【刑法】復元問題一問一答(上巻)②構成要件

【刑法】復元問題一問一答(上巻)②構成要件
59問 • 2年前
  • 山本卓弥
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    問題一覧

  • 1

    真正身分犯とは、当該身分を有する者が犯した場合だけが犯罪となり、当該身分を有しない者が行っても犯罪を構成しないものをいい、公務員を主体とする虚偽公文書作成罪や収賄罪、 法律により宣誓した証人を主体とする偽証罪、他人の物の占有者を主体とする横領罪などがこれに当たる。

  • 2

    不真正身分犯とは、一定の身分を有する者が行うことにより犯罪が構成されるもので、業務上横領罪がこれに当たる。

  • 3

    秘密漏示罪は、身分犯である。

  • 4

    公正証書原本不実記載等罪は、身分犯である。

  • 5

    強制性交等罪は、身分犯である。

  • 6

    贈賄罪は、身分犯である。

  • 7

    業務上過失傷害罪は、 身分犯である。

  • 8

    背任罪は、身分犯である。

  • 9

    業務上横領罪は、業務上他人の物を占有する者を主体とする犯罪であるが、他人の物の占有者という点では真正身分犯であり、業務上(業務者) という点では不真正身分犯である。

  • 10

    殺人罪は結果犯であるから、人の死亡という結果が発生して初めて既遂となる。

  • 11

    通貨偽造罪は、 実質犯である。

  • 12

    侵害犯とは、法益の侵害又は侵害の危険の発生を構成要件要素としている犯罪の中で、 現実の法益侵害の発生を必要とするものをいい、詐欺罪がこれに当たる。

  • 13

    消火妨害罪は、抽象的危険犯である。

  • 14

    他人所有現住建造物等失火罪は、抽象的危険犯である。

  • 15

    往来危険罪は、抽象的危険犯である。

  • 16

    凶器準備集合罪は、 抽象的危険犯である。

  • 17

    保護責任者遺棄罪は、抽象的危険犯である。

  • 18

    犯罪は、構成要件的結果の発生及び法益侵害の発生と犯罪成立時期との関係から、即成犯、状態犯、継続犯とに分類される。 このうち即成犯とは、 結果の発生と同時に犯罪が終了するが、 犯罪終了後も法益侵害の状態が継続するものをいう。

  • 19

    即成犯とは、 結果の発生と同時に犯罪が既に達し、法益の侵害も終了するものをいい、 殺人罪、放火罪がこれに当たる。

  • 20

    結果の発生・法益侵害の発生と犯罪成立時期との関係から、 即成犯、状態犯、継続犯に分類されるところ、 状態犯とは、 結果の発生と同時に犯罪が成立し、その後も法益侵害の状態が継続する間、 その犯罪が継続するものをいい、監禁罪がこれに当たる。

  • 21

    状態犯とは、 結果の発生と同時に犯罪が既遂に達し、 その後も法益侵害は継続するものの、これについては犯罪と認められないものをいい、 例えば、 窃盗罪において、犯人が財物を窃取した後に当該財物を損壊しても、原則として器物損壊罪を構成しない。

  • 22

    継続犯とは、 結果の発生と同時に犯罪が既遂に達し、 その後も法益侵害の状態が継続している間、犯罪の継続が認められるものをいい、 監禁罪、 誘拐罪等がこれに当たる。

  • 23

    継続犯とは、 結果の発生と同時に犯罪が既遂に達し、 その後も法益侵害の状態が継続している間、犯罪の継続が認められるものをいい、法益侵害の状態が継続する限り犯罪は終了しないので、その間は、いつでも共犯が成立し、また公訴時効も進行しない。

