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意匠 登録要件2

意匠 登録要件2
11問 • 1年前
  • Daisuke Saito
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    問題一覧

  • 1

    意匠法第9条の規定が設けられた趣旨について説明せよ。

    意匠登録制度は、新たな意匠の創作に対し一定期間独占権を付与するものである。したがって、一の創作について二以上の権利を認めるべきではない。そのような重複した権利を排除する趣旨から、同一又は類似の意匠について二以上の意匠登録出願があったときには、一の意匠登録出願人のみが意匠登録を受けることができる旨規定したものである(9条)。

  • 2

    意匠法第9条第3項の規定を設けた趣旨について説明せよ。

    従来は、拒絶確定出願や放棄された出願については、先後願の判断においては、先願の意匠登録出願として取り扱うこととされていた。しかし、拒絶確定出願や放棄された出願に係る意匠は、登録されて公報に掲載されることがないため、永久に非公開状態に置かれることとなっていたが、拒絶確定出願や放棄された出願は、先後願の判断において初めからあった先願として取り扱われていたため、同一又は類似する意匠の後願は、この先願により拒絶されることとなり、重複開発又は重複投資の問題が生じていた。また、拒絶確定出願は、増加し続け、累積していくものであった。さらに、先後願の判断においても類似する後願まで拒絶するするので、一旦ある出願が拒絶されると、類似する後願が、最初の出願に類似していなくとも、次々と連鎖して拒絶されるものとなっていた。このような問題に対処するために、拒絶確定出願や放棄された出願についても、先後願の判断において先願の意匠登録出願として取り扱わないこととした(9条3項)

  • 3

    意匠法第 66 条第3項を規定した理由について説明せよ。

    9条2項の規定により拒絶され、先後願の判断において初めからなかったものとはみなされない出願については、先行意匠の調査を容易にし、重複開発・投資を回避するために、その出願内容を意匠公報に公示することを規定した。意匠法においては、特許法の場合とは異なり出願公開制度が設けられていないため、いわゆるブラックボックスの問題が生じることから、これらの出願を意匠公報に掲載するものである。

  • 4

    意匠法第3条の2の趣旨について説明せよ。

    先願の意匠の一部と同一又は類似の後願の意匠については、その先願の意匠公報が発行される前に出願された場合であっても、新しい意匠を創作したものとすることはできないため、このような意匠について意匠権を与えることは、新しい意匠の創作を保護しようとする意匠制度の趣旨からみて妥当でない。また、先願として完成品の意匠が出願された後、その先願の意匠が意匠公報に掲載される前に、その完成品を構成する部品の意匠が出願された場合、何れの出願も登録され得るため、権利関係の錯綜を招来している。さらに、部分意匠制度が導入されたこと及び組物の意匠の登録要件が緩和されたことにより、先願の意匠の一部と同一又は類似の意匠が後願として出願されるケースが増大するものと考えられる。以上の理由から、法は、3条の2の規定を新設することとした。

  • 5

    先願の意匠公報の発行の日前までに同一人が出願した後願の部品の意匠又は部分意匠 について、意匠法第3条の2の規定により拒絶されないこととした理由について説明せよ。

    当初、先願の意匠の一部と同一又は類似の意匠を後願として出願した場合、新たな意匠の創作を保護しようとする意匠制度の制度趣旨からして妥当でないこと、また、先願として意匠権を得た意匠の一部と同一又は類似の意匠について同人が後日に改めて権利化することは、実質的な権利期間の延長を招くおそれがあり、不適当であることから、後願の出願人が先願の出願人と同人であるか他人であるかを問わず、3条の2を一律に適用することとしていた。しかしながら、デザイン開発において、製品全体、個々の部品の順に順次デザインが決定されていく開発実態に合わせて適時に出願することが困難であることや、市場において成功した製品デザインの独自性の高い部分のみ模倣するといった模倣に対抗するための、部品の意匠や部分意匠の意匠権の取得が戦略的に行えないといった問題が生じていた。このような背景から、同一出願人の場合は権利の錯綜の問題が生じないこと、後日の出願を認めることが先願の意匠権の実質的な権利期間の延長につながらないように一定程度の出願の期限を設けるべきことを考慮して、本条の規定により拒絶されないこととした(3条の2但書)。

