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㉝公判
99問 • 1年前
  • 佐竹直哉
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    問題一覧

  • 1

    刑事訴訟法は、「公訴は、第一審の判決があるまでこれを取り消すことができる。」と定めているところ、公訴の取消しに基づいて公訴棄却の決定がなされ、それが確定した場合、検察官は、原則として同一事件の再起訴をすることができない。

  • 2

    公訴は、起訴状により検察官の指定した被告人以外の者にその効力を及ぼさないことから、たとえ共犯者であっても、被告人として指定されていない者には公訴の効力が及ばないところ、共犯者の1人に対してした公訴提起による公訴時効の停止の効力は、共犯関係が客観的事実として存在する限り、公訴提起されていない他の共犯者にも生じる。

  • 3

    公訴時効は犯罪行為が終わった時から進行するところ、時間の経過とともに無条件に進行するものではない。公訴時効期間の満了前に、当該事件について公訴の提起がなされた場合、公訴時効はその時点で進行を停止し、その停止の効力は、いまだ公訴を提起されていない共犯者にも及ぶ。

  • 4

    公訴は、検察官が被告人を指定して提起するので、検察官が指定しない共犯者にはその効力は及ばないとされており、裁判所が自らその共犯者の公訴を提起することはできない。

  • 5

    公訴の提起は、起訴状を裁判所に提出してこれをしなければならないところ、公訴の提起の際、検察官が裁判所に事件の一件記録を提出することは、 捜査機関の心証が裁判所に一方的に引き継がれるおそれがあることから、禁止されている。

  • 6

    公訴の提起とは、検察官が裁判所に対し、特定の刑事事件につき審判を求める意思表示であるが、検察官は、第一審の判決があるまでは、いつでも公訴を取り消すことができる。

  • 7

    公訴の提起とは、検察官が裁判所に対し、犯罪の成否、刑罰権の存否につき審判を求める意思表示をいい、その方式には、公判請求、即決裁判手続の申立て、略式命令請求、交通事件即決裁判請求があるところ、公判請求とは、公開の法廷で審判を求めるものをいう。

  • 8

    公訴の提起に際して、起訴状には公訴事実を記載しなければならないところ、「公訴事実」とは、訴因で明示される前の前法律的な歴史的,社会的事実の中で、検察官が何らかの犯罪に該当すると主張する事実をいう。

  • 9

    公訴の提起は、被告人の氏名その他被告人を特定するに足りる事項、公訴事実及び罪名を記載した起訴状を提出して行うところ、たとえ被告人を特定するに足りる事項の一部に誤りがあっても、その他の記載等により被告人を特定できるときは、公訴の提起は無効とはならない。

  • 10

    公訴の提起に際しては、裁判官をして公判審理開始前の事件に関する予断や先入観を排除することにより、公正な裁判が行われるようにしなければならないことから、裁判所に提出する起訴状には、事件について予断を生じさせるおそれのある書類その他の物を添付し、又はその内容を引用してはならないとされている。

  • 11

    公訴の提起には、「公判請求」のほか「略式命令請求」や「即決裁判手続の申立て」などの方式があるところ、刑事被告人は、公平・迅速な公開裁判を受ける権利を有することから、公訴提起の方式は、公判請求が原則とされている。

  • 12

    公訴時効は、共犯の場合、犯罪行為が全て終わった時から時効期間が起算されるところ、ここにいう「共犯」とは、刑法総則における任意的共犯を意味し、必要的共犯には適用されない。

  • 13

    公訴時効とは、罪を犯した後に公訴が提起されないまま一定期間が経過したことにより、公訴権を消滅させる制度をいうところ、時効が完成したときは、検察官は不起訴処分をし、また、時効が完成した事件について公訴の提起があった場合、免訴の判決がなされ、有罪・無罪の判断をすることなく訴訟手続が打ち切られる。

  • 14

    共犯事件について、共犯者の1人について公訴の提起があった場合、時効停止の効力は、起訴されていない他の共犯者にも及ぶところ、この共犯者とは、客観的な事実としての共犯関係が存すれば足りるので、公訴提起の時点で共犯者であることが未発覚であってもよい。

  • 15

    検察官は、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができるとされており、これを起訴便宜主義というところ、家庭裁判所から送致を受けた少年事件について、公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思料するときは、原則として公訴を提起しなければならない。

  • 16

    検察官は、公訴を提起しようとする事件について、事案が明白であり、かつ、軽微であって一定の重罪に該当しないこと、証拠調べが速やかに終わると見込まれることその他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公訴の提起と同時に、書面により即決裁判手続の申立てをすることができるところ、即決裁判手続の申立てがあった場合において、被告人に弁護人がないときは、裁判長は、できる限り速やかに、職権で弁護人を付さなければならない。

  • 17

    検察官は、公訴提起と同時に即決裁判手続の申立てを行うが、その際、被告人に弁護人がいないときは、裁判長は、できるだけ速やかに弁護人を付さなければならない。即決裁判手続の申立てがあったときは、裁判長は、できるだけ早期に公判期日を定めなければならない。

  • 18

    検察官が控訴を提起しない場合に、被害者等がこれに不服がある時は検察審査会に対し、当該処分の当否について審査を申し立てることができるところ、この申立権者には、告訴人、告発人、請求人、被害者のほか、死亡した被害者の配偶者も含まれる。

  • 19

    検察官は、告訴、告発又は請求のあった事件について公訴を提起しない処分をした場合において、告訴人、告発人又は請求人の請求があるときは、速 やかに告訴人、告発人又は請求人にその理由を告げなければならないとこ ろ、この告知は、当該告訴の不起訴裁定の主文を告知するだけで足り、不起訴処分に至った実質的な理由に及ぶ必要はない。

  • 20

    検察官が被疑者を起訴しないと決定することを不起訴処分というが、この不起訴処分には一事不再理の効力は認められないことから、新たな証拠が発見された場合には、公訴時効の完成前であれば、当該事件について起訴することができる。

  • 21

    検察官が即決裁判手続の申立てをするには、被疑者の同意が必要であり、さらに、被疑者に弁護人がある場合には、弁護人の意思も確認しなければな らない。被疑者に対し即決裁判手続の同意を求めたときに、貧困等の理由により被疑者が弁護人を選任していない場合には、当該被疑者に国選弁護人を付すことは認められていないので、被疑者の同意だけで即決裁判手続の申立てをすることができ、この場合には、弁護人なしで公判の審理をすることが できる。

  • 22

    検察官は、証拠開示の第1段階及び第2段階で開示した証拠以外の証拠で、被告人・弁護人の主張と関連すると認められるものについて、被告人又は弁護人から開示の請求があった場合、その関連性の程度その他の被告人の防御の準備のために当該開示を請求することの必要性の程度並びに当該開示によって生じるおそれのある弊害の内容及び程度を考慮し、相当と認めるときは、速やかに、これを開示しなければならない。

