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民事訴訟法
50問 • 1年前
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    概要 民事訴訟の目的はAランク

    1 民事訴訟法 ① 民事訴訟法:私人間の民事紛争に対して私法を適用して解決するための訴訟手続を定めた法 (1) 背景:私人間の紛争 → 私的制裁・自力救済の禁止 → 裁判を受ける権利(憲法32) ​ ・刑事 → 刑事訴訟法等による刑事手続による秩序回復 ​・民事 → 民事訴訟法等による民事手続による紛争解決 (2) 解決方法:判決 → 判決手続 ≒ 民事訴訟手続 (3) 付随手続:強制執行 → 民事執行法 ・ 差押等の財産保全 → 民事保全法 ・ 清算や配当 → 倒産法 ②特徴 ​強制的かつ終局的な紛争解決手続 ​私的紛争の公権的解決 ③強制的でない紛争解決手続 ≒ 合意による ⑴和解:和解契約 → 合意により成立・裁判所は無関係・当事者の任意で処分できる権利関係なら可 ⑵ 即決和解:紛争当事者が裁判所に和解の申立てをして解決する手続 ≒ 訴え提起前の和解 (a) 条文:267改)・275  (b) 手続:合意 → 簡裁に和解申立 → 内容を電子調書に作成・記録 → 当事者に送達 (c) 効果:確定判決と同一の効力 → 強制執行可・終局性あり ⑶調停:裁判官または裁判官と調停員からなる調停委員会が当事者の和解を仲介する手続 (a) 法令:民事調停法16・家事事件手続法 (b) 効果:合意成立 → 調書記載 → 確定判決と同一の効力 (4) 裁判外紛争解決手続ADR:民事訴訟によらずに紛争解決を行う制度の総称 ​⇒ 費用が安い・非公開・手続的負担が軽減、 紛争解決力は弱い ④ 終局的でない紛争解決手続:合意必須ではない → 憲法32・76Ⅱ → 不服があれば更に訴訟で争える ①家事審判:家事事件・人事訴訟に対する家事事件手続法による紛争解決手続 ​家事事件:家庭内の紛争​(例)遺産分割・婚姻費用の分担(婚費)等 ​人事訴訟:身分関係の紛争​(例)親子関係の確認・離婚等 ​⇒ 裁判所が広範な裁量で処理 → 非公開・当事者主義不適用等 ②借地非訟事件:借地借家法で規定された非訟事件として処理される特定の事件 ​⇒ 裁判所が賃借権の譲渡の許可・地代の決定等をする(借地借家19Ⅰ等) ③準司法手続:行政機関による紛争解決のための処分 ④訴訟と非訟 ​訴訟手続:実体法を具体的事件に適用して権利義務の存否を判断する司法手続 ​非訟手続:国が私人間紛争に介入し公平・常識からその調整を図る民事行政手続 ◯ 訴訟手続 終局性:あり (判決が出ればそれで終わり) 公開性:公開 手続:対審 基本原理:当事者主義 手続の原則:処分権主義、弁論主義、公開主義、口頭主義、必要的口頭弁論、厳格な証明 当事者:二当事者対立 裁判:判決(拘束力あり) 終局性:なし 公開性:非公開 手続:審問 基本原理:職権主義 手続の原則:職権探知主義、非公開主義、書面主義、自由な証明 当事者:二当事者対立を前提としない 裁判:決定(事情により取消h・変更可能) ⑤実体と手続 ​実体法:要件と効果を定めてある時点における法律関係を規定する法​(例)民法・刑法・会社法 ​手続法:実体法での法律関係を明らかにして実現する手続を定めた法​(例)民訴・刑訴 2 民事訴訟の全体像 ①民事訴訟:私人間の生活関係に関する紛争について私法を適用して解決するための訴訟手続 ②民事訴訟の流れ ⑴紛争発生 ​(⇒訴訟以外の紛争解決手続・民事保全手続) ⑵訴訟の開始 ​・訴えの提起 ⑶訴訟の審理 ・口頭弁論(弁論手続 → 証拠調べ手続) ⑷訴訟の終了 ​・終局判決(⇒ 上訴による再審理)or当事者の意思による終了 ⑸判決の確定 ​・確定判決(⇒ 再審による再審理) ⑹強制執行  ※⑵〜⑸:判決手続 ③学習順序:総論(概要・基本原理)→ 主体 → 判決手続 → 複雑訴訟 → 不服申立 → 特別手続 3 民事訴訟の目的⭐️Bランク ①民事訴訟の目的:多元説 ​ⅰ権利保護​:自力救済禁止→権利保護を国が引受 ​ⅱ私法秩序維持​:実体法の規定→私人関係に貫徹 ​ⅲ紛争解決​:民事訴訟法は裁判における基準→(裁判しない場合も)紛争解決の目安となる ※ 民事訴訟では目的に「真実発見」は含まれない。紛争を解決することが目的。刑事訴訟の場合は真実発見が目的となることと異なる。ただし、刑事訴訟でも真実発見よりも人権保障のほうが重要 ②解釈の基本⭐️Aランク:適正・公平の要請と迅速・経済の要請との調和 ⑴適正・公平の実現 ・​手続保障 ​・裁判所中立の原則・当事者平等の原則・公開原則 ・​訴訟へのアクセス権保障 ⑵ 迅速・経済の実現 ​・手続安定:手続に瑕疵 → 追認・補正等を可能にして瑕疵の治癒を認める ​・法的安定:紛争処理結果の確保 → 瑕疵があっても判決はそのまま ・​一回的解決の要求、明確・画一処理の要求 ③ 民事訴訟の視点 → 未知の問題の解法 ⑴適正・公平と迅速・経済の調和⭐️論文で書く ⑵ 当事者側と裁判所の役割分担:私的紛争の公権的解決 ・​私的紛争であることから ​→ 当事者主導 ⇒ 審判対象の設定・立証 ・​公権的解決であることから ​→ 裁判所主導 ⇒ 訴訟の進行 ⑶ 権利の存否の判断過程:4段階構造 + 法的三段論法 で判断 (a) 4段階構造 ​第一段階 - 訴訟物の設定​:審判対象の設定 ​(例)売買契約に基づく代金請求権 ​第二段階 - 法律上の主張​:権利の有無 ​(例)売買契約の成立 ​第三段階 - 要件事実の主張​:法規の要件に該当する事実​(例)売買の申込と承諾 ​第四段階 - 証拠調べ​:証拠による事実の有無​(例)売買契約書 (b) 法的三段論法:大前提(法則等)に小前提(具体的事実等)をあてはめて結論を導く論理学の手法 ー ​⇒ 3回繰り返して結論を導く ​(小前提) ​(大前提) ​(結論) ​(4段階) ​1回目:証拠 ​→ 経験則 ​→ 要件事実の有無 ​≒ 証拠調べ ​→ 要件事実の主張 ​2回目:要件事実の有無 ​→ 法規 ​→ 法律効果の有無 ​≒ 要件事実の主張 ​→ 法律上の主張 ​3回目:法律効果の有無 ​→ 法規 ​→ 訴訟物の有無 ​≒ 法律上の主張 ​→ 訴訟物の有無

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    第2章 民事訴訟の流れと基本概念

    1 民事訴訟手続の基本 1 民事訴訟の流れ 訴訟の開始:訴えの提起 ↓ 訴訟の審理:「口頭弁論」弁論手続→証拠調べ手続 ↓ 訴訟の終了 終局判決or当事者の意思による終了 ↓ 判決の確定:確定判決 ② 民事訴訟の4大原理⭐️ ​ ・処分権主義 ​→ 訴訟の開始・終了   ・​弁論主義・証明責任 ​→ 訴訟の審理  ・​既判力 ​→ 判決の確定 2 訴訟主体 ① 訴訟主体:訴訟手続を主体として行う者 → 裁判所・当事者(訴訟当事者) ②裁判所 → 受訴裁判所(=審理を担当する裁判所)を確定 ⑴ 民事裁判権​:民事訴訟を処理するための統治権の一部である権限 ⑵管轄​:裁判所間の裁判権の分掌の定め ⑶事務分配​:管轄裁判所内での受訴裁判所の決定 ⑷裁判機関の適格​:除斥、忌避、回避  ※⑵管轄と⑷除斥忌避回避だけ抑えればよい ③ 当事者:訴えまたは訴えられることによって判決の名宛人となる者  ・​原告:訴えを提起した者(X)​→ 控訴・上告を提起した者 ​= 控訴人 ・上告人  ・​被告:訴えを提起された者(Y)​→ 控訴・上告を提起された者 ​= 被控訴人・被上告人 ⑴二当事者対立の原則:民事訴訟では対立する2当事者が必要 → 当事者の確定が必要 ​⇒ 欠ければ終了または中断 ⑵当事者に必要な能力  a)当事者能力:民事訴訟において当事者となることのできる一般的資格 ⭐️論文で書く ​∵ 訴訟の能率的運営 → 権利能力 に類似  b)訴訟能力:自ら単独で有効に訴訟行為をなしまたは相手方や裁判所の行う訴訟行為を受けうる資格 ⭐️論文で書く ​∵ 本人の権利保護 → 行為能力 に類似 ⑶ 訴訟上の代理人:本人の名においてこれに代わって自己の意思に基づき訴訟行為をし、またはこれを受ける者 ⭐️論文で書く ​⇒ 当事者ではない → 判決の効果は訴訟上の代理人ではなく当事者に及ぶ 3 訴え提起 ⭐️A+ ① 処分権主義 ​当事者に訴訟の開始、審判対象の特定やその範囲の限定、判決によらずに終了させる処分権能を認める建前 ⭐️定義をしっかり書けるように  ⑴ 条文:246等参照  ⑵趣旨:私的自治の訴訟法的反映⭐️書けるように  ⑶ 権能  ・​紛争処理方式選択の保障  ・​争訟対象の自主的形成  ・​手続保障(特に、不意打ち防止)⭐️ → 当事者の決めたこと以外には判決の拘束力を受けない  ⑷ 内容  ・​開始​:「申立てなければ裁判なし」      → 上訴・再審        不起訴合意も有効  ・​審判対象​:裁判所は当事者の申立ていない事項について裁判できない246  ・​終了​:和解、請求の放棄・認諾、上訴の取下 ができる ②訴訟物:(多) ⭐️A+ ​・裁判所がその存否を審理・判断すべき権利ないし法律関係 ​≒ 審判対象 ・​原告の被告に対する一定の権利ないし法律関係の主張 ​≒ 請求 ・​裁判所に請求の当否についての審判を求める原告の申立 ​≒ 訴え ​⇒ 訴訟物の特定 が問題  ※「審判対象」が重要  ③ 訴え:原告が裁判所に対し、被告との関係での請求を示してその当否につき審判を要求する要式の申立 ※要式:一定の手続きや記載事項が必要な、その方式 ④ 訴え提起の要式:訴状を裁判所に提出134Ⅰ ​⇒ 当事者及び法定代理人 ・ 請求の趣旨及び原因 を記載134Ⅱ ・​請求の趣旨​:訴えによって求める判決内容の確定的な表示 → 判決の主文に対応 ・​請求(の)原因​:請求を特定するのに必要な限度での権利関係とその発生原因事実 ⑤ 訴訟要件:本案の審理を続行して本案判決をするための要件⭐️書く(訴えの要件 ・ ≒ 訴訟条件) ​・訴訟要件具備 → 本案判決:請求の当否について判断する終局判決 ・​訴訟要件欠缺 → 訴訟判決:訴えを不適法として却下する終局判決(請求の当否の判断なし) ⑥ 当事者適格:当該訴訟物につき、当事者として訴訟を追行し本案判決を求めることができる資格⭐️Aランク  ・​当事者能力 → 一般的に主体たりうるか ​   (例)× 死者・胎児  ​・訴訟能力  → 単独で有効に訴訟行為ができるか​(例)× 未成年・重度知的障害  ​・当事者適格 → 当該事件に対して当事者に適するか​(例)× 知人・友人・他人 ⑦訴え提起の流れと効果 ⑴原告​:裁判所に訴状を提出 → 訴状を提出することによる実体法上の効果-時効の完成猶予、法律上の期間遵守 ⑵裁判所​:訴状受付、訴状審査、被告に訴状送付 ⑶被告​:訴状が送達される → 訴訟係属:特定の事件が審理中 ∵ 二当事者対立 ​・実体法上の効果-善意占有者の悪意擬制 ​・訴訟法上の効果-二重起訴の禁止、訴訟参加・訴訟告知・訴えの変更・反訴 が可能になる ⑷裁判所​:第一回口頭弁論期日の指定、当事者に通知 4 訴訟の審理 ①弁論主義 ⭐️ ​判決の基礎となる事実と証拠の収集・提出は当事者の権能かつ責任であるとする建前 ⭐️書く ⑴趣旨:私的自治の訴訟法的反映 ⑵ 処分権主義との区別 ​処分権主義​:手続外在的問題 → 訴訟の処分権限・入口又は出口の問題 ​弁論主義​:手続内在的問題 → 訴訟手続内部での審理の進め方の問題 ⑶職権探知主義:判決の基礎となる事実と証拠の収集・提出は裁判所の職責でもあるとする建前 ⑷弁論主義の内容 (a) 第1テーゼ ​裁判所は当事者が主張しない事実を判決の基礎とすることはできないとする原則 ​⇒ 主張責任、 事実 = 主要事実 第1テーゼが適用されるのは主要事実のみで 間接事実・補助事実には適用されない (b) 第2テーゼ ​裁判所は当事者に争いのない事実はそのまま判決の基礎としなければならないとする原則 ​⇒ 自白の拘束力、  ※第1テーゼと同じく、事実 = 主要事実 ≠ 間接事実・補助事実 (c) 第3テーゼ ​当事者間に争いのある事実を証拠によって認定する場合には当事者の申し出た証拠によらなければならない ②証明責任: ⭐️定義書けるように ある事実が真偽不明である場合に、その事実を要件とする自己に有利な法律効果が認められないことになる一方当事者の不利益 ⇒ 証明責任の分配:原則として、利益になる側の当事者が証明責任を負う ※真偽不明(=ノンリケット) ②口頭弁論(4つの意味。試験対策上は⑴だけ抑えればok): ⑴公開の法廷で、当事者双方の関与のもと、裁判所の面前で、口頭で弁論及び証拠調べを行って裁判資料を収集し、それに基づき裁判をする審理方式 ※ 定義を一言一句かける必要はないが「公開」「当事者双方の関与」「面前」「口頭」「審理方式」であるが重要 ​⇒ 公開主義・双方審尋主義・口頭主義・直接主義が審理手続の原則 + 必要的口頭弁論87 ⑵民事訴訟の審理手続(弁論手続及び証拠調べ手続) → 公判(手続):刑事訴訟の審理手続 ⑶民事訴訟における当事者の口頭での弁論 ⑷民事訴訟における個別の訴訟行為 ④ 訴訟の審理の流れ:弁論手続 → 証拠調べ手続 ​・訴訟行為:裁判手続を展開させていく当事者及び裁判所の行為 ⇒ 連鎖により手続が進行 ⑴本案の申立:当事者による訴訟物についての申立 (a) 本案:民事訴訟において付随的でなく主要あるいは主目的となる事項 (b) 申立:当事者が裁判所に対し一定の訴訟行為を求めること → 裁判所に応答義務あり ​(例)原告-請求の趣旨 → 被告-反対申立 ⑵攻撃防御方法の提出 ・​攻撃方法:原告の申立を基礎づけるための裁判資料 ・​防御方法:被告の申立を基礎づけるための裁判資料 (a)法律上の主張 → 効果​(例)貸金返還請求権が発生 (b) 事実上の主張 → 要件事実​(例)金銭授受及び返還・弁済期の合意、弁済期到来 (c) 相手方の認否 ​・否認:相手方の主張する事実を認めないとする陳述​ (例)海外住みで合意はない ​・不知:相手方の主張する事実を知らないとする陳述​ (例)そんな合意は知らない ・​自白:相手方の主張する自己に不利益な事実を争わない旨の陳述​ (例)確かに合意した ・​沈黙:相手方の主張する事実に対する認否を明らかにしないこと​ (例)・・・・ (d) 証拠の申出 ​⇒ 原告 → 被告 の順、以降は相互にも同時にも時系列順にも行う ⑶証拠調べ (a)種類:証人尋問・当事者尋問・鑑定・書証・検証 (b) 手続:証拠申出 → Cが採否決定 → 証拠調べ実施 → 真偽判断(不明なら証明責任)→ 判決 5 訴訟の終了 ①分類 ・ 当事者の意思による終了 → 処分権主義  -紛争解決基準を示さない     (分類)訴えの取下げ261   -紛争解決基準を示す     (分類)訴訟上の和解267(訴訟継続中に裁判官の前で和解した場合)、(原告の)請求の放棄・(被告の)請求の認諾266・267 ・当事者の意思によらない終了 → 終局判決  -紛争解決基準を示さない→訴訟判決     (分類):却下判決  -紛争解決基準を示す→本案判決     (分類)棄却判決 or 認容判決 ② 判決の分類 ⑴ 審理完結による分類 ​・中間判決:独立した争点について訴訟の進行過程で終局判決を容易にするために示される判決245 ・​終局判決:係属中の事件の全部又は一部につき当該審級の審理を完結させる判決243Ⅰ ⑵範囲による分類 ・​全部判決:同一訴訟手続で審理されている事件の全部を同時に完結させる終局判決 ​・一部判決:同一訴訟手続で審理されている事件の一部を切り離して完結させる終局判決243Ⅱ ​・残部判決:一部判決後にその残部に対して行われる終局判決243Ⅱ参 ​・追加判決:裁判の脱漏部分に関して行われる終局判決258Ⅰ参 (脱漏部分:裁判するのが漏れた部分) ※ 中間判決と一部判決の違い=一部判決は終局判決。一部判決は執行ができる。 一部判決の例:請求が2つあって1つだけ終局判決を出す場合。貸した金を返す請求と売買代金の支払いの請求があって、前者だけについて終局判決を出す場合 ⑶内容による分類 ・​本案判決:請求の当否について判断する終局判決 ​・訴訟判決:訴えを不適法として却下する終局判決(請求の当否の判断なし) ​・認容判決:原告の請求を理由ありとして認める判決 → 原告勝利(本案判決) ​・棄却判決:原告の請求を理由なしとして退ける判決 → 被告勝利(本案判決) ​・却下判決:原告の請求の審理をせずに打ち切る判決 → 強制終了(訴訟判決) ③判決手続の流れと効果 ⑴口頭弁論終結243Ⅰ ⑵判決書作成252改):判決言渡前に作成(刑訴は判決言渡後も可) ​→ 記載事項:主文(結論)、事実(請求+主張・争点)、理由、口頭弁論終結日、当事者等  ⑶判決の言渡し = 判決の成立 → 効力発生250 ​⇒ 判決の効力 ​自己拘束力​:当該裁判所を拘束 → 取消・変更できない ​羈(き)束力​:他の裁判所を拘束 → 移送先は元に戻せない・法律審は事実審の事実認定に拘束 ⑷上訴期間徒過 → 判決確定 5 判決の確定 ①既判力 ​確定判決の判断内容の後訴での通用力又は基準性 ​XがYに甲地所有権確認訴訟 → 認容 → YがXに甲地所有権確認訴訟 ​⇒ 既判力の問題 ​XがYに甲地所有権確認訴訟 → YがXに甲地所有権確認訴訟 ​⇒ 二重起訴禁止の問題 ​⇒ 後訴裁判所は職権で既判力の存否を調査(職権調査事項) ⑴ 趣旨:法的安定要求 ・ 手続保障要求 ⑵作用 ​消極的作用:当事者は既判力の生じた判断を争うことは許されない ​→ 排斥 ​積極的作用:裁判所は既判力で確定された判断に拘束 ​→ 既判力の判断を前提に審判 ⑶既判力の範囲 ​主観的範囲​:原則として、当事者間115Ⅰ一 ​客観的範囲​:原則として、判決主文中の判断114Ⅰ ​基準時​:事実審の口頭弁論終結時 ②確定判決の効力 ・​形式的確定力:当事者間で争うことができなくなる効力 → 通用力・実質的確定力の前提 ​・実質的確定力:判決の内容に基づいて発生する拘束力 ≒ 内容的効力 ​  ・付随的効力:参加的効力46、争点効?・反射効? ​  ・本来的効力     ・既判力 ​    ・執行力:判決内容を強制執行手続により実現できる効力 ​    ・形成力:判決内容どおりの新たな法律  関係の発生・変更・消滅を生じさせる効力 → 第三者に効力

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    第二編 民事訴訟の主体 第3章 裁判所

    1 裁判権と管轄 ​・民事裁判権、管轄、事務分配、裁判機関の適格 → 問題なければ特定の裁判所による裁判が可能 ※ 事務分配はBランク ◻ 裁判権 ①裁判権:具体的事件を裁判によって紛争処理する国家権力 → 民事裁判権-民事訴訟 ②民事裁判権の範囲 ​・人的範囲:原則、人(外国人・法人含む)      ・例外-外国元首・天皇(判例) ・​物的範囲:原則、日本国内 ​    ・例外-外国関連3の2 + 条理(判例)による ③効果 ⑴民事裁判権は訴訟要件 → 欠缺-不適法として却下 ⑵民事裁判権は職権調査事項・職権探知主義が妥当 →  処分権主義・弁論主義は妥当しない ⑶民事裁判権は上訴事由であるが再審事由ではない ◻ 管轄 ①管轄:裁判所間の裁判権の分掌の定め ⑴趣旨:適正・公平と迅速・経済の調和 ⑵関連用語 a)管轄権​:裁判所からみた事件を処理できる権限の範囲 b) 管轄裁判所​:特定の事件からみたその事件を処理できる裁判所 c) 管轄の利益​:当事者が不利ではない一定の裁判所で裁判を受けられる保障 d) 受訴裁判所​:判決手続を主催し裁判を行う裁判所 e) 執行裁判所​:強制執行手続を行う裁判所 ② 管轄の種類 ・職分管轄(審級管轄):発生根拠は法定管轄で専属管轄 ・事物管轄及び土地管轄の発生根拠は法定管轄、合意管轄、応訴管轄で任意管轄 ⇒基本は法定かつ強制 →内容によって任意も可 ⑴対象・目的による分類 a) 職分管轄:各裁判所に種々の司法作用を分担させる定め​(例)簡裁-督促・家裁-家事事件 b) 審級管轄:各審級の裁判所の分担の定め​(例)一審-簡裁or 地裁 c) 事物管轄:地裁または簡裁の分担の定め ​140万を超えない請求 ​→ 簡易裁判所 ​140万を超える請求 ​ → 地方裁判所 d) 土地管轄:事件をどの土地の裁判所が分担するかの定め​​ (例)東京地方裁判所 ​・裁判所の数:最高裁1 東京、高裁8 大都市、地裁・家裁50 各都道府県、簡裁400各地域 ​・裁判籍:当該事件を特定の裁判所の管轄として結びつける関連地点 ​⇒ 土地管轄を決定 → 複数考えられる ​・普通裁判籍:一般的に認められる裁判籍 → 被告の生活の本拠地4Ⅰ​⭐️(例)被告の住所 ​・特別裁判籍:特別に認められる裁判籍   ・​独立裁判籍:他の事件と無関係に独立に認められる裁判籍​(例)不法行為地5 ​  ・関連裁判籍:他の事件との関連から認められる裁判籍​(例)併合請求7 ​・独立裁判籍5 ※6条などは出ない。以下の4つを覚えれば試験対策はok ​ ・財産権上の訴え5Ⅰ一 ​→ 義務履行地    ※持参債務で覚えると良い  ・​不法行為に関する訴え5Ⅰ九 ​→ 不法行為があった地 ​ ・不動産に関する訴え5Ⅰ十二 ​→ 不動産の所在地  ​ ・登記または登録に関する訴え5Ⅰ十三 ​→ 登記または登録すべき地 ​・関連裁判籍7 ​ ・訴えの客観的併合 ​→ どれか1つの請求に管轄があれば他の請求の管轄も認める ​ ・共同訴訟 ​→ 共同被告人の間に緊密な牽連関係があれば認める ⑵発生根拠による分類 ・​法律の規定 ​→ 法定管轄 ・​当事者の意思 ​→ 合意管轄・応訴管轄 ​・裁判所の指定 ​→ 指定管轄 (a) 法定管轄:法律の規定により直接定まる管轄 ​⇒ 職分管轄(強制) → 事物管轄(任意可) → 土地管轄(任意可) (b) 応訴管轄:被告の応訴により生じる管轄 ​・応訴:原告からの提訴に対し被告が防御行為を行うこと12 ​(例) 口頭弁論期日に弁論・答弁書提出 → × 却下申立・単なる棄却申立では「防御行為」に当たらない、〇 理由付棄却申立は「防御行為」に当たる ​⇒ 効果:管轄が生じる(土地管轄に反しても生じる・専属管轄は除く) (c) 合意管轄:当事者の合意によって生じる法定管轄と異なる管轄11 ​・要件⭐️合意管轄の要件は試験に出る ​ ⅰ専属管轄の定めがない13Ⅰ  ⅱ第一審の管轄裁判所の合意11Ⅰ ​ ⅲ「一定の」法律関係に基づく訴え11Ⅱ = あまりにも不明瞭なものはいけない→基本たる法律関係の特定 ≠ 訴訟物たる権利法律関係の特定までは不要 ​(例)× 甲乙間の一切の損害賠償請求では「一定の」とは言えない ・ 〇 甲乙間のA地の賃貸借契約に基づく全ての訴訟であれば「一定の」と言える ​ ⅳ書面(電磁的記録を含む)による11Ⅱ・Ⅲ ​ ⅴ不当でない(条文にはないが解釈上) → ×全裁判所に管轄があるとするのは不当→認められない ∵管轄の利益(解釈) → 管轄裁判所の指定が必要(実務) ・合意の種類 ​ ・付加的合意:合意管轄の裁判所 + 法定管轄 の裁判所(法定管轄裁判所に合意管轄裁判所を付け加える) ​→非専属的合意管轄裁判所 を選定 ​ ・専属的合意:合意管轄の裁判所 ​→ 専属的合意管轄裁判所 を選定 ​(例)被告-東京在住、原告-名古屋在住、義務履行地-大阪の債権について請求  ・​法定管轄:普通裁判籍-東京、特別裁判籍-大阪(応訴管轄-福岡で訴え → 被告が応訴-福岡) ​ ・合意管轄:付加的合意(名古屋)-東京・大阪・名古屋、 専属的合意(名古屋)-名古屋 ・効果:直接に訴訟法上の管轄権の発生・消滅 ⇒ 〇 応訴管轄・移送は認められる Q 管轄の合意が付加的合意か専属的合意か不明な場合 ⑴結論​:あえて合意 → 専属的合意 ⑵不当な場合(例:経済的に優位な方が不当に決めている場合)​:民90類推や移送20Ⅰで対処  ※移送で対応できる点がポイント Q 管轄の合意に民法の意思表示に関する規定の類推適用が認められるか ⑴問題の所在​:訴訟行為 → 訴訟能力が必要 ≠ 行為能力 ⑵結論​:民法の意思表示の規定の類推適用を認める ⑶理由​:管轄の合意は取引の一環として行われるのが通常 → 実体法上の契約と共通 d) 指定管轄:管轄裁判所が決まらない場合に上級裁判所が裁判によって定めた管轄10 (例:管轄裁判所の裁判官が全員病気になった) ⑶強制の有無による分類 ​・専属管轄:当事者の意思で変更することができない管轄 ​→ 職分管轄・審級管轄 ​・任意管轄:当事者の意思で変更することができる管轄 ​→ 事物管轄・土地管轄 ③管轄権の調査 ⑴ 管轄権の性質:訴訟要件(これがないと本案判決が出せない) →⭐️職権調査事項・職権探知主義 が妥当 ∵ 公益的要請が強い  注)任意管轄 → 争いがなければ積極的探知は不要 ∵ 弁論主義 ⑵管轄の基準時:訴え提起の時(=訴状提出時)15・134Ⅰ ∵ 手続の安定 (例)訴状の提出時に被告が大阪に住んでいれば普通裁判籍は大阪 ⑶ 調査の結果 (a) 管轄権がない ⇒ 決定により管轄権がある裁判所に移送16Ⅰ(却下にはならない。(刑訴では却下)) (b) 管轄権がない + 判決を出した  ・専属管轄違反 ⇒ 〇 控訴事由299Ⅰ・上告事由312Ⅱ三にはなる、× 再審事由338Ⅰにはならない(=確定により治癒) ​ ・任意管轄違反 ⇒ 上訴審で主張できない299Ⅰ(=一審判決で治癒) ④移送:ある裁判所に生じている訴訟係属を当該裁判所の裁判によって他の裁判所に移すこと ・​管轄違いに基づく移送 - 裁判所に管轄権なし → 当然に移送 ・​管轄裁判所による移送 - 裁判所に管轄権あり → 必要性があるため移送 ⑴管轄違いに基づく移送16Ⅰ:申立または職権で移送 → 受移送裁判所で訴訟係属 ⑵管轄裁判所による移送:遅滞・当事者間の衡平17、特許20の2、地裁への裁量移送18 等 ⑶ 手続: ・申立または職権で、期日を除き書面で行う(規則7Ⅰ) ・移送決定または却下決定に対し即時抗告可21 ⑷ 効果: ・受移送裁判所を拘束・訴え提起時から受移送裁判所で訴訟係属とみなされる ・× 更に他の裁判所に移送することはできない22 ​⇒ 移送の趣旨: 移送がないと再訴提起のための手間と費用がかかる・時効の完成猶予や期間厳守の効果の確保 ◻ 事務分配 ①事務分配​:管轄裁判所内での受訴裁判所の決定​(例)東京地裁 → 民事1部、本庁 or 支部 ​⇒ 不服申立不可 ②支部​:高裁・地裁・家裁 に設置 ​⇒ 支部担当地域の事件は原則支部が担当、 × 人事権・簡裁の控訴事件・行政事件・複雑な事件? 2 裁判機関の適格 B+(形訴とパラレル) ◻ 裁判機関の構成 Bランク(試験で問われることはない) ①裁判所(多義語) ​・裁判官によって構成され司法権を行使する国家機関及びその庁舎 ​→ 一般 ​・裁判官及び裁判所職員によって構成される官署としての裁判組織 ​→ 官署としての裁判所 ​裁判機関としての具体的な訴訟手続を実施する主体としての裁判体 ​→ 裁判機関としての裁判所 ②各裁判所の役割と構成 ・最高裁判所 (権限)上告及び特別抗告、終審裁判所、憲法適合性の最終判断 (構成)合議制(大法廷15・小法廷5) ・高等裁判所 (権限)地裁判決の控訴審(第二審)、簡裁判決の上告審(第三審) (構成)合議制(原則、3人) ・地方裁判所 (権限)第一審(140万を超える請求)、簡裁判決の控訴審(第二審) (構成)原則、単独制 / 例外、合議制 ・簡易裁判所 (権限)第一審(140万を超えない請求)、民事調停、訴え提起前の和解 (構成)単独制 ・家庭裁判所 (権限)家事事件(例:遺産)、人事事件(例:離婚)、家事調停(家事事件・人事事件の調停) (構成)原則、単独制  例外、合議制 ③裁判官の役割 ⑴裁判長:合議制-合議体内の1人が行使・単独体-当該裁判官が行使  ・​合議体代表:口頭弁論指揮148・釈明権行使149・証人尋問等202等 ​⇒合議体に監督される ​ ・裁判長独自:期日指定93Ⅰ・外国送達108改)・訴状審査137等 ​⇒ 上級審の審査 ⑵陪席裁判官:合議制-裁判長以外 → 評決、裁判長に告げて質問、受命裁判官  ※試験対策上は陪席裁判官は無視してもok ⑶受命裁判官:嘱託を受けた受訴裁判所の裁判官 ​⇒ 和解・弁論準備手続・裁判所外の証拠調・訴え提起後の証拠保全 → 〇 裁判長や複数で行う ⑷受託裁判官:嘱託を受けた受訴裁判所以外の裁判官 ◻ 裁判機関の適格 B+ ① 裁判機関の適格:除斥・忌避・回避 → 不適格な裁判官を排除 ∵ 国民の信頼の確保 ② 除斥23:法定の除斥事由がある場合 → 法律上当然に排除​​(例)親族・証人 ⑴ 23Ⅰ六:不服を申立てられた「前審」の裁判に「関与」 ∵ 予断排除 ➢ ・前審=下級審   ・関与=〇 評決及び裁判書の作成は関与に該当  ・×口頭弁論指揮・証拠調べ・裁判の言渡しのみの場合は関与に該当しない ⑵ 効果:当該裁判官を排除 → 関与した場合、〇 上告事由・再審事由となる ③ 忌避24:裁判の公正を妨げるべき事情がある場合 → 当事者の申立により排除 ​(職権では排除されない)(例)恋人 ​〇 該当する場合: 利害関係がある・当事者の一方に助言した経験 ​× 該当しない場合: 裁判官の訴訟指揮・同種または関連の事件に判決 ⑴ 手続(除斥・忌避共通)25 (a) 訴訟手続停止26 + 該当裁判官を除いた合議体が決定で裁判 → 除斥-確認的・忌避-形成的 (b) 理由があるとする決定 → × 不服申立はできない⭐️よく出る(〇 理由ないとする決定には即時抗告できる) ⑵効果:当該裁判官を排除 → 関与した場合、〇 上告事由・再審事由となる ④回避(規則12):裁判官自身が忌避理由ありと判断した場合 → 当該裁判官自身の申立により排除

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    12/17第4章 当事者 1当事者とその確定 2当事者能力 3訴訟上の代理

    1 当事者とその確定 ​・当事者の確定 → 当事者の能力 → 拡張・補充 ⇒ 問題なければ特定の当事者による裁判が可能 ①二当事者対立の原則:民事訴訟では対立する当事者の存在が不可欠という原則 ∵ 紛争解決 ​・内容:当事者の存在 → 訴訟要件・職権調査事項 ・​欠缺:訴訟終了  → 訴え却下、    看過して判決 → 取消可・確定しても無効  (例:一方当事者が訴訟途中で死んだ(相続人がいれば訴訟承継人となり継続する場合も)) ②当事者:訴え、または訴えられることによって、判決の名宛人となるべき者(形式的当事者概念) ⭐️書けるように。「判決の名宛人」がポイント ⑴判決の名宛人:判決に名前が載る者 ≒ 判決の効力の及ぶ者 →権利義務の主体として主張されている者が当事者となるという、実質的当事者概念を否定 ⑵当事者の確定 → 当事者能力・訴訟能力・当事者適格・除斥原因・既判力・二重起訴 の判断に必要 ​⇒ 訴訟の当初から問題 ∴ 訴え提起の最初の段階から明確に確定することが必要 Q 当事者の確定をいかなる基準ですべきか⭐️Aランク ⑴ 問題の所在:訴訟要件・裁判籍等 → 最初から明確に確定が必要 ⑵結論:訴状の当事者欄のみならず請求の趣旨等一切の訴状の表示を合理的に解釈(実質的表示説) ⑶ 理由:基準として明確 ・ 訴え提起後ただちに判断できる ・ 具体的妥当性がある ⑷あてはめ ​・当事者が不確定 → 却下 ・​当事者が確定  ​実際の訴訟進行者と別人 ​→ 当事者の変更 が必要  ​実際の訴訟進行者と同一人物(名称が異なる) ​→ 表示の訂正  が必要 ③当事者の確定における諸論点 ⑴冒用:名義の権利者の許可なくその名称等を使用すること → 氏名冒用訴訟 ▪️原告側の冒用 (訴訟係属中に判明) 追認なき限り却下 (※当事者の確定はされている) ∵ 無権代理と同視 (判決後に判明) 被冒用者に判決効が及ぶ → 被冒用者は上訴・再審可 ∵ 実質的表示説(当事者として確定されたものに判決効は及ぶ)・無権代理の一種 → 312Ⅱ四・338Ⅰ三 ▪️被告側の冒用 (訴訟係属中に判明) 冒用者を排除 → 期日再指定後訴状送達 ∵ 被告に変化なし (判決後に判明) 原告側の冒用の場合と同じ ⑵死者名義訴訟 ⭐️Aランク(民事訴訟は数年かかることが多く実務でも当事者が死亡することある): 当事者が死亡した場合(一身専属権(離婚など)を除く) ▪️訴え提起時に判明: 却下 ∵ 二当事者対立の原則 ▪️訴訟係属中に判明: 係属中または同視できる時に死亡 → 当然承継124Ⅰ一(参) 係属前に死亡し相続人が訴状受領・応訴 → 任意的当事者変更可 ▪️判決後に判明: 原則、無効 但し、相続人に及ぶ場合あり ∵ 信義則2Ⅰ ⑶当事者の表示の過誤:表示上異なる・同一人物 ⇒ 表示の訂正 → 任意的当事者変更 も問題  [事例] ➢ XがY社ことZを被告として訴え提起 ∵ Y社を被告とするには登記がなかったため → 第一審中に登記があったことが発覚した ​⇒ ZからY社に表示の訂正可 ∵「Y社ことZと」いう表示を実質的にY社を表示したと解釈できる 2 当事者の能力 ①当事者の能力の概要 ⑴適切な判決の名宛人として必要な能力 (a) 訴訟要件:本案の審理を続行して本案判決をするための要件 ​(例)裁判権・管轄・当事者能力・当事者適格等 ∵ 裁判制度の合理的・円滑な運用 (b) 当事者能力:民事訴訟において当事者となることのできる一般的能力(資格) ​(例)〇 自然人・法人、 × 死者、  ∴ 権利能力類似​→ 一般的に判断 (c) 当事者適格:当該訴訟物につき当事者として訴訟を追行し本案判決を求めることができる能力(資格) ​(例) 〇 訴訟物たる債権の債権者・債務者、  × 債権者の恋人 ​→⭐️訴訟物毎に判断 ⑵ 訴訟追行者として必要な能力 (a) 訴訟能力:自ら単独で有効に訴訟行為をなしまたは相手方や裁判所の行う訴訟行為を受けうる能力 ​(例) 〇 成年 × 未成年・重度知的障害 ∴ 行為能力類似←本人の権利保護 (b) 弁論能力:訴訟手続に関与して実際に有効な訴訟行為を行いうる能力 ​(例) 〇 弁護士、  × 十分な弁論ができないと裁判された者 ∵ 手続の安定と円滑迅速な進行 ② 当事者能力 ​民事訴訟において当事者となることのできる一般的能力(資格)  ⭐️書けるように ⑴原則:特別の定めがある場合を除き、民法その他の法令に従う28 → 民法上権利能力があれば当事者能力もある→〇 自然人・法人・胎児等 ⑵権能なき社団:代表者等の定めがあれば当事者能力が認められる29 (a) 趣旨​:紛争解決・手続の簡便・迅速 (団体の当事者能力が認められないと構成員全員訴えなければならないがそれは不便、非効率)⭐️趣旨も書けるように (b) 社団の成立要件​:≒ 民法 + 定款等に代表機関の定め(なければ特別代理人の選任35Ⅰ) (c) 判例​:町内会、設立中の会社、入会団体 Q 民法上の組合は29条の「社団」に含まれるか ⑴事例​:建築会社のジョイントベンチャー(共同事業) ⑵問題の所在​:実際の峻別が困難ないし不可能 ⑶判例​:組合も29条の「社団」に含まれる ⑷理由​:29条の趣旨妥当 ⑸訴訟追行の形式 ​・組合を当事者 ​→ 代表者が訴訟追行 ​→ 組合財産に判決の効力 ​・任意的訴訟担当 ​→ 授権による訴訟担当者が訴訟追行 ​→ 各組合員に判決の効力 (d) 判決の効力:団体について生じる + 当然には構成員に及ばない(但し、115Ⅰ二) ⑶⭐️当事者能力の効果:訴訟要件のひとつ ​⇒ 職権調査事項 + 職権探知主義が妥当、欠缺あれば却下、口頭弁論終結時を基準に判断 Q 欠缺を看過してなされた判決の効果 Bランク ​判決確定前:〇 控訴事由・上告事由(281・312Ⅱ四・318Ⅰ) ​判決確定後:団体の実体及び手続関与があれば認められる(学説) ∵ 法的安定 ※自然人なら死んだりするとわかる。問題になるのは団体の場合。裁判で審理してきたのだから、団体の実体等はあると裁判所が考え、関係者も関与していたということが背景にある ◻ 訴訟能力 ① 訴訟能力 ​自ら単独で有効に訴訟行為をなし、または相手方や裁判所の行う訴訟行為を受けうる能力(資格) ​⇒ 行為能力に類似 ​ (例)〇 成人、     × 未成年・重度知的障害 ⑴趣旨​:本人保護 ⑵欠缺の効果​:⭐️訴訟行為の無効(not 取消しうる → 民法と区別・「確定的に」なし) ⑶ 必要な者​: 〇 当事者・法定代理人・補助参加人 × 訴訟代理人・証人等 ⑷必要な行為​:訴訟手続(訴訟外または訴訟開始前も含む) → 管轄の合意・訴訟代理権の授与等 ②原則:特別の定めがある場合を除き、民法その他の法令に従う28  → ⭐️行為能力者はすべて訴訟能力者となる ⑴絶対的訴訟無能力者:未成年者・成年被後見人 ・​原則:⭐️訴訟能力を有しない → 法定代理人によってのみ31 ・​例外:独立して法律行為をなしうる未成年者(営業の許可(民法6)等)、人事訴訟 ⑵ 制限的訴訟能力者:被保佐人・被補助人 ​・原則:同意が必要 →被保佐人13Ⅰ四   ・同意を要するとされた被補助人17Ⅰ ・​例外:応訴 - 同意不要(短答出る)、      重大な処分的訴訟行為(取下・和解・放棄・認諾)- 特別の授権必要32 ③効果:個々の訴訟行為の有効要件34 (訴訟能力は訴訟要件ではない(通説))∵ 手続の安定  ※訴訟要件=裁判所が本案判決を可能とするための前提要件 ​⇒ 欠缺の場合、はじめから無効 ⑴追認:法定代理人または回復した本人が可能 → 行為の時に遡って有効34Ⅱ ​⇒ ⭐️一括してなされる(追認すればすべての訴訟行為が遡って有効になる)  ∵ 手続の安定・相手方保護 ⑵補正命令:裁判所は欠缺の場合に一定の期間を定めて補正(欠陥のない訴訟追行)を命じる34Ⅰ ④欠缺の取扱 ⑴訴訟成立時(訴え提起・訴状受領時)に既に欠缺 → 追認なき限り却下 ∵ 訴訟要件欠缺 ​⇒ 適法な訴訟係属は訴訟要件 ※ 訴訟能力は訴訟要件ではないが、訴訟能力がないということは有効な訴えの提起や訴状受領がないので、訴訟要件欠くこととなる。 ➢ 訴訟無能力が看過された第一審の棄却判決に対し訴訟無能力者が控訴した場合 ⇒ 原判決取消かつ原審差戻 ​∵ 訴訟無能力者保護 - 控訴行為を無効として却下 → 第一審確定 は妥当でない ⑵訴訟成立後に欠缺が生じた → 受継するまで中断 + 欠缺後の個々の訴訟行為は無効 ◻ 意思能力・弁論能力  Bランク ①意思能力 → 必要(判例) ​(例)× 極度の泥酔者 ​⇒ 欠缺の場合:訴訟行為不成立(追認も不可) ② 弁論能力:訴訟手続に関与して実際に有効な訴訟行為を行いうる能力 ⑴趣旨:手続の安定と円滑迅速な進行 ⑵原則:弁論能力者 = 訴訟能力者)(訴訟能力があれば弁論能力を認める) ∵ 本人訴訟を認める・弁護士強制主義を否定 ⑶訴訟上の取扱:裁判所が弁論能力がないと判断 → 陳述禁止の裁判ができる155Ⅰ ​⇒ 看過の場合や排斥しない場合でも訴訟行為・判決は有効 3 訴訟上の代理 訴訟上の代理制度の概要 ①訴訟上の代理:訴訟の拡張・補充の制度 → 民法上の代理制度に対応 ​・訴訟無能力者 → 訴訟活動の補充(民-私的自治の補充) → 法定代理人(民-法定代理) ・​訴訟能力者  → 訴訟活動の拡張(民-私的自治の拡大) → 任意代理人(民-任意代理) ②趣旨 ​必要性:(訴訟能力者の)拡張 ・ (訴訟無能力者の)補充 ​許容性:原則として訴訟行為は代理に親しむ(専門的な話だから)・弁護士代理の原則54Ⅰ ∵ 円滑迅速な訴訟運営 ③訴訟上の代理人 Aランク⭐️書く ​本人の名において、本人に代わって自己の意思に基づき訴訟行為をし、またはこれを受ける者 ※「本人の名において」がポイント ④訴訟上の代理人の種類 ⑴法定代理人:本人の意思に基づかない ​⇒訴訟無能力者の補充 (例:未成年者)  →本人の訴訟追行が不可  →本人の身代わり的地位(ほとんど本人として訴訟行為を行う) ​ → 実体法上の法定代理人・訴訟法上の特別代理人・法人等の代表者 ⑵任意代理人:本人の意思に基づく​⇒訴訟能力者の拡張  → 本人の訴訟追行が可能 →第三者的地位  ​→ 法令による訴訟代理人・ 訴訟委任による訴訟代理人(例:弁護士) ⑤代理権 ⑴民法との差異:手続安定のため明確化・画一化  ・​授権:書面による(規則15・23)  ​→ 民法:不要式 ・​消滅:相手方への通知が必要36・59   ​→ 民法:消滅事由 ​・範囲  ・​法定代理​:民法の規定28 ​   → 民法:明文  ・​訴訟代理人(任意代理人)​:明文55 → 民法:合意解釈 ⑵効果:個々の訴訟行為の有効要件 → 欠缺の場合、無効。但し、 補正・追認がありうる34・59 ​⇒ 訴訟成立時に欠缺 → 訴え却下、職権調査事項、 ◯ 看過した場合の上訴・再審 ➢ 訴訟委任による訴訟代理人(典型例:弁護士)が双方代理した場合の訴訟行為の効力 ​⇒ 違反の事実を知った後等に、遅滞なく異議を主張しなければ無効の主張ができない ◻ 法定代理人 ①法定代理人:本人の意思に基づかない訴訟上の代理人 ・​実体法上の法定代理人: 28による代理人​→ 親権者・後見人 ​・訴訟法上の特別代理人:裁判所が選任する代理人 → 訴訟無能力者35・証拠保全手続236 ②地位 ⑴ 第三者性:本人に効果帰属 ​⇒ 裁判籍・除斥等の基準は本人 ⑵ 本人性:本人に準じた扱い ​⇒ 訴状・判決書に本人と共に表示、送達・期日の出頭・当事者尋問を受ける、中断事由の基準 ③範囲:実体法の定め → 原則、一切の訴訟行為 ④法人等の代表者:法人等の名で自己の意思に基づき行為をしその効果が法人等に帰属する関係にある者 ​(例)代表取締役、 権能なき社団の代表機関、 農業協同組合の代表理事(判例) ⑴地位:法定代理人に準じる37 ⑵代表者の証明:書面による → 通常、商業登記簿謄抄本 Q 実体法上の表見代理の規定は訴訟行為に類推適用されるか ⑴事例:法人に訴え提起 → 登記簿上の代表取締役Aと訴訟追行 → Aは実は部長だった ⑵問題の所在:権利外観法理 ⑶判例:類推適用されない→ 補正なき限り却下 ⑷理由 (a) 表見代理の規定は取引安全のため → 手続の安定を重視すべき訴訟行為には適用すべきでない (b) 商法24・会社法13が訴訟行為を除外 ◻ 任意代理人 ① 任意代理人:本人の意思に基づく訴訟上の代理人 ・​法令上の訴訟代理人​:法令で一定の地位につくことにより訴訟代理権を付与された者 ・​訴訟委任に基づく訴訟代理人​:特定の訴訟のために訴訟代理権を付与された者(典型:弁護士)    ​・訴訟代理人:⑴ 任意代理人  ⑵ 訴訟委任に基づく訴訟代理人 ②法令上の訴訟代理人 ⑴典型例:支配人(商21Ⅰ・会社11Ⅰ)・支店長、 船長(商708Ⅰ) ⑵地位:法定代理人に類似しているがあくまで任意代理人 (択一) ⑶範囲:原則、訴訟委任による訴訟代理人と同様 ​⇒ ・× 弁護士代理の原則が適用されない   ・代理権消滅58が適用されない   ・上訴等につき特別な授権適用されない ③訴訟委任に基づく訴訟代理人 ⑴弁護士代理の原則:原則、弁護士でなければならない54Ⅰ (a) 趣旨:当事者の利益保護+審理の円滑化と充実 (b) 例外:簡易裁判所では許可を得れば弁護士以外も可 Q 非弁護士の訴訟行為の効力 ⑴判例:無効 + 追認あれば有効 ⑵理由:弁護士代理の趣旨 → 無権代理 ⑶ 訴訟委任:特定の事件につき訴訟上の代理権を授与する本人の単独行為たる訴訟行為(委任契約と別)  (a) 本人に訴訟能力が必要(法定代理人も可能かつ必要)  (b) 代理人は代理権の存在及び範囲を書面で証明しなければならない(法定代理人も同様・規則23Ⅰ) ⑶訴訟追行上の地位 ▪️法定代理人: ・本人の身代り的地位 ・代理人の表示〇 訴状及び判決書の必要的記載事項 ・送達:法定代理人に対して行う ・本人の更生権:無し ・証人適格等:当事者尋問の対象211 ・代理人死亡:〇 中断事由124Ⅰ三 ▪️任意代理人 ・第三者的地位 ・代理人の表示× 必要的記載事項ではない ・送達:本人に対して ・本人の更生権:〇 ・証人適格等:証人・鑑定人の対象 ・代理人死亡:× 中断事由にはならない ⑷ 訴訟代理権 (a) 原則:包括的・画一的に法定された一切の訴訟行為55Ⅰ + 原則、制限されない55Ⅲ   ∵ 弁護士代理 (b) 例外:重要な処分的訴訟行為(特別委任事項)は個別的委任を要する ​・特別委任事項55Ⅱ:反訴提起・取下・和解・放棄・認諾・上訴等 ※55Ⅰの「反訴」は弁護士が反訴をすることができるという意味ではなく、弁護士が訴えを提起し、相手からの反訴に応訴できるという意味 (c) 個別代理の原則:複数の訴訟代理人がいる場合、各自が全面的な代理権56 (d) 消滅:相手方への通知が必要 + 消滅事由-死亡・後見開始・破産手続開始・解任・辞任等 ​⇒ 当事者の死亡等により訴訟代理権は消滅しない58  ∵ 弁護士代理

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    第三編(12/17訴提起から)訴訟の開始 第5章 訴え提起 B➕

    1 訴えの概念と種類 ◻ 訴えの概要 ① 訴え:原告が裁判所に対し被告との関係での権利主張を示し、その当否につき審判を要求する要式の申立 ​⇒ 裁判所の特定、 当事者の明示、 訴訟物の特定、 審判形式の明示 が必要 ​⇒ 訴え提起により開始 → 訴えなければ裁判なし(処分権主義) ② 訴えの種類 ​・訴えの三類型 ​→ 一般的な種類 ≒ 三類型 - 給付の訴え・確認の訴え・形成の訴え  ​・形式的形成訴訟​→三類型に属しない特殊な訴え ③ 判決の種類 ​・給付判決:被告に対して一定の給付を命ずる判決 ​・確認判決:争訟対象たる権利または法律関係の存在・不存在を確認する判決 ​・形成判決:法律関係を直接発生、変更または消滅させることを目的とする判決 ◻ 訴えの三類型 ① 給付の訴え:原告が被告に対し給付請求権を主張して、裁判所に対し被告に対する給付判決を求める訴え ⑴給付:被告たる債務者の作為・不作為​(例)金銭支払・物引渡・登記・騒音だすな ⑵種類:現在の給付の訴え ・ 将来の給付の訴え → 履行期到来の有無 ⑶訴えの三類型と判決の効力 写真 ⑷引換給付判決:原告が反対給付を履行することと引換えに被告に対して給付を命じる判決 ​(例)XがYに100万請求 → YはXからの車の引渡しと引換えにXに100万支払え ​→ 被告の給付義務が先履行にない + 権利抗弁の提出が認められた場合 ​⇒ 一部認容判決(実質敗訴・一部敗訴) ②確認の訴え:特定の権利・法律関係の存在または不存在を主張してそれを確認する判決を求める訴え ​(例)所有権確認の訴え・債務不存在の訴え ⑴ 問題点​:対象が無限に拡大しうる → 確認の利益 が必要 ⑵特徴​:予防的機能 (紛争の悪化を防止する機能) ⑶判決の効力:既判力のみ(執行力なし) ③形成の訴え:一定の法律要件に基づく法律関係の変動を主張し、その変動を宣言する形成判決を求める訴え ​(例)離婚(民770)、婚姻の取消(民743)、株主総会等の決議の取消(会831) ⑴ 趣旨:法律関係の高度な安定 ⑵ 特徴 ・​形成要件​:既存の法律関係を変化させたり、新たな権利関係を発生させたりする法律要件  ※ 形成の訴えは、この形成要件が満たされていることを主張し、その変動を宣言する判決を求める訴訟(cf.形成権-意思表示) ​・形成力​:形成判決の確定によって法律関係が変動(cf.確認-既に変動したのを確認) ​・対世効​:第三者に対しても効力(cf.原則、判決の効力は当事者間) ⑶判決の効力:既判力と形成力 ◻ 形式的形成訴訟 ①形式的形成訴訟:形成訴訟の形式をとるが実体法に明確な形成要件の定めがなく実質上非訟事件である訴訟 ​→ 形成要件がない形成訴訟 → × 三段論法での結論 → 実質、非訟手続 ​⇒ 処分権主義・弁論主義・証明責任等は不適用 ​(判例通説) 共有物分割の訴え(民258)、 父を定める訴え(民773)、 境界確定訴訟 ②境界確定訴訟:隣接する土地の境界が不明なため争いがある場合に判決による境界線の確定を求める訴え Q 境界確定の訴え(境界確定訴訟)の法的性質 Aランク ⑴ 問題の所在:明文なし + 紛争解決の必要性あり ⑵判例・学説 ・新堂説(反対説) (法的性質)所有権確認訴訟 (理由)境界は所有権の範囲を定める + 定めなければ無意味 ・判例・通説 (法的性質)形式的形成訴訟 (理由)・私的所有の単位であると同時に課税上・公法上の単位でもある → 固定資産税の基準・行政区画の線引きとなる ・所有権の範囲の確定には所有権確認の訴えを同時に提起すべき ・当事者の主張に拘束・請求棄却は不適当 ③境界確定訴訟の特徴(形式的形成訴訟説・判例) ⑴処分権主義を制限 ​・当事者:特定の境界線の明示は不要、 合意による確定は不可 ​・裁判所:当事者の申立てた境界線に拘束されない、 請求の認諾・和解は不可 ​→ 訴えの取下・放棄は可 ⑵弁論主義の排除  ​→ Cは当事者の自白に拘束されない ⑶ 証明責任の不適用 ​→ 請求棄却は不可・合目的的な境界線の確定が必要 ⑷不利益変更禁止の排除​→ 控訴審は一審判決に拘束されない ​・筆界特定制度:申請によって筆界特定登記官が公法上の境界を特定 ​⇒ 境界確定訴訟を優先、 筆界特定の資料を引用 ∴ 通常同一の結論 ④ 境界確定訴訟の当事者適格 Q 境界確定訴訟につき当事者適格の認められる者 ⑴ 問題の所在​:形式的形成訴訟 → 土地所有権と無関係 + 境界の公益的側面を重視 ⑵ 判例・通説​:境界と隣接する土地の所有者 ⑶理由​:最も密接な利害関係を有する → 訴訟追行・本案判決にふさわしい Q 境界に接する部分のみを一方当事者が時効取得した場合、当事者適格が認められるか ⑴ 問題の所在​:当事者は境界と隣接する土地の所有者でなくなる ⑵判例​:当事者適格を肯定 ⑶理由​:境界に争いある隣接する土地の所有者同士という関係は不変・登記の前提としても境界を確定する必要 Q 土地全部を一方当事者が時効取得した場合、当事者適格が認められるか (1) 問題の所在​:土地の所有者でなくなる (2) 判例​:当事者適格を否定 (3) 理由​:隣接する土地の所有者でない ∵ 所有権自体がない 2 訴え提起の手続 ◻ 訴え提起行為 ①訴えの提起:訴状を裁判所に提出するという要式行為 ​原則:訴状を裁判所に提出134Ⅰ ​例外:簡易裁判所においては口頭も可271 ​→ × ファックス(ファクシミリ)による提出(規則3Ⅰ二) ②⭐️ インターネットを用いた申立(訴えの提起・準備書面提出):電子情報処理組織により可能132の10Ⅰ ​⇒ 委任を受けた訴訟代理人が当該委任を受けた事件の申立 → 電子情報処理組織により行う132の11Ⅰ ③記載事項 ​必要的記載事項:当事者及び法定代理人、 請求の趣旨及び原因  ⇒ 欠缺 → 却下134Ⅱ・137 ​任意的記載事項:具体的な主要事実、 重要な間接事実及び証拠  ⇒ 準備書面として評価(規53) ⑴ 当事者に対する秘匿:133改) ​・著しい支障を生ずるおそれを疎明 → 決定で秘匿する旨の裁判 + 秘匿対象者の届出は必要 ⑵請求の趣旨​:訴えによって求める判決内容の確定的な表示 ​⇒ 判決の主文に対応 (例)YはXに金〇円を支払えとの判決を求める → YはXに金〇円を支払え ⑶請求(の)原因​:請求を特定するのに必要な限度での権利関係とその発生原因事実 ​⇒ ∵ 請求の特定 → 請求の趣旨から特定できれば記載不要 ◻ 訴え提起に対する裁判所の行為 ①訴状審査:裁判長が訴状の形式的な不備を審査 ​→ 不備があれば補正命令 → 補正されなければ却下(訴状却下)・即時抗告可 ⑴訴状却下 :訴状に不備がある場合の却下  不適法却下:不適法を理由とする却下 ・訴状却下137 主体)裁判長 裁判の形式)命令 訴訟係属)なし ・不適法却下140 主体)裁判所 裁判所の形式)判決 訴訟係属)あり ⑵ 手数料の納付:法定の手数料を収入印紙で貼付又は振込 ​⇒ 137の2改):原告が納付しないときは訴状却下、即時抗告可ただし、手数料納付が必要 ⑶訴訟記録の電子化132の12改):申立等が書面による → 困難な事情がある場合を除きファイルに記録 ​⇒ 訴訟記録の全面的・義務的なデジタル化 → オンラインでの閲覧可  ② 送達:当事者その他の訴訟関係人に一定の方式により書類を交付する行為 🔸Bランク ​⇒ 訴状審査後適式であれば被告に送達138Ⅰ、 事務は裁判所書記官・職権送達の原則98 ⑴送達受領者:訴訟無能力者 → 法定代理人、共同して代理人(父母) → その一人で足りる99 ⑵送達報告書:100改)送達した者は送達に関する事項を記載して提出又はファイルへの記録 が必要 ⑶送達方法 a) 交付送達:送達名宛人に対し送達書類を直接交付 → 交付送達の原則102の2 ​⇒ 方法-郵便又は執行官による、  場所-送達を受けるべき者の住所・事務所等 ​簡易送達:裁判所書記官が出頭した者に対してみずから交付102 ≒ 裁判所書記官による送達 ​補充送達:送達場所で代人に送達書類を交付106Ⅰ ​差置送達:正当な理由なく受領を拒否 → その場に書類を置く106Ⅲ b) 付郵便送達:交付送達ができない → 書留郵便で送達 ⇒ 発送時に送達したとみなす107 (c) 公示送達:住所等が不明の場合 → 裁判所の掲示場に掲示 (4) 電磁的記録の送達 (a) 出力することにより作成した書面による送達109改) (b) 電子情報処理組織を使用して通知を発する方法による送達109の2 ​⇒ 〇 訴訟代理人が送達受領・オンラインの申立・書面の訴訟記録が電子化132の10・12等 3 訴え提起の効果 ⭐️Aランク ◻ 訴え提起の効果(訴状提出) ① 訴え提起の効果:⑴訴状提出による効果 ⑵訴状提出及び訴訟係属による効果 ⑴​訴え提起の効果​:訴状提出による効果 ​→ 訴訟法・実体法 の効果発生 ⑵​訴訟係属による効果​:訴状が被告に送達されたことによる効果 ​→ 訴訟法・実体法 の効果発生 ②訴訟法上の効果(訴状提出の効果):訴状審査137Ⅰ、 送達138Ⅰ、 期日の指定139 95 実体法上の効果:時効の完成猶予、 期間厳守147 Q 時効の完成猶予の根拠 Bランク ⑴問題の所在:更新は判決の確定により発生(民147Ⅱ) → 判決確定前に完成猶予? ⑵ 権利確定説:訴訟中の時効完成は相当でない + 継続した事実状態を訴状提出により否定 Q 時効が完成猶予される権利の範囲 Bランク ⑴ 問題の所在​:〇 訴訟物として主張された権利関係は当然認められる → 攻撃防御方法・一部請求等についてはどうか? ⑵ 判例​:広く認める ⑶理由​:訴えに準じる(権利確定説) ➢ 所有権に基づく移転登記抹消請求 → 〇 Yの所有権主張(防御方法)によるXの所有権の取得時効の完成猶予 ④完成猶予の継続:訴えの取下・却下 → 終了の時から6箇月完成猶予の効果継続(民147Ⅰ) ◻ 訴訟係属の効果 ①訴訟係属:当事者間の特定の事件が特定の裁判所によって審判される状態 ⭐️書く ​⇒ 対象-訴訟物、 訴訟要件-不問 Q 訴訟係属の発生時期 ⭐️ 論文で訴訟係属が出たら書く ⑴ 問題の所在​:明文規定なし ⑵結論​:被告に訴状が送達された時 ⑶理由​:二当事者対立構造の発生 ②訴訟法上の効果 ​・二重起訴の禁止 ​・訴訟参加・訴訟告知 ​→ 訴訟参加関係 ・​中間確認の訴え・反訴・訴えの変更 ​→ 複雑訴訟関係 ③ 実体法上の効果:善意占有者の悪意擬制(民189Ⅱ) ◻ 二重起訴の禁止 ⭐️A➕ ① 二重起訴の禁止:訴訟係属中の事件は同一当事者間では重ねて別訴での審理を求めることは許されない ​⇒ 訴訟係属中の問題 → 既判力は判決確定後の問題 ⑴条文:142 ⑵趣旨 ⭐️3つ書けるように ​被告の応訴の煩(はん) ​訴訟不経済 ​矛盾判決の危険 ⑶ 要件:事件の同一性 ⇒ 当事者(=主観面)及び審判対象(=客観面) が同一であるかを基準 ②当事者の同一性 ⑴原則:判決効は当事者にのみ及ぶ → 当事者の一方が異なれば二重起訴にあたらない ⑵原告・被告が逆転する場合:同一性あり ∵ 矛盾判決の危険 ​⇒ 反訴・請求の変更 は二重起訴にあたらない ⑶形式的には当事者ではないが判決の効力を受ける者:同一性あり ​・債権者代位訴訟 (試験には出るのは債権者代位訴訟のみ)  ・​代位債権者は債務者・第三債務者間の権利関係につき原告適格あり(判例) ​ ・判決効は債権者・第三債務者・債務者に及ぶ(判例) ​⇒ 同一性あり ∵ 矛盾判決の危険 ③審判対象の同一性 ⑴ 原則:訴訟物自体が同一 → 二重起訴にあたる ​(例)前訴:XがYに100万円の貸金返還訴訟 → 後訴:XがYに同一の貸金返還訴訟 ⑵権利関係の同一:審判形式(例:給付の訴え、確認の訴え)が異なっても訴訟物たる権利関係が同一 → 二重起訴にあたる ​⇒ 請求の趣旨において明らかにされる(原告により求められている)、審判対象の同一性あり Q 同一債権の債務不存在確認訴訟と代金支払請求訴訟は二重起訴にあたるか ⑴事例​:前訴-XがYに代金債務不存在確認訴訟 → 後訴:YがXに代金支払請求訴訟 ⑵問題の所在​:審判形式が異なる → 給付の要否 ⑶通説​:肯定 → 二重起訴に当たる ⑷ 理由​:既判力の矛盾 ⑶一部請求と残部請求:数量的に可分債権の一部を請求(一部請求) → 後に残部を請求(残部請求) Q 一部請求の係属中になされた残部請求は二重起訴にあたるか ⑴事例:前訴 -(売買代金債権1000万のうち)600万請求 → 後訴-残り400万請求 ⑵問題の所在:同一債権 → 訴訟物は同一 ⑶ 判例:前訴で債権の一部であることを明示した場合には残部請求は二重起訴にあたらない ​⇒ ただし、訴訟法上の権利の濫用にあたる等の特段の事情があれば不可 ⑷ 理由:前訴訴訟物は明示された一部に限定 → 訴訟物が異なる ∴ 既判力矛盾なし ⑸あてはめ ​前訴判決確定後 → 残部請求可 ​前訴判決確定前 → 請求の変更・弁論の併合 をすべき ∵ 既判力の矛盾(学説) ⑷ 元本請求と利息請求:前訴-元本請求 → 後訴-利息請求 ⇒ 二重起訴にあたらない ​∵ 利息は特則の別契約で生じる → 利息契約 ∴ 消費貸借契約と訴訟物は異なる(関連あり) ⑸抗弁たる権利関係:前訴-抗弁提出 → 後訴-抗弁について提起 ⇒ 二重起訴にあたらない (a) 判決:主文-裁判の結論 ・ 判決理由-判決主文に至った根拠(事実認定や証拠の評価等) で構成  ​⇒ 判決理由中の判断には原則として既判力は及ばない114Ⅰ (=二重起訴にあたらない理由) (b) 抗弁 ​請求原因事実と事実として両立し、請求原因事実による法律効果の全部または一部を排斥する法律効果を基礎づける事実で、被告が証明責任を負っている事実 ⭐️書けるように ​(例)要素の錯誤・詐欺等の抗弁、同時履行の抗弁、弁済の抗弁、履行期の抗弁等 ⑹相殺の抗弁:前訴-相殺の抗弁提出 → 後訴-相殺の抗弁について訴え提起 ⭐️Aランク ​⇒ 114Ⅱ:相殺の抗弁は理由中の判断でも対抗した額について自働債権の存否が既判力で確定される Q 相殺の抗弁と給付の訴えは二重起訴禁止の趣旨に触れるか ⑴ 事例:ある債権が1つの訴訟で訴訟物・もう1つの訴訟で相殺の自働債権として主張 ⑵ 問題の所在:抗弁は訴えではない142 ∴ 直接適用不可 + 既判力発生 ∴ 矛盾のおそれ ​⇒ 142類推適用の肯否 が問題 ⑶相殺の抗弁主張の類型:抗弁先行型-前訴で相殺主張 ・ 抗弁後行型-後訴で相殺主張 ⑷ 各見解 ◾️否定説-旧通説・反対説 (結論)142類推適用否定 ⇒  二重起訴に当たらない (理由) ・判断されるかは訴訟終了まで不確実 ・特に抗弁後行型の場合、被告の防御の自由を制限 ∵ 前訴取下がないと相殺の主張ができない ◾️肯定説-判例・自説 (結論)142類推適用肯定→ 二重起訴に当たる (理由) ・二重起訴禁止の趣旨は既判力抵触のおそれがあり、それを防ぐため ・相手方に二重の応訴を強いる ◾️折衷説-判例?・有力説 抗弁先行型 → 二重起訴に該当しない 抗弁後行型 → 二重起訴に該当する 先行型:別訴提起時に訴訟係属なし 後行型:自ら訴え提起した者が当該訴訟内で決着 ​・判例:【抗弁先行型】-裁判例で肯定・否定に分れる ・ 【抗弁後行型】-類推適用肯定 (a) 平成3年12月17日最判  ➢ 【抗弁後行型】(控訴審)において142類推適用肯定 + ⭐️両事件が併合審理された場合も同様 ​⇒ 徹底した類推適用肯定説 ※第33講 7:00頃の図参照 (b) 平成18年4月14日最判 ➢ 反訴係属中に反訴請求権を自働債権とし本訴請求権を受働債権として相殺の抗弁主張は可 ​∵ 予備的反訴に変更されると推定されるので ④ 二重起訴の効果:裁判所が後訴を不適法却下 ​⇒ 職権調査事項、弁論の併合をすべき場合もある ​・看過してなされた判決:違法 → 〇 上訴での取消・× 再審事由 ⇒ 確定すれば争えない ​前訴係属中に後訴確定​:前訴で後訴に反する判決不可 ​∵ 後訴の既判力 ​後訴係属中に前訴確定​:後訴却下 ​∵ 二重起訴 ​双方確定かつ抵触​:後の確定判決が再審により取消(起訴の前後は無関係)338Ⅰ十

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    第六章 訴訟物と処分権主義 A+

    1 訴訟物とその特定 ◻ 訴訟物 (定義を書くことはない) ①裁判所がその存否を審理・判断すべき権利ないし法律関係​≒ 審判対象  ​⇒ 訴訟物(狭)= 訴訟上の請求 - 最小単位​(例)貸金返還請求権・売買代金請求権等 ②原告の被告に対する一定の権利ないし法律関係の主張​≒ 請求 ​⇒ 訴訟物(広)= 請求(狭)- + 誰から誰に対して​(例)XからYに対し貸金返還請求権がある ③裁判所に請求の当否についての審判を求める原告の申立​≒ 訴え ​⇒ 訴訟物(最広)= 請求(広)- + 申立の意味​(例)上記貸金返還請求につき訴え提起 ※①②③の区別は大まかにわかっていれば良い ◻ 訴訟物の特定 ① 特定の必要性:訴訟物 → 特定が必要 ⇒ 訴訟物の特定が必要な理由 ⑴審判の範囲・対象の特定 ​∵ 処分権主義※から当然に当事者が行うもの ※民事訴訟の当事者に、訴訟の開始、審判対象の特定やその範囲の限定、判決によらずに終了させる権能を認める建前 ⑵ 不意打ちの防止 ​∵ 攻撃防御方法の主題を明確化 ⑶訴訟上の諸制度の判断基準 → 併二変再既(ヘイニヘンサイキ) ​客観的併合136、二重起訴の禁止142、訴えの変更143、再訴の禁止262Ⅱ、既判力の客観的範囲114Ⅰ ⑷管轄・印紙額の決定 ②訴訟物の特定基準: (確認訴訟)→実体法上の権利等 ​(例)所有権の確認の訴え → 原告の所有権 Q 給付訴訟と形成訴訟の訴訟物の特定基準 ⑴事例:タクシー運転手の飲酒運転により乗客が交通事故 → 乗客が運転手の会社に損害賠償請求 ⑵ 問題の所在:実体権(実体法上の権利)が競合 → 請求の個数・同一性が問題 ⑶判例・学説 ・旧訴訟物理論(判例通説) (訴訟物の特定基準) 実体権の単複異同により特定 (利点)  基準として明確  実体法との調和  当事者の手続保障の実現 (欠点)  紛争の一回的解決が困難 ・新訴訟物理論(反対説) (訴訟物の特定基準) 一定の給付をもとめうる法的地位があるとの権利主張を訴訟物  ※ 給付=債権の目的となる債務者のすべき行為 (利点) 紛争の一回的解決 (欠点) 旧訴訟物理論の利点に欠ける ③ 4つの試金石(Bランク):訴訟物論争  →4つの問題の具体的解決基準(≒併二変再既) ⑴請求の併合の要否​:請求の単一性で判断 136 → 旧説-併合必要 ・ 新説-併合不要∵攻撃防御方法 ⑵ 訴えの変更の要否​:請求の同一性で判断143 → 旧説-変更必要 ・ 新説-変更不要 ⑶二重起訴の該当性​:前後訴の異同で判断142 → 旧説-該当なし ・ 新説-該当する ⑷既判力の範囲​:主文に包含するもの≒訴訟物たる権利・義務 ④両説の接近(⭐️Aランク)&:旧説 → 手続保障重視 VS 新説 → 一回的解決重視 ​⇒ 相互に無視できない → 旧説に立ちつつ一回的解決を図る ∴ 新説に接近(判例・学説・実務) ⑴賃貸借契約終了による明渡請求訴訟の訴訟物 → 終了による明渡請求 = 1個の訴訟物 ​⇒ 終了原因ごとに考えない(合意解除・415等を統合) ⑵登記回復請求訴訟の訴訟物 → 登記回復請求権 = 1個の訴訟物 ​⇒ 物権に基づく請求権は同一(但し、債権的登記請求権は別) ⑶ 不法行為に基づく損害賠償請求の訴訟物 (a)1個の加害行為につき多数の権利が侵害​(例)交通事故 → 治療費・慰謝料・逸失利益等の請求 ➢ 同一事故により生じた同一の身体障害を理由とする財産上・精神上の損害 → 1個の訴訟物 ​∵ 原因事実及び被侵害利益を共通、 紛争の一回的解決、 損害賠償請求訴訟の総額考慮の必要 (b) 複数の法条の適用が可能​(例)交通事故 → 709・715等が競合 ➢ 法条の要件効果を統合して1個の訴訟物

