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民法 総則
22問 • 1年前
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    第1章 民法総説 1 民法総説

    民法の基本原則 ①所有権絶対の原則:自由競争の結果得られた財産は国家によって尊重・不可侵。財産権不可侵の原則 ​⇒ 憲法29Ⅰ、206。他の原則により制限あり―憲法29ⅡⅢ ② 契約自由の原則:当事者の自由な意思によって契約関係が形成される。私的自治の原則 (1) 改)521、522。締結・相手選択・内容の自由。一定の場合以外の方式の自由 ​要式行為​:一定の方式に従わないと成立しない行為。​(例)婚姻・遺言・保証・諾成的消費貸借 ​不要式行為​:意思表示以外に特別な方式を必要としない行為。​(例)一定の場合以外の契約・契約解除 (2) 制限:法令の制限内において 521、522 (3) 静的安全・動的安全:当事者の自由な意思に基づかないときに問題になる ∴静的安全が民法の原則​ (例)BがAの土地を無断でCに売却 ​静的安全:権利が動かない様に保護 ​⇒ ​(例)Aを保護。Cは所有権取得しない ​動的安全:権利が動く様に保護≒取引安全 ​⇒ ​(例)Cを保護。Aは所有権喪失 ​ ③過失責任の原則:故意または過失がある場合のみ行為者は責任を負う。 ​⇒ 不法行為709。例外-報償責任、危険責任 私権 ① 私権の分類 ⑴財産権:物権と債権 ⑵人格権:人格上の利益。名誉・プライバシー等 ⇒ 侵害があれば賠償請求可。709 ⑶ 形成権:一方的な意思表示だけで新たな権利を形成できる​(例)取消権・解除権 ⑷ 抗弁権:自分に対する権利の働きを阻止する権利≒防御​(例)同時履行の抗弁権 ② 物権と債権の違い ​物権:排他性あり(一つだけ)​・絶対性あり(誰にでも主張できる)​・優先的効力あり(債権より強い) ※抵当権は、第一抵当権1人だけ、第二抵当権も一人だけ、と考える ​債権:排他性なし(複数可)​・相対性あり(特定人に対してのみ主張できる)​・優先的効力なし(物権より弱い) ※優先的効力は物件のほうが債権よりも強いということ ③私権行使の制限:一般条項=抽象的基準しか定められていない条項 ⇒ 慎重に適用 ⑴公共の福祉1Ⅰ:原理を意味。Ⅱ、Ⅲが具体的な適用 ⑵ 信義誠実の原則1Ⅱ:信義則。信頼を裏切らないように誠意を持って行動。多様な原則の根拠。 ​⇒ 形式的に適用すると不当な場合に信義則で是正 ​・クリーンハンズの原則:法を守る者だけが法の保護を受けられる。 ​→クローンハンズの例:公序良俗違反90、不法原因給付708。典型事例は愛人契約 ​禁反言の原則:先行行為と矛盾する行為は禁止。消滅時効完成後の自認後の援用は禁反言により禁止される(判例) ⑶権利濫用の禁止1Ⅲ:権利者でも身勝手な権利主張不可 ⇒ 原則可。客観的に不当なら不可 ​濫用に当たる場合 ​⇒ 効果なし​:宇奈月温泉事件-温泉管外すか土地を高値で買え。 ​濫用+損害 ​⇒ 709可​:信玄公旗掛松事件。鉄道が松を枯らした。国に対する損害賠償を認めた。 ​濫用が著しい ​⇒ 権利剥奪​:虐待・遺棄等による親権喪失834 ⑷自力救済の禁止:権利者でも実力行使は原則、違法。自力救済行為は709を構成 ∵ 秩序維持

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    第2章 私権の主体

    ・人:権利義務の主体となる ​ 自然人​:人間のこと。権利能力、意思能力及び行為能力があるもの  ​法人​:自然人以外で、法が権利義務の主体となる地位を与えたもの 1 自然人 権利能力 ① 権利能力:私法上の権利義務の主体となる地位。 ※胎児・失踪が権利能力で問題となる。 ​⇒ なければ一切の権利義務がない。幼児や未成年者、認知症を含む生きている人間はすべて権利能力者である。 ②始期:出生に始まる3Ⅰ。出生届等は無関係 ​一部露出:刑法。​(例)手だけ露出で傷つけても傷害 ​全部露出:民法。​∵ 出生擬制によりさまざまな権利が認められるので不都合なし Q 胎児 ​原則:権利能力なし ​例外 Aランク:不法行為の損害賠償請求721・相続886・遺贈=出生擬制(既に生まれたものとみなす) ​+ 母の承認があれば認知も可783Ⅰ Q 出生擬制の意義 ​解除条件説:胎児のままで権利能力を取得し、死体で生まれれば遡って権利能力を失う ⇒ 胎児の段階で代理可。​死産が721等の解除条件 ​停止条件説:胎児のままでは権利能力を持たず、生きてうまれれば遡って権利能力を得る(判例) ⇒ 胎児の段階で代理不可。​生きて生まれることが721等の停止条件 (→損害賠償や相続は出生擬制のため不都合なし) ・​解除条件:条件を満たせば解除。​効果消滅の要件となっている条件​(例)合格したら車返せ ​・停止条件:条件を満たすまで停止。​効果発生の要件となっている条件​(例)合格したら車あげる ③ 終期:死亡でのみ終了 ※​認定死亡は戸籍法上の話。生きてれば当然効力はなし。 ​・同時死亡の推定32の2 B+ ​推定​:わからないとこうなる​⇒反証可能 。つまり、 証拠で異なる結論にできる。 ​擬制=みなす​:事実に反してもこうなる ​⇒ 反証することができない。典型として、出生擬制。 ⑴趣旨:死亡の先後により相続の内容が異なる場合の紛争回避 ​(例)父子同時死亡 ​⇒ 法定相続分:子=2分の1、親=3分の1、兄弟姉妹=4分の1。配偶者=左記以外 ⑵要件:複数が死亡+先後不明 ⑶効果:同時に死亡と推定 ⇒ 死者間に相続なし。代襲相続あり887Ⅱ。遺贈は失効994Ⅰ ​・失踪宣告30:一定の条件のもと家裁が失踪の宣告をすると、死亡したものとみなす ​⇒ 法律関係の安定のため。特に財産・婚姻等。権利能力は奪われない(どこかで生きていて契約をすればその契約は有効) ①要件 ⑴ 一定期間継続して生死不明 普通失踪30Ⅰの期間は生存の証明がある時から7年間、死亡とみなされるのはこの期間満了時から 特別失踪30Ⅱの期間は危難が去った後一年間で、死亡とみなされるのはその危難が去った後から ※いつから死亡と見做されるかは短答で出る ⑵利害関係人の(家庭裁判所への)請求:=法律上の利害関係人 〇配偶者・相続人 × 内縁・債権者 ② 効果=死亡したものとみなす31: 相続開始・配偶者の再婚可・異なる主張は取消請求(32)でのみ可 ​・失踪宣告の取消32 ①要件:生存または異なる時に死亡 + 本人または利害関係人の請求 ②効果:遡及効の原則(過去に遡り最初からなかった。不当利得703の問題となる)。 但し、遡及効の制限 ⑴善意の行為の有効32Ⅰ後:宣告後、取消前に善意でした行為。外観保護・善意者保護の規定。 例:A失踪宣言。B善意で相続。Cが善意で売買で取得。Cは保護される。 Q 財産取得行為における善意: 双方善意(判例) →上記例では、Cが保護されるには相続人Bと譲受人C双方が善意である必要がある ∵ 失踪者は取消しても不利益を受けるので双方善意という高いハードルを設けている ​⇒ 直接取得者は善意でも返還義務あり。∵ 外観保護・善意者保護-失踪宣告を信じたからではない Q 転得者(第三者からの取得者) 悪意の場合(相続人や第三者は善意で転得者だけ悪意):絶対的構成。一旦、相続人と第三者が双方善意で遡及効が制限されたら、それ以降は悪意者が出てきても遡及効は制限されて取引は有効になる ∵ 法律関係の早期安定と簡明さ ​・相対的:人ごとに判断する ・​絶対的:誰に対しても効力が及ぶ≒対世効 Q 身分行為(婚姻等)への取り消しの遡及効の適用:不適用。後婚のみ有効 ∵ 前婚復活は不合理 ⑴ 直接取得者の返還義務の範囲の例外32Ⅱ後:直接取得者は現存利益のみ返還 Q ・直接取得者= 失踪の宣告によって財産を得た者:直接の原因。 〇相続人・受遺者・生命保険受取人 ​⇒ 別個の行為:×相続人からの譲受人・転得者。条件を満たせば32Ⅰ後 Q ・現存利益:現に残っている。費消を除く。 ・現存利益に当たる= 生活費・借金返済・預金 ・現存利益に当たらない= 盗難・ギャンブル等 Q 32Ⅱの適用範囲:善意(過失は問わない)。悪意者(生きていたことを知っていた)は704。 意思能力 ①意思能力:当事者が法律行為を行った結果を理解するに足る精神能力 ②欠缺の効果:改)3の2。無効 ​⇒ 幼児、重度の認知症、泥酔者 行為能力 A+ ①背景:3の2は個別に判断 ⇒ 証明困難 ∴ 意思無能力者の不利益・取引安全からわかりやすく ②行為能力制度:行為能力が制限されていることが外から見てわかる + 立証が容易=登記(公開帳簿に記載。取引安全)できる ​ ・行為能力あり​:通常の(=制限行為能力者以外の)成人 ​・行為能力が制限​:制限行為能力者=意思能力が完全でない者。保護者を設置。 ③行為能力:単独で確定的に有効な法律行為をなしうる能力 ※書けるように A+ ​⇒ 保護者なし&取消せない。 制限行為能力者が単独で行った行為は原則として、取消可 ​・法律行為:(権利変動を欲する)意思表示に対応する法律効果が発生する行為​(例)契約、遺言、婚姻 ​・事実行為:意思表示なくして法律効果が発生する行為(私法)​(例)事務管理、拾得、加工 Q制限行為能力者の無効と取消の二重効は認められるか。 →認められる。どちらも主張できる ∵ 保護に資する ※例えば、制限行為能力者が重度の認知症であるなどして意思無能力者の場合。 ④制限行為能力者とその比較 写真 ⑤ 制限行為能力者と身分行為:単独で可 ∵ 本人の意思の尊重 ⑴ 未成年​:認知は単独で可780、改) ※婚姻は父母の同意が必要という規定737は削除ああれた ⑵ 成年被後見人​:認知は単独で可780、婚姻は単独で可738、離婚は単独で可764 制限行為能力者の相手方の保護 ①背景:制限行為能力者は原則、取消を可能とすることで保護される ⇒ 相手方は取消される不安定な地位におかれる ②短期消滅時効126:追認できる時から5年 ・ 行為の時から20年で取消権消滅 ​(例)親が知ってから5年or 本人が23歳に(18歳で成人+5年) (早いほう) ​⇒ 制限行為能力者は行為能力者になれる。審判取消10 ・ 成人。本人は追認可120、122、124 ③相手方の催告権20: 単独で追認可 ⇒ 追認擬制   単独で追認不可 ⇒ 取消擬制 ⑴ 本人に対する催告・無確答の場合の効果 ⅰ 未成年者:  行為能力制限時⇒催告無効     成年後    ⇒追認擬制 ⅱ 成年被後見人:  行為能力制限時⇒ 催告無効  審判取消後  ⇒ 追認擬制 ⅲ 被保佐人  行為能力制限時 ⇒ 取消擬制     審判取消後   ⇒ 追認擬制 ⅳ 被補助人  行為能力制限時 ⇒ 取消擬制   審判取消後   ⇒ 追認擬制 ⑵ 保護者に対する催告・無確答の場合の効果 ⅰ 親権者→追認擬制 ⅱ未成年後見人→追認擬制(未成年後見監督人の同意が必要である場合 ⇒ 取消20Ⅲ) ⅲ成年後見人→追認擬制(成年後見監督人の同意が必要である場合⇒取消20Ⅲ) ⅳ保佐人→追認擬制 ⅴ補助人→追認擬制 ④ 詐術による取消権の排除21:制限行為能力者側は取消不可 Q 詐術とは:〇積極・×消極 ⇒ ×単なる黙秘。ただし、他の言動と相まって相手方を誤信させた場合は詐術に当たる。 ​(例)未成年者がタバコを吸っていて成人と誤信 + 誤信がなければ不適用(相手方が未成年だと知っていて契約等をした場合→取消権は排除されない) ⑤法定追認125:追認擬制。一部履行や請求があると追認したことになる

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    表 制限行為能力者とその比較

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    2 法人 Cランク  (出るなら会社法)

    ① 法人:自然人以外のもので、法律上、権利義務の主体たりうるもの ​⇒ 自然人とは別個の存在。権利義務は法人に帰属、構成員(従業員)・株主・代表(社長)等にはない ②法人の分類 ​社団​:一定の目的のもとに結集した人の集合 ​財団​:一定の目的のために提供された財産の集合 ​私法人​:私的な目的のために設立された法人​(例)公法人以外 ​公法人​:公的な目的のために設立された法人​(例)地方公共団体、公庫、 ​ 営利法人​:営利(=利益を得て構成員に分配)を目的とした法人​(例)株式会社、合同会社 ​非営利法人​:営利を目的としない法人。一般法人​(例)一般社団法人、一般財団法人 ​公益法人​:一般法人のうち特に公益事業を実施し公益認定を受けた ③法人の設立:法人法定主義33-法律の規定による。設立登記主義36-法律の定める登記により ​⇒ 特許主義-特別の法律。日銀 ・ 強制主義-国が強制。日弁連 ・ 認可主義-要件具備+必ず認可。学校 ​⇒ 許可主義-自由に。公益法人 ・ 認証主義-要件具備+確認  ・ 準則主義-要件具備で当然に。会社 ④ 法人の権利能力34 (B+):法人の権利義務は代表者を通して行使される。法人の代表者ではなく法人そのもの ​・性質による制限​: ×親権・婚姻・養子縁組・生命・身体上の自由。〇名誉及び信用等の人格権 ​・法令による制限34​:×他の一般法人の役員及び株式会社の取締役・監査役就任(会331・335) ​・目的による制限34​:定款(会社の基本事項を定める)等の目的の範囲内に制限 ⑤ 法人の行為能力34:法人のできる行為の種類? ⇒ 目的の範囲内34 ​・目的を遂行するために直接又は間接に必要な行為全て+客観的な性質に即して抽象的に判断(判例)  ※「間接」「抽象的」がポイント ​(例)目的は鉄道運営の会社でも、石炭の採掘可、政治献も金可 ⇒ ほぼ全て可 権利能力なき社団 (Aランク) ①権利能力なき社団:社団の実態を有するが法人格がない(登記していない)(例)サークル、学会 ​⇒法人と同じように社会において活動 ∴ できるだけ法人と同様に扱う ・ 法人の規定を類推する ②要件(判例) ⑴団体としての組織を備えている ⑵多数決の原則 ⑶構成員の変更にもかかわらず、団体そのものが存続 ⑷代表の方法・総会の運営・財産の管理その他団体としての主要な点が確立 ③財産:財産は構成員全員に総有的に帰属(判例) ⑴共同所有の形態 ⇒ 法人財産は法人の単独所有 ・​共有:共同所有の原則形態。具体的持分(自由にできる自分の所有権の割合)あり ・​合有:潜在的持分(脱退するときのみの所有権の割合。脱退時以外は潜在)あり ・​総有:具体的持分・潜在的持分共にない 表:写真 ​・組合:複数人が共同の事業を営むために出資する契約・団体 ​⇒ 社団との違い?:社団=構成員が社団と結合。 ​組合=構成員各自が直接・対等に結合 ⑵権能なき社団代表者が社団の名で行った取引の債務:総有的に帰属。個人の負担はなし。社団財産のみ ⑶不動産の登記(判例):代表者の個人名または構成員全員の共有名義でないと登記はできない ⇒ ×団体名・肩書付 ⑷ 銀行預金:実務上、肩書付代表者名義可 ➢ 員外貸付: (事案)非営利法人の労働金庫が会員外の人(非会員A)に貸付。Aの土地に抵当権を設定。Bが競売で落札。Aが員外貸付を理由に抵当権の無効を主張。 (争点)1.員外貸付の効力。2.員外貸付無効の場合の所有権 (結論)1.労働金庫の目的の範囲外のため員外貸付は無効。2.上記の事情の下、第三者が競落。1Ⅱ(信義則)で競落による所有権否定はできない。

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    第三章 私権の客体

    ・私権の客体:権利の対象物権・債権・知的財産権・人格権における人格的利益等 ​⇒物に限られない。物だけ特別に規定 1 物 (Aランク) ​・意義85:民法の物=有体物 ⇒(通説)個体・液体・気体。電気等も含む(判例。排他的支配の可能性) 物の分類86 ​不動産​:土地及びその定着物 ​動産​:不動産以外の物 ①不動産 ⑴土地​:一筆の土地=登記簿の記載による一個の物 ⇒ 一筆の土地の一部を時効取得・所有権移転可 ⑵ 定着物​:継続的に固着して使用≒一部。​(例)〇樹木・取外し困難な庭石。​×仮植中の樹木 ​⇒ 立木法によって登記(≒明認方法)-別個独立の不動産。木-動産・土地の一部・独立の不動産 ⑶建物​:土地の定着物。常に土地から別個独立した不動産=一部ではない + 土地とは別に登記 ②動産:不動産以外の物​(例)仮植中の樹木・金銭・本・時計 ​・金銭:所有権は特段の事情のない限り占有と共に移転。⇒ 動産の即時取得192以下不適用 ​主物:2個の独立した物が互いに経済的効用を補っている場合に、補われている物 ​(例)家屋 ​従物:2個の独立した物が互いに経済的効用を補っている場合に、補っている物 ​(例)エアコン ① 主物の要件87:従物が付属している物 ※主物と従物は事例で覚える ② 従物の要件87 (⑴〜⑷) ⑴ 主物の常用に供する物​:経済的効用を継続的に助ける​(例)車のETC ⑵特定の主物に従属する​:場所的に緊密な関係​(例)ガソリンスタンド=主+敷地の地下タンク(判例) ⑶独立した物​:×主物の構成部分​(例)〇畳・襖・障子・石灯篭・取外可の庭石 ×玄関ドア ⑷主物と同一所有者​:(判例) ​⇒ 他人が付属させた場合も可 ③効果87Ⅱ:別段の意思表示なき限り、従物は主物の処分(法律行為)に従う​(例)売買・抵当権 ー Q 従たる権利:87類推適用 (例)借地上の建物所有権が譲渡 ⇒ 借地権も譲渡 ​・元物88 (Cランク):果実を生ずる物​(例)牛・鉱山・建物 ​・果実  :物より生ずる経済的収益 ​  天然果実:物の用法に従い収取する産出物​(例)牛乳・鉱物 ​  法定果実:物の使用の対価として受けるべき金銭等の物​(例)家賃・利息 ​⇒ 果実は収取権者が取得。法定果実は日割り 2 不動産と動産の区別 A+ •不動産 登記177 対抗要件 公信力 なし ・動産 対抗要件 引渡178 公信力  即時取得192 ① 対抗要件:当事者間で成立した物権変動を第三者に対して対抗(≒主張)するための法律要件 ​・物権 ​⇒ 物に直接的・排他的支配​(例)使用・収益・処分+一人だけ ​・物権的請求権 ​⇒ 他人(≒第三者)に物権侵害をやめさせる​(例)他人が土地を占拠 ​・対抗要件 ​⇒「177の第三者」に対して物権を対抗できる​(例)二重譲渡 ​・177の第三者:当事者及びその包括承継人以外の者で登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者 ​ ・対抗要件あり=完全な物権or排他性のある ⇒ 177の第三者に対抗可+原所有者が更に第三者に売買したら他人物売買になる ​ ・対抗要件なし=単なる物権or排他性のない ⇒ 177の第三者に対抗不可=物権は177の第三者に ​・178の第三者:当事者及びその包括承継人以外の者で引渡の欠缺を主張する正当な利益を有する者 ②公信力:外形を信頼して取引に入ったものにその信頼通りの効果を認める

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    第四章 私権の変動 B+

    ​・私権の変動:私法上の権利の発生・変更・消滅​(例)契約・所有権 1 法律要件の分類 (Bランク) ​・法律関係:「法律要件があるならば 法律効果が発生する」 ⇒ 法律効果の具体的内容=私権の変動 ​法律要件:法律事実(=個々の法律要件を構成する事実。申込・承諾、死亡等)から成る ​事件​:人の精神作用に基づかない事実により法理効果を発生させる ​(例)死亡、物の滅失(地震で建物倒壊等) ​準法律行為​:意思表示によらずに法律効果を発生させる(意思自体はある) ⇒ 個別に検討? ​法律行為​(B+):意思表示を要素とする法律要件で意思表示の内容通りの法律効果が生じる ​・単独行為​:1つの意思表示によって成立する法律行為​(例)取消・解除・遺言 ​・契約​:2人以上の意思表示の合致によって ​・合同行為​:同一方向に向けられた複数の意思表示によって​(例)一般社団法人の設立 ① 準法律行為の分類 ​・意思の通知:意思表示と異なる法律効果が生じる ​(例)催告(追認または取消になる)。受領の拒絶 ​・観念の通知:一定の事実の通知により法律効果が生じる ​(例)代理権授与の表示。467 ②契約の分類 ​・有償契約:当事者が互いに対価的意味を有する出捐(しゅつえん)をする契約​(例)売買、賃貸借 ​・無償契約:当事者が互いに対価的意味を有しない出捐をする契約​(例)贈与、使用貸借 ​⇒ 有償契約は売買の規定が準用。対価的意義の出捐という実質面に着目 ・​双務契約:当事者が互いに対価的意義を有する債務を負担する契約​(例)売買、賃貸借 ​・片務契約:一方のみ債務負担又は双方が債務負担するが対価的意義を有しない​(例)贈与、使用貸借 ​⇒ 専ら双務契約に同時履行の抗弁権・危険負担が適用。債務負担の有無という形式面に着目 ​・要物契約:当事者の合意のほかに給付をなすことを成立要件とする契約​(例)消費貸借 ​・諾成契約:当事者の合意のみによって成立する契約​(例)要物契約以外 ・​典型契約​:民法の定める13種類の契約。有名契約 ​・非典型契約​:典型契約以外の契約。無名契約 ​・要式契約​:契約の成立に一定の方式が必要となる契約​(例)保証契約 ​・不要式契約​:契約の成立に一定の方式を必要としない契約​(例)要式契約以外 ③有償無償と双務片務 ・有償契約   双務契約:売買契約等   片務契約:利息付消費貸借契約 ・無償契約   双務契約:なし(双務ならば有償)   片務契約:使用貸借(貸主は無償で貸しているが変換されない等のリスクを負うので片務)・贈与等 ※片務有償契約は利息付消費貸借契約だけ。契約成立時点で給付がなされており、借主が貸金返還と利息支払債務を負っているだけなので片務契約となる。また、利息がもらえるというメリットがあるので対価的意義有りとなり有償契約となる 2 契約の成立要件​ ①契約の成立要件522:申込と承諾の意思表示の合致 以下、Bランク ​・表示の合致・意思の合致​(例)Aを売る+それ(内心でA)を買う ​・表示の合致・意思の不一致​(例)Aを売る+それ(内心でB)を買う ​・意思の合致・表示の不一致​(例)Aを売る+B(内心でA)を買う ​・意思の不一致・表示の不一致​(例)Aを売る+B(内心でB)を買う ​⇒ 表示・意思共に不一致の場合のみ不成立(=不一致は錯誤の問題)(通説)。​意思の合致が必要(判例)

