問題一覧
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1 機関総説 ①機関: その者の行為が法律上会社自体の意思決定や行為となる会社の組織上の一定の地位にある者→機関が意思決定・行為= 会社の意思決定・行為 (1) 趣旨: 会社は概念的存在 (2) 特色: 三権分立に類似 (3) 種類と役割 ・株主総会:基本的事項の決定 ・取締役: 業務に関する意思決定・執行 ・取締役会: 取締役で構成し、 業務執行に関する意思決定・監督 ・代表取締役:株式会社を代表し業務執行 ・会計参与: 取締役等と共同して計算書類等を作成 ・監査役: 取締役及び会計参与の業務執行を監査 ・監査役会: 監査役で構成し、 業務執行に対する監査 ・会計監査人 : 計算書類等の監査 ②株式会社との関係 ・雇用関係 :従業員(正社員・パート・アルバイト等) ・委任関係 :役員(取締役・会計参与 監査役) 会計監査人 330 ・社員関係: 株主 ②株式会社との関係 ・雇用関係: 従業員(正社員・パート・アルバイト等) ・委任関係: 役員(取締役・会計参与・ 監査役)・会計監査人 330 ・社員関係: 株主 ③機関設計 (公開大会社)の種類 【監査役会設置会社】 概要) 監査役会を設置 背景) 従来型・ドイツ型 特徵) 三権分立に類似 企業統治) 弱い 【監査等委員会設置会社】 概要) 監査等委員会を設置 背景) 中間型 特徵) 監査等委員に取会の議決権 企業統治) 中間 【指名委員会等設置会社(旧委員会設置会社)】 概要) 指名委員会 監査委員会・報酬委員会を設置 背景) 中間・アメリカ型 特徵) 経営機関と執行機関が完全に分離・各委員会の決定に拘束力・執行役が業務執行 企業統治) 中間 ④ 機関設計の規律 (1) 原則: 会社法上の規律 (必要+不可) + 各会社の任意 (2) 会社法上の規律 a) すべての株式会社: 株主総会 + 取締役(一人可) 必要 295・ 326 b) すべての公開会社 取締役会 必要 327 I一 c) 取締役会設置会社 : 監査役 (会) or 監等委 or (指委等 + 執行役) 必要 327Ⅱ・328 I →例外: 非公開会社において会計参与を置いた場合 d) 取締役会非設置会社: 監査役会監等委指委等 + 執行役 設置不可 3271 ~四参 e)監等委または指委等を設置していない大会社で公開会社 : 監査役会必要 328 I f) 監査役(会): 監等委 or 指委等 + 執行役 の両方の設置不可(一方のみ) 327IV g)指委等 + 執行役 : 監等委の両方の設置不可(一方のみ)327VI h) 大会社: 監等委設置会社: 指委等設置会社: 会計監査人必要 327V328II i) 会計監査人: 監査役(会) or 監等委 or 指委等 + 執行役必要 (4) 手続: 選択した機関設計の定款の定め326Ⅱ、登記 911Ⅲ十五~二十三が必要 (5) 違反: 任務懈怠責任、 過料 976 二十二、
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・監査役会が必須なのは公開大会社だけ ・会計監査人は大きな企業にだけ必要とされる ・監査役・監査役会は委員会系の会社には設置できない
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□ 株主総会総説 ① 株主総会: 株主の総意によって株式会社の意思を決定する必要的機関 (1) 条文 : 295 以下 (2) 権限 : 株主総会の決議 = 株式会社の意思 (3) 決議事項 ・取締役会非設置会社: 一切の事項 (万能の機関) ・取締役会設置会社: 法律に規定する事項 (法定事項) 及び定款で定めた事項 ② 株主総会の特色 (1)(議決権行使を認められた) 株主により構成 (2) 株式会社に関する事項の全部または一部を決議する機関 (3) 株式会社の意思決定をなす合議制の機関 (4) 法定の必要的機関 ③手続: 定時または臨時に招集手続→開催 → 決議 ④ 具体的権限 ・取会非設置:一切の権限→問題なし ・取会設置 :法定の権限及び定款所定の権限→ 具体的権限 (特に定款所定) が問題 (1) 法定の権限 (法定事項): 株主総会以外の機関が決定できるとする定款の定めは無効 a) 機関の選解任: 取締役・監査役会計監査人・会計参与等の解任 329Ⅰ、339 I b) 基礎的変更: 定款変更 466、事業譲渡 467I、 資本金の減少 447I、 合併 783 I c) 株主の重要利益: 計算書類の承認438Ⅱ自己株式取得、募集株式の発行等、剰余金配当454 d) 役員の専横防止: 役員報酬 361 (2) 定款所定の権限: 定款による権限の委譲 ・拡大の範囲 Q 取締役会の決定事項を定款で株主総会の決議事項とできるか (a) 問題の所在: 所有と経営の分離・経営は取締役会に一任 (b) 結論: できる。 但し、業務執行すべての決定権限は委譲できない (c)理由:株主利益・合理化が主目的 株主自ら放棄は認められる ⇒株式会社の本質又は強行法規に反しない限り、便宜のための制度を強制することはできない Q 代表取締役の選定・解職を定款で株主総会の権限とすることができるか (a) 問題の所在: 取会に代取の選定・解職・監督等の権限 362Ⅱ (b)学説 【否定説 反対説】 結論)できない 理由)取会の代取に対する監督機能の実質的喪失 【肯定説 通説】 結論)できる 理由)監督権自体は喪失しない + 株会招集等他の手続可・ 代取は株式会社の代表機関であって取締役会の代表機関ではない (c) 判例: 非公開会社かつ取締役会設置会社について上記定款の定めを有効 □ 招集手続 ① 時期 296I Ⅱ ・定時株主総会: 毎事業年度の終了後一定の時期 (基準日から3ヶ月以内) ・臨時株主総会: 必要がある場合にいつでも ② 招集権者296Ⅲ (1)原則 ・取会非設置会社:取締役が決定・ 招集 ・取会設置会社 :取締役会が招集決定決議 298 I IV→代表取締役が招集(解釈) (2)例外 a) 1人株主: 1人の株主の出席で株主総会成立→ 招集手続なしで開催可(判例) b) 全員出席総会 : 議決権を行使できる株主全員が同意 → 招集手続なしで開催可 300 c) 少数株主 297ⅣV : 6箇月前から 3/100以上株主が請求+招集なし → 裁判所の許可得て自ら ③招集通知 (1) 条文 : 299 (2) 趣旨: 株主に出席の機会と準備の期間を与える (3) 手続: 取締役が株主に通知 a) 取締役会設置会社 ・期間 株会の2週間前までに (非公開会社では1週間前までに) ・方式: 書面又は電磁的方法 ・内容: 目的である事項の記載、株主総会参考書類 301、議決権行使書面 302、事業報告等 437 b) 取締役会非設置会社: 株会の1週間前まで、不要式、目的である事項の記載不要 ④電子提供措置: 株主総会参考書類等をネットに公開しURLを通知することで交付に代える制度 (1) 条文 : 325の2以下 (2) 趣旨: 十分な議案の吟味 + 経費削減 ⇒ 電磁的記録は個別の株主の承諾が必要 299Ⅲ→書面が一般的 (3) 株主総会参考書類等: 株主総会参考書類、 議決権行使書面、事業報告、計算書類等 (4) 手続: 定款の定め必要325の2 →振替株式発行会社は義務あり ※ 株式等振替制度:振替法により、上場会社の株式等に係る株券等をすべて廃止し、株券等の存在を前提として行われてきた株主等の権利の管理(発生、移転及び消滅)を、機構及び証券会社等に開設された口座において電子的に行う (5) 期間: 株会の日の3週間前または招集通知日のいずれか早い日〜株会の日後3箇月325の3 (6) 効果: 株主総会参考書類等の交付不要
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株主の提案権 <議題>株会の目的となる事項≒主題 (例) 取締役選任の件≒動議 <議案> 株会の目的事項に対する具体的提案 (例)Aを取締役に選任する件 (1) 株主による招集請求: 議題または議案の提出可 297I →3/100 以上6箇月前から等厳格 (2) 趣旨: 少数株主の意思を反映 ⑶提案権 【議題提案権】 (条文)303 (持株要件・保有期間要件) 取会非設置: 制限なし 取会設置 : 少数株主権 ・6箇月前から総株主の議決権の1/100 以上または300個以上 + 定款で緩和可 (行使時期の制限) 取会非設置: 制限なし 取会設置 : 株会日の8週間前まで + 定款で下回る期間可 (行使方法の制限)制限なし (議案数の制限)制限なし 【議案要領通知請求権】 (条文)305 (持株要件・保有期間要件) →議案提案権303と同じ 取会非設置: 制限なし 取会設置 : 少数株主権 ・6箇月前から総株主の議決権の1/100 以上または300個以上 + 定款で緩和可 (行使時期の制限) 株会日の8週間前まで (行使方法の制限) 議案の法令・定款違反 または 同一議案が 1/10 以上の賛成を得られなかった総会から3年を経ていない (議案数の制限) 取会非設置: 制限なし 取会設置: 議案数 10 を超えるとき 10 を超える部分を会社は対象としないことができる ※議案要領通知請求権:株主が株主総会において議案を提出しようとする場合、当該議案の要領(要旨)を、あらかじめ、他の株主に通知するように請求することができる権利。他の株主にあらかじめ周知することなく、株主総会の会場で議案の提案をしても、他の株主の賛成を得られる可能性が低いことから、議案提案権304に加えて認められている権利。 【議案提出権】→議案要領通知請求権と同じ (条文)304 (持株要件・保有期間要件) 制限なし (行使時期の制限) 制限なし (行使方法の制限) 議案の法令・定款違反 または 同一議案が 1/10 以上の賛成を得られなかった総会から3年を経ていない (議案数の制限) 制限なし
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□ 議決権とその行使 ① 議決権: 株主総会が決議を行う場合に、その表決をなす権利 ・原則: 1株につき1個の議決権 (=1株1議決権の原則) 308 I ・例外: 法定の事由により、 議決権の制限または否定 (1) 議決権の制限 ・議決権制限株式 :制限された事項の議決権なし 108 三 ・選解任株式がある : 取締役・監査役の選解任はその種類株式以外の株主に議決権なし 108I 九 ・自己株式取得:自己株式取得を承認する場合、売主となる株式にその株会の議決権なし 140Ⅲ ・基準日後: 基準日後に発行された株式はその株会の議決権なし 124 I (2) 議決権の否定: 単元未満株 308 I、自己株式 308Ⅱ、相互保有株式 ②相互保有株式: 株式会社がその総株主の議決権の1/4以上の保有等により実質的に支配する株式 例)A社はB社の株式25%保有。B社はA社の3%保有。この場合、B社はA社株式の議決権を有さない(∵A社はB社を実質的に支配。なお、A社はB社株式の議決権を持つ) (1)条文: 308I 括弧書 (2) 趣旨: 会社支配の公正 (3) 効果: 議決権なし ・株式持合い : 相互に株式を取得→制限なし ・自己株式 :自社の株式を取得→議決権なし ・親会社株式 親会社の株式を取得→ 議決権なし + 相当な時期に処分する義務 135I ③ 議決権の行使 ・原則: 株主自らが出席・ 議決権行使書面提出 ・例外: 書面投票制度、電子投票制度、 不統一行使、代理行使 ∵株主権の保護 (1) 書面投票制度: 書面の提出により議決権を行使することができる制度 ・条文: 298Ⅰ三、 301 ・採否: 原則、任意。 株主数1000人以上の場合は必要的 298ⅡI。 手続: 株会招集の際に決定→株主総会参考資料・議決権行使書面を交付(電磁的方法可) (2)電子投票制度: 電磁的方法により議決権を行使することができる制度 条文 : 298Ⅰ四、 302 採否: 原則、任意 手続: 株会招集の際に決定→株主総会参考資料を交付 (電磁的方法可) (3) 不統一行使 : 2個以上の議決権を有する場合、賛否両方の票を投じること ・条文 : 313 ・採否: 一定の場合、会社による拒絶可 ・手続:取会設置の場合、 株会3日前までに不統一行使及びその理由の通知必要 (4) 代理行使: 代理人による議決権の行使 条文 : 310 手続: 株会毎に代理権授与+ 書面提出が必要 (電磁的方法可) 制限: 正当な理由なく拒絶不可、 代理人の数の制限可、 代理権証明書類の閲覧請求拒絶 Q 議決権行使の代理人の資格を株主にかぎる旨の定款の規定の効力 (a) 問題の所在: 議決権行使の機会剥奪 301I 違反により無効説 (b)判例: ・合理的な理由による相当程度の制限であれば有効 ・但し、 代理行使が自然かつ必要、または 株主の代理人に対するコントールが十分なら不適用 ※代理行使が自然かつ必要=遠隔地にいるなど (c) 理由: 株主総会のかく乱防止 + 会社の利益を侵害するおそれがない (d) あてはめ : 規定有効 → 株主の従業員による代理行使では不適用
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□ 株主総会の議事と決議方法 ① 議事 (1) 概要: 受付→開会→各種報告→議題・議案→審議・質疑応答→決議→閉会⇒ 議事方法について会社法の定めなし→定款・習慣による (2) 記録: 議事録の作成が必要 318 (電磁的記録可) 備置き : 本店に10年間 閲覧謄写: 株主及び会社債権者請求可 ※親会社社員等:裁判所の許可を得て請求可 (3) 議長: 株主総会の主宰者・運営者 →議事整理及び秩序を乱す者を退場させる 315 ⇒ 選任方法の定めなし→一般に代表取締役・定款で定める (4) 役員: 取締役・ 監査役・ 会計参与・ (執行役) a) 説明義務: 株主から特定の事項について説明を求められた場合314 ⇒原則、出席する義務を負う・執行役も含む b) 審議方法 ・個別審議: 各議案事項毎に質疑・応答を繰返していく審議方法 ・一括審議: 全部の議案事項をまとめて事前に一括して質疑・応答をしていく審議方法 Q 一括審議・一括説明は違法となるか (a) 問題の所在: 説明方法につき明文規定なし・ 株会において説明を求められた場合 314(→一括審議・一括説明は事前に質疑応答するので314に反する?) (b) 判例・実務: 直ちに違法となるものではない + 不十分な場合は株主は補足説明の要求ができる (c)理由 円滑な運営 + 運営方法は会社に委ねる (d) あてはめ 説明が不十分かは平均的な株主を基準に判断 (x 当該株主基準ではない) →説明義務違反として取消対象 ・拒絶可 :個人的質問、 企業秘密に関する質問、 抽象的質問、調査が必要(説明は必要) ・拒絶不可: 質問の機会がない、不当に説明を拒絶、不十分な説明 ② 決議方法: (緩和)普通決議< 特別決議 < 特殊決議 (厳格) ・定足数: 株主総会の開催及び決議に必要な最小限の出席者数⇒ 欠缺の場合、決議無効・取消 ・過半数: 半分を超える⇒半分を含めない ・議決権: 議決権のある株式⇒ 議決権のない株式は含まない ③普通決議 (1) 条文 : 309 I (2) 決議方法 ・定足数: 議決権の過半数を有する株主の出席 →定款で削除・加減可 ・要件:出席した株主の議決権の過半数 (3) 対象事項: 特別決議・特殊決議等の対象事項を除いた一般的事項 ④ 特別決議 (1) 条文 : 309 Ⅱ (2) 決議方法 ・定足数 : 議決権の「過半数」を有する株主の出席→定款で「1/3以上」に変更可 ・決議要件: 出席した株主の議決権の「2/3以上」⇒定款で増加・一定数以上等「厳格な変更」可 (3)対象事項 a) 自己株式取得関連 ・譲渡制限株式の譲渡不承認の場合の買受140Ⅱ、特定株主からの買受 160 I ・全部取得条項付種類株式の取得 171I、相続人等への売渡請求 175I b) 株式発行関連 ・株式の併合180Ⅱ、募集株式の発行 199Ⅱ・ 200I・202Ⅲ、有利発行 201I、 総数引受契約 205Ⅱ、金銭分配請求権を与えない現物配当454IV c) 新株予約権関連 新株予約権の発行 238Ⅱ、 有利発行 238Ⅱ、 株主割当 241Ⅲ四、 総数引受契約 244Ⅲ d) 他の機関関連 監査役・監査等委員である取締役、累積投票で選任された取締役の解任 339I 等、役員等の責任の一部免除 425I e)基礎的変更関連 資本金の額の減少447I、定款変更 466、事業譲渡467I、解散471 合併及び会社分割783I、株式交換783I、株式移転804I、株式交付816の3 I ⑤特殊決議 (1) 条文 : 309Ⅲ Ⅳ (2) 決議方法 (定足数要件なし) a) 309Ⅲ ・頭数要件: 議決権を行使することができる株主の半数以上⇒ 定款で増加変更可 ⭐️頭数 ・決議要件: かつ、 その株主の議決権の2/3以上⇒定款で増加変更可 ※ ⭐️株主: 議決権を行使できる株主 not 出席株主 b) 309IV ・頭数要件: 総株主の半数以上⇒ 定款で増加変更可 ⭐️頭数 ・決議要件: かつ、 総株主の総議決権の3/4以上⇒ 定款で増加変更可 ※ ⭐️総株主: すべての株主 (議決権を行使できない株主を含む) (3)対象事項 309Ⅲ: 全部の株式に譲渡制限をする旨の定款変更、 一定の合併・株式交換・株式移転 783I 等 309Ⅳ : 非公開会社が剰余金配当・残余財産・議決権につき異なる取扱をする旨の定款の定め 109Ⅱ ⑥ 特則普通決議 (1) 条文 : 341 (2) 決議方法 ・定足数 : 議決権の過半数を有する株主の出席 ⇒定款で1/3以上の割合変更可 ※普通決議(309①②)は定足数ゼロ、加減可能であることと対比 ・決議要件: 出席した株主の議決権の過半数⇒定款で過半数を超える割合変更可 (3)対象事項 a)役員の選任・解任(特別決議事項となる場合 339 I 等を除く) b)支配株主の移動をもたらす募集株式の発行等 206の2 ⑦株主全員の同意が必要な事項 (株主総会の開催は不問) ・役員等の株式会社に対する損害賠償責任の免除 424 ・全部の株式に取得条項設定又はその定款変更(種類株式発行会社・廃止の定款変更を除く) 110 ・自己株式取得の際の160条の請求を禁止する定款変更 164Ⅱ ・持分会社への組織変更 776 I ・合併または株式交換における対価が持分となる場合 783Ⅱ、 804Ⅱ ⑧ 株主総会の省略【B+】 (1) みなし株主総会決議: 株主総会及びその決議を省略して行う決議 a)条文: 319 b)趣旨: 株式会社及び株主の便宜 c)要件: 議決権を行使できる株主全員かつ 書面または電磁的記録による同意の意思表示 d)効果: 可決する株主総会決議ありとみなす⇒ 定時株会・ 臨時株会共に可 (2) 株主総会の目的事項 ・報告事項: 株主総会において報告すべき事項→計算書類 438Ⅱ + 事業報告 438Ⅲ・ 439 ・決議事項: 株主総会において決議すべき事項 ⇒ 報告事項を株主全員が書面または電磁的記録により不要 → 株会報告ありとみなす 320 ⑨ 株主総会の原理とその限界・修正・救済 (1) 原理 : 多数決原理 → 1株1議決権の原則、 過半数による普通決議 →多数派による濫用防止及び多数の少額資本参加の必要 (2) 限界 : 多数決の結果そのものを否定 強行法規違反、 株主平等原則違反、 固有権侵害、 著しく不当な決議831I 三 (3) 修正: 多数決の結果は認めるが特段の手当て →特別決議、特殊決議、累積投票制度、役員等解任の訴え、反対株主の株式買取請求権 (4) 救済: 多数決の結果による少数株主の不利益に対応 →株式譲渡自由、 総会検査(株会で揉めそうなときに、手続きなどを調査してもらうために裁判所に検査役選任を申し立てる)306、307、 単元未満株式の買取請求権
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□ 株主総会決議の瑕疵 ① 総説 (1) 原則: 株主総会決議は法律行為の一種 →要件欠缺は不成立・ 無効 (2) 趣旨: 多数の利害関係人の存在 + 当該決議を前提に多数の法律関係の積み重ね ⇒画一的確定の要請 + 瑕疵の主張をできるだけ制限 (3)制度: 原則、 訴えによる画一的処理 取消の訴え:瑕疵が軽い 無効確認の訴え:瑕疵が重大 不存在確認の訴え : 瑕疵が著しく重大 (4) 判決の効力 : 対世効 + 遡及効あり ② 決議の取消の訴え (1) 条文 : 831 (2)性質: 形成の訴え→訴えの利益が必要 【判例】役員選任の株会決議取消訴え → 役員全員が退任→特別の事情なき限り、訴えの利益なし 【判例】上記において、 役員報酬の会社への返還請求の場合⇒特別の事情ありから、訴えの利益あり (3) 取消事由 ・手続・決議方法の法令・定款違反 (例) 取会決議なく代取が株会招集、 一部に招集通知なし ・著しい不公正 (例)出席不可能な場所、 質問機会を与えず一方的に進行 ・決議内容の定款違反 (例) 定款の定員を超える取締役選任の決議 ※ 決議内容の法令違反は無効事由 ・特別利害関係人が著しく不当な決議 (例) 退職慰労金支給決議における当該退職者 (4) 提訴の制限 a) 提訴期間:株会決議の日から3箇月以内 Q 提訴期間経過後の新たな取消原因の追加主張の可否 (a) 事例: 提訴期間内に訴え提起→3箇月の提訴期間経過 →新たな取消原因を追加主張 (b) 問題の所在 : 831Iは訴え提起自体の期間制限 (反対説) (c) 判例・通説: 追加主張不可 (d) 理由: 決議取消の訴えの趣旨は軽微な瑕疵につき早期に効力を確定すること→ 追加主張そのものを制限 【判例】株会決議無効確認訴訟→瑕疵が取消事由に該当、取消の訴えの制限遵守、取消主張は期間経過後→決議取消の訴えと同様に扱う(提訴期間遵守と扱う) b)提訴権者:株主等(取締役・監査役・執行役・清算人)→原告適格 Q 他の株主に対する招集手続の瑕疵を理由とする決議の取消の訴え提起の可否 (a) 問題の所在:他の株主に対する瑕疵→招集通知の趣旨・自己の株主権への侵害なし (b) 判例:訴え提起できる (c) 理由: 決議の取消の訴えの趣旨は個々の株主の利益を超えて公正な決議を保持するための制度・ 831I柱前は単に「株主」と規定し、何らの限定も付していない Q 議決権制限株主または単元未満株主による決議の取消の訴え提起の可否 (a) 問題の所在: 議決権なし・株主ではある →株会は議決権・出席を前提 (b) 結論 ・手続・決議方法の瑕疵(831Ⅰ一)→×できない∵無権利 ・上記以外の瑕疵(831Ⅰ二三)→○できる ∵定款違反等を放置するのは不適、310VII 括弧書を設けていない(831は株主から議決権制限株主または単元未満株主を除外していない) c) 方法: 訴えによる、 被告=当該株式会社 (5) 裁量棄却【A+】 : 一定の場合に裁判所の裁量により請求を棄却することができる制度 a)条文: 831 Ⅱ b)要件: 招集手続または決議方法の法令・定款違反で、重大でなくかつ決議に影響を及ぼさない 【判例】事業の重要な一部譲渡につき招集通知に議案要領の記載がない →裁量棄却不可 ∵重大な違法 ③決議の無効・ 不存在確認の訴え (性質・効力共通) (1) 条文: 830I決議の不存在の確認の訴え・830Ⅱ決議の無効の確認の訴え (2) 事由 a) 無効事由: 決議内容の法令違反 cf. 決議内容の定款違反は決議の取消の訴え (例) 株主平等原則 109 違反、株主有限責任原則 104 違反、配当金制限 461I 違反 b) 不存在事由【Aランク】: 決議が事実上存在しないまたは (決議はあるが) 手続的瑕疵が著しく重大 (例) 議事録のみ作成、 招集通知ありの株主が僅少、 代取でない取締役が取会決議なく招集 (3) 性質:確認の訴え (4)提訴の制限 ・提訴期間: いつでも可。濫用不可 ・提訴権者 : だれでも可 Q 決議無効の主張方法は必ず訴えによる必要があるか【B+】 (a) 問題の所在:合一確定の要請 → 必ず訴えによるべき (制限説・形成の訴え ) (b)通説: 必ずしも訴えによる必要はない (例)無効を前提に不当利得返還請求も可能 (c)理由: 文言 「(確認請求)できる」、 瑕疵が重大にも関わらず無効とされるまで有効は不合理 ④判決の効力 ・対世効 838 ・遡及効有り 839 反対解釈 ∵ 括弧書が 834 十六・十七を除外 ・瑕疵連鎖: 先行決議の瑕疵が後行行為の効力に影響を及ぼすこと Q瑕疵ある株主総会決議によりなされた行為の効力 (1) 問題の所在:通常、瑕疵ある決議があれば瑕疵連鎖発生→ 後行行為単独は有効かつ多数発生 (2) 結論 【影響なし】 〈行為〉売買、賃貸借等 ・株会決議を有効要件としない行為 〈理由〉相手方保護 【将来効】 〈行為〉設立、新株新株予約権発行、自己株式の処分、資本金額の減少、合併、会社分割、組織変更 〈理由〉 法的安定及び権利外観法理 【遡及効】 〈行為〉定款変更、取締役等の選任、 取消・無効・不存在事由 〈理由〉 会社及び株主の保護