  • 23

    検察官は、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができるとされており、これを起訴便宜主義というところ、家庭裁判所から送致を受けた少年事件について、公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思料するときは、原則として公訴を提起しなければならない。

  • 24

    検察官は、公訴提起と同時に即決裁判手続の申立てを行うが、その際、被告人に弁護人がいないときは、裁判長は、できるだけ速やかに弁護人を付さなければならない。即決裁判手続の申立てがあったときは、裁判長は、できるだけ早期に公判期日を定めなければならない。

  • 25

    検察官は、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を請求することができるところ、侵入窃盗事件について、住居侵入の事実で起訴した後に窃盗の事実を追加する場合には、訴因の追加が行われる。

  • 26

    検察官は、少年事件について家庭裁判所から刑事処分相当として送致を受けた場合、犯罪の情状等に影響を及ぼすべき新たな事情を発見したため、訴追が相当でないと思料するときのほかは、常に公訴を提起しなければならない。

  • 27

    検察官が、簡易裁判所に対して、その管轄に属する事件について、略式命 令を請求することができるのは、100万円以下の罰金又は科料を科し得る事件であること、罪証明白・事案簡明で、かつ、略式手続によることについて被疑者に異議がないことという要件を満たす場合である。

  • 28

    検察官には、その裁量により起訴・不起訴を決定する起訴便宜主義が認められており、検察官が証拠の明白性や立証の難易などから総合的に判断し、刑事事件の一部のみを起訴することも認められる。

  • 29

    検察官は、証拠開示の第1段階及び第2段階で開示した証拠以外の証拠で、被告人・弁護人の主張と関連すると認められるものについて、被告人又は弁護人から開示の請求があった場合、その関連性の程度その他の被告人の防御の準備のために当該開示を請求することの必要性の程度並びに当該開示によって生じるおそれのある弊害の内容及び程度を考慮し、相当と認めるときは、速やかに、これを開示しなければならない。

  • 30

    裁判員制度の下では、分かりやすい刑事裁判の実現の観点から、対象事件の捜査については、客観的証拠の収集の徹底を図ること、捜査書類を簡潔明瞭化することが要請されるが、裁判員裁判においては、捜査活動の結果が直接に裁判員の評価の対象となることから、捜査の適正の確保には十分留意す る必要がある。

  • 31

    裁判員制度の下では、分かりやすい裁判が要請されることから、供述調書については、事件全体を網羅した包括的なものとしなければならず、項目別あるいは場面別に作成してはならない。

  • 32

    冒頭手続とは、証拠調べ手続に入る前の公判手続であり、人定質問、検察官の起訴状朗読、黙秘権等の告知、被告人・弁護人の被告事件についての陳述の順で行われるところ、検察官の起訴状朗読の前に、被告人・弁護人が発言することは原則として許されない。

  • 33

    必要的弁護事件は、弁護人の立会いがなければ開廷することができないから、弁護人がいないときは、判決の宣告のためのみに開廷することはできない。

  • 34

    裁判所は、公訴提起された事件が、その裁判所の管轄に属しないことが判明した場合は、管轄違いの判決により手続を打ち切る必要があるところ、関 連事件の併合管轄、審判の分離・併合等の事情がある場合は、当該裁判所に おいて審理され得る。

  • 35

    裁判所は、証拠開示に際し、一方の当事者が開示すべき証拠を開示していないと認めるときは、相手方の請求により、決定で当該証拠の開示命令を行うが、この決定に対しては、即時抗告をすることができる。

  • 36

    取調べ請求の際に、証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、その者自身やその親族の身体・財産に対する加害行為等のおそれがあるときは、被告人の防御に実質的な不利益を生じるおそれがある場合を除き、検察官が、弁護人に当該氏名等を開示したうえで、これを被告人に知らせてはならない旨の条件を付することができ、特に必要があるときは、弁護人にも開示せず、代替的な呼称等を知らせることができる。

  • 37

    即決裁判手続は、争いのない明白軽微な事件について、簡易化された公判手続によって、審理の合理化、効率化を図り、迅速に刑事裁判を実施することを目的とするものであり、即決裁判手続の対象となる事件は、事案が明白かつ軽微であること、証拠拠調べが速やかに終わると見込まれること、その他の事情を考慮して相当と認められること、死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件でないことが必要である。

  • 38

    即決裁判手続は、争いのない明白軽微な事案について、被疑者の同意を要件として、検察官が公訴の提起と同時に申立をし、できるだけ早期に公判を開き、原則として即日判決を言い渡す手続であるところ、被疑者にとっても有利な制度であるから、取調べ官は、被疑者の取調べ中に、被疑事案が即決裁判手続の可能なものであれば、そのことを教示しなければならない。

  • 39

    即決裁判 手続は、争いのない明白軽微な事件について、簡易かつ迅速に裁判を行うことができるようにすることにより、手続の合理化・効率化及び迅速化を図るものであるところ、その証拠調べは、公判期日において、適当と認める方法でこれを行うことができ、証拠については、原則として伝聞法則の適用を受けない。

  • 40

    即決裁判手続による場合であっても、通常の裁判と同様に公判が開かれるが、その審理では、冒頭陳述を省略し、証拠調べの方法も簡略化することができる。また、証拠については、原則として伝聞法則の適用を受けず、伝聞証拠であっても、証人尋問等を経ずに証拠能力が認められる。

  • 41

    即決裁判手続の公判期日において、被告人が有罪の陳述をしたときは、一定の場合を除き、即日判決が言い渡されるが、懲役又は禁錮の言渡しをする場合には、併せてその刑の全部の執行猶予を言い渡さなければならず、実刑の言渡しをすることはできない。また、当該判決の罪となるべき事実の誤認を理由として、控訴をすることはできない。

  • 42

    即決裁判手続は、死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役又は禁錮に 当たる事件を対象外としているが、対象事件に当たるときには、その法定刑の範囲内で、刑の全部の執行猶予を付さずに懲役刑や禁錮刑を言い渡すこと ができる。

  • 43

    被疑者が、即決裁判手続の同意確認手続中であることの証明書を受領し、 留置担当官に対して、国選弁護人の選任を希望する旨を申し立てた場合には、留置担当官は、被疑者に国選弁護人選任請求書を交付し作成させ、同請求書のほか、即決裁判手続に係る同意確認を求めたことの証明書を添付し、 裁判所に取り次がなければならない。

  • 44

    被告人の保釈に際して裁判所が付す条件は、被告人の逃亡及び罪証隠滅を 防止し、被告人の出頭と身柄を確保するために必要と認められるものでなければならないところ、電子メールやインターネットの使用を禁止する条件を付すことは認められない。

  • 45

    被害者参加人は、情状に関する事項についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、当該証人を尋問することができる。

