企業実体の種類としては法人としての一企業と統一的な意思の下に指揮命令されている企業集団があるが,一企業を細分化した単位は企業実体とはならない。✕
連結財務諸表は、企業実体の公準でいう法的実体に合致したものといえる。✕
減価償却は固定資産の原価配分手続であるが、その基礎にある費用配分の原則は、継続企業の公準を前提に導き出される。〇
継続企業の公準は、企業の解散や倒産を予定することなく事業を継続的に行っていくという前提であり、一定の会計期間を単位とした会計計算が行われる前提条件となる。〇
貨幣的測定の公準は、会計の計算は貨幣額を用いて行うという公準である。したがって、この公準のもとでは、それがいかに重要なものであるとしても貨幣額による測定が不可能な企業の経済事象が会計上認識されることはない。〇
企業実体の公準は、企業主とは区別された企業それ自体の存在を仮定する公準である。
したがって、この公準は、会計主体論として企業主体理論をとる場合の前提とされるものであって、この公準のもとで資本主理論は成立しないものといえる。✕
会計の主体を資本主、すなわち株主とみる理論を資本主理論という。この理論によれば、企業の積極財産たる資産と消極財産たる負債はすべて株主に帰属するものととらえられることから、「資産=負債+資本」という貸借対照表等式で表現される。✕
資本主理論によれば、利益は企業自体の利益であって、決定された配当額だけが資本主に帰属することになる。✕
現行制度上、債権者に対する支払利息が費用項目とされ、株主に対する支払配当金が利益分配項目とされている。これは、企業主体説に立脚していることの表れである。✕
株式会社を資金提供者から独立した主体ととらえ、株主と債権者をともに外部者として位置づけた場合、支払配当金と支払利息の性格は同一と考えることができる。〇
包括主義により利益を求める場合、商品の販売によるものであれ、固定資産の売却によるものであれ、また災害によるものであれ、結果として処分可能利益を増減させるものは、その計算に含めるべきことになる。〇
当期業績主義の利益は企業の短期的収益力を示すものであるのに対し、包括主義の利益は企業の長期的収益力を示すものであるといえる。〇
企業の成立から解散までの期間利益の合計は、全体利益に一致するという一致の原則に照らし妥当であるのは、当期業績主義である。✕
現行制度における損益計算書は基本的には包括主義損益計算書ではあるが、段階的に算定表示する利益の1つとして経常利益の算定表示を要求していることから、当期業績主義の利点をも有しているといえる。〇
多くの日本の企業は、損益計算書において、当期業績主義に基づく利益である経常利益を表示しているが、包括主義に基づく利益である包括利益を表示している企業もある。✕
現金主義会計によれば、掛取引が発達し、また、相当の固定設備や棚卸資産を常時保有する今日の継続企業においては、適正な期間損益計算を行うことができない。〇
財産法は、ある会計期間の期末純資産額から期首純資産額を差し引くことにより損益計算を行う計算方式であり、損益の原因分析による経営効率の判定のために有効であるという長所を有する。✕
損益法の基礎となる収益と費用は収益費用アプローチにおいて会計上の中心概念とされ,他方、純資産の計算要素である資産と負債は、資産負債アプローチにおいて会計上の中心概念とされている。〇
資産負債アプローチによれば、資産は換金性のある財産と定義され、負債は確定債務と定義される。✕
資産負債アプローチによれば、収益は資産の増加または負債の減少、費用は資産の減少または負債の増加に基づいて把握される。〇
資産負債アプローチにおける会計の主要課題は、利益の計算よりも企業の豊かさ(富)を示す純資産額の計算にある。〇
収益費用アプローチによれば、修繕引当金は負債として認められない。✕
名目資本維持概念と実体資本維持概念は貨幣資本維持の考え方に属する点で共通しているが、前者は貨幣の解買力の変動を無視するのに対して、後者は貨幣の購買力の変動を考慮し、維持すべき資本を物価指数によって修正する点で異なる。✕
物価変動がもたらす資産の増減変動額は、原則として売却時に損益として処理される。
これは、現行制度が名目資本維持概念を前提としているためである。〇
インフレーションを前提とした場合、名目資本維持を求める利益計算の結果と実質資本維持を求める利益計算の結果とを比較したとき、前者における売上総利益は後者における売上総利益よりも必ず小さくなる。✕
企業会計原則は、討議資料「財務会計の概念フレームワーク」の考え方に基づき演繹的に形成された原則である。✕
討議資料「財務会計の概念フレームワーク」は、既存の基礎的な前提や概念を要約しただけのものではないから、現行の会計基準の一部を説明できないものが含まれている。〇