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    2 処分権主義 A+

    ◻ 処分権主義概要 ① 処分権主義 ※定義趣旨書けるように ​当事者に訴訟の開始、審判対象の特定やその範囲の限定、判決によらずに終了させる処分権能を認める建前 ②条文:246等参照 ③趣旨:私的自治の訴訟法的反映 ④機能 ⑴ 紛争処理方式選択の保障 ⑵ 争訟対象の自主的形成 ⑶手続保障(特に、不意打ち防止) → 当事者の決めたこと以外には判決の拘束力を受けない ④ 内容 ・​開始​:「申立てなければ裁判なし」 → 上訴・再審・不起訴合意 ・​審判対象​:裁判所は当事者の申立ていない事項について裁判できない246 ​・終了​:和解、請求の放棄・認諾、上訴の取下 ができる ⑤弁論主義との比較 ・​弁論主義​:手続内在的問題 → 手続内での資料収集の責任主体 ​・処分権主義​:手続外在的問題 → 民事訴訟手続の入口・出口 ◻ 処分権主義の限界 ​・処分権主義が制限される場合 ①強度な公共性を有する権利・法律関係 ∵ 私的自治に一任できない ​(例)婚姻取消事由(民744) → Pが訴え提起、 人事訴訟 → 和解等が排除、 会社関係事件 ② 訴訟費用等の裁判 ∵ 裁判制度の維持 ​(例)訴訟費用の裁判67、 仮執行宣言の裁判 ③形式的形成訴訟(訴えの提起を除いた) ∵ 実質的に非訟事件 ​(例)共有物分割、 境界確定訴訟 ◻ 申立事項と判決事項 ① 246条:申立事項と判決事項は一致しなければならない ⑴ 246条違反の判決:控訴・上告312Ⅲ・318によって取消されうる → × 当然に無効 ⑵ 246条については責問権喪失による瑕疵の治癒90は認められない ∵ 訴訟手続の違反ではない ② 申立事項 ​訴訟物 ​求める審判の種類・形式 ​範囲  ​→ 訴状の当事者や請求の趣旨及び原因により明らかにすることで特定 ⑴訴訟物 ​旧訴訟物理論:実体法上の個々の請求権 ​新訴訟物理論:一定の給付を求め得る法的地位 → 旧説より範囲が広い ⑵審判の種類・形式 ​判決の種類 ​→ 給付判決・確認判決・形成判決 ​審判順位及び併合形態 ​→ 原告による単純併合・選択的併合・予備的併合 についての決定 ⑶範囲:救済を求める範囲の上限の明示が必要 Q 請求額を明示しない損害賠償請求の可否 ⑴事例​:慰謝料請求、違法行為の損害賠償請求で損害算定困難、 → 金額を明示しないで請求 ⑵ 問題の所在​:248 → 金銭的評価は裁判官の自由裁量 ⑶判例・通説​:一定金額(上限)の明示が必要 → 248は上限明示を前提 ⑷ 理由​:金額の上限は被告の防御の方法・程度についての態度決定につき手続保障上重要 ・ 請求の拡張可 Q 結果を明示し手段を特定しない不作為請求(抽象的不作為請求)の可否 ⑴事例:新幹線による騒音 → 近隣住民に健康被害 → 騒音を一定量(デシベル)以下にしろと請求 ⑵問題の所在:騒音の制御手段が不明 → 請求の特定がない?(∴ 抽象的不作為請求は不可?) ⑶ 判例・通説:抽象的不作為請求にも請求の特定あり ⑷ 理由:手段を特定する能力は通常被告側にあり原告に強いるのは不公平、 被告の防御権を害しない(手段は被告が決められる) 3 一部認容  ◻ 一部認容 ① 一部認容:請求の一部が認容されること ⇒ 刑訴の縮小認定類似 ​・量的一部認容:数量的な一部を認容すること​(例)300万請求 → 100万認容判決 ・​質的一部認容:数量的な一部以外の一部を認容すること​(例)給付請求  → 引換給付判決 Q 一部認容判決の可否 ⑴問題の所在:246→申立事項と判決事項は一致しなければならないこと(処分権主義)に反する? ⑵結論:原告の意思に合致し、当事者に対して不意打ちとならないのであれば246等に反しない ⑶理由:246は処分権主義の現れ → 原告の意思の尊重(私的自治の訴訟法的反映)・当事者の不意打ち防止 が趣旨 ②一部認容のあてはめ ⑴量的一部認容:〇 300万請求→100万支払え、 〇家屋明渡請求→一部明渡(ただし、原告の意思に合致しているかは状況による) ⑵ 質的一部認容 ​〇:現在の給付の訴え → 将来の給付判決・給付請求 → 引換給付判決 ​×:将来の給付の訴え → 現在の給付判決(被告にとって不意打ち) ◻ 債務不存在確認の訴えと一部認容 ① 債務不存在確認の訴え → 原告が特定した債務の不存在 = 訴訟物 ∴ 一部の存在を認定 = 一部認容 ​(例)XがYに対し100万の債務を負ってはいないとの確認を求める訴え ​⇒ 債務不存在確認の訴え = 給付の訴えの裏返し ②類型 ​全部不存在確認の訴え​(例)100万の債務は全くない ​債務の上限を示してする一部不存在確認の訴え​(例)100万の内20万を超えて債務はない ​債務の上限を示さずにする一部不存在確認の訴え​(例)20万を超えては債務はない ​債務の上限・下限を示さずにする全部不存在確認の訴え​(例)事故による賠償債務はない Q 全部不存在確認の訴えにおいて一部の残債務を認めた場合の判決 ⑴ 事例​:100万債務全部不存在確認の訴え → 残債務20万を認めた ⑵問題の所在​:246・処分権主義 ⑶ 結論​:20万を超えては債務は存在しないことを確認する一部認容判決 ⑷理由​:原告の意思に合致・不意打ちとならない・給付の訴えの裏返し(給付の訴えの一部認容が認められるならその裏返しも認められる) ∴ 債務不存在が訴訟物 Q 上限を示してする一部不存在確認の訴えにおいて残債務が自認額よりも多い場合の判決 ⑴事例​:100万債務の内20万を超えて債務はないとの確認の訴え → 残債務40万を認めた ⑵問題の所在​:246・処分権主義 ⑶結論​:40万を超えては債務は存在しないことを確認する一部認容判決 ⑷理由​:同上 Q 上限を示してする一部不存在確認の訴えにおいて残債務が自認額よりも少ない場合の判決 ⑴ 事例​:100万債務の内20万を超えて債務はないとの確認の訴え → 残債務10万を認めた ⑵問題の所在​:246・処分権主義 ⑶ 結論:残債務10万との判決は不可 → 20万を超えては債務は存在しないことを確認する一部認容判決 ⑷ 理由​:処分権主義 Q 上限を示さないでする一部不存在確認の訴えにおいて残債務が自認額よりも多い場合の判決 ⑴事例​:ただ20万を超えて債務はないとの確認の訴え → 残債務40万を認めた ⑵ 問題の所在​:訴訟物の特定の有無 + 一部認容の可否 ⑶ 結論​:債権自体の特定が可能であれば残債務額40万を確定した上で一部認容判決 ⑷ 理由 (a) 訴訟物の特定 ​→ 訴状の請求原因その他から特定可能 → 特定あり・不意打ちでない (b) 一部認容の可否 ​→ 原告は一部なりとも残債務の不存在の確認を望む Q 債務の上限・下限を示さずにする全部不存在確認の訴えの適法性 B➕ ⑴事例​:交通事故による損害賠償債務の存在しないことの確認を求める ⑵問題の所在​:訴訟物の特定の有無 ⑶結論​:上限を示してする不存在確認の訴えと同様の扱い ⑷理由​:(給付と異なり※)不存在確認の訴えは通常特定できる + (いくら払わなければならないか示すことは)本来被告の責任 ※ 給付の訴えの場合では原告から請求額が示されないと被告にとってどれだけの経済的損益がかかっているか判断できない ③既判力の生ずる範囲:申立事項 = 上限額と原告が自認した額との差額 ⇒ 不存在部分 + 認容されなかった部分 Q 一部債務不存在確認の訴えにおける自認部分への既判力の有無 ⑴ 事例:100万債務の内20万を超えて債務はないとの確認の訴え → 残債務40万 → 20万への既判力 ⑵問題の所在​:申立事項=自認額と上限額の差額の不存在 ・ 一回的解決 ⑶ 結論​:既判力なし、但し信義則上原告は後訴でその存在を否定できない ⑷理由​:自認額は申立事項ではない + 信義則で一回的解決が可能 4 一部請求 Aランク ◻ 一部請求の概要 ①一部請求と残部請求 ​・一部請求:数量的に可分な債権につき原告が請求をその一部に限定すること ・​残部請求:一部請求後に限定しなかった残部につき請求すること ​(例)1000万の売買代金債権のうち一部の300万請求 → 残部の700万を請求 ②目的​:訴訟費用の節約、賠償額の予測 ③一部請求の可否​:処分権主義から認められる(争いなし) → 特定もあり ④残部請求の問題点​:不意打ちの危険※1、応訴上の負担、訴訟不経済、重複審理※2、 ※1:例えば20万円請求だったため被告が軽く対応した後に残部980万円の請求があった場合、前訴で認定された被告の過失など持ち出されてしまう ※2:同じことを裁判所がなん度も審理することになる Q 一部請求確定後の残部請求が許されるか⭐️基本論点 ※前訴(一部請求)確定後の問題。一部請求は何の問題もなくできる ⑴ 問題の所在​:一部請求でも債権全体が訴訟物(∴→同じ債権の残部を請求することは既判力に抵触)、不意打ちの危険等 ⑵ 判例・多数​:原告が一部であることを明示していれば訴訟物はその一部に限定され許される ⑶ 理由​:原告の意思の尊重(処分権主義)、一部であることが明示されていれば被告の手続保障は図られる、既判力に抵触しないこと ⑤H10.6.12最判:12億の内1億を明示し請求(一部請求) → 全額棄却判決 → 残部11億請求(残部請求) ➢ 明示の一部請求を全部または一部棄却する判決確定後に残部請求を提起することは許されない ​∵ 債権なし又は一部請求額に満たない額しか現存しない → 特段の事情がない限り信義則に反する ※ 信義則に反するという理由も試験で問われる ◻ 一部請求の諸論点 ①時効の完成猶予(判例) ⇒ 原則として訴訟物についてのみ生じる ・​一部請求の明示なし → 全部につき完成猶予 ・​一部請求の明示あり → 一部につき完成猶予 + 特段の事情がない限り残部に裁判上の催告の効果(判例) ・ 後遺損害:損害賠償の判決確定後に予見できなかった後遺症によって損害が生じた場合 ⑴事例:交通事故 → 損害賠償請求で勝訴 → 予見できなかった後遺症で損害 → 損害賠償請求 ⑵結論:賠償請求可(争いなし) → 理論構成が問題 Q 判決基準時後に生じた同一事故による後遺症に基づく損害賠償請求の可否 ⑴問題の所在:被害者救済及び損害の衡平な分担 ・ 加害者の紛争解決への期待保護 ⑵判例・学説 ◾️有力説 理論構成: 既判力の基準時後の事由 理由:予見しえなかった損害    → 基準時後の新たな事由 批判:原因は事故当時から存在し、ただ気づいていなかっただけ ◾️判例、多数説 理論構成:一部請求の明示ありの場合 理由:後遺損害を除外する趣旨は前訴であきらか 批判通常明示なし → 反論)被告は理解していたはず ⑶結論:認められる 134 過失相殺:XがYに一部請求 → 原告Xに過失あり Q 一部請求の明示ありの場合、過失相殺はどの様になされるべきか ⑴ 事例​:XがYに損害賠償額1000万の内800万を請求 → 原告Xに4割の過失 ⑵ 問題の所在​:按分説 → 訴訟物理論(論理的整合性) VS 原告の意思(処分権主義) ⑶判例・学説 ◾️按分説(反対説) 結論)請求額を基準に過失相殺 → 過失相殺された額を認容 理由)訴訟物は請求額に限定    → 請求額を過失相殺 ◾️外側説-判例多数説 結論)全額を基準に過失相殺 → 請求額の範囲で認容 理由)原告は一部請求の範囲において請求権が現存していると期待 ※ 原告の意思の尊重(処分権主義) ※ 1000万は難しいが過失相殺されても800万円は満額貰えるだろうという期待

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    第6章 訴訟要件 1 訴訟要件総論

    ◻ 訴訟要件概要 ① 訴訟要件:本案の審理を続行して本案判決をするための要件(訴えの要件 ・ ≒ 訴訟条件) ※定義を書けるように ​・訴訟要件具備 → 本案判決:請求の当否について判断する終局判決 ​・訴訟要件欠缺 → 訴訟判決:訴えを不適法として却下する終局判決(請求の当否の判断なし) ② 目的:公益的要請(裁判制度の合理化・円滑化等) + 当事者の利益(手続保障等) ③ 種類 ・​裁判所に関係:裁判籍・管轄権 ・​当事者に関係:当事者の実在・当事者能力・当事者適格・有効な訴え提起及び送達・担保の提供 ・​訴訟物に関係:訴えの利益(二重起訴の禁止、再訴・別訴の禁止等)併合・新訴提起の要件 ④ 機能 ​司法の限界確定機能 ​→ 一定の事件以外について訴訟による紛争処理を排除 ​主体・客体の特定と選別 ​→ 適した当事者・事件を選定 ∴ 無益な訴訟を排除 ​裁判の適正確保 ​→ 適した審判主体による適正な裁判 ⑤ 訴訟要件欠缺の場合 ⑴ 補正:不備を直す事 ​⇒ 訴訟要件欠缺の場合、補正命令 → 補正されなければ却下判決34・137Ⅱ ⑵既判力:不存在とされた当該訴訟要件が存在しない点について生じる ⑥訴訟要件の判断の基準時:原則として本案判決の基準時 = 事実審の口頭弁論終結時 ⭐️Aランク ⑴補正されないか補正の余地がないと判断された場合 → その時点で訴え却下判決 ⑵管轄については起訴時を基準15 ◻ 訴訟要件の調査 ① 調査の開始と方法 ⑴調査の開始:その事項をとりあげて相応の処置をする ・​職権調査事項​:原則として当事者の申立てを待たないで裁判所が自ら調査を開始する事項 ​・抗弁事項​:当事者の申立てがあって始めて調査を開始する事項 ⑵調査の方法:資料の収集方法 ​・職権探知主義​:訴訟資料の収集を当事者だけでなく裁判所の職責でもあるとする建前 ・​弁論主義​:当事者の提出した訴訟資料のみで審理を行うとする建前 ② 訴訟要件の調査 ・​公共性の高い → 職権調査事項 +職権探知主義(当事者の実在、専属管轄、訴訟能力、代理権の有無) (⭐️例外:訴えの利益・任意管轄・当事者適格は弁論主義) ​・公共性の低い → 抗弁事項 + 弁論主義  (不起訴合意、仲裁契約、訴訟費用担保) ③ 審理の順序:本案審理と訴訟要件の審理は同時に並行してなされる

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    2 訴えの利益 12/24 Aランク

    ◻ 訴えの利益概要 ①訴えの利益:審判対象たる特定の請求が本案判決による争訟の処理に適するかどうかの判断基準 ​⇒ 一般的要件 → 三類型毎の個別の要件 ② 趣旨:原告の利益と公共的利益(制度運営の効率化)及び被告の利益(応訴の負担)の調和 ③一般的要件 ⑴法律上の争訟:法律関係ないし権利義務の存否 ・ 法律の適用により終局的に解決 ⑵ 二重起訴・再訴の禁止に該当しない142・262Ⅱ ⑶当事者間で訴訟制度を利用しないとの特約がないこと:不起訴の合意、仲裁合意 ⑷確定勝訴判決を得た者が重ねて訴えを提起する場合でない:完成猶予・更新のためなら可 ⑸ 訴権の濫用と評価される場合でない ◻ 給付の訴えの利益 ①給付の訴えの利益 (2類型) ​・現在の給付の訴え:口頭弁論終結時までに履行期が到来し現実化した給付請求権を主張する訴え ・​将来の給付の訴え:口頭弁論終結時までに履行すべき状態にならない給付請求権を主張する訴え ② 現在の給付の訴え:原則、訴えの利益がある ➢ 被告が履行を拒絶していない場合​​​​​→ 〇(訴えの利益有り) ➢ 給付判決を得ても給付の実現が不可能または著しく困難な場合(被告の資力が無いなど)​​→〇 ➢ 給付請求権に対し差押、仮差押、債務名義となる執行証書等がありの場合 ​→ 〇 ➢ 給付請求権に対し確定給付判決を受け、時効の完成猶予等の必要がある場合 → 〇 ③将来の給付の訴え⭐️Aランク:  原則、訴えの利益がない→例外的に認められる ⑴性質:紛争が現実化していない ⑵135条 :あらかじめその請求をする必要がある場合に認められる ⑶要件:請求適格(本案判決を受けるのに適する一般的な資格)+ 予め給付判決を得ておく必要 ④請求適格(将来の給付の訴えで訴えの利益が認められる要件①):履行期未到来又は条件未成就の債権等 → 認められる ∵ 請求権の原因となる事実が発生 Q 継続的不法行為に対する将来の給付の訴えにおける請求適格の存否の判断基準 ⑴ 事例 a) 空港の騒音公害に対し近隣住民が将来の損害賠償の支払いを求めた(大阪国際空港事件) b) 不動産の不法占拠者に対する明渡し完了までの賃料相当額の将来の損賠賠償請求 ⑵問題の所在:請求権の原因となる事実すら発生していない + 起訴負担の公平な負担(請求意義の訴えを被告に負わせるべきか、原告に履行期に現在の給付の訴えをさせるべきか、どちらにするべきかの問題) ⑶ 請求異議の訴え:債務名義により確定された請求権が変更されたことを理由に執行排除を求める訴え(100万円の確定判決→被告が強制執行前に弁済→強制執行を阻止するために被告は請求意義の訴えをしなければならない) ​⇒ 強制執行されそうになった場合に阻止する手段 → 被告負担or履行期に現在の給付の訴え ⑷ 判例:⭐️以下の要件を満たせば請求適格あり⭐️描けるように  a)請求権の基礎となるべき事実関係及び法律関係が既に存在しその継続が予測され、 b) 請求権の成否及びその内容につき債務者に有利な影響を生ずるような将来における事情の変動が、あらかじめ明確に予測しうる事由にかぎられ c) 請求異議の訴えによりその発生を証明してのみ執行を阻止しうるという負担を債務者に課しても格別不当とはいえない ※「かぎられ」を書くこと。「かぎられ」ていないとすると709成立をし阻止できる事情が無限にありうるので、都度被告が立証しなければならないとすると被告にとって不利。) ※bが認められればcも通常認められる。請求異議の起訴となる事実はbの要件により被告が立証しやすいものに限られるため。 ※長いので大阪国際空港事件の具体的な事例とともに覚えるのが良い ⑸ あてはめ 写真 ➢ 共有物を勝手に賃貸している共有者の一人に対し他の共有者が賃料の持分割合の支払を請求 ​⇒ 現在給付部分認容 + 将来給付部分却下 ∵ 賃料支払は賃貸人が左右できない = × b) ⑤予めその請求をする必要135(将来の給付の訴えで訴えの利益が認められる要件②):義務者の態度・当該給付義務の目的等を考慮し個別具体的に判断 ⑴ 義務者が争っている場合 ∵ 履行が期待できない  (a) 本来の給付請求(現在給付)と共に予め行う代償請求(将来給付)も可  (b) 代償請求:履行不能の場合にその同一の原因によって債務者が得た利益を請求する権利 (例:建物滅失の場合の保険金)  (c) 本来の給付請求と代償請求は単純併合の関係 ∵ 両立する ⑵義務の性質上認められる場合:定期行為、扶養請求権 ∵ 即時の強制執行が必要 ⑶義務者に既に不履行がある場合 ∵ 将来の履行が期待できない ◻ 確認の訴えの利益 Aランク ① 確認の利益:確認の訴えにおける訴えの利益 ⑴確認の訴え:特定の権利・法律関係の存在又は不存在を主張してそれを確認する判決を求める訴え a) 効果:既判力により権利の存否を観念的に確定 + 執行力なし b) 目的:将来の紛争を予防 ⑵問題点と必要性 ・​性質上、確認対象は無限に拡大しうる ​→ 限界付けが必要 ​・執行力を有しない ​→ 実際的な紛争処理機能を果たしうる場面が限定される ​⇒ 無用な訴えを排除すべき → 確認の利益は厳格に判断すべき ⑶ 判断基準(≒要件):ⅰ 確認の対象の適否、 ⅱ 即時確定の利益、 ⅲ方法選択の適否 ② 確認の対象の適否(要件ⅰ)   → ≒ 訴訟物 +無限に拡大に対応 ​・自己の、現在の、権利・法律関係の、積極的確認請求(権利が存在するという確認請求)の場合 → 〇 ​・他人の、過去または将来の、事実関係の、消極的確認請求(権利が存在しないという確認請求)の場合 → × ⇒ ただし、現在の法律上の紛争の直接的かつ抜本的な解決となる場合は認められる ⑴他人間の法律関係:原則、不可 ​ー例外〇:転借人による賃貸人・賃借人間の賃貸借契約確認、2番抵当権者による1番抵当権不存在確認 ⑵過去・将来の法律関係:原則、不可∵変動する →例外: (a) 過去の法律関係 ➢ 〇:夫婦の両者または子のいずれか一方の死亡後における親子関係存否確認の訴え ➢ 〇:認知者死亡後に被認知者の検察官を相手とする認知無効確認の訴え ➢ 〇:明文で認める → 婚姻等の無効確認の訴え、株主総会決議無効確認の訴え等 ➢ 〇:遺産確認の訴え ∵ 遺産分割審判手続において必要 ➢ 〇:遺言者死亡後の遺言無効確認の訴え ∵ 通常現在と関わる ➢ ×:ある財産が特別受益財産(民903)であることの確認を求める訴え ∵ × 抜本的解決 (b) 将来の法律関係 ➢ ×:遺言者の生前に遺言無効確認の訴えを提起 ∵ 民1022以下から抜本的な解決とならない ➢ 〇:将来発生する敷金返還請求権に対し確認の訴えを提起 ∵ 条件付権利現存 → 現在の法律関係 ⑶ 事実関係の存否:原則、不可 ∵ 司法の対象ではない ➢ 〇:明文で認める → 証書(書面)真否確認の訴え134の2 ⑷ 消極的確認請求:原則、不可 ➢ 〇:債務の不存在の確認 ➢ ×:所有権の不存在の確認 ③ 即時確定の利益(要件ⅱ):危険・不安が現存し、その除去のために確認判決が必要かつ適切 ※「危険・不安が現存」を描けるように。 ⑴ 危険・不安:原告の権利・法的地位に相容れない権利主張が被告によってなされる(≒争っている時) ➢争っていなくても認められる場合: 〇:時効の完成猶予・更新、 戸籍等の記載の誤りの訂正 ⑵ 危険不安があると言えるためには原告の具体的な権利・法的地位が必要(× 抽象的ではダメ) ➢ ×:相続財産分与の審判前に特別縁故者と主張する者が遺言の無効確認の訴え提起 ∵ 相続財産分与前の前では特別縁故者と主張する者には何らの権利なし ➢ 〇:敷金返還請求における即時確定の利益の具体性 ∵ 金額ではなく敷金の交付 ④ 方法選択の適否(要件ⅲ):確認訴訟の有効・適切 → 役割分担の問題 + 執行力を有しないに対応 ⑴給付の訴えを提起できる場合:原則、給付請求権自体の確認の利益なし ➢ ×:(貸金返還請求権・所有権に基づく返還請求権の確認等)請求権存在確認の訴え ∵ 給付が必要 ➢ 〇⭐️:(移転登記請求・明渡請求等が可能な場合等)所有権の確認の訴え ∵ 予防機能 ➢ ×:債務不存在確認訴訟の係属中に被告がその債務の支払いを求める反訴提起した場合の本訴 ⑵形成の訴えを提起できる場合:原則、確認の利益なし ⑶ 同一の手続内でできる場合:原則、確認の利益なし (Bランク) ➢ ×:具体的相続分※を確認する訴え ∵ 遺産分割審判の手続き内で行えば済む  ※遺産分割ではまず法定相続分を考えるが、法定相続分から減額等を経て具体的相続分が決定される ➢ ×:別訴で訴訟代理権の存否を確認する訴え ∵ 本訴 ◻ 形成の訴えの利益 ①形成の訴えの利益 → 原則として、所定の要件具備により認められる ​⇒× 訴訟係属中に事情変動により無意味となった場合 →具体的には: ➢ ×:重婚を理由とする後婚取消訴訟 → 後婚につき離婚 ➢ ×:会社役員を選任した総会決議取消訴訟 → 役員全員が任期満了により退任 ➢ 〇:免職処分取消訴訟を提起 →原告が辞職 ∵ 辞職するまでの給料請求(B+)

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    ⑶当事者適格

    ◻ 当事者適格の概要 ①当事者適格:当該訴訟物につき、当事者として訴訟を追行し本案判決を求めることができる資格 ⭐️定義書けるように ​当事者能力 →一般的に主体たりうるか ​≒ 権利能力​(例)× 死者・胎児 ​訴訟能力  → 単独で有効に訴訟行為ができるか ​≒ 行為能力​(例)× 未成年・重度知的障害 ​当事者適格 → 当該事件に対して当事者に適するか​​(例)× 知人・友人・他人 ②趣旨・必要性:紛争解決の必要性のある当事者を選別 ​⇒ 訴えの利益-訴訟物を選別 → 当事者適格-当該訴訟物との関係で当事者を選別 ③効果:当事者適格を欠く場合 → 訴訟要件欠缺として訴え却下 ​⇒ 〇 上訴事由 × 再審事由 ④判断基準 ⑴原則:訴訟物の内容をなす権利・法律関係の存否につき法律上の利害の対立する者 ※かける必要はないが「法律上の利害の対立する者」は言えるように。 ​・原告適格者:本案判決で保護されるべき訴訟物たる権利関係についての法的利益の帰属主体  ※「法的利益の帰属主体」を書けるように ​・被告適格者:当該法的利益に関し原告と対立関係にある者 ​⇒ ここでいう法的利益は実体的権利・義務に限られない → 〇 当事者 ≠ 訴訟物たる権利・法律関係の主体 例:確認の訴えに係る転借人、二番抵当権者 ⑴理由:切実な利益と関心をもつ ・ 攻撃防御の機会を保障 ・ 十分な訴訟追行を期待できる ⑵具体例 (Bランク) ​給付の訴え → 原告=給付請求権を訴訟上主張する者 (※本当に請求権があるかは関係がない。それ本案で審理する) ・ 被告=義務者であると主張される者 ​確認の訴え → 原告=確認の利益を有する者     ・ 被告=確認を必要ならしめている者 ​形成の訴え → 原告=明文で規定          ・ 被告=明文で規定 ⑶特殊な当事者適格 (出題されるのはここ) ​・固有必要的共同訴訟:関係者全員でのみ当事者適格 ​・民衆訴訟:利害関係なく当事者適格 ​・債権者代位訴訟:423の場合の当事者適格 ​・判決効が第三者に及ぶ場合・第三者の訴訟担当・選定当事者 ◻ 判決効が第三者に及ぶ場合 B➕ ​・法律で当事者を規定している場合  → 不適法による婚姻取消744・認知の訴え787等 ・​法律で当事者を規定していない場合 → 最も強い利害関係を持つ者(判例) ∵ 十分な訴訟追行 ➢ 権能なき社団がその総有的不動産につき所有権登記名義人に対し代表者名義への移転登記請求 ​⇒ 権能なき社団に原告適格あり ∵ 簡明かつ実体に合致 Q 法人の代表者の地位についての紛争において誰を当事者とすべきか B➕ ⑴ 問題の所在​:代表者個人とすれば最も充実した訴訟追行が期待できる↔︎法人なので対世効が必要 ⑵判例・通説​:法人が当事者 ⑶理由​:第三者との関係も含めた紛争解決には対世効が必要 ◻ 第三者の訴訟担当 (Aランク) ①第三者の訴訟担当:本来の利益帰属主体(本人)に代わり第三者が当事者適格を有する場合 ⭐️書けるように ⑴訴訟上の代理人との比較 ・​共通:第三者の訴訟行為による判決の効力が本人に及ぶ ​・相違:訴訟上の代理人 - 代理人     第三者の訴訟担当 - 当事者 ⑵ 特徴:代理人ではなく当事者そのもの + 判決の効力は本来の利益帰属主体に対しても及ぶ115Ⅰ二 ②第三者の訴訟担当の種類 法定訴訟担当  ​​ 担当者の利益のため​(例)代位債権者等(管理処分権あり) ​​ 本来の利益帰属主体のため​(例)破産管財人等 (管理処分権あり)  ​​ 職務上の当事者​(例)人事訴訟における検察官(管理処分権なし) ​任意的訴訟担当   ​法律で認められるもの​(例)選定当事者 ​​ 明文のないもの​(例)他人物売買の売主 ③法定訴訟担当:本来の利益帰属主体の意思とは無関係に法の規定により第三者が訴訟追行権を有する場合 ⑴担当者の利益のため a) 事例:代位債権者(民423)、債権質権者(民366)、差押債権者、株主代表訴訟の株主(会社847) b)管理処分権:債務者の管理処分権が排除されない(民423の5)   注)改正前:排除される(判例) ⑵本来の利益帰属主体のため (a) 事例:破産管財人、遺言執行者 (b) 管理処分権:排除されない ⑶職務上の当事者:本人の訴訟追行が不可能または困難な場合に一定の保護すべき職務にある者が担当 (例)婚姻事件での本人死亡後の検察官 ④任意的訴訟担当:本来の利益帰属主体の意思に基づいて第三者に訴訟追行権が付与される場合 ⑴法律でみとめられるもの (a)事例:選定当事者30、手形の取立委任裏書の被裏書人(手形18) (b) 明文なき任意的訴訟担当 Q 明文なき任意的訴訟担当の可否     ⭐️そもそも認められるのかが論点 ⑴問題の所在:弁護士代理の原則54Ⅰ → 明文なき限り不可 ⑵判例・通説 ​原則:許されない ∵ 54Ⅰの趣旨=非弁活動による当事者の利益侵害の防止 • 円滑迅速な訴訟運営 ​例外:54Ⅰの趣旨を潜脱するおそれがなく、かつ、認める合理的必要があれば許される ※例外的に許される条件を書けるように (a) 自己固有の利益を有する場合 (b) 訴訟追行権を含む包括的な管理権をもち権利主体と同程度以上に権利関係につき知識を有する場合 ※ a,b書けるように ⑶あてはめ: (a) 他人物売買の売主(写真) (b)組合の業務執行組合員、労働組合の組合員の労働関係の権利 ◻ 選定当事者 B➕(短答) ① 選定当事者制度:共同訴訟人となるべき多数者から代表者を選定 → 代表者が全員のために訴訟追行 ​・選定当事者​:選定当事者制度において代表者として選定される者 ・​選定者​:選定当事者制度において代表者を選定する者 ⑴条文:30 ⑵趣旨:訴訟の単純化・簡易化 ⑶性質:法で認められた任意的訴訟担当の一つ ②「選定」の要件30Ⅰ (短答) ⑴共同の利益:権利義務同種かつ原因同種 + 主要な攻撃防御方法を共通(判通) 注)  ≠ 必要的共同訴訟の要件、 共同訴訟の要件 ​(判例)〇 共同所有者、 同一事故の多数の被害者、 主債務者とその保証人 ⑵多数の者:2人以上 ⑶前条の規定に該当しない者:× 権能なき社団 ∵ 団体に当事者能力 ​注) 〇 民法上の組合 ∵ 29条の適用対象が不明確→民法上の組合は29条でも30条でも訴訟できる ③選定:訴訟追行を委ねる旨の選定者の選定当事者に対する意思表示 ⑴性質​:選定者の個別的単独行為 → × 多数決 ∴ 積極的な者のみが選定可 ⑵ 方法​:書面が必要(規則15参)、〇 原告側・被告側・訴訟係属前・訴訟係属後 ⑶ 追加的選定​:共同の利益を有する当事者以外の者が原告または被告を選定30Ⅲ → 〇 ④選定当事者の地位:選定者のために一切の訴訟行為ができる ​⇒ 選定当事者 = 当事者 ≠ 訴訟代理人 ⑤選定後 ⑴30Ⅱ:選定者は訴訟係属後選定により訴訟から当然に脱退(独立当事者参加は脱退行為が必要) ⑵30Ⅴ:複数選定当事者の一部が死亡 → 他の者が訴訟追行(全員死亡の場合は中断)

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    第四編 訴訟の審理 第7章 口頭弁論と訴訟の審理 Aランク

    1 口頭弁論 ◻ 口頭弁論概要 ①口頭弁論の意義(多義語) ⑴公開の法廷で、当事者双方関与のもと、裁判所の面前で、口頭で弁論及び証拠調べを行って裁判資料を収集し、それに基づき裁判をする審理方式 ⭐️⑴が基本の意義。書けるように。⑵⑶⑷の意義はBランク 方式 ⑵民事訴訟の審理手続(弁論手続及び証拠調べ手続)148等 → 公判(手続):刑事訴訟の審理手続 ⑶民事訴訟における当事者の口頭での弁論87等 ≒ 弁論 ⑷ 民事訴訟における個別の訴訟行為152等 ② 口頭弁論の基本原則:公開主義 ・ 双方審尋主義 ・ 直接主義 ・ 口頭主義 ※こうそうちょっこう ⑴ 公開主義(Bランク):裁判は国民一般の傍聴しうる状態で行うという原則(憲82) (a) 趣旨:裁判の公正を担保 (b) 例外:対審及び判決以外 → 争点整理手続、受命裁判官等の証拠調べ等、決定手続 ⑵ 双方審尋主義(Bランク):当事者双方の主張を述べる機会を平等に与えるという原則(憲32・14) (a) 趣旨:公平な裁判の実現 (b) 現れ:中断・中止124 ⑶ 口頭主義:弁論及び証拠調べを口頭で行うという原則87 (a) 趣旨:書面よりも新鮮 + ただちに釈明できる → 審理の充実・直接主義及び公開主義に寄与 (b) 現れ:口頭で陳述されたもののみが訴訟資料87参 (c) 例外:書面による口頭主義の補完(書面主義)  ∵ 誤解、脱落、忘却のおそれ ​・重要な訴訟行為 ​→ 書面を要求134Ⅰ等 ​・複雑な事実関係や法律構成 ​→ 準備書面を要求161Ⅰ ​・当事者の一方が最初の期日に欠席 ​→ 迅速性の観点から陳述擬制158 ・口頭弁論期日毎に手続を記録 ​→ 改)電子調書を作成160 (改正前-調書) ​・判決の言渡し ​→ 改)電子判決書を作成252(改正前-判決書) ⑷ 直接主義:弁論の聴取及び証拠調べを判決をする受訴裁判所又は裁判官自らが行うという原則249Ⅰ ※判決をする裁判官🟰審理をした裁判官 (a) 趣旨:正確な理解 → 適正・公平な裁判の実現(=口頭弁論の趣旨) (b) 現れ:249Ⅰ、受命裁判官等による証人尋問を限定195 (c) 例外:直接主義の修正 ∵ 訴訟不経済 ​弁論の更新:裁判官の交代 → 結果の陳述で足りる。証人尋問については直接主義を貫徹249Ⅱ・Ⅲ ​受訴裁判所以外による証拠調べ:相当と認めるとき → 受命裁判官、受託裁判官、大使等184・185 (d) 受命・受託裁判官 ​受命裁判官:受訴裁判所の裁判官が命を受け職務行為を行う場合の裁判官 ​= 受訴裁判所の一員 ※受訴裁判所の合議体の裁判官の1人が任命される。命令は合議体で決める。 ​受託裁判官:受訴裁判所から嘱託を受け当該事項の処理を行う場合の裁判官 ​≠ 受訴裁判所の一員 ​⇒ 相当と認めるときは証拠調べができる185、証人尋問については出頭できない場合等に限定195  ※受訴裁判所とは別の裁判所の裁判官 ◻ 口頭弁論の諸原則 Bランク ① 口頭弁論中心主義:訴訟の審理は口頭弁論の方式で行われるという原則 ② 口頭弁論と手続87Ⅰ ​・必要的口頭弁論の原則:口頭弁論を開いて審理を行わなければならないという原則 ⇒ 判決手続に妥当 ​・任意的口頭弁論の原則:口頭弁論を行うか否かは裁判所の裁量に委ねるという原則 ⇒ 決定手続に妥当 ③必要的口頭弁論の原則 ⑴趣旨:民事訴訟制度の公正を担保 → 国民の信頼を確保 ⑵ 内容 (a) 口頭弁論を行わなければ判決をすることができない (b) 口頭弁論に顕出された事実や証拠だけが裁判資料となる ​⇒ 弁論主義や職権探知主義の前提(口頭弁論でなければ弁論主義や職権探知主義は機能しない) ⑶web会議等による口頭弁論87の2:改)認める (a) 要件:相当と認めるとき + 当事者の意見聴取 (b) 効果:期日に出頭したものとみなす ⑷電子通信による手続 ​映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話 ​=web会議 +テレビ会議 ​音声の送受信により同時に通話​=電話会議 +上記 (a) web会議等​:重要な手続 (例)口頭弁論87の2Ⅰ、裁判所外の証拠調185Ⅲ、証人尋問204 (b) 電話会議 ​:簡易な手続 (例)審尋の期日87の2Ⅱ、弁論準備手続期日170Ⅲ、和解の試み89Ⅱ ④任意的口頭弁論 ⑴趣旨:決定手続 ∴ 付随的事項を対象 → 簡易・迅速な手続処理 ⑵内容 (a) 口頭弁論を開くか否かは裁判所の裁量による (b) 口頭弁論を開かない場合、審尋ができる87Ⅱ •​審尋:無方式で裁判所に陳述する機会を与える手続 •​対審:当事者双方が裁判所に陳述する機会を与える手続 ≒ 双方審尋 ​⇒ 実務は審尋が主、 〇 受命裁判官・電話会議 ⑤必要的口頭弁論の例外 ⑴判決の例外 (a) 補正ができない場合の却下判決140・290・313等 ​∵ 無意味 (b) 書面審理による上告棄却判決319(Bランク) ​∵ 法律審 → 書面審理だけが多い (c) 担保不提供による却下判決78 ​∵ 判断が容易 (d) 判決の変更256Ⅱ ​∵ 訴訟資料のみで判断可 ⑵裁判資料の例外:陳述擬制158

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    2 口頭弁論の準備

    ◻ 口頭弁論の準備総論 ① 口頭弁論の準備:争訟となる事実を確定 + 争点を整理 ② 趣旨:審理の充実、 審理の促進、 不意打ち防止 ⭐️趣旨3つ書けるように ③ 口頭弁論の事前準備制度 ※⑵a,bはAランク。他はBランク ⑴当事者主導(≒裁判所がほぼ関与しない)の制度 (a) 当事者照会制度 (b) 弁護士会照会制度 (c) 訴え提起前における照会 ⑵裁判所が関与する制度 (a) 準備書面⭐️ (b) 争点(及び証拠の)整理手続⭐️:準備的口頭弁論・弁論準備手続・書面による準備手続 (c) 期日外釈明 (d) 進行協議期日 ◻ 当事者主導の準備制度 Bランク ① 当事者照会制度:訴訟係属中、相手方当事者に対し、必要な事項に回答するよう書面により照会 ⑴条文:163Ⅰ ⑵回答方法:改正前-書面により → 改正後-書面又は相手方の選択により書面もしくは電磁的方法 ⑶効果:相手方に回答義務(信義則上の義務)、制裁なし、自由心証の対象、回答義務否定事項あり ②弁護士会照会制度:弁護士の受任事件 → 必要な事項につき弁護士会が照会 ⑴条文:弁護士23の2 ⑵効果:回答義務あり(判例) ③訴え提起前における照会:予告通知 → 訴え提起前に当事者照会 + 証拠収集処分を裁判所に請求可 ⑴条文:132の2以下 ⑵予告通知:訴えを提起しようとする者が被告となるべき者に対して訴えの提起を予告する通知 ⑶電磁的方法:改正前-不可 → 改正後-承諾を得ることで予告通知・照会可 ◻ 裁判所の関与する準備制度 ①準備書面:当事者が準備のために口頭弁論において陳述しようとする事項を記載して提出した書面 ※定義をそのまま覚える必要はない ​⇒ 訴状・上訴状に記載した必要的記載事項以外の記載 = 準備書面の記載(規則53Ⅲ) ⑴ 条文:161以下 ​⇒ 書面主義の大幅な採用、 簡裁では原則として不要 ∵ 簡易・迅速性276Ⅰ ⑵趣旨:審理の充実、 審理の促進、 不意打ち防止 ⑶提出方法:裁判所に提出し、かつ、相手方に直送(規則79Ⅰ・83) (a) 裁判長は提出期間を定めることができる162Ⅰ → 改)遅滞は理由説明が必要162Ⅱ(制裁なし) (b) 直送を受けた相手方は、受領書を直送した方・裁判所に提出(規則83) ⑷答弁書:訴状の送達を受けた被告が最初に提出する訴状に対する答弁や認否を記載した書面 (a) 性質:準備書面に準じる(規則79Ⅰ) (b) 答弁書不提出 + 口頭弁論期日に欠席 → 争いはないとみなす(全部認容)159Ⅲ ⑸ 記載内容161Ⅱ (a) 攻撃防御方法:本案・訴訟手続に関する事項、法律上の主張、事実上の主張、証拠の申立等 (b) 相手方の請求及び攻撃防御方法に対する陳述 → × 単純否認(理由記載が必要) ⑹提出・記載の効果:原則、準備(≠主張) → 口頭弁論期日において陳述(=主張)  (a) 出席当事者は相手方が欠席した口頭弁論においても記載事実を主張できる161Ⅲ ∵ 不意打ち防止 ​⇒ 準備書面に主張する事実を記載 → 期日に「陳述します」でOK ∴ 事実上の書面主義 (b) 陳述擬制:最初の口頭弁論期日に欠席しても欠席当事者が記載事項を陳述したと認められる158 ​⇒ 口頭主義の例外 ∵ 口頭主義 + 通常、被告欠席(予定無視) + 原告出席(予定通り) (c) 訴え取り下げの制限:被告の答弁書提出後の訴えの取下げには被告の同意が必要261Ⅱ ⑺提出・記載の要件:改)161Ⅲ各号のいずれか (a) 相手方に準備書面が送達 (b) 相手方から準備書面を受領した旨を記載した書面が提出 (c) 相手方が電磁的記録の閲覧・複写(91の2)をした ⑻不提出・不記載の効果:不記載の事実は、在廷していない相手方に口頭弁論で主張できない161Ⅲ Q 相手方が欠席した場合、出席当事者による準備書面に記載されていない証拠の申出が許されるか⭐️ ⑴ 問題の所在:161Ⅲの「事実」に証拠の申出が含まれるか ⑵判例:原則、証拠の申出を含む。欠席当事者にも十分予測できたとみられる証拠は証拠申出可 ⑶理由:不意打ち防止 ⑷あてはめ ・​記載あり → 証拠申出可 ・​記載なし → 証拠申出不可 但し、十分予測できたとみられる証拠は可 ②期日外釈明(Bランク):裁判長による口頭弁論期日外の釈明権・求問権の行使 → 電話等で聞いてみる ⑴条文:149 → 書記官もできる(規則63) ⑵趣旨:審理の充実、審理の促進 ③進行協議期日(Bランク):口頭弁論期日外で証拠調べ関連と進行について協議する期日 ⑴条文:規則95 → 当事者立会が原則。〇 電話会議・裁判所外・受命裁判官(規則96・97・98) ⑵趣旨:審理の充実、審理の促進 ④その他の準備的手続 ⑴証拠保全234 ⑵文書送付嘱託の申立226

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    ◻ 争点及び証拠の整理手続

    ①流れ:写真 ②争点(及び証拠の)整理手続の概要 【3つの種類】 ​ⅰ 準備的口頭弁論​:争点及び証拠の整理のために行われる口頭弁論 ​≒ 口頭弁論 ​ⅱ 弁論準備手続​:争点及び証拠の整理のために行われる準備手続 ​≠ 口頭弁論 ⅲ ​書面による準備手続​:書面による争点及び証拠の整理のために行われる準備手続 ​= 当事者不要 ​⇒ 口頭弁論との類似:準備的口頭弁論>弁論準備手続>書面による準備手続 ③準備的口頭弁論 → = 口頭弁論 ⑴条文:164以下 ⑵実施方法 (a) 開始​:裁判所が必要と認めるとき164 (b) 手続​:口頭弁論手続に従う(4原則が妥当) → 争点整理に関するあらゆる行為可 (c) 証拠調べ​:〇あるゆる証拠調べ(文書・準文書以外の証拠調べを含む)⭐️ ⑶終了:整理が完了したとき → 裁判所は、当事者との間で確認必要 + 裁判長は結果の要約書面の提出を求めることができる165 ④ 弁論準備手続 →≠ 口頭弁論 +当事者必要 ⑴ 条文:168以下 ⑵ 実施方法 (a) 開始​:裁判所が必要と認めるとき + 当事者の意見聴取168(同意は不要) (b) 時期​:口頭弁論期日外の期日 (c) 手続​:原則、非公開(関係者公開)の対席手続 → 口頭弁論の規定をほぼ準用170Ⅴ (d) 証拠調べ​:〇 文書・準文書の証拠調べのみ⭐️ ⑶終了:整理が完了した時 → 確認・要約書面は準備的口頭弁論と同じ、当事者は口頭弁論において結果の陳述が必要173 ⑷改正ポイント (a) 結果の提示:調査嘱託186Ⅱ、 尋問の書面提出205Ⅲ、 鑑定人の陳述方式215Ⅳ、 鑑定嘱託218Ⅲ ​⇒ 改正前-口頭弁論期日に提示 → 改正後-弁論準備期日においても提示可170Ⅱ (b) 電磁的記録の証拠調べ:改正前-規定なし → 改正後-可170Ⅱ (c) 電話会議等:改正前-遠隔地その他相当、かつ、一方が出頭 → 改正後-相当と認めるとき ⑤ 書面による準備手続 → 書面のみ + 当事者不要 ⑴条文:175以下 ⑵ 実施方法 (a) 開始:裁判所が必要と認めるとき + 当事者の意見聴取175 (b) 時期:裁判長による提出期間の定めが必要176Ⅰ (c) 手続:書面による手続 + 当事者不要 → 口頭弁論の規定を対席前提のものを除き準用176Ⅲ (d) 証拠調べ:不可 ⑶ 終了:整理が完了した時 → 結果の要約書面の提出可 → 裁判所は口頭弁論期日において確認が必要177 ⑷ 改正ポイント (a) 開始​:改正前-遠隔地その他相当 → 改正後-相当と認めるとき (b) 電話会議等​:必要があると認めるとき可176Ⅱ (c) 受命裁判官​:可176の2 Q 争点整理手続き終了後に新たな攻撃防御方法を提出した場合の処理⭐️ ⑴ 問題の所在:双方審尋主義 VS 争点整理手続きの実効性 → 調和の観点 ⑵結論 (a) 相手方当事者の求めにより終了後に提出する理由を説明する信義則上の義務(説明義務)を負う167、174、178 (b) 弁論の全趣旨としてしん酌されうる247 (c) 時機に遅れた攻撃防御方法の却下の際の、故意・重過失の判断に影響157 ⑶争点整理手続後の攻撃防御方法の提出を認める理由:仮定的主張による争点整理の遅延を防ぐ

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    争点整理手続3類型の比較

    写真

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    3 口頭弁論の実施 B➕(時期に遅れた攻防方法の却下はAランク)

    ◻ 口頭弁論の実施の原理 ① 審理方式の分類 (Bランク) ・​継続審理主義:一事件の審理を継続的・集中的に行い、その終了後に他の事件の審理に移行 ・​併行審理主義:複数の事件を同時に併行して審理 ​⇒ 争点整理手続 + 集中証拠調182 → 継続審理主義を採用(実務は併行審理主義)∵ 適正な裁判 ② 口頭弁論の一体性:口頭弁論終結に至る全ての口頭弁論は全体を一体と捉え等しく判決の基礎とされる ・​訴訟資料​:第一回口頭弁論期日・続行期日の弁論・証拠調べは全て同一の価値 ・​控訴審の口頭弁論​:第一審の口頭弁論と一体⭐️ ③攻撃防御方法の提出 ・​適時提出主義:訴訟の進行状況に応じて適切な時期に提出しなければならない ​・随時提出主義:口頭弁論の終結に至るまでいつでも随時に提出することができる ⑴条文​:156 → 適時提出主義を採用 ⑵適時提出主義の趣旨​:濫用の防止 + 緊張感の維持 ⑶適切な時期​:時間的遅速のみならず、信義則2との関係で総合考慮 ⑷効果​:制裁規定なし → 訓示規定 ④時機に遅れた攻撃防御方法の却下:時機に遅れた攻撃防御方法 → 一定の要件を満たすと却下 ⑴ 条文:157 ⑵ 要件 →156と区別 (a) 故意又は重過失 → 当事者を基準 ​・法律知識の程度※、攻撃防御方法の種類、既に提出してある攻撃防御方法との関連 等で判断 ​・相殺の抗弁、建物買取請求→ 重過失は認められにくい(通説) ∵ 出えん(出捐)を伴う実質敗訴 ※ 弁護士を使わないと重過失は認められにくい (b) 時機に遅れて:実際に提出された時点より以前に提出すべき機会があった場合⭐️書けるように ​・弁論全体(一審・二審)を通じて判断 (c) 訴訟の完結を遅延:当該攻撃防御方法に関する審理がなければただちに終結できる段階にある⭐️書けるように ​・即時に取調べうる証拠 → 却下できない(通説 ⑶効果:裁判所は申立または職権により決定で却下できる(実務上はまれ) ※決定は「裁判所」が行う ◻ 口頭弁論の諸制度  ① 口頭弁論の制限・分離・併合 B➕ ・​条文:152 ・​趣旨:審理の整理 ・​特徴:原則、裁判所の任意 ⑴弁論の制限:訴訟物が複数 or 複数の独立した攻撃防御方法 → 1つに審理を制限 ​(例)損害賠償請求 → 被告が時効及び弁済を主張 → 時効を審理(弁論の制限) ⑵弁論の分離:訴えの併合がなされている場合 → 各請求を別個に審理 ​(例)売買代金請求及び貸金返還請求 → 売買代金請求、貸金返還請求を別個に審理 (a) 効果​:各請求個別に判決 → 判決に矛盾・抵触のおそれまたは性質上併合が必要 の場合不可 (b) 分離不可​:必要的共同訴訟、予備的併合訴訟、独立当事者参加 等 ⑶ 弁論の併合:別々に継続している複数の請求 → 結合させ同一の訴訟手続で審理・判決 (a) 趣旨:審理の整理、 判決の矛盾・抵触を防止 (b) 要件:訴えの客観的併合及び共同訴訟の要件具備 Q 個別の手続でなされた証拠調べの結果を、併合後に援用なしで証拠資料として利用できるか ⑴問題の所在:個別の訴訟は別個の手続 → 援用が必要(反対説)? ⑵結論 ​判例・通説:援用なしに利用できる ​但し152Ⅱ:当事者を異にする → 手続に立会わなかった当事者が証人尋問申出 → 再尋問必要 ⑶ 理由 ​訴訟経済、弁論の併合の趣旨(矛盾判決の防止・訴訟の簡易化) ​但し152Ⅱ:手続保障(併合後の当事者の不意打ち防止) ②弁論の終結・再開 Bランク ⑴弁論の終結:裁判所が原告の請求につき認容または棄却との心証を得たときに行う口頭弁論の終了 (a) 条文:243・354参 (b) 流れ:証拠調べ → 最終準備書面の提出 → 弁論の終結宣言 → 判決期日の指定 → 判決 ⑵弁論の再開:弁論終結後、判決前に弁論の終結宣言を取消し弁論を再開・続行する裁判所の措置 ※弁論終結後判決前がポイント (a) 条文:153 (b) 決定:職権で行う153、但し特段の事情があれば再開すべき(判例) ③ 訴訟手続の停止:係属中に一定の事由が発生 → 手続が法律上進行しない状態になる ∵ 双方審尋主義 (Bランク) ​・中断:当事者が交代すべき事情が生じた場合 ・​中止:職務執行が不能となる事情が生じた場合 ⑴ 中断124 (a) 中断事由(B ランク) ・​当事者の死亡→通常共同訴訟では他へ影響なし            必要的共同訴訟では全員中断 ・​選定当事者の資格喪失​→ 一部の者が喪失-中断しない ・ 全員喪失-中断する ​・訴訟能力・法定代理権の喪失 (b) ポイント:交代必要、訴訟代理人がいれば中断しない、受継or続行命令により進行、〇 判決言渡 ⑵ 中止130・131 (a) 中止事由:天災その他の事由、当事者の故障 (b) ポイント:交代不要、受継不要、× 判決言渡 ◻ 当事者の欠席 ①当事者の欠席の概要 ⑴対席判決主義:欠席者を出廷しているのと同様に扱い、欠席者に不利となる判決を避ける原則 ​⇒ 準備書面の提出のもと採用、 必要的口頭弁論の例外 ∵ 訴訟の遅延防止と当事者の保護 ⑵当事者の欠席の処理 (a) 最初の期日 ​•一方の欠席 → 陳述擬制あり158 •​双方の欠席 → 1月以内に期日指定申立  (b) 続行期日 •​一方の欠席 → 陳述擬制なし  •​双方の欠席 → 1月以内に期日指定申立 ②一方の欠席 ⑴ 最初の期日 → 陳述擬制あり158 ⇒ 続行期日 or 判決 (a) 審理:欠席した当事者の陳述擬制 + 出頭した当事者の陳述 (b) 手続:〇 証拠調べ183、準備書面で明らかに争っていない → 擬制自白159Ⅲ ➢ 158の最初にすべき口頭弁論の期日 = 実際に最初になされる期日 ≠ 最初に定められた期日 ⑵続行期日 → 陳述擬制なし ⇒ 続行期日 or 判決 (a) 審理:準備書面提出しても相手の主張を認めたことになる(簡裁は続行期日でも陳述擬制あり) ③双方の欠席 → 1月以内に期日指定申立 → なし or 連続して2回欠席 → 取下げ擬制263 ​⇒ 最初の期日・続行期日共に適用、 上訴にも適用292Ⅱ・313 ∵ 続行の意思なし ④判決:一方又は双方が欠席 → 裁判所が相当と認めるとき、判決可244(実務上双方欠席が主) ​⇒ 一方が出席の場合 → 出席当事者の申出があるときに限り可 ◻ 口頭弁論の記録 ⭐️ Aランク ①改正の概要 ​・訴訟記録のIT化​:改正前:口頭弁論調書で記録 ​→ 改正後:電子調書で記録 ​・個人情報の保護​:改正前: 閲覧制限なし∵ 公開原則 ​→ 改正後:閲覧制限あり・秘匿制度創設 ②電子調書:手続の方式、内容、経過等の記録及び公証のために作成する電磁的記録 ⑴口頭弁論160:改)裁判所書記官による期日ごとの作成が必要 → ファイルに記録 ​⇒ 口頭弁論の方式に関する規定の遵守はファイルに記録された電子調書によってのみ証明できる ⑵更正160の2:改)明確な誤り → 申立又は職権でいつでも更正可 ∵ 内容の変更ではない ③訴訟記録:事件に関し、当事者が提出したまたは裁判所が作成した書類等の裁判所書記官が管理する記録 ・​非電磁的訴訟記録​:電磁的訴訟記録以外の訴訟記録 ・​電磁的訴訟記録​:電子計算機に備えられたファイルに記録された訴訟記録 ⑴訴訟記録の閲覧・謄写等:改)91・91の2 ⑵秘密保護のための閲覧等の制限92 (a) 趣旨:何人も閲覧可 → 重大なプライバシー及び営業秘密保護の必要 (b) 手続:当事者の申立 + 疎明 → 該当事項の閲覧等の請求ができる者を当事者に限ることができる  ​⇒ 閲覧等制限の申立がある場合、確定まで第三者は該当事項の閲覧請求等不可 (c) 営業秘密の目的外使用:改)閲覧等制限申立 → 電磁的訴訟記録に適切な措置ができる92Ⅸ・Ⅹ (d) 第三者の訴訟参加:閲覧等制限申立 → 参加があった旨の通知要 ∵ 秘匿決定申立の機会を確保 ④ 秘匿制度:改)当事者に対し訴訟記録の閲覧等を制限する制度133~133の4 ⑴ 改正ポイント:改正前 - 当事者に対する閲覧制限なし → 改正後 - 当事者に対する秘匿制度創設 ⑵ 趣旨:被害者保護 ⑶秘匿制度の概要 ​訴訟記録(特に住所・氏名)の閲覧等を制限 ​調査嘱託の結果の閲覧等を制限 ​秘匿決定の取消、閲覧等の許可、家事事件等への適用 ⑷ 訴訟記録の閲覧等の制限 (a) 対象:「申立等をする者又はその法定代理人」の「住所・氏名及びその推知事項」 ​〇:「X、Y、補助参加人、当事者参加人、親」の「住所・氏名・職場・本籍」 ​×:「証人、(親を除く)親族」の「住所・氏名・職場・本籍」 (b) 要件:疎明 + 社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれ (c) 手続:申立及び秘匿事項の届出 → 決定まで他の当事者等の閲覧等も制限 → 秘匿決定  (d) 効果:代替事項の記載により真の住所等は不要 + 他の手続にも及ぶ ⑸調査嘱託の結果の閲覧等を制限:要件充足の場合に職権で制限可 (a) 要件:送達のため氏名・住所等の調査嘱託 + 上記要件おそれが明らかである (b) 対象:調査嘱託の結果が記載された書面及びその送達に関する書面等 ⑹ 取消等 ​秘匿:認容決定-× 即時抗告(∵取消しがあるため) ・ 却下決定-〇 即時抗告 ​取消:要件を欠くことを理由に可、 ​→ 〇 当事者・第三者申立 ​許可:実質的不利益のおそれ + 裁判所の許可 により閲覧可 ​→ 〇 当事者申立 ​⇒ 取消・許可の裁判には秘匿対象者の意見聴取が必要(必要的陳述聴取)

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    第8章 審理の進行と訴訟行為

    1 審理の進行 ◻ 審理の進行総説 ①審理における活動 ​判決の基礎となる事実や証拠を収集・提出 ​→ 事案の解明・内容 ≒ 審理の内容面 ​弁論・証拠調べ手続を実際に運営 ​→ 審理の進行・整理 ≒ 審理の進行面 ② 活動の主導権 ​・当事者主義​:訴訟の審理における主導権を当事者に委ねるという原則 → 弁論主義・処分権主義 ・​職権主義​:訴訟の審理における主導権を裁判所に委ねるという原則 → 職権進行主義・職権探知主義 ​⇒ 主導権がある ∴ 責任を負う ③ 役割分担 ⑴ 審理の内容面 ​・通常の民事訴訟の本案:原則、当事者主義 (→ 弁論主義)。釈明権で補正 ​・公益性・対世効がある:職権主義 (→ 職権探知主義) ⑵審理の進行面  ​原則:職権主義 → 職権進行主義 ​修正:申立権・責問権で補正 ◻ 裁判所の訴訟運営 B➕ ①職権進行主義:審理の進行及び整理が裁判所の主導権のもとに行われるという原則 ⑴趣旨:訴訟の効率的運営 ⑵帰結:裁判所に広範な訴訟指揮権を認める → 148・149等 ②訴訟指揮権:審理の適正・迅速・円滑な進行のために裁判所に認められた審理の主宰権能 ⑴ 主体:原則、裁判所 ⑵ 裁判長 (a) 訴訟指揮:弁論・証拠調べ → 裁判長が行使148 + 合議体の審理 → 主な発言機関 (b) 独自権限:期日指定93Ⅰ、 訴状審査137 ⑶行使方法:事実行為 + 裁判(弁論の併合・分離・制限等) ​⇒ 合目的的処置 ∴ いつでも取消・変更可120・152Ⅰ等 ⑷具体例 ・​進行:期日指定93Ⅰ、移送17、準備手続162等 ・​審理:訴訟指揮148、釈明権149、時機に遅れた攻撃防御方法の却下157、 ・​裁判:弁論の制限・分離・併合・再開152、中間判決245、一部判決243 ③申立権:審理の進行・整理につき裁判所の訴訟指揮権の発動を求める当事者の権限 ⑴ 趣旨:迅速・経済と適正・公平の調和、 当事者保護 ⑵ 効果 ​・明文規定あり → 裁判によって許否を明示 (例)移送17、求問権149Ⅲ、時機に遅れた157等 ​・明文規定なし → 陳情 ④ 責問権:訴訟行為に手続に関する規定の違反がある場合に異議を述べてその無効を主張しうる訴訟上の権能 ⑴条文:90参 → ≒ 異議権 ⑵趣旨:手続の合法性の監視 ・ 当事者の利益 ⑶ 対象:裁判所と相手方当事者の訴訟手続に関する規定の違反(→ 形式的事項) ⑷責問権の放棄・喪失:違反につき、過失又は悪意により責問権不行使 → 放棄・喪失 ≒ 瑕疵が治癒 (a) 趣旨:手続安定と訴訟経済 (b) 対象:任意規定だけが責問権の放棄・喪失の対象 (c) 任意規定:私益性の強い規定 → 主に、当事者の不利益となる  ​(例)訴えの変更(請求の基礎変更)、反訴(請求との関係)、送達、証拠調べ(宣誓なし) (e) 強行規定:公共性の強い規定→ 主に、訴訟制度の維持に不可欠  (例)訴えの変更(著しい遅滞)、除斥、専属管轄、公開主義、弁論の更新、判決の言渡し ※強行規定は瑕疵が治癒されない ⑤ 計画審理:民事訴訟の適正・迅速のため計画を立てて審理 → 特定事項・争点整理・証拠調等 (Bランク。試験には出ない) ⑴対象 ・​一般的事件:計画的な進行を図らなければならない147の2 ​⇒ 努力義務 ・​複雑な事件:適正・迅速な審理が必要 → 計画を定める147の3 ​⇒ 法的義務 ⑵特定事項 → 審理計画あり → 攻撃防御方法の提出期間の定め可 ​⇒ 不提出 + 進行に支障 → 申立又は職権で却下できる157の2 2 訴訟行為 ⭐️Aランク ◻ 当事者の訴訟行為 ①訴訟行為:裁判に向けて訴訟手続を展開させていく当事者及び裁判所の行為(⭐️Aランクで書けるように) (例)申立、主張、挙証、訴訟契約、期日指定、 送達、証拠調べ、裁判 ​⇒ 訴訟法上の効果が発生 → 実体法上の効果と区別 ② 訴訟行為の特徴 ◾️訴訟行為 ・必要な資格:訴訟能力 ・方式: 原則:口頭  例外:書面 ・撤回: 原則、可(取効的訴訟行為について) ・意思表示の瑕疵: 原則、民法規定の適用なし ・条件付行為: 原則、不可 ◾️(参考)法律行為 ・必要な資格:行為能力 ・方式: 原則:口頭  例外:書面 ・撤回: 原則、不可 ・意思表示の瑕疵:   民法規定の適用により無効・取消 ・条件付行為: 原則、可 ※取消:効果-遡及的に無効、 対象-取消されるまでは有効 ※撤回:効果-将来的に無効、 対象-未だ効力不発生 ​⇒ 取消の意でも用いる ③訴訟行為の種類 ・​裁判所主体​→訴訟指揮(決定・命令等)、判決    ​・当事者主体 ※覚える ​ - 取効的訴訟行為 ​→ 申立、主張、挙証   ​ ー 与効的訴訟行為 ​→ 単独行為(撤回・取下・放棄等)、訴訟契約  ⑴ 裁判所との関係による分類 ・​取効的訴訟行為:裁判所に対し特定の裁判をなすことを求める行為 ​→ 裁判所の行為により目的達成 ・​与効的訴訟行為:直接訴訟法上の効果を生じる行為 ​→ 裁判所を介さずに目的達成 ​⇒ 取効的訴訟行為は原則、裁判所に応答義務あり・応答前なら撤回可(与効的訴訟行為は共になし) ​⇒ 訴えの申立・証拠申出・自白の撤回(取効的訴訟行為)の撤回には例外として、制限あり ⑵ 内容による分類 ​・申立​:当事者が裁判所に対し一定の訴訟行為を求めること → 裁判所に応答義務あり ​・主張​:本案の申立を基礎づけるための裁判資料の提出 ​・挙証​: 証拠調べの申出 ​・訴訟契約​:当事者等が特定の訴訟につき影響を及ぼす一定の効果の発生を目的としてする合意 ​ その他、抗弁(主張の一種)、単独行為(撤回・取下・放棄等)もある ④ 当事者の訴訟行為:原告 ⇔ 被告 で訴訟行為を積み重ね + 裁判所が訴訟指揮のもと司会・進行 ⑴ 本案の申立(Ⅹ) 【応答】  ​・請求の認諾:請求に理由があることを認める被告の裁判所に対する意思表示(Y) ​ ・請求の放棄:請求に理由がないことを自認する原告の裁判所に対する意思表示(Ⅹ) ⑵攻撃方法の提出(Ⅹ)・防御方法の提出(Y)  ・​法律上の主張:当事者が事実に対して法律を適用した法律効果を述べること ​(例)貸金返還請求権あり ​ ・事実上の主張:事実の存否に関する当事者の認識または判断の報告    ​(例)金銭授受・返還合意  ※事実上の主張が認められて初めて法律上の主張が認められる 【応答】 ​・法律上の主張 → 権利自白 ・​事実上の主張 → 否認・不知・自白・沈黙 ⑶挙証 抗弁の種類 ⑷抗弁と再抗弁 ​・抗弁​:事実として両立・効果を排斥・被告に証明責任​(例)売買 → 錯誤95Ⅰ ​・再抗弁​:抗弁に対する原告の再反論​(例)重過失95Ⅲ ​⇒ 再々抗弁:被告の更なる再々反論 ・・・ ⑵ 主張共通の原則による分類 ​・事実抗弁:権利の発生・変更・消滅原因事実が主張されていれば足りる抗弁 ​(例)弁済 ​→ 一方当事者の主張により判決の基礎にできる ・​権利抗弁:権利の発生原因事実が主張されても訴訟上権利行使を主張されなければしん酌できない抗弁 ​(例)取消権、解除権、相殺権、留置権、533 ​→ 主張すべき当事者が主張しないとしん酌できない ⑶優先順位の拘束による分類 (a) 仮定的抗弁:複数の主張ないし抗弁につき、仮定条件ないし順位を付して抗弁を主張する場合 ​⇒ 裁判所は順位に拘束されない ​(例) 貸金返還請求訴訟 → 1否認(弁済等も可)、2消滅時効 ​→ 裁判所は消滅時効を先に審理・判断可 (理由が異なるだけで結論は変わらないため) (b) 予備的抗弁:仮定的抗弁につき、仮定条件ないし順位通りに審理・判断がなされる場合 ​⇒ 裁判所は順位に拘束される ​(例)貸金返還請求訴訟    → 1否認、2相殺 ​⇒ 裁判所は否認を審理・判断後に、相殺を判断 仮定的抗弁と予備的抗弁の違いを抑える Q 抗弁の審理の順序 ⑴ 事例:貸金返還請求訴訟 → Yが1-否認、2-消滅時効・弁済・相殺を主張 → 審理の順序 ⑵結論 ・​消滅時効・弁済(仮定的抗弁) ​→ 拘束されない ​∵ 理由中の判断には既判力が及ばないため ・​相殺(予備的抗弁)​→拘束される   ​∵ 既判力が及ぶ ≒ 実質的敗訴 Q 訴訟上の相殺の抗弁に対する、訴訟上の相殺の再抗弁の可否 ⑴事例:貸金返還請求訴訟 → Yがα債権による相殺の抗弁 → Xがβ債権による相殺の再抗弁 ⑵判例:許されない ⑶理由:裁判所が判断 → 仮定の上に仮定が積み重ねられ法律関係が不安定化 ◻ 訴訟行為の評価 Bランク ② 瑕疵ある訴訟行為:無効、不適法、理由のない訴訟行為 ​⇒ 効力規定に違反 → 一定の場合瑕疵の治癒を認める → 治癒なければ排除 ∵ 手続安定・当事者救済 ⑴追認:事後的に確定的なものにする当事者の一方的な意思表示 ​⇒ 無権代理・訴訟能力34Ⅱ・Ⅲ・59 ⑵ 補正:事後的に当事者が不備を直す(補充・訂正をする)行為 ​⇒ 法定代理人・選定当事者・訴訟代理34Ⅰ・59 ⑶瑕疵の治癒(狭):判決の確定又は責問権の放棄・喪失による瑕疵の治癒 ​⇒ 例外あり → 判決の確定 - 再審事由338Ⅰ、 責問権の放棄・喪失 - 強行規定違反 ⑷追完:不変期間(裁判所が自由に伸縮できない法定の期間)後、一定の期間内に必要な行為をする ​⇒ 当事者の責めに帰することができない期間徒過の場合、1週間以内の追完可97Ⅰ ◻ 訴訟契約 ⭐️Aランク ① 訴訟契約:当事者等が特定の訴訟につき影響を及ぼす一定の効果の発生を目的としてする合意 ※特定の訴訟についてがポイント (a) 主体:当事者または当事者となるべき者 (b) 任意訴訟禁止の原則:手続内容を当事者の合意で任意に変更できないとの原則 ​∵ 訴訟手続の画一化・定型化 → 手続安定 (c) 明文のある訴訟契約:管轄の合意11、 飛躍上告の合意281Ⅰ、 最初の期日の変更の合意93Ⅲ ​∵ 処分権主義、弁論主義 Q 明文のない訴訟契約の有効性 ⭐️Aランク ⑴ 事例​:特定の訴訟につき、明文規定のない訴訟上の合意(取下・不起訴等) ⑵問題の所在​:任意訴訟禁止の原則 → 不可↔︎処分権主義または弁論主義 → 可 ⑶通説 処分権主義・弁論主義の妥当する範囲内の事項であり、かつ、​いかなる不利益を受けるかが明確に予想されるなら認められる ⭐️書けるように ⑷ 理由​:処分権主義・弁論主義が支配する領域 → 本来、当事者の自由 Q 明文のない訴訟契約の法的性質 ⑴事例:明文規定のない訴訟上の合意 → 上記要件充足 → 契約の効果 ⑵ 問題の所在:実質的には訴訟法上の合意・形式的には実体法上の合意 ⑶学説 ・訴訟契約説(反対説) 内容:直ちに訴訟法上の効果が生じる 結果:当然に職権で考慮 理由:目的が訴訟法上の効果 ・私法契約説(通説) 内容:実体法上の作為・不作為義務が生じる 結果:抗弁という形で訴訟上主張できる → 違反は訴えの利益なしとして却下 ≒ 間接的に訴訟法上の効果が生じる 理由:訴訟外でなされたもの ②不起訴の合意:特定の権利・法律関係につき、訴えを提起しないことを約する私人間の合意 Q 有効性​:訴訟物たる権利が当事者の処分に服するもの、かつ、特定された紛争 であれば認められる Q 違反​:(私法契約説)→ 抗弁として主張可 → 訴えの利益なしとして却下すべき ③ 不控訴の合意:上訴権を発生させない旨の当事者の合意 Q 有効性​:双方とも控訴しない旨の合意であれば認められる → 一方のみは不可(判) Q 違反​:不適法として却下 ④ 訴えの取下の合意:訴訟係属後に当事者間で訴訟外においてなす訴えを取下げる旨の合意 ​⇒ 訴訟内での訴えの取下げ → 訴訟契約ではなく、単なる訴えの取下261 Q 有効性​:認められる ∵ 処分権主義 ・ 効果が明確262 Q 違反​:(私法契約説)→ 抗弁として主張可 → 訴えの利益なしとして却下すべき ⑤ 証拠契約 ​広義:事実の確定方法に関する当事者の合意​(例)自白契約、証明責任の所在、事実推定 ​狭義:上記の証拠方法に関する当事者の合意​(例)書証に限定 ≒ 証拠制限契約 Q 有効性​:弁論主義の範囲内ならば認められる ∵ 弁論主義 ・ 効果が明確 → 〇 証拠制限契約 Q 違反​:(私法契約説)→ 証拠能力を欠缺 → 証拠の申出を却下すべき Q 限界​:自由心証主義 → 事実推定・証拠力を制限 等は不可 ∵ 自由心証主義に反する ⑥ 自白契約:期日において特定の事実を認めて争わない旨の合意 Q 有効性⭐️ ​主要事実 ​→ 認められる ​∵弁論主義 ​間接事実・補助事実 ​→認められない     ​∵ 自由心証主義に反する Q 違反:(私法契約説)→証拠能力を欠缺 → 証拠の申出を却下すべき Q 効果:証拠による認定を不要 ◻ 形成権の行使と信義則 ①形成権の行使:私法上の行為 ・ 訴訟法上の行為 ​訴訟外で行使 ​→ 訴訟上主張 ​⇒ 私法・訴訟法により規律  ​訴訟外で不行使 ​→ 訴訟上、口頭弁論で直接行使 ​⇒ 私法・訴訟法により規律? Q 訴訟行為としての意義を喪失後、実体法上の効果が存続するか ⑴事例:相殺の抗弁を訴訟手続で主張 → 時機に遅れた攻撃防御方法として却下 → 相殺の効果? ⑵問題の所在:法的性質 → 私法上の行為 or 訴訟上の行為 ⑶学説 ・私法行為(反対説) 性質)私法上の形成権行使  →訴訟外不行使で訴訟上行使の場合も、私法上の相殺と同じ 理由)偶然に裁判上行使 批判)被告に酷 (自動債権も請求できなくなってしまう 114) ・訴訟行為説(反対説) 性質)単なる訴訟行為(私法上の効果は生じない) 理由)資料提供行為(訴訟では判断の資料を提供したに過ぎない) 批判)私法上効果なしは疑問 ・条件説(多数説) 性質)訴訟行為としての意味を失ったときには失効するという条件付法律行為 理由)妥当な結論 ②信義則:信義に従い誠実に訴訟を進行 ≒ 実体法と同様 → 最後の手段として適用しうる ⑴条文:2 → 民訴でも明文あり ⑵ 訴訟上の禁反言:先行行為と矛盾する訴訟行為の効力を否定 ➢ XがYに貸金返還請求 → Yは契約成立を否定しかし、前訴(Xに債権譲渡したAとの訴訟)では認めていた → Yの主張は不可 ➢ 訴状提出後送達前にYが死亡 → 相続人が訴訟承継し控訴審まで追行 → 上告審で訴訟承継無効不可 ⑶訴訟上の権能の失効:訴訟上の権能の長期間の不行使等 → 信義則により失効 ⑷訴訟状態の不当形成の排除 ➢ XがY社に賃料明渡請求 → 代表Aが自白 → Z社を設立しその代表Aとして自白を否定 → 不可 ⑸訴訟上の権能の濫用の禁止 ➢ 原告敗訴で訴えの提起に不法行為が成立するか → 著しく相当性を欠くと認められるなら不法行為成立

