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労働衛生コンサルタント(令和5年度 健康管理(問3 高年齢労働者の労働災害の特徴と予防 記述式))
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  • 1

    (1)高年齢労働者に発生する休業4日以上の労働災害は、30 歳代の若年者と比べてどのような特徴があるか。①発生率、②性別、③災害の事故の型及び④休業期間について説明せよ。

    【解答例】 ● 災害の 発生率(千人率)では、若年層と高年齢労働者で高くなる傾向がみられる。 ● 60 歳以上の男女別の労働災害発生率(死傷年千人率)を 30 代と比較すると、男性は約2倍、女性は約4倍となっている。 ● なお、千人率は女性では65~69 歳で最大となり、男性では75~79 歳で最大となっている ● 事故の型別では、転倒災害、墜落・転落災害の発生率が若年者より高い傾向があり、特に女性でその傾向が顕著である。 ● 年齢別の休業見込期間では、それぞれの年齢層の災害発生件数を100 として、その休業見込期間を比較すると、年齢が高くなるほど休業見込期間が長くなる傾向がみられる。 ● 労働者千人当たりの熱中症の発生率を年齢別にみると、特に男性で年齢が上がるとともに発生率が高くなっている。

  • 2

    (2)加齢とともに増加するフレイルとはどのような概念か。 ロコモティブシンドローム(運動器症候群)との相違点を含めて説明せよ。

    【解答例】 フレイルとは、虚弱(Frailty)に由来する用語で、健康な状態と介護が必要となる状態の中間のことである。要介護に移行するリスクが高い一方、適切なケアによって健常な状態へと戻ることが可能だといわれている。 運動機能の低下だけではなく、加齢に伴い心身が衰え疲れやすくなり、家に閉じこもりがちになるなど、年齢を重ねたことで生じやすい衰え全般を指す。 これに対し、ロコモティブシンドロームとは、2007年に日本整形外科学会が提唱した概念で、加齢による筋力の低下や、関節や脊椎などの病気の発症により。運動器の機能が低下した状態である。進行すると日常生活にも支障が生じてくる。

  • 3

    (3-①)加齢に伴う身体・精神機能の状況について、次の四つの事項ごとに特徴を説明せよ。  ① 視力、聴力等の感覚機能の低下の状況

    【解答例】 1 視力 加齢に伴う視力の低下として、近くのものが見えにくくなる近方視困難がある。この状態は40歳代以降からはじまるとされる。また、加齢によって、動体視力の低下、色視力・コンストラクト視力・夜間視力なども低下する。 また、高齢になるにしたがって、白内障、緑内障、黄斑部変性、網膜血管硬化症などの眼疾患により、さらに視力低下が進むことも多い。 2 聴力 40 歳代から高音域から聴力低下が徐々に始まり、50 歳代になると3 kHz 以上の周波数の低下が顕著になる。60 歳代以降さらに高齢になるにしたがって、高音域での聴力低下が顕著になるばかりでなく、低音域での聴力低下が起こる。 さらに、音の大きさの弁別や高さの弁別が困難となり、両耳効果の低下とマスキング効果の増大のため可聴閾値が増大する。

  • 4

    (3-②)加齢に伴う身体・精神機能の状況について、次の四つの事項ごとに特徴を説明せよ。  ② 筋力低下の状況

    【解答例】 加齢による筋力の低下は、骨格筋量の低下に伴うもので、近年「サルコペニア」という用語で呼ばれる。 一般に、成長に伴って増加する骨格筋の量は、20 歳台をピークとし、その後 45 歳ごろからわずかに減少を始め、60 歳を超えると減少率は大きくなる。突然死した 15 歳から 83 歳までの男性の骨格筋量を直接測定した横断的研究では、25 歳から 50 歳までの減少率はおよそ 10 %であるのに対し、80 歳までの減少率はおよそ 40 %、つまり 50 歳から 80 歳の 30 年間で、25 歳時の骨格筋量のおよそ 30 %が減少する すなわち、筋力は 60 歳を過ぎると、急速に低下することが知られている。

