【刑訴法】復元問題一問一答(上巻)③

【刑訴法】復元問題一問一答(上巻)③
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  • 山本卓弥
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    問題一覧

  • 1

    犯人が警察署を訪れ、 警察官に対し自発的に自己の犯罪事実を申告したが、 自己の氏名を秘匿して、 当該犯人が誰であるか が捜査官にとって分からないような場合は、 自首とは認められない。

  • 2

    犯人が、捜査機関に発覚する前に、警察署に出頭して自己の 犯行を申告した場合には、たとえ共犯者の人定事項を秘したとしても、自首として取り扱うのが妥当である。

  • 3

    不法所持の拳銃を用いて銃弾を発射した者が、 犯人が発覚す る前に、偽装工作を施した別の拳銃を司法警察員に提出して、 自分が犯人であり当該拳銃を持参した旨申告した場合、 申告内 容に虚偽が含まれるからといって、 自首の成立は否定されない。

  • 4

    自首と認められるためには、犯人が捜査機関に対して自己の 犯罪事実を申告する必要があるところ、ここにいう「捜査機関」 には、 検察官及び司法警察員のほか、 裁判官も含まれる。

  • 5

    自首の相手方となるのは、 検察事務官や司法巡査を含めた捜 査機関であるから、 検察事務官又は司法巡査に対する犯罪事実 の申告は、 刑訴法上の有効な自首となる。

  • 6

    自首における、 申告の手段・方法に法律上の制限はなく、電 話による申告で、自己の居場所を明確にし、駆け付けた警察官 に対し、自己の犯罪事実を申告する場合も自首と認められる。

  • 7

    書面による自首の方式、 記載内容等について特段の定めはな いので、例えば、 表題が何ら記載されていなくても、内容が自首の要件を満たしたものであれば、 有効な自首に当たる。

  • 8

    「自首」とは、罪を犯した者が、いまだ捜査機関に発覚する 前に進んで自己の犯罪事実を捜査機関に申告して、処分を求 めることをいうところ、 外国から電話で我が国の捜査機関に自己の犯罪事実を申告する行為も自首に当たる。

  • 9

    犯人が、他人を介して自己の犯罪事実を捜査機関に申告した 場合は、たとえ犯人がいつでも捜査機関の支配内に入る状態で あったとしても、 有効な自首に当たらない。

  • 10

    第三者を介して行う自首の場合は、犯人と第三者との間に、 捜査機関に対する犯罪事実の申告について、犯人の自発的な意 思により申告を依頼したという「意思の連絡」 がなければならない。

  • 11

    犯人が他人を介して自首をする場合、 他人が捜査機関に犯罪 事実を申告した後で、 犯人が捜査機関に出頭することになるが、 この場合、犯人が捜査機関に出頭した時点ではなく、 他人が捜査機関に届け出た時点で、 自首があったと認められる。

  • 12

    口頭による自首を受けたときは、自首調書を作成するが、 自 首調書作成前に逮捕した場合は、 弁解録取書を作成する前に自首調書を作成しなければならない。

  • 13

    司法警察員が口頭で自首を受理した場合には、 自首調書の作 成を要するところ、裁判所は、 自首調書の有無に拘束されるこ となく、他の資料によって自首の事実が認められるときには、 自首があったものとして取り扱うことができる。

  • 14

    自首は、犯人が供述自由権を放棄して、 捜査機関に対して自 己の犯罪事実を申告するものであるから、 自首調書の作成に当たって、 あらかじめ供述自由権を告知する必要はない。

  • 15

    司法警察員が、 自首を受理し、 自首調書を作成した場合に、 後日その申告が虚偽であったことから、自首とは認められないことが判明したときは、 自首事件として送付しなくてもよい。

  • 16

    自首は告訴・告発と同様、 検察官又は司法警察員に対して、 書面又は口頭で行わなければならず、司法巡査が自首の申告を 受けた場合は、直ちに司法警察員に引き継がなければならない。

  • 17

    死体の取扱いに関し、死体が犯罪死体又は変死体でない場合 は、検視ではなく死因身元調査法に基づく調査を実施し、その 調査の過程で変死体に該当すると認めるに至ったときには、 そ の時点で検視の手続に移行する。

  • 18

    「検視」とは、五官の作用により死体の状況を調べることを いうが、変死の疑いのあるものについては、医師が 「病死」 と 診断したとしても、 検視をしなければならない。

  • 19

    検視とは、五官の作用により変死体の状況を観察し、死亡が 犯罪に起因するか否かを判断する処分であり、 警察官が代行検 視を行った場合には、その結果を速やかに検察官に報告すると ともに、検視調書を作成しなければならない。

  • 20

    変死体が存在する住居の管理者が検視を拒否した場合、令状 を得なければ、当該管理者の意思に反して住居内に立ち入り、 検視をすることはできない。

  • 21

    代行検視の際、住居主等が立入りを拒否しても、令状なくし て変死体が存在する住居等に立ち入ることができ、また、必要最小限度の範囲内で、 錠を外すなどの処分をすることもできる。

  • 22

    検視の際、死体の指紋採取や眼瞼等の外表検査に加えて、身 元確認のためなどに必要があれば、 指紋を採取するために腐敗 した変死体の指を切断するなど、令状を得ることなく死体を損壊することも許される。