概念フレームワークだけでは、個別の会計基準の具体的な内容を直接定めることはできない。〇
討議資料「財務会計の概念フレームワーク」では、公開企業を中心とする証券市場への情報開示が前提とされている。したがって,この概念フレームワークの下で開発された会計基準は,公開企業以外の企業の情報利用者にとって有用ではない。✕
証券市場において、証券の発行企業と投資者の間に情報の非対称性が存在する。投資者への情報提供が不十分である場合には、証券市場が機能しなくなる可能性がある。この問題は、財務会計の情報提供機能を通じて緩和される。〇
情報の非対称性は、証券の発行市場で問題となり、流通市場では問題とならない。✕
わが国の討議資料「財務会計の概念フレームワーク」によれば、財務報告の目的は、投資家の意思決定に資するディスクロージャー制度の一環として,投資のポジションとその成果を測定して開示することとされているため、財務会計の機能のうち、情報提供機能が重視されているといえる。〇
財務報告において提供される情報の中で、投資の成果を示す利益構報は基本的に過去の成果を表すので、企業価値評価の基礎となる将来キャッシュ・フローの予測には役立たない。✕
経営者は本来,投資家の保守的なリスク評価によって企業価値が損なわれないよう、自分の持つ私的な企業情報を自発的に開示する誘因を有している。〇
会計基準の役割は、経営者が開示する情報に虚偽情報が含まれないようにし、情報に一定の等質性を確保するために、最小限のルールを定めることである。〇
市場が効率的であれば、情報の非対称性を緩和するための会計情報や、その内容を規制する会計基準は不要になる。✕
会計情報は技術的な制約や環境制約のもとで作成されるものであり、会計情報だけで投資家からの要求のすべてに応えることはできない。〇
財務会計の情報提供機能の観点からは、情報の受け手は、株式や社債を現に保有している者であり,将来保有する可能性のある者ではない。✕
財務報告の役割は投資家に対する情報提供であるので、投資家が意思決定に利用しているといわれている企業価値を推定計算し、提供することが財務報告の目的である。✕
投資家の中には会計情報の分析能力に優れた者のほか、自らは十分な分析能力を持たず専門家の助けを必要とする者も含まれているため、討議資料「財務会計の概念フレームワーク」は、十分な分析能力を持たない投資家を情報の主要な受け手として想定している。✕
会計基準が遵守されることで、ディスクロージャー制度の当事者はそれぞれ便益を享受することになる。一般に、投資者は信頼できる情報を低いコストで入手できるという便益を得る。それにより投資者の要求する資本のコストが下がり、企業価値が高まれば、経営者も便益を得ることになる。〇
わが国の討議資料『財務会計の概念フレームワーク』においては、投資家の意思決定に資するディスクロージャー制度の一環として、投資のポジションとその成果を測定して開示することに財務報告の目的を見いだしている。したがって、『財務会計の概念フレームワーク』では財務会計の役割は情報提供機能に特化され、企業関係者間の利害を調整することまで期待されていない。✕
財務報告の目的を達成するにあたり、会計情報に求められる最も基本的な特性は、意思決定との関連性である。✕
内的整合性は、意思決定との関連性,信頼性とともに、会計情報が利用者の意思決定にとって有用であるか否かを直接判定する規準として機能する。✕
内的整合性と理解可能性の2つは、意思決定との関連性や信頼性が満たされているか否かを間接的に推定する際に利用される。そのため、討議資料「財務会計の概念フレームワーク」は、これら2つを階層全体を支える一般的制約となる特性として位置づけ、独立の特性として採り上げている。✕
会計情報が投資者の意思決定に貢献するか否かは、それが情報価値を有しているか否かに関わっている。新たな会計基準に基づく会計情報が情報価値を有しているか否かは不確かな場合も多い。そのケースでは、投資者による情報ニーズの存在が,情報価値を期待させることになる。〇
信頼性とは,中立性・検証可能性・重要性などに支えられ、会計情報が信頼に足る情報であることを指す。✕
会計情報の基本的な特性である意思決定有用性は、意思決定との関連性と信頼性の2つの下位の特性により支えられているが、意思決定有用性を高めるためには、この2つの下位特性を同時に高める必要はない。〇
意思決定との関連性と信頼性は同時に満たすことが可能な場合もあれば、両者の間にトレードオフが生じることもある。両特性間にトレードオフの関係がみられる場合は、意思決定との関連性の確保が信頼性の確保に優先される。✕
