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2002 企業会計の役割を理解する。

CMA e-Learning 日本証券アナリスト協会

2002 企業会計の役割を理解する。
11問 • 1年前CMA e-Learning 日本証券アナリスト協会
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    問題一覧

  • 1

    2. 企業会計の役割 (1) 投資家の意思決定に有用な情報の提供  企業会計の歴史は古く、現代の大企業が出現する前から利益の計算と開示は行われ てきたことが知られている。例えば、企業の資金需要が主として銀行などからの借入 によって充足されていた時代は、銀行を意識した利益情報の計算と開示が行われてい た。さらに時代を遡り、より原初的な形態の企業が支配的な時代は、出資者の資金を 受託した主体が出資者の利害に沿って誠実な資金運用を行ったかどうか、その説明責任を果たすための手段として、利益の計算と開示が行われてきたといわれている。経済社会の中心を占める企業の形態が変化するのに応じて、企業会計に期待される役割も変化してきたのである。  現代の経済社会を牽引しているのは大企業といえるが、その大企業に見られる特徴 の 1 つは、「所有と経営の分離」が進んでいる点に求められる。現代の企業は、機関投資家などからの出資だけでは賄い切れないほど大規模な投資プロジェクトを実行する。そのためには、一般の投資家からも出資を募る必要が生じる。  一般の投資家は、企業との直接的な面識を欠く。つまり、投資家と企業経営者との 間には、企業に固有の強みなどに関する情報の格差が見られる。現行のディスクロージャー制度のもとでは、証券投資は投資家の[①]において行われることとされて いる。そうなると投資家としては、責任を負えるような環境条件が整っていない限り、 つまり、投資対象となる企業の強みや弱みを把握するのに必要な情報が提供されてい ない限り、出資の要請に応じることはできない。こうした事情を背景として、公開企 業は広く様々な投資家に対し、将来に多くの[②]を生み出す資質を有する企業であることや、投資家の利害を犠牲にして経営者が私利に走るような企業では ないことを示すための情報を提供している。  投資家と企業経営者との間に存在する情報の格差([③])を緩和・解消 するためには、言うまでもなく、投資家が必要としている情報、とりわけ事実に裏付 けられた[④]の開示が求められる。投資家が最も重視するのは、投資対象の 企業がどれだけの[②]を将来にわたり安定的に生み出すのかであろう。 証券アナリストに期待される役割に関連づけて前節で説明したように、過去の実績値 としての利益は、[⑤]の予測に役立つ要素を含んでおり、適切な分析を行えば、その要素を抽出することができる。こうしたことから、伝統的に[⑥]は、経営者が投資家に提供する最も重要な情報と考えられている。言い換えれば、 [⑥]には、投資家の[⑦]に有用な情報の提供という役割が期待されている。  とはいえ、企業が提供する情報に虚偽の内容が含まれる可能性が残る場合、そのような情報は投資家の信頼獲得に役立たない。事実、企業経営者には、投資家を犠牲に して自己の富を増やそうとする[⑧]がある。この点、財務諸表に記載された 利益情報は、一定水準以上の信頼性が保証されている。詳しくは後に改めて説明する が、利益情報の[⑨]は[⑩]のもとで定められており、 企業にはその遵守が求められている。加えて、ルールに則った[⑪]が行われているかどうかは、投資家の利害に沿って[⑫]がチェックすることになっている。 このため、投資家は利益情報を[⑦]に安心して役立てることができる。  以上を要約すると、利益情報には、投資家の[⑦]に有用な情報の提供という役割が期待されている。企業経営者と投資家との間に存在する[⑬]を解消することによって、資本市場における[⑭]を促す役割を、[⑮]が 果たしているのである。利益情報に期待され、企業会計が果たしているこの役割は、企業会計の「[⑯]」あるいは「[⑰]」と呼ばれることが多い。

    自己責任, キャッシュフロー, 情報の非対称性, 客観的な情報, 将来キャッシュフロー, 利益情報, 意思決定, 潜在的な誘因, 計算・開示方法, ディスクロージャー制度, 計算・開示, 公認会計士, 情報の格差, 円滑な資金の循環, 企業会計上の利益, 情報提供機能, 意思決定支援機能

