問題一覧
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①証拠法:証拠についての法的規律 民事訴訟:証拠能力制限なし 刑事訴訟:証拠能力制限あり ⇨証拠法により規律 ②証拠:証拠方法、証拠資料、証拠原因 ③証拠法の基本用語(刑訴) A+ 主要事実: 犯罪の成立要件に該当する具体的事実 例:殺人⇨AがVを日本刀で刺した ※これをPは最終的に立証する 間接事実: 主要事実の存否を推認させる事実 例:殺人⇨Aは犯行現場に事件直前にいた ※実際の公判では間接事実を積み重ねて立証する 補助事実:証拠の証明力に影響を及ぼす事実 例:Wの視力、WとAの関係、うらをとる 注:主要事実=犯罪事実、要証事実(多義語) ーーーーーーー 直接証拠:主要事実を直接証明する証拠 例:自白、犯行目撃証言、犯行現場を撮影した動画 間接証拠:間接事実を証明する証拠 例:事件直前にAが犯行現場にいたという証言 補助証拠:補助事実を証明する証拠 例:視力診断書、補助事実を証明する書類 ーーーーーーー 状況証拠:間接事実+間接証拠 実質証拠:直接証拠+間接証拠 ⑴事実と証拠の関係 写真 ※事実には全て証拠が必要 ⑵証拠能力と証明力 証拠能力:証拠となりうる資格 ⇨証拠調べの対象となるか? 証明力:証拠が有している事実を推認させる力 ⇨証拠調べの対象+裁判官の自由心証で評価 ⭐️証拠能力が一番問題になる ⑶証拠能力が認められる要件 -自然的関連性がある: 必要最低限の証拠力があるか(前科の論定が重要) -法律的関連性がある:証明力の評価を誤らせる可能性がないか (伝聞が問題となる) 法律的 -証拠禁止に該当しない(違法収集証拠排除原則)
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①証拠裁判主義:刑訴法における事実の認定は証拠によって行われなければならない ⑴条文:317 事実の認定は証拠による ⑵意義:歴史的意義 規範的意義: 一定の重要な事実につき、厳格な証明を要求 ②証明方法 厳格な証明: 証拠能力があり、適式な証拠調べ(刑訴の証拠調べ手続)を経た証拠による証明 ⭐️言えるように 自由な証明:厳格な証明によらない証明 ③事実の証明方法 ⑴刑罰権の存否及びその範囲を定める事実: 厳格な証明 ⭐️非常に重要 ⑵上記を推認させる間接事実:厳格な証明 ⑶上記証明に向けられた実質証拠の補助事実: 厳格な証明(多数説) Q被告人側が立証する刑罰権の不存在を基礎づける事実の証明方法 ⑴事例:殺人⇨Bがアリバイや違法性、責任阻却事由を主張⇨Bに立証責任⇨証拠調 ⑵問題の所在: 事実の証明方法 ⑶通説、判例:厳格な証明 ⑷理由: a 「犯罪事実の存否の証明」との表現314③、321①⑶⇨犯罪事実があったこととなかったことを同列に扱っている b被告人に有利な証拠に証拠能力を要求322① ※322①「特に信用すべき情況の下にされたもの」 ⑷情状事実:量刑の基礎となる事実 犯状事実:当該犯罪事実に属する事実 例 反抗動機、方法、結果、共犯行為 一般情状:当該犯罪事実に属しない事実 例 年齢、経歴、反省、被害者感情、示談 ⇨犯状は厳格な証明 ∵主要事実または主要事実を推認させる事実 Q一般情状に関する事実の証明方法 ⑴問題の所在: 実務上は量刑が主要な関心事 ⇨適正な証明によるべき(有力説)等 ⇨適正な証明:自由な証明だが当事者の異議を条件に厳格な証明に移行する証明方式 ⑵判例通説 :自由な証明 A+ ※実務上は厳格な証明が主 ⑶理由: 重要性において質的な差 一般情状=非類型的 ⇨証拠能力要求は、量刑の資料が制限させ表面的な事情のみでの量刑となる ⑷訴訟法的事実:訴訟法でのみ問題となる事実 例 公判停止314、訴訟条件 等 Q訴訟法的事実に関する事実の証明方法 ⑴問題の所在:事実の証明方法 ⑵判例通説:自由な証明 ⇨訴訟条件等は実務上は厳格な証明が主 ⑶理由:重要性において質的な差 ※訴訟法的事実(証人尋問や送付嘱託の存否に関わる参考的事実・強制、約束、不当に長い拘禁など自白の任意性の基礎となる事実等々)は、刑罰権の存否や範囲を基礎づける事実ではないので、厳格な証明を要しないとするのが判例・通説である ④疎明 B : 一応確からしいという程度の心証<証明 ⇨条文で特に明記されている特殊な証明方法 ⑴対象:訴訟手続き上の事項 ⑵条文:19③、206①、227②等 ⑤証明を要しない事実 民事訴訟:形式的真実主義 ⇨争いのない事実は不要 刑事訴訟:実体的真実主義⇨問題となる事実にはおよそ証明が必要。ただし、性質上不要もあり ⑴公知の事実:通常の知識経験を有する人が疑いを持たない程度に一般に知りわたっている事実 例)歴史的事実、大災害、広く報道された出来事、常識的な自然法則 等 ※顕著な事実=裁判官が職務上知り得た事実 ⇨民訴においては証明不要 ⑵法律上推定された出来事 例)占有期間の前後を立証 ⑶法規、経験則: 原則証明不要。特別な知識経験が必要な場合は必要
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①自由心証主義:事実認定、証拠評価について裁判官の自由な判断に委ねるという法則 ⑴法定証拠主義:一定の証拠によって必ずある事実を認定するまたは認定しないという原則 ⇨趣旨:法的安定(裁判官ごとに判断が異なることを防止) ⇨具体的妥当性の欠缺 自白のための拷問 ⇨自由心証主義 ⑵条文 318 ②自由心証主義の対象 民事訴訟法:証明力+証拠能力 刑事訴訟法:証明力のみ(証拠能力は対象外)⭐️ ③制約:論理則や経験則に従った合理的な判断を要求 ∵上訴による審査382、387⑷、397、 証明力を争う機会308等 ④例外 自白の補強法則
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①挙証責任:ある主要事実の存否が不明である場合に不利益な判断を受ける一方当事者の法的地位 ⇨=実質的挙証責任 ≒証明責任(民訴) ノンリケット=真偽不明、存否不明 ※真偽不明の場合にどっちに不利益になるか予め決めておくというルールが実質的挙証責任 ⑴形式的挙証責任:実質的挙証責任による不利益を免れるために行うべき立証行為の負担 ⑵挙証責任の負担:利益原則が妥当する事実 ⇨Pに挙証責任 ⇨原則として、Pに挙証責任がある =検察官負担の原則 ⇨真偽不明になった場合、挙証責任を負担する者は予め各事実ごとに決まっている ②挙証責任の分配 ⑴刑責の存否及びその範囲に直接影響する実体法上の事実:検察官 例:犯罪の成立要件、主観的要素、処罰条件、加重減免事由 等 ⑵情状事実:検察官 ∵上記刑責に含む ③訴訟法的事実(論点) ・訴訟条件たる事実(例 親告罪の告訴) :検察官(判例) ∵有罪判決の要件という性質も有する ⇨利益原則妥当 ・上記以外の事実:主張する者 ∵利益原則妥当しない (例)⭐️証拠能力
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⑴例:正当防衛=犯罪の成立阻却⇨犯罪の成立要件=正当防衛ではない⇨Pは正当防衛ではないことの証明が必要? ⑵問題の所在:Pに過度の負担+訴訟遅延 ⑶有力説: 被告人が証拠提出責任を負う→争点化した場合のみ不存在の立証が必要 ※いずれの説でもPに実質的訴訟責任があるという点も変わらない。発動に要件を設ける。 ⑷理由:Pに過度の負担+訴訟遅延
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挙証責任の転換:明文により挙証責任を本来分配されるべき検察官から被告人に転換させる ⑴刑法207→同時傷害特例の因果関係 ⑵刑法230の2→名誉毀損の事実の真実性 ⇨合憲性に問題?⇨憲法31の利益原則違反? ⇨実質的な合理性があれば許される
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推定:ある事実(前提事実)から他の事実(推定事実)を推認すること 事実上の推定:前提事実⇨経験則⇨推定事実=自由心証の作用そのもの (例)盗品所持(前提事実)⇨窃盗を行った(推定事実) 法律上の推定:前提事実⇨法規則⇨推定事実=推認のルールを法規化 (例)有害物質排出(前提事実)⇨公害犯罪法5⇨排出物により危険発生と推定(推定事実) 法律上の効果 挙証責任を負う側:証明主題の変更が可能 ⇨前提事実or推定事実 ※前提事実だけ証明するのでもよくなる 挙証責任を負わない側:挙証責任の転換 ⇨推定事実の因果関係について挙証責任を負う
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①証明:証拠によって裁判官に事実を明らかにする ⇨いかなる心証があれば証明されたと言えるか(証明の程度)⇨事実ごとに異なる ②証明の程度 ⑴合理的な疑いを超える程度の確信⭐️ =通常人ならば誰でも疑いを挟まない程度に真実らしい程度(判例) ⑵証拠の優越 =肯定証拠が否定証拠を上回るという心証の程度 証拠の優越: 訴訟条件たる事実以外の訴訟法的事実 合理的な疑いを超える程度の確信:上記以外の事実 ③要証事実に関するまとめA+ 写真
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①証拠能力が認められる要件 1自然的関連性がある 2法律的関連性がある 3証拠禁止に該当しない ⇨3つ満たして初めて証拠能力が認められる ②証拠の要証事実の存否の証明に役立ちうる性質 =1、2を合わせて「関連性」 自然的関連性: 必要最小限の証明力を有するという性質 (ポログラフ、前科などが問題となる) 法律的関連性: 証明力の評価を誤らせるおそれがないという性質 (⭐️伝聞が問題となる) ③前科:過去に有罪判決を受けたことがある経歴 ⇨立証趣旨によって扱いが異なる (3つの場面) 1 悪性格証拠排除法則:悪性格の証拠による主要事実の存否の証明を禁止する原則 ∵関連性なし 2主要事実の間接証拠とするための場合 3量刑の資料とするための場合