意思決定有用性を支える特性として、意思決定との関連性と信頼性があるが、信頼性は意思決定との関連性から完全に独立した特性といえる。✕
会計基準は、監査上の判断の基礎を提供する機能を果たし、監査人にも便益を与えることになるため、監査のコストを抑えることも会計基準を設定する目的とされる。✕
個別の会計基準が会計基準全体を支える基本的な考え方と矛盾しないとき、その個別基準は内的整合性を有するとされている。概念フレームワークは、現行の会計基準の基礎にある前提や概念を記述しているので、会計基準が概念フレームワークに準拠して設定されていれば、内的整合性は満たされる。✕
内的整合性は、現行基準の体系と矛盾しない個別基準を採用するよう要請するものであり、いわゆる首尾一貫性と同じ内容である。✕
会計情報の質的特性の1つである内的整合性は、現行基準の体系と矛盾しない個別基準を採用するよう要請するものであり、慣行の維持、継続を目的とするものである。✕
会計情報の比較を行う場合には、同一企業の会計情報を時系列で比較する場合と、同一時点の会計情報を企業間で比較する場合とがあるが、前者は継続性の原則の領域であり、後者は比較可能性の領域である。✕
会計情報が比較可能であるためには、同じ取引や事象には同じ会計処理が行われ、異なる取引や事象には異なる会計処理が行われなければならない。〇
比較可能性を確保する観点からは、2つの取引の法的形式が同じ場合。同一の会計処理を適用しなければならない。✕
討議資料「財務会計の概念フレームワーク」では、投資のポジションと成果を表すため、財務諸表の構成要素として、資産や負債、純資産,株主資本,包括利益,純利益、収益、費用、現金および現金同等物が定義されている。✕
財務諸表の構成要素の中には、他から独立しているものもあれば、他に従属しているものもある。討議資料「財務会計の概念フレームワーク」では,資産と負債に独立した定義を与え、そこから純資産と包括利益の定義を導いている。また、投資家の利用目的との整合性を考慮して、包括利益とは別に純利益に独立した定義を与え、純利益と関連させて収益と費用の定義を導いている。〇
財務報告の目的と財務諸表の役割に適合しないものは、たとえ構成要素の定義を充足しても,財務諸表の構成要素とはならない。〇
自己創設のれんの開示は、投資のポジションとその成果を測定し開示するという財務報告の目的に資するものである。その際、自己創設のれんは、過去の取引または事象の結果として報告主体が支配している経済的資源という要件を充足しているので,資産として表示される。✕
資産とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源をいうが、ここでいう支配とは、法的な所有権を有していることを指す。✕
経済的資源とは、キャッシュの獲得に貢献する便益の源泉をいい,実物財に限られる。✕
繰延資産は、費用収益対応の原則などの観点から認められる発生費用の繰延項目である。しかし、それを理由にして資産の定義からその資産性が否定されるわけではない。〇
負債とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源を放棄もしくは引き渡す義務、またはその同等物をいうが、ここでいう義務の同等物には、法律上の義務に準ずるものが含まれる。〇
概念フレームワークによれば、ヘッジ会計を適用した場合にヘッジ手段であるデリバティブを時価評価することにより認識された貸方評価差額は、原則として,負債となる。✕
法的な債務は負債の定義をたすが、推定的債務は負債の定義を充たさない✕
純資産は資産と負債から従属的にのみ導かれる概念である。〇
連結財務諸表における株主資本とは,純資産のうち報告主体の所有者である企業集団のすべての株主に帰属する部分をいう。✕
純資産のうち株主資本に属さないその他の部分は、すべて報告主体の所有者以外に帰属するものとされる。✕
純資産には、純利益を生み出すストックとしての意味づけがなされる。✕
純資産のうち、株主資本が特に定義づけられているのは、包括利益が情報として高い有用性を有していることを考慮して、包括利益を生み出す投資の正味ストックを財務諸表の構成要素として位置づけるためである。✕
わが国の討議資料『財務会計の観念フレームワーク』は、資産負債アプローチを重視しているため、当期純利益観念を排除して包括利益念を採用している。✕
わが国の討議資料『財務会計の概念フレームワーク』によれば、包括利益とは、特定期開の期末までに生じた純資産の変動額のうち、報告主体の所有者である株主、子会社の非支配株主、および将来それらになり得るオプションの所有者との直接的な取引によらない部分をいう。✕
わが国の討議資料『財務会計の概念フレームワーク』によれば、純利益は、収益から費用を控除した後、非支配株主に帰属する純利益を控除して求められる。〇