  • 5

    (3-③)加齢に伴う身体・精神機能の状況について、次の四つの事項ごとに特徴を説明せよ。  ③ 訓練によって得た知識・技能の維持

    【解答例】 訓練によって得た知識・技能の維持は、近代において結晶性知能と呼ばれるものに含まれる。結晶性知能は 60 歳を超えると緩やかに低下するが、その低下は 80 歳代の前半まで非常に緩やかである。

  • 6

    (3-④)加齢に伴う身体・精神機能の状況について、次の四つの事項ごとに特徴を説明せよ。  ④ 身体・精神機能の個人差

    【解答例】 身体・精神機能は 30 歳代程度から低下する傾向があるが、個人差が大きく、かつ高齢化するほど個人差は広まってゆく。後期高齢者でも、機能の種類によっては若年齢者と同じようなレベルにある者もいれば、若年齢者でも老化が見られる者もいる。 なお、身体機能が低下している個人では、精神機能も低下している傾向がある。

  • 7

    (4)高年齢労働者の転倒を防止するには、施設、設備、装置をどのように改善すべきか。六つ挙げよ。

    【解答例】 高年齢労働者の転倒を防止するには、施設、設備、装置の改善としては、以下のものが挙げられる。 ● 通路の十分な幅を確保する。なお、整理・整頓により通路、階段、出入口には物を放置せず、足元の電気配線やケーブル類はまとめておく。 ● 床面の水たまり、氷、油、粉類等は放置せず、その都度取り除く。 ● 階段・通路の移動が安全にできるように十分な明るさ(照度)を確保する。 ● 階段には手すりを設ける。 ● 通路の段差を解消し、滑りやすい箇所にはすべり止めを設ける等の設備改善を行う。 ● 通路の段差を解消できない箇所や滑りやすい箇所が残る場合は、表示等により注意喚起を行う。

  • 8

    (5-①)高年齢労働者が安全で健康に働き続けられるためには、どのように施設、設備を改善、又は装置を導入すればよいか、また、作業の内容や方法をどのように見直せばよいか。次に掲げる作業や場面ごとに、高年齢労働者の特徴に触れながら三つずつ挙げよ。  ① 暑熱環境における作業

    【解答例】 一般に、年齢とともに暑い環境に対処しにくくなることから、以下のことを推進すること。 ○ 涼しい休憩場所を整備すること。 ○ 保熱しやすい服装は避け、通気性の良い服装を準備すること。 ○ 熱中症の初期症状を把握できるウェアラブルデバイス等のIoT機器を利用すること。

  • 9

    (5-②)高年齢労働者が安全で健康に働き続けられるためには、どのように施設、設備を改善、又は装置を導入すればよいか、また、作業の内容や方法をどのように見直せばよいか。次に掲げる作業や場面ごとに、高年齢労働者の特徴に触れながら三つずつ挙げよ。  ② 重量物を取り扱う作業

    【解答例】 高齢者は、年齢とともに筋力が低下することから、腰痛や転倒災害の予防の観点からこれを補助することが重要となる。 ○ 補助機器等の導入により、人力取扱重量を抑制すること。 ○ 不自然な作業姿勢を解消するために、作業台の高さや作業対象物の配置を改善すること。 ○ 身体機能を補助する機器(パワーアシストスーツ等)を導入すること。

  • 10

    (5-③)高年齢労働者が安全で健康に働き続けられるためには、どのように施設、設備を改善、又は装置を導入すればよいか、また、作業の内容や方法をどのように見直せばよいか。次に掲げる作業や場面ごとに、高年齢労働者の特徴に触れながら三つずつ挙げよ。  ③ 介護の作業

    【解答例】 介護作業でも急速に高齢化が進んでおり、長期的に腰痛災害や無理な姿勢動作の反動による災害が増加しつつある。高齢化とともに、筋力の衰えが進んでいることがその背景にあると考えられる。 ○ リフト、スライディングシート等の導入により、抱え上げ作業を抑制すること。 ○ 不自然な作業姿勢を解消するために、作業台の高さや作業対象物の配置を改善すること。 ○ 労働者の腰部負担を軽減するための移乗支援機器等を活用すること。

