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日本経済・国際経済・国内政治・国際社会
20問 • 1年前
  • 宇山和徳
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    問題一覧

  • 1

    ( )とは、企業による海外への投資のうち、工場や販路を作るための現地法人の設立や海外企業のM&A(合併・買収)など事業の拡大を目的としたものを指す。株式や債券などを短期で売買する投資とは異なる。株式などでの投資を通じた出資については、出資比率が10%以上を( )としている。 1980年代半ば以降、円高を背景に製造業が生産コストを抑える目的で海外に生産拠点を設ける動きが加速した。かつては法規制の整った先進国間での投資が主流だったが、この10年ほどは、グローバル市場での生き残りや、国内市場の縮小を背景に現地市場での販路を求めて、ブラジル、メキシコ、インドなどの新興国に進出するケースが増えている。 これを裏付けるように近年、海外企業へのM&Aが活発化し、その金額も巨額化している。日本銀行が2023年4月に発表した「2022年の日本の対外直接投資統計」によると、日本の対外直接投資(世界全体)は前年比31.8%増の21兆2330億円だった。

    海外直接投資

  • 2

    (   )とは、軍事転用可能な技術の流出防止や重要な物資の安定供給網の確立など、国の安全保障を脅かす経済活動を規制し、備えを促すための法律。2022年5月に成立し、同年8月から段階的に施行。経済活動がグローバルにつながった現在、供給網の寸断や技術の漏えいが国の経済や国民生活を脅かすリスクは増しており、政府は様々な対策を急いでいる。 (   )は4つの柱で構成される。国民の生存や経済活動にとって重要な物資や原材料の安定供給につなげる「重要物資の供給網強化」、電気、金融、鉄道など、重要インフラを支える企業の導入設備を事前に審査し、サイバー攻撃のリスクを軽減する「基幹インフラの安全確保」、人工知能(AI)や量子技術などの研究開発を官民協力で推進する「先端技術開発の支援」、先進武器技術など技術分野の出願内容を国が審査し、安全保障上のリスクがある場合は非公開とする「特許出願の非公開化」だ。 米中経済戦争とも呼ばれる米中間の対立激化やロシアのウクライナ侵攻に伴い資源・部品などの供給網の寸断に直面したことや、情報技術の進化による安全保障リスクの高まりなどがこうした動きを加速させている。日本においては20年4月、国家安全保障局に経済班が設置されて以降、21年10月の岸田内閣発足時に経済安全保障を担当する大臣のポストが新設された。 政府は23年6月、「固定燃料のロケットエンジン」や「宇宙飛行体の観測・追跡」「航空機や誘導ミサイルへの防御」など、25の技術分野を特許非公開の対象分野としてまとめた。24年春以降の運用開始を目指す。これによって安全保障上の重要技術の他国への流出を防ぐ。

    経済安全保障推進法

  • 3

    (   )とは、労働者が賃金として受け取る名目賃金から物価変動の影響を除いたもので、名目賃金を消費者物価指数で割って算出する。厚生労働省が勤労統計調査として毎月発表している。賃金額が同じだとしても、物価が上がれば購入できるモノは減る一方、物価が下がれば購入できるモノは増える。(   )は労働者の購買力を示す重要な指標とされている。 厚生労働省が発表した2023年7月分の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた(   )は前年同月比で2.5%減少した。減少は16カ月連続。名目賃金にあたる現金給与総額は前年同月比1.3%増だった。ただ、消費者物価指数の上昇が大きいため(   )を押し下げた。

    実質賃金

  • 4

    信託型(   )とは、株式を取得する権利である(   )を信託の仕組みを介して役員、従業員などに付与する仕組みのこと。従来の(   )に比べ、会社への貢献度に応じ中長期で分配できるメリットがある。 (   )は、役員、従業員が、あらかじめ決められた行使価格で株式を購入できる権利。株価が上がれば差益を得られるため、成長への貢献意欲を促す効果がある。日本では1997年の商法改正で全面解禁された。 浸透していく中で課題も見えてきた。早期に権利を得た人がメリットを受けやすく、貢献度が低いにもかかわらず“果実”を享受できることに不公平感が高まるケースもあった。 そこで考え出されたのが信託型(   )だ。会社は(   )を発行して行使価格を確定した上で信託会社などへ預ける。その後、人事評価を基に成果に応じて付与する分配量を決める仕組みだ。これにより、付与されるべき人に(   )の割り当てを確保することができる。新規株式公開(IPO)企業で導入先が着実に増えており、約800社が導入しているといわれる。 ところが、この信託型の課税について企業と国税庁のあいだで見解の相違が明らかになった。これまで企業は株式売却時の利益に20%の税金がかかると想定していたが、国税庁は23年5月に給与と同様最大55%課税されるという見解を公表した。これによって、権利を行使して株式を売却したときの売却益に大きな差が出てしまうことになる。信託型を活用して優秀な人材を獲得してきた新興企業にとっては、今後人材獲得が難しくなる可能性がある。

    ストックオプション

  • 5

    (   )コインとは、法定通貨や金などの価格と連動するように設計されたデジタル決済手段のこと。決済手段としての利用が浸透しない暗号資産(仮想通貨)の普及を促し、安全性、実用性を高めるためにつくられた。(   )には「安定した」という意味がある。(   )コインを電子決済手段と定義した改正資金決済法が23年6月に施行され、日本でも発行できるようになった。 ビットコインに代表される暗号資産は裏付けとなる資産がないため価格変動が大きく、実用性に乏しいという課題がある。(   )コインはこれまで暗号資産の一種と位置付けられてきたが、日本では暗号資産とは別に法律を整備した。(   )コインの発行者は銀行、信託会社、資金移動業者の3つに限定されている。北国フィナンシャルホールディングス(FHD)は石川県珠洲市などと地域通貨「珠洲トチツーカ」を24年内にも始める計画だ。北国銀行の(   )コイン「トチカ」と、市のポイントの「トチポ」を組み合わせる。地域通貨の普及拡大によって地域経済の活性化を目指す。ほかには、モバイル専業銀行のみんなの銀行、東京きらぼしフィナンシャルグループ、三菱UFJ信託銀行などが(   )コインの発行を検討している。