  • 23

    請求とは、 外国国章損壊罪等の特別の犯罪について、一定の 機関が、捜査機関に対して犯人の処罰を求める意思表示であり、 親告罪の告訴と同様、訴訟条件となっている。

  • 24

    請求とは、請求がなければ公訴を提起することができない犯 罪について、 一定の機関が捜査機関に対して犯人の処罰を求め る意思表示のことをいうが、このような犯罪については、直ちに 捜査を行わなければ証拠の収集等が著しく困難になると認めら れる場合を除いて、 請求があってから捜査しなければならない。

  • 25

    一定の機関から特定の犯罪について、その犯人の処罰を求め てなされる意思表示である 「請求」 は、 親告罪の告訴と同様、 訴訟条件であるから、告訴の取消し及び告訴不可分の原則は準 使用されるが、告訴期間及び告訴の方式は準用されない。

  • 26

    深夜スーパーの店員が、 刃物を突き付けられて店の売上金を 「強奪された場合、被害者は当該店員ではなく店長であるから、 被害届は店長から受理する。

  • 27

    被害届は、一定の場合に証拠能力が認められているが、未成 年者が被害を届け出てきた場合、当該未成年者を届出人として 被害届を作成することができる。

  • 28

    被疑者に任意出頭を求めることができるのは、取調べを目的 とした場合だけでなく、 身体検査を目的とする場合でもよく、 また、呼出しを行う警察官が所属する警察署以外の場所に出頭 を求めることもできる。

  • 29

    出頭要求を受けた被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を 除いては、 出頭を拒み、又は出頭後いつでも退去することがで きる。

  • 30

    出頭要求の方法には何らの制限もなく、電話や呼出状の送付 による方法のほか、 警察官が被疑者本人の住居を直接訪れて出 頭を求める方法でもよい。

  • 31

    捜査機関は、 被疑者の承諾を得て、一定の場所に同行を求め ることができるが、 同行を求める時刻については、 深夜に被疑 者が街頭を徘徊しているところを任意同行したなどの特別な事情がない限り、 午後10時から午前7時までの時間帯を避けるのが妥当である。

  • 32

    既に逮捕状が発付されている被疑者について、逮捕状を執行 せず取調べ場所に任意同行する場合、 用件と行き先を告げる必要はあるが、 犯罪事実の告知までは不要である。

  • 33

    任意捜査において、 犯罪の重大性や緊急性が認められれば、 有形力を行使することができる場合もあるが、 あらゆる有形力の行使が許されるわけではない。

  • 34

    身柄不拘束の被疑者に任意出頭を求めて取り調べる場合は、 その被疑者に弁護人を選任することができる旨を告知する法的義務がある。

  • 35

    身柄拘束の被疑者の取調べに際し、 当該被疑者の弁護人が 取調べに対して立会いを要求した場合は、 捜査上の支障を理由 にこれを拒むことはできない。

  • 36

    身柄不拘束の被疑者を取調べ中に、 当該被疑者から直ちに弁 護人と電話をしたい旨の申出を受けた場合は、取調べを中断し、 これに応じるべきである。

  • 37

    逮捕・勾留中の被疑者は、取調べ中、 取調べ室から自由に退 出することはできないが、 退出を認めないことにより取調べが強制捜査になるわけではない。

  • 38

    被疑者に手錠を施したまま取調べを行った場合、 それだけで 直ちに供述の任意性が否定される。

  • 39

    逮捕・勾留中の被疑者には、 逮捕・勾留事実に関する取調べ に限られず、 余罪に関する取調べについても取調べ受忍義務が ある。

  • 40

    捜査官は、公訴提起後における当該公訴事件については、被告 人を取り調べることはできるだけ避けるべきであるが、取調べの 必要性があって被告人の防御に影響がなく、かつ、裁判所の審理 に支障を生じない場合には、 被告人を取り調べることができる。

  • 41

    勾留されたまま起訴された被告人を取り調べる場合、当該起訴 事実については、被告人に取調べ受忍義務はないとされている。

  • 42

    既に有罪確定判決を受けている受刑者に、 別件余罪があった場合において、当該余罪について受刑者を取り調べるときは、 被疑者としてではなく参考人として取り調べる。

  • 43

    逮捕又は勾留により身柄拘束中の者につき、本件の取調べを 全て終了した後に余罪について取調べを行った場合、 余罪につ いては供述調書を作成しなかったとしても、その取調べに関し、 取調べ状況報告書を作成し、 検察官に送らなければならない。

  • 44

    被疑者の供述を録取する際、 全部を録取するか一部を録取す あるかは、取調べをする者の裁量に委ねられているが、 全体の趣 旨に変更を及ぼすような部分的録取は認められない。

  • 45

    被疑者の供述を供述調書に録取して読み聞かせる際に、増減 変更の要求があった場合、 供述調書に追加した内容を、閲覧させ、又は読み聞かせる必要はない。

  • 46

    被疑者が供述調書への署名を自署できない場合は、当該被疑者が署名に応じることを承諾していたとしても、取調べ官が署名を代書することは許されない。

  • 47

    法定の手続を終えて適法に作成された供述調書について、事 後、 供述人が内容について変更を申し出たとしても、必ずしも これに応じる法的義務はない。

  • 48

    裁判員裁判対象事件に該当する事件について、 司法警察職員 が逮捕・勾留中の被疑者を取り調べる際には、その録音・録画 が原則義務化されたが、 被疑者が記録を拒んだことその他の被 疑者の言動により、記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないと認めるときは、この限りでない。