  • 11

    (5-④)高年齢労働者が安全で健康に働き続けられるためには、どのように施設、設備を改善、又は装置を導入すればよいか、また、作業の内容や方法をどのように見直せばよいか。次に掲げる作業や場面ごとに、高年齢労働者の特徴に触れながら三つずつ挙げよ。  ④ 情報機器を使用する作業

    【解答例】 高齢化に伴い、視力が低下することが知られている。このため、情報機器作業への対応のため、以下の対応を行うことが重要である。 ○ 照明機器等も、天井に配置した全体照明とは別に必要となる場合は、局所に作業用照明機器を配置することにより個人の特性に配慮した照度条件を実現する。 ○ ディスプレイに表示する文字の大きさ等を作業者ごとに見やすいように設定する。 ○ 作業者によって、作業の視距離に応じた矯正(眼鏡)を行う。

  • 12

    (5-⑤)高年齢労働者が安全で健康に働き続けられるためには、どのように施設、設備を改善、又は装置を導入すればよいか、また、作業の内容や方法をどのように見直せばよいか。次に掲げる作業や場面ごとに、高年齢労働者の特徴に触れながら三つずつ挙げよ。  ⑤ 警報の伝達

    【解答例】 高齢者は、高音域を中心に張力が低下する傾向がみられる。そのため、警報の伝達においても以下の配慮が必要となる。 ○ 警報音等は、年齢によらず聞き取りやすい中低音域の音を採用する、音源向きを適切に設定する、指向性スピーカーを用いる等の工夫をすること。 ○ 作業場内で定常的に発生する騒音(背景騒音)の低減に努めること。 ○ 有効視野を考慮した警告・注意機器(パトライト等)を採用すること。

  • 13

    (6)高年齢労働者の労働災害防止対策に関して、事業者が活用できる国や公的機関による支援策を三つ挙げよ。

    【解答例】 高年齢労働者の安全衛生対策に関する各種事業としては、以下のものがある。 ○ エイジフレンドリー補助金事業 また、高年齢労働者の労働災害防止対策を含む個別の相談などの支援策としては、以下のものがある。 ○ 産業保健総合支援センター及び地域産業保健センター ○ 中小規模事業場安全衛生サポート事業

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  • 1

    (1)高年齢労働者に発生する休業4日以上の労働災害は、30 歳代の若年者と比べてどのような特徴があるか。①発生率、②性別、③災害の事故の型及び④休業期間について説明せよ。

    【解答例】 ● 災害の 発生率(千人率)では、若年層と高年齢労働者で高くなる傾向がみられる。 ● 60 歳以上の男女別の労働災害発生率(死傷年千人率)を 30 代と比較すると、男性は約2倍、女性は約4倍となっている。 ● なお、千人率は女性では65~69 歳で最大となり、男性では75~79 歳で最大となっている ● 事故の型別では、転倒災害、墜落・転落災害の発生率が若年者より高い傾向があり、特に女性でその傾向が顕著である。 ● 年齢別の休業見込期間では、それぞれの年齢層の災害発生件数を100 として、その休業見込期間を比較すると、年齢が高くなるほど休業見込期間が長くなる傾向がみられる。 ● 労働者千人当たりの熱中症の発生率を年齢別にみると、特に男性で年齢が上がるとともに発生率が高くなっている。

  • 2

    (2)加齢とともに増加するフレイルとはどのような概念か。 ロコモティブシンドローム(運動器症候群)との相違点を含めて説明せよ。

    【解答例】 フレイルとは、虚弱(Frailty)に由来する用語で、健康な状態と介護が必要となる状態の中間のことである。要介護に移行するリスクが高い一方、適切なケアによって健常な状態へと戻ることが可能だといわれている。 運動機能の低下だけではなく、加齢に伴い心身が衰え疲れやすくなり、家に閉じこもりがちになるなど、年齢を重ねたことで生じやすい衰え全般を指す。 これに対し、ロコモティブシンドロームとは、2007年に日本整形外科学会が提唱した概念で、加齢による筋力の低下や、関節や脊椎などの病気の発症により。運動器の機能が低下した状態である。進行すると日常生活にも支障が生じてくる。

