ログイン

特許 特許権①

特許 特許権①
13問 • 1年前
  • Daisuke Saito
  • 通報

    問題一覧

  • 1

    特許権の存続期間が出願の日から 20 年とされた理由について説明せよ。

    特許法は、新規な発明の公開の代償として独占排他権たる特許権を付与することにより(68 条)、技術の累積的進歩を図ることを目的とする(1条)しかし、特許出願後 20 年以上も経過し社会の技術水準からみてさほど高くもなくなった発明についてなお引き続き独占権が行使されるとすると、本来社会の技術進歩のための制度であるべき特許制度が技術進歩の障害となりかねない。また、TRIPS協定 33 条には「保護期間は、出願日から計算して 20 年の期間が経過する前に終了してはならない」旨規定されている。そこで、排他的実施権たる特許権に時間的制限を設けることにより、保護と利用の調和及び国際的調和を図るべく、存続期間を出願の日から 20 年とした(67 条1項)。

  • 2

    特許法第 67 条第2項に規定する特許権の存続期間の延長が認められた趣旨について説明せよ。

    環太平洋パートナーシップ協定(TPP一二協定)においては、特許出願から特許の付与までの期間に「不合理な遅延」があった場合には、特許権者の請求により、「不合理な遅延」について補償すべく、特許権の存続期間を調整(延長)すべきこととされている。この要請に基づき、平成 28 年のTPP担保法による一部改正によって本項が新設された。なお、TPP一二協定は平成二九年一月に米国が離脱を表明し、発効の目途が立たない状況となったため、TPP一一協定が新たに署名され、TPP担保法の一部改正が行われた。TPP一一協定においては、不合理な遅延に係る特許権の存続期間の延長は凍結事項とされたが、我が国はTPP一二協定のハイスタンダードな内容を維持する立場をとったため、不合理な遅延に係る特許権の存続期間の延長についても、TPP一一協定の発効に合わせて国内法の整備を行っている。

  • 3

    特許法第 67 条4項に規定する特許権の存続期間の延長制度が認められた趣旨について説明せよ。

    特許制度は、発明に係る技術の公開の代償として一定期間その権利の専有を認め、これによって発明を保護しつつ、一般の利用に供し、もって産業の発展を図ることを目的としている(1条)。しかしながら、一部の分野では、安全性の確保等のための法規制に基づく許認可を得るに当たり相当の長期間を要するため、その間はたとえ特許権が存続していても権利の専有による利益を享受しえず、その期間に相当する分だけいわば特許期間が不可避的に侵食されているという問題を生じた。このような法規制そのものは、その趣旨からして必要欠くべからざるものであるし、これらの規制審査期間の短縮にも、安全性の確保等の観点からおのずから限界がある。こうした事態は、特許制度の基本にかかわる問題であるため、特許権の存続期間の延長制度が創設された(67 条4項)。

  • 4

    期間補償のための延長登録の出願があったときには、存続期間が延長されたものとみなすこととした理由について説明せよ。

    67 条の2第5項は、期間補償のための延長登録の出願があったときには、存続期間が延長されたものとみなす旨を規定している。延長登録をもって初めて特許権の行使が可能であるとすると、延長登録が本来の存続期間の満了後にされた場合には、特許権の存続期間の満了後、延長登録がされるまでの期間は、特許権の行使をすることができず、不合理な遅延が生じた期間の全てについての補償は行われないこととなる。本項はこうした事態を防ぐために設けられたものである。

  • 5

    特許権の効力を業としての実施に限定することとした理由について説明せよ。

    従来は、業としての実施以外の実施、すなわち、個的家庭的な実施についてもおよぶこととされていたのであるが、このような面にまで特許権の効力をおよぼしめることは社会の実情から考えて行き過ぎであるということから改められた。

  • 6

    平成6年の一部改正により、「実施」行為に「譲渡」若しくは「貸渡しの申出」が追加された理由を説明せよ。

    TRIPS協定 28 条で特許により与えられる排他的権利として販売の申出が規定されたことを受けて、譲渡若しくは貸渡しの申出が追加された。この「申出」は、発明に係る物を譲渡又は貸渡しのために展示する行為だけでなく、カタログによる勧誘やパンフレットの配布などを含む行為である。

  • 7

    平成 18 年の一部改正において、発明の「実施」行為に「輸出」を追加した理由について説明せよ。

    経済のグローバル化の進展により、我が国の産業財産権侵害品が国境を越えて取引される事例が増大する等模倣品問題の国際化・深刻化に鑑み、国内の製造や譲渡の段階では差止めができない場合であっても、輸出者が判明した場合には、権利者が「輸出」の段階で 差止め等の措置を講じることを可能とするためである。なお、輸出行為自体は、国内で行われる行為であり、我が国の工業所有権の効力を直接的に海外における譲渡等の行為に対して及ぼすものではないため、属地主義には反しない。

