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第三種冷凍機械 令和4年(2022)①
  • 高畠智久

  • 問題数 15 • 1/11/2024

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  • 1

    1.冷凍の原理および冷凍サイクルに関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、蒸発器において冷媒は、主として、その顕熱によって被冷却媒体を冷却する。 ロ、理論冷凍サイクルにおいて、冷凍装置の冷凍能力中Φoは、凝縮器の凝縮負荷Φkと圧縮機の軸動力Pthの差 (Φk-Pth) に等しい。 ハ、p-h線図で乾き度が0である等乾き度線は飽和液線を示す。 ニ、理論ヒートポンプサイクルの成績係数の値は、常に1よりも小さい。

    ロ、ハ

  • 2

    2.熱の移動に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、熱伝導率は、物体内を熱が流れるとき、その流れやすさを表す。 その値は、物質固有の値であり、W/(m・K) やkW/(m・K) の単位で表される。 ロ、熱が物体内を高温端から低温端に向かって定常状態で移動する場合、その伝熱量は、高温端と低温端との距離に比例し、その温度差に反比例する。 ハ、熱伝達率の値は、固体壁面の形状や流速などの流れの状態により決まり、流体の種類には無関係である。 ニ、固体壁で隔てられた 2流体間の熱通過率の値は、両流体側壁面の熱伝達率と固体壁の熱伝導率を加え合わせた値である。

  • 3

    3.冷凍能力、動力および省エネルギーに関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、往復圧縮機のピストン押しのけ量は、気筒径、ピストン行程および気筒数によって決まる。 ロ、往復圧縮機の体積効率の値は、圧力比や圧縮機の構造などによって異なり、圧力比とシリンダのすきま容積比が大きくなるほど、大きくなる。 ハ、断熱効率と機械効率の積を全断熱効率といい、実際の圧縮機の駆動軸動力は理論断熱圧縮動力を全断熱効率で除して求められる。 二、冷凍装置の実際の成績係数は、理論冷凍サイクルの成績係数より大きくなる。

  • 4

    4.冷媒およびブラインの性質に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、臨界温度とは、それ以上の温度では冷媒が凝縮しなくなる限界の温度である。 フルオロカーボン冷凍装置は、通常、使用する冷媒の臨界温度以下の範囲で作動する。 ロ、二酸化炭素やプロパンは自然冷媒と呼ばれることがある。 ハ、フルオロカーボン冷媒ガスは空気よりも軽いので、室内に漏えいした際に天井付近に滞留する傾向がある。 ニ、塩化カルシウムブラインは、-40℃くらいまでの低温領域で使用され、無害で食品に直接接触する冷却用に広く用いられている。

    イ、ロ

  • 5

    5.圧縮機に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、圧縮機は、冷媒蒸気を圧縮する方式により、容積式と遠心式に大別され、往復圧縮機、ロータリー圧縮機、スクロール圧縮機およびスクリュー圧縮機は、容積式に分類される。 ロ、多気筒往復圧縮機の容量制御装置(アンローダ)は、吐出し板弁を開放して作動気筒数を変えることで、圧縮機の容量を段階的に変えることができる。 ハ、インバータを使用して圧縮機の回転速度を調節する容量制御では、圧縮機の体積効率は回転速度によらず常に一定であるので、広い回転速度の範囲において、容量は回転速度に比例する。 ニ、圧縮機始動時にオイルフォーミングが発生すると、圧縮機からの油上がりが多くなり、給油圧力の低下、潤滑不良やオイルハンマを起こすことがある。

    イ、ニ

  • 6

    6.凝縮器および冷却塔に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、開放形冷却塔のクーリングレンジとは、冷却塔の出入口の冷却水の温度差のことである。 ロ、空冷凝縮器に入る空気の流速を前面風速といい、その値は通常約1.5m/s ~2.5m/sとしている。 ハ、蒸気式凝縮器は、冷却管コイルの上部より冷却水をポンプで散布し、冷却管コイルの中を通る冷媒ガスを凝縮させる。凝縮温度は、外気の湿球温度には関係しない。 ニ、フルオロカーボン冷媒用のシェルアンドチューブ凝縮器では、冷却管の内表面積に対して外表面積の大きい銅製のローフィンチューブを冷却管として使うことが多い。

    イ、ロ、ニ

  • 7

    7.蒸発器(冷却器) に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、乾式蒸発器への冷媒流量は、一般に、温度自動膨張弁を用いて制御され、蒸発器出口の冷媒の状態は、通常、過熱蒸気である。 口、満液式蒸発器には、冷却管の外側で冷媒が蒸発する蒸発器と、冷却管の内側で冷媒が蒸発する蒸発器がある。 ハ、プレートフィンチューブ冷却器のフィンに霜が厚く付着すると、風量の減少と熱通過率の低下により冷却不良となるため、除霜を行う必要がある。 ニ、除霜方式には、散水方式、ホットガス方式、オフサイクルデフロスト方式などがある。ホットガス方式では、高温の冷媒ガスの顕熱のみで霜を融解させる。

    イ、ロ、ハ

  • 8

    8.自動制御機器に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、圧力センサは、インバータによる圧縮機の回転数、電子膨張弁による冷媒流量、熱交換器のファン回転数の制御などに使用される。 ロ、温度自動膨張弁には、弁の均圧方式により、内部均圧形温度自動膨張弁と外部均圧形温度自動膨張弁があり、蒸発器内の冷媒の圧力損失が大きい冷凍装置には内部均圧形温自動膨張弁が適している。 ハ、蒸発圧力調整弁は、蒸発器入口配管に取り付けられ、蒸発器内の蒸発圧力が所定の圧力よりも低下するのを防止する。 ニ、温度自動膨張弁の感温筒は蒸発器出口配管にしっかりと密着させて取り付ける。もし感温筒が外れてしまうと、膨張弁が大きく開いて液戻りを生じるおそれがある。