    ステーブル

  • 6

    (   )とは、昼間と比べて経済活動が落ち込む夜間の時間帯に、娯楽や文化などの商業活動を充実させることで、消費、雇用を増やし経済を活性化させること。「夜遊び経済」とも呼ばれる。日本の都市は、世界の都市に比べ夜間に楽しめるコンテンツが少ないとの指摘がなされており、観光立国推進の観点からナイトタイムコンテンツの充実が求められている。 世界の大都市では(   )の拡大が進む。例えば、英国のロンドンでは24時間都市構想を掲げ、地下鉄を24時間運行しているほか、夜間のセキュリティーを確保するためのエリアを認定する「パープルフラッグ」という制度を設けている。また、米国・ニューヨークでは夜間に娯楽が楽しめるようブロードウェイの開演時間が遅めの時間設定となっている。 東京・港区や宇都宮市、仙台市などの自治体は、(   )の経済効果に着目し、夜間・早朝の過ごし方を提案する取り組みに対し、補助金を交付している。2023年4月に新宿・歌舞伎町にオープンした東急歌舞伎町タワーは、地下のライブホールを深夜はクラブやラウンジとして営業。2階にあるフードホールは午前5時まで営業するなど、夜の時間帯を楽しみたい層を取り込んでいる。

    ナイトタイムエコノミー(夜間経済)

  • 7

    (   )とは、米国が主導する経済圏構想。米国のバイデン大統領がインド太平洋地域に台頭する中国への対抗を念頭に構想し、2022年5月に始動した。創設メンバーは米国、日本、韓国、インドなど計14カ国で、世界の国内総生産(GDP)の4割を占める。中国と経済的な結び付きの強い東南アジア諸国に配慮し、創設時の台湾の参加は見送られた。 インド太平洋地域には、すでにCPTPP(包括的・先進的環太平洋経済連携協定)や地域包括的経済連携(RCEP)という自由貿易協定がある。中国はRCEPに参加し、21年9月にはCPTPPにも加盟を申請しているほか、広域経済圏構想「一帯一路」を進めている。一方、米国はトランプ前大統領がTPP(現CPTPP)から離脱し、RCEPには加入していない。自国民の雇用流出や国内産業への影響を懸念する国内世論を考えるとTPP復帰はほぼ不可能であり、それに代わる新たな枠組みとして(   )を立ち上げ、インド太平洋地域での影響力拡大を狙っている。ただ、関税の引き下げや撤廃は含まれないため、大きな経済効果は期待できないとの指摘もある。 (   )は①貿易、②サプライチェーン、③クリーンな経済、④公正な経済の4つの柱で構成される。このうちサプライチェーンについては、23年9月、半導体や重要鉱物といった物資の供給が途絶えた国を多国間で支援する枠組みを創設することで合意した。

    インド太平洋経済枠組み(IPEF)

  • 8

    (   )とは、主要国の金融当局で構成される国際的な金融システムの安定を目的とする組織を指す。金融システムに影響を与える脆弱性への対応など、世界の金融秩序を維持するための活動を行っている。 1999年に設立された金融安定化フォーラム(FSF:Financial Stability Forum)を前身とし、2009年4月に設立された。主要25カ国・地域の中央銀行、金融監督当局、財務省、主要な基準策定主体、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、経済協力開発機構(OECD)といった国際機関の代表が参加している。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の設置者としても知られ、企業や金融機関に対し、気候変動が財務に与える影響を開示するよう求める提言を出し、脱炭素の取り組みを促す役割を果たしている。

    金融安定理事会(FSB)

  • 9

    (   )とは、企業が負担する法人税の最低限の税率を最低15%以上にする国際的な取り決め。2021年10月、経済協力開発機構(OECD)加盟国を中心に約140カ国・地域が合意し、23年7月に多国間条約の大枠がまとまった。対象は、年間総収入金額が7.5億ユーロ(約1100億円)以上の企業で、各国が法改正して導入する。日本は24年度以降に段階的に導入する予定だ。 各国が外国企業の誘致を狙った法人税率の引き下げ競争が行き過ぎたことや、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い各国で急速に財政悪化が進んだことも合意に駆り立てた。 1980年代、英国サッチャー政権、米国レーガン政権が経済の活性化を目的に税率の引き下げをスタート。その後、各国が自国へ投資を呼び込むために減税し始めたことで引き下げ競争が激化した。日本も2012年の第2次安倍政権の発足以降、世界に追随し実効税率を20%台まで下げ、米国はトランプ政権時に35%から21%に引き下げた。こうした動きにより、OECD加盟国の平均は00年の32%から20年には23%程度まで下がったが、コロナ危機で各国の財政が厳しい状況に置かれたことで、法人税最低税率導入に向けた議論が一気に進んだ。

    グローバル・ミニマム課税

  • 10

    (   )とは、金融政策のうち、最終手段として使われる量的緩和策を徐々に縮小していくことを指し、金融緩和から金融引き締めへと転じるサインとして捉えられる。 景気の悪いときは各国中央銀行が政策金利を低めに誘導するが、金利が実質ゼロ水準にまで下がりこれ以上の引き下げ余地がない場合、量的緩和策を行う。これは、国債などの金融資産を中央銀行が直接買い入れ、市中への資金供給を増やすことで景気を刺激する狙いがある。 一方、景気の改善がみられた場合やインフレが進んだ場合、金融資産の買い入れ額を順次減らして、振り切った針を戻す。金融緩和策を終え、金融引き締め策へ向かう出口戦略とも呼ばれる。 米国の中央銀行にあたる連邦準備理事会(FRB)は、コロナ禍からの需要回復と供給制約でインフレが進み始めた2021年11月に(   )を決め、22年3月にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引き上げ、ゼロ金利政策を2年ぶりに解除した。

    テーパリング(量的緩和の縮小)