企業の投資の成果は、最終的には、投下した資金と回収した資金の差額にあたるネット・キャッシュフローであり、各期の利益の合計がその額に等しくなることが、利益の測定にとって基本的な制約になる。純利益はこの制約を満たすが、包括利益はこの制約を満たさない。✕
非支配株主に帰属する純利益のようにリスクから解放されていない投資の成果は、純利益から除かれる。✕
わが国の討議資料「財務会計の概念フレームワーク』によると、当期の包括利益の額から、当期のその他の包括利益の額を控除すれば、当期の純利益の額が計算される。✕
収益の認識に「実現」概念を用いる場合、算定される利益は純利益であるが,収益の認識に「投資のリスクからの解放」という概念を用いる場合、算定される利益は包括利益である。✕
わが国の討議資料「財務会計の概念フレームワーク』によれば、投資のリスクとは、投資の成果の不確実性をいい、投資の成果がリスクから解放されるというのは、投資にあたって期待された成果が事実として確定することをいう〇
売買目的有価証券については、経営者の事前の期待は証券価格の上昇にある。したがって,市場価格が上昇した時点で投資のリスクから解放されたと判断され、収益の計上が認められる。〇
棚卸資産を、当該棚卸資産と別の事業にかかわる固定資産と交換に引き渡した場合には、事業のリスクに拘束されない資産を獲得したとはいえない。したがって,投資のリスクから解放されたとは判断されず,収益の計上は認められない。✕
実現可能な成果を、現金またはその同等物への転換が容易である成果(あるいは容易になった成果)と意味づけた場合、実現可能な成果とリスクから解放された投資の成果は同一の内容となる。✕
リサイクリングとは、その他の包括利益に計上した後に,包括利益に組替調整する会計処理をいう。✕
その他の包括利益に含まれている項目は、わが国の討議資料「財務会計の概念フレームワーク」において定義されている収益や費用に該当する。✕
概念フレームワークでは、費用の認識に際して,投資のリスクからの解放は要求されていない。✕
収益の計上には、必ず同時に資産の増加や負債の減少を伴う。✕
討議資料「財務会計の概念フレームワーク」は、利益を増加させる要素を収益と利得に分け、利益を減少させる要素を費用と損失に分ける考え方を採用している。✕
わが国の討議資料「財務会計の概念フレームワーク」によれば、財務諸表における認識とは、収益・費用を把握し,特定の期間に記録することと定義されている。✕
資産の定義を充足した各種項目の認識は、基礎となる契約の少なくとも一方の履行を契機とするため、双方が未履行の段階にとどまるものを財務諸表上で認識することは認められない。✕
わが国の討議資料『財務会計の概念フレームワーク』によれば、貸借対照表上で資産または負債を認識するには、蓋然性が求められる。しかし、資産または負債を認識するかどうかの蓋然性に関する判断は、必ずしも対称的になされるわけではない。〇
財務報告の目的を達成するためには、資産と負債の測定値をいわゆる原価なり時価なりで統一することが有用と考えられることから,討議資料「財務会計の概念フレームワーク」では、市場価格や利用価値をすべてのケースにおいて優先的に適用すべき測定値と位置づけ、原始取得原価や未償却原価を市場価格などによる測定が困難な場合に限って適用が許容される測定値として位置づけている。✕
毎期一定額の利息収入が予定されている貸付金を当初の貸付額で測定した場合、これは取得原価,割引価値,入金予定額などとして意味づけることができる。〇
わが国の討議資料「財務会計の概念フレームワーク」によれば、過去に消費された労働サービスに見合って計上される退職給付引当金は、投資の成果を計算した結果として測定値が付されており、負債の測定値として独立した意味を持たない。〇
原始取得原価の一部を費用に配分した結果の資産の残高は、未償却原価と呼ばれる。
この未償却原価は、取得原価の範疇に含まれない✕
未償却原価による測定値は、継続利用している資産のその時点における資産価値を表す。✕
購買市場と売却市場とが区別されない場合の市場価格とは、購買市場と売却市場とが区別されない場合において、流通市場で成立している価格をいうが、この測定値が意味を持つ典型例は、収益性が低下している商品である。✕
再調達原価は、保有する資産を測定時点で改めて調達するのに必要な資金の額を表す。〇
正味実現可能価額とは、購買市場と売却市場とが区別される場合において,売却市場で成立している価格から見積販売経費および正常利益を差し引いたものをいう。✕
正味実現可能価額の変動額は、資産の調達時期を遅らせていたならば生じたはずの損益として意味づけられている。✕