  • 46

    被害者参加人は、検察官に対し、当該被告事件についての検察官の権限行使に関して意見を述べることができる

  • 47

    被害者参加人は、証拠調べが終わり、検察官の意見が陳述された後に、事実又は法律の適用について意見を陳述することができる。

  • 48

    被害者参加人は、意見を陳述するために必要があると認められる場合に、被告人に対して質 問をすることができる。

  • 49

    被疑者は、即決裁判手続によることについて同意するかどうかを明らかにしようとする場合において、貧困その他の事由により弁護人を選任することができず、被疑者以外の者が選任した弁護人もいないときは、国選弁護人の選任を請求することができる。

  • 50

    刑事訴訟法は、起訴状には適用すべき罰条を記載しなければならない旨を規定するところ、罰条の記載に誤りがあったとしても、被告人の防御に実質的な不利益が生ずるおそれがない限り、公訴提起の効力に影響を及ぼさない。

  • 51

    刑事訴訟法における裁判とは、裁判所又は裁判官が行う意思表示を内容と する訴訟行為をいい、判決、決定、命令に分類されるところ、判決は口頭弁 論に基づくことを要し、決定、命令は口頭弁論に基づくことを要しない。

  • 52

    公判廷は、第一審の場合、原則として被告人が出頭しなければ開廷することができないが、出頭した被告人が陳述をしないときや裁判長の許可を得ないで退廷したときなど、一定の場合においては、裁判所は被告人の陳述を聴くことなく判決をすることができる。

  • 53

    公判調書には、公判をした裁判所、裁判官等の官職氏名、手続的な事項、証人等の尋問とその供述等が記載されているところ、被告事件の終結前においては、検察官・弁護人は公判調書の閲覧・謄写権を有するのに対し、被告人は、弁護人がない場合に限り閲覧権のみ付与されている。

  • 54

    被告事件について犯罪の証明があった場合には、 刑の言渡しの判決又は刑の免除の判決がなされるところ、「犯罪の証明があった」とは、合理的な疑いを超える程度の確証を得られたことをいう。

  • 55

    刑の全部の執行猶予若しくは刑の一部の執行猶予をし、又は執行猶予期間中、保護観察に付すときは、刑の言渡しと同時に、判決でその言渡しがされる。

  • 56

    簡易公判手続とは、比較的軽微な一定の事件について、被告人が有罪である旨を陳述した場合、証拠調べの手続を簡略化するとともに、原則として伝聞法則を適用せずに審理手続を行うものであるところ、簡易公判手続では、 実刑を言い渡したり、控訴したりすることはできない。

  • 57

    上訴とは、未確定の裁判に対して、検察官又は被告人が上級裁判所の司法的救済を求める不服申立ての制度をいい、これは自己に不利益な裁判の是正を求めるためにするものであるから、被告人は、原裁判より自己に有利な結論を求めて上訴をすることはできるが、自己に不利益な結論を求めて上訴をすることはできない。

  • 58

    不起訴処分とは、検察官が公訴を提起しないとする処分をいうところ、これに一事不再理の効力は認められていないことから、検察官は、不起訴処分後に処罰を必要とする事情が新たに判明したような場合には、公訴時効が完成していない限り、起訴することができる。

  • 59

    被告事件について、大赦があったときや公訴時効が完成したときなど、実体的訴訟条件を欠く場合は、免訴の判決がなされるところ、免訴の判決によって一旦訴訟が打ち切られると、検察官は同一事件について再び公訴を提起することができなくなる。

  • 60

    被告事件が罪とならない場合又は被告事件について犯罪の証明がない場合には、無罪の判決がなされるところ、「罪とならない場合」とは、証明された事実が犯罪を構成しない場合又は法律上犯罪の成立を妨げる理由が認められる場合をいう。

  • 61

    公務員が、逮捕状の執行前に、逮捕状を請求した事実と、逮捕状記載の犯罪事実を新聞記者に漏らした疑いが生じたので、 当該秘密漏洩の事実を明らかにするため、記事を書いた新聞記者が、証人喚問を受けて記事の出所について証言を求められた場合、新聞記者は刑訴法に基づいて証言を拒絶できる。

  • 62

    特別公務員暴行陵虐罪など、公務員による一定の職権濫用の罪について告 訴又は告発をした者は、検察官の不起訴処分に不服がある場合、その検察官所属の検察庁の所在地を管轄する地方裁判所に対して、当該事件を裁判所の審判に付することを請求することができるところ、当該裁判所において請求に理由があると認められたときは、当該事件について公訴の提起があったものとみなされる。

  • 63

    捜査書類等も類型証拠に該当し得るが、検察官請求証拠として開示される ものは、この類型証拠には当たらない。

  • 64

    被告人が、冒頭手続に際して、起訴状に記載された訴因について有罪である旨を陳述したときは、裁判所は、検察官、被告人及び弁護人の意見を聴き、有罪である旨の陳述のあった訴因に限り、簡易公判手続によって審判をする旨の決定をすることができる。

  • 65

    判決が確定した事件については、公訴事実の同一性が認められる範囲内においては再公訴、 再審判が許されないところ、併合罪の関係にある2つの罪について、一方の罪で確定判決があった場合には他方の罪にも既判力が及ぶことから、これを起訴することは許されない。

  • 66

    検察官の事件処理のうち、「終局処分」とは、事件について 必要な捜査を遂げた後に、起訴または不起訴処分のいずれかを最終的に決める処分をいうところ、起訴猶予とは、検察官による終局処分の一つであり、公訴提起の条件は存在するものの、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯行後の状況を考慮して、訴追の必要がない場合に公訴を提起しないという不起訴処分の一態様である。

  • 67

    略式命令とは、検察官の請求により、その管轄に属する事件のうち法定刑に罰金又は科料がある罪について相当と認める場合に、通常の公判手続を経ないで書類・証拠物を非公開で審査して、100万円以下の罰金又は科料を言い渡す裁判をいう。なお、略式命令を受けた者がその命令を不服とする場合は、略式命令の裁判がまだ確定していない限り、正式裁判を請求することができる。

  • 68

    略式命令とは、検察官の請求により、罪証明白で事案簡明な事件について、公判手続によらず一定の範囲の財産刑を科す裁判をいうところ、この略式命令を発する権限は、簡易裁判所のみが有する。

  • 69

    控訴は、地方裁判所又は簡易裁判所がした第一審の判決に対してすることができ、その裁判権は高等裁判所が有するところ、決定に対しては、それが終局裁判であっても控訴することができない。

  • 70

    併合罪についての裁判で、複数の主文が出された場合、その一部について上訴することができるが、この場合、その他の部分についても、上訴がなされた部分が確定した時点で確定する。