  • 11

    (   )とは、景気後退期に物品やサービスの購入を一時的に控えていた消費者が、景気回復期に購買意欲を満たそうとして引き起こされる需要。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、消費の落ち込みが経済活動を縮小させたが、コロナ禍の収束とともに、(   )が期待された。 2008年のリーマン・ショック時には企業による輸出、設備投資が減退したことで経済に大きな影響を及ぼしたが、コロナ禍においては感染拡大に伴う行動制限や店舗休業によって、消費が大きく落ち込んだ。このため、各国で、世帯に対する現金給付や、飲食店などを対象にクーポンなどを活用した消費促進策が行われた。 23年は、世界的に観光の(   )が顕在化しているほか、日本国内では、半導体の供給制約の緩和に伴い自動車の需要が回復し、輸出が増加している。

    ペントアップ(先送り)需要

  • 12

    (   )とは、日本の子ども政策の司令塔となる新たな行政機関。2022年6月に関連法案が成立し、23年4月1日に発足した。内閣府の外局に設置し、こども政策担当大臣を置く。政府の基本方針案は当初、「こども庁」の名称を想定していたが、与党から「子育ての基盤は家庭」との声があったため修正された。 日本の子ども政策は「縦割り行政」の弊害が指摘されてきた。例えば子どもに関する施設は、保育所は厚生労働省、幼稚園と学校は文部科学省、認定こども園(幼稚園と保育所の機能を併せ持つ施設)は内閣府など、関係府省がバラバラに担当していたため、政策の無駄や抜け落ちが生まれやすい構造になっていた。 子どもへの支援策についても、内閣府が児童手当、厚労省が子育て世帯への給付、文科省が教育関連の助成と異なるため、利用者の使い勝手が悪く受給者が重複するため政策の有効性も検証しづらい。 (   )には、このように各府省にまたがる子育て政策を集約し、妊娠・出産から初等教育まで一体的に取り組む役割が期待されている。

    こども家庭庁

  • 13

    (   )とは、農産物などの新品種開発者の権利を保護するための法律で、1978年に制定された。新品種を国に登録することによって、その品種を育成する権利(育成者権)を得て25~30年間独占できる(品種登録制度)。 (   )の一部を改正する法律が、2021年4月から施行され、開発者が種苗の利用を制限できるようになった。品種を登録する際、輸出先国や栽培地域を指定でき、「指定国なし」にすれば海外への持ち出しが禁止される。日本のブランド品種の海外流出を防ぐのが狙いだ。改正(   )施行と同時に、農林水産省は海外への持ち出し禁止農産物のリスト(約1900品種)を公表した。これまで、イチゴの「レッドパール」や「章姫」、ブドウの「シャインマスカット」、柑橘類の「デコポン」などが海外に無断流出し、栽培、販売されている。こうした事態は日本の輸出戦略に支障をきたすだけでなく、安い海外品が逆輸入されると、国内製品が売れなくなる可能性もある。農林水産省の試算によると、16年以降、中国に無断で持ち出されたシャインマスカットによって年間100億円以上の損失が出ているという。 一方で、(   )の改正に懸念の声もあがっている。農家が収穫物から種を取り、次の栽培に使う「自家増殖」に育成者権者の許諾が必要になったからだ。これについて農林水産省は、許諾や許諾料が必要なのは登録品種のみで、新品種は農業者に利用してもらわなければ意味がないことから、農業者の利用が進まない許諾料となることは考えられないとしている。 また、手続きが必要な場合にも、農業者の事務負担が増えないように、県域団体等が一括して許諾を得ることも可能だ。

    種苗法

  • 14

    (   )とは、国連食糧農業機関(FAO)によると「全ての人が、いかなるときにも、活動的で健康的な生活に必要な食生活上のニーズと嗜好を満たすために、十分で安全かつ栄養ある食料を、物理的、社会的及び経済的にも入手可能であるときに達成される状況」である。 日本では「国民に対して、食料安定供給を確保することは国の基本的な責務である」との認識から、「食料・農業・農村基本法」において不測の事態における(   )に関する規定を設け、「国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせ」、食料の安定的な供給を確保することとしている。 2022年度の日本の食料自給率は前年度と同じ38%(カロリーベース)と主要国中で極めて低い状態が続いており、食料供給は輸入に大きく依存している。自給率を上げようにも高齢化や後継者不足などにより農業従事者は年々減少。加えて、世界的な人口増加に伴う食料需要の増大や気候変動といった国内外の様々な要因が、日本の食料安定供給に影響を及ぼす可能性がある。 新型コロナウイルスの感染拡大とロシアのウクライナ侵攻の影響で世界的に食料の価格が上昇し、自国向けの供給を優先する国が広がっている。政府は「平時からの国民一人一人の(   )の確立」のために「適正な価格形成に向けた仕組みの構築」などを推進する「食料・農業・農村基本法」の改正を検討。24年通常国会への改正案提出を目指している。

    食料安全保障

  • 15

    (   )とは、日本にとって望ましい安全保障環境を作り出すため、同志国に防衛装備品や軍事インフラなどを無償で提供し安全保障能力の強化を支援する資金協力の枠組み。2022年12月に閣議決定された国家安全保障戦略において定められ、23年4月に国家安全保障会議で導入が決定された。 原則として開発途上国が対象で、次に挙げる3分野での協力を実施する。①法の支配に基づく平和・安定・安全の確保のための能力向上(領海・領空などの警戒監視、テロ対策、海賊対策など)、②人道目的の活動(災害対処・捜索救難・救命、医療、援助物資輸送など)、③国際平和協力活動(PKOに参加するための能力強化)。23年度はフィリピン、マレーシア、バングラデシュ、フィジーの4カ国への支援を予定している。 (   )では提供するものが防衛装備にあたるか否かを問わず、武器輸出を規制する「防衛装備移転三原則」とその運用指針の枠内で協力する。同三原則は、武器輸出を事実上禁止していた「武器輸出三原則」を14年に見直し、平和貢献など一定条件下での輸出を認めた。運用指針では、輸出目的を非戦闘の①救難、②輸送、③警戒、④監視、⑤掃海の5類型に規定。政府・与党は運用指針を緩和し、5類型に該当する、正当防衛に必要であれば殺傷能力のある装備の輸出も可とするなどの改正を実施する予定だ。 政府は武器輸出を拡大する方針に舵を切っているが、日本から輸出された殺傷兵器が紛争を助長することになる恐れも指摘されており、日本経済新聞社が23年7月に行った世論調査では、武器輸出拡大について反対が51%で賛成38%を上回っている。