企業実体の種類としては法人としての一企業と統一的な意思の下に指揮命令されている企業集団があるが,一企業を細分化した単位は企業実体とはならない。✕
連結財務諸表は、企業実体の公準でいう法的実体に合致したものといえる。✕
減価償却は固定資産の原価配分手続であるが、その基礎にある費用配分の原則は、継続企業の公準を前提に導き出される。〇
継続企業の公準は、企業の解散や倒産を予定することなく事業を継続的に行っていくという前提であり、一定の会計期間を単位とした会計計算が行われる前提条件となる。〇
貨幣的測定の公準は、会計の計算は貨幣額を用いて行うという公準である。したがって、この公準のもとでは、それがいかに重要なものであるとしても貨幣額による測定が不可能な企業の経済事象が会計上認識されることはない。〇
企業実体の公準は、企業主とは区別された企業それ自体の存在を仮定する公準である。
したがって、この公準は、会計主体論として企業主体理論をとる場合の前提とされるものであって、この公準のもとで資本主理論は成立しないものといえる。✕
会計の主体を資本主、すなわち株主とみる理論を資本主理論という。この理論によれば、企業の積極財産たる資産と消極財産たる負債はすべて株主に帰属するものととらえられることから、「資産=負債+資本」という貸借対照表等式で表現される。✕
資本主理論によれば、利益は企業自体の利益であって、決定された配当額だけが資本主に帰属することになる。✕
現行制度上、債権者に対する支払利息が費用項目とされ、株主に対する支払配当金が利益分配項目とされている。これは、企業主体説に立脚していることの表れである。✕
株式会社を資金提供者から独立した主体ととらえ、株主と債権者をともに外部者として位置づけた場合、支払配当金と支払利息の性格は同一と考えることができる。〇
包括主義により利益を求める場合、商品の販売によるものであれ、固定資産の売却によるものであれ、また災害によるものであれ、結果として処分可能利益を増減させるものは、その計算に含めるべきことになる。〇
当期業績主義の利益は企業の短期的収益力を示すものであるのに対し、包括主義の利益は企業の長期的収益力を示すものであるといえる。〇
企業の成立から解散までの期間利益の合計は、全体利益に一致するという一致の原則に照らし妥当であるのは、当期業績主義である。✕
現行制度における損益計算書は基本的には包括主義損益計算書ではあるが、段階的に算定表示する利益の1つとして経常利益の算定表示を要求していることから、当期業績主義の利点をも有しているといえる。〇
多くの日本の企業は、損益計算書において、当期業績主義に基づく利益である経常利益を表示しているが、包括主義に基づく利益である包括利益を表示している企業もある。✕
現金主義会計によれば、掛取引が発達し、また、相当の固定設備や棚卸資産を常時保有する今日の継続企業においては、適正な期間損益計算を行うことができない。〇
財産法は、ある会計期間の期末純資産額から期首純資産額を差し引くことにより損益計算を行う計算方式であり、損益の原因分析による経営効率の判定のために有効であるという長所を有する。✕
損益法の基礎となる収益と費用は収益費用アプローチにおいて会計上の中心概念とされ,他方、純資産の計算要素である資産と負債は、資産負債アプローチにおいて会計上の中心概念とされている。〇
資産負債アプローチによれば、資産は換金性のある財産と定義され、負債は確定債務と定義される。✕
資産負債アプローチによれば、収益は資産の増加または負債の減少、費用は資産の減少または負債の増加に基づいて把握される。〇
資産負債アプローチにおける会計の主要課題は、利益の計算よりも企業の豊かさ(富)を示す純資産額の計算にある。〇
収益費用アプローチによれば、修繕引当金は負債として認められない。✕
名目資本維持概念と実体資本維持概念は貨幣資本維持の考え方に属する点で共通しているが、前者は貨幣の解買力の変動を無視するのに対して、後者は貨幣の購買力の変動を考慮し、維持すべき資本を物価指数によって修正する点で異なる。✕
物価変動がもたらす資産の増減変動額は、原則として売却時に損益として処理される。
これは、現行制度が名目資本維持概念を前提としているためである。〇
インフレーションを前提とした場合、名目資本維持を求める利益計算の結果と実質資本維持を求める利益計算の結果とを比較したとき、前者における売上総利益は後者における売上総利益よりも必ず小さくなる。✕
企業会計原則は、討議資料「財務会計の概念フレームワーク」の考え方に基づき演繹的に形成された原則である。✕
討議資料「財務会計の概念フレームワーク」は、既存の基礎的な前提や概念を要約しただけのものではないから、現行の会計基準の一部を説明できないものが含まれている。〇
