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商標 商標権3

商標 商標権3
11問 • 1年前
  • Daisuke Saito
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    問題一覧

  • 1

    商標法第26条第1項を規定した趣旨について説明せよ。

    本項の立法趣旨は3つある。 第1に、過誤登録に対する第三者の救済規定であると考えられる。誤って商標登録があった場合でも商標登録の無効審判手続によるまでもなく、他人に商標権の効力を及ぼすべきではないとの趣旨によるのである。 この点は特に47条の除斥期間が経過して無効審判の請求ができなくなった後に実益がある。 第2に、商標登録を受けた商標の類似部分にまで商標権の効力を及ぼすのは妥当ではないと考えられるときに禁止的効力を制限する場合である。 例えば、「アスカレーター」は登録され得るが、その商標権の効力は「アスカレーター」に類似する普通名称「エスカレーター」には及ばないのである。 第3に、後発的に本条に定めるものとなった場合に商標権の効力を制限し、一般人がそのものを使うことを保障するためである。 例えば、登録商標の名称と同一の名称の都市ができた場合等が考えられる。 なお、近年、いわゆる「商標的使用」ではない商標の使用については商標権侵害を構成しないものとする裁判例の積重ねを明文化するため、6号が新設された。

  • 2

    商標権の効力が及ばないとされる商標には「他の商標の一部となっているものを含む」と規定されている理由について説明せよ。

    ハウスマークに代表されるような識別力のある商標に識別力のない文字等を結合させた商標については、同一人であれば独立の商標として登録が可能である。 しかし、このような登録商標の存在は、第三者に当該識別力のない文字等の使用を躊躇させることともなり、当該文字等を使用する第三者に対して不当な権利行使を生ぜしめることともなる。 さりとて、識別力のない文字等との結合であることを理由に全ての商標についてその登録を拒絶することとするのも行き過ぎである。 そこで、結合商標中の当該識別力のない文字等の部分には商標権の効力が及ばない旨を確認的に規定することとした(26条1項かっこ書)

  • 3

    参考.商標権の効力が及ばないとされる商標には「他の商標の一部となっているものを含む」と規定されている理由について説明せよ。

    GI法では、登録に係る特定農林水産物等を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する者は、当該GIを特定農林水産物等又はその包装若しくは容器若しくは広告、価格表若しくは取引書類に使用することができるとされており(GI法3条1項)、一方で、同一又は類似の関係にあるGIと商標権は併存しうる(GI法13条2項)ところ、GIの使用について一律に商標権の効力を及ぼすとすると、GI保護制度が形骸化するおそれがあり、適切ではない。そこで、GIの安定的な表示を確保するため、GIに関する行為を各号で列記し、当該行為が不正競争の目的でされない場合に限り、商標権の効力が及ばないこととした。

  • 4

    商標法第59条と特許法第175条の違いについて説明せよ。

    商標権の効力が及ばないとされた行為によって作られた物やその商標を付した商品若しくは役務の提供の用に供する物についてはどうなるかという問題については何ら規定していない。したがって、これらの結果物に対して商標権の効力を制限する規定はないから、商標権の効力はその物に対して及ぶのである。 この理由は、もし結果物についても効力を制限すると結果物の発生の時点の証明が困難なため設定登録後に発生した結果物を不当に用いられるおそれがあるのと、商標権の効力は、特許権が物自体に及ぶのと異なりその物に付された商標の使用のみを禁止するものであり、物自体は何ら禁止の対象とならないからその物から商標を削る等の処置をすればその物の販売等の処分には差し支えない。したがって、このような効力を認めても他人の経済的損失はほとんどないか、あっても大きくはないからである。

  • 5

    普通名称にさせるおそれがある行為をしている者に対しその行為の停止を請求することができる旨の規定を置かないこととした理由を説明せよ。

    商標権については本条のほかに登録商標をその指定商品等の普通名称にさせるおそれがある行為をしている者に対しその行為の停止を請求することができる旨の規定を置く必要があろうという意見がある。 その理由は、商標は有名になればなるほど普通名称化するおそれがあり、普通名称化した場合には26条で商標権の効力がなくなるからであるという。 しかし、「普通名称化させるおそれのある行為」といっても、その範囲がはっきりしない反面、差止請求権は他人の権利を不当に制限するおそれもある強力な権利であるから、かような規定を設けるについては問題がある。 また、他人が商標として使用しなければ実際上多くの場合普通名称になることはないであろうとの理由で採用されなかった。

