問題一覧
1
借地人が妻名義の建物登記を有するに過ぎない場合、この登記が借地借家法10条1項の登記にあたるとして、借地権を借地の譲受人に対抗できるかが問題となる。 この点判例は、借地借家法10条1項は自己の建物所有権を対抗しうることを前提としていること、及び、実質的にも他人名義の登記では誰が真の借地人か推知しえず、取引の安全を害することを理由に対抗力を否定する。 しかし、居住権保護という借地借家法の趣旨に鑑みるならば、不動産取引一般における公示の原則と同様の取扱をする必要はなく、同居の親族名義の登記であれば、借地人本人の名義と同様に対抗力を認めるのが妥当である。 また、土地の譲受人は、現地検分によって他人名義の建物を発見すれば、借地権の存在を推知することが可能だから、このように解しても不測の損害を被ることはない。 従って、登記が妻名義であっても借地借家法10条1項の適用があり、借地人は借地の譲受人に借地権を対抗できると解する。
2
借地上の建物の譲渡が土地賃借権の譲渡になるかが問題となる。 ところで、土地賃借権は建物の存立を支える権利であり、建物所有権の従たる権利であるから、借地上の建物を譲渡する場合には、土地賃借権も建物所有権の移転に従わせるのが当事者の合理的意思に合致する。 一方、87条2項が従物は主物の処分に従うと規定した趣旨は、主物を処分した場合には、通常、従物もその主物の処理に従わせるというのが、当事者の合理的意思に合致することにある。 従って、87条2項の類推適用により、借地上の建物の譲渡は土地賃借権の譲渡になると解する。
3
借地上の建物の賃貸が土地の転貸にあたるかが問題となる。 思うに、無断転貸の場合に賃貸人に解除権が認められたのは、目的物の用法は人によって差異があり、賃貸人の利益が害されるおそれがあるからである。 そこで、賃貸人に解除権が生じる無断転貸といえるためには、転借人が目的物の全部または一部について独立の用益者たる地位を取得することが必要であると解する。 そうすると、建物の賃借人は土地の上に居住し、土地を事実上利用しているとはいえ、これは建物を占有することの反射的作用にすぎず、独立に土地を使用しているわけではない。 従って、借地上の建物の賃貸は土地の転貸にはあたらないと解する。
4
無断譲渡を理由に賃貸借契約を解除できるかが問題となる。 確かに、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ、賃借物を譲渡することができず、賃借人がこれに違反して第三者に賃借物を使用収益させたときは、賃貸人は賃貸借契約を解除できるのが原則である(612条)。 しかし、612条は賃貸借契約が当事者間の高度な人的信頼関係を基礎とする継続的法律関係であることに鑑み、賃借権の譲渡・転貸にあたって賃貸人の承諾を必要とすると同時に、無断で譲渡・転貸した場合には、通常、信頼関係を破壊する背信的行為があったものとして、賃貸人に解除権を与えたものと解される。 従って、無断譲渡・転貸の場合でも、賃貸人に対する背信的行為があったと認めるに足らない特段の事情があれば、612条2項の解除権は発生しないと解すべきである。
5
賃貸人が転借人に対して原賃貸借契約の解除を対抗するためには、転借人にも債務の履行を催告する必要があるかが問題となるが、特段の事情のない限り不要であると解する。 なぜなら、このように解さないと、原賃貸人の解除権が不当に制限されることになるからである。
6
不動産賃借権が163条の所有権以外の財産権に含まれるかが問題となる。 確かに、債権は通常、1回の行使で消滅するから継続する事実状態というものは考えられず、時効取得の対象にならないのが原則である。 しかし、不動産賃借権は、占有を伴う権利であり、又、今日物権に準じた効力を与えられているのだから、所有権以外の財産権として、時効取得を肯定すべきである。 この場合、取得時効の成立要件が問題となるが、地役権(283条)に準じて、①不動産の継続的な用益と、②その用益が賃借の意思に基づいていることが外形上認識できること、すなわち、賃料の支払又は供託があることを要すると解する。
7
一筆の土地の一部について時効取得が認められるかが問題となるが、肯定すべきである。 なぜなら、我が民法における取得時効は、占有だけを基礎としており、公示方法である登記とは無関係に認められているからである(162条)。
