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第三種冷凍機械 令和3年(2021)①
  • 高畠智久

  • 問題数 15 • 1/10/2024

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  • 1

    1.冷凍の原理およびサイクルに関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、物質が液体から蒸気に、あるいは蒸気から液体に状態変化する場合に物質に出入りする熱量を顕熱と呼ぶ。 ロ、絶対温度 T (K) は、摂氏温度t (℃)から273.15 を差し引いたものである。 ハ、p-h線図(圧力-比エンタルピー線図) 上の冷凍サイクルは、冷凍装置における熱の出入りを定量的に示す。 ニ、実際の装置における冷凍サイクルの成績係数は、理論冷凍サイクルの成績係数より大きくなる。

  • 2

    2.熱の移動に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、空気の熱伝導率は、鉄筋コンクリートの熱伝導率よりも小さい。 ロ、固体壁を隔てた2流体間を熱が流れるとき、その通り抜けやすさを熱伝達率と呼ぶ。 ハ、一般に、液体の自然対流熱伝達率の値は、気体の自然対流熱伝達率の値よりも大きい。 ニ、熱交換器の伝熱計算に当たっては、高温流体と低温流体との平均温度差として算術平均温度差を用いなければならない。

    イ、ハ

  • 3

    3.冷凍能力、動力および省エネルギーに関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、往復圧縮機の体積効率の値は、圧縮機の構造 (すきま容積など)によって定まり、運転条件には関係しない。 ロ、冷媒循環量は、圧縮機の吸込み蒸気の比体積が大きくなるほど、増加する。 ハ、実際の圧縮機の駆動軸動力Pは、理論断熱圧縮動力Pthに圧縮機の全断熱効率ηtad(=ηcηm)を乗じることによって求めることができる。 ニ、実際のヒートポンプ装置の成績係数の値は、圧縮機の機械的摩擦損失仕事が熱となって冷媒に加わる場合には、同じ運転条件の冷凍装置の実際の成績係数よりも1だけ大きい。

  • 4

    4.冷媒に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、冷媒をフルオロカーボン冷媒とそれ以外の冷媒に大別すると、R290 (プロパン)はフルオロカーボン冷媒に分類される。 ロ、フルオロカーボン冷媒のガスは、空気より軽いので、室内に漏えいした場合、天井付近に滞留しやすい。 ハ、アンモニアは鋼に対して腐食性はないが、銅および銅合金に対しては腐食性がある。 ニ、臨界点は、気体と液体の区別がなくなる状態点であり、単一成分冷媒の場合、飽和圧力曲線の高温側の終点として表される。

    ハ、ニ

  • 5

    5.圧縮機に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、フルオロカーボン冷媒を用いる往復圧縮機では、圧縮機停止中に油温が低くなると、冷凍機油中に冷媒が溶け込む量が増加する。 このような状態で圧縮機を始動すると、クランクケース内の冷凍機油に溶け込んでいた冷媒液が気化して、冷凍機油が泡立つオイルフォーミングと呼ばれる現象を起こすことがある。 ロ、往復圧縮機のピストンに付いているコンプレッションリングが著しく摩耗すると、圧縮機からの油上がりが大きくなる。 ハ、圧縮機の容量制御方法には、インバータを用いて圧縮機駆動用電動機への供給電源の周波数を変化させて、圧縮機の回転速度を調節する方法がある。 ニ、圧縮機ケーシング内に電動機を収めた密閉圧縮機には、全密閉圧縮機と半密閉圧縮機がある。両者は密閉式であるので、いずれも圧縮機内部の点検や修理を行うことはできない。

    イ、ハ

  • 6

    6.凝縮器に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、空冷凝縮器とは、冷媒を冷却して凝縮させるために、空気の顕熱を利用した凝縮器である。 ロ、ブレージングプレート凝縮器は、小形高性能で冷媒充填量が少なくてすむため、地球環境に優しい空冷凝縮器として使用されている。 ハ、フルオロカーボン冷媒用シェルアンドチューブ凝縮器では、冷却管として管内側に細いねじ状の溝を加工した、銅製のローフィンチューブが、広く使用されている。 ニ、水冷凝縮器では、冷却管内水速が大きいほど熱通過率の値は大きくなり、伝熱性能上有利であるが、水速が2倍になっても熱通過率は2倍にならない。

    イ、ニ

  • 7

    7.蒸発器に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、乾式の空気冷却用フィンコイル蒸発器において、冷凍・冷蔵用と空調用を比べると、冷凍・冷蔵用のほうが空調用よりも冷却管は細く、フィンピッチは小さい。 ロ、ディストリビュータを使用した蒸発器には、一般に外部均圧形温度自動膨張弁を用いる。 ハ、空調用乾式蒸発器の熱通過率の値は、冷媒側伝熱面積を基準として表す。 ニ、満液式蒸発器は、一般に乾式蒸発器に比べて伝熱面積を小さく、あるいは被冷却物と蒸発温度との平均温度差を小さくすることができるが、油戻し機構等が必要で、装置が複雑になる欠点がある。

    ロ、ニ

  • 8

    8.自動制御機器に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、外部均圧形温度自動膨張弁では、ダイアフラム下面に蒸発器出口冷媒圧力が伝えられるので、蒸発器内の圧力損失の影響を受けることなく、蒸発器出口冷媒蒸気の過熱度制御を行うことができる。 口、温度自動膨張弁の感温筒が取付け配管から外れたり、感温筒内の冷媒が漏れたりすると、膨張弁が閉じて、冷凍装置は冷却作用を行えなくなる。 ハ、蒸発圧力調整弁は、蒸発器の蒸発圧力が設定値よりも下がらないように作動するものであり、温度自動膨張弁の感温筒や均圧管よりも上流側の蒸発器出口配管に取り付ける。 二、冷凍装置の自動運転に用いる低圧圧力スイッチでは、接点を開にする圧力と閉にする圧力に差があり、この圧力差をディファレンシャルと呼んでいる。 この圧力差があまり小さ過ぎると、圧縮機の運転、停止を短い間隔で繰り返すハンチングが生じることがある。

