問題一覧
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不動産の証券化の法整備は、バブル崩壊後の1995年の不動産特定共同事業法(不特法)の施行に始まります。 その後に整備された特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(SPC法)、投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)、金融商品取引法(金商法)もそれぞれ当時の課題となっていた問題を解決するために整備されてきました。 🟠1995年 不動産特定共同事業法 施行 背景:不動産現物が共有持分で小口化されて不動産業者により販売されていたが、バブル崩壊で事業者の倒産が相次いだので、国交省が事業者を許可制にして投資家保護を図った。 SPCではなく不動産業者本体が許可を取得することが念頭に置かれていたため、事業者からすると使いづらかった。 ↓ 🟠1998年 SPC法 特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(SPC法)施行 資産の流動化としては使いづらかった不動産特定共同事業法に対して、金融庁主導でSPCよる流動化手法を用意した。 ↓ 🟠2000年 投信法改正 投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)改正 J-REITの上場を可能にし、証券化を加速させるために改正された。 ↓ 🟠2007年 金融商品取引法 (証券取引法が改正されて金商法として施行) 上記の特別法を利用しないYK-TKスキーム(今のGK-TKスキーム)で扱われていた不動産信託受益権をみなし有価証券として扱い、規制対象とした。 2007.金融商品取引法が施行。 投資家保護の観点から、不動産証券化商品も他の金融商品と同じような規制がかけられるようになった。 ↓ 🟠2008年 J-REITの海外不動産取得の解禁 ↓ 🟠2008-9年 リーマンショック 不動産市場安定化ファンドの設立 リーマンショックを受けてJ-REITのリファイナンスが困難な状況であったため、J-REITへのファイナンスを目的に不動産安定化ファンドが設立された。 🟠2011.資産流動化法が改正 資産流動化スキームにおける規制の弾力化が必要であるとして、投資家保護に留意しつつ、証券化に関する変更手続きの簡素化などなど。 ↓ 🟠2013年 投信法の改正: 投資法人の資本政策・ 資金調達の多様化と海外不動産取得促進 リーマンショックでの経験を踏まえて、 J-REITの資本政策や資金調達の多様化のために投信法が改正され、投資口の価格対策のための投資法人の自己投資口の取得、 資金調達のための新投資口予約権の発行が可能になると同時に、 海外不動産取得の促進の措置も講じられた。 同時期に金商法も改正 例題 日本の不動産証券化の歴史に関して、次に列挙する出来事を古い順番に並べよ ③投信法改正による投資法人制度の創設 ⑥投信法改正による投資法人の資本政策・資金調達の多様化と海外不動産取得促進 ①不動産特定共同事業法 施行 ④金融商品取引法 改正 ⑤リーマンショックと不動産市場安定化ファンドの設立 ②特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律 施行 答え ①不動産特定共同事業法施行 ↓ ②特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律 施行 ↓ ③投信法改正による投資法人制度の創設 ↓ ④金融商品取引法 改正 ↓ ⑤リーマンショックと不動産市場安定化ファンドの設立 ↓ ⑥投信法改正による投資法人の資本政策・資金調達の多様化と海外不動産取得促進
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投資法人は執行役員、監督役員、役員会、会計監査人を置かなくてはいけないものの、従業員は秘書も含めて雇用することはできません 投資法人は単なる箱であり、投資判断は資産運用会社に委託しなくてはならないことになっています。 試験では、投資法人の役員の任期など細かい点も問われますが、利益相反を防ぐためのきまりを中心に理解しておきましょう。 🟠投資法人の機関 ① 投資主総会 ② 役員会 1人以上の執行役員:任期最長2年 執行役員に+1以上の監督役員:任期最長4年 ③ 会計監査人 🟠ライセンス 投資法人 ・投資法人はみなし宅建業者となる。 ・営業保証金の供託等も必要 🟠資産運用会社 ・資産の運用は資産運用会社に委託しなくて はならない(なお、一般事務も一般事務 受託会社に委託しなくてはならない) ・資産運用会社は、金融商品取引法の資産運用 業の登録、主として不動産に投資する 投資法人のときには宅建業法の取引一任 代理等の認可を受ける必要がある 🟠利益相反 ⭐️資産運用会社関係 ・資産運用会社は複数の投資法人から委託を受けてもいいが、利益相反の問題があるので、多くの資産運用会社は1つの投資法人の資産運用業務のみを行っている💭 ・投資法人の監督役員は、資産運用会社の 監督役員を兼務できない ・ 資産運用委託契約の締結には、 投資主総会🟧の承認が必要 ・投資法人と資産運用会社(資産運用会社の 役員等も含む)との間の取引は、 全投資主🟪の同意を得た場合等を除き禁止。 ※資産運用会社への資産売買や不動産 管理の委託などは全投資主🟪の同意は不要 ・投資法人と資産運用会社の利害関係人等 (資産運用会社の親会社等)との間の一定の 重要な取引(軽微なものを除く)を行うとき は、役員会🟦の承認が必要 ・資産運用会社は、自己の計算で行った不動産取引を定期的に投資法人に書面で報告し、それに加えて、投資法人と資産運用会社、資産運用会社の利害関係人等との間で取引を行ったときは、遅滞なく投資法人🟨に書面で報告する。 ・投資法人の資産の入れ替えの一環で行う通常の資産の取得は投資法人🟨の承認は不要 ⭐️監督役員関係 ・監督役員は執行役員の職務の執行を監督する(投資判断の監督ではない) ・監督役員は資産運用会社の監督役員を 兼務できない ⭐️インサイダー関係 ・インサイダー規制は投信法ではなく金商法で規定されている 🟠一問一答 1.投資法人では、資産運用会社が行った投資判断を承認するか否かを、投資法人の役員会で決議しなくてはならない 2.投資法人の執行役員の主な業務は、資産運用会社等の業務委託先の監視や、投資主総会や役員会での議事進行など主な業務である 3.投資法人の一般事務は事務受託会社に委託しなくてはならず、秘書の雇用もできない 4.執行役員の任期は4年以内、監督役員の任期は2年である 5.投資法人の監督役員は、資産運用会社の監督役員を兼務できない 6.投資法人には、1人以上の執行役員と、少なくとも執行役員と同数の監督役員が必要である 7.投資法人の監督役員は、資産運用会社の投資判断の内容を監督する役割を担っている 8.インサイダー規制についても投信法で規制されている 9.資産運用会社の投資判断により新たに不動産を取得するときに、必ず事前に投資法人の役員会の承認が必要である 10.資産運用会社は、投資法人と自社の親会社との間で取引を行ったときは、遅滞なく投資法人に書面で報告する必要がある。 11.資産運用会社の役員等と投資法人との間の取引をするためには、全投資主の同意等が必要であり、ハードルが非常に高い 答え 1.× 不動産取得の投資判断に基本的には投資法人の役員会の決議は必要ない。投資法人の役員会は投資判断を行っていない。なお、資産運用会社とその利害関係人との取引については軽微なものを除き役員会の承認が必要 2.〇 3.〇 4.× 執行役員の任期は2年以内、監督役員の任期は4年 5.〇 6.× 執行役員の人数の+1人以上の監督役員が必要 7.× 投資法人の監督役員は、執行役員の職務を監督しており、投資判断の内容を監督する役割は担っていない 8.× インサイダー規制は投信法ではなく金商法で規定されている 9.× 投資法人と資産運用会社の利害関係人等との一定の重要な取引(軽微なものを除く)を行うときは役員会の承認が必要であるが、逆に、資産の入れ替えの一環で行う通常の資産の取得は投資法人の承認は不要 10.〇 11.〇
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投資法人については細かい知識も聞かれます。 🟠投資主総会の論点 〇 規約で定めれば、投資主総会に出席しなかった 投資主を賛成したと扱うことができる (みなし賛成)。ただし、投資法人のM&Aなど 対立する議案が提出されているときには みなし賛成は使えない 〇 投資法人の決算の承認は投資主総会ではなく、 役員会で行う 〇 投資主は、執行役員及び監督役員の選任・解任 の議決権を有する 〇 規約の変更は、投資主総会で発行済投資口の 過半数の投資主が出席し、その議決権の 2/3以上 の特別決議が必要(規約で定めれば特別決議以上 の要件を加えることもできる) 🟠投資口の論点 〇 投資法人が投資証券を新規に1億円以上発行 するとき、50人以上の投資家に勧誘が行われる ときは、有価証券届出書を届け出る必要がある 〇 投資法人の設立時に必要な最低出資金は1億円 であり、不動産等の現物出資は認められない 〇 投資法人が発行する投資口は、分配の方法や 償還期間などが異なる投資口(種類投資口)を 導入することができない 🟠例題 1.投資法人の規約でみなし賛成制度を排除していない限り、投資主総会を欠席した投資主は決議に賛成したとみなされる 2.投資法人のM&Aなど対立する議案が提出されているときにはみなし賛成は使えない 3.投資法人の決算の承認は投資主総会で行う 4.投資法人の投資主は、執行役員及び監督役員の選任・解任の議決権を有する 5.投資法人の規約の変更は、投資主総会で発行済投資口の過半数の投資主が出席し、その議決権の 2/3以上の特別決議が必要であるが、特別決議に加えて、一定数以上の投資主の賛成を要する旨を規約で定めることができる 6.投資法人が投資証券を新規に1億円以上発行するとき、500人以上の投資家が投資証券を発行するような勧誘が行われるときは、有価証券届出書を届け出る必要がある 7.投資法人の設立時に必要な最低出資金は1億円であり、出資は必ずしも金銭による必要はない 8.投資法人が発行する投資口は、分配の方法や償還期間などが異なる投資口(種類投資口)を導入することができない 答え 1.× 規約で定めてはじめてみなし賛成制度を使える 2.O 3.× 4.O 5.O 6.× 正しくは50人以上の投資家に対して勧誘するとき なお、金商法上の第二項有価証券等を1億円以上発行するときには、500人以上の投資家が投資証券を保有することになるような勧誘が行われるときに有価証券届出書を届け出る必要があるが、投資法人の投資証券は金商法上の第一項有価証券なので、50人以上の投資家に対して勧誘するときに有価証券届出書を届け出る必要がある 7.× 出資は金銭による必要がある 8.〇
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上場REITであるJ-REITに関しては、投資法人の制度の問題に加えて、上場要件についてとJ-REITが合併する際の論点が試験で過去に問われています 🟠J-REIT上場プロセス 1.資産運用会社で以下の手続きを行う。 〇宅建業法の免許・取引一任代理等に係る認可、 金商法の投資運用業登録 2.投資法人で以下の手続きを行う。 〇投資法人の設立企画人が、 規約作成と内閣総理大臣への届出 〇執行役員・監督役員等の選任、 投資法人の設立登記申請 〇引受証券会社の選定等 〇東証の上場審査(資産総額(上場の時までに 50 億円以上)、資産運用会社が投資信託協会 の会員であること等形式的基準に加えて、 面接等を通じて適切な内部監査体制が整備 されているか等の審査が行われる 🟠J-REITのM&A 〇投資法人の合併には投資主の2/3以上の賛成 (特別決議)が必要 〇みなし賛成制度は対立する議案が提出されたときには使えないため、敵対的買収などで対立した議案が提出されるときには、みなし賛成制度は使えない 〇合併時に発生する負ののれん益は配当可能利益 から控除される (もし負ののれん益を配当可能利益に加えると、 合併後に物件を売却して配当のためにキャッシュ を確保する必要がある) 〇合併が税法上で適格合併であれば簿価が 引き継がれるが、非適格合併であれば資産は 時価で評価し直す 🟠一問一答 1.J-REITを東証に上場するにあたって、資産運用会社が投資信託協会の会員である必要がある 2.東証は不動産証券化市場の拡大のためにJ-REITの拡大を目指しており、上場審査に投資法人の資産の総額は問われない 3.投資法人の設立企画人が投資法人の規約を作成し、公証人の認証を得たうえで、内閣総理大臣に届出を行う 4.東証の上場審査基準(形式的基準)に適合していれば上場が認められる 5.投資法人の合併は投資主総会の特別決議が必要であり、仮に対立する議案が提出されたときはみなし賛成制度は使えない 6.投資法人の合併が適格合併であれば、資産を合併時の時価で評価し直す 答え 1.O 2.× 3.× 投資法人の規約について、公証人の認証は不要 4.× 上場審査基準(形式的基準)に加えて、面接等を通じて適切な内部監査体制が整備されているか等の審査が行われる 5.O 6.× 合併が税法の適格合併であれば簿価を引き継ぐ
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私募REITは、投資法人の仕組みを使った非上場のREITです。 もともとは、投資法人の制度によって、上場REITであるJ-REITが私募REITより先に誕生しました。 しかし、J-REITはマーケットを通じて売買されるため投資口価格が株式と同じような値動きをするため、投資家からすると投資の分散効果が低いというデメリットがありました。 そこで、同じ投資法人のスキームを使いつつ非上場とする私募REITが誕生し、投資口価格を安定させたい投資家のニーズに応えています。 また、私募REITは上場REITと異なりマーケットでの売却が難しいというデメリットがありましたが、私募REITの多くは買戻し条件を付けて流動性を高めています(オープンエンド型私募REIT) 私募REITは近年参入が相次いでいることと、証券化マスターの科目では103、101など複数の科目に関連する論点があるので、まとめて抑えておきましょう。 🟠ニュース 大成建設が私募リート 1000億円運用、建設で広がる組成 大成建設は非上場の不動産投資信託(REIT)に参入する。来春の組成に向け資産運用会社を設立し、10年後をメドに1000億円 www.nikkei.com 🟠私募REITとは 投資法人の仕組みを使った非上場のREIT。 J-REITより後発で、J-REITの保有資産額が 約22.5兆円であるのに対して、 私募REITは約5.6兆円の規模(取得価格ベース) ↑これちょっと古い情報 私募REITの投資家で最も多いのは地銀で、 35%程度を占める 🟠私募REITと上場REITで異なる点 私募REITには金商法のインサイダー取引規制が適用されない!! 私募REITは買戻し条件OK(オープンエンド型) 私募REITの投資口価格は鑑定価格ベース 🟠私募REITと上場REITで同じ点 ①ライセンス ②資産運用会社等への委託 ③有価証券の募集に係る開示などは同じ 🟠一問一答 1.私募REITは、J-REITと同様に資産の運用に係る業務を資産運用会社に委託し、資産の保管に係る業務を資産保管業者に委託し、一般事務を一般事務受託者に委託する必要がある。 2.私募REITにおいても、公正な投資口の取引を確保するため、金商法上のインサイダー取引規制の適用を受ける。 3.私募REITは原則として適格機関投資家が投資家となることから、資産運用会社が金商法の登録を受けていればよく、上場REITと異なり宅建業法の取引一任代理等の認可は必要ない。 4.私募REITで投資法人が投資証券を発行するとき、500名以上の投資家が保有するような勧誘をしない限りは公募にならないため、有価証券報告書や有価証券届出書を開示する必要はない。 5.私募REITはクローズドエンド型の投資法人であり、一定の条件の下で出資金の払い戻しを認めて流動性を確保している。 6.私募REITの投資家において最も多いのは年金で、35%程度を占める 7.J-REITの登場後、J-REITのデメリットである投資口価格の変動を抑えるために私募REITが誕生した 答え 1.O 2.X 金商法上のインサイダー取引規制は上場有価証券のみに適用がある。 3.X ライセンスに関しては私募REITと上場REITで異ならない。特定資産に不動産を含む投資法人の資産運用会社は、上場・非上場に関わらず、宅建業法の免許が必要となる 4.X 開示について私募REITと上場REITの扱いは同じ。投資法人の投資証券は第一項有価証券なので、50名以上の投資家に勧誘するときは公募になる。(有価証券の募集するときの開示規制は金融商品取引業法のセクションで扱うので、ここでは一旦「私募REITも上場REITも50人以上の投資家に勧誘するときは公募になる」と覚えておきましょう。) 5.X 私募REITの多くはオープンエンド型で出資金の払い戻しを行っている 6.X 私募REITにおいて最も多いのは地銀で、35%程度を占める。年金は20%程度 7.O
