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特許 出願人の救済
  • Daisuke Saito

  • 問題数 21 • 7/7/2024

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    問題一覧

  • 1

    意見書を提出する機会を与えた趣旨について説明せよ。

    審査官が特許出願について審査をした結果、拒絶理由に該当するものであるという心証を得た場合においても、なんら弁明の機会を与えずただちに拒絶査定をすることは特許出願人に対して苛酷であり、また審査官も全く過誤なきことは保証し得ないので、特許出願人に意見書を提出する機会を与え、かつ、その意見書を基にして審査官が再審査をする機会ともしようとする趣旨である。

  • 2

    出願に係る明細書等について、補正が認められている理由について説明せよ。

    手続の円滑で迅速な進行を図るためには、出願人が初めから完全な内容の書類を提出することが望ましい。しかし、先願主義の下では出願を急ぐ必要があること等により、実際には完全なものを望み得ない場合が少なくない。また、審査の結果、拒絶理由が発見された場合等、明細書等に手を加える必要が生じる場合もある。そこで、法は、明細書等について補正を認めることとした(17 条)。

  • 3

    特許法第 17 条の2第3項が設けられた理由について説明せよ。

    従来は、願書に最初に添付された明細書等に記載されていない新規事項であっても補正を行い得るため、迅速な権利付与、第三者の監視負担の増大等の問題があったのみならず、主要国と比べても特異な規定となっていた。そこで、制度の国際的調和、権利付与の迅速化及び第三者の監視負担の軽減を図るべく、本規定を設けることとした(17 条の2第3項)。

  • 4

    特許法第 17 条の2第4項が設けられた理由について説明せよ。

    発明の特別な技術的特徴を変更する補正がされると、審査官がそれまでになされた先行技術調査、審査の結果を有効に活用することができなくなる場合がある。その場合は、審査官が先行技術調査、審査をやり直すこととなるため、迅速、的確な権利付与に支障が生じる。また、出願間の取扱いの公平性も、十分に確保されなくなる。こうした観点を踏まえ、発明の単一性の要件(37 条)の趣旨に鑑み、法は、17 条の2第4項の規定を設けている。

  • 5

    特許法第 17 条の2第5項が設けられた理由について説明せよ。

    この規定は、発明の保護を十全に図るという特許制度の基本目的を考慮しつつ、迅速かつ的確な権利付与を確保する審査手続を確立するために、最後の拒絶理由通知以降の補正を、既になされた先行技術文献調査による審査結果を有効に活用できる範囲内に制限する趣旨で設けられたものである。

  • 6

    いわゆる独立特許要件を満たさない補正を却下することとした理由について説明せよ。

    特許請求の範囲の限定的減縮を目的とする補正がされると、新たな先行技術調査が必要となることがある。新たな先行技術調査がなされた結果、改めて拒絶理由を通知することとすると、再度の審査が必要となることがある。そこで、特許法は、独立特許要件を満たさない場合は、その補正を却下し(53 条1項)、審査が繰り返しなされることを回避するとともに、出願間の取扱いの公平性を確保することとしている。

  • 7

    最初の拒絶理由及び最後の拒絶理由について説明せよ。

    最初の拒絶理由とは、原則として、出願人にはじめて指摘する拒絶理由を通知するものをいい、第一回目の拒絶理由通知はもとより、第二回目の拒絶理由であっても、最初の拒絶理由に対して補正がなされなかった請求項等に対して、はじめて通知する拒絶理由を含むものは、最初の拒絶理由である。最後の拒絶理由とは、原則として、最初の拒絶理由に対する補正により通知することが必要となった拒絶理由のみを通知するものである。[工業所有

  • 8

    特許法第 50 条の2が設けられた理由について説明せよ。

    50 条の2の規定の趣旨は、出願人に対し原出願等の審査において通知された拒絶理由を十分に精査することを促すことにより、原出願等において既に拒絶理由通知がされている発明について、その拒絶理由を解消しないまま出願を分割するといった分割出願制度の濫用抑止を抑止することにある。