    イ、ニ

  • 9

    9.附属機器に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、横形圧力容器を高圧受液器に用いる場合は、受液器から液と一緒に蒸気が流れ出ないように、液出口管の先端が、受液器の底部位置になるようにする。 ロ、往復圧縮機を使用した大形・低温用フルオロカーボン冷凍装置やアンモニア冷凍装置では、油分離器を用いるが、スクリュー圧縮機を使用した冷凍装置では、油分離器を設けない場合が多い。 ハ、液分離器は、蒸発器から圧縮機の間の吸込み蒸気配管に取り付けて、液圧縮を防止する。 ニ、フルオロカーボン冷凍装置やアンモニア冷凍装置では、圧縮機に戻る冷媒蒸気を適度に過熱させるために、 液ガス熱交換器を設けることがある。

    イ、ハ

  • 10

    10.冷媒配管に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、横走り管は、原則として、冷媒の流れの方向に1/150~1/250の上り勾配を設ける。 ロ、フルオロカーボン冷凍装置の冷媒配管の材料には、2%を超えるマグネシウムを含有したアルミニウム合金を使用してはならない。 ハ、吐出しガス配管における流れの抵抗による圧力降下は、20kPaを超えないことが望ましい。 二、高圧液配管内で冷媒液がフラッシュ(気化)するのを防ぐために、高圧液配管の管径は、流速ができるだけ大きくなるように、さらに、圧力降下が小さくなるように決める。

    ロ、ハ

  • 11

    11.安全装置と保安に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、圧縮機に取り付ける安全弁の最小口径は、標準回転速度における1時間当たりのピストン押しのけ量の平方根に比例する。 口、許容圧力以下に戻すことができる安全装置として、 内容積 750リットル未満のフルオロカーボン冷媒用シェル形凝縮器および受液器には、 溶栓を用いることができる。 ハ、異常な高圧圧力を検知して、圧縮機を駆動している電動機の電源を切る高圧遮断装置は、特に定める場合を除き、原則として手動復帰式にする。 二、冷凍空調装置の施設基準 (高圧ガス保安協会自主基準) では、冷媒ガスが空気中に漏えいしたとき、人が失神や重大な障害を受けることなく、緊急の処置をとった上で、自らも避難できる程度の濃度を基準に、冷媒ガスの限界濃度を規定している。

    イ、ハ、ニ

  • 12

    12.冷凍装置の材料および圧力容器に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、圧力容器で耐圧強度に関係するのは、一般に圧縮応力ではなく引張応力である。 ロ、圧力容器の設計において使用される鋼材の許容引張応力は、一般に日本産業規格(JIS)で定められている引張強さの1/2の応力である。 ハ、冷凍装置における高圧部とは、冷媒を吸い込む圧縮機の吸入管から、凝縮器を経て膨張弁の出口までをいう。 二、薄肉円筒胴圧力容器の胴板の内部に発生する接線方向の引張応力は、長手方向の引張応力に等しい。

  • 13

    13.冷凍装置の圧力試験および試運転に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、冷凍装置の圧縮機、圧力容器、冷媒液ポンプなどは、耐圧試験を実施して強度を確認し漏れがなければ、気密試験を省略できる。 ロ、真空試験では、装置全体からの微量の漏れは発見できるが、漏れ箇所を特定することはできない。 ハ、冷凍機油は、水分を吸収しやすいので、できるだけ密封された容器に入っている油を使い、古い油や長時間空気にさらされた油は使用しない。 ニ、装置内に冷媒が過充填されている場合、充填量を適切な批にするために過剰な冷媒を大気放出してはならない。

    ロ、ハ、ニ

  • 14

    14.冷凍装置の運転に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、凝縮器に流れる冷却水量が減少する、あるいは冷却水温が上昇することにより、凝縮圧力が上昇すると、圧縮機吐出しガス圧力も上昇する。 ロ、冷凍装置を長期間停止させる場合は、低圧側や圧縮機内が、ゲージ圧力で10kPa程度の圧力に低下するまで、ポンプダウンにより冷媒を受液器に回収する。 ハ、圧縮機の吸込み蒸気圧力が低下すると、圧縮仕事量は減少するので、圧縮機の吸込み蒸気圧力が低いほど、冷凍装置の成績係数は大きくなる。 ニ、圧縮機の運転開始時、圧縮機にノック音が発生した場合、液戻りが疑われるので、直ちに吸込み側止め弁を絞る。

    イ、ロ、ニ

  • 15

    15.冷凍機の保守管理に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、開放圧縮機を用いた冷凍装置において、冷媒系統中に異物が混入すると、異物が電動機の電気絶縁性を低下させ、電動機の焼損の原因となる。 ロ、フルオロカーボン冷媒は、水分の溶解度が極めて小さいので、低温で運転する冷凍装置では、冷媒系統へ水分が混入すると、膨張弁部で氷結することがある。 ハ、受液器兼用凝縮器を用いた冷凍装置に冷媒が過充填されると、凝縮液が多数の冷却管を浸してしまい、凝縮に有効に働く伝熱面積が減少するため、凝縮圧力が高くなる。 ニ、冷凍負荷が急激に減少すると、蒸発器での冷媒の沸騰が激しくなり、冷媒蒸気が液滴をともなって圧縮機に吸い込まれ、液圧縮を起こしやすい。

    ロ、ハ

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