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【刑訴法】復元問題一問一答(上巻)①
  • 山本卓弥

  • 問題数 100 • 9/22/2023

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    問題一覧

  • 1

    司法巡査には、告訴を受理する権限が与えられている。

  • 2

    告発を受理する権限は、告訴を受理する権限とは異なり、司法警察員だけではなく司法巡査にも与えられている。

  • 3

    司法巡査には、代行検視の権限が与えられている。

  • 4

    逮捕状により被疑者を逮捕する権限は、刑訴法上、司法警察員だけに与えられ、 司法巡査には与えられていない。

  • 5

    逮捕状の緊急執行を行う権限は、 刑訴法上、 司法警察員だけ に与えられおり、 司法巡査には与えられていない。

  • 6

    逮捕された被疑者を検察官に送致する権限は、 司法巡査には 与えられていない。

  • 7

    一般在宅事件について犯罪の捜査をしたときは、司法警察員 だけでなく、 司法巡査にも事件を検察官に送致する権限が与えられている。

  • 8

    逮捕された被疑者を釈放する権限は、司法警察員だけに与えられており、司法巡査には与えられていない。

  • 9

    刑訴法上、捜索差押許可状を請求する権限は、逮捕状を請求 する権限とは異なり、 司法巡査にも与えられている。

  • 10

    司法巡査には、令状による差押えをする権限が与えられている。

  • 11

    検証許可状により検証を行う権限は、 事柄の重要性から、代行検視の権限と同様に、司法巡査には認められていない。

  • 12

    司法巡査には、身体検査令状を請求する権限が与えられている。

  • 13

    裁判官に対して鑑定処分許可状を請求する権限は、刑訴法上、 司法警察員だけではなく、 司法巡査にも与えられている。

  • 14

    遺留物や任意提出物の領置は、 司法警察員に限らず司法巡査 でも行うことができるが、 還付や仮還付は司法巡査が行うこと はできない。

  • 15

    危険を生ずるおそれがある押収物を廃棄処分する権限は、刑訴法上、司法警察員だけでなく司法巡査にも与えられている。

  • 16

    司法巡査には、押収物を還付する権限が与えられている。

  • 17

    保管中の押収物を被押収者の請求により仮還付する権限は、 司法巡査にも与えられている。

  • 18

    海上保安官は、海上における犯罪について刑訴法の規定による司法警察職員として職務を行うものとされている。

  • 19

    麻薬取締官は、 麻薬・覚醒剤等の取締りに関して、 司法警察 員としての権限を有し、必要があれば刑訴法に定める捜索差押え 検証等の強制処分を行うことができる。

  • 20

    検察事務官は、 検察官から独立した捜査機関ではなく、一般的 に検察官を補佐し、 検察官の指揮命令によって捜査に従事する。

  • 21

    刑訴法は、 「弁護人」は弁護士の中から選任しなければなら ないと定めているところ、ここにいう「弁護士」には、外国の 弁護士資格は有しているものの、我が国の弁護士資格を有して いない者は含まれない。

  • 22

    被疑者・被告人の弁護人は、 特別弁護人を除き、 日本弁護士連合会に登録のある弁護士の中から選任しなければならないが、ここにいう弁護士とは、日本弁護士連合会に備えた外国法事務弁護士名簿に登録された外国弁護士を含む。

  • 23

    逮捕・勾留中の被疑者は、管轄する簡易裁判所又は地方裁判所の許可を得て、 弁護士資格のない特別弁護人を選任すること ができる。

  • 24

    特別弁護人は、地方裁判所においては他に弁護士である弁護人があり、かつ、 裁判所の許可を受けたときに、 簡易裁判所においては裁判所の許可を受けたときに、 弁護士以外の者から選任されるところ、この選任は起訴後に限られ、被疑者の段階では認められない。

  • 25

    地方裁判所では、裁判所の許可を受け、 特別弁護人を選任す ることができるが、この場合、他に弁護士の中から選任された 弁護人があることが条件であり、同一事件で複数の特別弁護人 を選任することはできない。

  • 26

    地方裁判所に公訴が提起された被告事件において、他に弁護士たる弁護人があって、かつ、裁判所の許可を受けた場合には、 いわゆる特別弁護人を選任することができるが、これを許可す るかしないかは、裁判所の自由裁量に属する。