  • 8

    判定制度の趣旨について説明せよ。

    判定制度とは、係争対象物が特許発明の技術的範囲に属するか否かについて、専門官庁たる特許庁の法的拘束力なき鑑定的意見の表明を求めることができる制度いう(71 条)。特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有し(68 条)、特許発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められる(70 条)。しかし、発明は技術的思想の創作という抽象的なものであり(2条1項)、その技術的範囲を明確に把握することは必ずしも容易ではない。そのため、特許発明の技術的範囲を比較的広く解釈しがちである特許権者と、狭く解釈しがちである第三者との間で、係争対象物が特許発明の技術的範囲に属するか否かについて紛争が生じることも少なくない。この場合に、時間と費用を要する侵害訴訟によらず特許権の設定に関与した専門官庁たる特許庁の迅速で客観的な判断を得ることができれば、侵害の未然防止、紛争の早期解決が図ることができる。そこで、特許法は、特許発明の技術的範囲の解釈について、特許庁の法的拘束力のない鑑定的意見の表明を求める判定制度を設けた(71 条)。

  • 9

    試験又は研究のためにする特許発明の実施に特許権の効力がおよばないこととした理由について説明せよ。

    試験又は研究のためにする特許発明の実施に特許権の効力がおよばないこととしたのは(69 条1項)、試験又は研究がもともと特許に係る物の生産、使用、譲渡等を目的とするものではなく、技術を次の段階に進歩せしめることを目的とするものであり、特許権の効力をこのような実施にまでおよぼしめることは却って技術の進歩を阻害することになるためである。

  • 10

    特許法第 69 条第2項各号の規定が設けられた理由について説明せよ。

    1号は、パリ条約5条の3にも規定されているところであるが、国際交通の便宜を考えて規定したものである。また2号は、特許出願の時に存在する物にまで特許権の効力をおよぼしめるのは苛酷にすぎるため規定したものである。

  • 11

    医師又は歯科医師の処方せんにより調剤する行為に特許権の効力が及ばない理由について説明せよ。

    調剤行為は医師等が交付する処方せんにより行われるべきものであるから、それを行う者は処方せんに従うしかなく、また、処方せんは、きわめて多種の医薬の中から当該病状に最も適切な薬効を期待できるように選択し調剤することを指示するものであるから、医師等はその都度その混合方法が特許権と抵触するか否かを判断することは困難であること、また、医師等の調剤行為は患者たる国民の健康を回復せしめるという特殊な社会的任務に係るものであること等を考慮した場合に、調剤行為にまで特許権の効力を及ぼすのは適当ではないためである(69 条3項)。

  • 12

    間接侵害を設けた理由について説明せよ。

    原則として、請求項に記載された発明特定事項の全部を業として実施した場合が、特許権のいわゆる直接侵害となる(68 条、70 条、2条3項)。しかしながら、特許発明の全部実施には当たらないため、特許権を直接に侵害するとはいえない行為であっても、例えば特許権の侵害に用いられる専用部品の供給などの行為は、直接侵害を惹起する蓋然性が極めて高く、そのような行為を放置することは、特許権の効力の実効性を失わせることになる。そこで、このような問題に対処するために、侵害の予備的又は幇助的行為のうち、直接侵害を誘発する蓋然性が極めて高い一定の行為を特許権の侵害とみなす、いわゆる間接侵害の規定を設けた(101 条)。

  • 13

    特許法第 101 条第3号及び第6号の趣旨について説明せよ。

    侵害物品を「譲渡等」又は「輸出」する行為は、 それがなされた場合には侵害物品が拡散して事後的な侵害防止措置が困難になる蓋然性の高い行為であるため、模倣品問題対策強化の観点から、これらを目的として「所持」する行為を侵害とみなす行為とすることにより、侵害行為禁止の実効性を高めるとともに、侵害物品拡散の抑止を図るべく、本規定が設けられた(101 条3号、6号)。

  • 特許 趣旨

    特許 趣旨

    Daisuke Saito · 15問 · 1年前

    特許 趣旨

    特許 趣旨

    15問 • 1年前
    Daisuke Saito

    特許 受ける権利

    特許 受ける権利

    Daisuke Saito · 8問 · 1年前

    特許 受ける権利

    特許 受ける権利

    8問 • 1年前
    Daisuke Saito

    特許 記載要件

    特許 記載要件

    Daisuke Saito · 14問 · 1年前

    特許 記載要件

    特許 記載要件

    14問 • 1年前
    Daisuke Saito

    商標 目的

    商標 目的

    Daisuke Saito · 11問 · 1年前

    商標 目的

    商標 目的

    11問 • 1年前
    Daisuke Saito

    商標 登録要件(3条)