  • 71

    検察官又は被告人は、上訴の放棄・取下げをすることができるほか、被告人の法定代理人・保佐人も、被告人の同意を得て、上訴の放棄・取下げをすることができるところ、死刑又は無期の懲役・ 禁錮に処する旨の判決に対する上訴の放棄、取下げをすることはできない。

  • 72

    上訴の放棄をした者は、再上訴することができないが、上訴を取り下げた者については、上訴提起期間の満了前であれば、 再上訴することができる。

  • 73

    控訴裁判所は、控訴趣意書に記載された控訴理由の存否について調査することができるところ、この調査に当たっては、証拠調べ等によって事実の取調べをすることができ、第一審において証拠能力が認められた証拠には、控訴審でもそのまま証拠能力が認められる。

  • 74

    控訴審において検察官及び弁護人は、控訴趣意書に基づいて意見陳述を行い控訴裁判所が事実の取調べをしたときは、その結果に基づいて意見陳述をすることもできるが、専門的な知識を要することから、特別弁護人を選任することはできず、被告人が自ら意見陳述することも認められていない。

  • 75

    上告は、憲法違反、憲法解釈の誤り、判例違反のいずれかが認められる場合にのみ行うことができるところ、上告理由に当たらない場合であっても、法令の解釈に関する要な事項を含むものと認められる事件については、最高裁は、法令解釈の一のために、自ら上告審として上告を受理することができる。

  • 76

    控訴理由に該当する事由がある場合、原判決破棄の判決がなされ、それとともに、差戻し・移送・自判のいずれかの判決がなされるところ、「差戻し」とは、原判決破棄の判決に基づいて、原裁判所に判断させる場合、「移送」とは、管轄裁判所又は原裁判所と同等の他の裁判所に判断させる場合、「自判」とは、自ら判断する場合をいう。

  • 77

    被告人側のみが控訴をしたときは、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできないが、原判決より不利な事実を認定することは許される。

  • 78

    被告人側は、検察官請求証拠及び類型証拠の開示を受けた場合、公判期日においてすることを予定している事実上及び法律上の主張があるときは、これを明らかにしなければならない。

  • 79

    被告人又は弁護人が、警察官による捜索・差押え手続の違法性を主張して、捜索差押許可状の請求に係る疎明資料の開示を請求した場合、開示請求の対象は、検察官が現に保管する証拠に限られるので、警察官が保管する疎明資料の開示は認められない。

  • 80

    裁判が確定すると既判力が生じ、一時不再理の原則により、同一事実について更に公訴を提起することはできなくなるところ、既判力の及ぶ範囲は、当該公訴事実と同一性のある事実であるから、併合罪はもちろん、継続犯、常習犯、包括一罪、牽連犯や観念的競合のような科刑上一罪に当たる罪の一部につき確定判決がある場合にも、これと因果関係にある他の事実について既判力が及ぶ。

  • 81

    刑事訴訟においては、第1審及び控訴審は事実審であるが、上告審は基本的には法律上の間題のみを審理する法律審である。

  • 82

    現行刑訴法における控訴審及び上告審は、事件そのものではなく原判決を対象としてその当否を事後的に審査するものであり、第1審と同じ審理を最初からやり直すわけではない。

  • 83

    控訴審では、被告人には自ら弁論する能力が認められていないため、公判期日に出頭する必要がない。

  • 84

    当事者に権利として認められている上告理由は、憲法違反、憲法解釈の誤り、判例違反及び訴訟手続の法令違反に限られる。

  • 85

    違法に収集した証拠について、被告人が証拠とすることについて同意を行うことも可能である。

  • 86

    違法収集証拠(第一次証拠) を契機として、続いて新たな証拠(第二次証拠) が発見収集された場合であっても、第二次証拠が必ず証拠排除されるというわけではない。

  • 87

    令状に基づく捜索現場で、警察官が被告人に暴行を加えた場合であっても、それ以前に発見されていた覚醒剤について証拠能力が否定されることはない。

  • 88

    私人が違法に収集した証拠を訴追機関が利用した場合には、原則として当該証拠は排除されない。

  • 89

    付審判の請求が行われた場合において、検察官が再考して、なお理由がないと考えるときは、その請求書を地方裁判所に送付することとなるが、地方裁判所で請求に理由があると判断されると、決定で当該事件が管轄地方裁判所の審判に付せられ、この決定があったときはその事件について公訴の提起があったものとみなされる。

  • 90

    検察官は、犯罪の嫌疑があり訴訟条件が備わっていても被疑者を起訴しないことができるところ、仮に一度起訴した場合であっても、第1審の判決があるまでは、公訴提起を取り消して訴追しない状態に戻すことができる。

  • 91

    検察審査会が多数決で起訴相当議決を行ったもかかわらず、一定期間内に検察官が公訴を ・提起しない場合は、その期間経過後に、公訴提起があったものとみなされる。

  • 92

    訴因は予備的又は択一的に記載することができるから、例えば、Xが試乗の名目で自動車の乗り逃げをした場合に、窃盗罪又は詐欺罪の訴因が認められるというような主張をすることも許される。

  • 93

    訴因とは、検察官が審判を求める検察官の主張であり、犯罪構成要件に当てはめて法律的に構成された具体的事実をいう。

  • 94

    起訴便宜主義とは、犯罪の嫌疑があり、かつ、訴訟条件を具備していたとしても、犯罪や人の個別的事情により公訴提起を差し控えることができることをいう。具体的には、犯人の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重、情状や犯罪後の状況等から、事件ごとに個別具体的に総合考慮して、公訴提起の判断がなされる。

  • 95

    公判手続は、国家の刑罰権という公共的な事項を審理する手続であり、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正かつ迅速に適用・実現することも要請されるから、裁判所が当事者に主張の変更を命じる訴因変更命令や職権による証拠調べ等の制度が設けられるなど、一部に職権主義が採用されている。

  • 96

    忌避とは、裁判官に除斥事由がある場合や除斥事由には該当しないものの不公平な裁判をするおそれがある場合に、当事者がその裁判官を職務執行から排除することを申し立てる制度をいうところ、「不公平な裁判をするおそれがある場合」とは、裁判官が、担当事件の当事者と親友であったり、金銭的な利害関係があったりする場合のほか、訴訟手続内における裁判官の審理の方法等に不服がある場合等がこれに当たる。

  • 97

    略式命令とは、簡易裁判所が検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前に、一定額以下の罰金又は科料存す裁判であるところ、略式命令の請求は、公訴提起と同時に、書面によって行わなければならない。

  • 98

    公訴提起の種類には、公判請求、略式命令請求、及び即決裁判請求の3種類があるところ、検察官は、被疑者が略式命令手続によることに同意しているか否かに関係なく、略式命令を請求できる。

