の社員 ≒ 株式会社の共同所有者 (2) 従業員 : 会社に雇用されている者。 (正) 社員 ④ 株主有限責任の原則: 株主は出資額を超えて会社債務について会社債権者に対して責任を負わないとの原則 (1) 条文 : 104 (2) 趣旨: 多数の者が容易に出資 → 大資本の結集 ※ 有限責任社員 : 無限責任→出資者が少数者に限定 ⑤ 株主の地位:株式会社の実質的所有者 → 会社事業・会社財産は会社自身の所有 + 株主の権利(強い権利があるので実質的所有者と言われる) (1)株主権: 株式会社における社員の地位 ≒ 株式の実体 ・自益権: 株式会社から経済的な利益を受ける権利→ 剰余金配当請求権、 残余財産分配請求権等 ・共益権:株式会社の経営に参与する権利→ 議決権、監督是正等 (2) 株式譲渡自由の原則: 原則として、株主は株式を自由に譲渡することができるとの原則 a) 条文: 127 b) 趣旨 ・必要性 :払戻しによる退社が認められない→投下資本回収のため株式譲渡を認める必要 ・許容性:所有と経営の分離、株主の個性の喪失→株式会社及び他の株主に影響なし (3) 株券: 株式を表章する要式の有価証券 →旧商法: 原則発行 → 現会社法: 原則、 発行しない。 定款に定めた場合に限り例外的に発行 a) 株券による株式会社の分類 株券不発行会社: 定款に株券発行の定めがない会社→ 株主が不明確・管理費用等の減少 株券発行会社 : 定款に株券発行の定めがある会社 ⇒株主が明確管理・費用等の増大 b) 株式の譲渡 ・株券不発行会社:意思表示で譲渡 →株主名簿の名義書換 (株式会社・第三者対抗要件) ・株券発行会社 :意思表示と株券の交付 →株主名簿の名義書換 (株式会社対抗要件) →株券所持(第三者対抗要件) ⑥ 資本金【A書けるように】: 株式会社の財産を確保するための基準となる一定の計算上の数額 ⇒会社財産の入れ物 (not 会社財産金銭) (1) 会社財産: 会社が所有する金銭的価値のあるすべての財産 →資本金の中身 (2) 会社債権者 :会社に対する債権を持つ者 (例) 銀行、仕入先、 従業員、 社債の保有者 ⇒ 〇会社に請求 ・ × 株主に請求→債務の引当は会社財産のみ (3) 資本金の目的: 株式会社の信用確保及び会社債権者の保護→ 会社財産 (資本金)を確保 (4)資本金制度 446 : 剰余金 (=配当金)= 会社財産 - 資本金 - 資本準備金 口 設立 ① 設立手続 (1) 実体の完成: 権利能力なし a) 定款: 会社の組織活動に関する根本規則→ 会社及びその構成員等を拘束 b) 株式発行事項の決定と株式の引受 → 株式・株主を決定 c)機関 →会社自身の意思決定・行為を行う者 d) 会社財産の形成と株主の確定→ 出資の履行 (2)設立登記 → 会社の成立: 権利能力あり 口 機関 ①機関: その者の行為が法律上会社自体の意思決定や行為となる会社の組織上の一定の地位にある者 (1) 趣旨: 会社は概念的存在→機関が意思決定・行為= 会社の意思決定・行為 (2) 特色: 三権分立に類似 ②株主総会: 株主の総意によって株式会社の意思を決定する必要的機関 ・取締役会非設置会社 →万能の機関。一切の事項を決議できる ・取締役会設置会社→基本的事項を決定→ 法定事項と定款で定めた事項を決議できる (1) 1株1議決権の原則: 個々の株主の議決権の数は1株について1個の議決権であるという原則 ⇒ 株主の数ではなく株式の数によって決定 (2) 議決方法: 普通決議 (過半数)・特別決議 (2/3)・特殊決議 (3/4等) ③ 取締役:株式会社の業務に関して決定・執行をする必要的機関 (1) 取締役会: 取締役全員で構成し、 その会議により業務執行に関する株式会社の意思決定・監督をする機関 ・取締役会非設置会社: 取締役会を設置しない会社→中小企業が主 ・取締役会設置会社: 取締役を設置または法律上設置しなければならない会社 →大企業が主 (2)権限 ・取締役会非設置会社 : 各取締役=株式会社の機関→ 各自は会社の代表 ・取締役会設置会社 : 各取締役≠株式会社の機関→ 各自は取締役会の一構成員 (3) 代表取締役: 株式会社を代表する取締役→ 取締役会設置会社では取締役会で選定 ・社長:会社の最高責任者 →会社法の規定なし、 主に代表取締役・ 取締役・CEO (4) 会計参与: 取締役等と共同して計算書類等を作成する者→ 公認会計士・税理士等、 not 監査 ④ 監査役:取締役及び会計参与の業務執行を監査する機関 → 独任制: 独立して単独で権限行使 (1) 監査役会 :3人以上の監査役で構成され、業務執行に対する監査を行う機関 (2) 会計監査人: 計算書類等の監査をする者→公認会計士・監査法人
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1 会社の概念 ①会社法の視点→問題を解く際の分析方法 (1) 会社法の目的: 企業の健全な秩序ある発展 ・発展: 合理化が要請 ≒ 利益を最大化 ・健全な秩序:適正化が要請≒ 規制と法令順守・信義則・公平 ⇒ 相反する利益→合理化と適正化の調和を図る (2) 利害関係人: 株主、会社債権者 、会社 、取引の相手方、一般公衆 ⇒ 相反する利益→利害関係人の利益の調和を図る (3) 機関構造: 三権分立に類似→取締役の権限濫用に対する歯止め ②会社: 営利社団法人 3 ③法人: 自然人以外のもので、法律上、権利義務の主体となりうるもの⇒ 別個独立の権利義務主体 (1)権利能力の制限 a) 性質による制限: ×相続権 x 扶養請求権 × 親権 b) 法令による制限: 民 34 c) 目的による制限: 目的を定款に記載 + 登記が必要→ 目的の範囲内で権利能力を有する (民34) Q 定款所定の目的の範囲内の行為 ・判例: 目的達成に直接又は間接に必要な行為→ 客観的に判断 →ほぼ全ての行為 ・理由: 取引安全 ・事例:◯会社が政党に政治献金 (2) 法人格否認の法理: 特定の事案の解決のために会社とその背後にいる株主・社員を同一視する法理 →例外的に、法人の独立性または社員の間接責任を否定 → 個人の行為・判例は肯定 a) 根拠: 権利濫用(民1Ⅲ) b) 要件 【濫用事例】 (要件1) 支配の要件 (法人が株主等の意のまま) (要件2) 目的の要件(支配者に違法又は不法の目的) 【形骸化事例(実体なし)】 (要件1) 支配の要件 (法人が株主等の意のまま) (要件2) 法人形式を無視する諸徴表 ・株主総会又は取締役会の不開催 ・営業の混同 (株主と会社が同種事業を遂行) ・財産の混同 (株主及び会社の会計区分の欠如) c) 効果: 当該特定の事案の当事者間の法律関係についてのみ法人格を否認 d) 補充性:常に解決の最後の手段として存在 ④ 営利: 営利事業で得た利益を構成員に分配する= 対外活動で利益 + 構成員に分配 ⇒ 会社は構成員の私益目的→剰余金の配当又は残余財産の分配が必要 105Ⅱ (しないは不可) ⑤ 社団 一定の目的をもった団体 (複数人の結合体) (1) 社団法人: 社団のうち法人格が認められ権利義務の主体 (法人) となるもの →「社団法人」という名称自体は廃止 【一般社団法人】 目的)事業(公益性不問・利益可) 利益の分配)× 営利 or 非営利)非営利法人 【公益社団法人】 目的)公益 利益の分配)× 営利 or 非営利)非営利法人 【会社】 目的)営利 利益の分配)◯ 営利 or 非営利)営利法人 (2)一人会社: 社員が1人しかいない会社 →同一人物が社員= 株主= 代表取締役 Q一人会社がみとめられるか 通説: 認められる 理由: いつでも複数になる可能性がある = 潜在的に社団性がある ※法人格否認の法理が認められる典型
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① 会社法上の種類: 持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)・株式会社 ・持分会社: 小企業を想定・所有と経営の一致・社員間の結びつきが強い ・株式会社: 大企業を想定・所有と経営の分離•社員間の結びつきが弱い (1)社員の責任の態様 a) 債務負担の態様による ・直接責任: 会社債権者に対し社員が直接弁済義務を負う ・間接責任: 会社債権者に対し社員が直接弁済義務を負わない (間接的には負う) b) 負担額による分類 : 有限責任(出資分)or 無限責任(無限) 【別紙比較図参照】 c)直接有限責任: 未払出資金について直接責任(例:10万のうち5万しか払っていない) 間接有限責任 : 未払出資金は制度上ない(未払いだと社員になれない) (2) 業務執行と代表者 ・株式会社: 株主総会で取締役選任・取締役会構成・代表取締役が選任され会社代表 + 業務執行 ・持分会社: 原則、 全社員各自が会社代表 + 業務を執行 590Ⅰ・599I~Ⅲ (3) 持分の譲渡 ・株式会社: 譲渡自由 127 ・持分会社: 原則、他の社員全員の承諾が必要 585 I → 総社員の同意により退社 ≒ not 自由 ② 会社の法定的分類 2 (1) 支配による分類2三・四 ・子会社: 会社 (A) がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社(B) ・親会社: 株式会社 (B) を子会社とする会社 (A)。 株式会社に限らない ⇒ A=親会社•B=子会社→ AはBの総株主の議決権の過半数を持つ (2) 譲渡制限による分類2五 ・公開会社 :株式の全部に譲渡制限がない会社 or 株式の一部に譲渡制限がない会社 ⭐️一部でも譲渡制限されてなければ公開会社 ・非公開会社: 株式の全部に譲渡制限がある会社≒ 株式譲渡制限会社 ⇒公開=一部譲渡自由を含む= 非公開以外 ・ 非公開= 全部譲渡制限がある 注)上場会社または上場企業とは無関係・株式会社が前提 (3) 規模による分類2六 大会社: 資本金5億円以上または負債 200億円以上の会社 ⇒原則、 監査役必要 ・非大会社資本金5億円未満 かつ 負債 200億円未満の会社 ⇒ 原則、 監査役不要 ⇒ 中小企業 業種により100人以下等 > 零細企業: 業種により20人以下等 ≒小規模企業 ※負債200億あると言うことはどこかから金を借りて資産が200億あるのと同じと考える→監査役が必要 (4) 設置機関による分類2七 ・取締役会設置会社 : 取締役会を設置 または 会社法の規定により設置しなければならない株式会社 ・取締役会非設置会社: 取締役会を設置しない株式会社 ≒ 取締役会設置会社以外の会社 ⇒ 同様に、会計参与設置会社・監査役会設定会社・ 指名委員会設置会社等2八~十三 ③会社関係の基本用語 (1) 財務諸表 :会社の財務状況を報告する書類≒決算書→ 作成義務あり ・貸借対照表(BS): 財産状況を表す → 資産= 債務 + 純資産 ・損益計算書 (PL): 経営状況を表す → 収入 - 経費= 純利益 (2) 事業年度 : 会社が基準として決めた1年間≒会計年度 →会社が決める ⇒ 最終の月・日=決算月 ・決算日 (3) 有限会社:有限責任社員のみ・役員任期なし・決算公告義務なし ⇒ 改正により新設不可→ 特例有限会社に移行
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① 条文構造 第一編 会社法総則 1~24->会社一般に適用 第二編: 株式会社 25~574->設立、株式 104~235、新株予約権、 機295~430 第三編 持分会社 575~675 その他: 社債(第四編)、 組織変更等(第五編)、外国会社、雑則、罰則 ②商人:自己の名をもって商行為をすることを業とする者 (商4) ⇒⭐️会社=商人・会社が事業としてまたは事業のために行う行為=商行為5 →商法適用 ③商号: 営業上自己を表す名称→ 原則、 自由 (商号選定自由の原則。 商11I) (1)名称規制: 会社はその種類を商号中に用いる 6・会社でない者は用いてはならない 7 (2) 不正使用: 不正の目的で他の会社と誤認される虞のある商号禁止8 (3) 名板貸し他人に商号使用を許諾→誤認された場合、当該取引による債務を連帯して弁済9 ④ 使用人: 権限の制限を対抗できない (相手方悪意を除く) ・会社の支配人 10: 支店長 ・委任を受けた使用人14: 部長・課長等 ・店舗の使用人15 :正社員・アルバイト等 ⑤(会社) 支配人: 使用人のうちで会社の本店または支店の事業の主任者である者 (例) 支店長 (1) 選任: 株式会社では取締役 (取会あれば取会) の専決348Ⅲ一〜362Ⅳ三 →本店所在地で登記 918 ⭐️支店所在地ではない (2) 権限: 包括的代理権 11 I (3) 代表取締役との相違 【支配人・代表取締役共通】 事業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限 【法人との関係】 ・支配人: 雇用関係 ・代表取締役:委任関係 【法的性質】 ・支配人:代理権 ・代表取締役:代表権 349 I 【権限の範囲】 ・支配人:特定の営業所に限定 ・代表取締役:営業所に限定されない 【禁止事項】 ・支配人:営業避止義務 12I一三四、競業避止義務 12I二 ・代表取締役:競業取引規制 356 I一、利益相反取引規制 356Ⅰ二三 【禁止事項ができる場合】 ・支配人:会社の許可 ・代表取締役: 株会(取会あれば取会) の承認