概念フレームワークだけでは、個別の会計基準の具体的な内容を直接定めることはできない。〇
討議資料「財務会計の概念フレームワーク」では、公開企業を中心とする証券市場への情報開示が前提とされている。したがって,この概念フレームワークの下で開発された会計基準は,公開企業以外の企業の情報利用者にとって有用ではない。✕
証券市場において、証券の発行企業と投資者の間に情報の非対称性が存在する。投資者への情報提供が不十分である場合には、証券市場が機能しなくなる可能性がある。この問題は、財務会計の情報提供機能を通じて緩和される。〇
情報の非対称性は、証券の発行市場で問題となり、流通市場では問題とならない。✕
わが国の討議資料「財務会計の概念フレームワーク」によれば、財務報告の目的は、投資家の意思決定に資するディスクロージャー制度の一環として,投資のポジションとその成果を測定して開示することとされているため、財務会計の機能のうち、情報提供機能が重視されているといえる。〇
財務報告において提供される情報の中で、投資の成果を示す利益構報は基本的に過去の成果を表すので、企業価値評価の基礎となる将来キャッシュ・フローの予測には役立たない。✕
経営者は本来,投資家の保守的なリスク評価によって企業価値が損なわれないよう、自分の持つ私的な企業情報を自発的に開示する誘因を有している。〇
会計基準の役割は、経営者が開示する情報に虚偽情報が含まれないようにし、情報に一定の等質性を確保するために、最小限のルールを定めることである。〇
市場が効率的であれば、情報の非対称性を緩和するための会計情報や、その内容を規制する会計基準は不要になる。✕
会計情報は技術的な制約や環境制約のもとで作成されるものであり、会計情報だけで投資家からの要求のすべてに応えることはできない。〇
財務会計の情報提供機能の観点からは、情報の受け手は、株式や社債を現に保有している者であり,将来保有する可能性のある者ではない。✕
財務報告の役割は投資家に対する情報提供であるので、投資家が意思決定に利用しているといわれている企業価値を推定計算し、提供することが財務報告の目的である。✕
投資家の中には会計情報の分析能力に優れた者のほか、自らは十分な分析能力を持たず専門家の助けを必要とする者も含まれているため、討議資料「財務会計の概念フレームワーク」は、十分な分析能力を持たない投資家を情報の主要な受け手として想定している。✕
会計基準が遵守されることで、ディスクロージャー制度の当事者はそれぞれ便益を享受することになる。一般に、投資者は信頼できる情報を低いコストで入手できるという便益を得る。それにより投資者の要求する資本のコストが下がり、企業価値が高まれば、経営者も便益を得ることになる。〇
わが国の討議資料『財務会計の概念フレームワーク』においては、投資家の意思決定に資するディスクロージャー制度の一環として、投資のポジションとその成果を測定して開示することに財務報告の目的を見いだしている。したがって、『財務会計の概念フレームワーク』では財務会計の役割は情報提供機能に特化され、企業関係者間の利害を調整することまで期待されていない。✕
財務報告の目的を達成するにあたり、会計情報に求められる最も基本的な特性は、意思決定との関連性である。✕
内的整合性は、意思決定との関連性,信頼性とともに、会計情報が利用者の意思決定にとって有用であるか否かを直接判定する規準として機能する。✕
内的整合性と理解可能性の2つは、意思決定との関連性や信頼性が満たされているか否かを間接的に推定する際に利用される。そのため、討議資料「財務会計の概念フレームワーク」は、これら2つを階層全体を支える一般的制約となる特性として位置づけ、独立の特性として採り上げている。✕
会計情報が投資者の意思決定に貢献するか否かは、それが情報価値を有しているか否かに関わっている。新たな会計基準に基づく会計情報が情報価値を有しているか否かは不確かな場合も多い。そのケースでは、投資者による情報ニーズの存在が,情報価値を期待させることになる。〇
信頼性とは,中立性・検証可能性・重要性などに支えられ、会計情報が信頼に足る情報であることを指す。✕
会計情報の基本的な特性である意思決定有用性は、意思決定との関連性と信頼性の2つの下位の特性により支えられているが、意思決定有用性を高めるためには、この2つの下位特性を同時に高める必要はない。〇
意思決定との関連性と信頼性は同時に満たすことが可能な場合もあれば、両者の間にトレードオフが生じることもある。両特性間にトレードオフの関係がみられる場合は、意思決定との関連性の確保が信頼性の確保に優先される。✕