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①総説 (1)選解任 「株主総会決議により役員(取締役・監査役・会計参与)及び会計監査人を選解任 329I (2)関係 :株式会社との関係は委任に関する規定に従う 330 ②取締役 取締役会非設置会社→各取締役は株式会社の機関 取締役会設置会社→各取締役は取締役会の構成員(not 株式会社の機関) ⇒公開会社・監査役会設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社は取締役会設置必要 (1)資格【Aランク】 a) 法定の欠格事由 331I x:法人、会社法等の罪の刑終了から2年経過してない者 ◯: 破産手続開始決定を受け復権していない者、 成年被後見人・ 被保佐人 (同意必要) 331の2 ※取締役である者が破産すると委任の終了事由であることに注意 b) 定款による制限:◯331 Ⅱ →× 取締役を株主に限定 → 但し、○ 非公開会社の場合・○株主が取締役になる c) 兼任の制限 ○取締役と使用人 ×取締役と監査役・会計参与・会計監査人 333Ⅲ・335Ⅱ・337 Ⅲ一 ×指委等設置会社の取締役と使用人 331ⅣV ×監等委である取締役と業務執行取締役・使用人・会計参与執行役 331Ⅲ (2) 員数 取会非設置会社 :1人以上326 I 取会設置会社 :3人以上 331V 監等委設置会社 : 3人以上かつ過半数は社外取締役 331VI (3) 任期【B】: 原則、 2年短縮 再選 332 I ⇒ 非公開会社は伸長可、 監等委設置会社・ 指委等設置会社は1年、監等委である取締役は2年 ③ 会計参与 【B】 ・税理士: 税務業務→税理士法人 : 税理士が共同して設立した法人 ・公認会計士 : 監査業務→監査法人⇒ 公認会計士が共同して設立した法人 ※公認会計士であれば税理士登録可 (1) 資格: 公認会計士もしくは監査法人または税理士もしくは税理士法人 333I (2) 員数 制限なし (3) 任期: 取締役と同じ 334 I ④ 監査役 (1) 資格: 取締役と同じ (法定の欠格事由・定款による制限)335I a) 兼任の制限 335 Ⅱ ∵自己監査禁止及び独立性の確保 ×その会社の取締役・使用人 x子会社の取締役・使用人・会計参与・執行役 〇子会社の監査役、 親会社の取締役 Q 横すべり監査役の適法性 (a) 事例:事業年度の途中で株会招集→ 取締役であった者が監査役 (横すべり監査役)に選任 (b)問題の所在: 事業年度の業務監査→監査役が取締役であった期間を自己監査 (c)判例: 適法 (d) 理由:選任自体の禁止なし 335Ⅱ + 監査役任期と監査対象期間の一致要求なし 336I Q 顧問弁護士が監査役を兼任できるか (a) 問題の所在 : 顧問弁護士 = 継続的に補助→使用人に該当? (b) 裁判例・通説: 兼任できる・使用人ではない (c)理由:取締役の指揮下でなく独立性を有する (2) 員数 335Ⅲ 監査役会非設置会社 : 1人以上 監査役会設置会社 3人以上で半数以上 (not 過半数) は社外監査役 (3) 任期: 原則、 4年 →×短縮・◯再選336 I ⇒ (非公開会社の場合) 定款により10年まで伸長可336Ⅱ、 補欠監査役の任期は退任した監査役の任期までとすること可336Ⅲ ⑤ 会計監査人【B】 資格: 公認会計士または監査法人 員数 : 制限なし 任期: 1年 □ 選解任 ① 選任: 株主総会決議 329I (1) 議決方法 :特則普通決議 341 (2) 累積投票制度 342 ・通常投票: 1議決権につき1投票権として1人ずつ別々に選任投票をする制度 ・累積投票: 複数の取締役を選任する際に1議決権につき選任する人数分の投票権を与える制度 a) 趣旨: 少数派株主に取締役選出の可能性を与える b) 手続: 株会5日前までに株主が請求、定款の定めにより排除可 (3) 選任の効果: 取締役等の地位・登記必要 ②終任: 委任の終了事由→任期満了、死亡、破産手続開始決定等 ③解任: いつでも株会決議によって可 + 正当な理由がある場合を除き会社に対し損害賠償請求可 339 (1) 正当な理由 : 不正行為、 経営状況の著しい悪化、病気治療(判例) (2)解任決議の要件 ・取締役→ 特則普通決議341 ・累積投票による取締役・監査等委員である取締役・監査役→特別決議342Ⅵ、343Ⅳ、309Ⅱ七 (3)役員解任の訴え : 株会において解任できなかった役員を裁判所を通して強制的に解任する訴え a) 条文 : 854 b)要件: 解任決議否決、 不正行為または法令・定款違反、 少数株主の訴え、 株会から30日以内 c) 原告適格 6ヶ月前から総株主の議決権の3/100以上を保有 6ヶ月前から発行済株式の3/100 以上を保有(非公開会社では6ヶ月要件なし) d) 被告適格: 当該株式会社及び取締役の共同被告 (固有必要的共同訴訟)855
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・通常投票: 1議決権につき1投票権として1人ずつ別々に選任投票をする制度 ・累積投票: 複数の取締役を選任する際に1議決権につき選任する人数分の投票権を与える制度
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① 総説 (1) 取締役: 株式会社の業務に関して決定・執行をする必要的機関→ 指委等設置会社の場合は執行役が対応 (2) 会社法上の取締役: 取締役、社外取締役、取締役会、代表取締役、仮取締役 等 (3) 仮取締役【B】: 取締役の員数が欠けた場合に一時的に職務を行うべき者として裁判所に選任された取締役 a) 条文 : 346Ⅱ b) 選任: 利害関係人の申立が必要・役員に留任義務あり 346 I ② 取締役 【取締役会非設置会社】 (取締役の地位)株式会社の機関 (業務執行の意思決定)取締役 2人以上の場合、 取締役の過半数 348ⅡI (業務執行)各取締役単独 349 (会社代表)各取締役単独 349(各自代表の原則) 【取締役会設置会社】 (取締役の地位)取締役会の構成員 (not 機関) (業務執行の意思決定)取締役会 362 Ⅱー (業務執行)代表取締役 363I一 (会社代表)代表取締役 349 ⇒ ⭐️会社法の取締役の権限 ≒ 取締役会設置会社で執行する性質のものは代表取締役の権限 ※条文で明記されていないので注意 ③ 社外取締役【B】:株式会社と関係がなく、社外から招いた取締役 ※社内取締役:社外取締役でない取締役 (例)使用人から取締役となった者 (1) 機能: 経営全般の監督機能、 経営評価機能、 利益相反監督機能 ⇒客観的・公平・中立な判断を期待 (2) 要件: 当該株式会社の使用人等でない、 取締役・ 使用人等の2親等内の 親族でない等 2十五 (3) 設置義務: 指委等・ 監等委設置会社、公開会社かつ大会社の監査役会設置会社で金商法24 適用(上場企業) 取締役会【A+】 ① 取締役会: 取締役全員で構成しその会議により業務執行に関する株式会社の意思決定・監督をする機関 (1) 条文 : 362 - 取締役3人以上で構成 331V (2) 特徴: 合議制 (3) 設置: 非公開会社以外(公開会社、監査役会設置会社、 監等委・ 指委等設置会社)では必要的機関 (4) 権限 : 業務執行の決定、 取締役の職務の執行の監督、 代表取締役等の選定・解職 ②権限 (1)業務執行の決定 a) 取締役会の決議事項: 定款によっても委任できない事項 362Ⅳ 【資本関係】 重要な財産の処分及び譲受け、多額の借財、社債の募集 【組織関係】 重要な使用人の選解任、 重要な組織の設置・変更等、内部統制システムの構築 【責任免除】 423の免除 b) 日常的事項の決定: 代表取締役等に委任と推定 Q 「重要な財産」 362Ⅳ一または 「多額の借財」362IV二の判断基準【A】 (1)問題の所在: 会社の規模等により基準が異なる (2)判例・通説: 個別具体的に総合的に判断 (3) 理由: 価額、目的、態様、従来の取扱い、会社資産に占める割合等が各々異なる c) 内部統制システム ・会社法: 業務の適正・効率化のための体制 (例) 法令遵守マニュアル、職権の分担 ・金商法: 情報の適正性確保するための体制 (例)正確な財務諸表 ⇒ 大会社かつ取締役会設置会社においては定めが必要 362V (2) 職務の執行の監督 ・取締役会:業務執行の監督、 代表取締役の解職権あり 362Ⅱ三、 監査役等へ報告する義務 357 ・代表取締役:業務執行を取会に報告する義務 363ⅡI ・監査役:取会出席義務 383 I、 業務執行の監査、取会へ不正等を報告する義務 382 (3) 代表取締役の選定・解職: 取締役会決議による362Ⅱ → 定款によって、株主総会決議によるとすることもできる295Ⅱ ③招集: 専門家集団かつ迅速性重視 (1)招集権者 ・各取締役:原則、◯。 定款等で特定の取締役とすることに可→各取締役は招集請求権及び招集権を有する 366 ・監査役: 必要があると認めるとき 383Ⅱ Ⅲ Ⅳ ・株主: 監査役・監等委・指委等設置会社以外の株式会社で違反等があると認めるとき 367 (2)招集手続: 取会の1週間前までに招集通知を各取締役等に発する 368 ⇒○定款で期間短縮 ・○口頭・○目的事項の特定なし ⇒招集手続なし (取締役全員の同意が必要)・○通知議題以外の決議 ④ 決議【A+】: 各取締役の個性重視 (1) 決議方法: 原則 369 ・定足数:議決に加わることができる取締役の過半数の出席 ・決議要件:出席取締役の過半数 ⇒◯ 定款による要件加重、x定款による要件軽減、× 議決権の代理行使(∵取締役の個性を重視) (2) 決議の省略:取締役全員の書面または電磁的記録による同意で決議があったとみなす 370 ∵迅速性を重視 →取締役会の開催も省略、 定款の定めが必要、 監査役が異議を述べたときを除く (3) 特別の利害関係 369 Ⅱ : 忠実義務違反のおそれのある株式会社の利益と対立する取締役の個人的利害関係 ⇒有する取締役 (特別利害関係人)は議決に加わることができない (定足数からも除外) (例)株式会社・取締役間の取引の承認、 取締役が保有する譲渡制限株式の承認、 取締役を引受人とする第三者割当 Q 代表取締役の解職決議の対象となる代表取締役が特別利害関係人にあたるか (a)問題の所在:株式会社の利益と対立しない + 必ずしも忠実義務に反しない (b)判例・有力 : 特別利害関係人にあたる→決議に参加できない (c)理由: 一切の私心を捨て去って公正に行使することは期待できない Q 代表取締役の選定決議の対象となる代表取締役が特別利害関係人にあたるか (a) 実務・通説: 特別利害関係人にあたらない (b) 理由: 取締役全員に共通する利害(一番優秀な人を選ぼうとする) + 忠実義務も期待できる (4) 議決権: 取締役1人につき1議決権 →株式・役職は無関係 (5) 決議の瑕疵: 民法の一般原則により無効 ∵ 特別の訴えの制度なし Q 取締役の一部の者に対する招集通知を欠いた場合の決議 (a) 判例 ・原則→無効 ・当該取締役が出席 + 異議を述べない→有効 ∵ 結果に影響なし ・結果に影響がないと認めるべき特段の事情あり→ 有効 ∵ 結果に影響なし ⑤ 議事録【B+】: 取締役会の議事について作成 → 取締役・監査役の署名または記名押印369Ⅲ (1) 手続: 電磁的記録 369IV 取締役会の日から10年間本店に備置き必要 371 I (2) 閲覧・謄写請求: 株会議事録より厳格 ∵企業秘密の漏洩防止 ・株主:必要があれば可 (監査役・監等委・指委等設置会社は裁判所の許可を得て) 371ⅡⅢ 会社債権者:必要があれば、裁判所の許可を得て可 371ⅣV |親会社社員必要があれば、 裁判所の許可を得て可 371V (3) 推定規定: 決議に反対した取締役・議事録に異議を留めない → 賛成と推定369V 立証負担軽減 ⑥ その他の選定する取締役 (1)業務執行取締役 : 取会設置会社において業務執行に携わる取締役 (例)代表取締役、選定業務執行取締役、業務執行に携わる左記以外の取締役 ⇒取会設置会社において、取締役の業務執行も可(社外取締役を除く) (2) 選定業務執行取締役: 代取以外で取会決議によって業務執行する者として選定された取締役 363I二 ⇒代取と共に3箇月に一度執行状況を報告 363Ⅱ、 会社の代表は代取 (3) 特別取締役:重要な財産の処分や譲受及び多額の借財についてのみ決定できる取締役 373 ・趣旨: 迅速な手続き ・要件: 取締役6人以上 (内1人以上が社外取締役) の (指委等設置会社以外の) 取会設置会社 ・選定: 取会決議で3人以上を選定 (社外取締役の必要はない) ・出席:特別取締役のみで可 ・手続: 決議の省略不可、他の取締役への報告義務あり、登記必要
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□ 代表取締役 ① 代表取締役:株式会社を代表する取締役 47 Ⅰ括弧 (1)選定 【取締役会非設置会社】 (代表者の選定)任意 →選定なし:取締役全員 349 III (各自代表の原則) →選定有:取締役の中から選定された者 【取締役会設置会社】 (代表者の選定)必須 →取締役会の中から選定された者 (2) 員数:1人以上 (3) 登記:必要 (代表取締役の指名及び住所) 911Ⅲ十四 (4) 任期: 原則、2年 (規定はないが取締役のため) (5) 終任: 任期満了、辞職、解任 ⇒ 取締役会は代表取締役の解任はできるが、 取締役の解任はできない 362Ⅱ三 ②権限 (1)執行権 363 I ◯: 株会・取会の決議事項の執行、 移譲された範囲内の決定及び執行 ×: 362Ⅳの事項 (2)業務執行権: 株会等の議事、 財務諸表・事業報告書の作成・提出、各種会社文書への署名等 ⇒ 社内的行為 (3) 代表権【A+】:代表として、 代表取締役の判断・行為を会社の判断・行為とする権限 【範囲】業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為に及ぶ 349IV 【制限】制限を加えても、 善意の第三者に対抗することができない 349V 【複数 】 代表取締役が複数いる場合、各自が単独で株式会社を代表する ③代表権の濫用: 代表権の範囲内で代取が自己または第三者の利益のために代表権を行使した場合 (例) 売却代金着服目的で不動産を売却、 自己の利益のために会社として借入 Q 代表取締役が代表権を濫用して行った行為の効力 (1) 判例: 相手方が代取の真意を知り、または知りうべきものであったときは民法93 類推適用により無効 →心裡留保説: 善意・無過失なら有効、 悪意・ 有過失なら無効 (2) 通説(自説): 相手方がその目的を知りまたは知ることができたときは、 民法107 により無権代理 → 無無権代理説:善意・無過失なら有効、 悪意・有過失なら無効 (3) 通説(自説)の理由: 明文上の根拠 Q 代表取締役が職務について行った不法行為の効力 (例:業務におけるパワハラ) (1)判例: 代表取締役が個人として責任を負う429等 + 株式会社も責任を負う 350 (not 民 715) (2) 理由: 第三者保護 ④ 取締役への訴訟における会社代表者 ・監査権限を有する者あり: 監査役 386I、監等委・取締役会が定める者 309の7 ・監査権限を有する者なし: 代取、株主総会で定めた者 ⑤ 代表権の範囲外の行為(代表権の逸脱) (1) 事例: 株主総会決議または取締役会決議に基づかない行為、内部的制限に反する行為 (2)代表権に対する制限 ・法令の定めによる制限→349Vの制限に含まれない ・内部的制限による制限→349Vの制限に含まれる≒定款・決議・規則等による制限 ・利益相反行為の制限→利益相反取引規制の問題 (3) 決議に基づかない行為 ・株主総会決議: 外部から認識しやすい→ 原則無効にすべき ∵相手方悪意 ・取締役会決議:外部から認識しにくい→原則有効にすべき ∵相手方善意 ⇒ 株式会社の利益と第三者の利益を総合考慮して個別的に決定 Q 法令によって株会の決議事項とされているが株会の決議なくして代表取締役が行為をした場合 (a) 事例: 代取が株会決議なくして執行 ≒ 相手方と契約→会社に履行請求 → 無効 or 有効 (b) 問題の所在: 法令の定めによる制限、 明文規定なし (c) 判例・通説 ・原則: 無効 (例)事業譲渡 467Iー、事後設立 467 I五 ・例外: 有効 (例) 第三者に対する有利発行、新株予約権発行 (d)理由 ・原則: 第三者にとって当然知るべきといえる + 会社にとって重要事項 ・例外: 業務執行に準じる、 株主の利益保護がされうる Q 定款によって株会の決議事項とされているが株会の決議なくして代表取締役が行為をした場合 (a) 通説: 無効。 但し、 349Vで第三者に対抗できない (b) 理由: 代表権の内部的制限による制限+重要ではない (5) 取締役会の決議に基づかない代表取締役の行為の効力 Q 取締役会の決議なく代表取締役により招集された株主総会での決議の効力 (a) 問題の所在: 株会の招集事項は取会決議が必要 298IV→違反の場合は明文なし (b) 結論: 招集自体は無効。 但し、 株会決議は決議取消の訴えの原因 ・招集は無効→当該株主総会の決議に瑕疵あり ・代取の招集 →取消原因 ・平取の招集→不存在原因 (c)理由 ・招集 :内部関係の問題・取引安全と関係なし ・決議 :代表取締役による招集(会社が正当に行なっているように見える)・外部と関係あり ⇒内部関係のみであれば無効・外部と関係あれば有効→支配人の選任等も同様(専任だけなら内部関係で無効、その支配人が外部と取引等を行なったら有効) Q 公開会社において取締役会の決議なく代表取締役が募集株式の発行等を行った場合 (a) 問題の所在:明文規定なし (b) 判例・通説 : 有効 (c)理由: 授権資本制度(→業務執行に準じる)、 履行部分だけで有効208V 、取引安全 Q 取締役会の決議なく代表取締役により個別的取引行為が行われた場合の効力 (a) 事例: 取会決議なく代取が、 重要な財産の処分・譲受または多額の借財(362Ⅳ)を行う ⇒ cf. 代表権の濫用は代表取締役権限の範囲内→取会決議ありまたは不要 (b) 問題の所在: 明文規定なし (c) 判例: 取会決議なしを知り、または知りうべきものであったときは民法93類推適用により無効=心裡留保説→善意・無過失なら有効、悪意・有過失なら無効 (d)理由: ・取締役会決議は内部的制限の違反→外部から認識しにくい→有効 ・代取が決議ありと偽って契約 (cf. 濫用は経済的帰属を偽る)→心裡留保類似 →93 類推適用 (e) 批判: 軽過失においても無効→相手方に不利すぎる
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□ 表見代表取締役 ① 表見代表取締役: 代表権を有する者と認めるべき名称を付されているが、代表権を有しない取締役 (1) 登記: 代表取締役の氏名及び住所は登記事項 911Ⅲ十四 ⇒ 再任-・ 住所変更でも必要、住所は非表示制度あり、懈怠の場合罰則あり 976⑴ (2) 条文:354 (3) 要件: 虚偽の外観・帰責性・外観への信頼 (4) 効果 :責任を負う =株式会社に効果帰属=代表取締役の行為とみなす (1)虚偽の外観 ◯社長、副社長 ○総裁、副総裁、頭取、副頭取、理事長、代表取締役代行者、取締役会長(判例) × 取締役(取締役会設置会社の場合) Q 株式会社の使用人への 355条の適用の可否 (a)事例: 使用人が副社長との名称→代表権があると思い第三者が取引 (b) 問題の所在:354 は取締役を前提 (c)判例: 354 類推適用される →株式会社に効果帰属 (d)理由: 使用人の場合も権利外観法理の趣旨が妥当する (2) 帰責性:「付した」 Q 「付した」の意義 (a) 判例: 名称使用の許諾 (株式会社の帰貴原因) ◯:代表取締役の1人または取締役の過半数の承認・黙示の承認 ×:行使者が勝手に名乗った (b) 理由: 権利外観法理 (3) 外観への信頼 : 「善意の第三者」 Q 354 の善意の意義 (a) 判例・通説: 善意・無重過失 + 悪意・重過失の立証責任は会社が負う ⇒ 商法・会社法での 「善意」は多くが善意・無重過失 (b) 理由:重過失は悪意と同視できる (c) あてはめ ・登記簿閲覧の懈怠→重過失なし ・疑うに足りる理由がある場合に登記簿閲覧の懈怠→重過失あり ③効果: 「責任を負う」 = 代表取締役の行為同様→株式会社は義務を負い、権利を取得 ④ 商業登記: 会社等についてその概要を登録し一般に公示する制度≒登記 ⇒会社以外の法人については法人登記 商業登記 (1) 趣旨: 取引安全 ∵ 登記事項は誰でも閲覧可 + 登記には法務局での証明及び申請が必要 : (2) 条文 登記義務 907 以下 (3) 違反 : 発起人・取締役等は登記懈怠の場合100万円以下の過料又は刑事罰9761柱 (4) 手続: 法定の登記すべき事項 (登記事項)に変更があった場合、本店所在地の法務局で 期間内に手続きを行う911~929 (5) 効力 908 a) 一般的効力 ・消極的公示力 : 登記前は善意の第三者に対抗できないⅠ ・積極的公示力: 登記後は善意の第三者に対抗できる Ⅰ反対解釈→第三者の悪意を擬制(通説) b) 例外事由: 「正当な事由」= ◯客観的障害 (災害等)・×主観的障害(病気等) c)不実の登記 : 不実であることを善意の第三者に対抗できない Q354 と 908Ⅰとの関係 (a) 問題の所在: 354 = 第三者善意無重過失で対抗可・908 登記で第三者悪意 →Aが代取と登記。XがBを善意重過失で信じても、Xは保護されない? (b) 判例・通説 : 354 は 908Ⅰの例外規定→354 を優先適用 (c)理由: 登記簿の閲覧要求は商取引の大量・迅速性に反し妥当ではない