  • 24

    継続犯である逮捕・監禁罪に途中から加担した者は、共同正犯とはならず、幇助犯にとどまる。

  • 25

    目的犯とは、故意のほかに、 構成要件上一定の目的の存在を必要とする犯罪をいい、 有価証券偽造罪がこれに当たる。

  • 26

    公務執行妨害罪は、 目的犯である。

  • 27

    逃走援助罪は、 目的犯である。

  • 28

    通貨偽造罪は、 目的犯である。

  • 29

    不正電磁的記録カード所持罪は、 目的犯である。

  • 30

    虚偽告訴罪は、 目的犯である。

  • 31

    贈賄罪は、目的犯である。

  • 32

    背任罪は、目的犯である。

  • 33

    表示犯とは、身体の動静が行為者の一定の思想の表示となって現れる犯罪のことをいい、 侮辱罪がこれに当たる。

  • 34

    結合犯とは、2つ以上の罪となるべき行為を結合して、1つの構成要件とされる犯罪をいい、 強盗・強制性交等罪がこれに当たる。

  • 35

    真正不作為犯とは、多衆不解散罪や不退去罪などのように、 不作為という形式で構成要件が定められた犯罪である。

  • 36

    犯罪は、作為によってのみ成立するものではなく不作為によっても成立するが、作為の形式で規定されている犯罪を不作為によって実現する場合を不真正不作為犯という。

  • 37

    不真正不作為犯は、 「殺す」 又は 「欺く」 というように、構成要件が作為の形式で規定されている犯罪を、不作為によって実現するものであるから、 例えば、 母親が乳児を殺そうと思って授乳をしないまま放置し、 乳児を死させた場合には、 殺人罪の不真正不作為犯が成立する。

  • 38

    不真正不作為犯が成立するためには、法律上の作為義務があること、 当該不作為が作為と同価値であること、不作為と結果との間に因果関係があることが必要であるが、作為義務を尽くしたならば結果を防止できたかどうかは、 不真正不作為犯の成否に影響しない。

  • 39

    不真正不作為犯が成立するためには、行為者に作為義務が認められることが必要であるが、この作為義務の発生根拠としては、法令、契約・事務管理、先行行為等がある。

  • 40

    不真正不作為犯の場合も作為犯と同様に、犯罪の実行行為性を認めることができるが、 不作為と構成要件的結果との間に因果関係があれば、直ちに実行行為性が認められるわけではなく、 例えば、他人の生命が危険な状態にさらされている場合に、法的に作為義務のない者がこれを救助せず、傍観したためその他人が死亡したとしても、不作為による殺人罪は成立しない。

  • 41

    未婚の母である甲女は、実子A (1歳)を、数日後には餓死することを予想しつつ、人が寄りつかない河原に置き去りにした。 ところが、たまたま魚釣りに来たBがAを発見して保護したことから、Aは甲女の予期に反して一命を取り留めた。 この場合、 Aの行為は殺人未遂罪に当たる。

  • 42

    甲は、入院中の重篤患者Aを主治医らの警告を無視して退院させ、その生命に具体的な危険を生じさせたうえ、Aの容体を見て、そのままでは死亡する危険があることを認識しながら、 生命維持のために必要な医療措置を受けさせずに死亡させた。 この場合、 甲は殺人罪の刑責を負う。

  • 43

    間接正犯とは、責任能力や故意のない者を利用して犯罪を実行させるものであることから、 被利用者に故意があるときは、 いかなる場合であっても成立しない。

  • 44

    間接正犯は、他人を道具として利用し犯罪の実行行為を行うこと、すなわち、行為者が、被利用者を道具のように支配・利用し、被利用者の行為を通じて構成要件的行為の全部又は一部を行う場合であり、これは共犯ではなく正犯である。

  • 45

    間接正犯とは、他人を道具として利用して犯罪を実現するものであるが、その成立要件として、利用する側と利用される側との両者の間に意思の連絡が必要である。

  • 46

    間接正犯と教唆犯はともに他人を利用する点で共通するから、 他人を道具として利用し自己の犯罪を実行しようとする間接正犯の故意と、他人に犯罪を実行させようとする教唆犯の故意は異なるものの、間接正犯の故意は教唆犯の故意を含むということができる。

  • 47

    間接正犯においては、利用者と被利用者との間に意思の連絡がなく、被利用者は単に道具として利用されるにすぎないので、 利用者だけが犯罪行為者であり、被利用者は原則として刑事責任を負わない。

  • 48

    間接正犯と教唆犯は、自らが直接実行行為をするものではない点で共通するが、 教唆犯では被教唆者も罰せられるのに対して、間接正犯における被利用者は、常に罰せられない。

  • 49

    間接正犯とは、他人を道具として利用し犯罪を実現する場合をいうが、被利用者が高度の精神病者で是非弁別能力を全く欠いている場合には、 被利用者は刑事責任を負うことはなく、処罰されるのは間接正犯者のみである。

  • 50

    刑事未成年者を利用して犯罪を実行した場合に、その者が是非善悪を判断する能力を欠いているときは間接正犯となり、その能力を有しているときは教唆犯となる。

  • 51

    是非弁別能力がある刑事未成年者を利用して犯罪を実現した場合は、原則として間接正犯とはならないが、当該刑事未成年者に対して、その意思を抑圧する程の強度の強制を加えて犯罪を実行させたときは、間接正犯が成立する。