  • 2

    (2) 当事者間の利害調整に役立つ情報の提供  多くの証券アナリストが[①]とする公開企業に関する限り、[②]が果たしている主要な機能は、上記の[③]ないし[④]といえる。ただし、それらの機能を果たすために開示される[②]は、その他の機能も果たし得る。つまり、[②]については、いくつかの副次的な用途を想定できる。 ❶会計情報に基づく財務上の特約  副次的な用途の 1 つは、企業に関わる当事者間の私的な契約による利害調整の支援である。その典型例として、企業と債権者との間で取り交わされる財務上の特約に、利益情報を利用する場合が挙げられる。  債権者は、融資後に経営者が行う意思決定次第で、自らの利害が損なわれる可能性がある。ここで、自己資本比率の高い企業を想定する。自分より劣位の請求権しか持たない株主が多いことから、この企業に対する融資は安全性が高いと判断した債権者が、この企業に対して低金利で新たな融資を行ったとする。ところがその直後、この企業の経営者は、新たに借り入れた資金を配当に回し、その結果として不足した事業に必要な資金をさらなる借入(先に行った借入よりも返済条件が良いもの)で賄ったとする。この結果、当該企業の安全性に関する財務指標は悪化するとともに、既存の債権者の利害が損なわれることとなる。にもかかわらず、経営者の選任・解任などを通じて企業の経営をコントロールする権利を持たない債権者は、特段の定めがない限り、債権者の利害を犠牲にする経営者の行動を防ぐことができない。  このような事態を防ぐため、債権者(集団)はしばしば、企業経営者との間に私的な契約を取り交わして自らの利害を守ろうとする。そこでの契約は、債権者の利害に反するような行動を禁じるために取り交わされるが、経営者の「債権者の犠牲のもとで株主や経営者自身を利する行動」の 1 つ 1 つを契約に盛り込んで禁じるのは難しい。 こうしたことから、上記の目的で取り交わされる契約では、利益に関連した諸数値のうち、債権者の利害と結びつくものがしばしば用いられる。例えば、[⑤]や[⑥]が一定の水準に達した場合には、債務の[⑦]を義務付けるような契約([⑧])が取り交わされるのである6。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 6 このような契約を取り交わす誘因は、経営者の側にも存在する。というのも、債権者の利害を犠牲にして株主の富の増大を図るつもりのない経営者は、このような契約の締結に応じないと、債権者の利害を犠牲にする可能性のある経営者とみなされ、より高い[⑨]の負担を求められる恐れが生じるからである。

    分析対象, 利益情報, 情報提供機能, 意思決定支援機能, 自己資本比率, 負債比率, 即時返済, 財務上の特約, 借入資本コスト

  • 3

    ❷会計情報に基づく経営者報酬契約  利益情報が企業に関わる当事者間の私的な[①]による[②]に用いられるもう 1つの具体例は、株主と経営者との間に取り交わされる[③]の[④]である。  経営者には株主の利害に沿った行動が期待されるが、両者の間には企業についての情報に[⑤]が見られる。それゆえ、両者の利害は必ずしも一致していない。そこでは、特段の定めがない限り、経営者が常に株主の利害に沿って最大の努力を行う保証はない。例えば、経営者の報酬を完全な固定給の形で支払う場合を想定する。このとき、私的な利得の最大化を図ろうとする経営者であれば、会社についての情報を十分に持たない株主に「[⑥]」の実態が伝わらない限り、企業経営のための十分な努力を行わないであろう。  このような事態を避けるため、株主には何らかの対抗策が必要となる。よく知られているのは、株主の富の最大化を図ることが「自動的に」経営者自身の利得の最大化となるような報酬契約上の工夫である。そのような[⑦]の 1 つに、[③]の報酬契約がある。[⑧]の増大は、原則として株主にとって望ましいことといえる。その[⑧]の[⑨]を経営者にボーナスとして支払う旨の契約を事前に取り交わしておけば、ボーナスの増加を望む経営者の努力は、「自動的に」株主の望む行動に向けられることとなる。  ここで説明した[⑩]と[③]の報酬契約は、各企業が[⑪]を用いて個別に契約を結び、[⑫]を図るための手段であった。利益情報の副次的な用途という場合は、この他、不特定多数の企業を適用対象とする[⑬]に、利益情報が用いられるケースも含まれる。今度は、このようなケースに議論を進めたい。

    契約, 利害調整, 会計利益連動型, 報酬契約, 格差, 怠惰な経営, 経営者報酬契約, 会計利益, 一定比率, 財務上の特約, 利益情報, 当事者間の利害調整, 公的な規制

  • 4

    ❸会計情報を用いた配当規制  関連諸法規において利益情報が利用されている典型例は、[①]であろう。[①]とは、会社財産に対して劣位の[②]しか持たない株主による会社財産の[③]([④])を、[⑤]に収める[⑥]上の規制7 である。[⑥]は、 企業に関わる当事者間の[⑦](中でも[⑧])を[⑨]とすることから、 株主と債権者との利害調整を図るために、このような規制を定めており、この[④]が[⑩]上の[⑪]を指標として決められている8。[⑪]は主として過 去から現在に至るまでの[⑫]によって増加することから、現行の[①]には[⑬]が利用されているということができる。   仮に株主に対して会社財産の引出しを無制限に認めた場合、会社財産に対して本来、 [⑭]が優位な請求権を有し、[⑮]の請求権は劣位に留まるという基本的な関係が損 なわれることになる。のみならず、[⑯]に用いられる会社財産が減少するため、債権の[⑰]は高まることになる。このとき、自分の利害が[⑱]に損なわれ得ることを予測する債権者は、自らが負うリスクを補償するような、より高い[⑲]を要求するはずである。この結果、企業が負担する[⑳]は全体として上昇することになる。多くの企業経営者にとって、そのような[⑳]の上昇は望ましいこととはいえない。   もし、株主に対して会社財産の無制限な引出しを認めるつもりがないのであれば、 企業経営者は債権者との[㉑]において、[④]を初めから[⑤]に抑える旨の契約を取り交わしておけばよい。そのような私的契約が広範に求められ ているのであれば、交渉に伴うコスト(多くの企業が類似した契約を取り交わすため に被るコスト)を経済社会全体として削減するため、不特定多数の企業を対象とした 公的な規制に、予め標準的な契約を組み込んでおくのがよい。[⑥]における[①]の存在は、このように[㉒]という観点から意義付けられる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 7 会社法はこの他、当事者が必要としている情報の開示によっても立法趣旨の達成を図っている。[①]に対し、これを[㉓]という。  8 剰余金の定義については、会社法第 446 条を参照。