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1 株式会社の基本的特質 ①本質: 株式と社員の有限責任 ∵ 多数の者から出資 + 大規模な事業を行うことをも可能 ② 株式: 細分化された均等な割合的単位のかたちをとる株式会社の社員たる地位 ※「細菌割 - 細・均・割」 ③有限責任 株主は出資額を超えて会社債務について会社債権者に対して責任を負わない 104 ④ 株式譲渡自由の原則: 原則として、株主は株式を自由に譲渡することができるとの原則 127 ⑤ 資本金: 株式会社の財産を確保するための基準となる一定の計算上の数額 ⑥ 所有と経営の分離: 所有者 (株主)と経営者 (取締役)を制度上分離→ 制度・状況・原則等 (1) 条文 : 326I、331 II、402 V ⇒公開会社において社員資格と機関資格を分離 (⭐️必須ではない) (2) 趣旨: 合理化→多大な費用・経営の意思及び能力がないことが主・多数の者から出資等 (3) 実務: 非大会社は一致が主。大会社は分離が主 第四章 株式会社の設立 1 設立の概要 ① 概要: 実体の形成 + 法人格の取得 (1) 実体の形成 : 組織の完成→権利能力なし a)定款作成→会社及びその構成員等を拘束 b) 株式発行事項の決定と株式の引受→株式・株主を決定 c) 機関の決定→ 実体組織の確定 d) 会社財産の形成と株主の確定→ 出資の履行 ⇒ 持分会社: 定款作成のみ。但し、有限責任である合同会社は出資必要。 登記は同じ。 →定款に社員 576I四、 社員=機関 590Ⅰ、無限責任社員 576Ⅱ、Ⅲ (2) 法人格の取得: 登記 → 権利能力あり a) 公証役場で公証人による定款認証 b) 本店所在地の法務局で会社の設立登記申請 → 登記完了 = 会社成立 49 ② 成立 (1) 準則主義 : 法律の定める一定の組織 要件を具備した場合に当然に法人とする主義 (2)設立登記 :法人格付与(権利能力取得) = 法人成立 (⭐️登記は対抗要件ではなく成立要件) (3) 最低資本金規制 (株式会社は資本金1千万以上) の撤廃→ 資本金0も可 ③ 設立の方法 25 ・発起設立: 発起人が設立時発行株式の全部を引受ける方法 ・募集設立: 発起人が設立時発行株式の一部を引受ける方法 ※発起設立か募集設立かで手続きが異なる ※発起人は1株以上引き受けなければならない (1) 発起人: 会社設立の企画者として定款に署名または記名押印等をした者 26Ⅰ →形式説 (判通)=定款に署名した者が発起人・資格制限なし(但し、法律行為) ○実質的企画者以外、複数、法人も発起人になれる ×:制限行為能力者 (未成年者、成年被後見人)は発起人になれない (2) 引受 : 何らかの負担を受ける → 株式・社債等に対し払込を行う代わりに取得すること 2 設立手続 □ 定款の作成 ① 定款: 会社の組織活動に関する根本規則 (1)性質:自治法 → 発起人及び後に加入した株主等をも拘束 (2) 原始定款: 会社設立時に作成された最初の定款≒ 公証人の認証を受ける対象となる定款 (3) 定款認証: 作成した定款の正当性を公証人が証明する手続 30 1 ∵ 紛争及び不正の防止 →発起人が定款作成 + 発起人全員の署名または記名押印 + 公証人の定款認証 →効力発生 ② 定款作成手続 (1) 作成方法: 「書面 + 署名等」or 「 電磁的記録 + 電子署名」 も可 26Ⅱ (2) 公開方法 31ⅠⅡ 【備置き】 (会社成立前)発起人が定めた場所 (会社成立後)本店及び支店 【閲覧謄写等の請求】 (会社成立前)発起人が発起人の定めた時間内に可 (会社成立後)株主・債権者が会社の営業時間内に可 ③ 定款記載事項 ・絶対的記載事項: 記載を欠く→定款自体が無効 ・相対的記載事項: 記載を欠く→定款自体は有効・定款外で定めても効力が認められない ・任意的記載事項: 記載を欠く→定款自体は有効・定款外で定めても当事者を拘束する ⑴絶対的記載事項 ・27: 目的、 商号、 本店所在地、設立に際して出資される財産の価額または最低額、 発起人の氏名等 ・37: 発行可能株式総数 → ⭐️× 資本金 ∵原則、資本金は株式の払込額。 1/2まで資本金としなくてよい (資本準備金) 445 (2) 相対的記載事項 a) 具体例 :株式の内容制限 107Ⅱ、 種類株式 108Ⅱ、株券発行 214、 変態設立事項 等 b) 変態設立事項:相対的記載事項のうち、 効力発生のためには原始定款への記載が必要な事項 28 (3) 任意的記載事項 29 a) 具体例 :事業年度、 取締役等の員数、 株主総会の招集時期 等 b) 記載の効果 : 明確化 + 変更には定款変更手続が必要 □ 変態設立事項 1) 変態設立事項 (原始定款に定めなければ効力が生じないもの) (1)条文 : 28 (2)具体例:現物出資、財産引受、発起人の報酬または特別の利益、設立費用 (3)趣旨 :財産的基礎への侵害のおそれ(危険な約束)(不正がしやすい) (4)手続: 原始定款への記載 + 裁判所の選任する検査役の調査 33ⅠⅡ →不正発覚→発起設立:裁判所変更33 募集設立:創立総会で変更96 ①現物出資: 金銭以外の財産をもってする出資 (1) 具体例: 動産、不動産、債権、特許権等 (2) 趣旨: 目的物の過大評価 →財産的基礎への侵害 (3) 規制: 会社設立時: ⭐️発起人に限定58Ⅰ三・募集株式発行時(会社設立後): 発起人限定なし 208Ⅱ ②財産引受(Aランク。定義書く)/ 発起人が、会社のために会社の成立を条件として、 特定の財産を譲り受けることを会社の成立前に約する契約 ※ 財産引受は第三者からの財産も譲り受けて(買い受けて)良いという特徴がある (1) 具体例 : 発起人が会社成立を条件に100万の車を売買 (2) 趣旨 目的物の過大評価 → 財産的基礎への侵害(現物出資の潜脱行為) ④ 発起人の報酬または特別の利益 ・発起人報酬: 発起人が会社の設立のために提供した労務に対する報酬 ・特別利益:設立の功労者として受ける上記以外の利益 (1) 具体例: 発起人報酬、 設備利用権、 設備利用権、優先的利用権、備品の消費等 (2) 趣旨 :不当な高額報酬・特権→財産的基礎への侵害 ⑤ 設立費用: 発起人が支出した会社の設立のために必要な費用 (1) 具体例 ・◯:定款の作成費、募集株式の広告費、 創立事務所の賃借料 ・× 定款認証手数料、検査役の報酬、 設立登記の登録免許税、 開業準備行為(会社設立後の事業に必要な行為) (2) 趣旨: 濫費のおそれ→ 財産的基礎への侵害 □ 株式発行事項の決定と株式の引受の確定 ① 株式に関する事項 (1) 株式発行事項: 設立時発行株式の数及び額、 出資される財産の価額、資本金・資本準備金等 32I (2)発行可能株式総数(B+): 発行する株式の総数 a)定款記載事項: 絶対的記載事項・会社成立時(=登記申請時) までに記載 (原始定款不要→公証人の認証に書いてなくてもよい) b) 4倍ルール: 設立時発行株式の総数は発行可能株式総数の1/4を下回ることはできない 37Ⅲ ⭐️非公開会社では不要 公開会社は 1/4以上の発行必要 ∵株主保護 (株式は取締役会で発行できる→100/4000株を設立時に発行しXが100株取得→この時点ではXは100%の議決権があるが、後で3900株発行して他社が引き受けたらXは4.5%のみになってしまう) ② 株式の引受 25 発起設立 : 発起人がその全部を引受 募集設立: 発起人がその一部を引受 + 残りの株式は、募集→申込割当て≒引受払込 (1)募集: 発起人全員の同意により発起人が株主を募集 57、58 (2) 申込: 書面または電磁的記録による 59 ⇒申込証拠金:申込の際に必要な金銭であり 実務上、 払込金額全額の支払いを請求する (3) 割当て: 申込の場合に発起人が申込人に対し引受の可否及び数を決めること 60 a)割当て自由の原則 : 割り当ての際に発起人は自由に決められる→誰にどれだけ割り当てるかは発起人の自由 b) 引受け:申込人からみた割当てを受けること (4) 払込: 引受人は割り当てられた株式数に応じて払込義務を負う63 I 発起人の裁量 (5)効果(B+) :出資の履行または払込みにより株式会社成立時に株主となる(×履行時払込時) 50Ⅰ、102Ⅱ ⭐️会社成立時に株主になることに注意 →無効・取消の制限 (申込・引受) 法的安定 ×:心裡留保通謀虚偽表示 51I102V、株式会社成立後の錯誤詐欺・強迫51Ⅱ・102VI ◯:⭐️制限行為能力・詐害行為取消
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□ 機関の決定 ① 設立時役員等: 株式会社の設立に際して役員等となる者 ⇒ 設立時取締役・設立時代表取締役 設立時監査役・設立時会計参与等を決定=機関の決定 ② 設立時取締役等の選任 ・発起設立:発起人が選任 38I→発起人の議決権の過半数 40 I ・募集設立 : 創立総会決議 88→総株主の過半数 かつ 出席株主の議決権の2/3以上 ③ 設立時代表取締役の選定 : 発起設立・ 募集設立共通 (指名委員会等設置会社を除く) ∵第6節 【取会設置】 代取の選定:必須 選定方法:設立時取締役の中からその過半数 47 【取会非設置】 代取の選定:任意(なければ各自代表 349I) 選定方法:発起人の過半数 or定款 □ 会社財産の形成と株主の確定 (Aランク) ① 出資の履行 =会社財産の形成 + 株主の確定 ・発起人: 引受後遅滞なく、全額払込または現物出資の全部給付 34I ・引受人: 払込期日または期間内に全額払込63 I ②失権:履行をしない場合に株主となる権利を失うこと ∵ 迅速な設立 ・発起人: 権予告付き払込催告→期日までに履行しなければ失権 36Ⅲ ・引受人: 当然に失権 63Ⅲ Q一部の株式が失権した場合 (1)定款に定めた設立の際の出資額またはその最低額 ・充足する→設立手続続行可 ・充足しない→引受人の追加募集が必要 →充足しないと設立無効事由 828I一 (2) 発起人が1株も取得しない場合 →(1) の要件に関わらず設立無効事由 25Ⅱ ③ 払込取扱: 払込取扱機関の払込取扱場所にてしなければならない 34Ⅱ・63I ・発起設立: 払込があったことを証する書類 (通帳コピー等)が必要 ・募集設立: 払込金保管証明書 (銀行等発行)が必要 (1) 払込保管証明請求 発起人は払込取扱機関に払込保管証明書の請求可 64I (2) 払込保管証明責任: 募集設立の場合の払込について払込取扱機関が負担 64Ⅱ ∵仮想防止 ④ 仮装払込 (1) 預合い: 借入金を預けた形。取扱金融機関と共謀 ∵会社の信用、 営業上の必要 →発起人が払込取扱機関から借入をしてそれを設立中の会社の預金に振替えて払込にあてるが、この借入を返済するまでは会社の預金を引き出さないことを約束する行為 ※定義【Aランク】。キーワード書けるように。「発起人が払込取扱機関から借入」「払込にあてる」「返済までは会社の預金を引き出さない」と言うのがキーワード) a) 特徴: 帳簿上の操作のみで現実の払込なし b) 効果: 無効 c)対策: 罰則規定 965 + 募集設立の場合保管証明責任あり 64Ⅱ (2) 見せ金: 借入金を預けてすぐ返す・ 取扱金融機関と共謀なし =発起人が払込取扱機関以外の者から借り入れた金銭を株式の払込にあて、 会社の成立後にこれを引き出して借入金の返済にあてる行為 ※定義【Aランク】。キーワード書けるように。「発起人が払込取扱機関以外の者から借り入れた金銭」「株式の払込」がキーワード a) 特徴: 現実の払込あり b) 対策: 明文上はない Q 見せ金による株式の払込の効果【Aランク】 (1)問題の所在: 形式的には融資 + 罰則規定なし→内心の問題(発起人が見せ金と考えるか、事業資金と考えるか) (2)判例・通説: 無効 a) 罰則規定 965: 不適用∵ 罪刑法定主義。但し、発起人等に任務懈怠責任53 I b) 見せ金を除き出資額不足 設立無効事由 (3) 理由 実質的には仮装払込 (4) 判断基準: 客観面を総合的に観察して決すべき a) 会社成立後借入金を返済するまでの期間の長短 →短いほど該当 b) 払戻金が会社資金として運用された事実の有無 →無いほど該当 c) 借入金の返済が会社の資金関係に及ぼす影響の有無 →有るほど該当 Q 見せ金による払込がされたとき、 払込取扱機関は払込金の保管証明責任 64Ⅱを負うか【Aランク】 (1) 事例: 募集設立 → 払込 (見せ金) →無効→ 会社が銀行に保管証明に基づき支払請求 (2) 通説: 払込取扱機関に悪意または重過失がある場合のみ保管証明責任を負う(64Ⅱ類推適用) (3) 理由: 預合いは共謀を前提 ※「株式払込金保管証明書」を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は払込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の会社に対抗できない ⑤ 変態設立事項の調査【B+】 ・原則 :変態設立事項を定款で定めた → 公証人の認証後遅滞なく検査役選任の申立が必要 33I ・例外 :現物出資財産引受→ 500万以下 or 有価証券 or 弁護士等の証明があれば不要 33X ⑥ 設立経過の調査【B】 ・発起設立: 設立時取締役 (監査役設置会社の場合設立時監査役も)が出資の履行・ 設立手続を調査 46I ・募集設立 : 創立総会において設立時取締役が調査・ 報告 93 ⑦ 創立総会: 募集設立の場合に設立時の株主によって構成される設立中の会社の意思決定機関 ⇒ 株主総会に相当 (1) 招集: 発起人が払込期日経過後遅滞なくまたは必要があれば 65 (2) 権限: 設立経過報告 87Ⅰ、 設立時役員等の選任88I、変態設立事項の調査報告 等 (3) 決議: 総株主の議決権の過半数 かつ 出席株主の議決権の2/3以上 73I