  • 49

    捜査機関は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、 被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べることができる ところ、この「被疑者以外の者」には、被害者や目撃者のほか、 共犯者も含まれる。

  • 50

    共同被告人の一方を参考人として取り調べることは差し支え ないが、 必要的共犯関係にある者のうちの一方を他方の参考人 として取り調べることはできない。

  • 51

    参考人は、捜査機関の出頭要求を拒否することができるとこ ろ、その者が捜査に不可欠な事項を知っていると明らかに認め られる場合、 検察官は、 第1回公判期日前に限り、証人尋問を 請求することができる。

  • 52

    供述自由権の告知は、取調べごとにその冒頭で行う必要があ るところ、取調べ中に取調べ官が交代し、 同一事実について取り調べる場合でも、 改めて告知する必要がある。

  • 53

    供述自由権の告知は、 同一事実につき、 同一取調べ官による 取調べに中断があっても、取調べの前後に接着性があり、 前回 この告知の効果が残存していると認められるときは、再開の際に 改めて告知することを要しない。

  • 54

    被疑者の取調べに際しては、あらかじめ自己の意思に反して 供述する必要がない旨を告げなければならないことから、被疑 事実について、 その情状を明らかにするために下調べをする場 合であっても、その前に、 供述自由権を告知する必要がある。

  • 55

    被疑者の取調べに際しては、あらかじめ供述自由権を告知し なければならないところ、 自首調書の作成に当たっては、 供述自由権を告知する必要はない。

  • 56

    被疑者に弁解の機会を与える際、 供述自由権を告知しなければ違法となる。

  • 57

    判例は、被疑者の氏名については、原則として、いわゆる自 己に不利益な事項とはいえないことから、黙秘権の対象にならないとしている。

  • 58

    被疑者の承諾を得て行うポリグラフ検査において、 事件の核 心に触れるような質問をする場合には、あらかじめ被疑者に供述自由権を告知する必要がある。

  • 59

    参考人を取り調べる場合には、捜査機関は、供述自由権を告知する義務を負わない。

  • 60

    勾留中の被疑者を、別事件の参考人として取り調べるときは、 供述自由権を告知しなければならない。

  • 61

    捜査機関は、公務所又は公私の団体に対して、捜査上の照会 を行うことができるところ、ここにいう「公務所」 とは、 国家機関たる公務所であると地方自治体の公務所であるとを問わず、 裁判所、検察庁、警察等に対しても行うことができる。

  • 62

    捜査機関から刑訴法に基づき照会を受けた公務所等は、国の 重大な利益を害する場合を除き、 照会に対し回答する義務を負う。

  • 63

    捜査機関が、 公務所等に対して照会することができる事項には、当該公務所等に手持ちの資料がなく、 新たに調査等をしなければならないものは含まれない。

  • 64

    照会の主体については、 捜査機関であればその資格に制限は ないが、実務では、原則として所属警察署長名義で行うのが適当とされている。

  • 65

    刑訴法197条2項に基づく照会は、公務所又は公私の団体 に対するものであり、団体でない一個人に対して照会すること はできないから、 家族及び数人の使用人だけで経営する株式会 社で、実質的には個人商店であると認められる会社に照会することはできない。

  • 66

    照会を行ってこれを拒否された場合、 捜査の目的を達成する ため強制処分の必要があれば、 改めて捜索差押え等の処分をすることができる。

  • 67

    警察官は、捜査のため必要があるときは、 刑訴法197条2項 により郵便局で取扱中の郵便物について、 受取人の住所・氏名・ 差出数量について照会し、 その回答を求めることができる。

  • 68

    郵便局の私書箱使用者の住所・氏名等について、 照会により 報告を求めることは、 個々の郵便物の内容その他が推知されるおそれがないので違法ではない。

  • 69

    個人情報取扱事業者である企業等が保有する個人情報につい って、捜査機関が捜査関係事項照会を行った場合、 それに応じて 企業等が捜査機関に対して個人情報を提供したとしても、個人情報保護法に抵触しない。

  • 70

    捜査機関が、 電子メールサービスを含む通信プロバイダ事業 者と私人との加入契約につき、 加入者の住所、氏名等の個人情報をプロバイダに照会することは可能である。

  • 71

    携帯電話不正利用防止法における契約者確認の求めは、 刑訴 法197条2項に基づく捜査関係事項照会とは性質を異にするものである。

  • 72

    捜査機関は、公務所等に捜査上の照会を行うことができ、また、その場合において、 必要があるときは、みだりに照会に関 する事項を漏らさないよう求めることができる。

  • 73

    領置とは、捜査機関が、 遺留した物や任意提出物の占有を取 得する処分であるところ、 遺留した物については、被疑者等が 自己の意思によらずに占有を喪失した場合だけではなく、自己 の意思により占有を放棄した場合も含む。

  • 74

    被疑者が捨てたたばこを拾い、そこに付着した唾液を採取することは、令状によることなく、 被疑者に無断で行うことができる。

  • 75

    被疑者が逃走に使用した車両が、 有料駐車場に施錠され駐車されている場合など、 後刻取りに戻ってくると思われる状況があるときには、これを遺留物として領置することはできない。