  • 6

    意匠法第3条の2かっこ書の規定を設けた趣旨について説明せよ。

    本条ただし書の規定は、先願が秘密意匠である場合において、秘密の期間の経過後に掲載される意匠公報の発行の日前までも、同一人による後願の出願に係る意匠について意匠登録を受けることができることとするものではない。仮にこれを認めた場合、秘密の期間は最長三年であるため、長期間にわたる後日出願が可能となり、実質的に先願の意匠権の権利期間を延長することにもつながる懸念がある。また、先願が長期にわたって秘密とされている間に、更に先願の一部の意匠について意匠登録を受けることができると、他人の出願意匠や公知意匠との間で権利関係が抵触するとの蓋然性が高まることが懸念される。このような理由により、先願が秘密意匠である場合であっても後願の出願について意匠登録を受けることができる期間が過度に延長されないように措置した(3条の2かっこ書)。

  • 7

    意匠法第5条第3号を設けた趣旨について説明せよ。

    物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠に意匠権が設定されると、第三者がその機能を有する物品を実施しようとする場合、この意匠権の侵害になってしまうため、経済活動を不当に制限し、かえって産業発展を阻害する要因になりかねない。また、諸外国等においても、TRIPS25 条の規定において、物品の機能を確保するために不可欠な形状を保護対象から除外することは加盟国の任意で定めてよいことになっており、実際に多数の国等が機能にのみ基づく意匠を保護対象から除外している。さらに、物品の機能を確保するために不可欠な形状は、技術的思想の創作であって、本来、特許法等によって保護されるべきものであるため、意匠法が保護を予定しない技術的思想の創作に対して排他的独占権を付与するのと同様の結果を招くこととなる。そこで、公益に関係があるものを意匠登録しないという本条の趣旨の趣旨に鑑みて、5条3号を設けることとした。

  • 8

    物品の機能を確保するために不可欠な形状について説明せよ。

    その形状が専ら①物品の技術的機能を確保するために必然的に定まる形状、又は②物品の互換性確保等のために標準化された規格により定まる形状だけで構成されているものを指す。ただし、②については形状に基づく機能の発揮が主たる使用の目的となる物品である場合に限られており、例えば乾電池のように、標準化された形状であっても、その形状に基づく機能の発揮が主たる使用の目的ではない意匠については、機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠に該当しない。

  • 9

    意匠法第5条第3号において、「形状のみ」と規定されている理由について説明せ よ。

    物品の技術的機能は専ら形状によって体現されることから、意匠の構成要素である模様、色彩の有無を問わず、その意匠の形状にのみ着目するとの趣旨を表している。この点は、「不可欠な立体的形状と識別力を有する文字、図形等が結合している商標」については保護の余地を残す商標法4条1項 18 号の趣旨とは相違するものである。

  • 10

    機能にのみ基づく意匠には意匠権の効力が及ばない旨の規定は設けないこととした理 由について説明せよ。

    諸外国等の意匠制度においては、機能的意匠について、効力制限の明文の規定を有する例は皆無であること、工業所有権法の中で、競業秩序法的色彩が強い商標法と、創作法的色彩が強い意匠法とでは法目的・法体系が若干異なり、効力が及ばない旨の規定を有する商標法の例が直ちに意匠法に該当しないこと、判例により、訴訟上の対応が既に可能となっており、効力制限を新たに設ける実質的な必要はないことから、機能にのみ基づく意匠には意匠権の効力が及ばない旨の規定は設けないこととした。

  • 11

    意匠法第6条第4項が設けられた趣旨について説明せよ。

    玩具などには形状の変化するものが多く、例えば、動物の形状をした玩具では四本足で立っている場合と二本足で立っている場合とでは形状が違ったものとなる。したがって、四本足の形状について意匠登録を受けておいても二本足の形状について他人に意匠登録を受けられるおそれがある。しかし、形状の異なる状態ごとに意匠登録を受けるために出願するのではわずらわしさにたえないので、6条4項のような規定を設けて変化する意匠について一出願で完全な権利がとれることにした。