    配当規制, 請求権, 引出限度額, 配当可能限度額, 一定の範囲, 会社法, 利害調整, 債権者の保護, 立法趣旨, 貸借対照表, 剰余金, 期間利益, 利益情報, 債権者, 株主, 償還, 償還リスク, 潜在的, 金利, 資金調達コスト, 私的な契約, 交渉コストの削減, 開示規制

  • 5

    ❹会計情報に基づく税務申告  関連諸法規や政府などによる規制の一環で、[①]は[②]や金融機関における[③]9 などでも用いられている。このうちの[②]は、[④]が[⑤]を基に[⑥]を決定する仕組みである。現行の[⑦]では、企業がどれだけの[⑧]を有しているのかという観点から、[⑥]が決められている。[⑨]は様々な指標で測られるが、[⑩]は[⑨]を反映した指標の典型例と考えられている。  この場合、[⑩]とは別の指標を設定し、[⑨]を新たに計算し直すのは効率的なことといえず、むしろ[⑩]を基に[⑥]を決定することにより、徴税に伴う[⑪]の削減を図ることができる。こうしたことから、[②]においても伝統的に、[⑫]が用いられてきた10。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 9 [⑬] (BIS: Bank for International Settlements) の中に事務局を設けている[⑭]による[⑮]が知られている。 10 [⑯]の決定においては、[⑰]や[⑱]などがとりわけ強く求められるのに対し、投資家の[⑲]に有用な情報の提供という観点に立つ場合、[⑱]などは情報に求められる特性の 1 つに過ぎない。こうしたことから、[⑳]がそのまま[⑯]を決めることはなく、利益にいくつかの調整を行って[⑯]を決定することとなる。

    利益情報, 税務申告制度, 自己資本比率規制, 税法, 会計上の利益, 納税額, 法人税法, 税金負担能力, 担税力, 企業会計上の利益, コスト, 利益情報, 国際決済銀行, バーゼル銀行監督委員会, 自己資本比率規制, 納税額, 公平性, 客観性, 意思決定, 企業会計上の利益, 納税額

  • 6

    (3) 1 つの利益で 2 つの役割を同時には達成できない場合  証券アナリストの主要な[①]である公開企業では、利益は主として投資家の[②]に有用な情報を提供する役割を果たしているといってよい。とはいえ、利益情報が副次的に利用されているのも、また事実である。このとき、[③]の違いにかかわらず、「望ましい利益」が常に一義的に決まるのであれば、話は簡単である。しかし、実際には[④]の違いに応じて、「望ましい利益」も違ってくる。[⑤]を果たすのに最適な利益情報が、[⑥]([⑦])を果たすのに最適な利益情報とはいい切れないのである。  このような食い違いは典型的に、[⑧]の[⑨]について見られる。まず、投資の[②]に有用な情報を提供する観点からすれば、企業が保有する[⑧]の[⑩]は必要な情報といえる。というのも、[⑧]の[⑩]は、企業が[⑪]に回し得る[⑫]の大きさを反映しているからである。[⑬]を生み出す[⑪]は[⑬]の源泉といい得るものであり、[⑧]の[⑩]やその増減は、企業が新たな[⑪]にどれだけ速やかに着手できるのかを測るうえで、有用な情報となる11。  これに対して、利益情報によって[⑭]を図る場合には、[⑧]を[⑮]で評価し、[⑯]を[⑰]に反映させるのが望ましいとはいい切れない。今、過去から現在に至るまでの[⑰]に基づく[⑱]を指標として、[⑲]が行われている場合を想定し、指標として用いられる利益に[⑧]の[⑯]([⑳])が含まれているケースを考える。このとき、[⑧]の[⑳]を原資として株主に[㉑]を行うためには、[㉒]による現金の調達が必要となる。この[㉒]は、[㉓]の悪化などを通じて、既存の[㉔]への[㉕]が契約どおりに行われなくなる可能性([㉖])を高め得る。  そうであれば、[⑧]の[㉗]を含んだ利益に基づく[⑳]が、それを含まない利益に基づく[⑳]よりも、[㉘]に役立つとはいえない。つまり、[⑤]が問われているケースとは異なり、この文脈では、[⑧]の[㉗]やその計算基礎となる[⑨]の有用性を、積極的には主張できない。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 11 市場が十分に効率的であれば、[⑫]による[㉚]では平均的なリターンしか得られないこととなる。その場合、有価証券の[㉛]としての[⑩]と異なり、[㉚]の成果を反映している[⑰]の情報は、[⑭]の推定に有用な情報を提供しない。しかし、[㉜]が[㉝]に収束するまで時間を要するような場合は、[㉝]からの[㉞]を他者より速やかに、かつ正確に把握することにより、超過リターンを得られる可能性がある。そのような能力を測るうえで、[㉟]としての[⑰]が意味を持つこともあり得る。