  • 27

    逮捕した外国人被疑者が、 自己の使用言語を理解できる外国 人の弁護士を弁護人に選任したい旨申し出た場合、我が国の弁護 士資格を有する者か否かを確認し、これを有しないときには、被 疑者段階では同人を弁護人に選任できない旨教示すべきである。

  • 28

    弁護人の第一義的な任務は被疑者・被告人の正当な利益を擁 護することにあり、弁護人は、 そのため誠実に職務を遂行する 義務を負うが、その一方で、 事案の真相解明に努めるべき義務 や、捜査の妨害を回避する義務をも負っている。

  • 29

    被告人又は被疑者は、身体拘束の有無、起訴の前後又は裁判 の審級にかかわらず、 その事件が確定するまでの間であれば、 いつでも弁護人を選任することができる。

  • 30

    被疑者の兄弟姉妹、 配偶者は、本人の意思にかかわらず、独 立して弁護人を選任することができる。

  • 31

    被疑者の近親者等は、被疑者の意思にかかわらず、弁護人の 選任をすることができるが、ここにいう「近親者等」には、被 疑者の法定代理人、保佐人、 配偶者は含まれるが、被疑者の叔 父や叔母は含まれない。

  • 32

    被告人・被疑者の法定代理人及び保佐人は、独立弁護人選任権者であり、被告人・被疑者の意思に反する場合でも、独立して弁護人を選任することができる。

  • 33

    被疑者の祖父は、独立して弁護人を選任することができる。

  • 34

    被疑者の配偶者は、被疑者の意思にかかわらず、独立して弁護人を選任することができるが、ここにいう「配偶者」には、 いわゆる内縁関係の者は含まれない。

  • 35

    独立して弁護人を選任することができる者には、被疑者の配偶者、兄弟姉妹や被疑者の孫は含まれるが、被疑者の配偶者の 実母は含まれない。

  • 36

    被疑者の子や孫の配偶者は、独立して弁護人を選任すること ができる。

  • 37

    被疑者の姪は、独立して弁護人を選任する権限を有しない。

  • 38

    被疑者は、被疑者以外の弁護人選任権者が選任した弁護人を 自ら解任することができるが、被疑者以外の弁護人選任権者は、被疑者が選任した弁護人を独立して解任することはできない。

  • 39

    被疑者以外の弁護人選任権者は、被疑者の意思にかかわらず弁護人を選任することができるところ、被疑者は、これらの者 が選任した弁護人を解任することはできない。

  • 40

    少年被疑者は、法定代理人が選任した弁護人を気に入らないとしても、勝手に解任することはできない。

  • 41

    被疑者の法定代理人は、独立して弁護人を選任することができるから、少年被疑者が逮捕された場合、その実父は、本人の 意思にかかわらず弁護人を選任することができ、解任について も同様に、自らが選任した弁護人が気に入らなくなった場合、 本人の意思に反してもこれを解任することができる。

  • 42

    公訴提起前にした弁護人の選任は、事件を取り扱う検察官又 は司法警察員に対し、 被疑者と弁護人が連署した書面を差し出 せば、第一審においてもその効力を有する。

  • 43

    弁護人の選任は、公訴提起前の被疑者については、何らの方 式も必要としない不要式行為とされているので、 被疑者及び弁護人があくまでも口頭により弁護人を選任する旨を主張したと きは、これを正式な弁護人の選任として受理する手続を行わな ければならない。

  • 44

    公訴提起後における弁護人の選任は、弁護人と連署した書面 を差し出して行われなければならないが、公訴提起前における 弁護人選任は不要式行為とされているので、公訴提起前におい して、弁護人選任届を提出するよう説得することはできない。

  • 45

    身柄不拘束の被疑者が、弁護人と連署した弁護人選任届を提 出してきた場合、事件送致前であれば、 司法警察員はその受理 を拒むこともできる。

  • 46

    被疑者が選任できる弁護人の数は、原則として3人までとさ れているが、被告人の弁護人については、 特別の事情がある場 合を除き、その数に制限はない。

  • 47

    被疑者が選任することができる弁護人の数については、地方 裁判所又は簡易裁判所が許可した場合を除き、 各被疑者につい て3人を超えることができないので、4人目の弁護人選任届は 受理すべきでない。

