【刑訴法】復元問題一問一答(上巻)②

【刑訴法】復元問題一問一答(上巻)②
100問 • 2年前
  • 山本卓弥
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    問題一覧

  • 1

    被害者が未成年者である場合、その親権者である父母等は、 法定代理人として、被害者の明示した意思に反しても告訴をすることができる。

  • 2

    未成年者が被害を受けた場合、その者の告訴期間が経過し、 告訴権が消滅したときには、当然に法定代理人の告訴権も消滅 する。

  • 3

    被害者が成年被後見人である場合、 当該被害者の後見人は独立して告訴をすることができる。

  • 4

    被害者の法定代理人は独立して告訴をすることができるとこ ろ、ここにいう「法定代理人」とは、未成年者の親権者及び後 見人のほか、未成年者を事実上監護している者や、法律上代理権が認められている財産管理人及び破産管財人が含まれる。

  • 5

    株式会社の破産管財人が、 破産手続開始前から恒常的に会社 資金を私的に費消していた代表取締役を業務上横領罪で告訴又は告発したい旨申し立てた場合、 告訴を受理するのが妥当である。

  • 6

    被害者が養子縁組をした未成年者である場合、 当該被害者の養親は独立して告訴をすることができる。

  • 7

    離婚した未成年の娘が被害者である場合、 娘の母親の親権は 離婚によって復活するので、 母親は、本人の意思にかかわらず独立して告訴をすることができる。

  • 8

    告訴権を有する法定代理人とは、親権者及び後見人をいうと ころ、認知した未成年の子の父親の場合、事実上親権を行使していても、子の母親との協議等により、 父親を親権者として定めない限り、子の法定代理人として、独立して告訴をすることはできない。

  • 9

    被害者の法定代理人は、独立して告訴することができるところ、法定代理人たる地位は、告訴当時に有していればよく、 告訴後にその地位を失ったとしても、 当該告訴は有効である。

  • 10

    未成年のときに被害に遭った者が成年に達した後、その実母が告訴をしてきた。 この場合、 被害者は既に成年に達しているので、実母に告訴権はない。

  • 11

    小学生A子の母親B女は、A子が3か月前に甲からわいせつ 行為を受けていたことを知り、自らの意思で甲を強制わいせつ 罪で告訴したが、 B女は、 告訴の1か月前に、 夫をA子の親権 者として協議離婚し、 通学の便宜上、 A子を事実上養育していた。 この場合、B女の告訴は有効である。

  • 12

    被害者の法定代理人は、 独立して告訴をすることができると ころ、ここにいう法定代理人とは親権者及び後見人をいい、 被 害者が外国人である場合には、原則として当該国の親権者等について規定した法律に基づき、 告訴権者が定まる。

  • 13

    未成年者の親権を有する父母は、法定代理人として独立して告訴をすることができるが、 未成年者である被害者が告訴をせずに死亡した場合には、被害者の明示した意思に反して告訴をすることはできない。

  • 14

    被害者が告訴をしないで死亡した場合には、死亡した被害者の配偶者、直系の親族、兄弟姉妹は、被害者の明示した意思に 反しない限り告訴をすることができるところ、死亡後に身分関係に変動が生じた場合には、 告訴をすることはできない。

  • 15

    被害者が告訴をせずに死亡した場合、 その配偶者等は、被害 者の明示した意思に反しない限り告訴をすることができるとこ ろ、被害者の意思を明示する方法や相手方には制限がないので、 文書であると口頭であるとを問わず、 日記帳の記載のように相手方のない場合であってもよい。

  • 16

    被害者の法定代理人が被疑者である場合、当該被害者の親族 は独立して告訴をすることができる。

  • 17

    親告罪につき告訴をすることができる者がない場合、 検察官は、利害関係人の申立てにより告訴をすることができる者を指 定することができるところ、この利害関係人は、告訴につき事 実上の利害関係を有する者であれば足り、 被害者の内縁の夫や妻、告訴権のない親族、 婚約者、 雇用主、 債権者などでもよい。

  • 18

    検察官は、告訴をすることができる者がいないときは、利害 関係人の申立てにより、 告訴権者を指定することができるとこ ろ、利害関係人が全くいない場合には、事件担当検察官は、自ら裁判所の許可を得て、 告訴権者となることができる。

  • 19

    告訴とは、告訴権を有する者が捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示である。

  • 20

    告訴において、犯罪事実の申告があれば、 罪名の申告までは 不要であり、また、その内容は他の犯罪と区別される程度で十分であって、犯罪の日時、態様等の詳細まで申告する必要はない。

  • 21

    告訴は、犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思が表示さ れていれば、必ずしも犯人の氏名を指定して申告する必要はない。

  • 22

    告訴は、犯罪事実が特定され、犯人の処罰を求める意思表示 が認められれば足り、犯人を誤認している場合や被疑者不詳の ままなされた場合であっても、告訴として有効である。

  • 23

    告訴状を受理して捜査したところ、真犯人は被告訴人でなく 別人であることが判明した後に送致 (付) 書を送ることになっ た場合、送致 (付) 書には真犯人の名前だけ記載して送致 (付) すればよい。

  • 24

    書面による告訴に関し、 文面に 「告訴はしません。」 という文言があったとしても、文章全体から、犯人の処罰を求める意思をくみ取ることができれば、 有効な告訴といえる。