    政府安全保障能力強化支援(OSA)

  • 16

    (   )とは、極端に右翼的な思想を持つ政治団体。思想傾向として、保守主義、排外主義、民族主義、全体主義、国家主義、ポピュリズム(大衆迎合主義)などが挙げられる。典型的な政治形態にファシズムやナチズムがある。 1920~30年代の欧州やアジア、南米諸国では、極右団体の台頭とともにファシズム運動が広がり、ドイツ、イタリア、日本を中心とするファシズム諸国と、それに対する米国、英国、ソ連(当時)などの連合国が争う第2次世界大戦へと発展した。 21世紀に入り、欧州諸国では2008年のリーマン・ショック後の失業率上昇や緊縮財政政策による社会保障への不満、移民の増加などを背景に、(   )が勢いを増している。その多くをカリスマ的指導者が率い、反グローバリズムや移民排斥を主張している。 特に注目を集めたのが、22年4月のフランス大統領選で極右政党・国民連合(旧国民戦線)党首のマリーヌ・ルペン氏がみせた躍進である。決選投票で現職のエマニュエル・マクロン氏に敗れはしたものの、家計の購買力強化を訴えるルペン氏は労働者層の支持を伸ばし、17年の大統領選から両者の得票率の差は15ポイント近く縮まった。さらに、22年6月のフランス国民議会(下院)選挙では国民連合が議席数を8から89へと広げ、極右支持層が拡大していることを示している。

    極右政党

  • 17

    (   )とは、リスクの軽減や回避を図りつつ、関係を維持すること。関係を断って連動させないようにする「デカップリング(分断)」に代わり、新たに登場した概念。 具体的には、重要なサプライチェーンで中国への過度な依存から脱却し、最先端の技術や製品が中国に流出することを防ぎつつも、経済関係は維持していくことを指す。今後の対中関係で目指すべき方向性を語る際に、欧米首脳らがしばしば用いる言葉だ。 対中貿易規制について、バイデン米大統領が中国からの「デカップリング」ではなく「(   )」を強調するようになった背景には、対中ビジネスが断たれることを不安視する同盟国への配慮があったとされる。この言葉をよく用いることで知られる欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は、中国は重要な貿易相手国であり、「デカップリング」は欧州の利益に見合わないという考えを持っているとされる。2023年5月に広島で開かれた主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)でも、首脳宣言の中に「デカップリングではなく、多様化、パートナーシップの深化及び(   )に基づく経済的強靭性及び経済安全保障」を目指す内容が盛り込まれた。 これに対し、中国側は「(   )は偽装されたデカップリングだ」と反発。23年6月にドイツを訪れた中国の李強(リー・チャン)首相もリスク回避の正当性は認めつつも、それは政府ではなく財界が決めるべきで、リスクは誇張されるべきではない、と主張した。

    デリスキング

  • 18

    (   )とは、2014年にウクライナ東部で始まったロシアを後ろ盾とする分離派武装勢力とウクライナ軍の紛争解決を目指し、隣国ベラルーシの首都ミンスクで結ばれた和平合意。 15年2月にウクライナ、ロシア、ドイツ、フランスの4カ国協議で合意され、親ロシア派武装勢力が実効支配するウクライナ東部2地域に、幅広い自治権を認める「特別な地位」を与え、地方選を実施することなどを定めて和平への道筋を示した。 (   )によって大規模な戦闘は止まったが、散発的な衝突は続いた。ウクライナ側は「特別な地位」を与えることがロシアによる実効支配につながることを警戒し、ロシア軍のウクライナ東部からの撤収を求めた。これに対しロシアは、ウクライナが合意を守らず、武力解決を試みているとして圧力を強化。プーチン大統領は22年2月、親ロシア派組織が名乗る「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認した。欧州連合(EU)が「(   )違反だ」と非難する中、ロシアはウクライナ侵攻に踏み切った。

    ミンスク合意

  • 19

    (   )とは、国際連合で平和維持を担う主要機関。米国、英国、フランス、ロシア、中国の常任理事国と、地域代表である任期2年の非常任理事国10カ国で構成される。 安保理決議は国連の全加盟国への拘束力を持ち、決議の採択には、①15カ国の理事国のうち9カ国以上の賛成、②拒否権を持つ常任理事国のどの国も反対しないこと──が条件。また、決議のほか、拘束力のない議長声明や報道声明もある。安保理の会合は安保理議長が主宰し、議長国は1カ月ごとに安保理理事国の英語名称のアルファベット順で交代する。冷戦の終結以降、安保理の活動は①国連平和維持活動(PKO)の設立、②多国籍軍の承認、③テロ対策、不拡散に関する措置の促進、④制裁措置の決定──など多岐にわたっている。しかし、2022年2月にロシアのウクライナ侵攻を非難する決議案がロシアの拒否権行使で否決され、5月には弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への制裁強化の決議案も中国とロシアの拒否権によって否決されたことで、安保理の機能不全が改めて指摘されている。 そうした中、22年6月の国連総会で、任期切れを迎える5カ国の非常任理事国の改選が行われ、日本はその1国に選出された。選ばれるのは加盟国最多の12回目。23年から2年間の任期を務めている。日本は安保理改革への意欲を示しているが、主張の異なる国や地域グループとの交渉において主導的な役割を果たせるかが注目されている。

    国連安全保障理事会(UNSC)

  • 20

    ロシアが主導する、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギスが加盟する経済協議体を何というか。

    ユーラシア経済連合(EAEU)

  • 日経キーワード2023 日本経済

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    72問 • 2年前
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    日経ラングリッド2023 産業動向・企業戦略2