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□法人格の取得 【Bランク】 ① 登記 : 実体の形成・定款認証→設立登記申請→ 登記完了 = 法人格取得 (1) 条文 : 49 (2) 会社設立日 = 設立登記申請日→〇受付日・ 書面到達日・休日なら翌営業日 × 登記完了日 (3) 手続: 所定の期間内に本店所在地の法務局で申請 ② 登記事項: 911Ⅲ各号。 目的、 商号、所在、資本金、発行可能株式総数、 株式の種類、資本金、 機関 ⇒ 取締役の氏名、 代取の氏名・住所等、監査役の監査の範囲を会計に限定する旨の定款の定め ③ 効果 法人格の取得、株式申込 引受の取消等の制限、権利株の譲渡制限の消滅、株券発行 3 設立中の法律関係 ① 設立中の会社: 権利能力なし→ 実体を形成→登記によって権利能力あり (法人格の取得) ⇒ 権利能力なき社団 + 発起人は執行機関 ∵ 実体あり + 形式的には発起人に権利義務発生 Q 発起人が会社設立中になした法律行為の効果 (1) 問題の所在: 権能なき社団 - ->> 会社成立による権利義務承継の説明 (2) 通説: 設立中の会社と成立した会社は実質的に同一の存在なので当然に承継する(同一性説) (3) 理由: 実質的に会社が権利義務取得 →法人格がないので便宜的に発起人が取得 ②発起人が行う行為→設立中の会社に帰属⇒ 設立中の会社の実質的権利能力の範囲内かつ 発起人の権限の範囲内 が必要 【⑴-⑷の4つに分かれる】 (1) 成立要件的行為: 会社の設立を直接目的とする行為及びそのために法律上必要な行為 (例) 設立登記、 定款認証、 創立総会の招集、 株式の引受払込 (2) 設立的取引行為: 会社設立のために事実上必要な取引行為 (例) 設立事務所の賃借、 株主募集の広告委託、 設立のための法律相談 ⇒ (1)(2)は設立に必要な費用 (3) 開業準備行為【頻出】: 会社の成立を条件とする事業の準備行為 (例) 財産引受 28Ⅱ、 営業所の賃借、 従業員の雇用、 製品の仕入、 業務用機械の買入 (4) 事業行為: 開業前の通常の営業行為 Q 設立中の会社の実質的権利能力の範囲 (1) 前提: 法人は目的の範囲内で権利義務 (民34)→ 設立中の会社も同様 (2) 問題の所在 : 法人の行為の種類ごとの可否 (3) 結論: 設立に必要な行為及び開業準備行為 (財産引受のみ(判例)) は実質的権利能力の範囲 ⭐️判例は財産引受のみ (4) 理由:会社設立のみならず成立時の事業をなしうる状態にすることも目的としている Q 発起人の権限の範囲内 (1) 前提: 実質的な執行機関→権限の範囲内でのみ認められる (2) 問題の所在: 発起人の行為の種類ごとの可否 (3) 結論: 設立に必要な行為及び開業準備行為 (財産引受のみ判) は発起人の権限の範囲 ⭐️判例は財産引受のみ (4) 理由:執行機関 目的達成に必要な範囲、濫用の危険、明文で財産引受を許容 Q 財産引受以外の開業準備行為 ※財産引受≒売買 (1) 問題の所在:事業をなしうる目的を阻害(事務所を借りたり従業員を雇ったり銀行から借入したりすることは事業の準備として必要) + 事業開始の遅れによる経済的損失 (2) 結論: 28Ⅱ類推適用により財産引受同様の規制 (3) 理由: 権限濫用による財産的基礎への侵害の防止 ③ 定款に記載のない財産引受の効力: 無効 28 ⇒ 会社側・契約の相手方双方主張可 Q 定款に記載のない財産引受を成立後の会社によって追認することができるか (1) 問題の所在:本人の追認可 (民法)• 設立中の会社と成立後の会社は同一 (2) 判例: 追認できない (3) 理由: 法定要件欠缺から絶対的に無効 • 株主及び会社債権者保護 ④ 設立中の会社の法律関係の責任 ・会社成立前: 形式的に発起人・実質的に設立中の会社 ・会社成立後: 成立した会社が承継 → × 発起人・設立中の会社 (注) 事業行為等を除く Q 開業準備行為の効果が成立後の会社に及ばない場合の発起人の責任 (1) 問題の所在: 無権代理適用( 民法117)が考えられるが、 本人たる会社が存在しない (2) 判例: 無権代理 117 の類推適用により発起人に責任を問いうる→ 通常、 仮装の有無も不問(例:設立済みの会社の役員と説明) (3) 理由: 権利外観法理 ⑤ 設立費用: 発起人が支出した会社の設立のために必要な費用→開業準備行為・事業行為以外の費用→ 定款に記載が必要。 但し、 損害のおそれがなければ不要(法定の手数料など) ・定款記載の限度内かつ検査役の調査を通った額→○発起人は会社に請求できる ・上記を超える額:× 発起人は会社に請求できない Q 未履行の設立費用に関する帰属 (1) 事例: 株式募集の広告→定款記載金額を超過→発起人が未払会社成立→債務の帰属 (2) 判例 ・必要な手続きを経た限度内→会社に帰属 ・法定要件を満たさない債務→発起人に帰属 (3) 理由: 28IV
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□ 設立の瑕疵 ① 設立無効の訴え : 設立手続に瑕疵がある場合に会社の設立を無効とする訴え ⇒ ⭐️設立の無効は訴えによってのみ認められる (1) 条文 : 828I- 無効の主張や効果等を大幅に制限 (2) 趣旨: 取引安全 会社が成立すると多数の関係者 法律関係 ② 提訴期間: 会社の成立の日から2年以内 ③提訴権者: 株主、 社員等 → 被告は会社 834 ④ 設立手続の瑕疵 ・客観的瑕疵: 設立手続が強行法規または株式会社の本質に反する場合⇒ 設立無効事由 ・主観的瑕疵: 個々の社員の行為に瑕疵がある (例: 払込未完) ・持分会社: 設立無効事由または取消事由 832 ・株式会社: 個々の社員の行為の無効事由⇒ × 取消事由 × 会社の設立無効事由 ⑤ 設立無効事由→ 明文事例なし → できるかぎり狭く解すべき ∵取引安全・企業維持 ⇒ 絶対的記載事項27、 定款認証 30I、設立の際の出資額の履行、 発起人の引受等がない ⑥ 効力 ・対世効 838 ∵ 法律関係の画一的確定の要請 ※民法:相対効 ・将来効 839 .∵法律関係の安定 ※民法:遡及効 ⑦不成立 : 途中で挫折し設立の登記まで至らなかった場合 ⇒ 誰でもいつでも無効主張可・発起人が支出した費用を負担 払込の返還 (無過失責任) 56 □ 設立関与者の責任【B+短答】 ①概要: 準則主義→ 設立が容易+ 違法目的等でも成立可 →利害関係者の利益保護が必要 ・刑事責任: 刑罰 960Ⅰ、 962 等、過料 976 一等 ・民事責任 : 不足額支払義務 52、仮装払込支払義務52の2、 任務懈怠責任 53 等 ②不足額支払義務: 現物出資・財産引受で定款記載価額に著しい不足→不足額を支払う義務を負う (1) 条文 : 52、103 (2) 対象: 過大評価、 市場価格の変動 (3) 支払義務者: 発起人、設立時取締役、証明者、 現物出資者等 (4) 免責規定 :検査役の調査 (証明者、 現物出資者等は過失責任 52Ⅲ) ・発起設立: 過失責任 52Ⅱ ・募集設立: 無過失責任 103I ∵ 引受人の保護 ③ 仮装払込支払義務: 仮装払込 (見せ金等)→ 仮装した払込金額について支払義務を負う (1) 条文 : 52の2、103Ⅱ (2) 免責規定 発起設立: 仮装発起人以外の者は過失責任 募集設立: 仮装引受人以外の者は過失責任 (3) 株式の効果 : 有効説:有 ④ 任務懈怠責任: 任務を怠った (法令・定款違反、善管注意義務・ 忠実義務違反) ときに負う賠償責任 (1) 条文 : 53 (2) 主体: 発起人、 設立時取締役、 設立時監査役 (3) 責任: 株式会社に対し過失責任 → 悪意または重過失があれば第三者に対しても (4) 複数 全員が連帯債務者 ⑤ 疑似発起人: 募集設立において、募集広告等、募集に関する書面等に氏名または名称及び設立を賛助する旨を記載することを承諾した者 ⇒ 発起人と同様の責任を負う 103ⅣV -> × 発起人ではない、○ 電磁的記錄 ⑥ 責任の免除: 総株主の同意があれば免除 55等 ⇒ 民事責任追及の方法: 株主による取締役等に対する株主代表訴訟 847 以下
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□ 株式制度 ①株式: 細分化された均等な割合的単位のかたちをとる株式会社の社員たる地位 ・細分化: 多数の株式+ 1株が小さい→多数の者が出資 ・均等: 1株の価値が同じ->権利行使の公平・ 取扱いの便宜 ・割合的单位 :100/3万株等。 not 金額 ->株式の数のみで判断 ∴社員の個性が喪失 ・社員たる地位 : 全権利の源たる地位。 not 株券→ 実質的所有者 (1) 趣旨: 大資本の結集 (2) 株主 株式会社の社員 ≒ 株式会社の出資者 株式会社の共同所有者 ② 条文 : 104〜235 ③法的性質: 株主としての地位に基づく諸権利 (株式社員権説) ×: 議決権のみ譲渡、剰余金配当請求権のみ譲渡 ∵個々の権利のみ処分 ◯ :確定した配当金支払請求権 ∵ 単なる金銭債権 ④ 資本金: 株式会社の財産を確保するための基準となる一定の計算上の数額 ⇒会社財産の入れ物 (not 会社財産・金銭) (1) 株式と資本金の関係 ・原則: 払込・給付の全額を資本金の額とする (資本金に組入れ) 445Ⅰ ・例外:払込・給付の1/2までの額を資本準備金としてよい (半分以上資本金) 445Ⅱ・Ⅲ ・変更:資本金の額の増減も認められる 447、 450 ・4倍ルール : 設立時発行株式の総数は発行可能株式総数の1/4を下回ることはできない 37Ⅲ (2) 資本準備金: 払込・給付の際に資本金として計上しなかった金額 →赤字の補填・振替増資・税金対策等で利用 ⑤ 株式の共有: 認められる (≒ 準共有となる) (例)共同相続 (1) 準共有: 所有権以外の財産権を共有する場合 (民264) (例) 賃借権、地上権、 債権 ⇒ 物質として存在しない + 共有に準ずる (2) 権利行使方法 106 ・原則: 権利行使をする者の指定 + 株式会社への通知が必要 ∵取扱いの便宜 ・例外: 株式会社の権利行使への同意がある場合、 指定・通知不要 (3) 判例 ・共有者内部の取決めに違反して権利行使をする者が権利行使-> 有効 ∵ 取扱いの便宜 ・権利行使者の指定方法=共有者の持分の過半数 ∵252 + 困難性 ・ 指定・通知なき共有者による株会決議不存在確認訴訟 → 特段の事情なき限り、 原告適格なし □ 株主の権利・義務 ①株主の権利 (1) 自益権と共益権 a) 自益権: 会社から経済的な利益を受ける権利 (例) 剰余金配当請求権、 残余財産分配請求権 ⇒ 自己の利益のための権利→ 比較的、 制限なし ∵ 権利保護 b) 共益権: 会社の経営に参与する権利 (例) 議決権、 監督是正権 →共同の利益のための権利→比較的、 制限あり ∵他の株主に影響 (2) 単独株主権と少数株主権 ・単独株主権: 1株の株主でも行使できる権利 ・少数株主権: 一定割合または一定数以上を有する株主のみが行使できる権利 (3) 株主の権利の関係 【自益権】 (具体的分類) 剰余金配当請求権 105I一、残余財産分配請求権 105Iニ (制限による分類) 単独株主権 【共益権】 (具体的分類) 議決権 105I (制限による分類)単独株主 (具体的分類)監督是正権360、 297等 (制限による分類)単独株主権 360 or 少数株主権 297 ② 株主の義務 :出資義務 (1) 株主有限責任: 出資額を超えて会社債務について会社債権者に対して責任を負わない104 (2) 出資時期:会社成立前または新株発行前→ 出資後に株主になる →株主は出資義務なし(出資義務があるのは引受人) (3)会社債権者保護 : × 相殺 208Ⅲ・出資免除・払込金返還 (所定の手続があれば可) □ 株主平等原則【Aランク】 ① 株主平等原則: 株主としての資格に基づく法律関係について、株式会社はその有する株式の内容及び数に応じて平等に取り扱わなければならないという原則【定義Aランク】 (1) 条文 : 109 (2) 特徴: 持株数を基準(not 頭数 ) (3) 趣旨: 株式が株主の地位を均一の割合的単位としていることを裏から表現 ②内容 ・原則: 異なる内容の種類株式は異なる取扱可 + 同じ内容の株式は株式数に応じて平等 ・例外: 非公開会社は配当金等につき株主毎に異なる取扱を定款で定めることができる 109Ⅱ ③ 効果 : 強行法規的な性格 ⇒ 違反する決議、行為、定款は無効。 