  • 76

    路上における刃物使用の傷害事件で、意識不明となり病院へ 搬送された被害者が所持していたと認められる、 血痕が付着し たハンドバッグを、 事件の発生直後に現場すぐ近くの公道上で 発見した場合、 遺留物として領置することができる。

  • 77

    領置をするに当たっての任意提出権者は、所有者・所持者・ 保管者に限られるが、ここにいう「所持者」、「保管者」 は、 法律上の権限に基づき所持・保管する者に限られる。

  • 78

    任意提出は、 所持者や保管者によるものであれば、正当な権 限を有する占有者によるものでなくてもよいので、同居の親族 が、その配偶者や子どもの所持品から禁制品を発見し、自ら警 察署に持参してきた場合であっても、 任意提出を受けることが できる。

  • 79

    被疑者が所有し、かつ自ら管理 使用する自動車について、 被疑者の妻を立会人として捜索を行ったところ、 車内から令状 に「差し押さえるべき物」 として記載されていない証拠物件を 発見した場合、妻から任意提出を受けるのは妥当でなく、令状 の発付を受けて差し押さえるべきである。

  • 80

    所有者、所持者又は保管者が任意に提出した物は、これを領 置することができるが、 アパートの管理人は、包括的にアパートを管理していることから、 アパート賃借人の居室内の物につ いて任意提出権者となる。

  • 81

    鍵を預ける形態の駐車場に駐車中の車両内にあるジャンパー につき、当該駐車場の管理者は、任意提出権者である。

  • 82

    収納期限が超過したため、コインロッカーの内部から出して 保管中のかばんにつき、物の所有者と連絡が取れない場合、 当該コインロッカーの管理者は任意提出権者である。

  • 83

    医師が診療のため患者から採取した尿につき、当該尿を採取した医師は、任意提出権者である。

  • 84

    窃取された財布につき、 当該財布を所持している窃盗被疑者は、任意提出権者である。

  • 85

    デパートの警備員が万引きをした者を現行犯逮捕し、 被害品 を取り戻した後、犯人を警察官に引き渡した場合、 当該盗品に 対する領置手続については、 被疑者ではなく逮捕者である警備 員を差出人としてこれを行う。

  • 86

    被疑者その他の者が遺留した物又は所有者、所持者若しくは 保管者が任意提出した物は領置することができ、 領置後、 提出 者が還付を求めても、 捜査のために必要があれば還付を拒否することができる。

  • 87

    任意提出を受けて領置した物については、その提出者から返 還の請求がなされた場合、 捜査機関は返還義務を負うので、引き続き留置する必要があるときは、改めてその物を強制手続により差し押さえなければならない。

  • 88

    領置の対象は、 証拠物又は没収すべき物に限られず、 具体的 な被疑事件との関連性が明らかでない物や、 将来これに転ずる蓋然性がある物も含まれる。

  • 89

    強盗事件被疑者の追跡捜査に当たって、 立ち回り先等の聞込 みを実施するために利用する目的で、 被疑者が犯行直前まで勤 務していた会社の同僚から被疑者の最近の写真を借り受ける場 合、領置手続をとる必要はない。

  • 90

    捜査機関は、 被疑者その他の者が遺留した物を領置できるところ、領置後、その物について錠を外し、 封を開き、その他必要な処分をすることができる。

  • 91

    被疑者が、特定の犯罪の証拠物と認められる自動車をドアロッ クしないまま公道上に置き去った場合、これを遺留物と認めて領 置し、 その車両内を必要な処分として点検することができるが、 その車両内から本件に関する証拠物を発見したときも、遺留物として領置することができる。

  • 92

    被疑者が遺留したレンズ付きフィルム (通称・使い捨てカメラ)を領置した場合には、 検証許可状をとるまでもなく、押収 の効力として当該レンズ付きフィルムに内蔵されている未現像 のフィルムを現像することができる。

  • 93

    ホテル内で死亡した者の所持品の中に覚醒剤があった場合に、 当該覚醒剤を証拠化するためには、保管者である行政官たる警 察署長から司法警察員たる警察署長に任意提出するようにすればよい。

  • 94

    捜査の必要があることを理由に、 医師が診療の必要がない者 から血液を採取し、 捜査機関が、 当該医師から血液を領置することは違法である。

  • 95

    窃盗の現行犯人として逮捕したところ、犯人の所持金と窃取 された現金が混ざって区別できない場合、 その全額の任意提出を受けて領置することができる。

  • 96

    任意提出を受けて領置する場合、請求の有無にかかわらず、 提出者に対して押収品目録交付書を交付しなければならない。

  • 97

    任意提出物を領置するに当たっては、原則として提出者に対 して押収品目録交付書を交付しなければならないが、 被疑者が 任意提出をし、 取調べ終了後、直ちに還付する予定がある場合 は、押収品目録交付書の作成及び交付を省略することができる。

  • 98

    領置した物の保管は、原則として領置した警察署が自ら行い、 その保存に当たっては、滅失又は破損しないように保管すべき法的義務を負う。

  • 99

    刑訴法197条1項は、 捜査のために必要な取調べについて 定めているが、これは、被疑者の取調べに限られず、広く捜査 に必要な一切の手段・方法を意味するものである。

  • 100

    尾行とは、 捜査資料・証拠の収集、 被疑者の発見 逮捕等の ため、 被疑者又はその関係者に追随してその行動を監視する捜 査方法であるところ、 相手方に気付かれた後に行う場合には、 個別具体的に、 その必要性・ 緊急性・方法の相当性を考慮して適法性が判断される。