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    第9章 弁論主義 A➕

    1 弁論主義 ① 事実・証拠及び法律上の主張 → 判決の基礎となる → 判決 ​・弁論主義​:判決の基礎となる事実と証拠の収集・提出は当事者の権能かつ責任であるとする建前 ​・職権探知主義​:判決の基礎となる事実と証拠の収集・提出は裁判所の職責でもあるとする建前 ⑴職権探知主義との比較 ​私益的審理対象→弁論主義が妥当 ​公益的審理対象→職権探知主義が妥当(人事訴訟、破産関係、裁判権、専属管轄等) ⑵処分権主義との比較 ​・処分権主義​:手続外在的問題 ​→ 訴訟の処分権限・入口または出口の問題 ​・弁論主義​:手続内在的問題 ​→ 訴訟手続内部での審理の進め方の問題 ②趣旨:私的自治の訴訟法的反映 ≒ 実体法=私的自治 → 判決内容も当事者の意思を尊重 ③弁論主義の内容( A➕書けるように) (a) 第1テーゼ ​裁判所は当事者が主張しない事実を判決の基礎とすることはできない (b) 第2テーゼ ​裁判所は当事者に争いのない事実はそのまま判決の基礎としなければならない (c) 第3テーゼ ​当事者間に争いのある事実を証拠によって認定する場合には当事者の申出た証拠によらなければならない ④職権探知主義の内容 (弁論主義のテーゼの裏返し) ​裁判所は当事者の主張しない事実をも裁判の資料とすることができる ​当事者の自白は裁判所を拘束しない ​裁判所は職権で証拠調べをすることができる 2 弁論主義の適用対象  ①事実の種類 ⑴主要事実:法律効果の発生に直接必要な事実 = 実体法上の要件にあたる事実 ≒ 直接事実・要件事実 ​(例) 金銭消費貸借契約に基づく貸金返還請求 → 587の要件事実 → 返還合意 + 金銭授受 ⑵間接事実:主要事実の存否を推認させる事実 ​(例) 上記事例 → Xが貸金と同額を引落、Yが貸金と同額の車を購入、返済計画書を提出 ⑶補助事実:証拠の証明力に関する事実 ​(例) 上記事例 → 借用証書のYの印鑑が三文判(どこでも買える安い印鑑)、 借用証書をYが作成 ②証拠の種類 ⑴直接証拠:主要事実を直接証明する証拠 → 推認の過程がない ​(例) 金銭消費貸借契約書、 第三者の証言、 ⑵間接証拠:間接事実及び補助事実を証明する証拠 ​(例) 通帳、 車の売買契約書、 三文判、 筆跡鑑定書 Q 弁論主義の対象となる「事実」とは何か? ⭐️A➕ 超重要 ⑴ 事例:交通事故 → 不法行為709に基づく損賠請求 → Xは飲酒運転を主張・Cは脇見運転の心証 ​⇒ 709の要件は過失 → 飲酒運転・脇見運転は共に間接事実、Xは脇見運転の主張なし ⑵問題の所在:弁論主義の明文なし +主要事実である場合「過失」は 抽象的概念 → 弁論主義の対象となる「事実」により結論が異なる ⑶学説・判例 (判例通説が重要) ・反対説 結論) 主要事実・間接事実 理由) 主に、間接事実の積み重ねにより要件事実の存否を証明 ・判例 結論)主要事実 理由)  必要性:自由心証主義に反するおそれ ∵ 間接事実・補助事実は証拠と共通の機能  許容性:勝敗に直結する事実たる主要事実を対象とすれば十分 ∵ 弁論主義の機能(当事者の意思の尊重) ・通説・実務(現判例?) 結論)主要事実・準主要事実 理由)一般条項・抽象的概念はその存否の判断に法的評価を要する 弁論主義の機能(不意打ち防止) ​・⭐️補足:一般条項・抽象的概念についてはこれを基礎づける具体的事実を準主要事実として弁論主義を適用 ⑷準主要事実の例:不法行為709の過失、借地借家28の正当な事由、  ※ これらが出たら 弁論主義の対象となる「事実」が問題となると覚えておくこと ⑸ あてはめ ​・反対説 →脇見運転の事実を裁判資料としえない ​・判例  →脇見運転の事実を裁判資料としうる ​・通説等 → 脇見運転の事実を裁判資料としえない ③ 代理権の認定 ⑴ 判例-反対説:当事者間での契約成立の主張があれば、代理人との間での契約成立を認定できる ※ 問題点:不意打ちになる ​∵ 法律効果が同じ → 判例の事例では特殊な事情があり結論は妥当。しかし一般化はできないもの。 ⑵ 通説-自説:代理人との間の契約の主張必要 ​∵ 顕名・代理権授与・法律行為は99条の要件→主要事実であり弁論主義の対象となる事実 ④来歴・経過:所有権取得の来歴・経過、特に移転原因事実は全て主要事実(判例) → 弁論主義適用 ・​訴訟物 ​=所有権に基づく返還請求 ​→ 要件事実=⑴自己所有(法律上の主張)⑵相手方占有(事実) ​→ 自己所有​=前主所有+前所有者から原告への承継取得原因事実(主要事実) ​→ 前主所有 ​= 前々主所有 + 前々所有者から前所有者への承継取得原因事実(主要事実) ​⇒ 争いある限り、取得原因事実は主要事実 → ふつう、時効での原始取得 ⑤過失相殺(民418) → 「債権者の過失を構成する具体的事実」 ⑴判例(反体説):弁論主義不適用 ∵ 間接事実 ⑵実務(準主要事実説:自説):弁論主義適用∵ 準主要事実、不意打ち防止 ⑥ 一般条項(公序良俗・信義則・権利濫用等) ※一般条項に弁論主義が適用されるか? ⑴ 学説(反対説):不確定概念ではなく規範的概念(各反対説に共通) → 主張必要 or 不要等(多数説なし) ⑵判例(自説):該当事実の陳述があれば無効主張なくとも裁判所は判断しうる ≠ 権利抗弁  ​∵ 高度の公益性(規範的概念だから) ※事実の陳述は必要としているので弁論主義が適用されないということではない 3 弁論主義の内容 ①弁論主義の機能 ⑴手続保障・不意打ち防止   ∵ 当事者により口頭弁論に提出された事実・証拠のみが判決の基礎 ⑵争訟内容(裁判資料)の自主的形成 → 裁判所の中立・当事者の意思及び責任の確立 ⑶真実発見  ∵ 適切な訴訟主体 ⑷ 公平な裁判 ∵ 裁判所の中立 Q 事実主張の一致の程度 ⑴事例:当事者は1月10日に200万の契約を主張 → 裁判所は1月9日の180万の契約を認定 ⑵ 問題の所在:弁論主義 ∴ 当事者の主張する事実 = 裁判所の認定 → 多少のズレはありうる ⑶ 判例:社会的同一性が認められる限り、弁論主義に反しない ⑷理由:弁論主義の機能 → 判断基準(不意打ち防止・当事者の意思) ②弁論主義の範囲:通常の民事訴訟の本案  → not 通常・not本案 は適用しない ・​not 通常:公益的審理対象、第三者効がある ​(例)境界画定訴訟、 人事訴訟、 行政訴訟 ​・not本案:公益的訴訟要件、付随的手続​(例)裁判権、専属管轄、当事者能力、差押、 ◻ 第一テーゼ ①定義:裁判所は当事者が主張しない事実を判決の基礎とすることはできない ​ ・資料を口頭弁論に提出しなければならない ​= 必要的口頭弁論  ・​資料を当事者が提出しなければならない ​= 弁論主義 ​ ・資料となる事実については当事者が提出しなければならない ​= 第一テーゼ ②主張責任:ある事実を弁論で主張しないためその事実はないものとされることによる一方当事者の不利益 ​→ 証明責任・立証責任・挙証責任:証拠による証明ができない(真偽不明)場合の 一方当事者の不利益 Q 主張責任の分配 ⑴結論:証明責任の分配原理に従う → 証明責任を負う者=主張責任を負う者 ⑵理由:基準として明確 ≒ 自己に有利な事実あり → 適用すべき → 自己に主張責任・証明責任あり ③主張共通の原則:裁判所は当事者双方のいずれかが主張した事実である限り裁判の基礎とすることができる ​⇒ 弁論主義 = 裁判所と当事者との間の役割分担の定め ≠ 当事者間の役割分担の定め ​⇒ 主張者の有利・不利に関係なく事実の主張があれば裁判の基礎となる ​(例)原告が自己に有利な事実を主張しない + 被告が原告に有利な事実主張あり = 主張あり 例:100万円の貸金返還請求訴訟で、原告が「被告は1月10日に返すと約束したのだから100万円返せ」と主張。被告は「受け取った金は贈与のため返す必要ない」→原告は主要事実である金銭の交付を主張していないが。被告がしているので裁判所は判決の基礎とすることができる ④ 訴訟資料と証拠資料の峻別 裁判所は証拠調べから心証を得たとしても当事者が弁論に現出しない主要事実を判決の基礎とすることができない ⑴証拠資料と訴訟資料 ​・訴訟資料:当事者の「弁論」から得られた裁判の資料​(例)準備書面、口頭での主張 ​・証拠資料:当事者の「証拠」から得られた裁判の資料​(例)尋問での証言、書面に記載 ​注)訴訟資料:証拠資料を含める場合もある → 上記の証拠資料=狭義の訴訟資料 ⑵審理:弁論期日(訴訟資料) → 証拠調べ期日(証拠資料) ​⇒ 証拠資料をもって訴訟資料に代替できない ⑶ 趣旨:不意打ち防止 ⑤【弁論主義(第一テーゼ)の適用】 ・主要事実 【第一テーゼの適用】◯ 【判決の基礎とする要件】 当事者による訴訟資料としての提出 ・間接事実 【第一テーゼの適用】× 【判決の基礎とする要件】 当事者による提出 ・補助事実 【第一テーゼの適用】× 【判決の基礎とする要件】 当事者による提出 4 弁論主義の補充・修正 ◻ 釈明権 ①釈明権:裁判所が当事者に対し事実上・法律上の事項について質問を発しまたは立証を促す権能  ※裁判所が行う権能 ​・求釈明​:当事者が裁判所に対し釈明権の行使を要求 → 裁判所が他方当事者に釈明を要求 ​・釈明​:裁判所の釈明権の行使 → 当事者が応答 ​⇒ 法律上、裁判所のみが当事者に行使できる → 実務上、当事者間の行使黙認 ⑴ 目的:曖昧な事実関係や法律関係の明確化 ⑵条文:149 ⑶ 趣旨:弁論主義の補充・修正、 裁判所に対する信頼 ※論文で書く ②釈明権の行使 ⑴主体:原則、裁判所を代表して裁判長が行使 ⑵時期:(口頭弁論期日のみならず)口頭弁論期日外においても可(期日外釈明) ⑶釈明の種類 ​消極的釈明:不明瞭・矛盾点等を問いただす釈明 → 必要な申立・主張あり ≒ 裁判所は受動的 ​積極的釈明:必要な申立等を示唆・指摘する釈明 → 必要な申立・主張なし ≒ 裁判所は能動的 ③釈明権の行使の範囲 ​・消極的釈明 → 全面的に許容 ∵ 弁論主義の諸機能 ​・積極的釈明 → 慎重にすべき ∵ 裁判所の公平 Q 積極的釈明が認められる場合 → 当事者に訴訟追行能力の欠乏がある ∵ 裁判所の公平(有) Q 過度の積極的釈明の場合 → 上級審による取消不可 ∵ 裁判所への信頼保護(有) Q 訴えの変更を促す積極的釈明 → 可 ∵ 請求認容・誤解・紛争の根本的解決(判) ④ 釈明義務違反:釈明権を行使する必要がありながらこれを怠った場合 Q 釈明義務違反の場合の処理 ⑴問題の所在​:釈明権 → 権利であり違反しても違法とはいえない? ⑵ 結論​:違法があったとして上訴できる ⑶ 理由​:趣旨=裁判所に対する信頼 → 権能であると同時に義務 Q 釈明義務違反の判断の基準 ​・消極的釈明 → 一律に上告理由 ​∵ 一律に義務ありといえる ​・積極的釈明 → 当事者間の公平等を総合考慮して判断 ​∵ 一律に義務ありとまではいえない Q 上告がなされて釈明義務違反が理由となる場合の処理 ⑴ 問題の所在​:上告審は法律審 ⑵結論​:原判決を破棄・差戻312Ⅲ・318Ⅰ ⑶理由​:法律審 ∴ 判断不可 ⑤法的観点指摘義務:法律問題についての釈明義務 Q 裁判所に法的観点指摘義務があるか ⑴問題の所在​:釈明の対象は事実 + 法的判断の理論構成(法律問題)は裁判所の専権 ⑵結論​:ある ⑶理由​:法律構成の変化により争うべき事実も変化 → 手続保障・不意打ち防止の必要 ※415と709では要件が異なり争う内容も変わるので手続き保障、不意打ち防止のため ◻ 専門委員制度  ① 概要:専門訴訟において専門委員が公平・中立の立場から裁判所に対し専門的知識の説明等を行う ⑴専門訴訟​:通常人が有しない専門知識が必要となる訴訟​(例)医療過誤、建築関係、知的財産 ⑵趣旨​:裁判官の知識に限界 → 専門委員の説明等により事案の理解の促進・適切な裁判 ②専門委員:専門的な知識経験を有する専門家の中から裁判所が任命する非常勤の裁判所職員 ​⇒ 裁判所の全面的・アドバイザー的立場(≠ 証拠) ・ 鑑定人の説明等(= 証拠 )  ⑴指定:当事者の意見聴取が必要92の5、 除斥・忌避・回避の準用92の6 ⑵ 類型 写真

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    主要事実、間接事実、補助事実の図

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    訴訟資料と証拠資料の峻別

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    第10章 証拠法 1証拠総則2自白

    ①証拠:裁判所による事実認定のための材料 ⑴ 事実認定:(主張・争点の確定)→ 証拠 → 事実認定 → 要件事実・法規の適用 → 判決 ⑵証拠法:証拠に関する法的規制 ・​証拠による証明の要否 ​→ 要証事実・不要証事実 ・​証拠の評価 ​→ 自由心証主義 ​・証拠によっても真偽不明 ​→ 証明責任 ​・証拠調べの方法 ​→ 証拠調べ手続 ② 証拠の基本用語 ⑴ 証明の対象による分類 ​・直接証拠:主要事実を直接証明する証拠​(例)契約書、映像記録、主要事実の証言 ​・間接証拠:間接事実や補助事実を証明する証拠​(例)通帳の入金記録、証人は嘘つきとの証言 ⑵証拠調べの目的による分類 ​・証拠方法:裁判官が五感の作用によって取調べできる事物 ​≒ 対象 ​(例)証人、文書  ​・証拠資料:証拠方法から得られた内容 ​≒ 結果​(例)証言、記載内容 ※証拠方法🟰対象、証拠資料🟰結果で覚えればOK ⑶ 証拠の能力による分類 ​・証拠能力​:証拠調べの対象とされうる資格​ (例)〇 合意で取得 × 暴力で取得 ​⇒ 証拠能力は原則、否定されない → 否定は極めて例外的 ・​証拠力​:要証事実の認定に役立つ程度​(例)署名付文書 > 署名なし文書 ​⇒ 証拠力 ≒ 証拠価値 or 証明力 ③証明の基本用語 ・​証明:確信を抱いた状態 ​→ 通常人が合理的疑いをいれない程度の心証、 ​・疎明:確信には至らない程度の推測を抱いた状態 → 一応確からしいといえる程度の心証 ​→ (2)裁判官に上記の状態に至らせるための当事者の行為 ​⇒ 立証方法: ・​原則:証明 ​・例外:明文ありかつ即時取調べ可の場合、疎明188 ∵ 手続的・派生的事項かつ迅速性要求 ・​厳格な証明:法定された証拠調べ手続による証明 → 原則 ​・自由な証明:法定の証拠調べ手続によらない証明 → 例外 ​・本証:客観的証明責任を負う者の証明活動 ​→ 確信を必要 ​∵ 目的達成 2 証明を要する対象 ◻ 証明対象総論 ①裁判の必要事項 : 証拠→ (経験則適用)→事実 →(法規適用) → 権利義務の存否  ​⇒ 経験則、 事実、 法規 が必要 → 証明の対象 ②経験則:実際に経験した事柄から見いだされる法則 Q 専門的知識に関する経験則は証明の対象となるか ⑴問題の所在 ​一般的常識に関する経験則 → 証明不要(争いなし)∵ 一般的法則、裁判所の信頼、手続的負担 ​専門的知識に関する経験則 → 一般的法則ではない ⑵判例・通説​:厳格な証明※が必要 ※法定された証拠調べ手続による証明 ⑶理由​:裁判官の既知は偶然、鑑定人と裁判官の同一は不可23Ⅰ四 ③ 事実 ​◾️主要事実 ​ ・原則 → 要証事実​:証明の対象となる事実 ​・例外 → 不要証事実​:証明の対象ではない事実179等 ​◾️補助事実・間接事実 ​→ 主要事実の証明に必要な範囲で証明の対象 ④ 法規 ​・原則:証明の対象ではない ​∵ 裁判所の職責 ​・例外:外国法・慣習法・他地方の条例等 → 証明の対象(〇 自由な証明) ​∵ 不知もありうる ⑤ 不要証事実 ⑴主張されていない事実 ⑵当事者間に争いのない事実179前 → 裁判上の自白または擬制自白 ​・自白:相手方の主張する自己に不利益な事実を認めて争わない旨の陳述 ​裁判上の自白:口頭弁論又は弁論準備手続で行う自白 ​→ 拘束力あり ​裁判外の自白:口頭弁論又は弁論準備手続以外で行う自白 ​→ 拘束力なし ⑶顕著な事実179後 → 公知の事実または裁判所に顕著な事実 ​公知の事実:一般人が疑わない程度に知れ渡っている事実​(例)災害、事件、一般常識 ​顕著な事実:裁判官としての職務の遂行上当然に知り得た事実​(例)訴訟中の事柄 ​→ 顕著な事実に私知は含まない、顕著な事実 ≒ 裁判所に顕著な事実・職務上顕著な事実 ◻ 裁判上の自白 ⭐️Aランク ①要件 ⑴ 口頭弁論または弁論準備手続における弁論として行う ​〇:口頭弁論期日に裁判官の面前での弁論、争点整理手続きにおいての弁論 ​×:裁判外の自白、当事者尋問での供述、 書面のみによる準備手続(通) ⑵相手方の主張と一致 →前後は不問 ​⇒ 〇 先行自白:自己に不利益な事実を主張 → 相手方が援用(not → ×自白 + 〇 主張共通) ⑶自己に不利益な事実を認める旨の陳述 Q 自己に不利益な事実(不利益要件)の意義 ⑴問題の所在:当事者が一貫しない主張(金銭交付した・してない、弁済期徒過した・してない等) ⑵判例・学説 ・ 敗訴可能性説(反対説) (内容)裁判の基礎とすると敗訴する可能性のある事実 (理由)自己責任の原則 (批判)不明確 ・証明責任説(判例通説) (内容)相手方が証明責任を負う事実 (理由)基準として明確 ⑶あてはめ:貸金返還請求権(原告)・弁済(被告) → 原告が弁済を認める=自白成立 ②態様 ⑴ 先行自白:自己に不利益な事実を主張 → 相手方が援用 ⑵否認:相手方の主張する事実を認めないとする陳述 a消極否認:理由のない否認 ≒ 単純否認​(例)「借入及び金銭授受はない」 b積極否認:理由(=相手方の主張と両立しない事実)を付した否認 ​⇒ 実務上は積極否認をすべき(規則79Ⅲ参)、 自白が成立する場合がある ​〇 積極否認 + × 自白​(例)「入院中なので借入及び金銭授受はない」 ​〇 積極否認 + 〇 自白​(例)「借入ではなく別債務の弁済で金銭授受(自白)」 ③制限付自白:自白 + 抗弁​(例)「借入及び金銭授受した(自白)後に返した(抗弁)」 ④効力:当事者及び裁判所に対する拘束力 ⑴ 証明不要効:証明が不要となる≒ 不要証効 → 判決の基礎となる​∵ 179・第2テーゼ ⑵審判排除効:裁判所の事実認定自体を排除 ​→ 裁判所も拘束される ​∵ 第2テーゼ ※裁判所は、自白内容が間違っているという心証を抱いても自白に反する認定はできない ⑶撤回禁止効:自白者による撤回及び矛盾する別事実の主張禁止 ​∵ 相手方保護、自己責任原理、禁反言の原則、 →  撤回禁止効は弁論主義とは関連がない Q 自白の撤回が許されるか ⑴ 問題の所在:撤回禁止を徹底 → 錯誤・強迫で自白 → 状況により撤回できないのは酷 ⑵判例:以下のいずれかの場合、自白の撤回は許される a相手方が同意した場合 b自白が第三者の刑事上罰すべき行為によってなされた場合338Ⅰ五参 c 自白が真実に反し、かつ、錯誤によるものであることが証明された(反真実錯誤)場合 ⑶ 理由:a) 相手方への配慮は不要、 b) c) 意思自体に瑕疵があり当事者意思の尊重という前提に欠ける ⑷ 反真実錯誤の立証:反真実の立証で足りる ∵ 錯誤は推定できる ⑤自白の対象:原則、「事実」179 → 経験則・法規・顕著な事実等は自白の対象外 Q 自白の対象となる「事実」179 ⑴問題の所在:自白の拘束力が生じる事実の範囲 ⑵判例 ・証明不要効  主要事実 ◯ 間接事実・補助事実◯ ・審判排除効  主要事実 ◯ 間接事実・補助事実× ・撤回禁止効 主要事実 ◯ 間接事実・補助事実× ​⇒ 主要事実のみ。但し、間接事実等にも証明不要効はあるが、裁判所・当事者への拘束力なし  ※主要事実:法律効果の発生に直接必要な事実   ⑶理由:証拠と同様の機能を有する + 自由心証主義に反する ◻ 権利自白 ①権利自白:請求の当否の判断の前提をなす先決的な権利・法律関係についての自白 ​⇒ 法律上の主張レベルの自白 → 要件ではなく効果についての自白 ・​通常​:契約書-証拠 →​返還合意-事実上の主張​→ 貸金返還請求権-法律上の主張 ・​裁判上の自白​:​返還合意-自白​→ 貸金返還請求権-法律上の主張 ​・権利自白​:​貸金返還請求権-自白 Q 権利自白の効力 ⑴問題の所在:当事者の職責は要件事実の提出 +法の適用は裁判所の専権 ⑵ 判例・通説 (a) 一応の証明不要効は生じる + 裁判所にも当事者にもおよそ拘束力なし ​⇒ 〇 証明不要効 + × 審判排除効・撤回禁止効 (b) 但し、日常的な法律概念については事実の陳述として裁判上の自白が成立​(例)売買、賃貸借 ⑶理由:法の適用は裁判所の専権 + 当事者の法的判断能力の欠如による不利益の回避 ②不確定事実の自白:不特定概念及び一般条項を主要事実とする場合の自白​(例)過失、正当事由 Q 過失を自白した場合の効力 ⑴ 問題の所在:抽象概念は準主要事実に弁論主義適用 ⑵ 判例・通説:権利自白と同様に考える ​・主要事実(過失) ​→権利自白の対象 ​・準主要事実(酒酔い運転等) ​→自白の対象 ⑶ 理由:準主要事実適用説※     + 主要事実に法的評価を伴う ※一般条項、抽象的概念についてはこれを基礎づける具体的事実を準主要事実として弁論主義を適用∵不意打ち防止 ③ 擬制自白:相手方の主張した事実を明らかに争わない場合 → 裁判上の自白が成立 ⑴条文​:159 ⑵成立場面​:不出頭(公示送達を除く)159Ⅲ、 答弁書不提出・反論なし ⑶成立時期​:事実審の口頭弁論終結時

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    自白の対象となる「事実」179 写真

    ⑴問題の所在:自白の拘束力が生じる事実の範囲 ⑵判例 ・証明不要効  主要事実 ◯ 間接事実・補助事実◯ ・審判排除効  主要事実 ◯ 間接事実・補助事実× ・撤回禁止効 主要事実 ◯ 間接事実・補助事実× ​⇒ 主要事実のみ。但し、間接事実等にも証明不要効はあるが、裁判所・当事者への拘束力なし  ※主要事実:法律効果の発生に直接必要な事実

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    権利自白 売買 写真

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    ⑶自由心証主義 Aランク

    ◻ 自由心証主義総論 ① 事実認定の方法 ・​法定証拠主義:一定の証拠があれば一定の事実を認定しなければならないとする建前 ・​自由心証主義:事実の認定を審理に現れた資料に基づき裁判官が自由に形成する心証に委ねる建前 ②条文:247 →自由心証主義を採用 ③ 趣旨 ⑴専門家として要請された裁判官の知見への信頼 ⑵複雑化・多様化に対し柔軟に対応することで真実発見に資する ④内容:証拠方法の無制限と弁論の全趣旨の斟酌 及び 証拠力の自由評価 ⑴ 証拠方法の無制限:あらゆる人・事物が証拠方法たりうる → 〇 伝聞・挙証者による証拠 ​⇒ 原則、証拠能力肯定 → 証明力は別問題 ⑵弁論の全趣旨:口頭弁論に現れた一切の資料・状況 → 証拠を基本 + 状況等を考慮 ➢ 〇:陳述の態度・攻撃防御方法の提出時期・やむをえない場合に証拠調べなし → 事実認定 ➢ 〇:弁論の全趣旨の斟酌による事実認定 → 内容を判決理由中で具体的説示なし ⑶証拠力の自由評価:a ) ∴ b ) ∴ c )(判例) (a) 証拠力の自由評価:証拠にどの程度の証拠力を認めるかは裁判官の自由な判断に委ねられる (b) 証拠共通の原則:提出された証拠は自己に有利にも不利にも評価される ​⇒ 自由心証主義から導かれる → not 弁論主義(証拠を持ってくるのは当事者ということ。証拠共通の原則はその評価の問題) ∵ 職権探知主義でも妥当 (c) 証拠の撤回 ​・証拠調べ開始前:任意に撤回可 ​∵ 弁論主義 ​・証拠調べ開始後:相手方の同意がない限り不可 ​∵ 証拠共通の原則 ​・証拠調べ終了後:不可 ​∵ 自由心証主義 ◻ 自由心証主義の制限 ①自由心証主義の制限:証拠方法、証拠力の自由評価、証拠契約 → 明文・判例で制限 ② 証拠方法の制限:手続の明確化・迅速化 → 証拠方法を限定 ⑴法定代理権・訴訟代理権・選定当事者の選定 ​→ 書面のみ(規則15・23Ⅰ) ⑵改)口頭弁論の方式の遵守 ​→ 電子調書のみ(160Ⅳ、改正前-調書) ⑶ 疎明事項・少額訴訟 ​→ 即時取調べのできる証拠のみ188・371 Q 違法収集証拠の証拠能力 ⑴ 問題の所在:自由心証主義からは肯定↔︎犯罪の助長・民事訴訟に対する国民の信頼(刑訴は否定) ⑵ 裁判例・多数説 ​原則 - 肯定 → 実務上も証拠能力ほぼ肯定 + 証明力で問題 ​例外 - 著しく反社会的な手段を用いて、人格権侵害を伴う方法で収集された場合、否定 ⑶あてはめ ​× :住居侵入+窃盗により収集 ​〇:無断録音により収集、 忘れ物を収集、 窃盗により収集(提出者犯人の証明なし.誰が盗んだかは不明) ③証拠力の自由評価の制限:一定の証拠 → 一定の事実(法規で定める)   ⑴私文書に本人または代理人の署名または押印 ​→ 真正と推定228Ⅳ ⑵証明妨害があった場合 ​→ その事実のみで不利な事実認定可224等 ※ 「できる」規定 (a) 証明妨害​:証明責任を負わない者が証明責任を負う者の立証を故意または過失により困難にする (b) 条文​:224等 (c) 趣旨​:当事者間の実質的公平の実現 + 証拠収集の妨害予防 ​(例)文書提出命令 → 拒否 → 文書の内容を真実と認定可(心証=否定・形成なし) ④ 証拠契約 Bランク(でない) ​・証拠制限契約 → 自由心証の対象が一部制限 ​・自白契約等  → 自由心証による事実認定が排除 ◻ 自由心証主義と不服 Bランク ①事実認定に関する不服 ⑴不服の理由 ​・不当:法律違反はないが、妥当ではない ・​違法:法律違反 ⑵ 上訴審 ・​控訴審 →事実審 ∴ 改めて事実認定   ⇒ 事実認定の不当or 違法 を判断 ​・上告審 →法律審 ∴ 新たな事実認定不可 ⇒ 事実認定の違法321Ⅰ  を判断 ② 上告理由 ⑴ 裁判資料の看過・違法312Ⅲ・318等 ⑵ 証拠説明欠缺252Ⅰ三・312Ⅱ六 → 推論の過程、事実認定の根拠が必要、詳細不要 ⑶ 経験則違背312Ⅲ Q すべての経験則違背が上告理由となるか ⑴ 問題の所在:経験則違背 → 広範 + 複雑 → 全て経験則違背となりうる ⑵判例・通説 ​事実認定が常識に反し論理に飛躍のある場合​→ 上告理由(〇 判例 〇 通説) ​法律問題における経験則違背​→ 上告理由(〇 判例 × 通説) ​専門的経験則の違背​→ 上告理由(肯定判例あり(アスベストの事例) × 通説) ⑶理由:専門的経験則についての不足 ◻ 心証形成の態様 ① 程度:事実認定ができる程度 ≒ 証明 ​×:自然科学的証明、 論理的証明、 絶対的証明、一切の可能性が存しない程度 ​〇:十中八九確からしい、高度の蓋然性、 歴史的証明、 通常人が合理的疑いをいれない程度 ​×:一応確からしい、 証拠の優越 → 疎明 ②推定:ある事実(前提事実)から他の事実(推定事実)を推認すること ⑴事実上の推定:裁判官の経験則の適用により行われる推定​ ​⇒ ≒ 自由心証主義による事実認定の過程​(例)高級車購入 → 借入あり ⑵ 法律上の推定:法規の適用により行われる推定  ​⇒ 証明責任の転換を伴う​(例)期間前後の占有 → 期間の占有186Ⅱ ③心証形成の工夫:一方に重要な証拠が偏在 → 心証形成を容易にするための工夫 ∵ 実質的平等 ※Bランク ⑴ 疫学的証明:集団的疾病 → 生活環境と因子に関係 → 疫学的に因子が原因と証明 ⇒ 疾病は因子起因 ➢ 水俣病-メチル水銀、 四日市ぜんそく-酸化硫黄、 イタイイタイ病-カドミウム、 ​⇒ 疫学的に因果関係証明 → 民事訴訟で証明(刑事訴訟は否定的) ⑵一応の推定:前提事実の証明で経験則が高度の蓋然性あり → 特段の事情なき限り推定事実認定 ​⇒ 過失・因果関係を推認、不法行為で適用 ≒ 表見証明 ​⇒ not 証明責任の転換 + not 証明の程度の軽減 ➢ 開腹手術を受ける → 手術後、腹腔内にメスが発見 → 医師の過失を認定 ➢ 車が歩道に侵入 → 歩道の通行人に衝突 → 運転手の過失を認定 ⑶相当な損害額の認定:損害の発生を認定 → 損害額の算定困難 → 裁判所が相当な額の認定可248 ​⇒ 要件充足の場合は算定不能として棄却不可(判例)、 額の算定自体は必要、 証明の軽減 ➢ 火災で焼失した家財の損賠請求 → 各動産の損害額の立証困難 → 裁判所が算定

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    4 証明責任

    証明責任総説 ①証明責任  ある事実が真偽不明である場合に、その事実を要件とする自己に有利な法律効果が認められないことになる一方当事者の不利益 ⭐️書けるように ​・客観的証明責任:上記の不利益 ≒ 証明責任 ​・主観的証明責任:上記の不利益から生じる証明しなければならないという行為責任 ②趣旨:裁判拒否の回避(憲32)⭐️A +  ※ 証明責任がないと、白黒つけた判決を下すことができなくなるが、それは国民の裁判を受ける権利を害する ③対象:主要事実 ∵裁判拒否の回避 ④自由心証との関係:自由心証で判断 → 真偽不明 → 証明責任発動 ​⇒ 自由心証のはたらきが尽きたところから証明責任が生じる ⑤機能 ⇒ 審理過程でも機能 → 民事訴訟の脊柱(バックボーン) ⑴当事者の訴訟活動の指標 → 証明責任発動回避のため主張・立証 (a) 主張責任:弁論で主張されない事実はないものとされることによる一方当事者の責任 ​⇒ 証明責任を主張レベルで反映 ≒ 弁論主義の第一テーゼ (b) 証拠提出責任:証拠により立証されない事実はないものとされることによる一方当事者の責任 ​⇒ 証明責任を証拠レベルで反映 ≒ 主観的証明責任 (c) 本証・反証  ​⇒ 証明レベルで反映(本証→確信が必要・ 反証→真偽不明にすれば足りる) ⑵ 裁判所の訴訟指揮の指標 → 証明責任の分担に対応して主張・立証を指揮・釈明 ◻ 証明責任の分配 ①証明責任の分配:ある事実が真偽不明の場合にどちらの当事者に証明責任を負わせるかの定め ​刑事訴訟法:原則として、検察官 ∵ 利益原則 ​≒ 挙証責任 Q 民事訴訟における、証明責任の分配 ⑴問題の所在:明文なし・争いあり ⑵結論:各当事者は自己に有利な法律効果の発生を定める適用法規の要件事実について証明責任を負う⭐️書く ​⇒ 法律要件分類説 or 規範説、  通説・実務・判例? ⑶理由:基準として明確 → 実体法と調和 ⑷あてはめ:条文の適用を要求 ≒ 要件事実につき証明責任を負う ※ 写真参照 ②適用法規の分類 B ・権利根拠規定:権利の発生要件   (売買555、即時取得192) ・権利消滅規定:発生した権利の消滅要件(消滅時効166、免除519) ・権利障害規定:上記の権利の発生を阻害する要件 (錯誤95、時効中断147) ・権利阻止規定:発生した権利の行使を一時的に阻止(同時履行533) ​⇒ 証明責任を負う者 → 発生・消滅・阻害・一時的に阻止により利益を受ける者 ③ 適用法規の要件事実 → 原則、条文ごとの要件事実を適用 ⑴ 本文 + 但書 ​→ 但書で除外された事実は本文で認められた法律効果を争う者に証明責任あり ⑵ 一項・二項・・・ ​→ 別規定扱い   ④法律要件分類説の修正 ⑴債務不履行415における債務者の帰責事由 →債務者に不存在の証明責任 ​∵ 415Ⅰ但書、 契約は守られるべし(高度の蓋然性(債務不履行があるなら普通に考えて債務者に帰責性があるということ))、 帰責性は抗弁事由419Ⅲ ⑵準消費貸借588における旧債務の存否 → 債務者に不存在の証明責任(判例) ​∵高度の蓋然性(準消費貸借契約を結んでいるなら通常旧債務はある)、旧債権証書が債務者へ返還されるのが通常 ※準消費貸借の例:AとBがある物の売買契約をしたが、Bがお金を払えなくなったので、この債務を消費貸借として、実際には新たなお金のやり取りはないのにお金を貸したことにしようということで、利息や弁済期日などを新たに決めて契約する場合に締結する契約 ⑶ 無断転貸612Ⅱにおける背信行為と認めるに足りない特別の事情 → 賃借人に証明責任(判例) ​∵ 無断転貸自体が背信性の徴表 → 消極的要件 ◻ 証明の負担の軽減 ①証明責任の転換:法律の規定によって反対事実について相手方当事者に証明責任を負わせること ⑴趣旨:立証の困難の緩和 → 当事者間の公平 ⑵規定 ​・本文 → 原則-条文の適用を望む者に立証責任あり  ​・但書 → 例外-上記の相手側に立証責任あり ⑶ 事例:不法行為709 →使用者責任715Ⅰ但、自動車損害賠償責任(自賠3) ② 法律上の推定:法規の適用により 行われる推定 → 証明責任の転換を伴う ⑴種類 ​(法律上の)事実推定:前提事実甲があるときは推定事実乙があると推定される場合​(例)186Ⅱ ​(法律上の)権利推定:前提事実甲があるときは権利乙があると推定される場合​(例)188 ⑵ 趣旨:立証の困難の緩和 → 当事者間の公平 ⑶機能 (a) 証明主題の選択:証明責任を負う者は要件事実または前提事実の証明で足りる (b) 証明責任の転換:相手方は推定事実・権利の不存在を本証でのみ覆すことができる ​※前提事実を覆すのは反証で足りる ③ 暫定真実:前提事実の証明を要せず無条件に一定事実を推定する場合の事実​(例)(186Ⅰ・162) ⑴趣旨:立証の困難の緩和 → 当事者間の公平 ⑵ 機能 (a) 「要件事実」から他の「要件事実」を推定 ​→ 法律上の推定は他の事実から推定 (b) 要件事実の推定に前提事実の証明を要求しない ​→ 法律上の推定は前提事実の証明を要求(要件事実の証明が困難だから前提事実の証明で足りるとするもの) ​⇒ 占有の証明は必要 → 占有 = (162の)要件事実 ≠ 前提事実 (c) 要件事実の証明責任を相手方に転換 ​→ 本文に対する但書と同一の機能 ④ 間接反証(Bランク):証明責任を負う者が間接事実を立証 → 相手側が両立しうる別の間接事実を立証 ⑴ 事例:不貞の抗弁、 高額商品購入 → 宝くじ当選、脇見運転 → 側方確認 ⑵ 特徴 (a) 証明主題の選択​:直接間接事実を争う(直接反証) or 間接反証により争う (b) 証明負担の軽減​:直接反証が困難な場合 (c) 抗弁類似​:両立しうる → 間接反証は間接事実レベル・抗弁は主要事実 (d) 証明責任の転換​:なし

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    5 証拠調べ手続 B+(書証はA)

    ◻ 証拠調べの流れ ​(訴訟の審理) - 弁論手続(事実上の主張 + 法律上の主張) → 争点明確化 ①証拠申出(当事者)180 → 要件を欠く場合、決定により却下(裁判所) ​⇒ 弁論主義の第三テーゼ、 証拠申出の撤回(開始前は可能、開始後は相手方同意必要、終了後は不可)、 相手方の陳述の機会の保障 ② 証拠申出の採否(裁判所)→ 採用 or 不採用 ​⇒ 原則:裁判所の裁量181Ⅰ   例外:唯一の証拠方法 ③ 証拠方法の取調手続  ​⇒ 集中証拠調べ、 当事者の欠席 ⑴ 証人尋問 ⑵ 当事者尋問 ⑶ 鑑定 ⑷ 書証 ⑸電磁的記録に記録された情報 ⑹検証 (→ 自由心証で判断 → 判決) ◻ 証拠の申出 ① 証拠申出:当事者が裁判所に対して特定の証拠方法の取調べを求める申立 ≒ 証拠の申出 ​⇒ = 証拠調べの開始 ​原則:当事者の申立てた証拠 ∵ 弁論主義(第三テーゼ) ​例外:裁判所の職権で証拠調べ(職権証拠調べ) ⑴職権証拠調べ ​当事者尋問207、調査の嘱託186、公文書の真正について照会228Ⅲ、職権調査事項 ​検証の際の鑑定233、証拠保全237、  職権探知主義がとられる手続 ⑵方式:書面または口頭(規則1) ​⇒ 証明すべき事実180(=証明主題)、 特定の証拠方法221Ⅰ、 立証趣旨(規則99)の表示必要 ⑶ 時期:口頭弁論終結までの適切な時期156 ②証拠の採否:裁判所の自由な裁量に委ねられる181Ⅰ ∵ 自由心証主義 ​認容 → 証拠調べ決定 ​否認 → 却下決定 ⑴ 取消・変更:いつでも可120 ⑵ 不服申立 :不可(文書提出の申立に関する決定を除く)223Ⅰ・Ⅶ Q 唯一の証拠方法の証拠申出の却下 ⑴問題の所在​:自由心証主義 →肯定 ・双方審尋主義 → 否定 ⑵ 判例・通説​:原則、証拠調べが必要 → 例外を認める ⑶ 理由​:自由心証主義と双方審尋主義の調和 ◻ 証拠調べの実施 ① 総説 ⑴ 証拠結合主義:口頭弁論 → 証拠調べ の順に結合して行うべきとの建前 ​⇒ 多義語 ⑵ 集中証拠調べ:証拠調べはできる限りまとめて集中的に行うべきとの建前182・規則101 ​⇒ 特に証人・当事者尋問 → 争点・証拠整理手続き終了後の最初の口頭弁論期日 ⑶当事者の立会:立会権あり240 → 期日・場所の告知による呼出が必要94改) (a) 94改正ポイント​:改正前-呼出状の送達 → 改正後-電子呼出状の送達可・要記録 (b) 当事者の欠席​:証拠調べ可 → 可能な範囲で証拠調べができる183 cf 刑訴は原則、欠席不可 ⑷実施 ​・原則:受訴裁判所が法廷で行う(直接主義) ​・例外:裁判所が認めるとき法廷外可 → 受命・受託裁判官185改)、在外大使等184 (a) 185Ⅲ:〇 映像と音声の送受信(web会議・テレビ電話) ​⇒ 当事者の意見聴取必要 + 〇 受命・受託裁判官 (b) 例外の場合、証拠調べの結果の口頭弁論への顕出により証拠資料となる ➢ 当事者の援用も必要(当事者が口頭弁論で主張することが必要) ∵ 直接主義・口頭主義 + 援用しない自由はない(自分に都合が悪い結果でも援用しなければならない) ∵ 裁判の基礎となる ⑸結果:電子調書に記載160Ⅰ ② 証人尋問:証人に対して口頭で質問し経験した事実を供述させて、その証言を証拠とする証拠調べ ⑴証人:自己の経験により認識したことを供述すべき当事者及びその法定代理人以外の者 ​証人能力:証人たる資格 ​→ 当事者及びその法定代理人以外のすべての者にある190 ​証人義務:証人の一般的義務 ​→ 出頭義務・宣誓義務・供述義務 ・ 違反者は制裁 ⑵ 尋問手続:交互審尋制(≒ 刑訴)202等 (a) 流れ:主尋問(申出当事者) → 反対尋問(相手方) → 繰返 → 補充尋問(裁判長) (b) 映像と音声の送受信204:改)出頭困難 or 圧迫 or 当事者に異議がない → 相当と認めれば可 (c) 尋問に代わる書面の提出205:改)意義がなく相当と認めれば可 → 電磁的記録でも可 ⑶証人尋問と当事者尋問 写真 ⑷ 証言拒絶権196・197:親族等の有罪判決のおそれ、弁護士等の職務上知り得た事実、職業の秘密 ​⇒ 証言拒絶可 → 刑訴より対象が拡大(親等が高い・職業の秘密) Q 報道機関の取材源が197の職業の秘密に該当するとして証言拒絶が認められるか ⑴ 判例 ​刑事訴訟:認められない(石井記者事件) ​民事訴訟:一定の場合に認められる ⑵民事訴訟で認められる場合 (a) 職業の秘密​:公開されると当該職業に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になるもの (b) 保護に値(する秘密であること)​:公表による不利益と拒絶によって犠牲となる真実発見及び裁判の公正との比較で判断 ​⇒ 上記すべてみたすと証言拒絶を認める  ※要件はよく聞かれる ⑶ あてはめ ・​職業の秘密 ​→ 公表により取材活動困難 ​∴ 職業の秘密〇 ・​保護に値​  → 公共の利益・違法性なし・重大な民事事件で当該証言が必要不可欠とは言えない ​∴ 保護に値〇 ③ 当事者尋問:当事者又はその法定代理人が経験した事実を供述させて、その陳述を証拠とする証拠調べ ⑴ 条文​:207 ⑵補充性​:心証を得られない場合のみ(旧法) → 原則、証人尋問の後(現法=大幅に緩和) ⑶手続​:証人尋問に準じる210(差異はある②⑶) ​⇒ 供述内容 = 証拠資料 ≠ 訴訟資料 ∵ ≠ 弁論 ④鑑定:特別な学識経験を有する者にその専門知識に基づく事実判断について報告させる証拠調べ ⑴条文:212 ⑵ 鑑定人:鑑定を行う特別な学識経験を有する者 → 鑑定義務あり + 裁判所が指定213 ​中立性が要求 → 欠格事由212Ⅱ・忌避事由214 ​代替性がある → 勾引不可 ⑶手続:書面(鑑定書)・口頭・電磁的記録により陳述できる215改) (a) 鑑定人質問​:可215の2Ⅰ → × 交互審尋方式 (b) 映像と音声の送受信​:可215の3改) (c) 鑑定人の判断​:裁判所を拘束しない ∵ 自由心証 ⑤検証(Bランク):裁判官が五官の作用によって直接に事物の性質・形状を認識しその結果を証拠とする証拠調べ ⑴ 条文:232 ⑵検証物:検証の対象 → 〇 物・人間(身体・容貌) ​⇒ 検証物提示義務あり(通) + 拒絶=事実認定上の不利益232Ⅰ・224 ⑶手続:およそ書証に準じる (a) 書証との差異​:文書提出命令類似規定なし ・ 検証の際に職権による鑑定可233 (b) 映像と音声の送受信​:当事者に異議がない場合可232の2改) ⑥電磁的記録に記録された情報の内容にかかる証拠調べ ⑴条文:231の2改) ⑵手続:権限者に提出を命じる等の申立 → 記録媒体又は電子情報処理組織により提出 ​⇒ およそ書証に準じる231の3 ◻ 書証 Aランク ①書証 ​ⅰ 文書に記載された特定人の意思や認識等の意味内容を証拠資料とする証拠調べ ​ⅱ 証拠となる文書そのもの ⑴条文​:219以下 ⑵準文書​:情報を表すために作成された文書に準ずる物体​(例)図面・写真・録音テープ ​⇒ 書証の規定を準用231 ⑶電磁的記録 ・​電磁的記録そのもの →231の2 ​・電磁的記録を印刷 →印刷物 = 書証219以下 ・​電磁的記録媒体(サーバー等)→検証等 ②文書の種類 ⑴公文書と私文書 ​・公文書:公務員がその権限に基づき職務上作成した文書​(例)公正証書遺言 ​・私文書:上記以外の文書​(例)自筆証書遺言、契約書、感想文 ⑵処分証書と報告証書 ​・処分証書:法律行為が記載されている文書​(例)契約書、遺言 ​・報告証書:法律行為以外を記載した文書​(例)日記、メモ ⑶ 原本と写し ​・原本:作成者が作成した元の文書 ・​謄本:原本の内容そのままを写した文書 ​抄本:原本の一部を写した文書 ​正本:原本と同一の効力を持たせる公証権限を有する公務員が作成した謄本 ③文書の証拠力 ・​形式的証拠力:当該文書がある特定人の一定の思想内容を表明したものであること ​・実質的証拠力:記載の思想内容が係争事実の認定に役立ちうること ​⇒ 形式的証拠力 → 実質的証拠力 の2段階で判断 ⑴文書の成立の推定 ≒ 形式的証拠力の推定規定(法律上の推定) ∵ 立証の困難 ・​公文書:公務員が職務上作成した ​→ 真正に成立したと推定228Ⅱ ・​私文書:本人又は代理人の署名又は押印 ​→ 真正に成立したと推定228Ⅳ ⑵ 228Ⅳの適用のためには、挙証者は署名または押印が本人等の意思にもとづいてなされたとの証明が必要 ​∵ 盗用・冒用等の可能性 →意思に基づいてなされたことの証明も困難 →Q 二段の推定が許されるか ⑴ 二段の推定​:印影と印章の合致 → 本人等の意思にもとづく押印という推定 → 文書の成立の真正を推定 ​⇒ 各推定において、反証可 ⑵判例​:許される ⑶理由​:経験則(通常、実印の押印があれば本人の意思に基づくものと推定される) +立証の困難の救済 ⑷結果:印章🟰印影→本人等の意思に基づくという事実上の推定(判例) →成立の真正(形式的証拠力)を推定(228④) Q 文書の真正についての自白に拘束力が認められるか ⑴問題の所在 (a) 拘束力(証明不要効はどの自白にも生じる179) ​・主要事実 ​→ 弁論主義から生じる ・​間接事実・補助事実 ​→ 原則、自由心証から妥当しない ​⇒ 文書の真正 ≒ 補助事実 ∴ 原則、拘束力は生じない (b) 文書の真正を自白 → ≒ 内容の自白 → ≒ 主要事実の自白 ∴ 拘束力が生じる ⑵判例:裁判所及び当事者に対する拘束力は認められない ⑶ 理由:成立の真正は形式的証拠力に関する補助事実 + 実質的証拠力は自由心証に委ねられている ∴ 実質的証拠力の前提となっている形式的証拠力にも拘束力を認められない ④手続(Aランク):書証の申出(当事者) → 証拠調べ(裁判所) ・挙証者は自分が持っている文書を提出 ・相手方当事者・第三者の場合 ⅰ 文書提出義務あり→文書提出命令の申立 ⅱ文書提出義務なし(協力の見込みあり)→文書送付嘱託の申し出226 ※嘱託を行うのは裁判所 ⑤文書提出義務 ⑴条文:220 ⑵ 趣旨:証拠の構造的偏在 → 当事者の実質的平等の確保 ⑶特徴:国民の一般的義務 ​一・二・三号​→ 個別的義務 + 該当すれば無条件に義務あり ​四号​→ 一般的義務 + 除外規定ありイ~ホ ∵ 濫用防止 ⑷提出義務がある文書 (a) 引用文書(一号)​:訴訟において引用した文書で自ら所持するもの ​(例) 口頭弁論で売買契約の成立を認めた手紙を主張 → 当該手紙 (b) 権利文書(二号)​:挙証者が文書の所持人に対し引渡し又は閲覧請求権を有するもの ​(例) 共有物分割の証書(民262Ⅰ・Ⅳ)、 法人の会計帳簿 (c) 利益文書(三号前段)​:挙証者の利益(主に地位・権利の明確化)のために作成されたもの ​(例) 挙証者を受遺者とする遺言、 領収書、 身分証明書、 同意書 (d) 法律関係文書(三号後段)​:挙証者の法律関係について作成されたもの (利益文書にも該当) ​(例) 契約書、 保険会社が所持する診断書、 タイムカード、 会社の就業規則 (e) 一般文書(四号)​:除外事由イ~ホに該当しない文書 ⑸除外事由:親族が訴追等、 技術または職業上の秘密、 公務員の職業上の秘密、 刑事訴訟関係等 ​・自己利用文書:専ら文書の所持者の利用に供するための文書(外部への公開を予定しない)二 ➢ 銀行の貸出稟議書 → 自己利用文書 ∴ 提出義務なし ∵ 公開予定なし・開示により不利益 ⑥文書提出命令:文書提出義務を負う者に限り認められる文書の提出命令 ⑴手続:申立(当事者) → 審理(裁判所) → 決定で所持者に文書提出命令(裁判所) ⑵ 申立221・規則140:221Ⅰ各号の事項を明らかにした書面で行う (a) 記載事項:文書の表示(表題・作成者・作成日等)、 趣旨、 所持者、 証明すべき事実、 原因 (b) 開示制度:文書特定のための手続222 → 所持者が表示・趣旨を明示 ⑶ 審理223:裁判所は決定手続で審理(⭐️条文上は文書提出命令だが決定) (a) 第三者・公務員の職業上の秘密等の文書の提出 → 第三者等の審尋が必要 (b) ⭐️インカメラ手続:秘密漏洩防止のもと文書の内容を確認 → 文書提出義務を判断 ​⇒ 一般文書(四号)のイないしニの判断のための確認のみ → 一号~三号では不可 ※インカメラ🟰裁判官の部屋の中という意味 (c) 即時抗告:提出命令・申立却下の裁判に対しては可 ➢ 証拠調べの必要性がないことを理由とした申立却下決定 → ⭐️× 必要性があるとの理由での不服申立(頻出) ​∵ 証拠調べの必要性は裁判所の専権 ⑷文書提出命令:決定で文書提出命令を出す ⑦(不提出の)効果 ⑴条文 ​当事者の不提出:相手方の主張を真実と認めることができる224 ​第三者の不提出:決定で過料225 ⑵当事者の不提出 (a) Ⅰ・Ⅱ​:提出命令に従わない or 相手方の使用を妨げる目的で滅失または使用不可 ​⇒ 申立人の主張(内容・成立)= 真実認定可​(例)過失主張 ∵ 〇 カルテ「薬Aを注射」 (b) Ⅲ​:Ⅰ・Ⅱの場合 → 具体的内容不明かつ他の代替的証拠による証明困難 ​⇒ 申立人の主張(証明主題)= 真実認定可​(例)〇 過失あり ⑶ 第三者の不提出:提出命令に従わない → 決定で過料(20万以下) ⑧文書送付嘱託(Bランク):裁判所が当事者の申立てに基づき文書の所持者に対し所持文書の提出を求める ⑴条文:226 ⑵手続:当事者が文書送付嘱託の申立 → 裁判所が文書の所持者に対し文書送付嘱託を行う ⑶特徴:任意での提出依頼 → 提出義務のない者にも可 ⑷効果:罰則規定なし ◻ 証拠の確保 ① 証拠保全:本来の証拠調の時期には証拠使用が困難となる事情 → 予め証拠調 → 結果を将来利用 ⑴ 条文:234 ⑵ 特徴:訴訟係属不問 + 相手方の特定不問236 + 訴訟係属後は職権で可237 ⑶手続 (a) 申立:書面が必要(規則153Ⅰ) (b) 管轄裁判所235 ​訴え提起前-保全対象の所在地の地裁or 簡裁 ​訴え提起後-受訴裁判所等 (c) 審理:証拠保全決定 → 不服申立不可238(却下決定に対しては可328Ⅰ) (d) 証拠調べ手続:各種証拠調べ準用 ⑷証拠開示:証拠保全により申立人は事前に内容を知る → 証拠の事前開示機能あり ​(例)医療事故 → カルテ改竄を理由に証拠保全 → カルテを元に適切な訴え提起 ②証拠の偏在とその救済(観点としてAランク) ⑴ 証拠の構造的偏在:重要な証拠が加害者・相手方に偏在 + 証明責任の分配 → 立証の困難 ​(例)製造物責任 ・ 医療過誤 ・ 公害訴訟 ・ 欠陥住宅等 ​⇒ 救済の必要性が高い ⑵ 救済方法 (a) 証明責任 → 一応の推定、間接反証、疫学的証明等 (b) 証拠   → 文書提出義務・文書提出命令、証拠保全手続、証明妨害法理(224で具体化)

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    第五編 訴訟の終了 第11章 当事者の意思による訴訟の終了

    ◻ 訴訟の終了 終局判決による終了​: 裁判(裁判所)による終了 ​当事者の意思による終了​:訴えの取下げ ・ 請求の放棄 ・ 請求の認諾 ・ 訴訟上の和解 1 訴えの取下げ ①訴えの取下げ:原告の、訴えによる審判申立を撤回する旨の裁判所に対する意思表示 ⑴条文:261改) ⑵趣旨:処分権主義 ⑶特徴:遡及的消滅 (放棄・認諾・和解 = 解決基準あり ・ 取下げ = 解決基準なし) ⑷ 視点:当事者間の公平(相手方との利害調整(相手方がこれまでやってきたことが無駄になる)) + 訴訟経済(裁判所への手続的配慮)  ②性質:訴訟行為 → ×:条件の付与・効果発生後の取消 Q 取下げの意思表示に瑕疵がある場合、意思表示の瑕疵に関する規定の類推適用の可否(訴訟法上の行為なので直接適用はできない) ⑴ 事例:弁済があったと思い(=錯誤)、訴え取下げ → 実は弁済なし → 民95類推適用で取消? ⑵判例・学説 ◾️否定説-判例自説 結論)類推適用否定 但し、刑事上罰すべき他人の行為に基づく場合には338Ⅰ五(再審事由)の法意に照らし無効 理由)手続安定(訴訟行為の積み重ねが無駄になることの回避)、 訴訟行為(意思表示の瑕疵は私法上の話なので類推適用を否定しても問題ない) ◾️肯定説-反対説 結論)類推適用肯定 理由)訴えの取下げは意思表示   手続終了から手続安定を害さない(手続自体が無くなるので手続の安定は害さない) ⑶あてはめ:錯誤 ∴ 類推適用否定 → 取下げは有効 ​⇒⭐️両説共に詐欺・脅迫の場合は取下げできる ③要件 ⑴時期:終局判決確定時まで(× 口頭弁論終結時) ⑵被告の同意:被告が 準備書面を提出 or 弁論準備手続で申述 or 口頭弁論期日で弁論 の場合 ​∵ 請求棄却判決を求める被告の訴訟上の地位の保障 ​→ 1カ月以内の期日指定の申立なし or 連続して2回欠席 = 取下げを擬制263 ④ 手続 ⑴方式:書面 但し、口頭弁論期日等での口頭可 ⑵記録:改)口頭の場合、電子調書に記録 ⑶ 同意:同意を要する場合、書面または電子調書を相手方への送達が必要 → 2週間以内に異議がなければ同意を擬制 ⑤ 効果262 ⑴訴訟係属の遡及的消滅:原則として、一切の訴訟行為及びその効果が消滅 (a) 記録:書証として他の訴訟で自由心証の対象 → 事実自体は残存 (b) 時効の完成猶予:取下げの時から6箇月猶予(民147Ⅰ) = 権利が確定することなくその事由が終了 (c) 私法上の行為・効果(判例・条件説) ​・消滅しない​:口頭弁論における履行の請求・解除 ​・消滅する​:口頭弁論における相殺 ⑵ 再訴禁止効:同一の訴えを提起することができない ( a) 要件:終局判決がなされた後(確定前の取下)の取下げ + 取下げをした者(同意した被告を含む) (b) 趣旨:取下濫用制裁説(裁判所の労力が徒労) +再訴権濫用防止説(取下後の同一の提訴) ​⇒ 学説は対立 ・ 判例は両説を根拠 (c) 同一の訴え:当事者 ・ 訴訟物 ・ 訴えの利益又は必要性 全てが同一 ∵ 趣旨 ⑥他制度との異同 (共通) 訴えの取下げ、請求の放棄、上訴の取下げ:訴訟の終了 (違い) ・訴えの取下げ:訴訟係属の遡及的消滅 ・請求の放棄:被告勝訴の確定判決と同一の効力( ≒ 紛争の実質的解決) ・上訴の取下げ292:上訴審における係属のみ遡及的消滅( ≒ 一審確定) 2 請求の放棄・認諾(Aランク) ①請求の放棄・認諾 ​・請求の放棄:請求に理由のないことを認める原告の裁判所に対する意思表示 ≒ 原告敗訴 ​・請求の認諾:請求に理由のあることを認める被告の裁判所に対する意思表示 ≒ 被告敗訴 ⑴条文:266 ⑵ 趣旨:処分権主義 ⑶特徴:全面的敗訴 ②性質:訴訟行為(多) ③要件 (短答で出る) ⑴処分権主義・弁論主義・相対効の原則が妥当する事件(これらを満たす事件だけ) ※相対効=原告被告のみに効果 ​ ×:境界確定訴訟(認諾)・会社関係訴訟(認諾)838  ​〇:境界確定訴訟(放棄)・会社関係訴訟(放棄)・離婚請求訴訟(認諾)∵ 人事37Ⅰ改 ※放棄は新しい法律関係を発生させるものではないため可 ※離婚請求訴訟は実務の観点から認諾も認められている ⑵無条件・無留保  ​×:反対給付の履行を行えば請求を認諾 ∵ 条件付認諾 ⑶法律上許される権利法律関係の主張(× 違法の認諾) ​×:愛人契約の認諾 ∵ 公序良俗違反 ⑷ 訴訟要件の具備 ∵ 既判力 (訴訟上の和解では不要) ⑸ 訴訟能力・代理権(代理の場合) ④ 手続 ⑴方式:口頭弁論期日・弁論準備手続期日・和解期日における口頭の陳述 ​⇒ 書面の提出 + 口頭弁論期日等の欠席 → 裁判所の判断で擬制できる ⑵記載:電子調書に記載 ⑶送達:ファイルに記載された電子調書を当事者に送達 ⑤効果:(電子調書作成 + ファイル記載) → 確定判決と同一の効力267 ⑴ 訴訟の終了 ⑵執行力・形成力 ⑶ 既判力 Q 請求の放棄・認諾及びその電子調書に既判力が認められるか  ⑴事例:意思表示の瑕疵 → 請求の放棄・認諾をした → 無効・取消を主張して争えるか  ⑵問題の所在:既判力の有無等により結論が異なる  ⑶ 判例・学説 ◾️既判力肯定説 (反対説) 結論)肯定→再審事由に相当する場合のみ無効・取消可 理由)確定判決と同一の効力 ◾️既判力否定説(反対説) 結論)否定 → 欠缺があれば無効・取消可 理由)意思表示が確定判決同一の効力の根拠だが判決と同様とするのは手続保障が不十分 ◾️制限的既判力説(判例) 結論)肯定。但し、意思表示の瑕疵等による無効・取消可 理由)確定判決と同一の効力である点と 紛争解決の実効性確保から既判力肯定。一方、手続保障から意思表示の瑕疵等による無効取消しを認める   ⑷ あてはめ 写真 3 訴訟上の和解 (Aランク) 和解:当事者双方が互いに譲歩することで争いを終結させるとの合意  ※互いに譲歩がポイント ​・裁判外の和解:裁判所が関与しない → 和解契約:民法上の契約としての和解(民695) ・​裁判上の和解:裁判所が関与する ​ ・起訴前和解​:訴訟係属前の和解 → 即決和解275・267等  ≒ 訴え提起前の和解  ・訴訟上の和解(定義書けるように) ​  訴訟係属中に当事者双方が訴訟物たる権利関係について互いに譲歩することによって、訴訟を全部又は一部終了させる旨の期日における合意  ※訴訟継続中に、互いに譲歩、期日における合意 がキーワード (a) 互譲=実質的互譲 → 〇 原告の請求に全面的同意しているが、一方で原告に別途負担を負わせている (b) 期日における合意 → 〇 期日外で和解の合意し期日において陳述しても訴訟上の和解成立 ⑴条文:267 ⑵ 趣旨:処分権主義 ⑶特徴:互いに譲歩(=互譲) ② 性質:訴訟行為 かつ 私法行為 ∴ 双方の要件が必要(両性説・判通) ③ 要件 ※請求の放棄認諾の要件に類似 ⑴処分権主義・弁論主義・相対効の原則が妥当する事件 ⑵ 法律上許される権利法律関係の主張 ⑶当事者の実在・専属管轄に反しない (これら以外の訴訟要件は不要 ∵即決和解との整合) ※請求の放棄認諾では訴訟要件一般の具備が必要 ⑷訴訟能力・代理権(代理の場合)←∵確定判決と同じ効力 ④手続 ⑴原則:期日に両当事者が陳述 → 職権で要件調査 → 有効なら調書に記載 ​⇒ 期間:訴訟係属後から終局判決確定まで可 ⑵勧試:和解の勧め・試み89改) → 裁判所は和解案を提示しうる・和解期日で協議 ​⇒ 〇 確定までいつでも、 〇 受命・受託裁判官、 〇 和解期日に音声送受信 ⑶受諾和解264改):和解案を受諾するとの書面の提出 → 訴訟上の和解成立 (a) 趣旨:出頭の必要性を緩和 (b) 要件:当事者の一方又は双方の出頭困難 (c) 改正ポイント:改正前-遠隔地に居住・一方 → 改正後-(削除)・双方  ※病気などが原因で双方が出頭しなくても受託和解ができるようになった ⑷ 裁定和解265:当事者の申立 → 裁判所が和解条項を作成 → 告知により訴訟上の和解成立 ※重要な内容は当事者間で決めており、細かい内容を裁判所に決めてもらうために活用されることが多い (a) 趣旨:仲裁的方法の訴訟手続内に導入 → 裁判所が和解内容を定める (b) 要件:当事者双方の共同の申立 ⑸他の形態: 〇 他の訴訟物(併合和解)、  〇 訴訟係属前の権利(準併合和解)、 〇 第三者 ⑤効果:(電子調書作成 + ファイル記載) → 確定判決と同一の効力267 ⑴&訴訟の終了 ⑵執行力 ⑶既判力 Q 訴訟上の和解に既判力が認められるか ※請求の放棄認諾の既判力の論点と同じ ⑴問題の所在:意思表示に瑕疵がある場合、既判力の有無等により結論が異なる ⑵判例・学説 肯定説(反対説) 否定説(反対説) 制限的既判力説(判例自説) ※制限的既判力説を採る理由として両性説(訴訟上の和解が 訴訟行為かつ私法行為であること)もあげられる) ⑥ 訴訟上の和解の瑕疵の争い方 ⑴ 電子調書の記載上の誤り(例:計算違いや誤記) ​→ 申立または職権で更正決定267の2 改 ⑵無効・取消 ​→ 別訴提起(和解無効確認・請求異議の訴え) or 期日指定の申立(無効→訴訟の終了の効果は生じない→従来の訴訟は継続中→期日指定の申立てをして訴訟を再会し、その中で和解の無効取消しを争う) Q 訴訟上の和解の効力を争う場合の争い方 ⑴問題の所在:確定判決ではない ・ 明文もない ⑵ 判例・学説 •期日指定申立説(反対説) 結論)期日指定の申立による 理由)訴訟経済   なるべく同一手続内で解決すべき ・新訴提起説(反対説) 結論)別訴提起による 理由)互譲により新たな権利関係(新たな紛争)・ 審級の利益を保護(控訴審の場合問題。新たな紛争を第二審から争うことになる) ・競合説(判例自説) 結論)期日指定でも別訴でも当事者の選択による 理由)どちらも同様に重要    当事者の便宜を尊重 ⑶訴訟上の和解の解除→ 解除原因が成立後に生じた場合、解除できる(和解内容の不履行)  Q 訴訟上の和解が解除された場合の争い方 ⑴ 問題の所在:期日指定 or 別訴提起 or 当事者の選択 ⑵判例・学説 ・期日指定申立説(反対説) 結論)期日指定の申立による 理由)訴訟終了効喪失 →旧訴復活 ・新訴提起説-判通 結論)別訴提起による 理由)成立後の不履行を対象 → 別個の新しい法律関係の紛争   + 旧訴復活なし

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    第12章 終局判決による訴訟の終了

    1 裁判 Aランク ①裁判:裁判機関がその判断または意思を法定の形式で表示する訴訟行為  ※定義を書くことはない   ⑴裁判の種類(民事訴訟):判決・決定・命令 (写真) ⑵ 種類の名称:上記区分と必ずしも一致しない ​(例)差押命令、 転付命令、 仮差押命令、 仮処分命令、 文書提出命令 → 形式は決定 ②判決の種類 ・​中間判決:独立した“争点について”訴訟の進行過程で終局判決を容易にするために示される判決 ​・終局判決:係属中の事件の全部または一部につき“当該審級の審理を完結させる”判決(確定とは異なることに注意) ​ ・範囲による分類    ​→全部判決 ・ 一部判決 ・     残部判決 ・追加判決 ​ ・内容による分類   ​ ・訴訟判決 ​→ 却下判決 ​   ・本案判決 ​    ・勝敗による分類      → 認容判決・棄却判決 ​    ・効果による分類       → 給付判決・形成判決・        確認判決 ③ 中間判決 ⑴条文:245 ⑵趣旨:争点及び審理の整理 ⑶特徴:終局判決ではない → 既判力なし・執行力なし・訴訟指揮の問題 (一部判決はあり) ⑷中間判決事項 (a) 独立した攻防方法 ​(例)所有権に基づく登記移転請求 → 売買・時効取得の一方 (b) 中間の争い ​(例)訴訟要件の存否 (c) 原因判決​(例)損賠請求 → 金額・要件を争う → まずは過失について中間判決 ⑸ 効力 (a) 自己拘束力が生じる ​→ 終局判決の前提 (中間判決に矛盾する終局判決は不可) (b) 独立の上訴は認められない ​→ 終局判決に対する上訴は可 (c) 理由中判断の先出し​→ 本来、終局判決の理由 ⑹ 一部判決との相違 ​・一部判決:訴訟物の一部について判決 ​(例)A及びB債務の存否→Aあり ​・中間判決:訴訟物について判決しない ​(例)A及びB債務の存否 → Aの借入契約成立(借入契約が成立したことを認めても、A債務があるかはわからない→訴訟物については判断していない) ◻ 判決の成立と確定   (Aランク:成立と確定を区別) ・​判決の成立:弁論終結後に判決内容を確定・告知 ​→自己拘束力発生 ​・判決の確定:成立した判決の上訴または当該手続での取消不可 ​→ 判決の効力(既判力等)発生 ①判決の成立 ⑴ 内部的成立:判決内容を確定(単独 or 評決) → 電子判決書が作成252改) (a) 順序:電子判決書作成の後回し不可 (刑訴は可 ∵人権保護(早く釈放される等)) (b) 電子判決書:主文・事実・理由・口頭弁論終結日・当事者及び法定代理人等を記録した電磁的書類 ​⇒ 原則、言渡し ・ 当事者に送達 ・ ファイルに記録 ⑵ 外部的成立:電子判決書を当事者に言渡し ②判決の確定 ⑴判決の確定時期 = 上訴が不可能となったとき ​・上訴期間を徒過 ​→ 判決送達日から2週間(不変期間)  ​・上告審判決 ​  → 言渡し時 ・​上訴権放棄等  ​→ その時 ⑵確定判決の効力 ​・確定判決の形式的確定力​:当該手続内で当事者が争えなくなる効力 ​・確定判決の内容的効力​:手続外での効力 ​  ・本来的効力:既判力・執行力・形成力 ​  ・付随的効力:参加的効力・争点効?・反射効? 2 判決 ◻ 判決の成立による効力 (Bランク) ① 判決の成立による効力 ​自己拘束力​:当該裁判所に自由な撤回・変更が認められない効力 ∵法的安定要求 ​羈(き)束力​:当該手続内で他の裁判所を拘束する効力​∵ 条文22Ⅰ(移送)・321Ⅰ等 ② 判決成立後の判決内容の修正 → 判決の変更・更正 ∵ 適正手続要求 【判決の変更】 条文)256 修正事由)法令違反 期間)言渡し後1週間以内かつ確定前 裁判形式)判決 不服申立方法)上訴 【判決の更正】 条文)257 修正事由)明白な誤り (例)計算違い・誤記 期間)いつでも 裁判形式)決定 不服申立方法)即時抗告 ③ 決定・命令の自己拘束力 ⑴ 再度の考案:決定・命令 → 抗告+理由あり → 原裁判の取消・変更可333 ∴ 自己拘束力緩和 ⑵訴訟指揮に関する場合:任意に取消可120 ∵ 訴訟追行上の合目的的判断 例:弁論の併合、期日指定等) ◻ 確定判決の騙取(へんしゅ) B+ ①確定判決の騙取:故意に相手方当事者や裁判所を欺いて確定判決を取得すること Q 確定判決を不当に取得された場合の処理 ⑴事例​:被告の住所を調べずに不明として提訴 → 公示送達 → 被告欠席のため認容判決 ⑵ 問題の所在​:条文なし ⑶とりうる手段​:上訴の追完97 ・ 再審338 ・ 損害賠償請求709 (a) 上訴の追完:一定事由による不変期間の不遵守 → 事由消滅後1週間以内の追完可 ∵ 自己責任 (b) 判例・学説 ⅰ 上訴の追完 結論)責めに帰することができない事由 ≒ 無過失 ・該当すれば追完可 → 被告側・原告側の事情を総合的に考慮 理由)当事者間の公平 ⅱ 再審 結論)否定 理由)再審事由に該当しない   再審は例外 → 要件は厳格 ⅲ損害賠償請求 結論)原則、否定 著しく正義に反し既判力による法的安定の要請を考慮しても容認しえない特別の事情があれば肯定 理由)既判力による法的安定の要請 (損害賠償を認めるということは前訴と矛盾) ⑷あてはめ:原告は住居を調べずに不明とした ∴ 被告に責任なし → 〇 上訴の追完