  • 52

    暴力団員甲は、 同じ組の乙から 「指を落とさなかったらぶっ殺すぞ。」 と脅かされ、追い詰められた状態で、 自分の指を包丁で1本切り落とした。 乙には、 傷害罪が成立する。

  • 53

    不良グループの甲は、仲間のAが「グループを抜けたい。」 と申し出たことに腹を立て、 「抜けてもいいが根性を見せろ。」 と語気強く命令した。 甲の態度に畏怖したAは、 甲が、 グルー ブを脱退する際に自らを制裁する掟となっている、いわゆる 「根性焼き」 をすることを要求していることを察知し、自ら火 のついたたばこを手甲部分に押し付けた。 その結果、 Aが全治 1週間のやけどを負った場合、 甲は傷害罪の刑責を負う。

  • 54

    間接正犯の実行の着手時期について判例は、被利用者基準説をとっており、 例えば、 殺人罪における毒物を小包で送付した場合は、毒物が被害者に到達した時点となる。

  • 55

    間接正犯とは、他人を道具として利用し、犯罪を実現することをいい、その実行の着手時期は、 例えば、 窃盗罪の間接正犯についていえば、被利用者の窃盗が既に達した時である。

  • 56

    構成要件に該当する行為は、それが当人の意思により支配されたものでなければならないので、反射運動は刑法上の行為に当たらない。

  • 57

    犯罪が成立するためには、 構成要件に該当し違法であることに加え、 有責な行為として行為者を非難し、行為者に対し責任を問い得るものでなければならない。

  • 58

    因果関係とは、 結果犯における実行行為と構成要件的結果との間に存在する原因と結果との関係をいうが、 例えば、 強制性交されそうになったので、窓から飛び降りて負傷した場合にも因果関係が認められ、強制性交等致傷罪が成立する。

  • 59

    甲は、自宅マンション居室において、 乙に対し飲酒を強要し、 約2時間45分間、断続的に激しく執拗な暴行を加えたところ、 乙が隙を見て逃走し、その約10分後、極度の恐怖感により追跡から逃れるため約800メートル離れた高速道路に進入し、 疾走してきた自動車に追突され、 死亡した。 この場合、 甲の行為は傷害致死罪に当たる。

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  • 1

    真正身分犯とは、当該身分を有する者が犯した場合だけが犯罪となり、当該身分を有しない者が行っても犯罪を構成しないものをいい、公務員を主体とする虚偽公文書作成罪や収賄罪、 法律により宣誓した証人を主体とする偽証罪、他人の物の占有者を主体とする横領罪などがこれに当たる。

  • 2

    不真正身分犯とは、一定の身分を有する者が行うことにより犯罪が構成されるもので、業務上横領罪がこれに当たる。

  • 3

    秘密漏示罪は、身分犯である。

  • 4

    公正証書原本不実記載等罪は、身分犯である。

  • 5

    強制性交等罪は、身分犯である。

  • 6

    贈賄罪は、身分犯である。

  • 7

    業務上過失傷害罪は、 身分犯である。

  • 8

    背任罪は、身分犯である。

  • 9

    業務上横領罪は、業務上他人の物を占有する者を主体とする犯罪であるが、他人の物の占有者という点では真正身分犯であり、業務上(業務者) という点では不真正身分犯である。

  • 10

    殺人罪は結果犯であるから、人の死亡という結果が発生して初めて既遂となる。

  • 11

    通貨偽造罪は、 実質犯である。

  • 12

    侵害犯とは、法益の侵害又は侵害の危険の発生を構成要件要素としている犯罪の中で、 現実の法益侵害の発生を必要とするものをいい、詐欺罪がこれに当たる。

  • 13

    消火妨害罪は、抽象的危険犯である。

  • 14

    他人所有現住建造物等失火罪は、抽象的危険犯である。

  • 15

    往来危険罪は、抽象的危険犯である。

  • 16

    凶器準備集合罪は、 抽象的危険犯である。

  • 17

    保護責任者遺棄罪は、抽象的危険犯である。

  • 18

    犯罪は、構成要件的結果の発生及び法益侵害の発生と犯罪成立時期との関係から、即成犯、状態犯、継続犯とに分類される。 このうち即成犯とは、 結果の発生と同時に犯罪が終了するが、 犯罪終了後も法益侵害の状態が継続するものをいう。