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⑴問題の所在:悪性格証拠排除法則、関連性 ⑵事例: 詐欺の公訴事実で起訴⇨Pが前科調書を提出 ⑶判例: 公訴事実と異種の前科の場合:証拠能力否定 ∵自然的関連性なし 公訴事実と同様の前科の場合:原則、証拠能力否定 ∵自然的関連性あり+法律的関連性なし (例外的に証拠能力が認められる場面) ・客観的要素が既に立証⇨主観的要素(故意等)を前科で立証 ・態様に顕著な共通の特徴⇨Aと犯人の同一性を前科で立証 ⑷理由:法律的関連性あり
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⑴事例:詐欺の公訴事実で起訴 ⇨有罪心証⇨Pが前科調書を証拠として提出 ⑵問題の所在:悪性格証拠排除法則、関連性 ⑶判例 情状を推知するための資料とする趣旨: 証拠能力肯定(ただし類似性を要求) 前科を事実上処罰する趣旨:証拠能力否定 ⑷理由: 肯定理由:関連性あり 否定理由:不告不理の原則378⑶、適正手続 憲法31、一事不再理(憲法39) ※不告不理の原則: 検察官による公訴の提起(起訴)がないのに、裁判所が審理を行うことは許されないという原則
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起訴されていない犯罪事実(関連性) ⇨立証趣旨により扱いが異なる(前科に類似) (問題となる場合) 悪性格証拠排除法則 主要事実の間接事実とする場合 量刑の資料とする場合 間接事実: 主要事実の存否を推認させる事実 例:殺人⇨Aは犯行現場に事件直前にいた Q主要事実を立証するために被告人の余罪に関する証拠を提出することは許されるか ⇨前科と同じ Q量刑の資料とするために被告人の余罪に関する証拠を提出することは許されるか ⑴問題の所在、事例=前科と同じ ⑵判例 情状を推知するための資料とする趣旨: 証拠能力肯定(ただし類似性を要求) 余罪を処罰する趣旨 :証拠能力否定 ⑶理由: 肯定理由:関連性あり 否定理由:不告不理 378⑶、適正手続 憲法31、証拠裁判主義317、自白の補強法則 ※証拠裁判主義 ※量刑の証拠は自由な証明 ※余罪はほとんど自白が唯一的な証拠 ⇨にも関わらず余罪で実質的に処罰するには×ー
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伝聞証拠: 裁判所の面前で反対尋問を経てない供述証拠 具体例: 伝聞供述:法廷で他の人から伝え聞いた内容を供述すること 供述書:供述者本人が記載 供述調書:供述者本人以外の者が記載=供述録書 ⇨供述者本人に裁判所の面前で反対尋問できない=伝聞証拠 ②伝聞法則:伝聞証拠は原則として証拠能力否定 ⑴条文320① ⑵根拠:供述証拠=知覚⇨記憶⇨叙述 ⇨各過程に誤りが介入するおそれが高い →反対尋問(憲法37②参考)でチェックする必要 ⑶関連性:◯自然的関連性、 ×法律的関連性 ③伝聞と証拠能力の分類 A+ 伝聞証拠→証拠能力なし ∵伝聞法則 非伝聞 →証拠能力あり ∵伝聞ではない 伝聞例外→伝聞だが証拠能力あり ∵明文
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非伝聞 ①非伝聞:伝聞法則が適用されない場合 →伝聞供述だが伝聞証拠ではない場合 ②伝聞法則適用の要件:原供述の内容の真実性が問題となる場合 (原供述の内容の真実性が問題とならない場合は非伝聞) ∵反対尋問による真実性のチェック →要証事実により相対的に決する 例)山田「鈴木が人を刺しているのを見た」(原供述、伝聞供述) →田中が法廷で供述 要証事実=鈴木による殺人の実行行為→原供述の真実性⇨伝聞法則適用 要証事実=山田による名誉基礎の実行行為→原供述の存在⇨証拠能力あり ③具体例 ⑴供述の存在自体が要証事実となる場合 =供述の内容の真偽は不問 ・供述自体が犯罪を構成 ・供述自体が情況証拠 ・供述自体が弾劾証拠 a供述自体が犯罪を構成: 山田「俺はヤクザだ」⇨田中が山田の発言を供述(伝聞供述)⇨要証事実=脅迫⇨非伝聞 b供述自体が情況証拠:山田「俺はアンドロメダの帝王だ」⇨要証事実=精神異常⇨非伝聞 山田「ブレーキが壊れている」(伝聞供述) 要証事実=ブレーキの故障 ⇨伝聞供述の真実性⇨ブレーキ故障の事実 要証事実=山田の過失(山田は故障を知っている)⇨伝聞供述の存在⇨山田の過失 ⑵供述と行為が一体的な場合=行為に意味を与える(≒供述の真実性は不問) 例: 山田「お年玉だよ」といって金を渡す⇨田中が証言 行為と分離⇨金を渡す(返済、贈与、騙取等)+「お年玉だよ」(伝聞供述) 行為と一体⇨「お年玉だよ」と言って金を渡す=贈与行為の目撃証言そのもの(×伝聞供述) ⑶供述時(現在)の心理状態の供述 ◯:「奴は好かんわ」「あいつを殺したい」 ⇨論点 ×:「1年前は彼が嫌いだった」⇨過去の心理状態の供述 =伝聞
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⑴事例: 強姦致死⇨被害者が生前、「被告人は好かん、いやらしいことをする」と言ったとの証言 ⑵問題の所在: この事例では内容の真実性の規範は使わない(内容の真実性を問題とすると伝聞になる) ⇨反対尋問が必要かどうかで伝聞かどうかを判断する ⑶判例通説 要証事実:原因たる事実⇨伝聞 例:いやらしいことをする 要証事実:現供述者の心理状態⇨非伝聞 例:被害者の嫌悪感情 ⑷理由 a原因たる事実:内容に真実性が必要+反対尋問が必要 b原供述者の心理状態⭐️ 本人による本人の心理状態の供述は最良の証拠(本人の心理状態はその人の発言が一番の証拠) 知覚、記憶のプロセスがない(思っていることを言うだけ)⇨叙述は伝聞証人に対する反対尋問でチェック可能(発言時に嫌な顔をしていた、笑っていた 等) ∵伝聞証拠の趣旨
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犯行計画メモ: 犯罪発生⇨実際の犯罪事実と同一内容が記載されているメモ発見⇨証拠調べ⇨伝聞か非伝聞か ⭐️考える3つのポイント a実際の犯罪事実と一致するメモの内容⇨不一致⇨伝聞 b要証事実は何か⇨犯人と被告人の同一性、被告人の故意等 c内容の真実性⇨問題となる⇨伝聞/問題とならない⇨非伝聞 Q犯行計画のメモは伝聞となるか非伝聞となるか ⑴事例:殺人事件が発生し、被告人宅から殺害場所時刻についての被告事件と一致するメモを発見 (書いた人が法廷に来ていなくてメモだけある⇨伝聞の問題) ⑵問題の所在: 伝聞法則適用の可否 ⑶判例通説:要証事実により異なる a被告人の犯人性:非伝聞 理由:メモの存在を立証⇨犯人性が推認(メモに内容と被告事件が一致しているため。メモ作成者=犯人)=一致により原供述の真実性は問題にならない(メモの内容は真実性あり) b被告人の故意:非伝聞 理由:供述時の心理状態の供述⇨作成時の心理状態 ⇨実行行為の心理状態を推認 ※メモ作成時の心理状態が問題。過去の心理状態とも思えるが、メモ作成時の故意を根拠に実行行為時の故意を推認できるということ。 c作成者以外の関与者の故意等:伝聞 ⇨⭐️関与者全員が回覧した場合は非伝聞 理由:作成者の知覚、記憶、叙述の過程がある
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伝聞例外:伝聞証拠であっても、例外的に条文により証拠能力が認められる場合 伝聞:伝聞法則320適用 ∵反対尋問の必要⇨証拠能力否定 非伝聞:伝聞法則320不適用 ∵伝聞ではない⇨証拠能力肯定 伝聞例外:伝聞法則320不適用 ∵伝聞だが例外⇨証拠能力肯定 ⑴条文:321,322以下 ⑵伝聞法則の趣旨 供述証拠はその知覚、記憶、叙述の各課程に誤りが介入する可能性が高いため反対尋問によってチェックする必要があるが伝聞証拠は反対尋問を経ていない ⇨証拠としての必要性+反対尋問に代わる信用性の情況的保障がある場合には例外的に肯定可 ⭐️根拠を書けるように ⑶全体像:供述録取書、供述書、伝聞供述、特信文書 ⇨要件充足により証拠能力肯定
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供述録取書:原供述者が他人に供述した内容をその他人が書き取った書面 例 目撃者が証言⇨警察官が調書に記載 ⑴⭐️原供述者の署名、押印:必要321 ∵二重の伝聞性を払拭 ※二重の伝聞性:又聞きの又聞き(Aが目撃した内容を知覚、記憶⇨AがKに供述)⇨Kが知覚、記憶し、調書に記載(叙述)) ⇨署名押印=Aは調書の内容を確認=調書の内容はAの供述内容と同じ ⑵条文 写真
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供述書:原供述者が自ら作成した書面 ⇨録取なし 例 被害届、日記 ⑴署名押印:不要 321 ⑵条文 写真 伝聞供述:法廷で他の人から伝え聞いた内容を供述すること 写真 特信文書:特に信用性がある書面 →累計的に高度の信用性と必要性があり 例 戸籍謄本 323