    分析対象, 意思決定, 果たすべき機能, 期待される役割, 情報提供機能, 利害調整機能, 契約支援機能, 有価証券, 時価情報, 時価総額, 事業投資, 余剰資金, 超過リターン, 企業価値, 当事者間の利害調整, 時価, 時価評価差額, 期間損益, 留保利益, 配当規制, 値上がり益, 配当, 追加借入, 財務指標, 債権者, 資金返済, 返済のリスク, 時価評価益, 債権者の保護, 金融投資, ストック, 証券価格, ファンダメンタル価値, 乖離, 過去の実績値

  • 7

    (4) トレード・オフの関係が見られる場合に求められる対応   ここで例示した有価証券の[①]のように、[②]に期待される[③]に 応じて望ましい[④]が異なる場合、どのような[⑤]が[⑥]にとっ て最善なのかを判断することは難しい。[⑦]を前提とすれば、基本的には[⑧]の観点から利益のあり方を決めることになるが、利益情報が副次的に利用され ている事実を受け止め、それを制約とみなす必要が生じることもあり得る。 ここで[⑧]の観点から、結果的に[⑨]が増加するような[⑩]を新 たに導入した場合を想定する。このとき、利益に基づいて[⑪]を決定する仕組み のもとでは(税務当局が何らかの[⑫]をとらない限り)、企業の負担する[⑬]は大きくなる。[⑬]の増加は[⑭]に多様な影響を及ぼし得る。そういう場合は、 投資家の[⑮]にとって、より有用な情報が提供されることの影響のみならず、[⑯]が及ぼす影響も[⑰]に勘案して、新たな[⑩]を導入すべきかどうかを決めることになる。   より具体的には、[⑱]が経済に及ぼす[⑲]が深刻で、かつ、もっぱら[⑳]に起因する「[㉑]」増益額にも課税するという決定を[㉒]が下す(見 込みの)場合には、増益の効果を伴う[㉓]の提案は取り下げられることになるかもしれない。   視点を少し変えると、以上の記述は、[⑧]の観点から最善の[②]が常に開示されている訳ではないということを意味している。[②]を用いて企業の[㉔]を分析する際は、副次的な用途に配慮した結果、[②]にどのような影響が及んでいるのかを[㉕]するとともに、必要に応じてその影響を[㉖]ような形で[㉗]を修正しなければならない。

    時価情報, 利益情報, 機能の違い, 計算・開示方法, 利益, 市場関係者全体, 公開企業, 情報提供機能, 報告利益, 会計基準, 課税所得, 経過措置, 納税額, 経済全体, 意思決定, 課税関係の変化, 総合的, 増税, 負の効果, 会計基準 の変更, 名目的な, 税務当局, 基準改訂, 投資価値, 適宜把握, 打ち消す, 公表情報

  • 8

    【例題 1 - 1】  (1) 企業会計には、投資家の意思決定に有用な情報の提供という役割が期待されてい る。自己責任による意思決定が求められる中で、投資家は、なぜ利益情報を必要としているのか。また、経営者は、投資家の求めに応じて利益情報を提供することに より、どのような便益を期待できるのか。利益情報が開示されず、投資家と企業経営者の間に存在する情報の非対称性が十分に緩和されない場合に予想される問題と 併せて、説明しなさい。 

    *****

  • 9

    【例題 1 - 1】  (2) 主として投資家の意思決定に有用な情報の提供という役割を果たすために、計算・開示される利益は、副次的な用途にも活用される。   ①財務上の特約の一環で利 用される場合、②経営者報酬制度の一環で利用される場合、③配当規制の一環で利 用される場合、および④税務申告制度の一環で利用される場合の用途を説明しなさ い。   併せて、①および②の場合と、③および④の場合の違いを説明しなさい。

    *****

  • 10

    【例題 1 - 1】 (3) 投資家の意思決定に有用な利益情報は、一般に副次的な用途(当事者間の利害調整または企業活動の成果分配という局面)においても有用と考えられる。しかし、 場合によっては、投資家の意思決定に有用な利益情報が、副次的な用途にとって最 善の情報とはいえないこともある。その場合、主目的とされる「投資家の意思決定 に有用な情報の提供」を常に優先すればよい、といえるかどうかを説明しなさい。

    *****

  • 11

    【例題 1 - 1】 (4) 会計基準は「投資家の意思決定に有用な情報の提供」だけを達成目標として掲 げているのではなく、「当事者間の利害調整または企業活動の成果分配に資する情報の提供」も目指している。   この事実は、証券アナリストによる財務諸表の分析に、どのような影響を及ぼすかを説明しなさい。 