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□会社と取締役の関係 ① 概要: 委任関係 330(not 雇用関係) ・権利: 報酬等請求 ・義務 : 忠実義務、善管注意義務、 監視義務、利益相反行為の規制、報酬等規制 ②一般的義務【B】 (1) 忠実義務 法令・定款・株会決議を遵守して会社のために職務を執行する義務 355 (2) 善管注意義務 : 善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務 (民644) Q 忠実義務と善管注意義務の関係 (a) 問題の所在: 忠実義務は善管注意義務より高度な義務? (b) 判例・通説: 善管注意義務を具体的かつ注意的に規定≒内容は同じ (c)理由: 委任契約 (3) 監視義務【A】: 全取締役相互間で法令・定款遵守を監視する義務 ⇒ 法令には善管注意義務忠実義務を含む → 業務執行の適正も含む (判例) (4) 内部統制システム構築義務 (必須ではない) ⇒ 取締役会で決定362ⅣV六、 取会設置会社かつ大会社では必要 362V ③特別の義務【A】: 利益相反行為(競業取引・利益相反取引) の規制 or 取引規制 及び 報酬 (等) 規制 ・競業取引:取締役が自己または第三者のために行う、会社の事業の部類に属する取引 ・利益相反取引: 取締役が当事者または代理人として行う、会社と利益が相反する取引 ・報酬: 取締役が職務執行の対価として受け取る一切の財産上の利益 □ 競業取引規制【A+】 ① 競業取引: 取締役が自己または第三者のために行う、会社の事業の部類に属する取引 (1) 条文 : 356I一・365 I (2) 事例: 車の製造・販売会社の取締役が別の車の会社につき、取締役就任・会社設立・製造・販売等をする場合 (3) 趣旨:会社の利益を害するおそれが大きい (4) 競業避止義務 : 原則禁止、承認があれば可≒ 競業取引規制 ・取締役会設置会社 : 取締役会の事前の承認 ・取締役会非設置会社: 株主総会普通決議の承認 ② 対象: 自己または第三者のために+ 会社の事業の部類に属する⇒⭐️ 趣旨から広く解釈 (1) 自己または第三者のために →前提:= 自己または第三者に効果帰属させる Q 「自己または第三者のために」の意義【A】 (a) 問題の所在:会社名義での競業取引 →利益は取締役帰属 (b) 裁判例・通説: 自己または第三者の計算において (名義を問わない) (c)理由:会社の利益を害するおそれが大きい (d) あてはめ:◯会社名義で取締役に利益帰属 ⇒ 利益の流れで判断 →◯ 経済的効果の帰属先が会社でない (2) 会社の事業の部類に属する→前提: 定款所定の会社の目的かつ収益源である事業 Q「会社の事業の部類に属する」の意義 (a) 問題の所在: 地方の会社の取締役→遠方で同種の事業 (b) 裁判例・通説: 市場において取引が競合し、会社と取締役との間に利益衝突をきたす可能性のある取引 ⭐️「利益衝突をきたす可能性」がキーワード (c)理由: 会社の利益を害するおそれが大きい (d) あてはめ ◯ : 一時的に休止・(遠方での) 開業準備に着手 × :定款所定でも実体なし・定款所定でも完全に廃業 (裁判例) (3) その他 ・取締役→取締役の資格が必要 →× 辞任後の取締役 ・取引→営利性が必要 →× 非営利的行為•名義のみの(平の)取締役就任 ③承認: 取締役会の承認 (取会非設置会社なら株会普通決議) 356 I- 365 I (1)取締役の義務 : 重要な事実の開示義務、 競業取引の報告義務 (承認不問)365II (2)承認の効果: 通常の損害賠償責任のみ負う (3) 承認の時期: 事前 ④ 承認なき場合【A+】 ・私法上の効果 : 有効 ∵相手方保護 ・対会社責任: 損害賠償責任 423 Ⅰ (懈怠による過失あり) cf. 承認あれば過失が必要 ・損害賠償額: 取締役または第三者が得た利益の額と推定423Ⅱ cf. 承認あれば推定なし ・取締役解任:解任の正当事由 339Ⅱ、 解任の訴えの事由 854 I □ 利益相反取引規制 ① 利益相反取引: 取締役が自己または第三者のために行う、会社と取締役との取引 (1) 条文: 356I二三・365I (2) 事例: 会社と取締役が売買契約→利益相反 : 会社の利益 = 取締役の不利益 ⇒ 競業取引: 取締役が会社と同じ事業を行う/ 利益相反取引: 取締役が会社と取引を行う (3)趣旨: 会社の利益を害するおそれ (4)規制: 原則無効、 承認があれば可 ・取会設置会社:取締役会の承認が必要 ・取会非設置会社:株主総会普通決議の承認が必要 ② 形態 ・直接取引:会社と取締役との間の取引356Ⅰ二 ・間接取引:会社が取締役の債務を保証しその他取締役以外の第三者と行う取引356Ⅰ三 ・取引でない行為: 不利益を生じるおそれのない行為→利益相反行為に当たらない 例:定型取引(誰と売買しても価格が変わらない物の売買) (1) 直接取引 a) 条文 : 356I二 b) 事例 : 取締役が当事者となる、または第三者の代理人・代表者としてなす Q 356 I 二三(利益相反取引)の「取引」の意義 (a) 問題の所在: 会社の利益を害するおそれのない取引→ 規制の必要なし (b)判例:会社に不利益を生ずるおそれのあるすべての法律行為 (c) あてはめ ◯: 交渉に基づく契約、会社からの贈与契約、 会社による債務免除(単独行為)、 手形行為 ×: 定型的契約(交渉なし)、取締役からの負担付でない贈与契約、 債務履行行為→not 取引→ not 利益相反取引→ 承認不要 (2)間接取引 (a)条文:356Ⅰ三 (b)事例:取締役の債務会社保証、免責的債務引受、抵当権設定等 ・直接取引,自己のため→取締役 =当事者+ 利益相反関係 ・直接取引,他人のため→取締役=代理人等(not 当事者)+ 利益相反関係 ・間接取引→ 取締役 =not 当事者·代理人等+ 利益相反関係 (3)取引でない行為 ⇒ 会社(の承認(取会·株会)不要∵利益相反取引でない Q 株主の合意により承認が不要となる場合 (a) 事例:1人会社の株主たる取締役の承認なき利益相反取引 または 総株主の合意がある場合 (b) 問題の所在:株主単独の損害→not 利益相反関係 (c) 判例:上記事例の場合、取会の承認不要 (d) 理由: 利益相反関係にない ③承認: 取締役会の承認 (取会非設置会社なら株会普通決議) 356Ⅰ二三・365I (1)請求者: ・直接取引→当該取引をなす取締役 ・間接取引→会社を代表して取引にあたる取締役 (2) 損害賠償責任⭐️: 過失責任(承認以外の任務懈怠を必要) 423I ⇒当該行為をなした取締役のみならず、、 会社を代表し取引した取締役、 賛成した取締役 (賛成推定369V適用) も責任を負う (3)推定規定: 違反がなくても利益相反取引により損害が生じれば任務懈怠を推定423Ⅲ ※ 競業取引は違反のときのみ損害額を推定 (4)無過責任: 自己のために直接取引した取締役 (総株主の同意で免除可) 428 ④承認なき場合 (1) 私法上の効力【A+】 Q 取締役会等の承認を受けない利益相反取引の私法上の効力 (a) 問題の所在: 明文なし (b) 判例: 相対的無効説⭐️ ・取締役または直接取引の相手方⭐️→株式会社は無効主張可 ・第三者(⭐️譲受人・間接取引)→利益相反及び承認なしにつき悪意を会社が立証すれば無効主張可 ・取締役の側からの無効主張→不可 (c)理由: 趣旨から取締役等には無効の対抗可。 但し取引安全から善意の第三者には対抗不可 (2) 損害賠償責任: 過失責任(承認なし自体が任務懈怠)423I、423Ⅲ、428 ※賛成した取締役はいない(承認自体がないから) (3) 取締役解任:解任の正当事由 339Ⅱ、解任の訴えの事由854 I
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承認なき場合 (1) 私法上の効力【A+】 Q 取締役会等の承認を受けない利益相反取引の私法上の効力 (a) 問題の所在: 明文なし (b) 判例: 相対的無効説⭐️ ・取締役または直接取引の相手方⭐️→株式会社は無効主張可 ・第三者(⭐️譲受人・間接取引)→利益相反及び承認なしにつき悪意を会社が立証すれば無効主張可 ・取締役の側からの無効主張→不可 (c)理由: 趣旨から取締役等には無効の対抗可。 但し取引安全から善意の第三者には対抗不可
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報酬等の規制 ① 報酬等: 職務執行の対価として取締役が受け取る一切の財産上の利益 (例)報酬、賞与、 株式新株予約権、 社宅の貸与等、 退職慰労金 (1) 性質: 業務執行行為 (報酬に決定、報酬の支払い) (2) 条文 : 361条 (3) 規制: 定款または株主総会決議が必要 (4) 趣旨: お手盛りの防止 ②分類 (多数説) ・確定額報酬:金額が確定している報酬等 (例)報酬年2000万、 基本報酬月150万 ・不確定額報酬:金額が確定していない報酬等 (例)経常利益の1%を賞与 ・エクイティ報酬:株式 (株式報酬) 又は新株予約権(ストック・オプション)による報酬等 非金銭報酬: 金銭又はエクイティ報酬以外の報酬等 (例) 社宅の貸与 ③報酬等の定め: 定款又は株主総会決議 (1)確定額報酬: その額を定める 361 I一 Q 取締役全員の報酬総額の最高限度額を定め、配分を取締役会・特定取締役に一任することの可否 (a) 問題の所在 取締役が報酬等を決定 (b)判例:可 (c)理由:お手盛り防止の趣旨に沿う + 個人情報保護(株主総会で決めると各取締役の報酬がわかってしまう) 【改正後】 以下の場合、 個人別の報酬等の決定方針を定める義務あり 361Ⅶ 1) 監査役会設置会社かつ公開大会社かつ金商法24Iにより有価証券報告書提出義務がある会社 ⇒金商法24Iにより有価証券報告書提出義務がある会社 上場会社・非上場500名以上株券 2) 監等委設置会社 (2) 不確定額報酬: 具体的な算定方法を定める S61 I二 (3) エクイティ報酬 ⇒不確定額報酬及びエクイティ報酬≒ 業績連動型報酬又はインセンティブ報酬 a)支給の方式 直接交付方式: 株式・新株予約権を直接交付 361Ⅰ 三四 間接交付方式: 金銭を与えられ会社から株式・新株予約権を取得 S61五 b)改正後 cf. 改正前は「具体的な内容」を定める ・募集株式:株式の数(又は種類及び種類毎の数) の上限その他法務省令で定める事項 ・新株予約権:新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 (4) 非金銭的報酬: 具体的な内容 報酬等決定手続の規制 (1) 説明義務: 議案提出した取締役は当該事項を相当とする理由の説明義務あり 361Ⅳ →改正前:不確定額報酬・非金銭報酬対象→改正後: 361 I各号全て対象 (2) 決定方針: 一定の会社は個人別の報酬等の決定に関する方針として定める事項を決定する義務あり ・改正後 : 361VII・会社法施行規則98の5で規定 ・改正前:規定なし (3) 開示義務: 公開会社は報酬等を事業報告において開示する義務あり 435Ⅱ、会社施規 119 等 ーーーーーーーー 第百十九条 株式会社が当該事業年度の末日において公開会社である場合には、次に掲げる事項を事業報告の内容に含めなければならない。 一 株式会社の現況に関する事項 二 株式会社の会社役員に関する事項 二の二 株式会社の役員等賠償責任保険契約に関する事項 三 株式会社の株式に関する事項 四 株式会社の新株予約権等に関する事項 ーーーーーーー 改正前: 詳細規定なし 改正後: 報酬等の詳細の開示 ⑤ 重要論点 Q 定款または株主総会決議のない場合の報酬等請求 (a) 問題の所在 : 違反の場合の明文なし (b)判例 ・原則、認められない → 事後的に株主総会の決議あれば有効。信義則での有効も可(株式をほぼ全て有する代表取締役の許諾があったという例外的場合) ⇒ 支払った場合 : 報酬等相当額の不当利得返還又は損害賠償が必要 (c)理由:お手盛り防止 Q 報酬等の定款又は株主総会決議による事後的な変更 (a) 問題の所在: 取締役の利益保護 (b)判例: 取締役の合意なき限り、認められない ※事情の変更があっても同様 (c)理由: 会社と取締役間の契約内容として当事者を拘束 (1)退職慰労金: 取締役等が退職後に慰労として受け取る金銭 【退職金】 受取人:従業員等 決定方法:会社内就業規則等 決定時期:退職時 稅制:分離課税等 【退職慰労金】 受取人:役員等 決定方法:株主総会決議等 決定時期:退職後 税制:総合課税等 →退職金を役員が受取る又は退職慰労金を従業員が受取る場合もある Q 退職慰労金が 361条1項の報酬等にあたるか (死亡弔慰金も同様) ※株主総会以外で定めている場合に問題になる (a) 問題の所在: 退職後に決定支給 + 受取人は決定に不参加→not お手盛り? (b) 判例・通説: 報酬等にあたる→定款または株主総会決議で決める必要あり (c)理由: ・お手盛り:残存取締役が自己の退職の際に先例や慣行として有利に働くことを期待 ・報酬等の性質: 報酬等の後払的性質 → 職務執行の対価 Q 退職慰労金の金額・支払方法等を取締役または取締役会に一任する旨の株主総会決議の可否 (a)問題の所在: 361I及びお手盛りの危険 (b)判例:無条件の一任は無効。 但し、以下の趣旨の場合は有効 1.) 明示的または黙示的にその支給基準を慣例等により示し 2.) その支給基準によって具体的な金額等を定めるものとして取締役等に一任 (c)理由:お手盛りの危険はない (2) 使用人分給与: 使用人兼務取締役が使用人として受け取る給与 a) 使用人兼務取締役: 取締役の地位と使用人の地位を併せ持つ者→使用人給与 + 取締役報酬等を支払 (例) 取締役営業部長 cf. ○ 取締役と使用人兼任 ×代取と使用人兼任 b) 指名委員会等設置会社⭐️: ×使用人兼務取締役 331Ⅳ Q 使用人分給与が 361条の報酬等の対象となるか (a) 問題の所在: 本来別物→ 取締役が決定→お手盛りの危険 (b) 判例: 給与体系が明確に確立 かつ 使用人分は別に支払う旨の明示→361 条の対象外 (c)理由:お手盛りのおそれは少ない
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①会計参与: 取締役 (指委等設置なら執行役) と共同して、 計算書類等を作成する者 (1) 条文 : 374 (2)趣旨: 計算書類等の正確性を担保 (3) 地位 ・会計参与 :株式会社の内部機関→内部から事実上正確性を担保 ・会計監査人 : 株式会社の監査機関→外部から法律上も正確性を担保 (4) 資格: 公認会計士・ 税理士・監査法人・税理士法人 333 (5) 員数: 制限なし (6) 任期: 取締役と同じ (原則、2年) ②設置 : 原則として、 株式会社は定款によって任意に設定できる 326II (1) 設置必要⭐️: 監等委・指委等以外の取会設置会社で非公開会社かつ監査役なしの場合 327 II (2) 設置不可: 持分会社 ③ 権限 : 計算書類等の共同作成、 会計帳簿等の閲覧権、 株会での意見陳述権、 子会社調査権 ④ 義務 (1) 報告義務: 取締役の不正行為等を発見した場合、株主又は監査機関に報告義務あり 375Ⅰ Ⅱ (2)取会出席: 取締役会への出席・ 意見陳述義務 376 I (3) 会計参与報告 : 計算書類等作成に際し法務省令で定める報告書作成義務あり 374 I (4)備置閲覧: 計算書類等を保存、 株主会社債権者に閲覧等、 親会社社員に閲覧等 ⑤ 報酬・費用 ・報酬等: 定款または株主総会決議により定める379 ・費用等: 会計参与設置会社に対して職務執行に不要である証明なき限り請求できる 380 ∵地位の独立性を担保
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① 監査役: 取締役 (及び会計参与)の職務執行を監査する機関 (1) 条文 : 381 (2) 趣旨 :取締役等の職務執行の監査 (3) 分類 ・監査役 : 1人の監査役からなる独任制の機関 ・監査役会 : 3人以上の監査役からなる合議制の機関 (4) 資格: 原則なし → 欠格事由・ 兼任禁止 335 (5) 任期: 原則、4年 ②設置【A】 (1)監査役 ・原則: 定款によって任意に設置できる 326ⅡI ・設置必要: ①取締役会設置会社(非公開かつ会計参与設置会社を除く)・②会計監査人設置会社 327Ⅱ III ・設置不可: ①監等委設置会社・②指委等設置会社 327Ⅳ (2)監査役会 ・原則: 定款によって任意に設置できる 326 Ⅱ ・設置必要: 大会社かつ公開会社である株式会社 328 I □ 監査役 ① 権限 (1) 職務執行の監査381 I : 会計監査及び業務監査 (適法性監査)に及ぶ a) 監査の種類 ・会計監査: 計算書類等につき虚偽がないかを調査・確認 ・業務監査: 会計監査以外の業務全般に関する調査・確認 ⅰ 適法性監査 :職務執行が法令及び定款に適合しているかを調査・確認 ⅱ 妥当性監査: 職務執行が妥当と判断できるかを調査・確認 Q 監査役の業務執行の監査権限が妥当性監査にも及ぶか【A】 (a) 問題の所在 : 明文なし + 「著しく不当」の報告義務 384 (b)有力説: 原則、及ばない。但し 「著しく不当」な場合のみ妥当性監査にも及ぶ (c)理由: ・原則: 業務執行は取締役の専権 369I + 監査役・取締役の負担増大 ・例外: 著しく不当な職務執行は善管注意義務違反として法令違反 b) 例外 ・非公開会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社以外) :定款で監査権限を会計監査に限定可 389 I【B+】 ・監査役非設置会社 (上記株式会社を含む) :監督是正権は株主にある357I (2) 報告請求業務財産状況調査権 381Ⅱ、子会社調査権 381Ⅲ IV ② 義務 (1) 取締役報告 :不正行為等を取締役 (取締役会) に報告する義務 382 (2) 取会出席:取会に出席し意見陳述義務→取会招集権あり 383 (3)株主総会報告 :株会提出の議案等の調査及び不正等の報告義務 384 (4) 監査報告:監査の結果につき監査報告として作成する義務 381 I ③ 取締役の行為の差止 (1)差止請求: 385・ 360 【違法行為】 〈株主〉 (要件) 法令・定款違反行為をし、またはするおそれ ・6箇月前(非公開会社不要)から株主 ・行為により著しい損害が生じる虞 (監査役・監等委指委等設置なら回復す ることができない損害が生じる虞) 360 (手続) 裁判上または裁判外 + 仮処分の場合の担保提供不要 〈監査役〉 (要件) ・法令・定款違反行為をし又はする虞 ・行為により著しい損害が生じる虞 385 (手続)株主と同じ 【新株発行】 (株主)210 (監査役)独自の権限なし (2) 会社の代表: 以下の場合、監査役は株式会社を代表する386 ・取締役と監査役設置会社との訴訟 ・監査役設置会社が取締役の責任を追及する訴えの提起を受ける場合 ・監査役設置会社が株主代表訴訟の訴訟告知・和解通知・催告を受ける場合 ④ 監査役独自の制度 (1) 趣旨: 監査役の独立性の確保 (2) 主な制度 【取締役】 任期)原則、 2年332 選解任の意見陳述権)規定なし (◯ 監等委の場合342の2) 選任の監査役(会) 同意)規定なし 解決決議)特則普通決議 【監査役】 任期)原則、 4年 選解任の意見陳述権)◯ 345 I IV 選任の監査役(会) 同意)◯ 343 I三 解決決議)特別決議⭐️ ※取締役の圧力で辞めさせられることや取締役の息がかかった人が監査役になることを防止 (3)報酬等: 定款または株主総会決議で定める 387 ∵報酬面からの独立性の確保(not お手盛り防止) ・報酬等の分配: 上記がなければその範囲内において、監査役の協議で定める ・意見陳述権 :報酬等の議案につき株会において意見陳述可 Q 監査役の報酬等の配分を監査役の同意によって取締役・代取・取会等に一任することができるか (a) 問題の所在: 報酬は定款・株会決議で決定 + 監査役の同意あり (b) 通説: できない (c) 理由: 趣旨に反する (4) 費用等: 監査役設置会社に対して職務執行に不要である証明なき限り請求できる 388 ※会計参与と同じ
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① 監査役会: 監査役で構成され、取締役等の業務執行に対する監査を行う合議制の機関 (1) 設置 : 原則、任意・ 大会社かつ公開会社は必要・監等委または指委等設置会社は設置不可 (2) 目的: 会計監査及び業務監査 ②構成: 全監査役で構成390Ⅰ => 監査役が3人以上・半数以上 (⭐️not 過半数) が社外監査役 335Ⅲ・常勤監査役選定 390Ⅲ (1)監査役の種類 ・社外監査役:当該会社の取締役・使用人等であった経歴のない監査役 2十六 ・社内監査役:当該会社の取締役・使用人等であった経歴のある監査役 ・常勤監査役:他に常勤の仕事のない監査役 (勤務時間の規定なし) ・非常勤監査役:上記以外の監査役 (2)構成員 ・取締役会の取締役:取会の構成員 (not 機関)→代表取締役が業務執行 ・監査役会の監査役: 監査役会の構成員 かつ機関→ 監査役が監査 (独任制) + 監査役会で決定 (合議制) ③権限 390 Ⅱ一〜三 (1) 監査報告の作成 (2) 常勤監査役の選定・解職 (3) 監査方針等の監査役の職務執行に関する事項の決定 (拘束力なし) ④ 義務: 監査役の報告義務 390Ⅳ、全員に対して通知すれば報告不要 395 ⑤ 運営 (1) 招集: 原則、 各監査役に招集権391、 通知により招集 (全員の同意があれば不要) 392 (2) 決議: 過半数 393 I:⇒ ⭐️× 代理行使・× 書面決議・×定款による決議の省略 ∵監査の実効性と信頼 (3) 議事録: 書面または電磁的記録で作成、 10年間本店に備置き、 監査役の署名又は記名押印必要 ⇒ 株主・会社債権者・ 親会社社員は必要があるとき裁判所の許可を得て閲覧・謄写請求可 394Ⅱ Ⅲ ∵重要な情報含む
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①会計監査人 計算書類等の監査をする機関 (1) 条文 : 396 (2) 趣旨 財務諸表等の監査 → 財務状況の信頼性確保 (3) 地位 会計参与 :株式会社の内部機関→内部から事実上正確性を担保 会計監査人: 株式会社の監査機関→外部から法律上も正確性を担保 (4) 資格: 公認会計士・監査法人 (5) 員数: 制限なし (6) 任期: 原則、 1年かつ再任 338 ②設置 ・原則:任意 326II ・設置必要:大会社 328・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社 327V ・監査役との関係:(監等委・指委等設置会社以外の) 会計監査人設置会社は監査役が必要827Ⅲ ※監査役との会計監査人はセット ・役員:取締役・会計参与・監査役329Ⅰ ・役員等:取締役・会計参与・監査役・会計監査人・執行役423I ③権限等 (1) 権限 : 計算書類等の監査、 会計監査報告の作成、 会計帳簿の閲覧等、子会社調査権 (2) 義務 監査役への報告 397、 株会における意見陳述権 398 (3) 報酬: 会社が定める + 監査役・監査役会の過半数等の同意が必要 399 (4) 費用: 規定なし → 委任契約に従う・会計監査人が必要性を証明 ④選解任 (1) 選任 株主総会普通決議で選任 329 + 監査役 監査役会の過半数等の議案内容の決定 344 (2) 解任 株主総会普通決議で解任 339 + 監査役・監査役会の過半数等の議案内容の決定 344 義務違反等による場合、 監査役等により解任可 340 ④ 選解任 (1) 選任: 株主総会普通決議で選任 329 + 監査役・監査役会の過半数等の議案内容の決定 344 (2) 解任: 株主総会普通決議で解任 339+ 監査役・監査役会の過半数等の議案内容の決定 344 ⇒義務違反等による場合、 監査役等により解任可 340