  • 48

    公訴提起後における被告人の弁護人選任は、 被告人と弁護人 が連署した書面を裁判所に提出して行うが、この場合、 被告人 の署名については、 戸籍上の氏名に限られるので、 芸名やペン ネームを記載した弁護人選任届は無効である。

  • 49

    公訴提起後における弁護人の選任は、弁護人と連署した書面 を提出することが必要であり、被告人について単に 「A警察署 ○○号」という記載と指印のある弁護人選任届は無効である。

  • 50

    公訴提起後における弁護人の選任は、被告人が弁護人と連署 した書面を差し出して行うところ、弁護人については、署名押 印に代えて記名押印することができる。

  • 51

    弁護人の選任は、 事件単位で行われることを要し、 被告人が 別事件で追起訴され併合審理になったとしても、新たに選任手 続を行わない限り、一方の事件で行われた弁護人選任の効力は、 他方の事件に及ばない。

  • 52

    公訴提起後における弁護人の選任は、審級ごとにこれを選任 しなければならない。

  • 53

    司法警察員は、弁護人を選任することができる旨を告げるに 当たっては、被疑者に対し、 弁護士、弁護士法人又は弁護士会 を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨を教示しな ければならないところ、 申出先まで教示する必要はない。

  • 54

    弁護人の選任に当たっては、公正さの観点から、 警察官から 特定の弁護人を示唆し、又は推薦してはならないとされている が、 弁護士名簿あるいは電話帳の該当欄を提示する等の便宜を 図ることは差し支えない。

  • 55

    逮捕された被疑者が弁護士会を指定して弁護人の選任を申し 出た場合、 司法警察員は当該弁護士会に通知しなければならず、通知を受けた弁護士会は、所属弁護士の中から弁護人となろう とする者を紹介しなければならない。

  • 56

    逮捕された被疑者が弁護人の選任を申し出るに当たって、弁 護士又は弁護士会を指定したときは、指定された弁護士又は弁 護士会にその旨を通知しなければならないが、 日本弁護士連合 会又は弁護士法人を指定したときは、その旨を通知する義務は ない。

  • 57

    逮捕された被疑者から、会社の上司の知人である弁護士を弁 護人に選任したいので、警察から当該上司に連絡してほしい旨 の申出を受けた場合、特定の弁護士を指定した弁護人選任の申 出に当たらないため、当該上司に警察から連絡すべきではない。

  • 58

    逮捕された被疑者が、 特定の弁護士3人を弁護人に選任した い旨申し出た場合、 そのうち1人に通知すれば足りる。

  • 59

    任意取調べ中の被疑者が、取調べ官に対して弁護人への連絡 を依頼してきた場合、 取調べを中断して被疑者にその機会を与 えればよく、取調べ官自ら連絡する義務まで負うものではない。

  • 60

    被疑者又は被告人は、いつでも弁護人を選任することができ あるので、例えば、逮捕留置中の被疑者から、深夜や早朝等の執 務時間外に特定の弁護士に対して選任の申出を通知するよう依 頼を受けた場合であっても、直ちに通知する義務を負う。

  • 61

    逮捕された被疑者が、 弁護士、 弁護士法人又は弁護士会を指 定して弁護人の選任を申し出た場合、 被疑者を勾留する必要が なく、 釈放する予定であっても、 被疑者が指定した弁護士、弁 護士法人又は弁護士会に直ちに通知しなければならない。

  • 62

    勾留の理由となった被疑事実で既に弁護人を選任している勾 留中の被疑者が同一の被疑事実で更に別の弁護士を指定して 弁護人の選任を申し出た場合には、その旨を当該弁護士に通知 する義務を負わない。

  • 63

    窃盗事件で勾留中の被疑者を、余罪である強盗事件で再逮捕 し弁護人選任権を告知したところ、 「窃盗事件の弁護人を、強盗事件の弁護人にも選任したいので、連絡してほしい。」との申出を受けた場合、 当該弁護士に通知しなければならない。

  • 64

    裁判所は、被告人が貧困その他の事由により弁護人を選任す ることができないときは、その請求により弁護人を付すことに なるが、その選任要件は被告人にあればよく、 被告人以外の弁 護人選任権者が、 弁護人を選任できるのに選任しない場合でも 差し支えない。