    *****

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    2. 企業会計の役割 (1) 投資家の意思決定に有用な情報の提供  企業会計の歴史は古く、現代の大企業が出現する前から利益の計算と開示は行われ てきたことが知られている。例えば、企業の資金需要が主として銀行などからの借入 によって充足されていた時代は、銀行を意識した利益情報の計算と開示が行われてい た。さらに時代を遡り、より原初的な形態の企業が支配的な時代は、出資者の資金を 受託した主体が出資者の利害に沿って誠実な資金運用を行ったかどうか、その説明責任を果たすための手段として、利益の計算と開示が行われてきたといわれている。経済社会の中心を占める企業の形態が変化するのに応じて、企業会計に期待される役割も変化してきたのである。  現代の経済社会を牽引しているのは大企業といえるが、その大企業に見られる特徴 の 1 つは、「所有と経営の分離」が進んでいる点に求められる。現代の企業は、機関投資家などからの出資だけでは賄い切れないほど大規模な投資プロジェクトを実行する。そのためには、一般の投資家からも出資を募る必要が生じる。  一般の投資家は、企業との直接的な面識を欠く。つまり、投資家と企業経営者との 間には、企業に固有の強みなどに関する情報の格差が見られる。現行のディスクロージャー制度のもとでは、証券投資は投資家の[①]において行われることとされて いる。そうなると投資家としては、責任を負えるような環境条件が整っていない限り、 つまり、投資対象となる企業の強みや弱みを把握するのに必要な情報が提供されてい ない限り、出資の要請に応じることはできない。こうした事情を背景として、公開企 業は広く様々な投資家に対し、将来に多くの[②]を生み出す資質を有する企業であることや、投資家の利害を犠牲にして経営者が私利に走るような企業では ないことを示すための情報を提供している。  投資家と企業経営者との間に存在する情報の格差([③])を緩和・解消 するためには、言うまでもなく、投資家が必要としている情報、とりわけ事実に裏付 けられた[④]の開示が求められる。投資家が最も重視するのは、投資対象の 企業がどれだけの[②]を将来にわたり安定的に生み出すのかであろう。 証券アナリストに期待される役割に関連づけて前節で説明したように、過去の実績値 としての利益は、[⑤]の予測に役立つ要素を含んでおり、適切な分析を行えば、その要素を抽出することができる。こうしたことから、伝統的に[⑥]は、経営者が投資家に提供する最も重要な情報と考えられている。言い換えれば、 [⑥]には、投資家の[⑦]に有用な情報の提供という役割が期待されている。  とはいえ、企業が提供する情報に虚偽の内容が含まれる可能性が残る場合、そのような情報は投資家の信頼獲得に役立たない。事実、企業経営者には、投資家を犠牲に して自己の富を増やそうとする[⑧]がある。この点、財務諸表に記載された 利益情報は、一定水準以上の信頼性が保証されている。詳しくは後に改めて説明する が、利益情報の[⑨]は[⑩]のもとで定められており、 企業にはその遵守が求められている。加えて、ルールに則った[⑪]が行われているかどうかは、投資家の利害に沿って[⑫]がチェックすることになっている。 このため、投資家は利益情報を[⑦]に安心して役立てることができる。  以上を要約すると、利益情報には、投資家の[⑦]に有用な情報の提供という役割が期待されている。企業経営者と投資家との間に存在する[⑬]を解消することによって、資本市場における[⑭]を促す役割を、[⑮]が 果たしているのである。利益情報に期待され、企業会計が果たしているこの役割は、企業会計の「[⑯]」あるいは「[⑰]」と呼ばれることが多い。

    自己責任, キャッシュフロー, 情報の非対称性, 客観的な情報, 将来キャッシュフロー, 利益情報, 意思決定, 潜在的な誘因, 計算・開示方法, ディスクロージャー制度, 計算・開示, 公認会計士, 情報の格差, 円滑な資金の循環, 企業会計上の利益, 情報提供機能, 意思決定支援機能