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    判決の変更と判決の更正の比較

    写真

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    3 既判力 A+

    ◻ 既判力総説 ①既判力:確定判決の判断内容の後訴での通用力または基準性(拘束力) ※書けるように ​⇒ 前訴の確定判決を前提にして、矛盾する主張を排斥 ⑴ 条文:114 ⑵事例 ・​前訴:原告Xの被告Yに対する甲地の所有権確認訴訟 + 認容・確定​→ 〇 甲地所有権=X ​・後訴:原告Xの被告Yに対する甲地の所有権に基く明渡請求訴訟 ​→ × 甲地所有権=Y ② 正当化根拠 ※⑴⑵書けるように ⑴判決によって確定された権利関係の法的安定性を維持するために不可欠な制度的効力→「法的安定性を維持するための制度的効力」と書く ⑵手続保障の充足に基づく自己責任 ③ 作用とその場面 ​・時間的作用:確定判決 + 後訴 (× 控訴審・上告審・前訴には及ばない) ​・消極的作用:裁判所は既判力の生じた判断を争う当事者の主張・抗弁を排斥する ​・積極的作用:裁判所は既判力の生じた判断に拘束されそれを前提として後訴を審判する ⑴ 前訴と後訴の訴訟物が同一の場合 (a) 前訴敗訴者による後訴 ​•基準時前に提出すべき主張 ​→排斥 ​•既判力の及ばない事由の主張がない ​  → 請求棄却判決 ​•既判力の及ばない事由の主張がある ​   → 前訴判決を前提にして判決 (b) 前訴勝訴者による後訴 ​・原則 → 不適法却下    ​∵ 訴えの利益なし ・​例外 → 前訴判決を前提にして判決 ​∵ 時効の完成猶予・判決原本滅失等のため必要な場合 ⑵前訴訴訟物が後訴訴訟物の先決関係にある場合(写真の例のみ押さえておけばok) •​先決問題につき前訴で提出すべき主張 ​→ 排斥 •​後訴の争点 + 既判力の及ばない主張を整理(例:前訴後に権利を取得) ​→ 前訴判決を前提に判決 •​前訴後訴逆転の場合は別問題 ​→ 理由中判断に既判力は生じない ※例:前訴:Xの建物明渡請求→認容  後訴:Yの建物の所有権確認  →前訴でXの所有権の既判力は生じない(理由中の判断のため) ⑶前訴訴訟物と後訴訴訟物が矛盾関係にある場合 ​・前訴で提出すべき主張 ​→ 排斥 ​・後訴の争点 + 既判力の及ばない主張を整理 ​→ 前訴判決を前提に判決 ※例:前訴:甲地のX所有権確認訴訟   後訴:甲地のYの所有権確認訴訟 ④ 既判力の範囲の原則 A+ ​•基準時​:事実審の口頭弁論終結時  →これ以降に生じた事項には既判力は生じない •​客観的範囲​:判決主文中の判断 •​主観的範囲​(誰を拘束するか):当事者 ⑤手続 ⑴ 既判力の調査(既判力のある判決の有無等):職権調査事項 ⑵看過した場合:上訴による後訴の取消305 ・ 再審による取消338Ⅰ十 350 既判力を有する裁判 ​判決​:〇 終局判決 ・ × 中間判決 ​決定・命令​:〇 実体につき判断(訴訟費用等)・ × 訴訟指揮に関する場合 Q 訴訟判決に既判力が認められるか ⑴ 事例:訴訟要件(当事者適格)の欠缺により却下判決 → 当事者適格なしに既判力? ⑵判例:認められる ⑶理由:訴訟要件に関する争いの防止 ◻ 既判力の時的限界 ⑴既判力の基準時:既判力により権利関係が明らかにされる基準となる時 ​= 事実審の口頭弁論終結時 → 遮断効が生じる ⑵ 理由:この時までは当事者の自己責任を問える ⑶基準時の例 ・​第一審で確定:第一審の口頭弁論終結時 ​・第二審で確定:第二審の口頭弁論終結時 ​・第三審で確定:第二審の口頭弁論終結時 ⑷遮断効:確定された権利関係の存否を争うために、基準時前に存した事由の提出を認められない ​(例)基準時における債権の確定 → 基準時前の無効原因、弁済、解除等の後訴での主張不可 ​⇒ 主張・過失の有無 は不問 ② 基準時後の形成権行使 ⑴問題の所在:基準時前に形成原因存在 → 基準時後に形成権行使 ​⇒ 基準時後の行使  =  行使により初めて権利関係変動 ∴ 基準時後の事由として遮断効なし? ⑵判例 ⅰ 取消権・解除権:否定∵前訴の請求権自体の瑕疵(無効も同様)→前訴で主張できた ⅱ 白地補充権:否定(出ない) ⅲ時効援用権:否定∵前訴での主張は容易 ⅳ 相殺権:肯定∵自働債権と請求債権たる受働債権は別個の債権+実質的敗訴 (相殺は弁済したのと同じこと) ⅴ 建物買取請求権:肯定 ∵請求債権たる土地明渡請求権とは別個の権利+実質的敗訴 ◻ 既判力の客観的範囲 (A+頻出) ① 既判力の客観的範囲:既判力の生じる対象・事実 ​⇒ 判決主文(で示された訴訟物たる権利・法律関係の存否)の判断 ​→ 理由中で示される前提問題たる権利・法律関係の判断には生じない114Ⅰ ​(例)所有権に基く返還請求権としての土地明渡請求訴訟 → 認容・確定 ​主文:YはXに土地を明渡せ(土地明渡請求権あり) ​→ 既判力あり ​理由:Xに所有権あり・賃貸借契約終了 ​→ 既判力なし ②理由 (※書く) ⑴争訟の処理としては主文の記載に認めれば足りる ⑵手続保障の充足による自己責任を問いうる (通常、当事者は訴訟物に攻撃防御方法を集中する) ⑶申立順序や実体法上の論理的な順序に拘束されず容易なものから審理 (= 「審理の簡易化・弾力化」と最低限書けるように) ※ 図 ③相殺の抗弁:被告が自働債権を相殺に供することで原告の債権を消滅させ請求を理由がないとする抗弁 ​⇒ 判決理由中で判断された場合、例外的に既判力が生じる114Ⅱ ⑴範囲:訴求債権を消滅させるために必要な額に限る ⑵理由 (※書く) (a) 反対債権の存否の紛争として蒸し返され判決による解決が実質的に意味を失うおそれ  (※後訴で反対債権の訴えが認められたら原告は二重で敗訴することとなる) (b) 相殺の抗弁は反訴提起に等しい実質 → 訴訟物と同等の手続保障がある Q 相殺の抗弁と既判力の範囲 図) ⑴問題の所在:相殺の抗弁 → 排斥 or 認容 → 不存在に既判力生じることは変わらない ​⇒ 反対債権の存在はどうか?超過部分については? ⑵判例・通説:反対債権の不存在のみ既判力あり ・ 超過部分には既判力なし ⑶理由 反対債権:各債権の存在は基準時前の事情、 紛争解決としては十分、 存在は不存在の理由に相当 ​超過部分:相殺を対抗した額についてのみ既判力114Ⅱ ④ 争点効(B+):主要な争点として争い、かつ、裁判所がこれを審理してだしたその争点についての判断 ​⇒ 後訴で通用力をもつ ≒ 理由中判断に拘束力(争点効)が生じる場合がある Q 判決理由中の判断に争点効という拘束力を認めるべきか ⑴事例​:詐欺による売買契約取消の訴え → 同一当事者間で詐欺による登記抹消請求の訴え ⑵問題の所在​:理由中判断に既判力なし → 紛争の1回的解決 + 手続保障の充足から、争点効を認めてもよいとも思える ⑶ 判例・通説​:認められない ⑷理由 (a) 一般的効力を認めるには要件が曖昧 (b) 審理の簡易化・弾力化に反する (c) 中間確認の訴え145が用意されている ⑤ 信義則の適用:個別具体的事情に信義則を適用 → 理由中判断に拘束力(cf.原則否定・争点効・判例) ⑴禁反言の原則:勝訴者が後訴で前訴利益を維持しつつ、利益追求のため相容れない主張をすることはできない ​(例)Xが売買の目的物引渡請求 → 錯誤主張によりY勝訴 → Yが売買代金返還請求で売買の有効を主張することはできない ※Yの抗弁は理由中判断で既判力は生じないが信義則により禁反言   ⑵権利失効の原則:懈怠した敗訴者が後訴で同一問題を蒸し返し相手方の正当な信頼を裏切る ​(例)移転登記請求 → 売買契約の錯誤取消によりX敗訴 → × 明渡請求でYの重過失により錯誤は無効として売買契約は有効だと主張することはできない ※禁反言は勝訴者、権利失効は敗訴者が主張 ◻ 既判力の主観的範囲 ① 既判力の主観的範囲:既判力が及ぶ人 ​⇒ 判決効・既判力は当事者間にのみ及ぶのが原則(相対効の原則) ⑴ 条文:115Ⅰ ⑵主観的範囲 ​・原則:当事者間(相対効の原則) ・​例外:当事者以外の第三者  ・​訴訟担当における利益帰属主体​:   第三者の訴訟担当 ​ ・口頭弁論終結後の承継人​:   訴訟物の譲受人 ​ ・請求の目的物の所持者​:受寄者 ​ ・115条の規定外の者​:人事関係訴訟   (離婚など) ② 理由 ※論文で書く ⑴ 原則:紛争解決としては十分 ・ 当事者以外には手続保障による自己責任を問えない ⑵ 例外  ・​必要性:訴訟による紛争解決の実行性の確保 ・画一的処理の必要  ・​許容性:代替的手続保障が及んでいる(※1) ・独自の手続保障が不要(※2) ※1 訴訟物の譲受人は譲渡人が代わりに手続きをしている ※2 単に預かっているだけのため独自の手続保障は不要 ③ 訴訟担当における利益帰属主体115Ⅰ二 ⑴既判力​:訴訟担当者が受けた判決 → 本来の利益帰属主体にも拡張 ⑵ 対象例​:法定訴訟訴訟担当及び任意的訴訟担当 ⑶趣旨​:利益帰属主体にも代替的に攻撃防御上の地位が保障 ⑷ 債権者代位訴訟等の被代位権利の行使における利益帰属主体への既判力の拡張 ​⇒ 遅滞なく債務者に対し訴訟告知があった場合にのみ既判力拡張(民423の6・改正前は無条件) ④口頭弁論終結後の承継人115Ⅰ三 (cf.終結前は訴訟承継の問題) ⑴既判力:当事者が受けた判決 → 当事者の承継人にも拡張 ⑵ 対象例:口頭弁論終結後に訴訟の目的物を譲渡(売買等) → 訴訟物たる権利・義務を承継 ​⇒ 訴訟の勝敗、一般承継・特定承継(相続・債権譲渡等)、任意・強制 等は不問 ⑶趣旨 ​必要性:紛争解決の実効性 ​許容性:前主により手続保障は代替されたといえる Q 口頭弁論終結後の承継人の範囲 ⑴事例:家屋収去土地明渡請求 → 口頭弁論終結 → 当該家屋を第三者に譲渡 ⑵問題の所在:口頭弁論終結後の承継人の範囲の基準 ⑶ 通説:紛争の主体たる地位を承継した者​(当事者適格を伝来的に取得した者)⇒ 広く含む  ※当初からその地位にいれば原告または被告になっていたと言えれば認める ⑷ 理由:紛争解決の実効性を失わせることを防止  ※負けそうな時に第三者に譲渡して損失を回避するようなことを防止すえうため ⑸ あてはめ:上記事例の第三者に既判力は及ぶ Q 目的物の占有を承継した者は承継人に該当するか ⑴ 事例:建物引渡請求訴訟 → 口頭弁論終結 → 当該建物を占有屋に明渡 ⑵問題の所在:旧訴訟物理論 → 物権的請求権・債権的請求権を区別 ⑶ 通説 ​物権的請求権:承継人に該当する ​→ 占有屋に既判力が及ぶ ​∵ 絶対的な権利 ​債権的請求権:承継人に該当しない ​→ 占有屋に既判力が及ばない ​∵ 相対的な権利 Q 口頭弁論終結後の承継人が固有の攻撃防御方法を有している場合でも承継人にあたるか(※重要A+) ⑴事例:土地明渡請求訴訟 → 口頭弁論終結 → 当該土地を第三者に譲渡 + 登記 ​⇒ 通謀虚偽表示(民94Ⅱ)・動産即時取得者(民192)・善意の占有取得者(民200Ⅱ) ⑵問題の所在:固有の抗弁を有する → 前訴判決に拘束されるか? ⑶判例・学説 ※判例学説両方抑えること ・形式説(反対説) 結論)承継人にあたる 理由)前訴の判決に拘束されても抗弁提出自体は妨げない ・実質説(判例) 結論)承継人にあたらない 理由)固有の抗弁があるため前主の不利な地位を承継しない 先決関係にない・実務及び執行力との整合性? ⑷ 各説の相違 ・後訴:形式説・実質説ともに承継人勝訴(抗弁より) ・承継人の範囲 形式説 承継人にあたる = 前訴判決に拘束される 実質説 承継人にあたらない = 前訴判決に拘束されない 固有の攻撃防御方法:形式説・実質説ともに主張できる ⑤請求の目的物の所持者115Ⅰ四 ⑴既判力:当事者が受けた判決 → 所持者(独自の法的利益なし)にも拡張 ⑵対象例 ​ 〇:受寄者、管理人、同居人 → 基準時の前後、動産・不動産、物権的・債権的 等は不問 ​ ×:賃借人、 質権者、 自主占有者、 占有補助者(本人の占有の扱い) ⑶趣旨:独自の手続保障が不要 ・ 紛争解決の実効性 Q 口頭弁論終結前の仮装譲受人への既判力の拡張 B+ ⑴ 事例:移転登記請求訴訟 → 訴訟係属中・口頭弁論終結前に被告が仮装譲渡 → 判決 + 確定 ⑵問題の所在:終結前 ∴ 115Ⅰ三不適用 → 被告のため所有 ∴ 115Ⅰ四類推適用できるか ※仮装譲受人にも独自の法的利益はあるため115①⑷の類推適用の問題となる ⑶判例(高裁):仮装譲渡と判断できれば、115Ⅰ四類推適用可 ⑷ 理由:訴訟承継させないと従来の訴訟が無駄 ・ 仮装譲受のため譲受人には固有の実体的利益がない ⑥ 115条の規定外の者 ⑴破産法:破産債権確定判決 → 破産債権者全員に既判力拡張(破産131Ⅰ) ⑵ 対世効:判決の効力が当事者だけではなく第三者にも及ぶ場合 ​⇒ 人事関係訴訟(主に親族法) ・ 団体関係訴訟(主に会社法) ⑶法人格否認の法理 ⑷B + 反射効:当事者の一方と実体法上の依存関係にある第三者に反射的に有利または不利に影響を及ぼす効力 ※「当事者の一方と実体法上の依存関係」の典型例:保証人 Q 反射効による既判力の拡張は認められるか ⑴ 事例:主債務者と債権者の債務不存在判決 → 保証人に既判力を及ぼす? ⑵ 問題の所在:実体法上、保証人も債務不存在 → 訴訟法上の整合性 ⑶ 判例:認められない ⑷理由:手続保障を害し相対効の原則に反する、 明文がない、 実質的には既判力の拡張

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    既判力の客観的範囲 理由

    申立順序や実体法上の論理的な順序に拘束されず容易なものから審理 (= 「審理の簡易化・弾力化」と最低限書けるように) ※ 図 いきなり③の弁済を審理し認定することができる(申立順序に拘束されない)

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    相殺の抗弁 図

    後訴におけるβ債権の訴えは114②により既判力が生じ、認められない

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    Q 相殺の抗弁と既判力の範囲 図)

    ⑴問題の所在:相殺の抗弁 → 排斥 or 認容 → 不存在に既判力生じることは変わらない ​⇒ 反対債権の存在はどうか?超過部分については? ⑵判例・通説:反対債権の不存在のみ既判力あり ・ 超過部分には既判力なし ⑶理由 反対債権:各債権の存在は基準時前の事情、 紛争解決としては十分、 存在は不存在の理由に相当 ​超過部分:相殺を対抗した額についてのみ既判力114Ⅱ

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    Q 口頭弁論終結後の承継人が固有の攻撃防御方法を有している場合でも承継人にあたるか(事例)写真

    Zは背信的悪意者ではない

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    4 執行力 Bランク 5 形成力

    ①執行力:給付義務を強制執行手続によって実現できる効力 → 債務名義により現実化 ⑴ 正当化根拠:既判力と同様 (a) 判決によって確定された権利関係の法的安定性を維持するために不可欠な制度的効力 (b) 手続保障の充足に基づく自己責任 ⑵債務名義:強制執行によって実現されるべき債権の存在・範囲を証明する公的機関が作成した文書 (c) 種類:民執22)確定判決、仮執行宣言付判決、執行証書・公正証書、 和解調書、調停調書 (d) 手続:受訴裁判所・公証人等が作成 → 執行機関が執行 ∵ 迅速な執行のため個別 ② 強制執行:債務名義 + 執行文 + 送達証明書 → 申立 → 執行 ⑴執行文:請求権が存在及び強制執行できる状態を証明するために付与する文言 ⑵送達証明書:債務名義の正本又は謄本が債務者に送達されたことを証する証明書 ⑶種類 ​・債権執行​:債権 を対象 ​→ 給与1/4まで、預金、売掛金債権、貸与金債権等 ・​不動産執行​:不動産を対象 ​→ 土地、建物、登記済地上権等 ​・動産執行​:動産 を対象 ​→ 骨董品、貴金属、現金66万まで、小切手、株券等 ③ 執行力の範囲:通常、既判力に準ずる ​・時的限界​:基準時 ​・客観的範囲​:主文で確定された給付請求権 ・​主観的範囲​:当事者間及び承継人等に拡張 Q 口頭弁論終結後の承継人が固有の攻撃防御方法を有している場合、執行力が及ぶか ※ あnAランク ⑴問題の所在​:前主の受けた執行力が及ぶか (既判力は前主の地位を争えないを意味) ⑵判例​:執行力は及ぶ。但し、固有の攻撃防御方法を有する場合は及ばない ⑶理由​:固有の抗弁があるため前主の不利な地位を承継しない(実質説) ④仮執行宣言:未確定の終局判決に対し確定判決同様の執行力を付与する終局判決に付随する形成的裁判 ⑴要件:財産上の請求に対する判決 ・ 必要があると認める ⑵ 手続:申立又は職権、 無条件又は担保供与を条件 ⑶効力:言渡しによって執行力発生、上訴によって当然には停止しない 5 形成力 ①形成力:判決内容どおりの新たな法律関係の発生・変更・消滅を生じさせる効力 ​・時的範囲​:判決確定時 → 遡及効 or 将来効、どちらもある ・​客観的範囲​:判決主文 ​・主観的範囲​:対世効

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    第六編 複雑訴訟第13章 複数請求訴訟 1 訴えの客観的併合 Aランク

    1 訴えの客観的併合 ①複雑訴訟:同一の訴訟において訴訟物や関与する者が多数存在する訴訟形態 ​⇒ 原則:「訴訟は1つの請求 ・ 一対一の当事者」を修正 ​・複数請求訴訟​:一対一の当事者間に複数の請求が審理される訴訟形態​≒ 客観的併合・客観的複数 ・​多数当事者訴訟​:当事者として3人以上の者が関与する訴訟形態 ​≒ 主観的併合・主観的複数 ​⇒ よく似た類型が多く覚えにくい。類型と具体例をセットで覚えること。 ②複数請求訴訟 → 訴えの客観的併合・請求の客観的併合とも(異論あり) ⑴条文:136等 ⑵趣旨:審理の重複及び矛盾判決の防止 ⑶類型 A+ ​・時期による類型: (請求の)原始的複数(=固有)・(請求の)後発的複数 ​ ・態様による類型:  単純併合(=並列的併合)・  選択的併合(=択一的併合)・  予備的併合 ・​原因による類型( 全て後発的複数):  訴えの変更・ (原告主導で複数に)  反訴・    (被告主導で複数に)  中間確認の訴え・  弁論の併合  (裁判所主導で複数に) ⑷一般的要件 (a) 数個の請求が同種の訴訟手続によって審判されるべきもの​(例)× 民事訴訟 + 人事訴訟 (b) 法律上併合が禁止されていない (c) 受訴裁判所に管轄権がある ​⇒ 原則、関連性は不要。例外あり(人事17Ⅰ等 (離婚とそれに基づく損害万象請求訴訟)) ③時期による類型 ​・原始的複数:訴え提起の当初から複数の請求を審理する場合 ・​後発的複数:訴え提起後に別の請求を審理する場合 ④態様による類型 Aランク ・単純併合(※定義書けるように): 数個の請求を並列的に併合し、全ての請求について審判を求める併合形態 (典型例)売買代金支払請求と貸金債権支払請求 → 各々無関係(認容棄却全て可) ・選択的併合(※定義書けるように): 同一の目的を有し法律上両立することができる複数の請求のうちの1つが認容されることを他の請求の解除条件とした併合形態  ※「法律上両立できる」がポイント (典型例)所有権に基く返還請求権と占有権に基づく返還請求権 → どれか1つを認めて ・予備的併合(※定義書けるように): 法律上両立しえない複数の請求に順位を付し、先順位の請求(主位請求)が認容されることを後順位の請求(副位請求)の審判申立の解除条件とした併合形態 (典型例)売買代金請求を主位請求とし売買の目的物の返還を副位請求 → 代金渡せ、無理なら物返せ Q 代償請求の法的性質と効果 ⑴ 事例​:物引渡請求 + 引渡不能の場合に備えた事前の損害賠償請求(代償請求・代償請求権) ⑵代償請求権​:履行不能の場合にその同一の原因によって債務者が得た利益を請求する権利 ⑶問題の所在​:予備的併合 or 単純併合 → 代償請求の審判の要否 ⑷結論​:現在の給付の訴え + 将来の給付の訴えの単純併合 → 全て審判必要 ⑸理由​:両立しうる関係(どちらの請求も容認されうる。(引き渡しがなされない場合の代償請求を認容)) ⑤ 審理と判決 ⑴ 訴訟の開始​:併合要件は訴訟要件として調査 → 欠缺の場合、個別の訴え・移送等 ⑵審理​:同一の訴訟手続 → 争点整理・弁論・証拠調べは共通、 弁論の制限も可 ⑶判決​:単純:全ての請求     選択:1つ認容 → 他は棄却      予備:主位棄却 → 副位 Q 弁論の分離、一部判決が認められるか ​・単純併合 ​→ 原則、認められる  ​∵ 矛盾判決とならない ​・選択的併合・予備的併合 ​→ 認められない ​∵ 矛盾判決  ※一部判決:民事訴訟で複数の請求が併合審理されている場合に、そのうちの1つまたは一部を他の事件と切り離して先に出す終局判決 ⑥控訴審 ⑴控訴不可分の原則:控訴では判決における全請求について確定遮断効及び移審効が生じるとの原則 ​(例)100万貸金返還請求 → 原審で60万認容(一部認容) → 控訴:100万確定遮断効+移審効、Yは附帯控訴可 ​⇒ 予備的併合で問題 Q 予備的併合で主位請求認容判決について被告が控訴した場合 ⑴事例:代金支払請求(主位)+ 目的物返還請求(副位)→ 主位認容 → 被告が控訴 ⑵問題の所在:副位請求 ​副位請求判断なし → 移審の有無 ∵ 確定遮断効+移審効生じない? ​副位請求審理なし → 審理の可否 ∵ 原審で審理してないので審級の利益を害する? ⑶ 判例 (a) 移審:有 ∵ 主位請求と副位請求に密接な関連性 + 当事者の合理的意思  ※控訴審で主位・副位請求双方審理されることは当事者の合理的意思に合致) (b) 審理:可 ∵ 非両立から訴訟資料の大部分は共通 + 控訴審での訴えの変更可との均衡143Ⅰ Q 予備的併合で副位請求認容判決について被告が控訴した場合 ⑴事例:代金支払請求(主位)+ 目的物返還請求(副位)→ 副位認容 → 被告が控訴 → 主位認容? ⑵問題の所在:控訴審で主位請求を認容してよいか? ​•移審係属の範囲 → 主位請求・副位請求の移審の有無 ​∵控訴審におけるう主位認容の前提 ​•審判対象の範囲 → 主位請求の審判の可否 ​∵ 原告の不服申立がない(原告にとって不意打ちにならないか) ⑶ 判例 (a) 移審係属の範囲:主位請求・副位請求共に移審する ∵ 控訴不可分の原則 (b) 審判対象の範囲:原告の附帯控訴がない限り主位請求部分は審判対象にならない ​∵ 当事者双方は主位について満足 → 不意打ちとなり不利益変更禁止の原則に反する  ※ 通常、主位請求が認められないことは被告は満足、原告は満足でない。しかし、原告が付帯控訴をしていないと言うことは、副位請求認容でokということ。それにも関わらず、控訴審で主位請求が認められることは原告にとっては不意打ちとなる

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    2訴えの変更 3反訴 4中間確認の訴え

    2 訴えの変更 B➕ ①類型相互の関係:時期による類型 ・ 態様による類型 ・ 原因による類型 ​・態様による類型:単純併合・選択的併合・予備的併合 ​→ 原始的複数を予定 ​・原因による類型:訴えの変更・反訴・中間確認の訴え・弁論の併合 ​→ 後発的複数 ​⇒ 原因による類型 ≒ 後発的複数の発生原因 ②訴えの変更:訴訟係属後に、原告が、当初からの手続を維持しつつ、当初の審判対象を変更すること ⑴条文:143 ⑵事例:貸金返還請求 → 未払いのまま利息発生 → 利息支払請求を追加 ⑶趣旨:原告の便宜及び訴訟経済 ③態様 ⑴訴えの追加的変更:旧請求を維持しつつ、新請求を追加する場合 ​(例)貸金返還請求 → 利息支払い請求を追加 ⑵ 訴えの交換的変更:旧請求と交換して新請求を提起する場合 ​(例)特定物引渡請求 → 特定物の滅失が発覚 → 特定物に関しての損害賠償請求 Q 訴えの交換的変更の法的性質 ・複合行為説 判例 結論)訴えの取下 + 訴えの追加的変更 理由)被告の保護のために被告の同意が必要であると構成する ・独自行為説 学説 結論)従来の審理を利用でき、被告の同意を要する独自行為 理由)従来の審理を利用できる点を説明するため Q 請求の趣旨における数量の変更  (損害賠償額の変更) ​拡張:訴えの追加的変更 → 可 ​減縮:明示の一部取下げ → 被告の同意があれば可261Ⅱ(判例)   ④ 要件 ⑴請求の基礎に変更がない:裁判資料を新請求の審理に利用でき かつ 利益関係が社会生活上共通 ​ 〇:請求の拡張、 請求の減縮、 同一原因  ​×:別原因(売買契約に基づく代金請求 → 消費貸借契約による貸金返還請求) ➢ 被告が同意または異議なく応訴をした場合は不要(→別原因でも認められる) ∵ 被告の利益のため  ※ この要件と判例は頻出 ⑵著しく訴訟手続を遅滞させない ⑶ 事実審の口頭弁論終結前   → 控訴審でも被告の同意を要せず変更可 ⑷複数請求訴訟の一般的要件を充足 ⑸交換的変更の場合、相手方の同意 ⑹書面での手続 ⑤審理手続:裁判所が認める → 旧請求の資料全てが新請求の資料となる 3 反訴 ①反訴:係属中の本訴の手続内で、関連する請求につき、被告が原告に対して提起する訴え ≒ 訴え返す ※書けるように  ⑴ 本訴:反訴・訴訟参加等の契機となった大本の訴訟(民事訴訟) → 原告から被告に対する訴え ⑵条文:146 ⑶趣旨:当事者平等原則(訴えの変更等との均衡)、 矛盾判決の防止、 訴訟経済(裁判資料が共通) ②態様・事例:訴えの変更に対応 ⑴単純併合に対応 ​(例)Xが目的物引渡請求 → Yが代金支払請求 ⑵予備的併合に対応 ​(例)Xが目的物引渡請求 → Yが無効主張 (主位)+ 代金支払請求(副位)  ※予備的併合的な反訴も認められることは押さえておく ③要件:訴えの変更に対応 ⑴ 本訴請求またはこれに対する防御方法と関連:請求の基礎の同一性と基本的に対応 (a) 原告の同意があれば充足不要    ​∵ 原告の利益 (b) 請求の基礎の同一性よりも緩和    ​∵ 原告には原始的客観的併合が認めらている (c) 本訴請求と関連:本訴訴訟物たる権利の内容または発生原因において共通点を有する ➢ 同一物の所有権確認 + 賃借権確認、 同一事故の双方の損害賠償請求、 双務契約の双方の債権 (d) 防御方法と関連:本訴に対する抗弁事由とその内容または発生原因において共通点を有する ➢ Xが金銭請求  → Yが相殺の抗弁を主張 + 当該反対債権の残額の支払請求 ➢ Xが物引渡請求 → 留置権の抗弁を主張  + 当該被担保債権の支払請求  ⑵著しく訴訟手続を遅滞させない ⑶事実審の口頭弁論終結前 (a) 控訴審での反訴提起は原告の同意または応訴を要する300  ∵進級の利益保護(訴えの変更では不要) (b) 反訴請求について実質的に審査されていれば同意不要(判例) ∵ 審級の利益を害さない ⑷複数請求訴訟の一般的要件を充足 ⑸書面(反訴状の提出)での手続 ④ 手続 ⑴要件欠缺:反訴を不適法却下(判例)​→ 訴えの変更は分離審判 ⑵審理手続:同一の訴訟手続で審理​→ 予備的反訴等を除き、弁論の分離・一部判決も可 ⑶反訴取下:応訴等の後は同意必要​→ 相手方が本訴取下した場合、不要261Ⅱ 4 中間確認の訴え ①中間確認の訴え ​訴訟係属中に当該請求の先決関係たる権利法律関係の存否につき当事者が追加的に提起する確認訴訟 ※訴訟係属:被告に訴状送達から ※先決関係:前訴訴訟物が後訴訴訟物の前提問題となっている場合。具体例:前訴が「甲土地の所有権確認請求」で後訴が「甲土地の所有権に基づく明渡請求」 ⑴条文:145 ⑵事例:甲地の所有権に基く引渡請求 → 所有権確認請求(中間確認の訴え) ⑶中間判決との異同 → 中間確認と中間判決は無関係かつ別物 ・中間判決 (共通)請求の関連問題・争点につき、審理の途中で判断 (性質)訴訟指揮 (判断内容) × 既判力 × 執行力  × 終局判決 ・中間確認の訴え (共通)請求の関連問題・争点につき、審理の途中で判断 (性質)訴え提起 (判断内容)〇 既判力 〇 執行力     〇 終局判決 ②趣旨:理由中判断の既判力による確定 →訴訟不経済及び矛盾判決の回避 ③ 要件 ⑴当該請求の先決関係にある権利法律関係について争いがある ⑵確認請求 ⑶事実審の口頭弁論終結前 ​⇒ 控訴審における相手方の同意不要(通説)∵ 先決関係(→既に審理しているため審級の利益を害さない) ⑷複数請求訴訟の一般的要件を充足 ⑸書面での手続 ​⇒「著しく訴訟手続を遅滞させない」 → 要件ではない ④ 手続:同一の訴訟手続で審理

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    第14章 多数当事者訴訟 A 1 共同訴訟

    ◻ 共同訴訟の概要 ①多数当事者訴訟の種類 ​・共同訴訟​:原告または被告が複数(当事者として加わる) ​・補助参加訴訟​:当事者以外の者(補助参加人)として加わる ​・三面訴訟​:原告または被告とは別の当事者(独立当事者)として加わる(独立当事者参加) ​・当事者交替​:従来の当事者が抜けて入れ替わる形で加わる(当事者の交替) ②共同訴訟:一つの訴訟手続に数人の原告または被告が関与している訴訟形態 (書けるように) ⑴趣旨()Aランク:審判の重複回避、 矛盾判決の回避、 手続保障の充足 →選択的(3つの趣旨がすべて妥当する場合もあれば一部の場合もある)  ※趣旨書けるように ⑵種類 (a) 共同訴訟の類型:結果 ​・通常共同訴訟​:関連して便利だから共同 ​・必要的共同訴訟​:合一確定が必要だから共同 ​  ・類似必要的共同訴訟:初めは単独でもよいが共同すれば継続が必要   ・​固有必要的共同訴訟:初めから関係者全員の共同が必要 (b) 成立形態:原因 ・​原始的併合:訴えの主観的単純併合、 訴えの主観的予備的併合、 同時審判申出共同訴訟等 ・​後発的併合:主観的追加的併合(共同訴訟参加、訴訟承継等)、 弁論の併合 ​注)主観的-当事者 ◻ 通常共同訴訟 ①通常共同訴訟 ​各共同訴訟人と相手方との間の複数の請求相互間に、38条所定の関連性がある場合に、本来個別に審判されうる数個の請求につき便宜上共同訴訟することが認められる訴訟形態 ②条文:38 ③趣旨:審理の重複回避、 矛盾判決の回避 ④要件 ⑴ 主観的併合要件:請求相互間の関連性38 (a) 権利共通 ​(例)数人の土地共有者による明渡請求 (b) 義務共通 ​(例)数人の連帯債務者に対する支払請求 (c) 原因共通 ​(例)同一事故による数人の被害者へ損害賠償請求 (d) 権利又は義務同種かつ原因同種   ※「同種」「かつ」がポイント  ​(例)賃貸人の各賃借人に対する明渡請求 / 複数人にお金を貸している者が複数人に対して支払請求 ⑵ 客観的併合要件:複数請求訴訟の一般的要件 → 同種手続、 管轄権、 併合禁止でない ⑶ 一般の訴訟要件 ⑤ 審理方式 ⑴共同訴訟人独立の原則(:通常共同訴訟の原則):各共同訴訟人は他の共同訴訟人に制約されることなく、各自独自に訴訟を追行する​権能を有しその効果を受けるという建前  ※定義書けるように各共同訴訟人、各自独自に訴訟を追行、その効果を受けるがポイント (a) 条文:39 (b) 趣旨:事実上、審理の重複・矛盾判決回避の実現を期待 → 法律上の要請はない (c) 帰結:各共同訴訟人は放棄・認諾、上訴、自白等を独自に可 + 他の共同訴訟人は無関係 ⑵主張共通:ある共同訴訟人の主張を他の共同訴訟人のためにもなされたものとみなすこと ​注) 弁論主義における主張共通の原則とは別の問題 → ≒ 共同訴訟人間の主張共通(いずれかの当事者により主張された事実であれば裁判所は判決の基礎にできる) Q 共同訴訟人間の主張共通は認められるか ⑴問題の所在​:共同訴訟の趣旨から主張共通を認めるべきとも思える。一方で共同訴訟人独立の原則 → 独自に訴訟追行 → 趣旨に反する ⑵ 判例・通説​:認められない。但し、援用可 ⑶理由​:本来通常共同訴訟は単なる個別訴訟の併合 → 各訴訟ごとに弁論主義が妥当 ⑷証拠共通:共同訴訟人の一人が提出した証拠は他の共同訴訟人も共通して資料とすることができる ​注) 自由心証における証拠共通の原則(一旦証拠を提出されれば自己に有利にも不利にも扱われる)とは別の問題 → ≒ 共同訴訟人間の証拠共通 ​⇒ 共同訴訟人独立の原則の例外(= 主張共通)の修正(= 証拠共通) Q 共同訴訟人間の証拠共通は認められるか ⑴問題の所在​:共同訴訟人独立の原則 → 独自に訴訟追行 → 趣旨に反する ⑵ 判例・通説​:認められる。 援用不要 ⑶ 理由​:自由心証主義のもとでは一つの歴史的事実の心証は一つしかありえない ◻ 必要的共同訴訟 ①必要的共同訴訟:判決が各共同訴訟人毎に区々となることが許されず、合一確定が要求される共同訴訟 ※ 書く。「合一確定が要求される共同訴訟」がポイント ​⇒通常共同訴訟:事実上要求→〇 区々  必要的共同訴訟:法律上要求→× 区々 ⑴条文:40 ⑵種類:固有必要的共同訴訟 ・ 類似必要的共同訴訟 ⑶趣旨:矛盾判決の回避 ② 審理方式:合一確定が要求 ⇒ 各々全員に効力 → 判決矛盾ができなくなる  ⑴裁判資料の統一 (a) 共同訴訟人の1人のなした訴訟行為40Ⅰ ​•有利な行為 → 全員に効力が生じる ​•不利な行為 → 行為者を含めて効力が生じない (b) 共同訴訟人の1人に対する訴訟行為40Ⅱ → 全員に効力が生じる(有利・不利を問わない) ⑵ 訴訟追行の統一 (a) 共同訴訟人の一人に中断・中止の事由 → 全員につき停止40Ⅲ (b) 弁論の分離 ・ 一部判決243Ⅱ は許されない ※一部判決:民事訴訟で、同一手続きに併合審理されている数個の請求の一部についてなされる終局判決 ③類似必要的共同訴訟 ​単独で訴えまたは訴えられるが、いったん共同訴訟とされた以上は合一確定が要請される共同訴訟 ※定義書く ⑴特徴:単独可(固有必要的共同訴訟は不可) →複数だと対世効等で問題 → 必要的共同訴訟 ⑵趣旨:矛盾判決の回避 ⑶成立:原始的併合 or 共同訴訟参加 Q 類似必要的共同訴訟の基準となる合一確定が要請される場合の判断基準 ⑴問題の所在:明文なし + 講学上の分類 ⑵通説:共同訴訟人の1人が受けた判決効が他の共同訴訟人にも及ぶ場合 ⑶理由:矛盾判決の回避 ⑷事例 ​・会社法​:数人の株主による、株主総会等の決議取消の訴え ・ 株主代表訴訟 ・ 株主総会無効確認の訴え ​・民法​:複数人の債権者による、債権者代位訴訟 ④固有必要的共同訴訟 ​利害関係人の全てが訴えまたは訴えられなければ、当事者適格が認められない共同訴訟 ※書けるように。「利害関係人全て」「当事者適格」がポイント ⑴特徴:初めから共同訴訟 + 利害関係人全てが共同訴訟人となることが法律上強制 ⑵趣旨:矛盾判決の回避     + 手続保障の充足(全員が共同訴訟人とならないと利害関係人の利害を害する場面であるため) ⑶事例 (a) 第三者による婚姻無効・取消の訴え​:原告= 第三者・被告= 夫婦双方(人事12Ⅱ) (b) 共有物分割請求訴訟​:原告または被告 = 全共有者(民258Ⅰ) (c) 取締役解任の訴え​:原告=株主・ 被告=会社及び取締役(会社855) ​⇒ 委任関係消滅を求める形成訴訟。 取締役選任の株主総会決議取消の訴えは類似必要的共同訴訟 ⑤共同所有関係の訴訟と訴訟形態 Q 共同所有関係における固有必要的共同訴訟か通常共同訴訟かの判断基準 ⑴問題の所在​:明文なし + 厳格かつ重厚な手続による不都合性(=固有必要的共同訴訟の問題点。利害関係人全てを訴訟に参加させなければ当事者適格が認められないが、非常に大変) ⑵通説​:実体法上の管理処分権の帰属態様を基準としつつ、訴訟法上の観点から調整して判断 ⑶ 理由​:民事訴訟は実体権の実現の過程 → 実体法の帰属及び訴訟政策的判断が不可欠 ⑥共有と共同訴訟 ⑴共有者が原告側の場合: 原告:共有者 ・被告:非共有者 ​ ・持分権:原告自身の権利 ​→ 通常共訴 ​ ・共有権:共有者全員で有する権利 ​→ 原則、固有必共訴。修正、通常共訴 ∵ 保存行為・不可分債権 ​  ・通常共訴​:保存行為、 抹消登記手続請求、 引渡請求、 妨害排除請求 ​  ・固有必共訴​:境界画定訴訟(同調しない者を被告にできる)、 移転登記手続請求 ※移転登記手続請求は原告への登記移転を求めるものであるため固有必共訴 ⑵共有者が被告側の場合:  原告:非共有者 ・ 被告:共有者 (a) 訴訟形態​:通常共同訴訟が多い (b) 事例​:共同相続人の一人に対する建物収去土地明渡請求→通常共訴 (c) 理由​:不可分債務、訴訟法上の観点(被告となる共有者全員を訴えることは現実的ではない) (3) 共有者相互間の場合 B+  原告:共有者 ・ 被告:共有者 ​ ・原則:固有必要的共同訴訟 ​(例)共有物分割、 遺産確認の訴え、 相続人の地位の確認 ​ ・例外:通常共同訴訟​(例)持分部分の確認、 更正登記(一部抹消登記) ​∵ 原則:利害関係及び統一的解決基準 ・ 例外:利害関係及び統一的解決基準がない ⑦総有と共同訴訟 ⑴訴訟形態 ​原則:固有必要的共同訴訟​(例)入会権確認訴訟 ​修正:通常共同訴訟​(例)入会権に基づく妨害排除請求 ⑵理由:原則-構成員は持分を有しない ・ 例外-保存行為 ⑶ 訴訟上の配慮:同調しない者を被告とできる-判例 ⑧合有と共同訴訟 ⑴訴訟形態 ​原則:固有必要的共同訴訟 ​(例)組合財産の確認訴訟 ​修正:通常共同訴訟 ​(例)組合財産の不正な登記の抹消登記手続請求 ⑵理由:原則-構成員の処分権能の制限 ・ 修正-保存行為 ⑶訴訟上の配慮:訴訟担当の業務執行組合員→その者がやれば全員でやったことになる ⑨共同訴訟における訴えの取下 ​・通常共同訴訟​:単独で有効 ​∵ 共同訴訟人独立の原則 ​・固有必要的共同訴訟​:全員で有効(単独では無効) ​∵ 裁判資料の統一が必要 ​・類似必要的共同訴訟​:原則、単独で有効​∵ 個別の訴えが認められる Q 類似必要的共同訴訟(株主代表訴訟)において共同訴訟人の一部の者が上訴しなかった場合の効力 ⑴問題の所在​:上訴しなかった者への判決の効力 + 合一確定の要請 ⑵判例​:確定遮断効・移審効・上訴審の判決効は及ぶ。但し、上訴人にならない ※控訴されることで、判決の確定が阻止され(確定遮断効)、事件が上級裁判所で審理裁判される(移審効)効力が発生 ⑶理由​:合一確定が必要 + 上訴人の地位に就く必要はない ◻ 原始的併合 B+ ①共同訴訟の成立形態:発生原因 ​原始的併合:訴え提起の当初から共同となる訴訟形態 ​≒ 原始的主観的併合 ​後発的併合:訴訟係属後に第三者加入によって共同となる訴訟形態 ​≒ 主観的追加的併合 ② 原始的併合の類型:訴えの主観的単純併合、 訴えの主観的予備的併合、 同時審判申出共同訴訟等 ③訴えの主観的(単純)併合 ​共同訴訟人と相手方との複数の請求につき、訴えの当初から1個の訴えで同時に審判を求める場合 ⑴事例:≒ 通常共同訴訟 → 必要的共同訴訟となる場合は含まない ⑵要件:≒ 通常共同訴訟の要件 ④訴えの主観的予備的併合 ​実体法上両立しない複数の請求に順位をつけて、主位原告または主位被告の請求につきまず​審理を求め、認容されない場合に予備的原告または予備的被告の請求につき審判を求める場合  ※ 定義書けるように。両立しない複数の請求に順位、主位、予備的がポイント。審判に解除条件をつける。 ⑴特徴:人に対して順位をつける ⑵事例 ​・被告側:主位被告:本人・履行請求 ​→ 予備的被告:代理人・無権代理責任の追及 ​・原告側:主位原告:債権の譲受人・履行請求 ​→ 予備的原告:譲渡人・履行請求(債権譲渡の有効性が認められなかった場合に備えて) Q(そもそも) 訴えの主観的予備的併合という共同訴訟形態を認めることができるか ⑴ 問題の所在​:明文なし + 審判の統一及び訴訟経済に適する ⑵判例​:認められない ⑶ 理由​:予備的被告の地位が不安定 + 同時審判申出共同訴訟41 ⑤同時審判申出共同訴訟 ​法律上併存しえない複数の請求につき、原告の同時審判の申立により弁論と裁判の分離を禁じる場合 ⑴条文:41 ⑵特徴:通常共同訴訟だが弁論と裁判の分離を禁じる  ※共同訴訟人独立の原則が妥当 ⑶ 事例:代理契約における本人及び代理人、 工作物責任(民717)における占有者及び所有者に ⑷趣旨:矛盾判決の回避 ⑸ 要件:共同被告に対し法律上併存しえない複数の請求 + 控訴審の口頭弁論終結時まで ⑹ 効果:〇 共同訴訟人独立の原則 ・ × 弁論の分離 ◻ 後発的併合 ①後発的併合の類型 ​・第三者主導:共同訴訟参加、 参加承継 ・​当事者主導:引受承継 ​・裁判所主導:弁論の併合(分類に異論あり) ②共同訴訟参加:他人間の訴訟の係属中に第三者が当事者の一方の共同訴訟人として参加する場合 ⑴条文:52 ⑵事例 (a) 株主総会等の決議取消の訴え(会社831) → 他の株主が共同訴訟参加 (b) ABC共有土地につきYに対しABが3名の共有との確認の訴え → Cが共同訴訟参加 ⑶趣旨:矛盾判決の回避 ⑷要件:訴訟係属中 ・ 参加人は判決効が拡張される地位にあり、かつ、当事者適格を有する ⑸効果:類似必要的共同訴訟となる + 固有必要的共同訴訟での瑕疵の治癒もあり Q 明文のない主観的追加的併合が認められるか B+ ⑴問題の所在​:後から当事者を追加 → 訴訟経済に資する + 明文なし ⑵ 判例​:認められない ⑶理由​:訴訟の複雑化してしまう + 別訴を提起し弁論の併合をしうる

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    通常共同訴訟の典型例(写真)

    通常共同訴訟 ​各共同訴訟人と相手方との間の複数の請求相互間に、38条所定の関連性がある場合に、 ​本来個別に審判されうる数個の請求につき便宜上共同訴訟することが認められる訴訟形態

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    2 補助参加訴訟 Aランク

    ◻ 総説 ① 補助参加 ​他人間の訴訟の結果につき利害関係を有する第三者が当事者の一方を勝訴させることによって自己の利益を守るために訴訟に参加する形態 ※条文のままなので定義は暗記しなくてもよい ​⇒ 当事者ではなく、補助参加人として第三者が訴訟に参加する形態 ②条文:42 ③基本用語 ​補助参加人​:他人間の訴訟につき補助参加する利害関係を有する第三者 ​被参加人​:補助参加人による補助を受ける当事者の一方 ④ 事例:保証債務 ※事例を覚えよ (a) 債権者X・主債務者Yに保証人が補助参加 ∵ 保証債務の存否の前提 (b) 債権者X・保証人Yに主債務者が補助参加 ∵ 求償の前提 ⑤ 趣旨:補助参加人の手続保障、 被参加人の利益、 後訴の防止等 ◻ 要件 ① 他人間の訴訟 ×:自己が当事者 ​〇:訴訟係属中 ・ 控訴審 ・ 上告審 ・ 確定判決後に参加申立と共に再審の訴え43Ⅱ・45Ⅰ ② 利害関係を有する:訴訟の結果につき補助参加人に独自の法律上の利益がある場合(判例) ​⇒ 法的地位または法的利益(not 感情的経済的)に対し事実上の影響(not 判決効)が及ぶ ​×:友人に請求(感情的) ・ 自己の債務者に請求(経済的) ・ 専ら当事者のために物を所持する受寄者(判決効は及ぶが法的地位または利益がない)115Ⅰ四 ​〇:保証による保証債務または求償 ・ 自己の債務者が無資力で債権者代位権行使可 ③訴訟の結果:判決主文  Q 「訴訟の結果」に判決理由中の判断も含まれるか(Aランク) ⑴事例:同一事故による被害者X、Z → XがYに損害賠償請求 → ZがXに補助参加 ⑵ 問題の所在:判決主文のみではZは利害関係なし→判決理由中の判断となる過失の有無が後訴に影響 → 訴訟の結果に含むか? ⑶学説 ◾️ 訴訟物限定説-旧通説 結論)主文の判断に限る 理由)  ・文理(「訴訟の結果」) ・理由中判断は当事者間において効力を生じない(補助参加人ならなおさら影響しない) ◾️訴訟物非限定説-有力説自説 結論)理由中判断も含む 理由)・理由中判断に参加的効力が生じる ⑷あてはめ: ・訴訟物限定説-含まない ∴ 補助参加不可  ・訴訟物非限定説-含む∴補助参加可 ④ 参加手続:趣旨及び理由を書面または口頭で示す43Ⅰ ⑴当事者の異議44 → 補助参加人の疎明が必要、 決定で裁判、 異議なく弁論で異議権喪失 ​⇒ 異議の審判において要件を審理(異議なければ裁判せずにそのまま補助参加可) ⑵同時申出:補助参加人としてできる訴訟行為と共に補助参加申出可43Ⅱ ​⇒ 上訴・再審も含む pf ◻ 効果 ① 補助参加人の地位 B➕ ⑴ 性質:相反する複合的性質 ​独立性:独自の利益確保の要請 ​→ 一切の訴訟行為、 別個に呼出、 同意なく参加取下可 ​従属性:独自請求なく補助の要請 ​→ 訴訟行為の制限、 証人適格あり、 中断事由による停止なし(死亡など) ⑵訴訟行為45:原則、一切の訴訟行為ができる → 例外あり (a) 例外Ⅰ:被参加人のなしえない行為 ​(例)時機に遅れた攻撃防御方法157、 自白の撤回 (b) 例外Ⅱ:被参加人の行為と矛盾 ​(例)被参加人の裁判上の自白を争う (c) 例外Ⅲ:解釈上制限 ​(例)形成権(取消、相殺など)、 処分(放棄等)、 不利(自白等) ⑶記録の閲覧:改)(44で裁判確定・異議権喪失した)補助参加人は当事者とみなし訴訟記録等の閲覧可 ② 判決の効力:46条所定の例外を除き補助参加人に及ぶ46 Q 補助参加における「判決の効力」の意義 a.) 問題の所在:明文なし + 既判力の拡張は妥当でない b.) 判例・通説:既判力とは異なる特殊な効力(参加的効力) c.) 理由 • 敗訴の責任を分担すべきであるという、公平・禁反言の理念 • 内容的制約を伴った既判力を認めることは既判力の本質に反する • 既判力と内容が異なる d.) 参加的効力と既判力 ・既判力 趣旨:法的安定 効力発生:判決の確定 客観的範囲:判決主文 主観的範囲:当事者 拘束力の例外:なし 援用の要否:不要 (職権調査事項) ・参加的効力 趣旨:責任分担・禁反言 効力発生:敗訴した場合のみ 客観的範囲:判決主文及び理由中判断 主観的範囲:被参加人と参加人の後訴      ※写真参照 拘束力の例外:あり46 (具体的事情により効力に影響) 援用の要否:必要(抗弁事項) ※主観的範囲 債権者Xが保証人Zに前訴で請求 Yが補助参加→X勝訴→ZがYに後訴請求。Yは保証債務の存否を争えない。 ③共同訴訟的補助参加 B+ ​訴訟物につき当事者適格を欠くため共同訴訟参加はできないが当事者間の​訴訟の判決の効力が及ぶ第三者が補助参加する場合 ※当事者適格を欠く、判決の効力が及ぶ第三者がポイント ⑴事例:取締役選任株会決議取消訴訟の被告会社側に参加する当該取締役、 423に参加する債務者、  ⑵ 要件:判決効が参加申出人に及ぶ ・ 補助参加の利益 ・ 参加申出人に当事者適格なし ⑶ 効果:補助参加と基本同様 (a) 性質 ​・独立性:判決の効力が及ぶ → 可及的に強化する必要 ​・従属性:当事者適格を欠く → 完全には脱却できない (b) 補助参加との違い(有力説) ・補助参加 (被参加人の行為と矛盾)できない (上訴期間)被参加人に従う (中断事由)補助参加人に生じても停止しない ・共同訴訟的補助参加 (被参加人の行為と矛盾) × 自白等 ・ 〇 証拠申出 (上訴期間)独立に起算 (中断事由)共同訴訟的補助参加人に生じれば停止する ◻ 訴訟告知 B+ ①訴訟告知:訴訟参加できる第三者に対して、法定の方式により訴訟係属の事実を通知すること ​⇒ 一般的に通知の義務はない、裁判所を通して通知・相手方にも送達、 参加を促す内容 ⑴条文:53 ⑵趣旨:告知者及び被告知者のための制度 ②要件 ​・時期​:訴訟係属中(控訴審・上告審可) ​・告知者​:当事者、補助参加人及びそれらの者から告知を受けた者 ​・被告知者​:当該訴訟に参加できる第三者(補助参加・当事者参加・訴訟承継等) ③効果 ⑴ 訴訟への参加​:被告知者の自由 ⑵ 参加的効力の発生​:参加した場合・参加しなかった場合

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    3 三面訴訟

    3 三面訴訟 Aランク ◻ 三面訴訟 ①三面訴訟:3者以上の当事者が互いに対立する構造の訴訟 ≒ 三当事者訴訟 ​⇒ 現行法は当初からの三面訴訟を認めていない → 独立当事者参加(=独当参加)の形のみ ②独立当事者参加 ​他人間の訴訟の目的となっている権利法律関係につき、第三者が加入し三者間で統一的に解決する場合 ⑴条文:47 ⑵趣旨:三者間での矛盾のない統一的判決 ⑶ 事例:XY間の甲地の所有権確認訴訟 → ZがXYに対し甲地の所有権確認訴訟のため独当参加 写真 ③独立当事者参加の類型 ⑴三当事者対立構造の有無による分類 ・​両面的独立当事者参加:第三者が当事者双方を相手方として請求を定立する参加形態 ​・片面的独立当事者参加:第三者が当事者の一方のみを相手方として請求を定立する参加形態 ⑵ 詐害防止参加:第三者が訴訟の結果によって権利が害されることを主張して参加する参加形態 (a) 趣旨:馴れ合い(詐害)訴訟の防止 (b) 事例:所有権移転登記抹消登記手続請求訴訟 → 被告の差押債権者が所有権確認請求のため参加 ⑶権利主張参加:第三者が訴訟の目的の全部または一部が自己の権利であることを主張して参加する参加形態 (a) 事例:XY間の甲地の所有権確認訴訟 → Z(被告の差押債権者。甲地の差押えを行う可能性あり)がXYに対し甲地の所有権確認訴訟のため独当参加 ④独立当事者参加の要件:他人間に訴訟が係属している(共通) Q 訴訟が上告審に係属している場合における独立当事者訴訟の可否  ⑴問題の所在​:法律審だが破棄差戻の可能性があるため実益がある ⑵判例・通説​:否定 ⑶理由​:参加人の請求の当否を審理しない ⑴詐害防止参加:訴訟の結果によって権利が害されること47Ⅰ前段 ➢ 間接的に自己の利益を侵害される虞 ・ 判決効を受けなくても客観的に詐害的訴訟追行 ⑵権利主張参加:本訴請求(原告の請求)と参加人の請求が論理的に両立しえない関係(非両立性)  ※適用場面を限定している ⑤手続:書面での参加申出47Ⅱ → 参加できるかは口頭弁論で裁判所が判断 ⑥審判:必要的共同訴訟の規定40が準用される47Ⅳ ⑴趣旨:矛盾のない合一確定を実現 ⑵訴訟行為:独立当事者訴訟では行為毎に共同関係がある → 裁判資料の統一 ​40Ⅰ:一人がなした不利益な行為 → 無効 ​40Ⅱ:共同関係にある当事者の一人になした行為 → 共同関係にある者に効力が生じる ​40Ⅲ:一人に中断事由 → 全員中断、 × 弁論の分離・一部判決 40Ⅰ→自白、請求の放棄、請求の認諾は、共同訴訟人全員が行わなければ効力が発生しない。共同訴訟人が訴えを取り下げるときは、共同訴訟人全員が共同で訴えの取下げをする必要がある Q 二当事者間のみでなされた訴訟上の和解の効力 a) 問題の所在​:他の当事者に訴訟上不利とならない場合もある b) 裁判例・通説​:無効 c) 理由​:三当事者間の合一確定に反する ⑶上訴:当事者・参加人共に上訴権あり ・ 全訴訟につき確定遮断効及び移審効あり ∵ 合一確定 Q 独立当事者参加において上訴しなかった者の地位 Aランク 学説 ・上訴人説-旧判例 結論)40Ⅰ準用により上訴人の地位 理由)上訴は他の当事者にとって利益 ※旧判例は敗訴者どおしで40①の共同訴訟人にあたるグルーピングをする ・被上訴人説-現判例 結論)40Ⅱ準用により被上訴人の地位 理由)意思に反する上訴で費用負担は不当 ※現判例は上訴された側を40②の共同訴訟人のようにグループとする。上訴していない敗訴者を上訴したようなグルーピングをすることはおかしい あてはめ:旧判例自説)により被上訴人となる ​⇒ 上訴した者のみが 費用負担 ・ 上訴取下   Q 独立当事者参加において敗訴した二者のうち一方だけが上訴した場合の上訴審の審判対象の範囲 B+ a) 問題の所在​:不利益変更禁止の原則に反する b) 判例​:合一確定に必要な限度で上訴しなかった者の判決部分に変更を加えうる c) 理由​:合一確定の要請が不利益変更禁止の原則よりも優先 ◻ 当事者の脱退 Bランク ①訴訟脱退:民事訴訟の係属中に死亡以外の理由によって当事者の地位を脱退 ​⇒ 独立同時者参加、 選定当事者、 参加承継・引受承継 ②独立当事者参加での脱退:原告または被告が相手方当事者の同意を得て脱退 ⑴条文:48 ⑵性質:参加人・相手方の訴訟追行の結果に委ねることを条件とした放棄・認諾(通説 条件付き放棄認諾説) ③効果:脱退者に対し既判力・執行力が生じる ➢ 「相手方の承諾」48の相手方に参加人を含むか → 含まない ④訴訟承継:独立当事者参加と同様50Ⅲ・51 ◻ 独立当事者参加と債権者代位 Aランク Q 債権者代位訴訟における債務者が権利主張参加として独立当事者参加できるか a) 事例:債権者が第三債務者に423行使 → 債務者が返還請求及び債務不存在確認により独当参加 b) 民法改正 ​423の5:債権者の代位行使により債務者は処分権限を失わない ​423の6:債権者は債務者への訴訟告知が必要 c) 学説 ​旧民法:処分権限なし → (第三債務者に対する)二重起訴・当事者適格で問題 → 非両立性から訴訟追行権を争えば可 ​現民法:処分権限あり → 両立性あり ・ 訴訟物=被代位権利 d) 結論:原則、不可。被保全債権を争う形であれば例外として可 ※債権者の債務者に対する債権(債務者の第三債務者に対する債権ではない) e) 理由:合一確定の実現の必要 + 債務者から見れば部分的に非両立性あり

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    独立当事者参加:詐害防止参加の事例

    詐害防止参加:第三者が訴訟の結果によって権利が害されることを主張して参加する参加形態 (a) 趣旨:馴れ合い(詐害)訴訟の防止 (b) 事例:所有権移転登記抹消登記手続請求訴訟 → 被告の差押債権者が所有権確認請求のため参加

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    Q 独立当事者参加において上訴しなかった者の地位 Aランク

    問題の所在:40の一項・二項のどちらを準用 ※第40条①訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その一人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。 ②前項に規定する場合には、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。 学説 ・上訴人説-旧判例 結論)40Ⅰ準用により上訴人の地位 理由)上訴は他の当事者にとって利益 ※旧判例は敗訴者どおしで40①の共同訴訟人にあたるグルーピングをする ・被上訴人説-現判 結論)40Ⅱ準用により被上訴人の地位 理由)意思に反する上訴で費用負担は不当 ※現判例は上訴された側を40②の共同訴訟人のようにグループとする。上訴していない敗訴者を上訴したようなグルーピングをすることはおかしい あてはめ:旧判例自説)により被上訴人となる ​⇒ 上訴した者のみが 費用負担 ・ 上訴取下  

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    Q 独立当事者参加において敗訴した二者のうち一方だけが上訴した場合の上訴審の審判対象の範囲 B+

    a) 問題の所在​:不利益変更禁止の原則に反する ※写真の例では、ZX間の請求が棄却されることはZにとって不利益な変更になる b) 判例​:合一確定に必要な限度で上訴しなかった者の判決部分に変更を加えうる c) 理由​:合一確定の要請が不利益変更禁止の原則よりも優先

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    Q 債権者代位訴訟における債務者が権利主張参加として独立当事者参加できるか

    a) 事例:債権者が第三債務者に423行使 → 債務者が返還請求及び債務不存在確認により独当参加 b) 民法改正 ​423の5:債権者の代位行使により債務者は処分権限を失わない ​423の6:債権者は債務者への訴訟告知が必要 c) 学説 ​旧民法:処分権限なし → 二重起訴・当事者適格で問題 → 非両立性から訴訟追行権を争えば可 ​現民法:処分権限あり → 両立性あり ・ 訴訟物=被代位権利 d) 結論:原則、不可。被保全債権を争う形であれば例外として可 e) 理由:合一確定の実現の必要 + 債務者から見れば部分的に非両立性あり

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    4 当事者の交替

    ◻ 当事者交替概要 ①当事者交替:第三者が従来の当事者と入れ替わって訴訟を続行 ​・任意的当事者変更​:実体法上の紛争の主体たる地位が移転しない ≒ 任当変更 (例:訴える人を間違えたので変更) ​・訴訟承継​:実体法上の紛争の主体たる地位が移転する  ・​当然承継​:法律上当然に承継 ​ ・参加承継・引受承継​:申立により承継 ⑴加入形態 ​・共同訴訟:当事者として加入 ・ 独当参加:独立の当事者として加入  ​:補助参加:補助参加人として加入 ⑵離脱形態 → 訴訟脱退:当事者が脱退、 死亡等 ◻ 任意的当事者変更 Bランク ①任意的当事者変更:民事訴訟の係属中に原告の意思により原告又は被告が入れ替わること ⑴事例:従業員が社長に給与支払請求訴訟 → 被告を会社に変更 ⑵特徴 (a) 明文なし ​→ 実務上認められている ∵ 別訴提起は妥当ではない 訴訟経済等 (b) 当事者の同一性なし ​→ 訂正(137等)は当事者の同一性あり (c) 実体法上の紛争主体に変動なし ​→ 訴訟承継は変動あり ⑶法的性質:新訴提起とその後の旧訴の取下げの2つの行為の複合 → 別個に要件具備が必要(通説) ②要件:第一審係属中 + 訴えの取下げの要件261 + 共同訴訟の要件38 ③効果 ⑴ 旧訴状の補正利用・印紙の追加不要 ⑵旧訴訟資料の利用(多数説) (a) 新当事者は原則として地位の承継はない、 〇 追認による資料流用可能、 × 相手方は拒否できない (b) 〇 自白した事実に反する主張 ・ 〇 時機に遅れた攻撃防御方法の主張 ※旧当事者がやったことは新当事者には関係なし ◻ 訴訟承継 B+ ①訴訟承継 ​訴訟係属中に実体法上の地位が移転する場合に承継時における前主の訴訟上の地位を全面的に承継させ審理を続行して承継人との関係でも争訟の処理を図る制度 ※訴訟継続中、実体法上の地位移転、訴訟上の地位を承継がポイント ⑴種類:当然承継、参加承継・引受承継 ⑵趣旨:訴訟経済及び当事者間の公平 (原告が被告に物の引き渡し請求をして訴訟継続中に被告が第三者に売却。この場合に原告が第三者に新たに訴えを提起しなければならないとすると公平に失する) ②訴訟承継の効果:当事者として被承継人の承継時点での訴訟進行上の地位を承継 ​・承継前の弁論・証拠調べ・裁判の効果 ・​時効中断・期間遵守の効果 ​・前当事者がなしえなくなった訴訟追行上の行為もできないまま(時期に遅れた攻撃防御方法の主張など)  ※効果は当然承継、参加承継、引受承継共通 ③当然承継:承継原因の発生により法律上当然に当事者が交替して訴訟承継を生じる場合  ※法律上当然にがポイント。申立なく、合意も不要。 ⑴条文:中断・受継124から推知 ​⇒ 中断・当然承継は別制度 ⑵原因:当事者の死亡、 法人等の合併 ⑶ 事例:当事者が死亡 → 相続人が当然承継により当事者として受継 ④参加承継・引受承継 ​・参加承継:特定承継があった場合に、承継人が訴訟参加の申立をする場合 ​・引受承継:特定承継があった場合に、相手方が承継人に訴訟を引受けるよう申立をする場合 ※ 特定承継(例:訴訟けいぞく後の建物売買)の承継人が自分でやると言うのが参加承継、相手方が承継人にやってくれと言うのが引受承継 ⑴条文:47~51 写真 ⑵事例:訴訟の目的物を被告が承継人に譲渡 ・ 貸金返還請求訴訟で原告が承継人に債権譲渡 ⑶ 承継原因:係争物の特定承継 ≒ 承継人の範囲:広く紛争主体たる地位の承継人 a) 係争物:訴訟物たる権利関係が帰属する物件も含む ​(例)〇 建物収去土地明渡請求 → 建物譲渡・建物賃貸 (訴えの変更必要) ※ 建物だけなので認められないように見えるが、係争物にあたる b) 特定承継:法定原因や執行処分、設定的承継も含む ​(例)代位取得、 転付命令、 賃借権設定 Q 承継人が固有の抗弁を有する場合の処理 a) 問題の所在​:前主の訴訟追行により代替的手続保障 → なければ承継・訴訟状態帰属効が生じるかが問題 b) 判例通説​:訴訟承継を肯定 + 固有の抗弁を主張できる(訴訟状態帰属効を否定) x.) 理由​:当事者間の公平 + 手続保障 ​⇒ 生成中の既判力を承継人に及ぼす → 口頭弁論終結後の承継人と統一的に解釈 ⑷承継手続:事実審の口頭弁論終結前に限る ​参加承継:独立当事者参加の方式で申立 → 両面的独当参加・片面的独当参加 共に可 ​引受承継:当事者の引受申立 → 裁判所の引受決定 → 承継人を当事者   ⑸ 承継後の手続 ​参加承継:独立当事者参加47を準用 → 必要的共同訴訟 ​引受承継:被承継人が脱退-二面訴訟 or 被承継人が係属-引受申立を同時審判申出とみなす

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    上訴総説(B+) 1 上訴

    ① 上訴: 裁判の確定前に上級裁判所に対し原裁判の取消・変更を求める不服申立 ⇒ 確定後の不服申立は再審 (1) 三審制: 裁判の確定までに合計3回までの審理を受けることができる制度 ⇒ 原則として、 上訴を2回までできる →第一審、 第二審、 第三審 (2) 上訴の種類 控訴:第一審の終局判決に対する上訴 上告:第二審の終局判決に対する上訴 抗告:決定命令に対する上訴 事実審: 事実問題と法律問題を合わせて審理する審級→第一審・第二審 法律審:法律問題のみを審理する審級→第三審 (3) 趣旨: 当事者と国民の信頼確保 (4) 審判対象: 上訴理由  認められる →上訴棄却  認められない→取消自判 (原則)or 原審差戻 (5) 審判裁判所 【刑訴】 : 第一審:簡裁 or 地裁→第二審:一高裁・控訴審 → 第三審:一最高裁・上告審  ※刑訴では第二審は必ず高等裁判所 【民訴】 ・第一審:簡裁→第二審地裁・控訴審→第三審一高裁・上告審 ・第一審:地裁→第二審:高裁・控訴審 →第三審一最高裁・上告審 ② 上訴要件(5つある) (1) 有効で適式な上訴: 訴訟能力の具備、 上訴申立書提出等  (2) 原裁判に適した上訴: 終局判決に対する上訴はできる。×中間判決に対する上訴はできない。 (3) 不上訴の合意等がない 284 (4) 上訴期間の徒過前 ・終局判決 (控訴・上告):電子判決書等の送達を受けた日から2週間285、313 ・抗告(通常・即時):通常抗告-いつでも  / 即時抗告:告知を受けた日から1週間 332 (5) 上訴の利益 ③効果 ・確定遮断効:原判決は上訴期間経過後も確定しない ・移審効:上級裁判所に移審する ・上訴不可分の原則:確定遮断効・移審効は不服の範囲に限らず原判決全体に及ぶ➕審判対象は別問題 例:XがYをABの2つの請求で訴え、 B請求についてのみAが上訴。→上訴不可分の原則から、B請求についても確定遮断効及び移審効は及ぶ。→審判対象は別問題なので、不服申し立てがされていないA請求について裁判所が審判できるわけではない。 Q上訴の利益があると言える場合 (詳細は写真) ・実質的不服説(旧通説。原裁判よりも実体法上有利な判決を求めうる可能性がある場合)と形式的不服説(判例通説。当事者の申立てと判決主文を比較して後者が前者に及ばない場合) ・判例通説も立場から  却下→原告上訴被告上訴ともに上訴の利益あり、  理由中判断→原告上訴被告上訴ともに◯相殺、×相殺以外

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    2 控訴

    ①控訴: 第一審の終局判決に対する上訴 (1) 条文 : 281 以下 (2) 要件:上訴の要件に対応 (3) 手続: 控訴状を原裁判所に提出 286 ※第二審の裁判所ではないことに注意 ② 控訴審の構造 ・覆審(旧刑事訴訟法) (審理)下級審と別個独立にやり直して審理 (訴訟資料)別個独立して新資料を基礎 ・事後審(現刑事訴訟法) (審理)下級審の審理及び原判決の当否を審理 (訴訟資料) 旧資料を基礎(新資料提出不可) ・続審(民事訴訟法) (審理)下級審の審理を基礎に続行・承継して審理 (訴訟資料)旧資料に新資料を加えて基礎 ③ 審理: 第一審の訴訟資料 + 控訴審の訴訟資料 で審理 (審制・続審主義) (1) 更新権: 当事者は新たに主張・訂正・証拠提出が可能 (2) 口頭弁論: 原判決の取消・変更を求める限度で 296+ 第一審手続を準用 297 (3) 提出期間: 裁判長は当事者の意見聴取のもと攻撃防御方法の提出期間を設定可 301 ④終了 (1) 終局判決 ・控訴却下: 不適法かつ補正不可 (=控訴要件欠缺) の場合 290 ・控訴棄却: 第一審判決を正当 (=不服申立を理由がない) とする場合 302 (一審却下も含む) ・控訴認容: 第一審判決を不当または法令違反とする場合 305、306  ・取消 + 自判 : 原則  ・取消 + 差戻: 原判決却下・弁論必要 (必要的差戻) 307 or 裁量による任意的差戻 308  ・取消 + 移送: 専属管轄違反 309 ※307:∵審級の利益(第一審で審理していないため) (2) 控訴取下: 控訴を撤回する旨の裁判所に対する意思表示 292 (a)効果: 第一審判決確定 (b) 期間制限: 控訴審の終局判決言渡まで (c) 相手方の同意: 不要  ∵相手方にとって控訴が取り下げられることはメリットしかない (3) 仮執行: 金銭支払請求の判決につき申立があれば担保なしで必要(不要な場合等を除く) 310 ⑤ 控訴判決の範囲 ・不利益変更禁止の原則: 控訴裁判所は原判決を上訴人の不利益に変更することができないとの原則 ・利益変更禁止の原則 : 控訴裁判所は原判決を当事者の申立以上に有利に変更することができないとの原則 ⇒ 当事者の不服申立の限度内においてのみ原判決は変更 (1) 条文 : 304 (2) 趣旨 処分権主義 Q 相殺の抗弁と不利益変更禁止の処理 a.) 事例 第一審 XがYに金銭請求訴訟 → 債権認定→Yが相殺の抗弁→ 相殺により請求棄却→控訴審 X のみ控訴 → 控訴裁判所が請求原因事実を認められないとの心証 b.) 問題の所在: 控訴裁判所のすべき判決 → 第一審取消 + 請求棄却とすると不利益変更禁止の原則に抵触? c.) 判例: 一審判決の維持 + 控訴棄却  (※→第一審の判決で確定) d.) 理由: 原告に不利益 ∵ 第一審は実質的に原告勝訴 + 被告の控訴なし ⑥ 附帯控訴 B+: 被控訴人が控訴を契機に原判決を自己に有利になる様に取消・変更を求める申立 (1) 条文 : 293 (2) 趣旨 当事者の衡平 (3) 性質 控訴審における特殊な攻撃方法 ⇒ 攻撃方法→控訴取下げ または 控訴却下により効力を喪失 ⇒ not 控訴 →控訴権の放棄または喪失 ・ 上訴の利益なしの場合でも可 (4) 手続 (a)控訴審の口頭弁論終結まで可 時期: (b) 相手方 ・申立: 相手方の同意不要 ※反訴は控訴審においては相手方の同意必要 300 I ・取下:相手方の同意不要 ※反訴は応訴等の後は同意必要 (本訴取下の場合、不要 261Ⅱ) (5) 独立附帯控訴: 被控訴人が独立して控訴できる間になされた附帯控訴→控訴扱い

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    3 上告 B+

    ①上告: 第二審の終局判決に対する上訴 (1)条文:311以下 (2)審理:法律審≒ 原判決に対する法律上の不服の当否を審理∵事実の審理は行わない (3)種類 最高裁上告 : 最高裁に対する上告       地裁→高裁→最高裁 高裁上告 : 高裁に対する上告      簡裁→地裁 →高裁 飛躍上告 : 第二審を飛ばして第三審に対する上訴 281I      簡裁→高裁     or 地裁→最高裁 (4)要件:上訴要件+ 上告理由 ②上告理由 (1) 憲法違反 312I (2) 絶対的上告理由 312Ⅱ :重大な手続違反 (例) 専属管轄、除斥等、理由付記( 判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること。)、代理権等 → 判決への影響は不問 (3) 相対的上告理由(高裁のみ) 312Ⅲ :判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反 (例) 法令・経験則違反 ⇒ 違反がなければ判決が異なっていたとの蓋然性が必要(蓋然性なければ上告理由にはならない)、 高裁上告のみ (4) 結果的に上告理由となる場合 325 Ⅱ :最高裁が312Ⅲがあると判断 (5) 裁量上告 318 : 最高裁判例違反 or 法令解釈に関する重要事項を含む → 上告受理申立 + 決定による、最高裁のみ。最高裁は受理「できる」(裁量) ③手続 (1) 申立: 2週間以内に ・上告の提起 : 312Ⅰ Ⅱ 違反の場合→原裁判所に上告状を提出 314 ・上告受理申立 : 上記以外の違反の場合→原裁判所に上告受理申立書を提出 318V・Ⅱ (2) 審理: 特段の定めがある場合を除いて、 控訴審の規定を準用313 (a)事実拘束: 原審までに確定された事実に基づき裁判 321、 職権調査事項を除く 322(当事者適格など) (b) 口頭弁論: 棄却の場合はしなくてもよい 319・ 認容の場合は必要 87I (3) 終了: 上告却下:不適法 or 上告棄却:理由なし or 原判決破棄:理由あり  ・原判決破棄: 差戻、 移送 、自判   →差戻・ 移送が原則    ∵ 通常事実の審理が必要 ※控訴審では自判が原則 4 判決以外への上訴 Bランク ①抗告: 決定・ 命令に対する上訴 (1) 抗告の種類 通常抗告:即時抗告ではない一般的な抗告 即時抗告:不服申立期間の制限のある例外的な抗告 (2) 通常抗告と即時抗告 【通常抗告】 条文:328 趣旨:手続保障 期間制限:なし 執行停止:なし (抗告しても決定・命令の執行は停止しない) 対象:口頭弁論を経ないで訴訟手続に関する申立を却下した決定・命令等 【即時抗告】 条文:332 趣旨:迅速な確定 期間制限:告知から1週間 執行停止:あり 334 I 対象:条文の規定がある(訴訟費用 75VII 86、 遺産分割等) (3) 手続 ・申立: 抗告状を原裁判所に対して提出 ・再度の考案:原裁判所またはその裁判長が理由があると判断した場合に更正 333 ・抗告審:上級裁判所・任意的口頭論 ・終了: 却下(不適法) or 棄却(理由なし) or 認容(理由あり) (取消+差戻 or 取消+自判) (4)決定命令 告知により効力が生じる 119 + 即時抗告は執行停止効あり 334I (5) 再抗告: 抗告裁判所の決定に対し憲法違反等を理由として法律審に対してなされる抗告 330 (6)(出ない) 最高裁に対する抗告: 特別抗告 (憲法違反) 336 + 許可抗告 (判例違反・高裁許可) 337 ②(出ない)特別上訴: 通常上訴では最高裁に審判を受ける機会のない場合の違憲を理由とする最高裁への不服申立(この場合は4審となる) ・特別上告: 終局判決に対する特別上訴 327 ・特別抗告 抗告に対する特別上訴 336

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    1 再審(民事訴訟) B 短答

    ① 再審: 法定の再審事由により確定判決の取消及びこれにより終結した従前の訴訟の再審判を求める訴え (1) 条文 : 338 以下 (2) 趣旨: 権利保護及び信頼の確保 →既判力 ∵手続保障による自己責任 →自己責任を問えない重大な瑕疵があれば例外的に否定 ② 再審事由: 338 Ⅰ 各号の列挙事由 (限定列挙) ・無権限 :違法な裁判所の構成、 除斥等、 代理欠缺 ・犯罪系 : 裁判官が犯罪行為、 脅迫等による訴訟行為又はその妨害、証拠の偽造等、 虚偽の陳述 ・その他:判断の遺脱、前訴の確定判決と矛盾  ・訴訟関係書類を送達→利害関係のある同居人が交付しない→敗訴→338 Ⅰ 三により再審可  ∵訴訟手続の機会を奪われた→限定列挙だが類推適用可 ③要件 (1) 対象: 確定した終局判決 338 I + 確定した即時抗告できる決定命令 349 (2) 当事者適格: 再審原告:取消により利益を受ける者 / 再審被告:取消により不利益を受ける者  Q原告適格は敗訴者の承継人に認められるか→認められる  Q確定判決の効力を受ける第三者に認められるか→適法な独当参加の申出と共にすれば認められる (3)再審期間: 再審事由を知った日から30日または再審事由発生日から5年342 (4) 管轄 判決をした裁判所の専属管轄 (5) 補充性: 判決確定前に上訴において再審事由棄却まは主張しなかった場合再審不可 338 手続 (1) 申立: 再審訴状 343 を判決をした裁判所に提出 340 I (2) 審理: その性質に反しない限り各審級の訴訟手続を準用 341 →訴訟要件再審事由審理 345 →再審開始決定 346 + 即時抗告可 347 本案審理 348 ⇒ 執行停止効なし + 移審効なし 340I ※執行停止効、移審効はないことは短答でたまに聞かれる (3) 終了: 棄却 or 取消+本案判決 I

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    特別手続 B 督促手続/簡裁/少額訴訟

    1 特別手続 ※出ないので概要だけ覚えればよい ① 特別手続: 権利義務または法律関係を確定するための訴訟手続と異なる特殊な手続 (1) 趣旨: 簡易・迅速な確定 (2) 種類: 督促手続、手形・小切手訴訟、 簡裁手続、 少額訴訟、 法定審理期間訴訟手続等 ② 督促手続: 給付請求につき実質的な審理をしないで管轄簡易裁判所の書記官により支払督促をする手続 (1) 条文 : 382 以下 (2) 趣旨: 簡易・迅速な債務名義の付与及び執行の実現 (3) 要件: 金銭その他代替物または有価証券の一定数量の給付請求 + 債権者の申立 (4) 手続 (a) 申立: 訴え準用 384、簡裁書記官に書面又は口頭で申立 383 271、 電子情報処理組織可 397 (b)審理: 理由がないことが明らかでない限り督促発布 385 I 債務者の審尋不要 386 I (c) 督促: 電子支払督促作成387 → 電子支払督促送達 388 : (d) 仮執行宣言付電子支払督促: 執行力、 債権者の申立なければ支払督促失効 392 ⇒ 確定判決と同一の効力発生 396 (e) 督促異議: 債務者の異議申立 → 第一審通常訴訟手続に移行 395 ・仮執行宣言前 390 異議の範囲で支払督促失効 ・仮執行宣言後 393 →督促異議の申立不可→確定遮断効あり、執行停止効なし (執行停止の裁判必要) ③手形小切手訴訟:手形小切手による金銭支払請求とこれに伴う法定利率による損害賠償請求訴訟 ⑴条文:手形:350 小切手:367 ⑵趣旨: 簡易迅速な債務名義の取得 (3)手続の特則 ・審理原則:直ちに口頭弁論期日指定 + 第一回期日に弁論終結 (一期日審理規則 213I・214) ・証拠制限 原則、 書証及び電磁的記録に記録された情報の内容にかかる証拠調べに限定 352 ・禁止事項: 反訴禁止 351、控訴禁止 356 等 通常移行:手形判決前 353→被告の承諾不要 •手形判決後 357: 異議申立後、口頭弁論再開 ④ 簡易裁判所: 140万以下の軽微事件を扱う (1) 条文 : 270 以下 (2) 趣旨: 簡易 迅速な裁判 (3) 手続の特則 ・訴え提起:口頭も可 271、紛争の要点で足りる 272、当事者の出頭で直ちに口頭弁論可 273 ・審理: 準備書面の省略可 276、続行期日でも陳述擬制あり 277、司法委員の補助 279 判決 : 電子判決書に請求原因等の要旨の記載でも可 280 ⑤ 少額訴訟手続: 60万円以下の金銭支払請求事件について行われる特別な訴訟手続 (1) 条文 : 368 以下 (2) 趣旨: 更なる簡易 迅速な裁判 (3) 手続の特則 ・要件:60万円以下の金銭請求訴訟 + 年 10 回以下 ・訴え提起:簡易裁判所の専属管轄 ・審理: 反訴不可 369、 一期日審理 370 、 即時取調できる証拠のみ 371、証人宣誓なし可 372 ・判決:口頭弁論後直ちに 374、支払猶予・分割等和解的内容も可 375 ・通常移行:被告は第一回口頭弁論期日での弁論前は通常手続移行可 373 ・異議: 控訴禁止 377 + 異議申立可 378→口頭弁論終結前 + 通常手続 379 ⑥ 法定審理期間訴訟手続 :一定の事件につき一定の期間内に手続を行う特別な訴訟手続 (1) 条文 : 381の2以下 (2) 趣旨: 迅速な確定 (3) 手続の特則 ・要件:消費者契約、個別労働関係民事紛争以外、当事者の同意、書面による申立及び同意 ・期間:口頭弁論期日から6箇月以内、 判決一口頭弁論終結から1箇月以内381の3 ・通常移行: 一方当事者の申出または困難な場合、裁判所の決定で可 + 不服申立不可 384の4 ・異議: 控訴禁止 381 の 6 + 異議申立可381の7 →口頭弁論終結前 + 通常手続381の8

