特許 審判2
問題一覧
1
早期の段階で請求書の不備を正し、請求書の副本を送達するときには被請求人が有意義な反論をすることができる状態にして、審理の迅速化及び被請求人の負担軽減が可能となるためである(133条1項)。
2
従来、特許無効審判請求書の請求の理由については、その要旨を変更する補正は認めないものとされていた。 そのため、請求の理由の要旨を変更しなければ追加できないような無効理由を主張するためには、別途の無効審判を請求することが必要となり、同一特許について同一人が異なる無効理由を挙げて複数の無効審判を繰り返し請求する事例が増加することとなった。 また、審判請求人が、審判官に対して職権探知の対象とすることを期待して「上申書」により新たな無効理由や証拠が提出されるという実務も生まれ、当事者の不満や手続の透明性等の問題が指摘された。 そこで、事件の迅速な解決の要請と一回的解決の要請とを調整すべく、合理的理由が認められる場合には、審判請求書の請求理由の要旨変更補正を認めることとした(131条の2)。
3
131条の2第4項では、審判長による補正の許可又はその拒否の決定に加えて、その不作為に対しては、不服申立てをすることができない旨が規定されている。 これは、許可に係る補正が審判請求人の当然の権利ではなく審判長の裁量に服するものであること、審判請求人はいつでも別途の無効審判請求を可能であるから不服申立てができなくとも特段の不利益がないこと、更に、独立の不服申立ての途を用意すると審判の審理が不当に遅延しかねないことによる。
4
特許権の設定登録がされた後は、明細書、特許請求の範囲等は、技術文献となるほか、一種の権利書ともなるため、その内容はみだりに変更すべきでない。 しかし、特許について一部に瑕疵がある場合、その瑕疵のあることを理由に全部について無効審判を請求されるおそれがあるため、そうした攻撃に対して備える意味において瑕疵のある部分を自発的に事前に取り除いておくことが望ましい。 また、明瞭でない記載があると、とかく侵害事件などを起こしやすいので、記載を明瞭にして争いを事前に防ぐ必要もある。 そこで、法は、無効に対する防御として、訂正審判を設けることとした(126条)。
5
仮に請求項ごとに訂正の拒否判断を行うこととすると、請求項ごとに審決確定の時期が異なったり、その許否判断が分かれたりする場合には、特許請求の範囲の一覧性の欠如が生じ、その結果、異なる複数の特許請求の範囲を読み分けなければならず、権利範囲の把握のための負担が増すことになる。 そのため、これらの弊害を防止すべく126条3項を設けることとした。
6
従来は、審決取消訴訟後の訂正審判請求時期を制限することで、審決取消訴訟後の訂正審判の請求に起因して、事件が特許庁と裁判所との間を往復するキャッチボール現象により生じる審理の無駄や遅延といった弊害に対処することとした。しかし、柔軟な差し戻しができるとされたことにより、キャッチボール現象は依然として発生し続けることとなった。このように、裁判所で実体的な判断が示されずに、事件が特許庁と裁判所との間を往復することは、手続として非効率であるとともに、手続上及び金銭上の負担が生じ、当事者、特に請求人に無駄な負担が生じることや、審理の遅延といった弊害を生じさせるものである。そこで、キャッチボール現象を解消すべく、特許無効審判が特許庁に係属したときからその審決が確定するまでの間は、訂正審判が請求することができないこととし、審決取消訴訟後の訂正審判の請求を禁止することとした(126 条2項)。
7
もともと訂正審判の請求は、無効審判に対する防御策と考えれば、専用実施権者等にとって利益になることはあっても不利益になることはない。しかし、特許権者が誤解に基づいて不必要な訂正審判を請求することもあり、また瑕疵の部分の範囲をこえて訂正することも考えられ、専用実施権者等が不測の損害を蒙ることもある。そこで、訂正審判を請求する場合にはこれらの利害関係ある者の承諾を得なければならないこととした(127 条)。
8
書面審理の場合はもちろん、口頭審理において当事者が出頭していない場合でも審理は進行することができるのであるから、当事者は審判の進行状況について明確に意識していない場合もある。そのような場合になんらの知らせもなく審決をするのは当事者に苛酷であるから、審決が間もなくなされることをあらかじめ通知し、その通知後一定期間内に審決をすべきものとした(156 条1項)。