意思決定有用性を支える特性として、意思決定との関連性と信頼性があるが、信頼性は意思決定との関連性から完全に独立した特性といえる。✕
会計基準は、監査上の判断の基礎を提供する機能を果たし、監査人にも便益を与えることになるため、監査のコストを抑えることも会計基準を設定する目的とされる。✕
個別の会計基準が会計基準全体を支える基本的な考え方と矛盾しないとき、その個別基準は内的整合性を有するとされている。概念フレームワークは、現行の会計基準の基礎にある前提や概念を記述しているので、会計基準が概念フレームワークに準拠して設定されていれば、内的整合性は満たされる。✕
内的整合性は、現行基準の体系と矛盾しない個別基準を採用するよう要請するものであり、いわゆる首尾一貫性と同じ内容である。✕
会計情報の質的特性の1つである内的整合性は、現行基準の体系と矛盾しない個別基準を採用するよう要請するものであり、慣行の維持、継続を目的とするものである。✕
会計情報の比較を行う場合には、同一企業の会計情報を時系列で比較する場合と、同一時点の会計情報を企業間で比較する場合とがあるが、前者は継続性の原則の領域であり、後者は比較可能性の領域である。✕
会計情報が比較可能であるためには、同じ取引や事象には同じ会計処理が行われ、異なる取引や事象には異なる会計処理が行われなければならない。〇
比較可能性を確保する観点からは、2つの取引の法的形式が同じ場合。同一の会計処理を適用しなければならない。✕
討議資料「財務会計の概念フレームワーク」では、投資のポジションと成果を表すため、財務諸表の構成要素として、資産や負債、純資産,株主資本,包括利益,純利益、収益、費用、現金および現金同等物が定義されている。✕
財務諸表の構成要素の中には、他から独立しているものもあれば、他に従属しているものもある。討議資料「財務会計の概念フレームワーク」では,資産と負債に独立した定義を与え、そこから純資産と包括利益の定義を導いている。また、投資家の利用目的との整合性を考慮して、包括利益とは別に純利益に独立した定義を与え、純利益と関連させて収益と費用の定義を導いている。〇
財務報告の目的と財務諸表の役割に適合しないものは、たとえ構成要素の定義を充足しても,財務諸表の構成要素とはならない。〇
自己創設のれんの開示は、投資のポジションとその成果を測定し開示するという財務報告の目的に資するものである。その際、自己創設のれんは、過去の取引または事象の結果として報告主体が支配している経済的資源という要件を充足しているので,資産として表示される。✕
資産とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源をいうが、ここでいう支配とは、法的な所有権を有していることを指す。✕
経済的資源とは、キャッシュの獲得に貢献する便益の源泉をいい,実物財に限られる。✕
繰延資産は、費用収益対応の原則などの観点から認められる発生費用の繰延項目である。しかし、それを理由にして資産の定義からその資産性が否定されるわけではない。〇
負債とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源を放棄もしくは引き渡す義務、またはその同等物をいうが、ここでいう義務の同等物には、法律上の義務に準ずるものが含まれる。〇
概念フレームワークによれば、ヘッジ会計を適用した場合にヘッジ手段であるデリバティブを時価評価することにより認識された貸方評価差額は、原則として,負債となる。✕
法的な債務は負債の定義をたすが、推定的債務は負債の定義を充たさない✕
純資産は資産と負債から従属的にのみ導かれる概念である。〇
連結財務諸表における株主資本とは,純資産のうち報告主体の所有者である企業集団のすべての株主に帰属する部分をいう。✕
純資産のうち株主資本に属さないその他の部分は、すべて報告主体の所有者以外に帰属するものとされる。✕
純資産には、純利益を生み出すストックとしての意味づけがなされる。✕
純資産のうち、株主資本が特に定義づけられているのは、包括利益が情報として高い有用性を有していることを考慮して、包括利益を生み出す投資の正味ストックを財務諸表の構成要素として位置づけるためである。✕
わが国の討議資料『財務会計の観念フレームワーク』は、資産負債アプローチを重視しているため、当期純利益観念を排除して包括利益念を採用している。✕
わが国の討議資料『財務会計の概念フレームワーク』によれば、包括利益とは、特定期開の期末までに生じた純資産の変動額のうち、報告主体の所有者である株主、子会社の非支配株主、および将来それらになり得るオプションの所有者との直接的な取引によらない部分をいう。✕
わが国の討議資料『財務会計の概念フレームワーク』によれば、純利益は、収益から費用を控除した後、非支配株主に帰属する純利益を控除して求められる。〇