  • 刑事訴訟法 捜査 9/7

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    訴因

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    問題一覧

  • 1

    概要 民事訴訟の目的はAランク

    1 民事訴訟法 ① 民事訴訟法:私人間の民事紛争に対して私法を適用して解決するための訴訟手続を定めた法 (1) 背景:私人間の紛争 → 私的制裁・自力救済の禁止 → 裁判を受ける権利(憲法32) ​ ・刑事 → 刑事訴訟法等による刑事手続による秩序回復 ​・民事 → 民事訴訟法等による民事手続による紛争解決 (2) 解決方法:判決 → 判決手続 ≒ 民事訴訟手続 (3) 付随手続:強制執行 → 民事執行法 ・ 差押等の財産保全 → 民事保全法 ・ 清算や配当 → 倒産法 ②特徴 ​強制的かつ終局的な紛争解決手続 ​私的紛争の公権的解決 ③強制的でない紛争解決手続 ≒ 合意による ⑴和解:和解契約 → 合意により成立・裁判所は無関係・当事者の任意で処分できる権利関係なら可 ⑵ 即決和解:紛争当事者が裁判所に和解の申立てをして解決する手続 ≒ 訴え提起前の和解 (a) 条文:267改)・275  (b) 手続:合意 → 簡裁に和解申立 → 内容を電子調書に作成・記録 → 当事者に送達 (c) 効果:確定判決と同一の効力 → 強制執行可・終局性あり ⑶調停:裁判官または裁判官と調停員からなる調停委員会が当事者の和解を仲介する手続 (a) 法令:民事調停法16・家事事件手続法 (b) 効果:合意成立 → 調書記載 → 確定判決と同一の効力 (4) 裁判外紛争解決手続ADR:民事訴訟によらずに紛争解決を行う制度の総称 ​⇒ 費用が安い・非公開・手続的負担が軽減、 紛争解決力は弱い ④ 終局的でない紛争解決手続:合意必須ではない → 憲法32・76Ⅱ → 不服があれば更に訴訟で争える ①家事審判:家事事件・人事訴訟に対する家事事件手続法による紛争解決手続 ​家事事件:家庭内の紛争​(例)遺産分割・婚姻費用の分担(婚費)等 ​人事訴訟:身分関係の紛争​(例)親子関係の確認・離婚等 ​⇒ 裁判所が広範な裁量で処理 → 非公開・当事者主義不適用等 ②借地非訟事件:借地借家法で規定された非訟事件として処理される特定の事件 ​⇒ 裁判所が賃借権の譲渡の許可・地代の決定等をする(借地借家19Ⅰ等) ③準司法手続:行政機関による紛争解決のための処分 ④訴訟と非訟 ​訴訟手続:実体法を具体的事件に適用して権利義務の存否を判断する司法手続 ​非訟手続:国が私人間紛争に介入し公平・常識からその調整を図る民事行政手続 ◯ 訴訟手続 終局性:あり (判決が出ればそれで終わり) 公開性:公開 手続:対審 基本原理:当事者主義 手続の原則:処分権主義、弁論主義、公開主義、口頭主義、必要的口頭弁論、厳格な証明 当事者:二当事者対立 裁判:判決(拘束力あり) 終局性:なし 公開性:非公開 手続:審問 基本原理:職権主義 手続の原則:職権探知主義、非公開主義、書面主義、自由な証明 当事者:二当事者対立を前提としない 裁判:決定(事情により取消h・変更可能) ⑤実体と手続 ​実体法:要件と効果を定めてある時点における法律関係を規定する法​(例)民法・刑法・会社法 ​手続法:実体法での法律関係を明らかにして実現する手続を定めた法​(例)民訴・刑訴 2 民事訴訟の全体像 ①民事訴訟:私人間の生活関係に関する紛争について私法を適用して解決するための訴訟手続 ②民事訴訟の流れ ⑴紛争発生 ​(⇒訴訟以外の紛争解決手続・民事保全手続) ⑵訴訟の開始 ​・訴えの提起 ⑶訴訟の審理 ・口頭弁論(弁論手続 → 証拠調べ手続) ⑷訴訟の終了 ​・終局判決(⇒ 上訴による再審理)or当事者の意思による終了 ⑸判決の確定 ​・確定判決(⇒ 再審による再審理) ⑹強制執行  ※⑵〜⑸:判決手続 ③学習順序:総論(概要・基本原理)→ 主体 → 判決手続 → 複雑訴訟 → 不服申立 → 特別手続 3 民事訴訟の目的⭐️Bランク ①民事訴訟の目的:多元説 ​ⅰ権利保護​:自力救済禁止→権利保護を国が引受 ​ⅱ私法秩序維持​:実体法の規定→私人関係に貫徹 ​ⅲ紛争解決​:民事訴訟法は裁判における基準→(裁判しない場合も)紛争解決の目安となる ※ 民事訴訟では目的に「真実発見」は含まれない。紛争を解決することが目的。刑事訴訟の場合は真実発見が目的となることと異なる。ただし、刑事訴訟でも真実発見よりも人権保障のほうが重要 ②解釈の基本⭐️Aランク:適正・公平の要請と迅速・経済の要請との調和 ⑴適正・公平の実現 ・​手続保障 ​・裁判所中立の原則・当事者平等の原則・公開原則 ・​訴訟へのアクセス権保障 ⑵ 迅速・経済の実現 ​・手続安定:手続に瑕疵 → 追認・補正等を可能にして瑕疵の治癒を認める ​・法的安定:紛争処理結果の確保 → 瑕疵があっても判決はそのまま ・​一回的解決の要求、明確・画一処理の要求 ③ 民事訴訟の視点 → 未知の問題の解法 ⑴適正・公平と迅速・経済の調和⭐️論文で書く ⑵ 当事者側と裁判所の役割分担:私的紛争の公権的解決 ・​私的紛争であることから ​→ 当事者主導 ⇒ 審判対象の設定・立証 ・​公権的解決であることから ​→ 裁判所主導 ⇒ 訴訟の進行 ⑶ 権利の存否の判断過程:4段階構造 + 法的三段論法 で判断 (a) 4段階構造 ​第一段階 - 訴訟物の設定​:審判対象の設定 ​(例)売買契約に基づく代金請求権 ​第二段階 - 法律上の主張​:権利の有無 ​(例)売買契約の成立 ​第三段階 - 要件事実の主張​:法規の要件に該当する事実​(例)売買の申込と承諾 ​第四段階 - 証拠調べ​:証拠による事実の有無​(例)売買契約書 (b) 法的三段論法:大前提(法則等)に小前提(具体的事実等)をあてはめて結論を導く論理学の手法 ー ​⇒ 3回繰り返して結論を導く ​(小前提) ​(大前提) ​(結論) ​(4段階) ​1回目:証拠 ​→ 経験則 ​→ 要件事実の有無 ​≒ 証拠調べ ​→ 要件事実の主張 ​2回目:要件事実の有無 ​→ 法規 ​→ 法律効果の有無 ​≒ 要件事実の主張 ​→ 法律上の主張 ​3回目:法律効果の有無 ​→ 法規 ​→ 訴訟物の有無 ​≒ 法律上の主張 ​→ 訴訟物の有無

  • 2

    第2章 民事訴訟の流れと基本概念

    1 民事訴訟手続の基本 1 民事訴訟の流れ 訴訟の開始:訴えの提起 ↓ 訴訟の審理:「口頭弁論」弁論手続→証拠調べ手続 ↓ 訴訟の終了 終局判決or当事者の意思による終了 ↓ 判決の確定:確定判決 ② 民事訴訟の4大原理⭐️ ​ ・処分権主義 ​→ 訴訟の開始・終了   ・​弁論主義・証明責任 ​→ 訴訟の審理  ・​既判力 ​→ 判決の確定 2 訴訟主体 ① 訴訟主体:訴訟手続を主体として行う者 → 裁判所・当事者(訴訟当事者) ②裁判所 → 受訴裁判所(=審理を担当する裁判所)を確定 ⑴ 民事裁判権​:民事訴訟を処理するための統治権の一部である権限 ⑵管轄​:裁判所間の裁判権の分掌の定め ⑶事務分配​:管轄裁判所内での受訴裁判所の決定 ⑷裁判機関の適格​:除斥、忌避、回避  ※⑵管轄と⑷除斥忌避回避だけ抑えればよい ③ 当事者:訴えまたは訴えられることによって判決の名宛人となる者  ・​原告:訴えを提起した者(X)​→ 控訴・上告を提起した者 ​= 控訴人 ・上告人  ・​被告:訴えを提起された者(Y)​→ 控訴・上告を提起された者 ​= 被控訴人・被上告人 ⑴二当事者対立の原則:民事訴訟では対立する2当事者が必要 → 当事者の確定が必要 ​⇒ 欠ければ終了または中断 ⑵当事者に必要な能力  a)当事者能力:民事訴訟において当事者となることのできる一般的資格 ⭐️論文で書く ​∵ 訴訟の能率的運営 → 権利能力 に類似  b)訴訟能力:自ら単独で有効に訴訟行為をなしまたは相手方や裁判所の行う訴訟行為を受けうる資格 ⭐️論文で書く ​∵ 本人の権利保護 → 行為能力 に類似 ⑶ 訴訟上の代理人:本人の名においてこれに代わって自己の意思に基づき訴訟行為をし、またはこれを受ける者 ⭐️論文で書く ​⇒ 当事者ではない → 判決の効果は訴訟上の代理人ではなく当事者に及ぶ 3 訴え提起 ⭐️A+ ① 処分権主義 ​当事者に訴訟の開始、審判対象の特定やその範囲の限定、判決によらずに終了させる処分権能を認める建前 ⭐️定義をしっかり書けるように  ⑴ 条文:246等参照  ⑵趣旨:私的自治の訴訟法的反映⭐️書けるように  ⑶ 権能  ・​紛争処理方式選択の保障  ・​争訟対象の自主的形成  ・​手続保障(特に、不意打ち防止)⭐️ → 当事者の決めたこと以外には判決の拘束力を受けない  ⑷ 内容  ・​開始​:「申立てなければ裁判なし」      → 上訴・再審        不起訴合意も有効  ・​審判対象​:裁判所は当事者の申立ていない事項について裁判できない246  ・​終了​:和解、請求の放棄・認諾、上訴の取下 ができる ②訴訟物:(多) ⭐️A+ ​・裁判所がその存否を審理・判断すべき権利ないし法律関係 ​≒ 審判対象 ・​原告の被告に対する一定の権利ないし法律関係の主張 ​≒ 請求 ・​裁判所に請求の当否についての審判を求める原告の申立 ​≒ 訴え ​⇒ 訴訟物の特定 が問題  ※「審判対象」が重要  ③ 訴え:原告が裁判所に対し、被告との関係での請求を示してその当否につき審判を要求する要式の申立 ※要式:一定の手続きや記載事項が必要な、その方式 ④ 訴え提起の要式:訴状を裁判所に提出134Ⅰ ​⇒ 当事者及び法定代理人 ・ 請求の趣旨及び原因 を記載134Ⅱ ・​請求の趣旨​:訴えによって求める判決内容の確定的な表示 → 判決の主文に対応 ・​請求(の)原因​:請求を特定するのに必要な限度での権利関係とその発生原因事実 ⑤ 訴訟要件:本案の審理を続行して本案判決をするための要件⭐️書く(訴えの要件 ・ ≒ 訴訟条件) ​・訴訟要件具備 → 本案判決:請求の当否について判断する終局判決 ・​訴訟要件欠缺 → 訴訟判決:訴えを不適法として却下する終局判決(請求の当否の判断なし) ⑥ 当事者適格:当該訴訟物につき、当事者として訴訟を追行し本案判決を求めることができる資格⭐️Aランク  ・​当事者能力 → 一般的に主体たりうるか ​   (例)× 死者・胎児  ​・訴訟能力  → 単独で有効に訴訟行為ができるか​(例)× 未成年・重度知的障害  ​・当事者適格 → 当該事件に対して当事者に適するか​(例)× 知人・友人・他人 ⑦訴え提起の流れと効果 ⑴原告​:裁判所に訴状を提出 → 訴状を提出することによる実体法上の効果-時効の完成猶予、法律上の期間遵守 ⑵裁判所​:訴状受付、訴状審査、被告に訴状送付 ⑶被告​:訴状が送達される → 訴訟係属:特定の事件が審理中 ∵ 二当事者対立 ​・実体法上の効果-善意占有者の悪意擬制 ​・訴訟法上の効果-二重起訴の禁止、訴訟参加・訴訟告知・訴えの変更・反訴 が可能になる ⑷裁判所​:第一回口頭弁論期日の指定、当事者に通知 4 訴訟の審理 ①弁論主義 ⭐️ ​判決の基礎となる事実と証拠の収集・提出は当事者の権能かつ責任であるとする建前 ⭐️書く ⑴趣旨:私的自治の訴訟法的反映 ⑵ 処分権主義との区別 ​処分権主義​:手続外在的問題 → 訴訟の処分権限・入口又は出口の問題 ​弁論主義​:手続内在的問題 → 訴訟手続内部での審理の進め方の問題 ⑶職権探知主義:判決の基礎となる事実と証拠の収集・提出は裁判所の職責でもあるとする建前 ⑷弁論主義の内容 (a) 第1テーゼ ​裁判所は当事者が主張しない事実を判決の基礎とすることはできないとする原則 ​⇒ 主張責任、 事実 = 主要事実 第1テーゼが適用されるのは主要事実のみで 間接事実・補助事実には適用されない (b) 第2テーゼ ​裁判所は当事者に争いのない事実はそのまま判決の基礎としなければならないとする原則 ​⇒ 自白の拘束力、  ※第1テーゼと同じく、事実 = 主要事実 ≠ 間接事実・補助事実 (c) 第3テーゼ ​当事者間に争いのある事実を証拠によって認定する場合には当事者の申し出た証拠によらなければならない ②証明責任: ⭐️定義書けるように ある事実が真偽不明である場合に、その事実を要件とする自己に有利な法律効果が認められないことになる一方当事者の不利益 ⇒ 証明責任の分配:原則として、利益になる側の当事者が証明責任を負う ※真偽不明(=ノンリケット) ②口頭弁論(4つの意味。試験対策上は⑴だけ抑えればok): ⑴公開の法廷で、当事者双方の関与のもと、裁判所の面前で、口頭で弁論及び証拠調べを行って裁判資料を収集し、それに基づき裁判をする審理方式 ※ 定義を一言一句かける必要はないが「公開」「当事者双方の関与」「面前」「口頭」「審理方式」であるが重要 ​⇒ 公開主義・双方審尋主義・口頭主義・直接主義が審理手続の原則 + 必要的口頭弁論87 ⑵民事訴訟の審理手続(弁論手続及び証拠調べ手続) → 公判(手続):刑事訴訟の審理手続 ⑶民事訴訟における当事者の口頭での弁論 ⑷民事訴訟における個別の訴訟行為 ④ 訴訟の審理の流れ:弁論手続 → 証拠調べ手続 ​・訴訟行為:裁判手続を展開させていく当事者及び裁判所の行為 ⇒ 連鎖により手続が進行 ⑴本案の申立:当事者による訴訟物についての申立 (a) 本案:民事訴訟において付随的でなく主要あるいは主目的となる事項 (b) 申立:当事者が裁判所に対し一定の訴訟行為を求めること → 裁判所に応答義務あり ​(例)原告-請求の趣旨 → 被告-反対申立 ⑵攻撃防御方法の提出 ・​攻撃方法:原告の申立を基礎づけるための裁判資料 ・​防御方法:被告の申立を基礎づけるための裁判資料 (a)法律上の主張 → 効果​(例)貸金返還請求権が発生 (b) 事実上の主張 → 要件事実​(例)金銭授受及び返還・弁済期の合意、弁済期到来 (c) 相手方の認否 ​・否認:相手方の主張する事実を認めないとする陳述​ (例)海外住みで合意はない ​・不知:相手方の主張する事実を知らないとする陳述​ (例)そんな合意は知らない ・​自白:相手方の主張する自己に不利益な事実を争わない旨の陳述​ (例)確かに合意した ・​沈黙:相手方の主張する事実に対する認否を明らかにしないこと​ (例)・・・・ (d) 証拠の申出 ​⇒ 原告 → 被告 の順、以降は相互にも同時にも時系列順にも行う ⑶証拠調べ (a)種類:証人尋問・当事者尋問・鑑定・書証・検証 (b) 手続:証拠申出 → Cが採否決定 → 証拠調べ実施 → 真偽判断(不明なら証明責任)→ 判決 5 訴訟の終了 ①分類 ・ 当事者の意思による終了 → 処分権主義  -紛争解決基準を示さない     (分類)訴えの取下げ261   -紛争解決基準を示す     (分類)訴訟上の和解267(訴訟継続中に裁判官の前で和解した場合)、(原告の)請求の放棄・(被告の)請求の認諾266・267 ・当事者の意思によらない終了 → 終局判決  -紛争解決基準を示さない→訴訟判決     (分類):却下判決  -紛争解決基準を示す→本案判決     (分類)棄却判決 or 認容判決 ② 判決の分類 ⑴ 審理完結による分類 ​・中間判決:独立した争点について訴訟の進行過程で終局判決を容易にするために示される判決245 ・​終局判決:係属中の事件の全部又は一部につき当該審級の審理を完結させる判決243Ⅰ ⑵範囲による分類 ・​全部判決:同一訴訟手続で審理されている事件の全部を同時に完結させる終局判決 ​・一部判決:同一訴訟手続で審理されている事件の一部を切り離して完結させる終局判決243Ⅱ ​・残部判決:一部判決後にその残部に対して行われる終局判決243Ⅱ参 ​・追加判決:裁判の脱漏部分に関して行われる終局判決258Ⅰ参 (脱漏部分:裁判するのが漏れた部分) ※ 中間判決と一部判決の違い=一部判決は終局判決。一部判決は執行ができる。 一部判決の例:請求が2つあって1つだけ終局判決を出す場合。貸した金を返す請求と売買代金の支払いの請求があって、前者だけについて終局判決を出す場合 ⑶内容による分類 ・​本案判決:請求の当否について判断する終局判決 ​・訴訟判決:訴えを不適法として却下する終局判決(請求の当否の判断なし) ​・認容判決:原告の請求を理由ありとして認める判決 → 原告勝利(本案判決) ​・棄却判決:原告の請求を理由なしとして退ける判決 → 被告勝利(本案判決) ​・却下判決:原告の請求の審理をせずに打ち切る判決 → 強制終了(訴訟判決) ③判決手続の流れと効果 ⑴口頭弁論終結243Ⅰ ⑵判決書作成252改):判決言渡前に作成(刑訴は判決言渡後も可) ​→ 記載事項:主文(結論)、事実(請求+主張・争点)、理由、口頭弁論終結日、当事者等  ⑶判決の言渡し = 判決の成立 → 効力発生250 ​⇒ 判決の効力 ​自己拘束力​:当該裁判所を拘束 → 取消・変更できない ​羈(き)束力​:他の裁判所を拘束 → 移送先は元に戻せない・法律審は事実審の事実認定に拘束 ⑷上訴期間徒過 → 判決確定 5 判決の確定 ①既判力 ​確定判決の判断内容の後訴での通用力又は基準性 ​XがYに甲地所有権確認訴訟 → 認容 → YがXに甲地所有権確認訴訟 ​⇒ 既判力の問題 ​XがYに甲地所有権確認訴訟 → YがXに甲地所有権確認訴訟 ​⇒ 二重起訴禁止の問題 ​⇒ 後訴裁判所は職権で既判力の存否を調査(職権調査事項) ⑴ 趣旨:法的安定要求 ・ 手続保障要求 ⑵作用 ​消極的作用:当事者は既判力の生じた判断を争うことは許されない ​→ 排斥 ​積極的作用:裁判所は既判力で確定された判断に拘束 ​→ 既判力の判断を前提に審判 ⑶既判力の範囲 ​主観的範囲​:原則として、当事者間115Ⅰ一 ​客観的範囲​:原則として、判決主文中の判断114Ⅰ ​基準時​:事実審の口頭弁論終結時 ②確定判決の効力 ・​形式的確定力:当事者間で争うことができなくなる効力 → 通用力・実質的確定力の前提 ​・実質的確定力:判決の内容に基づいて発生する拘束力 ≒ 内容的効力 ​  ・付随的効力:参加的効力46、争点効?・反射効? ​  ・本来的効力     ・既判力 ​    ・執行力:判決内容を強制執行手続により実現できる効力 ​    ・形成力:判決内容どおりの新たな法律  関係の発生・変更・消滅を生じさせる効力 → 第三者に効力

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    第二編 民事訴訟の主体 第3章 裁判所

    1 裁判権と管轄 ​・民事裁判権、管轄、事務分配、裁判機関の適格 → 問題なければ特定の裁判所による裁判が可能 ※ 事務分配はBランク ◻ 裁判権 ①裁判権:具体的事件を裁判によって紛争処理する国家権力 → 民事裁判権-民事訴訟 ②民事裁判権の範囲 ​・人的範囲:原則、人(外国人・法人含む)      ・例外-外国元首・天皇(判例) ・​物的範囲:原則、日本国内 ​    ・例外-外国関連3の2 + 条理(判例)による ③効果 ⑴民事裁判権は訴訟要件 → 欠缺-不適法として却下 ⑵民事裁判権は職権調査事項・職権探知主義が妥当 →  処分権主義・弁論主義は妥当しない ⑶民事裁判権は上訴事由であるが再審事由ではない ◻ 管轄 ①管轄:裁判所間の裁判権の分掌の定め ⑴趣旨:適正・公平と迅速・経済の調和 ⑵関連用語 a)管轄権​:裁判所からみた事件を処理できる権限の範囲 b) 管轄裁判所​:特定の事件からみたその事件を処理できる裁判所 c) 管轄の利益​:当事者が不利ではない一定の裁判所で裁判を受けられる保障 d) 受訴裁判所​:判決手続を主催し裁判を行う裁判所 e) 執行裁判所​:強制執行手続を行う裁判所 ② 管轄の種類 ・職分管轄(審級管轄):発生根拠は法定管轄で専属管轄 ・事物管轄及び土地管轄の発生根拠は法定管轄、合意管轄、応訴管轄で任意管轄 ⇒基本は法定かつ強制 →内容によって任意も可 ⑴対象・目的による分類 a) 職分管轄:各裁判所に種々の司法作用を分担させる定め​(例)簡裁-督促・家裁-家事事件 b) 審級管轄:各審級の裁判所の分担の定め​(例)一審-簡裁or 地裁 c) 事物管轄:地裁または簡裁の分担の定め ​140万を超えない請求 ​→ 簡易裁判所 ​140万を超える請求 ​ → 地方裁判所 d) 土地管轄:事件をどの土地の裁判所が分担するかの定め​​ (例)東京地方裁判所 ​・裁判所の数:最高裁1 東京、高裁8 大都市、地裁・家裁50 各都道府県、簡裁400各地域 ​・裁判籍:当該事件を特定の裁判所の管轄として結びつける関連地点 ​⇒ 土地管轄を決定 → 複数考えられる ​・普通裁判籍:一般的に認められる裁判籍 → 被告の生活の本拠地4Ⅰ​⭐️(例)被告の住所 ​・特別裁判籍:特別に認められる裁判籍   ・​独立裁判籍:他の事件と無関係に独立に認められる裁判籍​(例)不法行為地5 ​  ・関連裁判籍:他の事件との関連から認められる裁判籍​(例)併合請求7 ​・独立裁判籍5 ※6条などは出ない。以下の4つを覚えれば試験対策はok ​ ・財産権上の訴え5Ⅰ一 ​→ 義務履行地    ※持参債務で覚えると良い  ・​不法行為に関する訴え5Ⅰ九 ​→ 不法行為があった地 ​ ・不動産に関する訴え5Ⅰ十二 ​→ 不動産の所在地  ​ ・登記または登録に関する訴え5Ⅰ十三 ​→ 登記または登録すべき地 ​・関連裁判籍7 ​ ・訴えの客観的併合 ​→ どれか1つの請求に管轄があれば他の請求の管轄も認める ​ ・共同訴訟 ​→ 共同被告人の間に緊密な牽連関係があれば認める ⑵発生根拠による分類 ・​法律の規定 ​→ 法定管轄 ・​当事者の意思 ​→ 合意管轄・応訴管轄 ​・裁判所の指定 ​→ 指定管轄 (a) 法定管轄:法律の規定により直接定まる管轄 ​⇒ 職分管轄(強制) → 事物管轄(任意可) → 土地管轄(任意可) (b) 応訴管轄:被告の応訴により生じる管轄 ​・応訴:原告からの提訴に対し被告が防御行為を行うこと12 ​(例) 口頭弁論期日に弁論・答弁書提出 → × 却下申立・単なる棄却申立では「防御行為」に当たらない、〇 理由付棄却申立は「防御行為」に当たる ​⇒ 効果:管轄が生じる(土地管轄に反しても生じる・専属管轄は除く) (c) 合意管轄:当事者の合意によって生じる法定管轄と異なる管轄11 ​・要件⭐️合意管轄の要件は試験に出る ​ ⅰ専属管轄の定めがない13Ⅰ  ⅱ第一審の管轄裁判所の合意11Ⅰ ​ ⅲ「一定の」法律関係に基づく訴え11Ⅱ = あまりにも不明瞭なものはいけない→基本たる法律関係の特定 ≠ 訴訟物たる権利法律関係の特定までは不要 ​(例)× 甲乙間の一切の損害賠償請求では「一定の」とは言えない ・ 〇 甲乙間のA地の賃貸借契約に基づく全ての訴訟であれば「一定の」と言える ​ ⅳ書面(電磁的記録を含む)による11Ⅱ・Ⅲ ​ ⅴ不当でない(条文にはないが解釈上) → ×全裁判所に管轄があるとするのは不当→認められない ∵管轄の利益(解釈) → 管轄裁判所の指定が必要(実務) ・合意の種類 ​ ・付加的合意:合意管轄の裁判所 + 法定管轄 の裁判所(法定管轄裁判所に合意管轄裁判所を付け加える) ​→非専属的合意管轄裁判所 を選定 ​ ・専属的合意:合意管轄の裁判所 ​→ 専属的合意管轄裁判所 を選定 ​(例)被告-東京在住、原告-名古屋在住、義務履行地-大阪の債権について請求  ・​法定管轄:普通裁判籍-東京、特別裁判籍-大阪(応訴管轄-福岡で訴え → 被告が応訴-福岡) ​ ・合意管轄:付加的合意(名古屋)-東京・大阪・名古屋、 専属的合意(名古屋)-名古屋 ・効果:直接に訴訟法上の管轄権の発生・消滅 ⇒ 〇 応訴管轄・移送は認められる Q 管轄の合意が付加的合意か専属的合意か不明な場合 ⑴結論​:あえて合意 → 専属的合意 ⑵不当な場合(例:経済的に優位な方が不当に決めている場合)​:民90類推や移送20Ⅰで対処  ※移送で対応できる点がポイント Q 管轄の合意に民法の意思表示に関する規定の類推適用が認められるか ⑴問題の所在​:訴訟行為 → 訴訟能力が必要 ≠ 行為能力 ⑵結論​:民法の意思表示の規定の類推適用を認める ⑶理由​:管轄の合意は取引の一環として行われるのが通常 → 実体法上の契約と共通 d) 指定管轄:管轄裁判所が決まらない場合に上級裁判所が裁判によって定めた管轄10 (例:管轄裁判所の裁判官が全員病気になった) ⑶強制の有無による分類 ​・専属管轄:当事者の意思で変更することができない管轄 ​→ 職分管轄・審級管轄 ​・任意管轄:当事者の意思で変更することができる管轄 ​→ 事物管轄・土地管轄 ③管轄権の調査 ⑴ 管轄権の性質:訴訟要件(これがないと本案判決が出せない) →⭐️職権調査事項・職権探知主義 が妥当 ∵ 公益的要請が強い  注)任意管轄 → 争いがなければ積極的探知は不要 ∵ 弁論主義 ⑵管轄の基準時:訴え提起の時(=訴状提出時)15・134Ⅰ ∵ 手続の安定 (例)訴状の提出時に被告が大阪に住んでいれば普通裁判籍は大阪 ⑶ 調査の結果 (a) 管轄権がない ⇒ 決定により管轄権がある裁判所に移送16Ⅰ(却下にはならない。(刑訴では却下)) (b) 管轄権がない + 判決を出した  ・専属管轄違反 ⇒ 〇 控訴事由299Ⅰ・上告事由312Ⅱ三にはなる、× 再審事由338Ⅰにはならない(=確定により治癒) ​ ・任意管轄違反 ⇒ 上訴審で主張できない299Ⅰ(=一審判決で治癒) ④移送:ある裁判所に生じている訴訟係属を当該裁判所の裁判によって他の裁判所に移すこと ・​管轄違いに基づく移送 - 裁判所に管轄権なし → 当然に移送 ・​管轄裁判所による移送 - 裁判所に管轄権あり → 必要性があるため移送 ⑴管轄違いに基づく移送16Ⅰ:申立または職権で移送 → 受移送裁判所で訴訟係属 ⑵管轄裁判所による移送:遅滞・当事者間の衡平17、特許20の2、地裁への裁量移送18 等 ⑶ 手続: ・申立または職権で、期日を除き書面で行う(規則7Ⅰ) ・移送決定または却下決定に対し即時抗告可21 ⑷ 効果: ・受移送裁判所を拘束・訴え提起時から受移送裁判所で訴訟係属とみなされる ・× 更に他の裁判所に移送することはできない22 ​⇒ 移送の趣旨: 移送がないと再訴提起のための手間と費用がかかる・時効の完成猶予や期間厳守の効果の確保 ◻ 事務分配 ①事務分配​:管轄裁判所内での受訴裁判所の決定​(例)東京地裁 → 民事1部、本庁 or 支部 ​⇒ 不服申立不可 ②支部​:高裁・地裁・家裁 に設置 ​⇒ 支部担当地域の事件は原則支部が担当、 × 人事権・簡裁の控訴事件・行政事件・複雑な事件? 2 裁判機関の適格 B+(形訴とパラレル) ◻ 裁判機関の構成 Bランク(試験で問われることはない) ①裁判所(多義語) ​・裁判官によって構成され司法権を行使する国家機関及びその庁舎 ​→ 一般 ​・裁判官及び裁判所職員によって構成される官署としての裁判組織 ​→ 官署としての裁判所 ​裁判機関としての具体的な訴訟手続を実施する主体としての裁判体 ​→ 裁判機関としての裁判所 ②各裁判所の役割と構成 ・最高裁判所 (権限)上告及び特別抗告、終審裁判所、憲法適合性の最終判断 (構成)合議制(大法廷15・小法廷5) ・高等裁判所 (権限)地裁判決の控訴審(第二審)、簡裁判決の上告審(第三審) (構成)合議制(原則、3人) ・地方裁判所 (権限)第一審(140万を超える請求)、簡裁判決の控訴審(第二審) (構成)原則、単独制 / 例外、合議制 ・簡易裁判所 (権限)第一審(140万を超えない請求)、民事調停、訴え提起前の和解 (構成)単独制 ・家庭裁判所 (権限)家事事件(例:遺産)、人事事件(例:離婚)、家事調停(家事事件・人事事件の調停) (構成)原則、単独制  例外、合議制 ③裁判官の役割 ⑴裁判長:合議制-合議体内の1人が行使・単独体-当該裁判官が行使  ・​合議体代表:口頭弁論指揮148・釈明権行使149・証人尋問等202等 ​⇒合議体に監督される ​ ・裁判長独自:期日指定93Ⅰ・外国送達108改)・訴状審査137等 ​⇒ 上級審の審査 ⑵陪席裁判官:合議制-裁判長以外 → 評決、裁判長に告げて質問、受命裁判官  ※試験対策上は陪席裁判官は無視してもok ⑶受命裁判官:嘱託を受けた受訴裁判所の裁判官 ​⇒ 和解・弁論準備手続・裁判所外の証拠調・訴え提起後の証拠保全 → 〇 裁判長や複数で行う ⑷受託裁判官:嘱託を受けた受訴裁判所以外の裁判官 ◻ 裁判機関の適格 B+ ① 裁判機関の適格:除斥・忌避・回避 → 不適格な裁判官を排除 ∵ 国民の信頼の確保 ② 除斥23:法定の除斥事由がある場合 → 法律上当然に排除​​(例)親族・証人 ⑴ 23Ⅰ六:不服を申立てられた「前審」の裁判に「関与」 ∵ 予断排除 ➢ ・前審=下級審   ・関与=〇 評決及び裁判書の作成は関与に該当  ・×口頭弁論指揮・証拠調べ・裁判の言渡しのみの場合は関与に該当しない ⑵ 効果:当該裁判官を排除 → 関与した場合、〇 上告事由・再審事由となる ③ 忌避24:裁判の公正を妨げるべき事情がある場合 → 当事者の申立により排除 ​(職権では排除されない)(例)恋人 ​〇 該当する場合: 利害関係がある・当事者の一方に助言した経験 ​× 該当しない場合: 裁判官の訴訟指揮・同種または関連の事件に判決 ⑴ 手続(除斥・忌避共通)25 (a) 訴訟手続停止26 + 該当裁判官を除いた合議体が決定で裁判 → 除斥-確認的・忌避-形成的 (b) 理由があるとする決定 → × 不服申立はできない⭐️よく出る(〇 理由ないとする決定には即時抗告できる) ⑵効果:当該裁判官を排除 → 関与した場合、〇 上告事由・再審事由となる ④回避(規則12):裁判官自身が忌避理由ありと判断した場合 → 当該裁判官自身の申立により排除

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    12/17第4章 当事者 1当事者とその確定 2当事者能力 3訴訟上の代理

    1 当事者とその確定 ​・当事者の確定 → 当事者の能力 → 拡張・補充 ⇒ 問題なければ特定の当事者による裁判が可能 ①二当事者対立の原則:民事訴訟では対立する当事者の存在が不可欠という原則 ∵ 紛争解決 ​・内容:当事者の存在 → 訴訟要件・職権調査事項 ・​欠缺:訴訟終了  → 訴え却下、    看過して判決 → 取消可・確定しても無効  (例:一方当事者が訴訟途中で死んだ(相続人がいれば訴訟承継人となり継続する場合も)) ②当事者:訴え、または訴えられることによって、判決の名宛人となるべき者(形式的当事者概念) ⭐️書けるように。「判決の名宛人」がポイント ⑴判決の名宛人:判決に名前が載る者 ≒ 判決の効力の及ぶ者 →権利義務の主体として主張されている者が当事者となるという、実質的当事者概念を否定 ⑵当事者の確定 → 当事者能力・訴訟能力・当事者適格・除斥原因・既判力・二重起訴 の判断に必要 ​⇒ 訴訟の当初から問題 ∴ 訴え提起の最初の段階から明確に確定することが必要 Q 当事者の確定をいかなる基準ですべきか⭐️Aランク ⑴ 問題の所在:訴訟要件・裁判籍等 → 最初から明確に確定が必要 ⑵結論:訴状の当事者欄のみならず請求の趣旨等一切の訴状の表示を合理的に解釈(実質的表示説) ⑶ 理由:基準として明確 ・ 訴え提起後ただちに判断できる ・ 具体的妥当性がある ⑷あてはめ ​・当事者が不確定 → 却下 ・​当事者が確定  ​実際の訴訟進行者と別人 ​→ 当事者の変更 が必要  ​実際の訴訟進行者と同一人物(名称が異なる) ​→ 表示の訂正  が必要 ③当事者の確定における諸論点 ⑴冒用:名義の権利者の許可なくその名称等を使用すること → 氏名冒用訴訟 ▪️原告側の冒用 (訴訟係属中に判明) 追認なき限り却下 (※当事者の確定はされている) ∵ 無権代理と同視 (判決後に判明) 被冒用者に判決効が及ぶ → 被冒用者は上訴・再審可 ∵ 実質的表示説(当事者として確定されたものに判決効は及ぶ)・無権代理の一種 → 312Ⅱ四・338Ⅰ三 ▪️被告側の冒用 (訴訟係属中に判明) 冒用者を排除 → 期日再指定後訴状送達 ∵ 被告に変化なし (判決後に判明) 原告側の冒用の場合と同じ ⑵死者名義訴訟 ⭐️Aランク(民事訴訟は数年かかることが多く実務でも当事者が死亡することある): 当事者が死亡した場合(一身専属権(離婚など)を除く) ▪️訴え提起時に判明: 却下 ∵ 二当事者対立の原則 ▪️訴訟係属中に判明: 係属中または同視できる時に死亡 → 当然承継124Ⅰ一(参) 係属前に死亡し相続人が訴状受領・応訴 → 任意的当事者変更可 ▪️判決後に判明: 原則、無効 但し、相続人に及ぶ場合あり ∵ 信義則2Ⅰ ⑶当事者の表示の過誤:表示上異なる・同一人物 ⇒ 表示の訂正 → 任意的当事者変更 も問題  [事例] ➢ XがY社ことZを被告として訴え提起 ∵ Y社を被告とするには登記がなかったため → 第一審中に登記があったことが発覚した ​⇒ ZからY社に表示の訂正可 ∵「Y社ことZと」いう表示を実質的にY社を表示したと解釈できる 2 当事者の能力 ①当事者の能力の概要 ⑴適切な判決の名宛人として必要な能力 (a) 訴訟要件:本案の審理を続行して本案判決をするための要件 ​(例)裁判権・管轄・当事者能力・当事者適格等 ∵ 裁判制度の合理的・円滑な運用 (b) 当事者能力:民事訴訟において当事者となることのできる一般的能力(資格) ​(例)〇 自然人・法人、 × 死者、  ∴ 権利能力類似​→ 一般的に判断 (c) 当事者適格:当該訴訟物につき当事者として訴訟を追行し本案判決を求めることができる能力(資格) ​(例) 〇 訴訟物たる債権の債権者・債務者、  × 債権者の恋人 ​→⭐️訴訟物毎に判断 ⑵ 訴訟追行者として必要な能力 (a) 訴訟能力:自ら単独で有効に訴訟行為をなしまたは相手方や裁判所の行う訴訟行為を受けうる能力 ​(例) 〇 成年 × 未成年・重度知的障害 ∴ 行為能力類似←本人の権利保護 (b) 弁論能力:訴訟手続に関与して実際に有効な訴訟行為を行いうる能力 ​(例) 〇 弁護士、  × 十分な弁論ができないと裁判された者 ∵ 手続の安定と円滑迅速な進行 ② 当事者能力 ​民事訴訟において当事者となることのできる一般的能力(資格)  ⭐️書けるように ⑴原則:特別の定めがある場合を除き、民法その他の法令に従う28 → 民法上権利能力があれば当事者能力もある→〇 自然人・法人・胎児等 ⑵権能なき社団:代表者等の定めがあれば当事者能力が認められる29 (a) 趣旨​:紛争解決・手続の簡便・迅速 (団体の当事者能力が認められないと構成員全員訴えなければならないがそれは不便、非効率)⭐️趣旨も書けるように (b) 社団の成立要件​:≒ 民法 + 定款等に代表機関の定め(なければ特別代理人の選任35Ⅰ) (c) 判例​:町内会、設立中の会社、入会団体 Q 民法上の組合は29条の「社団」に含まれるか ⑴事例​:建築会社のジョイントベンチャー(共同事業) ⑵問題の所在​:実際の峻別が困難ないし不可能 ⑶判例​:組合も29条の「社団」に含まれる ⑷理由​:29条の趣旨妥当 ⑸訴訟追行の形式 ​・組合を当事者 ​→ 代表者が訴訟追行 ​→ 組合財産に判決の効力 ​・任意的訴訟担当 ​→ 授権による訴訟担当者が訴訟追行 ​→ 各組合員に判決の効力 (d) 判決の効力:団体について生じる + 当然には構成員に及ばない(但し、115Ⅰ二) ⑶⭐️当事者能力の効果:訴訟要件のひとつ ​⇒ 職権調査事項 + 職権探知主義が妥当、欠缺あれば却下、口頭弁論終結時を基準に判断 Q 欠缺を看過してなされた判決の効果 Bランク ​判決確定前:〇 控訴事由・上告事由(281・312Ⅱ四・318Ⅰ) ​判決確定後:団体の実体及び手続関与があれば認められる(学説) ∵ 法的安定 ※自然人なら死んだりするとわかる。問題になるのは団体の場合。裁判で審理してきたのだから、団体の実体等はあると裁判所が考え、関係者も関与していたということが背景にある ◻ 訴訟能力 ① 訴訟能力 ​自ら単独で有効に訴訟行為をなし、または相手方や裁判所の行う訴訟行為を受けうる能力(資格) ​⇒ 行為能力に類似 ​ (例)〇 成人、     × 未成年・重度知的障害 ⑴趣旨​:本人保護 ⑵欠缺の効果​:⭐️訴訟行為の無効(not 取消しうる → 民法と区別・「確定的に」なし) ⑶ 必要な者​: 〇 当事者・法定代理人・補助参加人 × 訴訟代理人・証人等 ⑷必要な行為​:訴訟手続(訴訟外または訴訟開始前も含む) → 管轄の合意・訴訟代理権の授与等 ②原則:特別の定めがある場合を除き、民法その他の法令に従う28  → ⭐️行為能力者はすべて訴訟能力者となる ⑴絶対的訴訟無能力者:未成年者・成年被後見人 ・​原則:⭐️訴訟能力を有しない → 法定代理人によってのみ31 ・​例外:独立して法律行為をなしうる未成年者(営業の許可(民法6)等)、人事訴訟 ⑵ 制限的訴訟能力者:被保佐人・被補助人 ​・原則:同意が必要 →被保佐人13Ⅰ四   ・同意を要するとされた被補助人17Ⅰ ・​例外:応訴 - 同意不要(短答出る)、      重大な処分的訴訟行為(取下・和解・放棄・認諾)- 特別の授権必要32 ③効果:個々の訴訟行為の有効要件34 (訴訟能力は訴訟要件ではない(通説))∵ 手続の安定  ※訴訟要件=裁判所が本案判決を可能とするための前提要件 ​⇒ 欠缺の場合、はじめから無効 ⑴追認:法定代理人または回復した本人が可能 → 行為の時に遡って有効34Ⅱ ​⇒ ⭐️一括してなされる(追認すればすべての訴訟行為が遡って有効になる)  ∵ 手続の安定・相手方保護 ⑵補正命令:裁判所は欠缺の場合に一定の期間を定めて補正(欠陥のない訴訟追行)を命じる34Ⅰ ④欠缺の取扱 ⑴訴訟成立時(訴え提起・訴状受領時)に既に欠缺 → 追認なき限り却下 ∵ 訴訟要件欠缺 ​⇒ 適法な訴訟係属は訴訟要件 ※ 訴訟能力は訴訟要件ではないが、訴訟能力がないということは有効な訴えの提起や訴状受領がないので、訴訟要件欠くこととなる。 ➢ 訴訟無能力が看過された第一審の棄却判決に対し訴訟無能力者が控訴した場合 ⇒ 原判決取消かつ原審差戻 ​∵ 訴訟無能力者保護 - 控訴行為を無効として却下 → 第一審確定 は妥当でない ⑵訴訟成立後に欠缺が生じた → 受継するまで中断 + 欠缺後の個々の訴訟行為は無効 ◻ 意思能力・弁論能力  Bランク ①意思能力 → 必要(判例) ​(例)× 極度の泥酔者 ​⇒ 欠缺の場合:訴訟行為不成立(追認も不可) ② 弁論能力:訴訟手続に関与して実際に有効な訴訟行為を行いうる能力 ⑴趣旨:手続の安定と円滑迅速な進行 ⑵原則:弁論能力者 = 訴訟能力者)(訴訟能力があれば弁論能力を認める) ∵ 本人訴訟を認める・弁護士強制主義を否定 ⑶訴訟上の取扱:裁判所が弁論能力がないと判断 → 陳述禁止の裁判ができる155Ⅰ ​⇒ 看過の場合や排斥しない場合でも訴訟行為・判決は有効 3 訴訟上の代理 訴訟上の代理制度の概要 ①訴訟上の代理:訴訟の拡張・補充の制度 → 民法上の代理制度に対応 ​・訴訟無能力者 → 訴訟活動の補充(民-私的自治の補充) → 法定代理人(民-法定代理) ・​訴訟能力者  → 訴訟活動の拡張(民-私的自治の拡大) → 任意代理人(民-任意代理) ②趣旨 ​必要性:(訴訟能力者の)拡張 ・ (訴訟無能力者の)補充 ​許容性:原則として訴訟行為は代理に親しむ(専門的な話だから)・弁護士代理の原則54Ⅰ ∵ 円滑迅速な訴訟運営 ③訴訟上の代理人 Aランク⭐️書く ​本人の名において、本人に代わって自己の意思に基づき訴訟行為をし、またはこれを受ける者 ※「本人の名において」がポイント ④訴訟上の代理人の種類 ⑴法定代理人:本人の意思に基づかない ​⇒訴訟無能力者の補充 (例:未成年者)  →本人の訴訟追行が不可  →本人の身代わり的地位(ほとんど本人として訴訟行為を行う) ​ → 実体法上の法定代理人・訴訟法上の特別代理人・法人等の代表者 ⑵任意代理人:本人の意思に基づく​⇒訴訟能力者の拡張  → 本人の訴訟追行が可能 →第三者的地位  ​→ 法令による訴訟代理人・ 訴訟委任による訴訟代理人(例:弁護士) ⑤代理権 ⑴民法との差異:手続安定のため明確化・画一化  ・​授権:書面による(規則15・23)  ​→ 民法:不要式 ・​消滅:相手方への通知が必要36・59   ​→ 民法:消滅事由 ​・範囲  ・​法定代理​:民法の規定28 ​   → 民法:明文  ・​訴訟代理人(任意代理人)​:明文55 → 民法:合意解釈 ⑵効果:個々の訴訟行為の有効要件 → 欠缺の場合、無効。但し、 補正・追認がありうる34・59 ​⇒ 訴訟成立時に欠缺 → 訴え却下、職権調査事項、 ◯ 看過した場合の上訴・再審 ➢ 訴訟委任による訴訟代理人(典型例:弁護士)が双方代理した場合の訴訟行為の効力 ​⇒ 違反の事実を知った後等に、遅滞なく異議を主張しなければ無効の主張ができない ◻ 法定代理人 ①法定代理人:本人の意思に基づかない訴訟上の代理人 ・​実体法上の法定代理人: 28による代理人​→ 親権者・後見人 ​・訴訟法上の特別代理人:裁判所が選任する代理人 → 訴訟無能力者35・証拠保全手続236 ②地位 ⑴ 第三者性:本人に効果帰属 ​⇒ 裁判籍・除斥等の基準は本人 ⑵ 本人性:本人に準じた扱い ​⇒ 訴状・判決書に本人と共に表示、送達・期日の出頭・当事者尋問を受ける、中断事由の基準 ③範囲:実体法の定め → 原則、一切の訴訟行為 ④法人等の代表者:法人等の名で自己の意思に基づき行為をしその効果が法人等に帰属する関係にある者 ​(例)代表取締役、 権能なき社団の代表機関、 農業協同組合の代表理事(判例) ⑴地位:法定代理人に準じる37 ⑵代表者の証明:書面による → 通常、商業登記簿謄抄本 Q 実体法上の表見代理の規定は訴訟行為に類推適用されるか ⑴事例:法人に訴え提起 → 登記簿上の代表取締役Aと訴訟追行 → Aは実は部長だった ⑵問題の所在:権利外観法理 ⑶判例:類推適用されない→ 補正なき限り却下 ⑷理由 (a) 表見代理の規定は取引安全のため → 手続の安定を重視すべき訴訟行為には適用すべきでない (b) 商法24・会社法13が訴訟行為を除外 ◻ 任意代理人 ① 任意代理人:本人の意思に基づく訴訟上の代理人 ・​法令上の訴訟代理人​:法令で一定の地位につくことにより訴訟代理権を付与された者 ・​訴訟委任に基づく訴訟代理人​:特定の訴訟のために訴訟代理権を付与された者(典型:弁護士)    ​・訴訟代理人:⑴ 任意代理人  ⑵ 訴訟委任に基づく訴訟代理人 ②法令上の訴訟代理人 ⑴典型例:支配人(商21Ⅰ・会社11Ⅰ)・支店長、 船長(商708Ⅰ) ⑵地位:法定代理人に類似しているがあくまで任意代理人 (択一) ⑶範囲:原則、訴訟委任による訴訟代理人と同様 ​⇒ ・× 弁護士代理の原則が適用されない   ・代理権消滅58が適用されない   ・上訴等につき特別な授権適用されない ③訴訟委任に基づく訴訟代理人 ⑴弁護士代理の原則:原則、弁護士でなければならない54Ⅰ (a) 趣旨:当事者の利益保護+審理の円滑化と充実 (b) 例外:簡易裁判所では許可を得れば弁護士以外も可 Q 非弁護士の訴訟行為の効力 ⑴判例:無効 + 追認あれば有効 ⑵理由:弁護士代理の趣旨 → 無権代理 ⑶ 訴訟委任:特定の事件につき訴訟上の代理権を授与する本人の単独行為たる訴訟行為(委任契約と別)  (a) 本人に訴訟能力が必要(法定代理人も可能かつ必要)  (b) 代理人は代理権の存在及び範囲を書面で証明しなければならない(法定代理人も同様・規則23Ⅰ) ⑶訴訟追行上の地位 ▪️法定代理人: ・本人の身代り的地位 ・代理人の表示〇 訴状及び判決書の必要的記載事項 ・送達:法定代理人に対して行う ・本人の更生権:無し ・証人適格等:当事者尋問の対象211 ・代理人死亡:〇 中断事由124Ⅰ三 ▪️任意代理人 ・第三者的地位 ・代理人の表示× 必要的記載事項ではない ・送達:本人に対して ・本人の更生権:〇 ・証人適格等:証人・鑑定人の対象 ・代理人死亡:× 中断事由にはならない ⑷ 訴訟代理権 (a) 原則:包括的・画一的に法定された一切の訴訟行為55Ⅰ + 原則、制限されない55Ⅲ   ∵ 弁護士代理 (b) 例外:重要な処分的訴訟行為(特別委任事項)は個別的委任を要する ​・特別委任事項55Ⅱ:反訴提起・取下・和解・放棄・認諾・上訴等 ※55Ⅰの「反訴」は弁護士が反訴をすることができるという意味ではなく、弁護士が訴えを提起し、相手からの反訴に応訴できるという意味 (c) 個別代理の原則:複数の訴訟代理人がいる場合、各自が全面的な代理権56 (d) 消滅:相手方への通知が必要 + 消滅事由-死亡・後見開始・破産手続開始・解任・辞任等 ​⇒ 当事者の死亡等により訴訟代理権は消滅しない58  ∵ 弁護士代理

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    第三編(12/17訴提起から)訴訟の開始 第5章 訴え提起 B➕

    1 訴えの概念と種類 ◻ 訴えの概要 ① 訴え:原告が裁判所に対し被告との関係での権利主張を示し、その当否につき審判を要求する要式の申立 ​⇒ 裁判所の特定、 当事者の明示、 訴訟物の特定、 審判形式の明示 が必要 ​⇒ 訴え提起により開始 → 訴えなければ裁判なし(処分権主義) ② 訴えの種類 ​・訴えの三類型 ​→ 一般的な種類 ≒ 三類型 - 給付の訴え・確認の訴え・形成の訴え  ​・形式的形成訴訟​→三類型に属しない特殊な訴え ③ 判決の種類 ​・給付判決:被告に対して一定の給付を命ずる判決 ​・確認判決:争訟対象たる権利または法律関係の存在・不存在を確認する判決 ​・形成判決:法律関係を直接発生、変更または消滅させることを目的とする判決 ◻ 訴えの三類型 ① 給付の訴え:原告が被告に対し給付請求権を主張して、裁判所に対し被告に対する給付判決を求める訴え ⑴給付:被告たる債務者の作為・不作為​(例)金銭支払・物引渡・登記・騒音だすな ⑵種類:現在の給付の訴え ・ 将来の給付の訴え → 履行期到来の有無 ⑶訴えの三類型と判決の効力 写真 ⑷引換給付判決:原告が反対給付を履行することと引換えに被告に対して給付を命じる判決 ​(例)XがYに100万請求 → YはXからの車の引渡しと引換えにXに100万支払え ​→ 被告の給付義務が先履行にない + 権利抗弁の提出が認められた場合 ​⇒ 一部認容判決(実質敗訴・一部敗訴) ②確認の訴え:特定の権利・法律関係の存在または不存在を主張してそれを確認する判決を求める訴え ​(例)所有権確認の訴え・債務不存在の訴え ⑴ 問題点​:対象が無限に拡大しうる → 確認の利益 が必要 ⑵特徴​:予防的機能 (紛争の悪化を防止する機能) ⑶判決の効力:既判力のみ(執行力なし) ③形成の訴え:一定の法律要件に基づく法律関係の変動を主張し、その変動を宣言する形成判決を求める訴え ​(例)離婚(民770)、婚姻の取消(民743)、株主総会等の決議の取消(会831) ⑴ 趣旨:法律関係の高度な安定 ⑵ 特徴 ・​形成要件​:既存の法律関係を変化させたり、新たな権利関係を発生させたりする法律要件  ※ 形成の訴えは、この形成要件が満たされていることを主張し、その変動を宣言する判決を求める訴訟(cf.形成権-意思表示) ​・形成力​:形成判決の確定によって法律関係が変動(cf.確認-既に変動したのを確認) ​・対世効​:第三者に対しても効力(cf.原則、判決の効力は当事者間) ⑶判決の効力:既判力と形成力 ◻ 形式的形成訴訟 ①形式的形成訴訟:形成訴訟の形式をとるが実体法に明確な形成要件の定めがなく実質上非訟事件である訴訟 ​→ 形成要件がない形成訴訟 → × 三段論法での結論 → 実質、非訟手続 ​⇒ 処分権主義・弁論主義・証明責任等は不適用 ​(判例通説) 共有物分割の訴え(民258)、 父を定める訴え(民773)、 境界確定訴訟 ②境界確定訴訟:隣接する土地の境界が不明なため争いがある場合に判決による境界線の確定を求める訴え Q 境界確定の訴え(境界確定訴訟)の法的性質 Aランク ⑴ 問題の所在:明文なし + 紛争解決の必要性あり ⑵判例・学説 ・新堂説(反対説) (法的性質)所有権確認訴訟 (理由)境界は所有権の範囲を定める + 定めなければ無意味 ・判例・通説 (法的性質)形式的形成訴訟 (理由)・私的所有の単位であると同時に課税上・公法上の単位でもある → 固定資産税の基準・行政区画の線引きとなる ・所有権の範囲の確定には所有権確認の訴えを同時に提起すべき ・当事者の主張に拘束・請求棄却は不適当 ③境界確定訴訟の特徴(形式的形成訴訟説・判例) ⑴処分権主義を制限 ​・当事者:特定の境界線の明示は不要、 合意による確定は不可 ​・裁判所:当事者の申立てた境界線に拘束されない、 請求の認諾・和解は不可 ​→ 訴えの取下・放棄は可 ⑵弁論主義の排除  ​→ Cは当事者の自白に拘束されない ⑶ 証明責任の不適用 ​→ 請求棄却は不可・合目的的な境界線の確定が必要 ⑷不利益変更禁止の排除​→ 控訴審は一審判決に拘束されない ​・筆界特定制度:申請によって筆界特定登記官が公法上の境界を特定 ​⇒ 境界確定訴訟を優先、 筆界特定の資料を引用 ∴ 通常同一の結論 ④ 境界確定訴訟の当事者適格 Q 境界確定訴訟につき当事者適格の認められる者 ⑴ 問題の所在​:形式的形成訴訟 → 土地所有権と無関係 + 境界の公益的側面を重視 ⑵ 判例・通説​:境界と隣接する土地の所有者 ⑶理由​:最も密接な利害関係を有する → 訴訟追行・本案判決にふさわしい Q 境界に接する部分のみを一方当事者が時効取得した場合、当事者適格が認められるか ⑴ 問題の所在​:当事者は境界と隣接する土地の所有者でなくなる ⑵判例​:当事者適格を肯定 ⑶理由​:境界に争いある隣接する土地の所有者同士という関係は不変・登記の前提としても境界を確定する必要 Q 土地全部を一方当事者が時効取得した場合、当事者適格が認められるか (1) 問題の所在​:土地の所有者でなくなる (2) 判例​:当事者適格を否定 (3) 理由​:隣接する土地の所有者でない ∵ 所有権自体がない 2 訴え提起の手続 ◻ 訴え提起行為 ①訴えの提起:訴状を裁判所に提出するという要式行為 ​原則:訴状を裁判所に提出134Ⅰ ​例外:簡易裁判所においては口頭も可271 ​→ × ファックス(ファクシミリ)による提出(規則3Ⅰ二) ②⭐️ インターネットを用いた申立(訴えの提起・準備書面提出):電子情報処理組織により可能132の10Ⅰ ​⇒ 委任を受けた訴訟代理人が当該委任を受けた事件の申立 → 電子情報処理組織により行う132の11Ⅰ ③記載事項 ​必要的記載事項:当事者及び法定代理人、 請求の趣旨及び原因  ⇒ 欠缺 → 却下134Ⅱ・137 ​任意的記載事項:具体的な主要事実、 重要な間接事実及び証拠  ⇒ 準備書面として評価(規53) ⑴ 当事者に対する秘匿:133改) ​・著しい支障を生ずるおそれを疎明 → 決定で秘匿する旨の裁判 + 秘匿対象者の届出は必要 ⑵請求の趣旨​:訴えによって求める判決内容の確定的な表示 ​⇒ 判決の主文に対応 (例)YはXに金〇円を支払えとの判決を求める → YはXに金〇円を支払え ⑶請求(の)原因​:請求を特定するのに必要な限度での権利関係とその発生原因事実 ​⇒ ∵ 請求の特定 → 請求の趣旨から特定できれば記載不要 ◻ 訴え提起に対する裁判所の行為 ①訴状審査:裁判長が訴状の形式的な不備を審査 ​→ 不備があれば補正命令 → 補正されなければ却下(訴状却下)・即時抗告可 ⑴訴状却下 :訴状に不備がある場合の却下  不適法却下:不適法を理由とする却下 ・訴状却下137 主体)裁判長 裁判の形式)命令 訴訟係属)なし ・不適法却下140 主体)裁判所 裁判所の形式)判決 訴訟係属)あり ⑵ 手数料の納付:法定の手数料を収入印紙で貼付又は振込 ​⇒ 137の2改):原告が納付しないときは訴状却下、即時抗告可ただし、手数料納付が必要 ⑶訴訟記録の電子化132の12改):申立等が書面による → 困難な事情がある場合を除きファイルに記録 ​⇒ 訴訟記録の全面的・義務的なデジタル化 → オンラインでの閲覧可  ② 送達:当事者その他の訴訟関係人に一定の方式により書類を交付する行為 🔸Bランク ​⇒ 訴状審査後適式であれば被告に送達138Ⅰ、 事務は裁判所書記官・職権送達の原則98 ⑴送達受領者:訴訟無能力者 → 法定代理人、共同して代理人(父母) → その一人で足りる99 ⑵送達報告書:100改)送達した者は送達に関する事項を記載して提出又はファイルへの記録 が必要 ⑶送達方法 a) 交付送達:送達名宛人に対し送達書類を直接交付 → 交付送達の原則102の2 ​⇒ 方法-郵便又は執行官による、  場所-送達を受けるべき者の住所・事務所等 ​簡易送達:裁判所書記官が出頭した者に対してみずから交付102 ≒ 裁判所書記官による送達 ​補充送達:送達場所で代人に送達書類を交付106Ⅰ ​差置送達:正当な理由なく受領を拒否 → その場に書類を置く106Ⅲ b) 付郵便送達:交付送達ができない → 書留郵便で送達 ⇒ 発送時に送達したとみなす107 (c) 公示送達:住所等が不明の場合 → 裁判所の掲示場に掲示 (4) 電磁的記録の送達 (a) 出力することにより作成した書面による送達109改) (b) 電子情報処理組織を使用して通知を発する方法による送達109の2 ​⇒ 〇 訴訟代理人が送達受領・オンラインの申立・書面の訴訟記録が電子化132の10・12等 3 訴え提起の効果 ⭐️Aランク ◻ 訴え提起の効果(訴状提出) ① 訴え提起の効果:⑴訴状提出による効果 ⑵訴状提出及び訴訟係属による効果 ⑴​訴え提起の効果​:訴状提出による効果 ​→ 訴訟法・実体法 の効果発生 ⑵​訴訟係属による効果​:訴状が被告に送達されたことによる効果 ​→ 訴訟法・実体法 の効果発生 ②訴訟法上の効果(訴状提出の効果):訴状審査137Ⅰ、 送達138Ⅰ、 期日の指定139 95 実体法上の効果:時効の完成猶予、 期間厳守147 Q 時効の完成猶予の根拠 Bランク ⑴問題の所在:更新は判決の確定により発生(民147Ⅱ) → 判決確定前に完成猶予? ⑵ 権利確定説:訴訟中の時効完成は相当でない + 継続した事実状態を訴状提出により否定 Q 時効が完成猶予される権利の範囲 Bランク ⑴ 問題の所在​:〇 訴訟物として主張された権利関係は当然認められる → 攻撃防御方法・一部請求等についてはどうか? ⑵ 判例​:広く認める ⑶理由​:訴えに準じる(権利確定説) ➢ 所有権に基づく移転登記抹消請求 → 〇 Yの所有権主張(防御方法)によるXの所有権の取得時効の完成猶予 ④完成猶予の継続:訴えの取下・却下 → 終了の時から6箇月完成猶予の効果継続(民147Ⅰ) ◻ 訴訟係属の効果 ①訴訟係属:当事者間の特定の事件が特定の裁判所によって審判される状態 ⭐️書く ​⇒ 対象-訴訟物、 訴訟要件-不問 Q 訴訟係属の発生時期 ⭐️ 論文で訴訟係属が出たら書く ⑴ 問題の所在​:明文規定なし ⑵結論​:被告に訴状が送達された時 ⑶理由​:二当事者対立構造の発生 ②訴訟法上の効果 ​・二重起訴の禁止 ​・訴訟参加・訴訟告知 ​→ 訴訟参加関係 ・​中間確認の訴え・反訴・訴えの変更 ​→ 複雑訴訟関係 ③ 実体法上の効果:善意占有者の悪意擬制(民189Ⅱ) ◻ 二重起訴の禁止 ⭐️A➕ ① 二重起訴の禁止:訴訟係属中の事件は同一当事者間では重ねて別訴での審理を求めることは許されない ​⇒ 訴訟係属中の問題 → 既判力は判決確定後の問題 ⑴条文:142 ⑵趣旨 ⭐️3つ書けるように ​被告の応訴の煩(はん) ​訴訟不経済 ​矛盾判決の危険 ⑶ 要件:事件の同一性 ⇒ 当事者(=主観面)及び審判対象(=客観面) が同一であるかを基準 ②当事者の同一性 ⑴原則:判決効は当事者にのみ及ぶ → 当事者の一方が異なれば二重起訴にあたらない ⑵原告・被告が逆転する場合:同一性あり ∵ 矛盾判決の危険 ​⇒ 反訴・請求の変更 は二重起訴にあたらない ⑶形式的には当事者ではないが判決の効力を受ける者:同一性あり ​・債権者代位訴訟 (試験には出るのは債権者代位訴訟のみ)  ・​代位債権者は債務者・第三債務者間の権利関係につき原告適格あり(判例) ​ ・判決効は債権者・第三債務者・債務者に及ぶ(判例) ​⇒ 同一性あり ∵ 矛盾判決の危険 ③審判対象の同一性 ⑴ 原則:訴訟物自体が同一 → 二重起訴にあたる ​(例)前訴:XがYに100万円の貸金返還訴訟 → 後訴:XがYに同一の貸金返還訴訟 ⑵権利関係の同一:審判形式(例:給付の訴え、確認の訴え)が異なっても訴訟物たる権利関係が同一 → 二重起訴にあたる ​⇒ 請求の趣旨において明らかにされる(原告により求められている)、審判対象の同一性あり Q 同一債権の債務不存在確認訴訟と代金支払請求訴訟は二重起訴にあたるか ⑴事例​:前訴-XがYに代金債務不存在確認訴訟 → 後訴:YがXに代金支払請求訴訟 ⑵問題の所在​:審判形式が異なる → 給付の要否 ⑶通説​:肯定 → 二重起訴に当たる ⑷ 理由​:既判力の矛盾 ⑶一部請求と残部請求:数量的に可分債権の一部を請求(一部請求) → 後に残部を請求(残部請求) Q 一部請求の係属中になされた残部請求は二重起訴にあたるか ⑴事例:前訴 -(売買代金債権1000万のうち)600万請求 → 後訴-残り400万請求 ⑵問題の所在:同一債権 → 訴訟物は同一 ⑶ 判例:前訴で債権の一部であることを明示した場合には残部請求は二重起訴にあたらない ​⇒ ただし、訴訟法上の権利の濫用にあたる等の特段の事情があれば不可 ⑷ 理由:前訴訴訟物は明示された一部に限定 → 訴訟物が異なる ∴ 既判力矛盾なし ⑸あてはめ ​前訴判決確定後 → 残部請求可 ​前訴判決確定前 → 請求の変更・弁論の併合 をすべき ∵ 既判力の矛盾(学説) ⑷ 元本請求と利息請求:前訴-元本請求 → 後訴-利息請求 ⇒ 二重起訴にあたらない ​∵ 利息は特則の別契約で生じる → 利息契約 ∴ 消費貸借契約と訴訟物は異なる(関連あり) ⑸抗弁たる権利関係:前訴-抗弁提出 → 後訴-抗弁について提起 ⇒ 二重起訴にあたらない (a) 判決:主文-裁判の結論 ・ 判決理由-判決主文に至った根拠(事実認定や証拠の評価等) で構成  ​⇒ 判決理由中の判断には原則として既判力は及ばない114Ⅰ (=二重起訴にあたらない理由) (b) 抗弁 ​請求原因事実と事実として両立し、請求原因事実による法律効果の全部または一部を排斥する法律効果を基礎づける事実で、被告が証明責任を負っている事実 ⭐️書けるように ​(例)要素の錯誤・詐欺等の抗弁、同時履行の抗弁、弁済の抗弁、履行期の抗弁等 ⑹相殺の抗弁:前訴-相殺の抗弁提出 → 後訴-相殺の抗弁について訴え提起 ⭐️Aランク ​⇒ 114Ⅱ:相殺の抗弁は理由中の判断でも対抗した額について自働債権の存否が既判力で確定される Q 相殺の抗弁と給付の訴えは二重起訴禁止の趣旨に触れるか ⑴ 事例:ある債権が1つの訴訟で訴訟物・もう1つの訴訟で相殺の自働債権として主張 ⑵ 問題の所在:抗弁は訴えではない142 ∴ 直接適用不可 + 既判力発生 ∴ 矛盾のおそれ ​⇒ 142類推適用の肯否 が問題 ⑶相殺の抗弁主張の類型:抗弁先行型-前訴で相殺主張 ・ 抗弁後行型-後訴で相殺主張 ⑷ 各見解 ◾️否定説-旧通説・反対説 (結論)142類推適用否定 ⇒  二重起訴に当たらない (理由) ・判断されるかは訴訟終了まで不確実 ・特に抗弁後行型の場合、被告の防御の自由を制限 ∵ 前訴取下がないと相殺の主張ができない ◾️肯定説-判例・自説 (結論)142類推適用肯定→ 二重起訴に当たる (理由) ・二重起訴禁止の趣旨は既判力抵触のおそれがあり、それを防ぐため ・相手方に二重の応訴を強いる ◾️折衷説-判例?・有力説 抗弁先行型 → 二重起訴に該当しない 抗弁後行型 → 二重起訴に該当する 先行型:別訴提起時に訴訟係属なし 後行型:自ら訴え提起した者が当該訴訟内で決着 ​・判例:【抗弁先行型】-裁判例で肯定・否定に分れる ・ 【抗弁後行型】-類推適用肯定 (a) 平成3年12月17日最判  ➢ 【抗弁後行型】(控訴審)において142類推適用肯定 + ⭐️両事件が併合審理された場合も同様 ​⇒ 徹底した類推適用肯定説 ※第33講 7:00頃の図参照 (b) 平成18年4月14日最判 ➢ 反訴係属中に反訴請求権を自働債権とし本訴請求権を受働債権として相殺の抗弁主張は可 ​∵ 予備的反訴に変更されると推定されるので ④ 二重起訴の効果:裁判所が後訴を不適法却下 ​⇒ 職権調査事項、弁論の併合をすべき場合もある ​・看過してなされた判決:違法 → 〇 上訴での取消・× 再審事由 ⇒ 確定すれば争えない ​前訴係属中に後訴確定​:前訴で後訴に反する判決不可 ​∵ 後訴の既判力 ​後訴係属中に前訴確定​:後訴却下 ​∵ 二重起訴 ​双方確定かつ抵触​:後の確定判決が再審により取消(起訴の前後は無関係)338Ⅰ十

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    第六章 訴訟物と処分権主義 A+

    1 訴訟物とその特定 ◻ 訴訟物 (定義を書くことはない) ①裁判所がその存否を審理・判断すべき権利ないし法律関係​≒ 審判対象  ​⇒ 訴訟物(狭)= 訴訟上の請求 - 最小単位​(例)貸金返還請求権・売買代金請求権等 ②原告の被告に対する一定の権利ないし法律関係の主張​≒ 請求 ​⇒ 訴訟物(広)= 請求(狭)- + 誰から誰に対して​(例)XからYに対し貸金返還請求権がある ③裁判所に請求の当否についての審判を求める原告の申立​≒ 訴え ​⇒ 訴訟物(最広)= 請求(広)- + 申立の意味​(例)上記貸金返還請求につき訴え提起 ※①②③の区別は大まかにわかっていれば良い ◻ 訴訟物の特定 ① 特定の必要性:訴訟物 → 特定が必要 ⇒ 訴訟物の特定が必要な理由 ⑴審判の範囲・対象の特定 ​∵ 処分権主義※から当然に当事者が行うもの ※民事訴訟の当事者に、訴訟の開始、審判対象の特定やその範囲の限定、判決によらずに終了させる権能を認める建前 ⑵ 不意打ちの防止 ​∵ 攻撃防御方法の主題を明確化 ⑶訴訟上の諸制度の判断基準 → 併二変再既(ヘイニヘンサイキ) ​客観的併合136、二重起訴の禁止142、訴えの変更143、再訴の禁止262Ⅱ、既判力の客観的範囲114Ⅰ ⑷管轄・印紙額の決定 ②訴訟物の特定基準: (確認訴訟)→実体法上の権利等 ​(例)所有権の確認の訴え → 原告の所有権 Q 給付訴訟と形成訴訟の訴訟物の特定基準 ⑴事例:タクシー運転手の飲酒運転により乗客が交通事故 → 乗客が運転手の会社に損害賠償請求 ⑵ 問題の所在:実体権(実体法上の権利)が競合 → 請求の個数・同一性が問題 ⑶判例・学説 ・旧訴訟物理論(判例通説) (訴訟物の特定基準) 実体権の単複異同により特定 (利点)  基準として明確  実体法との調和  当事者の手続保障の実現 (欠点)  紛争の一回的解決が困難 ・新訴訟物理論(反対説) (訴訟物の特定基準) 一定の給付をもとめうる法的地位があるとの権利主張を訴訟物  ※ 給付=債権の目的となる債務者のすべき行為 (利点) 紛争の一回的解決 (欠点) 旧訴訟物理論の利点に欠ける ③ 4つの試金石(Bランク):訴訟物論争  →4つの問題の具体的解決基準(≒併二変再既) ⑴請求の併合の要否​:請求の単一性で判断 136 → 旧説-併合必要 ・ 新説-併合不要∵攻撃防御方法 ⑵ 訴えの変更の要否​:請求の同一性で判断143 → 旧説-変更必要 ・ 新説-変更不要 ⑶二重起訴の該当性​:前後訴の異同で判断142 → 旧説-該当なし ・ 新説-該当する ⑷既判力の範囲​:主文に包含するもの≒訴訟物たる権利・義務 ④両説の接近(⭐️Aランク)&:旧説 → 手続保障重視 VS 新説 → 一回的解決重視 ​⇒ 相互に無視できない → 旧説に立ちつつ一回的解決を図る ∴ 新説に接近(判例・学説・実務) ⑴賃貸借契約終了による明渡請求訴訟の訴訟物 → 終了による明渡請求 = 1個の訴訟物 ​⇒ 終了原因ごとに考えない(合意解除・415等を統合) ⑵登記回復請求訴訟の訴訟物 → 登記回復請求権 = 1個の訴訟物 ​⇒ 物権に基づく請求権は同一(但し、債権的登記請求権は別) ⑶ 不法行為に基づく損害賠償請求の訴訟物 (a)1個の加害行為につき多数の権利が侵害​(例)交通事故 → 治療費・慰謝料・逸失利益等の請求 ➢ 同一事故により生じた同一の身体障害を理由とする財産上・精神上の損害 → 1個の訴訟物 ​∵ 原因事実及び被侵害利益を共通、 紛争の一回的解決、 損害賠償請求訴訟の総額考慮の必要 (b) 複数の法条の適用が可能​(例)交通事故 → 709・715等が競合 ➢ 法条の要件効果を統合して1個の訴訟物