  • 99

    略式命令は、公判手続によらないで行われるものであるが、確定判決と同一の効力を有する。

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    問題一覧

  • 1

    刑事訴訟法は、「公訴は、第一審の判決があるまでこれを取り消すことができる。」と定めているところ、公訴の取消しに基づいて公訴棄却の決定がなされ、それが確定した場合、検察官は、原則として同一事件の再起訴をすることができない。

  • 2

    公訴は、起訴状により検察官の指定した被告人以外の者にその効力を及ぼさないことから、たとえ共犯者であっても、被告人として指定されていない者には公訴の効力が及ばないところ、共犯者の1人に対してした公訴提起による公訴時効の停止の効力は、共犯関係が客観的事実として存在する限り、公訴提起されていない他の共犯者にも生じる。

  • 3

    公訴時効は犯罪行為が終わった時から進行するところ、時間の経過とともに無条件に進行するものではない。公訴時効期間の満了前に、当該事件について公訴の提起がなされた場合、公訴時効はその時点で進行を停止し、その停止の効力は、いまだ公訴を提起されていない共犯者にも及ぶ。

  • 4

    公訴は、検察官が被告人を指定して提起するので、検察官が指定しない共犯者にはその効力は及ばないとされており、裁判所が自らその共犯者の公訴を提起することはできない。

  • 5

    公訴の提起は、起訴状を裁判所に提出してこれをしなければならないところ、公訴の提起の際、検察官が裁判所に事件の一件記録を提出することは、 捜査機関の心証が裁判所に一方的に引き継がれるおそれがあることから、禁止されている。

  • 6

    公訴の提起とは、検察官が裁判所に対し、特定の刑事事件につき審判を求める意思表示であるが、検察官は、第一審の判決があるまでは、いつでも公訴を取り消すことができる。

  • 7

    公訴の提起とは、検察官が裁判所に対し、犯罪の成否、刑罰権の存否につき審判を求める意思表示をいい、その方式には、公判請求、即決裁判手続の申立て、略式命令請求、交通事件即決裁判請求があるところ、公判請求とは、公開の法廷で審判を求めるものをいう。

  • 8

    公訴の提起に際して、起訴状には公訴事実を記載しなければならないところ、「公訴事実」とは、訴因で明示される前の前法律的な歴史的,社会的事実の中で、検察官が何らかの犯罪に該当すると主張する事実をいう。

  • 9

    公訴の提起は、被告人の氏名その他被告人を特定するに足りる事項、公訴事実及び罪名を記載した起訴状を提出して行うところ、たとえ被告人を特定するに足りる事項の一部に誤りがあっても、その他の記載等により被告人を特定できるときは、公訴の提起は無効とはならない。

  • 10

    公訴の提起に際しては、裁判官をして公判審理開始前の事件に関する予断や先入観を排除することにより、公正な裁判が行われるようにしなければならないことから、裁判所に提出する起訴状には、事件について予断を生じさせるおそれのある書類その他の物を添付し、又はその内容を引用してはならないとされている。

  • 11

    公訴の提起には、「公判請求」のほか「略式命令請求」や「即決裁判手続の申立て」などの方式があるところ、刑事被告人は、公平・迅速な公開裁判を受ける権利を有することから、公訴提起の方式は、公判請求が原則とされている。

  • 12

    公訴時効は、共犯の場合、犯罪行為が全て終わった時から時効期間が起算されるところ、ここにいう「共犯」とは、刑法総則における任意的共犯を意味し、必要的共犯には適用されない。

  • 13

    公訴時効とは、罪を犯した後に公訴が提起されないまま一定期間が経過したことにより、公訴権を消滅させる制度をいうところ、時効が完成したときは、検察官は不起訴処分をし、また、時効が完成した事件について公訴の提起があった場合、免訴の判決がなされ、有罪・無罪の判断をすることなく訴訟手続が打ち切られる。

  • 14

    共犯事件について、共犯者の1人について公訴の提起があった場合、時効停止の効力は、起訴されていない他の共犯者にも及ぶところ、この共犯者とは、客観的な事実としての共犯関係が存すれば足りるので、公訴提起の時点で共犯者であることが未発覚であってもよい。

  • 15

    検察官は、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができるとされており、これを起訴便宜主義というところ、家庭裁判所から送致を受けた少年事件について、公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思料するときは、原則として公訴を提起しなければならない。

  • 16

    検察官は、公訴を提起しようとする事件について、事案が明白であり、かつ、軽微であって一定の重罪に該当しないこと、証拠調べが速やかに終わると見込まれることその他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公訴の提起と同時に、書面により即決裁判手続の申立てをすることができるところ、即決裁判手続の申立てがあった場合において、被告人に弁護人がないときは、裁判長は、できる限り速やかに、職権で弁護人を付さなければならない。

  • 17

    検察官は、公訴提起と同時に即決裁判手続の申立てを行うが、その際、被告人に弁護人がいないときは、裁判長は、できるだけ速やかに弁護人を付さなければならない。即決裁判手続の申立てがあったときは、裁判長は、できるだけ早期に公判期日を定めなければならない。

  • 18

    検察官が控訴を提起しない場合に、被害者等がこれに不服がある時は検察審査会に対し、当該処分の当否について審査を申し立てることができるところ、この申立権者には、告訴人、告発人、請求人、被害者のほか、死亡した被害者の配偶者も含まれる。

  • 19

    検察官は、告訴、告発又は請求のあった事件について公訴を提起しない処分をした場合において、告訴人、告発人又は請求人の請求があるときは、速 やかに告訴人、告発人又は請求人にその理由を告げなければならないとこ ろ、この告知は、当該告訴の不起訴裁定の主文を告知するだけで足り、不起訴処分に至った実質的な理由に及ぶ必要はない。

  • 20

    検察官が被疑者を起訴しないと決定することを不起訴処分というが、この不起訴処分には一事不再理の効力は認められないことから、新たな証拠が発見された場合には、公訴時効の完成前であれば、当該事件について起訴することができる。

  • 21

    検察官が即決裁判手続の申立てをするには、被疑者の同意が必要であり、さらに、被疑者に弁護人がある場合には、弁護人の意思も確認しなければな らない。被疑者に対し即決裁判手続の同意を求めたときに、貧困等の理由により被疑者が弁護人を選任していない場合には、当該被疑者に国選弁護人を付すことは認められていないので、被疑者の同意だけで即決裁判手続の申立てをすることができ、この場合には、弁護人なしで公判の審理をすることが できる。

  • 22

    検察官は、証拠開示の第1段階及び第2段階で開示した証拠以外の証拠で、被告人・弁護人の主張と関連すると認められるものについて、被告人又は弁護人から開示の請求があった場合、その関連性の程度その他の被告人の防御の準備のために当該開示を請求することの必要性の程度並びに当該開示によって生じるおそれのある弊害の内容及び程度を考慮し、相当と認めるときは、速やかに、これを開示しなければならない。