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    宇山和徳 · 59問 · 2年前

    日経ラングリッド2023 産業動向・企業戦略2

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    59問 • 2年前
    宇山和徳

    日経ラングリッド2023 企業会計・財務

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    宇山和徳 · 32問 · 2年前

    日経ラングリッド2023 企業会計・財務

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    32問 • 2年前
    宇山和徳

    日経ラングリッド2023 マーケティング

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    宇山和徳 · 29問 · 2年前

    日経ラングリッド2023 マーケティング

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    29問 • 2年前
    宇山和徳

    日経ラングリッド2023 景気と経済指標 テスト問題

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    宇山和徳 · 20問 · 2年前

    日経ラングリッド2023 景気と経済指標 テスト問題

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    20問 • 2年前
    宇山和徳

    日経ラングリッド2023 グローバル経済 テスト問題

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    宇山和徳 · 20問 · 2年前

    日経ラングリッド2023 グローバル経済 テスト問題

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    20問 • 2年前
    宇山和徳

    日経ラングリッド2023 産業動向・企業戦略1 テスト問題

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    宇山和徳 · 20問 · 2年前

    日経ラングリッド2023 産業動向・企業戦略1 テスト問題

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    20問 • 2年前
    宇山和徳

    問題一覧

  • 1

    ( )とは、企業による海外への投資のうち、工場や販路を作るための現地法人の設立や海外企業のM&A(合併・買収)など事業の拡大を目的としたものを指す。株式や債券などを短期で売買する投資とは異なる。株式などでの投資を通じた出資については、出資比率が10%以上を( )としている。 1980年代半ば以降、円高を背景に製造業が生産コストを抑える目的で海外に生産拠点を設ける動きが加速した。かつては法規制の整った先進国間での投資が主流だったが、この10年ほどは、グローバル市場での生き残りや、国内市場の縮小を背景に現地市場での販路を求めて、ブラジル、メキシコ、インドなどの新興国に進出するケースが増えている。 これを裏付けるように近年、海外企業へのM&Aが活発化し、その金額も巨額化している。日本銀行が2023年4月に発表した「2022年の日本の対外直接投資統計」によると、日本の対外直接投資(世界全体)は前年比31.8%増の21兆2330億円だった。

    海外直接投資

  • 2

    (   )とは、軍事転用可能な技術の流出防止や重要な物資の安定供給網の確立など、国の安全保障を脅かす経済活動を規制し、備えを促すための法律。2022年5月に成立し、同年8月から段階的に施行。経済活動がグローバルにつながった現在、供給網の寸断や技術の漏えいが国の経済や国民生活を脅かすリスクは増しており、政府は様々な対策を急いでいる。 (   )は4つの柱で構成される。国民の生存や経済活動にとって重要な物資や原材料の安定供給につなげる「重要物資の供給網強化」、電気、金融、鉄道など、重要インフラを支える企業の導入設備を事前に審査し、サイバー攻撃のリスクを軽減する「基幹インフラの安全確保」、人工知能(AI)や量子技術などの研究開発を官民協力で推進する「先端技術開発の支援」、先進武器技術など技術分野の出願内容を国が審査し、安全保障上のリスクがある場合は非公開とする「特許出願の非公開化」だ。 米中経済戦争とも呼ばれる米中間の対立激化やロシアのウクライナ侵攻に伴い資源・部品などの供給網の寸断に直面したことや、情報技術の進化による安全保障リスクの高まりなどがこうした動きを加速させている。日本においては20年4月、国家安全保障局に経済班が設置されて以降、21年10月の岸田内閣発足時に経済安全保障を担当する大臣のポストが新設された。 政府は23年6月、「固定燃料のロケットエンジン」や「宇宙飛行体の観測・追跡」「航空機や誘導ミサイルへの防御」など、25の技術分野を特許非公開の対象分野としてまとめた。24年春以降の運用開始を目指す。これによって安全保障上の重要技術の他国への流出を防ぐ。

    経済安全保障推進法

  • 3

    (   )とは、労働者が賃金として受け取る名目賃金から物価変動の影響を除いたもので、名目賃金を消費者物価指数で割って算出する。厚生労働省が勤労統計調査として毎月発表している。賃金額が同じだとしても、物価が上がれば購入できるモノは減る一方、物価が下がれば購入できるモノは増える。(   )は労働者の購買力を示す重要な指標とされている。 厚生労働省が発表した2023年7月分の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた(   )は前年同月比で2.5%減少した。減少は16カ月連続。名目賃金にあたる現金給与総額は前年同月比1.3%増だった。ただ、消費者物価指数の上昇が大きいため(   )を押し下げた。

    実質賃金

  • 4

    信託型(   )とは、株式を取得する権利である(   )を信託の仕組みを介して役員、従業員などに付与する仕組みのこと。従来の(   )に比べ、会社への貢献度に応じ中長期で分配できるメリットがある。 (   )は、役員、従業員が、あらかじめ決められた行使価格で株式を購入できる権利。株価が上がれば差益を得られるため、成長への貢献意欲を促す効果がある。日本では1997年の商法改正で全面解禁された。 浸透していく中で課題も見えてきた。早期に権利を得た人がメリットを受けやすく、貢献度が低いにもかかわらず“果実”を享受できることに不公平感が高まるケースもあった。 そこで考え出されたのが信託型(   )だ。会社は(   )を発行して行使価格を確定した上で信託会社などへ預ける。その後、人事評価を基に成果に応じて付与する分配量を決める仕組みだ。これにより、付与されるべき人に(   )の割り当てを確保することができる。新規株式公開(IPO)企業で導入先が着実に増えており、約800社が導入しているといわれる。 ところが、この信託型の課税について企業と国税庁のあいだで見解の相違が明らかになった。これまで企業は株式売却時の利益に20%の税金がかかると想定していたが、国税庁は23年5月に給与と同様最大55%課税されるという見解を公表した。これによって、権利を行使して株式を売却したときの売却益に大きな差が出てしまうことになる。信託型を活用して優秀な人材を獲得してきた新興企業にとっては、今後人材獲得が難しくなる可能性がある。