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不動産特定共同事業法①- 1~4号許可と適格特例投資家限定事業 不動産特定共同事業法では、もともとはSPCを利用せずに事業者本体が許可を得て不動産を小口化して販売することが想定されていました(①) しかし、不動産業界化から使いづらいという声が多かったため、2013年に法律が改正され、特例事業の届出をして不動産特定共同事業法の許可事業者がスキームに入ることでSPCを使うことが可能になりました(パターン②特例事業) また、2017年の改正では、届出をして適格特例投資家限定事業者となれば、不動産特定共同事業法の許可事業者が不要になりました (パターン③適格機関投資家限定事業) 不動産特定共同事業法は当初の建付けが悪く利用が低調であったため、より使い易く改正がされてきたという歴史があります。 不特法を実務で使用している方は少数派だと思いますので、具体的なイメージを持つのが難しいと思いますが、法整備の流れを意識することでルールを覚えやすくなると思います。 🟠ポイント 1.不動産特定共同事業法の許可には1~4号があり、1・2号の許可は事業者本体が不動産を取得する器になるという不動産特定共同事業の基本のスキーム(下図のパターン①で)で必要となる 2.3・4号の許可は特例投資家が投資家となるSPCを設立する特例事業(下図のパターン②)で必要となる 2.2017年の改正で、投資家が適格特例投資家のみのときは、SPCが適格特例投資家限定事業者になる届出をすれば、適格特例投資家が自ら匿名組合の営業者となり不動産取引をする際の不動産特定共同事業法の許可は不要になった(下図のパターン③) 3.また、2017年の改正では、一定規模以下の事業では、特例事業において特例投資家以外も不特法のSPCに投資できることとなった。ただ、あくまで特例事業(下図のパターン②)なので、スキームに3・4号事業者は必要であることに注意 🟠一問一答 1.適格特例投資家は、事前の届出により適格特例投資家限定事業を営むことができ、それに不動産特定共同事業法の許可は不要である。 2.不動産会社が本体で保有・管理するマンションを対象不動産として投資家を募るために任意組合を組成して、任意組合員から出資を受けるときは、原則として不動産特定共同事業法の1号の許可が必要である 3.不動産会社が本体で保有・管理するマンションを対象不動産として投資家を募り、賃貸事業からの収益を投資家に分配するときには、例外なく不動産特定共同事業法の1号の許可が必要である 4.不特法の1号事業者が不動産特定共同事業契約の締結を自ら行う場合にも、代理・媒介に関する2号事業の許可を取得する必要がある 5.特例事業の届出をしたSPCは、不動産取引を不特法の3号許可及び金商法の第二種金融取引業の許可を受けた事業者に委託しなくてはならない 6.特例事業の届出をしたSPCは、募集行為を不特法の4号許可及び金商法の第二種金融取引業の登録を受けた事業者に委託しなくてはならない 7.特例事業のSPCに投資できるのは特例投資家が基本的には想定されているが、一定規模以下の事業では、特例投資家以外も不特法のSPCに投資できる 8.不特法では合同会社が現物不動産を保有することはできない 🟠答え 1.〇 2.〇 任意組合型や匿名組合型の場合は1号許可 3.× 投資家が適格特例投資家であり、ヴィークル(この問題においては不動産会社)が適格特例投資家限定事業の届出をすれば、不特法の許可は必要ない。 また、仮に任意組合が自ら組合の事業として業務を執行するときには、そもそも不特法の適用を受けない。?? ⇨任意組合型で不動産会社が業務執行組合員として事業をおこなう場合は1号が必要 4.× 不特法の1号事業者が不動産特定共同事業契約の締結を自ら行う場合には、2号事業の許可は不要 5.× 不特法の3号事業者が行うのは不動産取引であるので、金商法の第二種金融取引業者である必要まではない。 ※3号許可は必要! 6.O 不特法の4号事業者は、金商法の第二種金融取引業の登録も必要となる。 なぜなら、不特法の特例事業者と締結する組合契約上の権利は金商法上はみなし有価証券と位置付けれられているため、その組合契約上の権利の発行にかかる募集行為をするときには金商法の第二種金融取引業の登録が必要になる。 なお、不特法の4号事業を行うときの許可申請において、第二種金融取引業の登録が求められている。 7.〇 8.x 特例事業の届出をした合同会社(SPCの性質を有する)は、不動産取引を不特法の3号許可を受けた事業者に委託し、募集行為を不特法の4号許可及び金商法の第二種金融取引業の許可を受けた事業者に委託すれば、現物不動産を保有することができる ⇨現物GKTKスキーム
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不動産特定共同事業法では、投資家と不動産特定共同事業契約約款(以下、「約款」と言います。)に基づいて投資家と個別の不動産特定共同事業契約を締結しなくてはなりません。 しかし、以下の場合には約款に基づく契約締結義務はありません。 1.投資家が特例投資家のとき、かつ、 2.不動産特定共同事業契約上の権利義務を 他の特例投資家以外の者に譲渡することが 禁止されているとき 🟠不動産特定共同事業法の特例投資家とは 1.銀行 2.信託会社 3.金商法上の特定投資家 4.不動産特定共同事業者 5.認可宅地建物取引業者 6.不動産投資顧問業者 7.オリジネーター等 8.5 億円以上の資本金を有する株式会社 ※適格特例投資家限定事業にも、 約款規制は適用されない 紛らわしいですが、 特例投資家=不動産特定共同事業法 特定投資家=金融商品取引法 を混同しないようにしましょう 🟠一問一答 1.不動産特定共同事業法の特例投資家には金商法の特定投資家が含まれない 2.特例投資家のみを投資家として不動産特定共同事業を行うときは、例外なく約款の締結は不要になる 3.オプトインして金商法の特定事業者になれば、金商法の特定事業者は不動産特定共同事業法の特例投資家となるので、約款締結義務がなくなることがある 答え 1.× 2.× 不動産特定共同事業契約上の権利義務を他の特例投資家以外の者に譲渡することが禁止されている必要がある 3.〇 不動産特定共同事業法の特例事業において、第四号事業者が事業参加者を勧誘する行為は、金商法のみなし有価証券(集団投資スキーム)の発効にかかる勧誘になるため、事業参加者は金商法のオプトインをして金商法の特定事業者になることができる。 事業参加者が特定事業者になって、かつ、不動産特定共同事業契約上の権利義務を他の特例投資家以外の者に譲渡することが禁止されているときは、約款締結は不要になる
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不動産特定共同事業法では、 金商法の損失補填等の禁止(39条)と 適合性の原則(40条)が準用されます。 🟠損失補填禁止: 不動産特定共同事業の損失を補償することを予め約束してはいけない。 ただ、不動産特定共同事業者が法律違反を行い、 投資家に損害を及ぼしたときは損失補填は禁止されない。事業参加者が特例投資家でも例外はない。 🟠適合性の原則: 顧客の知識、経験、財産の状況、契約締結の目的に照らして不適当な勧誘を行なってはならないという原則。 (事業参加者が特例投資家だと適用されない?? 🟠一問一答 1.不動産特定共同事業法の事業者が、不動産から得られた金銭の分配を行う時に、投資家に当初約束した一定の分配金を分配するために、事業者として受領する予定であった報酬を減額した。このような行為は不動産特定共同事業法が準用する金商法で禁止される損失補填にあたるが、投資家が特例投資家であれば、損失補填を行うことができる 2.金商法は損失補填を禁止しているが、損失補償をするよう金商業者に約束させてた顧客も処罰の対象となる 3.不動産特定共同事業法の事業者の法令違反により、投資家に損害を及び、投資家に対して当初約束した一定の分配金を分配することが困難になった。そのため、当該事業者は投資家に与えた損害分の補填を行ったが、これは損失補填として禁止される行為にあたる 4.適合性の原則には、顧客の知識、経験等を踏まえて、当該顧客に対する勧誘をすること自体が適切かどうかを判断することも含む 答え 1.× 損失補償の禁止は、投資家が特例投資家であっても適用される 2.O 顧客が要求して損失補償の約束や実行をさせることも禁じられており、顧客も処罰の対象になる 3.× 不動産特定共同事業者が法律違反を行い、投資家に損害を及ぼしたときは損失補填は禁止されない 4.O
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不動産特定共同事業法のマイナー論点として、共有不動産を賃貸してその収益を投資家に分配する賃貸型の不動産特定共同事業と小規模不動産特定共同事業について過去に問われたことがあります。 賃貸型の不動産特定共同事業: 事業者と投資家との間で現物不動産を共有して、 投資家が事業者に対して共有不動産の賃貸又は 賃貸の委任をするタイプの不動産特定共同事業。 ひっかけポイント①:共有不動産の賃貸又は賃貸の委任が伴えば不動産特定共同事業となるが、事業者が共有不動産を用いて自らホテル事業を行うときはホテル事業は賃貸契約又は賃貸の委任にはあたらないので、不動産特定共同事業にはならない。 ひっかけポイント②:共有不動産を用いたホテル事業であっても、事業者がホテル運営者などに賃貸(マスターリース)するときは、賃貸にあたるので不動産特定共同事業になる 小規模不動産特定共同事業: 投資家一人あたりの出資額が原則100万円を超えず、かつ投資家からの出資総額が1億円を超えないときに、登録を行うことで許可が不要になる。 出資額が少額であっても、投資家が特例事業者であれば約款に基づく契約締結義務はない。 宅建業法:不動産特定共同事業1~4号事業者の許可には宅建業免許が必要。特例事業者はみなし宅建業者となる。 一問一答 1.アパートの区分所有権を共有せずに投資家に販売して、そのアパートの賃料収入を投資家に配当する事業は、賃貸型の不動産特定共同事業法にあたる 2.ビジネスホテルを営む事業者が、当該ビジネスホテルの区分所有権を投資家に共有持分化して販売した上で、ビジネスホテルから得られた宿泊料を基にした収益を投資家に配当する事業は、賃貸型の不動産特定共同事業法にあたる 3.小規模第1号事業者が小規模不動産特定共同事業を行うとき、投資額が少額なので、必ず約款に基づき契約を締結しなくてはならない。 4.不動産特定共同事業法の特例事業者は宅建業者とみなされて宅建業法の一部の適用を受ける。 答え 1.× 賃貸型の不動産特定共同事業法では、現物不動産を共有することが必要 2.× 事業者が自ら共有不動産でホテル事業を営んでも賃貸契約又は賃貸の委任をしたことにはならないので(ホテルに宿泊することは賃貸契約にはあたらない)、賃貸型の不動産特定共同事業法にはならない 3.× 出資額が少額であっても、投資家が特例事業者であれば約款に基づく契約締結義務はない 4.O
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金融商品取引法上、そういう方を「特定投資家」と呼び、業界で「プロ」と呼んでいます。 特定投資家に自動的にカテゴライズされるのは、例えば上場企業や私どものような金融商品取引業者、資本金5億円以上の会社などです。 こう言った方々は常に株式市場に触れていたり、また自分自身が有価証券を使った資金調達の当事者になったりする機会が多いので、「金融商品に慣れている」とみなされるということです。 さらに、特定投資家よりさらにプロ、「プロ中のプロ」といえる「適格機関投資家」というカテゴリーも存在します。 に該当します。 また、保有する有価証券が10億円以上の法人や個人も、届出をすることにより適格機関投資家となることができます。 たしかにそういった面々はプロ中のプロといえますよね。 このようなプロ扱いとなる方以外の方を、金融商品取引法上は「一般投資家」と呼び、業界では「アマ」と呼んでいます。 アマの方に対して募集行為を行う場合は、ファンドが投資する内容や締結する投資契約の条件、投資家が取得することになる有価証券の内容やそれらに関するリスクについて詳細に記載したものを交付しなければなりません。これを「契約締結前交付書面」といい、「目論見書」などとも呼ばれます。 そして制度上、アマである一般投資家が自ら申し出ることでプロ扱いをすることができ、また逆にプロである特定投資家が(制度上認められるカテゴリーの方の場合)希望すればアマ扱いになることができたりします。これを業界では「オプトイン」「オプトアウト」と言い、オプトインのことを「プロ成り」と呼んだりもします。 (その逆は「アマ成り」と呼ぶのかもしれませんが、実務上はプロ扱いの投資家がアマ扱いとなることを申し出ることはほとんどないので、あまりこのような言い回しは使いません) オプトインによりアマ扱いの一般投資家は目論見書の交付を受けずに契約をすることになります。 すなわち、自らが締結する投資契約の内容や様々なリスクに関して金融商品取引業者からの(法令上の)説明は受けずに契約する、ということになりますので、一般投資家にとってオプトインはそれなりにリスクがある手続きだ、と言ってもいいかもしれません。
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特定目的会社は、業務開始届出時に、 流動化の対象資産、投資家からの資金調達の内容、特定資産管理処分委託契約(AM契約)等を記載した資産流動化計画を内閣総理大臣に提出する必要があることが大きな特徴です。 そのため、基本的には当初の目論見に従って静的な維持管理を行う仕組みです。 しかし、業務開始後に新たな不動産を対象にする 場合など不動産資産流動化計画を変更する必要 があるときは、利害関係者全員の承諾があれば資産流動化計画を変更することも認められています。 ただし、取得する資産が不動産現物のときには、 既存の特定資産と密接関連性を有する必要があるという制限があります。 これは、特定目的会社は資産流動化計画の特定資産のみを流動化する代わりに宅建業法が適用されないという特別扱いを受けているため、制限なく資産流動化計画の変更を認めると不公平であるためです。 1.特定目的会社は、基本的には業務開始届出時に提出する資産流動化計画に従って維持管理を行う静的な仕組み 2.しかし、資産流動化計画に記載のない資産も、利害関係人全員の承諾があれば 資産流動化計画を変更して資産を取得できる。 ただし、取得する資産が不動産現物のときには、既存の特定資産と密接関連性を有する必要がある (不動産信託受益権のときは密接関係性は不要) 3.特定目的会社は業務開始届出書の提出前で あっても、特定資産の売主と交渉を行い契約を行うことができる。 事業開始届出書の提出時に、締結済の不動産売買契約書(予約契約でもいい)が必要 4.資産流動化計画には、 特定資産管理処分委託契約の契約書 又は調印済の予約契約書が必要である 🟠一問一答 1.特定目的会社による資産の流動化にあたっては、投資家利益の最大化のために、能動的なアセットマネジメントを行う必要がある。 2資産流動化計画に記載のない新たな特定資産を取得するときに、利害関係人全員の承諾があったとしても、その特定資産と密接関連性を有しない現物不動産を取得することはできない。 3.資産流動化計画に記載のない特定資産である不動産信託受益権を新たに取得するとき、利害関係人全員の承諾により資産流動化計画を変更をしたとしても、既存の特定資産と密接関係性がない不動産信託受益権は取得することができない。 4. 特定目的会社の特定資産とする目的で不動産の取得をするために売買契約を締結する場合には、売買契約の締結前に特定目的会社の業務開始届出書を提出しておく必要がある 5.資産流動化計画には、調印済の特定資産管理処分委託契約(AM契約)の契約書が必要である 答え 1.× 特定目的会社は基本的には当初の目論見に従って静的な維持管理を行う仕組みである 2.O 3.× 不動産信託受益権のときは密接関係性は不要 4.× 業務開始届出書の添付書類に、契約書の写しが求められる。つまり、特定資産の売買契約を締結したあとで、業務開始届出書を提出すればいい。 5.× 資産流動化計画の作成時にはまだ事業の開始はしていないので、特定資産管理処分委託契約の契約がまだのときは、調印済の予約契約書でもいい