  • 65

    裁判所は、被告人が貧困その他の事由により弁護人を選任す ることができないときは、その請求により被告人に弁護人を付 さなければならないところ、 被告人が未成年者の場合、 たとえ 意思能力を有していたとしても、単独で当該請求を行うことは できない。

  • 66

    被告人が国選弁護人の選任を請求する場合、 必要的弁護事件 の場合を除いて、 「資力申告書」の提出が必要である。

  • 67

    被疑者国選弁護制度は、弁護人が公判における争点を早期に 「把握することで、刑事裁判の充実・迅速化を図る観点から、一 定の要件を備える勾留被疑者が国選弁護人の選任を請求できる 制度である。

  • 68

    勾留状が発せられた被疑者であっても、貧困その他の事由に より弁護人を選任することができない場合でなければ、国選弁護人の選任を請求することは認められない。

  • 69

    勾留を請求され、又は勾留状が発せられた被疑者は、貧困そ その他の事由により私選弁護人を選任できない場合、勾留罪名に かかわらず、 国選弁護人の選任を請求することができる。

  • 70

    裁判官が被疑者に対して国選弁護人を付すためには、被疑者 について勾留状が発せられていることが必要であるが、一旦国 選弁護人が付されれば、その後、被疑者が釈放されても、原則 として、その選任の効力は失われない。

  • 71

    裁判官は、 適当と認めるときは、勾留されている被疑者を親 族、 保護団体その他の者に委託し、又は被疑者の住居を制限し て、勾留の執行を停止することができるところ、 被疑者が、 国 選弁護人の付されている事件について、 勾留の執行停止により 釈放されたときは、 国選弁護人選任の効力も失われる。

  • 72

    被疑者は、選任した私選弁護人をいつでも自由に解任できる ところ、 国選弁護人が付されている勾留中の被疑者についても、 弁護人との利益が相反する状況にある等の事由がある場合には、 当該国選弁護人を自ら解任することができる。

  • 73

    被疑者国選弁護制度は、 成人の被疑者だけでなく少年の被疑 者に対しても適用されるところ、少年の被疑者については、勾 留に代わる観護の措置をとるための観護令状が発せられた場合 にも国選弁護人の選任を請求することができる。

  • 74

    被疑者に対する国選弁護人選任の効力には、 事件単位の原則 が及ぶので、既に選任されている国選弁護人が、 新たに身柄拘 束された被疑事実について国選弁護人として選任されるために は、新たにその被疑事実に対する選任手続が必要である。

  • 75

    被疑者に対する国選弁護人の選任は、原則として被疑者の請 求により行われるが、被疑者が特定の弁護士を国選弁護人に選任するよう指名することはできない。

  • 76

    国選弁護人が選任されている勾留中の被疑者が、別の事件で 逮捕され、弁解録取手続の際に同じ弁護士を国選弁護人として 選任したい旨を申し立てた場合、当該弁護士にその旨を通知する必要はない。

  • 77

    国選弁護人は、貧困その他の事由により私選弁護人を選任す ることができない者に付されるものであるから、被疑者の資力 が基準額以上であるときは、あらかじめ、 弁護士会に対して私 選弁護人の選任の申出をしていなければならない。

  • 78

    被疑者の国選弁護人選任請求の要件である資力には、「その者に属する」ものしか考慮されないので、 被疑者が少年の場合であっても、親権者等の資力は考慮されない。

  • 79

    被疑者が国選弁護人の選任を請求するには、裁判官に対して資力申告書を提出しなければならないが、 裁判官の判断を誤らせる目的で、資力について虚偽の記載のある資力申告書を提出した者は、10万円以下の過料に処せられる。

  • 80

    取調べ中の被疑者が、 国選弁護人の選任を申し立てても取 調べを中断することにより支障が生じると認められる場合には、 直ちに取調べを中断する必要はなく、当該取調べ終了後に、留 置施設内において国選弁護人選任請求書及び資力申告書を作成させることとされている。

  • 81

    被疑者を逮捕し、弁護人を選任することができる旨を告げる に当たっては、引き続き勾留を請求された場合において貧困 その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは 裁判官に対して弁護人の選任を請求することができる旨、その 際には資力申告書を提出しなければならない旨などを教示しな ければならない。

