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第三種冷凍機械 平成29年(2017)①
  • 高畠智久

  • 問題数 15 • 1/8/2024

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    問題一覧

  • 1

    1.冷凍の原理およびサイクルに関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、蒸気圧縮式冷凍装置は、冷媒蒸発器で蒸発するときの潜熱を利用して、 周囲の物質を冷却する。 ロ、冷凍装置の冷凍能力は、冷媒循環量と冷凍効果の積で表される。 ハ、蒸発温度が同じとき、 凝縮温度が高くなるほど、冷凍サイクルの成績係数は大きくなる。 ニ、理論ヒートポンプサイクルの熱出力 (加熱能力)は、凝縮負荷と圧縮機の理論断熱圧縮動力の和である。

    イ、ロ

  • 2

    2.熱の移動に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、鉄鋼の熱伝導率は、銅の熱伝導率より大きい。 ロ、対流熱伝達とは、固体壁の表面とそれに接して流れている流体との間の熱移動をいう。 ハ、気体の対流熱伝達を自然対流熱伝達といい、また、液体の対流熱伝達を強制対流熱伝達という。 ニ、熱通過率は、固体壁を隔てた2流体間に生じる熱移動において、熱の流れやすさを表す係数である。

    ロ、ニ

  • 3

    3.圧縮機、動力および成績係数に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、実際の圧縮機の駆動に必要な軸動力は、冷媒蒸気の圧縮に必要な圧縮動力と機械的摩擦損失動力との和で表すことができる。 ロ、往復圧縮機のピストン押しのけ量は、シリンダ容積と回転速度によって決まり、圧縮機が冷媒蒸気をシリンダに吸い込んで圧縮し、実際に吐き出す量のことをいう。 ハ、冷凍装置とヒートポンプ装置の運転条件が同じであり、機械的摩擦損失仕事が熱となって冷媒に加わる場合のヒートポンプ装置の実際の成績係数は、冷凍装置の実際の成績係数よりも1だけ大きい値となる。 ニ、実際の冷凍装置の性能は、圧縮機の断熱効率と機械効率を含めて考える必要があり、蒸発温度と凝縮温度との温度差が大きくなると、断熱効率と機械効率が小さくなるので、冷凍装置の成績係数は低下する。

    イ、ハ、ニ

  • 4

    4.冷媒およびブラインに関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、臨界温度とは、それ以上の温度では冷媒が凝縮 (液化) できなくなる限界の温度である。 通常の蒸気圧縮式冷凍装置の凝縮温度は、使用する冷媒の臨界温度よりもかなり低い温度である。 ロ、非共沸混合冷媒が圧力一定のもとで凝縮するときには、凝縮始めの冷媒温度と凝縮終わりの冷媒温度とに差が生じ、この温度差を温度勾配と呼ぶ。 ハ、圧縮機吐出しガス温度は、同じ運転条件であれば、アンモニアのほうがフルオロカーボンよりも低い。 ニ、塩化ナトリウムプラインは、-40℃くらいまでの温度範囲で使用され、無害で食品の冷却用に多く用いられている。

    イ、ロ

  • 5

    5.圧縮機に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、圧縮機は、冷媒蒸気の圧縮の方法により、容積式と遠心式に大別され、往復圧縮機とロータリー圧縮機は容積式で、スクリュー圧縮機とスクロール圧縮機は遠心式である。 ロ、アンモニア冷凍装置には、もっぱら全密閉圧縮機が用いられている。 ハ、多気筒往復圧縮機の容量制御装置(アンローダ)は、負荷が減少すると、圧縮機の吐出し板弁を開放して作動気筒数を減らすことにより、圧縮機の容量を段階的に変えられるようになっている。 ニ、フルオロカーボン冷媒用往復圧縮機のクランクケース内でオイルフォーミングが発生すると、 圧縮機からの油上がりが多くなり、 給油圧力の低下、潤滑不良やオイルハンマなどを起こすことがある。