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□ 総説 ① 監査等委員会設置会社 : 監査等委員会をおく株式会社2十一の2 (1) 趣旨: 信頼性確保、 社外取締役の導入促進、 監査機能の強化 (2) 会社: 大会社かつ公開会社を前提 →監査役会設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社 のいずれか (3) 背景: 大企業の不祥事の頻発 → 信頼性の低下→ 投資減→ 信頼性確保の必要 →指委等設置会社はあまり機能せず: ・指委等設置会社 → 社外取締役6人必要かつこれらの者が人事・報酬を決定することに対し経営陣が反発 ②概要:取締役が監査等委員会として監査を行う ③機関設計 (1) 必要的機関 a) 株主総会: 設置 295 I b) 監査等委員会:設置326Ⅱ、監査等委員である取締役で組織 399の2IⅡ ⇒ 3人以上かつ過半数が社外取締役 331VI 注) not 半数以上(監査役会は3人以上かつ「半数以上」が社外監査役) c) 取締役会:設置 327 I三 ⇒ 監査等委員である取締役 ・監査等委員でない取締役で組織 d) 代表取締役 : 設置、監査等委員でない取締役から選定399の13Ⅲ e) 会計監査人: 設置 327V (2) 設置不可: 監査役・監査役会327Ⅳ ④ 特徴 (1) 監督機能の強化: 取締役が監査等委員となる、 議決権、 議決権、選解任・報酬等の意見陳述権 (2) 役員数の抑制: 監査役不要、 社外取締役2人でも可、役員4人でも可、327の2 (3) 機動的な運営: 定款により取締役に一定の業務執行の委任可 (4)監査機能の強化:社外取締役 (5) 信頼性の確保: 指名委員会等設置会社とも類似 ⇒ 上場企業は監査役会設置会社と監査等委員会設置会社が大部分 □ 監査等委員会設置会社の機関等 ①選択: 定款の定め 326 Ⅱ ② 取締役: 監査等委員である取締役 (監査役類似) or 監査等委員でない取締役(取締役類似) 【監査等委員でない取締役】 選任)株主総会普通決議 329 Ⅱ (notI) 解任)株主総会普通決議 339I・309I 任期)1年332Ⅰ III 兼任制限)取締役と同じ 報酬等)監査等委員である取締役と区別 361Ⅱ→取締役と同じ 【監査等委員である取締役】 選任)株主総会普通決議 329 Ⅱ + 監査等委員会の同意 344の2I 解任)株主総会特別決議 339I・309Ⅱ七 任期)2年332I 兼任制限)監査役と同じ331Ⅲ 報酬等)監査等委員でない取締役と区別 361Ⅱ 右定款または株会決議 + 範囲内で協議 ③(監等設置会社の) 取締役会→通常の取締役会 362 と類似 (1) 権限: 業務執行の決定、 取締役の監督、代取の選定・解職、内部統制システムの決定 399の13 (2) 委任: 362Ⅳと同様の重要な決定 (重要な財産の処分等)を取締役に委任できない399の13Ⅳ ※通常の取締役と同じ ⇒ 取締役の過半数が社外取締役または定款で定めた場合、416Ⅳ(指委設置会社の取締役会の権限)と同範囲の委任可399の 13VVI (3) 招集 (招集権者の定めがあっても)監査等委員も可399の14 ④ 監査等委員会 (1) 条文 : 399の2 (2) 構成: 全ての監査等委員である取締役 (3) 監査等委員会の権限 (監査役類似 ・not 監査等委員): ・職務執行の監査及び監査報告の作成 399の2Ⅲ一、 会計監査人の選解任等の議案決定399の2Ⅲ二 ・監査等委員でない取締役の選解任等及び報酬等の意見決定399の2Ⅲ三 ∵ 独立性の確保 (4) 監査等委員の権限 ・費用請求 399の2Ⅳ、差止請求399の6、 会社の代表等 399の7Iニ ・取締役会の招集399の14、株会での選解任・ 報酬等の意見陳述権342の2Ⅳ、361VI (5)監査役の比較 【監査役·監査役会】 目的)取締役等の職務執行を監査 構成員)監査役 監査対象)原則,適法性監査 員数)3人以上(社外監查役半数以上) 任期)4年 常勤者)必要 監査方法)各監査役による個人監査 【監査等委員会】 目的)取締役等の職務執行を監査 構成員)監査等委員である取締役 監査対象)適法性監査及び妥当性監査 員数)3人以上(社外取締役過半数) 任期)2年 常勤者)不要 監査方法)監査等委員会の組織監査 (6) 運営 ・招集:各監査等委員399の8→全員同意で招集手続不要 399の9Ⅱ ・決議: 過半数の出席(定足数・監査役会はなし) + 出席者の過半数の賛成、 議事録の作成 399の10 ・手続:賛成推定、 説明義務、 議事録の署名または記名押印、 電磁的記録可 (7) 調査報告 a) 調査:職務執行、会計調査、子会社調査、取締役会計参与の説明義務399の3 b) 報告: 取締役会への報告義務399の4、株主総会への報告義務399の5 c) 利益相反取引: 監査等委員でない取締役が承認を受けた場合、任務懈怠の推定適用しない 423IV ∵政策的観点(利用促進) ⑤ 代表取締役: 監査等委員でない取締役から選定
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図 ※株主総会では取締役だけ選ぶ(監査役は選ばない(監査役はいない)) →監査等委員会を構成する取締役と構成しない取締役がいる) ※監査等委員会は取締役会の中の委員会の位置付け ※監査役会設置会社の監査役は独任制だが、監査等委員会は独任制ではない
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□ 総説 ①指名委員会等設置会社: 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会をおく株式会社 2十二 (1) 趣旨: コーポレートガバナンス (≒企業統治・適正透明な経営の仕組み) の強化(※監査等委員会設置会社と同じ) (2) 会社:大会社かつ公開会社を前提 ⇒ 監査役会設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社のいずれか (3) 背景: 大企業の不祥事の頻発信頼性の低下 → 投資減・信頼性確保の必要 (4) 沿革: 委員会等設置会社 → 委員会設置会社 → 指名委員会等設置会社 ②概要: 監督と執行が制度的に分離 →取締役会が監督・執行役が執行 ③機関設計 (1)必要的機関 a)株主総会 : 設置 295I→ 取締役の選任 b)取締役会:設置327I四→執行役・委員の選解任、職務執行の監督、基本事項の決定⇒ 原則として業務執行のできない取締役で組織(業務執行は執行役が行う) c) 三委員会:= 指名委員会等 (→指名委員会・監査委員会・報酬委員会) ※cf. 監査等 (監督権限) 委員会 ・指名委員会: 設置 2十二 →取締役等の選解任議案の内容決定 ※選解任決議は株主総会 ・監査委員会 : 設置2十二 →職務執行の監査 ・報酬委員会 : 設置 2十二→執行役等の報酬決定 d)執行役・代表執行役 : 設置 402I e)会計監査人 : 設置 327 V (2)設置不可: 監査役・監査役会 327ⅣV 監査等委員会 327VI ④ 特徴: 趣旨 取締役会の監督機関としての形骸化防止 (1) 監督と執行の制度的分離: 取締役を監督機能に専念・強化、国内への配慮 (2) 執行役に業務執行権限: 自己監査を否定 (3) 社外取締役の権限強化: 委員会の決定に拘束力 (4) 機動的な運営: 執行役に広範な業務執行権限 (5) 信頼性確保: アメリカ型の機関設計(国際標準) (6) 取締役・社外取締役の増加: 原則、取締役9人社外取締役6人必要 ( 兼任可) □ 指名委員会等設置会社の機関等 ①選択: 定款の定め326Ⅱ ②(指委等設置会社の) 取締役 【通常の取締役】 選任)特則普通決議→取締役会が議案提出 任期)2年332I 業務執行)原則、可(代取・取会設置を除く) 兼任制限) × 監査役・○使用人 【指名委員会等設置会社の取締役】 選任)特則普通決議→指名委員会が議案提出 任期)1年332VI 業務執行)原則、 不可 415 兼任制限) × 監査委員の場合の執行役・使用人 331Ⅳ ○上記以外の執行役402Ⅵ・ 三委員会の委員(取締役が複数の委員会の委員兼任可能) ③取締役会 (1) 招集: 選定委員(指名委員等がその委員の中から選定する者) 417I、執行役417Ⅱ (2) 権限 ・執行役の職務執行の監督416I二 ・基本事項の決定 416I一Ⅱ ・委員及び執行役の選解任(いつでもできる)400Ⅱ・401Ⅰ・402Ⅱ・403I (3) 委任: 416Ⅳ但各号を除き、業務執行の決定を執行役に委任できる 416IV ≒ 広範な委任 ⇒委任不可: 株式関係、 株会関係、 委員及び執行役の選解任、 責任免除、合併等 (4) 運営: 委員の報告義務 417Ⅲ、 執行役の報告義務 説明義務 417ⅣVV ④ 三委員会 (1) 権限 ・指名委員会: 取締役・会計参与の選解任議案の内容決定 404 I ・監査委員会: 監査、会計監査人の選解任議案決定404Ⅱ( 監査役類似) (◯妥当性監査・組織監査(独任制ではない(常勤者は不要)) ・報酬委員会: 執行役の個人別の報酬等の決定 404Ⅲ (2)構成: 各委員会毎に、取締役である委員3人以上かつ過半数が社外取締役で組織 400I Ⅱ Ⅲ ⇒ ⭐️委員の兼任可 ⑤ 執行役・代表執行役: 執行役≒業務執行取締役 、代表執行役≒ 代表取締役 (1)執行役 ・選任: 取締役会決議402Ⅱ →○取締役と兼任 402VI ※執行役は取締役でなくても良い ×監査委員である取締役と兼任400IV ・任期:1年402Ⅶ ・権限: 業務執行、416IVによる委任を受けた業務の執行 ・地位:株式会社との委任関係 402Ⅲ→取締役準用 402Ⅳ・419・423等 (2) 代表執行役: ・選定: 執行役から取締役会決議 (執行役1人ならその者) 420I ・地位: 代表取締役準用420Ⅲ・421・422 ⑥会計監査人: 監査委員会により選解任議案提出
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図
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10 取締役会設置会社と非設置会社 ① 基本事項 【取締役会設置会社】 会社の特徴) 大規模 利点: 信用性が高い ※借入等に影響 欠点: 意思決定が遅い、 報酬等が高い 要件) 公開会社、 監査役会設置会社、 監等委 又は指委等設置会社 327 I 代表及び業務執行) 代表取締役 取締役の地位) 会社の機関ではない 取締役の員数) 3人以上 株主総会の決定事項) 法定事項及び定款で定めた事項 競業・ 利益相反取引) ・取締役会が承認機関 ・取会への報告義務あり 監査役の報告義務) 取締役会に対して 【取締役会非設置会社】 会社の特徴) 小規模 利点: 意思決定が速い、 報酬等が低い 欠点: 信用性が低い 要件) 公開会社、 監査役会設置会社、 監等委又は指委等設置会社以外 代表及び業務執行)各取締役 取締役の地位) 会社の機関 取締役の員数) 1人以上 株主総会の決定事項) 一切の事項 競業・ 利益相反取引) ・株主総会が承認機関 ・⭐️株会又は取会への報告義務なし 監査役の報告義務)取締役に対して ② 株主総会 【取締役会設置会社】 招集通知の時期) 2週間前までに通知 299 (非公開会社では(書面又は電磁的方法による議決権行使を認めた場合2週間)の場合以外は1週間) 招集通知の発送方法) ・書面または電磁的方法 ・298 Ⅰ各号の事項の記載必要 計算書類等の提供) 必要 437 議題提案権・議案要領の通知請求権) 少数株主権 303Ⅱ・305 I 非公開: 1/100 または300個以上 公開 上記に加え6箇月前から保有 議題提案権の行使) 8週間前までに行使 + 定款で短縮可 議決権の不統一行使) 3日前までに通知 + 理由付記313Ⅱ 【取締役会非設置会社】 招集通知の時期) 1週間前までに通知 + 定款で短縮可 (書面又は電磁的方法による議決権行 使を認めた場合2週間) 招集通知の発送方法) ・書面又は電磁的必要なし (口頭でも良い)(上記括弧の場合を除く) ・298Ⅰ各号の記載不要 計算書類等の提供) 不要 議題提案権・議案要領の通知請求権) 単独株主権 303I・305I 議題提案権の行使) 期間制限なし 議決権の不統一行使)事前手続不要313 I
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図
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□ 総説 ① 役員等の責任 ・株式会社に対する損害賠償責任: 423 等 ・第三者に対する損害賠償責任 : 429 ②責任の免除または軽減: 可 ③役員等: 役員(取締役・監査役・会計参与) 及び会計監査人・執行役 ⇒ 実際の訴訟で問題 □ 株式会社に対する損害賠償責任 ①概要 ・一般的責任:善管注意義務 (民644)・→忠実義務355 →債務不履行責任 (民415) ∵委任 ・会社法上の責任 : 会社法上の特別な規定 ∵広範かつ強大な権限に対し不十分 ・任務懈怠・利益供与・剰余金配当 →3つのどれかを考える + 別途損害賠償責任追及可 ② 任務懈怠責任: 役員等がその任務を怠ったとき、 株式会社に対し生じた損害を賠償する責任 (1) 条文 : 423、428 参 (2) 要件: 任務懈怠、 故意または過失、 会社の損害、 任務懈怠と損害との間の相当因果関係 a) 任務懈怠: 役員等の任務を怠った行為 ≒ 法令・定款に違反する行為 (例) 横領、 競業取引、 利益相反取引、 利益供与、 違法な剰余金配当、 違法な出資履行 【判例】法令とは、 会社を名宛人とし会社の業務に際し遵守すべき全ての法令を含む Q 経営判断の誤りにより損害を与えてた場合、任務懈怠に該当するか【A+】 (a) 事例 :合併のため他社の株式を市場価格の数倍で取得→ 会社に損害 (b) 問題の所在: 善管注意義務等の違反 + 株主及び会社債権者保護 VS 役員等の保護 (c) 判例・通説: 経営判断原則 = 当該会社の属する業界における通常の経営者の有すべき知見及び経験を基準として、意思決定の過程、 内容に著しく不合理な点がない限り、 善管注意義務に違反しない (d) 理由 1) 経営判断は総合的判断が必要なため、 一定のリスクが伴う 2) 萎縮することなく経営に専念するため、 裁量が認められるべき b) 過失 ・旧商法→ 一元説: 任務懈怠あり=過失あり ・現会社法 →二元説:任務懈怠と過失 (帰責事由)は別の要件 ∵428I = 過失が必要 →任務懈怠が役員等の責めに帰すべき事由によるものでなければ責任を免れる (消極的要件) c) 損害 → 356Ⅰ等に違反する競業取引をした場合、 利益の額=損害の額と推定423Ⅱ ⇒ 承認あれば通常の責任のみ →善管注意義務違反のみ責任 + 損害額の推定もなし d) 相当因果関係: 任務懈怠と損害との間に必要 ⇒ 通常、任務懈怠 損害故意または過失があれば認められる (3) 利益相反取引の特則 1.) 423Ⅲ: 損害生じた場合、任務懈怠を推定(役員等が不存在を立証する必要あり + ⭐️承認不問) →例外: 監等委設置会社の監査等委員でない取締役が承認を受けた時は推定なし 423Ⅳ 2.) 428Ⅰ: 自己のために直接取引した場合、無過失責任(承認不問、任務懈怠は無関係) 3.) 369V : 議事録に異議を留めない取締役は賛成と推定369V ③ 利益供与 (1) 条文 : 120Ⅳ (2)責任 ・関与した取締役等: 供与した利益相当の価額支払義務 + 過失責任 ・供与した取締役等 供与した利益相当の価額支払義務+ 無過失責任 ⇒ 423I とは別個の責任 → 任務懈怠責任の追及可 ※例: ・経営者や社員の個人的な不祥事に関する情報を得た者が、その情報を株主総会などの場で公にしないことの見返りとして、会社が口止め料と称して金銭を供与すること ・事業の失敗により巨額の損失を計上した会社が、株主総会で特定の株主に質問を控えてもらうことや、逆にほかの株主の追求を妨害してもらうことで、円滑に議事を進めることを目的に、特定の株主に対して金銭を供与すること 等 ④ 剰余金配当 (1) 条文 : 462 (例) 分配可能額を超えて剰余金を配当 (2) 趣旨: 返還困難の救済→資本維持 (3) 責任 Ⅰ : 交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭の支払義務 Ⅱ 過失責任(not 無過失責任) + 立証責任の転換(業務執行者側に立証責任あり)⭐️ ※外部の専門家の算定間違い等に場合に取締役に無過失責任を負わすのは酷 Ⅲ 総株主の同意により分配可能額を超える部分の責任免除不可 (超えない部分は可) 債権者保護 →423 Ⅰとは別個の責任 任務懈怠責任の追及可 (4) 責任者 : 株主、 業務執行者、 株会又は取会で議案提案を行った取締役 ⇒ 連帯責任となる (5) 株主求償:善意の株主に対して求償不可(悪意の株主には請求可)、 債権者による直接請求可 463 ⑤ 役員等の責任の態様【B】 (1)責任者: 対象となる行為をした役員等、決議に基づく場合は決議の賛成者 (2) 複数の場合: 連帯債務430 (3) 責任の性質 : 債務不履行責任と異なる特殊の法定責任 □ 第三者に対する損害賠償責任 ①概要 ・一般的責任 :不法行為責任(民709,714 以下) ・会社法上の責任 : 会社法上の特別な規定 429 ∵第三者保護 (1) 条文 : 429 (2) 内容: Ⅰ: 職務執行について悪意または重過失があれば第三者に対し損害賠償責任 Ⅱ: 一定の職務執行について過失責任 + 立証責任の転換 ⇒ 429Iは文言上不明確→ 責任の性質、悪意等の対象、 損害の範囲、 第三者の範囲等がQ ② 責任 Q 429Ⅰの責任の趣旨及び性質 (a)問題の所在: 文言上不明確→趣旨及び性質 →悪意又は重過失の対象・民法 709 との関係 (b)事例:取締役が任務懈怠→第三者に損害 (c)判例・学説 【不法行為特則説一反対説】 趣旨:取締役の責任軽減 結論:不法行為につき軽過失免責 内容: ・悪意又は重過失 ・第三者に対する加害又は損害につき悪意又は重過失必要 ・民法 709 :競合しない(429と709両方請求されることはな) 理由:取締役の責任が過大 【法定責任説一⭐️判例通説】 趣旨:第三者保護 結論:特別の法定責任 ∵責任加重 内容: ・悪意又は重過失 ・任務懈怠について存すれば足りる ・民法709 : 競合する 理由: ・本来会社責任だが役員等の職務執行に依存 ・強大な権限から第三者を保護する必要が高い ③損害 【直接損害】 ・定義:任務懈怠により直接第三者に損害 ・事例:取引相手に支払見込なく手形振出 ・特徵:会社財産に損害なし 【間接損害】 ・定義:任務懈怠による財産減少の結果、第三者に損害 ・事例:放漫経営での倒産の結果、会社債権者に不履行 ・特徴:会社財産に損害あり Q 429Iの損害の範囲・ 対象 (a) 問題の所在: 文言上不明確 (b) 判例・通説: 直接損害・間接損害の双方が含まれる(両者包含説) (c)理由: 第三者保護、 不法行為の特則ではない(法定責任説)、直接損害と間接損害の区別が不明確(支払見込みの無い手形を振り出すような業務執行者は放漫経営していることが多い) ※不法行為特則説だと直接損害に限定 ④第三者: 役員等の所属する株式会社以外の者 (例) 取引相手、会社債権者 Q 間接損害を受けた株主は429Iの第三者に含まれるか (a) 問題の所在:株主の地位、間接損害では代表訴訟が用意 ※直接損害は会社に損害ないため代表訴訟の対象外 (b)通説: 含まれる (c)理由: 第三者保護、文言(第三者としか書いてない)、代表訴訟での訴訟提起の困難性 847・847の4 ⑤ 取締役の対第三者責任に関する諸問題 (1)監視義務: 定款・法令遵守及び適正な業務執行について取締役が負う 362 Ⅱ 二 →◯ 429Ⅰ判例 ⇒代取・平取共に義務あり + 取締役会に上程された事項についても義務あり Q取締役会に上程されていない事項についての平取の監視義務 (a)問題の所在:業務執行の関与が限定的 (b)判例・通説:監視義務あり (c)理由:取締役会の招集権限 366Ⅱ、 取会の構成員たる地位から監視義務、 実効性確保 ※監視義務を果たすために平取に取締役会の招集権限が認められているということ (2)名目的取締役 適法な選任手続及び登記があるが実質的職務執 行のない取締役 ⇒ 会社の同意あり ∵ 人数確保 ・信用性確保 ・報酬目的が主 Q 名目的取締役の429I責任 (a) 問題の所在: 実質的に取締役ではない ∵ 任務なし(何もしなくても良いことについて会社の同意あり) (b) 判例・通説: 監視義務違反による 429 I 責任あり (c)理由: 名目でも取締役、取締役会の招集権限366Ⅱ、取会の構成員たる地位から監視義務 (3) 登記簿上の取締役: 法的な取締役の地位がないが取締役として登記されている者 ≒ 表見取締役 ⇒ 取締役ではない ∵ 適法な選任手続がない ・選任決議欠缺: 選任決議がないが取締役として登記されている場合 ・退任登記未了: 退任登記がなく取締役として登記されている場合 Q 選任決議欠缺での登記簿上の取締役の429I 責任 (a) 問題の所在: 取締役ではない→908 Ⅱによる責任を問えるか (b) 判例: 登記について登記された者の承諾及び第三者の善意があれば908Ⅱ類推適用により429I責任あり (c)理由 1.) 908 II:不実の記載をした者 = 登記申請者=会社 → 直接適用不可→趣旨は権利外観法理 2.) 権利外観: 登記について承諾を与えれば不実の登記に加功した者→ 類推適用可 3.) 429 Ⅰ:908Ⅱ類推適用により取締役でないことを善意の第三者に対抗できない ∵善意の第三者保護の必要性 Q 退任登記未了での登記簿上の取締役の429I 責任 (a)問題の所在:取締役ではない→908Ⅱによる責任 (b) 判例 ・原則:429Iの責任を負わない ・例外: 明示的に承諾を与えた等、特段の事情が存在すれば908 Ⅱ類推適用により429Iの責任を負う ⇒ 902Ⅱの類推適用は限定的に解釈 (c) 理由: 故意又は重過失による登記の放置があれば虚偽の外観作出に加功したといえる(不作為) (4) 事実上の取締役: 選任手続・登記共に欠缺しているが取締役として業務執行を行う者 【判例】重要な地位・決定権・ 報酬等があれば429I類推適用により責任を負う(裁判例) ⑥ 429Ⅱ: 特定の書類・登記・公告等に虚偽の記載をした場合→ 過失責任+立証責任の転換
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図
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①概要 ・責任追及等の訴え ・差止請求權 ・検査役による調査 □ 責任追及等の訴え【A】 ① 代表訴訟: 株主が会社を代表して役員等に対して責任・義務を追及するために提起する訴訟 ⇒ 別名: 責任追及等の訴え (会社法)、 株主代表訴訟(一般)、 派生訴訟 (英直訳) (1) 条文: 847 以下 (2) 分類: 代表訴訟、 旧株主による代表訴訟、多重代表訴訟 (3) 趣旨: 責任追及の懈怠の可能性 (同僚意識・情実) → 会社等の利益保護の必要 (4) 危険 濫用の危険 保有期間制限、 → 保有期間制限、 担保提供命令847の4、収賄罪 968 I ② 効力 (1) 判決の効力: 当事者及び株式会社等に及ぶ (民訴 155Ⅰ一ニ) (2) 訴訟の形態: 法定訴訟担当の一種 原告が会社に代位して訴訟提起 ※法定訴訟担当:代位債権者 等 (3) 原告の利益: 直接的利益なし→会社への賠償請求 (株価回復による間接的利益はある) ③ 要件 (1) 原告適格: 株主 a)期間制限 ・公開会社 :6カ月前から保有 (定款での短縮可) ・非公開会社 : 期間制限なし b) 株式数: 単独株主権 (定款により単元未満株主の排除可) c)株主資格喪失 : 原則、原告適格喪失 (株式交換・合併等による完全親会社の株式取得を除く)
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8問 • 1年前刑訴法 公訴提起
刑訴法 公訴提起
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8問 • 1年前刑訴法 公訴 審判の対象
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15問 • 1年前刑訴法 公訴 訴訟条件 2/10
刑訴法 公訴 訴訟条件 2/10
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15問 • 1年前刑訴法 公判手続 3/24
刑訴法 公判手続 3/24