  • 25

    告訴は、「告訴状」という表記のある書面であれば、その内 容が説論を求める内容であるなど、 処罰を求めない内容でも有効である。

  • 26

    告訴は、犯人の処罰を求める意思表示を意味するから、この 意思表示がない被害届や捜査機関に対する被害の供述は、被害の申告にすぎず、 告訴には当たらない。

  • 27

    告訴権者は、いかなる場合においても、犯罪事実について、 日時・場所・態様等の詳細にわたる記載をした告訴状を提出し なければならない。

  • 28

    告訴は、捜査機関に対し犯罪事実を申告して行うところ、当 該犯罪が親告罪か非親告罪であるかを問わず、書面又は口頭で しなければならない。

  • 29

    電話による告訴は、対応した司法警察員が、 電話聴取書の形 式・内容を工夫して、告訴人を特定できたとしても、直ちに有効な告訴とはいえない。

  • 30

    告訴とその取消しは、代理人によってもすることができると ころ、ここにいう代理とは、告訴権者によって決定された告訴 意思を代理人が単純に伝達して表示するだけの表示代理に限ら ず 代理人が告訴意思を決定して告訴するいわゆる意思代理を も含むものである。

  • 31

    告訴は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員に対して行わ れるところ、口頭により行われたときは、 検察官又は司法警察員は告訴調書を作成しなければならない。

  • 32

    告訴は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員に対して行わ なければならないとされており、 司法巡査は、告訴を受理する 権限がないだけでなく、 告訴調書を作成する権限も有しない。

  • 33

    告訴権者から告訴がなされても、既に被告訴人が死亡し、そ の者以外に犯人がいないことが明らかな場合には、当該告訴を受理する必要はない。

  • 34

    被害者以外の告訴権者から告訴を受理する場合には、告訴権 を有することを証する戸籍謄本等の書類を提出させなければならない。

  • 35

    示談が成立した場合には告訴を取り下げる、といった条件付きの告訴を受理することはできない。

  • 36

    司法警察員は、告訴があったときは、告訴に関する事件が管 轄区域外で発生したものであっても、 また、 告訴人が他県に居住している場合であっても、これを受理しなければならない。

  • 37

    告訴は、一定の告訴権者に認められた公法上の権利行使であ るが、 捜査機関にとっては捜査の端緒にすぎず、 適法な告訴を 端緒として犯罪を認識し、その告訴を受理した場合であっても、 捜査機関には捜査するか否かを判断する裁量権がある。

  • 38

    検察官は、告訴のあった事件を不起訴処分にした場合、 告訴 人からの請求があれば、その告訴が訴訟条件であるか否かを問 わず、速やかに告訴人にその理由を告知しなければならないが、 この場合、当該告訴に係る事件の不起訴裁定の主文を告知する だけで足り、不起訴処分にした理由などに及ぶ必要はない。

  • 39

    親告罪における告訴は訴訟条件であるから、 検察官は、有効 な告訴がなければ公訴を提起することができず、 また、告訴が ないまま起訴すれば、訴訟条件を欠くものとして、公訴棄却の 判決により、 訴訟を打ち切ることとなる。

  • 40

    親告罪については、告訴権者による告訴が訴訟条件となって いるが、捜査機関はその事件に係る告訴がいまだなされていな い場合においても、 任意捜査、 強制捜査のいかんにかかわらず、 事件の捜査に着手することができる。

  • 41

    警察官が親告罪の犯行を現認した場合において、犯行現場に いる被害者の告訴意思が不明であったとしても、犯人の身柄確保が必要な場合には、当該親告罪の犯人を現行犯逮捕すること ができる。

  • 42

    親告罪の告訴は、原則として、犯人を知った日から6か月を 経過したときは、これをすることができない。

  • 43

    親告罪の告訴期間は、 「犯人を知った日」が起算日となるが、 その場合、初日を導入せず、末日が日曜・祝祭日等の休日であれば、その翌日が末日となる。

  • 44

    傷害事件の被害者Aが、 示談がこじれ、 告訴をするために警 察署を訪ねてきたので、事情聴取を行ったところ、Aが犯人を 知ってから6か月を経過していることが判明したとしても、こ の告訴を受理することができる。

  • 45

    A女は、顔見知りの甲から強制性交等の被害を受けたが、表沙 汰にしたくなかったことから警察に届け出ないでいた。犯行から7か月経った後、甲が乙に唆されて犯行に及んだ事実を知ったA女は、乙を告訴することができる。

  • 46

    親告罪の告訴権者が、 共犯事件における犯人の1人を知って から6か月経過したとしても、他の共犯者を知らなければ、この者につき「犯人を知った」 とはいえず、当該他の共犯者を告訴することができる。

  • 47

    Aは、甲に店の窓ガラスを割られたが、甲が店の常連である ことから表沙汰にしたくないと思い、告訴せずにいたところ、 8か月経過した時点で、 甲が乙から唆されて窓ガラスを割った ことを知った場合、既に告訴権を失っているから、乙を告訴することはできない。

  • 48

    親告罪における告訴期間は、原則として「犯人を知った日」か ら6か月であるところ、犯罪の継続中に告訴権者が犯人を知った場合には、犯罪行為終了日がその起算日となる。

  • 49

    ネット掲示板で自己の名誉を毀損されたAは、犯人甲を特定 して抗議し、当該記事の削除を条件に告訴を思い止まったところ、1年後になっても当該記事が削除されていなかったため、A 「は甲を名誉毀損罪で告訴する旨、 司法警察員に申し出た。 当該 告訴は、 親告罪に関する告訴期間の制限に違反し、無効である。

  • 50

    親告罪の告訴期間について、即成犯の場合でも、それが同一の意思の下で同一の機会に連続して行われ、告訴権者が最終の 行為終了前に犯人を知っていたときには、 最終の行為終了日が 起算日となる。