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8問 • 1年前問題一覧
1
借地人が妻名義の建物登記を有するに過ぎない場合、この登記が借地借家法10条1項の登記にあたるとして、借地権を借地の譲受人に対抗できるかが問題となる。 この点判例は、借地借家法10条1項は自己の建物所有権を対抗しうることを前提としていること、及び、実質的にも他人名義の登記では誰が真の借地人か推知しえず、取引の安全を害することを理由に対抗力を否定する。 しかし、居住権保護という借地借家法の趣旨に鑑みるならば、不動産取引一般における公示の原則と同様の取扱をする必要はなく、同居の親族名義の登記であれば、借地人本人の名義と同様に対抗力を認めるのが妥当である。 また、土地の譲受人は、現地検分によって他人名義の建物を発見すれば、借地権の存在を推知することが可能だから、このように解しても不測の損害を被ることはない。 従って、登記が妻名義であっても借地借家法10条1項の適用があり、借地人は借地の譲受人に借地権を対抗できると解する。
2
借地上の建物の譲渡が土地賃借権の譲渡になるかが問題となる。 ところで、土地賃借権は建物の存立を支える権利であり、建物所有権の従たる権利であるから、借地上の建物を譲渡する場合には、土地賃借権も建物所有権の移転に従わせるのが当事者の合理的意思に合致する。 一方、87条2項が従物は主物の処分に従うと規定した趣旨は、主物を処分した場合には、通常、従物もその主物の処理に従わせるというのが、当事者の合理的意思に合致することにある。 従って、87条2項の類推適用により、借地上の建物の譲渡は土地賃借権の譲渡になると解する。
3
借地上の建物の賃貸が土地の転貸にあたるかが問題となる。 思うに、無断転貸の場合に賃貸人に解除権が認められたのは、目的物の用法は人によって差異があり、賃貸人の利益が害されるおそれがあるからである。 そこで、賃貸人に解除権が生じる無断転貸といえるためには、転借人が目的物の全部または一部について独立の用益者たる地位を取得することが必要であると解する。 そうすると、建物の賃借人は土地の上に居住し、土地を事実上利用しているとはいえ、これは建物を占有することの反射的作用にすぎず、独立に土地を使用しているわけではない。 従って、借地上の建物の賃貸は土地の転貸にはあたらないと解する。
4
無断譲渡を理由に賃貸借契約を解除できるかが問題となる。 確かに、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ、賃借物を譲渡することができず、賃借人がこれに違反して第三者に賃借物を使用収益させたときは、賃貸人は賃貸借契約を解除できるのが原則である(612条)。 しかし、612条は賃貸借契約が当事者間の高度な人的信頼関係を基礎とする継続的法律関係であることに鑑み、賃借権の譲渡・転貸にあたって賃貸人の承諾を必要とすると同時に、無断で譲渡・転貸した場合には、通常、信頼関係を破壊する背信的行為があったものとして、賃貸人に解除権を与えたものと解される。 従って、無断譲渡・転貸の場合でも、賃貸人に対する背信的行為があったと認めるに足らない特段の事情があれば、612条2項の解除権は発生しないと解すべきである。
5
賃貸人が転借人に対して原賃貸借契約の解除を対抗するためには、転借人にも債務の履行を催告する必要があるかが問題となるが、特段の事情のない限り不要であると解する。 なぜなら、このように解さないと、原賃貸人の解除権が不当に制限されることになるからである。
6
不動産賃借権が163条の所有権以外の財産権に含まれるかが問題となる。 確かに、債権は通常、1回の行使で消滅するから継続する事実状態というものは考えられず、時効取得の対象にならないのが原則である。 しかし、不動産賃借権は、占有を伴う権利であり、又、今日物権に準じた効力を与えられているのだから、所有権以外の財産権として、時効取得を肯定すべきである。 この場合、取得時効の成立要件が問題となるが、地役権(283条)に準じて、①不動産の継続的な用益と、②その用益が賃借の意思に基づいていることが外形上認識できること、すなわち、賃料の支払又は供託があることを要すると解する。
7
一筆の土地の一部について時効取得が認められるかが問題となるが、肯定すべきである。 なぜなら、我が民法における取得時効は、占有だけを基礎としており、公示方法である登記とは無関係に認められているからである(162条)。