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    第五章 主観的有効要件 A+

    1 意思表示 ①意思表示:権利変動を欲する意思を表示する行為 ​⇒ 法律行為の構成要素 ∴ なければ法律行為は成立しない ② 意思表示の構造 動機→効果意思→表示意思→表示行為 →相手方 ⑴ 動機​:動機は意思表示ではない。意思表示=⑵~⑷​(例)絵が欲しい ⑵ 効果意思​:効果を発生しようという意思​(例)絵を買おうと思う ⑶表示意思​:表示しようという意思​(例)絵を買おうと言おうと思う ⑷表示行為​:表示する行為​(例)絵を買うと言った ③意思表示の相手方 ⑴効力発生時97Ⅰ:改)原則、到達主義=相手方に到達した時。​(例)手紙。表白→発信→到達→了知 ​・到達:相手方の支配圏内に入ること​(判例)相手方の郵便受けに入る・同居の親族が受取る ​・例外:発信主義20。行為能力者となった者に対する催告への確答 ⇒ 発しないと追認擬制 ⑵到達擬制97Ⅱ:相手方が到達を妨げた​(判例)内容証明郵便の受領拒否 ⑶受領能力98の2改):​×意思無能力者・未成年者・成年被後見人。​〇被保佐人・被補助人 ​・欠缺の効果=効力なし。  ただし、法定代理人が知った場合、行為能力者になった場合はその時点から効力が発生する ④意思表示発信後の問題 ⑴撤回​:到達後は不可、ただし523(各論で学ぶ)。到達前は可。 ⑵発信後の表意者の死亡・意思能力喪失・行為能力制限 改)97Ⅲ​:効力あり。ただし526(各論で学ぶ) ⑤ 正常でない意思表示≒不存在及び瑕疵のある意思表示 ※写真 全部覚えること 2 心裡留保93 ①心裡留保:表示行為に対応する効果意思なく行う意思表示​(例)ベンツを50万で売る(嘘) ②効果:原則、有効 ​例外: 相手方が悪意または善意有過失の場合、無効 ​⇒ 本人の帰責性が大きい ∴ 相手方保護 ③第三者保護:例外の場合でも、善意の第三者に対抗できない ⑴93条2項の第三者:当事者以外の者で意思表示の目的に法律上の利害関係を有するに至った者 ​⇒ (例)相手方からの目的物の取得者。当事者は普通包括承継人等も含む ⑵善意:善意であればよい。心裡留保の第三者は無過失・対抗要件共に不要 ∵ 権利外観法理 ・権利外観法理=外観法理・表見法理・外観理論等 ⑴虚偽の外観作出につき​(例)する気のない契約をする ⑵帰責性ある権利者の犠牲の下​(例)表意者が嘘をついた ⑶かかる外観を信頼した第三者を保護する​(例)信頼した第三者には有効 ④身分行為への適用:婚姻・縁組等には不適用(判例) ⑤改)善意悪意の対象: 改正前)表意者の真意  改正後)真意と異なる事+93Ⅱ 3 通謀虚偽表示94 ①通謀虚偽表示:当事者間に意思表示の効果不発生の合意(通謀)がある意思表示​(例)財産隠し ⑴ 虚偽の意思表示:虚偽の外形有+意思なし ⑵ 相手方との通謀:〇単独行為(解除・共有持分放棄等)・合同行為  ​×身分行為∵虚偽の意思表示ならそもそも無効 ②効果:無効 ⇒ 相互に返還 ③第三者保護:善意の第三者に対抗できない ∵ 権利外観法理 ⑴ 94条2項の第三者​:当事者以外の者で虚偽表示の目的について法律上の利害関係を有するに至った者 ⑵ 対抗できない​:主張不可 ≒ 権利者が第三者に無効主張不可 ※第三者が無効主張することはできる ⑶ 法定承継取得説​:表意者から第三者へ直接権利移転(判例) ​⇒ 第三者への権利行使不可の反射的効果として ∴ 虚偽表示が有効になり・相手方が権利取得するわけではない ※A Bで虚偽表示、CがBから譲受の場合、AからCに直接移転と考える ④ 94Ⅱの第三者の区別 ⇒ 定義 ∴ ×当事者類似・土地と建物は別・何もしてない ​・94Ⅱの第三者にあたる例 ⑴不動産の仮装譲受人からの転得者 ⑵不動産の仮装譲受人から抵当権を取得した者 ⑶仮装の抵当権者からの転抵当権者 ⑷虚偽表示の目的物の差押債権者 ⑸仮装債権の譲受人 ​・94Ⅱの第三者にあたらない例 ⑴1番抵当権が仮装放棄され、順位が上昇したと誤信した2番抵当権者 ​∵ 何もしてない →1番抵当権者は譲渡の虚偽表示による無効を二番抵当権者に主張できる ※ ⑵代理人が虚偽表示した場合の本人 ​∵ 当事者類似 ⑶債権の仮装譲受人から取立のために債権を譲り受けた者 ​∵ 当事者類似 ※Aが甲に対して債権。AはBに仮装譲渡。BはCに取り立て依頼。甲は虚偽表示による無効をCに主張。Cは94②の第三者を主張。→cは94②の第三者に当たらない。Cは取り立てのため債権譲渡されている=代理人類似であることがポイント。 ⑷仮装譲受人の単なる債権者  ​∵ 何もしてない ※差押債権者は差し押さえという行為をしているので94②の第三者に当たる ⑸ 仮装譲渡された債権の債務者​∵ 何もしてない ※AがCに債権。AがBに債権を仮装譲渡。その後AがCに請求した場合、Cは94②の第三者として請求を拒めるか→拒めない ⑹土地が仮装譲渡された場合の建物の賃借人 ​∵ 土地と建物は別 ※AがBに土地を仮装譲渡。Bが土地上に建物を建設(Bは建物の正当な所有権を有する)。CがBの建物を賃借。Aが94①の無効を主張してCに退去を要求。Cは94②の第三者として賃借権の有効性を主張。 →Cは94②の第三者に当たらず、退去しなければならない ⑺建物が仮装譲渡された場合の土地の賃貸人​∵ 何もしてない+土地と建物は別 ※ AがBに土地を正当に賃貸。Bは土地上に建物を建設。BはCと建物の虚偽表示の売買契約を締結。AがCに対して退去を請求。  →Aは無断譲渡により土地賃貸借契約を解除(612②)(87②類推により建物譲渡に従い従たる権利である賃借権も譲渡されことになるため賃借権の無断譲渡に当たる) →CはB C間の売買は94①で無効と主張。BC売買が無効となれば無断譲渡はなかったこととなる。 →Aは自分が94②の第三者であると主張 →Aは94②の第三者に当たらず、解除はできず、 Cは住み続けることができる(判例) Q 94Ⅱの第三者の保護要件 →94条第二項が出てきたら保護要件と登記の要否をすぐに思い出す。他の条文でも同じように論点が思い出せるように。 ⑴無過失の要否​:無過失不要=善意であればよい ∵ 帰責性が大きい ⑵登記の要否​:=不要 ∵ 帰責性が大きい + 前主後主の関係∴対抗関係にない + 文言(登記が必要とは書いていない) Q 第三者からの転得者 ⑴第三者悪意・転得者善意:転得者も保護 ∵ 取引安全の要請は直接の場合と異ならない ⑵ 第三者善意・転得者悪意:絶対的構成=転得者保護 ∵ 法律関係の早期安定。わら人形は1Ⅱで否定 94Ⅱ類推適用 例)Aが自分の土地を無断でBに移転登記。BはCに譲渡。→A Bに通謀なしなので94の場面ではない→権利外観法理で処理 ​・場面:94Ⅰなし∴適用なし​(例)無断で所有権移転登記 ​⇒ 取引安全が害される。権利外観法理から類推適用 ⅰ意思外形対応型(外形自己作出型) 差押回避目的で権利者自ら他人に所有権登記移転 保護される人:善意=94Ⅱ類推適用 ⅱ意思外形対応型(外形他人作出型) 他人が印鑑等を使用し無断で所有権移転登記、後に権利者が明示または黙示に承認 保護される人:善意=94Ⅱ類推適用 ⅲ意思外形非対応型 AB間で不動産売買予約を仮装で仮登記、後にBが無断で所有権移転登記 保護される人:善意無過失=94Ⅱ・110類推適用 ⅳ第三類型(外形与因型) 騙されて登記申請書類を交付し、後に所有権移転登記を無断でされた 保護される人:善意無過失=94Ⅱ・110類推適用 4 錯誤 ① 錯誤95改):効果意思と表示の不一致を表意者自身が知らない場合 ※不一致を表意者が知っていたら心裡留保 ② 分類:⑴と⑵は意思と表示が一致で区別(ここがポイント) ⑴表示の錯誤95Ⅰ①:表示に対応する意思を欠く。意思の不存在。意思表示に問題 ​ 表示上の錯誤​:意図しない表示​(例)100円を100ドルと言った≒言い間違い ​ 内容の錯誤​:意図した表示だがその内容を誤解​(例)ドル=円⇒100ドルで買うと言った ⑵動機の錯誤95Ⅰ②:意思通りの表示で意思形成の過程に瑕疵。瑕疵ある意思。動機に問題。事実錯誤 ​ 理由の錯誤:表示を行った理由を錯誤​(例)土地が値上り∴買った​⇒値上りなし ​ 性質の錯誤:表示を行った人や物の性質を錯誤​(例)ゴッホの絵だから買った​⇒偽物 ③効果95Ⅰ:取消できる ⇒ 取消されれば最初から無効 ∵ 表意者保護 ⑴取消権者​:表意者本人またはその代理人もしくは包括承継人 ⇒ 表意者は追認可122 ⑵取消権の期間制限126​:追認できる時から5年、行為時から20年、 ④要件 共通する要件 ⑴意思表示が⑷又は⑸の錯誤に基づく=錯誤と意思表示の因果関係 ⑵錯誤が客観的に重要なもの ⑶ 重過失がない=無重過失 表示の錯誤特有の要件 ⑷ 意思表示に対応する意思を欠く錯誤 動機の錯誤に特有の要件 ⑸ 基礎事情が真実に反する錯誤 ⑹ 基礎事情の表示 ⑴因果関係:95Ⅰ。表意者が⑷または⑸の錯誤に陥らなければ意思表示をしなかった ⑵重要なもの:95Ⅰ。通常一般人の視点で判断(以下判例)∵ 取引安全 ​ 売買契約-特段の事情(〇買主の債務履行を重視)を除き、×売主・買主の素性 ​ 消費貸借-×貸主の素性。〇借主の素性 ​ 保証契約-〇主たる債務者の素性 ⑶重過失がない95Ⅲ:重過失≒通常人であれば錯誤に陥らないが著しい不注意で錯誤に陥った場合 ​・原則:表意者が重過失あり ⇒ 取消しできない ∵ 相手方保護​(例)通常確認するがしない ​・例外:表意者重過失ありでも取消できる ​ ・錯誤について相手方悪意または善意重過失 ​∵ 趣旨が妥当しない ​ ・共通錯誤=表意者と相手方が同一の錯誤に陥る​(例)当事者間で土地が値上がりすると確信 ⑷表示の錯誤=表示に対応する効果意思なし ⑸動機の錯誤=法律行為の基礎とした事情(=基礎事情)が真実に反する=動機の錯誤。事実錯誤 ​⇒ 意思表示のとき真偽不確定は基礎事情でない​(例)〇駅設置計画あり →基礎事情に当たる ∴×土地値上がり→基礎事情に当たらない ⑹ 表示:法律行為の基礎であると表示 ⇒ 黙示的も可(判例) →上の例では駅の設置計画を表示するということ ⑤第三者保護:善意無過失の第三者に対抗できない ⇒ 詐欺と同様 5 詐欺96 ①詐欺:人を欺罔して錯誤に陥らせる行為 ② 要件 ⑴違法な欺罔行為:社会通念上相当でない方法によって人をだます ⇒ 〇セールストークは社会通念上相当。。総合的判断 ⑵ 欺罔行為により表意者が錯誤:欺罔行為と錯誤との因果関係 ⑶ 錯誤により意思表示:錯誤と意思表示との因果関係 ⑷ 故意:錯誤に陥らせる⑴⑵ + 当該錯誤に基づいて意思表示させる⑶ ③ 効果:取消できる ∵ 被詐欺者の保護 ⇒ 他は錯誤同様 ④ 第三者詐欺96Ⅱ:相手方悪意または善意有過失なら取消し可能(≒心裡留保(心裡留保の場合は無効)) ⇒ 相手方善意無過失のみ取消不可 ⑤第三者保護:善意無過失の第三者に対抗できない96Ⅲ ⇒ 錯誤も同様95Ⅳ ⑴ 趣旨:取消の遡及効から第三者を保護する+取引安全 ⇒ 錯誤 ∴ 93・94より低い帰責性 ⑵ 95Ⅳ・96Ⅲの第三者:意思表示が有効である間に、新たに法律上の利害関係を有するに至った者 ​⇒ 〇新たな譲受者・差押債権者・抵当権設定者。​×一般債権者・単なる後順位抵当権者 ⑶ 善意無過失:95Ⅳ・96Ⅲ ∵ 帰責性 ∴要件加重 Q 登記の要否:不要(判)∵ 必要とする理由がない  Q 96Ⅲの第三者の範囲:取消前の第三者 ∵ 趣旨・定義 ⇒ 取消後の第三者は96Ⅲの第三者ではない Q 取消後の第三者:177。対抗要件によって優劣を決する。復帰的物権変動 ⇒ 悪意者も保護 ∵ 登記と実体はできるだけ一致。×背信的悪意者≒嫌がらせ 6 強迫96 101 強迫:違法に相手方を畏怖させて意思表示をさせる行為(脅迫-刑と区別) 102 要件 (130) 違法な強迫行為:自由な意思形成を妨げる程度 ⇒ 意思選択の自由が奪われる=不存在∴無効(判) Q 犯罪の告発:手段は正当。不当な利益目的なら目的不当 ∴ 違法(判)​(例)万引き犯に猥褻 (131) 強迫により表意者が畏怖​:⑴と畏怖に因果関係 (132) 表意者が畏怖により意思表示​:⑵と意思表示に因果関係 (133) 強迫者に故意​:畏怖させようとする故意 ・ 畏怖に基づいて意思表示をさせる故意 103 効果:取消できる ∵ 被強迫者を保護 ⇒ 他は錯誤・詐欺同様 120Ⅱ・122・126 104 第三者保護​:規定なし=善意無過失の第三者にも対抗可 (134) 趣旨​:帰責性が詐欺よりも少ない=保護の必要性が高い (135) 第三者強迫​:取消できる(要件なし) ∵ 保護の必要性が高い (136) 取消後の第三者​:177の対抗問題(錯誤・詐欺・強迫) (137) 動産の場合​:即時取得192の類推適用

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    第六章 客観的有効要件

    ・(契約の)客観的有効要件(Bランク):内容に関する有効要件: 確定性・適法性91・社会的妥当性90(通説) ​⇒ 欠缺の効果:無効 欠缺なければ(代理・条件・期限も)契約有効 1 確定性 ①確定性​:法律行為の内容が確定可能 ⇒ 内容が不確定なら無効 (例)×土地を売るよ ⑴補充的契約解釈​:解釈で確定可能なら可       (例)〇土地売るよ=甲地を1億で売るよ ⑵確定の範囲​:全部でなく重要部分でも可(判) ②実現可能性​:改)原始的不能及び後発的不能も可412の2② ​⇒ 改正前)不能を原始的・後発的と区別。原始的不能は契約不成立 ※原始的不能の例:遠隔地の別荘を売買したがすでに倒壊していた ③経済性​:不要。399  例:大きな音を出さない契約 2 適法性 ①適法性91:違法な法律行為でないこと - 原則契約自由(任意規定)。例外無効(強行規定) ​⇒ 91:任意規定は意思表示で自由にできるの反対解釈 ⑴強行規定:排除できない公の秩序に関する規定 ​⇒ 法の趣旨から。​ 物権法:強行規定が主 債権法:任意規定が主 ➢ やむをえない事由があっても脱退不可という組合契約の効力:678強行規定違反で無効 ⑵取締規定:行政目的で私法上の行為を制限する規定。倫理的に不法でない​(例)免許・名板貸 3 社会的妥当性 ①社会的妥当性90:公序良俗=公の秩序又は善良の風俗 に反しない ⑴一般条項:極度に抽象的な文言によって一般的に要件が定められた規定 ⇒ 危険 ∴ 最終手段 ⑵例:暴利・差別・犯罪(談合・盗品売買)・芸娼妓(げいしょうぎ)契約(人身売買・妾契約・売春)・射幸(賭博) ②効果:無効 ⇒ 絶対的無効。追認不可 ③判断対象:前)事項を目的とする ⇒ 改)削除=内容のみならず過程等の事情も考慮 ∴ ×動機の不法 Q 動機の不法(〇内容・×動機。賭博のため借金)の効力:動機が相手方に表示 ⇒ 無効 ∵ 取引安全(判例)→「賭博のために借金したい」は無効、単に「お金を借りたい」と言って実は賭博目的であった場合は有効 Q 判断時期:基準時。法律行為がされた時点 ➢ 概要:証券会社が損失補填。当時合法・現在違法。 ​判例:当時合法なので契約有効。    ただし、履行請求は履行時の法律に反するので不可

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    第七章 有効要件の欠缺 Aランク

    1 有効要件の欠缺(欠陥・不存在) Aランク 有効要件欠缺の場合=無効や取消しになった場合 ①無効原因 ⑴表意者が意思無能力であった場合3の2 ⑵公序良俗違反の法律行為90 ⑶強行規定違反の法律行為91反 ⑷心裡留保による意思表示の相手方が悪意または有過失の場合93Ⅰ但 ⑸通謀虚偽表示94Ⅰ ②取消原因 ⑴制限行為能力者による法律行為5Ⅱ・9・13Ⅳ・17Ⅳ ⑵錯誤・詐欺・強迫による意思表示95ⅠⅡ・96ⅠⅡ ③効力を生じない≒無効:無権代理113Ⅰ・保証契約の書面446Ⅱ・遺言の方式968Ⅲ 無効と取消の原則的相違点 ​・共通:法律行為の効力を否定 ・無効 意思表示の要否:不要+最初から生じない 追認の可否:追認不可 主張対象:誰に対しても主張可(絶対効) 期間制限の有無:なし=いつでも無効主張可 あり=5年又は20年で消滅126 ・取消 意思表示の要否:必要+取消まで有効。取消で行為時に遡って無効 追認の可否:取消権者の追認可=確定的に有効 主張対象取消権者のみが相手方に対してのみ 期間制限の有無: あり=5年または20年で消滅126 ・無効・取消の効果:改)効力を否定 ⇒ 履行として給付を受けた者は原状回復義務121の2 ​・現状返還義務の内容:不当利得703の特則 (例)A Bが車の売買契約→引渡しと代金支払の双方履行→原状回復義務:逆方向に引渡しと代金支払いの義務が生じる ④原則:全部返還・原物返還の原則。返還不可能な場合、価額(価格相当額の金員)返還 ⑤例外:利得消滅の抗弁=現存利益の返還で足りる ⑴無効な無償行為で善意の場合​(例)無効と知らずに贈与を受けた。 ⑵行為時に意思能力を有しなかった場合​(例)泥酔者が契約 ⑶制限行為能力者の行為の場合​(例)未成年者が契約 2 無効 ①無効​:形式的な成立があっても、なんらかの原因により効力が生じないこと ②一般原則​:絶対的無効 絶対効=誰にでも誰からも・主張期間制限なし・最初から無効・追認不可 ③絶対的無効の例外 ⑴主張の相手方が制限(絶対効の制限):心裡留保の善意の第三者93Ⅱ・通謀虚偽表示の善意の第三者94Ⅱ の対抗不可 ⑵主張権者の制限:意思無能力による無効は意思無能力者側からのみ ∵ 意思無能力者保護 ⑶主張期間制限:時効取得162(無効原因があっても主張せず時効取得したら無効の主張はできない)・原状回復請求権121の2の消滅時効・即時取得192・信義則違反等 Q 一部無効:法律行為の内容の一部に無効原因がある ⇒ 一部無効or全部無効 ​明文規定有:規定による​(例)利息制限法で超過部分のみ ⇒ 2割 ​明文規定無:法秩序に反せず可能な限り一部無効​(例)芸娼妓契約 ⇒ 一部から全部 Q 無効行為の追認119:追認不可・新たな行為≒非遡及的追認 例):通謀虚偽表示の追認 ⑴非遡及的追認:遡及効のない追認・非遡及的追認時からの将来効のみ ⇒ 内容に不当性のある契約(90違反等)は絶対的に無効 ∵ 不法性が除去されない ⑵遡及的追認:無権代理116・他人物売買(真の所有者が追認) Q 無効行為の転換:無効+他の法律行為の要件具備 ⇒ 他の法律行為として有効 ​〇:971秘密証書遺言⇒自筆証書遺言、嫡出子⇒認知、地上権⇒賃貸借 ​×:注文者が債務不履行により解除⇒641解除∵趣旨に反する、養子縁組∵複雑化 3 取消し 取消し:取消権者の一方的な意思表示によって法律行為の効力を遡及的に消滅させるもの ​⇒ 不確定的に有効な法律行為を遡及的に無効121 ⑴解除との相違: 共通=遡及的に消滅。 相違=根拠。取消-契約締結時の事由・解除-根拠=債務不履行 ⑵取消原因120:制限行為能力・錯誤・詐欺・強迫 ⑶一方的な意思表示123:単独行為かつ形成権 要件 ① 取消権者による120 ​制限行為能力​:制限行為能力者本人またはその代理人、同意権者、承継人 ​瑕疵ある意思表示​:瑕疵ある意思表示をした本人またはその代理人(任意も含む)、承継人 Q 承継人:包括承継人。特定承継人は法律上の地位が移転したとみるべき場合のみ(通) ​包括承継:一切の権利・義務を一括して受継ぐ ​(例)相続・合併 ​特定承継:他人から特定の権利を個別に受け継ぐ​(例)売買 ⑴保証人:取消不可。但し、債務履行の拒否可457Ⅲ ⑵債権者代位権423の行使の対象として取消可 ②相手方に対する意思表示123: ×第三者 ・ 特別な形式 追認 ​・(取消できる行為の)追認:取消できる行為を取消権者が確定的に有効とする意思表示 ⑴効果:確定的有効122=取消すことができない ⑵性質:単独行為・取消権の放棄(通説) ⑶改)第三者の権利を害することはできない ⇒ 削除 ∵ 事例がない ​・要件124 ⑷追認権者による(=取消権者120・122)相手方に対する意思表示(=123) ⑸取消権を有すること知った後 ⑹取消の原因となっていた状況が消滅した後: (例)未成年 ⇒ 成年。被強迫者 ⇒ 畏怖を脱した ​⇒ 保護者が追認 or 成年被後見人を除く制限行為能力者が保護者の同意を得て追認 =不要 ∵ 影響なし ​・効果:確定的有効。保護者の追認=本人の取消権消滅。要件欠缺=無効 法定追認 ①法定追認125:社会一般から追認と認められうる様な一定の事実があった場合に追認したとみなされる ②趣旨:相手方の信頼の保護と法律関係の早期安定 ③効果:追認擬制 ⇒ 取消すことができない=確定的有効 ④要件 ⑴一定の事実=法定追認事由:行為者を区別 (写真) ※相手方の行為をもって追認の扱いになるものもあることに注意。 ・相手方が履行したということは取消権者が受領したということ。 ・更改は契約なので双方の同意が必要。 ・担保の供与は取消権者が受け取ったということ。 ⑵ 追認をすることができる時以後 ⑶異議をとどめなかった ​・取消権の期間制限126 ∵ 早期安定 ​・短期:追認できる時から5年​  (例)未成年等:行為能力者になった時から、保護者:知った時から、錯誤等:状態を離脱した時から ・長期:行為時から20年 ​(例)成年被後見人等:回復しないまま