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    問題一覧

  • 1

    犯人が警察署を訪れ、 警察官に対し自発的に自己の犯罪事実を申告したが、 自己の氏名を秘匿して、 当該犯人が誰であるか が捜査官にとって分からないような場合は、 自首とは認められない。

  • 2

    犯人が、捜査機関に発覚する前に、警察署に出頭して自己の 犯行を申告した場合には、たとえ共犯者の人定事項を秘したとしても、自首として取り扱うのが妥当である。

  • 3

    不法所持の拳銃を用いて銃弾を発射した者が、 犯人が発覚す る前に、偽装工作を施した別の拳銃を司法警察員に提出して、 自分が犯人であり当該拳銃を持参した旨申告した場合、 申告内 容に虚偽が含まれるからといって、 自首の成立は否定されない。

  • 4

    自首と認められるためには、犯人が捜査機関に対して自己の 犯罪事実を申告する必要があるところ、ここにいう「捜査機関」 には、 検察官及び司法警察員のほか、 裁判官も含まれる。

  • 5

    自首の相手方となるのは、 検察事務官や司法巡査を含めた捜 査機関であるから、 検察事務官又は司法巡査に対する犯罪事実 の申告は、 刑訴法上の有効な自首となる。

  • 6

    自首における、 申告の手段・方法に法律上の制限はなく、電 話による申告で、自己の居場所を明確にし、駆け付けた警察官 に対し、自己の犯罪事実を申告する場合も自首と認められる。

  • 7

    書面による自首の方式、 記載内容等について特段の定めはな いので、例えば、 表題が何ら記載されていなくても、内容が自首の要件を満たしたものであれば、 有効な自首に当たる。

  • 8

    「自首」とは、罪を犯した者が、いまだ捜査機関に発覚する 前に進んで自己の犯罪事実を捜査機関に申告して、処分を求 めることをいうところ、 外国から電話で我が国の捜査機関に自己の犯罪事実を申告する行為も自首に当たる。

  • 9

    犯人が、他人を介して自己の犯罪事実を捜査機関に申告した 場合は、たとえ犯人がいつでも捜査機関の支配内に入る状態で あったとしても、 有効な自首に当たらない。

  • 10

    第三者を介して行う自首の場合は、犯人と第三者との間に、 捜査機関に対する犯罪事実の申告について、犯人の自発的な意 思により申告を依頼したという「意思の連絡」 がなければならない。

  • 11

    犯人が他人を介して自首をする場合、 他人が捜査機関に犯罪 事実を申告した後で、 犯人が捜査機関に出頭することになるが、 この場合、犯人が捜査機関に出頭した時点ではなく、 他人が捜査機関に届け出た時点で、 自首があったと認められる。

  • 12

    口頭による自首を受けたときは、自首調書を作成するが、 自 首調書作成前に逮捕した場合は、 弁解録取書を作成する前に自首調書を作成しなければならない。

  • 13

    司法警察員が口頭で自首を受理した場合には、 自首調書の作 成を要するところ、裁判所は、 自首調書の有無に拘束されるこ となく、他の資料によって自首の事実が認められるときには、 自首があったものとして取り扱うことができる。

  • 14

    自首は、犯人が供述自由権を放棄して、 捜査機関に対して自 己の犯罪事実を申告するものであるから、 自首調書の作成に当たって、 あらかじめ供述自由権を告知する必要はない。

  • 15

    司法警察員が、 自首を受理し、 自首調書を作成した場合に、 後日その申告が虚偽であったことから、自首とは認められないことが判明したときは、 自首事件として送付しなくてもよい。

  • 16

    自首は告訴・告発と同様、 検察官又は司法警察員に対して、 書面又は口頭で行わなければならず、司法巡査が自首の申告を 受けた場合は、直ちに司法警察員に引き継がなければならない。

  • 17

    死体の取扱いに関し、死体が犯罪死体又は変死体でない場合 は、検視ではなく死因身元調査法に基づく調査を実施し、その 調査の過程で変死体に該当すると認めるに至ったときには、 そ の時点で検視の手続に移行する。

  • 18

    「検視」とは、五官の作用により死体の状況を調べることを いうが、変死の疑いのあるものについては、医師が 「病死」 と 診断したとしても、 検視をしなければならない。

  • 19

    検視とは、五官の作用により変死体の状況を観察し、死亡が 犯罪に起因するか否かを判断する処分であり、 警察官が代行検 視を行った場合には、その結果を速やかに検察官に報告すると ともに、検視調書を作成しなければならない。

  • 20

    変死体が存在する住居の管理者が検視を拒否した場合、令状 を得なければ、当該管理者の意思に反して住居内に立ち入り、 検視をすることはできない。

  • 21

    代行検視の際、住居主等が立入りを拒否しても、令状なくし て変死体が存在する住居等に立ち入ることができ、また、必要最小限度の範囲内で、 錠を外すなどの処分をすることもできる。

  • 22

    検視の際、死体の指紋採取や眼瞼等の外表検査に加えて、身 元確認のためなどに必要があれば、 指紋を採取するために腐敗 した変死体の指を切断するなど、令状を得ることなく死体を損壊することも許される。