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①条文 ⭐️原供述者が誰かをまず特定する 原供述者=被告人以外→321 被告人以外の者の供述書、供述録取書 原供述者=被告人→322 被告人の供述書、供述録取書 裁判官面前調書(裁面調書、1号書面)=裁判官の面前における供述を録取した書面 例 公判期日前の証人尋問226、証拠保全の証人尋問179、受命裁判官等の証人尋問 ⑴条文:321①⑴→要件充足より伝聞例外として証拠能力肯定 ⑵要件:供述不能、または公判準備・公判期日における前の供述と異なった供述(不一致供述) →要件が極めて緩和される ∵裁判官の性質上公平・(録取する時に)反対尋問が期待できる ③検察官面前調書(検面調書、2号書面):検察官の面前における供述を録取した書面 例:検察官調書、検察官による供述録取書 ⑴条文:321①⑵→要件充足により伝聞例外として証拠能力肯定 ⑵要件:供述不能、または、不一致かつ特信性 a供述不能:死亡、故障、所在不明、国外在住
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⑴事例:証人が 記憶喪失で供述不能/供述拒否により供述不能→供述不能要件? ⑵問題の所在:321①⑵前段は列挙事由か制限事由か ⑶判例:列挙事由⭐️ ⑷理由:供述不能要件は証拠として用いる必要性を基礎付けるもの⭐️→列挙事由以外も認められる ⑸当てはめ記憶喪失、供述拒否は供述不能に該当しうる→例外のため制限あり(判例) ・記憶喪失 およそ喪失→供述不能 記憶が曖昧→記憶喚起のための誘導尋問等で回復を試みる→回復しない場合、供述不能 ・供述拒否:継続性が必要 一時的に供述拒否→期日変更、方法等の変更で供述しうる→供述不能に該当しない 拒否が相当程度継続→上記方法等でも供述しない→供述不能
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訴追側が供述不能の状態を作出した場合 321①⑵前段の要件における特信性の要否⭐️ ※論文で書く より詳細な検面調書の場合の処理 検面調書の作成時期による証拠能力の肯否 Q 訴追側が供述不能の状態を作出した場合 ⑴事例:外国人女性が売春+不法滞在 → 検察官調書PS作成 → 強制送還 → 裁判でPSの伝聞例外が問題 ⑵問題の所在:強制送還を執行+認識(=訴追側が供述不能を作出) ・ 形式上は伝聞例外に該当 ⑶判例:手続的正義の観点から公正さを欠くと認められれば、伝聞例外否定 ⇒ 供述不能を認識しながら殊更に利用 ・ 裁判所の証人尋問決定にもかかわらず強制送還 Q 321Ⅰ二前段の要件における特信性の要否 ⑴問題の所在:Pは一方当事者 → 特信性不要は妥当ではない(通) ⑵判例:特信性不要 ⑶理由:条文 + Pの面前での供述の信用性 a) 不一致:相反(表面上矛盾)または実質的に異なる(表面上矛盾なし → 前後供述から異なる結論) ⇒ 判断方法:全体的(部分的相違は不一致となりうる) ・ PS(前の供述)と法廷の供述を比較 Q より詳細な検面調書の場合の処理 ⑴事例:検面調書を作成 → 法廷での供述内容より詳細な検面調書の記載内容 ⑵問題の所在:実質的に異なる312Ⅰ二 に該当するか ⑶判例:実質的に異なるにあたる ⑷理由:原供述者が出廷 → 反対尋問を行いうる → 緩和して解釈できる Q 検面調書の作成時期による証拠能力の肯否 ⑴ 問題の所在:前の供述 = 公判での供述よりも前の供述 →該当の有無 検面調書作成 → 公判で供述 + 不一致⇒ PS = 〇 前の供述 公判で供述 → 検面調書作成 + 不一致⇒ PS = × 前の供述 公判で供述 → 検面調書作成 → 公判で供述 + 不一致 ⇒ PS = 前の供述? ⑵判例:前の供述に該当、但し特信状況について慎重に吟味 ⇒ 特段の事情がなければ証拠能力否定 ⑶理由:通常、特信性に疑いあり a) 特信性:信用すべき情況 ≒ 特信情況 ⇒ 相対的特信情況 を意味 •相対的特信情況:前の供述と公判供述との比較の問題 •絶対的特信情況:供述自体の信用性の問題(比較対象なし) ・判断基準:外部的・付随的事情から判断 → 供述内容は補充的 (例)記憶が鮮明(特に相対的) ・ 利害関係人からの圧力 ・ 供述自体の矛盾 等 ⇒ 全体的に緩やかに判断 → 認められることが多い → 調書裁判 と批判 3号書面:321条1項3号の対象となっている書面 ⇒ 被告人以外の者の供述書・供述録取書の原則 (例)司法警察員の面前における供述を録取した書面 = 司法警察員面前調書 ・ 員面調書 ・ KS ⑴条文:321Ⅰ三 ⇒ 要件の比較:右記以外>P>J の順に厳格化 ⑵ 要件:供述不能 かつ 不可欠(証拠の不可欠性) かつ 絶対的特信性 a) 供述不能:≒321Ⅰ二 b) 不可欠:欠くことができない → 事実認定に著しい差異をもたらす可能性がある(×不一致) c) 絶対的特信:供述自体の信用性 公判調書等 ⑴条文:321Ⅱ ⑵対象:公判準備又は公判期日における被告人以外の者の供述録取書 ・ 裁判所の検証調書 (例)公判調書の供述記載部分 ・ 公判期日外の証人尋問調書 ・ 裁判所又は裁判官の検証調書 ⑶ 要件:無条件 ⑷理由:当事者の立会権・尋問権の保障 捜査機関の検証調書 ⑴ 検証調書:検証を行った者(供述者=検証調書作成者)がその検証の結果を記載した書面 ⑵条文:321Ⅲ → 要件充足により伝聞例外として証拠能力肯定 ⑶要件:供述者が証人尋問を受け、真正に作成されたものと供述(=真正作成供述) ⑷趣旨 記憶に比べ書面のほうが正確性や詳細さの点で口頭よりも適している 五官の作用による認識に基づく検証には主観的要素が入り込む余地が少ない Q 「真正に作成された」の意義 ⑴問題の所在:記載内容の真正を含むか否か → 論点 ∴ 321Ⅲ適用場面では必須 ⑵通説:作成名義の真正に加えて記載内容の真正も含む ⑶理由:記載内容の真正がなければ証拠能力に問題
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⑴検証調書:検証を行った者(供述者=検証調書作成者)がその検証結果を記載した書面 ⑵条文:321③→要件充足により伝聞例外として証拠能力肯定 ⑶要件:供述者が証人尋問を受け、真正に作成されたものと供述(真正作成供述) ⑷趣旨: ⭐️記憶に比べ書面のほうが正確性や詳細さの点で口頭よりも適している 五官の作用による認識に基づく検証には主観的要素が入り込む余地が少ない (実物を見たり写真を撮ったりなので主観的要素は入りにくい)
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⑴問題の所在: 記載内容の真正を含むか否か→⭐️論点であることを忘れずに(⭐️321③適用場面では必須) (自分が作ったことだけでなく、内容も間違いないと言わなければならないか) ⑵通説:作成名義の真正に加えて記載内容の真正も含む ⑶理由:記載内容の真正がなければ証拠能力に問題
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⑴問題の所在:321③は検証調書を対象 →実況見分は検証と類似(強制処分か任意処分かの違い) ⑵判例通説:321③の検証に実況見分調書は含まれる ⑶理由:321③の趣旨が妥当+任意か強制かの捜査法上の差異で証拠法上本質的な差異はない
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⑴事例:捜査機関に類似した者(収税官吏、消防員 等)、私人(大学教授等) ⑵問題の所在:直接的な適用はできない(321③は書面の作成者を検察官、検察事務官又は司法警察職員に限定)→準用? ⑶結論: 準用肯定 ∵321③の趣旨が妥当 通説:捜査機関に類似した者、私人→準用可 判例:私人→321③準用不可。321④(鑑定人作成の鑑定書)準用 ※捜査機関に類似した者についての判例はなし
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⑴事例:検証の際に立会人に指示、説明させる→立会人「ここで刺した」→調書記載 ※立会人が、実況見分をするに際して、目的物等について必要な情報を提供することを、指示説明と言う。例えば、交通事故の被害者が事故現場において「ここで車に轢かれた」旨の発言をしてこれが調書に記載された場合、一般に、これは以後行う検証の場所を指示しているに過ぎないので、これは指示説明にあたる。 ⑵問題の所在:検証調書に立会人の供述が記載 →伝聞に該当? ⑶判例通説:立会人の供述の立証趣旨による(要証事実による) ・指示説明の場合:検証の動機を記載したにとどまる≒検証調書の一部 (※なぜそこを検証で調べたかを説明するため) ・現場供述の場合:内容の真実性を証明するための供述証拠≒検証調書と別個の証拠 ⑷結論と理由 ・指示説明の場合:321③の要件のみで証拠能力 ∵動機の記載 ・現場供述の場合:321③+322①または321①⑶の要件で証拠能力 ∵供述証拠
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⑴鑑定書:鑑定の経過及び結果を報告、記載した書面 ⑵条文:321④→要件充足により伝聞例外として証拠能力肯定 ⑶要件:(鑑定人作成が前提)証人尋問+真正作成供述≒321③ ⑷趣旨:⭐️書けるように 一般に鑑定の内容は複雑→口頭による報告より、書面による報告が適切 鑑定人は第三者たる専門家→客観性、正当性が認められる