但し、不利益を受ける株主の承認あれば有効 ④ 機能: 少数株主保護 +経営者の権限濫用の防止 ⑤ 株主平等原則の諸論点 (1) 剰余金 : ≒ 純資産- 資本金≒配当金≒分配金 ⇒ 株主に分配する a) 配当の確定: 権利付最終日→ 権利落ち日 → 権利確定日 ・権利付最終日 : 配当・株主優待等を取得できる最終取引日→ この日に株式を保持していれば分配可 ・権利落ち日 : 権利付最終日の翌営業日→この日以降に株式を取得保持しても分配不可 ・権利確定日 :配当等を取得する権利を保有する株主として登録される日→ この日に株式を保持していても権利付最終日までに取得していなければ分配不可 ⇒ 権利付最終日は権利確定日の2営業日前 →以後の株式売却でも配当可 b) 分配回数 : 通常、 年1~2回。 無配当も可 c)配当額 株式数に応じて454Ⅲ(例) 1株につき500円。20株なら1万円。 ⇒ 株主により配当額が異なるが数に応じて平等 →株主平等原則に反しない Q 特定の株主を優遇する贈与契約と株主平等原則 (1) 事例: 一般株主は無配、 特定の大株主に月8万及び中元・歳暮各5万の贈与契約 (2) 問題の所在: 株主平等原則 (3) 判例: 無効 + 刑事罰 970 I (4) 理由: 特定の大株主が特別に優遇されるのは株主平等原則に反する (2) 株主優待制度: 一定の株式を有する株主に対して優待券等の利益を交付する制度 ∵ 個人株主の増大、 顧客の拡大、 宣伝、 株式の長期保有 Q 株主優待制度が認められるか (a) 問題の所在: 株主平等原則の適用があるか? + 株主平等原則に違反しないか? (b) 実務・通説 : 認められる (株主平等原則の適用あるが反しない) (c) 理由: ・株主の資格があるから優待が受けられるので、株主平等原則の適用がある ・優待の程度が軽微かつ株主の増大等合理的理由があれば、株主平等原則に違反しない (3) 株主総会の運営: 各株主に対し合理的理由なき限り同一の取扱いをすべき ∵ 株主平等原則 【判例】従業員株主を株主籍の前方に着席させた措置(総会屋対策) ⇒ 適切ではないが許される ∵権利侵害なし
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□ 利益供与の禁止 ①利益供与の禁止 株式会社は何人に対しても、 株主等の権利の行使に関し、会社の計算において財産上の利益を供与してはならない ※ 定義は120条項をみれば書ける (1) 条文: 120 I (2) 沿革:総会屋への利益提供禁止→総会屋以外の利益提供も禁止 (3) 趣旨 :会社財産の浪費を防止 + 企業経営の健全性を確保 (4) 株主等:改) 株主、 適格旧株主 847 の2 Ⅸ、最終完全親会社の株主 ・完全親会社: 子会社の発行済株式の100%を所有する会社 ・完全子会社: 親会社に発行済株式の100%を所有されている会社 ※最終:それ以上上位の親会社はいないということ ②禁止の範囲 (1)株主の権利の行使 :株主権(自益権・共益権)の行使・不行使、 株主の権利と密接に関連 【判例】議決権不行使目的で第三者に譲り受けるための対価を給付し株式譲渡させた場合→ 株主の権利の行使に当たる (単なる株式譲渡では該当しない) (2) 何人に対しても : 株主等に対する利益供与・ 株主以外に対する利益供与 (3) 利益の供与: 財産上の利益 ・推定規定 120Ⅱ: 無償で利益の供与 or 有償だが会社の利益が著しく少ない ⇒ 財産上の利益の供与をしたと推定する(擬制でない) ③ 違反の効果 (1) 返還義務: 供与を受けた者は会社に返還 120Ⅲ、不当利得の特則 (705 708 不適用) (2)支払義務120Ⅳ ・関与した取締役 : 供与相当額の支払義務 (過失責任)+ 任務懈怠による損害賠償責任 423I ・供与した取締役:供与相当額の支払義務 (無過失責任)+ 任務懈怠による損害賠償責任 423I ・監査役:任務懈怠による損害賠償責任 423I ⇒株式会社に対して連帯責任、 総株主の同意がなければ免除不可 120V (3) 代表訴訟 会社が責任追及をしない場合、 株主による支払請求可 847 847の2・3 (4) 刑事罰 : 供与をした取締役に対して 970
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□ 総説 ① 株式の種類 ・普通株式: 権利の内容が同一+ 全部の株式の内容として同一 ・特別な内容の株式: 権利の内容が異なる+全部の株式の内容として特別の定め ・種類株式: 権利の内容が異なる+内容が異なる複数の種類の株式 注) 種類株式での標準となる株式を普通株式とも (1) 原則: 普通株式を要求 → 例外として、特別な内容の株式・種類株式を認める (2) 趣旨: 株式による資金調達の多様化と支配関係の多様化の機会を与えるため ② 特別な内容の株式 (1) 条文 : 107 (2) 種類 : 107I ・譲渡制限株式: 株式の取得に株式会社の承認を要する株式 ・取得請求権付株式: 株主が会社に対して保有株式の買取を請求できる権利が付いた株式 ・取得条項付株式: 会社が株主に対して保有株式を取得できる条項が付いた株式 ③ 種類株式 (1) 条文 : 108 (2) 種類: 108I a) 優先株式等: 剰余金の配当・残余財産の配当が異なる株式 b) 議決権制限種類株式:議決権を行使できる事項が異なる株式 c) 譲渡制限種類株式: 株式の取得に株式会社の承認を要する株式 d) 取得請求権付種類株式:株主が会社に対して保有株式の買取を請求できる権利が付いた株式 e) 取得条項付種類株式:会社が株主に対して保有株式を取得できる条項が付いた株式 f) 全部取得条項付種類株式: 総会決議によって会社が当該全株式を取得できる株式 ※取得条項付株式107は発行に株主全員の同意が必要。全部取得条項付種類株式は株主総会の特別決議でよい。 g) 拒否権付種類株式:株主総会等の決議事項に対し当該種類株主総会の決議も必要とする株式 h) 選解任種類株式:当該種類株主総会で取締役等の選任を行う株式 (非公開会社のみ) (3) 属人的種類株式: 定款で株主毎に議決権・配当等に関する内容について定めた株式109Ⅱ a) 非公開会社の特則: 剰余金、 残余財産、 議決権につき定款で株主毎に異なる取扱の定め可 b) 種類株式との関係: 第二編・第五編との関係では種類株式とみなす (第七編は除く) ④ 手続 (1)発行手続 ・特別な内容の株式 : 定款で定める 107 Ⅱ ・種類株式: 定款で定める 108Ⅱ(普通株式は除く 優先株は要綱だけも可 108Ⅲ) (2) 登記等: 一定事項を株主名簿・ 株券等に記載し かつ 登記 911Ⅲ ⑤ 種類株主総会: 種類株式発行会社における、 特定の種類株式の株主による株主総会 (1) 決議: 法定または定款で定めた事項。 株主総会の規定を準用325→原則、 普通決議 (2) 法定 ・原則: 322 I各号の行為 + 種類株主に損害のおそれ→その種類株主による種類株主総会決議が必要 ・例外: 定款で決議不要とできる→定款変更関連 322 Iーイロハ 347Ⅰ等は不可 (322Ⅲ但) (3) 趣旨: 異なる種類株主間の利害調整 □ 権利の内容が異なる株式 ① 譲渡制限株式: 株式の取得に株式会社の承認を要する株式 (1) 条文 2十七、 107I、 108Ⅰ四 (2) 趣旨: 小規模会社の安定性確保 (3) 要点: × 譲渡不可、 全部譲渡制限の場合のみ非公開会社、 定款での定めが必要 ② 取得請求権付株式 :株主が会社に対して買取請求できる (1) 条文 : 2十八、 107I二、 108Ⅰ五 (2) 趣旨: 資金調達を容易(売れやすい) (3) 定款: 取得請求権付株式の旨、 取得対価、請求期間等の定めが必要 107Ⅱニ (4) 要点 ◯金銭以外 (社債 他の株式新株予約権等) の取得対価も可能 ③取得条項付株式:会社が株式を取得できる条項付の株式 (1) 条文 : 2十九、 107Ⅰ三、 108Ⅰ 六 (2) 趣旨: 相続対策、 資金調達を容易 (3) 定款: 取得条項付株式の旨、 取得事由または一定の日、 取得対価等の定めが必要107I三 (4) 要点: 〇 金銭以外の取得対価も可 〇一部の取得も可 (その旨及び決定方法の定款記載が必要) ④ 配当・残余財産の分配についての種類株式 ・優先株式: 配当・残余財産の分配について他の種類の株式よりも優先的な地位が与えられる株式 ・普通株式: 標準となる通常の株式 ・劣後株式: 配当・残余財産の分配について他の種類の株式よりも劣後的な地位が与えられる株式 (1) 条文 : 108I一・二 (2) 趣旨: 資金調達が容易 (3) 定款: 配当・残余財産の分配額の決定方法、条件、 取扱等の定めが必要 108Ⅱー・ニ (4) 要点: 多様な形態 (議決権制限株式と組合せ・ 剰余金優先と残余財産劣後の組合せ等) あり ・参加型優先株式:優先配当金額 (優先の配当金)+ 残余配当金額 (通常の配当金) ・非参加型優先株式:優先配当金額 (優先の配当金) ・累積的優先株式: 今期の配当金 + 前期の未払分の配当金 ・非累積的優先株式: 今期の配当金 ⑤ 議決権制限種類株式 ・全部議決権制限株式 : 全部の事項について議決権を有しない株式 ・一部議決権制限株式: 一部の事項について議決権を有しない株式 (1) 条文 : 108Ⅰ三 (2) 趣旨: 議決権行使に関心のない株主の必要性 (3) 定款: 議決権行使事項、 条件等の定めが必要 108Ⅱ三 (4) 要点: 1株1議決権の原則(→2株で1議決権、5株で1議決権等は×)、 公開会社では発行可能株式総数の1/2以下の議決権制限株式を発行可 115 ⑥ 全部取得条項付種類株式: 特別決議によって会社が当該全部の株式を取得できる種類株式 (1) 条文: 108Ⅰ 七 (2) 趣旨: 100%減資 (既存株主消去)、 敵対的買収からの防衛 (3) 取得条項付株式との相違 【取得条項付】 (取得の態様)強制取得(株主の同意不要) (株式の発行)株主全員の同意 (株式の取得)一定事由 + 会社の意思 【全部所得条項付】 (取得の態様)強制取得(株主の同意不要) (株式の発行)- (株式の取得)株主総会の特別決議 (4) 定款: 取得対価の決定方法、 条件等の定めが必要 108Ⅱ七 (5) 手続:株主への通知・広告→書面・電磁的記録の備置・閲覧→株会特別決議 171・172・173→事後に書面等の備置・閲覧 173の2、 法令違反及び不利益のおそれがあれば裁判所へ差止請求可 171の3 ⑦拒否権付種類株式: 株主総会等の決議事項に対し当該種類株主総会の決議も必要とする株式 (1) 条文 : 108Iハ (2) 趣旨: 旧所有者の影響力維持、 敵対的買収の防止 (3) 定款: 種類株主総会の決議も必要とする事項、条件等の定めが必要108Ⅱ (4) 要点: 1株でも行使可、 非常に強力な権限 (黄金株)、株主平等・1株1議決権の原則を侵害 ⑧選解任種類株式: 当該種類株主総会で取締役等の選解任を行う株式 (1) 条文 : 108Ⅰ九 (2) 趣旨: 合弁企業等での取締役等選任の合意を担保等 (3) 定款: 選任する取締役等の数、 選任する種類株式の種類、条件等の定めが必要 108Ⅱ九 (4) 要点: 非公開会社かつ指名委員会等設置会社でない会社のみ 108 I但 ∵合弁会社等を想定→資金調達のために公開会社にする必要なし。指名委員会等設置会社にする必要もなし
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① 株券: 株式を表章する要式の有価証券【定義Aランク】 原則:不発行→株券不発行会社 例外: 定款に定めた場合に限って発行→株券発行会社 ② 条文 : 214 ③特徴 (1) 非設権証券性: 既存の権利を記載 →有効な株式が存在しなければ無効 ※ 設権証券性: 作成により権利が発生 (2) 無記名証券性: 権利者の記名がない →所持者が権利者となる ※記名証券性: 権利者の記名がある→記名された者が権利者となる (3) 緩やかな要式証券性: 法定の記載事項が欠けても本質的事項の記載があれば有効 ※ 要式証券性: 法定の記載事項が欠ければ無効 (4) 非文言証券性 権利内容が記載されていない→ 定款・株会決議等で定まる ※文言証券性: 権利内容が記載されている ④発行 (1)発行時期: 原則、株式発行日以降遅滞なく→ 非公開会社は株主の請求があるまで不発行可 215 (2)記載事項: 商号、 株式数、 株式の種類と内容等 216 (3)善意取得: 交付を受けた者は悪意または重過失なき限り権利を取得 131Ⅱ ※株券失効制度などは現在では出ない