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    (2) 当事者間の利害調整に役立つ情報の提供  多くの証券アナリストが[①]とする公開企業に関する限り、[②]が果たしている主要な機能は、上記の[③]ないし[④]といえる。ただし、それらの機能を果たすために開示される[②]は、その他の機能も果たし得る。つまり、[②]については、いくつかの副次的な用途を想定できる。 ❶会計情報に基づく財務上の特約  副次的な用途の 1 つは、企業に関わる当事者間の私的な契約による利害調整の支援である。その典型例として、企業と債権者との間で取り交わされる財務上の特約に、利益情報を利用する場合が挙げられる。  債権者は、融資後に経営者が行う意思決定次第で、自らの利害が損なわれる可能性がある。ここで、自己資本比率の高い企業を想定する。自分より劣位の請求権しか持たない株主が多いことから、この企業に対する融資は安全性が高いと判断した債権者が、この企業に対して低金利で新たな融資を行ったとする。ところがその直後、この企業の経営者は、新たに借り入れた資金を配当に回し、その結果として不足した事業に必要な資金をさらなる借入(先に行った借入よりも返済条件が良いもの)で賄ったとする。この結果、当該企業の安全性に関する財務指標は悪化するとともに、既存の債権者の利害が損なわれることとなる。にもかかわらず、経営者の選任・解任などを通じて企業の経営をコントロールする権利を持たない債権者は、特段の定めがない限り、債権者の利害を犠牲にする経営者の行動を防ぐことができない。  このような事態を防ぐため、債権者(集団)はしばしば、企業経営者との間に私的な契約を取り交わして自らの利害を守ろうとする。そこでの契約は、債権者の利害に反するような行動を禁じるために取り交わされるが、経営者の「債権者の犠牲のもとで株主や経営者自身を利する行動」の 1 つ 1 つを契約に盛り込んで禁じるのは難しい。 こうしたことから、上記の目的で取り交わされる契約では、利益に関連した諸数値のうち、債権者の利害と結びつくものがしばしば用いられる。例えば、[⑤]や[⑥]が一定の水準に達した場合には、債務の[⑦]を義務付けるような契約([⑧])が取り交わされるのである6。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 6 このような契約を取り交わす誘因は、経営者の側にも存在する。というのも、債権者の利害を犠牲にして株主の富の増大を図るつもりのない経営者は、このような契約の締結に応じないと、債権者の利害を犠牲にする可能性のある経営者とみなされ、より高い[⑨]の負担を求められる恐れが生じるからである。

    分析対象, 利益情報, 情報提供機能, 意思決定支援機能, 自己資本比率, 負債比率, 即時返済, 財務上の特約, 借入資本コスト

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    ❷会計情報に基づく経営者報酬契約  利益情報が企業に関わる当事者間の私的な[①]による[②]に用いられるもう 1つの具体例は、株主と経営者との間に取り交わされる[③]の[④]である。  経営者には株主の利害に沿った行動が期待されるが、両者の間には企業についての情報に[⑤]が見られる。それゆえ、両者の利害は必ずしも一致していない。そこでは、特段の定めがない限り、経営者が常に株主の利害に沿って最大の努力を行う保証はない。例えば、経営者の報酬を完全な固定給の形で支払う場合を想定する。このとき、私的な利得の最大化を図ろうとする経営者であれば、会社についての情報を十分に持たない株主に「[⑥]」の実態が伝わらない限り、企業経営のための十分な努力を行わないであろう。  このような事態を避けるため、株主には何らかの対抗策が必要となる。よく知られているのは、株主の富の最大化を図ることが「自動的に」経営者自身の利得の最大化となるような報酬契約上の工夫である。そのような[⑦]の 1 つに、[③]の報酬契約がある。[⑧]の増大は、原則として株主にとって望ましいことといえる。その[⑧]の[⑨]を経営者にボーナスとして支払う旨の契約を事前に取り交わしておけば、ボーナスの増加を望む経営者の努力は、「自動的に」株主の望む行動に向けられることとなる。  ここで説明した[⑩]と[③]の報酬契約は、各企業が[⑪]を用いて個別に契約を結び、[⑫]を図るための手段であった。利益情報の副次的な用途という場合は、この他、不特定多数の企業を適用対象とする[⑬]に、利益情報が用いられるケースも含まれる。今度は、このようなケースに議論を進めたい。

    契約, 利害調整, 会計利益連動型, 報酬契約, 格差, 怠惰な経営, 経営者報酬契約, 会計利益, 一定比率, 財務上の特約, 利益情報, 当事者間の利害調整, 公的な規制

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    ❸会計情報を用いた配当規制  関連諸法規において利益情報が利用されている典型例は、[①]であろう。[①]とは、会社財産に対して劣位の[②]しか持たない株主による会社財産の[③]([④])を、[⑤]に収める[⑥]上の規制7 である。[⑥]は、 企業に関わる当事者間の[⑦](中でも[⑧])を[⑨]とすることから、 株主と債権者との利害調整を図るために、このような規制を定めており、この[④]が[⑩]上の[⑪]を指標として決められている8。[⑪]は主として過 去から現在に至るまでの[⑫]によって増加することから、現行の[①]には[⑬]が利用されているということができる。   仮に株主に対して会社財産の引出しを無制限に認めた場合、会社財産に対して本来、 [⑭]が優位な請求権を有し、[⑮]の請求権は劣位に留まるという基本的な関係が損 なわれることになる。のみならず、[⑯]に用いられる会社財産が減少するため、債権の[⑰]は高まることになる。このとき、自分の利害が[⑱]に損なわれ得ることを予測する債権者は、自らが負うリスクを補償するような、より高い[⑲]を要求するはずである。この結果、企業が負担する[⑳]は全体として上昇することになる。多くの企業経営者にとって、そのような[⑳]の上昇は望ましいこととはいえない。   もし、株主に対して会社財産の無制限な引出しを認めるつもりがないのであれば、 企業経営者は債権者との[㉑]において、[④]を初めから[⑤]に抑える旨の契約を取り交わしておけばよい。そのような私的契約が広範に求められ ているのであれば、交渉に伴うコスト(多くの企業が類似した契約を取り交わすため に被るコスト)を経済社会全体として削減するため、不特定多数の企業を対象とした 公的な規制に、予め標準的な契約を組み込んでおくのがよい。[⑥]における[①]の存在は、このように[㉒]という観点から意義付けられる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 7 会社法はこの他、当事者が必要としている情報の開示によっても立法趣旨の達成を図っている。[①]に対し、これを[㉓]という。  8 剰余金の定義については、会社法第 446 条を参照。