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⑴事例:捜査機関に鑑定を嘱託された専門家が鑑定書を作成 ⑵問題の所在:321④は鑑定人の鑑定書が対象 →鑑定受託者と鑑定人は類似 ⑶判例:321④準用(鑑定人の中に鑑定受託者は含まれない。一方、実況見分は321③の検証に含まれる) ⑷趣旨が妥当する (鑑定の内容は一般に複雑で書面による報告が適切。また、鑑定人は専門家たる第三者であるので客観性、正当性が認められる)
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写真
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短答(具体例が聞かれる) 写真 ※前科調書=公務文書はよく出る 医師のカルテ=業務文書はよく出る 金融機関作成の捜査官への捜査関係事項紹介回答書=その他 はよく出る
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①概要:誰の面前、作成書面、供述書・供述録書の区別は不問 →公判期日、不利益事実で区別 ②条文:322→要件充足により伝聞例外として証拠能力肯定 ③分類 ・不利益事実の承認(公判期日外)→不任意疑いなし(任意) ・不利益事実の承認以外(公判期日外)→特信情況 ・公判準備、公判期日における供述→任意であれば無条件 ④趣旨:通常、嘘をついてまで自己に不利益な事実を主張しない →公判期日における供述>不利益事実の承認>不利益事実の承認以外 の順に信頼
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①伝聞供述:法廷で他の人から伝え聞いた内容を供述すること →原則、証拠能力なし 伝聞供述:供述内の他の人から伝え聞いた内容の部分(又聞きの部分だけ) 原供述者:伝聞供述となる内容の部分を供述した者=法廷にいない 伝聞証人:法廷で他の人から伝え聞いた内容を供述する者=法廷にいる ②伝聞例外の要件:書面の伝聞例外を準用324
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▪️当事者の同意 ①同意の意義:検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面または供述 →証拠とすることができる(321-325の要件不要) ⑴実務:証拠提出→同意or不同意→同意⇨証拠調/不同意⇨伝聞例外の要件充足で証拠調 ⑵条文:326 ②同意権者:検察官及び被告人 ⇨被告人の明示または黙示の意思に反しない限りで弁護人にも同意権あり ∵包括的代理権 Q当事者の同意の法的性質 ⑴事例:弁護人がXの供述調書に同意した後、Xの証人尋問を請求 ⑵問題の所在:326①の同意の法的性質の理解により結論が異なる(実務と通説が対立)
35
擬制同意:326②の要件充足により証拠調べの同意があったとみなされる ⑴条文:326② ⑵要件:被告人不出頭でも証拠調べができる場合 かつ 弁護人、代理人の不出頭 ⑶事例:軽微事件284、Cによる出頭義務免除285、Aによる出頭拒否及び退廷286の2 Q A法廷秩序維持のための退廷命令を受けた場合に擬制同意が認められるか ⑴問題の所在:同意なし・擬制同意の根拠をどう解するかで結論が変わる ⑵判例学説 写真 学説 認められない 判例(自説) 認められる
36
第三百二十七条 裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人が合意の上、文書の内容又は公判期日に出頭すれば供述することが予想されるその供述の内容を書面に記載して提出したときは、その文書又は供述すべき者を取り調べないでも、その書面を証拠とすることができる。この場合においても、その書面の証明力を争うことを妨げない。
37
▪️証明力を争う証拠 ①弾劾証拠:供述の証明力を争う証拠 ・弾劾証拠:供述の証明力を現殺させる証拠 例 信号は赤と証言⇨以前Kに青と供述 ・回復証拠:一度減殺された証明力を回復させる証拠 例 上記例の後⇨以前別にKに赤と供述 ・増強証拠:証明力を増強させる証拠 例 信号は青と証言⇨以前Kに青と供述 ②条文:328⇨証拠とすることができない書面や供述 ⇨証明力を争うためには証拠能力あり ③328の趣旨: 弾劾証拠にはそもそも伝聞法則が適用されないことを注意的に明らかにした ※ 328条は、伝聞例外に当たらない公判外供述でも、公判供述の証明力に関する補助証拠として扱うことは許されるということを示している ∵立証趣旨は証明力の減殺⇨弾劾証拠は存在自体の証明のみ必要⇨弾劾証拠=非伝聞≠伝聞例外 ④328の証拠の範囲:該当する⇨証拠能力あり(伝聞例外要件不要) 弾劾証拠:該当する(証拠能力が認められる) ∵非伝聞+証明力を争う ※存在することだけ立証すればよい 回復証拠:該当する ∵非伝聞+証明力を争う 増強証拠:該当しない ∵通常、増強証拠により事実認定を行う ⇨実質証拠(=直接・間接証拠)+文言「争う」 ※328条で許されるのは、公判外供述の存在自体で公判供述の証明力を争う場合、すなわち非伝聞的使用に限られるところ、増強証拠の場合、供述内容たる事実の真実性を推認するために用いることになるため、増強証拠は含まれません
38
⑴事例:証人Xが「A」が刺したと証言 ⇨弾劾証拠として別人Yが「Bが刺した」との供述 ⑵問題の所在:同一人の不一致供述(自己矛盾供述)以外に328が該当するか ⑶判例通説:該当しない = 自己矛盾供述に限る ⑷理由:別人の供述の内容の真実性が前提になる +伝聞法則が適用できなくなる 判旨(最高裁平成18年判決) 刑訴法328条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(刑訴法が定める要件を満たすものに限る)、同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述又はこれらと同視し得る証拠の中に現れている部分に限られるというべきである。
39
⑴事例:Xが「Aが刺した」と公判で証言⇨証言後に取調(Bが刺したと言った)⇨証言後の取調調書を証拠調請求 ⑵問題の所在:証人尋問後の取調⇨公判中心主義・作為の可能性 ⑶判例:該当する ⑷理由:328には321①⑵「前の供述」がない
40
⑴事例:Xが「Aが刺した」と公判証言⇨弾劾証拠のXの供述録取書(署名なし)を証拠調請求 ⑵問題の所在:328に署名押印を要するとしていない(321では必要) ⑶判例:必要(なければ伝聞) ⑷理由:録取者の知覚、記憶、叙述に伝聞性が残る+328は注意的な規定
41
▪️再伝聞 ①再伝聞:伝聞証拠の中に伝聞供述が含まれている場合=二重の伝聞 Q再伝聞に証拠能力が認められるか ⑴事例:Xの検面調書に被告人Aが「被害者を刺した」と言っていたとの記載⇨証拠調請求 ⑵問題の所在:二重の伝聞 ∴関連性がより問題⇨およそ証拠能力が認められない? ⑶判例:伝聞の各過程が伝聞例外の要件を満たすのであれば認められる ⑷理由:要件を充足すれば関連性あり ⑸あてはめ:A⇨324①、322 X⇨321①⑵
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①伝聞証拠の意義(学説の争い)
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冒頭陳述⇨甲号証取調べ請求⇨弁護人意見⇨証拠調べの決定⇨甲号証要旨の告知⇨甲号証証拠の提出⇨乙号証取調べ請求⇨弁護人意見⇨証拠調べの決定⇨乙号証要旨の告知⇨乙号証証拠の提出 または 冒頭陳述⇨甲号証取調べ請求⇨乙号証取調べ請求⇨弁護人意見⇨証拠調べ決定⇨ ⇨甲号証要旨の告知⇨乙号証要旨の告知⇨甲号証証拠の提出⇨⇨乙号証証拠の提出 1.① 証拠調べの初めに、 検察官が証拠によって証明すべき事実を明らかにする (冒頭陳述、296 条)。なお、検察官の冒頭陳述の後で、 公判前整理手続が行われた事件においては被告人または弁護人も冒頭陳述をしなければならず (316条の30) それ以外の事件においては、裁判所は被告人又は弁護人に冒頭陳述を行うことを許すことができる(規則198条1項)。 ②次に、検察官が必要と考える証拠の取調べを請求する (298条1項、規則193条1項) なお、被告人又は弁護人は、検察官の証拠調べ請求が終わった後で、 自己の主張を立証すに必要な証拠の取調べを請求することになる (298条1項、 規則 193条2項)。 ③ 検察官の証拠調べ請求があった場合、裁判所は、相手方である被告人又はその弁護人の意見を聴かなければならない(規則 190条2項)。 この場合に、証拠書類について、被告人側が証拠能力を争わないときは、証拠とすることに同意をする (326条1項) ④ 裁判所は、③の意見聴取をした上で、証拠調べをする旨の決定(以下、「証拠調べ決定という)又は証拠調べ請求を却下する旨の決定のいずれかをしなければならない(規則190条1項)。 なお、当事者が証拠とすることに同意した証拠書類については、それが作成されたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、証拠調べ決定をする (326条1項)。 ⑤ 証拠調べ決定があった証拠について、証拠調べを実施する。証拠調べの方法については304 条ないし307条の2に規定がある。 証拠書類の取調べ方法としては、朗読(305条)またはこれに代えて要旨の告知 (規則 203条の2) を行う。 ⑥ 証拠調べの終わった証拠書類又は証拠物は、遅滞なく裁判所に提出しなければならない(310条)。
刑事訴訟法 捜査 9/7
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訴因