  • 23

    請求とは、 外国国章損壊罪等の特別の犯罪について、一定の 機関が、捜査機関に対して犯人の処罰を求める意思表示であり、 親告罪の告訴と同様、訴訟条件となっている。

  • 24

    請求とは、請求がなければ公訴を提起することができない犯 罪について、 一定の機関が捜査機関に対して犯人の処罰を求め る意思表示のことをいうが、このような犯罪については、直ちに 捜査を行わなければ証拠の収集等が著しく困難になると認めら れる場合を除いて、 請求があってから捜査しなければならない。

  • 25

    一定の機関から特定の犯罪について、その犯人の処罰を求め てなされる意思表示である 「請求」 は、 親告罪の告訴と同様、 訴訟条件であるから、告訴の取消し及び告訴不可分の原則は準 使用されるが、告訴期間及び告訴の方式は準用されない。

  • 26

    深夜スーパーの店員が、 刃物を突き付けられて店の売上金を 「強奪された場合、被害者は当該店員ではなく店長であるから、 被害届は店長から受理する。

  • 27

    被害届は、一定の場合に証拠能力が認められているが、未成 年者が被害を届け出てきた場合、当該未成年者を届出人として 被害届を作成することができる。

  • 28

    被疑者に任意出頭を求めることができるのは、取調べを目的 とした場合だけでなく、 身体検査を目的とする場合でもよく、 また、呼出しを行う警察官が所属する警察署以外の場所に出頭 を求めることもできる。

  • 29

    出頭要求を受けた被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を 除いては、 出頭を拒み、又は出頭後いつでも退去することがで きる。

  • 30

    出頭要求の方法には何らの制限もなく、電話や呼出状の送付 による方法のほか、 警察官が被疑者本人の住居を直接訪れて出 頭を求める方法でもよい。

  • 31

    捜査機関は、 被疑者の承諾を得て、一定の場所に同行を求め ることができるが、 同行を求める時刻については、 深夜に被疑 者が街頭を徘徊しているところを任意同行したなどの特別な事情がない限り、 午後10時から午前7時までの時間帯を避けるのが妥当である。

  • 32

    既に逮捕状が発付されている被疑者について、逮捕状を執行 せず取調べ場所に任意同行する場合、 用件と行き先を告げる必要はあるが、 犯罪事実の告知までは不要である。

  • 33

    任意捜査において、 犯罪の重大性や緊急性が認められれば、 有形力を行使することができる場合もあるが、 あらゆる有形力の行使が許されるわけではない。

  • 34

    身柄不拘束の被疑者に任意出頭を求めて取り調べる場合は、 その被疑者に弁護人を選任することができる旨を告知する法的義務がある。

  • 35

    身柄拘束の被疑者の取調べに際し、 当該被疑者の弁護人が 取調べに対して立会いを要求した場合は、 捜査上の支障を理由 にこれを拒むことはできない。

  • 36

    身柄不拘束の被疑者を取調べ中に、 当該被疑者から直ちに弁 護人と電話をしたい旨の申出を受けた場合は、取調べを中断し、 これに応じるべきである。

  • 37

    逮捕・勾留中の被疑者は、取調べ中、 取調べ室から自由に退 出することはできないが、 退出を認めないことにより取調べが強制捜査になるわけではない。

  • 38

    被疑者に手錠を施したまま取調べを行った場合、 それだけで 直ちに供述の任意性が否定される。

  • 39

    逮捕・勾留中の被疑者には、 逮捕・勾留事実に関する取調べ に限られず、 余罪に関する取調べについても取調べ受忍義務が ある。

  • 40

    捜査官は、公訴提起後における当該公訴事件については、被告 人を取り調べることはできるだけ避けるべきであるが、取調べの 必要性があって被告人の防御に影響がなく、かつ、裁判所の審理 に支障を生じない場合には、 被告人を取り調べることができる。

  • 41

    勾留されたまま起訴された被告人を取り調べる場合、当該起訴 事実については、被告人に取調べ受忍義務はないとされている。

  • 42

    既に有罪確定判決を受けている受刑者に、 別件余罪があった場合において、当該余罪について受刑者を取り調べるときは、 被疑者としてではなく参考人として取り調べる。

  • 43

    逮捕又は勾留により身柄拘束中の者につき、本件の取調べを 全て終了した後に余罪について取調べを行った場合、 余罪につ いては供述調書を作成しなかったとしても、その取調べに関し、 取調べ状況報告書を作成し、 検察官に送らなければならない。

  • 44

    被疑者の供述を録取する際、 全部を録取するか一部を録取す あるかは、取調べをする者の裁量に委ねられているが、 全体の趣 旨に変更を及ぼすような部分的録取は認められない。

  • 45

    被疑者の供述を供述調書に録取して読み聞かせる際に、増減 変更の要求があった場合、 供述調書に追加した内容を、閲覧させ、又は読み聞かせる必要はない。

  • 46

    被疑者が供述調書への署名を自署できない場合は、当該被疑者が署名に応じることを承諾していたとしても、取調べ官が署名を代書することは許されない。

  • 47

    法定の手続を終えて適法に作成された供述調書について、事 後、 供述人が内容について変更を申し出たとしても、必ずしも これに応じる法的義務はない。

  • 48

    裁判員裁判対象事件に該当する事件について、 司法警察職員 が逮捕・勾留中の被疑者を取り調べる際には、その録音・録画 が原則義務化されたが、 被疑者が記録を拒んだことその他の被 疑者の言動により、記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないと認めるときは、この限りでない。