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    2 処分権主義 A+

    ◻ 処分権主義概要 ① 処分権主義 ※定義趣旨書けるように ​当事者に訴訟の開始、審判対象の特定やその範囲の限定、判決によらずに終了させる処分権能を認める建前 ②条文:246等参照 ③趣旨:私的自治の訴訟法的反映 ④機能 ⑴ 紛争処理方式選択の保障 ⑵ 争訟対象の自主的形成 ⑶手続保障(特に、不意打ち防止) → 当事者の決めたこと以外には判決の拘束力を受けない ④ 内容 ・​開始​:「申立てなければ裁判なし」 → 上訴・再審・不起訴合意 ・​審判対象​:裁判所は当事者の申立ていない事項について裁判できない246 ​・終了​:和解、請求の放棄・認諾、上訴の取下 ができる ⑤弁論主義との比較 ・​弁論主義​:手続内在的問題 → 手続内での資料収集の責任主体 ​・処分権主義​:手続外在的問題 → 民事訴訟手続の入口・出口 ◻ 処分権主義の限界 ​・処分権主義が制限される場合 ①強度な公共性を有する権利・法律関係 ∵ 私的自治に一任できない ​(例)婚姻取消事由(民744) → Pが訴え提起、 人事訴訟 → 和解等が排除、 会社関係事件 ② 訴訟費用等の裁判 ∵ 裁判制度の維持 ​(例)訴訟費用の裁判67、 仮執行宣言の裁判 ③形式的形成訴訟(訴えの提起を除いた) ∵ 実質的に非訟事件 ​(例)共有物分割、 境界確定訴訟 ◻ 申立事項と判決事項 ① 246条:申立事項と判決事項は一致しなければならない ⑴ 246条違反の判決:控訴・上告312Ⅲ・318によって取消されうる → × 当然に無効 ⑵ 246条については責問権喪失による瑕疵の治癒90は認められない ∵ 訴訟手続の違反ではない ② 申立事項 ​訴訟物 ​求める審判の種類・形式 ​範囲  ​→ 訴状の当事者や請求の趣旨及び原因により明らかにすることで特定 ⑴訴訟物 ​旧訴訟物理論:実体法上の個々の請求権 ​新訴訟物理論:一定の給付を求め得る法的地位 → 旧説より範囲が広い ⑵審判の種類・形式 ​判決の種類 ​→ 給付判決・確認判決・形成判決 ​審判順位及び併合形態 ​→ 原告による単純併合・選択的併合・予備的併合 についての決定 ⑶範囲:救済を求める範囲の上限の明示が必要 Q 請求額を明示しない損害賠償請求の可否 ⑴事例​:慰謝料請求、違法行為の損害賠償請求で損害算定困難、 → 金額を明示しないで請求 ⑵ 問題の所在​:248 → 金銭的評価は裁判官の自由裁量 ⑶判例・通説​:一定金額(上限)の明示が必要 → 248は上限明示を前提 ⑷ 理由​:金額の上限は被告の防御の方法・程度についての態度決定につき手続保障上重要 ・ 請求の拡張可 Q 結果を明示し手段を特定しない不作為請求(抽象的不作為請求)の可否 ⑴事例:新幹線による騒音 → 近隣住民に健康被害 → 騒音を一定量(デシベル)以下にしろと請求 ⑵問題の所在:騒音の制御手段が不明 → 請求の特定がない?(∴ 抽象的不作為請求は不可?) ⑶ 判例・通説:抽象的不作為請求にも請求の特定あり ⑷ 理由:手段を特定する能力は通常被告側にあり原告に強いるのは不公平、 被告の防御権を害しない(手段は被告が決められる) 3 一部認容  ◻ 一部認容 ① 一部認容:請求の一部が認容されること ⇒ 刑訴の縮小認定類似 ​・量的一部認容:数量的な一部を認容すること​(例)300万請求 → 100万認容判決 ・​質的一部認容:数量的な一部以外の一部を認容すること​(例)給付請求  → 引換給付判決 Q 一部認容判決の可否 ⑴問題の所在:246→申立事項と判決事項は一致しなければならないこと(処分権主義)に反する? ⑵結論:原告の意思に合致し、当事者に対して不意打ちとならないのであれば246等に反しない ⑶理由:246は処分権主義の現れ → 原告の意思の尊重(私的自治の訴訟法的反映)・当事者の不意打ち防止 が趣旨 ②一部認容のあてはめ ⑴量的一部認容:〇 300万請求→100万支払え、 〇家屋明渡請求→一部明渡(ただし、原告の意思に合致しているかは状況による) ⑵ 質的一部認容 ​〇:現在の給付の訴え → 将来の給付判決・給付請求 → 引換給付判決 ​×:将来の給付の訴え → 現在の給付判決(被告にとって不意打ち) ◻ 債務不存在確認の訴えと一部認容 ① 債務不存在確認の訴え → 原告が特定した債務の不存在 = 訴訟物 ∴ 一部の存在を認定 = 一部認容 ​(例)XがYに対し100万の債務を負ってはいないとの確認を求める訴え ​⇒ 債務不存在確認の訴え = 給付の訴えの裏返し ②類型 ​全部不存在確認の訴え​(例)100万の債務は全くない ​債務の上限を示してする一部不存在確認の訴え​(例)100万の内20万を超えて債務はない ​債務の上限を示さずにする一部不存在確認の訴え​(例)20万を超えては債務はない ​債務の上限・下限を示さずにする全部不存在確認の訴え​(例)事故による賠償債務はない Q 全部不存在確認の訴えにおいて一部の残債務を認めた場合の判決 ⑴ 事例​:100万債務全部不存在確認の訴え → 残債務20万を認めた ⑵問題の所在​:246・処分権主義 ⑶ 結論​:20万を超えては債務は存在しないことを確認する一部認容判決 ⑷理由​:原告の意思に合致・不意打ちとならない・給付の訴えの裏返し(給付の訴えの一部認容が認められるならその裏返しも認められる) ∴ 債務不存在が訴訟物 Q 上限を示してする一部不存在確認の訴えにおいて残債務が自認額よりも多い場合の判決 ⑴事例​:100万債務の内20万を超えて債務はないとの確認の訴え → 残債務40万を認めた ⑵問題の所在​:246・処分権主義 ⑶結論​:40万を超えては債務は存在しないことを確認する一部認容判決 ⑷理由​:同上 Q 上限を示してする一部不存在確認の訴えにおいて残債務が自認額よりも少ない場合の判決 ⑴ 事例​:100万債務の内20万を超えて債務はないとの確認の訴え → 残債務10万を認めた ⑵問題の所在​:246・処分権主義 ⑶ 結論:残債務10万との判決は不可 → 20万を超えては債務は存在しないことを確認する一部認容判決 ⑷ 理由​:処分権主義 Q 上限を示さないでする一部不存在確認の訴えにおいて残債務が自認額よりも多い場合の判決 ⑴事例​:ただ20万を超えて債務はないとの確認の訴え → 残債務40万を認めた ⑵ 問題の所在​:訴訟物の特定の有無 + 一部認容の可否 ⑶ 結論​:債権自体の特定が可能であれば残債務額40万を確定した上で一部認容判決 ⑷ 理由 (a) 訴訟物の特定 ​→ 訴状の請求原因その他から特定可能 → 特定あり・不意打ちでない (b) 一部認容の可否 ​→ 原告は一部なりとも残債務の不存在の確認を望む Q 債務の上限・下限を示さずにする全部不存在確認の訴えの適法性 B➕ ⑴事例​:交通事故による損害賠償債務の存在しないことの確認を求める ⑵問題の所在​:訴訟物の特定の有無 ⑶結論​:上限を示してする不存在確認の訴えと同様の扱い ⑷理由​:(給付と異なり※)不存在確認の訴えは通常特定できる + (いくら払わなければならないか示すことは)本来被告の責任 ※ 給付の訴えの場合では原告から請求額が示されないと被告にとってどれだけの経済的損益がかかっているか判断できない ③既判力の生ずる範囲:申立事項 = 上限額と原告が自認した額との差額 ⇒ 不存在部分 + 認容されなかった部分 Q 一部債務不存在確認の訴えにおける自認部分への既判力の有無 ⑴ 事例:100万債務の内20万を超えて債務はないとの確認の訴え → 残債務40万 → 20万への既判力 ⑵問題の所在​:申立事項=自認額と上限額の差額の不存在 ・ 一回的解決 ⑶ 結論​:既判力なし、但し信義則上原告は後訴でその存在を否定できない ⑷理由​:自認額は申立事項ではない + 信義則で一回的解決が可能 4 一部請求 Aランク ◻ 一部請求の概要 ①一部請求と残部請求 ​・一部請求:数量的に可分な債権につき原告が請求をその一部に限定すること ・​残部請求:一部請求後に限定しなかった残部につき請求すること ​(例)1000万の売買代金債権のうち一部の300万請求 → 残部の700万を請求 ②目的​:訴訟費用の節約、賠償額の予測 ③一部請求の可否​:処分権主義から認められる(争いなし) → 特定もあり ④残部請求の問題点​:不意打ちの危険※1、応訴上の負担、訴訟不経済、重複審理※2、 ※1:例えば20万円請求だったため被告が軽く対応した後に残部980万円の請求があった場合、前訴で認定された被告の過失など持ち出されてしまう ※2:同じことを裁判所がなん度も審理することになる Q 一部請求確定後の残部請求が許されるか⭐️基本論点 ※前訴(一部請求)確定後の問題。一部請求は何の問題もなくできる ⑴ 問題の所在​:一部請求でも債権全体が訴訟物(∴→同じ債権の残部を請求することは既判力に抵触)、不意打ちの危険等 ⑵ 判例・多数​:原告が一部であることを明示していれば訴訟物はその一部に限定され許される ⑶ 理由​:原告の意思の尊重(処分権主義)、一部であることが明示されていれば被告の手続保障は図られる、既判力に抵触しないこと ⑤H10.6.12最判:12億の内1億を明示し請求(一部請求) → 全額棄却判決 → 残部11億請求(残部請求) ➢ 明示の一部請求を全部または一部棄却する判決確定後に残部請求を提起することは許されない ​∵ 債権なし又は一部請求額に満たない額しか現存しない → 特段の事情がない限り信義則に反する ※ 信義則に反するという理由も試験で問われる ◻ 一部請求の諸論点 ①時効の完成猶予(判例) ⇒ 原則として訴訟物についてのみ生じる ・​一部請求の明示なし → 全部につき完成猶予 ・​一部請求の明示あり → 一部につき完成猶予 + 特段の事情がない限り残部に裁判上の催告の効果(判例) ・ 後遺損害:損害賠償の判決確定後に予見できなかった後遺症によって損害が生じた場合 ⑴事例:交通事故 → 損害賠償請求で勝訴 → 予見できなかった後遺症で損害 → 損害賠償請求 ⑵結論:賠償請求可(争いなし) → 理論構成が問題 Q 判決基準時後に生じた同一事故による後遺症に基づく損害賠償請求の可否 ⑴問題の所在:被害者救済及び損害の衡平な分担 ・ 加害者の紛争解決への期待保護 ⑵判例・学説 ◾️有力説 理論構成: 既判力の基準時後の事由 理由:予見しえなかった損害    → 基準時後の新たな事由 批判:原因は事故当時から存在し、ただ気づいていなかっただけ ◾️判例、多数説 理論構成:一部請求の明示ありの場合 理由:後遺損害を除外する趣旨は前訴であきらか 批判通常明示なし → 反論)被告は理解していたはず ⑶結論:認められる 134 過失相殺:XがYに一部請求 → 原告Xに過失あり Q 一部請求の明示ありの場合、過失相殺はどの様になされるべきか ⑴ 事例​:XがYに損害賠償額1000万の内800万を請求 → 原告Xに4割の過失 ⑵ 問題の所在​:按分説 → 訴訟物理論(論理的整合性) VS 原告の意思(処分権主義) ⑶判例・学説 ◾️按分説(反対説) 結論)請求額を基準に過失相殺 → 過失相殺された額を認容 理由)訴訟物は請求額に限定    → 請求額を過失相殺 ◾️外側説-判例多数説 結論)全額を基準に過失相殺 → 請求額の範囲で認容 理由)原告は一部請求の範囲において請求権が現存していると期待 ※ 原告の意思の尊重(処分権主義) ※ 1000万は難しいが過失相殺されても800万円は満額貰えるだろうという期待

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    第6章 訴訟要件 1 訴訟要件総論

    ◻ 訴訟要件概要 ① 訴訟要件:本案の審理を続行して本案判決をするための要件(訴えの要件 ・ ≒ 訴訟条件) ※定義を書けるように ​・訴訟要件具備 → 本案判決:請求の当否について判断する終局判決 ​・訴訟要件欠缺 → 訴訟判決:訴えを不適法として却下する終局判決(請求の当否の判断なし) ② 目的:公益的要請(裁判制度の合理化・円滑化等) + 当事者の利益(手続保障等) ③ 種類 ・​裁判所に関係:裁判籍・管轄権 ・​当事者に関係:当事者の実在・当事者能力・当事者適格・有効な訴え提起及び送達・担保の提供 ・​訴訟物に関係:訴えの利益(二重起訴の禁止、再訴・別訴の禁止等)併合・新訴提起の要件 ④ 機能 ​司法の限界確定機能 ​→ 一定の事件以外について訴訟による紛争処理を排除 ​主体・客体の特定と選別 ​→ 適した当事者・事件を選定 ∴ 無益な訴訟を排除 ​裁判の適正確保 ​→ 適した審判主体による適正な裁判 ⑤ 訴訟要件欠缺の場合 ⑴ 補正:不備を直す事 ​⇒ 訴訟要件欠缺の場合、補正命令 → 補正されなければ却下判決34・137Ⅱ ⑵既判力:不存在とされた当該訴訟要件が存在しない点について生じる ⑥訴訟要件の判断の基準時:原則として本案判決の基準時 = 事実審の口頭弁論終結時 ⭐️Aランク ⑴補正されないか補正の余地がないと判断された場合 → その時点で訴え却下判決 ⑵管轄については起訴時を基準15 ◻ 訴訟要件の調査 ① 調査の開始と方法 ⑴調査の開始:その事項をとりあげて相応の処置をする ・​職権調査事項​:原則として当事者の申立てを待たないで裁判所が自ら調査を開始する事項 ​・抗弁事項​:当事者の申立てがあって始めて調査を開始する事項 ⑵調査の方法:資料の収集方法 ​・職権探知主義​:訴訟資料の収集を当事者だけでなく裁判所の職責でもあるとする建前 ・​弁論主義​:当事者の提出した訴訟資料のみで審理を行うとする建前 ② 訴訟要件の調査 ・​公共性の高い → 職権調査事項 +職権探知主義(当事者の実在、専属管轄、訴訟能力、代理権の有無) (⭐️例外:訴えの利益・任意管轄・当事者適格は弁論主義) ​・公共性の低い → 抗弁事項 + 弁論主義  (不起訴合意、仲裁契約、訴訟費用担保) ③ 審理の順序:本案審理と訴訟要件の審理は同時に並行してなされる

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    2 訴えの利益 12/24 Aランク

    ◻ 訴えの利益概要 ①訴えの利益:審判対象たる特定の請求が本案判決による争訟の処理に適するかどうかの判断基準 ​⇒ 一般的要件 → 三類型毎の個別の要件 ② 趣旨:原告の利益と公共的利益(制度運営の効率化)及び被告の利益(応訴の負担)の調和 ③一般的要件 ⑴法律上の争訟:法律関係ないし権利義務の存否 ・ 法律の適用により終局的に解決 ⑵ 二重起訴・再訴の禁止に該当しない142・262Ⅱ ⑶当事者間で訴訟制度を利用しないとの特約がないこと:不起訴の合意、仲裁合意 ⑷確定勝訴判決を得た者が重ねて訴えを提起する場合でない:完成猶予・更新のためなら可 ⑸ 訴権の濫用と評価される場合でない ◻ 給付の訴えの利益 ①給付の訴えの利益 (2類型) ​・現在の給付の訴え:口頭弁論終結時までに履行期が到来し現実化した給付請求権を主張する訴え ・​将来の給付の訴え:口頭弁論終結時までに履行すべき状態にならない給付請求権を主張する訴え ② 現在の給付の訴え:原則、訴えの利益がある ➢ 被告が履行を拒絶していない場合​​​​​→ 〇(訴えの利益有り) ➢ 給付判決を得ても給付の実現が不可能または著しく困難な場合(被告の資力が無いなど)​​→〇 ➢ 給付請求権に対し差押、仮差押、債務名義となる執行証書等がありの場合 ​→ 〇 ➢ 給付請求権に対し確定給付判決を受け、時効の完成猶予等の必要がある場合 → 〇 ③将来の給付の訴え⭐️Aランク:  原則、訴えの利益がない→例外的に認められる ⑴性質:紛争が現実化していない ⑵135条 :あらかじめその請求をする必要がある場合に認められる ⑶要件:請求適格(本案判決を受けるのに適する一般的な資格)+ 予め給付判決を得ておく必要 ④請求適格(将来の給付の訴えで訴えの利益が認められる要件①):履行期未到来又は条件未成就の債権等 → 認められる ∵ 請求権の原因となる事実が発生 Q 継続的不法行為に対する将来の給付の訴えにおける請求適格の存否の判断基準 ⑴ 事例 a) 空港の騒音公害に対し近隣住民が将来の損害賠償の支払いを求めた(大阪国際空港事件) b) 不動産の不法占拠者に対する明渡し完了までの賃料相当額の将来の損賠賠償請求 ⑵問題の所在:請求権の原因となる事実すら発生していない + 起訴負担の公平な負担(請求意義の訴えを被告に負わせるべきか、原告に履行期に現在の給付の訴えをさせるべきか、どちらにするべきかの問題) ⑶ 請求異議の訴え:債務名義により確定された請求権が変更されたことを理由に執行排除を求める訴え(100万円の確定判決→被告が強制執行前に弁済→強制執行を阻止するために被告は請求意義の訴えをしなければならない) ​⇒ 強制執行されそうになった場合に阻止する手段 → 被告負担or履行期に現在の給付の訴え ⑷ 判例:⭐️以下の要件を満たせば請求適格あり⭐️描けるように  a)請求権の基礎となるべき事実関係及び法律関係が既に存在しその継続が予測され、 b) 請求権の成否及びその内容につき債務者に有利な影響を生ずるような将来における事情の変動が、あらかじめ明確に予測しうる事由にかぎられ c) 請求異議の訴えによりその発生を証明してのみ執行を阻止しうるという負担を債務者に課しても格別不当とはいえない ※「かぎられ」を書くこと。「かぎられ」ていないとすると709成立をし阻止できる事情が無限にありうるので、都度被告が立証しなければならないとすると被告にとって不利。) ※bが認められればcも通常認められる。請求異議の起訴となる事実はbの要件により被告が立証しやすいものに限られるため。 ※長いので大阪国際空港事件の具体的な事例とともに覚えるのが良い ⑸ あてはめ 写真 ➢ 共有物を勝手に賃貸している共有者の一人に対し他の共有者が賃料の持分割合の支払を請求 ​⇒ 現在給付部分認容 + 将来給付部分却下 ∵ 賃料支払は賃貸人が左右できない = × b) ⑤予めその請求をする必要135(将来の給付の訴えで訴えの利益が認められる要件②):義務者の態度・当該給付義務の目的等を考慮し個別具体的に判断 ⑴ 義務者が争っている場合 ∵ 履行が期待できない  (a) 本来の給付請求(現在給付)と共に予め行う代償請求(将来給付)も可  (b) 代償請求:履行不能の場合にその同一の原因によって債務者が得た利益を請求する権利 (例:建物滅失の場合の保険金)  (c) 本来の給付請求と代償請求は単純併合の関係 ∵ 両立する ⑵義務の性質上認められる場合:定期行為、扶養請求権 ∵ 即時の強制執行が必要 ⑶義務者に既に不履行がある場合 ∵ 将来の履行が期待できない ◻ 確認の訴えの利益 Aランク ① 確認の利益:確認の訴えにおける訴えの利益 ⑴確認の訴え:特定の権利・法律関係の存在又は不存在を主張してそれを確認する判決を求める訴え a) 効果:既判力により権利の存否を観念的に確定 + 執行力なし b) 目的:将来の紛争を予防 ⑵問題点と必要性 ・​性質上、確認対象は無限に拡大しうる ​→ 限界付けが必要 ​・執行力を有しない ​→ 実際的な紛争処理機能を果たしうる場面が限定される ​⇒ 無用な訴えを排除すべき → 確認の利益は厳格に判断すべき ⑶ 判断基準(≒要件):ⅰ 確認の対象の適否、 ⅱ 即時確定の利益、 ⅲ方法選択の適否 ② 確認の対象の適否(要件ⅰ)   → ≒ 訴訟物 +無限に拡大に対応 ​・自己の、現在の、権利・法律関係の、積極的確認請求(権利が存在するという確認請求)の場合 → 〇 ​・他人の、過去または将来の、事実関係の、消極的確認請求(権利が存在しないという確認請求)の場合 → × ⇒ ただし、現在の法律上の紛争の直接的かつ抜本的な解決となる場合は認められる ⑴他人間の法律関係:原則、不可 ​ー例外〇:転借人による賃貸人・賃借人間の賃貸借契約確認、2番抵当権者による1番抵当権不存在確認 ⑵過去・将来の法律関係:原則、不可∵変動する →例外: (a) 過去の法律関係 ➢ 〇:夫婦の両者または子のいずれか一方の死亡後における親子関係存否確認の訴え ➢ 〇:認知者死亡後に被認知者の検察官を相手とする認知無効確認の訴え ➢ 〇:明文で認める → 婚姻等の無効確認の訴え、株主総会決議無効確認の訴え等 ➢ 〇:遺産確認の訴え ∵ 遺産分割審判手続において必要 ➢ 〇:遺言者死亡後の遺言無効確認の訴え ∵ 通常現在と関わる ➢ ×:ある財産が特別受益財産(民903)であることの確認を求める訴え ∵ × 抜本的解決 (b) 将来の法律関係 ➢ ×:遺言者の生前に遺言無効確認の訴えを提起 ∵ 民1022以下から抜本的な解決とならない ➢ 〇:将来発生する敷金返還請求権に対し確認の訴えを提起 ∵ 条件付権利現存 → 現在の法律関係 ⑶ 事実関係の存否:原則、不可 ∵ 司法の対象ではない ➢ 〇:明文で認める → 証書(書面)真否確認の訴え134の2 ⑷ 消極的確認請求:原則、不可 ➢ 〇:債務の不存在の確認 ➢ ×:所有権の不存在の確認 ③ 即時確定の利益(要件ⅱ):危険・不安が現存し、その除去のために確認判決が必要かつ適切 ※「危険・不安が現存」を描けるように。 ⑴ 危険・不安:原告の権利・法的地位に相容れない権利主張が被告によってなされる(≒争っている時) ➢争っていなくても認められる場合: 〇:時効の完成猶予・更新、 戸籍等の記載の誤りの訂正 ⑵ 危険不安があると言えるためには原告の具体的な権利・法的地位が必要(× 抽象的ではダメ) ➢ ×:相続財産分与の審判前に特別縁故者と主張する者が遺言の無効確認の訴え提起 ∵ 相続財産分与前の前では特別縁故者と主張する者には何らの権利なし ➢ 〇:敷金返還請求における即時確定の利益の具体性 ∵ 金額ではなく敷金の交付 ④ 方法選択の適否(要件ⅲ):確認訴訟の有効・適切 → 役割分担の問題 + 執行力を有しないに対応 ⑴給付の訴えを提起できる場合:原則、給付請求権自体の確認の利益なし ➢ ×:(貸金返還請求権・所有権に基づく返還請求権の確認等)請求権存在確認の訴え ∵ 給付が必要 ➢ 〇⭐️:(移転登記請求・明渡請求等が可能な場合等)所有権の確認の訴え ∵ 予防機能 ➢ ×:債務不存在確認訴訟の係属中に被告がその債務の支払いを求める反訴提起した場合の本訴 ⑵形成の訴えを提起できる場合:原則、確認の利益なし ⑶ 同一の手続内でできる場合:原則、確認の利益なし (Bランク) ➢ ×:具体的相続分※を確認する訴え ∵ 遺産分割審判の手続き内で行えば済む  ※遺産分割ではまず法定相続分を考えるが、法定相続分から減額等を経て具体的相続分が決定される ➢ ×:別訴で訴訟代理権の存否を確認する訴え ∵ 本訴 ◻ 形成の訴えの利益 ①形成の訴えの利益 → 原則として、所定の要件具備により認められる ​⇒× 訴訟係属中に事情変動により無意味となった場合 →具体的には: ➢ ×:重婚を理由とする後婚取消訴訟 → 後婚につき離婚 ➢ ×:会社役員を選任した総会決議取消訴訟 → 役員全員が任期満了により退任 ➢ 〇:免職処分取消訴訟を提起 →原告が辞職 ∵ 辞職するまでの給料請求(B+)

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    ⑶当事者適格

    ◻ 当事者適格の概要 ①当事者適格:当該訴訟物につき、当事者として訴訟を追行し本案判決を求めることができる資格 ⭐️定義書けるように ​当事者能力 →一般的に主体たりうるか ​≒ 権利能力​(例)× 死者・胎児 ​訴訟能力  → 単独で有効に訴訟行為ができるか ​≒ 行為能力​(例)× 未成年・重度知的障害 ​当事者適格 → 当該事件に対して当事者に適するか​​(例)× 知人・友人・他人 ②趣旨・必要性:紛争解決の必要性のある当事者を選別 ​⇒ 訴えの利益-訴訟物を選別 → 当事者適格-当該訴訟物との関係で当事者を選別 ③効果:当事者適格を欠く場合 → 訴訟要件欠缺として訴え却下 ​⇒ 〇 上訴事由 × 再審事由 ④判断基準 ⑴原則:訴訟物の内容をなす権利・法律関係の存否につき法律上の利害の対立する者 ※かける必要はないが「法律上の利害の対立する者」は言えるように。 ​・原告適格者:本案判決で保護されるべき訴訟物たる権利関係についての法的利益の帰属主体  ※「法的利益の帰属主体」を書けるように ​・被告適格者:当該法的利益に関し原告と対立関係にある者 ​⇒ ここでいう法的利益は実体的権利・義務に限られない → 〇 当事者 ≠ 訴訟物たる権利・法律関係の主体 例:確認の訴えに係る転借人、二番抵当権者 ⑴理由:切実な利益と関心をもつ ・ 攻撃防御の機会を保障 ・ 十分な訴訟追行を期待できる ⑵具体例 (Bランク) ​給付の訴え → 原告=給付請求権を訴訟上主張する者 (※本当に請求権があるかは関係がない。それ本案で審理する) ・ 被告=義務者であると主張される者 ​確認の訴え → 原告=確認の利益を有する者     ・ 被告=確認を必要ならしめている者 ​形成の訴え → 原告=明文で規定          ・ 被告=明文で規定 ⑶特殊な当事者適格 (出題されるのはここ) ​・固有必要的共同訴訟:関係者全員でのみ当事者適格 ​・民衆訴訟:利害関係なく当事者適格 ​・債権者代位訴訟:423の場合の当事者適格 ​・判決効が第三者に及ぶ場合・第三者の訴訟担当・選定当事者 ◻ 判決効が第三者に及ぶ場合 B➕ ​・法律で当事者を規定している場合  → 不適法による婚姻取消744・認知の訴え787等 ・​法律で当事者を規定していない場合 → 最も強い利害関係を持つ者(判例) ∵ 十分な訴訟追行 ➢ 権能なき社団がその総有的不動産につき所有権登記名義人に対し代表者名義への移転登記請求 ​⇒ 権能なき社団に原告適格あり ∵ 簡明かつ実体に合致 Q 法人の代表者の地位についての紛争において誰を当事者とすべきか B➕ ⑴ 問題の所在​:代表者個人とすれば最も充実した訴訟追行が期待できる↔︎法人なので対世効が必要 ⑵判例・通説​:法人が当事者 ⑶理由​:第三者との関係も含めた紛争解決には対世効が必要 ◻ 第三者の訴訟担当 (Aランク) ①第三者の訴訟担当:本来の利益帰属主体(本人)に代わり第三者が当事者適格を有する場合 ⭐️書けるように ⑴訴訟上の代理人との比較 ・​共通:第三者の訴訟行為による判決の効力が本人に及ぶ ​・相違:訴訟上の代理人 - 代理人     第三者の訴訟担当 - 当事者 ⑵ 特徴:代理人ではなく当事者そのもの + 判決の効力は本来の利益帰属主体に対しても及ぶ115Ⅰ二 ②第三者の訴訟担当の種類 法定訴訟担当  ​​ 担当者の利益のため​(例)代位債権者等(管理処分権あり) ​​ 本来の利益帰属主体のため​(例)破産管財人等 (管理処分権あり)  ​​ 職務上の当事者​(例)人事訴訟における検察官(管理処分権なし) ​任意的訴訟担当   ​法律で認められるもの​(例)選定当事者 ​​ 明文のないもの​(例)他人物売買の売主 ③法定訴訟担当:本来の利益帰属主体の意思とは無関係に法の規定により第三者が訴訟追行権を有する場合 ⑴担当者の利益のため a) 事例:代位債権者(民423)、債権質権者(民366)、差押債権者、株主代表訴訟の株主(会社847) b)管理処分権:債務者の管理処分権が排除されない(民423の5)   注)改正前:排除される(判例) ⑵本来の利益帰属主体のため (a) 事例:破産管財人、遺言執行者 (b) 管理処分権:排除されない ⑶職務上の当事者:本人の訴訟追行が不可能または困難な場合に一定の保護すべき職務にある者が担当 (例)婚姻事件での本人死亡後の検察官 ④任意的訴訟担当:本来の利益帰属主体の意思に基づいて第三者に訴訟追行権が付与される場合 ⑴法律でみとめられるもの (a)事例:選定当事者30、手形の取立委任裏書の被裏書人(手形18) (b) 明文なき任意的訴訟担当 Q 明文なき任意的訴訟担当の可否     ⭐️そもそも認められるのかが論点 ⑴問題の所在:弁護士代理の原則54Ⅰ → 明文なき限り不可 ⑵判例・通説 ​原則:許されない ∵ 54Ⅰの趣旨=非弁活動による当事者の利益侵害の防止 • 円滑迅速な訴訟運営 ​例外:54Ⅰの趣旨を潜脱するおそれがなく、かつ、認める合理的必要があれば許される ※例外的に許される条件を書けるように (a) 自己固有の利益を有する場合 (b) 訴訟追行権を含む包括的な管理権をもち権利主体と同程度以上に権利関係につき知識を有する場合 ※ a,b書けるように ⑶あてはめ: (a) 他人物売買の売主(写真) (b)組合の業務執行組合員、労働組合の組合員の労働関係の権利 ◻ 選定当事者 B➕(短答) ① 選定当事者制度:共同訴訟人となるべき多数者から代表者を選定 → 代表者が全員のために訴訟追行 ​・選定当事者​:選定当事者制度において代表者として選定される者 ・​選定者​:選定当事者制度において代表者を選定する者 ⑴条文:30 ⑵趣旨:訴訟の単純化・簡易化 ⑶性質:法で認められた任意的訴訟担当の一つ ②「選定」の要件30Ⅰ (短答) ⑴共同の利益:権利義務同種かつ原因同種 + 主要な攻撃防御方法を共通(判通) 注)  ≠ 必要的共同訴訟の要件、 共同訴訟の要件 ​(判例)〇 共同所有者、 同一事故の多数の被害者、 主債務者とその保証人 ⑵多数の者:2人以上 ⑶前条の規定に該当しない者:× 権能なき社団 ∵ 団体に当事者能力 ​注) 〇 民法上の組合 ∵ 29条の適用対象が不明確→民法上の組合は29条でも30条でも訴訟できる ③選定:訴訟追行を委ねる旨の選定者の選定当事者に対する意思表示 ⑴性質​:選定者の個別的単独行為 → × 多数決 ∴ 積極的な者のみが選定可 ⑵ 方法​:書面が必要(規則15参)、〇 原告側・被告側・訴訟係属前・訴訟係属後 ⑶ 追加的選定​:共同の利益を有する当事者以外の者が原告または被告を選定30Ⅲ → 〇 ④選定当事者の地位:選定者のために一切の訴訟行為ができる ​⇒ 選定当事者 = 当事者 ≠ 訴訟代理人 ⑤選定後 ⑴30Ⅱ:選定者は訴訟係属後選定により訴訟から当然に脱退(独立当事者参加は脱退行為が必要) ⑵30Ⅴ:複数選定当事者の一部が死亡 → 他の者が訴訟追行(全員死亡の場合は中断)

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    第四編 訴訟の審理 第7章 口頭弁論と訴訟の審理 Aランク

    1 口頭弁論 ◻ 口頭弁論概要 ①口頭弁論の意義(多義語) ⑴公開の法廷で、当事者双方関与のもと、裁判所の面前で、口頭で弁論及び証拠調べを行って裁判資料を収集し、それに基づき裁判をする審理方式 ⭐️⑴が基本の意義。書けるように。⑵⑶⑷の意義はBランク 方式 ⑵民事訴訟の審理手続(弁論手続及び証拠調べ手続)148等 → 公判(手続):刑事訴訟の審理手続 ⑶民事訴訟における当事者の口頭での弁論87等 ≒ 弁論 ⑷ 民事訴訟における個別の訴訟行為152等 ② 口頭弁論の基本原則:公開主義 ・ 双方審尋主義 ・ 直接主義 ・ 口頭主義 ※こうそうちょっこう ⑴ 公開主義(Bランク):裁判は国民一般の傍聴しうる状態で行うという原則(憲82) (a) 趣旨:裁判の公正を担保 (b) 例外:対審及び判決以外 → 争点整理手続、受命裁判官等の証拠調べ等、決定手続 ⑵ 双方審尋主義(Bランク):当事者双方の主張を述べる機会を平等に与えるという原則(憲32・14) (a) 趣旨:公平な裁判の実現 (b) 現れ:中断・中止124 ⑶ 口頭主義:弁論及び証拠調べを口頭で行うという原則87 (a) 趣旨:書面よりも新鮮 + ただちに釈明できる → 審理の充実・直接主義及び公開主義に寄与 (b) 現れ:口頭で陳述されたもののみが訴訟資料87参 (c) 例外:書面による口頭主義の補完(書面主義)  ∵ 誤解、脱落、忘却のおそれ ​・重要な訴訟行為 ​→ 書面を要求134Ⅰ等 ​・複雑な事実関係や法律構成 ​→ 準備書面を要求161Ⅰ ​・当事者の一方が最初の期日に欠席 ​→ 迅速性の観点から陳述擬制158 ・口頭弁論期日毎に手続を記録 ​→ 改)電子調書を作成160 (改正前-調書) ​・判決の言渡し ​→ 改)電子判決書を作成252(改正前-判決書) ⑷ 直接主義:弁論の聴取及び証拠調べを判決をする受訴裁判所又は裁判官自らが行うという原則249Ⅰ ※判決をする裁判官🟰審理をした裁判官 (a) 趣旨:正確な理解 → 適正・公平な裁判の実現(=口頭弁論の趣旨) (b) 現れ:249Ⅰ、受命裁判官等による証人尋問を限定195 (c) 例外:直接主義の修正 ∵ 訴訟不経済 ​弁論の更新:裁判官の交代 → 結果の陳述で足りる。証人尋問については直接主義を貫徹249Ⅱ・Ⅲ ​受訴裁判所以外による証拠調べ:相当と認めるとき → 受命裁判官、受託裁判官、大使等184・185 (d) 受命・受託裁判官 ​受命裁判官:受訴裁判所の裁判官が命を受け職務行為を行う場合の裁判官 ​= 受訴裁判所の一員 ※受訴裁判所の合議体の裁判官の1人が任命される。命令は合議体で決める。 ​受託裁判官:受訴裁判所から嘱託を受け当該事項の処理を行う場合の裁判官 ​≠ 受訴裁判所の一員 ​⇒ 相当と認めるときは証拠調べができる185、証人尋問については出頭できない場合等に限定195  ※受訴裁判所とは別の裁判所の裁判官 ◻ 口頭弁論の諸原則 Bランク ① 口頭弁論中心主義:訴訟の審理は口頭弁論の方式で行われるという原則 ② 口頭弁論と手続87Ⅰ ​・必要的口頭弁論の原則:口頭弁論を開いて審理を行わなければならないという原則 ⇒ 判決手続に妥当 ​・任意的口頭弁論の原則:口頭弁論を行うか否かは裁判所の裁量に委ねるという原則 ⇒ 決定手続に妥当 ③必要的口頭弁論の原則 ⑴趣旨:民事訴訟制度の公正を担保 → 国民の信頼を確保 ⑵ 内容 (a) 口頭弁論を行わなければ判決をすることができない (b) 口頭弁論に顕出された事実や証拠だけが裁判資料となる ​⇒ 弁論主義や職権探知主義の前提(口頭弁論でなければ弁論主義や職権探知主義は機能しない) ⑶web会議等による口頭弁論87の2:改)認める (a) 要件:相当と認めるとき + 当事者の意見聴取 (b) 効果:期日に出頭したものとみなす ⑷電子通信による手続 ​映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話 ​=web会議 +テレビ会議 ​音声の送受信により同時に通話​=電話会議 +上記 (a) web会議等​:重要な手続 (例)口頭弁論87の2Ⅰ、裁判所外の証拠調185Ⅲ、証人尋問204 (b) 電話会議 ​:簡易な手続 (例)審尋の期日87の2Ⅱ、弁論準備手続期日170Ⅲ、和解の試み89Ⅱ ④任意的口頭弁論 ⑴趣旨:決定手続 ∴ 付随的事項を対象 → 簡易・迅速な手続処理 ⑵内容 (a) 口頭弁論を開くか否かは裁判所の裁量による (b) 口頭弁論を開かない場合、審尋ができる87Ⅱ •​審尋:無方式で裁判所に陳述する機会を与える手続 •​対審:当事者双方が裁判所に陳述する機会を与える手続 ≒ 双方審尋 ​⇒ 実務は審尋が主、 〇 受命裁判官・電話会議 ⑤必要的口頭弁論の例外 ⑴判決の例外 (a) 補正ができない場合の却下判決140・290・313等 ​∵ 無意味 (b) 書面審理による上告棄却判決319(Bランク) ​∵ 法律審 → 書面審理だけが多い (c) 担保不提供による却下判決78 ​∵ 判断が容易 (d) 判決の変更256Ⅱ ​∵ 訴訟資料のみで判断可 ⑵裁判資料の例外:陳述擬制158

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    2 口頭弁論の準備

    ◻ 口頭弁論の準備総論 ① 口頭弁論の準備:争訟となる事実を確定 + 争点を整理 ② 趣旨:審理の充実、 審理の促進、 不意打ち防止 ⭐️趣旨3つ書けるように ③ 口頭弁論の事前準備制度 ※⑵a,bはAランク。他はBランク ⑴当事者主導(≒裁判所がほぼ関与しない)の制度 (a) 当事者照会制度 (b) 弁護士会照会制度 (c) 訴え提起前における照会 ⑵裁判所が関与する制度 (a) 準備書面⭐️ (b) 争点(及び証拠の)整理手続⭐️:準備的口頭弁論・弁論準備手続・書面による準備手続 (c) 期日外釈明 (d) 進行協議期日 ◻ 当事者主導の準備制度 Bランク ① 当事者照会制度:訴訟係属中、相手方当事者に対し、必要な事項に回答するよう書面により照会 ⑴条文:163Ⅰ ⑵回答方法:改正前-書面により → 改正後-書面又は相手方の選択により書面もしくは電磁的方法 ⑶効果:相手方に回答義務(信義則上の義務)、制裁なし、自由心証の対象、回答義務否定事項あり ②弁護士会照会制度:弁護士の受任事件 → 必要な事項につき弁護士会が照会 ⑴条文:弁護士23の2 ⑵効果:回答義務あり(判例) ③訴え提起前における照会:予告通知 → 訴え提起前に当事者照会 + 証拠収集処分を裁判所に請求可 ⑴条文:132の2以下 ⑵予告通知:訴えを提起しようとする者が被告となるべき者に対して訴えの提起を予告する通知 ⑶電磁的方法:改正前-不可 → 改正後-承諾を得ることで予告通知・照会可 ◻ 裁判所の関与する準備制度 ①準備書面:当事者が準備のために口頭弁論において陳述しようとする事項を記載して提出した書面 ※定義をそのまま覚える必要はない ​⇒ 訴状・上訴状に記載した必要的記載事項以外の記載 = 準備書面の記載(規則53Ⅲ) ⑴ 条文:161以下 ​⇒ 書面主義の大幅な採用、 簡裁では原則として不要 ∵ 簡易・迅速性276Ⅰ ⑵趣旨:審理の充実、 審理の促進、 不意打ち防止 ⑶提出方法:裁判所に提出し、かつ、相手方に直送(規則79Ⅰ・83) (a) 裁判長は提出期間を定めることができる162Ⅰ → 改)遅滞は理由説明が必要162Ⅱ(制裁なし) (b) 直送を受けた相手方は、受領書を直送した方・裁判所に提出(規則83) ⑷答弁書:訴状の送達を受けた被告が最初に提出する訴状に対する答弁や認否を記載した書面 (a) 性質:準備書面に準じる(規則79Ⅰ) (b) 答弁書不提出 + 口頭弁論期日に欠席 → 争いはないとみなす(全部認容)159Ⅲ ⑸ 記載内容161Ⅱ (a) 攻撃防御方法:本案・訴訟手続に関する事項、法律上の主張、事実上の主張、証拠の申立等 (b) 相手方の請求及び攻撃防御方法に対する陳述 → × 単純否認(理由記載が必要) ⑹提出・記載の効果:原則、準備(≠主張) → 口頭弁論期日において陳述(=主張)  (a) 出席当事者は相手方が欠席した口頭弁論においても記載事実を主張できる161Ⅲ ∵ 不意打ち防止 ​⇒ 準備書面に主張する事実を記載 → 期日に「陳述します」でOK ∴ 事実上の書面主義 (b) 陳述擬制:最初の口頭弁論期日に欠席しても欠席当事者が記載事項を陳述したと認められる158 ​⇒ 口頭主義の例外 ∵ 口頭主義 + 通常、被告欠席(予定無視) + 原告出席(予定通り) (c) 訴え取り下げの制限:被告の答弁書提出後の訴えの取下げには被告の同意が必要261Ⅱ ⑺提出・記載の要件:改)161Ⅲ各号のいずれか (a) 相手方に準備書面が送達 (b) 相手方から準備書面を受領した旨を記載した書面が提出 (c) 相手方が電磁的記録の閲覧・複写(91の2)をした ⑻不提出・不記載の効果:不記載の事実は、在廷していない相手方に口頭弁論で主張できない161Ⅲ Q 相手方が欠席した場合、出席当事者による準備書面に記載されていない証拠の申出が許されるか⭐️ ⑴ 問題の所在:161Ⅲの「事実」に証拠の申出が含まれるか ⑵判例:原則、証拠の申出を含む。欠席当事者にも十分予測できたとみられる証拠は証拠申出可 ⑶理由:不意打ち防止 ⑷あてはめ ・​記載あり → 証拠申出可 ・​記載なし → 証拠申出不可 但し、十分予測できたとみられる証拠は可 ②期日外釈明(Bランク):裁判長による口頭弁論期日外の釈明権・求問権の行使 → 電話等で聞いてみる ⑴条文:149 → 書記官もできる(規則63) ⑵趣旨:審理の充実、審理の促進 ③進行協議期日(Bランク):口頭弁論期日外で証拠調べ関連と進行について協議する期日 ⑴条文:規則95 → 当事者立会が原則。〇 電話会議・裁判所外・受命裁判官(規則96・97・98) ⑵趣旨:審理の充実、審理の促進 ④その他の準備的手続 ⑴証拠保全234 ⑵文書送付嘱託の申立226

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    ◻ 争点及び証拠の整理手続

    ①流れ:写真 ②争点(及び証拠の)整理手続の概要 【3つの種類】 ​ⅰ 準備的口頭弁論​:争点及び証拠の整理のために行われる口頭弁論 ​≒ 口頭弁論 ​ⅱ 弁論準備手続​:争点及び証拠の整理のために行われる準備手続 ​≠ 口頭弁論 ⅲ ​書面による準備手続​:書面による争点及び証拠の整理のために行われる準備手続 ​= 当事者不要 ​⇒ 口頭弁論との類似:準備的口頭弁論>弁論準備手続>書面による準備手続 ③準備的口頭弁論 → = 口頭弁論 ⑴条文:164以下 ⑵実施方法 (a) 開始​:裁判所が必要と認めるとき164 (b) 手続​:口頭弁論手続に従う(4原則が妥当) → 争点整理に関するあらゆる行為可 (c) 証拠調べ​:〇あるゆる証拠調べ(文書・準文書以外の証拠調べを含む)⭐️ ⑶終了:整理が完了したとき → 裁判所は、当事者との間で確認必要 + 裁判長は結果の要約書面の提出を求めることができる165 ④ 弁論準備手続 →≠ 口頭弁論 +当事者必要 ⑴ 条文:168以下 ⑵ 実施方法 (a) 開始​:裁判所が必要と認めるとき + 当事者の意見聴取168(同意は不要) (b) 時期​:口頭弁論期日外の期日 (c) 手続​:原則、非公開(関係者公開)の対席手続 → 口頭弁論の規定をほぼ準用170Ⅴ (d) 証拠調べ​:〇 文書・準文書の証拠調べのみ⭐️ ⑶終了:整理が完了した時 → 確認・要約書面は準備的口頭弁論と同じ、当事者は口頭弁論において結果の陳述が必要173 ⑷改正ポイント (a) 結果の提示:調査嘱託186Ⅱ、 尋問の書面提出205Ⅲ、 鑑定人の陳述方式215Ⅳ、 鑑定嘱託218Ⅲ ​⇒ 改正前-口頭弁論期日に提示 → 改正後-弁論準備期日においても提示可170Ⅱ (b) 電磁的記録の証拠調べ:改正前-規定なし → 改正後-可170Ⅱ (c) 電話会議等:改正前-遠隔地その他相当、かつ、一方が出頭 → 改正後-相当と認めるとき ⑤ 書面による準備手続 → 書面のみ + 当事者不要 ⑴条文:175以下 ⑵ 実施方法 (a) 開始:裁判所が必要と認めるとき + 当事者の意見聴取175 (b) 時期:裁判長による提出期間の定めが必要176Ⅰ (c) 手続:書面による手続 + 当事者不要 → 口頭弁論の規定を対席前提のものを除き準用176Ⅲ (d) 証拠調べ:不可 ⑶ 終了:整理が完了した時 → 結果の要約書面の提出可 → 裁判所は口頭弁論期日において確認が必要177 ⑷ 改正ポイント (a) 開始​:改正前-遠隔地その他相当 → 改正後-相当と認めるとき (b) 電話会議等​:必要があると認めるとき可176Ⅱ (c) 受命裁判官​:可176の2 Q 争点整理手続き終了後に新たな攻撃防御方法を提出した場合の処理⭐️ ⑴ 問題の所在:双方審尋主義 VS 争点整理手続きの実効性 → 調和の観点 ⑵結論 (a) 相手方当事者の求めにより終了後に提出する理由を説明する信義則上の義務(説明義務)を負う167、174、178 (b) 弁論の全趣旨としてしん酌されうる247 (c) 時機に遅れた攻撃防御方法の却下の際の、故意・重過失の判断に影響157 ⑶争点整理手続後の攻撃防御方法の提出を認める理由:仮定的主張による争点整理の遅延を防ぐ

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    争点整理手続3類型の比較

    写真

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    3 口頭弁論の実施 B➕(時期に遅れた攻防方法の却下はAランク)

    ◻ 口頭弁論の実施の原理 ① 審理方式の分類 (Bランク) ・​継続審理主義:一事件の審理を継続的・集中的に行い、その終了後に他の事件の審理に移行 ・​併行審理主義:複数の事件を同時に併行して審理 ​⇒ 争点整理手続 + 集中証拠調182 → 継続審理主義を採用(実務は併行審理主義)∵ 適正な裁判 ② 口頭弁論の一体性:口頭弁論終結に至る全ての口頭弁論は全体を一体と捉え等しく判決の基礎とされる ・​訴訟資料​:第一回口頭弁論期日・続行期日の弁論・証拠調べは全て同一の価値 ・​控訴審の口頭弁論​:第一審の口頭弁論と一体⭐️ ③攻撃防御方法の提出 ・​適時提出主義:訴訟の進行状況に応じて適切な時期に提出しなければならない ​・随時提出主義:口頭弁論の終結に至るまでいつでも随時に提出することができる ⑴条文​:156 → 適時提出主義を採用 ⑵適時提出主義の趣旨​:濫用の防止 + 緊張感の維持 ⑶適切な時期​:時間的遅速のみならず、信義則2との関係で総合考慮 ⑷効果​:制裁規定なし → 訓示規定 ④時機に遅れた攻撃防御方法の却下:時機に遅れた攻撃防御方法 → 一定の要件を満たすと却下 ⑴ 条文:157 ⑵ 要件 →156と区別 (a) 故意又は重過失 → 当事者を基準 ​・法律知識の程度※、攻撃防御方法の種類、既に提出してある攻撃防御方法との関連 等で判断 ​・相殺の抗弁、建物買取請求→ 重過失は認められにくい(通説) ∵ 出えん(出捐)を伴う実質敗訴 ※ 弁護士を使わないと重過失は認められにくい (b) 時機に遅れて:実際に提出された時点より以前に提出すべき機会があった場合⭐️書けるように ​・弁論全体(一審・二審)を通じて判断 (c) 訴訟の完結を遅延:当該攻撃防御方法に関する審理がなければただちに終結できる段階にある⭐️書けるように ​・即時に取調べうる証拠 → 却下できない(通説 ⑶効果:裁判所は申立または職権により決定で却下できる(実務上はまれ) ※決定は「裁判所」が行う ◻ 口頭弁論の諸制度  ① 口頭弁論の制限・分離・併合 B➕ ・​条文:152 ・​趣旨:審理の整理 ・​特徴:原則、裁判所の任意 ⑴弁論の制限:訴訟物が複数 or 複数の独立した攻撃防御方法 → 1つに審理を制限 ​(例)損害賠償請求 → 被告が時効及び弁済を主張 → 時効を審理(弁論の制限) ⑵弁論の分離:訴えの併合がなされている場合 → 各請求を別個に審理 ​(例)売買代金請求及び貸金返還請求 → 売買代金請求、貸金返還請求を別個に審理 (a) 効果​:各請求個別に判決 → 判決に矛盾・抵触のおそれまたは性質上併合が必要 の場合不可 (b) 分離不可​:必要的共同訴訟、予備的併合訴訟、独立当事者参加 等 ⑶ 弁論の併合:別々に継続している複数の請求 → 結合させ同一の訴訟手続で審理・判決 (a) 趣旨:審理の整理、 判決の矛盾・抵触を防止 (b) 要件:訴えの客観的併合及び共同訴訟の要件具備 Q 個別の手続でなされた証拠調べの結果を、併合後に援用なしで証拠資料として利用できるか ⑴問題の所在:個別の訴訟は別個の手続 → 援用が必要(反対説)? ⑵結論 ​判例・通説:援用なしに利用できる ​但し152Ⅱ:当事者を異にする → 手続に立会わなかった当事者が証人尋問申出 → 再尋問必要 ⑶ 理由 ​訴訟経済、弁論の併合の趣旨(矛盾判決の防止・訴訟の簡易化) ​但し152Ⅱ:手続保障(併合後の当事者の不意打ち防止) ②弁論の終結・再開 Bランク ⑴弁論の終結:裁判所が原告の請求につき認容または棄却との心証を得たときに行う口頭弁論の終了 (a) 条文:243・354参 (b) 流れ:証拠調べ → 最終準備書面の提出 → 弁論の終結宣言 → 判決期日の指定 → 判決 ⑵弁論の再開:弁論終結後、判決前に弁論の終結宣言を取消し弁論を再開・続行する裁判所の措置 ※弁論終結後判決前がポイント (a) 条文:153 (b) 決定:職権で行う153、但し特段の事情があれば再開すべき(判例) ③ 訴訟手続の停止:係属中に一定の事由が発生 → 手続が法律上進行しない状態になる ∵ 双方審尋主義 (Bランク) ​・中断:当事者が交代すべき事情が生じた場合 ・​中止:職務執行が不能となる事情が生じた場合 ⑴ 中断124 (a) 中断事由(B ランク) ・​当事者の死亡→通常共同訴訟では他へ影響なし            必要的共同訴訟では全員中断 ・​選定当事者の資格喪失​→ 一部の者が喪失-中断しない ・ 全員喪失-中断する ​・訴訟能力・法定代理権の喪失 (b) ポイント:交代必要、訴訟代理人がいれば中断しない、受継or続行命令により進行、〇 判決言渡 ⑵ 中止130・131 (a) 中止事由:天災その他の事由、当事者の故障 (b) ポイント:交代不要、受継不要、× 判決言渡 ◻ 当事者の欠席 ①当事者の欠席の概要 ⑴対席判決主義:欠席者を出廷しているのと同様に扱い、欠席者に不利となる判決を避ける原則 ​⇒ 準備書面の提出のもと採用、 必要的口頭弁論の例外 ∵ 訴訟の遅延防止と当事者の保護 ⑵当事者の欠席の処理 (a) 最初の期日 ​•一方の欠席 → 陳述擬制あり158 •​双方の欠席 → 1月以内に期日指定申立  (b) 続行期日 •​一方の欠席 → 陳述擬制なし  •​双方の欠席 → 1月以内に期日指定申立 ②一方の欠席 ⑴ 最初の期日 → 陳述擬制あり158 ⇒ 続行期日 or 判決 (a) 審理:欠席した当事者の陳述擬制 + 出頭した当事者の陳述 (b) 手続:〇 証拠調べ183、準備書面で明らかに争っていない → 擬制自白159Ⅲ ➢ 158の最初にすべき口頭弁論の期日 = 実際に最初になされる期日 ≠ 最初に定められた期日 ⑵続行期日 → 陳述擬制なし ⇒ 続行期日 or 判決 (a) 審理:準備書面提出しても相手の主張を認めたことになる(簡裁は続行期日でも陳述擬制あり) ③双方の欠席 → 1月以内に期日指定申立 → なし or 連続して2回欠席 → 取下げ擬制263 ​⇒ 最初の期日・続行期日共に適用、 上訴にも適用292Ⅱ・313 ∵ 続行の意思なし ④判決:一方又は双方が欠席 → 裁判所が相当と認めるとき、判決可244(実務上双方欠席が主) ​⇒ 一方が出席の場合 → 出席当事者の申出があるときに限り可 ◻ 口頭弁論の記録 ⭐️ Aランク ①改正の概要 ​・訴訟記録のIT化​:改正前:口頭弁論調書で記録 ​→ 改正後:電子調書で記録 ​・個人情報の保護​:改正前: 閲覧制限なし∵ 公開原則 ​→ 改正後:閲覧制限あり・秘匿制度創設 ②電子調書:手続の方式、内容、経過等の記録及び公証のために作成する電磁的記録 ⑴口頭弁論160:改)裁判所書記官による期日ごとの作成が必要 → ファイルに記録 ​⇒ 口頭弁論の方式に関する規定の遵守はファイルに記録された電子調書によってのみ証明できる ⑵更正160の2:改)明確な誤り → 申立又は職権でいつでも更正可 ∵ 内容の変更ではない ③訴訟記録:事件に関し、当事者が提出したまたは裁判所が作成した書類等の裁判所書記官が管理する記録 ・​非電磁的訴訟記録​:電磁的訴訟記録以外の訴訟記録 ・​電磁的訴訟記録​:電子計算機に備えられたファイルに記録された訴訟記録 ⑴訴訟記録の閲覧・謄写等:改)91・91の2 ⑵秘密保護のための閲覧等の制限92 (a) 趣旨:何人も閲覧可 → 重大なプライバシー及び営業秘密保護の必要 (b) 手続:当事者の申立 + 疎明 → 該当事項の閲覧等の請求ができる者を当事者に限ることができる  ​⇒ 閲覧等制限の申立がある場合、確定まで第三者は該当事項の閲覧請求等不可 (c) 営業秘密の目的外使用:改)閲覧等制限申立 → 電磁的訴訟記録に適切な措置ができる92Ⅸ・Ⅹ (d) 第三者の訴訟参加:閲覧等制限申立 → 参加があった旨の通知要 ∵ 秘匿決定申立の機会を確保 ④ 秘匿制度:改)当事者に対し訴訟記録の閲覧等を制限する制度133~133の4 ⑴ 改正ポイント:改正前 - 当事者に対する閲覧制限なし → 改正後 - 当事者に対する秘匿制度創設 ⑵ 趣旨:被害者保護 ⑶秘匿制度の概要 ​訴訟記録(特に住所・氏名)の閲覧等を制限 ​調査嘱託の結果の閲覧等を制限 ​秘匿決定の取消、閲覧等の許可、家事事件等への適用 ⑷ 訴訟記録の閲覧等の制限 (a) 対象:「申立等をする者又はその法定代理人」の「住所・氏名及びその推知事項」 ​〇:「X、Y、補助参加人、当事者参加人、親」の「住所・氏名・職場・本籍」 ​×:「証人、(親を除く)親族」の「住所・氏名・職場・本籍」 (b) 要件:疎明 + 社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれ (c) 手続:申立及び秘匿事項の届出 → 決定まで他の当事者等の閲覧等も制限 → 秘匿決定  (d) 効果:代替事項の記載により真の住所等は不要 + 他の手続にも及ぶ ⑸調査嘱託の結果の閲覧等を制限:要件充足の場合に職権で制限可 (a) 要件:送達のため氏名・住所等の調査嘱託 + 上記要件おそれが明らかである (b) 対象:調査嘱託の結果が記載された書面及びその送達に関する書面等 ⑹ 取消等 ​秘匿:認容決定-× 即時抗告(∵取消しがあるため) ・ 却下決定-〇 即時抗告 ​取消:要件を欠くことを理由に可、 ​→ 〇 当事者・第三者申立 ​許可:実質的不利益のおそれ + 裁判所の許可 により閲覧可 ​→ 〇 当事者申立 ​⇒ 取消・許可の裁判には秘匿対象者の意見聴取が必要(必要的陳述聴取)

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    第8章 審理の進行と訴訟行為

    1 審理の進行 ◻ 審理の進行総説 ①審理における活動 ​判決の基礎となる事実や証拠を収集・提出 ​→ 事案の解明・内容 ≒ 審理の内容面 ​弁論・証拠調べ手続を実際に運営 ​→ 審理の進行・整理 ≒ 審理の進行面 ② 活動の主導権 ​・当事者主義​:訴訟の審理における主導権を当事者に委ねるという原則 → 弁論主義・処分権主義 ・​職権主義​:訴訟の審理における主導権を裁判所に委ねるという原則 → 職権進行主義・職権探知主義 ​⇒ 主導権がある ∴ 責任を負う ③ 役割分担 ⑴ 審理の内容面 ​・通常の民事訴訟の本案:原則、当事者主義 (→ 弁論主義)。釈明権で補正 ​・公益性・対世効がある:職権主義 (→ 職権探知主義) ⑵審理の進行面  ​原則:職権主義 → 職権進行主義 ​修正:申立権・責問権で補正 ◻ 裁判所の訴訟運営 B➕ ①職権進行主義:審理の進行及び整理が裁判所の主導権のもとに行われるという原則 ⑴趣旨:訴訟の効率的運営 ⑵帰結:裁判所に広範な訴訟指揮権を認める → 148・149等 ②訴訟指揮権:審理の適正・迅速・円滑な進行のために裁判所に認められた審理の主宰権能 ⑴ 主体:原則、裁判所 ⑵ 裁判長 (a) 訴訟指揮:弁論・証拠調べ → 裁判長が行使148 + 合議体の審理 → 主な発言機関 (b) 独自権限:期日指定93Ⅰ、 訴状審査137 ⑶行使方法:事実行為 + 裁判(弁論の併合・分離・制限等) ​⇒ 合目的的処置 ∴ いつでも取消・変更可120・152Ⅰ等 ⑷具体例 ・​進行:期日指定93Ⅰ、移送17、準備手続162等 ・​審理:訴訟指揮148、釈明権149、時機に遅れた攻撃防御方法の却下157、 ・​裁判:弁論の制限・分離・併合・再開152、中間判決245、一部判決243 ③申立権:審理の進行・整理につき裁判所の訴訟指揮権の発動を求める当事者の権限 ⑴ 趣旨:迅速・経済と適正・公平の調和、 当事者保護 ⑵ 効果 ​・明文規定あり → 裁判によって許否を明示 (例)移送17、求問権149Ⅲ、時機に遅れた157等 ​・明文規定なし → 陳情 ④ 責問権:訴訟行為に手続に関する規定の違反がある場合に異議を述べてその無効を主張しうる訴訟上の権能 ⑴条文:90参 → ≒ 異議権 ⑵趣旨:手続の合法性の監視 ・ 当事者の利益 ⑶ 対象:裁判所と相手方当事者の訴訟手続に関する規定の違反(→ 形式的事項) ⑷責問権の放棄・喪失:違反につき、過失又は悪意により責問権不行使 → 放棄・喪失 ≒ 瑕疵が治癒 (a) 趣旨:手続安定と訴訟経済 (b) 対象:任意規定だけが責問権の放棄・喪失の対象 (c) 任意規定:私益性の強い規定 → 主に、当事者の不利益となる  ​(例)訴えの変更(請求の基礎変更)、反訴(請求との関係)、送達、証拠調べ(宣誓なし) (e) 強行規定:公共性の強い規定→ 主に、訴訟制度の維持に不可欠  (例)訴えの変更(著しい遅滞)、除斥、専属管轄、公開主義、弁論の更新、判決の言渡し ※強行規定は瑕疵が治癒されない ⑤ 計画審理:民事訴訟の適正・迅速のため計画を立てて審理 → 特定事項・争点整理・証拠調等 (Bランク。試験には出ない) ⑴対象 ・​一般的事件:計画的な進行を図らなければならない147の2 ​⇒ 努力義務 ・​複雑な事件:適正・迅速な審理が必要 → 計画を定める147の3 ​⇒ 法的義務 ⑵特定事項 → 審理計画あり → 攻撃防御方法の提出期間の定め可 ​⇒ 不提出 + 進行に支障 → 申立又は職権で却下できる157の2 2 訴訟行為 ⭐️Aランク ◻ 当事者の訴訟行為 ①訴訟行為:裁判に向けて訴訟手続を展開させていく当事者及び裁判所の行為(⭐️Aランクで書けるように) (例)申立、主張、挙証、訴訟契約、期日指定、 送達、証拠調べ、裁判 ​⇒ 訴訟法上の効果が発生 → 実体法上の効果と区別 ② 訴訟行為の特徴 ◾️訴訟行為 ・必要な資格:訴訟能力 ・方式: 原則:口頭  例外:書面 ・撤回: 原則、可(取効的訴訟行為について) ・意思表示の瑕疵: 原則、民法規定の適用なし ・条件付行為: 原則、不可 ◾️(参考)法律行為 ・必要な資格:行為能力 ・方式: 原則:口頭  例外:書面 ・撤回: 原則、不可 ・意思表示の瑕疵:   民法規定の適用により無効・取消 ・条件付行為: 原則、可 ※取消:効果-遡及的に無効、 対象-取消されるまでは有効 ※撤回:効果-将来的に無効、 対象-未だ効力不発生 ​⇒ 取消の意でも用いる ③訴訟行為の種類 ・​裁判所主体​→訴訟指揮(決定・命令等)、判決    ​・当事者主体 ※覚える ​ - 取効的訴訟行為 ​→ 申立、主張、挙証   ​ ー 与効的訴訟行為 ​→ 単独行為(撤回・取下・放棄等)、訴訟契約  ⑴ 裁判所との関係による分類 ・​取効的訴訟行為:裁判所に対し特定の裁判をなすことを求める行為 ​→ 裁判所の行為により目的達成 ・​与効的訴訟行為:直接訴訟法上の効果を生じる行為 ​→ 裁判所を介さずに目的達成 ​⇒ 取効的訴訟行為は原則、裁判所に応答義務あり・応答前なら撤回可(与効的訴訟行為は共になし) ​⇒ 訴えの申立・証拠申出・自白の撤回(取効的訴訟行為)の撤回には例外として、制限あり ⑵ 内容による分類 ​・申立​:当事者が裁判所に対し一定の訴訟行為を求めること → 裁判所に応答義務あり ​・主張​:本案の申立を基礎づけるための裁判資料の提出 ​・挙証​: 証拠調べの申出 ​・訴訟契約​:当事者等が特定の訴訟につき影響を及ぼす一定の効果の発生を目的としてする合意 ​ その他、抗弁(主張の一種)、単独行為(撤回・取下・放棄等)もある ④ 当事者の訴訟行為:原告 ⇔ 被告 で訴訟行為を積み重ね + 裁判所が訴訟指揮のもと司会・進行 ⑴ 本案の申立(Ⅹ) 【応答】  ​・請求の認諾:請求に理由があることを認める被告の裁判所に対する意思表示(Y) ​ ・請求の放棄:請求に理由がないことを自認する原告の裁判所に対する意思表示(Ⅹ) ⑵攻撃方法の提出(Ⅹ)・防御方法の提出(Y)  ・​法律上の主張:当事者が事実に対して法律を適用した法律効果を述べること ​(例)貸金返還請求権あり ​ ・事実上の主張:事実の存否に関する当事者の認識または判断の報告    ​(例)金銭授受・返還合意  ※事実上の主張が認められて初めて法律上の主張が認められる 【応答】 ​・法律上の主張 → 権利自白 ・​事実上の主張 → 否認・不知・自白・沈黙 ⑶挙証 抗弁の種類 ⑷抗弁と再抗弁 ​・抗弁​:事実として両立・効果を排斥・被告に証明責任​(例)売買 → 錯誤95Ⅰ ​・再抗弁​:抗弁に対する原告の再反論​(例)重過失95Ⅲ ​⇒ 再々抗弁:被告の更なる再々反論 ・・・ ⑵ 主張共通の原則による分類 ​・事実抗弁:権利の発生・変更・消滅原因事実が主張されていれば足りる抗弁 ​(例)弁済 ​→ 一方当事者の主張により判決の基礎にできる ・​権利抗弁:権利の発生原因事実が主張されても訴訟上権利行使を主張されなければしん酌できない抗弁 ​(例)取消権、解除権、相殺権、留置権、533 ​→ 主張すべき当事者が主張しないとしん酌できない ⑶優先順位の拘束による分類 (a) 仮定的抗弁:複数の主張ないし抗弁につき、仮定条件ないし順位を付して抗弁を主張する場合 ​⇒ 裁判所は順位に拘束されない ​(例) 貸金返還請求訴訟 → 1否認(弁済等も可)、2消滅時効 ​→ 裁判所は消滅時効を先に審理・判断可 (理由が異なるだけで結論は変わらないため) (b) 予備的抗弁:仮定的抗弁につき、仮定条件ないし順位通りに審理・判断がなされる場合 ​⇒ 裁判所は順位に拘束される ​(例)貸金返還請求訴訟    → 1否認、2相殺 ​⇒ 裁判所は否認を審理・判断後に、相殺を判断 仮定的抗弁と予備的抗弁の違いを抑える Q 抗弁の審理の順序 ⑴ 事例:貸金返還請求訴訟 → Yが1-否認、2-消滅時効・弁済・相殺を主張 → 審理の順序 ⑵結論 ・​消滅時効・弁済(仮定的抗弁) ​→ 拘束されない ​∵ 理由中の判断には既判力が及ばないため ・​相殺(予備的抗弁)​→拘束される   ​∵ 既判力が及ぶ ≒ 実質的敗訴 Q 訴訟上の相殺の抗弁に対する、訴訟上の相殺の再抗弁の可否 ⑴事例:貸金返還請求訴訟 → Yがα債権による相殺の抗弁 → Xがβ債権による相殺の再抗弁 ⑵判例:許されない ⑶理由:裁判所が判断 → 仮定の上に仮定が積み重ねられ法律関係が不安定化 ◻ 訴訟行為の評価 Bランク ② 瑕疵ある訴訟行為:無効、不適法、理由のない訴訟行為 ​⇒ 効力規定に違反 → 一定の場合瑕疵の治癒を認める → 治癒なければ排除 ∵ 手続安定・当事者救済 ⑴追認:事後的に確定的なものにする当事者の一方的な意思表示 ​⇒ 無権代理・訴訟能力34Ⅱ・Ⅲ・59 ⑵ 補正:事後的に当事者が不備を直す(補充・訂正をする)行為 ​⇒ 法定代理人・選定当事者・訴訟代理34Ⅰ・59 ⑶瑕疵の治癒(狭):判決の確定又は責問権の放棄・喪失による瑕疵の治癒 ​⇒ 例外あり → 判決の確定 - 再審事由338Ⅰ、 責問権の放棄・喪失 - 強行規定違反 ⑷追完:不変期間(裁判所が自由に伸縮できない法定の期間)後、一定の期間内に必要な行為をする ​⇒ 当事者の責めに帰することができない期間徒過の場合、1週間以内の追完可97Ⅰ ◻ 訴訟契約 ⭐️Aランク ① 訴訟契約:当事者等が特定の訴訟につき影響を及ぼす一定の効果の発生を目的としてする合意 ※特定の訴訟についてがポイント (a) 主体:当事者または当事者となるべき者 (b) 任意訴訟禁止の原則:手続内容を当事者の合意で任意に変更できないとの原則 ​∵ 訴訟手続の画一化・定型化 → 手続安定 (c) 明文のある訴訟契約:管轄の合意11、 飛躍上告の合意281Ⅰ、 最初の期日の変更の合意93Ⅲ ​∵ 処分権主義、弁論主義 Q 明文のない訴訟契約の有効性 ⭐️Aランク ⑴ 事例​:特定の訴訟につき、明文規定のない訴訟上の合意(取下・不起訴等) ⑵問題の所在​:任意訴訟禁止の原則 → 不可↔︎処分権主義または弁論主義 → 可 ⑶通説 処分権主義・弁論主義の妥当する範囲内の事項であり、かつ、​いかなる不利益を受けるかが明確に予想されるなら認められる ⭐️書けるように ⑷ 理由​:処分権主義・弁論主義が支配する領域 → 本来、当事者の自由 Q 明文のない訴訟契約の法的性質 ⑴事例:明文規定のない訴訟上の合意 → 上記要件充足 → 契約の効果 ⑵ 問題の所在:実質的には訴訟法上の合意・形式的には実体法上の合意 ⑶学説 ・訴訟契約説(反対説) 内容:直ちに訴訟法上の効果が生じる 結果:当然に職権で考慮 理由:目的が訴訟法上の効果 ・私法契約説(通説) 内容:実体法上の作為・不作為義務が生じる 結果:抗弁という形で訴訟上主張できる → 違反は訴えの利益なしとして却下 ≒ 間接的に訴訟法上の効果が生じる 理由:訴訟外でなされたもの ②不起訴の合意:特定の権利・法律関係につき、訴えを提起しないことを約する私人間の合意 Q 有効性​:訴訟物たる権利が当事者の処分に服するもの、かつ、特定された紛争 であれば認められる Q 違反​:(私法契約説)→ 抗弁として主張可 → 訴えの利益なしとして却下すべき ③ 不控訴の合意:上訴権を発生させない旨の当事者の合意 Q 有効性​:双方とも控訴しない旨の合意であれば認められる → 一方のみは不可(判) Q 違反​:不適法として却下 ④ 訴えの取下の合意:訴訟係属後に当事者間で訴訟外においてなす訴えを取下げる旨の合意 ​⇒ 訴訟内での訴えの取下げ → 訴訟契約ではなく、単なる訴えの取下261 Q 有効性​:認められる ∵ 処分権主義 ・ 効果が明確262 Q 違反​:(私法契約説)→ 抗弁として主張可 → 訴えの利益なしとして却下すべき ⑤ 証拠契約 ​広義:事実の確定方法に関する当事者の合意​(例)自白契約、証明責任の所在、事実推定 ​狭義:上記の証拠方法に関する当事者の合意​(例)書証に限定 ≒ 証拠制限契約 Q 有効性​:弁論主義の範囲内ならば認められる ∵ 弁論主義 ・ 効果が明確 → 〇 証拠制限契約 Q 違反​:(私法契約説)→ 証拠能力を欠缺 → 証拠の申出を却下すべき Q 限界​:自由心証主義 → 事実推定・証拠力を制限 等は不可 ∵ 自由心証主義に反する ⑥ 自白契約:期日において特定の事実を認めて争わない旨の合意 Q 有効性⭐️ ​主要事実 ​→ 認められる ​∵弁論主義 ​間接事実・補助事実 ​→認められない     ​∵ 自由心証主義に反する Q 違反:(私法契約説)→証拠能力を欠缺 → 証拠の申出を却下すべき Q 効果:証拠による認定を不要 ◻ 形成権の行使と信義則 ①形成権の行使:私法上の行為 ・ 訴訟法上の行為 ​訴訟外で行使 ​→ 訴訟上主張 ​⇒ 私法・訴訟法により規律  ​訴訟外で不行使 ​→ 訴訟上、口頭弁論で直接行使 ​⇒ 私法・訴訟法により規律? Q 訴訟行為としての意義を喪失後、実体法上の効果が存続するか ⑴事例:相殺の抗弁を訴訟手続で主張 → 時機に遅れた攻撃防御方法として却下 → 相殺の効果? ⑵問題の所在:法的性質 → 私法上の行為 or 訴訟上の行為 ⑶学説 ・私法行為(反対説) 性質)私法上の形成権行使  →訴訟外不行使で訴訟上行使の場合も、私法上の相殺と同じ 理由)偶然に裁判上行使 批判)被告に酷 (自動債権も請求できなくなってしまう 114) ・訴訟行為説(反対説) 性質)単なる訴訟行為(私法上の効果は生じない) 理由)資料提供行為(訴訟では判断の資料を提供したに過ぎない) 批判)私法上効果なしは疑問 ・条件説(多数説) 性質)訴訟行為としての意味を失ったときには失効するという条件付法律行為 理由)妥当な結論 ②信義則:信義に従い誠実に訴訟を進行 ≒ 実体法と同様 → 最後の手段として適用しうる ⑴条文:2 → 民訴でも明文あり ⑵ 訴訟上の禁反言:先行行為と矛盾する訴訟行為の効力を否定 ➢ XがYに貸金返還請求 → Yは契約成立を否定しかし、前訴(Xに債権譲渡したAとの訴訟)では認めていた → Yの主張は不可 ➢ 訴状提出後送達前にYが死亡 → 相続人が訴訟承継し控訴審まで追行 → 上告審で訴訟承継無効不可 ⑶訴訟上の権能の失効:訴訟上の権能の長期間の不行使等 → 信義則により失効 ⑷訴訟状態の不当形成の排除 ➢ XがY社に賃料明渡請求 → 代表Aが自白 → Z社を設立しその代表Aとして自白を否定 → 不可 ⑸訴訟上の権能の濫用の禁止 ➢ 原告敗訴で訴えの提起に不法行為が成立するか → 著しく相当性を欠くと認められるなら不法行為成立