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①証拠法:証拠についての法的規律 民事訴訟:証拠能力制限なし 刑事訴訟:証拠能力制限あり ⇨証拠法により規律 ②証拠:証拠方法、証拠資料、証拠原因 ③証拠法の基本用語(刑訴) A+ 主要事実: 犯罪の成立要件に該当する具体的事実 例:殺人⇨AがVを日本刀で刺した ※これをPは最終的に立証する 間接事実: 主要事実の存否を推認させる事実 例:殺人⇨Aは犯行現場に事件直前にいた ※実際の公判では間接事実を積み重ねて立証する 補助事実:証拠の証明力に影響を及ぼす事実 例:Wの視力、WとAの関係、うらをとる 注:主要事実=犯罪事実、要証事実(多義語) ーーーーーーー 直接証拠:主要事実を直接証明する証拠 例:自白、犯行目撃証言、犯行現場を撮影した動画 間接証拠:間接事実を証明する証拠 例:事件直前にAが犯行現場にいたという証言 補助証拠:補助事実を証明する証拠 例:視力診断書、補助事実を証明する書類 ーーーーーーー 状況証拠:間接事実+間接証拠 実質証拠:直接証拠+間接証拠 ⑴事実と証拠の関係 写真 ※事実には全て証拠が必要 ⑵証拠能力と証明力 証拠能力:証拠となりうる資格 ⇨証拠調べの対象となるか? 証明力:証拠が有している事実を推認させる力 ⇨証拠調べの対象+裁判官の自由心証で評価 ⭐️証拠能力が一番問題になる ⑶証拠能力が認められる要件 -自然的関連性がある: 必要最低限の証拠力があるか(前科の論定が重要) -法律的関連性がある:証明力の評価を誤らせる可能性がないか (伝聞が問題となる) 法律的 -証拠禁止に該当しない(違法収集証拠排除原則)
2
①証拠裁判主義:刑訴法における事実の認定は証拠によって行われなければならない ⑴条文:317 事実の認定は証拠による ⑵意義:歴史的意義 規範的意義: 一定の重要な事実につき、厳格な証明を要求 ②証明方法 厳格な証明: 証拠能力があり、適式な証拠調べ(刑訴の証拠調べ手続)を経た証拠による証明 ⭐️言えるように 自由な証明:厳格な証明によらない証明 ③事実の証明方法 ⑴刑罰権の存否及びその範囲を定める事実: 厳格な証明 ⭐️非常に重要 ⑵上記を推認させる間接事実:厳格な証明 ⑶上記証明に向けられた実質証拠の補助事実: 厳格な証明(多数説) Q被告人側が立証する刑罰権の不存在を基礎づける事実の証明方法 ⑴事例:殺人⇨Bがアリバイや違法性、責任阻却事由を主張⇨Bに立証責任⇨証拠調 ⑵問題の所在: 事実の証明方法 ⑶通説、判例:厳格な証明 ⑷理由: a 「犯罪事実の存否の証明」との表現314③、321①⑶⇨犯罪事実があったこととなかったことを同列に扱っている b被告人に有利な証拠に証拠能力を要求322① ※322①「特に信用すべき情況の下にされたもの」 ⑷情状事実:量刑の基礎となる事実 犯状事実:当該犯罪事実に属する事実 例 反抗動機、方法、結果、共犯行為 一般情状:当該犯罪事実に属しない事実 例 年齢、経歴、反省、被害者感情、示談 ⇨犯状は厳格な証明 ∵主要事実または主要事実を推認させる事実 Q一般情状に関する事実の証明方法 ⑴問題の所在: 実務上は量刑が主要な関心事 ⇨適正な証明によるべき(有力説)等 ⇨適正な証明:自由な証明だが当事者の異議を条件に厳格な証明に移行する証明方式 ⑵判例通説 :自由な証明 A+ ※実務上は厳格な証明が主 ⑶理由: 重要性において質的な差 一般情状=非類型的 ⇨証拠能力要求は、量刑の資料が制限させ表面的な事情のみでの量刑となる ⑷訴訟法的事実:訴訟法でのみ問題となる事実 例 公判停止314、訴訟条件 等 Q訴訟法的事実に関する事実の証明方法 ⑴問題の所在:事実の証明方法 ⑵判例通説:自由な証明 ⇨訴訟条件等は実務上は厳格な証明が主 ⑶理由:重要性において質的な差 ※訴訟法的事実(証人尋問や送付嘱託の存否に関わる参考的事実・強制、約束、不当に長い拘禁など自白の任意性の基礎となる事実等々)は、刑罰権の存否や範囲を基礎づける事実ではないので、厳格な証明を要しないとするのが判例・通説である ④疎明 B : 一応確からしいという程度の心証<証明 ⇨条文で特に明記されている特殊な証明方法 ⑴対象:訴訟手続き上の事項 ⑵条文:19③、206①、227②等 ⑤証明を要しない事実 民事訴訟:形式的真実主義 ⇨争いのない事実は不要 刑事訴訟:実体的真実主義⇨問題となる事実にはおよそ証明が必要。ただし、性質上不要もあり ⑴公知の事実:通常の知識経験を有する人が疑いを持たない程度に一般に知りわたっている事実 例)歴史的事実、大災害、広く報道された出来事、常識的な自然法則 等 ※顕著な事実=裁判官が職務上知り得た事実 ⇨民訴においては証明不要 ⑵法律上推定された出来事 例)占有期間の前後を立証 ⑶法規、経験則: 原則証明不要。特別な知識経験が必要な場合は必要
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①自由心証主義:事実認定、証拠評価について裁判官の自由な判断に委ねるという法則 ⑴法定証拠主義:一定の証拠によって必ずある事実を認定するまたは認定しないという原則 ⇨趣旨:法的安定(裁判官ごとに判断が異なることを防止) ⇨具体的妥当性の欠缺 自白のための拷問 ⇨自由心証主義 ⑵条文 318 ②自由心証主義の対象 民事訴訟法:証明力+証拠能力 刑事訴訟法:証明力のみ(証拠能力は対象外)⭐️ ③制約:論理則や経験則に従った合理的な判断を要求 ∵上訴による審査382、387⑷、397、 証明力を争う機会308等 ④例外 自白の補強法則
4
①挙証責任:ある主要事実の存否が不明である場合に不利益な判断を受ける一方当事者の法的地位 ⇨=実質的挙証責任 ≒証明責任(民訴) ノンリケット=真偽不明、存否不明 ※真偽不明の場合にどっちに不利益になるか予め決めておくというルールが実質的挙証責任 ⑴形式的挙証責任:実質的挙証責任による不利益を免れるために行うべき立証行為の負担 ⑵挙証責任の負担:利益原則が妥当する事実 ⇨Pに挙証責任 ⇨原則として、Pに挙証責任がある =検察官負担の原則 ⇨真偽不明になった場合、挙証責任を負担する者は予め各事実ごとに決まっている ②挙証責任の分配 ⑴刑責の存否及びその範囲に直接影響する実体法上の事実:検察官 例:犯罪の成立要件、主観的要素、処罰条件、加重減免事由 等 ⑵情状事実:検察官 ∵上記刑責に含む ③訴訟法的事実(論点) ・訴訟条件たる事実(例 親告罪の告訴) :検察官(判例) ∵有罪判決の要件という性質も有する ⇨利益原則妥当 ・上記以外の事実:主張する者 ∵利益原則妥当しない (例)⭐️証拠能力
5
⑴例:正当防衛=犯罪の成立阻却⇨犯罪の成立要件=正当防衛ではない⇨Pは正当防衛ではないことの証明が必要? ⑵問題の所在:Pに過度の負担+訴訟遅延 ⑶有力説: 被告人が証拠提出責任を負う→争点化した場合のみ不存在の立証が必要 ※いずれの説でもPに実質的訴訟責任があるという点も変わらない。発動に要件を設ける。 ⑷理由:Pに過度の負担+訴訟遅延
6
挙証責任の転換:明文により挙証責任を本来分配されるべき検察官から被告人に転換させる ⑴刑法207→同時傷害特例の因果関係 ⑵刑法230の2→名誉毀損の事実の真実性 ⇨合憲性に問題?⇨憲法31の利益原則違反? ⇨実質的な合理性があれば許される
7
推定:ある事実(前提事実)から他の事実(推定事実)を推認すること 事実上の推定:前提事実⇨経験則⇨推定事実=自由心証の作用そのもの (例)盗品所持(前提事実)⇨窃盗を行った(推定事実) 法律上の推定:前提事実⇨法規則⇨推定事実=推認のルールを法規化 (例)有害物質排出(前提事実)⇨公害犯罪法5⇨排出物により危険発生と推定(推定事実) 法律上の効果 挙証責任を負う側:証明主題の変更が可能 ⇨前提事実or推定事実 ※前提事実だけ証明するのでもよくなる 挙証責任を負わない側:挙証責任の転換 ⇨推定事実の因果関係について挙証責任を負う
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①証明:証拠によって裁判官に事実を明らかにする ⇨いかなる心証があれば証明されたと言えるか(証明の程度)⇨事実ごとに異なる ②証明の程度 ⑴合理的な疑いを超える程度の確信⭐️ =通常人ならば誰でも疑いを挟まない程度に真実らしい程度(判例) ⑵証拠の優越 =肯定証拠が否定証拠を上回るという心証の程度 証拠の優越: 訴訟条件たる事実以外の訴訟法的事実 合理的な疑いを超える程度の確信:上記以外の事実 ③要証事実に関するまとめA+ 写真
9
①証拠能力が認められる要件 1自然的関連性がある 2法律的関連性がある 3証拠禁止に該当しない ⇨3つ満たして初めて証拠能力が認められる ②証拠の要証事実の存否の証明に役立ちうる性質 =1、2を合わせて「関連性」 自然的関連性: 必要最小限の証明力を有するという性質 (ポログラフ、前科などが問題となる) 法律的関連性: 証明力の評価を誤らせるおそれがないという性質 (⭐️伝聞が問題となる) ③前科:過去に有罪判決を受けたことがある経歴 ⇨立証趣旨によって扱いが異なる (3つの場面) 1 悪性格証拠排除法則:悪性格の証拠による主要事実の存否の証明を禁止する原則 ∵関連性なし 2主要事実の間接証拠とするための場合 3量刑の資料とするための場合