  • 82

    司法警察員は、被疑者を逮捕し、又はその引致を受けたとき は、被疑者国選弁護制度の教示をしなければならないが、身柄 不拘束の被疑者に対しては教示義務を負わない。

  • 83

    逮捕後の弁解録取手続において、被疑者が泥酔状態で、 警察 官の説明を理解できないと思われる場合であっても、被疑者国 選弁護制度について教示しなければならない。

  • 84

    逮捕の際に、被疑者が住居・氏名を黙秘している場合であっ ても、被疑者国選弁護制度について教示しなければならない。

  • 85

    被疑者国選弁護制度は、成人事件に限らず少年事件にも適用 されるから、少年被疑者を逮捕し、弁護人選任権の告知をする 際にも、同制度について教示しなければならない。

  • 86

    既に国選弁護人が付されている被疑者を、別の事件で逮捕し た場合には、改めて被疑者国選弁護制度について教示する必要 はない。

  • 87

    逮捕された被疑者について、 その後の捜査により、 罪名を切 り替えて検察官に送致することになった場合、 被疑者に対する 被疑者国選弁護制度の教示は、 送致後において、 被疑者を受け 取った検察官が行うことになる。

  • 88

    被疑者国選弁護制度については、 弁解録取手続において司法 警察員が教示することとされているので、 弁解録取手続が終了 し被疑者を留置した後、 再度、 被疑者から同制度について教示 を求められても、 留置担当官がこれを行う必要はない。

  • 89

    国選弁護人選任請求手続に関する書面作成の援助等は捜査部門において行うこととなるので、 留置担当官は、 留置中の被疑者から国選弁護人を選任したい旨の申出があった場合には、当 該申出を捜査主任官に引き継ぐなど、 適切な対応をし、捜査部門との連携に努めなければならない。

  • 90

    被害者が自然人の場合、 告訴人の資格に年齢制限はなく、未成年者であっても告訴することができるが、告訴の意味を理解 する能力があることが前提であり、具体的事案に即して告訴能力の有無が判断される。

  • 91

    自然人による告訴の場合には、告訴能力、すなわち、告訴の 意味と効果を理解し、告訴をすることによって以後に生ずる自 己の社会生活上の利害得失をある程度見通せる判断能力が必要 とされており、告訴能力のない者が告訴をした場合、その告訴 は無効となる。

  • 92

    犯罪により害を被った者は、告訴をすることができるが、こ こにいう「犯罪により害を被った者」とは、犯罪によって侵害 された法益の主体を意味するから、 自然人に限らず、 公私の法 人はもとより、 法人格を有しない団体も含まれる。

  • 93

    「犯罪により害を被った者」 には、 自然人だけではなく、 公 私の法人のほか、国又は地方公共団体、法人格のない団体も含まれ、法人等の場合には、その代表権を持つ者の名義で告訴を行うこととなる。

  • 94

    X株式会社の総務部長Aから、 従業員甲を業務上横領容疑で 告訴したい旨の相談があり、同社の代表取締役は、被害当時は Bであったが、現在はCに交代しているとの申告を受けた場合、 BではなくCから告訴を受理すべきである。

  • 95

    告訴権を有する被害者とは、直接的な被害を受けた者をいうので、妻の名誉が毀損された場合の夫のように、 間接的な被害を受けたにすぎない者は、 告訴をすることができない。

  • 96

    ビルの所有権者Aは、器物損壊罪の被害者として告訴をした が、翌日、 同ビルの賃借人B女が、 同一事案について告訴をしてきた場合、 B女の告訴も有効である。

  • 97

    客から修理委託を受けて保管していた自動車のフロントガラ スが、 従業員によって損壊された場合、 自動車修理工場の経営者は告訴権者に当たらないから、 当該従業員を告訴することはできない。

  • 98

    共有物の損壊に関し、当該共有物の共有者の1人がした告訴の効力は、 その共有者が有する持分の多少に関係なく、当該共有物全部に不可分的に及ぶ。

  • 99

    駐車違反の取締り現場で、 違反者が交通ミニパトのドアを足で蹴り、凹損させた場合、 器物損壊罪に係る告訴権者は、取締り中の警察官である。

  • 100

    被害者が告訴能力を有する未成年者である場合、当該被害者の親権を有する実父は独立して告訴をすることができない。