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特定目的会社は、 特定社員と優先出資社員による出資と、 特定社債・特例借入で構成されるヴィークルです。 特定出資に出資する特定社員が 取締役の選任・解任、決算の承認などの 主要な意思決定を行います。 また、特定資産管理処分受託者が不動産現物を保有するときのみ必要であることも頻出です。 🟠取締役・監査役 特定資産の譲渡人は、 特定目的会社の取締役・監査役になれない 🟠特例社債・特定借入れ 1.特例社債は業務開始届出を行った後に行う必要がある。但し、特定資産を取得するためのデューデリジェンス費用等の支出のための費用の調達のためには、業務開始届出書が受理される前でも借入れができる。 2.特例借入れの借入先は適格機関投資家・銀行に限定される。 🟠優先出資社員・特定社員 1.特定目的会社の取締役の選任・解任、 決算の承認は特定社員のみが議決権を持つ 2.定款で定めれば、優先出資社員にはみなし賛成 制度が使える(特定社員には使えない) 3.特定出資は必ず発行する必要があるが、 優先出資の発行は任意である 🟠特定資産管理処分受託者 →不動産現物なら必要、信託するなら不要 特定資産が不動産現物のときは、特定資産管理処分受託者(AM等)を置く必要がある。 特定資産が不動産信託受益権のときには、既に不動産の管理・処分を行う信託受託者が存在するので、特定資産管理処分受託者は必要ない 🟠自己運用業→あたらない 特定目的会社が不動産信託受益権を特定資産として保有して運用しても、金商法上の自己運用業にあたらない。 そのため、金商法の投資運用業者に投資判断の一任をする必要はない 🟠自己募集 →特定目的会社の取締役・使用人ができる、 特定資産の譲渡人は届出すればできる 特定目的会社の取締役・使用人が自ら募集等をすることができる。 特定目的会社に特定資産を譲渡する特定譲渡人は、届出をすれば同様に特定目的会社の発行する有価証券の募集の取り扱いができる。 金融商品取引業の登録は不要。 🟠特定目的会社の匿名組合出資 (ファンド間投資を想定) 特定目的会社は、匿名組合出資持分を取得することはできないが、不動産信託受益権の取得、管理、処分を行う匿名組合出資持分を取得(つまり、特定目的会社が他の不動産ファンドの匿名組合員になって他ファンドに出資すること)はできる 🟠一問一答 1.特定借入れの借入先は銀行または適格機関投資家である必要がある 2.特定目的会社は必ず特定出資を発行する必要があるが、優先出資の発行は任意である 3.特定目的会社の優先出資社員は決算の承認について議決権を持たない 4.特定目的会社の特定資産が不動産信託受益権のときには、既に不動産の管理・処分を行う信託受託者が存在するので、特定資産管理処分受託者を置く必要がない 5.特定目的会社の特定資産が不動産信託受益権のときに、金商法上の投資運用業者と投資一任契約を締結する必要がある 6.特定目的会社の特定資産が不動産現物のときには、特定資産管理処分受託者を置く必要がある 7.特定目的会社に特定資産を譲渡する特定譲渡人が特定目的会社の発行する有価証券の募集の取り扱いをするには、第一種金融商品取引業の登録が必要である 8特定目的会社が不動産信託受益権を保有する合同会社の匿名組合持分を取得することができる 答え 1.O 2.O 3.O 4.O 5.× 特定目的会社はみなし有価証券である信託受益権を特定資産として保有していても、金商法の自己運用業にあたらない。そのため、金商法上の投資運用業者をスキームに入れる必要はない 6.O 7.× なんでだっけ?SPVだから? 8.O
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金融商品取引業者は、金融商品取引契約を締結しようとするときは、あらかじめ顧客に対して契約締結前交付書面を交付し重要事項の説明をする必要があります。 しかし、金融商品取引法の「特定投資家」に対しては契約締結前交付書面の交付・重要事項の説明をする必要がありません。 「特定投資家」は金融商品取引法で定義が定められていますが、「特定投資家」以外の投資家もオプトイン(opt in)を金融商品取引業者に申し出ることで、「特定投資家」として扱われます。 「特定投資家」以外の投資家がオプトインすると「特定投資家」となり金融商品取引法・金融商品販売法の各種保護を得られなくなるので、金融商品取引業者はオプトインができることを告知する義務はありません。 また、金融商品取引法で定義されている「特定投資家」に関しても、オプトアウト(opt out)の手続きをすることで「特定投資家」ではないもとして扱われます。 オプトアウトは、金融商品取引業者が特定投資家に対してオプトアウトできることを告知する義務があります。 (オプトアウトすると金融商品取引法・金融商品販売法の各種保護をが得られるため、投資家にとってメリットなので金融商品取引業者に告知義務を課しています。) 証券化マスターの試験では、金融商品取引法の「特定投資家」の定義と、オプトアウト・オプトイン制度の概要が問われます。以下の内容だけでも抑えておきましょう。 🟠金融商品取引法の特定投資家 〇 適格機関投資家 〇 国 〇 日本銀行 〇 特定目的会社 〇 上場会社 〇 資本金の額が5億円以上であると見込まれる株式会社 〇 金融商品取引業者 〇 外国法人 等 🟠一問一答 1.オプトインの手続きを行えば特定目的会社を特定投資家として扱うことができ、契約締結前交付書面の交付を省略することができる 2.金融商品取引業者は適格機関投資家に対してオプトアウトができる旨の通知をしなくてはならない 3.金融商品取引業者は外国法人に対してオプトアウトができる旨の通知をしなくてはならない 答え 1.X 特定目的会社は特定投資家なので、オプトインの手続きは不要 2.X 適格機関投資家はオプトアウトできない。適格機関投資家、国、日本銀行に対しては、オプトアウトをさせることで非特定投資家として扱い金融商品取引法の保護を与える必要はないため 3.〇
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金融商品取引業者の種類は登録制になっています。試験対策の観点からは、下記の金商業者の種類、扱う商品、兼業規制の有無を覚えておきましょう。 また、オリジネーターが不動産信託受益権の売主となるときには、金商法の登録が不要であることも頻出ポイントです。 ※オリジネーターが不動産信託受益権の売主となるときの注意 オリジネーターが信託を設定して当初委託者兼受益者となるときには、オリジネーターが不動産信託受益権の発行者とみなされる。 金商法上、信託受益権の発行に際しての勧誘行為(自己募集)は、金融商品取引行為にあたらないため、オリジネーターは金融商品取引業の登録なしで不動産信託受益権の売主として販売勧誘行為を行うことができる。 (なぜこのような扱いになるかというと、 金商法の信託受益権はみなし有価証券であるものの、募集・私募のときに金融商品取引行為となる有価証券に信託受益権が含まれていないから。 なお、募集・私募の「取扱い」のときに金融商品取引行為となる有価証券には信託受益権が含まれている。 そのため、第三者がオリジネーターである当初委託者兼受益者のために信託受益権の募集・私募の取扱いを行うときには、その第三者は金融商品取引業の登録を受ける必要がある。) 🟠一問一答 1.宅建業者が匿名組合持分を投資家に販売するときには、第二種金融商品取引業の登録が必要である。 2.宅建業者が信託を設定して当初委託者兼受益者となり、不動産信託受益権の売主として販売勧誘行為を行うとき、金融商品取引業の登録は不要である。 3.第二種金融商品取引業を行う者には兼業規制があり、金融商品取引業以外には付随業務、届出業務(別途登録・免許を受けて貸金業や宅建業を営むことなど)、承認業務(建築確認等許認可取得、官庁折衝など)のみ行うことができる。 4.GK-TKスキームのSPCが不動産信託受益者として信託受託者に指図権を有しているとき、金融商品取引法の投資運用業者であるAMがその指図権を行使することで、例えばビルの保守管理方法などの軽微な点についても指図することができる。しかし、投資運用業者には金融商品取引法上の兼業規制があるため、信託受託者への指図が付随業務、届出業務、承認業務にあたる内容かに注意する必要がある。 5.金融商品取引業者は日本証券協会等の自主加入団体への加入が義務付けられている 6.第二種金融商品取引業者は、認可又は認定金融商品取引協会に加入していれば当該協会の自主規制規則に従う必要があるが、加入していなければ従う必要はない 7.第一種金融商品取引業と第二種金融商品取引業のいずれも最低資本金は原則として5,000万円である 8.不動産証券化のスキームを検討し、関係当事者との調整を行う者はアレンジャーと呼ばれるが、アレンジャーは金商法上のアレンジャー登録を行う必要がある。 9.第二種金融商品取引業を個人で行うときには営業保証金の供託が必要である。 10.GK-TKスキームのSPCが現物不動産を取得し、信託受益権化した上で、SPCが自ら信託受益権を販売するとき、当該SPCは第二種金融商品取引業の登録が必要である 答え 1.〇 2.〇 宅建業者が当初委託者兼受益者になるので宅建業者はオリジネーターであるが、オリジネーターは金融商品取引業の登録なしで不動産信託受益権の売主として販売勧誘行為を行うことができる。 3.× 兼業規制があるのは第一種金融商品取引業者と投資運用業者 4.〇 投資運用業者であるAMは、本来業務の投資判断に加えて、付随業務、届出業務、承認業務のみ行うことができるため、信託受託者への指図権の行使にあたっても指図が兼業規制との関係で問題ないか検討する必要がある。 5.× 6.× 第二種金融商品取引業者は、認可又は認定金融商品取引協会に加入していなくても当該協会の自主規制規則に準ずる社内規則を作成し、その社内規則を遵守する体制を整備しなくてはならない 7.× 8.× 金商法にはアレンジャーの登録制度はない。 9.〇 10.× SPCが信託を設定して当初委託者兼受益者となるので、信託受益権のSPCによる自己募集行為は金融商品取引行為にはあたらず、金融商品取引業の登録も必要ない
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合同会社(GK)と匿名組合契約(TK)を組み合わせたGK-TKスキームにおいて、不動産ファンドの実務においては、投資運用業の登録をしたAMに運用を一任することが一般的です。 しかし、匿名組合契約を締結する投資家が適格機関投資家でかつ一定の条件を満たす一般投資家が49名までであれば、届出することで投資運用業者のAMに運用を一任する必要がなくなります (適格機関投資家が自己運用・自己私募を行うことができる) これを適格機関投資家特例業務といいます。 🟠GK-TKスキームのパターン (投資運用業者に運用一任か、 投資家が適格機関投資家か) 適格機関投資家特例業務の届出者も、契約前締結書面の交付義務等の行為規制は適用される。 (2015年の金商法改正前までは、適格機関投資家特例業務の届出者には虚偽告知と損失補填の禁止のみが課されていたが、現在では規制が強化されている。) 🟠一問一答 1.適格機関投資家特例業務とは、適格機関投資家が投資家となることでSPCが自己運用業を行うために投資運用業の登録をする必要がなくなる制度であるが、匿名組合員の中に最低でも1名の適格機関投資家が必要になる 2.適格機関投資家特例業務における投資家として、適格機関投資家以外の投資家を含むことができるが、その投資家は資本金又は純資産が5,000万円以上の法人等である必要がある 3.適格機関投資家特例業務を行うためには、金商法に基づく登録は不要である 4.適格機関投資家特例業務においては、金商法の契約締結前交付書面を交付する必要はない 答え 1.〇 2.〇 3.〇 なお、適格機関投資家特例業務の届出は必要 4.X 金商法の契約締結前交付書面を交付する必要はないのは特定投資家。適格機関投資家特例業務においては、特定投資家ではない一般投資家も存在し得ることに注意
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ファンドを組成してファンドの投資家を募るというのは、金融商品取引法の金融商品取引業者が有価証券の取得の募集をするということです。 金融商品取引法では、一定の条件のもとでは、 有価証券の募集に際して有価証券届出書又は 有価証券通知書を提出する必要があります (開示規制) 特に、第一項有価証券は50名以上に勧誘すると 公募になるのに対して、第二項有価証券は勧誘を行い500 人以上が取得するときに公募になること (つまり500名以上に勧誘しても自動的には公募にはならないこと)がひっかけ問題として頻出です。 〇 第一項有価証券の勧誘先の数50名は、 同種の有価証券につき過去6カ月を通算する 〇 有価証券届出書又は有価証券通知書の届出を行わないときには、一定の例外を除いて、届出を行っていないことを相手方に告知する必要がある 〇 有価証券届出書を提出するときはEDINETを使わなければならない。(有価証券通知書を提出するときはEDINETは使わなくてもよい) 〇 一項有価証券等の総額1億円以上の募集・売り出しにかかる取得勧誘は、有価証券届出書の提出をするまでは勧誘を行うことはできない(届出の発効までは不要) 〇 それまでに有価証券届出・報告書を提出してていない会社が発行する株式を上場するときは、発行額が1億円未満でも有価証券届出書を提出する必要がある 一問一答 1.第二種金融商品取引業者は、匿名組合出資持分の発行に際して募集や私募の取り扱いをすることはできない 2.金商法の一項有価証券を1億円以上発行するときの取得の勧誘は、有価証券届出書又の届出が発効するまではすることができない 3.投資法人の投資証券や特定目的会社の優先出資証券は第一項有価証券であるので、50 名以上の者に勧誘するときには、公募の要件を満たす。 4.第一項有価証券の勧誘先の数は、同種の有価証券につき過去6カ月を通算する。 5.第二項有価証券について、500名以上の者に勧誘するときには、公募の要件を満たす 6.第一項有価証券について、適格機関投資家のみを対象とするプロ私募と呼ばれる私募の類型があり、その類型では勧誘を行う適格機関投資家の人数の制限はない 7.第一項有価証券の募集・売出しの発行価格が1億円以下であれば有価証券届出書の提出は不要であるが、発行額が1,000万円以上であれば有価証券通知書の提出が必要である 8.有価証券届出書を提出するときはEDINETを使わなければならないが、有価証券通知書を提出するときはEDINETは使わなくてもよい 9.それまでに有価証券届出・報告書を提出してていない会社が発行する株式を上場するときは、発行額が1億円未満でも有価証券届出書を提出する必要がある 10.不特法の特例事業の事業参加者の権利は第二項有価証券となるため、500名以上の者に勧誘するときには、有価証券届出書の作成・提出が必要となる。 答え 1.× 匿名組合出資持分の募集や私募の取り扱いは第二種金融商品取引業者でも扱うことができる 2.× 募集・売出しは届出が発効するまではすることができないが、勧誘は届出さえすればすることができる 3.O 4.O 5.× 勧誘を行い500名以上が第二項有価証券を保有するときは公募となる。500名以上に勧誘を行っても実際に500名以上か保有しなければ公募とはならない 6.O 7.O 8.O 9.O 10.× 不特法の特例事業の事業参加者の権利はみなし有価証券にあたる。 しかし、不特法の事業は現物不動産に投資する事業であるため、「出資総額の50%超を有価証券に投資する事業」には該当せず、有価証券届出書の作成・提出は不要
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🟠金融商品仲介業 第一種金融商品取引業者、投資運用業者又は登録金融機関の委託を受けて、有価証券の売買の媒介・勧誘を行う業務を金融商品仲介業という。 金融商品仲介業者も金融庁検査の対象となる。 金融商品仲介業は、あくまで金融商品取引業者等のために媒介・勧誘をおこなうので、金融商品取引業者等に代理して契約を締結する権限はない。 そのため、契約締結時交付書面の交付を金融商品仲介業者は行わない。 一方で、金融商品仲介業につき顧客が被害を被ったときは、委託者(つまり、金融商品取引業者等)が賠償責任を負う。 🟠外務員 金商法の有価証券(みなし有価証券を含む)を販売するときは、みなし有価証券のみを扱うときを除いて、登録を受けた外務員が行わなくてはならず、違反すると刑事罰の対象になる。外務員は一切の裁判外の行為を行う権限があるものとみなされる。 🟠一問一答 1.金融商品仲介業者は、勧誘の相手方に対する契約締結時交付書面の交付義務を負う 2.金融商品仲介業者も金融庁検査の対象となる。 3.第一種金融商品取引業者が外務員の登録をしていない者に第一項有価証券の媒介・勧誘を行わせたときは、刑事罰の対象になる 4.金商法の有価証券を販売するときは、みなし有価証券のみを販売するときでも、登録を受けた外務員が行わなくてはならない 答え 1.× 2.O 3.O 4.× みなし有価証券のみを扱うときには登録を受けた外務員が販売をしなくてもいい