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⑴問題の所在:悪性格証拠排除法則、関連性 ⑵事例: 詐欺の公訴事実で起訴⇨Pが前科調書を提出 ⑶判例: 公訴事実と異種の前科の場合:証拠能力否定 ∵自然的関連性なし 公訴事実と同様の前科の場合:原則、証拠能力否定 ∵自然的関連性あり+法律的関連性なし (例外的に証拠能力が認められる場面) ・客観的要素が既に立証⇨主観的要素(故意等)を前科で立証 ・態様に顕著な共通の特徴⇨Aと犯人の同一性を前科で立証 ⑷理由:法律的関連性あり
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⑴事例:詐欺の公訴事実で起訴 ⇨有罪心証⇨Pが前科調書を証拠として提出 ⑵問題の所在:悪性格証拠排除法則、関連性 ⑶判例 情状を推知するための資料とする趣旨: 証拠能力肯定(ただし類似性を要求) 前科を事実上処罰する趣旨:証拠能力否定 ⑷理由: 肯定理由:関連性あり 否定理由:不告不理の原則378⑶、適正手続 憲法31、一事不再理(憲法39) ※不告不理の原則: 検察官による公訴の提起(起訴)がないのに、裁判所が審理を行うことは許されないという原則
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起訴されていない犯罪事実(関連性) ⇨立証趣旨により扱いが異なる(前科に類似) (問題となる場合) 悪性格証拠排除法則 主要事実の間接事実とする場合 量刑の資料とする場合 間接事実: 主要事実の存否を推認させる事実 例:殺人⇨Aは犯行現場に事件直前にいた Q主要事実を立証するために被告人の余罪に関する証拠を提出することは許されるか ⇨前科と同じ Q量刑の資料とするために被告人の余罪に関する証拠を提出することは許されるか ⑴問題の所在、事例=前科と同じ ⑵判例 情状を推知するための資料とする趣旨: 証拠能力肯定(ただし類似性を要求) 余罪を処罰する趣旨 :証拠能力否定 ⑶理由: 肯定理由:関連性あり 否定理由:不告不理 378⑶、適正手続 憲法31、証拠裁判主義317、自白の補強法則 ※証拠裁判主義 ※量刑の証拠は自由な証明 ※余罪はほとんど自白が唯一的な証拠 ⇨にも関わらず余罪で実質的に処罰するには×ー
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伝聞証拠: 裁判所の面前で反対尋問を経てない供述証拠 具体例: 伝聞供述:法廷で他の人から伝え聞いた内容を供述すること 供述書:供述者本人が記載 供述調書:供述者本人以外の者が記載=供述録書 ⇨供述者本人に裁判所の面前で反対尋問できない=伝聞証拠 ②伝聞法則:伝聞証拠は原則として証拠能力否定 ⑴条文320① ⑵根拠:供述証拠=知覚⇨記憶⇨叙述 ⇨各過程に誤りが介入するおそれが高い →反対尋問(憲法37②参考)でチェックする必要 ⑶関連性:◯自然的関連性、 ×法律的関連性 ③伝聞と証拠能力の分類 A+ 伝聞証拠→証拠能力なし ∵伝聞法則 非伝聞 →証拠能力あり ∵伝聞ではない 伝聞例外→伝聞だが証拠能力あり ∵明文
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非伝聞 ①非伝聞:伝聞法則が適用されない場合 →伝聞供述だが伝聞証拠ではない場合 ②伝聞法則適用の要件:原供述の内容の真実性が問題となる場合 (原供述の内容の真実性が問題とならない場合は非伝聞) ∵反対尋問による真実性のチェック →要証事実により相対的に決する 例)山田「鈴木が人を刺しているのを見た」(原供述、伝聞供述) →田中が法廷で供述 要証事実=鈴木による殺人の実行行為→原供述の真実性⇨伝聞法則適用 要証事実=山田による名誉基礎の実行行為→原供述の存在⇨証拠能力あり ③具体例 ⑴供述の存在自体が要証事実となる場合 =供述の内容の真偽は不問 ・供述自体が犯罪を構成 ・供述自体が情況証拠 ・供述自体が弾劾証拠 a供述自体が犯罪を構成: 山田「俺はヤクザだ」⇨田中が山田の発言を供述(伝聞供述)⇨要証事実=脅迫⇨非伝聞 b供述自体が情況証拠:山田「俺はアンドロメダの帝王だ」⇨要証事実=精神異常⇨非伝聞 山田「ブレーキが壊れている」(伝聞供述) 要証事実=ブレーキの故障 ⇨伝聞供述の真実性⇨ブレーキ故障の事実 要証事実=山田の過失(山田は故障を知っている)⇨伝聞供述の存在⇨山田の過失 ⑵供述と行為が一体的な場合=行為に意味を与える(≒供述の真実性は不問) 例: 山田「お年玉だよ」といって金を渡す⇨田中が証言 行為と分離⇨金を渡す(返済、贈与、騙取等)+「お年玉だよ」(伝聞供述) 行為と一体⇨「お年玉だよ」と言って金を渡す=贈与行為の目撃証言そのもの(×伝聞供述) ⑶供述時(現在)の心理状態の供述 ◯:「奴は好かんわ」「あいつを殺したい」 ⇨論点 ×:「1年前は彼が嫌いだった」⇨過去の心理状態の供述 =伝聞
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⑴事例: 強姦致死⇨被害者が生前、「被告人は好かん、いやらしいことをする」と言ったとの証言 ⑵問題の所在: この事例では内容の真実性の規範は使わない(内容の真実性を問題とすると伝聞になる) ⇨反対尋問が必要かどうかで伝聞かどうかを判断する ⑶判例通説 要証事実:原因たる事実⇨伝聞 例:いやらしいことをする 要証事実:現供述者の心理状態⇨非伝聞 例:被害者の嫌悪感情 ⑷理由 a原因たる事実:内容に真実性が必要+反対尋問が必要 b原供述者の心理状態⭐️ 本人による本人の心理状態の供述は最良の証拠(本人の心理状態はその人の発言が一番の証拠) 知覚、記憶のプロセスがない(思っていることを言うだけ)⇨叙述は伝聞証人に対する反対尋問でチェック可能(発言時に嫌な顔をしていた、笑っていた 等) ∵伝聞証拠の趣旨
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犯行計画メモ: 犯罪発生⇨実際の犯罪事実と同一内容が記載されているメモ発見⇨証拠調べ⇨伝聞か非伝聞か ⭐️考える3つのポイント a実際の犯罪事実と一致するメモの内容⇨不一致⇨伝聞 b要証事実は何か⇨犯人と被告人の同一性、被告人の故意等 c内容の真実性⇨問題となる⇨伝聞/問題とならない⇨非伝聞 Q犯行計画のメモは伝聞となるか非伝聞となるか ⑴事例:殺人事件が発生し、被告人宅から殺害場所時刻についての被告事件と一致するメモを発見 (書いた人が法廷に来ていなくてメモだけある⇨伝聞の問題) ⑵問題の所在: 伝聞法則適用の可否 ⑶判例通説:要証事実により異なる a被告人の犯人性:非伝聞 理由:メモの存在を立証⇨犯人性が推認(メモに内容と被告事件が一致しているため。メモ作成者=犯人)=一致により原供述の真実性は問題にならない(メモの内容は真実性あり) b被告人の故意:非伝聞 理由:供述時の心理状態の供述⇨作成時の心理状態 ⇨実行行為の心理状態を推認 ※メモ作成時の心理状態が問題。過去の心理状態とも思えるが、メモ作成時の故意を根拠に実行行為時の故意を推認できるということ。 c作成者以外の関与者の故意等:伝聞 ⇨⭐️関与者全員が回覧した場合は非伝聞 理由:作成者の知覚、記憶、叙述の過程がある
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伝聞例外:伝聞証拠であっても、例外的に条文により証拠能力が認められる場合 伝聞:伝聞法則320適用 ∵反対尋問の必要⇨証拠能力否定 非伝聞:伝聞法則320不適用 ∵伝聞ではない⇨証拠能力肯定 伝聞例外:伝聞法則320不適用 ∵伝聞だが例外⇨証拠能力肯定 ⑴条文:321,322以下 ⑵伝聞法則の趣旨 供述証拠はその知覚、記憶、叙述の各課程に誤りが介入する可能性が高いため反対尋問によってチェックする必要があるが伝聞証拠は反対尋問を経ていない ⇨証拠としての必要性+反対尋問に代わる信用性の情況的保障がある場合には例外的に肯定可 ⭐️根拠を書けるように ⑶全体像:供述録取書、供述書、伝聞供述、特信文書 ⇨要件充足により証拠能力肯定
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供述録取書:原供述者が他人に供述した内容をその他人が書き取った書面 例 目撃者が証言⇨警察官が調書に記載 ⑴⭐️原供述者の署名、押印:必要321 ∵二重の伝聞性を払拭 ※二重の伝聞性:又聞きの又聞き(Aが目撃した内容を知覚、記憶⇨AがKに供述)⇨Kが知覚、記憶し、調書に記載(叙述)) ⇨署名押印=Aは調書の内容を確認=調書の内容はAの供述内容と同じ ⑵条文 写真
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供述書:原供述者が自ら作成した書面 ⇨録取なし 例 被害届、日記 ⑴署名押印:不要 321 ⑵条文 写真 伝聞供述:法廷で他の人から伝え聞いた内容を供述すること 写真 特信文書:特に信用性がある書面 →累計的に高度の信用性と必要性があり 例 戸籍謄本 323
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①条文 ⭐️原供述者が誰かをまず特定する 原供述者=被告人以外→321 被告人以外の者の供述書、供述録取書 原供述者=被告人→322 被告人の供述書、供述録取書 裁判官面前調書(裁面調書、1号書面)=裁判官の面前における供述を録取した書面 例 公判期日前の証人尋問226、証拠保全の証人尋問179、受命裁判官等の証人尋問 ⑴条文:321①⑴→要件充足より伝聞例外として証拠能力肯定 ⑵要件:供述不能、または公判準備・公判期日における前の供述と異なった供述(不一致供述) →要件が極めて緩和される ∵裁判官の性質上公平・(録取する時に)反対尋問が期待できる ③検察官面前調書(検面調書、2号書面):検察官の面前における供述を録取した書面 例:検察官調書、検察官による供述録取書 ⑴条文:321①⑵→要件充足により伝聞例外として証拠能力肯定 ⑵要件:供述不能、または、不一致かつ特信性 a供述不能:死亡、故障、所在不明、国外在住