  • 49

    捜査機関は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、 被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べることができる ところ、この「被疑者以外の者」には、被害者や目撃者のほか、 共犯者も含まれる。

  • 50

    共同被告人の一方を参考人として取り調べることは差し支え ないが、 必要的共犯関係にある者のうちの一方を他方の参考人 として取り調べることはできない。

  • 51

    参考人は、捜査機関の出頭要求を拒否することができるとこ ろ、その者が捜査に不可欠な事項を知っていると明らかに認め られる場合、 検察官は、 第1回公判期日前に限り、証人尋問を 請求することができる。

  • 52

    供述自由権の告知は、取調べごとにその冒頭で行う必要があ るところ、取調べ中に取調べ官が交代し、 同一事実について取り調べる場合でも、 改めて告知する必要がある。

  • 53

    供述自由権の告知は、 同一事実につき、 同一取調べ官による 取調べに中断があっても、取調べの前後に接着性があり、 前回 この告知の効果が残存していると認められるときは、再開の際に 改めて告知することを要しない。

  • 54

    被疑者の取調べに際しては、あらかじめ自己の意思に反して 供述する必要がない旨を告げなければならないことから、被疑 事実について、 その情状を明らかにするために下調べをする場 合であっても、その前に、 供述自由権を告知する必要がある。

  • 55

    被疑者の取調べに際しては、あらかじめ供述自由権を告知し なければならないところ、 自首調書の作成に当たっては、 供述自由権を告知する必要はない。

  • 56

    被疑者に弁解の機会を与える際、 供述自由権を告知しなければ違法となる。

  • 57

    判例は、被疑者の氏名については、原則として、いわゆる自 己に不利益な事項とはいえないことから、黙秘権の対象にならないとしている。

  • 58

    被疑者の承諾を得て行うポリグラフ検査において、 事件の核 心に触れるような質問をする場合には、あらかじめ被疑者に供述自由権を告知する必要がある。

  • 59

    参考人を取り調べる場合には、捜査機関は、供述自由権を告知する義務を負わない。

  • 60

    勾留中の被疑者を、別事件の参考人として取り調べるときは、 供述自由権を告知しなければならない。

  • 61

    捜査機関は、公務所又は公私の団体に対して、捜査上の照会 を行うことができるところ、ここにいう「公務所」 とは、 国家機関たる公務所であると地方自治体の公務所であるとを問わず、 裁判所、検察庁、警察等に対しても行うことができる。

  • 62

    捜査機関から刑訴法に基づき照会を受けた公務所等は、国の 重大な利益を害する場合を除き、 照会に対し回答する義務を負う。

  • 63

    捜査機関が、 公務所等に対して照会することができる事項には、当該公務所等に手持ちの資料がなく、 新たに調査等をしなければならないものは含まれない。

  • 64

    照会の主体については、 捜査機関であればその資格に制限は ないが、実務では、原則として所属警察署長名義で行うのが適当とされている。

  • 65

    刑訴法197条2項に基づく照会は、公務所又は公私の団体 に対するものであり、団体でない一個人に対して照会すること はできないから、 家族及び数人の使用人だけで経営する株式会 社で、実質的には個人商店であると認められる会社に照会することはできない。

  • 66

    照会を行ってこれを拒否された場合、 捜査の目的を達成する ため強制処分の必要があれば、 改めて捜索差押え等の処分をすることができる。

  • 67

    警察官は、捜査のため必要があるときは、 刑訴法197条2項 により郵便局で取扱中の郵便物について、 受取人の住所・氏名・ 差出数量について照会し、 その回答を求めることができる。

  • 68

    郵便局の私書箱使用者の住所・氏名等について、 照会により 報告を求めることは、 個々の郵便物の内容その他が推知されるおそれがないので違法ではない。

  • 69

    個人情報取扱事業者である企業等が保有する個人情報につい って、捜査機関が捜査関係事項照会を行った場合、 それに応じて 企業等が捜査機関に対して個人情報を提供したとしても、個人情報保護法に抵触しない。

  • 70

    捜査機関が、 電子メールサービスを含む通信プロバイダ事業 者と私人との加入契約につき、 加入者の住所、氏名等の個人情報をプロバイダに照会することは可能である。

  • 71

    携帯電話不正利用防止法における契約者確認の求めは、 刑訴 法197条2項に基づく捜査関係事項照会とは性質を異にするものである。

  • 72

    捜査機関は、公務所等に捜査上の照会を行うことができ、また、その場合において、 必要があるときは、みだりに照会に関 する事項を漏らさないよう求めることができる。

  • 73

    領置とは、捜査機関が、 遺留した物や任意提出物の占有を取 得する処分であるところ、 遺留した物については、被疑者等が 自己の意思によらずに占有を喪失した場合だけではなく、自己 の意思により占有を放棄した場合も含む。

  • 74

    被疑者が捨てたたばこを拾い、そこに付着した唾液を採取することは、令状によることなく、 被疑者に無断で行うことができる。

  • 75

    被疑者が逃走に使用した車両が、 有料駐車場に施錠され駐車されている場合など、 後刻取りに戻ってくると思われる状況があるときには、これを遺留物として領置することはできない。

  • 76

    路上における刃物使用の傷害事件で、意識不明となり病院へ 搬送された被害者が所持していたと認められる、 血痕が付着し たハンドバッグを、 事件の発生直後に現場すぐ近くの公道上で 発見した場合、 遺留物として領置することができる。