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🟠投資家に交付する義務がある書面 🟡目論見書: 有価証券等を1億円以上公募・売り出しするときに投資家に交付する義務。 不交付による損害があれば故意過失の有無を問わず賠償責任を負う。 私募のときは目論見書は必要ないが、届出が行われていないことを投資家に告知する必要がある。 広告等が目論見書であるという誤解を避けるために、「投資判断は目論見書を見て行うべき旨」や「目論見書の入手方法・入手場所」を表示する等の対応が必要 🟡契約締結前交付書面 特定投資家には不要 🟡契約締結時交付書面: 特定投資家に対しては不要。 なお、金商法以外でも、 信託業法:金商法の適格機関投資家以外への説明義務 不特法:不特法の特例投資家以外への書面交付義務、 宅建業法:宅建業者が信託受益権を販売するときの金商法の特例投資家以外への重説・書面交付義務 がそれぞれ定めらえている。 🟡法定帳簿 契約締結前交付書面や契約締結時交付書面の保存を欠くと、刑事罰の対象になる。 一問一答 1.交付義務のある目論見書の交付をしなかったとき、その不交付について故意過失がなければ、不交付と相当因果関係のある損害について賠償責任を負わない 2.特定投資家に対しては契約締結時交付書面の交付の必要はない 3.金融商品取引業者が契約締結時交付書面の保存をしていなかったとき、監督官庁である金融庁から行政処分を受ける可能性があるが、刑事罰の対象にまではならない 4.投資法人の投資口の発行が私募で行われるときは、目論見書の交付は必要ない 5.宅建業者である第二種金融商品取引業者が不動産信託受益権の販売の代理・仲介を行うとき、相手方が特定投資家でない限りは、宅建業法の書面交付義務に加えて、金商法の書面交付義務がある。 答え 1.× 目論見書の不交付による損害があれば故意過失の有無を問わず賠償責任を負う 2.O 3.× 4.O 5.O
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🟠情報管理・守秘義務 〇 第一種金融商品取引業者と登録金融機関は、 書面による同意なしに顧客に関する非公開情報を 親会社・子会社等に共有することは 規制されている(金商法) 〇 個人情報保護法の対象は、特定の個人情報を 検索できるように体系的に構成した情報の集合物 を事業の用に供する者が対象になる (たとえば、電話帳に顧客リストが入っている ような状況も含むと考えられているため、 ほぼ全ての企業が対象になる) 🟠犯罪収益移転防止法 〇 資金移動を行う特定事業者に対して、 本人特定事項の確認などの義務を課している 〇 顧客が法人のときなど、顧客と取引担当者が 異なるときには顧客だけでなく取引担当者の 本人特定事項の確認も必要 〇 過去に取引がある顧客には都度改めて確認する 必要はない。しかし、イランや北朝鮮への 資金移動等マネーロンダリングが疑われるとき は、本人特定事項を再確認して、200万円超の 財産の移転のときは顧客の資産・収入の状況を 確認する必要がある。 一問一答 1.金商法上、第一種金融商品取引業者と登録金融機関は、親会社・子会社等との間である限りは、顧客に関する非公開情報のやりとりは禁じられていない 2.過去に取引がある顧客であっても、なりすまし取引等の疑いがあるときには本人特定事項を再確認する必要があり、また当該取引が200万円超のときは、それに加えて顧客の資産・収入の状況を確認する必要がある 答え 1.× 2.O
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🟠重要事項の説明義務がある顧客 金融商品販売業者等は、金融商品の販売(代理・媒介を含む)をするときは、以下の相手方以外には重要事項を説明する必要がある。 (金融サービス提供法では書面までは求められないが、金融商品取引法で求められる契約締結前交付書面を交付して説明することが多い) 1.特定投資家 2.オプトインをして特定投資家とみなされる投資家 3.金融商品販売業者 (オプトアウトした特定投資家は一般の投資家として扱われるので、重要事項の説明義務があることに注意) 顧客から説明を要しない旨の意思表示(金融サービス提供法では書面までは求められない)があれば、デリバティブ取引等でなければ、 重要事項の説明は不要 🟠金融サービス提供法の対象の金融商品販売行為 金融商品取引業法で金融商品取引行為にあたらないものの、金融サービス提供法の金融商品の販売行為にあたり金融サービス提供法の適用を受けるもの 〇 信託受託者が信託委託者と信託契約を締結する 〇 信託受益権の当初委託者兼受益者がSPCに 信託受益権を発行する行為 ※信託受益権の「売買」には金商法の適用がある が、「発行」は金商法の適用がない なお、不動産特定共同事業法は特例事業以外は金融サービス提供法の適用はない。 ⇨特例事業はサービス提供法の適用あり たとえば、現物を出資するときや賃貸型には金融商品販売法は適用されない 一問一答 1.金融商品販売業者等は特定投資家に対しては重要事項の説明義務はない 2.金融商品販売法上、金融商品販売業者等の重要事項の説明は口頭で行えば足り、書面の交付は不要である 3.オプトインして特定投資家とみなされる投資家には、金商法の契約締結前交付書面の交付と、金融商品販売法の重要事項の説明が不要になる 4.適格機関投資家がオプトアウトをすれば、金融商品販売業者等の重要事項の説明は不要になる 5.金融商品販売業者等が負う重要事実の説明義務には適用除外の規定があり、顧客から説明を要しない旨の意思表明が書面であった場合に限り、説明義務は不要になる。 6.不動産を現物出資する組合型の不動産特定共同事業法には金融商品販売法は適用されない 答え 1.〇 2.〇 3.〇 4.× 適格機関投資家、国、日本銀行はオプトアウトをすることはできない 5.× 書面までは不要 6.〇
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🟠金融サービス提供法の説明義務 🟡適合性のある説明義務: 顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品の契約を締結する目的に照らして、当該顧客に理解されるために必要な方法及び程度によるものでなければならない。つまり、顧客に応じて説明の方法や程度を変えなくてはならない。 🟡断定的判断の提供等の禁止: 不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤認させるおそれのあることを告げてはいけない。 金融サービス提供法の説明義務違反をすると、 事業者が損害賠償責任を負う。(刑事罰はない) 🟡損害額の推定: 金融商品販売業者等が重要事項について説明をしなかったこと又は断定的判断の提供等を行ったことによって当該顧客に生じた損害の額は、 元本欠損額と推定する。 説明義務違反と損害の因果関係については 推定規定がある。 🟠金融サービス仲介業 金融サービス提供法は、2020年に金融商品販売法から改正された法律で、新たに銀行、証券、保険分野を横断的にワンストップで仲介することができる登録制の金融サービス仲介業が創設された。 金融サービス仲介業は銀行や保険会社などの 特定の機関に属さない、町のほけんの窓口の ようなイメージ。 金融サービス提供法の金融サービス仲介業は、 金商法の金融商品仲介業と似ているが、 ①金融サービス仲介業は特定の金融機関に属さない ②そのため所属金融機関の賠償責任の制度はない ③専門的な商品は扱えない 点で異なる。 🟠消費者契約法 消費者契約法は投資契約についても適用されるが、一部制限がある。 例えば、事業者が消費者の住居に居座って契約に至ったときには、追認できる時から1年間(最長で契約締結から5年間)は取消せる。 消費者契約法には適合性の原則は規定されていない。 🟠一問一答 1.金融商品販売業者等が金融サービス提供法上の適切な説明を行わなかったことにより顧客に損害が生じたときには、元本欠損額が損害額と推定される 2.金融商品販売業者等が金融サービス提供法上の適切な説明を行わなかったことにより顧客に損害が生じたときには、損害が適切な説明を行わなかったために生じたと推定される 3.金融サービス提供法上の適切な説明がされないと刑事罰が課される 4.顧客ごとに説明内容に齟齬が生じることを防ぐために、顧客に応じて説明の方法等を変えることは避けるべきである 5.顧客の誤認を防ぐために、金融サービス仲介業者は銀行、証券、保険分野の商品のうちの一つの分野の商品のみを仲介を行うことができる 6.消費者契約法は個人と事業者の契約のすべてに適用されるので、投資口の取得についても取消権を制限なく行使できる 7.金融サービス仲介業につき顧客が被害を被ったときは、金融サービス仲介業者が商品を仲介した金融機関が賠償責任を負う。 8.事業者が消費者の住居に居座ったり勧誘場所から解放せずに契約に至ったときには、契約書面を受け取った日を含め8日以内は取消せる。 答え 1.〇 2.〇 3.× 4.× 5.× 6.× 7.× 金融サービス仲介業は特定の金融機関に属さないので、金融機関による賠償責任の制度はない(その代わりに保証金供託の制度がある。) 8.× 契約書面を受け取った日を含め8日以内ではなく、追認できる時から1年間 (最長で契約締結から5年間)
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主な行為規制として 契約締結前・締結時の書面交付義務、 損失補填の禁止、 適合性の原則があり、 金融商品取引業法、不動産特定共同事業法、金融サービス法に定められています。 ============ 🟠損失補填禁止: 事業の損失を補償する事を予め約束してはいけない ただ、事業者が法律違反を行い、投資家に損害を及ぼしたときは損失補填は禁止されない。事業参加者が特例投資家でも例外はない。 🟠適合性の原則: 顧客の知識、経験、財産の状況、契約締結の目的に照らして不適当な勧誘を行なってはならないという原則。 (事業参加者が特例投資家だと適用されない?? ============ ⭕️適用される ❌適用されない 🟠金融商品取引法 書面交付義務 ⇨原則⭕️ 特定投資家❌ 適格機関投資家⭕️ ※特定には適用されないが適格にはされる!? 損失補填の禁止 ⇨原則⭕️ 特定投資家⭕️ 適格機関投資家⭕️ 適合性の原則 ⇨原則⭕️ 特定投資家❌ 適格機関投資家⭕️ 🟠不動産特定共同事業法 書面交付義務 ⇨原則⭕️ 特定事業❌ 適格特例投資家事業⭕️ ※特定には適用されないが適格にはされる?! 損失補填の禁止 ⇨金商法準用? 全てに適用⭕️⭕️⭕️ 適合性の原則 ⇨金商法準用? ⭕️❌❌? 🟠金融サービス法 書面交付義務 ⇨原則、特定顧客ともに❌ 適用しない! ※つまり、口頭説明でOK 実務的には書面あり 損失補填の禁止 ⇨そういうのはなさそう 適合性の原則 ⇨原則⭕️ 特定顧客❌ 試験でも横串で聞かれると意外と間違えてしまうところなので、この機会にまとめておきましょう。 一問一答 1.適格機関投資家特例業務では、顧客の投資経験が相当に高いと思われるので、顧客の知識、経験、財産の状況及び金消契約を締結する目的な勧誘を禁止する適合性の原則に立脚する必要はない 2.金商法の特定顧客に対しては、契約締結時交付書面の交付が免除されている ※金商法?キンサ法ではないのか? 3.金融サービス法の重要事項の説明は口頭で行えばよく、書面の交付は必要ない 4.金融商品販売業者等は、たとえば元本欠損が発生する可能性がある等の重要事項については、すべての顧客に対して何らかの説明をしなくてはならない 5.金商法の損失補填等の禁止の規定は、不特法で準用されている 6.不動産特定共同事業法の商品を特例投資家に販売するときに、不動産特定共同事業者は当該特例投資家に対して適合性の原則に基づいた勧誘を行わなくてはならない 7.金商法の適合性の原則の規定は、不特法及び金融サービス法で準用されている 8.不動産特定共同事業法の商品を販売するときには、金商法の規制は適用されない 答え 1.× 適合性の原則は金商法の適格機関投資家特例業務においても適用される。もともと適格機関投資家特例業務には適合性の原則は適用されていなかったが、適格機関投資家特例業務届出者が投資知識のない高齢者に対して自己私募を行い被害が生じる事例が多発したので、金商法が法改正された経緯がある。 2.O 3.O 実務上は、金商法・不特法の契約締結時等の交付書面を用いて説明することが多いです 4.× 特定顧客に対しては不要 5.O 6.× 不動産特定共同事業法の特例投資家には適合性の原則の適用はない 7.× 金商法の適合性の原則は不特法では準用されているが、金融サービス法では金商法の準用ではなくて金融サービス法独自の適合性の原則に関する条文を置いている。 8.× 不動産特定共同事業法の特例事業の契約上の権利は、金商法上の集団投資スキームにあたるので、金商法の規制も適用される。
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各スキームで宅建業法がどのように適用されるかについて、毎年何かしらの選択肢の中で問われています。このセクションで整理しておきましょう 各スキームと宅建業法との関係 🟠宅建業法の適用 ・不動産特定共同事業 ⇨適用⭕️みなし宅建業者 ※1〜4号事業者は宅建免許を有するため ・投資法人 ⇨適用⭕️みなし宅建業者 ※資産運用会社が宅建業免許を有するため ・特定目的会社 ⇨不適用❌ ※資産流動化計画では不動産の取得が制限される ・金商法GKTK ⇨不適用❌ ※GKTKは信託受益権のみ(現物不動産扱わない) 🟠AM等の宅建業免許の要否 ・不動産特定共同事業 ⇨必要⭕️ 1〜4号事業者、適格特例投資家限定事業者 なお、特例事業者は不要(でも業法の適用あり) ・投資法人 ⇨必要⭕️資産運用会社 ・特定目的会社 ⇨こっちは必要!!⭕️特定資産管理処分受託者 ・金商法GKTK ⇨不要❌ 一問一答 1.投資法人には宅建業法の適用はない 2.特定目的会社はみなし宅建業者となり宅建業法の一部の適用をうける 3.不動産特定共同事業法の特例事業者は、不動産特定共同事業法の第3号事業者に不動産取引を委託することになるので、宅建業法の適用は受けない 4.金商法のGK-TKにおいては、信託を利用して現物不動産の管理・処分は信託受託者が行うのであれば、宅建業法の適用はない 答え 1.× 投資法人はみなし宅建業者となり 宅建業法が適用される 2.× 特定目的会社には宅建業法の適用はない 3.× 不動産特定共同事業法の事業者は、特例事業者も含めて宅建業法の一部の適用がある 4.O
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特定目的会社と投資法人の違いを問う総合問題がほぼ毎年出題されています。以下の主な違いを整理しておきましょう 特定目的会社と投資法人の比較 🟠設立の主な要件 特定目的会社会社 資産流動化計画 投資法人 出資金1億以上、現物出資は🆖 🟠資産運用の委託 特定目的会社会社 不要 投資法人 必要 🟠資産の管理処分保管の委託 特定目的会社会社 ⇨信託受益権なら不要だが、現物不動産の場合は、 特定資産管理処分受託者への管理処分の委託必要 投資法人 ⇨資産保管会社への保管の委託が必要 ※現物不動産の管理処分は別に委託しなくても… 🟠宅建業法の適用 特定目的会社会社 ⇨適用されない ※資産流動化計画で不動産取得制限されてる 投資法人 ⇨投資法人がみなし宅建業者になるので 🟠自ら募集 特定目的会社会社 ⇨自ら募集は金融商品取引にあたらない 投資法人⇨🆖 🟠決算の承認 特定目的会社会社⇨特定社員 投資法人⇨役員会 🟠みなし賛成制度 特定目的会社会社 ⇨規約で定めれば優先出資社員の議決権のみ🆗 投資法人 ⇨規約で定めれば🆗 🟠従業員の雇用 特定目的会社会社⇨🆗 投資法人⇨🆖 秘書もダメ 🟠資産取得時の鑑定 特定目的会社会社 ⇨一定の場合で取得が不要 投資法人 ⇨絶対に利害関係人ではない鑑定士から鑑定を 取得する!義務! 一問一答 1.特定目的会社では投資判断を社員総会の決議で決めることができるが、投資法人では投資判断を投資法人の役員会で行うことは想定されていない⭐️ 2.不動産に対する投資を目的とする投資法人は、宅建業法の宅建免許及び取引一任代理等の認可を有し、金融商品取引法業法の投資運用業の登録をした資産運用会社に投資運用を委託する必要がある。 3.現物不動産を取得するとき、特定目的会社と投資法人は当該現物不動産の管理・処分を第三者に委託する必要がある 4.特定目的会社は現物不動産を取得することができ、特定目的会社はみなし宅建業者となる。 5.特定目的会社の社員総会、投資法人の投資主総会の両者において、特定目的会社の特定社員・優先出資社員と投資法人の投資主の議決権について、出席していなくても議案に賛成したとみなす旨を規約で定めることができる 6.特定目的会社は本店以外に支店を設けたり従業員を雇用することができるが、投資法人は本店以外に支店を設けたり従業員を雇用することはできない。 答え 1.O ⭐️ 投資法人では投資運用を資産運用会社に委託する必要があるため、投資判断を投資法人の役員会で行うことは想定されない。 特定目的会社は資産運用業者への委託は必要ではないため、特定目的会社の社員総会の決議で投資判断を行ってもいい 2.O 3.× ⭐️ 投資法人では資産管理保管会社に保管を委託する必要ではあるが、現物不動産の管理・処分を委託する必要まではない。 なお、特定目的会社は現物不動産を取得するときには特定資産管理処分受託者に管理・処分を委託する必要がある。 4.× 特定目的会社には宅建業法が適用されない 5.× 特定目的会社では、特定社員の議決権にはみなし賛成制度は使えない 6.O 投資法人について秘書も含めて雇用できないことは、投資法人①組織関係の論点で学習しました。特定目的会社では、支店を設けたり従業員を雇用することができることに注意しましょう。