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19問 • 1年前証拠法 A++ 3/25 〜22
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自白 A+ 総説
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16問 • 1年前科学的証拠・写実的証拠
科学的証拠・写実的証拠
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科学的証拠・写実的証拠
7問 • 1年前公判前手続 3/28
公判前手続 3/28
ユーザ名非公開 · 6問 · 1年前公判前手続 3/28
公判前手続 3/28
6問 • 1年前訴因
訴因
ユーザ名非公開 · 8問 · 1年前訴因
訴因
8問 • 1年前問題一覧
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1 機関総説 ①機関: その者の行為が法律上会社自体の意思決定や行為となる会社の組織上の一定の地位にある者→機関が意思決定・行為= 会社の意思決定・行為 (1) 趣旨: 会社は概念的存在 (2) 特色: 三権分立に類似 (3) 種類と役割 ・株主総会:基本的事項の決定 ・取締役: 業務に関する意思決定・執行 ・取締役会: 取締役で構成し、 業務執行に関する意思決定・監督 ・代表取締役:株式会社を代表し業務執行 ・会計参与: 取締役等と共同して計算書類等を作成 ・監査役: 取締役及び会計参与の業務執行を監査 ・監査役会: 監査役で構成し、 業務執行に対する監査 ・会計監査人 : 計算書類等の監査 ②株式会社との関係 ・雇用関係 :従業員(正社員・パート・アルバイト等) ・委任関係 :役員(取締役・会計参与 監査役) 会計監査人 330 ・社員関係: 株主 ②株式会社との関係 ・雇用関係: 従業員(正社員・パート・アルバイト等) ・委任関係: 役員(取締役・会計参与・ 監査役)・会計監査人 330 ・社員関係: 株主 ③機関設計 (公開大会社)の種類 【監査役会設置会社】 概要) 監査役会を設置 背景) 従来型・ドイツ型 特徵) 三権分立に類似 企業統治) 弱い 【監査等委員会設置会社】 概要) 監査等委員会を設置 背景) 中間型 特徵) 監査等委員に取会の議決権 企業統治) 中間 【指名委員会等設置会社(旧委員会設置会社)】 概要) 指名委員会 監査委員会・報酬委員会を設置 背景) 中間・アメリカ型 特徵) 経営機関と執行機関が完全に分離・各委員会の決定に拘束力・執行役が業務執行 企業統治) 中間 ④ 機関設計の規律 (1) 原則: 会社法上の規律 (必要+不可) + 各会社の任意 (2) 会社法上の規律 a) すべての株式会社: 株主総会 + 取締役(一人可) 必要 295・ 326 b) すべての公開会社 取締役会 必要 327 I一 c) 取締役会設置会社 : 監査役 (会) or 監等委 or (指委等 + 執行役) 必要 327Ⅱ・328 I →例外: 非公開会社において会計参与を置いた場合 d) 取締役会非設置会社: 監査役会監等委指委等 + 執行役 設置不可 3271 ~四参 e)監等委または指委等を設置していない大会社で公開会社 : 監査役会必要 328 I f) 監査役(会): 監等委 or 指委等 + 執行役 の両方の設置不可(一方のみ) 327IV g)指委等 + 執行役 : 監等委の両方の設置不可(一方のみ)327VI h) 大会社: 監等委設置会社: 指委等設置会社: 会計監査人必要 327V328II i) 会計監査人: 監査役(会) or 監等委 or 指委等 + 執行役必要 (4) 手続: 選択した機関設計の定款の定め326Ⅱ、登記 911Ⅲ十五~二十三が必要 (5) 違反: 任務懈怠責任、 過料 976 二十二、
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・監査役会が必須なのは公開大会社だけ ・会計監査人は大きな企業にだけ必要とされる ・監査役・監査役会は委員会系の会社には設置できない
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□ 株主総会総説 ① 株主総会: 株主の総意によって株式会社の意思を決定する必要的機関 (1) 条文 : 295 以下 (2) 権限 : 株主総会の決議 = 株式会社の意思 (3) 決議事項 ・取締役会非設置会社: 一切の事項 (万能の機関) ・取締役会設置会社: 法律に規定する事項 (法定事項) 及び定款で定めた事項 ② 株主総会の特色 (1)(議決権行使を認められた) 株主により構成 (2) 株式会社に関する事項の全部または一部を決議する機関 (3) 株式会社の意思決定をなす合議制の機関 (4) 法定の必要的機関 ③手続: 定時または臨時に招集手続→開催 → 決議 ④ 具体的権限 ・取会非設置:一切の権限→問題なし ・取会設置 :法定の権限及び定款所定の権限→ 具体的権限 (特に定款所定) が問題 (1) 法定の権限 (法定事項): 株主総会以外の機関が決定できるとする定款の定めは無効 a) 機関の選解任: 取締役・監査役会計監査人・会計参与等の解任 329Ⅰ、339 I b) 基礎的変更: 定款変更 466、事業譲渡 467I、 資本金の減少 447I、 合併 783 I c) 株主の重要利益: 計算書類の承認438Ⅱ自己株式取得、募集株式の発行等、剰余金配当454 d) 役員の専横防止: 役員報酬 361 (2) 定款所定の権限: 定款による権限の委譲 ・拡大の範囲 Q 取締役会の決定事項を定款で株主総会の決議事項とできるか (a) 問題の所在: 所有と経営の分離・経営は取締役会に一任 (b) 結論: できる。 但し、業務執行すべての決定権限は委譲できない (c)理由:株主利益・合理化が主目的 株主自ら放棄は認められる ⇒株式会社の本質又は強行法規に反しない限り、便宜のための制度を強制することはできない Q 代表取締役の選定・解職を定款で株主総会の権限とすることができるか (a) 問題の所在: 取会に代取の選定・解職・監督等の権限 362Ⅱ (b)学説 【否定説 反対説】 結論)できない 理由)取会の代取に対する監督機能の実質的喪失 【肯定説 通説】 結論)できる 理由)監督権自体は喪失しない + 株会招集等他の手続可・ 代取は株式会社の代表機関であって取締役会の代表機関ではない (c) 判例: 非公開会社かつ取締役会設置会社について上記定款の定めを有効 □ 招集手続 ① 時期 296I Ⅱ ・定時株主総会: 毎事業年度の終了後一定の時期 (基準日から3ヶ月以内) ・臨時株主総会: 必要がある場合にいつでも ② 招集権者296Ⅲ (1)原則 ・取会非設置会社:取締役が決定・ 招集 ・取会設置会社 :取締役会が招集決定決議 298 I IV→代表取締役が招集(解釈) (2)例外 a) 1人株主: 1人の株主の出席で株主総会成立→ 招集手続なしで開催可(判例) b) 全員出席総会 : 議決権を行使できる株主全員が同意 → 招集手続なしで開催可 300 c) 少数株主 297ⅣV : 6箇月前から 3/100以上株主が請求+招集なし → 裁判所の許可得て自ら ③招集通知 (1) 条文 : 299 (2) 趣旨: 株主に出席の機会と準備の期間を与える (3) 手続: 取締役が株主に通知 a) 取締役会設置会社 ・期間 株会の2週間前までに (非公開会社では1週間前までに) ・方式: 書面又は電磁的方法 ・内容: 目的である事項の記載、株主総会参考書類 301、議決権行使書面 302、事業報告等 437 b) 取締役会非設置会社: 株会の1週間前まで、不要式、目的である事項の記載不要 ④電子提供措置: 株主総会参考書類等をネットに公開しURLを通知することで交付に代える制度 (1) 条文 : 325の2以下 (2) 趣旨: 十分な議案の吟味 + 経費削減 ⇒ 電磁的記録は個別の株主の承諾が必要 299Ⅲ→書面が一般的 (3) 株主総会参考書類等: 株主総会参考書類、 議決権行使書面、事業報告、計算書類等 (4) 手続: 定款の定め必要325の2 →振替株式発行会社は義務あり ※ 株式等振替制度:振替法により、上場会社の株式等に係る株券等をすべて廃止し、株券等の存在を前提として行われてきた株主等の権利の管理(発生、移転及び消滅)を、機構及び証券会社等に開設された口座において電子的に行う (5) 期間: 株会の日の3週間前または招集通知日のいずれか早い日〜株会の日後3箇月325の3 (6) 効果: 株主総会参考書類等の交付不要
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株主の提案権 <議題>株会の目的となる事項≒主題 (例) 取締役選任の件≒動議 <議案> 株会の目的事項に対する具体的提案 (例)Aを取締役に選任する件 (1) 株主による招集請求: 議題または議案の提出可 297I →3/100 以上6箇月前から等厳格 (2) 趣旨: 少数株主の意思を反映 ⑶提案権 【議題提案権】 (条文)303 (持株要件・保有期間要件) 取会非設置: 制限なし 取会設置 : 少数株主権 ・6箇月前から総株主の議決権の1/100 以上または300個以上 + 定款で緩和可 (行使時期の制限) 取会非設置: 制限なし 取会設置 : 株会日の8週間前まで + 定款で下回る期間可 (行使方法の制限)制限なし (議案数の制限)制限なし 【議案要領通知請求権】 (条文)305 (持株要件・保有期間要件) →議案提案権303と同じ 取会非設置: 制限なし 取会設置 : 少数株主権 ・6箇月前から総株主の議決権の1/100 以上または300個以上 + 定款で緩和可 (行使時期の制限) 株会日の8週間前まで (行使方法の制限) 議案の法令・定款違反 または 同一議案が 1/10 以上の賛成を得られなかった総会から3年を経ていない (議案数の制限) 取会非設置: 制限なし 取会設置: 議案数 10 を超えるとき 10 を超える部分を会社は対象としないことができる ※議案要領通知請求権:株主が株主総会において議案を提出しようとする場合、当該議案の要領(要旨)を、あらかじめ、他の株主に通知するように請求することができる権利。他の株主にあらかじめ周知することなく、株主総会の会場で議案の提案をしても、他の株主の賛成を得られる可能性が低いことから、議案提案権304に加えて認められている権利。 【議案提出権】→議案要領通知請求権と同じ (条文)304 (持株要件・保有期間要件) 制限なし (行使時期の制限) 制限なし (行使方法の制限) 議案の法令・定款違反 または 同一議案が 1/10 以上の賛成を得られなかった総会から3年を経ていない (議案数の制限) 制限なし
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□ 議決権とその行使 ① 議決権: 株主総会が決議を行う場合に、その表決をなす権利 ・原則: 1株につき1個の議決権 (=1株1議決権の原則) 308 I ・例外: 法定の事由により、 議決権の制限または否定 (1) 議決権の制限 ・議決権制限株式 :制限された事項の議決権なし 108 三 ・選解任株式がある : 取締役・監査役の選解任はその種類株式以外の株主に議決権なし 108I 九 ・自己株式取得:自己株式取得を承認する場合、売主となる株式にその株会の議決権なし 140Ⅲ ・基準日後: 基準日後に発行された株式はその株会の議決権なし 124 I (2) 議決権の否定: 単元未満株 308 I、自己株式 308Ⅱ、相互保有株式 ②相互保有株式: 株式会社がその総株主の議決権の1/4以上の保有等により実質的に支配する株式 例)A社はB社の株式25%保有。B社はA社の3%保有。この場合、B社はA社株式の議決権を有さない(∵A社はB社を実質的に支配。なお、A社はB社株式の議決権を持つ) (1)条文: 308I 括弧書 (2) 趣旨: 会社支配の公正 (3) 効果: 議決権なし ・株式持合い : 相互に株式を取得→制限なし ・自己株式 :自社の株式を取得→議決権なし ・親会社株式 親会社の株式を取得→ 議決権なし + 相当な時期に処分する義務 135I ③ 議決権の行使 ・原則: 株主自らが出席・ 議決権行使書面提出 ・例外: 書面投票制度、電子投票制度、 不統一行使、代理行使 ∵株主権の保護 (1) 書面投票制度: 書面の提出により議決権を行使することができる制度 ・条文: 298Ⅰ三、 301 ・採否: 原則、任意。 株主数1000人以上の場合は必要的 298ⅡI。 手続: 株会招集の際に決定→株主総会参考資料・議決権行使書面を交付(電磁的方法可) (2)電子投票制度: 電磁的方法により議決権を行使することができる制度 条文 : 298Ⅰ四、 302 採否: 原則、任意 手続: 株会招集の際に決定→株主総会参考資料を交付 (電磁的方法可) (3) 不統一行使 : 2個以上の議決権を有する場合、賛否両方の票を投じること ・条文 : 313 ・採否: 一定の場合、会社による拒絶可 ・手続:取会設置の場合、 株会3日前までに不統一行使及びその理由の通知必要 (4) 代理行使: 代理人による議決権の行使 条文 : 310 手続: 株会毎に代理権授与+ 書面提出が必要 (電磁的方法可) 制限: 正当な理由なく拒絶不可、 代理人の数の制限可、 代理権証明書類の閲覧請求拒絶 Q 議決権行使の代理人の資格を株主にかぎる旨の定款の規定の効力 (a) 問題の所在: 議決権行使の機会剥奪 301I 違反により無効説 (b)判例: ・合理的な理由による相当程度の制限であれば有効 ・但し、 代理行使が自然かつ必要、または 株主の代理人に対するコントールが十分なら不適用 ※代理行使が自然かつ必要=遠隔地にいるなど (c) 理由: 株主総会のかく乱防止 + 会社の利益を侵害するおそれがない (d) あてはめ : 規定有効 → 株主の従業員による代理行使では不適用
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□ 株主総会の議事と決議方法 ① 議事 (1) 概要: 受付→開会→各種報告→議題・議案→審議・質疑応答→決議→閉会⇒ 議事方法について会社法の定めなし→定款・習慣による (2) 記録: 議事録の作成が必要 318 (電磁的記録可) 備置き : 本店に10年間 閲覧謄写: 株主及び会社債権者請求可 ※親会社社員等:裁判所の許可を得て請求可 (3) 議長: 株主総会の主宰者・運営者 →議事整理及び秩序を乱す者を退場させる 315 ⇒ 選任方法の定めなし→一般に代表取締役・定款で定める (4) 役員: 取締役・ 監査役・ 会計参与・ (執行役) a) 説明義務: 株主から特定の事項について説明を求められた場合314 ⇒原則、出席する義務を負う・執行役も含む b) 審議方法 ・個別審議: 各議案事項毎に質疑・応答を繰返していく審議方法 ・一括審議: 全部の議案事項をまとめて事前に一括して質疑・応答をしていく審議方法 Q 一括審議・一括説明は違法となるか (a) 問題の所在: 説明方法につき明文規定なし・ 株会において説明を求められた場合 314(→一括審議・一括説明は事前に質疑応答するので314に反する?) (b) 判例・実務: 直ちに違法となるものではない + 不十分な場合は株主は補足説明の要求ができる (c)理由 円滑な運営 + 運営方法は会社に委ねる (d) あてはめ 説明が不十分かは平均的な株主を基準に判断 (x 当該株主基準ではない) →説明義務違反として取消対象 ・拒絶可 :個人的質問、 企業秘密に関する質問、 抽象的質問、調査が必要(説明は必要) ・拒絶不可: 質問の機会がない、不当に説明を拒絶、不十分な説明 ② 決議方法: (緩和)普通決議< 特別決議 < 特殊決議 (厳格) ・定足数: 株主総会の開催及び決議に必要な最小限の出席者数⇒ 欠缺の場合、決議無効・取消 ・過半数: 半分を超える⇒半分を含めない ・議決権: 議決権のある株式⇒ 議決権のない株式は含まない ③普通決議 (1) 条文 : 309 I (2) 決議方法 ・定足数: 議決権の過半数を有する株主の出席 →定款で削除・加減可 ・要件:出席した株主の議決権の過半数 (3) 対象事項: 特別決議・特殊決議等の対象事項を除いた一般的事項 ④ 特別決議 (1) 条文 : 309 Ⅱ (2) 決議方法 ・定足数 : 議決権の「過半数」を有する株主の出席→定款で「1/3以上」に変更可 ・決議要件: 出席した株主の議決権の「2/3以上」⇒定款で増加・一定数以上等「厳格な変更」可 (3)対象事項 a) 自己株式取得関連 ・譲渡制限株式の譲渡不承認の場合の買受140Ⅱ、特定株主からの買受 160 I ・全部取得条項付種類株式の取得 171I、相続人等への売渡請求 175I b) 株式発行関連 ・株式の併合180Ⅱ、募集株式の発行 199Ⅱ・ 200I・202Ⅲ、有利発行 201I、 総数引受契約 205Ⅱ、金銭分配請求権を与えない現物配当454IV c) 新株予約権関連 新株予約権の発行 238Ⅱ、 有利発行 238Ⅱ、 株主割当 241Ⅲ四、 総数引受契約 244Ⅲ d) 他の機関関連 監査役・監査等委員である取締役、累積投票で選任された取締役の解任 339I 等、役員等の責任の一部免除 425I e)基礎的変更関連 資本金の額の減少447I、定款変更 466、事業譲渡467I、解散471 合併及び会社分割783I、株式交換783I、株式移転804I、株式交付816の3 I ⑤特殊決議 (1) 条文 : 309Ⅲ Ⅳ (2) 決議方法 (定足数要件なし) a) 309Ⅲ ・頭数要件: 議決権を行使することができる株主の半数以上⇒ 定款で増加変更可 ⭐️頭数 ・決議要件: かつ、 その株主の議決権の2/3以上⇒定款で増加変更可 ※ ⭐️株主: 議決権を行使できる株主 not 出席株主 b) 309IV ・頭数要件: 総株主の半数以上⇒ 定款で増加変更可 ⭐️頭数 ・決議要件: かつ、 総株主の総議決権の3/4以上⇒ 定款で増加変更可 ※ ⭐️総株主: すべての株主 (議決権を行使できない株主を含む) (3)対象事項 309Ⅲ: 全部の株式に譲渡制限をする旨の定款変更、 一定の合併・株式交換・株式移転 783I 等 309Ⅳ : 非公開会社が剰余金配当・残余財産・議決権につき異なる取扱をする旨の定款の定め 109Ⅱ ⑥ 特則普通決議 (1) 条文 : 341 (2) 決議方法 ・定足数 : 議決権の過半数を有する株主の出席 ⇒定款で1/3以上の割合変更可 ※普通決議(309①②)は定足数ゼロ、加減可能であることと対比 ・決議要件: 出席した株主の議決権の過半数⇒定款で過半数を超える割合変更可 (3)対象事項 a)役員の選任・解任(特別決議事項となる場合 339 I 等を除く) b)支配株主の移動をもたらす募集株式の発行等 206の2 ⑦株主全員の同意が必要な事項 (株主総会の開催は不問) ・役員等の株式会社に対する損害賠償責任の免除 424 ・全部の株式に取得条項設定又はその定款変更(種類株式発行会社・廃止の定款変更を除く) 110 ・自己株式取得の際の160条の請求を禁止する定款変更 164Ⅱ ・持分会社への組織変更 776 I ・合併または株式交換における対価が持分となる場合 783Ⅱ、 804Ⅱ ⑧ 株主総会の省略【B+】 (1) みなし株主総会決議: 株主総会及びその決議を省略して行う決議 a)条文: 319 b)趣旨: 株式会社及び株主の便宜 c)要件: 議決権を行使できる株主全員かつ 書面または電磁的記録による同意の意思表示 d)効果: 可決する株主総会決議ありとみなす⇒ 定時株会・ 臨時株会共に可 (2) 株主総会の目的事項 ・報告事項: 株主総会において報告すべき事項→計算書類 438Ⅱ + 事業報告 438Ⅲ・ 439 ・決議事項: 株主総会において決議すべき事項 ⇒ 報告事項を株主全員が書面または電磁的記録により不要 → 株会報告ありとみなす 320 ⑨ 株主総会の原理とその限界・修正・救済 (1) 原理 : 多数決原理 → 1株1議決権の原則、 過半数による普通決議 →多数派による濫用防止及び多数の少額資本参加の必要 (2) 限界 : 多数決の結果そのものを否定 強行法規違反、 株主平等原則違反、 固有権侵害、 著しく不当な決議831I 三 (3) 修正: 多数決の結果は認めるが特段の手当て →特別決議、特殊決議、累積投票制度、役員等解任の訴え、反対株主の株式買取請求権 (4) 救済: 多数決の結果による少数株主の不利益に対応 →株式譲渡自由、 総会検査(株会で揉めそうなときに、手続きなどを調査してもらうために裁判所に検査役選任を申し立てる)306、307、 単元未満株式の買取請求権
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□ 株主総会決議の瑕疵 ① 総説 (1) 原則: 株主総会決議は法律行為の一種 →要件欠缺は不成立・ 無効 (2) 趣旨: 多数の利害関係人の存在 + 当該決議を前提に多数の法律関係の積み重ね ⇒画一的確定の要請 + 瑕疵の主張をできるだけ制限 (3)制度: 原則、 訴えによる画一的処理 取消の訴え:瑕疵が軽い 無効確認の訴え:瑕疵が重大 不存在確認の訴え : 瑕疵が著しく重大 (4) 判決の効力 : 対世効 + 遡及効あり ② 決議の取消の訴え (1) 条文 : 831 (2)性質: 形成の訴え→訴えの利益が必要 【判例】役員選任の株会決議取消訴え → 役員全員が退任→特別の事情なき限り、訴えの利益なし 【判例】上記において、 役員報酬の会社への返還請求の場合⇒特別の事情ありから、訴えの利益あり (3) 取消事由 ・手続・決議方法の法令・定款違反 (例) 取会決議なく代取が株会招集、 一部に招集通知なし ・著しい不公正 (例)出席不可能な場所、 質問機会を与えず一方的に進行 ・決議内容の定款違反 (例) 定款の定員を超える取締役選任の決議 ※ 決議内容の法令違反は無効事由 ・特別利害関係人が著しく不当な決議 (例) 退職慰労金支給決議における当該退職者 (4) 提訴の制限 a) 提訴期間:株会決議の日から3箇月以内 Q 提訴期間経過後の新たな取消原因の追加主張の可否 (a) 事例: 提訴期間内に訴え提起→3箇月の提訴期間経過 →新たな取消原因を追加主張 (b) 問題の所在 : 831Iは訴え提起自体の期間制限 (反対説) (c) 判例・通説: 追加主張不可 (d) 理由: 決議取消の訴えの趣旨は軽微な瑕疵につき早期に効力を確定すること→ 追加主張そのものを制限 【判例】株会決議無効確認訴訟→瑕疵が取消事由に該当、取消の訴えの制限遵守、取消主張は期間経過後→決議取消の訴えと同様に扱う(提訴期間遵守と扱う) b)提訴権者:株主等(取締役・監査役・執行役・清算人)→原告適格 Q 他の株主に対する招集手続の瑕疵を理由とする決議の取消の訴え提起の可否 (a) 問題の所在:他の株主に対する瑕疵→招集通知の趣旨・自己の株主権への侵害なし (b) 判例:訴え提起できる (c) 理由: 決議の取消の訴えの趣旨は個々の株主の利益を超えて公正な決議を保持するための制度・ 831I柱前は単に「株主」と規定し、何らの限定も付していない Q 議決権制限株主または単元未満株主による決議の取消の訴え提起の可否 (a) 問題の所在: 議決権なし・株主ではある →株会は議決権・出席を前提 (b) 結論 ・手続・決議方法の瑕疵(831Ⅰ一)→×できない∵無権利 ・上記以外の瑕疵(831Ⅰ二三)→○できる ∵定款違反等を放置するのは不適、310VII 括弧書を設けていない(831は株主から議決権制限株主または単元未満株主を除外していない) c) 方法: 訴えによる、 被告=当該株式会社 (5) 裁量棄却【A+】 : 一定の場合に裁判所の裁量により請求を棄却することができる制度 a)条文: 831 Ⅱ b)要件: 招集手続または決議方法の法令・定款違反で、重大でなくかつ決議に影響を及ぼさない 【判例】事業の重要な一部譲渡につき招集通知に議案要領の記載がない →裁量棄却不可 ∵重大な違法 ③決議の無効・ 不存在確認の訴え (性質・効力共通) (1) 条文: 830I決議の不存在の確認の訴え・830Ⅱ決議の無効の確認の訴え (2) 事由 a) 無効事由: 決議内容の法令違反 cf. 決議内容の定款違反は決議の取消の訴え (例) 株主平等原則 109 違反、株主有限責任原則 104 違反、配当金制限 461I 違反 b) 不存在事由【Aランク】: 決議が事実上存在しないまたは (決議はあるが) 手続的瑕疵が著しく重大 (例) 議事録のみ作成、 招集通知ありの株主が僅少、 代取でない取締役が取会決議なく招集 (3) 性質:確認の訴え (4)提訴の制限 ・提訴期間: いつでも可。濫用不可 ・提訴権者 : だれでも可 Q 決議無効の主張方法は必ず訴えによる必要があるか【B+】 (a) 問題の所在:合一確定の要請 → 必ず訴えによるべき (制限説・形成の訴え ) (b)通説: 必ずしも訴えによる必要はない (例)無効を前提に不当利得返還請求も可能 (c)理由: 文言 「(確認請求)できる」、 瑕疵が重大にも関わらず無効とされるまで有効は不合理 ④判決の効力 ・対世効 838 ・遡及効有り 839 反対解釈 ∵ 括弧書が 834 十六・十七を除外 ・瑕疵連鎖: 先行決議の瑕疵が後行行為の効力に影響を及ぼすこと Q瑕疵ある株主総会決議によりなされた行為の効力 (1) 問題の所在:通常、瑕疵ある決議があれば瑕疵連鎖発生→ 後行行為単独は有効かつ多数発生 (2) 結論 【影響なし】 〈行為〉売買、賃貸借等 ・株会決議を有効要件としない行為 〈理由〉相手方保護 【将来効】 〈行為〉設立、新株新株予約権発行、自己株式の処分、資本金額の減少、合併、会社分割、組織変更 〈理由〉 法的安定及び権利外観法理 【遡及効】 〈行為〉定款変更、取締役等の選任、 取消・無効・不存在事由 〈理由〉 会社及び株主の保護