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    第八章 代理 1総説、2代理権、3代理行為

    1 代理制度総説 代理制度 ① 代理:本人代わり他の者が行った法律行為の効果を、本人に直接帰属させる法的仕組み ⑴ 代理意思​:法律行為の効果を直接本人に帰属させようとする代理人の意思 ⑵代理権​:代理人が行った法律行為の効果を本人に帰属させるための権限 ⑶ 顕名​:代理人が相手方に対して意思表示の効果が代理人でなく本人に帰属することを明示すること ⑷ 代理行為​:代理人が行う意思表示 ②効果:全て本人に効果帰属 = 代理人には無関係 ③趣旨:私的自治の拡充(=拡大-主に任意代理 ・ 補充-主に法定代理) ​任意代理:本人の代理権授与の意思表示により​(例)弁護士 ​法定代理:法の規定により​(例)親権者・後見人・保佐人・補助人 代理の基本的成立要件99 ⅰ代理意思:  なし→他人物売買の検討 ⅱ顕明:  なし→100条適用検討 ⅲ代理権  なし→無権代理の検討 ⅳ代理行為 ↓ 本人に効果帰属 ①代理に親しまない行為:身分行為 ②使者:本人の意思表示をそのまま相手方に伝える者​(例)書いた書面を渡す人 ​⇒ 意思表示の主体は本人。意思能力・行為能力不要。意思表示の瑕疵等の判断基準=本人 2 代理権 ⇒ 本人・代理人の関係 ①代理権授与:本人の代理人に対する代理権を与える旨の意思表示(任意代理のみ必要) ⑴不要式行為:委任状は単なる証明。​※ 登記済証+実印交付 ⇒ 黙示の代理権授与行為(判例) ⑵対内関係​:=内部契約。代理関係の基礎・原因たる契約関係 ​ (例)委任契約に伴い代理権授与 Q 内部契約と代理権授与行為との関係: 反対説は2つあり、単独行為説と事務処理契約説。通説は無名契約説 ・単独行為説:内部契約があれば代理権授与行為は本人の単独行為(代理人の同意不要) ・事務処理契約説:1個の契約と考える。 ・無名契約説:内部契約、代理権授与行為双方ともに当事者の合意が必要 ②代理権の範囲 Bランク ・​法定代理:法律の規定による ⇒ 親権者・成年後見人:全面的+債務負担なら同意要824・859  保佐人・補助人:876の4・9 ・​任意代理:代理権授与行為の解釈による ⇒ 不明確・権限定めなし=保存行為+管理行為(利用・改良) 保存行為103① あたる行為:財産の価値を維持 家屋修繕、期限到来した債務の弁済、 消滅時効完成防止目的の裁判上の請求、未登記不動産の登記、 腐敗しやすい物の売却 利用行為103②:性質を変えない範囲での収益 あたる行為: 家屋の賃貸、金銭の利息付貸与、現金の預金 あたらない行為: 預金を株式に変更、預金を個人への貸付に変更 改良行為103②:性質を変えない範囲での価値を増加 あたる行為:家屋に造作を付加、無利息貸金を利息付に変更 あたらない行為:農地を宅地化 ③代理権の消滅 Bランク ​法定代理:本人死亡、代理人死亡、代理人が破産・後見開始111Ⅰ ​任意代理:同上+委任の終了111Ⅱ= ⑴任意解除651Ⅰ  ⑵本人が破産653Ⅱ ⑶その他委任終了事由(期間満了等) ※⑵の任意代理の場合は本人の破産が代理権の消滅事由であることは短答で頻出 ④復代理104・105・106(B+短答):代理人が更に代理人を選任する場合  ⇒例外。自己執行義務644の2が原則 ⑴ 選任及び責任 ​法定代理:自己の責任で可105=広く許容 ∵ 広範+法定 ​任意代理:本人の許諾orやむを得ない事由がある のみ可104 ∵ 代理人との信頼関係 Q 復代理人が不適当な代理行為を行った場合 ​法定代理:原則、全責任。例外、やむを得ない事由によって選任の場合は選任及び監督についてのみ ​任意代理:改)選任及び監督について → 削除 ⇒ 債務不履行の問題として事案ごとに代理人の責任を判断+復代理人は本人に対し106 ⑵復代理人の地位:本人の代理人106Ⅰ=代理人の代理ではない ⇒ 代理人と同一の権利義務あり ​∴ 効果は直接本人に帰属+復代理人選任でも代理人は変更なし ⇒ 復代理人が受け取ったものは代理人・本人に引渡義務あり(判例) ​ 注)親亀子亀:代理人or本人に代理権消滅事由あれば消滅+復代理権は代理権の範囲内 代理権の制限 ①共同代理:複数の代理人が共同でなければ代理行為ができない ∵ 専断・背任の抑止 ⑴単独で代理した場合:無権代理(原則、本人に効果不帰属) ⑵親権:親権共同行使の原則818Ⅲ。相手方悪意を除き、一方でも効力あり825 ∵ 取引安全 ②自己契約と双方代理108Ⅰ (B+) ​・自己契約:同一の法律行為について、相手方の代理人としてした行為 (A代理人Bかつ相手方B) ・​双方代理:同一の法律行為について、当事者双方の代理人としてした行為(A代理人BかつC代理人B) 効果​:改)原則-無権代理。例外-債務の履行 ・ 本人があらかじめ許諾した行為 ⑴趣旨​:本人の利益保護 ⑵判例等​: ・登記申請=債務の履行→自己契約、双方代理可 ・自己契約、双方代理も本人の追認116可=効果帰属。 ・自己契約、双方代理も相手方は本人への催告可114 ③利益相反行為(B+):改)108Ⅱ。代理人と本人との利益が相反する行為 ​= 具体的な事情と無関係に、代理行為を外形的・客観的に考察して、代理人には利益・本人には不利益 ​(例)保証契約:相手方=債権者、代理人=主債務者、本人=保証人の場合で代理人が保証契約を相手方と締結 ⑴効果:原則-無権代理。 例外-本人があらかじめ許諾 ⑵趣旨:本人の利益保護 ④代理権の濫用:改)107。代理人が自己または第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をすること ​(例) ・代理による売却代金を受領後に着服した場合(着服の行為は別として他は代理権の範囲内)  ※親権者が子の不動産を第三者の担保に(特段の事情なしで)した場合、これは代理権の濫用には当たらない ⑴効果:  原則:本人に効果帰属。   例外:相手方悪意または善意有過失 = 無権代理 ⑵改)以前は93類推→判例法理を明確化+柔軟に解決 3 代理行為 顕名99 (B+) ① 方法:A代理人B(本人A・代理人B)+ Bの署名押印 ⇒ 主体は代理人 ② 趣旨:権利義務関係の帰属先の明確化 Q 署名代理:代理人が直接本人の名前で行為(代理人BがAの署名押印) ​結論:本人に効果帰属(判例) ∵ 権利義務関係の帰属先が本人であることを示すという顕名の目的自体は達成 ③欠缺の効果100 ⑴ 原則:相手方と代理人間に効果帰属 ⇒ 本人に効果不帰属 ⑵ 趣旨:相手方の信頼保護 ⑶ 例外:ⅰ 相手方悪意又は有過失→本人に効果帰属・ⅱ商行為の代理:商504 代理行為 Aランク ①代理行為の瑕疵 ⑴ 原則:改) ・​能動代理101Ⅰ:意思表示の瑕疵及び不存在・悪意または善意+過失がある​⇒ 代理人について決する ​・受動代理101Ⅱ:悪意または善意+過失がある ​⇒ 代理人について決する ※能動代理:代理人が相手方へ行為 ※受動代理:相手方が代理人に行為 ⑵例外 101Ⅲ:特定の法律行為を委託 ⇒ 本人の悪意・善意有過失の事情につき代理人の善意主張不可 ※ 写真 ​=本人の事情を考慮  ∵ 当事者間の不公平の回避 ​改)「本人の指図に従って 」の文言を削除 =本人の指図がなくても ②代理行為の瑕疵の諸問題 (B短答) ⅰ 代理人と相手方の通謀虚偽表示による代理行為→無効 ∵ 意思の不存在は代理人が基準 ⅱ 相手方の代理人に対する詐欺・強迫により代理人が能動代理を行った→本人が取消可 ∵ 意思表示の瑕疵は代理人が基準 ⅲ 代理人の相手方に対する詐欺・強迫により相手方が意思表示した(受動代理)→相手方が本人の善意悪意に関わらず取消可  ※101②は意思表示の瑕疵、不存在については規律していない ⅳ 相手方の本人に対する詐欺・強迫→本人が代理人に指示 代理人≒使者→取消可-101Ⅲ類推適用 ∵ 本人に酷 ⅴ 本人の相手方に対する詐欺・強迫 →相手方が代理人の善意悪意に関わらず取消可 ③代理人の行為能力: 権利能力・意思能力が必要。​意思能力欠缺の場合、その代理行為は無効 ・​任意代理:改)制限行為能力者可→行為能力制限による取消不可102 ∵ 代理人無関係+本人の選任責任 ​・法定代理:改)制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人→行為能力制限による取消可

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    4 無権代理

    無権代理概説 ①無権代理:代理行為をした者に代理権が欠けていた場合 (⇔有権代理:代理権のある場合) ​・代理権欠缺の場合​:最初から欠缺or付与後に欠缺 ​・代理権の範囲外の場合 ②表見代理:無権代理のうち、相手方の信頼保護のため例外的に本人への効果帰属を認める制度 ③無権代理の効果:原則:追認なき限り、本人に効果不帰属113Ⅰ(無権代理行為は無効ではない。∵効果帰属要件・117) ​⇒ 例外:本人の追認・表見代理の成立 → 本人に効果帰属 追認及び追認拒絶113Ⅱ ​・(無権代理の)追認​:無権代理の効果を本人に帰属させる意思表示(単独行為) ・​(無権代理の)追認拒絶​:追認を拒絶する旨の意思表示(単独行為) ⑴ 行為能力​:追認及び追認拒絶を行うには行為能力が必要 (判例)未成年者の親が無権代理 → 未成年者は成年に達するまで追認不可 ⑵相続​:一身専属的のもの以外、対象 → 相続人が追認権行使しうる ①効果116 ​・(無権代理の)追認:代理行為時に遡及して効果帰属。別段の意思表示・第三者の権利を害する場合を除く ​・(無権代理の)追認拒絶:効果不帰属確定 ② 意思表示の相手方113Ⅱ:無権代理行為の相手方。無権代理人に行った場合に相手方が知っても可 ③判例 ⑴ 追認の方法​:黙示的な追認も可 ⑵ 法定追認​:無権代理には類推適用不可 ∵ 原則本人に効果不帰属 ④116類推適用(Aランク):他人物売買に116を類推適用(判例) ⑴116は他人物売買の所有者が追認した場合にも類推適用 ⇒ 処分行為の効果は遡及して所有者に帰属 ⑵ 処分行為の効果(=物権的効果)のみ帰属。債権債務関係は所有者に帰属しない。  ※無権代理の追認とは異なる。 ※所有者Aの土地をBがCに他人物売買。Aが追認するとCに所有権が移転するが、債権債務の関係はBC間のまま。 無権代理の相手方が採りうる手段(表見代理以外) ①(無権代理の相手方から本人に対する)催告権114:本人に対し相当期間を定めて、その期間内に追認するかを確答すべき旨の催告をする権利 ⑴ 効果​:不確答 ⇒ 追認拒絶とみなされる(債務の履行の請求等と区別) ⑵相手方の主観的要件​:不問=悪意であっても可 ※短答で出る ② (無権代理の相手方から本人に対する)取消権115:本人が追認するまでの間に、無権代理行為による契約を取消しできる権利 ⑴ 効果​:遡及的に無効  ⇒ 本人の追認・114・117・表見代理も不可 ⑵ 相手方の主観的要件​:善意 (+本人が追認してない・120と区別)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           ③無権代理人の責任追及117(Aランク):代理人は効果不帰属 ⇒ 117で責任追及 ⑴法的性質:無過失責任(判例) →無権代理人は代理権欠缺につき過失がなくても要件充足で責任を負う ⑵趣旨:取引安全+代理制度の信用維持 ⑶要件:171Ⅱ各号に該当しない=該当すれば責任否定 + 無権代理行為の存在・代理権及び追認の不存在 ​ 171Ⅱ 1号:無権代理につき、相手方悪意 ⇒ 責任否定 171Ⅱ 2号:​相手方善意有過失 ⇒ 原則:責任否定。例外:無権代理人自身が代理権欠缺につき悪意→責任肯定 171Ⅱ 3号:​無権代理人=制限行為能力者 ⇒ 責任否定 ⑷ 改):無権代理人に代理権・追認につき証明責任 ⑸効果:相手方に対し履行または損害賠償責任を負う ⇒ 相手方が選択 ・​履行:本人との間で成立するはずの一切の法律関係が無権代理人との間で発生(判例) ・​損賠:履行利益(判例) ​(損害賠償の範囲) ・​信頼利益:有効であると信じたために失った利益​ (例)借入金利息、手数料、交通費、宿泊費 ・​履行利益:履行されれば得られたはずの利益​ (例)転売による利益、 Q 無権代理と表見代理の関係:共に成立する場合 ​論証:各々独立の救済手段 → 相手方の任意 + 117の責任を追求された無権代理人はは表見代理を抗弁とすることはできない(判例通説) 無権代理と相続 Q 無権代理人が本人を単独相続した場合 ⇒ 無権代理人は追認拒絶できるか ①地位融合説-反対説・判例?​: 地位が融合しA=B ​となり、有権代理となる。A=Bが法律行為 ​⇒追認拒絶及び取消はできない(批判)相手方が取消や無権代理人の責任追及を否定する理由はない ②地位併存説-通説​: AとBは地位が併存 ​→ A+Bが代理行為 ​⇒ 追認拒絶は信義則により認められない ③本人が相続前に追認拒絶した場合:本人(相続人)への効果不帰属が確定 ∵ 本人(被相続人)でも追認による有効が不可 Q 無権代理人が本人を共同相続した場合 ⇒ 無権代理人は追認拒絶できるか(写真) ① 判例:共同相続人全員に不可分に帰属=共同相続人全員でなければ追認できない ② 結論:Bが追認しても、C持分・B持分共に効果不帰属。117はBに対し可 Q 本人が無権代理人の地位を相続した場合 ⇒ 本人は追認拒絶・履行拒絶できるか ① 追認拒絶:(判例)できる   ∵ 信義則に反する事情がない ② 履行拒絶:(通説)相手方が117責任を追及した場合に問題となる ​・特定物の給付債務​:履行責任を承継しない ​⇒ 損賠責任のみ負う ∵追認拒絶(特定物の場合、本来追認を拒絶しうるにもかかわらず相続によって拒絶できなくなるとするのは不合理) ​・不特定物の給付債務​:履行責任を承継する ​⇒ 履行or損賠責任を負う Q 本人と無権代理人を第三者が相続した場合 ⇒ 第三者は追認拒絶できるか ※本人:妻A 無権代理人:夫B   相続人:子D  →A B死亡によりDがA相続 ① 判例(反対説):無権代理人と本人の相続の順番で決まる  ​・先に無権代理人を相続+後に本人を相続 ⇒ 追認拒絶不可 ​・先に本人を相続+後に無権代理人を相続 ⇒ 追認拒絶可 (批判)明らかに不当 ∵ 順序は単なる偶然 ②通説(自説):相続の順番に関わらず追認拒絶可 ∵ 無権代理を行っていない+偶然の事情で結論が異なるのは不合理 Q 無権代理人が本人の後見人に就任した場合 ⇒ 無権代理人は追認拒絶できるか ※ 本人:親A 無権代理人:子B   BがAの成年後継人に就任 ①旧判例(反対説):信義則上、無権代理人は追認拒絶できない ②判例・通説(自説):成年被後見人保護の見地から、追認拒絶できる  ∵不利益受けるのは本人だから ​⇒ 信義則に反する場合は例外的。その場合は追認拒絶不可

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    5 表見代理

    表見代理概説 ①表見代理:無権代理の場合に、例外的に本人への効果帰属を認める制度109・110・112 ②趣旨:権利外観法理 + 相手方の信頼保護と取引安全 ​⇒ 本人の帰責性 + 善意無過失 ∴ 例外的に本人への効果帰属が正当化される ③類型:代理権授与表示109、権限外行為の表見代理110、代理権消滅後の表見代理112 代理権授与表示による表見代理109 ① 109:代理権を授与していないが、無権代理人に代理権を授与したような表示をした場合 ②効果:本人に効果帰属 ③109の要件 ⑴ 代理権授与の表示:=観念の通知。口頭、書面 ※観念の通知:「このようにしたい」という意思 の発表を含まない、一定の事実の通知。 意思を伝えるので はなく、事実を伝えるもの。 Q 白紙委任状の濫用 ①問題の所在:権限外の補充がされて無権代理行為がなされた場合、交付が代理権授与表示になるか ⑴委任状:任意代理人の代理権を証明するために本人により交付される文書 ​⇒ 本人の署名捺印 ・ 代理人の氏名-代理人欄 ・ 代理権の範囲-委任事項欄 が明記 ⑵ 白紙委任状:代理人欄と委任事項欄の一方または両方が空欄で、後に補充される前提で交付される委任状 ​⇒ 代理人が代理権の範囲内で空欄を補充して使用するのは可 ②結論:事例による=帰責性があると言える場合授与表示あり。以下多数説 (被交付者濫用型) ・代理人濫用型・非代理人補充呈示型  →109Ⅰ適用 ・非代理人非補充呈示型(代理人でない者が白紙のまま呈示し無権代理行為)  →推認させる事実がなければ不適用  (代理人氏名も委任事項も記載のない委任状を相手方が善意無過失で信じたとは通常言えない) (転得者濫用型) ・代理人欄濫用型:109Ⅰ適用 ・委任事項欄濫用型:109適用?  →肯定判例と否定判例がある。例えば車を売る内容の代理権授権だったにも関わらず家を売られてしまったという場合、本人の損害があまりにも大きい。  Q 名義貸し:≒名板貸し。第三者に自己の名称や商号の使用を許すこと ・問題の所在:本人から相手方への直接の授与表示なし  ※A本人 B他人 C相手方    →Aが Bに名義使用を許諾。 ​・結論:109類推適用(判例)   ∵ 権利外観法理+相手方に直接表示してない (2) 顕名及び代理行為 ・表示された代理権の範囲内:109Ⅰで処理 ・表示された代理権の範囲外:改)109Ⅱで処理 ⇒ +代理権があると信ずべき正当な理由  ※通常、代理権授与の表示では範囲も示されるため。正当な理由の例:実印を所持 (3) 相手方の善意無過失 = 相手方が代理権不存在につき悪意または善意有過失の場合、109不成立 権限外行為の表見代理110 ①権限外行為の表見代理:基本代理権の範囲を超えた無権代理行為を行った場合​  ※基本代理権はきちんと授権されている ②効果:信ずべき正当な理由があれば、本人に効果帰属 ③要件 ⑴基本代理権の存在 ・​〇基本代理権として認められるもの:法律行為(売買)​・登記申請手続​・法人の代表の代理権 ・​×認められないもの:事実行為(勧誘・子守)​・公法上の行為 Q 夫婦間の日常家事と代理:夫婦の一方が行った代理行為に対し相手方が他の一方に110を主張できるか  ※ 夫A、妻 B、相手方C。夫Aが病気で療養。生活費治療代のためBがAに無断でAの土地をCに売却。 →110条、761条でAに効果帰属させることができるか。 ①761を根拠に代理権が認められるか ⑴問題の所在​:761は連帯責任の規定であり、代理権の規定ではない ⑵判例​:761を根拠に、夫婦間に日常家事に関する法律行為についての法定代理権が認められる ⑶理由​:夫婦生活を維持する上での便宜を図るため ⑷特徴​:顕名不要・夫婦相互に効果帰属(普通は本人のみ) ②日常家事に関する法律行為の判断 ⑴判例:個々の夫婦がそれぞれの共同生活を営むうえにおいて通常必要な法律行為 ​⇒ 個別の目的だけでなく、内部事情、客観的な法律行為の種類・性質等を考慮して決する ⑵ 例​:​ 〇日常家事に関する法律行為にあたる:食料や衣服の購入・家賃・子の教育費   ​×当たらない:借金・不動産の売却∴761で有権代理不可 ③761の日常家事代理権を基本代理権として、110を適用できるか ⑴ 判例:110適用不可。但し、当該行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずる​につき正当の理由のあるときは、110の趣旨を類推適用し第三者を保護 ※ 110の「趣旨を類推適用」と書けるように。深入りはしない ⑵理由:夫婦の財産的独立と取引安全との均衡 ⑶結論:×代理権が与えられたと信頼 ・ 〇日常家事の範囲内と信頼+正当理由あり ​⇒ 110適用不可→Qの事例ではCは本人Aの責任を追求できず (2) 顕名及び権限外の代理行為 ※ 正当な理由があれば顕名なく直接本人の名でも110類推適用(判例) (3) 代理権があると信ずべき正当な理由:通常人が諸般の事情を客観的に考慮して。≒善意無過失(判例) ​・肯定:実印・印鑑証明書 ・​否定:特段の事情あり≒代理人が同居の親族・利益相反等 ⇒ 本人に意思確認すべき 代理権消滅後の表見代理 ①代理権消滅後の表見代理112:代理権消滅後に、代理人が消滅した代理権を用いて代理行為 ②効果:本人に効果帰属 ③要件 ⑴代理権の授与及び消滅:  法定代理は否定(有力説)   ∵ 本人の授与なし+消滅事由が明確+文言(「代理権を与えた者」) ⑵顕名及び代理行為:改) ​・消滅した代理権の範囲内:112Ⅰで処理 ​・消滅した代理権の範囲外:112Ⅱで処理 ⇒ +代理権があると信ずべき正当な理由 が必要 ・代理権があると信ずべき正当な理由(再掲):通常人が諸般の事情を客観的に考慮して。≒善意無過失(判例) ​・肯定:実印・印鑑証明書 ・​否定:特段の事情あり≒代理人が同居の親族・利益相反等 ⇒ 本人に意思確認すべき ⑶相手方の善意無過失:過去に存在した代理権が代理行為の前に消滅したことを知らなかった(判例) 表見代理の補足 ①保護される相手方:=各条文の第三者。無権代理人と直接取引をした相手方のみ(判例) ⇒ ×転得者は保護されない ② 立証責任:写真