企業の投資の成果は、最終的には、投下した資金と回収した資金の差額にあたるネット・キャッシュフローであり、各期の利益の合計がその額に等しくなることが、利益の測定にとって基本的な制約になる。純利益はこの制約を満たすが、包括利益はこの制約を満たさない。✕
非支配株主に帰属する純利益のようにリスクから解放されていない投資の成果は、純利益から除かれる。✕
わが国の討議資料「財務会計の概念フレームワーク』によると、当期の包括利益の額から、当期のその他の包括利益の額を控除すれば、当期の純利益の額が計算される。✕
収益の認識に「実現」概念を用いる場合、算定される利益は純利益であるが,収益の認識に「投資のリスクからの解放」という概念を用いる場合、算定される利益は包括利益である。✕
わが国の討議資料「財務会計の概念フレームワーク』によれば、投資のリスクとは、投資の成果の不確実性をいい、投資の成果がリスクから解放されるというのは、投資にあたって期待された成果が事実として確定することをいう〇
売買目的有価証券については、経営者の事前の期待は証券価格の上昇にある。したがって,市場価格が上昇した時点で投資のリスクから解放されたと判断され、収益の計上が認められる。〇
棚卸資産を、当該棚卸資産と別の事業にかかわる固定資産と交換に引き渡した場合には、事業のリスクに拘束されない資産を獲得したとはいえない。したがって,投資のリスクから解放されたとは判断されず,収益の計上は認められない。✕
実現可能な成果を、現金またはその同等物への転換が容易である成果(あるいは容易になった成果)と意味づけた場合、実現可能な成果とリスクから解放された投資の成果は同一の内容となる。✕
リサイクリングとは、その他の包括利益に計上した後に,包括利益に組替調整する会計処理をいう。✕
その他の包括利益に含まれている項目は、わが国の討議資料「財務会計の概念フレームワーク」において定義されている収益や費用に該当する。✕
概念フレームワークでは、費用の認識に際して,投資のリスクからの解放は要求されていない。✕
収益の計上には、必ず同時に資産の増加や負債の減少を伴う。✕
討議資料「財務会計の概念フレームワーク」は、利益を増加させる要素を収益と利得に分け、利益を減少させる要素を費用と損失に分ける考え方を採用している。✕
わが国の討議資料「財務会計の概念フレームワーク」によれば、財務諸表における認識とは、収益・費用を把握し,特定の期間に記録することと定義されている。✕
資産の定義を充足した各種項目の認識は、基礎となる契約の少なくとも一方の履行を契機とするため、双方が未履行の段階にとどまるものを財務諸表上で認識することは認められない。✕
わが国の討議資料『財務会計の概念フレームワーク』によれば、貸借対照表上で資産または負債を認識するには、蓋然性が求められる。しかし、資産または負債を認識するかどうかの蓋然性に関する判断は、必ずしも対称的になされるわけではない。〇
財務報告の目的を達成するためには、資産と負債の測定値をいわゆる原価なり時価なりで統一することが有用と考えられることから,討議資料「財務会計の概念フレームワーク」では、市場価格や利用価値をすべてのケースにおいて優先的に適用すべき測定値と位置づけ、原始取得原価や未償却原価を市場価格などによる測定が困難な場合に限って適用が許容される測定値として位置づけている。✕
毎期一定額の利息収入が予定されている貸付金を当初の貸付額で測定した場合、これは取得原価,割引価値,入金予定額などとして意味づけることができる。〇
わが国の討議資料「財務会計の概念フレームワーク」によれば、過去に消費された労働サービスに見合って計上される退職給付引当金は、投資の成果を計算した結果として測定値が付されており、負債の測定値として独立した意味を持たない。〇
原始取得原価の一部を費用に配分した結果の資産の残高は、未償却原価と呼ばれる。
この未償却原価は、取得原価の範疇に含まれない✕
未償却原価による測定値は、継続利用している資産のその時点における資産価値を表す。✕
購買市場と売却市場とが区別されない場合の市場価格とは、購買市場と売却市場とが区別されない場合において、流通市場で成立している価格をいうが、この測定値が意味を持つ典型例は、収益性が低下している商品である。✕
再調達原価は、保有する資産を測定時点で改めて調達するのに必要な資金の額を表す。〇
正味実現可能価額とは、購買市場と売却市場とが区別される場合において,売却市場で成立している価格から見積販売経費および正常利益を差し引いたものをいう。✕
正味実現可能価額の変動額は、資産の調達時期を遅らせていたならば生じたはずの損益として意味づけられている。✕