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①総説 (1)選解任 「株主総会決議により役員(取締役・監査役・会計参与)及び会計監査人を選解任 329I (2)関係 :株式会社との関係は委任に関する規定に従う 330 ②取締役 取締役会非設置会社→各取締役は株式会社の機関 取締役会設置会社→各取締役は取締役会の構成員(not 株式会社の機関) ⇒公開会社・監査役会設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社は取締役会設置必要 (1)資格【Aランク】 a) 法定の欠格事由 331I x:法人、会社法等の罪の刑終了から2年経過してない者 ◯: 破産手続開始決定を受け復権していない者、 成年被後見人・ 被保佐人 (同意必要) 331の2 ※取締役である者が破産すると委任の終了事由であることに注意 b) 定款による制限:◯331 Ⅱ →× 取締役を株主に限定 → 但し、○ 非公開会社の場合・○株主が取締役になる c) 兼任の制限 ○取締役と使用人 ×取締役と監査役・会計参与・会計監査人 333Ⅲ・335Ⅱ・337 Ⅲ一 ×指委等設置会社の取締役と使用人 331ⅣV ×監等委である取締役と業務執行取締役・使用人・会計参与執行役 331Ⅲ (2) 員数 取会非設置会社 :1人以上326 I 取会設置会社 :3人以上 331V 監等委設置会社 : 3人以上かつ過半数は社外取締役 331VI (3) 任期【B】: 原則、 2年短縮 再選 332 I ⇒ 非公開会社は伸長可、 監等委設置会社・ 指委等設置会社は1年、監等委である取締役は2年 ③ 会計参与 【B】 ・税理士: 税務業務→税理士法人 : 税理士が共同して設立した法人 ・公認会計士 : 監査業務→監査法人⇒ 公認会計士が共同して設立した法人 ※公認会計士であれば税理士登録可 (1) 資格: 公認会計士もしくは監査法人または税理士もしくは税理士法人 333I (2) 員数 制限なし (3) 任期: 取締役と同じ 334 I ④ 監査役 (1) 資格: 取締役と同じ (法定の欠格事由・定款による制限)335I a) 兼任の制限 335 Ⅱ ∵自己監査禁止及び独立性の確保 ×その会社の取締役・使用人 x子会社の取締役・使用人・会計参与・執行役 〇子会社の監査役、 親会社の取締役 Q 横すべり監査役の適法性 (a) 事例:事業年度の途中で株会招集→ 取締役であった者が監査役 (横すべり監査役)に選任 (b)問題の所在: 事業年度の業務監査→監査役が取締役であった期間を自己監査 (c)判例: 適法 (d) 理由:選任自体の禁止なし 335Ⅱ + 監査役任期と監査対象期間の一致要求なし 336I Q 顧問弁護士が監査役を兼任できるか (a) 問題の所在 : 顧問弁護士 = 継続的に補助→使用人に該当? (b) 裁判例・通説: 兼任できる・使用人ではない (c)理由:取締役の指揮下でなく独立性を有する (2) 員数 335Ⅲ 監査役会非設置会社 : 1人以上 監査役会設置会社 3人以上で半数以上 (not 過半数) は社外監査役 (3) 任期: 原則、 4年 →×短縮・◯再選336 I ⇒ (非公開会社の場合) 定款により10年まで伸長可336Ⅱ、 補欠監査役の任期は退任した監査役の任期までとすること可336Ⅲ ⑤ 会計監査人【B】 資格: 公認会計士または監査法人 員数 : 制限なし 任期: 1年 □ 選解任 ① 選任: 株主総会決議 329I (1) 議決方法 :特則普通決議 341 (2) 累積投票制度 342 ・通常投票: 1議決権につき1投票権として1人ずつ別々に選任投票をする制度 ・累積投票: 複数の取締役を選任する際に1議決権につき選任する人数分の投票権を与える制度 a) 趣旨: 少数派株主に取締役選出の可能性を与える b) 手続: 株会5日前までに株主が請求、定款の定めにより排除可 (3) 選任の効果: 取締役等の地位・登記必要 ②終任: 委任の終了事由→任期満了、死亡、破産手続開始決定等 ③解任: いつでも株会決議によって可 + 正当な理由がある場合を除き会社に対し損害賠償請求可 339 (1) 正当な理由 : 不正行為、 経営状況の著しい悪化、病気治療(判例) (2)解任決議の要件 ・取締役→ 特則普通決議341 ・累積投票による取締役・監査等委員である取締役・監査役→特別決議342Ⅵ、343Ⅳ、309Ⅱ七 (3)役員解任の訴え : 株会において解任できなかった役員を裁判所を通して強制的に解任する訴え a) 条文 : 854 b)要件: 解任決議否決、 不正行為または法令・定款違反、 少数株主の訴え、 株会から30日以内 c) 原告適格 6ヶ月前から総株主の議決権の3/100以上を保有 6ヶ月前から発行済株式の3/100 以上を保有(非公開会社では6ヶ月要件なし) d) 被告適格: 当該株式会社及び取締役の共同被告 (固有必要的共同訴訟)855
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・通常投票: 1議決権につき1投票権として1人ずつ別々に選任投票をする制度 ・累積投票: 複数の取締役を選任する際に1議決権につき選任する人数分の投票権を与える制度
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① 総説 (1) 取締役: 株式会社の業務に関して決定・執行をする必要的機関→ 指委等設置会社の場合は執行役が対応 (2) 会社法上の取締役: 取締役、社外取締役、取締役会、代表取締役、仮取締役 等 (3) 仮取締役【B】: 取締役の員数が欠けた場合に一時的に職務を行うべき者として裁判所に選任された取締役 a) 条文 : 346Ⅱ b) 選任: 利害関係人の申立が必要・役員に留任義務あり 346 I ② 取締役 【取締役会非設置会社】 (取締役の地位)株式会社の機関 (業務執行の意思決定)取締役 2人以上の場合、 取締役の過半数 348ⅡI (業務執行)各取締役単独 349 (会社代表)各取締役単独 349(各自代表の原則) 【取締役会設置会社】 (取締役の地位)取締役会の構成員 (not 機関) (業務執行の意思決定)取締役会 362 Ⅱー (業務執行)代表取締役 363I一 (会社代表)代表取締役 349 ⇒ ⭐️会社法の取締役の権限 ≒ 取締役会設置会社で執行する性質のものは代表取締役の権限 ※条文で明記されていないので注意 ③ 社外取締役【B】:株式会社と関係がなく、社外から招いた取締役 ※社内取締役:社外取締役でない取締役 (例)使用人から取締役となった者 (1) 機能: 経営全般の監督機能、 経営評価機能、 利益相反監督機能 ⇒客観的・公平・中立な判断を期待 (2) 要件: 当該株式会社の使用人等でない、 取締役・ 使用人等の2親等内の 親族でない等 2十五 (3) 設置義務: 指委等・ 監等委設置会社、公開会社かつ大会社の監査役会設置会社で金商法24 適用(上場企業) 取締役会【A+】 ① 取締役会: 取締役全員で構成しその会議により業務執行に関する株式会社の意思決定・監督をする機関 (1) 条文 : 362 - 取締役3人以上で構成 331V (2) 特徴: 合議制 (3) 設置: 非公開会社以外(公開会社、監査役会設置会社、 監等委・ 指委等設置会社)では必要的機関 (4) 権限 : 業務執行の決定、 取締役の職務の執行の監督、 代表取締役等の選定・解職 ②権限 (1)業務執行の決定 a) 取締役会の決議事項: 定款によっても委任できない事項 362Ⅳ 【資本関係】 重要な財産の処分及び譲受け、多額の借財、社債の募集 【組織関係】 重要な使用人の選解任、 重要な組織の設置・変更等、内部統制システムの構築 【責任免除】 423の免除 b) 日常的事項の決定: 代表取締役等に委任と推定 Q 「重要な財産」 362Ⅳ一または 「多額の借財」362IV二の判断基準【A】 (1)問題の所在: 会社の規模等により基準が異なる (2)判例・通説: 個別具体的に総合的に判断 (3) 理由: 価額、目的、態様、従来の取扱い、会社資産に占める割合等が各々異なる c) 内部統制システム ・会社法: 業務の適正・効率化のための体制 (例) 法令遵守マニュアル、職権の分担 ・金商法: 情報の適正性確保するための体制 (例)正確な財務諸表 ⇒ 大会社かつ取締役会設置会社においては定めが必要 362V (2) 職務の執行の監督 ・取締役会:業務執行の監督、 代表取締役の解職権あり 362Ⅱ三、 監査役等へ報告する義務 357 ・代表取締役:業務執行を取会に報告する義務 363ⅡI ・監査役:取会出席義務 383 I、 業務執行の監査、取会へ不正等を報告する義務 382 (3) 代表取締役の選定・解職: 取締役会決議による362Ⅱ → 定款によって、株主総会決議によるとすることもできる295Ⅱ ③招集: 専門家集団かつ迅速性重視 (1)招集権者 ・各取締役:原則、◯。 定款等で特定の取締役とすることに可→各取締役は招集請求権及び招集権を有する 366 ・監査役: 必要があると認めるとき 383Ⅱ Ⅲ Ⅳ ・株主: 監査役・監等委・指委等設置会社以外の株式会社で違反等があると認めるとき 367 (2)招集手続: 取会の1週間前までに招集通知を各取締役等に発する 368 ⇒○定款で期間短縮 ・○口頭・○目的事項の特定なし ⇒招集手続なし (取締役全員の同意が必要)・○通知議題以外の決議 ④ 決議【A+】: 各取締役の個性重視 (1) 決議方法: 原則 369 ・定足数:議決に加わることができる取締役の過半数の出席 ・決議要件:出席取締役の過半数 ⇒◯ 定款による要件加重、x定款による要件軽減、× 議決権の代理行使(∵取締役の個性を重視) (2) 決議の省略:取締役全員の書面または電磁的記録による同意で決議があったとみなす 370 ∵迅速性を重視 →取締役会の開催も省略、 定款の定めが必要、 監査役が異議を述べたときを除く (3) 特別の利害関係 369 Ⅱ : 忠実義務違反のおそれのある株式会社の利益と対立する取締役の個人的利害関係 ⇒有する取締役 (特別利害関係人)は議決に加わることができない (定足数からも除外) (例)株式会社・取締役間の取引の承認、 取締役が保有する譲渡制限株式の承認、 取締役を引受人とする第三者割当 Q 代表取締役の解職決議の対象となる代表取締役が特別利害関係人にあたるか (a)問題の所在:株式会社の利益と対立しない + 必ずしも忠実義務に反しない (b)判例・有力 : 特別利害関係人にあたる→決議に参加できない (c)理由: 一切の私心を捨て去って公正に行使することは期待できない Q 代表取締役の選定決議の対象となる代表取締役が特別利害関係人にあたるか (a) 実務・通説: 特別利害関係人にあたらない (b) 理由: 取締役全員に共通する利害(一番優秀な人を選ぼうとする) + 忠実義務も期待できる (4) 議決権: 取締役1人につき1議決権 →株式・役職は無関係 (5) 決議の瑕疵: 民法の一般原則により無効 ∵ 特別の訴えの制度なし Q 取締役の一部の者に対する招集通知を欠いた場合の決議 (a) 判例 ・原則→無効 ・当該取締役が出席 + 異議を述べない→有効 ∵ 結果に影響なし ・結果に影響がないと認めるべき特段の事情あり→ 有効 ∵ 結果に影響なし ⑤ 議事録【B+】: 取締役会の議事について作成 → 取締役・監査役の署名または記名押印369Ⅲ (1) 手続: 電磁的記録 369IV 取締役会の日から10年間本店に備置き必要 371 I (2) 閲覧・謄写請求: 株会議事録より厳格 ∵企業秘密の漏洩防止 ・株主:必要があれば可 (監査役・監等委・指委等設置会社は裁判所の許可を得て) 371ⅡⅢ 会社債権者:必要があれば、裁判所の許可を得て可 371ⅣV |親会社社員必要があれば、 裁判所の許可を得て可 371V (3) 推定規定: 決議に反対した取締役・議事録に異議を留めない → 賛成と推定369V 立証負担軽減 ⑥ その他の選定する取締役 (1)業務執行取締役 : 取会設置会社において業務執行に携わる取締役 (例)代表取締役、選定業務執行取締役、業務執行に携わる左記以外の取締役 ⇒取会設置会社において、取締役の業務執行も可(社外取締役を除く) (2) 選定業務執行取締役: 代取以外で取会決議によって業務執行する者として選定された取締役 363I二 ⇒代取と共に3箇月に一度執行状況を報告 363Ⅱ、 会社の代表は代取 (3) 特別取締役:重要な財産の処分や譲受及び多額の借財についてのみ決定できる取締役 373 ・趣旨: 迅速な手続き ・要件: 取締役6人以上 (内1人以上が社外取締役) の (指委等設置会社以外の) 取会設置会社 ・選定: 取会決議で3人以上を選定 (社外取締役の必要はない) ・出席:特別取締役のみで可 ・手続: 決議の省略不可、他の取締役への報告義務あり、登記必要
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□ 代表取締役 ① 代表取締役:株式会社を代表する取締役 47 Ⅰ括弧 (1)選定 【取締役会非設置会社】 (代表者の選定)任意 →選定なし:取締役全員 349 III (各自代表の原則) →選定有:取締役の中から選定された者 【取締役会設置会社】 (代表者の選定)必須 →取締役会の中から選定された者 (2) 員数:1人以上 (3) 登記:必要 (代表取締役の指名及び住所) 911Ⅲ十四 (4) 任期: 原則、2年 (規定はないが取締役のため) (5) 終任: 任期満了、辞職、解任 ⇒ 取締役会は代表取締役の解任はできるが、 取締役の解任はできない 362Ⅱ三 ②権限 (1)執行権 363 I ◯: 株会・取会の決議事項の執行、 移譲された範囲内の決定及び執行 ×: 362Ⅳの事項 (2)業務執行権: 株会等の議事、 財務諸表・事業報告書の作成・提出、各種会社文書への署名等 ⇒ 社内的行為 (3) 代表権【A+】:代表として、 代表取締役の判断・行為を会社の判断・行為とする権限 【範囲】業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為に及ぶ 349IV 【制限】制限を加えても、 善意の第三者に対抗することができない 349V 【複数 】 代表取締役が複数いる場合、各自が単独で株式会社を代表する ③代表権の濫用: 代表権の範囲内で代取が自己または第三者の利益のために代表権を行使した場合 (例) 売却代金着服目的で不動産を売却、 自己の利益のために会社として借入 Q 代表取締役が代表権を濫用して行った行為の効力 (1) 判例: 相手方が代取の真意を知り、または知りうべきものであったときは民法93 類推適用により無効 →心裡留保説: 善意・無過失なら有効、 悪意・ 有過失なら無効 (2) 通説(自説): 相手方がその目的を知りまたは知ることができたときは、 民法107 により無権代理 → 無無権代理説:善意・無過失なら有効、 悪意・有過失なら無効 (3) 通説(自説)の理由: 明文上の根拠 Q 代表取締役が職務について行った不法行為の効力 (例:業務におけるパワハラ) (1)判例: 代表取締役が個人として責任を負う429等 + 株式会社も責任を負う 350 (not 民 715) (2) 理由: 第三者保護 ④ 取締役への訴訟における会社代表者 ・監査権限を有する者あり: 監査役 386I、監等委・取締役会が定める者 309の7 ・監査権限を有する者なし: 代取、株主総会で定めた者 ⑤ 代表権の範囲外の行為(代表権の逸脱) (1) 事例: 株主総会決議または取締役会決議に基づかない行為、内部的制限に反する行為 (2)代表権に対する制限 ・法令の定めによる制限→349Vの制限に含まれない ・内部的制限による制限→349Vの制限に含まれる≒定款・決議・規則等による制限 ・利益相反行為の制限→利益相反取引規制の問題 (3) 決議に基づかない行為 ・株主総会決議: 外部から認識しやすい→ 原則無効にすべき ∵相手方悪意 ・取締役会決議:外部から認識しにくい→原則有効にすべき ∵相手方善意 ⇒ 株式会社の利益と第三者の利益を総合考慮して個別的に決定 Q 法令によって株会の決議事項とされているが株会の決議なくして代表取締役が行為をした場合 (a) 事例: 代取が株会決議なくして執行 ≒ 相手方と契約→会社に履行請求 → 無効 or 有効 (b) 問題の所在: 法令の定めによる制限、 明文規定なし (c) 判例・通説 ・原則: 無効 (例)事業譲渡 467Iー、事後設立 467 I五 ・例外: 有効 (例) 第三者に対する有利発行、新株予約権発行 (d)理由 ・原則: 第三者にとって当然知るべきといえる + 会社にとって重要事項 ・例外: 業務執行に準じる、 株主の利益保護がされうる Q 定款によって株会の決議事項とされているが株会の決議なくして代表取締役が行為をした場合 (a) 通説: 無効。 但し、 349Vで第三者に対抗できない (b) 理由: 代表権の内部的制限による制限+重要ではない (5) 取締役会の決議に基づかない代表取締役の行為の効力 Q 取締役会の決議なく代表取締役により招集された株主総会での決議の効力 (a) 問題の所在: 株会の招集事項は取会決議が必要 298IV→違反の場合は明文なし (b) 結論: 招集自体は無効。 但し、 株会決議は決議取消の訴えの原因 ・招集は無効→当該株主総会の決議に瑕疵あり ・代取の招集 →取消原因 ・平取の招集→不存在原因 (c)理由 ・招集 :内部関係の問題・取引安全と関係なし ・決議 :代表取締役による招集(会社が正当に行なっているように見える)・外部と関係あり ⇒内部関係のみであれば無効・外部と関係あれば有効→支配人の選任等も同様(専任だけなら内部関係で無効、その支配人が外部と取引等を行なったら有効) Q 公開会社において取締役会の決議なく代表取締役が募集株式の発行等を行った場合 (a) 問題の所在:明文規定なし (b) 判例・通説 : 有効 (c)理由: 授権資本制度(→業務執行に準じる)、 履行部分だけで有効208V 、取引安全 Q 取締役会の決議なく代表取締役により個別的取引行為が行われた場合の効力 (a) 事例: 取会決議なく代取が、 重要な財産の処分・譲受または多額の借財(362Ⅳ)を行う ⇒ cf. 代表権の濫用は代表取締役権限の範囲内→取会決議ありまたは不要 (b) 問題の所在: 明文規定なし (c) 判例: 取会決議なしを知り、または知りうべきものであったときは民法93類推適用により無効=心裡留保説→善意・無過失なら有効、悪意・有過失なら無効 (d)理由: ・取締役会決議は内部的制限の違反→外部から認識しにくい→有効 ・代取が決議ありと偽って契約 (cf. 濫用は経済的帰属を偽る)→心裡留保類似 →93 類推適用 (e) 批判: 軽過失においても無効→相手方に不利すぎる
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□ 表見代表取締役 ① 表見代表取締役: 代表権を有する者と認めるべき名称を付されているが、代表権を有しない取締役 (1) 登記: 代表取締役の氏名及び住所は登記事項 911Ⅲ十四 ⇒ 再任-・ 住所変更でも必要、住所は非表示制度あり、懈怠の場合罰則あり 976⑴ (2) 条文:354 (3) 要件: 虚偽の外観・帰責性・外観への信頼 (4) 効果 :責任を負う =株式会社に効果帰属=代表取締役の行為とみなす (1)虚偽の外観 ◯社長、副社長 ○総裁、副総裁、頭取、副頭取、理事長、代表取締役代行者、取締役会長(判例) × 取締役(取締役会設置会社の場合) Q 株式会社の使用人への 355条の適用の可否 (a)事例: 使用人が副社長との名称→代表権があると思い第三者が取引 (b) 問題の所在:354 は取締役を前提 (c)判例: 354 類推適用される →株式会社に効果帰属 (d)理由: 使用人の場合も権利外観法理の趣旨が妥当する (2) 帰責性:「付した」 Q 「付した」の意義 (a) 判例: 名称使用の許諾 (株式会社の帰貴原因) ◯:代表取締役の1人または取締役の過半数の承認・黙示の承認 ×:行使者が勝手に名乗った (b) 理由: 権利外観法理 (3) 外観への信頼 : 「善意の第三者」 Q 354 の善意の意義 (a) 判例・通説: 善意・無重過失 + 悪意・重過失の立証責任は会社が負う ⇒ 商法・会社法での 「善意」は多くが善意・無重過失 (b) 理由:重過失は悪意と同視できる (c) あてはめ ・登記簿閲覧の懈怠→重過失なし ・疑うに足りる理由がある場合に登記簿閲覧の懈怠→重過失あり ③効果: 「責任を負う」 = 代表取締役の行為同様→株式会社は義務を負い、権利を取得 ④ 商業登記: 会社等についてその概要を登録し一般に公示する制度≒登記 ⇒会社以外の法人については法人登記 商業登記 (1) 趣旨: 取引安全 ∵ 登記事項は誰でも閲覧可 + 登記には法務局での証明及び申請が必要 : (2) 条文 登記義務 907 以下 (3) 違反 : 発起人・取締役等は登記懈怠の場合100万円以下の過料又は刑事罰9761柱 (4) 手続: 法定の登記すべき事項 (登記事項)に変更があった場合、本店所在地の法務局で 期間内に手続きを行う911~929 (5) 効力 908 a) 一般的効力 ・消極的公示力 : 登記前は善意の第三者に対抗できないⅠ ・積極的公示力: 登記後は善意の第三者に対抗できる Ⅰ反対解釈→第三者の悪意を擬制(通説) b) 例外事由: 「正当な事由」= ◯客観的障害 (災害等)・×主観的障害(病気等) c)不実の登記 : 不実であることを善意の第三者に対抗できない Q354 と 908Ⅰとの関係 (a) 問題の所在: 354 = 第三者善意無重過失で対抗可・908 登記で第三者悪意 →Aが代取と登記。XがBを善意重過失で信じても、Xは保護されない? (b) 判例・通説 : 354 は 908Ⅰの例外規定→354 を優先適用 (c)理由: 登記簿の閲覧要求は商取引の大量・迅速性に反し妥当ではない