  • 3

    (3-①)加齢に伴う身体・精神機能の状況について、次の四つの事項ごとに特徴を説明せよ。  ① 視力、聴力等の感覚機能の低下の状況

    【解答例】 1 視力 加齢に伴う視力の低下として、近くのものが見えにくくなる近方視困難がある。この状態は40歳代以降からはじまるとされる。また、加齢によって、動体視力の低下、色視力・コンストラクト視力・夜間視力なども低下する。 また、高齢になるにしたがって、白内障、緑内障、黄斑部変性、網膜血管硬化症などの眼疾患により、さらに視力低下が進むことも多い。 2 聴力 40 歳代から高音域から聴力低下が徐々に始まり、50 歳代になると3 kHz 以上の周波数の低下が顕著になる。60 歳代以降さらに高齢になるにしたがって、高音域での聴力低下が顕著になるばかりでなく、低音域での聴力低下が起こる。 さらに、音の大きさの弁別や高さの弁別が困難となり、両耳効果の低下とマスキング効果の増大のため可聴閾値が増大する。

  • 4

    (3-②)加齢に伴う身体・精神機能の状況について、次の四つの事項ごとに特徴を説明せよ。  ② 筋力低下の状況

    【解答例】 加齢による筋力の低下は、骨格筋量の低下に伴うもので、近年「サルコペニア」という用語で呼ばれる。 一般に、成長に伴って増加する骨格筋の量は、20 歳台をピークとし、その後 45 歳ごろからわずかに減少を始め、60 歳を超えると減少率は大きくなる。突然死した 15 歳から 83 歳までの男性の骨格筋量を直接測定した横断的研究では、25 歳から 50 歳までの減少率はおよそ 10 %であるのに対し、80 歳までの減少率はおよそ 40 %、つまり 50 歳から 80 歳の 30 年間で、25 歳時の骨格筋量のおよそ 30 %が減少する すなわち、筋力は 60 歳を過ぎると、急速に低下することが知られている。

  • 5

    (3-③)加齢に伴う身体・精神機能の状況について、次の四つの事項ごとに特徴を説明せよ。  ③ 訓練によって得た知識・技能の維持

    【解答例】 訓練によって得た知識・技能の維持は、近代において結晶性知能と呼ばれるものに含まれる。結晶性知能は 60 歳を超えると緩やかに低下するが、その低下は 80 歳代の前半まで非常に緩やかである。

  • 6

    (3-④)加齢に伴う身体・精神機能の状況について、次の四つの事項ごとに特徴を説明せよ。  ④ 身体・精神機能の個人差

    【解答例】 身体・精神機能は 30 歳代程度から低下する傾向があるが、個人差が大きく、かつ高齢化するほど個人差は広まってゆく。後期高齢者でも、機能の種類によっては若年齢者と同じようなレベルにある者もいれば、若年齢者でも老化が見られる者もいる。 なお、身体機能が低下している個人では、精神機能も低下している傾向がある。

  • 7

    (4)高年齢労働者の転倒を防止するには、施設、設備、装置をどのように改善すべきか。六つ挙げよ。

    【解答例】 高年齢労働者の転倒を防止するには、施設、設備、装置の改善としては、以下のものが挙げられる。 ● 通路の十分な幅を確保する。なお、整理・整頓により通路、階段、出入口には物を放置せず、足元の電気配線やケーブル類はまとめておく。 ● 床面の水たまり、氷、油、粉類等は放置せず、その都度取り除く。 ● 階段・通路の移動が安全にできるように十分な明るさ(照度)を確保する。 ● 階段には手すりを設ける。 ● 通路の段差を解消し、滑りやすい箇所にはすべり止めを設ける等の設備改善を行う。 ● 通路の段差を解消できない箇所や滑りやすい箇所が残る場合は、表示等により注意喚起を行う。

  • 8

    (5-①)高年齢労働者が安全で健康に働き続けられるためには、どのように施設、設備を改善、又は装置を導入すればよいか、また、作業の内容や方法をどのように見直せばよいか。次に掲げる作業や場面ごとに、高年齢労働者の特徴に触れながら三つずつ挙げよ。  ① 暑熱環境における作業