  • 6

    6.凝縮器に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、水冷凝縮器は、冷却管内水速が大きいほど、熱通過率の値が大きくなり、伝熱の面で有利になるので、水速は、一般に10m/s程度にする。 ロ、二重管凝縮器は、内管内に冷却水を通し、内管と外管との間の環状部で冷媒を凝縮させる。 ハ、空冷凝縮器とは、冷媒を冷却して凝縮させるのに、空気の顕熱を利用する凝縮器をいい、水冷凝縮器よりも、凝縮温度が一般に高くなるが、構造が簡単で保守作業はほとんど必要としない。 ニ、蒸発式凝縮器は、主にフルオロカーボン冷凍装置に使用され、散布された水の顕熱を利用して、冷媒を冷却するので、空冷凝縮器と比べて伝熱の面で優れている。

    ロ、ハ

  • 7

    7.蒸発器に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、冷媒液強制循環式冷却装置では、蒸発量よりも多い量の冷媒液を、冷媒液ポンプで強制的に低圧受液器から冷却器に送る。 口、水冷却器では、凍結による破壊を防止するために、水の温度が下がり過ぎたときに、サーモスタットを作動させて冷凍装置の運転を停止する方法がある。 ハ、大きな容量の乾式蒸発器は、多数の冷却管をもっているので、これらの管に均等に冷媒を分配して送り込むことが大切である。 このために、 蒸発器の冷媒の入口側にディストリビュータ(分配器)を取り付ける。 ニ、散水除霜方式とは、水を冷却器に散布して霜を融解する方法である。 短時間で除霜を終了させるために、40℃程度の温水を用いる。

    イ、ロ、ハ

  • 8

    8.自動制御機器に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、冷暖房兼用の空調装置に用いられる四方切換弁は、冷房時の凝縮器 (室外熱交換器)を暖房時の蒸発器 (室外熱交換器) の役割に切り換える。 ロ、定圧自動膨張弁は、蒸発圧力 (蒸発温度)がほぼ一定となるように冷媒流量を調節すると同時に、蒸発器出口における冷媒蒸気の過熱度を所定の値に制御する。 ハ、電磁弁は、電気信号によって冷凍装置内の配管を流れる冷媒を遮断できる。 主な電磁弁としては、直動式とパイロット式がある。 ニ、温度自動膨張弁は、蒸発器出口における冷媒蒸気の過熱度がほぼ一定になるように冷媒流量を制御する。

    イ、ハ、ニ

  • 9

    9.附属機器に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、冷媒液強制循環式冷凍装置では、凝縮器出口に直結された低圧受液器より、冷媒液を液ポンプによって、 膨張弁を通して蒸発器に送る。 ロ、スクリュー圧縮機では、多量の油を圧縮機に送るため、必ず油分離器を使用するが、小形フルオロカーボン冷凍装置では、油分離器を設けないものが多い。 ハ、冷媒中のゴミや異物を除去するためのリキッドフィルタは、膨張弁の手前の液配管に取り付ける。 ニ、サイトグラスの取付け位置は、必ずフィルタドライヤの上流側でなければならない。

    ロ、ハ

  • 10

    10.冷媒配管に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、横走り蒸気配管は、原則として、冷媒の流れの方向に1/15~1/25の下り勾配をつける。 口、配管用炭素鋼鋼管 (SGP) は、-50℃までの低温で使用できるが、100℃を超える高温では使用できない。 ハ、並列運転を行う圧縮機のそれぞれの吐出し管は、主管の上側に接続し、停止中に凝縮した液や油の逆流を防止する。 ニ、吸込み蒸気配管の管径は、過大な圧力降下や騒音が生じない範囲で、フルオロカーボン冷媒の蒸気中に混在している油を確実に圧縮機に戻せるような蒸気速度(横走り管では約3.5m/s以上、立ち上がり管では約6m/s以上)を確保するように決定する。