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103法律編では、賃貸借契約についても出題されます。特に、改正民法におけるテナント承諾関係の論点についてはレジュメでも厚めに説明されているので、抑えておきましょう。 🟠オリジネーターの信託譲渡 当初委託者(オリジネーター)から信託受託者に信託譲渡されたとき、 信託受託者が対抗要件を備えれば、 対象不動産に設定されている賃貸借契約上の賃貸人としての地位を、 信託受託者は新所有者として自動的に承継する。 🟠セールス・アンド・リースバック (譲渡人がマスターレッシーとなるとき): 改正民法ではテナント承諾書は不要 セールス・アンド・リースバック構成を取り、 譲渡人が譲受人に対して所有権を移転するとき、 譲受人と譲渡人の合意があれば 賃貸人たる地位を譲渡人が維持することができる。 ※改正民法では、このときテナントの承諾書は不要 マスターレッシーとして、賃貸人たる地位を譲渡人(オリジネーター等)が維持しているケースで、譲渡人の債務不履行等によりマスターリースが終了したときは、譲受人(新所有者)に賃貸人の地位が自動的に移転する。 🟠賃貸人たる地位を維持してた譲渡人の マスターリースが終了する場合、 新たなマスターレッシーが登場するとき :旧民法と同様でテナント承諾書が必要 譲渡人が譲受人に対して所有権を移転するとき、 譲渡人がマスターレッシーになるのではなく、 新たな第三者が譲受人との間でマスターリース契約をしてテナントに転貸するときには、 テナントは賃借権から転借権になるため、 旧民法と同じくテナント承諾書が必要。 🟠問題 対象不動産が当初委託者(オリジネーター)から信託受託者に譲渡されるときに、 既存のテナントと新所有者である信託受託者との間に入り、既存のテナントに対して転貸借を行うマスターレッシーが入ることがある。その場合について、以下の記述の正誤を答えよ 1.オリジネーターがマスターレッシーになるときに、テナントの承諾があれば、オリジネーターは賃貸人たる地位を維持することができる。 2.オリジネーターがマスターレッシーとなり、 オリジネーターは賃貸人たる地位を維持していたが、後にオリジネーターの債務不履行によりマスターリース契約が解除された。 このとき、新所有者である信託受託者に賃貸人の地位が自動的に移転する。 3.新たな第三者がマスターレッシーになるときに、テナントの承諾がないと、マスターレッシーはテナントとの間で賃貸人たる地位を主張できない。 答え 1.× セールス・アンド・リースバックのときにはテナントの承諾は不要。譲渡人と譲受人の合意があればいい。 2.〇 3.〇 テナントは賃借権から転借権になるため、テナント承諾書が必要。
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通常の信託では、信託財産の受託者が信託事務の処理により負うことになった債務について、 受託者はその信託財産だけではなく 受託者の固有財産からも負担します。 この債務を、信託財産責任負担債務といいます。 たとえば、不動産の信託受託者である信託銀行が、その不動産が原因で第三者に損害賠償を負うことになったときには、信託財産のみでなく、 信託銀行自らの資産からも損害賠償債務を 負担しなくてはならない、ということです。 しかし、そのような債務を負うことは信託受託者には酷なので、信託法上では、 信託財産をもってのみで債務の負担をする 信託財産限定責任債務があります。 実務上は、信託財産限定責任債務となるように特約を結ぶことが殆どです。 また、不動産証券化の実務で使うことは稀ですが、受託者の固有財産等のみで負担する固有財産等責任負担債務もあります。 🟠信託受託者の債務の種類と負担財産 ①信託財産責任債務 ⇨信託財産と固有財産が負担する範囲 ②信託財産限定責任債務 ⇨信託財産のみ ③固有財産等責任負担債務 ⇨固有財産と、そのほかの信託財産も。 一問一答 1.信託受益者が、信託不動産に瑕疵があることにより第三者に対して損害賠償債務を負ったが、 信託受託者は自己の固有財産をもって責任を負うことはない 2.不動産の信託受託者が、当該信託不動産の賃貸人として賃借人に対して負う敷金返還債務は、 信託受託者が自己の固有財産をもって負担する必要がある。 3.信託受益権者に分配されるべき信託収入(受益債権)を、信託銀行は自らの債務を返済に充当してしまった。このときに、信託受益権者は信託銀行の固有財産から信託収入 の分配を受けることができる 答え 1.× 受託者が信託財産の事務の一環や信託財産が原因で生じる債務を負担するときには、特約等がなければ、信託財産と信託受託者の自己の財産が責任財産になる 2.O 信託財産である不動産の賃貸借契約上の債務は、信託財産責任債務となり、受託者の固有財産も責任財産になる。 3.× 受益債権は信託財産限定負担債務なので、信託銀行は自己の固有財産でもって債務を履行しなくてもよい 2と3よくわからはい
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自己信託業とは、現物不動産を保有しているオリジネーターが当該不動産を信託受益権化して、投資家に販売する信託法上の業のことです。 50人以上の投資家が信託受益権を取得するときには、自己信託業の登録をする必要があります。 ただ、オリジネーター(受託者)が信託受益権の全部を1年間継続して保有するときは、信託が終了すると定められています。 また、信託財産は独立しているので、信託委託者や受益者の債権者等は債権保全のため信託財産そのものの差押さえ等をすることができません (信託財産の独立性) しかし、自己信託は、オリジネーターが自己が保有する不動産の差押さえを逃れるために使われる懸念もあるため、信託財産の独立性の例外として、 自己信託でオリジネーターがその債権者を害する ことを知ってした信託については、 オリジネーター(受託者)の債権者等は 債権保全のため信託財産の差押さえ等をすることができます。 🟠信託財産の独立: 信託委託者や受益者の債権者等は債権保全のため信託財産そのものの差押さえ等をすることができない(なお、信託委託者が保有する信託受益権の差し押さえをすることはできる) 🟠信託財産の独立の例外: 自己信託におけるオリジネーター(受託者)の詐害行為 一問一答 1.オリジネーターが保有する現物不動産に対して自己信託を設定した。この場合、オリジネーターは信託受益権の全部を1年を超えて保有することはできない。 2.オリジネーターが保有する現物不動産に対して自己信託を設定して、当該信託受益権を49人の投資家に売却するときには、自己信託業の登録が必要になる。 3.金商法のGK-TKの営業者が不動産信託受益権を保有しているとき、営業者の債権者は信託財産である不動産に対して仮差押や強制執行をすることができない。 4.オリジネーターが保有する現物不動産に対して自己信託を設定したとき、当該信託行為が詐害行為にあたるときは、オリジネーターの債権者は債権保全のために仮差押さえをすることができる。 答え 1.O 2.× 3.O 4.O
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組合の制度について、数年に一度問われています。内容は簡単なので、試験までに一度目を通しておきましょう。 ぜんぜんおぼえてない。 🟠根拠法 匿名組合 商法 任意組合 民法 投資事業有限責任組合 特別法 🟠対外的な共同事業制 匿名組合 ❌営業者の単独事業 任意組合 ⭕️ 投資事業有限責任組合 ⭕️ いみよくわからん 🟠業務執行 匿名組合 営業者が単独執行 任意組合 任意組合員が単独執行 投資事業有限責任組合 無限責任組合員が単独執行 有限責任組合員の執行は🆖 🟠登記の要否 匿名組合 不要 任意組合 不要 投資事業有限責任組合 必要!(第三者対抗要件) 🟠債務の負担 匿名組合 有限責任 任意組合 無限責任 投資事業有限責任組合 無限責任組合員と有限責任組合員がいる 🟠財産に対する権利 匿名組合 営業者に帰属 任意組合 総組合員の合有 投資事業有限責任組合 総組合員の合有 🟠営業の範囲 匿名組合 - 任意組合 - 投資事業有限責任組合 現物不動産の取得と保有は🆖 信託受益権や集団スキームは🆗 🟠一問一答 1,匿名組合は商法、任意組合は民法、投資事業有限責任組合は特別法を根拠法としている。 2.匿名組合員は営業者の行為につき第三者に対して義務・義務を負わないため、基本的には有限責任であるとされている 3.有責組合は登記により成立する 4.すべての有責組合員は無限責任を負う 5.有責組合では無限責任組合員と有限責任組合員が共同で業務執行を行う 6.匿名組合の組合財産に対する権利は総組合員の合有となる 7.有責組合の事業目的には現物不動産の取得・保有は含まれていないが、不動産信託受益権の取得及び保有は否定されない 答え 1.O 2.O 3.× 有責組合は民法の任意組合を基礎とする特別法に基づく制度で、任意組合と同じく共同事業と出資の合意で成立する。有責組合の登記は第三者対抗要件であって、成立要件ではない。 4.× 有責組合は無限責任組合員と有限責任組合員で構成される 5.× 無限責任組合員が業務執行する 6.× 7.O
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J-REITの利益相反取引規制は、投信法と金商法で規定されている手続きの中身が問われます。 J-REITの利益相反取引規制 🟠投信法での規制 ①投資法人の監査役員と一定の関係をもつ者 への資産運用委託の禁止 ②投資法人と資産運用会社の一定の 資産取引禁止 ③利益相反取引を行う場合は投資法人役員会の 事前同意が必要、取引書面を投資法人へ交付 ④不動産鑑定は第三者 🟠金商法での規制 ⑤有価証券報告書等で利益相反取引の制限の 有無や内容を記載 ※上記の法律での規制に加えて、投信協会規則、東証規則、各社の社内規則で追加の規制がある。 🟠一問一答 日本ビルファンド投資法人は三井不動産により設立され、運用会社の日本ビルファンドマネジメントとともに、三井不動産が利害関係人となっている。日本ビルファンド投資法人が、三井不動産から不動産を取得するときに必要な以下の手続きについて、正誤を答えよ。 1.日本ビルファンドマネジメントは、三井不動産から不動産を取得した後に、金融庁に対して取引報告書面を提出した。 2.日本ビルファンドマネジメントは、三井不動産から不動産を取得するに際して、社内の不動産鑑定士により対象不動産の鑑定評価を行い、その結果を日本ビルファンド投資法人に提出した。 3.日本ビルファンドマネジメントは、三井不動産から不動産を取得する前に、日本ビルファンド投資法人の執行役員から事前の同意を得た(当該執行役員は、役員会での同意を得た)。 4.日本ビルファンド投資法人は、三井不動産から取得した高級マンションの一室を、投信法上の手続きを経ることなく三井不動産の取締役に対して賃貸した。 答え 1.X 取引報告書面は資産運用会社から投資法人に対して提出する。金融庁への提出は不要 2.X 第三者鑑定を取得する必要がある 3.O 4.O 資産運用会社の親会社の取締役と不動産取引を行うことは投信法上で禁止されていない。ただ、一般論としては、社内ルール等で妥当性を検証するべきである。
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J-REITのインサイダー取引について毎年問われます。もともとは、J-REITが発行する投資証券の取引はインサイダー取引の規制対象外でしたが、法改正によりJ-REITもインサイダー取引の対象となりました。 インサイダー取引は、 J-REITの投資法人・資産運用会社を含む 「上場会社等に係る会社関係者等」が、 「重要事実」を知った場合において、 その「重要事実が公表される前」に、 その会社の株式等の売買等を行う取引 と定義されています。 関係者:資産運用会社の親会社を含む 重要事実:投資者の投資判断に著しい影響を与えるとされる、会社の運営、業務、財産に関する情報 公表される前:自社のホームページでの掲載、マスコミのスクープでは要件を満たさない 🟠インサイダー取引の定義 ※もともとは、J-REITが発行する投資証券の取引はインサイダー取引の規制対象外であったが、法改正によりJ-REITもインサイダー取引の対象となった。 🟠一問一答 1.従来は上場投資法人が発行する投資証券の取引はインサイダー取引の規制対象外とされてきたが、法改正によりJ-REITにも規制が導入された。 2.投資法人の資産運用会社のある従業員が「重要事実」を「重要事実が公表される前」に友人に話した。 友人は「重要事実」を知った後に当該投資法人の投資口の売買等は行わなかったが、この従業員は罰せられる 3.投資法人の資産運用会社のある従業員が当該投資法人の投資口を保有していた。 当該従業員は、その投資口の保有期間が3年を超えれば自由に売却することができる 4.インサイダー取引規制は、「重要事実が公表」された後であれば解除される。 5.自社のホームページへ重要事実にあたる情報を掲載すれば「重要事実の公表」があったと見做され、インサイダー取引規制が解除される 6.大手新聞社によるスクープ記事が全国紙に掲載され、重要事実にあたる情報が一般に知れ渡ったときには「重要事実の公表」があったと見做され、インサイダー取引規制が解除される 7.上場投資法人の会社関係者が、当該投資法人に関する未公開の重要事実を知って、当該投資法人の投資口を10口売却しようとするとき、投資口が10口と少額であることと、投資口の売却によって損失が出るときには、その取引はインサイダー取引にあたらない 答え 1.O 2.× 重要事実の公表前に利益を得る又は損失を回避する目的で取引を行っていないので、罰せられない 3.× この従業員は投資法人の運用会社の従業員なので、「上場会社等に係る会社関係者等」にあたる。この従業員が「重要事実」を知っているときには、「重要事実が公表される前」に、 その会社の株式等の売買等を行うことはできない。投資口の保有期間は関係ない 4.O 5.× 自社ホームページへの掲載のみでは公表要件を満たさない。 6.× 大手新聞社の全国紙であっても、新聞による憶測記事は公表要件には該当しない 7.× 「重要事実が公表される前」に、 その会社の株式等の売買等を行えばインサイダー取引となる。売買の規模や損失の有無は関係ない