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□ 株式の譲渡 ① 株式の譲渡: 法律行為によって株主の地位を移転すること ※ × 株券の譲渡を意味するのではない 株主権取得 →× 自益権・共益権の個別譲渡はできない ・○個別具体的に発生した権利の譲渡はできる ② 株券と株式譲渡 (1) 株券発行会社: 意思表示と株券の交付により譲渡128I →株主名簿の名義書換→株式会社対抗要件 130 → 株券所持= 株式会社以外の第三者対抗要件 + 適法推定及び善意取得 131 →株券喪失 →会社に通知・株券喪失登録→ 名義書換等不可・ 1年で失効し再発行 221 (2) 株券不発行会社: 意思表示のみで譲渡 128I →株主名簿の名義書換 = 株式会社及び株式会社以外の第三者対抗要件 130 ③ 株式譲渡自由の原則: 株式を自由に譲渡することができるとの原則 (1) 条文 : 127 (2)趣旨 ・必要性: 払戻しを伴う退社制度がない →投下資本回収のため株式譲渡を認める必要 ・許容性: 所有と経営の分離、 株主有限責任 ->株式会社・ 他の株主・会社債権者等に影響なし (3) 例外: 法律による制限・定款による制限・契約による制限 □ 法律による譲渡制限 ① 総説 ・時期による権利株 35・ 株券発行前の譲渡 128Ⅱの制限 ・子会社による親会社株式の制限 135 ・自己株式の制限 155 ② 権利株会社成立前または新株発行前の株式引受人の地位 ⇒ 株式の譲渡ではない → 株主となる権利の譲渡 (1) 譲渡の効果 : 当事者間では有効 + 株式会社には対抗できない ⇒ 発起人 35・ 50Ⅱ、設立時募集株式 63 Ⅱ、募集株式 208IV (2) 趣旨: 株主名簿の整備、 株券発行事務の渋滞防止 ③ 株券発行前の譲渡 (1) 譲渡の効果: 株券発行前の株式譲渡は株式会社との関係では無効 128Ⅱ (2) 趣旨: 株主名簿の整備、 株券発行事務の渋滞防止 Q 株券発行前の譲渡における当事者間の効力 (a) 問題の所在 : 明文なし (b)判例:当事者間では有効 →譲渡方法: 意思表示、第三者対抗要件: 株主名簿の名義書換 (c)理由:趣旨が損なわれない Q 株式会社が株券の発行を遅滞している場合の効力 (a) 問題の所在 : 発行を不当に遅滞 215 信義則・会社の責任から株主に帰責は妥当でない (b) 判例:不当に遅滞した場合、 有効 (=128IIは合理的期間内のみ適用∵ 215前提) (c)理由: 趣旨が損なわれない ④ 親会社株式取得: 原則、 子会社は親会社の株式を取得してはならない (1)条文: 135 (2) 趣旨: 会社財産の確保(子会社から親会社に金がいくが親会社が子会社に金を送った場合は実質払い戻し)、 株価操作(子会社が買った分だけ買える株が減って値上がりする) 投機的行為(インサイダー取引)、 (親会社の)支配的地位の固定化 の弊害防止 ⇒ 自己株式取得も同様の弊害 (3) 例外: 他会社の事業の全部を譲受、合併・吸収による承継、無償で取得等 (4) 適法に取得した場合 a)相当の時期に処分しなければならない b) 親会社による取得もできる c) 原則、 議決権を有しない 308 I括弧書
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①概要 (1) 目的: 株主の個性が問題となる閉鎖的会社の需要に応えること (2) 背景: 会社・株式会社の9割以上が同族会社等の小規模会社 (3) 同族会社 = 株主の3人以下並びにこれらと特殊な関係にある個人や法人が議決権の過半数を保有している会社 ⇒ 多くが、 家族経営・小規模会社 (4) 傾向 同族会社は株主数が少なく、株主の流動性は低い。出資金は少額で、買収は比較的容易である。株主の個性が重要であり、株式の譲渡制限の必要がある。 (5) 定款による譲渡制限: 種類株式または特別な内容の株式として定款で譲渡制限 107I・108I四 (6) 要件: 種類株式・ 全ての株式共に定款での定め→ ⭐️譲渡不可はできない ⇒⭐️ 株式会社成立後の定款変更も可能: 特殊決議 309Ⅲ一・324Ⅲ一 ②態様 (1) 譲渡の承認機関 139 ・取締役会設置会社 :原則、取締役会の承認 ・取締役会非設置会社:原則、株主総会の承認 →例外として定款で 「別段の定め」も可 (例)代表取締役にする、取締役にする、取会設置会社で株主総会にすること (2) 公示方法: 登記 911Ⅲ七・株券の記載 216 三が必要 ⇒ 善意の第三者対抗要件 908 I (3) 制限の範囲(学説) ※標準=譲渡には会社の承認が必要 (会社法の制限を強化): 許されない ∵株式譲渡自由の原則 (例)譲渡不可 (会社法の制限を軽減) : 許される ∵投下資本の回収を容易 (例)外国人のみ承認要 (4) 株主の投下資本の回収 136、138 ・ 【会社の承認あり】→予定していた譲受人への譲渡 【会社の承認なし】→譲渡不可 or 会社による買取請求 or 指定買取人による買取請求 →申立による売買価格の裁判所決定可 144Ⅷ・Ⅱ、買取人の通知により売買契約成立 ③効力 (1) 基本: 株式の譲渡の際に株式会社の承認を必要とする (2) 手続: 譲渡等承認請求 → 株会 or 取会による決定 →通知 (請求から2週間以内) 139Ⅱ ・承認→ 譲渡→ 株主名簿書換 ・不承認→譲渡不可 or 買取請求 (会社 or 指定買取人) →通知により成立 141Ⅰ・142Ⅰ (3) 買取請求: 株式取得者は会社に対し会社又は指定買取人による買取を請求できる 137Ⅰ、138 ニハ Q 定款による譲渡制限に違反した株式譲渡の効力 (a) 問題の所在: 明文なし (b) 判例: 株式会社との関係では無効・ 当事者間では有効 (c) 理由: 譲渡制限の目的を十分達成 + 137Ⅰ、 138 ニハは当事者間での承認前譲渡有効を前提 Q 承認なき譲渡制限株式の譲渡において譲渡人は株主としての地位を有する者といえるか (a) 問題の所在: 譲渡人は株主としての実質的理由を喪失 (b) 判例: 譲受人が権利行使不可となる反射的効果として譲渡人は株主としての地位を有する者といえる (c) 理由: 譲渡制限の趣旨に合致 + 権利行使の空白が生じる (4) 譲渡制限のある一人会社で株式譲渡→ 承認がなくても会社との関係でも有効 ∵ 全株主の同意 (5) 相続による取得→ 会社は定款の定めにより売渡請求できる 174
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① 総説: 関係者の契約によって株式譲渡を制限 ⇒ 法律・定款と異なり公示方法に問題→譲受人保護の必要 ② 株式会社以外の者と株主との契約による制限 例: 父と子(株主)が株式を売らない契約 【原則】: 債権的には有効 ∵ 契約自由の原則→第三者拘束力なし・ 株式譲渡は有効 【例外】: 公序良俗違反等があれば無効 ③株式会社と株主との契約による制限 【原則】: 無効 ∵ 株式譲渡自由の原則 127 脱法手段となるおそれ(本来、株会の特殊決議が必要)→契約に反してなされた株式譲渡は有効 【例外】: 合理的な場合 ④従業員持株制度: 従業員に対して自社株式の購入を促進・優遇する制度 (1)内容: 会社により多種多様。主に市場価格より低価格・ 各種特典等 (2) 趣旨: 会社側:福利厚生、 敵対的買収対策等 + 従業員側:資産形成・会社への貢献 (3) 脱退 : 退職時に従業員が会社従業員持株会等に限定して譲渡が主 Q 従業員持株制度の有効性 (a) 問題の所在 ・市場価格より低価格各種特典等 →株主平等原則に反する? ・退職時に会社等に限定して譲渡 →株式譲渡自由の原則に反する? (b) 判例・通説 : 有効 (c)理由: ・株主平等 :従業員を対象・ 優遇内容も比較的軽微→福利厚生の一環と評価 ・譲渡自由: 従業員が自由意志で合意・公序良俗に反しない→合理的 ⑤ 株式担保: 質権設定 (略式質・登録質) 146・ 147 or 譲渡担保 (1)要件 ・略式質: 質権設定合意 + 株券交付+株券占有 (第三者対抗要件)(株券発行会社のみ) ・登録質: 質権設定合意 + 株主名簿の記載 (2) 効果 151~154 ・略式質: 会社には効力なし (質権設定者が株主)・質権者は物上代位可 ※会社は略式質が設定されたことを知らない ・登録質: 権者が直接会社から配当等を受ける154Ⅰ Q 株式担保の設定を譲渡制限株式に対して行う場合の処理 (1) 問題の所在: 譲渡として会社の承認が必要となるか (2)判例?: 設定段階では不要 (実行段階では必要) (3) 理由:明文なし
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口 総説 ① 自己株式 :株式会社が有する自己の株式113ⅣV (1) 自己株式の取得: 株式会社が自社の発行した株式を取得すること →一定の場合に限り認められる + 実務上は広く認められる (2) 条文: 155 以下 (3) 趣旨・弊害・対策 (論点)【Aランク】 (趣旨1)会社債権者保護 (弊害)出資の払戻し (対策)財源規制 (趣旨2)株主間の公平 (弊害)一部株主のみ買受 (対策)特定株主からの取得に特別決議を要求 (趣旨3)会社支配権をめぐる不公正な取引の禁止 (弊害)故意に議決権総数を減少 (対策)自己株式の議決権を認めない (趣旨4)不公正な株式取引 (弊害)相場の操縦 (対策)金融商品取引法で規制 (注) 子会社による親会社株式の取得の禁止 135I と 区別 + 趣旨は同様 ②自己株式の地位 (1) 保有期間: 制限なし(h13 商法改正により撤廃) (2) 会計:純資産の控除項目として計上 → 分配可能額に含まれない (3) 株主権 ・議決権 : 有しない 308Ⅱ ・議決権以外の共益権 : 有しない ∵ 株式会社自身の行使は背理 ・剰余金配当請求権:有しない 453 ・残余財産分配請求権:有しない 504 ・募集株式等の割当てを受ける権利: 有しない ・株式併合・株式分割を受ける権利: 有する ∵ 自己株式の換価価値に変動 ③自己株式の処理 ・消却: 自己株式の消滅 →いつでもできる 178・取会設置会社は取会決議が必要 ・処分:自己株式の売却→いつでもできる、新株発行と同様 199 以下 □ 自己株式の取得 ① 自己株式取得が可能となる場合155 ・定款: 取得条項付株式、譲渡制限株式、 取得請求権付株式、全部取得条項付種類株式 ・買取: 単元未満株式、 端数処理手続、株式相続人等への売渡請求 ・承継 : 吸収分割する会社、 合併後消滅する会社 ・一般 : 株主総会決議に基づく取得 ②取得の規制 ・取得手続規制 : 各種決議を必要とする規制→ 株会決議に基づく取得の場合の規制 ・財源規制 : 一定の金額を必要とする規制→ ほぼ横断的な規制 ③取得手続規制: 株主との合意による取得、一般的な取得の方法、 原則として株会決議が必要 ⇒ 特定の株主・株主全員・市場取引等・子会社の準備厳格 (1) 株主全員から譲渡申込を受ける場合 a)条文: 授権 156、取会委任 157、通知 158 b)手続 【株主総会】:普通決議で株式数・ 引換の金銭とその総額・期間等を定める156 【取締役会】 :取会決議で取得株式数・引換の金銭とその総額・期間等をその都度定める157 【通知】: 決議事項は株主全員に通知が必要 (公開会社では公告も可)158 (2)特定の株主から取得 a)条文: 特定の株主160、 特別決議 309 Iニ b) 手続 【株主総会】⭐️特別決議(特定の株主は議決権なし)で156に併せて各事項を定める 【取締役会】取締役会決議で具体的事項を定める 【通知】決議事項は特定の株主に通知が必要 c) 売主追加請求権: 特定の株主に自己をも加えたものを売主とすることを株主総会の議案とすることを請求できる権利 【原則】: 他の株主に認められる (株会での株主の議案提出権の特例) 【例外】:市場価格以下の価格161、 株式相続人等からの取得(非公開会社のみ) 162、定款で売主追加請求権を排除 164→164の定款変更は株主全員の同意が必要 (3)子会社からの株式の取得 a) 条文: 子会社 163 b) 手続 【株主総会】: 取会非設置会社の場合、 普通決議で行う 【取締役会】: 取会設置会社の場合、 取会決議で行う→⭐️取会決議が原則 【通知等】:適宜な方法で可 ∵157~160 不適用 c) 趣旨: 親会社株式の処分135Ⅲが困難な場合があるので簡易な取得を認めた ④財源規制 (1)可能額規制: 交付する金銭等の総額は取得の効力発生日における分配可能額以下 ・下記以外(譲渡制限株式 株主総会決議等)→ 分配可能額以下461I ・取得請求権付株式・取得条項付株式→分配可能額を超えれば取得不可 160I・170V ・合併・会社分割等の際の取得単元未満株→制限なし (2) 欠損填補義務 : 規制遵守・期末欠損 ->業務執行者が連帯して支払 (総株主の同意で免除) 465 ⑤ 規制違反の効果 【Bランク】 (1)刑事罰: 5年以下の拘禁または5百万以下の罰金 963V一 (2) 賠償責任:取締役等は賠償責任を負う423I → 取得価額 - 処分価額 = 損害額 (判例) Q 規制に違反した自己株式の私法上の効果 (a) 問題の所在: 明文なし (b)通説 ・取得手続規制違反: 原則、 無効。 但し、当事者(売主と会社)の無効主張不可 ∵ 取引安全と株主保護 ・財源規制違反: 有効∵ 463I 「効力を生じた日」→法は財源規制に反していたとしても行為は有効であることを前提にしている