    商標 登録要件(3条)

    Daisuke Saito · 8問 · 1年前

    商標 登録要件(3条)

    商標 登録要件(3条)

    8問 • 1年前
    Daisuke Saito

    特許 出願人の救済

    特許 出願人の救済

    Daisuke Saito · 21問 · 1年前

    特許 出願人の救済

    特許 出願人の救済

    21問 • 1年前
    Daisuke Saito

    特許 実体審査

    特許 実体審査

    Daisuke Saito · 8問 · 1年前

    特許 実体審査

    特許 実体審査

    8問 • 1年前
    Daisuke Saito

    商標 登録要件

    商標 登録要件

    Daisuke Saito · 21問 · 1年前

    商標 登録要件

    商標 登録要件

    21問 • 1年前
    Daisuke Saito

    特許 特許権

    特許 特許権

    Daisuke Saito · 12問 · 1年前

    特許 特許権

    特許 特許権

    12問 • 1年前
    Daisuke Saito

    特許 実施権

    特許 実施権

    Daisuke Saito · 17問 · 1年前

    特許 実施権

    特許 実施権

    17問 • 1年前
    Daisuke Saito

    特許 審判1

    特許 審判1

    Daisuke Saito · 18問 · 1年前

    特許 審判1

    特許 審判1

    18問 • 1年前
    Daisuke Saito

    特許 審判2

    特許 審判2

    Daisuke Saito · 14問 · 1年前

    特許 審判2

    特許 審判2

    14問 • 1年前
    Daisuke Saito

    特許 審決取消訴訟

    特許 審決取消訴訟

    Daisuke Saito · 5問 · 1年前

    特許 審決取消訴訟

    特許 審決取消訴訟

    5問 • 1年前
    Daisuke Saito

    実用新案法

    実用新案法

    Daisuke Saito · 16問 · 1年前

    実用新案法

    実用新案法

    16問 • 1年前
    Daisuke Saito

    商標 登録要件、記載要件

    商標 登録要件、記載要件

    Daisuke Saito · 17問 · 1年前

    商標 登録要件、記載要件

    商標 登録要件、記載要件

    17問 • 1年前
    Daisuke Saito

    特許 用語

    特許 用語

    Daisuke Saito · 13問 · 1年前

    特許 用語

    特許 用語

    13問 • 1年前
    Daisuke Saito

    特許 論文当てはめ

    特許 論文当てはめ

    Daisuke Saito · 43問 · 1年前

    特許 論文当てはめ

    特許 論文当てはめ

    43問 • 1年前
    Daisuke Saito

    商標 商標権

    商標 商標権

    Daisuke Saito · 15問 · 1年前

    商標 商標権

    商標 商標権

    15問 • 1年前
    Daisuke Saito

    商標 商標権2

    商標 商標権2

    Daisuke Saito · 19問 · 1年前

    商標 商標権2

    商標 商標権2

    19問 • 1年前
    Daisuke Saito

    商標 論文当てはめ

    商標 論文当てはめ

    Daisuke Saito · 28問 · 1年前

    商標 論文当てはめ

    商標 論文当てはめ

    28問 • 1年前
    Daisuke Saito

    商標 商標権3

    商標 商標権3

    Daisuke Saito · 11問 · 1年前

    商標 商標権3

    商標 商標権3

    11問 • 1年前
    Daisuke Saito

    商標 審判1

    商標 審判1

    Daisuke Saito · 14問 · 1年前

    商標 審判1

    商標 審判1

    14問 • 1年前
    Daisuke Saito

    商標 審判2

    商標 審判2

    Daisuke Saito · 11問 · 1年前

    商標 審判2

    商標 審判2

    11問 • 1年前
    Daisuke Saito

    意匠 目的

    意匠 目的

    Daisuke Saito · 6問 · 1年前

    意匠 目的

    意匠 目的

    6問 • 1年前
    Daisuke Saito

    意匠 登録要件1

    意匠 登録要件1

    Daisuke Saito · 7問 · 1年前

    意匠 登録要件1

    意匠 登録要件1