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    第八章 契約の効力発生要件

    ・附款:法律行為の効力を一定の事実にかからせて制限する内容をもつ付属の意思表示 ​ ・条件:効力の発生または消滅を到来不確実な事実の成否にかからせる特約​(例)大学合格 ​ ・期限:効力の発生又は消滅を到来確実な事実の成否にかからせる特約​(例)正月、死亡 1 条件 ①条件の種類 ​・解除条件:条件を満たせば解除。​効果消滅の要件となっている条件​(例)合格したら車返せ ​・停止条件:条件を満たすまで停止。​効果発生の要件となっている条件​(例)合格したら車あげる ②条件に親しまない行為:⇒ 大元の法律行為を含めて全体が無効 ⑴身分行為 ∵ 身分秩序不安定(≒公序良俗)​(判例)離婚を停止条件とする婚姻予約は無効 ⑵単独行為 ∵ 相手方不安定(≒公序良俗) ⇒ 相手方の同意がある場合または不利益でない場合は可 ​(例)〇期間内に履行しないと契約解除する(=停止条件付解除)は可能 ∵ 条件が相手方の行為のみにかかるため ③条件付き法律行為の効力 ⑴原則127:停止条件付127Ⅰ=成就時から効力発生 ・ 解除条件付127Ⅱ=成就時から効力消滅 ​⇒ 不遡及の原則127Ⅲ:原則、遡及はしない。+ 合意により遡及できる ⑵ 期待権129:条件が成就すれば権利を得られるという期待 ⇒ 法的に保護 ⑶ 成就擬制130Ⅰ​:成就により不利益を受ける当事者が故意に成就を妨害 → 成就​(例)不動産仲介(AがBに不動産を買ってくれる人を探すように依頼。BはCを見つけてきた。Aは仲介手数料をBに払いたくなかったので直接Cと交渉。→成就を妨害に該当) ⑷ 不成就擬制130Ⅱ​:改)成就により利益を受ける当事者が不正に成就 → 不成就​(例)カンニング ④特殊な条件 ⑴既成条件:既に客観的に確定している条件131​(例)もし合格したら+合格済み ⑵不法条件:不法な条件​(例)もしAを殺したら ⑶不能条件:実現不可能な条件​(例)もしAが生き返ったら ⑷随意条件:一方当事者の意思のみで成就する条件​(例)もし気が向いたら ※写真 2 期限 ① 期限:到来確実な事実 ​・確定期限​:到来する時期が確定している期限​(例)令和2年1月1日 ​・不確定期限​:到来する時期が不確定な期限​(例)死亡、雨が降る ② 期限に親しまない行為 ⑴身分行為 ​(例)3年間の期限付き婚姻 ⑵単独行為:原則不可。例外あり​(例)×相殺506、〇遺贈 ③期限の利益:期限が到来しないことによって有している利益​(例)弁済期までの弁済猶予 ⑴期限の利益の放棄136Ⅱ ​・一方に存する:当該当事者の自由​(例)無利息貸付の借主 ​・双方に存する:相手方の損失を填補できる場合​(例)利息付貸付の借主 ⑵期限の利益の喪失137:破産手続開始・担保の滅失損傷・担保を提供しない ​・期限の利益喪失約款:当事者が合意で定める → 原則可 ④期間:ある時点からある時点まで継続した時の区分 ​初日不算入の原則140​:日・週・月・年で期間を定めた場合、初日は算入しない ​例外​:期間が午前零時から始まる場合、初日算入。 ⇒ 刑事訴訟法 ​(例)1/1(午前0時以外) 今から10日間、1/2から10日間  ⇒  1/2~1/11

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    随意条件の処理

    債務者  停止条件→無効  それ以外→有効

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    第九章 時効 A+ 1時効総説 2 消滅時効

    1 時効総説 ①時効:一定の事実状態が所定の期間継続した場合に、事実状態に対応した権利関係を認める制度 ​⇒ 真実の権利関係と一致しなくても可。民法。大きく改正。 ​・消滅時効:権利不行使の状態を継続する者の権利を消滅​(例)貸金債権を請求せず ​・取得時効:事実上権利者である様な状態を継続する者に権利を取得​(例)長期間占有 ②趣旨 ※論文で書く ⑴永続した事実状態の尊重​⇒ 法律関係ないし社会の安定維持 ⑵立証の困難性からの救済​⇒ 真実の蓋然性が高い ⑶ 権利の上に眠る者は保護に値しない​⇒ 権利維持の必要なし ③効果162・163・166等 ​・消滅時効:対象の財産 ​⇒ 消滅 ​・取得時効:対象の財産 ​⇒ 取得 2 消滅時効 ・除斥期間:法が定めた一定期間の権利の不行使により、権利が消滅する場合の権利の存続期間 ①例(通説)​:盗品・遺失物の回復請求権193:2年、​占有保持・回収の訴え201:1年 ②消滅時効との比較​:一定期間の経過により権利消滅 ⇒ 消滅時効と共通 (消滅時効) ・起算点:知った時からorできる時から ・完成猶予・更新規定:適用あり ・援用の要否:必要 ・効果の発生時期:起算点に遡及する ・放棄の可否:できる ※時効の援用:時効の完成によって利益を受ける者が、時効の完成を主張すること。(時効の援用とは、時効の効果を確定的に発生させる意思表示) 当事者が時効を援用しない限り、時効の効果は発生しない(145) (除斥期間) ・起算点:権利発生時 ・完成猶予・更新規定:適用なし?(旧法下例外あり) ・援用の要否:不要 ・効果の発生時期・遡及しない ・放棄の可否:できない 消滅時効の対象 ​・消滅時効の対象となる権利 ①債権166Ⅰ​(例)貸金返還債権 ② 所有権以外の財産権166Ⅱ​(例)地役権 ③抵当権:被担保債権と同時でなければ消滅しない396 ④所有権:占有者が時効取得した場合は、反射的に所有権消滅 ⑤抗弁権:自己に対する他人の権利のはたらきを阻止しうる作用を有する権利 ・​請求に対してのみ行使できる抗弁権​:対象外​(例)同時履行、催告の抗弁、検索の抗弁 ・​請求と無関係に行使できる抗弁権​:対象​(例)取消権、解除権  ※催告の抗弁権:保証人が債権者から債務の履行を請求された際に、先に債務者に対して返済を請求するように請求できる権利  ※検索の抗弁権:保証人が、債権者に対し、債務者が弁済可能な資産などを所有している際に保証債務の履行を拒否する事ができる権利 ​・消滅時効の対象とならない権利 ①所有権(及びその派生権利)(例)物権的請求権、共有物分割請求権、 ②占有権:占有によるため ③留置権・先取特権・請求に対してのみ行使できる抗弁権 消滅時効の起算点 ①消滅時効の起算点166Ⅰ:改)二元的構成 ⇒ 各起算点のいずれか早い方の期間経過 ​・主観的起算点:債権者が権利を行使することができることを​知った時から5年 ​・客観的起算点:債権者が権利を行使することが​できる時から10年 ​・趣旨:債務者の認識なき限り時効が完成しないのは妥当でない(改正前-原則客観、例外債権別) ②客観的起算点 Q 権利を行使することができる時の意義 ⑴法的可能性説(通説):法律上の障害がなくなった時。それまでは消滅時効のカウントは進まない (例)〇弁済期到来時・停止条件成就時 ​ ・事実上の障害(病気・地震等)=病院にいたので請求できなかった等では消滅時効のカウントは進んでいく 債権者が除去しうる(同時履行の抗弁権等)場合は履行期から消滅時効のカウントが進む ⑵ 現実的可能性説(有力説):法律上の障害がなくなった時+権利行使が現実に期待できる時 ③主観的起算点 Q 権利を行使することができることを知った時の意義 ⑴法的可能性説:客観的起算点の到来を知った時 ⑵現実的可能性説:法律上の障害がない+権利行使が現実に期待できることを知った時 ④消滅時効の起算点の例 別紙 □ 消滅時効期間 ​・消滅時効期間まとめ 別紙 ①生命・身体侵害の趣旨:生命・身体は財産より保護すべき度合いが強い →・債務不履行:短期:5年、長期:20年(167)(一般は長期10年(166))  ・不法行為:短期:5年、長期:20年(724の2)(一般は短期3年(724))  ② 定期金債権:改)定期に一定の金銭等その他の物を給付させる債権。  ※基本権である定期金債権から支分権が発生。 ⑴​定期金債権にあたる:年金債権 ・ 地上権の地代債権 ・ 分譲マンションにおける管理費等の債権 ⑵ ​定期金債権にあたらない:NHKの受信契約に基づく受信料債権 ・ 分割払債権 ⑶消滅時効の起算点:支分権(しぶんけん)=各債権 を対象 ∵ 長期間が前提 ③ 取消権126 ※短期5年(追認できる時から)  長期20年(行為の時から) Q 取消権と原状回復請求権との関係 問題の所在​:取消により原状回復請求権が発生(121の2)するが原状回復請求権の消滅時効の起算点及び期間はいつか? ⑴一段構成説(反対説)​:取消権と原状回復請求権は一体 ⇒ 一体として、追認5年・行為時20年​∵ 取引安定 ⑵ 二段構成説(判例通説)​:別個 ⇒ 取消権→原状回復請求権の順で各消滅時効 ​∵ 取消により無効が確定するので取引の安定は確保される ④確定債権の特則169:更新・和解等も同様。支払期限到来前の債権は通常通り。 ​・主債務が判決等で確定 ​→ 付従性から保証債務も10年(判例) ・​保証債務が判決等で確定 ​→ 主債務は影響なし(判例) 消滅時効の効果 ​・援用により消滅 ⇒ 遡及効=起算点に遡って消滅144 = 利息も消滅(判例) ⑴援用:時効の効果を確定させる意思表示

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    消滅時効の起算点の例

    写真 ※ 期限の定めのない債権の例(友達にPS5を貸した。)→債権成立時から消滅時効カウント開始 →期限の定めのない消費貸借は例外。再建成立後、相当期間の経過がして初めて消滅時効のカウント開始。返すために準備する時間が必要だから。 ※期限の利益喪失約款付債権は債権者が意思表示をしたときに消滅時効のカウント開始。分割払いなどで支払いが滞った場合に期限の利益を喪失させるものが典型。 2/1に支払うべき2月分が滞った。残部(3月、4月、5月分)は、それぞれについて債権者が請求した時点で消滅時効のカウント開始。 ※債務不履行(415)による損害賠償請求権:本来の債務の履行を請求できるとき(前判例)  例:AとBが1/1に車の売買契約(2/1引渡し)。→2/1にBがAに引渡し請求→3/1にAが債務不履行→4/1 BがAに415で損害賠償請求 →前判例:損害賠償請求は本来の債務の履行が請求できるとき=2/1に消滅時効のカウント開始 (本来の請求権の拡張ないし性質の変更で同一視できる=債務の転形論) →民法改正により債務の転形論が否定された ※不作為債権(例:騒音を出すな) →相手方の違反行為があったとき(騒音を出したとき)から消滅時効のカウント開始 ※不法行為に基づく損害賠償請求権→不法行為時から消滅時効のカウント開始

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    消滅時効期間まとめ

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    3 取得時効 A+

    ①取得時効:事実上権利者である様な状態を継続する者に権利を取得させる制度​(例)長期間占有 ・​長期取得時効162Ⅰ:所有の意思・平穏・公然 ​で20年間占有 ​⇒ 所有権取得 ​・短期取得時効162Ⅱ:所有の意思・平穏・公然・善意無過失​で10年間占有 ​⇒ 所有権取得 ②取得時効の対象:所有権 ⇒ 所有権以外の財産権163 →性質上継続使用が可能な権利のみなりうる ③効果:援用により権利取得 ⑴原始取得:新たに発生した権利を取得 ​⇒ 未登記用益物権等付→権利負担なし。(抵当権などの負担は消える) ※ 占有者が負担を容認して占有→負担付権利を取得(判例) ⑵遡及効:起算点に遡って取得 ⇒ 果実も取得。任意に起算点を選択は不可 ※ 承継取得:前権利者から権利を取得 ​(例)売買、相続 取得時効の要件 ①占有162 ⑴他人の物の占有 Q 自己の物の占有:自己物の時効取得も可(判例) ​(判例)不動産の二重譲渡。  事例:AがBCに土地を二重譲渡。Cが登記。Aがそれ以降も占有。→時効取得を認める Q 物の一部の占有:経済的価値の単位と扱えるならば可​(判例)土地の一部、権限なく植えた樹木 Q 公物の占有:機能を喪失し維持すべき理由がなければ可(判例)​(例)道路・公園、国立学校、裁判所 ​・公物:公共用物(=直接一般公衆が共同使用) + 公用物(=国及び地方公共団体が使用) ⑵占有継続の推定186Ⅱ​:前後2地点の占有を証明 ​→ その期間の占有を推定 ⑶取得時効の中断164​:任意に占有を中止or占有侵奪 ​→ 中断=進行停止+経過期間消滅(リセット) ​⇒ 占有侵奪の場合、占有回収の訴えで占有回復 → その間占有が継続とみなす ②所有の意思:所有者として占有する意思 ⑴判断基準:占有取得の原因たる事実によって外形的・客観的に決定=内心は無関係(判例) ⑵所有の意思による占有の分類 ​・自主占有:所有の意思をもってする占有​(例)売買、贈与、所有権移転を目的とする契約、泥棒 ​・他主占有:所有の意思のない占有​(例)賃貸借、使用貸借、所有権移転を目的としない契約 ③平穏・公然 ⑴平穏:暴行等、違法・強暴の行為を用いていないこと ⇒ 占有自体が単に不法の場合は該当しうる(判例)(所有者が知らない間に盗んだ、他人の土地をこっそり占有した 等) ⑵公然:隠匿しないこと ⇒ 強盗・泥棒の占有でも強暴・隠匿の事情がやめば該当(通説) ④善意無過失(短期取得時効の場合) ⑴善意:占有に関する善意=自己の物であると積極的に信じること(判例) ​(善意と悪意の段階) ・通常の善意=自己物と積極的に信じている場合と自己物か否か半信半疑である場合の両方を含む ・占有における善意=自己物と積極的に信じている場合のみ。 ※占有では自己物か否か半信半疑である場合は悪意になる ⑵占有による推定186Ⅰ:占有者 → 所有の意思・平穏・公然・善意が推定 ⑶無過失:推定されない ​・188の意義:占有物に行使する権利を適法と推定   ∵前主の占有に対する信頼保護(通常、物を持っている人は所有者であると考える) ・​取引行為により継承した者は無過失を推定​⇒ 即時取得では188により無過失を推定(判例) ​・前主の占有に対する信頼なし→推定なし​⇒ 取得時効では占有開始時の無過失の推定なし(判例) 取得時効の問題点 ① 他主占有から自主占有への性質変更185 ・​占有させた者に所有の意思を表示​(例)大家に自己の所有物にすると言う ・​新たな権原+所有の意思で占有​(例)賃貸人から購入   ※単に自分のものになるようにも見えるが、自己の物にも取得時効は成立するので、譲渡人が無権利者であっても取得時効が完成すれば所有権を主張できる効果がある Q 相続を契機に性質変更により時効取得できるか ・事例:父が人から借りて家に住んでいた。見栄を張って子に自分の家と言っていた。子が家を相続し、自分の家だと思い住み続けた。 ​・判例:当然には「新たな権原」に該当しない ⑴相続による占有承継及びその占有が所有の意思 ⑵外形的客観的に独自の所有の意思である事情を立証​(例)固定資産税の支払い ②占有の承継187​(例)5年間占有者からその他人物を購入し9年占有 ⑴選択可能性Ⅰ:自己の占有のみ主張or他人の占有も加えて主張 どちらでも可 Q 187の対象は特定承継のみか →・相続等包括承継も可  ・占有者が複数の場合どの前主からでも可(判例) ⑵瑕疵の承継Ⅱ:前主占有を主張する場合瑕疵をも承継 ⇒ 善意無過失は占有の開始時に必要 Q 占有の承継は無瑕疵をも承継するか ​結論:承継する ​判例:占有の開始時に善意無過失であれば事後に悪意または善意有過失に変じても取得時効に影響がない  ※ 前の占有者が占有開始時に善意無過失なら、占有者が善意無過失でなくても短期を主張できるようになる。写真の例なら、CはBの占有も併せて主張すれば時効取得できる。 所有権以外の財産権の取得時効 163 ①要件:自己のためにする意思 + 長期取得時効または短期取得時効と同様 ②取得時効の対象となりうる財産権:用益物権・質権・不動産賃借権 Q 不動産賃借権は取得時効の対象となりうるか (事例:土地建物所有者A、賃借人B(土地上の建物建築)、無権利の賃貸人C。 BはAに対して賃借権を時効取得できるか) ①原則:債権は取得時効の対象でない ∵ 永続した事実状態を観念できない ②修正:継続的給付を目的 ・ 占有を伴う ・ 地上権と同様の機能 = 永続した事実状態を観念しうる ⇒ 賃借権の時効取得肯定 ③ 要件:所有者の時効中断の機会の確保 ⑴継続的な用益という外形的事実の存在​⇒ 平穏・公然に土地を継続的に用益していること(判例) ⑵賃借の意思に基づくことが客観的に表現​⇒ 賃料の支払いの継続(判例)

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    短期取得時効における善意と悪意の段階

    ④善意無過失(短期取得時効の場合) ⑴善意:占有に関する善意=自己の物であると積極的に信じること(判例) ​・善意と悪意の段階

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    4完成猶予と更新A+ 5援用と放棄

    4 完成猶予と更新 ①時効障害:時効の完成を妨げる制度 ・​完成猶予​:改)一定時間時効の完成を猶予≒停止​(例)裁判上の請求、天災等 ​・更新​:改)進行中の時効期間が消滅+新たに時効期間開始≒中断​(例)確定判決、債務者の承認 ②完成猶予と更新の対象:消滅時効と取得時効 ③時効障害事由の概要 ⑴完成猶予事由 ・​権利行使がなされたため​(連続性あり147Ⅰ・148Ⅰ or 連続性なし149・150・151) ​・権利行使が困難なため158~161 ⑵ 更新事由 ​完成猶予と連続性あり147Ⅱ・148Ⅱ ​権利を承認152 時効障害事由 ①裁判上の請求等147Ⅰ各号:改)継続する間(=終了するまで)、完成猶予 ​↓ ・権利が確定 ​⇒ 権利確定時から更新147Ⅱ​(例)確定判決 ​ ・権利が確定しないで終了 ​⇒ 終了時から6箇月完成猶予​(例)取下げ、却下 Q 応訴・訴訟における主張 →裁判上の請求と認める ②強制執行等148Ⅰ各号:継続する間(=終了するまで)、完成猶予 ・強制執行で権利消滅 ​・強制執行で権利残存​⇒ 手続終了時から更新148Ⅱ ​・手続きの取下または取消により終了​ ⇒ 終了時から6箇月完成猶予 ​・財産開示請求:改)上記時効障害事由に含む148Ⅰ④ ∵ 財産開示請求も権利の実現に向かられた手続 ③仮差押え及び仮処分149:改)暫定的になされた手続き ⇒ 終了時から6箇月完成猶予 ④催告150:債務者に対して履行を請求する債権者の意思の通知 ⇒ 催告時から6箇月完成猶予 ​⇒ =裁判外の請求。 再度の催告は完成猶予の効力なし150Ⅱ (1回しか完成猶予のために使えない) ⑤ 協議を行う旨の合意151:改)完成猶予事由 ∵ 無意味な訴訟の防止 ⑴ 要件:当事者間で協議を行う旨の合意 + 書面または電磁的記録   ∵ 事後的な紛争防止 ⑵ 効果:合意があった時から1年間 + 1年未満の協議期間を定めた場合は当該期間 ​⇒ 書面または電磁的記録による拒絶する旨の通知 → 上記期間中でも通知の時から6箇月間 ⑶再度の合意:効力あり ⇒ 時効完成時から最長5年 ⑷催告との関係:効果は重複しない ≒ 催告又は協議の完成猶予のみ ⑥ 承認152:時効の利益を受ける当事者が権利を失う者に対してその権利が存在することを表示 ⑴効果:承認時から時効が更新(リセット) ⑵ 承認方式:不要式行為   (例)〇 裁判上・裁判外・口頭・黙示的 (判例) ​〇承認にあたる:利息の支払→元本の承認、 一部弁済→残部の承認、 支払い猶予の要請、 相殺の主張 ​×当たらない:請求に異義を述べなかった(無視等)、 詐欺的手法(債権者が騙して債務者に一部弁済させる等)、 銀行の元金組み入れ、 ⑶承認者の行為能力:不要   ⇒ 財産管理能力は必要 ・被保佐人・被補助人:単独承認が可能(時効完成後は保佐人の同意要) ・未成年:単独承認できない(親権者の同意が必要) ・成年被後見人:単独承認できない(成年後見人の同意を得ても不可) ⑦その他の完成猶予事由 B 別紙 ⑧ 時効障害事由と効果のまとめ 写真 時効障害の効果 ①基本的効果 ・​完成猶予​:完成猶予期間経過まで時効が完成しない ・​更新​:経過期間消滅+新たな時効開始(=従前の時効期間と同一。但し、確定判決等(10年)) ②人的範囲:相対効の原則(A+)=当事者及びその承継人の間においてのみその効力を生じる153 ​⇒ 時効の利益を直接受ける者以外の者に148・149 → 利益を受ける者に通知・到達で効力発生154 ※強制執行等、仮差押えまたは仮処分が、時効の利益を受ける者以外の者(物上保証人等)に対してされるときは、時効の利益を受ける者(債務者)に通知がされることによって、時効の完成猶予又は更新の効力を生じる ③例外:絶対効=1人にある事由が生じた場合、その他全員にも効力が生じる ⑴ ​地役権​:要役地を数人共有・1人が完成猶予または更新​⇒ 全員に効力292 ⑵請求​:連帯債権者または不可分債権者の1人の請求​⇒ 全員に効力432・428 ⑶​保証債務​:主たる債務者に対する完成猶予・更新​⇒ 保証人に効力457Ⅰ  ※主債務の消滅時効が完成猶予、更新されてしまうとその効果が保証人にも及ぶ Q 債務者の承認による更新の効果が物上保証人に及ぶか:及ぶ ​・物上保証人:自己の財産をもって他人の債務の担保に供した者 ⇒ 債務負担はなく物的責任を負う 5 援用と放棄 時効の援用 ①時効の援用145:時効の効果を確定させる意思表示 ≒ 時効の完成を主張すること ② 145の趣旨:時効の利益の享受を潔しとしない当事者の意思の尊重 Q 援用の法的性質 ⑴問題の所在:完成により効果が生じる162等(援用が必要とは書いていない) + 援用しないと裁判できない145(援用しないと効果が生じないとは書いていない) ⑵ 学説 ・訴訟法説:訴訟法上、法定証拠成立の効果が発生 →(批判)民事訴訟法の話が民法に書いてあるのはおかしい ・確定効果説(反対説・旧判例): 効果は時効完成により確定的に発生する。援用は「主張」のことであり145は注意的な規定である →(批判)何のために145があるのか ・不確定効果+停止条件説(判例通説): 効果は時効完成により不確定的に発生。援用により確定する。 ③ 援用権者:時効により直接に利益を受けるもの(判例) ⑴消滅時効の場合 ・債務者:〇 ・保証人 改):〇(145括弧書) ・物上保証人 改):〇(145括弧書) ・一般債権者:×(但し、423) ・担保不動産の第三取得者 改):〇(145括弧書) ・後順位抵当権者:×(但し、423) ・詐害行為の受益者:〇(判例) ⑵ 取得時効の場合:占有者は援用可 Q 目的不動産上の建物の賃借人:援用不可 ∵ 土地と建物は別 ※ 事例:BがAの土地に無断で建物を建設。CがBから当該建物を賃借。 →Bの土地の取得時効が完成 →Cは時効を援用できるか?→できない ④援用の効果:時効の効果を確定  ⇒ 裁判外可 ・ 相対効 時効利益の放棄 ①時効利益の放棄:完成した時効の利益を享受しない意思を表明すること ​・時効完成前の放棄:できない146 ・​時効完成後の放棄:できる​∵ 146反対解釈 ②要件:単独行為、但し行為能力は必要(判例) ③ 効果:相対効 ④ 自認行為:時効完成を知らないで債務の承認をした場合 ​⇒ 信義則上援用権が否定(判例) + 新たな時効が進行=新たな時効の援用可(判例)

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    その他の完成猶予事由

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    時効障害事由と効果のまとめ(表)