  • 77

    領置をするに当たっての任意提出権者は、所有者・所持者・ 保管者に限られるが、ここにいう「所持者」、「保管者」 は、 法律上の権限に基づき所持・保管する者に限られる。

  • 78

    任意提出は、 所持者や保管者によるものであれば、正当な権 限を有する占有者によるものでなくてもよいので、同居の親族 が、その配偶者や子どもの所持品から禁制品を発見し、自ら警 察署に持参してきた場合であっても、 任意提出を受けることが できる。

  • 79

    被疑者が所有し、かつ自ら管理 使用する自動車について、 被疑者の妻を立会人として捜索を行ったところ、 車内から令状 に「差し押さえるべき物」 として記載されていない証拠物件を 発見した場合、妻から任意提出を受けるのは妥当でなく、令状 の発付を受けて差し押さえるべきである。

  • 80

    所有者、所持者又は保管者が任意に提出した物は、これを領 置することができるが、 アパートの管理人は、包括的にアパートを管理していることから、 アパート賃借人の居室内の物につ いて任意提出権者となる。

  • 81

    鍵を預ける形態の駐車場に駐車中の車両内にあるジャンパー につき、当該駐車場の管理者は、任意提出権者である。

  • 82

    収納期限が超過したため、コインロッカーの内部から出して 保管中のかばんにつき、物の所有者と連絡が取れない場合、 当該コインロッカーの管理者は任意提出権者である。

  • 83

    医師が診療のため患者から採取した尿につき、当該尿を採取した医師は、任意提出権者である。

  • 84

    窃取された財布につき、 当該財布を所持している窃盗被疑者は、任意提出権者である。

  • 85

    デパートの警備員が万引きをした者を現行犯逮捕し、 被害品 を取り戻した後、犯人を警察官に引き渡した場合、 当該盗品に 対する領置手続については、 被疑者ではなく逮捕者である警備 員を差出人としてこれを行う。

  • 86

    被疑者その他の者が遺留した物又は所有者、所持者若しくは 保管者が任意提出した物は領置することができ、 領置後、 提出 者が還付を求めても、 捜査のために必要があれば還付を拒否することができる。

  • 87

    任意提出を受けて領置した物については、その提出者から返 還の請求がなされた場合、 捜査機関は返還義務を負うので、引き続き留置する必要があるときは、改めてその物を強制手続により差し押さえなければならない。

  • 88

    領置の対象は、 証拠物又は没収すべき物に限られず、 具体的 な被疑事件との関連性が明らかでない物や、 将来これに転ずる蓋然性がある物も含まれる。

  • 89

    強盗事件被疑者の追跡捜査に当たって、 立ち回り先等の聞込 みを実施するために利用する目的で、 被疑者が犯行直前まで勤 務していた会社の同僚から被疑者の最近の写真を借り受ける場 合、領置手続をとる必要はない。

  • 90

    捜査機関は、 被疑者その他の者が遺留した物を領置できるところ、領置後、その物について錠を外し、 封を開き、その他必要な処分をすることができる。

  • 91

    被疑者が、特定の犯罪の証拠物と認められる自動車をドアロッ クしないまま公道上に置き去った場合、これを遺留物と認めて領 置し、 その車両内を必要な処分として点検することができるが、 その車両内から本件に関する証拠物を発見したときも、遺留物として領置することができる。

  • 92

    被疑者が遺留したレンズ付きフィルム (通称・使い捨てカメラ)を領置した場合には、 検証許可状をとるまでもなく、押収 の効力として当該レンズ付きフィルムに内蔵されている未現像 のフィルムを現像することができる。

  • 93

    ホテル内で死亡した者の所持品の中に覚醒剤があった場合に、 当該覚醒剤を証拠化するためには、保管者である行政官たる警 察署長から司法警察員たる警察署長に任意提出するようにすればよい。

  • 94

    捜査の必要があることを理由に、 医師が診療の必要がない者 から血液を採取し、 捜査機関が、 当該医師から血液を領置することは違法である。

  • 95

    窃盗の現行犯人として逮捕したところ、犯人の所持金と窃取 された現金が混ざって区別できない場合、 その全額の任意提出を受けて領置することができる。

  • 96

    任意提出を受けて領置する場合、請求の有無にかかわらず、 提出者に対して押収品目録交付書を交付しなければならない。

  • 97

    任意提出物を領置するに当たっては、原則として提出者に対 して押収品目録交付書を交付しなければならないが、 被疑者が 任意提出をし、 取調べ終了後、直ちに還付する予定がある場合 は、押収品目録交付書の作成及び交付を省略することができる。

  • 98

    領置した物の保管は、原則として領置した警察署が自ら行い、 その保存に当たっては、滅失又は破損しないように保管すべき法的義務を負う。

  • 99

    刑訴法197条1項は、 捜査のために必要な取調べについて 定めているが、これは、被疑者の取調べに限られず、広く捜査 に必要な一切の手段・方法を意味するものである。

  • 100

    尾行とは、 捜査資料・証拠の収集、 被疑者の発見 逮捕等の ため、 被疑者又はその関係者に追随してその行動を監視する捜 査方法であるところ、 相手方に気付かれた後に行う場合には、 個別具体的に、 その必要性・ 緊急性・方法の相当性を考慮して適法性が判断される。