    7問 • 1年前
    Daisuke Saito

    意匠 登録要件2

    意匠 登録要件2

    Daisuke Saito · 11問 · 1年前

    意匠 登録要件2

    意匠 登録要件2

    11問 • 1年前
    Daisuke Saito

    商標 用語

    商標 用語

    Daisuke Saito · 7問 · 1年前

    商標 用語

    商標 用語

    7問 • 1年前
    Daisuke Saito

    意匠 特有制度

    意匠 特有制度

    Daisuke Saito · 11問 · 1年前

    意匠 特有制度

    意匠 特有制度

    11問 • 1年前
    Daisuke Saito

    意匠 関連意匠

    意匠 関連意匠

    Daisuke Saito · 12問 · 1年前

    意匠 関連意匠

    意匠 関連意匠

    12問 • 1年前
    Daisuke Saito

    問題一覧

  • 1

    特許権の存続期間が出願の日から 20 年とされた理由について説明せよ。

    特許法は、新規な発明の公開の代償として独占排他権たる特許権を付与することにより(68 条)、技術の累積的進歩を図ることを目的とする(1条)しかし、特許出願後 20 年以上も経過し社会の技術水準からみてさほど高くもなくなった発明についてなお引き続き独占権が行使されるとすると、本来社会の技術進歩のための制度であるべき特許制度が技術進歩の障害となりかねない。また、TRIPS協定 33 条には「保護期間は、出願日から計算して 20 年の期間が経過する前に終了してはならない」旨規定されている。そこで、排他的実施権たる特許権に時間的制限を設けることにより、保護と利用の調和及び国際的調和を図るべく、存続期間を出願の日から 20 年とした(67 条1項)。

  • 2

    特許法第 67 条第2項に規定する特許権の存続期間の延長が認められた趣旨について説明せよ。

    環太平洋パートナーシップ協定(TPP一二協定)においては、特許出願から特許の付与までの期間に「不合理な遅延」があった場合には、特許権者の請求により、「不合理な遅延」について補償すべく、特許権の存続期間を調整(延長)すべきこととされている。この要請に基づき、平成 28 年のTPP担保法による一部改正によって本項が新設された。なお、TPP一二協定は平成二九年一月に米国が離脱を表明し、発効の目途が立たない状況となったため、TPP一一協定が新たに署名され、TPP担保法の一部改正が行われた。TPP一一協定においては、不合理な遅延に係る特許権の存続期間の延長は凍結事項とされたが、我が国はTPP一二協定のハイスタンダードな内容を維持する立場をとったため、不合理な遅延に係る特許権の存続期間の延長についても、TPP一一協定の発効に合わせて国内法の整備を行っている。

  • 3

    特許法第 67 条4項に規定する特許権の存続期間の延長制度が認められた趣旨について説明せよ。

    特許制度は、発明に係る技術の公開の代償として一定期間その権利の専有を認め、これによって発明を保護しつつ、一般の利用に供し、もって産業の発展を図ることを目的としている(1条)。しかしながら、一部の分野では、安全性の確保等のための法規制に基づく許認可を得るに当たり相当の長期間を要するため、その間はたとえ特許権が存続していても権利の専有による利益を享受しえず、その期間に相当する分だけいわば特許期間が不可避的に侵食されているという問題を生じた。このような法規制そのものは、その趣旨からして必要欠くべからざるものであるし、これらの規制審査期間の短縮にも、安全性の確保等の観点からおのずから限界がある。こうした事態は、特許制度の基本にかかわる問題であるため、特許権の存続期間の延長制度が創設された(67 条4項)。

  • 4

    期間補償のための延長登録の出願があったときには、存続期間が延長されたものとみなすこととした理由について説明せよ。

    67 条の2第5項は、期間補償のための延長登録の出願があったときには、存続期間が延長されたものとみなす旨を規定している。延長登録をもって初めて特許権の行使が可能であるとすると、延長登録が本来の存続期間の満了後にされた場合には、特許権の存続期間の満了後、延長登録がされるまでの期間は、特許権の行使をすることができず、不合理な遅延が生じた期間の全てについての補償は行われないこととなる。本項はこうした事態を防ぐために設けられたものである。

  • 5

    特許権の効力を業としての実施に限定することとした理由について説明せよ。

    従来は、業としての実施以外の実施、すなわち、個的家庭的な実施についてもおよぶこととされていたのであるが、このような面にまで特許権の効力をおよぼしめることは社会の実情から考えて行き過ぎであるということから改められた。

  • 6

    平成6年の一部改正により、「実施」行為に「譲渡」若しくは「貸渡しの申出」が追加された理由を説明せよ。

    TRIPS協定 28 条で特許により与えられる排他的権利として販売の申出が規定されたことを受けて、譲渡若しくは貸渡しの申出が追加された。この「申出」は、発明に係る物を譲渡又は貸渡しのために展示する行為だけでなく、カタログによる勧誘やパンフレットの配布などを含む行為である。