  • 23

    検察官は、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができるとされており、これを起訴便宜主義というところ、家庭裁判所から送致を受けた少年事件について、公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思料するときは、原則として公訴を提起しなければならない。

  • 24

    検察官は、公訴提起と同時に即決裁判手続の申立てを行うが、その際、被告人に弁護人がいないときは、裁判長は、できるだけ速やかに弁護人を付さなければならない。即決裁判手続の申立てがあったときは、裁判長は、できるだけ早期に公判期日を定めなければならない。

  • 25

    検察官は、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を請求することができるところ、侵入窃盗事件について、住居侵入の事実で起訴した後に窃盗の事実を追加する場合には、訴因の追加が行われる。

  • 26

    検察官は、少年事件について家庭裁判所から刑事処分相当として送致を受けた場合、犯罪の情状等に影響を及ぼすべき新たな事情を発見したため、訴追が相当でないと思料するときのほかは、常に公訴を提起しなければならない。

  • 27

    検察官が、簡易裁判所に対して、その管轄に属する事件について、略式命 令を請求することができるのは、100万円以下の罰金又は科料を科し得る事件であること、罪証明白・事案簡明で、かつ、略式手続によることについて被疑者に異議がないことという要件を満たす場合である。

  • 28

    検察官には、その裁量により起訴・不起訴を決定する起訴便宜主義が認められており、検察官が証拠の明白性や立証の難易などから総合的に判断し、刑事事件の一部のみを起訴することも認められる。

  • 29

    検察官は、証拠開示の第1段階及び第2段階で開示した証拠以外の証拠で、被告人・弁護人の主張と関連すると認められるものについて、被告人又は弁護人から開示の請求があった場合、その関連性の程度その他の被告人の防御の準備のために当該開示を請求することの必要性の程度並びに当該開示によって生じるおそれのある弊害の内容及び程度を考慮し、相当と認めるときは、速やかに、これを開示しなければならない。

  • 30

    裁判員制度の下では、分かりやすい刑事裁判の実現の観点から、対象事件の捜査については、客観的証拠の収集の徹底を図ること、捜査書類を簡潔明瞭化することが要請されるが、裁判員裁判においては、捜査活動の結果が直接に裁判員の評価の対象となることから、捜査の適正の確保には十分留意す る必要がある。

  • 31

    裁判員制度の下では、分かりやすい裁判が要請されることから、供述調書については、事件全体を網羅した包括的なものとしなければならず、項目別あるいは場面別に作成してはならない。

  • 32

    冒頭手続とは、証拠調べ手続に入る前の公判手続であり、人定質問、検察官の起訴状朗読、黙秘権等の告知、被告人・弁護人の被告事件についての陳述の順で行われるところ、検察官の起訴状朗読の前に、被告人・弁護人が発言することは原則として許されない。

  • 33

    必要的弁護事件は、弁護人の立会いがなければ開廷することができないから、弁護人がいないときは、判決の宣告のためのみに開廷することはできない。

  • 34

    裁判所は、公訴提起された事件が、その裁判所の管轄に属しないことが判明した場合は、管轄違いの判決により手続を打ち切る必要があるところ、関 連事件の併合管轄、審判の分離・併合等の事情がある場合は、当該裁判所に おいて審理され得る。

  • 35

    裁判所は、証拠開示に際し、一方の当事者が開示すべき証拠を開示していないと認めるときは、相手方の請求により、決定で当該証拠の開示命令を行うが、この決定に対しては、即時抗告をすることができる。

  • 36

    取調べ請求の際に、証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の氏名及び住居を知る機会を与えるべき場合において、その者自身やその親族の身体・財産に対する加害行為等のおそれがあるときは、被告人の防御に実質的な不利益を生じるおそれがある場合を除き、検察官が、弁護人に当該氏名等を開示したうえで、これを被告人に知らせてはならない旨の条件を付することができ、特に必要があるときは、弁護人にも開示せず、代替的な呼称等を知らせることができる。

  • 37

    即決裁判手続は、争いのない明白軽微な事件について、簡易化された公判手続によって、審理の合理化、効率化を図り、迅速に刑事裁判を実施することを目的とするものであり、即決裁判手続の対象となる事件は、事案が明白かつ軽微であること、証拠拠調べが速やかに終わると見込まれること、その他の事情を考慮して相当と認められること、死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件でないことが必要である。

  • 38

    即決裁判手続は、争いのない明白軽微な事案について、被疑者の同意を要件として、検察官が公訴の提起と同時に申立をし、できるだけ早期に公判を開き、原則として即日判決を言い渡す手続であるところ、被疑者にとっても有利な制度であるから、取調べ官は、被疑者の取調べ中に、被疑事案が即決裁判手続の可能なものであれば、そのことを教示しなければならない。

  • 39

    即決裁判 手続は、争いのない明白軽微な事件について、簡易かつ迅速に裁判を行うことができるようにすることにより、手続の合理化・効率化及び迅速化を図るものであるところ、その証拠調べは、公判期日において、適当と認める方法でこれを行うことができ、証拠については、原則として伝聞法則の適用を受けない。

  • 40

    即決裁判手続による場合であっても、通常の裁判と同様に公判が開かれるが、その審理では、冒頭陳述を省略し、証拠調べの方法も簡略化することができる。また、証拠については、原則として伝聞法則の適用を受けず、伝聞証拠であっても、証人尋問等を経ずに証拠能力が認められる。

  • 41

    即決裁判手続の公判期日において、被告人が有罪の陳述をしたときは、一定の場合を除き、即日判決が言い渡されるが、懲役又は禁錮の言渡しをする場合には、併せてその刑の全部の執行猶予を言い渡さなければならず、実刑の言渡しをすることはできない。また、当該判決の罪となるべき事実の誤認を理由として、控訴をすることはできない。

  • 42

    即決裁判手続は、死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役又は禁錮に 当たる事件を対象外としているが、対象事件に当たるときには、その法定刑の範囲内で、刑の全部の執行猶予を付さずに懲役刑や禁錮刑を言い渡すこと ができる。

  • 43

    被疑者が、即決裁判手続の同意確認手続中であることの証明書を受領し、 留置担当官に対して、国選弁護人の選任を希望する旨を申し立てた場合には、留置担当官は、被疑者に国選弁護人選任請求書を交付し作成させ、同請求書のほか、即決裁判手続に係る同意確認を求めたことの証明書を添付し、 裁判所に取り次がなければならない。

  • 44

    被告人の保釈に際して裁判所が付す条件は、被告人の逃亡及び罪証隠滅を 防止し、被告人の出頭と身柄を確保するために必要と認められるものでなければならないところ、電子メールやインターネットの使用を禁止する条件を付すことは認められない。

  • 45

    被害者参加人は、情状に関する事項についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、当該証人を尋問することができる。