9
審決後の訂正の機会は、審判合議体が審決において示した特許の有効性の判断を踏まえてできる訂正の機会であり、特許権者にとっては利点である。この利点を単に奪うこととすると被請求人にとって酷であるから、無効審判の手続中に訂正の機会を付与するための手続を導入して、当該利点を確保することとした(164 条の2)。
10
審判はその審決が効力を有し、かつ特許権はその性質上広く一般に影響を及ぼすものであるため、審判は単に請求人、被請求人の個人的な利害をこえて、公衆の利害得失と密接な関連を有する。したがって、たとえ当事者の双方が出頭しない場合でも職権で審理を続行し、事件を解決することが特許制度の本来の趣旨からみて望ましい(152 条)。
11
民事訴訟であれば当事者の主張した事実のみを参酌し、当事者の提出した証拠のみを取り調べればよいが、一般公衆の利害と関係する審判においては、当事者が主張した事実だけを参酌したのでは、一般公衆の利益が不当に害されるおそれがあり十分ではない。そこで、審判においては当事者又は参加人が申し立てない理由についても審理することにした(153 条1項)。
12
当事者を、自己に不利な材料が知らない間に審判官の手もとに集められ、なんら弁明の機会を与えられないうちに審判官の心証形成の基礎となるという不利から救うために設けられた(153 条2項)。
13
先の審判の当事者及び参加人について一事不再理効を残すこととしたのは、それらの者は先の審判において主張立証を尽くすことができたものであるから、審決が確定した後に同一の事実及び同一の証拠に基づいて紛争の蒸し返しができるとすることは不合理であると考えられたためである(167 条)。
14
再審は元来訴訟法上の概念であり、判決が確定した後に、特別の理由に基づいて認められる非常の不服申立方法である。確定判決を争わせることは法的安定性を害するから一般的には許すべきではないが、全く不服申立ての途をとざしてしまうと、具体的妥当性の要請に反する事態を生ずるおそれがある。そこで、訴訟手続の重大な瑕疵等一定の理由がある場合に限定して再審の請求を容認している(171 条)。
特許 趣旨
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12問 • 1年前問題一覧
1
早期の段階で請求書の不備を正し、請求書の副本を送達するときには被請求人が有意義な反論をすることができる状態にして、審理の迅速化及び被請求人の負担軽減が可能となるためである(133条1項)。
2
従来、特許無効審判請求書の請求の理由については、その要旨を変更する補正は認めないものとされていた。 そのため、請求の理由の要旨を変更しなければ追加できないような無効理由を主張するためには、別途の無効審判を請求することが必要となり、同一特許について同一人が異なる無効理由を挙げて複数の無効審判を繰り返し請求する事例が増加することとなった。 また、審判請求人が、審判官に対して職権探知の対象とすることを期待して「上申書」により新たな無効理由や証拠が提出されるという実務も生まれ、当事者の不満や手続の透明性等の問題が指摘された。 そこで、事件の迅速な解決の要請と一回的解決の要請とを調整すべく、合理的理由が認められる場合には、審判請求書の請求理由の要旨変更補正を認めることとした(131条の2)。
3
131条の2第4項では、審判長による補正の許可又はその拒否の決定に加えて、その不作為に対しては、不服申立てをすることができない旨が規定されている。 これは、許可に係る補正が審判請求人の当然の権利ではなく審判長の裁量に服するものであること、審判請求人はいつでも別途の無効審判請求を可能であるから不服申立てができなくとも特段の不利益がないこと、更に、独立の不服申立ての途を用意すると審判の審理が不当に遅延しかねないことによる。
4
特許権の設定登録がされた後は、明細書、特許請求の範囲等は、技術文献となるほか、一種の権利書ともなるため、その内容はみだりに変更すべきでない。 しかし、特許について一部に瑕疵がある場合、その瑕疵のあることを理由に全部について無効審判を請求されるおそれがあるため、そうした攻撃に対して備える意味において瑕疵のある部分を自発的に事前に取り除いておくことが望ましい。 また、明瞭でない記載があると、とかく侵害事件などを起こしやすいので、記載を明瞭にして争いを事前に防ぐ必要もある。 そこで、法は、無効に対する防御として、訂正審判を設けることとした(126条)。