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□ 総説 ①株主名簿: 株主に関する事項を明らかにするために会社法の規定により作成される帳簿 →会社設立時に作成が必要。 商業帳簿ではない。 株主変更により更新 (名義書換え)が必要 (1) 条文 : 121 (2) 趣旨: 多数の株主が絶えず変動 →各種通知や株主の権利行使の円滑化 →会社・株主の利益 (3) 名義書換えの効果【Aランク】 【株券不発行会社】:意思表示で株式譲渡→名義書換え = 株式会社・第三者対抗要件 【株券発行会社】 :意思表示と株券の交付で株式譲渡 ・株主名簿の名義書換: 株式会社対抗要件 ・株券所持: 第三者対抗要件 ② 記載事項: 氏名または名称及び住所、株式数、 株式取得日、(株券発行済の場合) 株券番号 ③ 閲覧等【B+】: 本店 (株主名簿管理人がある場合はその営業所) に備置き 125 ・株主及び会社債権者: 閲覧謄写の請求ができる ・親会社社員: 裁判所の許可を得て閲覧・謄写請求ができる ⇒ 害する目的・ 第三者へ通報等の一定の場合 → 閲覧等を拒否できる ④ 通知・ 支払: 株主名簿上の住所または宛先・株主に対してすれば足りる (擬制) 126 ⑤ 電磁的記録:可(書式も自由) ⑥ 基準日制度【Aランク】: 一定の日(基準日) を定めて、その日に株主名簿に記載されている株主を権利を行使することができる者と定めることができる制度 (1) 条文 : 124 (2) 趣旨: 多数の株主が絶えず変動→ 一定の時点の株主を名簿上の株主として確定する必要 (3) 効果: 基準日の時点における名簿上の株主 = 権利行使ができる株主 ⇒3箇月以内に権利行使可 基準日後の株主に議決権可。但し、基準日株主の権利を害さない ※基準日株主の権利を害さない例:相続で株式を得た者(旧株主が既に死んでいる) □名義書換え【Aランク】 ①名義書換手続 ・株券不発行会社: 株主名簿上の株主と株式を取得した者との共同 133 ・株券発行会社 : 株券提示 ∵ 提示による推定131I (1 )提示による推定:株券を占有する者は適法な権利者と推定 ・株式会社は実質的権利者でないことの立証なき限り書換義務あり ・株式会社は悪意重過失なき限り免責 (2)株主名簿記載事項証明書:株主名簿の記載事項が記入され代表取締役の署名等のある書面 ⇒ 株主は株式会社に対しいつでも請求できる 122、 電磁的記録可 ②名義書換の効果: 株式会社対抗要件 ・資格授与的効力:名義人は株式会社に対して株主であることを対抗できる (株券提示不要) ・免責力:名義人に権利行使を認めれば、株式会社は原則として免責(善意・無重過失の場合) ・確定的効力: 株式会社は書換えなき限り名義人を株主として扱う (権利移転につき悪意でも) 130 Q 名義書換え未了の株主の地位 (a) 事例: 株式譲渡 + 名義書換未了→会社側が名義書換未了でも株主として権利行使容認 (b) 問題の所在: 株主関係の画一的処理・会社が恣意的に決定等 →否定 (反対説) (c)判例・有力説:肯定(会社の危険において容認するならば許される) (d)理由: 130I の文言 「対抗できない」から対抗要件・株式会社の便宜のための制度 Q 名義書換の不当拒絶 (a) 事例: 議決権妨害目的、過失による場合、正当な理由なく遅滞 →譲受人は株主の地位を主張できるか (b) 問題の所在: 株主関係の画一的処理 → できない 損害賠償請求すべき (反対説) (c) 判例・多数説: 株主であることを主張できる (名義書換不要) ⇒ ○株主総会決議取消の訴え提起可能831I一・○株主の地位を保全する仮処分命令申立可能 (d) 理由: 株式会社の便宜のための制度 →義務違反の責任を株主に帰するのは信義則 (民1Ⅰ) 違反 ③ 失念株: 株式の譲受人が名義書換えの請求を失念している場合⇒ 株式会社に対して株主権を対抗できない130 Q 失念株における譲渡当事者間の法律関係 (a) 事例: 失念株 → 募集株式の割当て (普通、安価)→譲渡人が新株の引受・払込 (b) 問題の所在: 譲受人が譲渡人に対して権利主張できるか + 株式割当ては固有権ではない (c)判例・学説 【判例 S35.9.15 (反対説)】 否定 ∵ 株式割当ての方法は取締役会に一任 →(批判)対株式会社と譲渡当事者間の関係を混同 【通説・自説】 肯定 ∵譲渡当事者間では特別な合意なき限り株主権は包括的に移転・ 増資含みの高値で売却益 + 新株の利益で二重にプレミアムを利得 Q肯定説に立つ場合どの様な権利主張ができるか (a) 問題の所在: 権利主張の法律構成 (b) 判例 (株式分割 H19.3.8)・通説: 不当利得として返還請求可 ・配当請求権: 返還請求可 ・募集株式等: 割当による株価と市場価格との差額の返還請求可 (新株自体は譲渡人に帰属) (c) 法律上の原因無くして利得 ④ 株式等振替制度【Bランク】:上場会社の株券等を廃止し、 電子的に株主の権利を管理する制度 (1) 法令: 社債、株式等の振替に関する法律 (社債株式振替法) (2) 趣旨: 株式取引の円滑化 株券等の費用削減、 国際的信用性確保等 (3) 対象: 振替株式 (上場会社の株式、新株予約権、新株予約権付社債等) (4) 管理: 振替機関 (証券振替保管機構のみ) 及び口座管理機構 (証券会社等) の口座で電子的に行う (5) 特徴 a) 譲渡 口座への記載 記録が効力要件かつ対抗要件 + 適法推定もあり b) 総株主通知: 振替機関及び口座管理機構による会社への振り替え口座等の通知 ⇒原則年2回、 通知義務あり、 名義書換えが必要かつ擬制される
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① 株式の発行による分類 (1)発行可能株式総数: 会社が発行出来る株式の総数 ≒ 授権資本・授権株式 ⇒ 定款記載が必要、 会社設立の際に1/4以上の発行が必要、範囲内での新株発行ができる (2) 発行済株式総数: 会社が既に発行した株式の総数 ⇒ 定款記載が必要、 自己株式を含まない 発行済株式総数の増減 ・減少する場合 : 株式の消却、株式の併合 ・増加する場合 : 株式の分割、無償割当て、 新株発行 ③ 株式の消却: 特定の株式を絶対的に消滅 (1) 条文 : 178 (2) 趣旨: 発行済株式数の適切化 (3)手続 ・取会設置会社 : 取締役会決議 ・取会非設置会社: 取締役の過半数 →会社法上、自己株式のみ消却可 →会社が取得後にのみ消却可 (4) 効果 ・発行可能株式総数:減少しない ・発行済株式総数:減少する→新株の発行可能数が増加 ④ 株式の併合 : 数個の株式を統合してより少数の株式とする行為 (例)1株1000円 ・2000 株発行→2株を1株に併合 → 1株2000円・1000株発行 (1) 条文 : 180 (2) 趣旨: 株価調整、 少数株主の排除 (スクイーズアウト)、 管理コストの削減等 (3) 手続: 株会の特別決議で、併合割合・効力発生日・発行可能株式総数等を定める ∵重大な影響 a)事前開示手続 : 事前に書面または電磁的記録で一定の事項の備置・閲覧等の措置が必要 182の2 b) 差止請求権 : 法令・定款違反がある場合182の3 c) 株式買取請求権: 1株に満たない場合182の4 (4) 効果 ・発行可能株式総数: 減少しない (4倍ルールの遵守は必要) ・発行済株式総数: 減少する ⑤ 株式の分割: 既存の株式を細分化して従来より多数の株式とする行為 (例)1株10万円・2000 株発行→1株を2株に分割→1株5万円・4000株発行 (1) 条文 : 183 (2) 趣旨: 株式の流動性の向上等 (3) 手続: 株会の普通決議 (取会設置会社なら取会決議)で分割割合等を定める ∵ 実質的影響なし →⭐️株主総会決議によらないで、分割に応じて発行可能株式総数を比例的に増加させる定款変更ができる (4) 効果 ・発行可能株式総数: 増加しない ・発行済株式総数 : 増加する ⑥ 株式無償割当て: 株主に対して無償で新株の割当てをする行為 (例)1株1000円 2000株発行→1株に別の1株を無償割当て→1株500円4000株発行 (1) 条文 : 185 (2) 趣旨: 別の種類の株式交付ができる (3) 分割との相違 【経済的実質(共通)】 (株式の分割) 株を分割→1株に追加的に株を交付 (株式無償割当て)1株に追加的に株を交付 【交付される株式】 (株式の分割)同種の株式 (株式無償割当て)異なる種類の株式もできる 【対象となる株式】 (株式の分割)自己株式も対象 (株式無償割当て)自己株式は対象外 【自己株式からの交付】 (株式の分割)不可 (株式無償割当て)可 (4)手続: 株主総会の普通決議(取会設置会社なら取会決議)で割当て方法等を定める 186 (5)効果 ・発行可能株式総数: 増加しない ・発行済株式総数: 増加する
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① 株式等売渡請求 : 特別支配株主が他の株主に対し株式等を強制的に自己に売渡すことを請求すること (1) 条文: 179 以下 (2) 基本用語 a) 特別支配株主: 総株主の議決権の9割以上を持つ者 (単独)等 ※単独(一人または一社)である必要 b) 対象会社:株式等売渡請求にかかる株式を発行している株式会社 c) 売渡株主:株式売渡請求により株式を売渡す株主 d) 売渡株式: 売渡株主が売渡す株式 ②特徴 ・少数派株主の株式を強制的に取得できる ・特別支配株主に株式を直接移転する (全部取得条項付種類株式は会社に移転) ・株主総会決議不要、 新株予約権も対象 ③ 手続: 特別支配株主の通知→ 対象会社の承認→ 売渡株主へ通知→事前開示手続→ 取得 ④ 救済方法: 差止請求、 無効の訴え等
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①単元株制度: 株式の一定数をまとめたもの1単元とし、株主の議決権を1単元に1個とする制度 (1) 条文:188 (2)趣旨: 経費削減 (3)単元株主:1単元を保有する株主 ⇒ 全ての株主権を保有 ②単元未満株主: 1単元に満たない株式を保有する株主 (1)権利: 議決権及びこれを前提とする権利(提案権等)を除いた全ての株主権を有する (2)権利制限: 定款で一定の株主権を除いて制限を定めることができる 189 (3)買取請求権 : 会社に対し単元未満株式の買取を請求できる 199 (4)売渡請求権: 会社に対し単元未満株式と合わせて1単元となる株式を売渡請求できる194 (要定款) ③ 手続: 株主総会の特別決議により定款にその旨を記載 (1)種類株式発行会社 株式の種類ごとに定めが必要 (2)単元株の減少廃止 取締役の決定 (取会設置会社なら取会決議) 195 ∵減少・廃止は株主に不利ではない