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    第9章 弁論主義 A➕

    1 弁論主義 ① 事実・証拠及び法律上の主張 → 判決の基礎となる → 判決 ​・弁論主義​:判決の基礎となる事実と証拠の収集・提出は当事者の権能かつ責任であるとする建前 ​・職権探知主義​:判決の基礎となる事実と証拠の収集・提出は裁判所の職責でもあるとする建前 ⑴職権探知主義との比較 ​私益的審理対象→弁論主義が妥当 ​公益的審理対象→職権探知主義が妥当(人事訴訟、破産関係、裁判権、専属管轄等) ⑵処分権主義との比較 ​・処分権主義​:手続外在的問題 ​→ 訴訟の処分権限・入口または出口の問題 ​・弁論主義​:手続内在的問題 ​→ 訴訟手続内部での審理の進め方の問題 ②趣旨:私的自治の訴訟法的反映 ≒ 実体法=私的自治 → 判決内容も当事者の意思を尊重 ③弁論主義の内容( A➕書けるように) (a) 第1テーゼ ​裁判所は当事者が主張しない事実を判決の基礎とすることはできない (b) 第2テーゼ ​裁判所は当事者に争いのない事実はそのまま判決の基礎としなければならない (c) 第3テーゼ ​当事者間に争いのある事実を証拠によって認定する場合には当事者の申出た証拠によらなければならない ④職権探知主義の内容 (弁論主義のテーゼの裏返し) ​裁判所は当事者の主張しない事実をも裁判の資料とすることができる ​当事者の自白は裁判所を拘束しない ​裁判所は職権で証拠調べをすることができる 2 弁論主義の適用対象  ①事実の種類 ⑴主要事実:法律効果の発生に直接必要な事実 = 実体法上の要件にあたる事実 ≒ 直接事実・要件事実 ​(例) 金銭消費貸借契約に基づく貸金返還請求 → 587の要件事実 → 返還合意 + 金銭授受 ⑵間接事実:主要事実の存否を推認させる事実 ​(例) 上記事例 → Xが貸金と同額を引落、Yが貸金と同額の車を購入、返済計画書を提出 ⑶補助事実:証拠の証明力に関する事実 ​(例) 上記事例 → 借用証書のYの印鑑が三文判(どこでも買える安い印鑑)、 借用証書をYが作成 ②証拠の種類 ⑴直接証拠:主要事実を直接証明する証拠 → 推認の過程がない ​(例) 金銭消費貸借契約書、 第三者の証言、 ⑵間接証拠:間接事実及び補助事実を証明する証拠 ​(例) 通帳、 車の売買契約書、 三文判、 筆跡鑑定書 Q 弁論主義の対象となる「事実」とは何か? ⭐️A➕ 超重要 ⑴ 事例:交通事故 → 不法行為709に基づく損賠請求 → Xは飲酒運転を主張・Cは脇見運転の心証 ​⇒ 709の要件は過失 → 飲酒運転・脇見運転は共に間接事実、Xは脇見運転の主張なし ⑵問題の所在:弁論主義の明文なし +主要事実である場合「過失」は 抽象的概念 → 弁論主義の対象となる「事実」により結論が異なる ⑶学説・判例 (判例通説が重要) ・反対説 結論) 主要事実・間接事実 理由) 主に、間接事実の積み重ねにより要件事実の存否を証明 ・判例 結論)主要事実 理由)  必要性:自由心証主義に反するおそれ ∵ 間接事実・補助事実は証拠と共通の機能  許容性:勝敗に直結する事実たる主要事実を対象とすれば十分 ∵ 弁論主義の機能(当事者の意思の尊重) ・通説・実務(現判例?) 結論)主要事実・準主要事実 理由)一般条項・抽象的概念はその存否の判断に法的評価を要する 弁論主義の機能(不意打ち防止) ​・⭐️補足:一般条項・抽象的概念についてはこれを基礎づける具体的事実を準主要事実として弁論主義を適用 ⑷準主要事実の例:不法行為709の過失、借地借家28の正当な事由、  ※ これらが出たら 弁論主義の対象となる「事実」が問題となると覚えておくこと ⑸ あてはめ ​・反対説 →脇見運転の事実を裁判資料としえない ​・判例  →脇見運転の事実を裁判資料としうる ​・通説等 → 脇見運転の事実を裁判資料としえない ③ 代理権の認定 ⑴ 判例-反対説:当事者間での契約成立の主張があれば、代理人との間での契約成立を認定できる ※ 問題点:不意打ちになる ​∵ 法律効果が同じ → 判例の事例では特殊な事情があり結論は妥当。しかし一般化はできないもの。 ⑵ 通説-自説:代理人との間の契約の主張必要 ​∵ 顕名・代理権授与・法律行為は99条の要件→主要事実であり弁論主義の対象となる事実 ④来歴・経過:所有権取得の来歴・経過、特に移転原因事実は全て主要事実(判例) → 弁論主義適用 ・​訴訟物 ​=所有権に基づく返還請求 ​→ 要件事実=⑴自己所有(法律上の主張)⑵相手方占有(事実) ​→ 自己所有​=前主所有+前所有者から原告への承継取得原因事実(主要事実) ​→ 前主所有 ​= 前々主所有 + 前々所有者から前所有者への承継取得原因事実(主要事実) ​⇒ 争いある限り、取得原因事実は主要事実 → ふつう、時効での原始取得 ⑤過失相殺(民418) → 「債権者の過失を構成する具体的事実」 ⑴判例(反体説):弁論主義不適用 ∵ 間接事実 ⑵実務(準主要事実説:自説):弁論主義適用∵ 準主要事実、不意打ち防止 ⑥ 一般条項(公序良俗・信義則・権利濫用等) ※一般条項に弁論主義が適用されるか? ⑴ 学説(反対説):不確定概念ではなく規範的概念(各反対説に共通) → 主張必要 or 不要等(多数説なし) ⑵判例(自説):該当事実の陳述があれば無効主張なくとも裁判所は判断しうる ≠ 権利抗弁  ​∵ 高度の公益性(規範的概念だから) ※事実の陳述は必要としているので弁論主義が適用されないということではない 3 弁論主義の内容 ①弁論主義の機能 ⑴手続保障・不意打ち防止   ∵ 当事者により口頭弁論に提出された事実・証拠のみが判決の基礎 ⑵争訟内容(裁判資料)の自主的形成 → 裁判所の中立・当事者の意思及び責任の確立 ⑶真実発見  ∵ 適切な訴訟主体 ⑷ 公平な裁判 ∵ 裁判所の中立 Q 事実主張の一致の程度 ⑴事例:当事者は1月10日に200万の契約を主張 → 裁判所は1月9日の180万の契約を認定 ⑵ 問題の所在:弁論主義 ∴ 当事者の主張する事実 = 裁判所の認定 → 多少のズレはありうる ⑶ 判例:社会的同一性が認められる限り、弁論主義に反しない ⑷理由:弁論主義の機能 → 判断基準(不意打ち防止・当事者の意思) ②弁論主義の範囲:通常の民事訴訟の本案  → not 通常・not本案 は適用しない ・​not 通常:公益的審理対象、第三者効がある ​(例)境界画定訴訟、 人事訴訟、 行政訴訟 ​・not本案:公益的訴訟要件、付随的手続​(例)裁判権、専属管轄、当事者能力、差押、 ◻ 第一テーゼ ①定義:裁判所は当事者が主張しない事実を判決の基礎とすることはできない ​ ・資料を口頭弁論に提出しなければならない ​= 必要的口頭弁論  ・​資料を当事者が提出しなければならない ​= 弁論主義 ​ ・資料となる事実については当事者が提出しなければならない ​= 第一テーゼ ②主張責任:ある事実を弁論で主張しないためその事実はないものとされることによる一方当事者の不利益 ​→ 証明責任・立証責任・挙証責任:証拠による証明ができない(真偽不明)場合の 一方当事者の不利益 Q 主張責任の分配 ⑴結論:証明責任の分配原理に従う → 証明責任を負う者=主張責任を負う者 ⑵理由:基準として明確 ≒ 自己に有利な事実あり → 適用すべき → 自己に主張責任・証明責任あり ③主張共通の原則:裁判所は当事者双方のいずれかが主張した事実である限り裁判の基礎とすることができる ​⇒ 弁論主義 = 裁判所と当事者との間の役割分担の定め ≠ 当事者間の役割分担の定め ​⇒ 主張者の有利・不利に関係なく事実の主張があれば裁判の基礎となる ​(例)原告が自己に有利な事実を主張しない + 被告が原告に有利な事実主張あり = 主張あり 例:100万円の貸金返還請求訴訟で、原告が「被告は1月10日に返すと約束したのだから100万円返せ」と主張。被告は「受け取った金は贈与のため返す必要ない」→原告は主要事実である金銭の交付を主張していないが。被告がしているので裁判所は判決の基礎とすることができる ④ 訴訟資料と証拠資料の峻別 裁判所は証拠調べから心証を得たとしても当事者が弁論に現出しない主要事実を判決の基礎とすることができない ⑴証拠資料と訴訟資料 ​・訴訟資料:当事者の「弁論」から得られた裁判の資料​(例)準備書面、口頭での主張 ​・証拠資料:当事者の「証拠」から得られた裁判の資料​(例)尋問での証言、書面に記載 ​注)訴訟資料:証拠資料を含める場合もある → 上記の証拠資料=狭義の訴訟資料 ⑵審理:弁論期日(訴訟資料) → 証拠調べ期日(証拠資料) ​⇒ 証拠資料をもって訴訟資料に代替できない ⑶ 趣旨:不意打ち防止 ⑤【弁論主義(第一テーゼ)の適用】 ・主要事実 【第一テーゼの適用】◯ 【判決の基礎とする要件】 当事者による訴訟資料としての提出 ・間接事実 【第一テーゼの適用】× 【判決の基礎とする要件】 当事者による提出 ・補助事実 【第一テーゼの適用】× 【判決の基礎とする要件】 当事者による提出 4 弁論主義の補充・修正 ◻ 釈明権 ①釈明権:裁判所が当事者に対し事実上・法律上の事項について質問を発しまたは立証を促す権能  ※裁判所が行う権能 ​・求釈明​:当事者が裁判所に対し釈明権の行使を要求 → 裁判所が他方当事者に釈明を要求 ​・釈明​:裁判所の釈明権の行使 → 当事者が応答 ​⇒ 法律上、裁判所のみが当事者に行使できる → 実務上、当事者間の行使黙認 ⑴ 目的:曖昧な事実関係や法律関係の明確化 ⑵条文:149 ⑶ 趣旨:弁論主義の補充・修正、 裁判所に対する信頼 ※論文で書く ②釈明権の行使 ⑴主体:原則、裁判所を代表して裁判長が行使 ⑵時期:(口頭弁論期日のみならず)口頭弁論期日外においても可(期日外釈明) ⑶釈明の種類 ​消極的釈明:不明瞭・矛盾点等を問いただす釈明 → 必要な申立・主張あり ≒ 裁判所は受動的 ​積極的釈明:必要な申立等を示唆・指摘する釈明 → 必要な申立・主張なし ≒ 裁判所は能動的 ③釈明権の行使の範囲 ​・消極的釈明 → 全面的に許容 ∵ 弁論主義の諸機能 ​・積極的釈明 → 慎重にすべき ∵ 裁判所の公平 Q 積極的釈明が認められる場合 → 当事者に訴訟追行能力の欠乏がある ∵ 裁判所の公平(有) Q 過度の積極的釈明の場合 → 上級審による取消不可 ∵ 裁判所への信頼保護(有) Q 訴えの変更を促す積極的釈明 → 可 ∵ 請求認容・誤解・紛争の根本的解決(判) ④ 釈明義務違反:釈明権を行使する必要がありながらこれを怠った場合 Q 釈明義務違反の場合の処理 ⑴問題の所在​:釈明権 → 権利であり違反しても違法とはいえない? ⑵ 結論​:違法があったとして上訴できる ⑶ 理由​:趣旨=裁判所に対する信頼 → 権能であると同時に義務 Q 釈明義務違反の判断の基準 ​・消極的釈明 → 一律に上告理由 ​∵ 一律に義務ありといえる ​・積極的釈明 → 当事者間の公平等を総合考慮して判断 ​∵ 一律に義務ありとまではいえない Q 上告がなされて釈明義務違反が理由となる場合の処理 ⑴ 問題の所在​:上告審は法律審 ⑵結論​:原判決を破棄・差戻312Ⅲ・318Ⅰ ⑶理由​:法律審 ∴ 判断不可 ⑤法的観点指摘義務:法律問題についての釈明義務 Q 裁判所に法的観点指摘義務があるか ⑴問題の所在​:釈明の対象は事実 + 法的判断の理論構成(法律問題)は裁判所の専権 ⑵結論​:ある ⑶理由​:法律構成の変化により争うべき事実も変化 → 手続保障・不意打ち防止の必要 ※415と709では要件が異なり争う内容も変わるので手続き保障、不意打ち防止のため ◻ 専門委員制度  ① 概要:専門訴訟において専門委員が公平・中立の立場から裁判所に対し専門的知識の説明等を行う ⑴専門訴訟​:通常人が有しない専門知識が必要となる訴訟​(例)医療過誤、建築関係、知的財産 ⑵趣旨​:裁判官の知識に限界 → 専門委員の説明等により事案の理解の促進・適切な裁判 ②専門委員:専門的な知識経験を有する専門家の中から裁判所が任命する非常勤の裁判所職員 ​⇒ 裁判所の全面的・アドバイザー的立場(≠ 証拠) ・ 鑑定人の説明等(= 証拠 )  ⑴指定:当事者の意見聴取が必要92の5、 除斥・忌避・回避の準用92の6 ⑵ 類型 写真

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    主要事実、間接事実、補助事実の図

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    訴訟資料と証拠資料の峻別

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    第10章 証拠法 1証拠総則2自白

    ①証拠:裁判所による事実認定のための材料 ⑴ 事実認定:(主張・争点の確定)→ 証拠 → 事実認定 → 要件事実・法規の適用 → 判決 ⑵証拠法:証拠に関する法的規制 ・​証拠による証明の要否 ​→ 要証事実・不要証事実 ・​証拠の評価 ​→ 自由心証主義 ​・証拠によっても真偽不明 ​→ 証明責任 ​・証拠調べの方法 ​→ 証拠調べ手続 ② 証拠の基本用語 ⑴ 証明の対象による分類 ​・直接証拠:主要事実を直接証明する証拠​(例)契約書、映像記録、主要事実の証言 ​・間接証拠:間接事実や補助事実を証明する証拠​(例)通帳の入金記録、証人は嘘つきとの証言 ⑵証拠調べの目的による分類 ​・証拠方法:裁判官が五感の作用によって取調べできる事物 ​≒ 対象 ​(例)証人、文書  ​・証拠資料:証拠方法から得られた内容 ​≒ 結果​(例)証言、記載内容 ※証拠方法🟰対象、証拠資料🟰結果で覚えればOK ⑶ 証拠の能力による分類 ​・証拠能力​:証拠調べの対象とされうる資格​ (例)〇 合意で取得 × 暴力で取得 ​⇒ 証拠能力は原則、否定されない → 否定は極めて例外的 ・​証拠力​:要証事実の認定に役立つ程度​(例)署名付文書 > 署名なし文書 ​⇒ 証拠力 ≒ 証拠価値 or 証明力 ③証明の基本用語 ・​証明:確信を抱いた状態 ​→ 通常人が合理的疑いをいれない程度の心証、 ​・疎明:確信には至らない程度の推測を抱いた状態 → 一応確からしいといえる程度の心証 ​→ (2)裁判官に上記の状態に至らせるための当事者の行為 ​⇒ 立証方法: ・​原則:証明 ​・例外:明文ありかつ即時取調べ可の場合、疎明188 ∵ 手続的・派生的事項かつ迅速性要求 ・​厳格な証明:法定された証拠調べ手続による証明 → 原則 ​・自由な証明:法定の証拠調べ手続によらない証明 → 例外 ​・本証:客観的証明責任を負う者の証明活動 ​→ 確信を必要 ​∵ 目的達成 2 証明を要する対象 ◻ 証明対象総論 ①裁判の必要事項 : 証拠→ (経験則適用)→事実 →(法規適用) → 権利義務の存否  ​⇒ 経験則、 事実、 法規 が必要 → 証明の対象 ②経験則:実際に経験した事柄から見いだされる法則 Q 専門的知識に関する経験則は証明の対象となるか ⑴問題の所在 ​一般的常識に関する経験則 → 証明不要(争いなし)∵ 一般的法則、裁判所の信頼、手続的負担 ​専門的知識に関する経験則 → 一般的法則ではない ⑵判例・通説​:厳格な証明※が必要 ※法定された証拠調べ手続による証明 ⑶理由​:裁判官の既知は偶然、鑑定人と裁判官の同一は不可23Ⅰ四 ③ 事実 ​◾️主要事実 ​ ・原則 → 要証事実​:証明の対象となる事実 ​・例外 → 不要証事実​:証明の対象ではない事実179等 ​◾️補助事実・間接事実 ​→ 主要事実の証明に必要な範囲で証明の対象 ④ 法規 ​・原則:証明の対象ではない ​∵ 裁判所の職責 ​・例外:外国法・慣習法・他地方の条例等 → 証明の対象(〇 自由な証明) ​∵ 不知もありうる ⑤ 不要証事実 ⑴主張されていない事実 ⑵当事者間に争いのない事実179前 → 裁判上の自白または擬制自白 ​・自白:相手方の主張する自己に不利益な事実を認めて争わない旨の陳述 ​裁判上の自白:口頭弁論又は弁論準備手続で行う自白 ​→ 拘束力あり ​裁判外の自白:口頭弁論又は弁論準備手続以外で行う自白 ​→ 拘束力なし ⑶顕著な事実179後 → 公知の事実または裁判所に顕著な事実 ​公知の事実:一般人が疑わない程度に知れ渡っている事実​(例)災害、事件、一般常識 ​顕著な事実:裁判官としての職務の遂行上当然に知り得た事実​(例)訴訟中の事柄 ​→ 顕著な事実に私知は含まない、顕著な事実 ≒ 裁判所に顕著な事実・職務上顕著な事実 ◻ 裁判上の自白 ⭐️Aランク ①要件 ⑴ 口頭弁論または弁論準備手続における弁論として行う ​〇:口頭弁論期日に裁判官の面前での弁論、争点整理手続きにおいての弁論 ​×:裁判外の自白、当事者尋問での供述、 書面のみによる準備手続(通) ⑵相手方の主張と一致 →前後は不問 ​⇒ 〇 先行自白:自己に不利益な事実を主張 → 相手方が援用(not → ×自白 + 〇 主張共通) ⑶自己に不利益な事実を認める旨の陳述 Q 自己に不利益な事実(不利益要件)の意義 ⑴問題の所在:当事者が一貫しない主張(金銭交付した・してない、弁済期徒過した・してない等) ⑵判例・学説 ・ 敗訴可能性説(反対説) (内容)裁判の基礎とすると敗訴する可能性のある事実 (理由)自己責任の原則 (批判)不明確 ・証明責任説(判例通説) (内容)相手方が証明責任を負う事実 (理由)基準として明確 ⑶あてはめ:貸金返還請求権(原告)・弁済(被告) → 原告が弁済を認める=自白成立 ②態様 ⑴ 先行自白:自己に不利益な事実を主張 → 相手方が援用 ⑵否認:相手方の主張する事実を認めないとする陳述 a消極否認:理由のない否認 ≒ 単純否認​(例)「借入及び金銭授受はない」 b積極否認:理由(=相手方の主張と両立しない事実)を付した否認 ​⇒ 実務上は積極否認をすべき(規則79Ⅲ参)、 自白が成立する場合がある ​〇 積極否認 + × 自白​(例)「入院中なので借入及び金銭授受はない」 ​〇 積極否認 + 〇 自白​(例)「借入ではなく別債務の弁済で金銭授受(自白)」 ③制限付自白:自白 + 抗弁​(例)「借入及び金銭授受した(自白)後に返した(抗弁)」 ④効力:当事者及び裁判所に対する拘束力 ⑴ 証明不要効:証明が不要となる≒ 不要証効 → 判決の基礎となる​∵ 179・第2テーゼ ⑵審判排除効:裁判所の事実認定自体を排除 ​→ 裁判所も拘束される ​∵ 第2テーゼ ※裁判所は、自白内容が間違っているという心証を抱いても自白に反する認定はできない ⑶撤回禁止効:自白者による撤回及び矛盾する別事実の主張禁止 ​∵ 相手方保護、自己責任原理、禁反言の原則、 →  撤回禁止効は弁論主義とは関連がない Q 自白の撤回が許されるか ⑴ 問題の所在:撤回禁止を徹底 → 錯誤・強迫で自白 → 状況により撤回できないのは酷 ⑵判例:以下のいずれかの場合、自白の撤回は許される a相手方が同意した場合 b自白が第三者の刑事上罰すべき行為によってなされた場合338Ⅰ五参 c 自白が真実に反し、かつ、錯誤によるものであることが証明された(反真実錯誤)場合 ⑶ 理由:a) 相手方への配慮は不要、 b) c) 意思自体に瑕疵があり当事者意思の尊重という前提に欠ける ⑷ 反真実錯誤の立証:反真実の立証で足りる ∵ 錯誤は推定できる ⑤自白の対象:原則、「事実」179 → 経験則・法規・顕著な事実等は自白の対象外 Q 自白の対象となる「事実」179 ⑴問題の所在:自白の拘束力が生じる事実の範囲 ⑵判例 ・証明不要効  主要事実 ◯ 間接事実・補助事実◯ ・審判排除効  主要事実 ◯ 間接事実・補助事実× ・撤回禁止効 主要事実 ◯ 間接事実・補助事実× ​⇒ 主要事実のみ。但し、間接事実等にも証明不要効はあるが、裁判所・当事者への拘束力なし  ※主要事実:法律効果の発生に直接必要な事実   ⑶理由:証拠と同様の機能を有する + 自由心証主義に反する ◻ 権利自白 ①権利自白:請求の当否の判断の前提をなす先決的な権利・法律関係についての自白 ​⇒ 法律上の主張レベルの自白 → 要件ではなく効果についての自白 ・​通常​:契約書-証拠 →​返還合意-事実上の主張​→ 貸金返還請求権-法律上の主張 ・​裁判上の自白​:​返還合意-自白​→ 貸金返還請求権-法律上の主張 ​・権利自白​:​貸金返還請求権-自白 Q 権利自白の効力 ⑴問題の所在:当事者の職責は要件事実の提出 +法の適用は裁判所の専権 ⑵ 判例・通説 (a) 一応の証明不要効は生じる + 裁判所にも当事者にもおよそ拘束力なし ​⇒ 〇 証明不要効 + × 審判排除効・撤回禁止効 (b) 但し、日常的な法律概念については事実の陳述として裁判上の自白が成立​(例)売買、賃貸借 ⑶理由:法の適用は裁判所の専権 + 当事者の法的判断能力の欠如による不利益の回避 ②不確定事実の自白:不特定概念及び一般条項を主要事実とする場合の自白​(例)過失、正当事由 Q 過失を自白した場合の効力 ⑴ 問題の所在:抽象概念は準主要事実に弁論主義適用 ⑵ 判例・通説:権利自白と同様に考える ​・主要事実(過失) ​→権利自白の対象 ​・準主要事実(酒酔い運転等) ​→自白の対象 ⑶ 理由:準主要事実適用説※     + 主要事実に法的評価を伴う ※一般条項、抽象的概念についてはこれを基礎づける具体的事実を準主要事実として弁論主義を適用∵不意打ち防止 ③ 擬制自白:相手方の主張した事実を明らかに争わない場合 → 裁判上の自白が成立 ⑴条文​:159 ⑵成立場面​:不出頭(公示送達を除く)159Ⅲ、 答弁書不提出・反論なし ⑶成立時期​:事実審の口頭弁論終結時

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    自白の対象となる「事実」179 写真

    ⑴問題の所在:自白の拘束力が生じる事実の範囲 ⑵判例 ・証明不要効  主要事実 ◯ 間接事実・補助事実◯ ・審判排除効  主要事実 ◯ 間接事実・補助事実× ・撤回禁止効 主要事実 ◯ 間接事実・補助事実× ​⇒ 主要事実のみ。但し、間接事実等にも証明不要効はあるが、裁判所・当事者への拘束力なし  ※主要事実:法律効果の発生に直接必要な事実

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    権利自白 売買 写真

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    ⑶自由心証主義 Aランク

    ◻ 自由心証主義総論 ① 事実認定の方法 ・​法定証拠主義:一定の証拠があれば一定の事実を認定しなければならないとする建前 ・​自由心証主義:事実の認定を審理に現れた資料に基づき裁判官が自由に形成する心証に委ねる建前 ②条文:247 →自由心証主義を採用 ③ 趣旨 ⑴専門家として要請された裁判官の知見への信頼 ⑵複雑化・多様化に対し柔軟に対応することで真実発見に資する ④内容:証拠方法の無制限と弁論の全趣旨の斟酌 及び 証拠力の自由評価 ⑴ 証拠方法の無制限:あらゆる人・事物が証拠方法たりうる → 〇 伝聞・挙証者による証拠 ​⇒ 原則、証拠能力肯定 → 証明力は別問題 ⑵弁論の全趣旨:口頭弁論に現れた一切の資料・状況 → 証拠を基本 + 状況等を考慮 ➢ 〇:陳述の態度・攻撃防御方法の提出時期・やむをえない場合に証拠調べなし → 事実認定 ➢ 〇:弁論の全趣旨の斟酌による事実認定 → 内容を判決理由中で具体的説示なし ⑶証拠力の自由評価:a ) ∴ b ) ∴ c )(判例) (a) 証拠力の自由評価:証拠にどの程度の証拠力を認めるかは裁判官の自由な判断に委ねられる (b) 証拠共通の原則:提出された証拠は自己に有利にも不利にも評価される ​⇒ 自由心証主義から導かれる → not 弁論主義(証拠を持ってくるのは当事者ということ。証拠共通の原則はその評価の問題) ∵ 職権探知主義でも妥当 (c) 証拠の撤回 ​・証拠調べ開始前:任意に撤回可 ​∵ 弁論主義 ​・証拠調べ開始後:相手方の同意がない限り不可 ​∵ 証拠共通の原則 ​・証拠調べ終了後:不可 ​∵ 自由心証主義 ◻ 自由心証主義の制限 ①自由心証主義の制限:証拠方法、証拠力の自由評価、証拠契約 → 明文・判例で制限 ② 証拠方法の制限:手続の明確化・迅速化 → 証拠方法を限定 ⑴法定代理権・訴訟代理権・選定当事者の選定 ​→ 書面のみ(規則15・23Ⅰ) ⑵改)口頭弁論の方式の遵守 ​→ 電子調書のみ(160Ⅳ、改正前-調書) ⑶ 疎明事項・少額訴訟 ​→ 即時取調べのできる証拠のみ188・371 Q 違法収集証拠の証拠能力 ⑴ 問題の所在:自由心証主義からは肯定↔︎犯罪の助長・民事訴訟に対する国民の信頼(刑訴は否定) ⑵ 裁判例・多数説 ​原則 - 肯定 → 実務上も証拠能力ほぼ肯定 + 証明力で問題 ​例外 - 著しく反社会的な手段を用いて、人格権侵害を伴う方法で収集された場合、否定 ⑶あてはめ ​× :住居侵入+窃盗により収集 ​〇:無断録音により収集、 忘れ物を収集、 窃盗により収集(提出者犯人の証明なし.誰が盗んだかは不明) ③証拠力の自由評価の制限:一定の証拠 → 一定の事実(法規で定める)   ⑴私文書に本人または代理人の署名または押印 ​→ 真正と推定228Ⅳ ⑵証明妨害があった場合 ​→ その事実のみで不利な事実認定可224等 ※ 「できる」規定 (a) 証明妨害​:証明責任を負わない者が証明責任を負う者の立証を故意または過失により困難にする (b) 条文​:224等 (c) 趣旨​:当事者間の実質的公平の実現 + 証拠収集の妨害予防 ​(例)文書提出命令 → 拒否 → 文書の内容を真実と認定可(心証=否定・形成なし) ④ 証拠契約 Bランク(でない) ​・証拠制限契約 → 自由心証の対象が一部制限 ​・自白契約等  → 自由心証による事実認定が排除 ◻ 自由心証主義と不服 Bランク ①事実認定に関する不服 ⑴不服の理由 ​・不当:法律違反はないが、妥当ではない ・​違法:法律違反 ⑵ 上訴審 ・​控訴審 →事実審 ∴ 改めて事実認定   ⇒ 事実認定の不当or 違法 を判断 ​・上告審 →法律審 ∴ 新たな事実認定不可 ⇒ 事実認定の違法321Ⅰ  を判断 ② 上告理由 ⑴ 裁判資料の看過・違法312Ⅲ・318等 ⑵ 証拠説明欠缺252Ⅰ三・312Ⅱ六 → 推論の過程、事実認定の根拠が必要、詳細不要 ⑶ 経験則違背312Ⅲ Q すべての経験則違背が上告理由となるか ⑴ 問題の所在:経験則違背 → 広範 + 複雑 → 全て経験則違背となりうる ⑵判例・通説 ​事実認定が常識に反し論理に飛躍のある場合​→ 上告理由(〇 判例 〇 通説) ​法律問題における経験則違背​→ 上告理由(〇 判例 × 通説) ​専門的経験則の違背​→ 上告理由(肯定判例あり(アスベストの事例) × 通説) ⑶理由:専門的経験則についての不足 ◻ 心証形成の態様 ① 程度:事実認定ができる程度 ≒ 証明 ​×:自然科学的証明、 論理的証明、 絶対的証明、一切の可能性が存しない程度 ​〇:十中八九確からしい、高度の蓋然性、 歴史的証明、 通常人が合理的疑いをいれない程度 ​×:一応確からしい、 証拠の優越 → 疎明 ②推定:ある事実(前提事実)から他の事実(推定事実)を推認すること ⑴事実上の推定:裁判官の経験則の適用により行われる推定​ ​⇒ ≒ 自由心証主義による事実認定の過程​(例)高級車購入 → 借入あり ⑵ 法律上の推定:法規の適用により行われる推定  ​⇒ 証明責任の転換を伴う​(例)期間前後の占有 → 期間の占有186Ⅱ ③心証形成の工夫:一方に重要な証拠が偏在 → 心証形成を容易にするための工夫 ∵ 実質的平等 ※Bランク ⑴ 疫学的証明:集団的疾病 → 生活環境と因子に関係 → 疫学的に因子が原因と証明 ⇒ 疾病は因子起因 ➢ 水俣病-メチル水銀、 四日市ぜんそく-酸化硫黄、 イタイイタイ病-カドミウム、 ​⇒ 疫学的に因果関係証明 → 民事訴訟で証明(刑事訴訟は否定的) ⑵一応の推定:前提事実の証明で経験則が高度の蓋然性あり → 特段の事情なき限り推定事実認定 ​⇒ 過失・因果関係を推認、不法行為で適用 ≒ 表見証明 ​⇒ not 証明責任の転換 + not 証明の程度の軽減 ➢ 開腹手術を受ける → 手術後、腹腔内にメスが発見 → 医師の過失を認定 ➢ 車が歩道に侵入 → 歩道の通行人に衝突 → 運転手の過失を認定 ⑶相当な損害額の認定:損害の発生を認定 → 損害額の算定困難 → 裁判所が相当な額の認定可248 ​⇒ 要件充足の場合は算定不能として棄却不可(判例)、 額の算定自体は必要、 証明の軽減 ➢ 火災で焼失した家財の損賠請求 → 各動産の損害額の立証困難 → 裁判所が算定

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    4 証明責任

    証明責任総説 ①証明責任  ある事実が真偽不明である場合に、その事実を要件とする自己に有利な法律効果が認められないことになる一方当事者の不利益 ⭐️書けるように ​・客観的証明責任:上記の不利益 ≒ 証明責任 ​・主観的証明責任:上記の不利益から生じる証明しなければならないという行為責任 ②趣旨:裁判拒否の回避(憲32)⭐️A +  ※ 証明責任がないと、白黒つけた判決を下すことができなくなるが、それは国民の裁判を受ける権利を害する ③対象:主要事実 ∵裁判拒否の回避 ④自由心証との関係:自由心証で判断 → 真偽不明 → 証明責任発動 ​⇒ 自由心証のはたらきが尽きたところから証明責任が生じる ⑤機能 ⇒ 審理過程でも機能 → 民事訴訟の脊柱(バックボーン) ⑴当事者の訴訟活動の指標 → 証明責任発動回避のため主張・立証 (a) 主張責任:弁論で主張されない事実はないものとされることによる一方当事者の責任 ​⇒ 証明責任を主張レベルで反映 ≒ 弁論主義の第一テーゼ (b) 証拠提出責任:証拠により立証されない事実はないものとされることによる一方当事者の責任 ​⇒ 証明責任を証拠レベルで反映 ≒ 主観的証明責任 (c) 本証・反証  ​⇒ 証明レベルで反映(本証→確信が必要・ 反証→真偽不明にすれば足りる) ⑵ 裁判所の訴訟指揮の指標 → 証明責任の分担に対応して主張・立証を指揮・釈明 ◻ 証明責任の分配 ①証明責任の分配:ある事実が真偽不明の場合にどちらの当事者に証明責任を負わせるかの定め ​刑事訴訟法:原則として、検察官 ∵ 利益原則 ​≒ 挙証責任 Q 民事訴訟における、証明責任の分配 ⑴問題の所在:明文なし・争いあり ⑵結論:各当事者は自己に有利な法律効果の発生を定める適用法規の要件事実について証明責任を負う⭐️書く ​⇒ 法律要件分類説 or 規範説、  通説・実務・判例? ⑶理由:基準として明確 → 実体法と調和 ⑷あてはめ:条文の適用を要求 ≒ 要件事実につき証明責任を負う ※ 写真参照 ②適用法規の分類 B ・権利根拠規定:権利の発生要件   (売買555、即時取得192) ・権利消滅規定:発生した権利の消滅要件(消滅時効166、免除519) ・権利障害規定:上記の権利の発生を阻害する要件 (錯誤95、時効中断147) ・権利阻止規定:発生した権利の行使を一時的に阻止(同時履行533) ​⇒ 証明責任を負う者 → 発生・消滅・阻害・一時的に阻止により利益を受ける者 ③ 適用法規の要件事実 → 原則、条文ごとの要件事実を適用 ⑴ 本文 + 但書 ​→ 但書で除外された事実は本文で認められた法律効果を争う者に証明責任あり ⑵ 一項・二項・・・ ​→ 別規定扱い   ④法律要件分類説の修正 ⑴債務不履行415における債務者の帰責事由 →債務者に不存在の証明責任 ​∵ 415Ⅰ但書、 契約は守られるべし(高度の蓋然性(債務不履行があるなら普通に考えて債務者に帰責性があるということ))、 帰責性は抗弁事由419Ⅲ ⑵準消費貸借588における旧債務の存否 → 債務者に不存在の証明責任(判例) ​∵高度の蓋然性(準消費貸借契約を結んでいるなら通常旧債務はある)、旧債権証書が債務者へ返還されるのが通常 ※準消費貸借の例:AとBがある物の売買契約をしたが、Bがお金を払えなくなったので、この債務を消費貸借として、実際には新たなお金のやり取りはないのにお金を貸したことにしようということで、利息や弁済期日などを新たに決めて契約する場合に締結する契約 ⑶ 無断転貸612Ⅱにおける背信行為と認めるに足りない特別の事情 → 賃借人に証明責任(判例) ​∵ 無断転貸自体が背信性の徴表 → 消極的要件 ◻ 証明の負担の軽減 ①証明責任の転換:法律の規定によって反対事実について相手方当事者に証明責任を負わせること ⑴趣旨:立証の困難の緩和 → 当事者間の公平 ⑵規定 ​・本文 → 原則-条文の適用を望む者に立証責任あり  ​・但書 → 例外-上記の相手側に立証責任あり ⑶ 事例:不法行為709 →使用者責任715Ⅰ但、自動車損害賠償責任(自賠3) ② 法律上の推定:法規の適用により 行われる推定 → 証明責任の転換を伴う ⑴種類 ​(法律上の)事実推定:前提事実甲があるときは推定事実乙があると推定される場合​(例)186Ⅱ ​(法律上の)権利推定:前提事実甲があるときは権利乙があると推定される場合​(例)188 ⑵ 趣旨:立証の困難の緩和 → 当事者間の公平 ⑶機能 (a) 証明主題の選択:証明責任を負う者は要件事実または前提事実の証明で足りる (b) 証明責任の転換:相手方は推定事実・権利の不存在を本証でのみ覆すことができる ​※前提事実を覆すのは反証で足りる ③ 暫定真実:前提事実の証明を要せず無条件に一定事実を推定する場合の事実​(例)(186Ⅰ・162) ⑴趣旨:立証の困難の緩和 → 当事者間の公平 ⑵ 機能 (a) 「要件事実」から他の「要件事実」を推定 ​→ 法律上の推定は他の事実から推定 (b) 要件事実の推定に前提事実の証明を要求しない ​→ 法律上の推定は前提事実の証明を要求(要件事実の証明が困難だから前提事実の証明で足りるとするもの) ​⇒ 占有の証明は必要 → 占有 = (162の)要件事実 ≠ 前提事実 (c) 要件事実の証明責任を相手方に転換 ​→ 本文に対する但書と同一の機能 ④ 間接反証(Bランク):証明責任を負う者が間接事実を立証 → 相手側が両立しうる別の間接事実を立証 ⑴ 事例:不貞の抗弁、 高額商品購入 → 宝くじ当選、脇見運転 → 側方確認 ⑵ 特徴 (a) 証明主題の選択​:直接間接事実を争う(直接反証) or 間接反証により争う (b) 証明負担の軽減​:直接反証が困難な場合 (c) 抗弁類似​:両立しうる → 間接反証は間接事実レベル・抗弁は主要事実 (d) 証明責任の転換​:なし

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    5 証拠調べ手続 B+(書証はA)

    ◻ 証拠調べの流れ ​(訴訟の審理) - 弁論手続(事実上の主張 + 法律上の主張) → 争点明確化 ①証拠申出(当事者)180 → 要件を欠く場合、決定により却下(裁判所) ​⇒ 弁論主義の第三テーゼ、 証拠申出の撤回(開始前は可能、開始後は相手方同意必要、終了後は不可)、 相手方の陳述の機会の保障 ② 証拠申出の採否(裁判所)→ 採用 or 不採用 ​⇒ 原則:裁判所の裁量181Ⅰ   例外:唯一の証拠方法 ③ 証拠方法の取調手続  ​⇒ 集中証拠調べ、 当事者の欠席 ⑴ 証人尋問 ⑵ 当事者尋問 ⑶ 鑑定 ⑷ 書証 ⑸電磁的記録に記録された情報 ⑹検証 (→ 自由心証で判断 → 判決) ◻ 証拠の申出 ① 証拠申出:当事者が裁判所に対して特定の証拠方法の取調べを求める申立 ≒ 証拠の申出 ​⇒ = 証拠調べの開始 ​原則:当事者の申立てた証拠 ∵ 弁論主義(第三テーゼ) ​例外:裁判所の職権で証拠調べ(職権証拠調べ) ⑴職権証拠調べ ​当事者尋問207、調査の嘱託186、公文書の真正について照会228Ⅲ、職権調査事項 ​検証の際の鑑定233、証拠保全237、  職権探知主義がとられる手続 ⑵方式:書面または口頭(規則1) ​⇒ 証明すべき事実180(=証明主題)、 特定の証拠方法221Ⅰ、 立証趣旨(規則99)の表示必要 ⑶ 時期:口頭弁論終結までの適切な時期156 ②証拠の採否:裁判所の自由な裁量に委ねられる181Ⅰ ∵ 自由心証主義 ​認容 → 証拠調べ決定 ​否認 → 却下決定 ⑴ 取消・変更:いつでも可120 ⑵ 不服申立 :不可(文書提出の申立に関する決定を除く)223Ⅰ・Ⅶ Q 唯一の証拠方法の証拠申出の却下 ⑴問題の所在​:自由心証主義 →肯定 ・双方審尋主義 → 否定 ⑵ 判例・通説​:原則、証拠調べが必要 → 例外を認める ⑶ 理由​:自由心証主義と双方審尋主義の調和 ◻ 証拠調べの実施 ① 総説 ⑴ 証拠結合主義:口頭弁論 → 証拠調べ の順に結合して行うべきとの建前 ​⇒ 多義語 ⑵ 集中証拠調べ:証拠調べはできる限りまとめて集中的に行うべきとの建前182・規則101 ​⇒ 特に証人・当事者尋問 → 争点・証拠整理手続き終了後の最初の口頭弁論期日 ⑶当事者の立会:立会権あり240 → 期日・場所の告知による呼出が必要94改) (a) 94改正ポイント​:改正前-呼出状の送達 → 改正後-電子呼出状の送達可・要記録 (b) 当事者の欠席​:証拠調べ可 → 可能な範囲で証拠調べができる183 cf 刑訴は原則、欠席不可 ⑷実施 ​・原則:受訴裁判所が法廷で行う(直接主義) ​・例外:裁判所が認めるとき法廷外可 → 受命・受託裁判官185改)、在外大使等184 (a) 185Ⅲ:〇 映像と音声の送受信(web会議・テレビ電話) ​⇒ 当事者の意見聴取必要 + 〇 受命・受託裁判官 (b) 例外の場合、証拠調べの結果の口頭弁論への顕出により証拠資料となる ➢ 当事者の援用も必要(当事者が口頭弁論で主張することが必要) ∵ 直接主義・口頭主義 + 援用しない自由はない(自分に都合が悪い結果でも援用しなければならない) ∵ 裁判の基礎となる ⑸結果:電子調書に記載160Ⅰ ② 証人尋問:証人に対して口頭で質問し経験した事実を供述させて、その証言を証拠とする証拠調べ ⑴証人:自己の経験により認識したことを供述すべき当事者及びその法定代理人以外の者 ​証人能力:証人たる資格 ​→ 当事者及びその法定代理人以外のすべての者にある190 ​証人義務:証人の一般的義務 ​→ 出頭義務・宣誓義務・供述義務 ・ 違反者は制裁 ⑵ 尋問手続:交互審尋制(≒ 刑訴)202等 (a) 流れ:主尋問(申出当事者) → 反対尋問(相手方) → 繰返 → 補充尋問(裁判長) (b) 映像と音声の送受信204:改)出頭困難 or 圧迫 or 当事者に異議がない → 相当と認めれば可 (c) 尋問に代わる書面の提出205:改)意義がなく相当と認めれば可 → 電磁的記録でも可 ⑶証人尋問と当事者尋問 写真 ⑷ 証言拒絶権196・197:親族等の有罪判決のおそれ、弁護士等の職務上知り得た事実、職業の秘密 ​⇒ 証言拒絶可 → 刑訴より対象が拡大(親等が高い・職業の秘密) Q 報道機関の取材源が197の職業の秘密に該当するとして証言拒絶が認められるか ⑴ 判例 ​刑事訴訟:認められない(石井記者事件) ​民事訴訟:一定の場合に認められる ⑵民事訴訟で認められる場合 (a) 職業の秘密​:公開されると当該職業に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になるもの (b) 保護に値(する秘密であること)​:公表による不利益と拒絶によって犠牲となる真実発見及び裁判の公正との比較で判断 ​⇒ 上記すべてみたすと証言拒絶を認める  ※要件はよく聞かれる ⑶ あてはめ ・​職業の秘密 ​→ 公表により取材活動困難 ​∴ 職業の秘密〇 ・​保護に値​  → 公共の利益・違法性なし・重大な民事事件で当該証言が必要不可欠とは言えない ​∴ 保護に値〇 ③ 当事者尋問:当事者又はその法定代理人が経験した事実を供述させて、その陳述を証拠とする証拠調べ ⑴ 条文​:207 ⑵補充性​:心証を得られない場合のみ(旧法) → 原則、証人尋問の後(現法=大幅に緩和) ⑶手続​:証人尋問に準じる210(差異はある②⑶) ​⇒ 供述内容 = 証拠資料 ≠ 訴訟資料 ∵ ≠ 弁論 ④鑑定:特別な学識経験を有する者にその専門知識に基づく事実判断について報告させる証拠調べ ⑴条文:212 ⑵ 鑑定人:鑑定を行う特別な学識経験を有する者 → 鑑定義務あり + 裁判所が指定213 ​中立性が要求 → 欠格事由212Ⅱ・忌避事由214 ​代替性がある → 勾引不可 ⑶手続:書面(鑑定書)・口頭・電磁的記録により陳述できる215改) (a) 鑑定人質問​:可215の2Ⅰ → × 交互審尋方式 (b) 映像と音声の送受信​:可215の3改) (c) 鑑定人の判断​:裁判所を拘束しない ∵ 自由心証 ⑤検証(Bランク):裁判官が五官の作用によって直接に事物の性質・形状を認識しその結果を証拠とする証拠調べ ⑴ 条文:232 ⑵検証物:検証の対象 → 〇 物・人間(身体・容貌) ​⇒ 検証物提示義務あり(通) + 拒絶=事実認定上の不利益232Ⅰ・224 ⑶手続:およそ書証に準じる (a) 書証との差異​:文書提出命令類似規定なし ・ 検証の際に職権による鑑定可233 (b) 映像と音声の送受信​:当事者に異議がない場合可232の2改) ⑥電磁的記録に記録された情報の内容にかかる証拠調べ ⑴条文:231の2改) ⑵手続:権限者に提出を命じる等の申立 → 記録媒体又は電子情報処理組織により提出 ​⇒ およそ書証に準じる231の3 ◻ 書証 Aランク ①書証 ​ⅰ 文書に記載された特定人の意思や認識等の意味内容を証拠資料とする証拠調べ ​ⅱ 証拠となる文書そのもの ⑴条文​:219以下 ⑵準文書​:情報を表すために作成された文書に準ずる物体​(例)図面・写真・録音テープ ​⇒ 書証の規定を準用231 ⑶電磁的記録 ・​電磁的記録そのもの →231の2 ​・電磁的記録を印刷 →印刷物 = 書証219以下 ・​電磁的記録媒体(サーバー等)→検証等 ②文書の種類 ⑴公文書と私文書 ​・公文書:公務員がその権限に基づき職務上作成した文書​(例)公正証書遺言 ​・私文書:上記以外の文書​(例)自筆証書遺言、契約書、感想文 ⑵処分証書と報告証書 ​・処分証書:法律行為が記載されている文書​(例)契約書、遺言 ​・報告証書:法律行為以外を記載した文書​(例)日記、メモ ⑶ 原本と写し ​・原本:作成者が作成した元の文書 ・​謄本:原本の内容そのままを写した文書 ​抄本:原本の一部を写した文書 ​正本:原本と同一の効力を持たせる公証権限を有する公務員が作成した謄本 ③文書の証拠力 ・​形式的証拠力:当該文書がある特定人の一定の思想内容を表明したものであること ​・実質的証拠力:記載の思想内容が係争事実の認定に役立ちうること ​⇒ 形式的証拠力 → 実質的証拠力 の2段階で判断 ⑴文書の成立の推定 ≒ 形式的証拠力の推定規定(法律上の推定) ∵ 立証の困難 ・​公文書:公務員が職務上作成した ​→ 真正に成立したと推定228Ⅱ ・​私文書:本人又は代理人の署名又は押印 ​→ 真正に成立したと推定228Ⅳ ⑵ 228Ⅳの適用のためには、挙証者は署名または押印が本人等の意思にもとづいてなされたとの証明が必要 ​∵ 盗用・冒用等の可能性 →意思に基づいてなされたことの証明も困難 →Q 二段の推定が許されるか ⑴ 二段の推定​:印影と印章の合致 → 本人等の意思にもとづく押印という推定 → 文書の成立の真正を推定 ​⇒ 各推定において、反証可 ⑵判例​:許される ⑶理由​:経験則(通常、実印の押印があれば本人の意思に基づくものと推定される) +立証の困難の救済 ⑷結果:印章🟰印影→本人等の意思に基づくという事実上の推定(判例) →成立の真正(形式的証拠力)を推定(228④) Q 文書の真正についての自白に拘束力が認められるか ⑴問題の所在 (a) 拘束力(証明不要効はどの自白にも生じる179) ​・主要事実 ​→ 弁論主義から生じる ・​間接事実・補助事実 ​→ 原則、自由心証から妥当しない ​⇒ 文書の真正 ≒ 補助事実 ∴ 原則、拘束力は生じない (b) 文書の真正を自白 → ≒ 内容の自白 → ≒ 主要事実の自白 ∴ 拘束力が生じる ⑵判例:裁判所及び当事者に対する拘束力は認められない ⑶ 理由:成立の真正は形式的証拠力に関する補助事実 + 実質的証拠力は自由心証に委ねられている ∴ 実質的証拠力の前提となっている形式的証拠力にも拘束力を認められない ④手続(Aランク):書証の申出(当事者) → 証拠調べ(裁判所) ・挙証者は自分が持っている文書を提出 ・相手方当事者・第三者の場合 ⅰ 文書提出義務あり→文書提出命令の申立 ⅱ文書提出義務なし(協力の見込みあり)→文書送付嘱託の申し出226 ※嘱託を行うのは裁判所 ⑤文書提出義務 ⑴条文:220 ⑵ 趣旨:証拠の構造的偏在 → 当事者の実質的平等の確保 ⑶特徴:国民の一般的義務 ​一・二・三号​→ 個別的義務 + 該当すれば無条件に義務あり ​四号​→ 一般的義務 + 除外規定ありイ~ホ ∵ 濫用防止 ⑷提出義務がある文書 (a) 引用文書(一号)​:訴訟において引用した文書で自ら所持するもの ​(例) 口頭弁論で売買契約の成立を認めた手紙を主張 → 当該手紙 (b) 権利文書(二号)​:挙証者が文書の所持人に対し引渡し又は閲覧請求権を有するもの ​(例) 共有物分割の証書(民262Ⅰ・Ⅳ)、 法人の会計帳簿 (c) 利益文書(三号前段)​:挙証者の利益(主に地位・権利の明確化)のために作成されたもの ​(例) 挙証者を受遺者とする遺言、 領収書、 身分証明書、 同意書 (d) 法律関係文書(三号後段)​:挙証者の法律関係について作成されたもの (利益文書にも該当) ​(例) 契約書、 保険会社が所持する診断書、 タイムカード、 会社の就業規則 (e) 一般文書(四号)​:除外事由イ~ホに該当しない文書 ⑸除外事由:親族が訴追等、 技術または職業上の秘密、 公務員の職業上の秘密、 刑事訴訟関係等 ​・自己利用文書:専ら文書の所持者の利用に供するための文書(外部への公開を予定しない)二 ➢ 銀行の貸出稟議書 → 自己利用文書 ∴ 提出義務なし ∵ 公開予定なし・開示により不利益 ⑥文書提出命令:文書提出義務を負う者に限り認められる文書の提出命令 ⑴手続:申立(当事者) → 審理(裁判所) → 決定で所持者に文書提出命令(裁判所) ⑵ 申立221・規則140:221Ⅰ各号の事項を明らかにした書面で行う (a) 記載事項:文書の表示(表題・作成者・作成日等)、 趣旨、 所持者、 証明すべき事実、 原因 (b) 開示制度:文書特定のための手続222 → 所持者が表示・趣旨を明示 ⑶ 審理223:裁判所は決定手続で審理(⭐️条文上は文書提出命令だが決定) (a) 第三者・公務員の職業上の秘密等の文書の提出 → 第三者等の審尋が必要 (b) ⭐️インカメラ手続:秘密漏洩防止のもと文書の内容を確認 → 文書提出義務を判断 ​⇒ 一般文書(四号)のイないしニの判断のための確認のみ → 一号~三号では不可 ※インカメラ🟰裁判官の部屋の中という意味 (c) 即時抗告:提出命令・申立却下の裁判に対しては可 ➢ 証拠調べの必要性がないことを理由とした申立却下決定 → ⭐️× 必要性があるとの理由での不服申立(頻出) ​∵ 証拠調べの必要性は裁判所の専権 ⑷文書提出命令:決定で文書提出命令を出す ⑦(不提出の)効果 ⑴条文 ​当事者の不提出:相手方の主張を真実と認めることができる224 ​第三者の不提出:決定で過料225 ⑵当事者の不提出 (a) Ⅰ・Ⅱ​:提出命令に従わない or 相手方の使用を妨げる目的で滅失または使用不可 ​⇒ 申立人の主張(内容・成立)= 真実認定可​(例)過失主張 ∵ 〇 カルテ「薬Aを注射」 (b) Ⅲ​:Ⅰ・Ⅱの場合 → 具体的内容不明かつ他の代替的証拠による証明困難 ​⇒ 申立人の主張(証明主題)= 真実認定可​(例)〇 過失あり ⑶ 第三者の不提出:提出命令に従わない → 決定で過料(20万以下) ⑧文書送付嘱託(Bランク):裁判所が当事者の申立てに基づき文書の所持者に対し所持文書の提出を求める ⑴条文:226 ⑵手続:当事者が文書送付嘱託の申立 → 裁判所が文書の所持者に対し文書送付嘱託を行う ⑶特徴:任意での提出依頼 → 提出義務のない者にも可 ⑷効果:罰則規定なし ◻ 証拠の確保 ① 証拠保全:本来の証拠調の時期には証拠使用が困難となる事情 → 予め証拠調 → 結果を将来利用 ⑴ 条文:234 ⑵ 特徴:訴訟係属不問 + 相手方の特定不問236 + 訴訟係属後は職権で可237 ⑶手続 (a) 申立:書面が必要(規則153Ⅰ) (b) 管轄裁判所235 ​訴え提起前-保全対象の所在地の地裁or 簡裁 ​訴え提起後-受訴裁判所等 (c) 審理:証拠保全決定 → 不服申立不可238(却下決定に対しては可328Ⅰ) (d) 証拠調べ手続:各種証拠調べ準用 ⑷証拠開示:証拠保全により申立人は事前に内容を知る → 証拠の事前開示機能あり ​(例)医療事故 → カルテ改竄を理由に証拠保全 → カルテを元に適切な訴え提起 ②証拠の偏在とその救済(観点としてAランク) ⑴ 証拠の構造的偏在:重要な証拠が加害者・相手方に偏在 + 証明責任の分配 → 立証の困難 ​(例)製造物責任 ・ 医療過誤 ・ 公害訴訟 ・ 欠陥住宅等 ​⇒ 救済の必要性が高い ⑵ 救済方法 (a) 証明責任 → 一応の推定、間接反証、疫学的証明等 (b) 証拠   → 文書提出義務・文書提出命令、証拠保全手続、証明妨害法理(224で具体化)

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    第五編 訴訟の終了 第11章 当事者の意思による訴訟の終了

    ◻ 訴訟の終了 終局判決による終了​: 裁判(裁判所)による終了 ​当事者の意思による終了​:訴えの取下げ ・ 請求の放棄 ・ 請求の認諾 ・ 訴訟上の和解 1 訴えの取下げ ①訴えの取下げ:原告の、訴えによる審判申立を撤回する旨の裁判所に対する意思表示 ⑴条文:261改) ⑵趣旨:処分権主義 ⑶特徴:遡及的消滅 (放棄・認諾・和解 = 解決基準あり ・ 取下げ = 解決基準なし) ⑷ 視点:当事者間の公平(相手方との利害調整(相手方がこれまでやってきたことが無駄になる)) + 訴訟経済(裁判所への手続的配慮)  ②性質:訴訟行為 → ×:条件の付与・効果発生後の取消 Q 取下げの意思表示に瑕疵がある場合、意思表示の瑕疵に関する規定の類推適用の可否(訴訟法上の行為なので直接適用はできない) ⑴ 事例:弁済があったと思い(=錯誤)、訴え取下げ → 実は弁済なし → 民95類推適用で取消? ⑵判例・学説 ◾️否定説-判例自説 結論)類推適用否定 但し、刑事上罰すべき他人の行為に基づく場合には338Ⅰ五(再審事由)の法意に照らし無効 理由)手続安定(訴訟行為の積み重ねが無駄になることの回避)、 訴訟行為(意思表示の瑕疵は私法上の話なので類推適用を否定しても問題ない) ◾️肯定説-反対説 結論)類推適用肯定 理由)訴えの取下げは意思表示   手続終了から手続安定を害さない(手続自体が無くなるので手続の安定は害さない) ⑶あてはめ:錯誤 ∴ 類推適用否定 → 取下げは有効 ​⇒⭐️両説共に詐欺・脅迫の場合は取下げできる ③要件 ⑴時期:終局判決確定時まで(× 口頭弁論終結時) ⑵被告の同意:被告が 準備書面を提出 or 弁論準備手続で申述 or 口頭弁論期日で弁論 の場合 ​∵ 請求棄却判決を求める被告の訴訟上の地位の保障 ​→ 1カ月以内の期日指定の申立なし or 連続して2回欠席 = 取下げを擬制263 ④ 手続 ⑴方式:書面 但し、口頭弁論期日等での口頭可 ⑵記録:改)口頭の場合、電子調書に記録 ⑶ 同意:同意を要する場合、書面または電子調書を相手方への送達が必要 → 2週間以内に異議がなければ同意を擬制 ⑤ 効果262 ⑴訴訟係属の遡及的消滅:原則として、一切の訴訟行為及びその効果が消滅 (a) 記録:書証として他の訴訟で自由心証の対象 → 事実自体は残存 (b) 時効の完成猶予:取下げの時から6箇月猶予(民147Ⅰ) = 権利が確定することなくその事由が終了 (c) 私法上の行為・効果(判例・条件説) ​・消滅しない​:口頭弁論における履行の請求・解除 ​・消滅する​:口頭弁論における相殺 ⑵ 再訴禁止効:同一の訴えを提起することができない ( a) 要件:終局判決がなされた後(確定前の取下)の取下げ + 取下げをした者(同意した被告を含む) (b) 趣旨:取下濫用制裁説(裁判所の労力が徒労) +再訴権濫用防止説(取下後の同一の提訴) ​⇒ 学説は対立 ・ 判例は両説を根拠 (c) 同一の訴え:当事者 ・ 訴訟物 ・ 訴えの利益又は必要性 全てが同一 ∵ 趣旨 ⑥他制度との異同 (共通) 訴えの取下げ、請求の放棄、上訴の取下げ:訴訟の終了 (違い) ・訴えの取下げ:訴訟係属の遡及的消滅 ・請求の放棄:被告勝訴の確定判決と同一の効力( ≒ 紛争の実質的解決) ・上訴の取下げ292:上訴審における係属のみ遡及的消滅( ≒ 一審確定) 2 請求の放棄・認諾(Aランク) ①請求の放棄・認諾 ​・請求の放棄:請求に理由のないことを認める原告の裁判所に対する意思表示 ≒ 原告敗訴 ​・請求の認諾:請求に理由のあることを認める被告の裁判所に対する意思表示 ≒ 被告敗訴 ⑴条文:266 ⑵ 趣旨:処分権主義 ⑶特徴:全面的敗訴 ②性質:訴訟行為(多) ③要件 (短答で出る) ⑴処分権主義・弁論主義・相対効の原則が妥当する事件(これらを満たす事件だけ) ※相対効=原告被告のみに効果 ​ ×:境界確定訴訟(認諾)・会社関係訴訟(認諾)838  ​〇:境界確定訴訟(放棄)・会社関係訴訟(放棄)・離婚請求訴訟(認諾)∵ 人事37Ⅰ改 ※放棄は新しい法律関係を発生させるものではないため可 ※離婚請求訴訟は実務の観点から認諾も認められている ⑵無条件・無留保  ​×:反対給付の履行を行えば請求を認諾 ∵ 条件付認諾 ⑶法律上許される権利法律関係の主張(× 違法の認諾) ​×:愛人契約の認諾 ∵ 公序良俗違反 ⑷ 訴訟要件の具備 ∵ 既判力 (訴訟上の和解では不要) ⑸ 訴訟能力・代理権(代理の場合) ④ 手続 ⑴方式:口頭弁論期日・弁論準備手続期日・和解期日における口頭の陳述 ​⇒ 書面の提出 + 口頭弁論期日等の欠席 → 裁判所の判断で擬制できる ⑵記載:電子調書に記載 ⑶送達:ファイルに記載された電子調書を当事者に送達 ⑤効果:(電子調書作成 + ファイル記載) → 確定判決と同一の効力267 ⑴ 訴訟の終了 ⑵執行力・形成力 ⑶ 既判力 Q 請求の放棄・認諾及びその電子調書に既判力が認められるか  ⑴事例:意思表示の瑕疵 → 請求の放棄・認諾をした → 無効・取消を主張して争えるか  ⑵問題の所在:既判力の有無等により結論が異なる  ⑶ 判例・学説 ◾️既判力肯定説 (反対説) 結論)肯定→再審事由に相当する場合のみ無効・取消可 理由)確定判決と同一の効力 ◾️既判力否定説(反対説) 結論)否定 → 欠缺があれば無効・取消可 理由)意思表示が確定判決同一の効力の根拠だが判決と同様とするのは手続保障が不十分 ◾️制限的既判力説(判例) 結論)肯定。但し、意思表示の瑕疵等による無効・取消可 理由)確定判決と同一の効力である点と 紛争解決の実効性確保から既判力肯定。一方、手続保障から意思表示の瑕疵等による無効取消しを認める   ⑷ あてはめ 写真 3 訴訟上の和解 (Aランク) 和解:当事者双方が互いに譲歩することで争いを終結させるとの合意  ※互いに譲歩がポイント ​・裁判外の和解:裁判所が関与しない → 和解契約:民法上の契約としての和解(民695) ・​裁判上の和解:裁判所が関与する ​ ・起訴前和解​:訴訟係属前の和解 → 即決和解275・267等  ≒ 訴え提起前の和解  ・訴訟上の和解(定義書けるように) ​  訴訟係属中に当事者双方が訴訟物たる権利関係について互いに譲歩することによって、訴訟を全部又は一部終了させる旨の期日における合意  ※訴訟継続中に、互いに譲歩、期日における合意 がキーワード (a) 互譲=実質的互譲 → 〇 原告の請求に全面的同意しているが、一方で原告に別途負担を負わせている (b) 期日における合意 → 〇 期日外で和解の合意し期日において陳述しても訴訟上の和解成立 ⑴条文:267 ⑵ 趣旨:処分権主義 ⑶特徴:互いに譲歩(=互譲) ② 性質:訴訟行為 かつ 私法行為 ∴ 双方の要件が必要(両性説・判通) ③ 要件 ※請求の放棄認諾の要件に類似 ⑴処分権主義・弁論主義・相対効の原則が妥当する事件 ⑵ 法律上許される権利法律関係の主張 ⑶当事者の実在・専属管轄に反しない (これら以外の訴訟要件は不要 ∵即決和解との整合) ※請求の放棄認諾では訴訟要件一般の具備が必要 ⑷訴訟能力・代理権(代理の場合)←∵確定判決と同じ効力 ④手続 ⑴原則:期日に両当事者が陳述 → 職権で要件調査 → 有効なら調書に記載 ​⇒ 期間:訴訟係属後から終局判決確定まで可 ⑵勧試:和解の勧め・試み89改) → 裁判所は和解案を提示しうる・和解期日で協議 ​⇒ 〇 確定までいつでも、 〇 受命・受託裁判官、 〇 和解期日に音声送受信 ⑶受諾和解264改):和解案を受諾するとの書面の提出 → 訴訟上の和解成立 (a) 趣旨:出頭の必要性を緩和 (b) 要件:当事者の一方又は双方の出頭困難 (c) 改正ポイント:改正前-遠隔地に居住・一方 → 改正後-(削除)・双方  ※病気などが原因で双方が出頭しなくても受託和解ができるようになった ⑷ 裁定和解265:当事者の申立 → 裁判所が和解条項を作成 → 告知により訴訟上の和解成立 ※重要な内容は当事者間で決めており、細かい内容を裁判所に決めてもらうために活用されることが多い (a) 趣旨:仲裁的方法の訴訟手続内に導入 → 裁判所が和解内容を定める (b) 要件:当事者双方の共同の申立 ⑸他の形態: 〇 他の訴訟物(併合和解)、  〇 訴訟係属前の権利(準併合和解)、 〇 第三者 ⑤効果:(電子調書作成 + ファイル記載) → 確定判決と同一の効力267 ⑴&訴訟の終了 ⑵執行力 ⑶既判力 Q 訴訟上の和解に既判力が認められるか ※請求の放棄認諾の既判力の論点と同じ ⑴問題の所在:意思表示に瑕疵がある場合、既判力の有無等により結論が異なる ⑵判例・学説 肯定説(反対説) 否定説(反対説) 制限的既判力説(判例自説) ※制限的既判力説を採る理由として両性説(訴訟上の和解が 訴訟行為かつ私法行為であること)もあげられる) ⑥ 訴訟上の和解の瑕疵の争い方 ⑴ 電子調書の記載上の誤り(例:計算違いや誤記) ​→ 申立または職権で更正決定267の2 改 ⑵無効・取消 ​→ 別訴提起(和解無効確認・請求異議の訴え) or 期日指定の申立(無効→訴訟の終了の効果は生じない→従来の訴訟は継続中→期日指定の申立てをして訴訟を再会し、その中で和解の無効取消しを争う) Q 訴訟上の和解の効力を争う場合の争い方 ⑴問題の所在:確定判決ではない ・ 明文もない ⑵ 判例・学説 •期日指定申立説(反対説) 結論)期日指定の申立による 理由)訴訟経済   なるべく同一手続内で解決すべき ・新訴提起説(反対説) 結論)別訴提起による 理由)互譲により新たな権利関係(新たな紛争)・ 審級の利益を保護(控訴審の場合問題。新たな紛争を第二審から争うことになる) ・競合説(判例自説) 結論)期日指定でも別訴でも当事者の選択による 理由)どちらも同様に重要    当事者の便宜を尊重 ⑶訴訟上の和解の解除→ 解除原因が成立後に生じた場合、解除できる(和解内容の不履行)  Q 訴訟上の和解が解除された場合の争い方 ⑴ 問題の所在:期日指定 or 別訴提起 or 当事者の選択 ⑵判例・学説 ・期日指定申立説(反対説) 結論)期日指定の申立による 理由)訴訟終了効喪失 →旧訴復活 ・新訴提起説-判通 結論)別訴提起による 理由)成立後の不履行を対象 → 別個の新しい法律関係の紛争   + 旧訴復活なし

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    第12章 終局判決による訴訟の終了

    1 裁判 Aランク ①裁判:裁判機関がその判断または意思を法定の形式で表示する訴訟行為  ※定義を書くことはない   ⑴裁判の種類(民事訴訟):判決・決定・命令 (写真) ⑵ 種類の名称:上記区分と必ずしも一致しない ​(例)差押命令、 転付命令、 仮差押命令、 仮処分命令、 文書提出命令 → 形式は決定 ②判決の種類 ・​中間判決:独立した“争点について”訴訟の進行過程で終局判決を容易にするために示される判決 ​・終局判決:係属中の事件の全部または一部につき“当該審級の審理を完結させる”判決(確定とは異なることに注意) ​ ・範囲による分類    ​→全部判決 ・ 一部判決 ・     残部判決 ・追加判決 ​ ・内容による分類   ​ ・訴訟判決 ​→ 却下判決 ​   ・本案判決 ​    ・勝敗による分類      → 認容判決・棄却判決 ​    ・効果による分類       → 給付判決・形成判決・        確認判決 ③ 中間判決 ⑴条文:245 ⑵趣旨:争点及び審理の整理 ⑶特徴:終局判決ではない → 既判力なし・執行力なし・訴訟指揮の問題 (一部判決はあり) ⑷中間判決事項 (a) 独立した攻防方法 ​(例)所有権に基づく登記移転請求 → 売買・時効取得の一方 (b) 中間の争い ​(例)訴訟要件の存否 (c) 原因判決​(例)損賠請求 → 金額・要件を争う → まずは過失について中間判決 ⑸ 効力 (a) 自己拘束力が生じる ​→ 終局判決の前提 (中間判決に矛盾する終局判決は不可) (b) 独立の上訴は認められない ​→ 終局判決に対する上訴は可 (c) 理由中判断の先出し​→ 本来、終局判決の理由 ⑹ 一部判決との相違 ​・一部判決:訴訟物の一部について判決 ​(例)A及びB債務の存否→Aあり ​・中間判決:訴訟物について判決しない ​(例)A及びB債務の存否 → Aの借入契約成立(借入契約が成立したことを認めても、A債務があるかはわからない→訴訟物については判断していない) ◻ 判決の成立と確定   (Aランク:成立と確定を区別) ・​判決の成立:弁論終結後に判決内容を確定・告知 ​→自己拘束力発生 ​・判決の確定:成立した判決の上訴または当該手続での取消不可 ​→ 判決の効力(既判力等)発生 ①判決の成立 ⑴ 内部的成立:判決内容を確定(単独 or 評決) → 電子判決書が作成252改) (a) 順序:電子判決書作成の後回し不可 (刑訴は可 ∵人権保護(早く釈放される等)) (b) 電子判決書:主文・事実・理由・口頭弁論終結日・当事者及び法定代理人等を記録した電磁的書類 ​⇒ 原則、言渡し ・ 当事者に送達 ・ ファイルに記録 ⑵ 外部的成立:電子判決書を当事者に言渡し ②判決の確定 ⑴判決の確定時期 = 上訴が不可能となったとき ​・上訴期間を徒過 ​→ 判決送達日から2週間(不変期間)  ​・上告審判決 ​  → 言渡し時 ・​上訴権放棄等  ​→ その時 ⑵確定判決の効力 ​・確定判決の形式的確定力​:当該手続内で当事者が争えなくなる効力 ​・確定判決の内容的効力​:手続外での効力 ​  ・本来的効力:既判力・執行力・形成力 ​  ・付随的効力:参加的効力・争点効?・反射効? 2 判決 ◻ 判決の成立による効力 (Bランク) ① 判決の成立による効力 ​自己拘束力​:当該裁判所に自由な撤回・変更が認められない効力 ∵法的安定要求 ​羈(き)束力​:当該手続内で他の裁判所を拘束する効力​∵ 条文22Ⅰ(移送)・321Ⅰ等 ② 判決成立後の判決内容の修正 → 判決の変更・更正 ∵ 適正手続要求 【判決の変更】 条文)256 修正事由)法令違反 期間)言渡し後1週間以内かつ確定前 裁判形式)判決 不服申立方法)上訴 【判決の更正】 条文)257 修正事由)明白な誤り (例)計算違い・誤記 期間)いつでも 裁判形式)決定 不服申立方法)即時抗告 ③ 決定・命令の自己拘束力 ⑴ 再度の考案:決定・命令 → 抗告+理由あり → 原裁判の取消・変更可333 ∴ 自己拘束力緩和 ⑵訴訟指揮に関する場合:任意に取消可120 ∵ 訴訟追行上の合目的的判断 例:弁論の併合、期日指定等) ◻ 確定判決の騙取(へんしゅ) B+ ①確定判決の騙取:故意に相手方当事者や裁判所を欺いて確定判決を取得すること Q 確定判決を不当に取得された場合の処理 ⑴事例​:被告の住所を調べずに不明として提訴 → 公示送達 → 被告欠席のため認容判決 ⑵ 問題の所在​:条文なし ⑶とりうる手段​:上訴の追完97 ・ 再審338 ・ 損害賠償請求709 (a) 上訴の追完:一定事由による不変期間の不遵守 → 事由消滅後1週間以内の追完可 ∵ 自己責任 (b) 判例・学説 ⅰ 上訴の追完 結論)責めに帰することができない事由 ≒ 無過失 ・該当すれば追完可 → 被告側・原告側の事情を総合的に考慮 理由)当事者間の公平 ⅱ 再審 結論)否定 理由)再審事由に該当しない   再審は例外 → 要件は厳格 ⅲ損害賠償請求 結論)原則、否定 著しく正義に反し既判力による法的安定の要請を考慮しても容認しえない特別の事情があれば肯定 理由)既判力による法的安定の要請 (損害賠償を認めるということは前訴と矛盾) ⑷あてはめ:原告は住居を調べずに不明とした ∴ 被告に責任なし → 〇 上訴の追完