  • 51

    法定代理人には告訴権が認められているところ、 被害者が行った告訴を法定代理人が取り消すことはできないが、 法定代理人 が行った告訴を被害者が取り消すことはできる。

  • 52

    告訴とその取消しについては、 代理人によってもすることが できるところ、告訴することの委任を受けた代理人は、その取 消しについても併せて委任を受けたものとみなされる。

  • 53

    親告罪において、告訴をした者が告訴の取消しを申し立てた 場合は、公訴提起前であれば、 既に検察官に送付された後で あっても、司法警察員はこれを受理し、 必要な書類を検察官に 追送しなければならない。

  • 54

    捜査は、本質的に公訴の準備活動として行われるものである から、親告罪について、 全ての告訴権者が告訴を取り消した場 合、捜査機関は当該捜査を中止し、 作成した関係書類等を検察 官に送付しなければならない。

  • 55

    告訴権者が犯人との間で告訴しない旨を内容とする示談を 行い、更に警察官に対して告訴をしない旨を伝えた後に、翻意 して告訴状を提出した場合であっても、当該告訴は有効である。

  • 56

    非親告罪に関する告訴は、公訴提起の前後を問わず、いつで も取り消すことができ、 再告訴をすることもできる。

  • 57

    暴行罪について告訴がなされたが、それを取り下げた後に再度告訴がなされた場合、 再告訴は認められないので、これを受理することはできない。

  • 58

    告訴の客観的不可分の原則とは、1個の犯罪事実の一部につ いて告訴又はその取消しがあった場合には、当該犯罪事実の全部について、 その効力が生ずることをいう。

  • 59

    Aは、近くに住む甥の甲が、 自宅から100万円を窃取したことを知り告訴したが、 その後Aはこの告訴を一旦取り下げた。 しかし、調べたところ、同一の機会に有価証券(株券)も盗ま れていたことが分かった場合、 有価証券窃盗の犯人として甲を 再告訴することができる。

  • 60

    1通の文書で複数人の名誉を同時に毀損するなど、被害者を 異にする2個以上の親告罪が科刑上一罪に当たる場合、被害者 この1人がした告訴の効力は、客観的不可分の原則により、告訴 していない他の被害者に関する部分にまで及ぶ。

  • 61

    科刑上一罪を構成する各罪の被害者は同一であるが、 各罪の 一部が親告罪で他が非親告罪である場合に、 非親告罪の部分に 限定してなされた告訴の効力は、 親告罪の部分にも及ぶ。

  • 62

    告訴の客観的不可分の原則として、 親告罪については、共犯 者の1人に対する告訴又はその取消しの効力は他の共犯者にも 及ぶものとされ、 これは、告発が訴訟条件となっている場合に も準用されている。

  • 63

    いわゆる絶対的親告罪においては、共犯者の1人について告 訴又はその取消しがあった場合、 その効力は、原則として他の 共犯者にも及ぶ。

  • 64

    甲と乙は、共謀のうえ、 未成年者であるA女を誘拐した。 A 女は解放された後、 甲のみを告訴し、 乙は告訴しない旨の告訴 状を提出したが、 この場合、 A 女のした告訴の効力は乙に対し ても及ぶ。

  • 65

    告訴の主観的不可分の原則は、 親族相盗例に当たるときなど の相対的親告罪については、原則として適用されないが、 数人 この身分関係のある者が共犯である場合には、身分者相互間にお いて、主観的不可分の原則がそのまま適用される。

  • 66

    親告罪について公訴が提起された場合、 共犯者のうち誰が起 訴されているかを問わず、いまだ起訴されていない他の共犯者 に対する告訴を取り消すことはできない。

  • 67

    告発は、犯罪があったと思料するときは何人でもすることが できるので、犯罪と直接関係のない第三者が申告するという点 において、告訴及び自首とは異なる。

  • 68

    犯罪があると思料するときは、何人でも告発をすることがで きる。 告発の主体は、 自然人に限られず、公私の法人であって も、法人格のない団体であっても、告発を行うことができる。

  • 69

    告発は、一般的には捜査の端緒にすぎないが、議院における 偽証罪や、 公正取引委員会による確定した排除措置命令に従わ ない罪など特定の罪については、 告発権限を有する者による告 発が訴訟条件とされている。

  • 70

    公務員は、その職務の執行の際、職務に関する犯罪の存在を 知った場合には、 捜査機関に対して告発すべき義務がある。

  • 71

    官公吏は、職務を執行することにより犯罪行為を認めた場合 には、告発する義務を負うが、 当該義務は、官公吏が、職務執 行上犯罪があると認めた場合に限らず、 職務執行の際に、 たまたま職務に関係のない犯罪を発見した場合にも生じる。

  • 72

    地方公務員には告発すべき義務があり、 この義務違反につい ては、地公法に基づく懲戒の制裁がある。 これに対し、 一般私人の告発は権利であって、義務ではない。

  • 73

    告発とは、犯人や告訴権者以外の者が、 捜査機関に対して犯 罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示をいうところ、 告発に当たっては、告発者の氏名を告げなければならず、匿名 の投書や密告は、 刑訴法上の告発とはいえない。

  • 74

    告発の方式は、書面又は口頭により、 検察官又は司法警察員に申告することであるが、 電話による告発も当然に許される。

  • 75

    告訴は、代理人によって行うことが認められているのに対して、告発は、代理人によって行うことは認められていない。

  • 76

    告発は、犯人や告訴権者以外の第三者が捜査機関に犯罪事実 を申告するものであり、告発を受けた司法警察員は、犯罪の成否にかかわらず、 速やかに検察官に送付する義務を負う。