5
仮に請求項ごとに訂正の拒否判断を行うこととすると、請求項ごとに審決確定の時期が異なったり、その許否判断が分かれたりする場合には、特許請求の範囲の一覧性の欠如が生じ、その結果、異なる複数の特許請求の範囲を読み分けなければならず、権利範囲の把握のための負担が増すことになる。 そのため、これらの弊害を防止すべく126条3項を設けることとした。
6
従来は、審決取消訴訟後の訂正審判請求時期を制限することで、審決取消訴訟後の訂正審判の請求に起因して、事件が特許庁と裁判所との間を往復するキャッチボール現象により生じる審理の無駄や遅延といった弊害に対処することとした。しかし、柔軟な差し戻しができるとされたことにより、キャッチボール現象は依然として発生し続けることとなった。このように、裁判所で実体的な判断が示されずに、事件が特許庁と裁判所との間を往復することは、手続として非効率であるとともに、手続上及び金銭上の負担が生じ、当事者、特に請求人に無駄な負担が生じることや、審理の遅延といった弊害を生じさせるものである。そこで、キャッチボール現象を解消すべく、特許無効審判が特許庁に係属したときからその審決が確定するまでの間は、訂正審判が請求することができないこととし、審決取消訴訟後の訂正審判の請求を禁止することとした(126 条2項)。
7
もともと訂正審判の請求は、無効審判に対する防御策と考えれば、専用実施権者等にとって利益になることはあっても不利益になることはない。しかし、特許権者が誤解に基づいて不必要な訂正審判を請求することもあり、また瑕疵の部分の範囲をこえて訂正することも考えられ、専用実施権者等が不測の損害を蒙ることもある。そこで、訂正審判を請求する場合にはこれらの利害関係ある者の承諾を得なければならないこととした(127 条)。
8
書面審理の場合はもちろん、口頭審理において当事者が出頭していない場合でも審理は進行することができるのであるから、当事者は審判の進行状況について明確に意識していない場合もある。そのような場合になんらの知らせもなく審決をするのは当事者に苛酷であるから、審決が間もなくなされることをあらかじめ通知し、その通知後一定期間内に審決をすべきものとした(156 条1項)。
9
審決後の訂正の機会は、審判合議体が審決において示した特許の有効性の判断を踏まえてできる訂正の機会であり、特許権者にとっては利点である。この利点を単に奪うこととすると被請求人にとって酷であるから、無効審判の手続中に訂正の機会を付与するための手続を導入して、当該利点を確保することとした(164 条の2)。
10
審判はその審決が効力を有し、かつ特許権はその性質上広く一般に影響を及ぼすものであるため、審判は単に請求人、被請求人の個人的な利害をこえて、公衆の利害得失と密接な関連を有する。したがって、たとえ当事者の双方が出頭しない場合でも職権で審理を続行し、事件を解決することが特許制度の本来の趣旨からみて望ましい(152 条)。
11
民事訴訟であれば当事者の主張した事実のみを参酌し、当事者の提出した証拠のみを取り調べればよいが、一般公衆の利害と関係する審判においては、当事者が主張した事実だけを参酌したのでは、一般公衆の利益が不当に害されるおそれがあり十分ではない。そこで、審判においては当事者又は参加人が申し立てない理由についても審理することにした(153 条1項)。
12
当事者を、自己に不利な材料が知らない間に審判官の手もとに集められ、なんら弁明の機会を与えられないうちに審判官の心証形成の基礎となるという不利から救うために設けられた(153 条2項)。
13
先の審判の当事者及び参加人について一事不再理効を残すこととしたのは、それらの者は先の審判において主張立証を尽くすことができたものであるから、審決が確定した後に同一の事実及び同一の証拠に基づいて紛争の蒸し返しができるとすることは不合理であると考えられたためである(167 条)。
14
再審は元来訴訟法上の概念であり、判決が確定した後に、特別の理由に基づいて認められる非常の不服申立方法である。確定判決を争わせることは法的安定性を害するから一般的には許すべきではないが、全く不服申立ての途をとざしてしまうと、具体的妥当性の要請に反する事態を生ずるおそれがある。そこで、訴訟手続の重大な瑕疵等一定の理由がある場合に限定して再審の請求を容認している(171 条)。