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    判決の変更と判決の更正の比較

    写真

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    3 既判力 A+

    ◻ 既判力総説 ①既判力:確定判決の判断内容の後訴での通用力または基準性(拘束力) ※書けるように ​⇒ 前訴の確定判決を前提にして、矛盾する主張を排斥 ⑴ 条文:114 ⑵事例 ・​前訴:原告Xの被告Yに対する甲地の所有権確認訴訟 + 認容・確定​→ 〇 甲地所有権=X ​・後訴:原告Xの被告Yに対する甲地の所有権に基く明渡請求訴訟 ​→ × 甲地所有権=Y ② 正当化根拠 ※⑴⑵書けるように ⑴判決によって確定された権利関係の法的安定性を維持するために不可欠な制度的効力→「法的安定性を維持するための制度的効力」と書く ⑵手続保障の充足に基づく自己責任 ③ 作用とその場面 ​・時間的作用:確定判決 + 後訴 (× 控訴審・上告審・前訴には及ばない) ​・消極的作用:裁判所は既判力の生じた判断を争う当事者の主張・抗弁を排斥する ​・積極的作用:裁判所は既判力の生じた判断に拘束されそれを前提として後訴を審判する ⑴ 前訴と後訴の訴訟物が同一の場合 (a) 前訴敗訴者による後訴 ​•基準時前に提出すべき主張 ​→排斥 ​•既判力の及ばない事由の主張がない ​  → 請求棄却判決 ​•既判力の及ばない事由の主張がある ​   → 前訴判決を前提にして判決 (b) 前訴勝訴者による後訴 ​・原則 → 不適法却下    ​∵ 訴えの利益なし ・​例外 → 前訴判決を前提にして判決 ​∵ 時効の完成猶予・判決原本滅失等のため必要な場合 ⑵前訴訴訟物が後訴訴訟物の先決関係にある場合(写真の例のみ押さえておけばok) •​先決問題につき前訴で提出すべき主張 ​→ 排斥 •​後訴の争点 + 既判力の及ばない主張を整理(例:前訴後に権利を取得) ​→ 前訴判決を前提に判決 •​前訴後訴逆転の場合は別問題 ​→ 理由中判断に既判力は生じない ※例:前訴:Xの建物明渡請求→認容  後訴:Yの建物の所有権確認  →前訴でXの所有権の既判力は生じない(理由中の判断のため) ⑶前訴訴訟物と後訴訴訟物が矛盾関係にある場合 ​・前訴で提出すべき主張 ​→ 排斥 ​・後訴の争点 + 既判力の及ばない主張を整理 ​→ 前訴判決を前提に判決 ※例:前訴:甲地のX所有権確認訴訟   後訴:甲地のYの所有権確認訴訟 ④ 既判力の範囲の原則 A+ ​•基準時​:事実審の口頭弁論終結時  →これ以降に生じた事項には既判力は生じない •​客観的範囲​:判決主文中の判断 •​主観的範囲​(誰を拘束するか):当事者 ⑤手続 ⑴ 既判力の調査(既判力のある判決の有無等):職権調査事項 ⑵看過した場合:上訴による後訴の取消305 ・ 再審による取消338Ⅰ十 350 既判力を有する裁判 ​判決​:〇 終局判決 ・ × 中間判決 ​決定・命令​:〇 実体につき判断(訴訟費用等)・ × 訴訟指揮に関する場合 Q 訴訟判決に既判力が認められるか ⑴ 事例:訴訟要件(当事者適格)の欠缺により却下判決 → 当事者適格なしに既判力? ⑵判例:認められる ⑶理由:訴訟要件に関する争いの防止 ◻ 既判力の時的限界 ⑴既判力の基準時:既判力により権利関係が明らかにされる基準となる時 ​= 事実審の口頭弁論終結時 → 遮断効が生じる ⑵ 理由:この時までは当事者の自己責任を問える ⑶基準時の例 ・​第一審で確定:第一審の口頭弁論終結時 ​・第二審で確定:第二審の口頭弁論終結時 ​・第三審で確定:第二審の口頭弁論終結時 ⑷遮断効:確定された権利関係の存否を争うために、基準時前に存した事由の提出を認められない ​(例)基準時における債権の確定 → 基準時前の無効原因、弁済、解除等の後訴での主張不可 ​⇒ 主張・過失の有無 は不問 ② 基準時後の形成権行使 ⑴問題の所在:基準時前に形成原因存在 → 基準時後に形成権行使 ​⇒ 基準時後の行使  =  行使により初めて権利関係変動 ∴ 基準時後の事由として遮断効なし? ⑵判例 ⅰ 取消権・解除権:否定∵前訴の請求権自体の瑕疵(無効も同様)→前訴で主張できた ⅱ 白地補充権:否定(出ない) ⅲ時効援用権:否定∵前訴での主張は容易 ⅳ 相殺権:肯定∵自働債権と請求債権たる受働債権は別個の債権+実質的敗訴 (相殺は弁済したのと同じこと) ⅴ 建物買取請求権:肯定 ∵請求債権たる土地明渡請求権とは別個の権利+実質的敗訴 ◻ 既判力の客観的範囲 (A+頻出) ① 既判力の客観的範囲:既判力の生じる対象・事実 ​⇒ 判決主文(で示された訴訟物たる権利・法律関係の存否)の判断 ​→ 理由中で示される前提問題たる権利・法律関係の判断には生じない114Ⅰ ​(例)所有権に基く返還請求権としての土地明渡請求訴訟 → 認容・確定 ​主文:YはXに土地を明渡せ(土地明渡請求権あり) ​→ 既判力あり ​理由:Xに所有権あり・賃貸借契約終了 ​→ 既判力なし ②理由 (※書く) ⑴争訟の処理としては主文の記載に認めれば足りる ⑵手続保障の充足による自己責任を問いうる (通常、当事者は訴訟物に攻撃防御方法を集中する) ⑶申立順序や実体法上の論理的な順序に拘束されず容易なものから審理 (= 「審理の簡易化・弾力化」と最低限書けるように) ※ 図 ③相殺の抗弁:被告が自働債権を相殺に供することで原告の債権を消滅させ請求を理由がないとする抗弁 ​⇒ 判決理由中で判断された場合、例外的に既判力が生じる114Ⅱ ⑴範囲:訴求債権を消滅させるために必要な額に限る ⑵理由 (※書く) (a) 反対債権の存否の紛争として蒸し返され判決による解決が実質的に意味を失うおそれ  (※後訴で反対債権の訴えが認められたら原告は二重で敗訴することとなる) (b) 相殺の抗弁は反訴提起に等しい実質 → 訴訟物と同等の手続保障がある Q 相殺の抗弁と既判力の範囲 図) ⑴問題の所在:相殺の抗弁 → 排斥 or 認容 → 不存在に既判力生じることは変わらない ​⇒ 反対債権の存在はどうか?超過部分については? ⑵判例・通説:反対債権の不存在のみ既判力あり ・ 超過部分には既判力なし ⑶理由 反対債権:各債権の存在は基準時前の事情、 紛争解決としては十分、 存在は不存在の理由に相当 ​超過部分:相殺を対抗した額についてのみ既判力114Ⅱ ④ 争点効(B+):主要な争点として争い、かつ、裁判所がこれを審理してだしたその争点についての判断 ​⇒ 後訴で通用力をもつ ≒ 理由中判断に拘束力(争点効)が生じる場合がある Q 判決理由中の判断に争点効という拘束力を認めるべきか ⑴事例​:詐欺による売買契約取消の訴え → 同一当事者間で詐欺による登記抹消請求の訴え ⑵問題の所在​:理由中判断に既判力なし → 紛争の1回的解決 + 手続保障の充足から、争点効を認めてもよいとも思える ⑶ 判例・通説​:認められない ⑷理由 (a) 一般的効力を認めるには要件が曖昧 (b) 審理の簡易化・弾力化に反する (c) 中間確認の訴え145が用意されている ⑤ 信義則の適用:個別具体的事情に信義則を適用 → 理由中判断に拘束力(cf.原則否定・争点効・判例) ⑴禁反言の原則:勝訴者が後訴で前訴利益を維持しつつ、利益追求のため相容れない主張をすることはできない ​(例)Xが売買の目的物引渡請求 → 錯誤主張によりY勝訴 → Yが売買代金返還請求で売買の有効を主張することはできない ※Yの抗弁は理由中判断で既判力は生じないが信義則により禁反言   ⑵権利失効の原則:懈怠した敗訴者が後訴で同一問題を蒸し返し相手方の正当な信頼を裏切る ​(例)移転登記請求 → 売買契約の錯誤取消によりX敗訴 → × 明渡請求でYの重過失により錯誤は無効として売買契約は有効だと主張することはできない ※禁反言は勝訴者、権利失効は敗訴者が主張 ◻ 既判力の主観的範囲 ① 既判力の主観的範囲:既判力が及ぶ人 ​⇒ 判決効・既判力は当事者間にのみ及ぶのが原則(相対効の原則) ⑴ 条文:115Ⅰ ⑵主観的範囲 ​・原則:当事者間(相対効の原則) ・​例外:当事者以外の第三者  ・​訴訟担当における利益帰属主体​:   第三者の訴訟担当 ​ ・口頭弁論終結後の承継人​:   訴訟物の譲受人 ​ ・請求の目的物の所持者​:受寄者 ​ ・115条の規定外の者​:人事関係訴訟   (離婚など) ② 理由 ※論文で書く ⑴ 原則:紛争解決としては十分 ・ 当事者以外には手続保障による自己責任を問えない ⑵ 例外  ・​必要性:訴訟による紛争解決の実行性の確保 ・画一的処理の必要  ・​許容性:代替的手続保障が及んでいる(※1) ・独自の手続保障が不要(※2) ※1 訴訟物の譲受人は譲渡人が代わりに手続きをしている ※2 単に預かっているだけのため独自の手続保障は不要 ③ 訴訟担当における利益帰属主体115Ⅰ二 ⑴既判力​:訴訟担当者が受けた判決 → 本来の利益帰属主体にも拡張 ⑵ 対象例​:法定訴訟訴訟担当及び任意的訴訟担当 ⑶趣旨​:利益帰属主体にも代替的に攻撃防御上の地位が保障 ⑷ 債権者代位訴訟等の被代位権利の行使における利益帰属主体への既判力の拡張 ​⇒ 遅滞なく債務者に対し訴訟告知があった場合にのみ既判力拡張(民423の6・改正前は無条件) ④口頭弁論終結後の承継人115Ⅰ三 (cf.終結前は訴訟承継の問題) ⑴既判力:当事者が受けた判決 → 当事者の承継人にも拡張 ⑵ 対象例:口頭弁論終結後に訴訟の目的物を譲渡(売買等) → 訴訟物たる権利・義務を承継 ​⇒ 訴訟の勝敗、一般承継・特定承継(相続・債権譲渡等)、任意・強制 等は不問 ⑶趣旨 ​必要性:紛争解決の実効性 ​許容性:前主により手続保障は代替されたといえる Q 口頭弁論終結後の承継人の範囲 ⑴事例:家屋収去土地明渡請求 → 口頭弁論終結 → 当該家屋を第三者に譲渡 ⑵問題の所在:口頭弁論終結後の承継人の範囲の基準 ⑶ 通説:紛争の主体たる地位を承継した者​(当事者適格を伝来的に取得した者)⇒ 広く含む  ※当初からその地位にいれば原告または被告になっていたと言えれば認める ⑷ 理由:紛争解決の実効性を失わせることを防止  ※負けそうな時に第三者に譲渡して損失を回避するようなことを防止すえうため ⑸ あてはめ:上記事例の第三者に既判力は及ぶ Q 目的物の占有を承継した者は承継人に該当するか ⑴ 事例:建物引渡請求訴訟 → 口頭弁論終結 → 当該建物を占有屋に明渡 ⑵問題の所在:旧訴訟物理論 → 物権的請求権・債権的請求権を区別 ⑶ 通説 ​物権的請求権:承継人に該当する ​→ 占有屋に既判力が及ぶ ​∵ 絶対的な権利 ​債権的請求権:承継人に該当しない ​→ 占有屋に既判力が及ばない ​∵ 相対的な権利 Q 口頭弁論終結後の承継人が固有の攻撃防御方法を有している場合でも承継人にあたるか(※重要A+) ⑴事例:土地明渡請求訴訟 → 口頭弁論終結 → 当該土地を第三者に譲渡 + 登記 ​⇒ 通謀虚偽表示(民94Ⅱ)・動産即時取得者(民192)・善意の占有取得者(民200Ⅱ) ⑵問題の所在:固有の抗弁を有する → 前訴判決に拘束されるか? ⑶判例・学説 ※判例学説両方抑えること ・形式説(反対説) 結論)承継人にあたる 理由)前訴の判決に拘束されても抗弁提出自体は妨げない ・実質説(判例) 結論)承継人にあたらない 理由)固有の抗弁があるため前主の不利な地位を承継しない 先決関係にない・実務及び執行力との整合性? ⑷ 各説の相違 ・後訴:形式説・実質説ともに承継人勝訴(抗弁より) ・承継人の範囲 形式説 承継人にあたる = 前訴判決に拘束される 実質説 承継人にあたらない = 前訴判決に拘束されない 固有の攻撃防御方法:形式説・実質説ともに主張できる ⑤請求の目的物の所持者115Ⅰ四 ⑴既判力:当事者が受けた判決 → 所持者(独自の法的利益なし)にも拡張 ⑵対象例 ​ 〇:受寄者、管理人、同居人 → 基準時の前後、動産・不動産、物権的・債権的 等は不問 ​ ×:賃借人、 質権者、 自主占有者、 占有補助者(本人の占有の扱い) ⑶趣旨:独自の手続保障が不要 ・ 紛争解決の実効性 Q 口頭弁論終結前の仮装譲受人への既判力の拡張 B+ ⑴ 事例:移転登記請求訴訟 → 訴訟係属中・口頭弁論終結前に被告が仮装譲渡 → 判決 + 確定 ⑵問題の所在:終結前 ∴ 115Ⅰ三不適用 → 被告のため所有 ∴ 115Ⅰ四類推適用できるか ※仮装譲受人にも独自の法的利益はあるため115①⑷の類推適用の問題となる ⑶判例(高裁):仮装譲渡と判断できれば、115Ⅰ四類推適用可 ⑷ 理由:訴訟承継させないと従来の訴訟が無駄 ・ 仮装譲受のため譲受人には固有の実体的利益がない ⑥ 115条の規定外の者 ⑴破産法:破産債権確定判決 → 破産債権者全員に既判力拡張(破産131Ⅰ) ⑵ 対世効:判決の効力が当事者だけではなく第三者にも及ぶ場合 ​⇒ 人事関係訴訟(主に親族法) ・ 団体関係訴訟(主に会社法) ⑶法人格否認の法理 ⑷B + 反射効:当事者の一方と実体法上の依存関係にある第三者に反射的に有利または不利に影響を及ぼす効力 ※「当事者の一方と実体法上の依存関係」の典型例:保証人 Q 反射効による既判力の拡張は認められるか ⑴ 事例:主債務者と債権者の債務不存在判決 → 保証人に既判力を及ぼす? ⑵ 問題の所在:実体法上、保証人も債務不存在 → 訴訟法上の整合性 ⑶ 判例:認められない ⑷理由:手続保障を害し相対効の原則に反する、 明文がない、 実質的には既判力の拡張

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    既判力の客観的範囲 理由

    申立順序や実体法上の論理的な順序に拘束されず容易なものから審理 (= 「審理の簡易化・弾力化」と最低限書けるように) ※ 図 いきなり③の弁済を審理し認定することができる(申立順序に拘束されない)

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    相殺の抗弁 図

    後訴におけるβ債権の訴えは114②により既判力が生じ、認められない

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    Q 相殺の抗弁と既判力の範囲 図)

    ⑴問題の所在:相殺の抗弁 → 排斥 or 認容 → 不存在に既判力生じることは変わらない ​⇒ 反対債権の存在はどうか?超過部分については? ⑵判例・通説:反対債権の不存在のみ既判力あり ・ 超過部分には既判力なし ⑶理由 反対債権:各債権の存在は基準時前の事情、 紛争解決としては十分、 存在は不存在の理由に相当 ​超過部分:相殺を対抗した額についてのみ既判力114Ⅱ

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    Q 口頭弁論終結後の承継人が固有の攻撃防御方法を有している場合でも承継人にあたるか(事例)写真

    Zは背信的悪意者ではない

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    4 執行力 Bランク 5 形成力

    ①執行力:給付義務を強制執行手続によって実現できる効力 → 債務名義により現実化 ⑴ 正当化根拠:既判力と同様 (a) 判決によって確定された権利関係の法的安定性を維持するために不可欠な制度的効力 (b) 手続保障の充足に基づく自己責任 ⑵債務名義:強制執行によって実現されるべき債権の存在・範囲を証明する公的機関が作成した文書 (c) 種類:民執22)確定判決、仮執行宣言付判決、執行証書・公正証書、 和解調書、調停調書 (d) 手続:受訴裁判所・公証人等が作成 → 執行機関が執行 ∵ 迅速な執行のため個別 ② 強制執行:債務名義 + 執行文 + 送達証明書 → 申立 → 執行 ⑴執行文:請求権が存在及び強制執行できる状態を証明するために付与する文言 ⑵送達証明書:債務名義の正本又は謄本が債務者に送達されたことを証する証明書 ⑶種類 ​・債権執行​:債権 を対象 ​→ 給与1/4まで、預金、売掛金債権、貸与金債権等 ・​不動産執行​:不動産を対象 ​→ 土地、建物、登記済地上権等 ​・動産執行​:動産 を対象 ​→ 骨董品、貴金属、現金66万まで、小切手、株券等 ③ 執行力の範囲:通常、既判力に準ずる ​・時的限界​:基準時 ​・客観的範囲​:主文で確定された給付請求権 ・​主観的範囲​:当事者間及び承継人等に拡張 Q 口頭弁論終結後の承継人が固有の攻撃防御方法を有している場合、執行力が及ぶか ※ あnAランク ⑴問題の所在​:前主の受けた執行力が及ぶか (既判力は前主の地位を争えないを意味) ⑵判例​:執行力は及ぶ。但し、固有の攻撃防御方法を有する場合は及ばない ⑶理由​:固有の抗弁があるため前主の不利な地位を承継しない(実質説) ④仮執行宣言:未確定の終局判決に対し確定判決同様の執行力を付与する終局判決に付随する形成的裁判 ⑴要件:財産上の請求に対する判決 ・ 必要があると認める ⑵ 手続:申立又は職権、 無条件又は担保供与を条件 ⑶効力:言渡しによって執行力発生、上訴によって当然には停止しない 5 形成力 ①形成力:判決内容どおりの新たな法律関係の発生・変更・消滅を生じさせる効力 ​・時的範囲​:判決確定時 → 遡及効 or 将来効、どちらもある ・​客観的範囲​:判決主文 ​・主観的範囲​:対世効

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    第六編 複雑訴訟第13章 複数請求訴訟 1 訴えの客観的併合 Aランク

    1 訴えの客観的併合 ①複雑訴訟:同一の訴訟において訴訟物や関与する者が多数存在する訴訟形態 ​⇒ 原則:「訴訟は1つの請求 ・ 一対一の当事者」を修正 ​・複数請求訴訟​:一対一の当事者間に複数の請求が審理される訴訟形態​≒ 客観的併合・客観的複数 ・​多数当事者訴訟​:当事者として3人以上の者が関与する訴訟形態 ​≒ 主観的併合・主観的複数 ​⇒ よく似た類型が多く覚えにくい。類型と具体例をセットで覚えること。 ②複数請求訴訟 → 訴えの客観的併合・請求の客観的併合とも(異論あり) ⑴条文:136等 ⑵趣旨:審理の重複及び矛盾判決の防止 ⑶類型 A+ ​・時期による類型: (請求の)原始的複数(=固有)・(請求の)後発的複数 ​ ・態様による類型:  単純併合(=並列的併合)・  選択的併合(=択一的併合)・  予備的併合 ・​原因による類型( 全て後発的複数):  訴えの変更・ (原告主導で複数に)  反訴・    (被告主導で複数に)  中間確認の訴え・  弁論の併合  (裁判所主導で複数に) ⑷一般的要件 (a) 数個の請求が同種の訴訟手続によって審判されるべきもの​(例)× 民事訴訟 + 人事訴訟 (b) 法律上併合が禁止されていない (c) 受訴裁判所に管轄権がある ​⇒ 原則、関連性は不要。例外あり(人事17Ⅰ等 (離婚とそれに基づく損害万象請求訴訟)) ③時期による類型 ​・原始的複数:訴え提起の当初から複数の請求を審理する場合 ・​後発的複数:訴え提起後に別の請求を審理する場合 ④態様による類型 Aランク ・単純併合(※定義書けるように): 数個の請求を並列的に併合し、全ての請求について審判を求める併合形態 (典型例)売買代金支払請求と貸金債権支払請求 → 各々無関係(認容棄却全て可) ・選択的併合(※定義書けるように): 同一の目的を有し法律上両立することができる複数の請求のうちの1つが認容されることを他の請求の解除条件とした併合形態  ※「法律上両立できる」がポイント (典型例)所有権に基く返還請求権と占有権に基づく返還請求権 → どれか1つを認めて ・予備的併合(※定義書けるように): 法律上両立しえない複数の請求に順位を付し、先順位の請求(主位請求)が認容されることを後順位の請求(副位請求)の審判申立の解除条件とした併合形態 (典型例)売買代金請求を主位請求とし売買の目的物の返還を副位請求 → 代金渡せ、無理なら物返せ Q 代償請求の法的性質と効果 ⑴ 事例​:物引渡請求 + 引渡不能の場合に備えた事前の損害賠償請求(代償請求・代償請求権) ⑵代償請求権​:履行不能の場合にその同一の原因によって債務者が得た利益を請求する権利 ⑶問題の所在​:予備的併合 or 単純併合 → 代償請求の審判の要否 ⑷結論​:現在の給付の訴え + 将来の給付の訴えの単純併合 → 全て審判必要 ⑸理由​:両立しうる関係(どちらの請求も容認されうる。(引き渡しがなされない場合の代償請求を認容)) ⑤ 審理と判決 ⑴ 訴訟の開始​:併合要件は訴訟要件として調査 → 欠缺の場合、個別の訴え・移送等 ⑵審理​:同一の訴訟手続 → 争点整理・弁論・証拠調べは共通、 弁論の制限も可 ⑶判決​:単純:全ての請求     選択:1つ認容 → 他は棄却      予備:主位棄却 → 副位 Q 弁論の分離、一部判決が認められるか ​・単純併合 ​→ 原則、認められる  ​∵ 矛盾判決とならない ​・選択的併合・予備的併合 ​→ 認められない ​∵ 矛盾判決  ※一部判決:民事訴訟で複数の請求が併合審理されている場合に、そのうちの1つまたは一部を他の事件と切り離して先に出す終局判決 ⑥控訴審 ⑴控訴不可分の原則:控訴では判決における全請求について確定遮断効及び移審効が生じるとの原則 ​(例)100万貸金返還請求 → 原審で60万認容(一部認容) → 控訴:100万確定遮断効+移審効、Yは附帯控訴可 ​⇒ 予備的併合で問題 Q 予備的併合で主位請求認容判決について被告が控訴した場合 ⑴事例:代金支払請求(主位)+ 目的物返還請求(副位)→ 主位認容 → 被告が控訴 ⑵問題の所在:副位請求 ​副位請求判断なし → 移審の有無 ∵ 確定遮断効+移審効生じない? ​副位請求審理なし → 審理の可否 ∵ 原審で審理してないので審級の利益を害する? ⑶ 判例 (a) 移審:有 ∵ 主位請求と副位請求に密接な関連性 + 当事者の合理的意思  ※控訴審で主位・副位請求双方審理されることは当事者の合理的意思に合致) (b) 審理:可 ∵ 非両立から訴訟資料の大部分は共通 + 控訴審での訴えの変更可との均衡143Ⅰ Q 予備的併合で副位請求認容判決について被告が控訴した場合 ⑴事例:代金支払請求(主位)+ 目的物返還請求(副位)→ 副位認容 → 被告が控訴 → 主位認容? ⑵問題の所在:控訴審で主位請求を認容してよいか? ​•移審係属の範囲 → 主位請求・副位請求の移審の有無 ​∵控訴審におけるう主位認容の前提 ​•審判対象の範囲 → 主位請求の審判の可否 ​∵ 原告の不服申立がない(原告にとって不意打ちにならないか) ⑶ 判例 (a) 移審係属の範囲:主位請求・副位請求共に移審する ∵ 控訴不可分の原則 (b) 審判対象の範囲:原告の附帯控訴がない限り主位請求部分は審判対象にならない ​∵ 当事者双方は主位について満足 → 不意打ちとなり不利益変更禁止の原則に反する  ※ 通常、主位請求が認められないことは被告は満足、原告は満足でない。しかし、原告が付帯控訴をしていないと言うことは、副位請求認容でokということ。それにも関わらず、控訴審で主位請求が認められることは原告にとっては不意打ちとなる

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    2訴えの変更 3反訴 4中間確認の訴え

    2 訴えの変更 B➕ ①類型相互の関係:時期による類型 ・ 態様による類型 ・ 原因による類型 ​・態様による類型:単純併合・選択的併合・予備的併合 ​→ 原始的複数を予定 ​・原因による類型:訴えの変更・反訴・中間確認の訴え・弁論の併合 ​→ 後発的複数 ​⇒ 原因による類型 ≒ 後発的複数の発生原因 ②訴えの変更:訴訟係属後に、原告が、当初からの手続を維持しつつ、当初の審判対象を変更すること ⑴条文:143 ⑵事例:貸金返還請求 → 未払いのまま利息発生 → 利息支払請求を追加 ⑶趣旨:原告の便宜及び訴訟経済 ③態様 ⑴訴えの追加的変更:旧請求を維持しつつ、新請求を追加する場合 ​(例)貸金返還請求 → 利息支払い請求を追加 ⑵ 訴えの交換的変更:旧請求と交換して新請求を提起する場合 ​(例)特定物引渡請求 → 特定物の滅失が発覚 → 特定物に関しての損害賠償請求 Q 訴えの交換的変更の法的性質 ・複合行為説 判例 結論)訴えの取下 + 訴えの追加的変更 理由)被告の保護のために被告の同意が必要であると構成する ・独自行為説 学説 結論)従来の審理を利用でき、被告の同意を要する独自行為 理由)従来の審理を利用できる点を説明するため Q 請求の趣旨における数量の変更  (損害賠償額の変更) ​拡張:訴えの追加的変更 → 可 ​減縮:明示の一部取下げ → 被告の同意があれば可261Ⅱ(判例)   ④ 要件 ⑴請求の基礎に変更がない:裁判資料を新請求の審理に利用でき かつ 利益関係が社会生活上共通 ​ 〇:請求の拡張、 請求の減縮、 同一原因  ​×:別原因(売買契約に基づく代金請求 → 消費貸借契約による貸金返還請求) ➢ 被告が同意または異議なく応訴をした場合は不要(→別原因でも認められる) ∵ 被告の利益のため  ※ この要件と判例は頻出 ⑵著しく訴訟手続を遅滞させない ⑶ 事実審の口頭弁論終結前   → 控訴審でも被告の同意を要せず変更可 ⑷複数請求訴訟の一般的要件を充足 ⑸交換的変更の場合、相手方の同意 ⑹書面での手続 ⑤審理手続:裁判所が認める → 旧請求の資料全てが新請求の資料となる 3 反訴 ①反訴:係属中の本訴の手続内で、関連する請求につき、被告が原告に対して提起する訴え ≒ 訴え返す ※書けるように  ⑴ 本訴:反訴・訴訟参加等の契機となった大本の訴訟(民事訴訟) → 原告から被告に対する訴え ⑵条文:146 ⑶趣旨:当事者平等原則(訴えの変更等との均衡)、 矛盾判決の防止、 訴訟経済(裁判資料が共通) ②態様・事例:訴えの変更に対応 ⑴単純併合に対応 ​(例)Xが目的物引渡請求 → Yが代金支払請求 ⑵予備的併合に対応 ​(例)Xが目的物引渡請求 → Yが無効主張 (主位)+ 代金支払請求(副位)  ※予備的併合的な反訴も認められることは押さえておく ③要件:訴えの変更に対応 ⑴ 本訴請求またはこれに対する防御方法と関連:請求の基礎の同一性と基本的に対応 (a) 原告の同意があれば充足不要    ​∵ 原告の利益 (b) 請求の基礎の同一性よりも緩和    ​∵ 原告には原始的客観的併合が認めらている (c) 本訴請求と関連:本訴訴訟物たる権利の内容または発生原因において共通点を有する ➢ 同一物の所有権確認 + 賃借権確認、 同一事故の双方の損害賠償請求、 双務契約の双方の債権 (d) 防御方法と関連:本訴に対する抗弁事由とその内容または発生原因において共通点を有する ➢ Xが金銭請求  → Yが相殺の抗弁を主張 + 当該反対債権の残額の支払請求 ➢ Xが物引渡請求 → 留置権の抗弁を主張  + 当該被担保債権の支払請求  ⑵著しく訴訟手続を遅滞させない ⑶事実審の口頭弁論終結前 (a) 控訴審での反訴提起は原告の同意または応訴を要する300  ∵進級の利益保護(訴えの変更では不要) (b) 反訴請求について実質的に審査されていれば同意不要(判例) ∵ 審級の利益を害さない ⑷複数請求訴訟の一般的要件を充足 ⑸書面(反訴状の提出)での手続 ④ 手続 ⑴要件欠缺:反訴を不適法却下(判例)​→ 訴えの変更は分離審判 ⑵審理手続:同一の訴訟手続で審理​→ 予備的反訴等を除き、弁論の分離・一部判決も可 ⑶反訴取下:応訴等の後は同意必要​→ 相手方が本訴取下した場合、不要261Ⅱ 4 中間確認の訴え ①中間確認の訴え ​訴訟係属中に当該請求の先決関係たる権利法律関係の存否につき当事者が追加的に提起する確認訴訟 ※訴訟係属:被告に訴状送達から ※先決関係:前訴訴訟物が後訴訴訟物の前提問題となっている場合。具体例:前訴が「甲土地の所有権確認請求」で後訴が「甲土地の所有権に基づく明渡請求」 ⑴条文:145 ⑵事例:甲地の所有権に基く引渡請求 → 所有権確認請求(中間確認の訴え) ⑶中間判決との異同 → 中間確認と中間判決は無関係かつ別物 ・中間判決 (共通)請求の関連問題・争点につき、審理の途中で判断 (性質)訴訟指揮 (判断内容) × 既判力 × 執行力  × 終局判決 ・中間確認の訴え (共通)請求の関連問題・争点につき、審理の途中で判断 (性質)訴え提起 (判断内容)〇 既判力 〇 執行力     〇 終局判決 ②趣旨:理由中判断の既判力による確定 →訴訟不経済及び矛盾判決の回避 ③ 要件 ⑴当該請求の先決関係にある権利法律関係について争いがある ⑵確認請求 ⑶事実審の口頭弁論終結前 ​⇒ 控訴審における相手方の同意不要(通説)∵ 先決関係(→既に審理しているため審級の利益を害さない) ⑷複数請求訴訟の一般的要件を充足 ⑸書面での手続 ​⇒「著しく訴訟手続を遅滞させない」 → 要件ではない ④ 手続:同一の訴訟手続で審理

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    第14章 多数当事者訴訟 A 1 共同訴訟

    ◻ 共同訴訟の概要 ①多数当事者訴訟の種類 ​・共同訴訟​:原告または被告が複数(当事者として加わる) ​・補助参加訴訟​:当事者以外の者(補助参加人)として加わる ​・三面訴訟​:原告または被告とは別の当事者(独立当事者)として加わる(独立当事者参加) ​・当事者交替​:従来の当事者が抜けて入れ替わる形で加わる(当事者の交替) ②共同訴訟:一つの訴訟手続に数人の原告または被告が関与している訴訟形態 (書けるように) ⑴趣旨()Aランク:審判の重複回避、 矛盾判決の回避、 手続保障の充足 →選択的(3つの趣旨がすべて妥当する場合もあれば一部の場合もある)  ※趣旨書けるように ⑵種類 (a) 共同訴訟の類型:結果 ​・通常共同訴訟​:関連して便利だから共同 ​・必要的共同訴訟​:合一確定が必要だから共同 ​  ・類似必要的共同訴訟:初めは単独でもよいが共同すれば継続が必要   ・​固有必要的共同訴訟:初めから関係者全員の共同が必要 (b) 成立形態:原因 ・​原始的併合:訴えの主観的単純併合、 訴えの主観的予備的併合、 同時審判申出共同訴訟等 ・​後発的併合:主観的追加的併合(共同訴訟参加、訴訟承継等)、 弁論の併合 ​注)主観的-当事者 ◻ 通常共同訴訟 ①通常共同訴訟 ​各共同訴訟人と相手方との間の複数の請求相互間に、38条所定の関連性がある場合に、本来個別に審判されうる数個の請求につき便宜上共同訴訟することが認められる訴訟形態 ②条文:38 ③趣旨:審理の重複回避、 矛盾判決の回避 ④要件 ⑴ 主観的併合要件:請求相互間の関連性38 (a) 権利共通 ​(例)数人の土地共有者による明渡請求 (b) 義務共通 ​(例)数人の連帯債務者に対する支払請求 (c) 原因共通 ​(例)同一事故による数人の被害者へ損害賠償請求 (d) 権利又は義務同種かつ原因同種   ※「同種」「かつ」がポイント  ​(例)賃貸人の各賃借人に対する明渡請求 / 複数人にお金を貸している者が複数人に対して支払請求 ⑵ 客観的併合要件:複数請求訴訟の一般的要件 → 同種手続、 管轄権、 併合禁止でない ⑶ 一般の訴訟要件 ⑤ 審理方式 ⑴共同訴訟人独立の原則(:通常共同訴訟の原則):各共同訴訟人は他の共同訴訟人に制約されることなく、各自独自に訴訟を追行する​権能を有しその効果を受けるという建前  ※定義書けるように各共同訴訟人、各自独自に訴訟を追行、その効果を受けるがポイント (a) 条文:39 (b) 趣旨:事実上、審理の重複・矛盾判決回避の実現を期待 → 法律上の要請はない (c) 帰結:各共同訴訟人は放棄・認諾、上訴、自白等を独自に可 + 他の共同訴訟人は無関係 ⑵主張共通:ある共同訴訟人の主張を他の共同訴訟人のためにもなされたものとみなすこと ​注) 弁論主義における主張共通の原則とは別の問題 → ≒ 共同訴訟人間の主張共通(いずれかの当事者により主張された事実であれば裁判所は判決の基礎にできる) Q 共同訴訟人間の主張共通は認められるか ⑴問題の所在​:共同訴訟の趣旨から主張共通を認めるべきとも思える。一方で共同訴訟人独立の原則 → 独自に訴訟追行 → 趣旨に反する ⑵ 判例・通説​:認められない。但し、援用可 ⑶理由​:本来通常共同訴訟は単なる個別訴訟の併合 → 各訴訟ごとに弁論主義が妥当 ⑷証拠共通:共同訴訟人の一人が提出した証拠は他の共同訴訟人も共通して資料とすることができる ​注) 自由心証における証拠共通の原則(一旦証拠を提出されれば自己に有利にも不利にも扱われる)とは別の問題 → ≒ 共同訴訟人間の証拠共通 ​⇒ 共同訴訟人独立の原則の例外(= 主張共通)の修正(= 証拠共通) Q 共同訴訟人間の証拠共通は認められるか ⑴問題の所在​:共同訴訟人独立の原則 → 独自に訴訟追行 → 趣旨に反する ⑵ 判例・通説​:認められる。 援用不要 ⑶ 理由​:自由心証主義のもとでは一つの歴史的事実の心証は一つしかありえない ◻ 必要的共同訴訟 ①必要的共同訴訟:判決が各共同訴訟人毎に区々となることが許されず、合一確定が要求される共同訴訟 ※ 書く。「合一確定が要求される共同訴訟」がポイント ​⇒通常共同訴訟:事実上要求→〇 区々  必要的共同訴訟:法律上要求→× 区々 ⑴条文:40 ⑵種類:固有必要的共同訴訟 ・ 類似必要的共同訴訟 ⑶趣旨:矛盾判決の回避 ② 審理方式:合一確定が要求 ⇒ 各々全員に効力 → 判決矛盾ができなくなる  ⑴裁判資料の統一 (a) 共同訴訟人の1人のなした訴訟行為40Ⅰ ​•有利な行為 → 全員に効力が生じる ​•不利な行為 → 行為者を含めて効力が生じない (b) 共同訴訟人の1人に対する訴訟行為40Ⅱ → 全員に効力が生じる(有利・不利を問わない) ⑵ 訴訟追行の統一 (a) 共同訴訟人の一人に中断・中止の事由 → 全員につき停止40Ⅲ (b) 弁論の分離 ・ 一部判決243Ⅱ は許されない ※一部判決:民事訴訟で、同一手続きに併合審理されている数個の請求の一部についてなされる終局判決 ③類似必要的共同訴訟 ​単独で訴えまたは訴えられるが、いったん共同訴訟とされた以上は合一確定が要請される共同訴訟 ※定義書く ⑴特徴:単独可(固有必要的共同訴訟は不可) →複数だと対世効等で問題 → 必要的共同訴訟 ⑵趣旨:矛盾判決の回避 ⑶成立:原始的併合 or 共同訴訟参加 Q 類似必要的共同訴訟の基準となる合一確定が要請される場合の判断基準 ⑴問題の所在:明文なし + 講学上の分類 ⑵通説:共同訴訟人の1人が受けた判決効が他の共同訴訟人にも及ぶ場合 ⑶理由:矛盾判決の回避 ⑷事例 ​・会社法​:数人の株主による、株主総会等の決議取消の訴え ・ 株主代表訴訟 ・ 株主総会無効確認の訴え ​・民法​:複数人の債権者による、債権者代位訴訟 ④固有必要的共同訴訟 ​利害関係人の全てが訴えまたは訴えられなければ、当事者適格が認められない共同訴訟 ※書けるように。「利害関係人全て」「当事者適格」がポイント ⑴特徴:初めから共同訴訟 + 利害関係人全てが共同訴訟人となることが法律上強制 ⑵趣旨:矛盾判決の回避     + 手続保障の充足(全員が共同訴訟人とならないと利害関係人の利害を害する場面であるため) ⑶事例 (a) 第三者による婚姻無効・取消の訴え​:原告= 第三者・被告= 夫婦双方(人事12Ⅱ) (b) 共有物分割請求訴訟​:原告または被告 = 全共有者(民258Ⅰ) (c) 取締役解任の訴え​:原告=株主・ 被告=会社及び取締役(会社855) ​⇒ 委任関係消滅を求める形成訴訟。 取締役選任の株主総会決議取消の訴えは類似必要的共同訴訟 ⑤共同所有関係の訴訟と訴訟形態 Q 共同所有関係における固有必要的共同訴訟か通常共同訴訟かの判断基準 ⑴問題の所在​:明文なし + 厳格かつ重厚な手続による不都合性(=固有必要的共同訴訟の問題点。利害関係人全てを訴訟に参加させなければ当事者適格が認められないが、非常に大変) ⑵通説​:実体法上の管理処分権の帰属態様を基準としつつ、訴訟法上の観点から調整して判断 ⑶ 理由​:民事訴訟は実体権の実現の過程 → 実体法の帰属及び訴訟政策的判断が不可欠 ⑥共有と共同訴訟 ⑴共有者が原告側の場合: 原告:共有者 ・被告:非共有者 ​ ・持分権:原告自身の権利 ​→ 通常共訴 ​ ・共有権:共有者全員で有する権利 ​→ 原則、固有必共訴。修正、通常共訴 ∵ 保存行為・不可分債権 ​  ・通常共訴​:保存行為、 抹消登記手続請求、 引渡請求、 妨害排除請求 ​  ・固有必共訴​:境界画定訴訟(同調しない者を被告にできる)、 移転登記手続請求 ※移転登記手続請求は原告への登記移転を求めるものであるため固有必共訴 ⑵共有者が被告側の場合:  原告:非共有者 ・ 被告:共有者 (a) 訴訟形態​:通常共同訴訟が多い (b) 事例​:共同相続人の一人に対する建物収去土地明渡請求→通常共訴 (c) 理由​:不可分債務、訴訟法上の観点(被告となる共有者全員を訴えることは現実的ではない) (3) 共有者相互間の場合 B+  原告:共有者 ・ 被告:共有者 ​ ・原則:固有必要的共同訴訟 ​(例)共有物分割、 遺産確認の訴え、 相続人の地位の確認 ​ ・例外:通常共同訴訟​(例)持分部分の確認、 更正登記(一部抹消登記) ​∵ 原則:利害関係及び統一的解決基準 ・ 例外:利害関係及び統一的解決基準がない ⑦総有と共同訴訟 ⑴訴訟形態 ​原則:固有必要的共同訴訟​(例)入会権確認訴訟 ​修正:通常共同訴訟​(例)入会権に基づく妨害排除請求 ⑵理由:原則-構成員は持分を有しない ・ 例外-保存行為 ⑶ 訴訟上の配慮:同調しない者を被告とできる-判例 ⑧合有と共同訴訟 ⑴訴訟形態 ​原則:固有必要的共同訴訟 ​(例)組合財産の確認訴訟 ​修正:通常共同訴訟 ​(例)組合財産の不正な登記の抹消登記手続請求 ⑵理由:原則-構成員の処分権能の制限 ・ 修正-保存行為 ⑶訴訟上の配慮:訴訟担当の業務執行組合員→その者がやれば全員でやったことになる ⑨共同訴訟における訴えの取下 ​・通常共同訴訟​:単独で有効 ​∵ 共同訴訟人独立の原則 ​・固有必要的共同訴訟​:全員で有効(単独では無効) ​∵ 裁判資料の統一が必要 ​・類似必要的共同訴訟​:原則、単独で有効​∵ 個別の訴えが認められる Q 類似必要的共同訴訟(株主代表訴訟)において共同訴訟人の一部の者が上訴しなかった場合の効力 ⑴問題の所在​:上訴しなかった者への判決の効力 + 合一確定の要請 ⑵判例​:確定遮断効・移審効・上訴審の判決効は及ぶ。但し、上訴人にならない ※控訴されることで、判決の確定が阻止され(確定遮断効)、事件が上級裁判所で審理裁判される(移審効)効力が発生 ⑶理由​:合一確定が必要 + 上訴人の地位に就く必要はない ◻ 原始的併合 B+ ①共同訴訟の成立形態:発生原因 ​原始的併合:訴え提起の当初から共同となる訴訟形態 ​≒ 原始的主観的併合 ​後発的併合:訴訟係属後に第三者加入によって共同となる訴訟形態 ​≒ 主観的追加的併合 ② 原始的併合の類型:訴えの主観的単純併合、 訴えの主観的予備的併合、 同時審判申出共同訴訟等 ③訴えの主観的(単純)併合 ​共同訴訟人と相手方との複数の請求につき、訴えの当初から1個の訴えで同時に審判を求める場合 ⑴事例:≒ 通常共同訴訟 → 必要的共同訴訟となる場合は含まない ⑵要件:≒ 通常共同訴訟の要件 ④訴えの主観的予備的併合 ​実体法上両立しない複数の請求に順位をつけて、主位原告または主位被告の請求につきまず​審理を求め、認容されない場合に予備的原告または予備的被告の請求につき審判を求める場合  ※ 定義書けるように。両立しない複数の請求に順位、主位、予備的がポイント。審判に解除条件をつける。 ⑴特徴:人に対して順位をつける ⑵事例 ​・被告側:主位被告:本人・履行請求 ​→ 予備的被告:代理人・無権代理責任の追及 ​・原告側:主位原告:債権の譲受人・履行請求 ​→ 予備的原告:譲渡人・履行請求(債権譲渡の有効性が認められなかった場合に備えて) Q(そもそも) 訴えの主観的予備的併合という共同訴訟形態を認めることができるか ⑴ 問題の所在​:明文なし + 審判の統一及び訴訟経済に適する ⑵判例​:認められない ⑶ 理由​:予備的被告の地位が不安定 + 同時審判申出共同訴訟41 ⑤同時審判申出共同訴訟 ​法律上併存しえない複数の請求につき、原告の同時審判の申立により弁論と裁判の分離を禁じる場合 ⑴条文:41 ⑵特徴:通常共同訴訟だが弁論と裁判の分離を禁じる  ※共同訴訟人独立の原則が妥当 ⑶ 事例:代理契約における本人及び代理人、 工作物責任(民717)における占有者及び所有者に ⑷趣旨:矛盾判決の回避 ⑸ 要件:共同被告に対し法律上併存しえない複数の請求 + 控訴審の口頭弁論終結時まで ⑹ 効果:〇 共同訴訟人独立の原則 ・ × 弁論の分離 ◻ 後発的併合 ①後発的併合の類型 ​・第三者主導:共同訴訟参加、 参加承継 ・​当事者主導:引受承継 ​・裁判所主導:弁論の併合(分類に異論あり) ②共同訴訟参加:他人間の訴訟の係属中に第三者が当事者の一方の共同訴訟人として参加する場合 ⑴条文:52 ⑵事例 (a) 株主総会等の決議取消の訴え(会社831) → 他の株主が共同訴訟参加 (b) ABC共有土地につきYに対しABが3名の共有との確認の訴え → Cが共同訴訟参加 ⑶趣旨:矛盾判決の回避 ⑷要件:訴訟係属中 ・ 参加人は判決効が拡張される地位にあり、かつ、当事者適格を有する ⑸効果:類似必要的共同訴訟となる + 固有必要的共同訴訟での瑕疵の治癒もあり Q 明文のない主観的追加的併合が認められるか B+ ⑴問題の所在​:後から当事者を追加 → 訴訟経済に資する + 明文なし ⑵ 判例​:認められない ⑶理由​:訴訟の複雑化してしまう + 別訴を提起し弁論の併合をしうる

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    通常共同訴訟の典型例(写真)

    通常共同訴訟 ​各共同訴訟人と相手方との間の複数の請求相互間に、38条所定の関連性がある場合に、 ​本来個別に審判されうる数個の請求につき便宜上共同訴訟することが認められる訴訟形態

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    2 補助参加訴訟 Aランク

    ◻ 総説 ① 補助参加 ​他人間の訴訟の結果につき利害関係を有する第三者が当事者の一方を勝訴させることによって自己の利益を守るために訴訟に参加する形態 ※条文のままなので定義は暗記しなくてもよい ​⇒ 当事者ではなく、補助参加人として第三者が訴訟に参加する形態 ②条文:42 ③基本用語 ​補助参加人​:他人間の訴訟につき補助参加する利害関係を有する第三者 ​被参加人​:補助参加人による補助を受ける当事者の一方 ④ 事例:保証債務 ※事例を覚えよ (a) 債権者X・主債務者Yに保証人が補助参加 ∵ 保証債務の存否の前提 (b) 債権者X・保証人Yに主債務者が補助参加 ∵ 求償の前提 ⑤ 趣旨:補助参加人の手続保障、 被参加人の利益、 後訴の防止等 ◻ 要件 ① 他人間の訴訟 ×:自己が当事者 ​〇:訴訟係属中 ・ 控訴審 ・ 上告審 ・ 確定判決後に参加申立と共に再審の訴え43Ⅱ・45Ⅰ ② 利害関係を有する:訴訟の結果につき補助参加人に独自の法律上の利益がある場合(判例) ​⇒ 法的地位または法的利益(not 感情的経済的)に対し事実上の影響(not 判決効)が及ぶ ​×:友人に請求(感情的) ・ 自己の債務者に請求(経済的) ・ 専ら当事者のために物を所持する受寄者(判決効は及ぶが法的地位または利益がない)115Ⅰ四 ​〇:保証による保証債務または求償 ・ 自己の債務者が無資力で債権者代位権行使可 ③訴訟の結果:判決主文  Q 「訴訟の結果」に判決理由中の判断も含まれるか(Aランク) ⑴事例:同一事故による被害者X、Z → XがYに損害賠償請求 → ZがXに補助参加 ⑵ 問題の所在:判決主文のみではZは利害関係なし→判決理由中の判断となる過失の有無が後訴に影響 → 訴訟の結果に含むか? ⑶学説 ◾️ 訴訟物限定説-旧通説 結論)主文の判断に限る 理由)  ・文理(「訴訟の結果」) ・理由中判断は当事者間において効力を生じない(補助参加人ならなおさら影響しない) ◾️訴訟物非限定説-有力説自説 結論)理由中判断も含む 理由)・理由中判断に参加的効力が生じる ⑷あてはめ: ・訴訟物限定説-含まない ∴ 補助参加不可  ・訴訟物非限定説-含む∴補助参加可 ④ 参加手続:趣旨及び理由を書面または口頭で示す43Ⅰ ⑴当事者の異議44 → 補助参加人の疎明が必要、 決定で裁判、 異議なく弁論で異議権喪失 ​⇒ 異議の審判において要件を審理(異議なければ裁判せずにそのまま補助参加可) ⑵同時申出:補助参加人としてできる訴訟行為と共に補助参加申出可43Ⅱ ​⇒ 上訴・再審も含む pf ◻ 効果 ① 補助参加人の地位 B➕ ⑴ 性質:相反する複合的性質 ​独立性:独自の利益確保の要請 ​→ 一切の訴訟行為、 別個に呼出、 同意なく参加取下可 ​従属性:独自請求なく補助の要請 ​→ 訴訟行為の制限、 証人適格あり、 中断事由による停止なし(死亡など) ⑵訴訟行為45:原則、一切の訴訟行為ができる → 例外あり (a) 例外Ⅰ:被参加人のなしえない行為 ​(例)時機に遅れた攻撃防御方法157、 自白の撤回 (b) 例外Ⅱ:被参加人の行為と矛盾 ​(例)被参加人の裁判上の自白を争う (c) 例外Ⅲ:解釈上制限 ​(例)形成権(取消、相殺など)、 処分(放棄等)、 不利(自白等) ⑶記録の閲覧:改)(44で裁判確定・異議権喪失した)補助参加人は当事者とみなし訴訟記録等の閲覧可 ② 判決の効力:46条所定の例外を除き補助参加人に及ぶ46 Q 補助参加における「判決の効力」の意義 a.) 問題の所在:明文なし + 既判力の拡張は妥当でない b.) 判例・通説:既判力とは異なる特殊な効力(参加的効力) c.) 理由 • 敗訴の責任を分担すべきであるという、公平・禁反言の理念 • 内容的制約を伴った既判力を認めることは既判力の本質に反する • 既判力と内容が異なる d.) 参加的効力と既判力 ・既判力 趣旨:法的安定 効力発生:判決の確定 客観的範囲:判決主文 主観的範囲:当事者 拘束力の例外:なし 援用の要否:不要 (職権調査事項) ・参加的効力 趣旨:責任分担・禁反言 効力発生:敗訴した場合のみ 客観的範囲:判決主文及び理由中判断 主観的範囲:被参加人と参加人の後訴      ※写真参照 拘束力の例外:あり46 (具体的事情により効力に影響) 援用の要否:必要(抗弁事項) ※主観的範囲 債権者Xが保証人Zに前訴で請求 Yが補助参加→X勝訴→ZがYに後訴請求。Yは保証債務の存否を争えない。 ③共同訴訟的補助参加 B+ ​訴訟物につき当事者適格を欠くため共同訴訟参加はできないが当事者間の​訴訟の判決の効力が及ぶ第三者が補助参加する場合 ※当事者適格を欠く、判決の効力が及ぶ第三者がポイント ⑴事例:取締役選任株会決議取消訴訟の被告会社側に参加する当該取締役、 423に参加する債務者、  ⑵ 要件:判決効が参加申出人に及ぶ ・ 補助参加の利益 ・ 参加申出人に当事者適格なし ⑶ 効果:補助参加と基本同様 (a) 性質 ​・独立性:判決の効力が及ぶ → 可及的に強化する必要 ​・従属性:当事者適格を欠く → 完全には脱却できない (b) 補助参加との違い(有力説) ・補助参加 (被参加人の行為と矛盾)できない (上訴期間)被参加人に従う (中断事由)補助参加人に生じても停止しない ・共同訴訟的補助参加 (被参加人の行為と矛盾) × 自白等 ・ 〇 証拠申出 (上訴期間)独立に起算 (中断事由)共同訴訟的補助参加人に生じれば停止する ◻ 訴訟告知 B+ ①訴訟告知:訴訟参加できる第三者に対して、法定の方式により訴訟係属の事実を通知すること ​⇒ 一般的に通知の義務はない、裁判所を通して通知・相手方にも送達、 参加を促す内容 ⑴条文:53 ⑵趣旨:告知者及び被告知者のための制度 ②要件 ​・時期​:訴訟係属中(控訴審・上告審可) ​・告知者​:当事者、補助参加人及びそれらの者から告知を受けた者 ​・被告知者​:当該訴訟に参加できる第三者(補助参加・当事者参加・訴訟承継等) ③効果 ⑴ 訴訟への参加​:被告知者の自由 ⑵ 参加的効力の発生​:参加した場合・参加しなかった場合

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    3 三面訴訟

    3 三面訴訟 Aランク ◻ 三面訴訟 ①三面訴訟:3者以上の当事者が互いに対立する構造の訴訟 ≒ 三当事者訴訟 ​⇒ 現行法は当初からの三面訴訟を認めていない → 独立当事者参加(=独当参加)の形のみ ②独立当事者参加 ​他人間の訴訟の目的となっている権利法律関係につき、第三者が加入し三者間で統一的に解決する場合 ⑴条文:47 ⑵趣旨:三者間での矛盾のない統一的判決 ⑶ 事例:XY間の甲地の所有権確認訴訟 → ZがXYに対し甲地の所有権確認訴訟のため独当参加 写真 ③独立当事者参加の類型 ⑴三当事者対立構造の有無による分類 ・​両面的独立当事者参加:第三者が当事者双方を相手方として請求を定立する参加形態 ​・片面的独立当事者参加:第三者が当事者の一方のみを相手方として請求を定立する参加形態 ⑵ 詐害防止参加:第三者が訴訟の結果によって権利が害されることを主張して参加する参加形態 (a) 趣旨:馴れ合い(詐害)訴訟の防止 (b) 事例:所有権移転登記抹消登記手続請求訴訟 → 被告の差押債権者が所有権確認請求のため参加 ⑶権利主張参加:第三者が訴訟の目的の全部または一部が自己の権利であることを主張して参加する参加形態 (a) 事例:XY間の甲地の所有権確認訴訟 → Z(被告の差押債権者。甲地の差押えを行う可能性あり)がXYに対し甲地の所有権確認訴訟のため独当参加 ④独立当事者参加の要件:他人間に訴訟が係属している(共通) Q 訴訟が上告審に係属している場合における独立当事者訴訟の可否  ⑴問題の所在​:法律審だが破棄差戻の可能性があるため実益がある ⑵判例・通説​:否定 ⑶理由​:参加人の請求の当否を審理しない ⑴詐害防止参加:訴訟の結果によって権利が害されること47Ⅰ前段 ➢ 間接的に自己の利益を侵害される虞 ・ 判決効を受けなくても客観的に詐害的訴訟追行 ⑵権利主張参加:本訴請求(原告の請求)と参加人の請求が論理的に両立しえない関係(非両立性)  ※適用場面を限定している ⑤手続:書面での参加申出47Ⅱ → 参加できるかは口頭弁論で裁判所が判断 ⑥審判:必要的共同訴訟の規定40が準用される47Ⅳ ⑴趣旨:矛盾のない合一確定を実現 ⑵訴訟行為:独立当事者訴訟では行為毎に共同関係がある → 裁判資料の統一 ​40Ⅰ:一人がなした不利益な行為 → 無効 ​40Ⅱ:共同関係にある当事者の一人になした行為 → 共同関係にある者に効力が生じる ​40Ⅲ:一人に中断事由 → 全員中断、 × 弁論の分離・一部判決 40Ⅰ→自白、請求の放棄、請求の認諾は、共同訴訟人全員が行わなければ効力が発生しない。共同訴訟人が訴えを取り下げるときは、共同訴訟人全員が共同で訴えの取下げをする必要がある Q 二当事者間のみでなされた訴訟上の和解の効力 a) 問題の所在​:他の当事者に訴訟上不利とならない場合もある b) 裁判例・通説​:無効 c) 理由​:三当事者間の合一確定に反する ⑶上訴:当事者・参加人共に上訴権あり ・ 全訴訟につき確定遮断効及び移審効あり ∵ 合一確定 Q 独立当事者参加において上訴しなかった者の地位 Aランク 学説 ・上訴人説-旧判例 結論)40Ⅰ準用により上訴人の地位 理由)上訴は他の当事者にとって利益 ※旧判例は敗訴者どおしで40①の共同訴訟人にあたるグルーピングをする ・被上訴人説-現判例 結論)40Ⅱ準用により被上訴人の地位 理由)意思に反する上訴で費用負担は不当 ※現判例は上訴された側を40②の共同訴訟人のようにグループとする。上訴していない敗訴者を上訴したようなグルーピングをすることはおかしい あてはめ:旧判例自説)により被上訴人となる ​⇒ 上訴した者のみが 費用負担 ・ 上訴取下   Q 独立当事者参加において敗訴した二者のうち一方だけが上訴した場合の上訴審の審判対象の範囲 B+ a) 問題の所在​:不利益変更禁止の原則に反する b) 判例​:合一確定に必要な限度で上訴しなかった者の判決部分に変更を加えうる c) 理由​:合一確定の要請が不利益変更禁止の原則よりも優先 ◻ 当事者の脱退 Bランク ①訴訟脱退:民事訴訟の係属中に死亡以外の理由によって当事者の地位を脱退 ​⇒ 独立同時者参加、 選定当事者、 参加承継・引受承継 ②独立当事者参加での脱退:原告または被告が相手方当事者の同意を得て脱退 ⑴条文:48 ⑵性質:参加人・相手方の訴訟追行の結果に委ねることを条件とした放棄・認諾(通説 条件付き放棄認諾説) ③効果:脱退者に対し既判力・執行力が生じる ➢ 「相手方の承諾」48の相手方に参加人を含むか → 含まない ④訴訟承継:独立当事者参加と同様50Ⅲ・51 ◻ 独立当事者参加と債権者代位 Aランク Q 債権者代位訴訟における債務者が権利主張参加として独立当事者参加できるか a) 事例:債権者が第三債務者に423行使 → 債務者が返還請求及び債務不存在確認により独当参加 b) 民法改正 ​423の5:債権者の代位行使により債務者は処分権限を失わない ​423の6:債権者は債務者への訴訟告知が必要 c) 学説 ​旧民法:処分権限なし → (第三債務者に対する)二重起訴・当事者適格で問題 → 非両立性から訴訟追行権を争えば可 ​現民法:処分権限あり → 両立性あり ・ 訴訟物=被代位権利 d) 結論:原則、不可。被保全債権を争う形であれば例外として可 ※債権者の債務者に対する債権(債務者の第三債務者に対する債権ではない) e) 理由:合一確定の実現の必要 + 債務者から見れば部分的に非両立性あり

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    独立当事者参加:詐害防止参加の事例

    詐害防止参加:第三者が訴訟の結果によって権利が害されることを主張して参加する参加形態 (a) 趣旨:馴れ合い(詐害)訴訟の防止 (b) 事例:所有権移転登記抹消登記手続請求訴訟 → 被告の差押債権者が所有権確認請求のため参加

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    Q 独立当事者参加において上訴しなかった者の地位 Aランク

    問題の所在:40の一項・二項のどちらを準用 ※第40条①訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その一人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。 ②前項に規定する場合には、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。 学説 ・上訴人説-旧判例 結論)40Ⅰ準用により上訴人の地位 理由)上訴は他の当事者にとって利益 ※旧判例は敗訴者どおしで40①の共同訴訟人にあたるグルーピングをする ・被上訴人説-現判 結論)40Ⅱ準用により被上訴人の地位 理由)意思に反する上訴で費用負担は不当 ※現判例は上訴された側を40②の共同訴訟人のようにグループとする。上訴していない敗訴者を上訴したようなグルーピングをすることはおかしい あてはめ:旧判例自説)により被上訴人となる ​⇒ 上訴した者のみが 費用負担 ・ 上訴取下  

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    Q 独立当事者参加において敗訴した二者のうち一方だけが上訴した場合の上訴審の審判対象の範囲 B+

    a) 問題の所在​:不利益変更禁止の原則に反する ※写真の例では、ZX間の請求が棄却されることはZにとって不利益な変更になる b) 判例​:合一確定に必要な限度で上訴しなかった者の判決部分に変更を加えうる c) 理由​:合一確定の要請が不利益変更禁止の原則よりも優先

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    Q 債権者代位訴訟における債務者が権利主張参加として独立当事者参加できるか

    a) 事例:債権者が第三債務者に423行使 → 債務者が返還請求及び債務不存在確認により独当参加 b) 民法改正 ​423の5:債権者の代位行使により債務者は処分権限を失わない ​423の6:債権者は債務者への訴訟告知が必要 c) 学説 ​旧民法:処分権限なし → 二重起訴・当事者適格で問題 → 非両立性から訴訟追行権を争えば可 ​現民法:処分権限あり → 両立性あり ・ 訴訟物=被代位権利 d) 結論:原則、不可。被保全債権を争う形であれば例外として可 e) 理由:合一確定の実現の必要 + 債務者から見れば部分的に非両立性あり

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    4 当事者の交替

    ◻ 当事者交替概要 ①当事者交替:第三者が従来の当事者と入れ替わって訴訟を続行 ​・任意的当事者変更​:実体法上の紛争の主体たる地位が移転しない ≒ 任当変更 (例:訴える人を間違えたので変更) ​・訴訟承継​:実体法上の紛争の主体たる地位が移転する  ・​当然承継​:法律上当然に承継 ​ ・参加承継・引受承継​:申立により承継 ⑴加入形態 ​・共同訴訟:当事者として加入 ・ 独当参加:独立の当事者として加入  ​:補助参加:補助参加人として加入 ⑵離脱形態 → 訴訟脱退:当事者が脱退、 死亡等 ◻ 任意的当事者変更 Bランク ①任意的当事者変更:民事訴訟の係属中に原告の意思により原告又は被告が入れ替わること ⑴事例:従業員が社長に給与支払請求訴訟 → 被告を会社に変更 ⑵特徴 (a) 明文なし ​→ 実務上認められている ∵ 別訴提起は妥当ではない 訴訟経済等 (b) 当事者の同一性なし ​→ 訂正(137等)は当事者の同一性あり (c) 実体法上の紛争主体に変動なし ​→ 訴訟承継は変動あり ⑶法的性質:新訴提起とその後の旧訴の取下げの2つの行為の複合 → 別個に要件具備が必要(通説) ②要件:第一審係属中 + 訴えの取下げの要件261 + 共同訴訟の要件38 ③効果 ⑴ 旧訴状の補正利用・印紙の追加不要 ⑵旧訴訟資料の利用(多数説) (a) 新当事者は原則として地位の承継はない、 〇 追認による資料流用可能、 × 相手方は拒否できない (b) 〇 自白した事実に反する主張 ・ 〇 時機に遅れた攻撃防御方法の主張 ※旧当事者がやったことは新当事者には関係なし ◻ 訴訟承継 B+ ①訴訟承継 ​訴訟係属中に実体法上の地位が移転する場合に承継時における前主の訴訟上の地位を全面的に承継させ審理を続行して承継人との関係でも争訟の処理を図る制度 ※訴訟継続中、実体法上の地位移転、訴訟上の地位を承継がポイント ⑴種類:当然承継、参加承継・引受承継 ⑵趣旨:訴訟経済及び当事者間の公平 (原告が被告に物の引き渡し請求をして訴訟継続中に被告が第三者に売却。この場合に原告が第三者に新たに訴えを提起しなければならないとすると公平に失する) ②訴訟承継の効果:当事者として被承継人の承継時点での訴訟進行上の地位を承継 ​・承継前の弁論・証拠調べ・裁判の効果 ・​時効中断・期間遵守の効果 ​・前当事者がなしえなくなった訴訟追行上の行為もできないまま(時期に遅れた攻撃防御方法の主張など)  ※効果は当然承継、参加承継、引受承継共通 ③当然承継:承継原因の発生により法律上当然に当事者が交替して訴訟承継を生じる場合  ※法律上当然にがポイント。申立なく、合意も不要。 ⑴条文:中断・受継124から推知 ​⇒ 中断・当然承継は別制度 ⑵原因:当事者の死亡、 法人等の合併 ⑶ 事例:当事者が死亡 → 相続人が当然承継により当事者として受継 ④参加承継・引受承継 ​・参加承継:特定承継があった場合に、承継人が訴訟参加の申立をする場合 ​・引受承継:特定承継があった場合に、相手方が承継人に訴訟を引受けるよう申立をする場合 ※ 特定承継(例:訴訟けいぞく後の建物売買)の承継人が自分でやると言うのが参加承継、相手方が承継人にやってくれと言うのが引受承継 ⑴条文:47~51 写真 ⑵事例:訴訟の目的物を被告が承継人に譲渡 ・ 貸金返還請求訴訟で原告が承継人に債権譲渡 ⑶ 承継原因:係争物の特定承継 ≒ 承継人の範囲:広く紛争主体たる地位の承継人 a) 係争物:訴訟物たる権利関係が帰属する物件も含む ​(例)〇 建物収去土地明渡請求 → 建物譲渡・建物賃貸 (訴えの変更必要) ※ 建物だけなので認められないように見えるが、係争物にあたる b) 特定承継:法定原因や執行処分、設定的承継も含む ​(例)代位取得、 転付命令、 賃借権設定 Q 承継人が固有の抗弁を有する場合の処理 a) 問題の所在​:前主の訴訟追行により代替的手続保障 → なければ承継・訴訟状態帰属効が生じるかが問題 b) 判例通説​:訴訟承継を肯定 + 固有の抗弁を主張できる(訴訟状態帰属効を否定) x.) 理由​:当事者間の公平 + 手続保障 ​⇒ 生成中の既判力を承継人に及ぼす → 口頭弁論終結後の承継人と統一的に解釈 ⑷承継手続:事実審の口頭弁論終結前に限る ​参加承継:独立当事者参加の方式で申立 → 両面的独当参加・片面的独当参加 共に可 ​引受承継:当事者の引受申立 → 裁判所の引受決定 → 承継人を当事者   ⑸ 承継後の手続 ​参加承継:独立当事者参加47を準用 → 必要的共同訴訟 ​引受承継:被承継人が脱退-二面訴訟 or 被承継人が係属-引受申立を同時審判申出とみなす

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    上訴総説(B+) 1 上訴

    ① 上訴: 裁判の確定前に上級裁判所に対し原裁判の取消・変更を求める不服申立 ⇒ 確定後の不服申立は再審 (1) 三審制: 裁判の確定までに合計3回までの審理を受けることができる制度 ⇒ 原則として、 上訴を2回までできる →第一審、 第二審、 第三審 (2) 上訴の種類 控訴:第一審の終局判決に対する上訴 上告:第二審の終局判決に対する上訴 抗告:決定命令に対する上訴 事実審: 事実問題と法律問題を合わせて審理する審級→第一審・第二審 法律審:法律問題のみを審理する審級→第三審 (3) 趣旨: 当事者と国民の信頼確保 (4) 審判対象: 上訴理由  認められる →上訴棄却  認められない→取消自判 (原則)or 原審差戻 (5) 審判裁判所 【刑訴】 : 第一審:簡裁 or 地裁→第二審:一高裁・控訴審 → 第三審:一最高裁・上告審  ※刑訴では第二審は必ず高等裁判所 【民訴】 ・第一審:簡裁→第二審地裁・控訴審→第三審一高裁・上告審 ・第一審:地裁→第二審:高裁・控訴審 →第三審一最高裁・上告審 ② 上訴要件(5つある) (1) 有効で適式な上訴: 訴訟能力の具備、 上訴申立書提出等  (2) 原裁判に適した上訴: 終局判決に対する上訴はできる。×中間判決に対する上訴はできない。 (3) 不上訴の合意等がない 284 (4) 上訴期間の徒過前 ・終局判決 (控訴・上告):電子判決書等の送達を受けた日から2週間285、313 ・抗告(通常・即時):通常抗告-いつでも  / 即時抗告:告知を受けた日から1週間 332 (5) 上訴の利益 ③効果 ・確定遮断効:原判決は上訴期間経過後も確定しない ・移審効:上級裁判所に移審する ・上訴不可分の原則:確定遮断効・移審効は不服の範囲に限らず原判決全体に及ぶ➕審判対象は別問題 例:XがYをABの2つの請求で訴え、 B請求についてのみAが上訴。→上訴不可分の原則から、B請求についても確定遮断効及び移審効は及ぶ。→審判対象は別問題なので、不服申し立てがされていないA請求について裁判所が審判できるわけではない。 Q上訴の利益があると言える場合 (詳細は写真) ・実質的不服説(旧通説。原裁判よりも実体法上有利な判決を求めうる可能性がある場合)と形式的不服説(判例通説。当事者の申立てと判決主文を比較して後者が前者に及ばない場合) ・判例通説も立場から  却下→原告上訴被告上訴ともに上訴の利益あり、  理由中判断→原告上訴被告上訴ともに◯相殺、×相殺以外

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    2 控訴

    ①控訴: 第一審の終局判決に対する上訴 (1) 条文 : 281 以下 (2) 要件:上訴の要件に対応 (3) 手続: 控訴状を原裁判所に提出 286 ※第二審の裁判所ではないことに注意 ② 控訴審の構造 ・覆審(旧刑事訴訟法) (審理)下級審と別個独立にやり直して審理 (訴訟資料)別個独立して新資料を基礎 ・事後審(現刑事訴訟法) (審理)下級審の審理及び原判決の当否を審理 (訴訟資料) 旧資料を基礎(新資料提出不可) ・続審(民事訴訟法) (審理)下級審の審理を基礎に続行・承継して審理 (訴訟資料)旧資料に新資料を加えて基礎 ③ 審理: 第一審の訴訟資料 + 控訴審の訴訟資料 で審理 (審制・続審主義) (1) 更新権: 当事者は新たに主張・訂正・証拠提出が可能 (2) 口頭弁論: 原判決の取消・変更を求める限度で 296+ 第一審手続を準用 297 (3) 提出期間: 裁判長は当事者の意見聴取のもと攻撃防御方法の提出期間を設定可 301 ④終了 (1) 終局判決 ・控訴却下: 不適法かつ補正不可 (=控訴要件欠缺) の場合 290 ・控訴棄却: 第一審判決を正当 (=不服申立を理由がない) とする場合 302 (一審却下も含む) ・控訴認容: 第一審判決を不当または法令違反とする場合 305、306  ・取消 + 自判 : 原則  ・取消 + 差戻: 原判決却下・弁論必要 (必要的差戻) 307 or 裁量による任意的差戻 308  ・取消 + 移送: 専属管轄違反 309 ※307:∵審級の利益(第一審で審理していないため) (2) 控訴取下: 控訴を撤回する旨の裁判所に対する意思表示 292 (a)効果: 第一審判決確定 (b) 期間制限: 控訴審の終局判決言渡まで (c) 相手方の同意: 不要  ∵相手方にとって控訴が取り下げられることはメリットしかない (3) 仮執行: 金銭支払請求の判決につき申立があれば担保なしで必要(不要な場合等を除く) 310 ⑤ 控訴判決の範囲 ・不利益変更禁止の原則: 控訴裁判所は原判決を上訴人の不利益に変更することができないとの原則 ・利益変更禁止の原則 : 控訴裁判所は原判決を当事者の申立以上に有利に変更することができないとの原則 ⇒ 当事者の不服申立の限度内においてのみ原判決は変更 (1) 条文 : 304 (2) 趣旨 処分権主義 Q 相殺の抗弁と不利益変更禁止の処理 a.) 事例 第一審 XがYに金銭請求訴訟 → 債権認定→Yが相殺の抗弁→ 相殺により請求棄却→控訴審 X のみ控訴 → 控訴裁判所が請求原因事実を認められないとの心証 b.) 問題の所在: 控訴裁判所のすべき判決 → 第一審取消 + 請求棄却とすると不利益変更禁止の原則に抵触? c.) 判例: 一審判決の維持 + 控訴棄却  (※→第一審の判決で確定) d.) 理由: 原告に不利益 ∵ 第一審は実質的に原告勝訴 + 被告の控訴なし ⑥ 附帯控訴 B+: 被控訴人が控訴を契機に原判決を自己に有利になる様に取消・変更を求める申立 (1) 条文 : 293 (2) 趣旨 当事者の衡平 (3) 性質 控訴審における特殊な攻撃方法 ⇒ 攻撃方法→控訴取下げ または 控訴却下により効力を喪失 ⇒ not 控訴 →控訴権の放棄または喪失 ・ 上訴の利益なしの場合でも可 (4) 手続 (a)控訴審の口頭弁論終結まで可 時期: (b) 相手方 ・申立: 相手方の同意不要 ※反訴は控訴審においては相手方の同意必要 300 I ・取下:相手方の同意不要 ※反訴は応訴等の後は同意必要 (本訴取下の場合、不要 261Ⅱ) (5) 独立附帯控訴: 被控訴人が独立して控訴できる間になされた附帯控訴→控訴扱い

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    3 上告 B+

    ①上告: 第二審の終局判決に対する上訴 (1)条文:311以下 (2)審理:法律審≒ 原判決に対する法律上の不服の当否を審理∵事実の審理は行わない (3)種類 最高裁上告 : 最高裁に対する上告       地裁→高裁→最高裁 高裁上告 : 高裁に対する上告      簡裁→地裁 →高裁 飛躍上告 : 第二審を飛ばして第三審に対する上訴 281I      簡裁→高裁     or 地裁→最高裁 (4)要件:上訴要件+ 上告理由 ②上告理由 (1) 憲法違反 312I (2) 絶対的上告理由 312Ⅱ :重大な手続違反 (例) 専属管轄、除斥等、理由付記( 判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること。)、代理権等 → 判決への影響は不問 (3) 相対的上告理由(高裁のみ) 312Ⅲ :判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反 (例) 法令・経験則違反 ⇒ 違反がなければ判決が異なっていたとの蓋然性が必要(蓋然性なければ上告理由にはならない)、 高裁上告のみ (4) 結果的に上告理由となる場合 325 Ⅱ :最高裁が312Ⅲがあると判断 (5) 裁量上告 318 : 最高裁判例違反 or 法令解釈に関する重要事項を含む → 上告受理申立 + 決定による、最高裁のみ。最高裁は受理「できる」(裁量) ③手続 (1) 申立: 2週間以内に ・上告の提起 : 312Ⅰ Ⅱ 違反の場合→原裁判所に上告状を提出 314 ・上告受理申立 : 上記以外の違反の場合→原裁判所に上告受理申立書を提出 318V・Ⅱ (2) 審理: 特段の定めがある場合を除いて、 控訴審の規定を準用313 (a)事実拘束: 原審までに確定された事実に基づき裁判 321、 職権調査事項を除く 322(当事者適格など) (b) 口頭弁論: 棄却の場合はしなくてもよい 319・ 認容の場合は必要 87I (3) 終了: 上告却下:不適法 or 上告棄却:理由なし or 原判決破棄:理由あり  ・原判決破棄: 差戻、 移送 、自判   →差戻・ 移送が原則    ∵ 通常事実の審理が必要 ※控訴審では自判が原則 4 判決以外への上訴 Bランク ①抗告: 決定・ 命令に対する上訴 (1) 抗告の種類 通常抗告:即時抗告ではない一般的な抗告 即時抗告:不服申立期間の制限のある例外的な抗告 (2) 通常抗告と即時抗告 【通常抗告】 条文:328 趣旨:手続保障 期間制限:なし 執行停止:なし (抗告しても決定・命令の執行は停止しない) 対象:口頭弁論を経ないで訴訟手続に関する申立を却下した決定・命令等 【即時抗告】 条文:332 趣旨:迅速な確定 期間制限:告知から1週間 執行停止:あり 334 I 対象:条文の規定がある(訴訟費用 75VII 86、 遺産分割等) (3) 手続 ・申立: 抗告状を原裁判所に対して提出 ・再度の考案:原裁判所またはその裁判長が理由があると判断した場合に更正 333 ・抗告審:上級裁判所・任意的口頭論 ・終了: 却下(不適法) or 棄却(理由なし) or 認容(理由あり) (取消+差戻 or 取消+自判) (4)決定命令 告知により効力が生じる 119 + 即時抗告は執行停止効あり 334I (5) 再抗告: 抗告裁判所の決定に対し憲法違反等を理由として法律審に対してなされる抗告 330 (6)(出ない) 最高裁に対する抗告: 特別抗告 (憲法違反) 336 + 許可抗告 (判例違反・高裁許可) 337 ②(出ない)特別上訴: 通常上訴では最高裁に審判を受ける機会のない場合の違憲を理由とする最高裁への不服申立(この場合は4審となる) ・特別上告: 終局判決に対する特別上訴 327 ・特別抗告 抗告に対する特別上訴 336

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    1 再審(民事訴訟) B 短答

    ① 再審: 法定の再審事由により確定判決の取消及びこれにより終結した従前の訴訟の再審判を求める訴え (1) 条文 : 338 以下 (2) 趣旨: 権利保護及び信頼の確保 →既判力 ∵手続保障による自己責任 →自己責任を問えない重大な瑕疵があれば例外的に否定 ② 再審事由: 338 Ⅰ 各号の列挙事由 (限定列挙) ・無権限 :違法な裁判所の構成、 除斥等、 代理欠缺 ・犯罪系 : 裁判官が犯罪行為、 脅迫等による訴訟行為又はその妨害、証拠の偽造等、 虚偽の陳述 ・その他:判断の遺脱、前訴の確定判決と矛盾  ・訴訟関係書類を送達→利害関係のある同居人が交付しない→敗訴→338 Ⅰ 三により再審可  ∵訴訟手続の機会を奪われた→限定列挙だが類推適用可 ③要件 (1) 対象: 確定した終局判決 338 I + 確定した即時抗告できる決定命令 349 (2) 当事者適格: 再審原告:取消により利益を受ける者 / 再審被告:取消により不利益を受ける者  Q原告適格は敗訴者の承継人に認められるか→認められる  Q確定判決の効力を受ける第三者に認められるか→適法な独当参加の申出と共にすれば認められる (3)再審期間: 再審事由を知った日から30日または再審事由発生日から5年342 (4) 管轄 判決をした裁判所の専属管轄 (5) 補充性: 判決確定前に上訴において再審事由棄却まは主張しなかった場合再審不可 338 手続 (1) 申立: 再審訴状 343 を判決をした裁判所に提出 340 I (2) 審理: その性質に反しない限り各審級の訴訟手続を準用 341 →訴訟要件再審事由審理 345 →再審開始決定 346 + 即時抗告可 347 本案審理 348 ⇒ 執行停止効なし + 移審効なし 340I ※執行停止効、移審効はないことは短答でたまに聞かれる (3) 終了: 棄却 or 取消+本案判決 I

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    特別手続 B 督促手続/簡裁/少額訴訟

    1 特別手続 ※出ないので概要だけ覚えればよい ① 特別手続: 権利義務または法律関係を確定するための訴訟手続と異なる特殊な手続 (1) 趣旨: 簡易・迅速な確定 (2) 種類: 督促手続、手形・小切手訴訟、 簡裁手続、 少額訴訟、 法定審理期間訴訟手続等 ② 督促手続: 給付請求につき実質的な審理をしないで管轄簡易裁判所の書記官により支払督促をする手続 (1) 条文 : 382 以下 (2) 趣旨: 簡易・迅速な債務名義の付与及び執行の実現 (3) 要件: 金銭その他代替物または有価証券の一定数量の給付請求 + 債権者の申立 (4) 手続 (a) 申立: 訴え準用 384、簡裁書記官に書面又は口頭で申立 383 271、 電子情報処理組織可 397 (b)審理: 理由がないことが明らかでない限り督促発布 385 I 債務者の審尋不要 386 I (c) 督促: 電子支払督促作成387 → 電子支払督促送達 388 : (d) 仮執行宣言付電子支払督促: 執行力、 債権者の申立なければ支払督促失効 392 ⇒ 確定判決と同一の効力発生 396 (e) 督促異議: 債務者の異議申立 → 第一審通常訴訟手続に移行 395 ・仮執行宣言前 390 異議の範囲で支払督促失効 ・仮執行宣言後 393 →督促異議の申立不可→確定遮断効あり、執行停止効なし (執行停止の裁判必要) ③手形小切手訴訟:手形小切手による金銭支払請求とこれに伴う法定利率による損害賠償請求訴訟 ⑴条文:手形:350 小切手:367 ⑵趣旨: 簡易迅速な債務名義の取得 (3)手続の特則 ・審理原則:直ちに口頭弁論期日指定 + 第一回期日に弁論終結 (一期日審理規則 213I・214) ・証拠制限 原則、 書証及び電磁的記録に記録された情報の内容にかかる証拠調べに限定 352 ・禁止事項: 反訴禁止 351、控訴禁止 356 等 通常移行:手形判決前 353→被告の承諾不要 •手形判決後 357: 異議申立後、口頭弁論再開 ④ 簡易裁判所: 140万以下の軽微事件を扱う (1) 条文 : 270 以下 (2) 趣旨: 簡易 迅速な裁判 (3) 手続の特則 ・訴え提起:口頭も可 271、紛争の要点で足りる 272、当事者の出頭で直ちに口頭弁論可 273 ・審理: 準備書面の省略可 276、続行期日でも陳述擬制あり 277、司法委員の補助 279 判決 : 電子判決書に請求原因等の要旨の記載でも可 280 ⑤ 少額訴訟手続: 60万円以下の金銭支払請求事件について行われる特別な訴訟手続 (1) 条文 : 368 以下 (2) 趣旨: 更なる簡易 迅速な裁判 (3) 手続の特則 ・要件:60万円以下の金銭請求訴訟 + 年 10 回以下 ・訴え提起:簡易裁判所の専属管轄 ・審理: 反訴不可 369、 一期日審理 370 、 即時取調できる証拠のみ 371、証人宣誓なし可 372 ・判決:口頭弁論後直ちに 374、支払猶予・分割等和解的内容も可 375 ・通常移行:被告は第一回口頭弁論期日での弁論前は通常手続移行可 373 ・異議: 控訴禁止 377 + 異議申立可 378→口頭弁論終結前 + 通常手続 379 ⑥ 法定審理期間訴訟手続 :一定の事件につき一定の期間内に手続を行う特別な訴訟手続 (1) 条文 : 381の2以下 (2) 趣旨: 迅速な確定 (3) 手続の特則 ・要件:消費者契約、個別労働関係民事紛争以外、当事者の同意、書面による申立及び同意 ・期間:口頭弁論期日から6箇月以内、 判決一口頭弁論終結から1箇月以内381の3 ・通常移行: 一方当事者の申出または困難な場合、裁判所の決定で可 + 不服申立不可 384の4 ・異議: 控訴禁止 381 の 6 + 異議申立可381の7 →口頭弁論終結前 + 通常手続381の8