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🟠有価証券届出書、有価証券通知書 1000万円以上1億未満で公募する (第一種も第二種も) ⇨通知書 1億円以上で公募する ⇨届出書 ※私募や1000万未満公募では不要 投資家に交付するのではなく、 発行会社が内閣総理大臣宛に届け出る 融商品取引法では、一定の条件のもとでは、 有価証券の募集に際して有価証券届出書又は 有価証券通知書を提出する必要があります (開示規制) 特に、第一項有価証券は50名以上に勧誘すると 公募になるのに対して、第二項有価証券は勧誘を行い500 人以上が取得するときに公募になること (つまり500名以上に勧誘しても自動的には公募にはならないこと)がひっかけ問題として頻出です。 〇 第一項有価証券の勧誘先の数50名は、 同種の有価証券につき過去6カ月を通算する 〇 有価証券届出書又は有価証券通知書の届出を行わないときには、一定の例外を除いて、届出を行っていないことを相手方に告知する必要がある 〇 有価証券届出書を提出するときはEDINETを使わなければならない。(有価証券通知書を提出するときはEDINETは使わなくてもよい) 〇 一項有価証券等の総額1億円以上の募集・売り出しにかかる取得勧誘は、有価証券届出書の提出をするまでは勧誘を行うことはできない(届出の発効までは不要) 〇 それまでに有価証券届出・報告書を提出してていない会社が発行する株式を上場するときは、発行額が1億円未満でも有価証券届出書を提出する必要がある 🟠目論見書 有価証券等を1億円以上公募・売り出しするときに投資家に交付する義務。 目論見書発行の対象となる有価証券の代表的なものとしては株式、社債、投資信託などがあげられる。 不交付による損害があれば故意過失の有無を問わず賠償責任を負う。 私募のときは目論見書は必要ないが、届出が行われていないことを投資家に告知する必要がある。 🟠契約締結前書面 金融商品取引法第37条の3は、金融商品取引業者に対し、契約を締結する前に顧客に対して契約締結前交付書面の交付をすることを義務付けています。 書面交付義務は、投資家が特定投資家に該当する場合には免除されますが、一般投資家が契約の相手方である限り、契約締結前交付書面をはじめとする法定書面を必ず交付しなければいけません。 契約締結前交付書面は、取引の種類に応じて、取引の概要、リスク、手数料、税金など細かく記載事項が定まっています。 ?? 第二種で500人以上契約するとき(not勧誘) ※500人以上契約なら金額は関係ない 🟠契約締結時書面 特定投資家には交付不要。 契約締結前交付書面や契約締結時交付書面の保存を欠くと、刑事罰の対象になる。
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ファンドの種類として、民法上の組合と投資事業有限責任組合では何が違うのでしょうか。 投資事業有限責任組合は組合の一種であり、法律上、民法上の組合に関する規定が多数準用されているため(投資事業有限責任組合契約に関する法律第16条)、民法上の組合と投資事業有限責任組合は基本的には類似した性質を有しています。但し、投資事業有限責任組合は投資のためのビークルとして想定されており、無限責任組合員以外の組合員の責任が有限責任である点が大きく異なります。また、法律上、事業年度毎の財務諸表を作成し、公認会計士等の意見を得る必要がある点でも異なっています。その他、投資事業有限責任組合では、事業目的が法律に定める事項に限定され(同法第3条)、労務出資が認められておらず(同法第6条第2項、民法第667条第2項)、さらに登記制度が存在している(投資事業有限責任組合契約に関する法律第17条)等の違いがあります。 組合(LPS、匿名組合、任意組合、LLP)の比較 各組合の共通点と相違点をまとめました。 ※GP:無限責任組合員 LP:有限責任組合員 🟥任意組合(民法上の組合) 🔷投資事業有限責任組合(LPS) 🔺匿名組合 🔶有限責任事業組合(LLP) 組合財産 組合員の共有 組合員の共有 営業者に帰属 !💬 組合員の共有 🟠納税主体 組合員課税 組合員課税 営業者と組合員は個別に課税! 組合員課税 🟠組合員の資格 制限なし GPは、組合だと登記上の問題ありLPは制限なし 営業者は商人 組合員は制限なし 1人は国内の居住者又は内国法人 🟠組合員の責任 無限責任 無限責任と有限責任(GPは1名以上必要) 有限責任(営業者は無限責任) 有限責任 🟠出資 労務出資〇 労務出資× 労務出資× 労務出資× 🟠業務執行 組合員の過半数 業務執行者の選任可能 GPの過半数 営業者のみ 総組合員の全員一致で行うが、LLP契約の定めにより全員一致以外の方法をとることもできる。但し、①重要な財産の処分・譲受け、②多額の借財 は原則として総組合員の同意が必要 🟠事業目的 制限なし 制限あり 制限なし 一部制限あり 🟠登記制度 なし あり なし あり 🟠会計監査 任意 強制 任意 任意 投資事業を行うビークルとして、民法上の組合が利用されてきましたが、組合員全員が無限責任を負う民法上の組合では、投資家のニーズを満たせないため、有限責任を法的に担保された投資事業有限責任組合(LPS)の制度ができたという経緯があり、 そのため、LPSは民法上の組合よりも規制が多くなっており、投資家保護のため、会計監査が強制される等、ガバナンスの強化が図られています。 LLPは共同事業という面があり、出資者(組合員)が自ら経営を行うということから、 「共同事業要件」が他の組合に比べて厳しく求められます。 民法上の任意組合やLPSのような業務執行組合員を定め、いわゆる「丸投げ」というのは認められられません。 匿名組合は、営業者と匿名組合員の2者間のみで成立し、財産は組合員ではなく営業者に帰属することに特徴があります。 財産は営業者に帰属されますが、損益は匿名組合員に分配されることによって、二重課税の回避が図られると同時に、匿名組合員が利益を享受できる仕組みとなっています。 匿名組合は、事業目的に制限がなく、業務執行も営業者が行うため、ガバナンスについては緩くなっています。 特にGK-TKスキームだと、GKは定款自治によるため、自由な運営ができることが利点ですが、その分ガバナンスが緩くなっているため、第三者である会計事務所に支払い等の事務を委任したり、任意での会計監査をする等、ガバナンスの手当をする場合があります。
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REITのエクイティストーリーとは、 投資、運用、管理、分配の方針、 財務・成長の戦略を含む方針や目標
用語①
用語①
Marino Omura · 37問 · 1年前用語①
用語①
37問 • 1年前用語②➕整理
用語②➕整理
Marino Omura · 15問 · 1年前用語②➕整理
用語②➕整理
15問 • 1年前用語③➕計算式
用語③➕計算式
Marino Omura · 19問 · 1年前用語③➕計算式
用語③➕計算式
19問 • 1年前102 不動産証券化の概要-1
102 不動産証券化の概要-1
Marino Omura · 27問 · 1年前102 不動産証券化の概要-1
102 不動産証券化の概要-1
27問 • 1年前102 不動産証券化の概要-2
102 不動産証券化の概要-2
Marino Omura · 31問 · 1年前102 不動産証券化の概要-2
102 不動産証券化の概要-2
31問 • 1年前102 不動産証券化の概要-3
102 不動産証券化の概要-3
Marino Omura · 34問 · 1年前102 不動産証券化の概要-3
102 不動産証券化の概要-3
34問 • 1年前note 102✨
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Marino Omura · 13問 · 1年前note 102✨
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13問 • 1年前103不動産投資の基礎-1
103不動産投資の基礎-1
Marino Omura · 36問 · 1年前103不動産投資の基礎-1
103不動産投資の基礎-1
36問 • 1年前103不動産投資の基礎-2
103不動産投資の基礎-2
Marino Omura · 38問 · 1年前103不動産投資の基礎-2
103不動産投資の基礎-2
38問 • 1年前note 103 ✨
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Marino Omura · 8問 · 1年前note 103 ✨
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8問 • 1年前104上 不動産証券化の法務
104上 不動産証券化の法務
Marino Omura · 38問 · 1年前104上 不動産証券化の法務
104上 不動産証券化の法務
38問 • 1年前note 104下 ✨
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Marino Omura · 17問 · 1年前note 104下 ✨
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17問 • 1年前105 不動産ファイナンスの基礎
105 不動産ファイナンスの基礎
Marino Omura · 41問 · 1年前105 不動産ファイナンスの基礎
105 不動産ファイナンスの基礎
41問 • 1年前note 105 ✨
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Marino Omura · 22問 · 1年前note 105 ✨
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22問 • 1年前106 不動産証券化と倫理行動
106 不動産証券化と倫理行動
Marino Omura · 10問 · 1年前106 不動産証券化と倫理行動
106 不動産証券化と倫理行動
10問 • 1年前問題一覧
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不動産の証券化の法整備は、バブル崩壊後の1995年の不動産特定共同事業法(不特法)の施行に始まります。 その後に整備された特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(SPC法)、投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)、金融商品取引法(金商法)もそれぞれ当時の課題となっていた問題を解決するために整備されてきました。 🟠1995年 不動産特定共同事業法 施行 背景:不動産現物が共有持分で小口化されて不動産業者により販売されていたが、バブル崩壊で事業者の倒産が相次いだので、国交省が事業者を許可制にして投資家保護を図った。 SPCではなく不動産業者本体が許可を取得することが念頭に置かれていたため、事業者からすると使いづらかった。 ↓ 🟠1998年 SPC法 特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(SPC法)施行 資産の流動化としては使いづらかった不動産特定共同事業法に対して、金融庁主導でSPCよる流動化手法を用意した。 ↓ 🟠2000年 投信法改正 投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)改正 J-REITの上場を可能にし、証券化を加速させるために改正された。 ↓ 🟠2007年 金融商品取引法 (証券取引法が改正されて金商法として施行) 上記の特別法を利用しないYK-TKスキーム(今のGK-TKスキーム)で扱われていた不動産信託受益権をみなし有価証券として扱い、規制対象とした。 2007.金融商品取引法が施行。 投資家保護の観点から、不動産証券化商品も他の金融商品と同じような規制がかけられるようになった。 ↓ 🟠2008年 J-REITの海外不動産取得の解禁 ↓ 🟠2008-9年 リーマンショック 不動産市場安定化ファンドの設立 リーマンショックを受けてJ-REITのリファイナンスが困難な状況であったため、J-REITへのファイナンスを目的に不動産安定化ファンドが設立された。 🟠2011.資産流動化法が改正 資産流動化スキームにおける規制の弾力化が必要であるとして、投資家保護に留意しつつ、証券化に関する変更手続きの簡素化などなど。 ↓ 🟠2013年 投信法の改正: 投資法人の資本政策・ 資金調達の多様化と海外不動産取得促進 リーマンショックでの経験を踏まえて、 J-REITの資本政策や資金調達の多様化のために投信法が改正され、投資口の価格対策のための投資法人の自己投資口の取得、 資金調達のための新投資口予約権の発行が可能になると同時に、 海外不動産取得の促進の措置も講じられた。 同時期に金商法も改正 例題 日本の不動産証券化の歴史に関して、次に列挙する出来事を古い順番に並べよ ③投信法改正による投資法人制度の創設 ⑥投信法改正による投資法人の資本政策・資金調達の多様化と海外不動産取得促進 ①不動産特定共同事業法 施行 ④金融商品取引法 改正 ⑤リーマンショックと不動産市場安定化ファンドの設立 ②特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律 施行 答え ①不動産特定共同事業法施行 ↓ ②特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律 施行 ↓ ③投信法改正による投資法人制度の創設 ↓ ④金融商品取引法 改正 ↓ ⑤リーマンショックと不動産市場安定化ファンドの設立 ↓ ⑥投信法改正による投資法人の資本政策・資金調達の多様化と海外不動産取得促進
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投資法人は執行役員、監督役員、役員会、会計監査人を置かなくてはいけないものの、従業員は秘書も含めて雇用することはできません 投資法人は単なる箱であり、投資判断は資産運用会社に委託しなくてはならないことになっています。 試験では、投資法人の役員の任期など細かい点も問われますが、利益相反を防ぐためのきまりを中心に理解しておきましょう。 🟠投資法人の機関 ① 投資主総会 ② 役員会 1人以上の執行役員:任期最長2年 執行役員に+1以上の監督役員:任期最長4年 ③ 会計監査人 🟠ライセンス 投資法人 ・投資法人はみなし宅建業者となる。 ・営業保証金の供託等も必要 🟠資産運用会社 ・資産の運用は資産運用会社に委託しなくて はならない(なお、一般事務も一般事務 受託会社に委託しなくてはならない) ・資産運用会社は、金融商品取引法の資産運用 業の登録、主として不動産に投資する 投資法人のときには宅建業法の取引一任 代理等の認可を受ける必要がある 🟠利益相反 ⭐️資産運用会社関係 ・資産運用会社は複数の投資法人から委託を受けてもいいが、利益相反の問題があるので、多くの資産運用会社は1つの投資法人の資産運用業務のみを行っている💭 ・投資法人の監督役員は、資産運用会社の 監督役員を兼務できない ・ 資産運用委託契約の締結には、 投資主総会🟧の承認が必要 ・投資法人と資産運用会社(資産運用会社の 役員等も含む)との間の取引は、 全投資主🟪の同意を得た場合等を除き禁止。 ※資産運用会社への資産売買や不動産 管理の委託などは全投資主🟪の同意は不要 ・投資法人と資産運用会社の利害関係人等 (資産運用会社の親会社等)との間の一定の 重要な取引(軽微なものを除く)を行うとき は、役員会🟦の承認が必要 ・資産運用会社は、自己の計算で行った不動産取引を定期的に投資法人に書面で報告し、それに加えて、投資法人と資産運用会社、資産運用会社の利害関係人等との間で取引を行ったときは、遅滞なく投資法人🟨に書面で報告する。 ・投資法人の資産の入れ替えの一環で行う通常の資産の取得は投資法人🟨の承認は不要 ⭐️監督役員関係 ・監督役員は執行役員の職務の執行を監督する(投資判断の監督ではない) ・監督役員は資産運用会社の監督役員を 兼務できない ⭐️インサイダー関係 ・インサイダー規制は投信法ではなく金商法で規定されている 🟠一問一答 1.投資法人では、資産運用会社が行った投資判断を承認するか否かを、投資法人の役員会で決議しなくてはならない 2.投資法人の執行役員の主な業務は、資産運用会社等の業務委託先の監視や、投資主総会や役員会での議事進行など主な業務である 3.投資法人の一般事務は事務受託会社に委託しなくてはならず、秘書の雇用もできない 4.執行役員の任期は4年以内、監督役員の任期は2年である 5.投資法人の監督役員は、資産運用会社の監督役員を兼務できない 6.投資法人には、1人以上の執行役員と、少なくとも執行役員と同数の監督役員が必要である 7.投資法人の監督役員は、資産運用会社の投資判断の内容を監督する役割を担っている 8.インサイダー規制についても投信法で規制されている 9.資産運用会社の投資判断により新たに不動産を取得するときに、必ず事前に投資法人の役員会の承認が必要である 10.資産運用会社は、投資法人と自社の親会社との間で取引を行ったときは、遅滞なく投資法人に書面で報告する必要がある。 11.資産運用会社の役員等と投資法人との間の取引をするためには、全投資主の同意等が必要であり、ハードルが非常に高い 答え 1.× 不動産取得の投資判断に基本的には投資法人の役員会の決議は必要ない。投資法人の役員会は投資判断を行っていない。なお、資産運用会社とその利害関係人との取引については軽微なものを除き役員会の承認が必要 2.〇 3.〇 4.× 執行役員の任期は2年以内、監督役員の任期は4年 5.〇 6.× 執行役員の人数の+1人以上の監督役員が必要 7.× 投資法人の監督役員は、執行役員の職務を監督しており、投資判断の内容を監督する役割は担っていない 8.× インサイダー規制は投信法ではなく金商法で規定されている 9.× 投資法人と資産運用会社の利害関係人等との一定の重要な取引(軽微なものを除く)を行うときは役員会の承認が必要であるが、逆に、資産の入れ替えの一環で行う通常の資産の取得は投資法人の承認は不要 10.〇 11.〇
