情報処理コストは3つの順序で発生する。①ためのコスト、②するコスト、③するコストである

アジア圏では家族経営や国が運営する企業も多い。韓国やシンガポールなど。それらは①ビジネス、②企業と言われる。

財閥に代表される「①」は，日本の商習慣の特徴の一つ。 系列グループを形成するメリットは、グループ内の相互補助，情報の非対称性の緩和，安定的な資金調達，といったものが挙げられる

財閥解体後は，企業同士が互いの株式を持ち合っていた。 これにより，長期的な目線で（短期株主のプレッシャーを排除して）経営にあたること ができた。

取締役会に目を向けると，殆どは①のメンバーが取締役となってきた。 “プロ経営者”を外部から雇い入れる欧米式とは異なる。

日本では基本的に，一度採用された新卒社員を会社が長期 的な目線で育てる，①＆②システムで成り立ってきた

かつての日本において，ガバナンスの役割を中心で担ってきたのは，銀行であると言わ れている。 ※株式市場からの規律はほとんど機能しない（持合い，内部者中心の取締役会，敵対的 買収は殆ど起きない） 特に①（②）と会社の長期的な関係がキーであった。

日本型経営の特徴は，相互に①を持ち，日本企業の競争優位をもたらしてき たと考えられている。：経営の特徴は「長期雇用・年功序列」「メインバンク・ガバナンス」「安定株主」

銀行ガバナンスも，「①を生み出す」という問題を抱えていた。 バブル崩壊のような経済ショック時，銀行は不良債権を多く抱えるが，それを一度に処 理すると銀行の財務状態がひどく悪化してしまう。 そのため，再建の見込みがないような会社にも「②」をして，経営を存続させる， という意思決定が見られた。

バブル崩壊後，含み損を多く抱えた銀行や会社は，持合い株式を売却し始めた。 すると，それまで（いわば大多数の株主の代わりに）日本企業をモニタリングしてきた 銀行と企業との間の関係性が薄れていった。 このため，「①」と呼ばれた問題が生じた。

第2次安倍内閣成立後，日本の経済政策として「①」が行わ れてきた。背景にある問題意識は，日本型経営の機能不全に対する懸念。