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  • 1

    意匠法第9条の規定が設けられた趣旨について説明せよ。

    意匠登録制度は、新たな意匠の創作に対し一定期間独占権を付与するものである。したがって、一の創作について二以上の権利を認めるべきではない。そのような重複した権利を排除する趣旨から、同一又は類似の意匠について二以上の意匠登録出願があったときには、一の意匠登録出願人のみが意匠登録を受けることができる旨規定したものである(9条)。

  • 2

    意匠法第9条第3項の規定を設けた趣旨について説明せよ。

    従来は、拒絶確定出願や放棄された出願については、先後願の判断においては、先願の意匠登録出願として取り扱うこととされていた。しかし、拒絶確定出願や放棄された出願に係る意匠は、登録されて公報に掲載されることがないため、永久に非公開状態に置かれることとなっていたが、拒絶確定出願や放棄された出願は、先後願の判断において初めからあった先願として取り扱われていたため、同一又は類似する意匠の後願は、この先願により拒絶されることとなり、重複開発又は重複投資の問題が生じていた。また、拒絶確定出願は、増加し続け、累積していくものであった。さらに、先後願の判断においても類似する後願まで拒絶するするので、一旦ある出願が拒絶されると、類似する後願が、最初の出願に類似していなくとも、次々と連鎖して拒絶されるものとなっていた。このような問題に対処するために、拒絶確定出願や放棄された出願についても、先後願の判断において先願の意匠登録出願として取り扱わないこととした(9条3項)

  • 3

    意匠法第 66 条第3項を規定した理由について説明せよ。

    9条2項の規定により拒絶され、先後願の判断において初めからなかったものとはみなされない出願については、先行意匠の調査を容易にし、重複開発・投資を回避するために、その出願内容を意匠公報に公示することを規定した。意匠法においては、特許法の場合とは異なり出願公開制度が設けられていないため、いわゆるブラックボックスの問題が生じることから、これらの出願を意匠公報に掲載するものである。

  • 4

    意匠法第3条の2の趣旨について説明せよ。

    先願の意匠の一部と同一又は類似の後願の意匠については、その先願の意匠公報が発行される前に出願された場合であっても、新しい意匠を創作したものとすることはできないため、このような意匠について意匠権を与えることは、新しい意匠の創作を保護しようとする意匠制度の趣旨からみて妥当でない。また、先願として完成品の意匠が出願された後、その先願の意匠が意匠公報に掲載される前に、その完成品を構成する部品の意匠が出願された場合、何れの出願も登録され得るため、権利関係の錯綜を招来している。さらに、部分意匠制度が導入されたこと及び組物の意匠の登録要件が緩和されたことにより、先願の意匠の一部と同一又は類似の意匠が後願として出願されるケースが増大するものと考えられる。以上の理由から、法は、3条の2の規定を新設することとした。

  • 5

    先願の意匠公報の発行の日前までに同一人が出願した後願の部品の意匠又は部分意匠 について、意匠法第3条の2の規定により拒絶されないこととした理由について説明せよ。

    当初、先願の意匠の一部と同一又は類似の意匠を後願として出願した場合、新たな意匠の創作を保護しようとする意匠制度の制度趣旨からして妥当でないこと、また、先願として意匠権を得た意匠の一部と同一又は類似の意匠について同人が後日に改めて権利化することは、実質的な権利期間の延長を招くおそれがあり、不適当であることから、後願の出願人が先願の出願人と同人であるか他人であるかを問わず、3条の2を一律に適用することとしていた。しかしながら、デザイン開発において、製品全体、個々の部品の順に順次デザインが決定されていく開発実態に合わせて適時に出願することが困難であることや、市場において成功した製品デザインの独自性の高い部分のみ模倣するといった模倣に対抗するための、部品の意匠や部分意匠の意匠権の取得が戦略的に行えないといった問題が生じていた。このような背景から、同一出願人の場合は権利の錯綜の問題が生じないこと、後日の出願を認めることが先願の意匠権の実質的な権利期間の延長につながらないように一定程度の出願の期限を設けるべきことを考慮して、本条の規定により拒絶されないこととした(3条の2但書)。