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□会社と取締役の関係 ① 概要: 委任関係 330(not 雇用関係) ・権利: 報酬等請求 ・義務 : 忠実義務、善管注意義務、 監視義務、利益相反行為の規制、報酬等規制 ②一般的義務【B】 (1) 忠実義務 法令・定款・株会決議を遵守して会社のために職務を執行する義務 355 (2) 善管注意義務 : 善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務 (民644) Q 忠実義務と善管注意義務の関係 (a) 問題の所在: 忠実義務は善管注意義務より高度な義務? (b) 判例・通説: 善管注意義務を具体的かつ注意的に規定≒内容は同じ (c)理由: 委任契約 (3) 監視義務【A】: 全取締役相互間で法令・定款遵守を監視する義務 ⇒ 法令には善管注意義務忠実義務を含む → 業務執行の適正も含む (判例) (4) 内部統制システム構築義務 (必須ではない) ⇒ 取締役会で決定362ⅣV六、 取会設置会社かつ大会社では必要 362V ③特別の義務【A】: 利益相反行為(競業取引・利益相反取引) の規制 or 取引規制 及び 報酬 (等) 規制 ・競業取引:取締役が自己または第三者のために行う、会社の事業の部類に属する取引 ・利益相反取引: 取締役が当事者または代理人として行う、会社と利益が相反する取引 ・報酬: 取締役が職務執行の対価として受け取る一切の財産上の利益 □ 競業取引規制【A+】 ① 競業取引: 取締役が自己または第三者のために行う、会社の事業の部類に属する取引 (1) 条文 : 356I一・365 I (2) 事例: 車の製造・販売会社の取締役が別の車の会社につき、取締役就任・会社設立・製造・販売等をする場合 (3) 趣旨:会社の利益を害するおそれが大きい (4) 競業避止義務 : 原則禁止、承認があれば可≒ 競業取引規制 ・取締役会設置会社 : 取締役会の事前の承認 ・取締役会非設置会社: 株主総会普通決議の承認 ② 対象: 自己または第三者のために+ 会社の事業の部類に属する⇒⭐️ 趣旨から広く解釈 (1) 自己または第三者のために →前提:= 自己または第三者に効果帰属させる Q 「自己または第三者のために」の意義【A】 (a) 問題の所在:会社名義での競業取引 →利益は取締役帰属 (b) 裁判例・通説: 自己または第三者の計算において (名義を問わない) (c)理由:会社の利益を害するおそれが大きい (d) あてはめ:◯会社名義で取締役に利益帰属 ⇒ 利益の流れで判断 →◯ 経済的効果の帰属先が会社でない (2) 会社の事業の部類に属する→前提: 定款所定の会社の目的かつ収益源である事業 Q「会社の事業の部類に属する」の意義 (a) 問題の所在: 地方の会社の取締役→遠方で同種の事業 (b) 裁判例・通説: 市場において取引が競合し、会社と取締役との間に利益衝突をきたす可能性のある取引 ⭐️「利益衝突をきたす可能性」がキーワード (c)理由: 会社の利益を害するおそれが大きい (d) あてはめ ◯ : 一時的に休止・(遠方での) 開業準備に着手 × :定款所定でも実体なし・定款所定でも完全に廃業 (裁判例) (3) その他 ・取締役→取締役の資格が必要 →× 辞任後の取締役 ・取引→営利性が必要 →× 非営利的行為•名義のみの(平の)取締役就任 ③承認: 取締役会の承認 (取会非設置会社なら株会普通決議) 356 I- 365 I (1)取締役の義務 : 重要な事実の開示義務、 競業取引の報告義務 (承認不問)365II (2)承認の効果: 通常の損害賠償責任のみ負う (3) 承認の時期: 事前 ④ 承認なき場合【A+】 ・私法上の効果 : 有効 ∵相手方保護 ・対会社責任: 損害賠償責任 423 Ⅰ (懈怠による過失あり) cf. 承認あれば過失が必要 ・損害賠償額: 取締役または第三者が得た利益の額と推定423Ⅱ cf. 承認あれば推定なし ・取締役解任:解任の正当事由 339Ⅱ、 解任の訴えの事由 854 I □ 利益相反取引規制 ① 利益相反取引: 取締役が自己または第三者のために行う、会社と取締役との取引 (1) 条文: 356I二三・365I (2) 事例: 会社と取締役が売買契約→利益相反 : 会社の利益 = 取締役の不利益 ⇒ 競業取引: 取締役が会社と同じ事業を行う/ 利益相反取引: 取締役が会社と取引を行う (3)趣旨: 会社の利益を害するおそれ (4)規制: 原則無効、 承認があれば可 ・取会設置会社:取締役会の承認が必要 ・取会非設置会社:株主総会普通決議の承認が必要 ② 形態 ・直接取引:会社と取締役との間の取引356Ⅰ二 ・間接取引:会社が取締役の債務を保証しその他取締役以外の第三者と行う取引356Ⅰ三 ・取引でない行為: 不利益を生じるおそれのない行為→利益相反行為に当たらない 例:定型取引(誰と売買しても価格が変わらない物の売買) (1) 直接取引 a) 条文 : 356I二 b) 事例 : 取締役が当事者となる、または第三者の代理人・代表者としてなす Q 356 I 二三(利益相反取引)の「取引」の意義 (a) 問題の所在: 会社の利益を害するおそれのない取引→ 規制の必要なし (b)判例:会社に不利益を生ずるおそれのあるすべての法律行為 (c) あてはめ ◯: 交渉に基づく契約、会社からの贈与契約、 会社による債務免除(単独行為)、 手形行為 ×: 定型的契約(交渉なし)、取締役からの負担付でない贈与契約、 債務履行行為→not 取引→ not 利益相反取引→ 承認不要 (2)間接取引 (a)条文:356Ⅰ三 (b)事例:取締役の債務会社保証、免責的債務引受、抵当権設定等 ・直接取引,自己のため→取締役 =当事者+ 利益相反関係 ・直接取引,他人のため→取締役=代理人等(not 当事者)+ 利益相反関係 ・間接取引→ 取締役 =not 当事者·代理人等+ 利益相反関係 (3)取引でない行為 ⇒ 会社(の承認(取会·株会)不要∵利益相反取引でない Q 株主の合意により承認が不要となる場合 (a) 事例:1人会社の株主たる取締役の承認なき利益相反取引 または 総株主の合意がある場合 (b) 問題の所在:株主単独の損害→not 利益相反関係 (c) 判例:上記事例の場合、取会の承認不要 (d) 理由: 利益相反関係にない ③承認: 取締役会の承認 (取会非設置会社なら株会普通決議) 356Ⅰ二三・365I (1)請求者: ・直接取引→当該取引をなす取締役 ・間接取引→会社を代表して取引にあたる取締役 (2) 損害賠償責任⭐️: 過失責任(承認以外の任務懈怠を必要) 423I ⇒当該行為をなした取締役のみならず、、 会社を代表し取引した取締役、 賛成した取締役 (賛成推定369V適用) も責任を負う (3)推定規定: 違反がなくても利益相反取引により損害が生じれば任務懈怠を推定423Ⅲ ※ 競業取引は違反のときのみ損害額を推定 (4)無過責任: 自己のために直接取引した取締役 (総株主の同意で免除可) 428 ④承認なき場合 (1) 私法上の効力【A+】 Q 取締役会等の承認を受けない利益相反取引の私法上の効力 (a) 問題の所在: 明文なし (b) 判例: 相対的無効説⭐️ ・取締役または直接取引の相手方⭐️→株式会社は無効主張可 ・第三者(⭐️譲受人・間接取引)→利益相反及び承認なしにつき悪意を会社が立証すれば無効主張可 ・取締役の側からの無効主張→不可 (c)理由: 趣旨から取締役等には無効の対抗可。 但し取引安全から善意の第三者には対抗不可 (2) 損害賠償責任: 過失責任(承認なし自体が任務懈怠)423I、423Ⅲ、428 ※賛成した取締役はいない(承認自体がないから) (3) 取締役解任:解任の正当事由 339Ⅱ、解任の訴えの事由854 I
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承認なき場合 (1) 私法上の効力【A+】 Q 取締役会等の承認を受けない利益相反取引の私法上の効力 (a) 問題の所在: 明文なし (b) 判例: 相対的無効説⭐️ ・取締役または直接取引の相手方⭐️→株式会社は無効主張可 ・第三者(⭐️譲受人・間接取引)→利益相反及び承認なしにつき悪意を会社が立証すれば無効主張可 ・取締役の側からの無効主張→不可 (c)理由: 趣旨から取締役等には無効の対抗可。 但し取引安全から善意の第三者には対抗不可
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報酬等の規制 ① 報酬等: 職務執行の対価として取締役が受け取る一切の財産上の利益 (例)報酬、賞与、 株式新株予約権、 社宅の貸与等、 退職慰労金 (1) 性質: 業務執行行為 (報酬に決定、報酬の支払い) (2) 条文 : 361条 (3) 規制: 定款または株主総会決議が必要 (4) 趣旨: お手盛りの防止 ②分類 (多数説) ・確定額報酬:金額が確定している報酬等 (例)報酬年2000万、 基本報酬月150万 ・不確定額報酬:金額が確定していない報酬等 (例)経常利益の1%を賞与 ・エクイティ報酬:株式 (株式報酬) 又は新株予約権(ストック・オプション)による報酬等 非金銭報酬: 金銭又はエクイティ報酬以外の報酬等 (例) 社宅の貸与 ③報酬等の定め: 定款又は株主総会決議 (1)確定額報酬: その額を定める 361 I一 Q 取締役全員の報酬総額の最高限度額を定め、配分を取締役会・特定取締役に一任することの可否 (a) 問題の所在 取締役が報酬等を決定 (b)判例:可 (c)理由:お手盛り防止の趣旨に沿う + 個人情報保護(株主総会で決めると各取締役の報酬がわかってしまう) 【改正後】 以下の場合、 個人別の報酬等の決定方針を定める義務あり 361Ⅶ 1) 監査役会設置会社かつ公開大会社かつ金商法24Iにより有価証券報告書提出義務がある会社 ⇒金商法24Iにより有価証券報告書提出義務がある会社 上場会社・非上場500名以上株券 2) 監等委設置会社 (2) 不確定額報酬: 具体的な算定方法を定める S61 I二 (3) エクイティ報酬 ⇒不確定額報酬及びエクイティ報酬≒ 業績連動型報酬又はインセンティブ報酬 a)支給の方式 直接交付方式: 株式・新株予約権を直接交付 361Ⅰ 三四 間接交付方式: 金銭を与えられ会社から株式・新株予約権を取得 S61五 b)改正後 cf. 改正前は「具体的な内容」を定める ・募集株式:株式の数(又は種類及び種類毎の数) の上限その他法務省令で定める事項 ・新株予約権:新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項 (4) 非金銭的報酬: 具体的な内容 報酬等決定手続の規制 (1) 説明義務: 議案提出した取締役は当該事項を相当とする理由の説明義務あり 361Ⅳ →改正前:不確定額報酬・非金銭報酬対象→改正後: 361 I各号全て対象 (2) 決定方針: 一定の会社は個人別の報酬等の決定に関する方針として定める事項を決定する義務あり ・改正後 : 361VII・会社法施行規則98の5で規定 ・改正前:規定なし (3) 開示義務: 公開会社は報酬等を事業報告において開示する義務あり 435Ⅱ、会社施規 119 等 ーーーーーーーー 第百十九条 株式会社が当該事業年度の末日において公開会社である場合には、次に掲げる事項を事業報告の内容に含めなければならない。 一 株式会社の現況に関する事項 二 株式会社の会社役員に関する事項 二の二 株式会社の役員等賠償責任保険契約に関する事項 三 株式会社の株式に関する事項 四 株式会社の新株予約権等に関する事項 ーーーーーーー 改正前: 詳細規定なし 改正後: 報酬等の詳細の開示 ⑤ 重要論点 Q 定款または株主総会決議のない場合の報酬等請求 (a) 問題の所在 : 違反の場合の明文なし (b)判例 ・原則、認められない → 事後的に株主総会の決議あれば有効。信義則での有効も可(株式をほぼ全て有する代表取締役の許諾があったという例外的場合) ⇒ 支払った場合 : 報酬等相当額の不当利得返還又は損害賠償が必要 (c)理由:お手盛り防止 Q 報酬等の定款又は株主総会決議による事後的な変更 (a) 問題の所在: 取締役の利益保護 (b)判例: 取締役の合意なき限り、認められない ※事情の変更があっても同様 (c)理由: 会社と取締役間の契約内容として当事者を拘束 (1)退職慰労金: 取締役等が退職後に慰労として受け取る金銭 【退職金】 受取人:従業員等 決定方法:会社内就業規則等 決定時期:退職時 稅制:分離課税等 【退職慰労金】 受取人:役員等 決定方法:株主総会決議等 決定時期:退職後 税制:総合課税等 →退職金を役員が受取る又は退職慰労金を従業員が受取る場合もある Q 退職慰労金が 361条1項の報酬等にあたるか (死亡弔慰金も同様) ※株主総会以外で定めている場合に問題になる (a) 問題の所在: 退職後に決定支給 + 受取人は決定に不参加→not お手盛り? (b) 判例・通説: 報酬等にあたる→定款または株主総会決議で決める必要あり (c)理由: ・お手盛り:残存取締役が自己の退職の際に先例や慣行として有利に働くことを期待 ・報酬等の性質: 報酬等の後払的性質 → 職務執行の対価 Q 退職慰労金の金額・支払方法等を取締役または取締役会に一任する旨の株主総会決議の可否 (a)問題の所在: 361I及びお手盛りの危険 (b)判例:無条件の一任は無効。 但し、以下の趣旨の場合は有効 1.) 明示的または黙示的にその支給基準を慣例等により示し 2.) その支給基準によって具体的な金額等を定めるものとして取締役等に一任 (c)理由:お手盛りの危険はない (2) 使用人分給与: 使用人兼務取締役が使用人として受け取る給与 a) 使用人兼務取締役: 取締役の地位と使用人の地位を併せ持つ者→使用人給与 + 取締役報酬等を支払 (例) 取締役営業部長 cf. ○ 取締役と使用人兼任 ×代取と使用人兼任 b) 指名委員会等設置会社⭐️: ×使用人兼務取締役 331Ⅳ Q 使用人分給与が 361条の報酬等の対象となるか (a) 問題の所在: 本来別物→ 取締役が決定→お手盛りの危険 (b) 判例: 給与体系が明確に確立 かつ 使用人分は別に支払う旨の明示→361 条の対象外 (c)理由:お手盛りのおそれは少ない
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①会計参与: 取締役 (指委等設置なら執行役) と共同して、 計算書類等を作成する者 (1) 条文 : 374 (2)趣旨: 計算書類等の正確性を担保 (3) 地位 ・会計参与 :株式会社の内部機関→内部から事実上正確性を担保 ・会計監査人 : 株式会社の監査機関→外部から法律上も正確性を担保 (4) 資格: 公認会計士・ 税理士・監査法人・税理士法人 333 (5) 員数: 制限なし (6) 任期: 取締役と同じ (原則、2年) ②設置 : 原則として、 株式会社は定款によって任意に設定できる 326II (1) 設置必要⭐️: 監等委・指委等以外の取会設置会社で非公開会社かつ監査役なしの場合 327 II (2) 設置不可: 持分会社 ③ 権限 : 計算書類等の共同作成、 会計帳簿等の閲覧権、 株会での意見陳述権、 子会社調査権 ④ 義務 (1) 報告義務: 取締役の不正行為等を発見した場合、株主又は監査機関に報告義務あり 375Ⅰ Ⅱ (2)取会出席: 取締役会への出席・ 意見陳述義務 376 I (3) 会計参与報告 : 計算書類等作成に際し法務省令で定める報告書作成義務あり 374 I (4)備置閲覧: 計算書類等を保存、 株主会社債権者に閲覧等、 親会社社員に閲覧等 ⑤ 報酬・費用 ・報酬等: 定款または株主総会決議により定める379 ・費用等: 会計参与設置会社に対して職務執行に不要である証明なき限り請求できる 380 ∵地位の独立性を担保
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① 監査役: 取締役 (及び会計参与)の職務執行を監査する機関 (1) 条文 : 381 (2) 趣旨 :取締役等の職務執行の監査 (3) 分類 ・監査役 : 1人の監査役からなる独任制の機関 ・監査役会 : 3人以上の監査役からなる合議制の機関 (4) 資格: 原則なし → 欠格事由・ 兼任禁止 335 (5) 任期: 原則、4年 ②設置【A】 (1)監査役 ・原則: 定款によって任意に設置できる 326ⅡI ・設置必要: ①取締役会設置会社(非公開かつ会計参与設置会社を除く)・②会計監査人設置会社 327Ⅱ III ・設置不可: ①監等委設置会社・②指委等設置会社 327Ⅳ (2)監査役会 ・原則: 定款によって任意に設置できる 326 Ⅱ ・設置必要: 大会社かつ公開会社である株式会社 328 I □ 監査役 ① 権限 (1) 職務執行の監査381 I : 会計監査及び業務監査 (適法性監査)に及ぶ a) 監査の種類 ・会計監査: 計算書類等につき虚偽がないかを調査・確認 ・業務監査: 会計監査以外の業務全般に関する調査・確認 ⅰ 適法性監査 :職務執行が法令及び定款に適合しているかを調査・確認 ⅱ 妥当性監査: 職務執行が妥当と判断できるかを調査・確認 Q 監査役の業務執行の監査権限が妥当性監査にも及ぶか【A】 (a) 問題の所在 : 明文なし + 「著しく不当」の報告義務 384 (b)有力説: 原則、及ばない。但し 「著しく不当」な場合のみ妥当性監査にも及ぶ (c)理由: ・原則: 業務執行は取締役の専権 369I + 監査役・取締役の負担増大 ・例外: 著しく不当な職務執行は善管注意義務違反として法令違反 b) 例外 ・非公開会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社以外) :定款で監査権限を会計監査に限定可 389 I【B+】 ・監査役非設置会社 (上記株式会社を含む) :監督是正権は株主にある357I (2) 報告請求業務財産状況調査権 381Ⅱ、子会社調査権 381Ⅲ IV ② 義務 (1) 取締役報告 :不正行為等を取締役 (取締役会) に報告する義務 382 (2) 取会出席:取会に出席し意見陳述義務→取会招集権あり 383 (3)株主総会報告 :株会提出の議案等の調査及び不正等の報告義務 384 (4) 監査報告:監査の結果につき監査報告として作成する義務 381 I ③ 取締役の行為の差止 (1)差止請求: 385・ 360 【違法行為】 〈株主〉 (要件) 法令・定款違反行為をし、またはするおそれ ・6箇月前(非公開会社不要)から株主 ・行為により著しい損害が生じる虞 (監査役・監等委指委等設置なら回復す ることができない損害が生じる虞) 360 (手続) 裁判上または裁判外 + 仮処分の場合の担保提供不要 〈監査役〉 (要件) ・法令・定款違反行為をし又はする虞 ・行為により著しい損害が生じる虞 385 (手続)株主と同じ 【新株発行】 (株主)210 (監査役)独自の権限なし (2) 会社の代表: 以下の場合、監査役は株式会社を代表する386 ・取締役と監査役設置会社との訴訟 ・監査役設置会社が取締役の責任を追及する訴えの提起を受ける場合 ・監査役設置会社が株主代表訴訟の訴訟告知・和解通知・催告を受ける場合 ④ 監査役独自の制度 (1) 趣旨: 監査役の独立性の確保 (2) 主な制度 【取締役】 任期)原則、 2年332 選解任の意見陳述権)規定なし (◯ 監等委の場合342の2) 選任の監査役(会) 同意)規定なし 解決決議)特則普通決議 【監査役】 任期)原則、 4年 選解任の意見陳述権)◯ 345 I IV 選任の監査役(会) 同意)◯ 343 I三 解決決議)特別決議⭐️ ※取締役の圧力で辞めさせられることや取締役の息がかかった人が監査役になることを防止 (3)報酬等: 定款または株主総会決議で定める 387 ∵報酬面からの独立性の確保(not お手盛り防止) ・報酬等の分配: 上記がなければその範囲内において、監査役の協議で定める ・意見陳述権 :報酬等の議案につき株会において意見陳述可 Q 監査役の報酬等の配分を監査役の同意によって取締役・代取・取会等に一任することができるか (a) 問題の所在: 報酬は定款・株会決議で決定 + 監査役の同意あり (b) 通説: できない (c) 理由: 趣旨に反する (4) 費用等: 監査役設置会社に対して職務執行に不要である証明なき限り請求できる 388 ※会計参与と同じ
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① 監査役会: 監査役で構成され、取締役等の業務執行に対する監査を行う合議制の機関 (1) 設置 : 原則、任意・ 大会社かつ公開会社は必要・監等委または指委等設置会社は設置不可 (2) 目的: 会計監査及び業務監査 ②構成: 全監査役で構成390Ⅰ => 監査役が3人以上・半数以上 (⭐️not 過半数) が社外監査役 335Ⅲ・常勤監査役選定 390Ⅲ (1)監査役の種類 ・社外監査役:当該会社の取締役・使用人等であった経歴のない監査役 2十六 ・社内監査役:当該会社の取締役・使用人等であった経歴のある監査役 ・常勤監査役:他に常勤の仕事のない監査役 (勤務時間の規定なし) ・非常勤監査役:上記以外の監査役 (2)構成員 ・取締役会の取締役:取会の構成員 (not 機関)→代表取締役が業務執行 ・監査役会の監査役: 監査役会の構成員 かつ機関→ 監査役が監査 (独任制) + 監査役会で決定 (合議制) ③権限 390 Ⅱ一〜三 (1) 監査報告の作成 (2) 常勤監査役の選定・解職 (3) 監査方針等の監査役の職務執行に関する事項の決定 (拘束力なし) ④ 義務: 監査役の報告義務 390Ⅳ、全員に対して通知すれば報告不要 395 ⑤ 運営 (1) 招集: 原則、 各監査役に招集権391、 通知により招集 (全員の同意があれば不要) 392 (2) 決議: 過半数 393 I:⇒ ⭐️× 代理行使・× 書面決議・×定款による決議の省略 ∵監査の実効性と信頼 (3) 議事録: 書面または電磁的記録で作成、 10年間本店に備置き、 監査役の署名又は記名押印必要 ⇒ 株主・会社債権者・ 親会社社員は必要があるとき裁判所の許可を得て閲覧・謄写請求可 394Ⅱ Ⅲ ∵重要な情報含む
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①会計監査人 計算書類等の監査をする機関 (1) 条文 : 396 (2) 趣旨 財務諸表等の監査 → 財務状況の信頼性確保 (3) 地位 会計参与 :株式会社の内部機関→内部から事実上正確性を担保 会計監査人: 株式会社の監査機関→外部から法律上も正確性を担保 (4) 資格: 公認会計士・監査法人 (5) 員数: 制限なし (6) 任期: 原則、 1年かつ再任 338 ②設置 ・原則:任意 326II ・設置必要:大会社 328・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社 327V ・監査役との関係:(監等委・指委等設置会社以外の) 会計監査人設置会社は監査役が必要827Ⅲ ※監査役との会計監査人はセット ・役員:取締役・会計参与・監査役329Ⅰ ・役員等:取締役・会計参与・監査役・会計監査人・執行役423I ③権限等 (1) 権限 : 計算書類等の監査、 会計監査報告の作成、 会計帳簿の閲覧等、子会社調査権 (2) 義務 監査役への報告 397、 株会における意見陳述権 398 (3) 報酬: 会社が定める + 監査役・監査役会の過半数等の同意が必要 399 (4) 費用: 規定なし → 委任契約に従う・会計監査人が必要性を証明 ④選解任 (1) 選任 株主総会普通決議で選任 329 + 監査役 監査役会の過半数等の議案内容の決定 344 (2) 解任 株主総会普通決議で解任 339 + 監査役・監査役会の過半数等の議案内容の決定 344 義務違反等による場合、 監査役等により解任可 340 ④ 選解任 (1) 選任: 株主総会普通決議で選任 329 + 監査役・監査役会の過半数等の議案内容の決定 344 (2) 解任: 株主総会普通決議で解任 339+ 監査役・監査役会の過半数等の議案内容の決定 344 ⇒義務違反等による場合、 監査役等により解任可 340