  • 46

    被害者参加人は、検察官に対し、当該被告事件についての検察官の権限行使に関して意見を述べることができる

  • 47

    被害者参加人は、証拠調べが終わり、検察官の意見が陳述された後に、事実又は法律の適用について意見を陳述することができる。

  • 48

    被害者参加人は、意見を陳述するために必要があると認められる場合に、被告人に対して質 問をすることができる。

  • 49

    被疑者は、即決裁判手続によることについて同意するかどうかを明らかにしようとする場合において、貧困その他の事由により弁護人を選任することができず、被疑者以外の者が選任した弁護人もいないときは、国選弁護人の選任を請求することができる。

  • 50

    刑事訴訟法は、起訴状には適用すべき罰条を記載しなければならない旨を規定するところ、罰条の記載に誤りがあったとしても、被告人の防御に実質的な不利益が生ずるおそれがない限り、公訴提起の効力に影響を及ぼさない。

  • 51

    刑事訴訟法における裁判とは、裁判所又は裁判官が行う意思表示を内容と する訴訟行為をいい、判決、決定、命令に分類されるところ、判決は口頭弁 論に基づくことを要し、決定、命令は口頭弁論に基づくことを要しない。

  • 52

    公判廷は、第一審の場合、原則として被告人が出頭しなければ開廷することができないが、出頭した被告人が陳述をしないときや裁判長の許可を得ないで退廷したときなど、一定の場合においては、裁判所は被告人の陳述を聴くことなく判決をすることができる。

  • 53

    公判調書には、公判をした裁判所、裁判官等の官職氏名、手続的な事項、証人等の尋問とその供述等が記載されているところ、被告事件の終結前においては、検察官・弁護人は公判調書の閲覧・謄写権を有するのに対し、被告人は、弁護人がない場合に限り閲覧権のみ付与されている。

  • 54

    被告事件について犯罪の証明があった場合には、 刑の言渡しの判決又は刑の免除の判決がなされるところ、「犯罪の証明があった」とは、合理的な疑いを超える程度の確証を得られたことをいう。

  • 55

    刑の全部の執行猶予若しくは刑の一部の執行猶予をし、又は執行猶予期間中、保護観察に付すときは、刑の言渡しと同時に、判決でその言渡しがされる。

  • 56

    簡易公判手続とは、比較的軽微な一定の事件について、被告人が有罪である旨を陳述した場合、証拠調べの手続を簡略化するとともに、原則として伝聞法則を適用せずに審理手続を行うものであるところ、簡易公判手続では、 実刑を言い渡したり、控訴したりすることはできない。

  • 57

    上訴とは、未確定の裁判に対して、検察官又は被告人が上級裁判所の司法的救済を求める不服申立ての制度をいい、これは自己に不利益な裁判の是正を求めるためにするものであるから、被告人は、原裁判より自己に有利な結論を求めて上訴をすることはできるが、自己に不利益な結論を求めて上訴をすることはできない。

  • 58

    不起訴処分とは、検察官が公訴を提起しないとする処分をいうところ、これに一事不再理の効力は認められていないことから、検察官は、不起訴処分後に処罰を必要とする事情が新たに判明したような場合には、公訴時効が完成していない限り、起訴することができる。

  • 59

    被告事件について、大赦があったときや公訴時効が完成したときなど、実体的訴訟条件を欠く場合は、免訴の判決がなされるところ、免訴の判決によって一旦訴訟が打ち切られると、検察官は同一事件について再び公訴を提起することができなくなる。

  • 60

    被告事件が罪とならない場合又は被告事件について犯罪の証明がない場合には、無罪の判決がなされるところ、「罪とならない場合」とは、証明された事実が犯罪を構成しない場合又は法律上犯罪の成立を妨げる理由が認められる場合をいう。

  • 61

    公務員が、逮捕状の執行前に、逮捕状を請求した事実と、逮捕状記載の犯罪事実を新聞記者に漏らした疑いが生じたので、 当該秘密漏洩の事実を明らかにするため、記事を書いた新聞記者が、証人喚問を受けて記事の出所について証言を求められた場合、新聞記者は刑訴法に基づいて証言を拒絶できる。

  • 62

    特別公務員暴行陵虐罪など、公務員による一定の職権濫用の罪について告 訴又は告発をした者は、検察官の不起訴処分に不服がある場合、その検察官所属の検察庁の所在地を管轄する地方裁判所に対して、当該事件を裁判所の審判に付することを請求することができるところ、当該裁判所において請求に理由があると認められたときは、当該事件について公訴の提起があったものとみなされる。

  • 63

    捜査書類等も類型証拠に該当し得るが、検察官請求証拠として開示される ものは、この類型証拠には当たらない。

  • 64

    被告人が、冒頭手続に際して、起訴状に記載された訴因について有罪である旨を陳述したときは、裁判所は、検察官、被告人及び弁護人の意見を聴き、有罪である旨の陳述のあった訴因に限り、簡易公判手続によって審判をする旨の決定をすることができる。

  • 65

    判決が確定した事件については、公訴事実の同一性が認められる範囲内においては再公訴、 再審判が許されないところ、併合罪の関係にある2つの罪について、一方の罪で確定判決があった場合には他方の罪にも既判力が及ぶことから、これを起訴することは許されない。

  • 66

    検察官の事件処理のうち、「終局処分」とは、事件について 必要な捜査を遂げた後に、起訴または不起訴処分のいずれかを最終的に決める処分をいうところ、起訴猶予とは、検察官による終局処分の一つであり、公訴提起の条件は存在するものの、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯行後の状況を考慮して、訴追の必要がない場合に公訴を提起しないという不起訴処分の一態様である。

  • 67

    略式命令とは、検察官の請求により、その管轄に属する事件のうち法定刑に罰金又は科料がある罪について相当と認める場合に、通常の公判手続を経ないで書類・証拠物を非公開で審査して、100万円以下の罰金又は科料を言い渡す裁判をいう。なお、略式命令を受けた者がその命令を不服とする場合は、略式命令の裁判がまだ確定していない限り、正式裁判を請求することができる。

  • 68

    略式命令とは、検察官の請求により、罪証明白で事案簡明な事件について、公判手続によらず一定の範囲の財産刑を科す裁判をいうところ、この略式命令を発する権限は、簡易裁判所のみが有する。

  • 69

    控訴は、地方裁判所又は簡易裁判所がした第一審の判決に対してすることができ、その裁判権は高等裁判所が有するところ、決定に対しては、それが終局裁判であっても控訴することができない。

  • 70

    併合罪についての裁判で、複数の主文が出された場合、その一部について上訴することができるが、この場合、その他の部分についても、上訴がなされた部分が確定した時点で確定する。