  • 19

    即成犯とは、 結果の発生と同時に犯罪が既に達し、法益の侵害も終了するものをいい、 殺人罪、放火罪がこれに当たる。

  • 20

    結果の発生・法益侵害の発生と犯罪成立時期との関係から、 即成犯、状態犯、継続犯に分類されるところ、 状態犯とは、 結果の発生と同時に犯罪が成立し、その後も法益侵害の状態が継続する間、 その犯罪が継続するものをいい、監禁罪がこれに当たる。

  • 21

    状態犯とは、 結果の発生と同時に犯罪が既遂に達し、 その後も法益侵害は継続するものの、これについては犯罪と認められないものをいい、 例えば、 窃盗罪において、犯人が財物を窃取した後に当該財物を損壊しても、原則として器物損壊罪を構成しない。

  • 22

    継続犯とは、 結果の発生と同時に犯罪が既遂に達し、 その後も法益侵害の状態が継続している間、犯罪の継続が認められるものをいい、 監禁罪、 誘拐罪等がこれに当たる。

  • 23

    継続犯とは、 結果の発生と同時に犯罪が既遂に達し、 その後も法益侵害の状態が継続している間、犯罪の継続が認められるものをいい、法益侵害の状態が継続する限り犯罪は終了しないので、その間は、いつでも共犯が成立し、また公訴時効も進行しない。

  • 24

    継続犯である逮捕・監禁罪に途中から加担した者は、共同正犯とはならず、幇助犯にとどまる。

  • 25

    目的犯とは、故意のほかに、 構成要件上一定の目的の存在を必要とする犯罪をいい、 有価証券偽造罪がこれに当たる。

  • 26

    公務執行妨害罪は、 目的犯である。

  • 27

    逃走援助罪は、 目的犯である。

  • 28

    通貨偽造罪は、 目的犯である。

  • 29

    不正電磁的記録カード所持罪は、 目的犯である。

  • 30

    虚偽告訴罪は、 目的犯である。

  • 31

    贈賄罪は、目的犯である。

  • 32

    背任罪は、目的犯である。

  • 33

    表示犯とは、身体の動静が行為者の一定の思想の表示となって現れる犯罪のことをいい、 侮辱罪がこれに当たる。

  • 34

    結合犯とは、2つ以上の罪となるべき行為を結合して、1つの構成要件とされる犯罪をいい、 強盗・強制性交等罪がこれに当たる。

  • 35

    真正不作為犯とは、多衆不解散罪や不退去罪などのように、 不作為という形式で構成要件が定められた犯罪である。

  • 36

    犯罪は、作為によってのみ成立するものではなく不作為によっても成立するが、作為の形式で規定されている犯罪を不作為によって実現する場合を不真正不作為犯という。

  • 37

    不真正不作為犯は、 「殺す」 又は 「欺く」 というように、構成要件が作為の形式で規定されている犯罪を、不作為によって実現するものであるから、 例えば、 母親が乳児を殺そうと思って授乳をしないまま放置し、 乳児を死させた場合には、 殺人罪の不真正不作為犯が成立する。

  • 38

    不真正不作為犯が成立するためには、法律上の作為義務があること、 当該不作為が作為と同価値であること、不作為と結果との間に因果関係があることが必要であるが、作為義務を尽くしたならば結果を防止できたかどうかは、 不真正不作為犯の成否に影響しない。

  • 39

    不真正不作為犯が成立するためには、行為者に作為義務が認められることが必要であるが、この作為義務の発生根拠としては、法令、契約・事務管理、先行行為等がある。

  • 40

    不真正不作為犯の場合も作為犯と同様に、犯罪の実行行為性を認めることができるが、 不作為と構成要件的結果との間に因果関係があれば、直ちに実行行為性が認められるわけではなく、 例えば、他人の生命が危険な状態にさらされている場合に、法的に作為義務のない者がこれを救助せず、傍観したためその他人が死亡したとしても、不作為による殺人罪は成立しない。

  • 41

    未婚の母である甲女は、実子A (1歳)を、数日後には餓死することを予想しつつ、人が寄りつかない河原に置き去りにした。 ところが、たまたま魚釣りに来たBがAを発見して保護したことから、Aは甲女の予期に反して一命を取り留めた。 この場合、 Aの行為は殺人未遂罪に当たる。

  • 42

    甲は、入院中の重篤患者Aを主治医らの警告を無視して退院させ、その生命に具体的な危険を生じさせたうえ、Aの容体を見て、そのままでは死亡する危険があることを認識しながら、 生命維持のために必要な医療措置を受けさせずに死亡させた。 この場合、 甲は殺人罪の刑責を負う。