  • 9

    特許法第 53 条1項が規定されている理由について説明せよ。

    第二回目以降の拒絶理由通知に対する補正が不適法である場合についてまで、特許出願の拒絶の理由とすると、その補正が不適法である旨の拒絶理由を再度通知し、更にその拒絶理由通知に対しては、補正が可能であるから、更に補正について審査を行う必要があり、審査の迅速性が確保され難いこととなるためである。

  • 10

    外国語書面出願の外国語書面及び外国語要約書面について補正することができない理由について説明せよ。

    出願日に提出された外国語書面は、出願日における発明の内容を記載した書面としての位置付けを有するものであり、その後の補正により記載内容が変更されることは適当でない。また、外国語書面出願の出願人は、その後提出した翻訳文が願書に添付した明細書等とみなされ、それを補正することにより、外国語書面に記載した事項の範囲内において適切な権利を取得することが可能である。このため、外国語書面及び外国語要約書面については補正をすることができないこととした(17 条2項)。

  • 11

    誤訳の訂正を目的として補正を行う場合には、誤訳訂正書の提出を義務づけるとともに、 誤訳訂正の理由を記載させることとした理由について説明せよ。

    翻訳文の記載が外国語書面の記載に基づき補正された事実が明確となり、第三者が外国語書面を照会し、外国語書面に記載された事項に基づく誤訳の訂正であるかどうかを判断する際の負担が軽減されるとともに、審査における外国語書面のチェック負担も軽減されることになるからである。

  • 12

    特許出願の分割を認めた趣旨について説明せよ。

    法は、出願人等の便宜のため、発明の単一性の要件を満たす一群の発明を一出願できることとし(37 条)、これに違反する出願を拒絶する(49 条4号)。しかし、抽象的な技術的思想の創作である発明が、単一性の要件を満たすかどうかの判断は必ずしも容易ではない。そのため、実体的な瑕疵がないのに直ちに出願を拒絶し、何ら救済手段を与えないのは、出願人に酷にすぎる。また、発明の単一性を満たさない発明も、公開の代償として一定期間独占権を付与するという特許制度の趣旨を踏まえると、できるだけ保護の道を開くべきである。そこで、法は特許出願の分割を認めた(44 条)。

  • 13

    平成 18 年改正において、分割の時期的要件を緩和した趣旨について説明せよ。

    実効的な権利取得の支援及び手続の無駄の解消の観点から、特許査定後の一定期間及び拒絶査定後の一定期間に特許出願を分割することができることとした(44 条1項2号、3号)。 ■実効的な権利取得の支援の詳細 どの範囲まで広く権利化できるか(上位概念化できるか、必須とすべき構成をいかに少なくできるか等)について見通しを立てることは必ずしも容易でないため、特許査定時の特許請求の範囲が十分実効的なものでない場合や、特許請求の範囲に発明を的確に表現できずに拒絶査定となってしまう場合があった。 ■手続の無駄の解消の詳細 従来の制度では、拒絶理由が通知されることなく特許査定がなされた場合には、審査官の判断結果を踏まえて出願を分割する機会が得られない。そのため、出願人は、故意に拒絶理由を含む発明を特許請求の範囲に記載したり、念のため事前に出願を分割するといった手段をとる場合があるが、特許査定後に出願の分割を可能とすれば、このような手続の無駄が解消されると考えられる。 また、拒絶査定後に出願を分割する機会を得るためには、拒絶査定不服審判を請求することが必要である。拒絶査定後の出願の分割を可能とすれば、出願の分割の機会を得るためだけの無駄な審判請求が不要となるため、出願人のコストが低減され、特許庁にとっても負担が軽減されることとなる。