    イ、ニ

  • 9

    9.附属機器に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、圧縮機吸込み蒸気配管の距離が長く、配管施工中にごみが入ることが考えられる場合は、冷媒回路内のごみや金属粉などの異物を除去するために、フィルタドライヤを設置する。 ロ、フルオロカーボン冷凍装置では、凝縮器を出た冷媒液を過冷却するとともに、圧縮機に戻る冷媒蒸気を適度に過熱させるために、液ガス熱交換器を設置することがある。 ハ、凝縮した冷媒液を蓄える容器である高圧受液器は、冷凍装置の運転状態の変化などで凝縮器と蒸発器の冷媒量が変わったときに、その変化を吸収する働きをする。 ニ、油分離器は、冷媒中の冷凍機油を分離するため、圧縮機吸込み蒸気配管に取り付ける。

    ロ、ハ

  • 10

    10.配管に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、配管用炭素鋼鋼管 (SGP) は、毒性をもつ冷媒、設計圧力が2MPa までの耐圧部分および温度が150℃までの耐圧部分に使用できる。 口、容謙制御装置をもった圧縮機の吸込み蒸気配管では、最小負荷時に返油のために必要な最小蒸気速度が確保できるよう、蒸発器の出口に二重立ち上り管を設けることがある。 ハ、冷媒配管としてアルミニウム管を用いる場合は、継目無管とする。 ニ、吐出し配管は、圧縮機から吐き出された冷凍機油が確実に冷媒ガスに同伴されるガス速度を確保することが重要で、横走り管では1.5m/s以上、立ち上がり管で2.0m/s以上になるように管径を決める。

    ロ、ハ

  • 11

    11.安全装置と保安に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、冷凍保安規則関係例示基準では、1日の冷凍能力が5トン以上の圧縮機(遠心式を除く)には、安全弁を取り付けることが定められている。 ロ、溶栓は、所定の場合を除いて原則として、溶融温度が75℃以下のものを用いる。 ハ、高圧遮断装置は、冷凍装置の異常な高圧圧力を検知し、圧縮機駆動用電動機の電源を遮断し、圧縮機を停止させる。 二、冷凍保安規則では、アンモニアは、可燃性ガスであるが、毒性ガスではないので、ガス漏えい検知警報設備を設置しなくてもよいと定められている。

    ロ、ハ

  • 12

    12.冷凍装置の材料および圧力容器に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、フルオロカーボン冷凍装置の配管には、腐食性を考慮して、2%を超えるマグネシウムを含むアルミニウム合金は使用しない。 ロ、圧力容器の必要板厚の計算において、求められた数値の端数を丸めるとき、四捨五入した。 ハ、高圧部圧力容器の設計圧力は、凝縮温度によって異なり、空冷凝縮器の場合、凝縮温度 38℃ に相当する冷媒の飽和圧力とする。 ニ、材料に外力が加えられたときに、その材料の内部に発生する単位断面積あたりの抵抗する力を応力と呼ぶ。

    イ、ニ

  • 13

    13.冷凍装置の振動、圧力試験および冷媒ボンベに関する次の記述のうち正しいものはどれ イ、圧縮機を防振支持したときには、圧縮機の振動が配管に伝わり、配管を損傷したり、配管を通じて他に振動を伝えたりすることがあるので、これを防止するために圧縮機の吸込み配管などに、可とう管を用いることがある。 ロ、耐圧試験は、気密試験の前に行わなければならない。 ハ、真空試験において、真空度の確認を装置に取り付けられている連成計で行った。 ニ、サイフォン管付きの冷媒ボンベは、立てたままで冷媒蒸気が取り出せる構造であり、サイフォン管がない冷媒ボンベは、立てたままで冷媒液が取り出せる構造である。

    イ、ロ

  • 14

    14.冷凍装置の運転に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、冷凍装置を長期間休止させるときには、冷媒系統全体の漏れを点検し、漏れ箇所があれば完全に修理しておく。 ロ、圧縮機の吸込み蒸気の圧力は、吸込み蒸気配管などの流れ抵抗により、蒸発器内の冷媒の蒸発圧力よりもいくらか高くなる。 ハ、アンモニア冷媒の圧縮機の吐出しガス温度は、同じ蒸発温度と凝縮温度の運転条件のフルオロカーボン冷媒の吐出しガス温度より低い。 ニ、長期間運転休止させていた冷凍装置の運転開始前には、高低圧圧力スイッチ、油圧保護圧力スイッチなどの作動も確認する。

    イ、ニ

  • 15

    15.冷凍装置の保守管理に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 イ、冷媒が過充填されると、凝縮した冷媒液が凝縮器の多数の冷却管を浸し、凝縮のために有効に働く伝熱面積が減少するため、凝縮圧力が低くなる。 ロ、圧縮機吸込み蒸気配管の途中に大きなUトラップがあると、運転停止中にトラップに凝縮した冷媒液や冷凍機油が溜まり、圧縮機始動時に液戻りを起こすことがある。 ハ、アンモニア冷凍装置の冷媒系統に多量の水分が侵入しても、装置の運転に障害を引き起こすことはない。 二、冷凍装置の冷媒系統に異物が混入すると、それが装置内を循環し、膨張弁やその他の狭い通路につまり、安定した装置の運転ができなくなる。

    ロ、ニ

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