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    第1章 民法総説 1 民法総説

    民法の基本原則 ①所有権絶対の原則:自由競争の結果得られた財産は国家によって尊重・不可侵。財産権不可侵の原則 ​⇒ 憲法29Ⅰ、206。他の原則により制限あり―憲法29ⅡⅢ ② 契約自由の原則:当事者の自由な意思によって契約関係が形成される。私的自治の原則 (1) 改)521、522。締結・相手選択・内容の自由。一定の場合以外の方式の自由 ​要式行為​:一定の方式に従わないと成立しない行為。​(例)婚姻・遺言・保証・諾成的消費貸借 ​不要式行為​:意思表示以外に特別な方式を必要としない行為。​(例)一定の場合以外の契約・契約解除 (2) 制限:法令の制限内において 521、522 (3) 静的安全・動的安全:当事者の自由な意思に基づかないときに問題になる ∴静的安全が民法の原則​ (例)BがAの土地を無断でCに売却 ​静的安全:権利が動かない様に保護 ​⇒ ​(例)Aを保護。Cは所有権取得しない ​動的安全:権利が動く様に保護≒取引安全 ​⇒ ​(例)Cを保護。Aは所有権喪失 ​ ③過失責任の原則:故意または過失がある場合のみ行為者は責任を負う。 ​⇒ 不法行為709。例外-報償責任、危険責任 私権 ① 私権の分類 ⑴財産権:物権と債権 ⑵人格権:人格上の利益。名誉・プライバシー等 ⇒ 侵害があれば賠償請求可。709 ⑶ 形成権:一方的な意思表示だけで新たな権利を形成できる​(例)取消権・解除権 ⑷ 抗弁権:自分に対する権利の働きを阻止する権利≒防御​(例)同時履行の抗弁権 ② 物権と債権の違い ​物権:排他性あり(一つだけ)​・絶対性あり(誰にでも主張できる)​・優先的効力あり(債権より強い) ※抵当権は、第一抵当権1人だけ、第二抵当権も一人だけ、と考える ​債権:排他性なし(複数可)​・相対性あり(特定人に対してのみ主張できる)​・優先的効力なし(物権より弱い) ※優先的効力は物件のほうが債権よりも強いということ ③私権行使の制限:一般条項=抽象的基準しか定められていない条項 ⇒ 慎重に適用 ⑴公共の福祉1Ⅰ:原理を意味。Ⅱ、Ⅲが具体的な適用 ⑵ 信義誠実の原則1Ⅱ:信義則。信頼を裏切らないように誠意を持って行動。多様な原則の根拠。 ​⇒ 形式的に適用すると不当な場合に信義則で是正 ​・クリーンハンズの原則:法を守る者だけが法の保護を受けられる。 ​→クローンハンズの例:公序良俗違反90、不法原因給付708。典型事例は愛人契約 ​禁反言の原則:先行行為と矛盾する行為は禁止。消滅時効完成後の自認後の援用は禁反言により禁止される(判例) ⑶権利濫用の禁止1Ⅲ:権利者でも身勝手な権利主張不可 ⇒ 原則可。客観的に不当なら不可 ​濫用に当たる場合 ​⇒ 効果なし​:宇奈月温泉事件-温泉管外すか土地を高値で買え。 ​濫用+損害 ​⇒ 709可​:信玄公旗掛松事件。鉄道が松を枯らした。国に対する損害賠償を認めた。 ​濫用が著しい ​⇒ 権利剥奪​:虐待・遺棄等による親権喪失834 ⑷自力救済の禁止:権利者でも実力行使は原則、違法。自力救済行為は709を構成 ∵ 秩序維持

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    第2章 私権の主体

    ・人:権利義務の主体となる ​ 自然人​:人間のこと。権利能力、意思能力及び行為能力があるもの  ​法人​:自然人以外で、法が権利義務の主体となる地位を与えたもの 1 自然人 権利能力 ① 権利能力:私法上の権利義務の主体となる地位。 ※胎児・失踪が権利能力で問題となる。 ​⇒ なければ一切の権利義務がない。幼児や未成年者、認知症を含む生きている人間はすべて権利能力者である。 ②始期:出生に始まる3Ⅰ。出生届等は無関係 ​一部露出:刑法。​(例)手だけ露出で傷つけても傷害 ​全部露出:民法。​∵ 出生擬制によりさまざまな権利が認められるので不都合なし Q 胎児 ​原則:権利能力なし ​例外 Aランク:不法行為の損害賠償請求721・相続886・遺贈=出生擬制(既に生まれたものとみなす) ​+ 母の承認があれば認知も可783Ⅰ Q 出生擬制の意義 ​解除条件説:胎児のままで権利能力を取得し、死体で生まれれば遡って権利能力を失う ⇒ 胎児の段階で代理可。​死産が721等の解除条件 ​停止条件説:胎児のままでは権利能力を持たず、生きてうまれれば遡って権利能力を得る(判例) ⇒ 胎児の段階で代理不可。​生きて生まれることが721等の停止条件 (→損害賠償や相続は出生擬制のため不都合なし) ・​解除条件:条件を満たせば解除。​効果消滅の要件となっている条件​(例)合格したら車返せ ​・停止条件:条件を満たすまで停止。​効果発生の要件となっている条件​(例)合格したら車あげる ③ 終期:死亡でのみ終了 ※​認定死亡は戸籍法上の話。生きてれば当然効力はなし。 ​・同時死亡の推定32の2 B+ ​推定​:わからないとこうなる​⇒反証可能 。つまり、 証拠で異なる結論にできる。 ​擬制=みなす​:事実に反してもこうなる ​⇒ 反証することができない。典型として、出生擬制。 ⑴趣旨:死亡の先後により相続の内容が異なる場合の紛争回避 ​(例)父子同時死亡 ​⇒ 法定相続分:子=2分の1、親=3分の1、兄弟姉妹=4分の1。配偶者=左記以外 ⑵要件:複数が死亡+先後不明 ⑶効果:同時に死亡と推定 ⇒ 死者間に相続なし。代襲相続あり887Ⅱ。遺贈は失効994Ⅰ ​・失踪宣告30:一定の条件のもと家裁が失踪の宣告をすると、死亡したものとみなす ​⇒ 法律関係の安定のため。特に財産・婚姻等。権利能力は奪われない(どこかで生きていて契約をすればその契約は有効) ①要件 ⑴ 一定期間継続して生死不明 普通失踪30Ⅰの期間は生存の証明がある時から7年間、死亡とみなされるのはこの期間満了時から 特別失踪30Ⅱの期間は危難が去った後一年間で、死亡とみなされるのはその危難が去った後から ※いつから死亡と見做されるかは短答で出る ⑵利害関係人の(家庭裁判所への)請求:=法律上の利害関係人 〇配偶者・相続人 × 内縁・債権者 ② 効果=死亡したものとみなす31: 相続開始・配偶者の再婚可・異なる主張は取消請求(32)でのみ可 ​・失踪宣告の取消32 ①要件:生存または異なる時に死亡 + 本人または利害関係人の請求 ②効果:遡及効の原則(過去に遡り最初からなかった。不当利得703の問題となる)。 但し、遡及効の制限 ⑴善意の行為の有効32Ⅰ後:宣告後、取消前に善意でした行為。外観保護・善意者保護の規定。 例:A失踪宣言。B善意で相続。Cが善意で売買で取得。Cは保護される。 Q 財産取得行為における善意: 双方善意(判例) →上記例では、Cが保護されるには相続人Bと譲受人C双方が善意である必要がある ∵ 失踪者は取消しても不利益を受けるので双方善意という高いハードルを設けている ​⇒ 直接取得者は善意でも返還義務あり。∵ 外観保護・善意者保護-失踪宣告を信じたからではない Q 転得者(第三者からの取得者) 悪意の場合(相続人や第三者は善意で転得者だけ悪意):絶対的構成。一旦、相続人と第三者が双方善意で遡及効が制限されたら、それ以降は悪意者が出てきても遡及効は制限されて取引は有効になる ∵ 法律関係の早期安定と簡明さ ​・相対的:人ごとに判断する ・​絶対的:誰に対しても効力が及ぶ≒対世効 Q 身分行為(婚姻等)への取り消しの遡及効の適用:不適用。後婚のみ有効 ∵ 前婚復活は不合理 ⑴ 直接取得者の返還義務の範囲の例外32Ⅱ後:直接取得者は現存利益のみ返還 Q ・直接取得者= 失踪の宣告によって財産を得た者:直接の原因。 〇相続人・受遺者・生命保険受取人 ​⇒ 別個の行為:×相続人からの譲受人・転得者。条件を満たせば32Ⅰ後 Q ・現存利益:現に残っている。費消を除く。 ・現存利益に当たる= 生活費・借金返済・預金 ・現存利益に当たらない= 盗難・ギャンブル等 Q 32Ⅱの適用範囲:善意(過失は問わない)。悪意者(生きていたことを知っていた)は704。 意思能力 ①意思能力:当事者が法律行為を行った結果を理解するに足る精神能力 ②欠缺の効果:改)3の2。無効 ​⇒ 幼児、重度の認知症、泥酔者 行為能力 A+ ①背景:3の2は個別に判断 ⇒ 証明困難 ∴ 意思無能力者の不利益・取引安全からわかりやすく ②行為能力制度:行為能力が制限されていることが外から見てわかる + 立証が容易=登記(公開帳簿に記載。取引安全)できる ​ ・行為能力あり​:通常の(=制限行為能力者以外の)成人 ​・行為能力が制限​:制限行為能力者=意思能力が完全でない者。保護者を設置。 ③行為能力:単独で確定的に有効な法律行為をなしうる能力 ※書けるように A+ ​⇒ 保護者なし&取消せない。 制限行為能力者が単独で行った行為は原則として、取消可 ​・法律行為:(権利変動を欲する)意思表示に対応する法律効果が発生する行為​(例)契約、遺言、婚姻 ​・事実行為:意思表示なくして法律効果が発生する行為(私法)​(例)事務管理、拾得、加工 Q制限行為能力者の無効と取消の二重効は認められるか。 →認められる。どちらも主張できる ∵ 保護に資する ※例えば、制限行為能力者が重度の認知症であるなどして意思無能力者の場合。 ④制限行為能力者とその比較 写真 ⑤ 制限行為能力者と身分行為:単独で可 ∵ 本人の意思の尊重 ⑴ 未成年​:認知は単独で可780、改) ※婚姻は父母の同意が必要という規定737は削除ああれた ⑵ 成年被後見人​:認知は単独で可780、婚姻は単独で可738、離婚は単独で可764 制限行為能力者の相手方の保護 ①背景:制限行為能力者は原則、取消を可能とすることで保護される ⇒ 相手方は取消される不安定な地位におかれる ②短期消滅時効126:追認できる時から5年 ・ 行為の時から20年で取消権消滅 ​(例)親が知ってから5年or 本人が23歳に(18歳で成人+5年) (早いほう) ​⇒ 制限行為能力者は行為能力者になれる。審判取消10 ・ 成人。本人は追認可120、122、124 ③相手方の催告権20: 単独で追認可 ⇒ 追認擬制   単独で追認不可 ⇒ 取消擬制 ⑴ 本人に対する催告・無確答の場合の効果 ⅰ 未成年者:  行為能力制限時⇒催告無効     成年後    ⇒追認擬制 ⅱ 成年被後見人:  行為能力制限時⇒ 催告無効  審判取消後  ⇒ 追認擬制 ⅲ 被保佐人  行為能力制限時 ⇒ 取消擬制     審判取消後   ⇒ 追認擬制 ⅳ 被補助人  行為能力制限時 ⇒ 取消擬制   審判取消後   ⇒ 追認擬制 ⑵ 保護者に対する催告・無確答の場合の効果 ⅰ 親権者→追認擬制 ⅱ未成年後見人→追認擬制(未成年後見監督人の同意が必要である場合 ⇒ 取消20Ⅲ) ⅲ成年後見人→追認擬制(成年後見監督人の同意が必要である場合⇒取消20Ⅲ) ⅳ保佐人→追認擬制 ⅴ補助人→追認擬制 ④ 詐術による取消権の排除21:制限行為能力者側は取消不可 Q 詐術とは:〇積極・×消極 ⇒ ×単なる黙秘。ただし、他の言動と相まって相手方を誤信させた場合は詐術に当たる。 ​(例)未成年者がタバコを吸っていて成人と誤信 + 誤信がなければ不適用(相手方が未成年だと知っていて契約等をした場合→取消権は排除されない) ⑤法定追認125:追認擬制。一部履行や請求があると追認したことになる

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    表 制限行為能力者とその比較

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    2 法人 Cランク  (出るなら会社法)

    ① 法人:自然人以外のもので、法律上、権利義務の主体たりうるもの ​⇒ 自然人とは別個の存在。権利義務は法人に帰属、構成員(従業員)・株主・代表(社長)等にはない ②法人の分類 ​社団​:一定の目的のもとに結集した人の集合 ​財団​:一定の目的のために提供された財産の集合 ​私法人​:私的な目的のために設立された法人​(例)公法人以外 ​公法人​:公的な目的のために設立された法人​(例)地方公共団体、公庫、 ​ 営利法人​:営利(=利益を得て構成員に分配)を目的とした法人​(例)株式会社、合同会社 ​非営利法人​:営利を目的としない法人。一般法人​(例)一般社団法人、一般財団法人 ​公益法人​:一般法人のうち特に公益事業を実施し公益認定を受けた ③法人の設立:法人法定主義33-法律の規定による。設立登記主義36-法律の定める登記により ​⇒ 特許主義-特別の法律。日銀 ・ 強制主義-国が強制。日弁連 ・ 認可主義-要件具備+必ず認可。学校 ​⇒ 許可主義-自由に。公益法人 ・ 認証主義-要件具備+確認  ・ 準則主義-要件具備で当然に。会社 ④ 法人の権利能力34 (B+):法人の権利義務は代表者を通して行使される。法人の代表者ではなく法人そのもの ​・性質による制限​: ×親権・婚姻・養子縁組・生命・身体上の自由。〇名誉及び信用等の人格権 ​・法令による制限34​:×他の一般法人の役員及び株式会社の取締役・監査役就任(会331・335) ​・目的による制限34​:定款(会社の基本事項を定める)等の目的の範囲内に制限 ⑤ 法人の行為能力34:法人のできる行為の種類? ⇒ 目的の範囲内34 ​・目的を遂行するために直接又は間接に必要な行為全て+客観的な性質に即して抽象的に判断(判例)  ※「間接」「抽象的」がポイント ​(例)目的は鉄道運営の会社でも、石炭の採掘可、政治献も金可 ⇒ ほぼ全て可 権利能力なき社団 (Aランク) ①権利能力なき社団:社団の実態を有するが法人格がない(登記していない)(例)サークル、学会 ​⇒法人と同じように社会において活動 ∴ できるだけ法人と同様に扱う ・ 法人の規定を類推する ②要件(判例) ⑴団体としての組織を備えている ⑵多数決の原則 ⑶構成員の変更にもかかわらず、団体そのものが存続 ⑷代表の方法・総会の運営・財産の管理その他団体としての主要な点が確立 ③財産:財産は構成員全員に総有的に帰属(判例) ⑴共同所有の形態 ⇒ 法人財産は法人の単独所有 ・​共有:共同所有の原則形態。具体的持分(自由にできる自分の所有権の割合)あり ・​合有:潜在的持分(脱退するときのみの所有権の割合。脱退時以外は潜在)あり ・​総有:具体的持分・潜在的持分共にない 表:写真 ​・組合:複数人が共同の事業を営むために出資する契約・団体 ​⇒ 社団との違い?:社団=構成員が社団と結合。 ​組合=構成員各自が直接・対等に結合 ⑵権能なき社団代表者が社団の名で行った取引の債務:総有的に帰属。個人の負担はなし。社団財産のみ ⑶不動産の登記(判例):代表者の個人名または構成員全員の共有名義でないと登記はできない ⇒ ×団体名・肩書付 ⑷ 銀行預金:実務上、肩書付代表者名義可 ➢ 員外貸付: (事案)非営利法人の労働金庫が会員外の人(非会員A)に貸付。Aの土地に抵当権を設定。Bが競売で落札。Aが員外貸付を理由に抵当権の無効を主張。 (争点)1.員外貸付の効力。2.員外貸付無効の場合の所有権 (結論)1.労働金庫の目的の範囲外のため員外貸付は無効。2.上記の事情の下、第三者が競落。1Ⅱ(信義則)で競落による所有権否定はできない。

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    第三章 私権の客体

    ・私権の客体:権利の対象物権・債権・知的財産権・人格権における人格的利益等 ​⇒物に限られない。物だけ特別に規定 1 物 (Aランク) ​・意義85:民法の物=有体物 ⇒(通説)個体・液体・気体。電気等も含む(判例。排他的支配の可能性) 物の分類86 ​不動産​:土地及びその定着物 ​動産​:不動産以外の物 ①不動産 ⑴土地​:一筆の土地=登記簿の記載による一個の物 ⇒ 一筆の土地の一部を時効取得・所有権移転可 ⑵ 定着物​:継続的に固着して使用≒一部。​(例)〇樹木・取外し困難な庭石。​×仮植中の樹木 ​⇒ 立木法によって登記(≒明認方法)-別個独立の不動産。木-動産・土地の一部・独立の不動産 ⑶建物​:土地の定着物。常に土地から別個独立した不動産=一部ではない + 土地とは別に登記 ②動産:不動産以外の物​(例)仮植中の樹木・金銭・本・時計 ​・金銭:所有権は特段の事情のない限り占有と共に移転。⇒ 動産の即時取得192以下不適用 ​主物:2個の独立した物が互いに経済的効用を補っている場合に、補われている物 ​(例)家屋 ​従物:2個の独立した物が互いに経済的効用を補っている場合に、補っている物 ​(例)エアコン ① 主物の要件87:従物が付属している物 ※主物と従物は事例で覚える ② 従物の要件87 (⑴〜⑷) ⑴ 主物の常用に供する物​:経済的効用を継続的に助ける​(例)車のETC ⑵特定の主物に従属する​:場所的に緊密な関係​(例)ガソリンスタンド=主+敷地の地下タンク(判例) ⑶独立した物​:×主物の構成部分​(例)〇畳・襖・障子・石灯篭・取外可の庭石 ×玄関ドア ⑷主物と同一所有者​:(判例) ​⇒ 他人が付属させた場合も可 ③効果87Ⅱ:別段の意思表示なき限り、従物は主物の処分(法律行為)に従う​(例)売買・抵当権 ー Q 従たる権利:87類推適用 (例)借地上の建物所有権が譲渡 ⇒ 借地権も譲渡 ​・元物88 (Cランク):果実を生ずる物​(例)牛・鉱山・建物 ​・果実  :物より生ずる経済的収益 ​  天然果実:物の用法に従い収取する産出物​(例)牛乳・鉱物 ​  法定果実:物の使用の対価として受けるべき金銭等の物​(例)家賃・利息 ​⇒ 果実は収取権者が取得。法定果実は日割り 2 不動産と動産の区別 A+ •不動産 登記177 対抗要件 公信力 なし ・動産 対抗要件 引渡178 公信力  即時取得192 ① 対抗要件:当事者間で成立した物権変動を第三者に対して対抗(≒主張)するための法律要件 ​・物権 ​⇒ 物に直接的・排他的支配​(例)使用・収益・処分+一人だけ ​・物権的請求権 ​⇒ 他人(≒第三者)に物権侵害をやめさせる​(例)他人が土地を占拠 ​・対抗要件 ​⇒「177の第三者」に対して物権を対抗できる​(例)二重譲渡 ​・177の第三者:当事者及びその包括承継人以外の者で登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者 ​ ・対抗要件あり=完全な物権or排他性のある ⇒ 177の第三者に対抗可+原所有者が更に第三者に売買したら他人物売買になる ​ ・対抗要件なし=単なる物権or排他性のない ⇒ 177の第三者に対抗不可=物権は177の第三者に ​・178の第三者:当事者及びその包括承継人以外の者で引渡の欠缺を主張する正当な利益を有する者 ②公信力:外形を信頼して取引に入ったものにその信頼通りの効果を認める

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    第四章 私権の変動 B+

    ​・私権の変動:私法上の権利の発生・変更・消滅​(例)契約・所有権 1 法律要件の分類 (Bランク) ​・法律関係:「法律要件があるならば 法律効果が発生する」 ⇒ 法律効果の具体的内容=私権の変動 ​法律要件:法律事実(=個々の法律要件を構成する事実。申込・承諾、死亡等)から成る ​事件​:人の精神作用に基づかない事実により法理効果を発生させる ​(例)死亡、物の滅失(地震で建物倒壊等) ​準法律行為​:意思表示によらずに法律効果を発生させる(意思自体はある) ⇒ 個別に検討? ​法律行為​(B+):意思表示を要素とする法律要件で意思表示の内容通りの法律効果が生じる ​・単独行為​:1つの意思表示によって成立する法律行為​(例)取消・解除・遺言 ​・契約​:2人以上の意思表示の合致によって ​・合同行為​:同一方向に向けられた複数の意思表示によって​(例)一般社団法人の設立 ① 準法律行為の分類 ​・意思の通知:意思表示と異なる法律効果が生じる ​(例)催告(追認または取消になる)。受領の拒絶 ​・観念の通知:一定の事実の通知により法律効果が生じる ​(例)代理権授与の表示。467 ②契約の分類 ​・有償契約:当事者が互いに対価的意味を有する出捐(しゅつえん)をする契約​(例)売買、賃貸借 ​・無償契約:当事者が互いに対価的意味を有しない出捐をする契約​(例)贈与、使用貸借 ​⇒ 有償契約は売買の規定が準用。対価的意義の出捐という実質面に着目 ・​双務契約:当事者が互いに対価的意義を有する債務を負担する契約​(例)売買、賃貸借 ​・片務契約:一方のみ債務負担又は双方が債務負担するが対価的意義を有しない​(例)贈与、使用貸借 ​⇒ 専ら双務契約に同時履行の抗弁権・危険負担が適用。債務負担の有無という形式面に着目 ​・要物契約:当事者の合意のほかに給付をなすことを成立要件とする契約​(例)消費貸借 ​・諾成契約:当事者の合意のみによって成立する契約​(例)要物契約以外 ・​典型契約​:民法の定める13種類の契約。有名契約 ​・非典型契約​:典型契約以外の契約。無名契約 ​・要式契約​:契約の成立に一定の方式が必要となる契約​(例)保証契約 ​・不要式契約​:契約の成立に一定の方式を必要としない契約​(例)要式契約以外 ③有償無償と双務片務 ・有償契約   双務契約:売買契約等   片務契約:利息付消費貸借契約 ・無償契約   双務契約:なし(双務ならば有償)   片務契約:使用貸借(貸主は無償で貸しているが変換されない等のリスクを負うので片務)・贈与等 ※片務有償契約は利息付消費貸借契約だけ。契約成立時点で給付がなされており、借主が貸金返還と利息支払債務を負っているだけなので片務契約となる。また、利息がもらえるというメリットがあるので対価的意義有りとなり有償契約となる 2 契約の成立要件​ ①契約の成立要件522:申込と承諾の意思表示の合致 以下、Bランク ​・表示の合致・意思の合致​(例)Aを売る+それ(内心でA)を買う ​・表示の合致・意思の不一致​(例)Aを売る+それ(内心でB)を買う ​・意思の合致・表示の不一致​(例)Aを売る+B(内心でA)を買う ​・意思の不一致・表示の不一致​(例)Aを売る+B(内心でB)を買う ​⇒ 表示・意思共に不一致の場合のみ不成立(=不一致は錯誤の問題)(通説)。​意思の合致が必要(判例)