    ストックオプション

  • 5

    (   )コインとは、法定通貨や金などの価格と連動するように設計されたデジタル決済手段のこと。決済手段としての利用が浸透しない暗号資産(仮想通貨)の普及を促し、安全性、実用性を高めるためにつくられた。(   )には「安定した」という意味がある。(   )コインを電子決済手段と定義した改正資金決済法が23年6月に施行され、日本でも発行できるようになった。 ビットコインに代表される暗号資産は裏付けとなる資産がないため価格変動が大きく、実用性に乏しいという課題がある。(   )コインはこれまで暗号資産の一種と位置付けられてきたが、日本では暗号資産とは別に法律を整備した。(   )コインの発行者は銀行、信託会社、資金移動業者の3つに限定されている。北国フィナンシャルホールディングス(FHD)は石川県珠洲市などと地域通貨「珠洲トチツーカ」を24年内にも始める計画だ。北国銀行の(   )コイン「トチカ」と、市のポイントの「トチポ」を組み合わせる。地域通貨の普及拡大によって地域経済の活性化を目指す。ほかには、モバイル専業銀行のみんなの銀行、東京きらぼしフィナンシャルグループ、三菱UFJ信託銀行などが(   )コインの発行を検討している。

    ステーブル

  • 6

    (   )とは、昼間と比べて経済活動が落ち込む夜間の時間帯に、娯楽や文化などの商業活動を充実させることで、消費、雇用を増やし経済を活性化させること。「夜遊び経済」とも呼ばれる。日本の都市は、世界の都市に比べ夜間に楽しめるコンテンツが少ないとの指摘がなされており、観光立国推進の観点からナイトタイムコンテンツの充実が求められている。 世界の大都市では(   )の拡大が進む。例えば、英国のロンドンでは24時間都市構想を掲げ、地下鉄を24時間運行しているほか、夜間のセキュリティーを確保するためのエリアを認定する「パープルフラッグ」という制度を設けている。また、米国・ニューヨークでは夜間に娯楽が楽しめるようブロードウェイの開演時間が遅めの時間設定となっている。 東京・港区や宇都宮市、仙台市などの自治体は、(   )の経済効果に着目し、夜間・早朝の過ごし方を提案する取り組みに対し、補助金を交付している。2023年4月に新宿・歌舞伎町にオープンした東急歌舞伎町タワーは、地下のライブホールを深夜はクラブやラウンジとして営業。2階にあるフードホールは午前5時まで営業するなど、夜の時間帯を楽しみたい層を取り込んでいる。

    ナイトタイムエコノミー(夜間経済)

  • 7

    (   )とは、米国が主導する経済圏構想。米国のバイデン大統領がインド太平洋地域に台頭する中国への対抗を念頭に構想し、2022年5月に始動した。創設メンバーは米国、日本、韓国、インドなど計14カ国で、世界の国内総生産(GDP)の4割を占める。中国と経済的な結び付きの強い東南アジア諸国に配慮し、創設時の台湾の参加は見送られた。 インド太平洋地域には、すでにCPTPP(包括的・先進的環太平洋経済連携協定)や地域包括的経済連携(RCEP)という自由貿易協定がある。中国はRCEPに参加し、21年9月にはCPTPPにも加盟を申請しているほか、広域経済圏構想「一帯一路」を進めている。一方、米国はトランプ前大統領がTPP(現CPTPP)から離脱し、RCEPには加入していない。自国民の雇用流出や国内産業への影響を懸念する国内世論を考えるとTPP復帰はほぼ不可能であり、それに代わる新たな枠組みとして(   )を立ち上げ、インド太平洋地域での影響力拡大を狙っている。ただ、関税の引き下げや撤廃は含まれないため、大きな経済効果は期待できないとの指摘もある。 (   )は①貿易、②サプライチェーン、③クリーンな経済、④公正な経済の4つの柱で構成される。このうちサプライチェーンについては、23年9月、半導体や重要鉱物といった物資の供給が途絶えた国を多国間で支援する枠組みを創設することで合意した。

    インド太平洋経済枠組み(IPEF)

  • 8

    (   )とは、主要国の金融当局で構成される国際的な金融システムの安定を目的とする組織を指す。金融システムに影響を与える脆弱性への対応など、世界の金融秩序を維持するための活動を行っている。 1999年に設立された金融安定化フォーラム(FSF:Financial Stability Forum)を前身とし、2009年4月に設立された。主要25カ国・地域の中央銀行、金融監督当局、財務省、主要な基準策定主体、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、経済協力開発機構(OECD)といった国際機関の代表が参加している。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の設置者としても知られ、企業や金融機関に対し、気候変動が財務に与える影響を開示するよう求める提言を出し、脱炭素の取り組みを促す役割を果たしている。

    金融安定理事会(FSB)

  • 9

    (   )とは、企業が負担する法人税の最低限の税率を最低15%以上にする国際的な取り決め。2021年10月、経済協力開発機構(OECD)加盟国を中心に約140カ国・地域が合意し、23年7月に多国間条約の大枠がまとまった。対象は、年間総収入金額が7.5億ユーロ(約1100億円)以上の企業で、各国が法改正して導入する。日本は24年度以降に段階的に導入する予定だ。 各国が外国企業の誘致を狙った法人税率の引き下げ競争が行き過ぎたことや、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い各国で急速に財政悪化が進んだことも合意に駆り立てた。 1980年代、英国サッチャー政権、米国レーガン政権が経済の活性化を目的に税率の引き下げをスタート。その後、各国が自国へ投資を呼び込むために減税し始めたことで引き下げ競争が激化した。日本も2012年の第2次安倍政権の発足以降、世界に追随し実効税率を20%台まで下げ、米国はトランプ政権時に35%から21%に引き下げた。こうした動きにより、OECD加盟国の平均は00年の32%から20年には23%程度まで下がったが、コロナ危機で各国の財政が厳しい状況に置かれたことで、法人税最低税率導入に向けた議論が一気に進んだ。

    グローバル・ミニマム課税

  • 10

    (   )とは、金融政策のうち、最終手段として使われる量的緩和策を徐々に縮小していくことを指し、金融緩和から金融引き締めへと転じるサインとして捉えられる。 景気の悪いときは各国中央銀行が政策金利を低めに誘導するが、金利が実質ゼロ水準にまで下がりこれ以上の引き下げ余地がない場合、量的緩和策を行う。これは、国債などの金融資産を中央銀行が直接買い入れ、市中への資金供給を増やすことで景気を刺激する狙いがある。 一方、景気の改善がみられた場合やインフレが進んだ場合、金融資産の買い入れ額を順次減らして、振り切った針を戻す。金融緩和策を終え、金融引き締め策へ向かう出口戦略とも呼ばれる。 米国の中央銀行にあたる連邦準備理事会(FRB)は、コロナ禍からの需要回復と供給制約でインフレが進み始めた2021年11月に(   )を決め、22年3月にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引き上げ、ゼロ金利政策を2年ぶりに解除した。