  • 6

    商標法第32条が認められている理由を説明せよ。

    32条は、いわゆる先使用権についての規定であり、企業努力によって蓄積された信用を既得権として保護しようとする未登録周知商標についての保護規定である。 本条は本来的に過誤登録の場合の救済規定である。すなわち、未登録周知商標がある場合は、他人の出願は必ず4条1項10号に該当するはずだが、誤って登録された場合に、あえて無効審判を請求するまでもなく、その未登録周知商標の使用を認めようというのである。本条は、4条1項10号について善意に登録を受けた後、除斥期間(47条1項)が経過した場合に特に実益がある。

  • 7

    地域団体商標に対しては、その使用する商標が周知となっているか否かを問わず先使用権を認めることとした理由について説明せよ。

    地域の名称及び商品名等からなる商標は、本来、何人も使用しうることとされていた商標であり、特に、同一の地域において同様の商品を生産・販売する者や役務を提供する者であれば、その商品等について地域団体商標の出願前から同一又は類似の商標を使用していることが想定される。 そのような事業者の商標が周知性を獲得していないからといって先使用権を認めないとすると、権利者と第三者の利益の衡平を失すると考えられる。 そこで地域団体商標に対しては、その使用する商標が周知となっているか否かを問わず先使用権を認めることとした(32条の2第1項)。

  • 8

    過誤による商標登録が無効審判により無効にされた場合の保護規定として、商標法33条の規定を設けた理由について説明せよ。

    商標について不登録理由があるにもかかわらず誤って商標登録がされ、商標権者も46条1項各号の無効理由があることを知らないで指定商品等について登録商標の使用をした結果その商標が周知になった場合には、その商標登録の無効により商標権者の企業努力による信用の蓄積を破壊するのは酷だとの見地から、その蓄積された信用を保護しようとする趣旨である(33条1項)。 なお、本規定は既得権という色彩はなく、本来無権利者になるべきものを救済するのであるから、対価を要求できることとした(33条2項)

  • 9

    特許権の存続期間が満了したときは、原特許権者は原特許権の範囲内において、商標の使用をする権利を有する旨を規定した趣旨について説明せよ。

    商標権と特許権が抵触する場合に、特許出願が先であるか又は同日であるときは、特許権者は自由に特許発明を実施することができるが、その特許権が存続期間の満了により消滅した後も商標権が存続しているときは、原特許権者は自己の特許発明を実施することができなくなるが、それはあまりにも不合理である。 そこで、法は、特許権の存続期間が満了したときは、原特許権者は、原特許権の範囲内において商標の使用をする権利を有することとした(33条の2)

  • 10

    特許法、実用新案法及び意匠法に商標法第33条の2及び第33条の3に相当する規定を置いていない理由について説明せよ。

    特許法、実用新案法及び意匠法には、「特許出願の日前又はこれと同日の商標登録出願に係る商標権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その商標権の存続期間が満了したときは、その原商標権者等は、その特許権について通常実施権を有する」旨の規定は置かれていない。 これは、商標権はその存続期間を更新しようと思えば、商標権者の意思で更新できるのであるから、自らの意思で更新をせず商標権を消滅させた場合にまで、その商標権者等に対して、その消滅した商標権に係る登録商標の使用を確保する必要性はないという理由に基づくものである。

  • 11

    商標法において、著作権の存続期間満了後の原著作権者による商標の使用をする権利については規定していない理由を説明せよ。

    特許権等の存続期間満了後の商標の使用をする権利に関する規定であるが、著作権の存続期間満了後の原著作権者による商標の使用をする権利については規定していない。 それは、個人の思想、感情の表現である著作物が、商品・役務の出所表示として使用され、更にそれが商標権の侵害に当たることは極めて稀であると考えられることに加えて、従前から平面商標や意匠権との関係においても、著作権の存続期間満了後の原著作権の権利については規定されておらず、また、実際に特段の問題も起こっていない等の理由に基づくものである。