  • 43

    間接正犯とは、責任能力や故意のない者を利用して犯罪を実行させるものであることから、 被利用者に故意があるときは、 いかなる場合であっても成立しない。

  • 44

    間接正犯は、他人を道具として利用し犯罪の実行行為を行うこと、すなわち、行為者が、被利用者を道具のように支配・利用し、被利用者の行為を通じて構成要件的行為の全部又は一部を行う場合であり、これは共犯ではなく正犯である。

  • 45

    間接正犯とは、他人を道具として利用して犯罪を実現するものであるが、その成立要件として、利用する側と利用される側との両者の間に意思の連絡が必要である。

  • 46

    間接正犯と教唆犯はともに他人を利用する点で共通するから、 他人を道具として利用し自己の犯罪を実行しようとする間接正犯の故意と、他人に犯罪を実行させようとする教唆犯の故意は異なるものの、間接正犯の故意は教唆犯の故意を含むということができる。

  • 47

    間接正犯においては、利用者と被利用者との間に意思の連絡がなく、被利用者は単に道具として利用されるにすぎないので、 利用者だけが犯罪行為者であり、被利用者は原則として刑事責任を負わない。

  • 48

    間接正犯と教唆犯は、自らが直接実行行為をするものではない点で共通するが、 教唆犯では被教唆者も罰せられるのに対して、間接正犯における被利用者は、常に罰せられない。

  • 49

    間接正犯とは、他人を道具として利用し犯罪を実現する場合をいうが、被利用者が高度の精神病者で是非弁別能力を全く欠いている場合には、 被利用者は刑事責任を負うことはなく、処罰されるのは間接正犯者のみである。

  • 50

    刑事未成年者を利用して犯罪を実行した場合に、その者が是非善悪を判断する能力を欠いているときは間接正犯となり、その能力を有しているときは教唆犯となる。

  • 51

    是非弁別能力がある刑事未成年者を利用して犯罪を実現した場合は、原則として間接正犯とはならないが、当該刑事未成年者に対して、その意思を抑圧する程の強度の強制を加えて犯罪を実行させたときは、間接正犯が成立する。

  • 52

    暴力団員甲は、 同じ組の乙から 「指を落とさなかったらぶっ殺すぞ。」 と脅かされ、追い詰められた状態で、 自分の指を包丁で1本切り落とした。 乙には、 傷害罪が成立する。

  • 53

    不良グループの甲は、仲間のAが「グループを抜けたい。」 と申し出たことに腹を立て、 「抜けてもいいが根性を見せろ。」 と語気強く命令した。 甲の態度に畏怖したAは、 甲が、 グルー ブを脱退する際に自らを制裁する掟となっている、いわゆる 「根性焼き」 をすることを要求していることを察知し、自ら火 のついたたばこを手甲部分に押し付けた。 その結果、 Aが全治 1週間のやけどを負った場合、 甲は傷害罪の刑責を負う。

  • 54

    間接正犯の実行の着手時期について判例は、被利用者基準説をとっており、 例えば、 殺人罪における毒物を小包で送付した場合は、毒物が被害者に到達した時点となる。

  • 55

    間接正犯とは、他人を道具として利用し、犯罪を実現することをいい、その実行の着手時期は、 例えば、 窃盗罪の間接正犯についていえば、被利用者の窃盗が既に達した時である。

  • 56

    構成要件に該当する行為は、それが当人の意思により支配されたものでなければならないので、反射運動は刑法上の行為に当たらない。

  • 57

    犯罪が成立するためには、 構成要件に該当し違法であることに加え、 有責な行為として行為者を非難し、行為者に対し責任を問い得るものでなければならない。

  • 58

    因果関係とは、 結果犯における実行行為と構成要件的結果との間に存在する原因と結果との関係をいうが、 例えば、 強制性交されそうになったので、窓から飛び降りて負傷した場合にも因果関係が認められ、強制性交等致傷罪が成立する。

  • 59

    甲は、自宅マンション居室において、 乙に対し飲酒を強要し、 約2時間45分間、断続的に激しく執拗な暴行を加えたところ、 乙が隙を見て逃走し、その約10分後、極度の恐怖感により追跡から逃れるため約800メートル離れた高速道路に進入し、 疾走してきた自動車に追突され、 死亡した。 この場合、 甲の行為は傷害致死罪に当たる。