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1 株式会社の資金調達【B】 ①各種の資金調達方法 (1)資金の調達先による分類 ・内部資金: 会社内から調達した資金≒ 内部金融 (例)内部留保、 減価償却 ・外部資金: 会社外から調達した資金≒ 外部金融 (例) 借入、 社債、 株式の発行 (2) 返還義務による分類 ・自己資金: 返還義務のない資金≒ 自己資本 (例)内部留保、減価償却、株式の発行 ・他人資金: 返還義務のある資金≒他人資本 (例)借入、 社債 →※ 株式の発行 : 外部資金 かつ 自己資金 ②借入 : 多額の借財は取締役会の専決事項 362IVニ 2 募集株式の発行等【Aランク】 □ 総説 ① 募集株式: 募集に応じて会社が発行する株式又は自己株式の引受の申込をした者に対して割当てる株式 (1) 条文 : 199 (2) 特徴: 新株発行での株式と自己株式の処分の場合の株式を合わせた概念 ∵ 共通の経済実態→同一の規律を適用 (3)発行等: (新株の)発行及び (自己株式の) 処分 ※「処分」も含むので「発行等」 ②授権資本制度: 将来発行可能な株式数を予め定款で定める≒授権→授権範囲内で取会決議等で発行 (1) 条文 : 37 (2) 趣旨: 機動的な資金調達 (3) 取扱: 公開会社において募集株式の発行等は業務執行に準ずる ③ 設立時発行株式との比較 (1) 共通: 人的及び物的基礎 (の拡大) →会社の(一部) 設立の側面 →手続的共通 ・全額払込 208I、現物出資 208Ⅱ、検査役 207、権利株譲渡の対抗不可 208ⅣV、無効・取消の制限 211、取締役等の支払義務 213、仮装払込責任 965等 (2) 相違点: 会社が設立済 【財産的基盤確立】 (募集株式の発行等)あり→引受履行の範囲で有効 208V 参 (設立時発行株式)なし→定款記載の設立に際しての出資額が必要(例:定款で1,000万円と定めたが1,000万円集まらなかった場合は問題) 【監視機構の整備】 (募集株式の発行等)あり→裁判所は現物出資のみ関与207 (設立時発行株式)→なし→裁判所、 創立総会が強く関与87I(発起人は会社設立について創立総会に報告義務)等 【機動的な資金調達】 (募集株式の発行等)必要あり→創立総会等は不要・授権資本制度 (設立時発行株式)不要→創立総会等が必要 【株主保護の必要】 (募集株式の発行等)必要あり→既存株主に対する配慮必要 (設立時発行株式)不要→既存株主に対する配慮不要 ④既存株主に対する配慮: 資金調達の利益・既存株主の利益が衝突→ 株主保護の必要 ⭐️募集株式発行では市場価格よりも安くなる(∵市場価格以上では誰も買わない) (1) 既存株主の利益 (例) 1株1万円で10万株発行 (10億出資)→1株5千円で20万株発行 (10億出資) 【持株比率的利益】:既存株主の持株比率の低下(共益権の価値の低下) (例) 1株=1/10万→1株= 1/30万 【経済的利益】:自益権の価値の低下 (例)10億÷10万=1万→20億÷30万=6666円 (2) 持株比率的利益の保護 a) 原則: 保護されない ∵ 当然には割当てを受ける権利を有しない 202Ⅰ b) 公開会社 ・授権株式数の定款の定め 37(上限がある)→会社成立後の変更は特別決議が必要 309Ⅱ十一 ・4倍ルールの適用 113Ⅲ(公開会社の場合、発行可能株式総数は、既に発行している株式の総数(発行済株式総数)の4倍以内でなければならないという制限)→発行可能株式総数を増やそうとしても歯止めあり ・差止請求: 著しく不公正な方法により行われる場合 210Ⅱ c) 非公開会社 特別決議が必要309Ⅱ五・199Ⅱ IV・324Ⅱニ (3) 経済的利益の保護 (a)原則: 保護されない ∵授権資本制度 37 (b) 説明義務: 取締役は特に有利な金額で募集する場合、 必要性を説明する義務 199 200Ⅱ c)公開会社 【原則】: 取締役会決議で足りる199Ⅱ201I 【例外】: 第三者に対して特に有利な金額で行われる場合、 株主総会の特別決議が必要 199ⅡI・201Ⅰ・309Ⅱ 五 d) 非公開会社: 特別決議が必要 199Ⅱ・ 309Ⅱ五・199Ⅳ・324Ⅱニ ※ 論文対策で条文を書けるように
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□募集株式の発行等の手続 ①新株発行の種類 ・株主割当て : 既存株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合≒株主割当増資 ・第三者割当て: 特定の第三者に割当てを受ける権利を与える場合≒第三者割当増資 ※例) 敵対的買収対策で銀行に割り当てる場合 ・公募: 広く一般の希望者に割当てを受ける権利を与える場合 ≒公募増資 ② 公募の場合 (1) 条文 ・199Ⅱ 、309Ⅱ五:株主総会の特別決議 ・200Ⅰ、309Ⅱ五: 特別決議により取締役 (取会設置会社なら取会) に委任できる ・201I: 有利発行 199Ⅲを除いて、 公開会社においては取会決議でできる (2) 公開会社の場合: 有利発行を除いて、取締役会決議で募集事項を決める199、201I a) 募集事項 : 株式数 (種類株式発行会社なら種類)、 払込金額・給付財産、期間、 増加資本金 b)内容: 募集事項は募集毎に均等199Ⅴ→×A氏-100円/株・B氏-200円/株といった不均等な取り扱いは不可 c)通知: 差止の機会のため期間等の2週間前に募集事項の通知が必要 (公告等も可) 201Ⅲ・Ⅳ d) 支配株主: 支配株主の移動を伴う かつ 一定の株主の反対→ 株会の普通決議が必要 206の2 (3) 非公開会社の場合: 株会の特別決議が必要・その他は公開会社の場合とほぼ同様 199・309Ⅱ五 a) 募集事項: 特別決議により取締役 (取会設置会社なら取会)に委任できる200Ⅰ b) 通知等:不要 ∵特別決議を行うので株主は知っている ③株主割当ての場合 ・公開会社:取締役会決議 ・非公開会社: 株主総会の特別決議 (1) 条文: 202 (2) 特徴: 既存株主の保護、 機動的な資金調達、 資本の大規模結集に不利、 (3) 募集事項: 公募の場合の公開会社等と同様、 引受申込により割当ての権利を与える旨、引受期日 (4) 内容: 株式の数に応じて募集株式の割当てを受ける権利を有する (5)通知:必要 ④ 第三者割当ての場合 ・公開会社 : 取締役会決議 ・非公開会社 : 株主総会の特別決議 (1) 条文: 199 等 (2) 特徴:第三者との関係強化、 企業防衛、機動的な資金調達、資本の大規模結集に不利 (3) 募集事項: 公募の場合の公開会社等と同様 (4) 通知:必要 ⑤ 有利発行【A+】: 払込金額が募集株式を引受ける者に特に有利な金額である場合 (書けるように) (1) 手続: 株主総会の特別決議が必要 (公開会社 非公開会社を問わない) 199Ⅱ・Ⅲ、201 I 、 309Ⅱ五+取締役に説明義務 (2) 趣旨: 既存株主の経済的損失の回避 Q 有利発行における「特に有利な金額」の意義 (1) 問題の所在: 多様な評価方法 (純資産価額方式、 DCF方式、 ブックビルディング方式等) (2) 結論: 株式の公正な価額 (通常、時価) と比較して特に低い金額 (3) 理由:既存株主の経済的損失の回避 (4) 裁判例・実務 a) 上場企業: 時価あり → 諸事情を総合考慮して決定 + 株価に近接している b) 非上場企業 : 時価なし→ 客観的資料に基づく一応合理的な算定方法 + 特別事情なし c) 具体的金額: 公正な価格より1割低い程度なら有利とはいえない ⑥ 申込・割当・引受 (1) 申込 203 ・会社: 商号・募集事項等を通知 ・申込者:氏名・名称城所等を記載した書面または電磁的方法により申込 (2) 割当・引受: 株式会社が申込者から引き受ける者を定める 204 ※株主割当ての場合で期日までに申込をしない → 失権 ⑦ 現物出資及び財産引受け (1) 現物出資 【趣旨】 (設立時発行株式・募集株式の発行等 共通) 財産的基礎への侵害のおそれあり→ 規制が必要 【手続】 (設立時発行株式)定款・創立総会等 ∵変態設立事項 (募集株式の発行等)取締役会等 199I 三・200I・201 I ∵授権資本制度 【現物出資者】 (設立時発行株式)発起人のみ (募集株式の発行等) 制限なし 208 Ⅱ 参 【検査役】 (設立時発行株式・募集株式の発行等 共通) 必要 【検査役の調査不要】 (設立時発行株式)33X各号(500万以下、弁護士の証明等) (募集株式の発行等)33X各号に加えて、 発行済株式総数の1/10以下が割当総数等 (2) 会社成立後の財産引受 : 制限なし ⑧ 出資の履行と効力 (1) 出資の履行 208 a) 履行: 期日は期間内・払込取扱場所・全額払込または全額相当の給付 b) 相殺 :株式会社に対する債権と出資金額の債務の相殺禁止 c)不確定状態の防止 失権:出資の履行しないときは当然に(即座に)募集株式の株主となる権利喪失 ⇒≒当然失権の原則、 cf. 設立時発行株式:発起人は催告後失権 36 (2) 効力: 募集株式の株主となる 209 a) 効力発生日: 払込期日設定=当該期日 払込期間設定=出資の履行日 募集株式全ての払込の有無は不問 b) 効力発生範囲: 払込があった分について ⑨無効・取消の制限 211 ・心裡留保・虚偽表示: 民法規定不適用(申込・割当て・引受の意思表示) ・錯誤詐欺・強迫: 1年経過後または権利行使後は取消不可
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3株式の発行の瑕疵 ① 概要: 株式発行手続に法令・定款の違反があった場合 ・設立時発行株式→設立無効 ・募集株式の発行等) →(効力発生前) 募集株式の発行等の差止 (事前の制度) (効力発生後) 新株発行・自己株式処分の無効の訴え及び不存在確認の訴え (事後の制度) ② 募集株式の発行等の差止 (1) 条文 : 210 (2) 趣旨: 株主の利益保護→会社の損害不要 cf:株主による取締役の行為の差止: 株式会社の利益保護→会社の損害必要 360 (3) 要件 a)法令・定款の違反または著しく不公正な方法 【法令違反】 ○具体的義務違反: 株会等の決議欠缺、 検査役調査欠缺、払込金額不均等 ×一般的義務違反 : 忠実義務 355、 善管注意義務 (民644) 【定款違反 】: 発行可能株式総数違反、 定款に定めなく譲渡制限株式 b) 株主として不利益を受けるおそれ (例) 経済的不利益、 持ち株比率の低下 (4) 時期: 募集株式の支払期日または支払期間の初日前までに (5) 方法: 直接請求 or 訴訟上請求 (発行差止の仮処分) Q「著しく不公平な方法」210⑵による募集株式の発行等に該当する場合 (a)前提:資金調達目的=正当株式会社の支配権強化目的=不当 (b) 問題の所在: 資金調達の必要あり + 株式会社の支配権強化もできる (c) 裁判例: 主要な目的を基準として判断 (=主要目的ルール) ⇒ 資金調達目的もあるが、 主要な目的が支配権強化目的の場合は該当 (d) 理由: 資金需要は通常存在 ③ 新株発行または自己株式処分の無効の訴え【A+】 (1) 条文 : 828I二三 (2) 性質: 形成の訴え (3) 趣旨: 法律関係の画一的確定、 取引の安全確保、 瑕疵の主張制限 ∵法律的瑕疵→ 民法の原則は無効→当然に無効とすると取引安全を害する⇒ 訴えによってのみ無効主張を認める (4) 制限 a) 出訴期間 発行等の効力が生じた日から6箇月 (非公開会社は1年)以内 b) 提訴権者: 株主等 ※被告=当該株式会社834 二三 【判例】出訴期間経過後に新たな無効事由を追加主張 →許されない (5) 無効判決の効力 a) 将来効 839→無効判決確定後→剰余金配当議決権行使 株式譲渡 株会招集等に影響なし b) 対世効 838 c) 無効株式 ・株式会社は株主に払込額等の支払義務(返す義務)・ 裁判所は不相当な場合は金額の増減を命令可 840・841 ・無効株式失効 →発行済株式総数減少 + 未発行株式数回復 (6) 無効事由【A+】論点全てA+ Q 新株発行または自己株式の処分の無効事由 (a) 問題の所在: 明文規定なし ※解釈に委ねる趣旨と考えられている (b) 判例:⭐️重大な法令または定款違反がある場合 → 解釈上、限定的に判断すべき (c)理由: 株式譲受人の取引安全、 資金調達無効とされた場合の混乱への懸念 ※出資された資金を会社が使っていた場合に無効にすると大変 (d) あてはめ (多数説) 【無効にならない】著しく不公正な払込金額、検査役なし、現物出資で不当評価 (←金を払わせれば解決できる) 【無効になる】 発行可能株式総数違反、定款に定めのない種類の株式発行 Q 公開会社において取締役会の決議なくして募集株式の発行等を行った場合 (a) 問題の所在 : 明文規定なし + 組織法上の行為(役員個人ではなく組織で行ったもの) (b) 判例・通説 : 有効 (代取の行為でも同様) (c) 理由: 授権資本制度 ((通常の取引等の)業務執行に準じる)、履行部分だけで有効 208V(→払込さえあれば有効→取締役会の決議なくても有効と解すべき)、取引安全 Q 公開会社において株主総会の特別決議なくして第三者に対する有利発行を行った場合 (a) 問題の所在 : 明文規定なし + 組織法上の行為 + 重大な決議 + 株主の経済的損失 (b) 判例・通説: 有効 (c) 理由 上同、 賠償責任 423 差額支払責任 212 等によって株主の経済的利益は保護 Q 著しく不公正な方法(不公正発行210II二)により募集株式の発行等を行った場合 (a) 事例: 取締役の会社支配目的、 取会招集通知なし、 新株は当該取締役のみ引受・保有 (b) 問題の所在 : 明文規定なし + 重大な差止事由210(2) (c)判例・学説 【無効説 有力説】無効 ∵ 持株比率低下を被った株主の救済、株式譲受人の取引安全不要 【有効説 判例 自説】有効 ∵ 取引安全を重視 ※資金が増える→新たな取引が生じる→債権者等を保護する必要 Q 募集株式の発行等の差止請求 210を無視して募集株式の発行等を行った場合 (a) 問題の所在: 明文規定なし (b) 判例・学説 ・裁判外の差止請求→有効 ∵ 差止請求権の濫用の虞 ・差止判決・仮処分→無効事由 ∵法秩序の維持、株主の利益保護 Q 公開会社において募集事項の通知等 201ⅢVをしないで募集株式の発行等を行った場合 (a) 問題の所在: 明文規定なし (b) 判例・通説 【原則】: 無効事由 : 201ⅢⅣの趣旨 = 新株発行差止請求権を行使する機会を保障 【例外】: 差止事由の不存在を立証すれば有効 差止が認められない場合は無効の必要はない ④ 新株発行または自己株式処分の不存在の確認の訴え (1) 条文 : 829 (2) 原因: 登記はあるが株式発行等の実体がない=無効事由を超える瑕疵 (例) 仮装 、取締役の不関与 (3)性質: 確認の訴え (not 形成の訴え) (4)手続: 出訴期間制限なし(∵株主の権利救済の必要なし)、 提訴権者(原告)=制限なし、被告= 当該株式会社 (5)不存在判決の効力 a) 対世効 838 b) 遡及効 839→834 十三・十四を除外=将来効不適用 ∵取引安全保護する必要なし c) 登記抹消 ⑤ 差額支払義務 212 (1) 金銭出資の場合212I一 a) 内容: 取締役等と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式を引受けた者 →株式会社に対し公正な価額との差額に相当する金額の支払義務あり b) 著しく不公正な払込金額: 特に有利な金額199Ⅲと同じ ⇒ 有効な株会の特別決議があれば該当しない、 支払義務の相殺不可 (2) 現物出資の場合212Iニ a) 内容: 現物出資財産の価額が募集事項の価額に著しく不足する場合の引受人 株式会社に対し不足額相当の金銭支払義務あり + 善意・無重過失の場合取消可 b) 取締役等 連帯して差額支払義務あり + 検査役調査又は無過失立証あれば免除 (3) 代表訴訟: 上記株式引受人の責任追及は株主代表訴訟が認められる 847 I ⑥ 仮装出資 (募集株式) 213の2・3 (1) 引受人: 全額支払又は全部給付の義務あり ⇒無過失責任 (総株主の同意あれば免除) (2) 取締役等:全額支払または全部給付の義務あり ⇒無過失立証あれば免除 (出資の履行を仮装した者を除く) + 引受人と連帯債務 (3) 株主権: 全額支払または全部給付後は行使可 209Ⅱ →当該募集株式の譲受人は善意 無重過失であれば株主権を行使可 209Ⅲ ⑦ 登記 : 発行済株式総数及びその種類は登記事項→新株発行があれば変更登記必要
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1 新株予約権 ① 新株予約権: 株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付をうけることができる権利 (例) 3年間1株1万円で最大2千株購入できる権利→ 1株2万円になったので2千株新株予約権行使 ②特徴: 事前に取得金額を決定。通常、市場価格より低価で取得 ⇒新株予約権者が権利を行使することにより株式発行 ③ 趣旨: 取締役・ 従業員へのインセンティブ報酬、 敵対的企業買収への防衛策、資金調達方法 ④ 条文: 236 以下、 定義 2二十一 2 新株予約権各論 ① 内容: 新株予約権発行の際に一定事項の定めが必要 236 (必要): 株式の数または種類ごとの数、 出資される財産の価額、行使できる期間 236I一二四 (任意): 現物出資、会社の承認等 236 一二四以外 ⇒ 原則、 払込必要 + 例外、 取締役への報酬等の場合は行使価額 0も可236ⅢⅣV ②募集事項等の決定 (1) 新株予約権の性質≒ 債権 ( ≠株式)→ 既存株主の影響から募集株式の発行等と類似の規律 (2)株主割当以外の場合 238・240 【募集事項の決定】 (公開会社)原則、 取締役会決議238II・ 240 I 【有利発行の場合】 (公開会社) 株主総会特別決議 238Ⅲ・ 240 I ・309 II 【支配株主の移動を伴う場合】 (公開会社) 1/10以上の反対等で原則、株主総会普通決議 244の2V 【募集事項の決定、有利発行、支配株主の移動を伴う場合】 (非公開会社 共通) 株主総会特別決議238Ⅱ・309Ⅱ 六 (3) 株主割当の場合: 株式会社が定める 241 ③手続 (1) 申込 242: 株式会社が募集事項等を通知→ 書面又または電磁的方法により申込 a) 総数引受契約 : 一人または数人で募集株式や新株予約権の全部を引き受ける (= 総数引受) 契約 ⇒ 主にインセンティブ報酬の場合 b) 総数引受契約の特則 ・通知・申込割当不要 244 I ・譲渡制限新株予約権または譲渡制限株式を目的→株会特別決議(取会設置なら取会決議) 244Ⅲ (2)割当・引受 243 (3) 払込246: 新株予約権取得の対価(not 株式取得) ⇒○無償での新株予約権取得・○現物出資・○相殺・× 検査役調査 ④ その他手続事項 (1) 新株予約権者となる日 : 申込者または総数引受契約者は割当日245I cf. 募集株式は履行日 (2) 払込の承諾 :現物出資 相殺の場合は株式会社の承諾が必要 246Ⅱ (3) 新株予約権証券: :新株予約権を表章する有価証券 236I + 288→ 発行毎に任意・証券発行なら作成必要、 権利推定258Ⅱ、 記名式無記名式の転換任意 290 (4) 新株予約権原簿: 新株予約権に関する事項を記載した帳簿 249 ⇒ 株主名簿と同様の規定 249 以下 (5) 取得条項付新株予約権 一定の事由を条件に会社が取得できる旨を内容とした新株予約権 236Ⅰ七 →定款の定め不要、募集事項の決定毎に定める、 株式会社の自己新株予約権取得制限なし (6) 新株予約権消却: 自己新株予約権の消却として行う 276→ 取会設置なら取会決議が必要 (7) 新株予約権の消滅: 自己新株予約権の消却 または 新株予約権者が行使できなくなった場合 287 ⑤ 新株予約権の譲渡 譲渡自由の原則 254I+ 株式会社による承認を要するとの譲渡制限可 238 【譲渡方法】 (証券発行新株予約権以外)意思表示 (証券発行新株予約権)証券の交付 255I 【対抗要件】 (証券発行新株予約権以外)新株予約権原簿への記載 (証券発行新株予約権) 第三者証券の占有移転 株式会社 記名式: 新株予約権原簿への記載257Ⅰ Ⅱ 無記名式 証券の占有移転 257III 【譲渡制限付】 (証券発行新株予約権以外・証券発行新株予約権 共通) 株主総会決議 (取会設置なら取会決議) 265 + 通知を怠るとみなし規定 266 ⑥ 新株予約権の行使 (1) 効力: 当然に新株の交付(新株予約権の交付と区別)、募集株式の発行等の手続なし留保 113Ⅳ ⇒ 行使日に交付された株式の株主となる282I (2)方法 ・証券発行新株予約権以外 : 予約権の内容及び数、 行使する日を明らかにする280I ・証券発行新株予約権: 証券提示 280Ⅱ (3) 出資 行使日に全額払込または全部給付が必要 281 IⅡ (4)出資規制: 株式払込と類似 ・金銭出資 全額払込義務、相殺禁止 281 ・現物出資: 原則、検査役調査必要284I、差額支払義務、取締役等の差額支払義務 286 I (5) 自己新株予約権: 株式会社による行使不可 280VI (取得制限はなし) ⑦ 新株予約権無償割当:株式会社が、 株主に対して新たに払込をさせないで新株予約権の割当をすること 【株主割当による新株予約権・新株予約権無償割当共通】 無償での新株予約権発行可 【株主割当による新株予約権】 条文:241 意義:通知・申込割当が必要 手続: 公開会社:原則、 取会決議 非公開会社: 株会特別決議 【新株予約権無償割当】 条文:277 意義:発行決議で定めた日に新株予約権者となる 手続:株会普通決議 (取会設置なら取会決議 )⇒ 定款で取締役も可 278 ⑧ 新株予約権の発行の瑕疵: 募集株式の発行の瑕疵と類似 (1) 差止請求: 法令・定款の違反または著しく不公正な方法→発行差止請求可 247 ・法令・定款の違反 : 募集株式と同様 ・著しく不公正な方法: 資金調達目的は不問(判断材料にしない)⇒ 具体的事例毎に判断 (2) 無効の訴え 828I四・不存在確認の訴え 829 三 (3) 差額支払義務: ・新株予約権者:著しく不公正な払込金額285 ・取締役等:著しく不足 286 (4) 仮装出資 ・新株予約権者: 払込を仮装 286の2 ・取締役等: 仮装払込に関与 286の3 Q 新株予約権者の差別的取扱を株主平等違反として差止請求が認められるか (a) 事例: Yが株式公開買付→ Xが対抗して新株予約権無償発行かつYに限り行使不可・Yには金員交付 (b) 問題の所在: 株主平等原則 109I (法令違反) (c) 判例: 差止請求は認められない (d) 理由: ・株主平等原則の趣旨は新株予約権の無償割当てにも及ぶ ・株主の共同の利益を害する場合には、衡平の理念に反し相当性を欠くものでない限り、107違反にはならず、247①に該当しない→差止請求は認められない (e) あてはめ: 差別的取扱には該当。 既存株主の判断(株主総会の普通決議)+ 金員交付あり 【判例要旨】 1 会社法109条1項に定める株主平等の原則の趣旨は,株主に対して新株予約権の無償割当てをする場合にも及ぶ。 2 特定の株主による経営支配権の取得に伴い,株式会社の企業価値がき損され,株主の共同の利益が害されることになるような場合に,その防止のために上記特定の株主を差別的に取り扱うことは,衡平の理念に反し,相当性を欠くものでない限り,会社法109条1項に定める株主平等の原則の趣旨に反しない。 3 特定の株主による経営支配権の取得に伴い,株式会社の企業価値がき損され,株主の共同の利益が害されることになるか否かについては,株主総会における株主自身の判断の正当性を失わせるような重大な瑕疵が存在しない限り,当該判断が尊重されるべきである。 4 株式会社Yが株主であるXによる経営支配権取得のための株式の公開買付けに対抗して新株予約権の無償割当てを行うに当たり,新株予約権の内容につき,X及びその関係者以外の株主は割り当てられた新株予約権を行使することなどによって株式の交付を受けることができるが,X及びその関係者は割り当てられた新株予約権を行使することができず,Yは金員を交付することによって上記新株予約権を取得することができる旨の差別的な条件及び条項が定められていた場合において,次の(1)〜(3)などの判示の事情の下では,上記新株予約権の無償割当ては,会社法109条1項に定める株主平等の原則の趣旨に反せず,同法247条1号所定の「法令又は定款に違反する場合」に該当しない。 (1) 上記新株予約権の無償割当てを行うことは,株主総会においてX及びその関係者以外のほとんどの株主の賛成を得て可決されたものであり,これらの株主は,Xによる経営支配権の取得が企業価値をき損し,株主の共同の利益を害することになると判断したものといえる。 (2) 上記総会の手続に適正を欠く点があったとはいえず,また,上記判断はX及びその関係者において経営支配権取得後の経営方針を明示せず,投下資本の回収方針についても明らかにしなかったことなどによるものであるとうかがわれ,当該判断にその正当性を失わせるような重大な瑕疵はない。 (3) 上記新株予約権の無償割当ては,X及びその関係者も意見を述べる機会のあった上記総会における議論を経てX及びその関係者以外のほとんどの株主が是認したものである上,YがX及びその関係者に割り当てられた新株予約権を取得するに当たり交付する金員は当該新株予約権の価値に見合うものであって,衡平の理念に反し,相当性を欠くものではない。 5 株式会社Yが株主であるXによる経営支配権取得のための株式の公開買付けに対抗して新株予約権の無償割当てを行うに当たり,新株予約権の内容につき,X及びその関係者以外の株主は割り当てられた新株予約権を行使することなどによって株式の交付を受けることができるが,X及びその関係者は割り当てられた新株予約権を行使することができず,Yは金員を交付することによって上記新株予約権を取得することができる旨の差別的な条件及び条項が定められていた場合において,次の(1)〜(3)などの判示の事情の下では,上記新株予約権の無償割当ては,経営支配権を取得しようとする行為に対する対応策として事前に定められ,示されていなかったことなどを考慮しても,会社法247条2号所定の「著しく不公正な方法により行われる場合」に該当しない。 (1) 上記新株予約権の無償割当ては,株主平等の原則の趣旨に反するものではない。 (2) 上記新株予約権の無償割当ては,Xによる経営支配権の取得の可能性が現に生じたために株主総会において企業価値のき損を防ぎ,株主の共同の利益の侵害を防ぐためには多額の支出をしても採用する必要があると判断されて行われたもので,緊急の事態に対処するための措置である。また,X及びその関係者には,割り当てられた新株予約権の価値に見合う対価が支払われる。 (3) 上記新株予約権の無償割当ては,専ら経営を担当している取締役等又はこれを支持する特定の株主の経営支配権を維持するために行われるものではない。