    配当規制, 請求権, 引出限度額, 配当可能限度額, 一定の範囲, 会社法, 利害調整, 債権者の保護, 立法趣旨, 貸借対照表, 剰余金, 期間利益, 利益情報, 債権者, 株主, 償還, 償還リスク, 潜在的, 金利, 資金調達コスト, 私的な契約, 交渉コストの削減, 開示規制

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    ❹会計情報に基づく税務申告  関連諸法規や政府などによる規制の一環で、[①]は[②]や金融機関における[③]9 などでも用いられている。このうちの[②]は、[④]が[⑤]を基に[⑥]を決定する仕組みである。現行の[⑦]では、企業がどれだけの[⑧]を有しているのかという観点から、[⑥]が決められている。[⑨]は様々な指標で測られるが、[⑩]は[⑨]を反映した指標の典型例と考えられている。  この場合、[⑩]とは別の指標を設定し、[⑨]を新たに計算し直すのは効率的なことといえず、むしろ[⑩]を基に[⑥]を決定することにより、徴税に伴う[⑪]の削減を図ることができる。こうしたことから、[②]においても伝統的に、[⑫]が用いられてきた10。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 9 [⑬] (BIS: Bank for International Settlements) の中に事務局を設けている[⑭]による[⑮]が知られている。 10 [⑯]の決定においては、[⑰]や[⑱]などがとりわけ強く求められるのに対し、投資家の[⑲]に有用な情報の提供という観点に立つ場合、[⑱]などは情報に求められる特性の 1 つに過ぎない。こうしたことから、[⑳]がそのまま[⑯]を決めることはなく、利益にいくつかの調整を行って[⑯]を決定することとなる。

    利益情報, 税務申告制度, 自己資本比率規制, 税法, 会計上の利益, 納税額, 法人税法, 税金負担能力, 担税力, 企業会計上の利益, コスト, 利益情報, 国際決済銀行, バーゼル銀行監督委員会, 自己資本比率規制, 納税額, 公平性, 客観性, 意思決定, 企業会計上の利益, 納税額

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    (3) 1 つの利益で 2 つの役割を同時には達成できない場合  証券アナリストの主要な[①]である公開企業では、利益は主として投資家の[②]に有用な情報を提供する役割を果たしているといってよい。とはいえ、利益情報が副次的に利用されているのも、また事実である。このとき、[③]の違いにかかわらず、「望ましい利益」が常に一義的に決まるのであれば、話は簡単である。しかし、実際には[④]の違いに応じて、「望ましい利益」も違ってくる。[⑤]を果たすのに最適な利益情報が、[⑥]([⑦])を果たすのに最適な利益情報とはいい切れないのである。  このような食い違いは典型的に、[⑧]の[⑨]について見られる。まず、投資の[②]に有用な情報を提供する観点からすれば、企業が保有する[⑧]の[⑩]は必要な情報といえる。というのも、[⑧]の[⑩]は、企業が[⑪]に回し得る[⑫]の大きさを反映しているからである。[⑬]を生み出す[⑪]は[⑬]の源泉といい得るものであり、[⑧]の[⑩]やその増減は、企業が新たな[⑪]にどれだけ速やかに着手できるのかを測るうえで、有用な情報となる11。  これに対して、利益情報によって[⑭]を図る場合には、[⑧]を[⑮]で評価し、[⑯]を[⑰]に反映させるのが望ましいとはいい切れない。今、過去から現在に至るまでの[⑰]に基づく[⑱]を指標として、[⑲]が行われている場合を想定し、指標として用いられる利益に[⑧]の[⑯]([⑳])が含まれているケースを考える。このとき、[⑧]の[⑳]を原資として株主に[㉑]を行うためには、[㉒]による現金の調達が必要となる。この[㉒]は、[㉓]の悪化などを通じて、既存の[㉔]への[㉕]が契約どおりに行われなくなる可能性([㉖])を高め得る。  そうであれば、[⑧]の[㉗]を含んだ利益に基づく[⑳]が、それを含まない利益に基づく[⑳]よりも、[㉘]に役立つとはいえない。つまり、[⑤]が問われているケースとは異なり、この文脈では、[⑧]の[㉗]やその計算基礎となる[⑨]の有用性を、積極的には主張できない。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 11 市場が十分に効率的であれば、[⑫]による[㉚]では平均的なリターンしか得られないこととなる。その場合、有価証券の[㉛]としての[⑩]と異なり、[㉚]の成果を反映している[⑰]の情報は、[⑭]の推定に有用な情報を提供しない。しかし、[㉜]が[㉝]に収束するまで時間を要するような場合は、[㉝]からの[㉞]を他者より速やかに、かつ正確に把握することにより、超過リターンを得られる可能性がある。そのような能力を測るうえで、[㉟]としての[⑰]が意味を持つこともあり得る。