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    第五章 主観的有効要件 A+

    1 意思表示 ①意思表示:権利変動を欲する意思を表示する行為 ​⇒ 法律行為の構成要素 ∴ なければ法律行為は成立しない ② 意思表示の構造 動機→効果意思→表示意思→表示行為 →相手方 ⑴ 動機​:動機は意思表示ではない。意思表示=⑵~⑷​(例)絵が欲しい ⑵ 効果意思​:効果を発生しようという意思​(例)絵を買おうと思う ⑶表示意思​:表示しようという意思​(例)絵を買おうと言おうと思う ⑷表示行為​:表示する行為​(例)絵を買うと言った ③意思表示の相手方 ⑴効力発生時97Ⅰ:改)原則、到達主義=相手方に到達した時。​(例)手紙。表白→発信→到達→了知 ​・到達:相手方の支配圏内に入ること​(判例)相手方の郵便受けに入る・同居の親族が受取る ​・例外:発信主義20。行為能力者となった者に対する催告への確答 ⇒ 発しないと追認擬制 ⑵到達擬制97Ⅱ:相手方が到達を妨げた​(判例)内容証明郵便の受領拒否 ⑶受領能力98の2改):​×意思無能力者・未成年者・成年被後見人。​〇被保佐人・被補助人 ​・欠缺の効果=効力なし。  ただし、法定代理人が知った場合、行為能力者になった場合はその時点から効力が発生する ④意思表示発信後の問題 ⑴撤回​:到達後は不可、ただし523(各論で学ぶ)。到達前は可。 ⑵発信後の表意者の死亡・意思能力喪失・行為能力制限 改)97Ⅲ​:効力あり。ただし526(各論で学ぶ) ⑤ 正常でない意思表示≒不存在及び瑕疵のある意思表示 ※写真 全部覚えること 2 心裡留保93 ①心裡留保:表示行為に対応する効果意思なく行う意思表示​(例)ベンツを50万で売る(嘘) ②効果:原則、有効 ​例外: 相手方が悪意または善意有過失の場合、無効 ​⇒ 本人の帰責性が大きい ∴ 相手方保護 ③第三者保護:例外の場合でも、善意の第三者に対抗できない ⑴93条2項の第三者:当事者以外の者で意思表示の目的に法律上の利害関係を有するに至った者 ​⇒ (例)相手方からの目的物の取得者。当事者は普通包括承継人等も含む ⑵善意:善意であればよい。心裡留保の第三者は無過失・対抗要件共に不要 ∵ 権利外観法理 ・権利外観法理=外観法理・表見法理・外観理論等 ⑴虚偽の外観作出につき​(例)する気のない契約をする ⑵帰責性ある権利者の犠牲の下​(例)表意者が嘘をついた ⑶かかる外観を信頼した第三者を保護する​(例)信頼した第三者には有効 ④身分行為への適用:婚姻・縁組等には不適用(判例) ⑤改)善意悪意の対象: 改正前)表意者の真意  改正後)真意と異なる事+93Ⅱ 3 通謀虚偽表示94 ①通謀虚偽表示:当事者間に意思表示の効果不発生の合意(通謀)がある意思表示​(例)財産隠し ⑴ 虚偽の意思表示:虚偽の外形有+意思なし ⑵ 相手方との通謀:〇単独行為(解除・共有持分放棄等)・合同行為  ​×身分行為∵虚偽の意思表示ならそもそも無効 ②効果:無効 ⇒ 相互に返還 ③第三者保護:善意の第三者に対抗できない ∵ 権利外観法理 ⑴ 94条2項の第三者​:当事者以外の者で虚偽表示の目的について法律上の利害関係を有するに至った者 ⑵ 対抗できない​:主張不可 ≒ 権利者が第三者に無効主張不可 ※第三者が無効主張することはできる ⑶ 法定承継取得説​:表意者から第三者へ直接権利移転(判例) ​⇒ 第三者への権利行使不可の反射的効果として ∴ 虚偽表示が有効になり・相手方が権利取得するわけではない ※A Bで虚偽表示、CがBから譲受の場合、AからCに直接移転と考える ④ 94Ⅱの第三者の区別 ⇒ 定義 ∴ ×当事者類似・土地と建物は別・何もしてない ​・94Ⅱの第三者にあたる例 ⑴不動産の仮装譲受人からの転得者 ⑵不動産の仮装譲受人から抵当権を取得した者 ⑶仮装の抵当権者からの転抵当権者 ⑷虚偽表示の目的物の差押債権者 ⑸仮装債権の譲受人 ​・94Ⅱの第三者にあたらない例 ⑴1番抵当権が仮装放棄され、順位が上昇したと誤信した2番抵当権者 ​∵ 何もしてない →1番抵当権者は譲渡の虚偽表示による無効を二番抵当権者に主張できる ※ ⑵代理人が虚偽表示した場合の本人 ​∵ 当事者類似 ⑶債権の仮装譲受人から取立のために債権を譲り受けた者 ​∵ 当事者類似 ※Aが甲に対して債権。AはBに仮装譲渡。BはCに取り立て依頼。甲は虚偽表示による無効をCに主張。Cは94②の第三者を主張。→cは94②の第三者に当たらない。Cは取り立てのため債権譲渡されている=代理人類似であることがポイント。 ⑷仮装譲受人の単なる債権者  ​∵ 何もしてない ※差押債権者は差し押さえという行為をしているので94②の第三者に当たる ⑸ 仮装譲渡された債権の債務者​∵ 何もしてない ※AがCに債権。AがBに債権を仮装譲渡。その後AがCに請求した場合、Cは94②の第三者として請求を拒めるか→拒めない ⑹土地が仮装譲渡された場合の建物の賃借人 ​∵ 土地と建物は別 ※AがBに土地を仮装譲渡。Bが土地上に建物を建設(Bは建物の正当な所有権を有する)。CがBの建物を賃借。Aが94①の無効を主張してCに退去を要求。Cは94②の第三者として賃借権の有効性を主張。 →Cは94②の第三者に当たらず、退去しなければならない ⑺建物が仮装譲渡された場合の土地の賃貸人​∵ 何もしてない+土地と建物は別 ※ AがBに土地を正当に賃貸。Bは土地上に建物を建設。BはCと建物の虚偽表示の売買契約を締結。AがCに対して退去を請求。  →Aは無断譲渡により土地賃貸借契約を解除(612②)(87②類推により建物譲渡に従い従たる権利である賃借権も譲渡されことになるため賃借権の無断譲渡に当たる) →CはB C間の売買は94①で無効と主張。BC売買が無効となれば無断譲渡はなかったこととなる。 →Aは自分が94②の第三者であると主張 →Aは94②の第三者に当たらず、解除はできず、 Cは住み続けることができる(判例) Q 94Ⅱの第三者の保護要件 →94条第二項が出てきたら保護要件と登記の要否をすぐに思い出す。他の条文でも同じように論点が思い出せるように。 ⑴無過失の要否​:無過失不要=善意であればよい ∵ 帰責性が大きい ⑵登記の要否​:=不要 ∵ 帰責性が大きい + 前主後主の関係∴対抗関係にない + 文言(登記が必要とは書いていない) Q 第三者からの転得者 ⑴第三者悪意・転得者善意:転得者も保護 ∵ 取引安全の要請は直接の場合と異ならない ⑵ 第三者善意・転得者悪意:絶対的構成=転得者保護 ∵ 法律関係の早期安定。わら人形は1Ⅱで否定 94Ⅱ類推適用 例)Aが自分の土地を無断でBに移転登記。BはCに譲渡。→A Bに通謀なしなので94の場面ではない→権利外観法理で処理 ​・場面:94Ⅰなし∴適用なし​(例)無断で所有権移転登記 ​⇒ 取引安全が害される。権利外観法理から類推適用 ⅰ意思外形対応型(外形自己作出型) 差押回避目的で権利者自ら他人に所有権登記移転 保護される人:善意=94Ⅱ類推適用 ⅱ意思外形対応型(外形他人作出型) 他人が印鑑等を使用し無断で所有権移転登記、後に権利者が明示または黙示に承認 保護される人:善意=94Ⅱ類推適用 ⅲ意思外形非対応型 AB間で不動産売買予約を仮装で仮登記、後にBが無断で所有権移転登記 保護される人:善意無過失=94Ⅱ・110類推適用 ⅳ第三類型(外形与因型) 騙されて登記申請書類を交付し、後に所有権移転登記を無断でされた 保護される人:善意無過失=94Ⅱ・110類推適用 4 錯誤 ① 錯誤95改):効果意思と表示の不一致を表意者自身が知らない場合 ※不一致を表意者が知っていたら心裡留保 ② 分類:⑴と⑵は意思と表示が一致で区別(ここがポイント) ⑴表示の錯誤95Ⅰ①:表示に対応する意思を欠く。意思の不存在。意思表示に問題 ​ 表示上の錯誤​:意図しない表示​(例)100円を100ドルと言った≒言い間違い ​ 内容の錯誤​:意図した表示だがその内容を誤解​(例)ドル=円⇒100ドルで買うと言った ⑵動機の錯誤95Ⅰ②:意思通りの表示で意思形成の過程に瑕疵。瑕疵ある意思。動機に問題。事実錯誤 ​ 理由の錯誤:表示を行った理由を錯誤​(例)土地が値上り∴買った​⇒値上りなし ​ 性質の錯誤:表示を行った人や物の性質を錯誤​(例)ゴッホの絵だから買った​⇒偽物 ③効果95Ⅰ:取消できる ⇒ 取消されれば最初から無効 ∵ 表意者保護 ⑴取消権者​:表意者本人またはその代理人もしくは包括承継人 ⇒ 表意者は追認可122 ⑵取消権の期間制限126​:追認できる時から5年、行為時から20年、 ④要件 共通する要件 ⑴意思表示が⑷又は⑸の錯誤に基づく=錯誤と意思表示の因果関係 ⑵錯誤が客観的に重要なもの ⑶ 重過失がない=無重過失 表示の錯誤特有の要件 ⑷ 意思表示に対応する意思を欠く錯誤 動機の錯誤に特有の要件 ⑸ 基礎事情が真実に反する錯誤 ⑹ 基礎事情の表示 ⑴因果関係:95Ⅰ。表意者が⑷または⑸の錯誤に陥らなければ意思表示をしなかった ⑵重要なもの:95Ⅰ。通常一般人の視点で判断(以下判例)∵ 取引安全 ​ 売買契約-特段の事情(〇買主の債務履行を重視)を除き、×売主・買主の素性 ​ 消費貸借-×貸主の素性。〇借主の素性 ​ 保証契約-〇主たる債務者の素性 ⑶重過失がない95Ⅲ:重過失≒通常人であれば錯誤に陥らないが著しい不注意で錯誤に陥った場合 ​・原則:表意者が重過失あり ⇒ 取消しできない ∵ 相手方保護​(例)通常確認するがしない ​・例外:表意者重過失ありでも取消できる ​ ・錯誤について相手方悪意または善意重過失 ​∵ 趣旨が妥当しない ​ ・共通錯誤=表意者と相手方が同一の錯誤に陥る​(例)当事者間で土地が値上がりすると確信 ⑷表示の錯誤=表示に対応する効果意思なし ⑸動機の錯誤=法律行為の基礎とした事情(=基礎事情)が真実に反する=動機の錯誤。事実錯誤 ​⇒ 意思表示のとき真偽不確定は基礎事情でない​(例)〇駅設置計画あり →基礎事情に当たる ∴×土地値上がり→基礎事情に当たらない ⑹ 表示:法律行為の基礎であると表示 ⇒ 黙示的も可(判例) →上の例では駅の設置計画を表示するということ ⑤第三者保護:善意無過失の第三者に対抗できない ⇒ 詐欺と同様 5 詐欺96 ①詐欺:人を欺罔して錯誤に陥らせる行為 ② 要件 ⑴違法な欺罔行為:社会通念上相当でない方法によって人をだます ⇒ 〇セールストークは社会通念上相当。。総合的判断 ⑵ 欺罔行為により表意者が錯誤:欺罔行為と錯誤との因果関係 ⑶ 錯誤により意思表示:錯誤と意思表示との因果関係 ⑷ 故意:錯誤に陥らせる⑴⑵ + 当該錯誤に基づいて意思表示させる⑶ ③ 効果:取消できる ∵ 被詐欺者の保護 ⇒ 他は錯誤同様 ④ 第三者詐欺96Ⅱ:相手方悪意または善意有過失なら取消し可能(≒心裡留保(心裡留保の場合は無効)) ⇒ 相手方善意無過失のみ取消不可 ⑤第三者保護:善意無過失の第三者に対抗できない96Ⅲ ⇒ 錯誤も同様95Ⅳ ⑴ 趣旨:取消の遡及効から第三者を保護する+取引安全 ⇒ 錯誤 ∴ 93・94より低い帰責性 ⑵ 95Ⅳ・96Ⅲの第三者:意思表示が有効である間に、新たに法律上の利害関係を有するに至った者 ​⇒ 〇新たな譲受者・差押債権者・抵当権設定者。​×一般債権者・単なる後順位抵当権者 ⑶ 善意無過失:95Ⅳ・96Ⅲ ∵ 帰責性 ∴要件加重 Q 登記の要否:不要(判)∵ 必要とする理由がない  Q 96Ⅲの第三者の範囲:取消前の第三者 ∵ 趣旨・定義 ⇒ 取消後の第三者は96Ⅲの第三者ではない Q 取消後の第三者:177。対抗要件によって優劣を決する。復帰的物権変動 ⇒ 悪意者も保護 ∵ 登記と実体はできるだけ一致。×背信的悪意者≒嫌がらせ 6 強迫96 101 強迫:違法に相手方を畏怖させて意思表示をさせる行為(脅迫-刑と区別) 102 要件 (130) 違法な強迫行為:自由な意思形成を妨げる程度 ⇒ 意思選択の自由が奪われる=不存在∴無効(判) Q 犯罪の告発:手段は正当。不当な利益目的なら目的不当 ∴ 違法(判)​(例)万引き犯に猥褻 (131) 強迫により表意者が畏怖​:⑴と畏怖に因果関係 (132) 表意者が畏怖により意思表示​:⑵と意思表示に因果関係 (133) 強迫者に故意​:畏怖させようとする故意 ・ 畏怖に基づいて意思表示をさせる故意 103 効果:取消できる ∵ 被強迫者を保護 ⇒ 他は錯誤・詐欺同様 120Ⅱ・122・126 104 第三者保護​:規定なし=善意無過失の第三者にも対抗可 (134) 趣旨​:帰責性が詐欺よりも少ない=保護の必要性が高い (135) 第三者強迫​:取消できる(要件なし) ∵ 保護の必要性が高い (136) 取消後の第三者​:177の対抗問題(錯誤・詐欺・強迫) (137) 動産の場合​:即時取得192の類推適用

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    第六章 客観的有効要件

    ・(契約の)客観的有効要件(Bランク):内容に関する有効要件: 確定性・適法性91・社会的妥当性90(通説) ​⇒ 欠缺の効果:無効 欠缺なければ(代理・条件・期限も)契約有効 1 確定性 ①確定性​:法律行為の内容が確定可能 ⇒ 内容が不確定なら無効 (例)×土地を売るよ ⑴補充的契約解釈​:解釈で確定可能なら可       (例)〇土地売るよ=甲地を1億で売るよ ⑵確定の範囲​:全部でなく重要部分でも可(判) ②実現可能性​:改)原始的不能及び後発的不能も可412の2② ​⇒ 改正前)不能を原始的・後発的と区別。原始的不能は契約不成立 ※原始的不能の例:遠隔地の別荘を売買したがすでに倒壊していた ③経済性​:不要。399  例:大きな音を出さない契約 2 適法性 ①適法性91:違法な法律行為でないこと - 原則契約自由(任意規定)。例外無効(強行規定) ​⇒ 91:任意規定は意思表示で自由にできるの反対解釈 ⑴強行規定:排除できない公の秩序に関する規定 ​⇒ 法の趣旨から。​ 物権法:強行規定が主 債権法:任意規定が主 ➢ やむをえない事由があっても脱退不可という組合契約の効力:678強行規定違反で無効 ⑵取締規定:行政目的で私法上の行為を制限する規定。倫理的に不法でない​(例)免許・名板貸 3 社会的妥当性 ①社会的妥当性90:公序良俗=公の秩序又は善良の風俗 に反しない ⑴一般条項:極度に抽象的な文言によって一般的に要件が定められた規定 ⇒ 危険 ∴ 最終手段 ⑵例:暴利・差別・犯罪(談合・盗品売買)・芸娼妓(げいしょうぎ)契約(人身売買・妾契約・売春)・射幸(賭博) ②効果:無効 ⇒ 絶対的無効。追認不可 ③判断対象:前)事項を目的とする ⇒ 改)削除=内容のみならず過程等の事情も考慮 ∴ ×動機の不法 Q 動機の不法(〇内容・×動機。賭博のため借金)の効力:動機が相手方に表示 ⇒ 無効 ∵ 取引安全(判例)→「賭博のために借金したい」は無効、単に「お金を借りたい」と言って実は賭博目的であった場合は有効 Q 判断時期:基準時。法律行為がされた時点 ➢ 概要:証券会社が損失補填。当時合法・現在違法。 ​判例:当時合法なので契約有効。    ただし、履行請求は履行時の法律に反するので不可

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    第七章 有効要件の欠缺 Aランク

    1 有効要件の欠缺(欠陥・不存在) Aランク 有効要件欠缺の場合=無効や取消しになった場合 ①無効原因 ⑴表意者が意思無能力であった場合3の2 ⑵公序良俗違反の法律行為90 ⑶強行規定違反の法律行為91反 ⑷心裡留保による意思表示の相手方が悪意または有過失の場合93Ⅰ但 ⑸通謀虚偽表示94Ⅰ ②取消原因 ⑴制限行為能力者による法律行為5Ⅱ・9・13Ⅳ・17Ⅳ ⑵錯誤・詐欺・強迫による意思表示95ⅠⅡ・96ⅠⅡ ③効力を生じない≒無効:無権代理113Ⅰ・保証契約の書面446Ⅱ・遺言の方式968Ⅲ 無効と取消の原則的相違点 ​・共通:法律行為の効力を否定 ・無効 意思表示の要否:不要+最初から生じない 追認の可否:追認不可 主張対象:誰に対しても主張可(絶対効) 期間制限の有無:なし=いつでも無効主張可 あり=5年又は20年で消滅126 ・取消 意思表示の要否:必要+取消まで有効。取消で行為時に遡って無効 追認の可否:取消権者の追認可=確定的に有効 主張対象取消権者のみが相手方に対してのみ 期間制限の有無: あり=5年または20年で消滅126 ・無効・取消の効果:改)効力を否定 ⇒ 履行として給付を受けた者は原状回復義務121の2 ​・現状返還義務の内容:不当利得703の特則 (例)A Bが車の売買契約→引渡しと代金支払の双方履行→原状回復義務:逆方向に引渡しと代金支払いの義務が生じる ④原則:全部返還・原物返還の原則。返還不可能な場合、価額(価格相当額の金員)返還 ⑤例外:利得消滅の抗弁=現存利益の返還で足りる ⑴無効な無償行為で善意の場合​(例)無効と知らずに贈与を受けた。 ⑵行為時に意思能力を有しなかった場合​(例)泥酔者が契約 ⑶制限行為能力者の行為の場合​(例)未成年者が契約 2 無効 ①無効​:形式的な成立があっても、なんらかの原因により効力が生じないこと ②一般原則​:絶対的無効 絶対効=誰にでも誰からも・主張期間制限なし・最初から無効・追認不可 ③絶対的無効の例外 ⑴主張の相手方が制限(絶対効の制限):心裡留保の善意の第三者93Ⅱ・通謀虚偽表示の善意の第三者94Ⅱ の対抗不可 ⑵主張権者の制限:意思無能力による無効は意思無能力者側からのみ ∵ 意思無能力者保護 ⑶主張期間制限:時効取得162(無効原因があっても主張せず時効取得したら無効の主張はできない)・原状回復請求権121の2の消滅時効・即時取得192・信義則違反等 Q 一部無効:法律行為の内容の一部に無効原因がある ⇒ 一部無効or全部無効 ​明文規定有:規定による​(例)利息制限法で超過部分のみ ⇒ 2割 ​明文規定無:法秩序に反せず可能な限り一部無効​(例)芸娼妓契約 ⇒ 一部から全部 Q 無効行為の追認119:追認不可・新たな行為≒非遡及的追認 例):通謀虚偽表示の追認 ⑴非遡及的追認:遡及効のない追認・非遡及的追認時からの将来効のみ ⇒ 内容に不当性のある契約(90違反等)は絶対的に無効 ∵ 不法性が除去されない ⑵遡及的追認:無権代理116・他人物売買(真の所有者が追認) Q 無効行為の転換:無効+他の法律行為の要件具備 ⇒ 他の法律行為として有効 ​〇:971秘密証書遺言⇒自筆証書遺言、嫡出子⇒認知、地上権⇒賃貸借 ​×:注文者が債務不履行により解除⇒641解除∵趣旨に反する、養子縁組∵複雑化 3 取消し 取消し:取消権者の一方的な意思表示によって法律行為の効力を遡及的に消滅させるもの ​⇒ 不確定的に有効な法律行為を遡及的に無効121 ⑴解除との相違: 共通=遡及的に消滅。 相違=根拠。取消-契約締結時の事由・解除-根拠=債務不履行 ⑵取消原因120:制限行為能力・錯誤・詐欺・強迫 ⑶一方的な意思表示123:単独行為かつ形成権 要件 ① 取消権者による120 ​制限行為能力​:制限行為能力者本人またはその代理人、同意権者、承継人 ​瑕疵ある意思表示​:瑕疵ある意思表示をした本人またはその代理人(任意も含む)、承継人 Q 承継人:包括承継人。特定承継人は法律上の地位が移転したとみるべき場合のみ(通) ​包括承継:一切の権利・義務を一括して受継ぐ ​(例)相続・合併 ​特定承継:他人から特定の権利を個別に受け継ぐ​(例)売買 ⑴保証人:取消不可。但し、債務履行の拒否可457Ⅲ ⑵債権者代位権423の行使の対象として取消可 ②相手方に対する意思表示123: ×第三者 ・ 特別な形式 追認 ​・(取消できる行為の)追認:取消できる行為を取消権者が確定的に有効とする意思表示 ⑴効果:確定的有効122=取消すことができない ⑵性質:単独行為・取消権の放棄(通説) ⑶改)第三者の権利を害することはできない ⇒ 削除 ∵ 事例がない ​・要件124 ⑷追認権者による(=取消権者120・122)相手方に対する意思表示(=123) ⑸取消権を有すること知った後 ⑹取消の原因となっていた状況が消滅した後: (例)未成年 ⇒ 成年。被強迫者 ⇒ 畏怖を脱した ​⇒ 保護者が追認 or 成年被後見人を除く制限行為能力者が保護者の同意を得て追認 =不要 ∵ 影響なし ​・効果:確定的有効。保護者の追認=本人の取消権消滅。要件欠缺=無効 法定追認 ①法定追認125:社会一般から追認と認められうる様な一定の事実があった場合に追認したとみなされる ②趣旨:相手方の信頼の保護と法律関係の早期安定 ③効果:追認擬制 ⇒ 取消すことができない=確定的有効 ④要件 ⑴一定の事実=法定追認事由:行為者を区別 (写真) ※相手方の行為をもって追認の扱いになるものもあることに注意。 ・相手方が履行したということは取消権者が受領したということ。 ・更改は契約なので双方の同意が必要。 ・担保の供与は取消権者が受け取ったということ。 ⑵ 追認をすることができる時以後 ⑶異議をとどめなかった ​・取消権の期間制限126 ∵ 早期安定 ​・短期:追認できる時から5年​  (例)未成年等:行為能力者になった時から、保護者:知った時から、錯誤等:状態を離脱した時から ・長期:行為時から20年 ​(例)成年被後見人等:回復しないまま