  • 77

    有効な告発を受理した司法警察員は、犯罪の成否を問わず、 速やかに告発に係る事件を検察官に送付する義務を負うが、匿 名の投書によるものについては、この義務を負わない。

  • 78

    検察官又は司法警察員であれば、その所属を問わず、 また、 管轄地の裁判所に対応する検察庁の検察官又は当該事件を担当 する司法警察員に限られず、 告発を受理することができる。

  • 79

    検察官は、告発事件を起訴 不起訴処分とした場合、 告発人 に速やかに通知する必要があるところ、 起訴の場合は結論のみ で足りるが、不起訴については必ず理由を付して通知しなければならない。

  • 80

    告発を待って受理すべき事件については、 親告罪の告訴に関 する規定が準用されるから、 告訴の主観的不可分の原則や客観 的不可分の原則が準用されるほか、 親告罪の告訴の場合と同様、 告発の取消しや再告発にも制限が課されることになる。

  • 81

    告発とは、犯人又は告訴権者以外の第三者が、 捜査機関に対 して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示をいうと ころ、 親告罪の告訴の場合と異なり、 告発人は、告発を取り消 した後、 同一の犯罪事実につき更に告発することができる。

  • 82

    捜査機関を除く官吏又は公吏による告発は職務上の義務であ るが、義務として一旦告発をした以上、 告発事実の誤認を発見 したときでも、これを取り消すことはできない。

  • 83

    告訴とは、告訴権者が捜査機関に犯罪事実を申告して犯人の 処罰を求める意思表示であるのに対し、 告発とは、犯人又は告 訴権者以外の第三者が捜査機関に対して犯罪事実を申告することをいい、犯人の処罰を求める意思表示は必要ではない。

  • 84

    告訴と告発は、 捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の 処罰を求めるものである点で共通しているが、 告訴は、申告の主体が告訴権者に限られる点で、 告発と異なる。

  • 85

    告訴は、これを行うことが義務とされていないのに対し、告 発については、 公務員に、 その職務を行うことにより犯罪があると思料される場合の告発義務が課せられている。

  • 86

    親告罪の告訴期間は、原則として、犯人を知った日から6か 月以内とされているのに対し、 告発には、期間の制限は設けられていない。

  • 87

    告発を待って受理すべき事件については、 告訴に関する主観 的不可分の原則及び客観的不可分の原則が準用されるが、告訴期間の制限に関する規定は準用されない。

  • 88

    告発のあった事件については、 告訴の場合と同様、 検察官に 対して、起訴 不起訴処分等の通知や、不起訴理由の告知に関 する規定が適用されるが、 告訴の主観的不可分の原則は、告発 が訴訟条件となっている事件であっても準用されない。

  • 89

    告発は、その権限を有する者が、 捜査機関に対して特定の犯 罪事実を申告して、犯人の処罰を求める意思表示であると認め られればよく、告発状等の書面に形式的な不備があっても有効 であるが、告訴とは異なり、犯人を指定して行う必要がある。

  • 90

    告発の場合、 親告罪の告訴とは異なり、 告発を取り消した者による再告発が認められる。

  • 91

    自首の要件である「捜査機関に発覚する前」 には、捜査機関 において犯罪事実及び犯人が誰であるかが判明していて、犯人の所在だけが不明である場合も含まれる。

  • 92

    捜査機関が犯罪の発生を認知し、 その犯人が誰であるか特定 できる程度に把握しているが、その者の住居、氏名までは判明 していない時点で、犯人が捜査機関へ出頭し犯行を自供したと きは、自首に当たる。

  • 93

    防犯カメラの画像により、 おおよその容貌や身体的特徴は判 明しているが、それ以外の事項は何ら判明していない強盗犯人 が、庁舎警戒中の警察官に自己の犯行を申告した場合は、 自首に当たる。

  • 94

    自首の成立要件における 「捜査機関に発覚する前」という場 合の捜査機関とは、全体の捜査機関を意味するから、 他の警察 署で指名手配されている犯人が、 当該指名手配を知らない警察 官に対して自己の犯罪事実を申告しても、 自首に当たらない。

  • 95

    自首は、犯罪事実又は犯人が捜査機関に発覚する前に、 捜査 機関に申告することが要件であるが、 銃刀法における拳銃等所 持に係る自首については、 「捜査機関に発覚する前」という要件は課されていない。

  • 96

    取調べ中、 被疑者が、その経歴等から他に何らかの罪を犯しているのではないかと追及されて、 捜査機関に知られていない 犯罪事実を自供した場合、 自首には当らない。

  • 97

    職務質問の際、当初は自己の犯行を申告する意思がなく、 種々弁解した後にやむを得ず自供した場合も、 自首に当たる。

  • 98

    いまだ捜査機関に発覚していない事件につき、 自首する意思 で交番に赴いた被疑者が、 ためらっているうちに警察官から挙 動不審者として職務質問を受けた場合、直ちに自己の犯行を申 告したとしても自首に当たらない。

  • 99

    自首は、犯人が自己の訴追を含む処分を委ねる意思を明示し て申告するものでなければならず、 この意思が黙示的なものにすぎない場合は、 自首とはいえない。

  • 100

    自首とは、犯罪事実又は犯人が不明の場合に、犯人が自らの訴追を含む処分を委ねる意思表示のことをいうが、捜査機関が自分を逮捕しに来ると誤認して自ら出頭してきても、自首は成立しない。