    【解答例】 一般に、年齢とともに暑い環境に対処しにくくなることから、以下のことを推進すること。 ○ 涼しい休憩場所を整備すること。 ○ 保熱しやすい服装は避け、通気性の良い服装を準備すること。 ○ 熱中症の初期症状を把握できるウェアラブルデバイス等のIoT機器を利用すること。

  • 9

    (5-②)高年齢労働者が安全で健康に働き続けられるためには、どのように施設、設備を改善、又は装置を導入すればよいか、また、作業の内容や方法をどのように見直せばよいか。次に掲げる作業や場面ごとに、高年齢労働者の特徴に触れながら三つずつ挙げよ。  ② 重量物を取り扱う作業

    【解答例】 高齢者は、年齢とともに筋力が低下することから、腰痛や転倒災害の予防の観点からこれを補助することが重要となる。 ○ 補助機器等の導入により、人力取扱重量を抑制すること。 ○ 不自然な作業姿勢を解消するために、作業台の高さや作業対象物の配置を改善すること。 ○ 身体機能を補助する機器(パワーアシストスーツ等)を導入すること。

  • 10

    (5-③)高年齢労働者が安全で健康に働き続けられるためには、どのように施設、設備を改善、又は装置を導入すればよいか、また、作業の内容や方法をどのように見直せばよいか。次に掲げる作業や場面ごとに、高年齢労働者の特徴に触れながら三つずつ挙げよ。  ③ 介護の作業

    【解答例】 介護作業でも急速に高齢化が進んでおり、長期的に腰痛災害や無理な姿勢動作の反動による災害が増加しつつある。高齢化とともに、筋力の衰えが進んでいることがその背景にあると考えられる。 ○ リフト、スライディングシート等の導入により、抱え上げ作業を抑制すること。 ○ 不自然な作業姿勢を解消するために、作業台の高さや作業対象物の配置を改善すること。 ○ 労働者の腰部負担を軽減するための移乗支援機器等を活用すること。

  • 11

    (5-④)高年齢労働者が安全で健康に働き続けられるためには、どのように施設、設備を改善、又は装置を導入すればよいか、また、作業の内容や方法をどのように見直せばよいか。次に掲げる作業や場面ごとに、高年齢労働者の特徴に触れながら三つずつ挙げよ。  ④ 情報機器を使用する作業

    【解答例】 高齢化に伴い、視力が低下することが知られている。このため、情報機器作業への対応のため、以下の対応を行うことが重要である。 ○ 照明機器等も、天井に配置した全体照明とは別に必要となる場合は、局所に作業用照明機器を配置することにより個人の特性に配慮した照度条件を実現する。 ○ ディスプレイに表示する文字の大きさ等を作業者ごとに見やすいように設定する。 ○ 作業者によって、作業の視距離に応じた矯正(眼鏡)を行う。

  • 12

    (5-⑤)高年齢労働者が安全で健康に働き続けられるためには、どのように施設、設備を改善、又は装置を導入すればよいか、また、作業の内容や方法をどのように見直せばよいか。次に掲げる作業や場面ごとに、高年齢労働者の特徴に触れながら三つずつ挙げよ。  ⑤ 警報の伝達

    【解答例】 高齢者は、高音域を中心に張力が低下する傾向がみられる。そのため、警報の伝達においても以下の配慮が必要となる。 ○ 警報音等は、年齢によらず聞き取りやすい中低音域の音を採用する、音源向きを適切に設定する、指向性スピーカーを用いる等の工夫をすること。 ○ 作業場内で定常的に発生する騒音(背景騒音)の低減に努めること。 ○ 有効視野を考慮した警告・注意機器(パトライト等)を採用すること。

  • 13

    (6)高年齢労働者の労働災害防止対策に関して、事業者が活用できる国や公的機関による支援策を三つ挙げよ。

    【解答例】 高年齢労働者の安全衛生対策に関する各種事業としては、以下のものがある。 ○ エイジフレンドリー補助金事業 また、高年齢労働者の労働災害防止対策を含む個別の相談などの支援策としては、以下のものがある。 ○ 産業保健総合支援センター及び地域産業保健センター ○ 中小規模事業場安全衛生サポート事業