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    第八章 代理 1総説、2代理権、3代理行為

    1 代理制度総説 代理制度 ① 代理:本人代わり他の者が行った法律行為の効果を、本人に直接帰属させる法的仕組み ⑴ 代理意思​:法律行為の効果を直接本人に帰属させようとする代理人の意思 ⑵代理権​:代理人が行った法律行為の効果を本人に帰属させるための権限 ⑶ 顕名​:代理人が相手方に対して意思表示の効果が代理人でなく本人に帰属することを明示すること ⑷ 代理行為​:代理人が行う意思表示 ②効果:全て本人に効果帰属 = 代理人には無関係 ③趣旨:私的自治の拡充(=拡大-主に任意代理 ・ 補充-主に法定代理) ​任意代理:本人の代理権授与の意思表示により​(例)弁護士 ​法定代理:法の規定により​(例)親権者・後見人・保佐人・補助人 代理の基本的成立要件99 ⅰ代理意思:  なし→他人物売買の検討 ⅱ顕明:  なし→100条適用検討 ⅲ代理権  なし→無権代理の検討 ⅳ代理行為 ↓ 本人に効果帰属 ①代理に親しまない行為:身分行為 ②使者:本人の意思表示をそのまま相手方に伝える者​(例)書いた書面を渡す人 ​⇒ 意思表示の主体は本人。意思能力・行為能力不要。意思表示の瑕疵等の判断基準=本人 2 代理権 ⇒ 本人・代理人の関係 ①代理権授与:本人の代理人に対する代理権を与える旨の意思表示(任意代理のみ必要) ⑴不要式行為:委任状は単なる証明。​※ 登記済証+実印交付 ⇒ 黙示の代理権授与行為(判例) ⑵対内関係​:=内部契約。代理関係の基礎・原因たる契約関係 ​ (例)委任契約に伴い代理権授与 Q 内部契約と代理権授与行為との関係: 反対説は2つあり、単独行為説と事務処理契約説。通説は無名契約説 ・単独行為説:内部契約があれば代理権授与行為は本人の単独行為(代理人の同意不要) ・事務処理契約説:1個の契約と考える。 ・無名契約説:内部契約、代理権授与行為双方ともに当事者の合意が必要 ②代理権の範囲 Bランク ・​法定代理:法律の規定による ⇒ 親権者・成年後見人:全面的+債務負担なら同意要824・859  保佐人・補助人:876の4・9 ・​任意代理:代理権授与行為の解釈による ⇒ 不明確・権限定めなし=保存行為+管理行為(利用・改良) 保存行為103① あたる行為:財産の価値を維持 家屋修繕、期限到来した債務の弁済、 消滅時効完成防止目的の裁判上の請求、未登記不動産の登記、 腐敗しやすい物の売却 利用行為103②:性質を変えない範囲での収益 あたる行為: 家屋の賃貸、金銭の利息付貸与、現金の預金 あたらない行為: 預金を株式に変更、預金を個人への貸付に変更 改良行為103②:性質を変えない範囲での価値を増加 あたる行為:家屋に造作を付加、無利息貸金を利息付に変更 あたらない行為:農地を宅地化 ③代理権の消滅 Bランク ​法定代理:本人死亡、代理人死亡、代理人が破産・後見開始111Ⅰ ​任意代理:同上+委任の終了111Ⅱ= ⑴任意解除651Ⅰ  ⑵本人が破産653Ⅱ ⑶その他委任終了事由(期間満了等) ※⑵の任意代理の場合は本人の破産が代理権の消滅事由であることは短答で頻出 ④復代理104・105・106(B+短答):代理人が更に代理人を選任する場合  ⇒例外。自己執行義務644の2が原則 ⑴ 選任及び責任 ​法定代理:自己の責任で可105=広く許容 ∵ 広範+法定 ​任意代理:本人の許諾orやむを得ない事由がある のみ可104 ∵ 代理人との信頼関係 Q 復代理人が不適当な代理行為を行った場合 ​法定代理:原則、全責任。例外、やむを得ない事由によって選任の場合は選任及び監督についてのみ ​任意代理:改)選任及び監督について → 削除 ⇒ 債務不履行の問題として事案ごとに代理人の責任を判断+復代理人は本人に対し106 ⑵復代理人の地位:本人の代理人106Ⅰ=代理人の代理ではない ⇒ 代理人と同一の権利義務あり ​∴ 効果は直接本人に帰属+復代理人選任でも代理人は変更なし ⇒ 復代理人が受け取ったものは代理人・本人に引渡義務あり(判例) ​ 注)親亀子亀:代理人or本人に代理権消滅事由あれば消滅+復代理権は代理権の範囲内 代理権の制限 ①共同代理:複数の代理人が共同でなければ代理行為ができない ∵ 専断・背任の抑止 ⑴単独で代理した場合:無権代理(原則、本人に効果不帰属) ⑵親権:親権共同行使の原則818Ⅲ。相手方悪意を除き、一方でも効力あり825 ∵ 取引安全 ②自己契約と双方代理108Ⅰ (B+) ​・自己契約:同一の法律行為について、相手方の代理人としてした行為 (A代理人Bかつ相手方B) ・​双方代理:同一の法律行為について、当事者双方の代理人としてした行為(A代理人BかつC代理人B) 効果​:改)原則-無権代理。例外-債務の履行 ・ 本人があらかじめ許諾した行為 ⑴趣旨​:本人の利益保護 ⑵判例等​: ・登記申請=債務の履行→自己契約、双方代理可 ・自己契約、双方代理も本人の追認116可=効果帰属。 ・自己契約、双方代理も相手方は本人への催告可114 ③利益相反行為(B+):改)108Ⅱ。代理人と本人との利益が相反する行為 ​= 具体的な事情と無関係に、代理行為を外形的・客観的に考察して、代理人には利益・本人には不利益 ​(例)保証契約:相手方=債権者、代理人=主債務者、本人=保証人の場合で代理人が保証契約を相手方と締結 ⑴効果:原則-無権代理。 例外-本人があらかじめ許諾 ⑵趣旨:本人の利益保護 ④代理権の濫用:改)107。代理人が自己または第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をすること ​(例) ・代理による売却代金を受領後に着服した場合(着服の行為は別として他は代理権の範囲内)  ※親権者が子の不動産を第三者の担保に(特段の事情なしで)した場合、これは代理権の濫用には当たらない ⑴効果:  原則:本人に効果帰属。   例外:相手方悪意または善意有過失 = 無権代理 ⑵改)以前は93類推→判例法理を明確化+柔軟に解決 3 代理行為 顕名99 (B+) ① 方法:A代理人B(本人A・代理人B)+ Bの署名押印 ⇒ 主体は代理人 ② 趣旨:権利義務関係の帰属先の明確化 Q 署名代理:代理人が直接本人の名前で行為(代理人BがAの署名押印) ​結論:本人に効果帰属(判例) ∵ 権利義務関係の帰属先が本人であることを示すという顕名の目的自体は達成 ③欠缺の効果100 ⑴ 原則:相手方と代理人間に効果帰属 ⇒ 本人に効果不帰属 ⑵ 趣旨:相手方の信頼保護 ⑶ 例外:ⅰ 相手方悪意又は有過失→本人に効果帰属・ⅱ商行為の代理:商504 代理行為 Aランク ①代理行為の瑕疵 ⑴ 原則:改) ・​能動代理101Ⅰ:意思表示の瑕疵及び不存在・悪意または善意+過失がある​⇒ 代理人について決する ​・受動代理101Ⅱ:悪意または善意+過失がある ​⇒ 代理人について決する ※能動代理:代理人が相手方へ行為 ※受動代理:相手方が代理人に行為 ⑵例外 101Ⅲ:特定の法律行為を委託 ⇒ 本人の悪意・善意有過失の事情につき代理人の善意主張不可 ※ 写真 ​=本人の事情を考慮  ∵ 当事者間の不公平の回避 ​改)「本人の指図に従って 」の文言を削除 =本人の指図がなくても ②代理行為の瑕疵の諸問題 (B短答) ⅰ 代理人と相手方の通謀虚偽表示による代理行為→無効 ∵ 意思の不存在は代理人が基準 ⅱ 相手方の代理人に対する詐欺・強迫により代理人が能動代理を行った→本人が取消可 ∵ 意思表示の瑕疵は代理人が基準 ⅲ 代理人の相手方に対する詐欺・強迫により相手方が意思表示した(受動代理)→相手方が本人の善意悪意に関わらず取消可  ※101②は意思表示の瑕疵、不存在については規律していない ⅳ 相手方の本人に対する詐欺・強迫→本人が代理人に指示 代理人≒使者→取消可-101Ⅲ類推適用 ∵ 本人に酷 ⅴ 本人の相手方に対する詐欺・強迫 →相手方が代理人の善意悪意に関わらず取消可 ③代理人の行為能力: 権利能力・意思能力が必要。​意思能力欠缺の場合、その代理行為は無効 ・​任意代理:改)制限行為能力者可→行為能力制限による取消不可102 ∵ 代理人無関係+本人の選任責任 ​・法定代理:改)制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人→行為能力制限による取消可

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    4 無権代理

    無権代理概説 ①無権代理:代理行為をした者に代理権が欠けていた場合 (⇔有権代理:代理権のある場合) ​・代理権欠缺の場合​:最初から欠缺or付与後に欠缺 ​・代理権の範囲外の場合 ②表見代理:無権代理のうち、相手方の信頼保護のため例外的に本人への効果帰属を認める制度 ③無権代理の効果:原則:追認なき限り、本人に効果不帰属113Ⅰ(無権代理行為は無効ではない。∵効果帰属要件・117) ​⇒ 例外:本人の追認・表見代理の成立 → 本人に効果帰属 追認及び追認拒絶113Ⅱ ​・(無権代理の)追認​:無権代理の効果を本人に帰属させる意思表示(単独行為) ・​(無権代理の)追認拒絶​:追認を拒絶する旨の意思表示(単独行為) ⑴ 行為能力​:追認及び追認拒絶を行うには行為能力が必要 (判例)未成年者の親が無権代理 → 未成年者は成年に達するまで追認不可 ⑵相続​:一身専属的のもの以外、対象 → 相続人が追認権行使しうる ①効果116 ​・(無権代理の)追認:代理行為時に遡及して効果帰属。別段の意思表示・第三者の権利を害する場合を除く ​・(無権代理の)追認拒絶:効果不帰属確定 ② 意思表示の相手方113Ⅱ:無権代理行為の相手方。無権代理人に行った場合に相手方が知っても可 ③判例 ⑴ 追認の方法​:黙示的な追認も可 ⑵ 法定追認​:無権代理には類推適用不可 ∵ 原則本人に効果不帰属 ④116類推適用(Aランク):他人物売買に116を類推適用(判例) ⑴116は他人物売買の所有者が追認した場合にも類推適用 ⇒ 処分行為の効果は遡及して所有者に帰属 ⑵ 処分行為の効果(=物権的効果)のみ帰属。債権債務関係は所有者に帰属しない。  ※無権代理の追認とは異なる。 ※所有者Aの土地をBがCに他人物売買。Aが追認するとCに所有権が移転するが、債権債務の関係はBC間のまま。 無権代理の相手方が採りうる手段(表見代理以外) ①(無権代理の相手方から本人に対する)催告権114:本人に対し相当期間を定めて、その期間内に追認するかを確答すべき旨の催告をする権利 ⑴ 効果​:不確答 ⇒ 追認拒絶とみなされる(債務の履行の請求等と区別) ⑵相手方の主観的要件​:不問=悪意であっても可 ※短答で出る ② (無権代理の相手方から本人に対する)取消権115:本人が追認するまでの間に、無権代理行為による契約を取消しできる権利 ⑴ 効果​:遡及的に無効  ⇒ 本人の追認・114・117・表見代理も不可 ⑵ 相手方の主観的要件​:善意 (+本人が追認してない・120と区別)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           ③無権代理人の責任追及117(Aランク):代理人は効果不帰属 ⇒ 117で責任追及 ⑴法的性質:無過失責任(判例) →無権代理人は代理権欠缺につき過失がなくても要件充足で責任を負う ⑵趣旨:取引安全+代理制度の信用維持 ⑶要件:171Ⅱ各号に該当しない=該当すれば責任否定 + 無権代理行為の存在・代理権及び追認の不存在 ​ 171Ⅱ 1号:無権代理につき、相手方悪意 ⇒ 責任否定 171Ⅱ 2号:​相手方善意有過失 ⇒ 原則:責任否定。例外:無権代理人自身が代理権欠缺につき悪意→責任肯定 171Ⅱ 3号:​無権代理人=制限行為能力者 ⇒ 責任否定 ⑷ 改):無権代理人に代理権・追認につき証明責任 ⑸効果:相手方に対し履行または損害賠償責任を負う ⇒ 相手方が選択 ・​履行:本人との間で成立するはずの一切の法律関係が無権代理人との間で発生(判例) ・​損賠:履行利益(判例) ​(損害賠償の範囲) ・​信頼利益:有効であると信じたために失った利益​ (例)借入金利息、手数料、交通費、宿泊費 ・​履行利益:履行されれば得られたはずの利益​ (例)転売による利益、 Q 無権代理と表見代理の関係:共に成立する場合 ​論証:各々独立の救済手段 → 相手方の任意 + 117の責任を追求された無権代理人はは表見代理を抗弁とすることはできない(判例通説) 無権代理と相続 Q 無権代理人が本人を単独相続した場合 ⇒ 無権代理人は追認拒絶できるか ①地位融合説-反対説・判例?​: 地位が融合しA=B ​となり、有権代理となる。A=Bが法律行為 ​⇒追認拒絶及び取消はできない(批判)相手方が取消や無権代理人の責任追及を否定する理由はない ②地位併存説-通説​: AとBは地位が併存 ​→ A+Bが代理行為 ​⇒ 追認拒絶は信義則により認められない ③本人が相続前に追認拒絶した場合:本人(相続人)への効果不帰属が確定 ∵ 本人(被相続人)でも追認による有効が不可 Q 無権代理人が本人を共同相続した場合 ⇒ 無権代理人は追認拒絶できるか(写真) ① 判例:共同相続人全員に不可分に帰属=共同相続人全員でなければ追認できない ② 結論:Bが追認しても、C持分・B持分共に効果不帰属。117はBに対し可 Q 本人が無権代理人の地位を相続した場合 ⇒ 本人は追認拒絶・履行拒絶できるか ① 追認拒絶:(判例)できる   ∵ 信義則に反する事情がない ② 履行拒絶:(通説)相手方が117責任を追及した場合に問題となる ​・特定物の給付債務​:履行責任を承継しない ​⇒ 損賠責任のみ負う ∵追認拒絶(特定物の場合、本来追認を拒絶しうるにもかかわらず相続によって拒絶できなくなるとするのは不合理) ​・不特定物の給付債務​:履行責任を承継する ​⇒ 履行or損賠責任を負う Q 本人と無権代理人を第三者が相続した場合 ⇒ 第三者は追認拒絶できるか ※本人:妻A 無権代理人:夫B   相続人:子D  →A B死亡によりDがA相続 ① 判例(反対説):無権代理人と本人の相続の順番で決まる  ​・先に無権代理人を相続+後に本人を相続 ⇒ 追認拒絶不可 ​・先に本人を相続+後に無権代理人を相続 ⇒ 追認拒絶可 (批判)明らかに不当 ∵ 順序は単なる偶然 ②通説(自説):相続の順番に関わらず追認拒絶可 ∵ 無権代理を行っていない+偶然の事情で結論が異なるのは不合理 Q 無権代理人が本人の後見人に就任した場合 ⇒ 無権代理人は追認拒絶できるか ※ 本人:親A 無権代理人:子B   BがAの成年後継人に就任 ①旧判例(反対説):信義則上、無権代理人は追認拒絶できない ②判例・通説(自説):成年被後見人保護の見地から、追認拒絶できる  ∵不利益受けるのは本人だから ​⇒ 信義則に反する場合は例外的。その場合は追認拒絶不可

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    5 表見代理

    表見代理概説 ①表見代理:無権代理の場合に、例外的に本人への効果帰属を認める制度109・110・112 ②趣旨:権利外観法理 + 相手方の信頼保護と取引安全 ​⇒ 本人の帰責性 + 善意無過失 ∴ 例外的に本人への効果帰属が正当化される ③類型:代理権授与表示109、権限外行為の表見代理110、代理権消滅後の表見代理112 代理権授与表示による表見代理109 ① 109:代理権を授与していないが、無権代理人に代理権を授与したような表示をした場合 ②効果:本人に効果帰属 ③109の要件 ⑴ 代理権授与の表示:=観念の通知。口頭、書面 ※観念の通知:「このようにしたい」という意思 の発表を含まない、一定の事実の通知。 意思を伝えるので はなく、事実を伝えるもの。 Q 白紙委任状の濫用 ①問題の所在:権限外の補充がされて無権代理行為がなされた場合、交付が代理権授与表示になるか ⑴委任状:任意代理人の代理権を証明するために本人により交付される文書 ​⇒ 本人の署名捺印 ・ 代理人の氏名-代理人欄 ・ 代理権の範囲-委任事項欄 が明記 ⑵ 白紙委任状:代理人欄と委任事項欄の一方または両方が空欄で、後に補充される前提で交付される委任状 ​⇒ 代理人が代理権の範囲内で空欄を補充して使用するのは可 ②結論:事例による=帰責性があると言える場合授与表示あり。以下多数説 (被交付者濫用型) ・代理人濫用型・非代理人補充呈示型  →109Ⅰ適用 ・非代理人非補充呈示型(代理人でない者が白紙のまま呈示し無権代理行為)  →推認させる事実がなければ不適用  (代理人氏名も委任事項も記載のない委任状を相手方が善意無過失で信じたとは通常言えない) (転得者濫用型) ・代理人欄濫用型:109Ⅰ適用 ・委任事項欄濫用型:109適用?  →肯定判例と否定判例がある。例えば車を売る内容の代理権授権だったにも関わらず家を売られてしまったという場合、本人の損害があまりにも大きい。  Q 名義貸し:≒名板貸し。第三者に自己の名称や商号の使用を許すこと ・問題の所在:本人から相手方への直接の授与表示なし  ※A本人 B他人 C相手方    →Aが Bに名義使用を許諾。 ​・結論:109類推適用(判例)   ∵ 権利外観法理+相手方に直接表示してない (2) 顕名及び代理行為 ・表示された代理権の範囲内:109Ⅰで処理 ・表示された代理権の範囲外:改)109Ⅱで処理 ⇒ +代理権があると信ずべき正当な理由  ※通常、代理権授与の表示では範囲も示されるため。正当な理由の例:実印を所持 (3) 相手方の善意無過失 = 相手方が代理権不存在につき悪意または善意有過失の場合、109不成立 権限外行為の表見代理110 ①権限外行為の表見代理:基本代理権の範囲を超えた無権代理行為を行った場合​  ※基本代理権はきちんと授権されている ②効果:信ずべき正当な理由があれば、本人に効果帰属 ③要件 ⑴基本代理権の存在 ・​〇基本代理権として認められるもの:法律行為(売買)​・登記申請手続​・法人の代表の代理権 ・​×認められないもの:事実行為(勧誘・子守)​・公法上の行為 Q 夫婦間の日常家事と代理:夫婦の一方が行った代理行為に対し相手方が他の一方に110を主張できるか  ※ 夫A、妻 B、相手方C。夫Aが病気で療養。生活費治療代のためBがAに無断でAの土地をCに売却。 →110条、761条でAに効果帰属させることができるか。 ①761を根拠に代理権が認められるか ⑴問題の所在​:761は連帯責任の規定であり、代理権の規定ではない ⑵判例​:761を根拠に、夫婦間に日常家事に関する法律行為についての法定代理権が認められる ⑶理由​:夫婦生活を維持する上での便宜を図るため ⑷特徴​:顕名不要・夫婦相互に効果帰属(普通は本人のみ) ②日常家事に関する法律行為の判断 ⑴判例:個々の夫婦がそれぞれの共同生活を営むうえにおいて通常必要な法律行為 ​⇒ 個別の目的だけでなく、内部事情、客観的な法律行為の種類・性質等を考慮して決する ⑵ 例​:​ 〇日常家事に関する法律行為にあたる:食料や衣服の購入・家賃・子の教育費   ​×当たらない:借金・不動産の売却∴761で有権代理不可 ③761の日常家事代理権を基本代理権として、110を適用できるか ⑴ 判例:110適用不可。但し、当該行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずる​につき正当の理由のあるときは、110の趣旨を類推適用し第三者を保護 ※ 110の「趣旨を類推適用」と書けるように。深入りはしない ⑵理由:夫婦の財産的独立と取引安全との均衡 ⑶結論:×代理権が与えられたと信頼 ・ 〇日常家事の範囲内と信頼+正当理由あり ​⇒ 110適用不可→Qの事例ではCは本人Aの責任を追求できず (2) 顕名及び権限外の代理行為 ※ 正当な理由があれば顕名なく直接本人の名でも110類推適用(判例) (3) 代理権があると信ずべき正当な理由:通常人が諸般の事情を客観的に考慮して。≒善意無過失(判例) ​・肯定:実印・印鑑証明書 ・​否定:特段の事情あり≒代理人が同居の親族・利益相反等 ⇒ 本人に意思確認すべき 代理権消滅後の表見代理 ①代理権消滅後の表見代理112:代理権消滅後に、代理人が消滅した代理権を用いて代理行為 ②効果:本人に効果帰属 ③要件 ⑴代理権の授与及び消滅:  法定代理は否定(有力説)   ∵ 本人の授与なし+消滅事由が明確+文言(「代理権を与えた者」) ⑵顕名及び代理行為:改) ​・消滅した代理権の範囲内:112Ⅰで処理 ​・消滅した代理権の範囲外:112Ⅱで処理 ⇒ +代理権があると信ずべき正当な理由 が必要 ・代理権があると信ずべき正当な理由(再掲):通常人が諸般の事情を客観的に考慮して。≒善意無過失(判例) ​・肯定:実印・印鑑証明書 ・​否定:特段の事情あり≒代理人が同居の親族・利益相反等 ⇒ 本人に意思確認すべき ⑶相手方の善意無過失:過去に存在した代理権が代理行為の前に消滅したことを知らなかった(判例) 表見代理の補足 ①保護される相手方:=各条文の第三者。無権代理人と直接取引をした相手方のみ(判例) ⇒ ×転得者は保護されない ② 立証責任:写真