  • 71

    検察官又は被告人は、上訴の放棄・取下げをすることができるほか、被告人の法定代理人・保佐人も、被告人の同意を得て、上訴の放棄・取下げをすることができるところ、死刑又は無期の懲役・ 禁錮に処する旨の判決に対する上訴の放棄、取下げをすることはできない。

  • 72

    上訴の放棄をした者は、再上訴することができないが、上訴を取り下げた者については、上訴提起期間の満了前であれば、 再上訴することができる。

  • 73

    控訴裁判所は、控訴趣意書に記載された控訴理由の存否について調査することができるところ、この調査に当たっては、証拠調べ等によって事実の取調べをすることができ、第一審において証拠能力が認められた証拠には、控訴審でもそのまま証拠能力が認められる。

  • 74

    控訴審において検察官及び弁護人は、控訴趣意書に基づいて意見陳述を行い控訴裁判所が事実の取調べをしたときは、その結果に基づいて意見陳述をすることもできるが、専門的な知識を要することから、特別弁護人を選任することはできず、被告人が自ら意見陳述することも認められていない。

  • 75

    上告は、憲法違反、憲法解釈の誤り、判例違反のいずれかが認められる場合にのみ行うことができるところ、上告理由に当たらない場合であっても、法令の解釈に関する要な事項を含むものと認められる事件については、最高裁は、法令解釈の一のために、自ら上告審として上告を受理することができる。

  • 76

    控訴理由に該当する事由がある場合、原判決破棄の判決がなされ、それとともに、差戻し・移送・自判のいずれかの判決がなされるところ、「差戻し」とは、原判決破棄の判決に基づいて、原裁判所に判断させる場合、「移送」とは、管轄裁判所又は原裁判所と同等の他の裁判所に判断させる場合、「自判」とは、自ら判断する場合をいう。

  • 77

    被告人側のみが控訴をしたときは、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできないが、原判決より不利な事実を認定することは許される。

  • 78

    被告人側は、検察官請求証拠及び類型証拠の開示を受けた場合、公判期日においてすることを予定している事実上及び法律上の主張があるときは、これを明らかにしなければならない。

  • 79

    被告人又は弁護人が、警察官による捜索・差押え手続の違法性を主張して、捜索差押許可状の請求に係る疎明資料の開示を請求した場合、開示請求の対象は、検察官が現に保管する証拠に限られるので、警察官が保管する疎明資料の開示は認められない。

  • 80

    裁判が確定すると既判力が生じ、一時不再理の原則により、同一事実について更に公訴を提起することはできなくなるところ、既判力の及ぶ範囲は、当該公訴事実と同一性のある事実であるから、併合罪はもちろん、継続犯、常習犯、包括一罪、牽連犯や観念的競合のような科刑上一罪に当たる罪の一部につき確定判決がある場合にも、これと因果関係にある他の事実について既判力が及ぶ。

  • 81

    刑事訴訟においては、第1審及び控訴審は事実審であるが、上告審は基本的には法律上の間題のみを審理する法律審である。

  • 82

    現行刑訴法における控訴審及び上告審は、事件そのものではなく原判決を対象としてその当否を事後的に審査するものであり、第1審と同じ審理を最初からやり直すわけではない。

  • 83

    控訴審では、被告人には自ら弁論する能力が認められていないため、公判期日に出頭する必要がない。

  • 84

    当事者に権利として認められている上告理由は、憲法違反、憲法解釈の誤り、判例違反及び訴訟手続の法令違反に限られる。

  • 85

    違法に収集した証拠について、被告人が証拠とすることについて同意を行うことも可能である。

  • 86

    違法収集証拠(第一次証拠) を契機として、続いて新たな証拠(第二次証拠) が発見収集された場合であっても、第二次証拠が必ず証拠排除されるというわけではない。

  • 87

    令状に基づく捜索現場で、警察官が被告人に暴行を加えた場合であっても、それ以前に発見されていた覚醒剤について証拠能力が否定されることはない。

  • 88

    私人が違法に収集した証拠を訴追機関が利用した場合には、原則として当該証拠は排除されない。

  • 89

    付審判の請求が行われた場合において、検察官が再考して、なお理由がないと考えるときは、その請求書を地方裁判所に送付することとなるが、地方裁判所で請求に理由があると判断されると、決定で当該事件が管轄地方裁判所の審判に付せられ、この決定があったときはその事件について公訴の提起があったものとみなされる。

  • 90

    検察官は、犯罪の嫌疑があり訴訟条件が備わっていても被疑者を起訴しないことができるところ、仮に一度起訴した場合であっても、第1審の判決があるまでは、公訴提起を取り消して訴追しない状態に戻すことができる。

  • 91

    検察審査会が多数決で起訴相当議決を行ったもかかわらず、一定期間内に検察官が公訴を ・提起しない場合は、その期間経過後に、公訴提起があったものとみなされる。

  • 92

    訴因は予備的又は択一的に記載することができるから、例えば、Xが試乗の名目で自動車の乗り逃げをした場合に、窃盗罪又は詐欺罪の訴因が認められるというような主張をすることも許される。

  • 93

    訴因とは、検察官が審判を求める検察官の主張であり、犯罪構成要件に当てはめて法律的に構成された具体的事実をいう。

  • 94

    起訴便宜主義とは、犯罪の嫌疑があり、かつ、訴訟条件を具備していたとしても、犯罪や人の個別的事情により公訴提起を差し控えることができることをいう。具体的には、犯人の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重、情状や犯罪後の状況等から、事件ごとに個別具体的に総合考慮して、公訴提起の判断がなされる。

  • 95

    公判手続は、国家の刑罰権という公共的な事項を審理する手続であり、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正かつ迅速に適用・実現することも要請されるから、裁判所が当事者に主張の変更を命じる訴因変更命令や職権による証拠調べ等の制度が設けられるなど、一部に職権主義が採用されている。

  • 96

    忌避とは、裁判官に除斥事由がある場合や除斥事由には該当しないものの不公平な裁判をするおそれがある場合に、当事者がその裁判官を職務執行から排除することを申し立てる制度をいうところ、「不公平な裁判をするおそれがある場合」とは、裁判官が、担当事件の当事者と親友であったり、金銭的な利害関係があったりする場合のほか、訴訟手続内における裁判官の審理の方法等に不服がある場合等がこれに当たる。

  • 97

    略式命令とは、簡易裁判所が検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前に、一定額以下の罰金又は科料存す裁判であるところ、略式命令の請求は、公訴提起と同時に、書面によって行わなければならない。

  • 98

    公訴提起の種類には、公判請求、略式命令請求、及び即決裁判請求の3種類があるところ、検察官は、被疑者が略式命令手続によることに同意しているか否かに関係なく、略式命令を請求できる。

  • 99

    略式命令は、公判手続によらないで行われるものであるが、確定判決と同一の効力を有する。