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⑴事例:証人が 記憶喪失で供述不能/供述拒否により供述不能→供述不能要件? ⑵問題の所在:321①⑵前段は列挙事由か制限事由か ⑶判例:列挙事由⭐️ ⑷理由:供述不能要件は証拠として用いる必要性を基礎付けるもの⭐️→列挙事由以外も認められる ⑸当てはめ記憶喪失、供述拒否は供述不能に該当しうる→例外のため制限あり(判例) ・記憶喪失 およそ喪失→供述不能 記憶が曖昧→記憶喚起のための誘導尋問等で回復を試みる→回復しない場合、供述不能 ・供述拒否:継続性が必要 一時的に供述拒否→期日変更、方法等の変更で供述しうる→供述不能に該当しない 拒否が相当程度継続→上記方法等でも供述しない→供述不能
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訴追側が供述不能の状態を作出した場合 321①⑵前段の要件における特信性の要否⭐️ ※論文で書く より詳細な検面調書の場合の処理 検面調書の作成時期による証拠能力の肯否 Q 訴追側が供述不能の状態を作出した場合 ⑴事例:外国人女性が売春+不法滞在 → 検察官調書PS作成 → 強制送還 → 裁判でPSの伝聞例外が問題 ⑵問題の所在:強制送還を執行+認識(=訴追側が供述不能を作出) ・ 形式上は伝聞例外に該当 ⑶判例:手続的正義の観点から公正さを欠くと認められれば、伝聞例外否定 ⇒ 供述不能を認識しながら殊更に利用 ・ 裁判所の証人尋問決定にもかかわらず強制送還 Q 321Ⅰ二前段の要件における特信性の要否 ⑴問題の所在:Pは一方当事者 → 特信性不要は妥当ではない(通) ⑵判例:特信性不要 ⑶理由:条文 + Pの面前での供述の信用性 a) 不一致:相反(表面上矛盾)または実質的に異なる(表面上矛盾なし → 前後供述から異なる結論) ⇒ 判断方法:全体的(部分的相違は不一致となりうる) ・ PS(前の供述)と法廷の供述を比較 Q より詳細な検面調書の場合の処理 ⑴事例:検面調書を作成 → 法廷での供述内容より詳細な検面調書の記載内容 ⑵問題の所在:実質的に異なる312Ⅰ二 に該当するか ⑶判例:実質的に異なるにあたる ⑷理由:原供述者が出廷 → 反対尋問を行いうる → 緩和して解釈できる Q 検面調書の作成時期による証拠能力の肯否 ⑴ 問題の所在:前の供述 = 公判での供述よりも前の供述 →該当の有無 検面調書作成 → 公判で供述 + 不一致⇒ PS = 〇 前の供述 公判で供述 → 検面調書作成 + 不一致⇒ PS = × 前の供述 公判で供述 → 検面調書作成 → 公判で供述 + 不一致 ⇒ PS = 前の供述? ⑵判例:前の供述に該当、但し特信状況について慎重に吟味 ⇒ 特段の事情がなければ証拠能力否定 ⑶理由:通常、特信性に疑いあり a) 特信性:信用すべき情況 ≒ 特信情況 ⇒ 相対的特信情況 を意味 •相対的特信情況:前の供述と公判供述との比較の問題 •絶対的特信情況:供述自体の信用性の問題(比較対象なし) ・判断基準:外部的・付随的事情から判断 → 供述内容は補充的 (例)記憶が鮮明(特に相対的) ・ 利害関係人からの圧力 ・ 供述自体の矛盾 等 ⇒ 全体的に緩やかに判断 → 認められることが多い → 調書裁判 と批判 3号書面:321条1項3号の対象となっている書面 ⇒ 被告人以外の者の供述書・供述録取書の原則 (例)司法警察員の面前における供述を録取した書面 = 司法警察員面前調書 ・ 員面調書 ・ KS ⑴条文:321Ⅰ三 ⇒ 要件の比較:右記以外>P>J の順に厳格化 ⑵ 要件:供述不能 かつ 不可欠(証拠の不可欠性) かつ 絶対的特信性 a) 供述不能:≒321Ⅰ二 b) 不可欠:欠くことができない → 事実認定に著しい差異をもたらす可能性がある(×不一致) c) 絶対的特信:供述自体の信用性 公判調書等 ⑴条文:321Ⅱ ⑵対象:公判準備又は公判期日における被告人以外の者の供述録取書 ・ 裁判所の検証調書 (例)公判調書の供述記載部分 ・ 公判期日外の証人尋問調書 ・ 裁判所又は裁判官の検証調書 ⑶ 要件:無条件 ⑷理由:当事者の立会権・尋問権の保障 捜査機関の検証調書 ⑴ 検証調書:検証を行った者(供述者=検証調書作成者)がその検証の結果を記載した書面 ⑵条文:321Ⅲ → 要件充足により伝聞例外として証拠能力肯定 ⑶要件:供述者が証人尋問を受け、真正に作成されたものと供述(=真正作成供述) ⑷趣旨 記憶に比べ書面のほうが正確性や詳細さの点で口頭よりも適している 五官の作用による認識に基づく検証には主観的要素が入り込む余地が少ない Q 「真正に作成された」の意義 ⑴問題の所在:記載内容の真正を含むか否か → 論点 ∴ 321Ⅲ適用場面では必須 ⑵通説:作成名義の真正に加えて記載内容の真正も含む ⑶理由:記載内容の真正がなければ証拠能力に問題
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⑴検証調書:検証を行った者(供述者=検証調書作成者)がその検証結果を記載した書面 ⑵条文:321③→要件充足により伝聞例外として証拠能力肯定 ⑶要件:供述者が証人尋問を受け、真正に作成されたものと供述(真正作成供述) ⑷趣旨: ⭐️記憶に比べ書面のほうが正確性や詳細さの点で口頭よりも適している 五官の作用による認識に基づく検証には主観的要素が入り込む余地が少ない (実物を見たり写真を撮ったりなので主観的要素は入りにくい)
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⑴問題の所在: 記載内容の真正を含むか否か→⭐️論点であることを忘れずに(⭐️321③適用場面では必須) (自分が作ったことだけでなく、内容も間違いないと言わなければならないか) ⑵通説:作成名義の真正に加えて記載内容の真正も含む ⑶理由:記載内容の真正がなければ証拠能力に問題
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⑴問題の所在:321③は検証調書を対象 →実況見分は検証と類似(強制処分か任意処分かの違い) ⑵判例通説:321③の検証に実況見分調書は含まれる ⑶理由:321③の趣旨が妥当+任意か強制かの捜査法上の差異で証拠法上本質的な差異はない
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⑴事例:捜査機関に類似した者(収税官吏、消防員 等)、私人(大学教授等) ⑵問題の所在:直接的な適用はできない(321③は書面の作成者を検察官、検察事務官又は司法警察職員に限定)→準用? ⑶結論: 準用肯定 ∵321③の趣旨が妥当 通説:捜査機関に類似した者、私人→準用可 判例:私人→321③準用不可。321④(鑑定人作成の鑑定書)準用 ※捜査機関に類似した者についての判例はなし
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⑴事例:検証の際に立会人に指示、説明させる→立会人「ここで刺した」→調書記載 ※立会人が、実況見分をするに際して、目的物等について必要な情報を提供することを、指示説明と言う。例えば、交通事故の被害者が事故現場において「ここで車に轢かれた」旨の発言をしてこれが調書に記載された場合、一般に、これは以後行う検証の場所を指示しているに過ぎないので、これは指示説明にあたる。 ⑵問題の所在:検証調書に立会人の供述が記載 →伝聞に該当? ⑶判例通説:立会人の供述の立証趣旨による(要証事実による) ・指示説明の場合:検証の動機を記載したにとどまる≒検証調書の一部 (※なぜそこを検証で調べたかを説明するため) ・現場供述の場合:内容の真実性を証明するための供述証拠≒検証調書と別個の証拠 ⑷結論と理由 ・指示説明の場合:321③の要件のみで証拠能力 ∵動機の記載 ・現場供述の場合:321③+322①または321①⑶の要件で証拠能力 ∵供述証拠
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⑴鑑定書:鑑定の経過及び結果を報告、記載した書面 ⑵条文:321④→要件充足により伝聞例外として証拠能力肯定 ⑶要件:(鑑定人作成が前提)証人尋問+真正作成供述≒321③ ⑷趣旨:⭐️書けるように 一般に鑑定の内容は複雑→口頭による報告より、書面による報告が適切 鑑定人は第三者たる専門家→客観性、正当性が認められる
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⑴事例:捜査機関に鑑定を嘱託された専門家が鑑定書を作成 ⑵問題の所在:321④は鑑定人の鑑定書が対象 →鑑定受託者と鑑定人は類似 ⑶判例:321④準用(鑑定人の中に鑑定受託者は含まれない。一方、実況見分は321③の検証に含まれる) ⑷趣旨が妥当する (鑑定の内容は一般に複雑で書面による報告が適切。また、鑑定人は専門家たる第三者であるので客観性、正当性が認められる)
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写真
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短答(具体例が聞かれる) 写真 ※前科調書=公務文書はよく出る 医師のカルテ=業務文書はよく出る 金融機関作成の捜査官への捜査関係事項紹介回答書=その他 はよく出る