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    第八章 契約の効力発生要件

    ・附款:法律行為の効力を一定の事実にかからせて制限する内容をもつ付属の意思表示 ​ ・条件:効力の発生または消滅を到来不確実な事実の成否にかからせる特約​(例)大学合格 ​ ・期限:効力の発生又は消滅を到来確実な事実の成否にかからせる特約​(例)正月、死亡 1 条件 ①条件の種類 ​・解除条件:条件を満たせば解除。​効果消滅の要件となっている条件​(例)合格したら車返せ ​・停止条件:条件を満たすまで停止。​効果発生の要件となっている条件​(例)合格したら車あげる ②条件に親しまない行為:⇒ 大元の法律行為を含めて全体が無効 ⑴身分行為 ∵ 身分秩序不安定(≒公序良俗)​(判例)離婚を停止条件とする婚姻予約は無効 ⑵単独行為 ∵ 相手方不安定(≒公序良俗) ⇒ 相手方の同意がある場合または不利益でない場合は可 ​(例)〇期間内に履行しないと契約解除する(=停止条件付解除)は可能 ∵ 条件が相手方の行為のみにかかるため ③条件付き法律行為の効力 ⑴原則127:停止条件付127Ⅰ=成就時から効力発生 ・ 解除条件付127Ⅱ=成就時から効力消滅 ​⇒ 不遡及の原則127Ⅲ:原則、遡及はしない。+ 合意により遡及できる ⑵ 期待権129:条件が成就すれば権利を得られるという期待 ⇒ 法的に保護 ⑶ 成就擬制130Ⅰ​:成就により不利益を受ける当事者が故意に成就を妨害 → 成就​(例)不動産仲介(AがBに不動産を買ってくれる人を探すように依頼。BはCを見つけてきた。Aは仲介手数料をBに払いたくなかったので直接Cと交渉。→成就を妨害に該当) ⑷ 不成就擬制130Ⅱ​:改)成就により利益を受ける当事者が不正に成就 → 不成就​(例)カンニング ④特殊な条件 ⑴既成条件:既に客観的に確定している条件131​(例)もし合格したら+合格済み ⑵不法条件:不法な条件​(例)もしAを殺したら ⑶不能条件:実現不可能な条件​(例)もしAが生き返ったら ⑷随意条件:一方当事者の意思のみで成就する条件​(例)もし気が向いたら ※写真 2 期限 ① 期限:到来確実な事実 ​・確定期限​:到来する時期が確定している期限​(例)令和2年1月1日 ​・不確定期限​:到来する時期が不確定な期限​(例)死亡、雨が降る ② 期限に親しまない行為 ⑴身分行為 ​(例)3年間の期限付き婚姻 ⑵単独行為:原則不可。例外あり​(例)×相殺506、〇遺贈 ③期限の利益:期限が到来しないことによって有している利益​(例)弁済期までの弁済猶予 ⑴期限の利益の放棄136Ⅱ ​・一方に存する:当該当事者の自由​(例)無利息貸付の借主 ​・双方に存する:相手方の損失を填補できる場合​(例)利息付貸付の借主 ⑵期限の利益の喪失137:破産手続開始・担保の滅失損傷・担保を提供しない ​・期限の利益喪失約款:当事者が合意で定める → 原則可 ④期間:ある時点からある時点まで継続した時の区分 ​初日不算入の原則140​:日・週・月・年で期間を定めた場合、初日は算入しない ​例外​:期間が午前零時から始まる場合、初日算入。 ⇒ 刑事訴訟法 ​(例)1/1(午前0時以外) 今から10日間、1/2から10日間  ⇒  1/2~1/11

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    随意条件の処理

    債務者  停止条件→無効  それ以外→有効

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    第九章 時効 A+ 1時効総説 2 消滅時効

    1 時効総説 ①時効:一定の事実状態が所定の期間継続した場合に、事実状態に対応した権利関係を認める制度 ​⇒ 真実の権利関係と一致しなくても可。民法。大きく改正。 ​・消滅時効:権利不行使の状態を継続する者の権利を消滅​(例)貸金債権を請求せず ​・取得時効:事実上権利者である様な状態を継続する者に権利を取得​(例)長期間占有 ②趣旨 ※論文で書く ⑴永続した事実状態の尊重​⇒ 法律関係ないし社会の安定維持 ⑵立証の困難性からの救済​⇒ 真実の蓋然性が高い ⑶ 権利の上に眠る者は保護に値しない​⇒ 権利維持の必要なし ③効果162・163・166等 ​・消滅時効:対象の財産 ​⇒ 消滅 ​・取得時効:対象の財産 ​⇒ 取得 2 消滅時効 ・除斥期間:法が定めた一定期間の権利の不行使により、権利が消滅する場合の権利の存続期間 ①例(通説)​:盗品・遺失物の回復請求権193:2年、​占有保持・回収の訴え201:1年 ②消滅時効との比較​:一定期間の経過により権利消滅 ⇒ 消滅時効と共通 (消滅時効) ・起算点:知った時からorできる時から ・完成猶予・更新規定:適用あり ・援用の要否:必要 ・効果の発生時期:起算点に遡及する ・放棄の可否:できる ※時効の援用:時効の完成によって利益を受ける者が、時効の完成を主張すること。(時効の援用とは、時効の効果を確定的に発生させる意思表示) 当事者が時効を援用しない限り、時効の効果は発生しない(145) (除斥期間) ・起算点:権利発生時 ・完成猶予・更新規定:適用なし?(旧法下例外あり) ・援用の要否:不要 ・効果の発生時期・遡及しない ・放棄の可否:できない 消滅時効の対象 ​・消滅時効の対象となる権利 ①債権166Ⅰ​(例)貸金返還債権 ② 所有権以外の財産権166Ⅱ​(例)地役権 ③抵当権:被担保債権と同時でなければ消滅しない396 ④所有権:占有者が時効取得した場合は、反射的に所有権消滅 ⑤抗弁権:自己に対する他人の権利のはたらきを阻止しうる作用を有する権利 ・​請求に対してのみ行使できる抗弁権​:対象外​(例)同時履行、催告の抗弁、検索の抗弁 ・​請求と無関係に行使できる抗弁権​:対象​(例)取消権、解除権  ※催告の抗弁権:保証人が債権者から債務の履行を請求された際に、先に債務者に対して返済を請求するように請求できる権利  ※検索の抗弁権:保証人が、債権者に対し、債務者が弁済可能な資産などを所有している際に保証債務の履行を拒否する事ができる権利 ​・消滅時効の対象とならない権利 ①所有権(及びその派生権利)(例)物権的請求権、共有物分割請求権、 ②占有権:占有によるため ③留置権・先取特権・請求に対してのみ行使できる抗弁権 消滅時効の起算点 ①消滅時効の起算点166Ⅰ:改)二元的構成 ⇒ 各起算点のいずれか早い方の期間経過 ​・主観的起算点:債権者が権利を行使することができることを​知った時から5年 ​・客観的起算点:債権者が権利を行使することが​できる時から10年 ​・趣旨:債務者の認識なき限り時効が完成しないのは妥当でない(改正前-原則客観、例外債権別) ②客観的起算点 Q 権利を行使することができる時の意義 ⑴法的可能性説(通説):法律上の障害がなくなった時。それまでは消滅時効のカウントは進まない (例)〇弁済期到来時・停止条件成就時 ​ ・事実上の障害(病気・地震等)=病院にいたので請求できなかった等では消滅時効のカウントは進んでいく 債権者が除去しうる(同時履行の抗弁権等)場合は履行期から消滅時効のカウントが進む ⑵ 現実的可能性説(有力説):法律上の障害がなくなった時+権利行使が現実に期待できる時 ③主観的起算点 Q 権利を行使することができることを知った時の意義 ⑴法的可能性説:客観的起算点の到来を知った時 ⑵現実的可能性説:法律上の障害がない+権利行使が現実に期待できることを知った時 ④消滅時効の起算点の例 別紙 □ 消滅時効期間 ​・消滅時効期間まとめ 別紙 ①生命・身体侵害の趣旨:生命・身体は財産より保護すべき度合いが強い →・債務不履行:短期:5年、長期:20年(167)(一般は長期10年(166))  ・不法行為:短期:5年、長期:20年(724の2)(一般は短期3年(724))  ② 定期金債権:改)定期に一定の金銭等その他の物を給付させる債権。  ※基本権である定期金債権から支分権が発生。 ⑴​定期金債権にあたる:年金債権 ・ 地上権の地代債権 ・ 分譲マンションにおける管理費等の債権 ⑵ ​定期金債権にあたらない:NHKの受信契約に基づく受信料債権 ・ 分割払債権 ⑶消滅時効の起算点:支分権(しぶんけん)=各債権 を対象 ∵ 長期間が前提 ③ 取消権126 ※短期5年(追認できる時から)  長期20年(行為の時から) Q 取消権と原状回復請求権との関係 問題の所在​:取消により原状回復請求権が発生(121の2)するが原状回復請求権の消滅時効の起算点及び期間はいつか? ⑴一段構成説(反対説)​:取消権と原状回復請求権は一体 ⇒ 一体として、追認5年・行為時20年​∵ 取引安定 ⑵ 二段構成説(判例通説)​:別個 ⇒ 取消権→原状回復請求権の順で各消滅時効 ​∵ 取消により無効が確定するので取引の安定は確保される ④確定債権の特則169:更新・和解等も同様。支払期限到来前の債権は通常通り。 ​・主債務が判決等で確定 ​→ 付従性から保証債務も10年(判例) ・​保証債務が判決等で確定 ​→ 主債務は影響なし(判例) 消滅時効の効果 ​・援用により消滅 ⇒ 遡及効=起算点に遡って消滅144 = 利息も消滅(判例) ⑴援用:時効の効果を確定させる意思表示

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    消滅時効の起算点の例

    写真 ※ 期限の定めのない債権の例(友達にPS5を貸した。)→債権成立時から消滅時効カウント開始 →期限の定めのない消費貸借は例外。再建成立後、相当期間の経過がして初めて消滅時効のカウント開始。返すために準備する時間が必要だから。 ※期限の利益喪失約款付債権は債権者が意思表示をしたときに消滅時効のカウント開始。分割払いなどで支払いが滞った場合に期限の利益を喪失させるものが典型。 2/1に支払うべき2月分が滞った。残部(3月、4月、5月分)は、それぞれについて債権者が請求した時点で消滅時効のカウント開始。 ※債務不履行(415)による損害賠償請求権:本来の債務の履行を請求できるとき(前判例)  例:AとBが1/1に車の売買契約(2/1引渡し)。→2/1にBがAに引渡し請求→3/1にAが債務不履行→4/1 BがAに415で損害賠償請求 →前判例:損害賠償請求は本来の債務の履行が請求できるとき=2/1に消滅時効のカウント開始 (本来の請求権の拡張ないし性質の変更で同一視できる=債務の転形論) →民法改正により債務の転形論が否定された ※不作為債権(例:騒音を出すな) →相手方の違反行為があったとき(騒音を出したとき)から消滅時効のカウント開始 ※不法行為に基づく損害賠償請求権→不法行為時から消滅時効のカウント開始

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    消滅時効期間まとめ

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    3 取得時効 A+

    ①取得時効:事実上権利者である様な状態を継続する者に権利を取得させる制度​(例)長期間占有 ・​長期取得時効162Ⅰ:所有の意思・平穏・公然 ​で20年間占有 ​⇒ 所有権取得 ​・短期取得時効162Ⅱ:所有の意思・平穏・公然・善意無過失​で10年間占有 ​⇒ 所有権取得 ②取得時効の対象:所有権 ⇒ 所有権以外の財産権163 →性質上継続使用が可能な権利のみなりうる ③効果:援用により権利取得 ⑴原始取得:新たに発生した権利を取得 ​⇒ 未登記用益物権等付→権利負担なし。(抵当権などの負担は消える) ※ 占有者が負担を容認して占有→負担付権利を取得(判例) ⑵遡及効:起算点に遡って取得 ⇒ 果実も取得。任意に起算点を選択は不可 ※ 承継取得:前権利者から権利を取得 ​(例)売買、相続 取得時効の要件 ①占有162 ⑴他人の物の占有 Q 自己の物の占有:自己物の時効取得も可(判例) ​(判例)不動産の二重譲渡。  事例:AがBCに土地を二重譲渡。Cが登記。Aがそれ以降も占有。→時効取得を認める Q 物の一部の占有:経済的価値の単位と扱えるならば可​(判例)土地の一部、権限なく植えた樹木 Q 公物の占有:機能を喪失し維持すべき理由がなければ可(判例)​(例)道路・公園、国立学校、裁判所 ​・公物:公共用物(=直接一般公衆が共同使用) + 公用物(=国及び地方公共団体が使用) ⑵占有継続の推定186Ⅱ​:前後2地点の占有を証明 ​→ その期間の占有を推定 ⑶取得時効の中断164​:任意に占有を中止or占有侵奪 ​→ 中断=進行停止+経過期間消滅(リセット) ​⇒ 占有侵奪の場合、占有回収の訴えで占有回復 → その間占有が継続とみなす ②所有の意思:所有者として占有する意思 ⑴判断基準:占有取得の原因たる事実によって外形的・客観的に決定=内心は無関係(判例) ⑵所有の意思による占有の分類 ​・自主占有:所有の意思をもってする占有​(例)売買、贈与、所有権移転を目的とする契約、泥棒 ​・他主占有:所有の意思のない占有​(例)賃貸借、使用貸借、所有権移転を目的としない契約 ③平穏・公然 ⑴平穏:暴行等、違法・強暴の行為を用いていないこと ⇒ 占有自体が単に不法の場合は該当しうる(判例)(所有者が知らない間に盗んだ、他人の土地をこっそり占有した 等) ⑵公然:隠匿しないこと ⇒ 強盗・泥棒の占有でも強暴・隠匿の事情がやめば該当(通説) ④善意無過失(短期取得時効の場合) ⑴善意:占有に関する善意=自己の物であると積極的に信じること(判例) ​(善意と悪意の段階) ・通常の善意=自己物と積極的に信じている場合と自己物か否か半信半疑である場合の両方を含む ・占有における善意=自己物と積極的に信じている場合のみ。 ※占有では自己物か否か半信半疑である場合は悪意になる ⑵占有による推定186Ⅰ:占有者 → 所有の意思・平穏・公然・善意が推定 ⑶無過失:推定されない ​・188の意義:占有物に行使する権利を適法と推定   ∵前主の占有に対する信頼保護(通常、物を持っている人は所有者であると考える) ・​取引行為により継承した者は無過失を推定​⇒ 即時取得では188により無過失を推定(判例) ​・前主の占有に対する信頼なし→推定なし​⇒ 取得時効では占有開始時の無過失の推定なし(判例) 取得時効の問題点 ① 他主占有から自主占有への性質変更185 ・​占有させた者に所有の意思を表示​(例)大家に自己の所有物にすると言う ・​新たな権原+所有の意思で占有​(例)賃貸人から購入   ※単に自分のものになるようにも見えるが、自己の物にも取得時効は成立するので、譲渡人が無権利者であっても取得時効が完成すれば所有権を主張できる効果がある Q 相続を契機に性質変更により時効取得できるか ・事例:父が人から借りて家に住んでいた。見栄を張って子に自分の家と言っていた。子が家を相続し、自分の家だと思い住み続けた。 ​・判例:当然には「新たな権原」に該当しない ⑴相続による占有承継及びその占有が所有の意思 ⑵外形的客観的に独自の所有の意思である事情を立証​(例)固定資産税の支払い ②占有の承継187​(例)5年間占有者からその他人物を購入し9年占有 ⑴選択可能性Ⅰ:自己の占有のみ主張or他人の占有も加えて主張 どちらでも可 Q 187の対象は特定承継のみか →・相続等包括承継も可  ・占有者が複数の場合どの前主からでも可(判例) ⑵瑕疵の承継Ⅱ:前主占有を主張する場合瑕疵をも承継 ⇒ 善意無過失は占有の開始時に必要 Q 占有の承継は無瑕疵をも承継するか ​結論:承継する ​判例:占有の開始時に善意無過失であれば事後に悪意または善意有過失に変じても取得時効に影響がない  ※ 前の占有者が占有開始時に善意無過失なら、占有者が善意無過失でなくても短期を主張できるようになる。写真の例なら、CはBの占有も併せて主張すれば時効取得できる。 所有権以外の財産権の取得時効 163 ①要件:自己のためにする意思 + 長期取得時効または短期取得時効と同様 ②取得時効の対象となりうる財産権:用益物権・質権・不動産賃借権 Q 不動産賃借権は取得時効の対象となりうるか (事例:土地建物所有者A、賃借人B(土地上の建物建築)、無権利の賃貸人C。 BはAに対して賃借権を時効取得できるか) ①原則:債権は取得時効の対象でない ∵ 永続した事実状態を観念できない ②修正:継続的給付を目的 ・ 占有を伴う ・ 地上権と同様の機能 = 永続した事実状態を観念しうる ⇒ 賃借権の時効取得肯定 ③ 要件:所有者の時効中断の機会の確保 ⑴継続的な用益という外形的事実の存在​⇒ 平穏・公然に土地を継続的に用益していること(判例) ⑵賃借の意思に基づくことが客観的に表現​⇒ 賃料の支払いの継続(判例)

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    短期取得時効における善意と悪意の段階

    ④善意無過失(短期取得時効の場合) ⑴善意:占有に関する善意=自己の物であると積極的に信じること(判例) ​・善意と悪意の段階

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    4完成猶予と更新A+ 5援用と放棄

    4 完成猶予と更新 ①時効障害:時効の完成を妨げる制度 ・​完成猶予​:改)一定時間時効の完成を猶予≒停止​(例)裁判上の請求、天災等 ​・更新​:改)進行中の時効期間が消滅+新たに時効期間開始≒中断​(例)確定判決、債務者の承認 ②完成猶予と更新の対象:消滅時効と取得時効 ③時効障害事由の概要 ⑴完成猶予事由 ・​権利行使がなされたため​(連続性あり147Ⅰ・148Ⅰ or 連続性なし149・150・151) ​・権利行使が困難なため158~161 ⑵ 更新事由 ​完成猶予と連続性あり147Ⅱ・148Ⅱ ​権利を承認152 時効障害事由 ①裁判上の請求等147Ⅰ各号:改)継続する間(=終了するまで)、完成猶予 ​↓ ・権利が確定 ​⇒ 権利確定時から更新147Ⅱ​(例)確定判決 ​ ・権利が確定しないで終了 ​⇒ 終了時から6箇月完成猶予​(例)取下げ、却下 Q 応訴・訴訟における主張 →裁判上の請求と認める ②強制執行等148Ⅰ各号:継続する間(=終了するまで)、完成猶予 ・強制執行で権利消滅 ​・強制執行で権利残存​⇒ 手続終了時から更新148Ⅱ ​・手続きの取下または取消により終了​ ⇒ 終了時から6箇月完成猶予 ​・財産開示請求:改)上記時効障害事由に含む148Ⅰ④ ∵ 財産開示請求も権利の実現に向かられた手続 ③仮差押え及び仮処分149:改)暫定的になされた手続き ⇒ 終了時から6箇月完成猶予 ④催告150:債務者に対して履行を請求する債権者の意思の通知 ⇒ 催告時から6箇月完成猶予 ​⇒ =裁判外の請求。 再度の催告は完成猶予の効力なし150Ⅱ (1回しか完成猶予のために使えない) ⑤ 協議を行う旨の合意151:改)完成猶予事由 ∵ 無意味な訴訟の防止 ⑴ 要件:当事者間で協議を行う旨の合意 + 書面または電磁的記録   ∵ 事後的な紛争防止 ⑵ 効果:合意があった時から1年間 + 1年未満の協議期間を定めた場合は当該期間 ​⇒ 書面または電磁的記録による拒絶する旨の通知 → 上記期間中でも通知の時から6箇月間 ⑶再度の合意:効力あり ⇒ 時効完成時から最長5年 ⑷催告との関係:効果は重複しない ≒ 催告又は協議の完成猶予のみ ⑥ 承認152:時効の利益を受ける当事者が権利を失う者に対してその権利が存在することを表示 ⑴効果:承認時から時効が更新(リセット) ⑵ 承認方式:不要式行為   (例)〇 裁判上・裁判外・口頭・黙示的 (判例) ​〇承認にあたる:利息の支払→元本の承認、 一部弁済→残部の承認、 支払い猶予の要請、 相殺の主張 ​×当たらない:請求に異義を述べなかった(無視等)、 詐欺的手法(債権者が騙して債務者に一部弁済させる等)、 銀行の元金組み入れ、 ⑶承認者の行為能力:不要   ⇒ 財産管理能力は必要 ・被保佐人・被補助人:単独承認が可能(時効完成後は保佐人の同意要) ・未成年:単独承認できない(親権者の同意が必要) ・成年被後見人:単独承認できない(成年後見人の同意を得ても不可) ⑦その他の完成猶予事由 B 別紙 ⑧ 時効障害事由と効果のまとめ 写真 時効障害の効果 ①基本的効果 ・​完成猶予​:完成猶予期間経過まで時効が完成しない ・​更新​:経過期間消滅+新たな時効開始(=従前の時効期間と同一。但し、確定判決等(10年)) ②人的範囲:相対効の原則(A+)=当事者及びその承継人の間においてのみその効力を生じる153 ​⇒ 時効の利益を直接受ける者以外の者に148・149 → 利益を受ける者に通知・到達で効力発生154 ※強制執行等、仮差押えまたは仮処分が、時効の利益を受ける者以外の者(物上保証人等)に対してされるときは、時効の利益を受ける者(債務者)に通知がされることによって、時効の完成猶予又は更新の効力を生じる ③例外:絶対効=1人にある事由が生じた場合、その他全員にも効力が生じる ⑴ ​地役権​:要役地を数人共有・1人が完成猶予または更新​⇒ 全員に効力292 ⑵請求​:連帯債権者または不可分債権者の1人の請求​⇒ 全員に効力432・428 ⑶​保証債務​:主たる債務者に対する完成猶予・更新​⇒ 保証人に効力457Ⅰ  ※主債務の消滅時効が完成猶予、更新されてしまうとその効果が保証人にも及ぶ Q 債務者の承認による更新の効果が物上保証人に及ぶか:及ぶ ​・物上保証人:自己の財産をもって他人の債務の担保に供した者 ⇒ 債務負担はなく物的責任を負う 5 援用と放棄 時効の援用 ①時効の援用145:時効の効果を確定させる意思表示 ≒ 時効の完成を主張すること ② 145の趣旨:時効の利益の享受を潔しとしない当事者の意思の尊重 Q 援用の法的性質 ⑴問題の所在:完成により効果が生じる162等(援用が必要とは書いていない) + 援用しないと裁判できない145(援用しないと効果が生じないとは書いていない) ⑵ 学説 ・訴訟法説:訴訟法上、法定証拠成立の効果が発生 →(批判)民事訴訟法の話が民法に書いてあるのはおかしい ・確定効果説(反対説・旧判例): 効果は時効完成により確定的に発生する。援用は「主張」のことであり145は注意的な規定である →(批判)何のために145があるのか ・不確定効果+停止条件説(判例通説): 効果は時効完成により不確定的に発生。援用により確定する。 ③ 援用権者:時効により直接に利益を受けるもの(判例) ⑴消滅時効の場合 ・債務者:〇 ・保証人 改):〇(145括弧書) ・物上保証人 改):〇(145括弧書) ・一般債権者:×(但し、423) ・担保不動産の第三取得者 改):〇(145括弧書) ・後順位抵当権者:×(但し、423) ・詐害行為の受益者:〇(判例) ⑵ 取得時効の場合:占有者は援用可 Q 目的不動産上の建物の賃借人:援用不可 ∵ 土地と建物は別 ※ 事例:BがAの土地に無断で建物を建設。CがBから当該建物を賃借。 →Bの土地の取得時効が完成 →Cは時効を援用できるか?→できない ④援用の効果:時効の効果を確定  ⇒ 裁判外可 ・ 相対効 時効利益の放棄 ①時効利益の放棄:完成した時効の利益を享受しない意思を表明すること ​・時効完成前の放棄:できない146 ・​時効完成後の放棄:できる​∵ 146反対解釈 ②要件:単独行為、但し行為能力は必要(判例) ③ 効果:相対効 ④ 自認行為:時効完成を知らないで債務の承認をした場合 ​⇒ 信義則上援用権が否定(判例) + 新たな時効が進行=新たな時効の援用可(判例)

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    その他の完成猶予事由

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    時効障害事由と効果のまとめ(表)

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