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    問題一覧

  • 1

    被害者が未成年者である場合、その親権者である父母等は、 法定代理人として、被害者の明示した意思に反しても告訴をすることができる。

  • 2

    未成年者が被害を受けた場合、その者の告訴期間が経過し、 告訴権が消滅したときには、当然に法定代理人の告訴権も消滅 する。

  • 3

    被害者が成年被後見人である場合、 当該被害者の後見人は独立して告訴をすることができる。

  • 4

    被害者の法定代理人は独立して告訴をすることができるとこ ろ、ここにいう「法定代理人」とは、未成年者の親権者及び後 見人のほか、未成年者を事実上監護している者や、法律上代理権が認められている財産管理人及び破産管財人が含まれる。

  • 5

    株式会社の破産管財人が、 破産手続開始前から恒常的に会社 資金を私的に費消していた代表取締役を業務上横領罪で告訴又は告発したい旨申し立てた場合、 告訴を受理するのが妥当である。

  • 6

    被害者が養子縁組をした未成年者である場合、 当該被害者の養親は独立して告訴をすることができる。

  • 7

    離婚した未成年の娘が被害者である場合、 娘の母親の親権は 離婚によって復活するので、 母親は、本人の意思にかかわらず独立して告訴をすることができる。

  • 8

    告訴権を有する法定代理人とは、親権者及び後見人をいうと ころ、認知した未成年の子の父親の場合、事実上親権を行使していても、子の母親との協議等により、 父親を親権者として定めない限り、子の法定代理人として、独立して告訴をすることはできない。

  • 9

    被害者の法定代理人は、独立して告訴することができるところ、法定代理人たる地位は、告訴当時に有していればよく、 告訴後にその地位を失ったとしても、 当該告訴は有効である。

  • 10

    未成年のときに被害に遭った者が成年に達した後、その実母が告訴をしてきた。 この場合、 被害者は既に成年に達しているので、実母に告訴権はない。

  • 11

    小学生A子の母親B女は、A子が3か月前に甲からわいせつ 行為を受けていたことを知り、自らの意思で甲を強制わいせつ 罪で告訴したが、 B女は、 告訴の1か月前に、 夫をA子の親権 者として協議離婚し、 通学の便宜上、 A子を事実上養育していた。 この場合、B女の告訴は有効である。

  • 12

    被害者の法定代理人は、 独立して告訴をすることができると ころ、ここにいう法定代理人とは親権者及び後見人をいい、 被 害者が外国人である場合には、原則として当該国の親権者等について規定した法律に基づき、 告訴権者が定まる。

  • 13

    未成年者の親権を有する父母は、法定代理人として独立して告訴をすることができるが、 未成年者である被害者が告訴をせずに死亡した場合には、被害者の明示した意思に反して告訴をすることはできない。

  • 14

    被害者が告訴をしないで死亡した場合には、死亡した被害者の配偶者、直系の親族、兄弟姉妹は、被害者の明示した意思に 反しない限り告訴をすることができるところ、死亡後に身分関係に変動が生じた場合には、 告訴をすることはできない。

  • 15

    被害者が告訴をせずに死亡した場合、 その配偶者等は、被害 者の明示した意思に反しない限り告訴をすることができるとこ ろ、被害者の意思を明示する方法や相手方には制限がないので、 文書であると口頭であるとを問わず、 日記帳の記載のように相手方のない場合であってもよい。

  • 16

    被害者の法定代理人が被疑者である場合、当該被害者の親族 は独立して告訴をすることができる。

  • 17

    親告罪につき告訴をすることができる者がない場合、 検察官は、利害関係人の申立てにより告訴をすることができる者を指 定することができるところ、この利害関係人は、告訴につき事 実上の利害関係を有する者であれば足り、 被害者の内縁の夫や妻、告訴権のない親族、 婚約者、 雇用主、 債権者などでもよい。

  • 18

    検察官は、告訴をすることができる者がいないときは、利害 関係人の申立てにより、 告訴権者を指定することができるとこ ろ、利害関係人が全くいない場合には、事件担当検察官は、自ら裁判所の許可を得て、 告訴権者となることができる。

  • 19

    告訴とは、告訴権を有する者が捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示である。

  • 20

    告訴において、犯罪事実の申告があれば、 罪名の申告までは 不要であり、また、その内容は他の犯罪と区別される程度で十分であって、犯罪の日時、態様等の詳細まで申告する必要はない。

  • 21

    告訴は、犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思が表示さ れていれば、必ずしも犯人の氏名を指定して申告する必要はない。

  • 22

    告訴は、犯罪事実が特定され、犯人の処罰を求める意思表示 が認められれば足り、犯人を誤認している場合や被疑者不詳の ままなされた場合であっても、告訴として有効である。

  • 23

    告訴状を受理して捜査したところ、真犯人は被告訴人でなく 別人であることが判明した後に送致 (付) 書を送ることになっ た場合、送致 (付) 書には真犯人の名前だけ記載して送致 (付) すればよい。

  • 24

    書面による告訴に関し、 文面に 「告訴はしません。」 という文言があったとしても、文章全体から、犯人の処罰を求める意思をくみ取ることができれば、 有効な告訴といえる。