    テーパリング(量的緩和の縮小)

  • 11

    (   )とは、景気後退期に物品やサービスの購入を一時的に控えていた消費者が、景気回復期に購買意欲を満たそうとして引き起こされる需要。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、消費の落ち込みが経済活動を縮小させたが、コロナ禍の収束とともに、(   )が期待された。 2008年のリーマン・ショック時には企業による輸出、設備投資が減退したことで経済に大きな影響を及ぼしたが、コロナ禍においては感染拡大に伴う行動制限や店舗休業によって、消費が大きく落ち込んだ。このため、各国で、世帯に対する現金給付や、飲食店などを対象にクーポンなどを活用した消費促進策が行われた。 23年は、世界的に観光の(   )が顕在化しているほか、日本国内では、半導体の供給制約の緩和に伴い自動車の需要が回復し、輸出が増加している。

    ペントアップ(先送り)需要

  • 12

    (   )とは、日本の子ども政策の司令塔となる新たな行政機関。2022年6月に関連法案が成立し、23年4月1日に発足した。内閣府の外局に設置し、こども政策担当大臣を置く。政府の基本方針案は当初、「こども庁」の名称を想定していたが、与党から「子育ての基盤は家庭」との声があったため修正された。 日本の子ども政策は「縦割り行政」の弊害が指摘されてきた。例えば子どもに関する施設は、保育所は厚生労働省、幼稚園と学校は文部科学省、認定こども園(幼稚園と保育所の機能を併せ持つ施設)は内閣府など、関係府省がバラバラに担当していたため、政策の無駄や抜け落ちが生まれやすい構造になっていた。 子どもへの支援策についても、内閣府が児童手当、厚労省が子育て世帯への給付、文科省が教育関連の助成と異なるため、利用者の使い勝手が悪く受給者が重複するため政策の有効性も検証しづらい。 (   )には、このように各府省にまたがる子育て政策を集約し、妊娠・出産から初等教育まで一体的に取り組む役割が期待されている。

    こども家庭庁

  • 13

    (   )とは、農産物などの新品種開発者の権利を保護するための法律で、1978年に制定された。新品種を国に登録することによって、その品種を育成する権利(育成者権)を得て25~30年間独占できる(品種登録制度)。 (   )の一部を改正する法律が、2021年4月から施行され、開発者が種苗の利用を制限できるようになった。品種を登録する際、輸出先国や栽培地域を指定でき、「指定国なし」にすれば海外への持ち出しが禁止される。日本のブランド品種の海外流出を防ぐのが狙いだ。改正(   )施行と同時に、農林水産省は海外への持ち出し禁止農産物のリスト(約1900品種)を公表した。これまで、イチゴの「レッドパール」や「章姫」、ブドウの「シャインマスカット」、柑橘類の「デコポン」などが海外に無断流出し、栽培、販売されている。こうした事態は日本の輸出戦略に支障をきたすだけでなく、安い海外品が逆輸入されると、国内製品が売れなくなる可能性もある。農林水産省の試算によると、16年以降、中国に無断で持ち出されたシャインマスカットによって年間100億円以上の損失が出ているという。 一方で、(   )の改正に懸念の声もあがっている。農家が収穫物から種を取り、次の栽培に使う「自家増殖」に育成者権者の許諾が必要になったからだ。これについて農林水産省は、許諾や許諾料が必要なのは登録品種のみで、新品種は農業者に利用してもらわなければ意味がないことから、農業者の利用が進まない許諾料となることは考えられないとしている。 また、手続きが必要な場合にも、農業者の事務負担が増えないように、県域団体等が一括して許諾を得ることも可能だ。

    種苗法

  • 14

    (   )とは、国連食糧農業機関(FAO)によると「全ての人が、いかなるときにも、活動的で健康的な生活に必要な食生活上のニーズと嗜好を満たすために、十分で安全かつ栄養ある食料を、物理的、社会的及び経済的にも入手可能であるときに達成される状況」である。 日本では「国民に対して、食料安定供給を確保することは国の基本的な責務である」との認識から、「食料・農業・農村基本法」において不測の事態における(   )に関する規定を設け、「国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせ」、食料の安定的な供給を確保することとしている。 2022年度の日本の食料自給率は前年度と同じ38%(カロリーベース)と主要国中で極めて低い状態が続いており、食料供給は輸入に大きく依存している。自給率を上げようにも高齢化や後継者不足などにより農業従事者は年々減少。加えて、世界的な人口増加に伴う食料需要の増大や気候変動といった国内外の様々な要因が、日本の食料安定供給に影響を及ぼす可能性がある。 新型コロナウイルスの感染拡大とロシアのウクライナ侵攻の影響で世界的に食料の価格が上昇し、自国向けの供給を優先する国が広がっている。政府は「平時からの国民一人一人の(   )の確立」のために「適正な価格形成に向けた仕組みの構築」などを推進する「食料・農業・農村基本法」の改正を検討。24年通常国会への改正案提出を目指している。

    食料安全保障

  • 15

    (   )とは、日本にとって望ましい安全保障環境を作り出すため、同志国に防衛装備品や軍事インフラなどを無償で提供し安全保障能力の強化を支援する資金協力の枠組み。2022年12月に閣議決定された国家安全保障戦略において定められ、23年4月に国家安全保障会議で導入が決定された。 原則として開発途上国が対象で、次に挙げる3分野での協力を実施する。①法の支配に基づく平和・安定・安全の確保のための能力向上(領海・領空などの警戒監視、テロ対策、海賊対策など)、②人道目的の活動(災害対処・捜索救難・救命、医療、援助物資輸送など)、③国際平和協力活動(PKOに参加するための能力強化)。23年度はフィリピン、マレーシア、バングラデシュ、フィジーの4カ国への支援を予定している。 (   )では提供するものが防衛装備にあたるか否かを問わず、武器輸出を規制する「防衛装備移転三原則」とその運用指針の枠内で協力する。同三原則は、武器輸出を事実上禁止していた「武器輸出三原則」を14年に見直し、平和貢献など一定条件下での輸出を認めた。運用指針では、輸出目的を非戦闘の①救難、②輸送、③警戒、④監視、⑤掃海の5類型に規定。政府・与党は運用指針を緩和し、5類型に該当する、正当防衛に必要であれば殺傷能力のある装備の輸出も可とするなどの改正を実施する予定だ。 政府は武器輸出を拡大する方針に舵を切っているが、日本から輸出された殺傷兵器が紛争を助長することになる恐れも指摘されており、日本経済新聞社が23年7月に行った世論調査では、武器輸出拡大について反対が51%で賛成38%を上回っている。