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  • 1

    商標法第26条第1項を規定した趣旨について説明せよ。

    本項の立法趣旨は3つある。 第1に、過誤登録に対する第三者の救済規定であると考えられる。誤って商標登録があった場合でも商標登録の無効審判手続によるまでもなく、他人に商標権の効力を及ぼすべきではないとの趣旨によるのである。 この点は特に47条の除斥期間が経過して無効審判の請求ができなくなった後に実益がある。 第2に、商標登録を受けた商標の類似部分にまで商標権の効力を及ぼすのは妥当ではないと考えられるときに禁止的効力を制限する場合である。 例えば、「アスカレーター」は登録され得るが、その商標権の効力は「アスカレーター」に類似する普通名称「エスカレーター」には及ばないのである。 第3に、後発的に本条に定めるものとなった場合に商標権の効力を制限し、一般人がそのものを使うことを保障するためである。 例えば、登録商標の名称と同一の名称の都市ができた場合等が考えられる。 なお、近年、いわゆる「商標的使用」ではない商標の使用については商標権侵害を構成しないものとする裁判例の積重ねを明文化するため、6号が新設された。

  • 2

    商標権の効力が及ばないとされる商標には「他の商標の一部となっているものを含む」と規定されている理由について説明せよ。

    ハウスマークに代表されるような識別力のある商標に識別力のない文字等を結合させた商標については、同一人であれば独立の商標として登録が可能である。 しかし、このような登録商標の存在は、第三者に当該識別力のない文字等の使用を躊躇させることともなり、当該文字等を使用する第三者に対して不当な権利行使を生ぜしめることともなる。 さりとて、識別力のない文字等との結合であることを理由に全ての商標についてその登録を拒絶することとするのも行き過ぎである。 そこで、結合商標中の当該識別力のない文字等の部分には商標権の効力が及ばない旨を確認的に規定することとした(26条1項かっこ書)

  • 3

    参考.商標権の効力が及ばないとされる商標には「他の商標の一部となっているものを含む」と規定されている理由について説明せよ。

    GI法では、登録に係る特定農林水産物等を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する者は、当該GIを特定農林水産物等又はその包装若しくは容器若しくは広告、価格表若しくは取引書類に使用することができるとされており(GI法3条1項)、一方で、同一又は類似の関係にあるGIと商標権は併存しうる(GI法13条2項)ところ、GIの使用について一律に商標権の効力を及ぼすとすると、GI保護制度が形骸化するおそれがあり、適切ではない。そこで、GIの安定的な表示を確保するため、GIに関する行為を各号で列記し、当該行為が不正競争の目的でされない場合に限り、商標権の効力が及ばないこととした。

  • 4

    商標法第59条と特許法第175条の違いについて説明せよ。

    商標権の効力が及ばないとされた行為によって作られた物やその商標を付した商品若しくは役務の提供の用に供する物についてはどうなるかという問題については何ら規定していない。したがって、これらの結果物に対して商標権の効力を制限する規定はないから、商標権の効力はその物に対して及ぶのである。 この理由は、もし結果物についても効力を制限すると結果物の発生の時点の証明が困難なため設定登録後に発生した結果物を不当に用いられるおそれがあるのと、商標権の効力は、特許権が物自体に及ぶのと異なりその物に付された商標の使用のみを禁止するものであり、物自体は何ら禁止の対象とならないからその物から商標を削る等の処置をすればその物の販売等の処分には差し支えない。したがって、このような効力を認めても他人の経済的損失はほとんどないか、あっても大きくはないからである。

  • 5

    普通名称にさせるおそれがある行為をしている者に対しその行為の停止を請求することができる旨の規定を置かないこととした理由を説明せよ。

    商標権については本条のほかに登録商標をその指定商品等の普通名称にさせるおそれがある行為をしている者に対しその行為の停止を請求することができる旨の規定を置く必要があろうという意見がある。 その理由は、商標は有名になればなるほど普通名称化するおそれがあり、普通名称化した場合には26条で商標権の効力がなくなるからであるという。 しかし、「普通名称化させるおそれのある行為」といっても、その範囲がはっきりしない反面、差止請求権は他人の権利を不当に制限するおそれもある強力な権利であるから、かような規定を設けるについては問題がある。 また、他人が商標として使用しなければ実際上多くの場合普通名称になることはないであろうとの理由で採用されなかった。