  • 25

    告訴は、「告訴状」という表記のある書面であれば、その内 容が説論を求める内容であるなど、 処罰を求めない内容でも有効である。

  • 26

    告訴は、犯人の処罰を求める意思表示を意味するから、この 意思表示がない被害届や捜査機関に対する被害の供述は、被害の申告にすぎず、 告訴には当たらない。

  • 27

    告訴権者は、いかなる場合においても、犯罪事実について、 日時・場所・態様等の詳細にわたる記載をした告訴状を提出し なければならない。

  • 28

    告訴は、捜査機関に対し犯罪事実を申告して行うところ、当 該犯罪が親告罪か非親告罪であるかを問わず、書面又は口頭で しなければならない。

  • 29

    電話による告訴は、対応した司法警察員が、 電話聴取書の形 式・内容を工夫して、告訴人を特定できたとしても、直ちに有効な告訴とはいえない。

  • 30

    告訴とその取消しは、代理人によってもすることができると ころ、ここにいう代理とは、告訴権者によって決定された告訴 意思を代理人が単純に伝達して表示するだけの表示代理に限ら ず 代理人が告訴意思を決定して告訴するいわゆる意思代理を も含むものである。

  • 31

    告訴は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員に対して行わ れるところ、口頭により行われたときは、 検察官又は司法警察員は告訴調書を作成しなければならない。

  • 32

    告訴は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員に対して行わ なければならないとされており、 司法巡査は、告訴を受理する 権限がないだけでなく、 告訴調書を作成する権限も有しない。

  • 33

    告訴権者から告訴がなされても、既に被告訴人が死亡し、そ の者以外に犯人がいないことが明らかな場合には、当該告訴を受理する必要はない。

  • 34

    被害者以外の告訴権者から告訴を受理する場合には、告訴権 を有することを証する戸籍謄本等の書類を提出させなければならない。

  • 35

    示談が成立した場合には告訴を取り下げる、といった条件付きの告訴を受理することはできない。

  • 36

    司法警察員は、告訴があったときは、告訴に関する事件が管 轄区域外で発生したものであっても、 また、 告訴人が他県に居住している場合であっても、これを受理しなければならない。

  • 37

    告訴は、一定の告訴権者に認められた公法上の権利行使であ るが、 捜査機関にとっては捜査の端緒にすぎず、 適法な告訴を 端緒として犯罪を認識し、その告訴を受理した場合であっても、 捜査機関には捜査するか否かを判断する裁量権がある。

  • 38

    検察官は、告訴のあった事件を不起訴処分にした場合、 告訴 人からの請求があれば、その告訴が訴訟条件であるか否かを問 わず、速やかに告訴人にその理由を告知しなければならないが、 この場合、当該告訴に係る事件の不起訴裁定の主文を告知する だけで足り、不起訴処分にした理由などに及ぶ必要はない。

  • 39

    親告罪における告訴は訴訟条件であるから、 検察官は、有効 な告訴がなければ公訴を提起することができず、 また、告訴が ないまま起訴すれば、訴訟条件を欠くものとして、公訴棄却の 判決により、 訴訟を打ち切ることとなる。

  • 40

    親告罪については、告訴権者による告訴が訴訟条件となって いるが、捜査機関はその事件に係る告訴がいまだなされていな い場合においても、 任意捜査、 強制捜査のいかんにかかわらず、 事件の捜査に着手することができる。

  • 41

    警察官が親告罪の犯行を現認した場合において、犯行現場に いる被害者の告訴意思が不明であったとしても、犯人の身柄確保が必要な場合には、当該親告罪の犯人を現行犯逮捕すること ができる。

  • 42

    親告罪の告訴は、原則として、犯人を知った日から6か月を 経過したときは、これをすることができない。

  • 43

    親告罪の告訴期間は、 「犯人を知った日」が起算日となるが、 その場合、初日を導入せず、末日が日曜・祝祭日等の休日であれば、その翌日が末日となる。

  • 44

    傷害事件の被害者Aが、 示談がこじれ、 告訴をするために警 察署を訪ねてきたので、事情聴取を行ったところ、Aが犯人を 知ってから6か月を経過していることが判明したとしても、こ の告訴を受理することができる。

  • 45

    A女は、顔見知りの甲から強制性交等の被害を受けたが、表沙 汰にしたくなかったことから警察に届け出ないでいた。犯行から7か月経った後、甲が乙に唆されて犯行に及んだ事実を知ったA女は、乙を告訴することができる。

  • 46

    親告罪の告訴権者が、 共犯事件における犯人の1人を知って から6か月経過したとしても、他の共犯者を知らなければ、この者につき「犯人を知った」 とはいえず、当該他の共犯者を告訴することができる。

  • 47

    Aは、甲に店の窓ガラスを割られたが、甲が店の常連である ことから表沙汰にしたくないと思い、告訴せずにいたところ、 8か月経過した時点で、 甲が乙から唆されて窓ガラスを割った ことを知った場合、既に告訴権を失っているから、乙を告訴することはできない。

  • 48

    親告罪における告訴期間は、原則として「犯人を知った日」か ら6か月であるところ、犯罪の継続中に告訴権者が犯人を知った場合には、犯罪行為終了日がその起算日となる。

  • 49

    ネット掲示板で自己の名誉を毀損されたAは、犯人甲を特定 して抗議し、当該記事の削除を条件に告訴を思い止まったところ、1年後になっても当該記事が削除されていなかったため、A 「は甲を名誉毀損罪で告訴する旨、 司法警察員に申し出た。 当該 告訴は、 親告罪に関する告訴期間の制限に違反し、無効である。

  • 50

    親告罪の告訴期間について、即成犯の場合でも、それが同一の意思の下で同一の機会に連続して行われ、告訴権者が最終の 行為終了前に犯人を知っていたときには、 最終の行為終了日が 起算日となる。