    分析対象, 意思決定, 果たすべき機能, 期待される役割, 情報提供機能, 利害調整機能, 契約支援機能, 有価証券, 時価情報, 時価総額, 事業投資, 余剰資金, 超過リターン, 企業価値, 当事者間の利害調整, 時価, 時価評価差額, 期間損益, 留保利益, 配当規制, 値上がり益, 配当, 追加借入, 財務指標, 債権者, 資金返済, 返済のリスク, 時価評価益, 債権者の保護, 金融投資, ストック, 証券価格, ファンダメンタル価値, 乖離, 過去の実績値

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    (4) トレード・オフの関係が見られる場合に求められる対応   ここで例示した有価証券の[①]のように、[②]に期待される[③]に 応じて望ましい[④]が異なる場合、どのような[⑤]が[⑥]にとっ て最善なのかを判断することは難しい。[⑦]を前提とすれば、基本的には[⑧]の観点から利益のあり方を決めることになるが、利益情報が副次的に利用され ている事実を受け止め、それを制約とみなす必要が生じることもあり得る。 ここで[⑧]の観点から、結果的に[⑨]が増加するような[⑩]を新 たに導入した場合を想定する。このとき、利益に基づいて[⑪]を決定する仕組み のもとでは(税務当局が何らかの[⑫]をとらない限り)、企業の負担する[⑬]は大きくなる。[⑬]の増加は[⑭]に多様な影響を及ぼし得る。そういう場合は、 投資家の[⑮]にとって、より有用な情報が提供されることの影響のみならず、[⑯]が及ぼす影響も[⑰]に勘案して、新たな[⑩]を導入すべきかどうかを決めることになる。   より具体的には、[⑱]が経済に及ぼす[⑲]が深刻で、かつ、もっぱら[⑳]に起因する「[㉑]」増益額にも課税するという決定を[㉒]が下す(見 込みの)場合には、増益の効果を伴う[㉓]の提案は取り下げられることになるかもしれない。   視点を少し変えると、以上の記述は、[⑧]の観点から最善の[②]が常に開示されている訳ではないということを意味している。[②]を用いて企業の[㉔]を分析する際は、副次的な用途に配慮した結果、[②]にどのような影響が及んでいるのかを[㉕]するとともに、必要に応じてその影響を[㉖]ような形で[㉗]を修正しなければならない。

    時価情報, 利益情報, 機能の違い, 計算・開示方法, 利益, 市場関係者全体, 公開企業, 情報提供機能, 報告利益, 会計基準, 課税所得, 経過措置, 納税額, 経済全体, 意思決定, 課税関係の変化, 総合的, 増税, 負の効果, 会計基準 の変更, 名目的な, 税務当局, 基準改訂, 投資価値, 適宜把握, 打ち消す, 公表情報

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    【例題 1 - 1】  (1) 企業会計には、投資家の意思決定に有用な情報の提供という役割が期待されてい る。自己責任による意思決定が求められる中で、投資家は、なぜ利益情報を必要としているのか。また、経営者は、投資家の求めに応じて利益情報を提供することに より、どのような便益を期待できるのか。利益情報が開示されず、投資家と企業経営者の間に存在する情報の非対称性が十分に緩和されない場合に予想される問題と 併せて、説明しなさい。 

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    【例題 1 - 1】  (2) 主として投資家の意思決定に有用な情報の提供という役割を果たすために、計算・開示される利益は、副次的な用途にも活用される。   ①財務上の特約の一環で利 用される場合、②経営者報酬制度の一環で利用される場合、③配当規制の一環で利 用される場合、および④税務申告制度の一環で利用される場合の用途を説明しなさ い。   併せて、①および②の場合と、③および④の場合の違いを説明しなさい。

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    【例題 1 - 1】 (3) 投資家の意思決定に有用な利益情報は、一般に副次的な用途(当事者間の利害調整または企業活動の成果分配という局面)においても有用と考えられる。しかし、 場合によっては、投資家の意思決定に有用な利益情報が、副次的な用途にとって最 善の情報とはいえないこともある。その場合、主目的とされる「投資家の意思決定 に有用な情報の提供」を常に優先すればよい、といえるかどうかを説明しなさい。

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    【例題 1 - 1】 (4) 会計基準は「投資家の意思決定に有用な情報の提供」だけを達成目標として掲 げているのではなく、「当事者間の利害調整または企業活動の成果分配に資する情報の提供」も目指している。   この事実は、証券アナリストによる財務諸表の分析に、どのような影響を及ぼすかを説明しなさい。 

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