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①概要:誰の面前、作成書面、供述書・供述録書の区別は不問 →公判期日、不利益事実で区別 ②条文:322→要件充足により伝聞例外として証拠能力肯定 ③分類 ・不利益事実の承認(公判期日外)→不任意疑いなし(任意) ・不利益事実の承認以外(公判期日外)→特信情況 ・公判準備、公判期日における供述→任意であれば無条件 ④趣旨:通常、嘘をついてまで自己に不利益な事実を主張しない →公判期日における供述>不利益事実の承認>不利益事実の承認以外 の順に信頼
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①伝聞供述:法廷で他の人から伝え聞いた内容を供述すること →原則、証拠能力なし 伝聞供述:供述内の他の人から伝え聞いた内容の部分(又聞きの部分だけ) 原供述者:伝聞供述となる内容の部分を供述した者=法廷にいない 伝聞証人:法廷で他の人から伝え聞いた内容を供述する者=法廷にいる ②伝聞例外の要件:書面の伝聞例外を準用324
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▪️当事者の同意 ①同意の意義:検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面または供述 →証拠とすることができる(321-325の要件不要) ⑴実務:証拠提出→同意or不同意→同意⇨証拠調/不同意⇨伝聞例外の要件充足で証拠調 ⑵条文:326 ②同意権者:検察官及び被告人 ⇨被告人の明示または黙示の意思に反しない限りで弁護人にも同意権あり ∵包括的代理権 Q当事者の同意の法的性質 ⑴事例:弁護人がXの供述調書に同意した後、Xの証人尋問を請求 ⑵問題の所在:326①の同意の法的性質の理解により結論が異なる(実務と通説が対立)
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擬制同意:326②の要件充足により証拠調べの同意があったとみなされる ⑴条文:326② ⑵要件:被告人不出頭でも証拠調べができる場合 かつ 弁護人、代理人の不出頭 ⑶事例:軽微事件284、Cによる出頭義務免除285、Aによる出頭拒否及び退廷286の2 Q A法廷秩序維持のための退廷命令を受けた場合に擬制同意が認められるか ⑴問題の所在:同意なし・擬制同意の根拠をどう解するかで結論が変わる ⑵判例学説 写真 学説 認められない 判例(自説) 認められる
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第三百二十七条 裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人が合意の上、文書の内容又は公判期日に出頭すれば供述することが予想されるその供述の内容を書面に記載して提出したときは、その文書又は供述すべき者を取り調べないでも、その書面を証拠とすることができる。この場合においても、その書面の証明力を争うことを妨げない。
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▪️証明力を争う証拠 ①弾劾証拠:供述の証明力を争う証拠 ・弾劾証拠:供述の証明力を現殺させる証拠 例 信号は赤と証言⇨以前Kに青と供述 ・回復証拠:一度減殺された証明力を回復させる証拠 例 上記例の後⇨以前別にKに赤と供述 ・増強証拠:証明力を増強させる証拠 例 信号は青と証言⇨以前Kに青と供述 ②条文:328⇨証拠とすることができない書面や供述 ⇨証明力を争うためには証拠能力あり ③328の趣旨: 弾劾証拠にはそもそも伝聞法則が適用されないことを注意的に明らかにした ※ 328条は、伝聞例外に当たらない公判外供述でも、公判供述の証明力に関する補助証拠として扱うことは許されるということを示している ∵立証趣旨は証明力の減殺⇨弾劾証拠は存在自体の証明のみ必要⇨弾劾証拠=非伝聞≠伝聞例外 ④328の証拠の範囲:該当する⇨証拠能力あり(伝聞例外要件不要) 弾劾証拠:該当する(証拠能力が認められる) ∵非伝聞+証明力を争う ※存在することだけ立証すればよい 回復証拠:該当する ∵非伝聞+証明力を争う 増強証拠:該当しない ∵通常、増強証拠により事実認定を行う ⇨実質証拠(=直接・間接証拠)+文言「争う」 ※328条で許されるのは、公判外供述の存在自体で公判供述の証明力を争う場合、すなわち非伝聞的使用に限られるところ、増強証拠の場合、供述内容たる事実の真実性を推認するために用いることになるため、増強証拠は含まれません
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⑴事例:証人Xが「A」が刺したと証言 ⇨弾劾証拠として別人Yが「Bが刺した」との供述 ⑵問題の所在:同一人の不一致供述(自己矛盾供述)以外に328が該当するか ⑶判例通説:該当しない = 自己矛盾供述に限る ⑷理由:別人の供述の内容の真実性が前提になる +伝聞法則が適用できなくなる 判旨(最高裁平成18年判決) 刑訴法328条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(刑訴法が定める要件を満たすものに限る)、同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述又はこれらと同視し得る証拠の中に現れている部分に限られるというべきである。
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⑴事例:Xが「Aが刺した」と公判で証言⇨証言後に取調(Bが刺したと言った)⇨証言後の取調調書を証拠調請求 ⑵問題の所在:証人尋問後の取調⇨公判中心主義・作為の可能性 ⑶判例:該当する ⑷理由:328には321①⑵「前の供述」がない
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⑴事例:Xが「Aが刺した」と公判証言⇨弾劾証拠のXの供述録取書(署名なし)を証拠調請求 ⑵問題の所在:328に署名押印を要するとしていない(321では必要) ⑶判例:必要(なければ伝聞) ⑷理由:録取者の知覚、記憶、叙述に伝聞性が残る+328は注意的な規定
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▪️再伝聞 ①再伝聞:伝聞証拠の中に伝聞供述が含まれている場合=二重の伝聞 Q再伝聞に証拠能力が認められるか ⑴事例:Xの検面調書に被告人Aが「被害者を刺した」と言っていたとの記載⇨証拠調請求 ⑵問題の所在:二重の伝聞 ∴関連性がより問題⇨およそ証拠能力が認められない? ⑶判例:伝聞の各過程が伝聞例外の要件を満たすのであれば認められる ⑷理由:要件を充足すれば関連性あり ⑸あてはめ:A⇨324①、322 X⇨321①⑵
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①伝聞証拠の意義(学説の争い)
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冒頭陳述⇨甲号証取調べ請求⇨弁護人意見⇨証拠調べの決定⇨甲号証要旨の告知⇨甲号証証拠の提出⇨乙号証取調べ請求⇨弁護人意見⇨証拠調べの決定⇨乙号証要旨の告知⇨乙号証証拠の提出 または 冒頭陳述⇨甲号証取調べ請求⇨乙号証取調べ請求⇨弁護人意見⇨証拠調べ決定⇨ ⇨甲号証要旨の告知⇨乙号証要旨の告知⇨甲号証証拠の提出⇨⇨乙号証証拠の提出 1.① 証拠調べの初めに、 検察官が証拠によって証明すべき事実を明らかにする (冒頭陳述、296 条)。なお、検察官の冒頭陳述の後で、 公判前整理手続が行われた事件においては被告人または弁護人も冒頭陳述をしなければならず (316条の30) それ以外の事件においては、裁判所は被告人又は弁護人に冒頭陳述を行うことを許すことができる(規則198条1項)。 ②次に、検察官が必要と考える証拠の取調べを請求する (298条1項、規則193条1項) なお、被告人又は弁護人は、検察官の証拠調べ請求が終わった後で、 自己の主張を立証すに必要な証拠の取調べを請求することになる (298条1項、 規則 193条2項)。 ③ 検察官の証拠調べ請求があった場合、裁判所は、相手方である被告人又はその弁護人の意見を聴かなければならない(規則 190条2項)。 この場合に、証拠書類について、被告人側が証拠能力を争わないときは、証拠とすることに同意をする (326条1項) ④ 裁判所は、③の意見聴取をした上で、証拠調べをする旨の決定(以下、「証拠調べ決定という)又は証拠調べ請求を却下する旨の決定のいずれかをしなければならない(規則190条1項)。 なお、当事者が証拠とすることに同意した証拠書類については、それが作成されたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、証拠調べ決定をする (326条1項)。 ⑤ 証拠調べ決定があった証拠について、証拠調べを実施する。証拠調べの方法については304 条ないし307条の2に規定がある。 証拠書類の取調べ方法としては、朗読(305条)またはこれに代えて要旨の告知 (規則 203条の2) を行う。 ⑥ 証拠調べの終わった証拠書類又は証拠物は、遅滞なく裁判所に提出しなければならない(310条)。