    政府安全保障能力強化支援(OSA)

  • 16

    (   )とは、極端に右翼的な思想を持つ政治団体。思想傾向として、保守主義、排外主義、民族主義、全体主義、国家主義、ポピュリズム(大衆迎合主義)などが挙げられる。典型的な政治形態にファシズムやナチズムがある。 1920~30年代の欧州やアジア、南米諸国では、極右団体の台頭とともにファシズム運動が広がり、ドイツ、イタリア、日本を中心とするファシズム諸国と、それに対する米国、英国、ソ連(当時)などの連合国が争う第2次世界大戦へと発展した。 21世紀に入り、欧州諸国では2008年のリーマン・ショック後の失業率上昇や緊縮財政政策による社会保障への不満、移民の増加などを背景に、(   )が勢いを増している。その多くをカリスマ的指導者が率い、反グローバリズムや移民排斥を主張している。 特に注目を集めたのが、22年4月のフランス大統領選で極右政党・国民連合(旧国民戦線)党首のマリーヌ・ルペン氏がみせた躍進である。決選投票で現職のエマニュエル・マクロン氏に敗れはしたものの、家計の購買力強化を訴えるルペン氏は労働者層の支持を伸ばし、17年の大統領選から両者の得票率の差は15ポイント近く縮まった。さらに、22年6月のフランス国民議会(下院)選挙では国民連合が議席数を8から89へと広げ、極右支持層が拡大していることを示している。

    極右政党

  • 17

    (   )とは、リスクの軽減や回避を図りつつ、関係を維持すること。関係を断って連動させないようにする「デカップリング(分断)」に代わり、新たに登場した概念。 具体的には、重要なサプライチェーンで中国への過度な依存から脱却し、最先端の技術や製品が中国に流出することを防ぎつつも、経済関係は維持していくことを指す。今後の対中関係で目指すべき方向性を語る際に、欧米首脳らがしばしば用いる言葉だ。 対中貿易規制について、バイデン米大統領が中国からの「デカップリング」ではなく「(   )」を強調するようになった背景には、対中ビジネスが断たれることを不安視する同盟国への配慮があったとされる。この言葉をよく用いることで知られる欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は、中国は重要な貿易相手国であり、「デカップリング」は欧州の利益に見合わないという考えを持っているとされる。2023年5月に広島で開かれた主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)でも、首脳宣言の中に「デカップリングではなく、多様化、パートナーシップの深化及び(   )に基づく経済的強靭性及び経済安全保障」を目指す内容が盛り込まれた。 これに対し、中国側は「(   )は偽装されたデカップリングだ」と反発。23年6月にドイツを訪れた中国の李強(リー・チャン)首相もリスク回避の正当性は認めつつも、それは政府ではなく財界が決めるべきで、リスクは誇張されるべきではない、と主張した。

    デリスキング

  • 18

    (   )とは、2014年にウクライナ東部で始まったロシアを後ろ盾とする分離派武装勢力とウクライナ軍の紛争解決を目指し、隣国ベラルーシの首都ミンスクで結ばれた和平合意。 15年2月にウクライナ、ロシア、ドイツ、フランスの4カ国協議で合意され、親ロシア派武装勢力が実効支配するウクライナ東部2地域に、幅広い自治権を認める「特別な地位」を与え、地方選を実施することなどを定めて和平への道筋を示した。 (   )によって大規模な戦闘は止まったが、散発的な衝突は続いた。ウクライナ側は「特別な地位」を与えることがロシアによる実効支配につながることを警戒し、ロシア軍のウクライナ東部からの撤収を求めた。これに対しロシアは、ウクライナが合意を守らず、武力解決を試みているとして圧力を強化。プーチン大統領は22年2月、親ロシア派組織が名乗る「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認した。欧州連合(EU)が「(   )違反だ」と非難する中、ロシアはウクライナ侵攻に踏み切った。

    ミンスク合意

  • 19

    (   )とは、国際連合で平和維持を担う主要機関。米国、英国、フランス、ロシア、中国の常任理事国と、地域代表である任期2年の非常任理事国10カ国で構成される。 安保理決議は国連の全加盟国への拘束力を持ち、決議の採択には、①15カ国の理事国のうち9カ国以上の賛成、②拒否権を持つ常任理事国のどの国も反対しないこと──が条件。また、決議のほか、拘束力のない議長声明や報道声明もある。安保理の会合は安保理議長が主宰し、議長国は1カ月ごとに安保理理事国の英語名称のアルファベット順で交代する。冷戦の終結以降、安保理の活動は①国連平和維持活動(PKO)の設立、②多国籍軍の承認、③テロ対策、不拡散に関する措置の促進、④制裁措置の決定──など多岐にわたっている。しかし、2022年2月にロシアのウクライナ侵攻を非難する決議案がロシアの拒否権行使で否決され、5月には弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への制裁強化の決議案も中国とロシアの拒否権によって否決されたことで、安保理の機能不全が改めて指摘されている。 そうした中、22年6月の国連総会で、任期切れを迎える5カ国の非常任理事国の改選が行われ、日本はその1国に選出された。選ばれるのは加盟国最多の12回目。23年から2年間の任期を務めている。日本は安保理改革への意欲を示しているが、主張の異なる国や地域グループとの交渉において主導的な役割を果たせるかが注目されている。

    国連安全保障理事会(UNSC)

  • 20

    ロシアが主導する、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギスが加盟する経済協議体を何というか。

    ユーラシア経済連合(EAEU)