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投資法人については細かい知識も聞かれます。 🟠投資主総会の論点 〇 規約で定めれば、投資主総会に出席しなかった 投資主を賛成したと扱うことができる (みなし賛成)。ただし、投資法人のM&Aなど 対立する議案が提出されているときには みなし賛成は使えない 〇 投資法人の決算の承認は投資主総会ではなく、 役員会で行う 〇 投資主は、執行役員及び監督役員の選任・解任 の議決権を有する 〇 規約の変更は、投資主総会で発行済投資口の 過半数の投資主が出席し、その議決権の 2/3以上 の特別決議が必要(規約で定めれば特別決議以上 の要件を加えることもできる) 🟠投資口の論点 〇 投資法人が投資証券を新規に1億円以上発行 するとき、50人以上の投資家に勧誘が行われる ときは、有価証券届出書を届け出る必要がある 〇 投資法人の設立時に必要な最低出資金は1億円 であり、不動産等の現物出資は認められない 〇 投資法人が発行する投資口は、分配の方法や 償還期間などが異なる投資口(種類投資口)を 導入することができない 🟠例題 1.投資法人の規約でみなし賛成制度を排除していない限り、投資主総会を欠席した投資主は決議に賛成したとみなされる 2.投資法人のM&Aなど対立する議案が提出されているときにはみなし賛成は使えない 3.投資法人の決算の承認は投資主総会で行う 4.投資法人の投資主は、執行役員及び監督役員の選任・解任の議決権を有する 5.投資法人の規約の変更は、投資主総会で発行済投資口の過半数の投資主が出席し、その議決権の 2/3以上の特別決議が必要であるが、特別決議に加えて、一定数以上の投資主の賛成を要する旨を規約で定めることができる 6.投資法人が投資証券を新規に1億円以上発行するとき、500人以上の投資家が投資証券を発行するような勧誘が行われるときは、有価証券届出書を届け出る必要がある 7.投資法人の設立時に必要な最低出資金は1億円であり、出資は必ずしも金銭による必要はない 8.投資法人が発行する投資口は、分配の方法や償還期間などが異なる投資口(種類投資口)を導入することができない 答え 1.× 規約で定めてはじめてみなし賛成制度を使える 2.O 3.× 4.O 5.O 6.× 正しくは50人以上の投資家に対して勧誘するとき なお、金商法上の第二項有価証券等を1億円以上発行するときには、500人以上の投資家が投資証券を保有することになるような勧誘が行われるときに有価証券届出書を届け出る必要があるが、投資法人の投資証券は金商法上の第一項有価証券なので、50人以上の投資家に対して勧誘するときに有価証券届出書を届け出る必要がある 7.× 出資は金銭による必要がある 8.〇
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上場REITであるJ-REITに関しては、投資法人の制度の問題に加えて、上場要件についてとJ-REITが合併する際の論点が試験で過去に問われています 🟠J-REIT上場プロセス 1.資産運用会社で以下の手続きを行う。 〇宅建業法の免許・取引一任代理等に係る認可、 金商法の投資運用業登録 2.投資法人で以下の手続きを行う。 〇投資法人の設立企画人が、 規約作成と内閣総理大臣への届出 〇執行役員・監督役員等の選任、 投資法人の設立登記申請 〇引受証券会社の選定等 〇東証の上場審査(資産総額(上場の時までに 50 億円以上)、資産運用会社が投資信託協会 の会員であること等形式的基準に加えて、 面接等を通じて適切な内部監査体制が整備 されているか等の審査が行われる 🟠J-REITのM&A 〇投資法人の合併には投資主の2/3以上の賛成 (特別決議)が必要 〇みなし賛成制度は対立する議案が提出されたときには使えないため、敵対的買収などで対立した議案が提出されるときには、みなし賛成制度は使えない 〇合併時に発生する負ののれん益は配当可能利益 から控除される (もし負ののれん益を配当可能利益に加えると、 合併後に物件を売却して配当のためにキャッシュ を確保する必要がある) 〇合併が税法上で適格合併であれば簿価が 引き継がれるが、非適格合併であれば資産は 時価で評価し直す 🟠一問一答 1.J-REITを東証に上場するにあたって、資産運用会社が投資信託協会の会員である必要がある 2.東証は不動産証券化市場の拡大のためにJ-REITの拡大を目指しており、上場審査に投資法人の資産の総額は問われない 3.投資法人の設立企画人が投資法人の規約を作成し、公証人の認証を得たうえで、内閣総理大臣に届出を行う 4.東証の上場審査基準(形式的基準)に適合していれば上場が認められる 5.投資法人の合併は投資主総会の特別決議が必要であり、仮に対立する議案が提出されたときはみなし賛成制度は使えない 6.投資法人の合併が適格合併であれば、資産を合併時の時価で評価し直す 答え 1.O 2.× 3.× 投資法人の規約について、公証人の認証は不要 4.× 上場審査基準(形式的基準)に加えて、面接等を通じて適切な内部監査体制が整備されているか等の審査が行われる 5.O 6.× 合併が税法の適格合併であれば簿価を引き継ぐ
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私募REITは、投資法人の仕組みを使った非上場のREITです。 もともとは、投資法人の制度によって、上場REITであるJ-REITが私募REITより先に誕生しました。 しかし、J-REITはマーケットを通じて売買されるため投資口価格が株式と同じような値動きをするため、投資家からすると投資の分散効果が低いというデメリットがありました。 そこで、同じ投資法人のスキームを使いつつ非上場とする私募REITが誕生し、投資口価格を安定させたい投資家のニーズに応えています。 また、私募REITは上場REITと異なりマーケットでの売却が難しいというデメリットがありましたが、私募REITの多くは買戻し条件を付けて流動性を高めています(オープンエンド型私募REIT) 私募REITは近年参入が相次いでいることと、証券化マスターの科目では103、101など複数の科目に関連する論点があるので、まとめて抑えておきましょう。 🟠ニュース 大成建設が私募リート 1000億円運用、建設で広がる組成 大成建設は非上場の不動産投資信託(REIT)に参入する。来春の組成に向け資産運用会社を設立し、10年後をメドに1000億円 www.nikkei.com 🟠私募REITとは 投資法人の仕組みを使った非上場のREIT。 J-REITより後発で、J-REITの保有資産額が 約22.5兆円であるのに対して、 私募REITは約5.6兆円の規模(取得価格ベース) ↑これちょっと古い情報 私募REITの投資家で最も多いのは地銀で、 35%程度を占める 🟠私募REITと上場REITで異なる点 私募REITには金商法のインサイダー取引規制が適用されない!! 私募REITは買戻し条件OK(オープンエンド型) 私募REITの投資口価格は鑑定価格ベース 🟠私募REITと上場REITで同じ点 ①ライセンス ②資産運用会社等への委託 ③有価証券の募集に係る開示などは同じ 🟠一問一答 1.私募REITは、J-REITと同様に資産の運用に係る業務を資産運用会社に委託し、資産の保管に係る業務を資産保管業者に委託し、一般事務を一般事務受託者に委託する必要がある。 2.私募REITにおいても、公正な投資口の取引を確保するため、金商法上のインサイダー取引規制の適用を受ける。 3.私募REITは原則として適格機関投資家が投資家となることから、資産運用会社が金商法の登録を受けていればよく、上場REITと異なり宅建業法の取引一任代理等の認可は必要ない。 4.私募REITで投資法人が投資証券を発行するとき、500名以上の投資家が保有するような勧誘をしない限りは公募にならないため、有価証券報告書や有価証券届出書を開示する必要はない。 5.私募REITはクローズドエンド型の投資法人であり、一定の条件の下で出資金の払い戻しを認めて流動性を確保している。 6.私募REITの投資家において最も多いのは年金で、35%程度を占める 7.J-REITの登場後、J-REITのデメリットである投資口価格の変動を抑えるために私募REITが誕生した 答え 1.O 2.X 金商法上のインサイダー取引規制は上場有価証券のみに適用がある。 3.X ライセンスに関しては私募REITと上場REITで異ならない。特定資産に不動産を含む投資法人の資産運用会社は、上場・非上場に関わらず、宅建業法の免許が必要となる 4.X 開示について私募REITと上場REITの扱いは同じ。投資法人の投資証券は第一項有価証券なので、50名以上の投資家に勧誘するときは公募になる。(有価証券の募集するときの開示規制は金融商品取引業法のセクションで扱うので、ここでは一旦「私募REITも上場REITも50人以上の投資家に勧誘するときは公募になる」と覚えておきましょう。) 5.X 私募REITの多くはオープンエンド型で出資金の払い戻しを行っている 6.X 私募REITにおいて最も多いのは地銀で、35%程度を占める。年金は20%程度 7.O
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不動産特定共同事業法①- 1~4号許可と適格特例投資家限定事業 不動産特定共同事業法では、もともとはSPCを利用せずに事業者本体が許可を得て不動産を小口化して販売することが想定されていました(①) しかし、不動産業界化から使いづらいという声が多かったため、2013年に法律が改正され、特例事業の届出をして不動産特定共同事業法の許可事業者がスキームに入ることでSPCを使うことが可能になりました(パターン②特例事業) また、2017年の改正では、届出をして適格特例投資家限定事業者となれば、不動産特定共同事業法の許可事業者が不要になりました (パターン③適格機関投資家限定事業) 不動産特定共同事業法は当初の建付けが悪く利用が低調であったため、より使い易く改正がされてきたという歴史があります。 不特法を実務で使用している方は少数派だと思いますので、具体的なイメージを持つのが難しいと思いますが、法整備の流れを意識することでルールを覚えやすくなると思います。 🟠ポイント 1.不動産特定共同事業法の許可には1~4号があり、1・2号の許可は事業者本体が不動産を取得する器になるという不動産特定共同事業の基本のスキーム(下図のパターン①で)で必要となる 2.3・4号の許可は特例投資家が投資家となるSPCを設立する特例事業(下図のパターン②)で必要となる 2.2017年の改正で、投資家が適格特例投資家のみのときは、SPCが適格特例投資家限定事業者になる届出をすれば、適格特例投資家が自ら匿名組合の営業者となり不動産取引をする際の不動産特定共同事業法の許可は不要になった(下図のパターン③) 3.また、2017年の改正では、一定規模以下の事業では、特例事業において特例投資家以外も不特法のSPCに投資できることとなった。ただ、あくまで特例事業(下図のパターン②)なので、スキームに3・4号事業者は必要であることに注意 🟠一問一答 1.適格特例投資家は、事前の届出により適格特例投資家限定事業を営むことができ、それに不動産特定共同事業法の許可は不要である。 2.不動産会社が本体で保有・管理するマンションを対象不動産として投資家を募るために任意組合を組成して、任意組合員から出資を受けるときは、原則として不動産特定共同事業法の1号の許可が必要である 3.不動産会社が本体で保有・管理するマンションを対象不動産として投資家を募り、賃貸事業からの収益を投資家に分配するときには、例外なく不動産特定共同事業法の1号の許可が必要である 4.不特法の1号事業者が不動産特定共同事業契約の締結を自ら行う場合にも、代理・媒介に関する2号事業の許可を取得する必要がある 5.特例事業の届出をしたSPCは、不動産取引を不特法の3号許可及び金商法の第二種金融取引業の許可を受けた事業者に委託しなくてはならない 6.特例事業の届出をしたSPCは、募集行為を不特法の4号許可及び金商法の第二種金融取引業の登録を受けた事業者に委託しなくてはならない 7.特例事業のSPCに投資できるのは特例投資家が基本的には想定されているが、一定規模以下の事業では、特例投資家以外も不特法のSPCに投資できる 8.不特法では合同会社が現物不動産を保有することはできない 🟠答え 1.〇 2.〇 任意組合型や匿名組合型の場合は1号許可 3.× 投資家が適格特例投資家であり、ヴィークル(この問題においては不動産会社)が適格特例投資家限定事業の届出をすれば、不特法の許可は必要ない。 また、仮に任意組合が自ら組合の事業として業務を執行するときには、そもそも不特法の適用を受けない。?? ⇨任意組合型で不動産会社が業務執行組合員として事業をおこなう場合は1号が必要 4.× 不特法の1号事業者が不動産特定共同事業契約の締結を自ら行う場合には、2号事業の許可は不要 5.× 不特法の3号事業者が行うのは不動産取引であるので、金商法の第二種金融取引業者である必要まではない。 ※3号許可は必要! 6.O 不特法の4号事業者は、金商法の第二種金融取引業の登録も必要となる。 なぜなら、不特法の特例事業者と締結する組合契約上の権利は金商法上はみなし有価証券と位置付けれられているため、その組合契約上の権利の発行にかかる募集行為をするときには金商法の第二種金融取引業の登録が必要になる。 なお、不特法の4号事業を行うときの許可申請において、第二種金融取引業の登録が求められている。 7.〇 8.x 特例事業の届出をした合同会社(SPCの性質を有する)は、不動産取引を不特法の3号許可を受けた事業者に委託し、募集行為を不特法の4号許可及び金商法の第二種金融取引業の許可を受けた事業者に委託すれば、現物不動産を保有することができる ⇨現物GKTKスキーム
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不動産特定共同事業法では、投資家と不動産特定共同事業契約約款(以下、「約款」と言います。)に基づいて投資家と個別の不動産特定共同事業契約を締結しなくてはなりません。 しかし、以下の場合には約款に基づく契約締結義務はありません。 1.投資家が特例投資家のとき、かつ、 2.不動産特定共同事業契約上の権利義務を 他の特例投資家以外の者に譲渡することが 禁止されているとき 🟠不動産特定共同事業法の特例投資家とは 1.銀行 2.信託会社 3.金商法上の特定投資家 4.不動産特定共同事業者 5.認可宅地建物取引業者 6.不動産投資顧問業者 7.オリジネーター等 8.5 億円以上の資本金を有する株式会社 ※適格特例投資家限定事業にも、 約款規制は適用されない 紛らわしいですが、 特例投資家=不動産特定共同事業法 特定投資家=金融商品取引法 を混同しないようにしましょう 🟠一問一答 1.不動産特定共同事業法の特例投資家には金商法の特定投資家が含まれない 2.特例投資家のみを投資家として不動産特定共同事業を行うときは、例外なく約款の締結は不要になる 3.オプトインして金商法の特定事業者になれば、金商法の特定事業者は不動産特定共同事業法の特例投資家となるので、約款締結義務がなくなることがある 答え 1.× 2.× 不動産特定共同事業契約上の権利義務を他の特例投資家以外の者に譲渡することが禁止されている必要がある 3.〇 不動産特定共同事業法の特例事業において、第四号事業者が事業参加者を勧誘する行為は、金商法のみなし有価証券(集団投資スキーム)の発効にかかる勧誘になるため、事業参加者は金商法のオプトインをして金商法の特定事業者になることができる。 事業参加者が特定事業者になって、かつ、不動産特定共同事業契約上の権利義務を他の特例投資家以外の者に譲渡することが禁止されているときは、約款締結は不要になる