  • 6

    商標法第32条が認められている理由を説明せよ。

    32条は、いわゆる先使用権についての規定であり、企業努力によって蓄積された信用を既得権として保護しようとする未登録周知商標についての保護規定である。 本条は本来的に過誤登録の場合の救済規定である。すなわち、未登録周知商標がある場合は、他人の出願は必ず4条1項10号に該当するはずだが、誤って登録された場合に、あえて無効審判を請求するまでもなく、その未登録周知商標の使用を認めようというのである。本条は、4条1項10号について善意に登録を受けた後、除斥期間(47条1項)が経過した場合に特に実益がある。

  • 7

    地域団体商標に対しては、その使用する商標が周知となっているか否かを問わず先使用権を認めることとした理由について説明せよ。

    地域の名称及び商品名等からなる商標は、本来、何人も使用しうることとされていた商標であり、特に、同一の地域において同様の商品を生産・販売する者や役務を提供する者であれば、その商品等について地域団体商標の出願前から同一又は類似の商標を使用していることが想定される。 そのような事業者の商標が周知性を獲得していないからといって先使用権を認めないとすると、権利者と第三者の利益の衡平を失すると考えられる。 そこで地域団体商標に対しては、その使用する商標が周知となっているか否かを問わず先使用権を認めることとした(32条の2第1項)。

  • 8

    過誤による商標登録が無効審判により無効にされた場合の保護規定として、商標法33条の規定を設けた理由について説明せよ。

    商標について不登録理由があるにもかかわらず誤って商標登録がされ、商標権者も46条1項各号の無効理由があることを知らないで指定商品等について登録商標の使用をした結果その商標が周知になった場合には、その商標登録の無効により商標権者の企業努力による信用の蓄積を破壊するのは酷だとの見地から、その蓄積された信用を保護しようとする趣旨である(33条1項)。 なお、本規定は既得権という色彩はなく、本来無権利者になるべきものを救済するのであるから、対価を要求できることとした(33条2項)

  • 9

    特許権の存続期間が満了したときは、原特許権者は原特許権の範囲内において、商標の使用をする権利を有する旨を規定した趣旨について説明せよ。

    商標権と特許権が抵触する場合に、特許出願が先であるか又は同日であるときは、特許権者は自由に特許発明を実施することができるが、その特許権が存続期間の満了により消滅した後も商標権が存続しているときは、原特許権者は自己の特許発明を実施することができなくなるが、それはあまりにも不合理である。 そこで、法は、特許権の存続期間が満了したときは、原特許権者は、原特許権の範囲内において商標の使用をする権利を有することとした(33条の2)

  • 10

    特許法、実用新案法及び意匠法に商標法第33条の2及び第33条の3に相当する規定を置いていない理由について説明せよ。

    特許法、実用新案法及び意匠法には、「特許出願の日前又はこれと同日の商標登録出願に係る商標権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その商標権の存続期間が満了したときは、その原商標権者等は、その特許権について通常実施権を有する」旨の規定は置かれていない。 これは、商標権はその存続期間を更新しようと思えば、商標権者の意思で更新できるのであるから、自らの意思で更新をせず商標権を消滅させた場合にまで、その商標権者等に対して、その消滅した商標権に係る登録商標の使用を確保する必要性はないという理由に基づくものである。

  • 11

    商標法において、著作権の存続期間満了後の原著作権者による商標の使用をする権利については規定していない理由を説明せよ。

    特許権等の存続期間満了後の商標の使用をする権利に関する規定であるが、著作権の存続期間満了後の原著作権者による商標の使用をする権利については規定していない。 それは、個人の思想、感情の表現である著作物が、商品・役務の出所表示として使用され、更にそれが商標権の侵害に当たることは極めて稀であると考えられることに加えて、従前から平面商標や意匠権との関係においても、著作権の存続期間満了後の原著作権の権利については規定されておらず、また、実際に特段の問題も起こっていない等の理由に基づくものである。