  • 14

    分割による新たな特許出願が特許法第 29 条の2に規定する先願となる場合には、その関係については出願日を遡らせないことにした理由を説明せよ。

    新たな出願に係る発明は、もとの特許出願の当初の明細書に記載されているものでなければならないが、その発明を説明するために新しい技術的事項が明細書や図面に入ってくることがある。分割による新たな特許出願はもとの特許出願の時まで出願日が遡るので、なんらの手当をしない場合には、実際には分割時にはじめて明細書に記載された発明までが、もとの出願日まで遡って後願を拒絶できるという不合理な結果を生ずる。そこで、分割による新たな特許出願が 29 条の2に規定する先願となる場合には、その関係については出願日を遡らせないことにした(44 条2項但書)。

  • 15

    出願の変更を認めた趣旨について説明せよ。

    出願の変更とは、出願の日時をそのままにしてもとの出願形式を他の出願形式に変更することをいう。出願人が出願形式の選択を誤ったり、もとの出願を出願した後に事業計画を変更した等の理由により、出願後に他のより有利な出願形式に改めたいと考える場合が生ずることがある。そこで、法は、一定の制限された期間内において、出願の変更を認めることとした(46 条1項)。

  • 16

    特許法第 41 条に規定する国内優先権制度を導入した趣旨について説明せよ。

    従来、基本発明を出願した後に、改良発明や追加発明について権利取得するためには、基本発明と別出願とするか、もとの出願を補正しなければならなかった。しかし、別出願として出願した場合には改良発明等が基本発明と実質的に同一であるとして拒絶され(39 条)、また、もとの出願を補正した場合には要旨変更として却下されることがあった。一方、パリ条約の同盟国の国民は、部分優先や複数優先(パリ4条F)の活用により、改良発明について包括的な権利取得が可能であり、外国人と我が国国民との間に不平等が生じていた。また、いわゆる自己指定(PCT8条2b)を可能として、PCTの利用促進を図る必要も生じていた。そこで、法は、改良発明の包括的で漏れのない権利取得を可能とすべく、国内優先権制度を設けた(41条1項)。

  • 17

    先の出願の日から経済産業省令で定める期間経過後に、先の出願をみなし取り下げとした理由について説明せよ。

    国内優先権制度は、本来、基本的な発明についての出願から改良発明等を取り込んだ新しい出願へ乗り換えることを可能とすることを狙いとするものであるから、競合出願の排除、重複審査、重複公開の回避の点から、先の出願をみなし取下げとすることにしたものである。

  • 18

    みなし取下げの時期を先の出願の日から経済産業省令で定める期間(1年4月)とした 理由について説明せよ。

    みなし取下げの時期を先の出願の日から経済産業省令で定める期間(1年4月)としたのは、出願人が誤って優先権の主張をした場合を考えると、先の出願をその時点でみなし取下げとするのは出願人に酷であると考えられ、出願人に見直しの期間を与える一方、出願公開のための準備に入る時期を考慮したものである(42 条1項)。

  • 19

    意匠登録出願を基礎として優先権を主張することはできない理由について説明せよ。

    優先権制度は、技術開発の比較的初期の段階で順次生まれる基本発明及びその改良発明を随時出願し、後にこれらを一つの出願にまとめて出願することを認めるものであるが、意匠登録出願は、技術開発の最終段階である製品化開発で生まれるデザインを対象としており、基本的に優先権制度の趣旨になじまないこと、意匠登録出願は、特許出願又は実用新案登録出願とは先後願関係に立たないこと等の点が掲げられる。

  • 20

    分割出願、変更出願及び実用新案登録に基づく特許出願を基礎としては優先権の主張をすることができないとした理由を説明せよ。

    先の出願が分割又は変更の要件を満たしているかについても審査が必要となり、審査上も第三者によるサーチ上も負担が増大することになるためである。

  • 21

    優先権主張を伴う特許出願の出願時に先の出願が特許庁に係属していない場合にはその先の出願を優先権主張の基礎とすることができないとした理由を説明せよ。

    出願の却下、拒絶査定の確定等により権利の取得ができなくなった出願が実質的に復活してしまうことになり法的安定性、行政経済上の見地から好ましくないためである。