  • 6

    意匠法第3条の2かっこ書の規定を設けた趣旨について説明せよ。

    本条ただし書の規定は、先願が秘密意匠である場合において、秘密の期間の経過後に掲載される意匠公報の発行の日前までも、同一人による後願の出願に係る意匠について意匠登録を受けることができることとするものではない。仮にこれを認めた場合、秘密の期間は最長三年であるため、長期間にわたる後日出願が可能となり、実質的に先願の意匠権の権利期間を延長することにもつながる懸念がある。また、先願が長期にわたって秘密とされている間に、更に先願の一部の意匠について意匠登録を受けることができると、他人の出願意匠や公知意匠との間で権利関係が抵触するとの蓋然性が高まることが懸念される。このような理由により、先願が秘密意匠である場合であっても後願の出願について意匠登録を受けることができる期間が過度に延長されないように措置した(3条の2かっこ書)。

  • 7

    意匠法第5条第3号を設けた趣旨について説明せよ。

    物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠に意匠権が設定されると、第三者がその機能を有する物品を実施しようとする場合、この意匠権の侵害になってしまうため、経済活動を不当に制限し、かえって産業発展を阻害する要因になりかねない。また、諸外国等においても、TRIPS25 条の規定において、物品の機能を確保するために不可欠な形状を保護対象から除外することは加盟国の任意で定めてよいことになっており、実際に多数の国等が機能にのみ基づく意匠を保護対象から除外している。さらに、物品の機能を確保するために不可欠な形状は、技術的思想の創作であって、本来、特許法等によって保護されるべきものであるため、意匠法が保護を予定しない技術的思想の創作に対して排他的独占権を付与するのと同様の結果を招くこととなる。そこで、公益に関係があるものを意匠登録しないという本条の趣旨の趣旨に鑑みて、5条3号を設けることとした。

  • 8

    物品の機能を確保するために不可欠な形状について説明せよ。

    その形状が専ら①物品の技術的機能を確保するために必然的に定まる形状、又は②物品の互換性確保等のために標準化された規格により定まる形状だけで構成されているものを指す。ただし、②については形状に基づく機能の発揮が主たる使用の目的となる物品である場合に限られており、例えば乾電池のように、標準化された形状であっても、その形状に基づく機能の発揮が主たる使用の目的ではない意匠については、機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠に該当しない。

  • 9

    意匠法第5条第3号において、「形状のみ」と規定されている理由について説明せ よ。

    物品の技術的機能は専ら形状によって体現されることから、意匠の構成要素である模様、色彩の有無を問わず、その意匠の形状にのみ着目するとの趣旨を表している。この点は、「不可欠な立体的形状と識別力を有する文字、図形等が結合している商標」については保護の余地を残す商標法4条1項 18 号の趣旨とは相違するものである。

  • 10

    機能にのみ基づく意匠には意匠権の効力が及ばない旨の規定は設けないこととした理 由について説明せよ。

    諸外国等の意匠制度においては、機能的意匠について、効力制限の明文の規定を有する例は皆無であること、工業所有権法の中で、競業秩序法的色彩が強い商標法と、創作法的色彩が強い意匠法とでは法目的・法体系が若干異なり、効力が及ばない旨の規定を有する商標法の例が直ちに意匠法に該当しないこと、判例により、訴訟上の対応が既に可能となっており、効力制限を新たに設ける実質的な必要はないことから、機能にのみ基づく意匠には意匠権の効力が及ばない旨の規定は設けないこととした。

  • 11

    意匠法第6条第4項が設けられた趣旨について説明せよ。

    玩具などには形状の変化するものが多く、例えば、動物の形状をした玩具では四本足で立っている場合と二本足で立っている場合とでは形状が違ったものとなる。したがって、四本足の形状について意匠登録を受けておいても二本足の形状について他人に意匠登録を受けられるおそれがある。しかし、形状の異なる状態ごとに意匠登録を受けるために出願するのではわずらわしさにたえないので、6条4項のような規定を設けて変化する意匠について一出願で完全な権利がとれることにした。