  • 51

    法定代理人には告訴権が認められているところ、 被害者が行った告訴を法定代理人が取り消すことはできないが、 法定代理人 が行った告訴を被害者が取り消すことはできる。

  • 52

    告訴とその取消しについては、 代理人によってもすることが できるところ、告訴することの委任を受けた代理人は、その取 消しについても併せて委任を受けたものとみなされる。

  • 53

    親告罪において、告訴をした者が告訴の取消しを申し立てた 場合は、公訴提起前であれば、 既に検察官に送付された後で あっても、司法警察員はこれを受理し、 必要な書類を検察官に 追送しなければならない。

  • 54

    捜査は、本質的に公訴の準備活動として行われるものである から、親告罪について、 全ての告訴権者が告訴を取り消した場 合、捜査機関は当該捜査を中止し、 作成した関係書類等を検察 官に送付しなければならない。

  • 55

    告訴権者が犯人との間で告訴しない旨を内容とする示談を 行い、更に警察官に対して告訴をしない旨を伝えた後に、翻意 して告訴状を提出した場合であっても、当該告訴は有効である。

  • 56

    非親告罪に関する告訴は、公訴提起の前後を問わず、いつで も取り消すことができ、 再告訴をすることもできる。

  • 57

    暴行罪について告訴がなされたが、それを取り下げた後に再度告訴がなされた場合、 再告訴は認められないので、これを受理することはできない。

  • 58

    告訴の客観的不可分の原則とは、1個の犯罪事実の一部につ いて告訴又はその取消しがあった場合には、当該犯罪事実の全部について、 その効力が生ずることをいう。

  • 59

    Aは、近くに住む甥の甲が、 自宅から100万円を窃取したことを知り告訴したが、 その後Aはこの告訴を一旦取り下げた。 しかし、調べたところ、同一の機会に有価証券(株券)も盗ま れていたことが分かった場合、 有価証券窃盗の犯人として甲を 再告訴することができる。

  • 60

    1通の文書で複数人の名誉を同時に毀損するなど、被害者を 異にする2個以上の親告罪が科刑上一罪に当たる場合、被害者 この1人がした告訴の効力は、客観的不可分の原則により、告訴 していない他の被害者に関する部分にまで及ぶ。

  • 61

    科刑上一罪を構成する各罪の被害者は同一であるが、 各罪の 一部が親告罪で他が非親告罪である場合に、 非親告罪の部分に 限定してなされた告訴の効力は、 親告罪の部分にも及ぶ。

  • 62

    告訴の客観的不可分の原則として、 親告罪については、共犯 者の1人に対する告訴又はその取消しの効力は他の共犯者にも 及ぶものとされ、 これは、告発が訴訟条件となっている場合に も準用されている。

  • 63

    いわゆる絶対的親告罪においては、共犯者の1人について告 訴又はその取消しがあった場合、 その効力は、原則として他の 共犯者にも及ぶ。

  • 64

    甲と乙は、共謀のうえ、 未成年者であるA女を誘拐した。 A 女は解放された後、 甲のみを告訴し、 乙は告訴しない旨の告訴 状を提出したが、 この場合、 A 女のした告訴の効力は乙に対し ても及ぶ。

  • 65

    告訴の主観的不可分の原則は、 親族相盗例に当たるときなど の相対的親告罪については、原則として適用されないが、 数人 この身分関係のある者が共犯である場合には、身分者相互間にお いて、主観的不可分の原則がそのまま適用される。

  • 66

    親告罪について公訴が提起された場合、 共犯者のうち誰が起 訴されているかを問わず、いまだ起訴されていない他の共犯者 に対する告訴を取り消すことはできない。

  • 67

    告発は、犯罪があったと思料するときは何人でもすることが できるので、犯罪と直接関係のない第三者が申告するという点 において、告訴及び自首とは異なる。

  • 68

    犯罪があると思料するときは、何人でも告発をすることがで きる。 告発の主体は、 自然人に限られず、公私の法人であって も、法人格のない団体であっても、告発を行うことができる。

  • 69

    告発は、一般的には捜査の端緒にすぎないが、議院における 偽証罪や、 公正取引委員会による確定した排除措置命令に従わ ない罪など特定の罪については、 告発権限を有する者による告 発が訴訟条件とされている。

  • 70

    公務員は、その職務の執行の際、職務に関する犯罪の存在を 知った場合には、 捜査機関に対して告発すべき義務がある。

  • 71

    官公吏は、職務を執行することにより犯罪行為を認めた場合 には、告発する義務を負うが、 当該義務は、官公吏が、職務執 行上犯罪があると認めた場合に限らず、 職務執行の際に、 たまたま職務に関係のない犯罪を発見した場合にも生じる。

  • 72

    地方公務員には告発すべき義務があり、 この義務違反につい ては、地公法に基づく懲戒の制裁がある。 これに対し、 一般私人の告発は権利であって、義務ではない。

  • 73

    告発とは、犯人や告訴権者以外の者が、 捜査機関に対して犯 罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示をいうところ、 告発に当たっては、告発者の氏名を告げなければならず、匿名 の投書や密告は、 刑訴法上の告発とはいえない。

  • 74

    告発の方式は、書面又は口頭により、 検察官又は司法警察員に申告することであるが、 電話による告発も当然に許される。

  • 75

    告訴は、代理人によって行うことが認められているのに対して、告発は、代理人によって行うことは認められていない。

  • 76

    告発は、犯人や告訴権者以外の第三者が捜査機関に犯罪事実 を申告するものであり、告発を受けた司法警察員は、犯罪の成否にかかわらず、 速やかに検察官に送付する義務を負う。