    ハ、ニ

  • 11

    11.安全弁に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、法定の冷凍能力が25トンの往復圧縮機には、 安全弁を取り付けることが義務づけられている。 ロ、内容積 600リットルの高圧受液器には、安全弁を取り付けることが義務づけられている。 ハ、圧縮機に取り付けるべき安全弁の口径は、次の式により求まるd₁ (mm)以上でなければならない。 d₁= C₁√V₁  d₁:安全弁の最小口径 (mm)  V₁:圧縮機のシリンダ容積(m³)  C₁: 冷媒の種類による定数 ニ、容器に取り付けるべき安全弁の口径は、次の式により求まる d₃ (mm)以上でなければならない。 d₃= C₃√V₃  d₃:安全弁の最小口径 (mm)  V₃:容器の内容積(リットル)  C₃:冷媒の種類ごとに高圧部と低圧部に分けてそれぞれ決められた定数

    イ、ロ

  • 12

    12.冷凍装置の材料の強さおよび圧力容器に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、圧力容器で耐圧強度が問題となるのは、一般に圧縮応力である。 ロ、鋼材の日本工業規格(JIS) に定められている引張強さの1/4の応力を、一般に許容引張応力として、材料に生じる応力がこの応力以下になるように圧力容器を設計する。 ハ、冷凍装置の高圧部の設計圧力は、内部の冷媒が38~40℃程度まで上昇したときの冷媒の飽和圧力に基づいて、冷媒の種類ごとに定められている。 ニ、圧力容器の必要な板厚を求める計算に用いる腐れしろは、使用する材料の種類に応じて規定されている。

    ロ、ニ

  • 13

    13.機器の据付け、 試験および試運転に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、冷凍装置の圧縮機、圧力容器、冷媒液ポンプなどは耐圧試験を、また、配管を含むすべての部分は、気密試験を行わなければならない。 口、多気筒圧縮機を据え付ける基礎の質量は、圧縮機と駆動機の合計質量の5倍程度にしなければならない。 ハ、冷凍機油 (合成油) は、水分を吸収しにくいので、長時間空気にさらされた油を使用してもよい。 ニ、フルオロカーボン冷媒を充てんする際には、冷媒を不必要に大気中へ放出しないように、環境保全に努めなければならない。

    イ、ニ

  • 14

    14.冷凍装置の運転状態に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、再始動時の冷媒液戻りを防ぐために、高圧液管の弁を閉じて冷凍装置を運転し、低圧側にある冷媒を凝縮器あるいは高圧受液器に冷媒液として回収することがある。このような操作をポンプダウンという。 ロ、冷蔵庫の蒸発器に着霜すると、蒸発器の熱伝導抵抗が増大するので、蒸発器の熱通過率が小さくなり、蒸発圧力が上昇し、圧縮機の吸込み圧力が上がる。 ハ、フルオロカーボン冷媒は温度が高いと、 とくに冷凍機油との共存下では、冷媒の分解および冷凍機油の劣化が促進される。一般に圧縮機吐出しガスの上限温度は160℃程度とされている。 ニ、冷蔵倉庫に使用される乾式蒸発器の蒸発温度は、庫内温度よりも5~12K程度低く設定するのが一般的である。

    イ、ニ

  • 15

    15.冷凍装置の保守管理に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、アンモニア冷凍装置の冷媒系統に水分が侵入すると、アンモニアが水分をよく溶解してアンモニア水となるので、少量の水分であれば侵入があっても装置に障害を引き起こすことはない。 ロ、冷凍装置の冷媒量がかなり不足すると、蒸発圧力が低下し、吸込み蒸気の過熱度が大きくなるが、 吐出しガス圧力や吐出しガス温度は低下する。 ハ、温度自動膨張弁の感温筒が吸込み蒸気配管から外れて、感温筒の温度が上がってしまい、膨張弁が開き過ぎた場合は、過剰な冷媒液が蒸発器に流入し、 圧縮機への液戻りを生じることがある。 ニ、単段圧縮冷凍装置の高圧受液器から膨張弁までの高圧液配管では、液ポンプ方式の二段圧縮冷凍装置の低圧液配管に比べて液封事故が発生しやすい。

    イ、ハ

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