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□ 総説 ① 監査等委員会設置会社 : 監査等委員会をおく株式会社2十一の2 (1) 趣旨: 信頼性確保、 社外取締役の導入促進、 監査機能の強化 (2) 会社: 大会社かつ公開会社を前提 →監査役会設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社 のいずれか (3) 背景: 大企業の不祥事の頻発 → 信頼性の低下→ 投資減→ 信頼性確保の必要 →指委等設置会社はあまり機能せず: ・指委等設置会社 → 社外取締役6人必要かつこれらの者が人事・報酬を決定することに対し経営陣が反発 ②概要:取締役が監査等委員会として監査を行う ③機関設計 (1) 必要的機関 a) 株主総会: 設置 295 I b) 監査等委員会:設置326Ⅱ、監査等委員である取締役で組織 399の2IⅡ ⇒ 3人以上かつ過半数が社外取締役 331VI 注) not 半数以上(監査役会は3人以上かつ「半数以上」が社外監査役) c) 取締役会:設置 327 I三 ⇒ 監査等委員である取締役 ・監査等委員でない取締役で組織 d) 代表取締役 : 設置、監査等委員でない取締役から選定399の13Ⅲ e) 会計監査人: 設置 327V (2) 設置不可: 監査役・監査役会327Ⅳ ④ 特徴 (1) 監督機能の強化: 取締役が監査等委員となる、 議決権、 議決権、選解任・報酬等の意見陳述権 (2) 役員数の抑制: 監査役不要、 社外取締役2人でも可、役員4人でも可、327の2 (3) 機動的な運営: 定款により取締役に一定の業務執行の委任可 (4)監査機能の強化:社外取締役 (5) 信頼性の確保: 指名委員会等設置会社とも類似 ⇒ 上場企業は監査役会設置会社と監査等委員会設置会社が大部分 □ 監査等委員会設置会社の機関等 ①選択: 定款の定め 326 Ⅱ ② 取締役: 監査等委員である取締役 (監査役類似) or 監査等委員でない取締役(取締役類似) 【監査等委員でない取締役】 選任)株主総会普通決議 329 Ⅱ (notI) 解任)株主総会普通決議 339I・309I 任期)1年332Ⅰ III 兼任制限)取締役と同じ 報酬等)監査等委員である取締役と区別 361Ⅱ→取締役と同じ 【監査等委員である取締役】 選任)株主総会普通決議 329 Ⅱ + 監査等委員会の同意 344の2I 解任)株主総会特別決議 339I・309Ⅱ七 任期)2年332I 兼任制限)監査役と同じ331Ⅲ 報酬等)監査等委員でない取締役と区別 361Ⅱ 右定款または株会決議 + 範囲内で協議 ③(監等設置会社の) 取締役会→通常の取締役会 362 と類似 (1) 権限: 業務執行の決定、 取締役の監督、代取の選定・解職、内部統制システムの決定 399の13 (2) 委任: 362Ⅳと同様の重要な決定 (重要な財産の処分等)を取締役に委任できない399の13Ⅳ ※通常の取締役と同じ ⇒ 取締役の過半数が社外取締役または定款で定めた場合、416Ⅳ(指委設置会社の取締役会の権限)と同範囲の委任可399の 13VVI (3) 招集 (招集権者の定めがあっても)監査等委員も可399の14 ④ 監査等委員会 (1) 条文 : 399の2 (2) 構成: 全ての監査等委員である取締役 (3) 監査等委員会の権限 (監査役類似 ・not 監査等委員): ・職務執行の監査及び監査報告の作成 399の2Ⅲ一、 会計監査人の選解任等の議案決定399の2Ⅲ二 ・監査等委員でない取締役の選解任等及び報酬等の意見決定399の2Ⅲ三 ∵ 独立性の確保 (4) 監査等委員の権限 ・費用請求 399の2Ⅳ、差止請求399の6、 会社の代表等 399の7Iニ ・取締役会の招集399の14、株会での選解任・ 報酬等の意見陳述権342の2Ⅳ、361VI (5)監査役の比較 【監査役·監査役会】 目的)取締役等の職務執行を監査 構成員)監査役 監査対象)原則,適法性監査 員数)3人以上(社外監查役半数以上) 任期)4年 常勤者)必要 監査方法)各監査役による個人監査 【監査等委員会】 目的)取締役等の職務執行を監査 構成員)監査等委員である取締役 監査対象)適法性監査及び妥当性監査 員数)3人以上(社外取締役過半数) 任期)2年 常勤者)不要 監査方法)監査等委員会の組織監査 (6) 運営 ・招集:各監査等委員399の8→全員同意で招集手続不要 399の9Ⅱ ・決議: 過半数の出席(定足数・監査役会はなし) + 出席者の過半数の賛成、 議事録の作成 399の10 ・手続:賛成推定、 説明義務、 議事録の署名または記名押印、 電磁的記録可 (7) 調査報告 a) 調査:職務執行、会計調査、子会社調査、取締役会計参与の説明義務399の3 b) 報告: 取締役会への報告義務399の4、株主総会への報告義務399の5 c) 利益相反取引: 監査等委員でない取締役が承認を受けた場合、任務懈怠の推定適用しない 423IV ∵政策的観点(利用促進) ⑤ 代表取締役: 監査等委員でない取締役から選定
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図 ※株主総会では取締役だけ選ぶ(監査役は選ばない(監査役はいない)) →監査等委員会を構成する取締役と構成しない取締役がいる) ※監査等委員会は取締役会の中の委員会の位置付け ※監査役会設置会社の監査役は独任制だが、監査等委員会は独任制ではない
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□ 総説 ①指名委員会等設置会社: 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会をおく株式会社 2十二 (1) 趣旨: コーポレートガバナンス (≒企業統治・適正透明な経営の仕組み) の強化(※監査等委員会設置会社と同じ) (2) 会社:大会社かつ公開会社を前提 ⇒ 監査役会設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社のいずれか (3) 背景: 大企業の不祥事の頻発信頼性の低下 → 投資減・信頼性確保の必要 (4) 沿革: 委員会等設置会社 → 委員会設置会社 → 指名委員会等設置会社 ②概要: 監督と執行が制度的に分離 →取締役会が監督・執行役が執行 ③機関設計 (1)必要的機関 a)株主総会 : 設置 295I→ 取締役の選任 b)取締役会:設置327I四→執行役・委員の選解任、職務執行の監督、基本事項の決定⇒ 原則として業務執行のできない取締役で組織(業務執行は執行役が行う) c) 三委員会:= 指名委員会等 (→指名委員会・監査委員会・報酬委員会) ※cf. 監査等 (監督権限) 委員会 ・指名委員会: 設置 2十二 →取締役等の選解任議案の内容決定 ※選解任決議は株主総会 ・監査委員会 : 設置2十二 →職務執行の監査 ・報酬委員会 : 設置 2十二→執行役等の報酬決定 d)執行役・代表執行役 : 設置 402I e)会計監査人 : 設置 327 V (2)設置不可: 監査役・監査役会 327ⅣV 監査等委員会 327VI ④ 特徴: 趣旨 取締役会の監督機関としての形骸化防止 (1) 監督と執行の制度的分離: 取締役を監督機能に専念・強化、国内への配慮 (2) 執行役に業務執行権限: 自己監査を否定 (3) 社外取締役の権限強化: 委員会の決定に拘束力 (4) 機動的な運営: 執行役に広範な業務執行権限 (5) 信頼性確保: アメリカ型の機関設計(国際標準) (6) 取締役・社外取締役の増加: 原則、取締役9人社外取締役6人必要 ( 兼任可) □ 指名委員会等設置会社の機関等 ①選択: 定款の定め326Ⅱ ②(指委等設置会社の) 取締役 【通常の取締役】 選任)特則普通決議→取締役会が議案提出 任期)2年332I 業務執行)原則、可(代取・取会設置を除く) 兼任制限) × 監査役・○使用人 【指名委員会等設置会社の取締役】 選任)特則普通決議→指名委員会が議案提出 任期)1年332VI 業務執行)原則、 不可 415 兼任制限) × 監査委員の場合の執行役・使用人 331Ⅳ ○上記以外の執行役402Ⅵ・ 三委員会の委員(取締役が複数の委員会の委員兼任可能) ③取締役会 (1) 招集: 選定委員(指名委員等がその委員の中から選定する者) 417I、執行役417Ⅱ (2) 権限 ・執行役の職務執行の監督416I二 ・基本事項の決定 416I一Ⅱ ・委員及び執行役の選解任(いつでもできる)400Ⅱ・401Ⅰ・402Ⅱ・403I (3) 委任: 416Ⅳ但各号を除き、業務執行の決定を執行役に委任できる 416IV ≒ 広範な委任 ⇒委任不可: 株式関係、 株会関係、 委員及び執行役の選解任、 責任免除、合併等 (4) 運営: 委員の報告義務 417Ⅲ、 執行役の報告義務 説明義務 417ⅣVV ④ 三委員会 (1) 権限 ・指名委員会: 取締役・会計参与の選解任議案の内容決定 404 I ・監査委員会: 監査、会計監査人の選解任議案決定404Ⅱ( 監査役類似) (◯妥当性監査・組織監査(独任制ではない(常勤者は不要)) ・報酬委員会: 執行役の個人別の報酬等の決定 404Ⅲ (2)構成: 各委員会毎に、取締役である委員3人以上かつ過半数が社外取締役で組織 400I Ⅱ Ⅲ ⇒ ⭐️委員の兼任可 ⑤ 執行役・代表執行役: 執行役≒業務執行取締役 、代表執行役≒ 代表取締役 (1)執行役 ・選任: 取締役会決議402Ⅱ →○取締役と兼任 402VI ※執行役は取締役でなくても良い ×監査委員である取締役と兼任400IV ・任期:1年402Ⅶ ・権限: 業務執行、416IVによる委任を受けた業務の執行 ・地位:株式会社との委任関係 402Ⅲ→取締役準用 402Ⅳ・419・423等 (2) 代表執行役: ・選定: 執行役から取締役会決議 (執行役1人ならその者) 420I ・地位: 代表取締役準用420Ⅲ・421・422 ⑥会計監査人: 監査委員会により選解任議案提出
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図
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10 取締役会設置会社と非設置会社 ① 基本事項 【取締役会設置会社】 会社の特徴) 大規模 利点: 信用性が高い ※借入等に影響 欠点: 意思決定が遅い、 報酬等が高い 要件) 公開会社、 監査役会設置会社、 監等委 又は指委等設置会社 327 I 代表及び業務執行) 代表取締役 取締役の地位) 会社の機関ではない 取締役の員数) 3人以上 株主総会の決定事項) 法定事項及び定款で定めた事項 競業・ 利益相反取引) ・取締役会が承認機関 ・取会への報告義務あり 監査役の報告義務) 取締役会に対して 【取締役会非設置会社】 会社の特徴) 小規模 利点: 意思決定が速い、 報酬等が低い 欠点: 信用性が低い 要件) 公開会社、 監査役会設置会社、 監等委又は指委等設置会社以外 代表及び業務執行)各取締役 取締役の地位) 会社の機関 取締役の員数) 1人以上 株主総会の決定事項) 一切の事項 競業・ 利益相反取引) ・株主総会が承認機関 ・⭐️株会又は取会への報告義務なし 監査役の報告義務)取締役に対して ② 株主総会 【取締役会設置会社】 招集通知の時期) 2週間前までに通知 299 (非公開会社では(書面又は電磁的方法による議決権行使を認めた場合2週間)の場合以外は1週間) 招集通知の発送方法) ・書面または電磁的方法 ・298 Ⅰ各号の事項の記載必要 計算書類等の提供) 必要 437 議題提案権・議案要領の通知請求権) 少数株主権 303Ⅱ・305 I 非公開: 1/100 または300個以上 公開 上記に加え6箇月前から保有 議題提案権の行使) 8週間前までに行使 + 定款で短縮可 議決権の不統一行使) 3日前までに通知 + 理由付記313Ⅱ 【取締役会非設置会社】 招集通知の時期) 1週間前までに通知 + 定款で短縮可 (書面又は電磁的方法による議決権行 使を認めた場合2週間) 招集通知の発送方法) ・書面又は電磁的必要なし (口頭でも良い)(上記括弧の場合を除く) ・298Ⅰ各号の記載不要 計算書類等の提供) 不要 議題提案権・議案要領の通知請求権) 単独株主権 303I・305I 議題提案権の行使) 期間制限なし 議決権の不統一行使)事前手続不要313 I
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図
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□ 総説 ① 役員等の責任 ・株式会社に対する損害賠償責任: 423 等 ・第三者に対する損害賠償責任 : 429 ②責任の免除または軽減: 可 ③役員等: 役員(取締役・監査役・会計参与) 及び会計監査人・執行役 ⇒ 実際の訴訟で問題 □ 株式会社に対する損害賠償責任 ①概要 ・一般的責任:善管注意義務 (民644)・→忠実義務355 →債務不履行責任 (民415) ∵委任 ・会社法上の責任 : 会社法上の特別な規定 ∵広範かつ強大な権限に対し不十分 ・任務懈怠・利益供与・剰余金配当 →3つのどれかを考える + 別途損害賠償責任追及可 ② 任務懈怠責任: 役員等がその任務を怠ったとき、 株式会社に対し生じた損害を賠償する責任 (1) 条文 : 423、428 参 (2) 要件: 任務懈怠、 故意または過失、 会社の損害、 任務懈怠と損害との間の相当因果関係 a) 任務懈怠: 役員等の任務を怠った行為 ≒ 法令・定款に違反する行為 (例) 横領、 競業取引、 利益相反取引、 利益供与、 違法な剰余金配当、 違法な出資履行 【判例】法令とは、 会社を名宛人とし会社の業務に際し遵守すべき全ての法令を含む Q 経営判断の誤りにより損害を与えてた場合、任務懈怠に該当するか【A+】 (a) 事例 :合併のため他社の株式を市場価格の数倍で取得→ 会社に損害 (b) 問題の所在: 善管注意義務等の違反 + 株主及び会社債権者保護 VS 役員等の保護 (c) 判例・通説: 経営判断原則 = 当該会社の属する業界における通常の経営者の有すべき知見及び経験を基準として、意思決定の過程、 内容に著しく不合理な点がない限り、 善管注意義務に違反しない (d) 理由 1) 経営判断は総合的判断が必要なため、 一定のリスクが伴う 2) 萎縮することなく経営に専念するため、 裁量が認められるべき b) 過失 ・旧商法→ 一元説: 任務懈怠あり=過失あり ・現会社法 →二元説:任務懈怠と過失 (帰責事由)は別の要件 ∵428I = 過失が必要 →任務懈怠が役員等の責めに帰すべき事由によるものでなければ責任を免れる (消極的要件) c) 損害 → 356Ⅰ等に違反する競業取引をした場合、 利益の額=損害の額と推定423Ⅱ ⇒ 承認あれば通常の責任のみ →善管注意義務違反のみ責任 + 損害額の推定もなし d) 相当因果関係: 任務懈怠と損害との間に必要 ⇒ 通常、任務懈怠 損害故意または過失があれば認められる (3) 利益相反取引の特則 1.) 423Ⅲ: 損害生じた場合、任務懈怠を推定(役員等が不存在を立証する必要あり + ⭐️承認不問) →例外: 監等委設置会社の監査等委員でない取締役が承認を受けた時は推定なし 423Ⅳ 2.) 428Ⅰ: 自己のために直接取引した場合、無過失責任(承認不問、任務懈怠は無関係) 3.) 369V : 議事録に異議を留めない取締役は賛成と推定369V ③ 利益供与 (1) 条文 : 120Ⅳ (2)責任 ・関与した取締役等: 供与した利益相当の価額支払義務 + 過失責任 ・供与した取締役等 供与した利益相当の価額支払義務+ 無過失責任 ⇒ 423I とは別個の責任 → 任務懈怠責任の追及可 ※例: ・経営者や社員の個人的な不祥事に関する情報を得た者が、その情報を株主総会などの場で公にしないことの見返りとして、会社が口止め料と称して金銭を供与すること ・事業の失敗により巨額の損失を計上した会社が、株主総会で特定の株主に質問を控えてもらうことや、逆にほかの株主の追求を妨害してもらうことで、円滑に議事を進めることを目的に、特定の株主に対して金銭を供与すること 等 ④ 剰余金配当 (1) 条文 : 462 (例) 分配可能額を超えて剰余金を配当 (2) 趣旨: 返還困難の救済→資本維持 (3) 責任 Ⅰ : 交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭の支払義務 Ⅱ 過失責任(not 無過失責任) + 立証責任の転換(業務執行者側に立証責任あり)⭐️ ※外部の専門家の算定間違い等に場合に取締役に無過失責任を負わすのは酷 Ⅲ 総株主の同意により分配可能額を超える部分の責任免除不可 (超えない部分は可) 債権者保護 →423 Ⅰとは別個の責任 任務懈怠責任の追及可 (4) 責任者 : 株主、 業務執行者、 株会又は取会で議案提案を行った取締役 ⇒ 連帯責任となる (5) 株主求償:善意の株主に対して求償不可(悪意の株主には請求可)、 債権者による直接請求可 463 ⑤ 役員等の責任の態様【B】 (1)責任者: 対象となる行為をした役員等、決議に基づく場合は決議の賛成者 (2) 複数の場合: 連帯債務430 (3) 責任の性質 : 債務不履行責任と異なる特殊の法定責任 □ 第三者に対する損害賠償責任 ①概要 ・一般的責任 :不法行為責任(民709,714 以下) ・会社法上の責任 : 会社法上の特別な規定 429 ∵第三者保護 (1) 条文 : 429 (2) 内容: Ⅰ: 職務執行について悪意または重過失があれば第三者に対し損害賠償責任 Ⅱ: 一定の職務執行について過失責任 + 立証責任の転換 ⇒ 429Iは文言上不明確→ 責任の性質、悪意等の対象、 損害の範囲、 第三者の範囲等がQ ② 責任 Q 429Ⅰの責任の趣旨及び性質 (a)問題の所在: 文言上不明確→趣旨及び性質 →悪意又は重過失の対象・民法 709 との関係 (b)事例:取締役が任務懈怠→第三者に損害 (c)判例・学説 【不法行為特則説一反対説】 趣旨:取締役の責任軽減 結論:不法行為につき軽過失免責 内容: ・悪意又は重過失 ・第三者に対する加害又は損害につき悪意又は重過失必要 ・民法 709 :競合しない(429と709両方請求されることはな) 理由:取締役の責任が過大 【法定責任説一⭐️判例通説】 趣旨:第三者保護 結論:特別の法定責任 ∵責任加重 内容: ・悪意又は重過失 ・任務懈怠について存すれば足りる ・民法709 : 競合する 理由: ・本来会社責任だが役員等の職務執行に依存 ・強大な権限から第三者を保護する必要が高い ③損害 【直接損害】 ・定義:任務懈怠により直接第三者に損害 ・事例:取引相手に支払見込なく手形振出 ・特徵:会社財産に損害なし 【間接損害】 ・定義:任務懈怠による財産減少の結果、第三者に損害 ・事例:放漫経営での倒産の結果、会社債権者に不履行 ・特徴:会社財産に損害あり Q 429Iの損害の範囲・ 対象 (a) 問題の所在: 文言上不明確 (b) 判例・通説: 直接損害・間接損害の双方が含まれる(両者包含説) (c)理由: 第三者保護、 不法行為の特則ではない(法定責任説)、直接損害と間接損害の区別が不明確(支払見込みの無い手形を振り出すような業務執行者は放漫経営していることが多い) ※不法行為特則説だと直接損害に限定 ④第三者: 役員等の所属する株式会社以外の者 (例) 取引相手、会社債権者 Q 間接損害を受けた株主は429Iの第三者に含まれるか (a) 問題の所在:株主の地位、間接損害では代表訴訟が用意 ※直接損害は会社に損害ないため代表訴訟の対象外 (b)通説: 含まれる (c)理由: 第三者保護、文言(第三者としか書いてない)、代表訴訟での訴訟提起の困難性 847・847の4 ⑤ 取締役の対第三者責任に関する諸問題 (1)監視義務: 定款・法令遵守及び適正な業務執行について取締役が負う 362 Ⅱ 二 →◯ 429Ⅰ判例 ⇒代取・平取共に義務あり + 取締役会に上程された事項についても義務あり Q取締役会に上程されていない事項についての平取の監視義務 (a)問題の所在:業務執行の関与が限定的 (b)判例・通説:監視義務あり (c)理由:取締役会の招集権限 366Ⅱ、 取会の構成員たる地位から監視義務、 実効性確保 ※監視義務を果たすために平取に取締役会の招集権限が認められているということ (2)名目的取締役 適法な選任手続及び登記があるが実質的職務執 行のない取締役 ⇒ 会社の同意あり ∵ 人数確保 ・信用性確保 ・報酬目的が主 Q 名目的取締役の429I責任 (a) 問題の所在: 実質的に取締役ではない ∵ 任務なし(何もしなくても良いことについて会社の同意あり) (b) 判例・通説: 監視義務違反による 429 I 責任あり (c)理由: 名目でも取締役、取締役会の招集権限366Ⅱ、取会の構成員たる地位から監視義務 (3) 登記簿上の取締役: 法的な取締役の地位がないが取締役として登記されている者 ≒ 表見取締役 ⇒ 取締役ではない ∵ 適法な選任手続がない ・選任決議欠缺: 選任決議がないが取締役として登記されている場合 ・退任登記未了: 退任登記がなく取締役として登記されている場合 Q 選任決議欠缺での登記簿上の取締役の429I 責任 (a) 問題の所在: 取締役ではない→908 Ⅱによる責任を問えるか (b) 判例: 登記について登記された者の承諾及び第三者の善意があれば908Ⅱ類推適用により429I責任あり (c)理由 1.) 908 II:不実の記載をした者 = 登記申請者=会社 → 直接適用不可→趣旨は権利外観法理 2.) 権利外観: 登記について承諾を与えれば不実の登記に加功した者→ 類推適用可 3.) 429 Ⅰ:908Ⅱ類推適用により取締役でないことを善意の第三者に対抗できない ∵善意の第三者保護の必要性 Q 退任登記未了での登記簿上の取締役の429I 責任 (a)問題の所在:取締役ではない→908Ⅱによる責任 (b) 判例 ・原則:429Iの責任を負わない ・例外: 明示的に承諾を与えた等、特段の事情が存在すれば908 Ⅱ類推適用により429Iの責任を負う ⇒ 902Ⅱの類推適用は限定的に解釈 (c) 理由: 故意又は重過失による登記の放置があれば虚偽の外観作出に加功したといえる(不作為) (4) 事実上の取締役: 選任手続・登記共に欠缺しているが取締役として業務執行を行う者 【判例】重要な地位・決定権・ 報酬等があれば429I類推適用により責任を負う(裁判例) ⑥ 429Ⅱ: 特定の書類・登記・公告等に虚偽の記載をした場合→ 過失責任+立証責任の転換
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①概要 ・責任追及等の訴え ・差止請求權 ・検査役による調査 □ 責任追及等の訴え【A】 ① 代表訴訟: 株主が会社を代表して役員等に対して責任・義務を追及するために提起する訴訟 ⇒ 別名: 責任追及等の訴え (会社法)、 株主代表訴訟(一般)、 派生訴訟 (英直訳) (1) 条文: 847 以下 (2) 分類: 代表訴訟、 旧株主による代表訴訟、多重代表訴訟 (3) 趣旨: 責任追及の懈怠の可能性 (同僚意識・情実) → 会社等の利益保護の必要 (4) 危険 濫用の危険 保有期間制限、 → 保有期間制限、 担保提供命令847の4、収賄罪 968 I ② 効力 (1) 判決の効力: 当事者及び株式会社等に及ぶ (民訴 155Ⅰ一ニ) (2) 訴訟の形態: 法定訴訟担当の一種 原告が会社に代位して訴訟提起 ※法定訴訟担当:代位債権者 等 (3) 原告の利益: 直接的利益なし→会社への賠償請求 (株価回復による間接的利益はある) ③ 要件 (1) 原告適格: 株主 a)期間制限 ・公開会社 :6カ月前から保有 (定款での短縮可) ・非公開会社 : 期間制限なし b) 株式数: 単独株主権 (定款により単元未満株主の排除可) c)株主資格喪失 : 原則、原告適格喪失 (株式交換・合併等による完全親会社の株式取得を除く)