  • 77

    有効な告発を受理した司法警察員は、犯罪の成否を問わず、 速やかに告発に係る事件を検察官に送付する義務を負うが、匿 名の投書によるものについては、この義務を負わない。

  • 78

    検察官又は司法警察員であれば、その所属を問わず、 また、 管轄地の裁判所に対応する検察庁の検察官又は当該事件を担当 する司法警察員に限られず、 告発を受理することができる。

  • 79

    検察官は、告発事件を起訴 不起訴処分とした場合、 告発人 に速やかに通知する必要があるところ、 起訴の場合は結論のみ で足りるが、不起訴については必ず理由を付して通知しなければならない。

  • 80

    告発を待って受理すべき事件については、 親告罪の告訴に関 する規定が準用されるから、 告訴の主観的不可分の原則や客観 的不可分の原則が準用されるほか、 親告罪の告訴の場合と同様、 告発の取消しや再告発にも制限が課されることになる。

  • 81

    告発とは、犯人又は告訴権者以外の第三者が、 捜査機関に対 して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示をいうと ころ、 親告罪の告訴の場合と異なり、 告発人は、告発を取り消 した後、 同一の犯罪事実につき更に告発することができる。

  • 82

    捜査機関を除く官吏又は公吏による告発は職務上の義務であ るが、義務として一旦告発をした以上、 告発事実の誤認を発見 したときでも、これを取り消すことはできない。

  • 83

    告訴とは、告訴権者が捜査機関に犯罪事実を申告して犯人の 処罰を求める意思表示であるのに対し、 告発とは、犯人又は告 訴権者以外の第三者が捜査機関に対して犯罪事実を申告することをいい、犯人の処罰を求める意思表示は必要ではない。

  • 84

    告訴と告発は、 捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の 処罰を求めるものである点で共通しているが、 告訴は、申告の主体が告訴権者に限られる点で、 告発と異なる。

  • 85

    告訴は、これを行うことが義務とされていないのに対し、告 発については、 公務員に、 その職務を行うことにより犯罪があると思料される場合の告発義務が課せられている。

  • 86

    親告罪の告訴期間は、原則として、犯人を知った日から6か 月以内とされているのに対し、 告発には、期間の制限は設けられていない。

  • 87

    告発を待って受理すべき事件については、 告訴に関する主観 的不可分の原則及び客観的不可分の原則が準用されるが、告訴期間の制限に関する規定は準用されない。

  • 88

    告発のあった事件については、 告訴の場合と同様、 検察官に 対して、起訴 不起訴処分等の通知や、不起訴理由の告知に関 する規定が適用されるが、 告訴の主観的不可分の原則は、告発 が訴訟条件となっている事件であっても準用されない。

  • 89

    告発は、その権限を有する者が、 捜査機関に対して特定の犯 罪事実を申告して、犯人の処罰を求める意思表示であると認め られればよく、告発状等の書面に形式的な不備があっても有効 であるが、告訴とは異なり、犯人を指定して行う必要がある。

  • 90

    告発の場合、 親告罪の告訴とは異なり、 告発を取り消した者による再告発が認められる。

  • 91

    自首の要件である「捜査機関に発覚する前」 には、捜査機関 において犯罪事実及び犯人が誰であるかが判明していて、犯人の所在だけが不明である場合も含まれる。

  • 92

    捜査機関が犯罪の発生を認知し、 その犯人が誰であるか特定 できる程度に把握しているが、その者の住居、氏名までは判明 していない時点で、犯人が捜査機関へ出頭し犯行を自供したと きは、自首に当たる。

  • 93

    防犯カメラの画像により、 おおよその容貌や身体的特徴は判 明しているが、それ以外の事項は何ら判明していない強盗犯人 が、庁舎警戒中の警察官に自己の犯行を申告した場合は、 自首に当たる。

  • 94

    自首の成立要件における 「捜査機関に発覚する前」という場 合の捜査機関とは、全体の捜査機関を意味するから、 他の警察 署で指名手配されている犯人が、 当該指名手配を知らない警察 官に対して自己の犯罪事実を申告しても、 自首に当たらない。

  • 95

    自首は、犯罪事実又は犯人が捜査機関に発覚する前に、 捜査 機関に申告することが要件であるが、 銃刀法における拳銃等所 持に係る自首については、 「捜査機関に発覚する前」という要件は課されていない。

  • 96

    取調べ中、 被疑者が、その経歴等から他に何らかの罪を犯しているのではないかと追及されて、 捜査機関に知られていない 犯罪事実を自供した場合、 自首には当らない。

  • 97

    職務質問の際、当初は自己の犯行を申告する意思がなく、 種々弁解した後にやむを得ず自供した場合も、 自首に当たる。

  • 98

    いまだ捜査機関に発覚していない事件につき、 自首する意思 で交番に赴いた被疑者が、 ためらっているうちに警察官から挙 動不審者として職務質問を受けた場合、直ちに自己の犯行を申 告したとしても自首に当たらない。

  • 99

    自首は、犯人が自己の訴追を含む処分を委ねる意思を明示し て申告するものでなければならず、 この意思が黙示的なものにすぎない場合は、 自首とはいえない。

  • 100

    自首とは、犯罪事実又は犯人が不明の場合に、犯人が自らの訴追を含む処分を委ねる意思表示のことをいうが、捜査機関が自分を逮捕しに来ると誤認して自ら出頭してきても、自首は成立しない。