  • 7

    平成 18 年の一部改正において、発明の「実施」行為に「輸出」を追加した理由について説明せよ。

    経済のグローバル化の進展により、我が国の産業財産権侵害品が国境を越えて取引される事例が増大する等模倣品問題の国際化・深刻化に鑑み、国内の製造や譲渡の段階では差止めができない場合であっても、輸出者が判明した場合には、権利者が「輸出」の段階で 差止め等の措置を講じることを可能とするためである。なお、輸出行為自体は、国内で行われる行為であり、我が国の工業所有権の効力を直接的に海外における譲渡等の行為に対して及ぼすものではないため、属地主義には反しない。

  • 8

    判定制度の趣旨について説明せよ。

    判定制度とは、係争対象物が特許発明の技術的範囲に属するか否かについて、専門官庁たる特許庁の法的拘束力なき鑑定的意見の表明を求めることができる制度いう(71 条)。特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有し(68 条)、特許発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められる(70 条)。しかし、発明は技術的思想の創作という抽象的なものであり(2条1項)、その技術的範囲を明確に把握することは必ずしも容易ではない。そのため、特許発明の技術的範囲を比較的広く解釈しがちである特許権者と、狭く解釈しがちである第三者との間で、係争対象物が特許発明の技術的範囲に属するか否かについて紛争が生じることも少なくない。この場合に、時間と費用を要する侵害訴訟によらず特許権の設定に関与した専門官庁たる特許庁の迅速で客観的な判断を得ることができれば、侵害の未然防止、紛争の早期解決が図ることができる。そこで、特許法は、特許発明の技術的範囲の解釈について、特許庁の法的拘束力のない鑑定的意見の表明を求める判定制度を設けた(71 条)。

  • 9

    試験又は研究のためにする特許発明の実施に特許権の効力がおよばないこととした理由について説明せよ。

    試験又は研究のためにする特許発明の実施に特許権の効力がおよばないこととしたのは(69 条1項)、試験又は研究がもともと特許に係る物の生産、使用、譲渡等を目的とするものではなく、技術を次の段階に進歩せしめることを目的とするものであり、特許権の効力をこのような実施にまでおよぼしめることは却って技術の進歩を阻害することになるためである。

  • 10

    特許法第 69 条第2項各号の規定が設けられた理由について説明せよ。

    1号は、パリ条約5条の3にも規定されているところであるが、国際交通の便宜を考えて規定したものである。また2号は、特許出願の時に存在する物にまで特許権の効力をおよぼしめるのは苛酷にすぎるため規定したものである。

  • 11

    医師又は歯科医師の処方せんにより調剤する行為に特許権の効力が及ばない理由について説明せよ。

    調剤行為は医師等が交付する処方せんにより行われるべきものであるから、それを行う者は処方せんに従うしかなく、また、処方せんは、きわめて多種の医薬の中から当該病状に最も適切な薬効を期待できるように選択し調剤することを指示するものであるから、医師等はその都度その混合方法が特許権と抵触するか否かを判断することは困難であること、また、医師等の調剤行為は患者たる国民の健康を回復せしめるという特殊な社会的任務に係るものであること等を考慮した場合に、調剤行為にまで特許権の効力を及ぼすのは適当ではないためである(69 条3項)。

  • 12

    間接侵害を設けた理由について説明せよ。

    原則として、請求項に記載された発明特定事項の全部を業として実施した場合が、特許権のいわゆる直接侵害となる(68 条、70 条、2条3項)。しかしながら、特許発明の全部実施には当たらないため、特許権を直接に侵害するとはいえない行為であっても、例えば特許権の侵害に用いられる専用部品の供給などの行為は、直接侵害を惹起する蓋然性が極めて高く、そのような行為を放置することは、特許権の効力の実効性を失わせることになる。そこで、このような問題に対処するために、侵害の予備的又は幇助的行為のうち、直接侵害を誘発する蓋然性が極めて高い一定の行為を特許権の侵害とみなす、いわゆる間接侵害の規定を設けた(101 条)。

  • 13

    特許法第 101 条第3号及び第6号の趣旨について説明せよ。

    侵害物品を「譲渡等」又は「輸出」する行為は、 それがなされた場合には侵害物品が拡散して事後的な侵害防止措置が困難になる蓋然性の高い行為であるため、模倣品問題対策強化の観点から、これらを目的として「所持」する行為を侵害とみなす行為とすることにより、侵害行為禁止の実効性を高めるとともに、侵害物品拡散の抑止を図るべく、本規定が設けられた(101 条3号、6号)。