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不動産特定共同事業法では、 金商法の損失補填等の禁止(39条)と 適合性の原則(40条)が準用されます。 🟠損失補填禁止: 不動産特定共同事業の損失を補償することを予め約束してはいけない。 ただ、不動産特定共同事業者が法律違反を行い、 投資家に損害を及ぼしたときは損失補填は禁止されない。事業参加者が特例投資家でも例外はない。 🟠適合性の原則: 顧客の知識、経験、財産の状況、契約締結の目的に照らして不適当な勧誘を行なってはならないという原則。 (事業参加者が特例投資家だと適用されない?? 🟠一問一答 1.不動産特定共同事業法の事業者が、不動産から得られた金銭の分配を行う時に、投資家に当初約束した一定の分配金を分配するために、事業者として受領する予定であった報酬を減額した。このような行為は不動産特定共同事業法が準用する金商法で禁止される損失補填にあたるが、投資家が特例投資家であれば、損失補填を行うことができる 2.金商法は損失補填を禁止しているが、損失補償をするよう金商業者に約束させてた顧客も処罰の対象となる 3.不動産特定共同事業法の事業者の法令違反により、投資家に損害を及び、投資家に対して当初約束した一定の分配金を分配することが困難になった。そのため、当該事業者は投資家に与えた損害分の補填を行ったが、これは損失補填として禁止される行為にあたる 4.適合性の原則には、顧客の知識、経験等を踏まえて、当該顧客に対する勧誘をすること自体が適切かどうかを判断することも含む 答え 1.× 損失補償の禁止は、投資家が特例投資家であっても適用される 2.O 顧客が要求して損失補償の約束や実行をさせることも禁じられており、顧客も処罰の対象になる 3.× 不動産特定共同事業者が法律違反を行い、投資家に損害を及ぼしたときは損失補填は禁止されない 4.O
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不動産特定共同事業法のマイナー論点として、共有不動産を賃貸してその収益を投資家に分配する賃貸型の不動産特定共同事業と小規模不動産特定共同事業について過去に問われたことがあります。 賃貸型の不動産特定共同事業: 事業者と投資家との間で現物不動産を共有して、 投資家が事業者に対して共有不動産の賃貸又は 賃貸の委任をするタイプの不動産特定共同事業。 ひっかけポイント①:共有不動産の賃貸又は賃貸の委任が伴えば不動産特定共同事業となるが、事業者が共有不動産を用いて自らホテル事業を行うときはホテル事業は賃貸契約又は賃貸の委任にはあたらないので、不動産特定共同事業にはならない。 ひっかけポイント②:共有不動産を用いたホテル事業であっても、事業者がホテル運営者などに賃貸(マスターリース)するときは、賃貸にあたるので不動産特定共同事業になる 小規模不動産特定共同事業: 投資家一人あたりの出資額が原則100万円を超えず、かつ投資家からの出資総額が1億円を超えないときに、登録を行うことで許可が不要になる。 出資額が少額であっても、投資家が特例事業者であれば約款に基づく契約締結義務はない。 宅建業法:不動産特定共同事業1~4号事業者の許可には宅建業免許が必要。特例事業者はみなし宅建業者となる。 一問一答 1.アパートの区分所有権を共有せずに投資家に販売して、そのアパートの賃料収入を投資家に配当する事業は、賃貸型の不動産特定共同事業法にあたる 2.ビジネスホテルを営む事業者が、当該ビジネスホテルの区分所有権を投資家に共有持分化して販売した上で、ビジネスホテルから得られた宿泊料を基にした収益を投資家に配当する事業は、賃貸型の不動産特定共同事業法にあたる 3.小規模第1号事業者が小規模不動産特定共同事業を行うとき、投資額が少額なので、必ず約款に基づき契約を締結しなくてはならない。 4.不動産特定共同事業法の特例事業者は宅建業者とみなされて宅建業法の一部の適用を受ける。 答え 1.× 賃貸型の不動産特定共同事業法では、現物不動産を共有することが必要 2.× 事業者が自ら共有不動産でホテル事業を営んでも賃貸契約又は賃貸の委任をしたことにはならないので(ホテルに宿泊することは賃貸契約にはあたらない)、賃貸型の不動産特定共同事業法にはならない 3.× 出資額が少額であっても、投資家が特例事業者であれば約款に基づく契約締結義務はない 4.O
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金融商品取引法上、そういう方を「特定投資家」と呼び、業界で「プロ」と呼んでいます。 特定投資家に自動的にカテゴライズされるのは、例えば上場企業や私どものような金融商品取引業者、資本金5億円以上の会社などです。 こう言った方々は常に株式市場に触れていたり、また自分自身が有価証券を使った資金調達の当事者になったりする機会が多いので、「金融商品に慣れている」とみなされるということです。 さらに、特定投資家よりさらにプロ、「プロ中のプロ」といえる「適格機関投資家」というカテゴリーも存在します。 に該当します。 また、保有する有価証券が10億円以上の法人や個人も、届出をすることにより適格機関投資家となることができます。 たしかにそういった面々はプロ中のプロといえますよね。 このようなプロ扱いとなる方以外の方を、金融商品取引法上は「一般投資家」と呼び、業界では「アマ」と呼んでいます。 アマの方に対して募集行為を行う場合は、ファンドが投資する内容や締結する投資契約の条件、投資家が取得することになる有価証券の内容やそれらに関するリスクについて詳細に記載したものを交付しなければなりません。これを「契約締結前交付書面」といい、「目論見書」などとも呼ばれます。 そして制度上、アマである一般投資家が自ら申し出ることでプロ扱いをすることができ、また逆にプロである特定投資家が(制度上認められるカテゴリーの方の場合)希望すればアマ扱いになることができたりします。これを業界では「オプトイン」「オプトアウト」と言い、オプトインのことを「プロ成り」と呼んだりもします。 (その逆は「アマ成り」と呼ぶのかもしれませんが、実務上はプロ扱いの投資家がアマ扱いとなることを申し出ることはほとんどないので、あまりこのような言い回しは使いません) オプトインによりアマ扱いの一般投資家は目論見書の交付を受けずに契約をすることになります。 すなわち、自らが締結する投資契約の内容や様々なリスクに関して金融商品取引業者からの(法令上の)説明は受けずに契約する、ということになりますので、一般投資家にとってオプトインはそれなりにリスクがある手続きだ、と言ってもいいかもしれません。
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特定目的会社は、業務開始届出時に、 流動化の対象資産、投資家からの資金調達の内容、特定資産管理処分委託契約(AM契約)等を記載した資産流動化計画を内閣総理大臣に提出する必要があることが大きな特徴です。 そのため、基本的には当初の目論見に従って静的な維持管理を行う仕組みです。 しかし、業務開始後に新たな不動産を対象にする 場合など不動産資産流動化計画を変更する必要 があるときは、利害関係者全員の承諾があれば資産流動化計画を変更することも認められています。 ただし、取得する資産が不動産現物のときには、 既存の特定資産と密接関連性を有する必要があるという制限があります。 これは、特定目的会社は資産流動化計画の特定資産のみを流動化する代わりに宅建業法が適用されないという特別扱いを受けているため、制限なく資産流動化計画の変更を認めると不公平であるためです。 1.特定目的会社は、基本的には業務開始届出時に提出する資産流動化計画に従って維持管理を行う静的な仕組み 2.しかし、資産流動化計画に記載のない資産も、利害関係人全員の承諾があれば 資産流動化計画を変更して資産を取得できる。 ただし、取得する資産が不動産現物のときには、既存の特定資産と密接関連性を有する必要がある (不動産信託受益権のときは密接関係性は不要) 3.特定目的会社は業務開始届出書の提出前で あっても、特定資産の売主と交渉を行い契約を行うことができる。 事業開始届出書の提出時に、締結済の不動産売買契約書(予約契約でもいい)が必要 4.資産流動化計画には、 特定資産管理処分委託契約の契約書 又は調印済の予約契約書が必要である 🟠一問一答 1.特定目的会社による資産の流動化にあたっては、投資家利益の最大化のために、能動的なアセットマネジメントを行う必要がある。 2資産流動化計画に記載のない新たな特定資産を取得するときに、利害関係人全員の承諾があったとしても、その特定資産と密接関連性を有しない現物不動産を取得することはできない。 3.資産流動化計画に記載のない特定資産である不動産信託受益権を新たに取得するとき、利害関係人全員の承諾により資産流動化計画を変更をしたとしても、既存の特定資産と密接関係性がない不動産信託受益権は取得することができない。 4. 特定目的会社の特定資産とする目的で不動産の取得をするために売買契約を締結する場合には、売買契約の締結前に特定目的会社の業務開始届出書を提出しておく必要がある 5.資産流動化計画には、調印済の特定資産管理処分委託契約(AM契約)の契約書が必要である 答え 1.× 特定目的会社は基本的には当初の目論見に従って静的な維持管理を行う仕組みである 2.O 3.× 不動産信託受益権のときは密接関係性は不要 4.× 業務開始届出書の添付書類に、契約書の写しが求められる。つまり、特定資産の売買契約を締結したあとで、業務開始届出書を提出すればいい。 5.× 資産流動化計画の作成時にはまだ事業の開始はしていないので、特定資産管理処分委託契約の契約がまだのときは、調印済の予約契約書でもいい
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特定目的会社は、 特定社員と優先出資社員による出資と、 特定社債・特例借入で構成されるヴィークルです。 特定出資に出資する特定社員が 取締役の選任・解任、決算の承認などの 主要な意思決定を行います。 また、特定資産管理処分受託者が不動産現物を保有するときのみ必要であることも頻出です。 🟠取締役・監査役 特定資産の譲渡人は、 特定目的会社の取締役・監査役になれない 🟠特例社債・特定借入れ 1.特例社債は業務開始届出を行った後に行う必要がある。但し、特定資産を取得するためのデューデリジェンス費用等の支出のための費用の調達のためには、業務開始届出書が受理される前でも借入れができる。 2.特例借入れの借入先は適格機関投資家・銀行に限定される。 🟠優先出資社員・特定社員 1.特定目的会社の取締役の選任・解任、 決算の承認は特定社員のみが議決権を持つ 2.定款で定めれば、優先出資社員にはみなし賛成 制度が使える(特定社員には使えない) 3.特定出資は必ず発行する必要があるが、 優先出資の発行は任意である 🟠特定資産管理処分受託者 →不動産現物なら必要、信託するなら不要 特定資産が不動産現物のときは、特定資産管理処分受託者(AM等)を置く必要がある。 特定資産が不動産信託受益権のときには、既に不動産の管理・処分を行う信託受託者が存在するので、特定資産管理処分受託者は必要ない 🟠自己運用業→あたらない 特定目的会社が不動産信託受益権を特定資産として保有して運用しても、金商法上の自己運用業にあたらない。 そのため、金商法の投資運用業者に投資判断の一任をする必要はない 🟠自己募集 →特定目的会社の取締役・使用人ができる、 特定資産の譲渡人は届出すればできる 特定目的会社の取締役・使用人が自ら募集等をすることができる。 特定目的会社に特定資産を譲渡する特定譲渡人は、届出をすれば同様に特定目的会社の発行する有価証券の募集の取り扱いができる。 金融商品取引業の登録は不要。 🟠特定目的会社の匿名組合出資 (ファンド間投資を想定) 特定目的会社は、匿名組合出資持分を取得することはできないが、不動産信託受益権の取得、管理、処分を行う匿名組合出資持分を取得(つまり、特定目的会社が他の不動産ファンドの匿名組合員になって他ファンドに出資すること)はできる 🟠一問一答 1.特定借入れの借入先は銀行または適格機関投資家である必要がある 2.特定目的会社は必ず特定出資を発行する必要があるが、優先出資の発行は任意である 3.特定目的会社の優先出資社員は決算の承認について議決権を持たない 4.特定目的会社の特定資産が不動産信託受益権のときには、既に不動産の管理・処分を行う信託受託者が存在するので、特定資産管理処分受託者を置く必要がない 5.特定目的会社の特定資産が不動産信託受益権のときに、金商法上の投資運用業者と投資一任契約を締結する必要がある 6.特定目的会社の特定資産が不動産現物のときには、特定資産管理処分受託者を置く必要がある 7.特定目的会社に特定資産を譲渡する特定譲渡人が特定目的会社の発行する有価証券の募集の取り扱いをするには、第一種金融商品取引業の登録が必要である 8特定目的会社が不動産信託受益権を保有する合同会社の匿名組合持分を取得することができる 答え 1.O 2.O 3.O 4.O 5.× 特定目的会社はみなし有価証券である信託受益権を特定資産として保有していても、金商法の自己運用業にあたらない。そのため、金商法上の投資運用業者をスキームに入れる必要はない 6.O 7.× なんでだっけ?SPVだから? 8.O
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金融商品取引業者は、金融商品取引契約を締結しようとするときは、あらかじめ顧客に対して契約締結前交付書面を交付し重要事項の説明をする必要があります。 しかし、金融商品取引法の「特定投資家」に対しては契約締結前交付書面の交付・重要事項の説明をする必要がありません。 「特定投資家」は金融商品取引法で定義が定められていますが、「特定投資家」以外の投資家もオプトイン(opt in)を金融商品取引業者に申し出ることで、「特定投資家」として扱われます。 「特定投資家」以外の投資家がオプトインすると「特定投資家」となり金融商品取引法・金融商品販売法の各種保護を得られなくなるので、金融商品取引業者はオプトインができることを告知する義務はありません。 また、金融商品取引法で定義されている「特定投資家」に関しても、オプトアウト(opt out)の手続きをすることで「特定投資家」ではないもとして扱われます。 オプトアウトは、金融商品取引業者が特定投資家に対してオプトアウトできることを告知する義務があります。 (オプトアウトすると金融商品取引法・金融商品販売法の各種保護をが得られるため、投資家にとってメリットなので金融商品取引業者に告知義務を課しています。) 証券化マスターの試験では、金融商品取引法の「特定投資家」の定義と、オプトアウト・オプトイン制度の概要が問われます。以下の内容だけでも抑えておきましょう。 🟠金融商品取引法の特定投資家 〇 適格機関投資家 〇 国 〇 日本銀行 〇 特定目的会社 〇 上場会社 〇 資本金の額が5億円以上であると見込まれる株式会社 〇 金融商品取引業者 〇 外国法人 等 🟠一問一答 1.オプトインの手続きを行えば特定目的会社を特定投資家として扱うことができ、契約締結前交付書面の交付を省略することができる 2.金融商品取引業者は適格機関投資家に対してオプトアウトができる旨の通知をしなくてはならない 3.金融商品取引業者は外国法人に対してオプトアウトができる旨の通知をしなくてはならない 答え 1.X 特定目的会社は特定投資家なので、オプトインの手続きは不要 2.X 適格機関投資家はオプトアウトできない。適格機関投資家、国、日本銀行に対しては、オプトアウトをさせることで非特定投資家として扱い金融商品取引法の保護を与える必要はないため 3.〇
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金融商品取引業者の種類は登録制になっています。試験対策の観点からは、下記の金商業者の種類、扱う商品、兼業規制の有無を覚えておきましょう。 また、オリジネーターが不動産信託受益権の売主となるときには、金商法の登録が不要であることも頻出ポイントです。 ※オリジネーターが不動産信託受益権の売主となるときの注意 オリジネーターが信託を設定して当初委託者兼受益者となるときには、オリジネーターが不動産信託受益権の発行者とみなされる。 金商法上、信託受益権の発行に際しての勧誘行為(自己募集)は、金融商品取引行為にあたらないため、オリジネーターは金融商品取引業の登録なしで不動産信託受益権の売主として販売勧誘行為を行うことができる。 (なぜこのような扱いになるかというと、 金商法の信託受益権はみなし有価証券であるものの、募集・私募のときに金融商品取引行為となる有価証券に信託受益権が含まれていないから。 なお、募集・私募の「取扱い」のときに金融商品取引行為となる有価証券には信託受益権が含まれている。 そのため、第三者がオリジネーターである当初委託者兼受益者のために信託受益権の募集・私募の取扱いを行うときには、その第三者は金融商品取引業の登録を受ける必要がある。) 🟠一問一答 1.宅建業者が匿名組合持分を投資家に販売するときには、第二種金融商品取引業の登録が必要である。 2.宅建業者が信託を設定して当初委託者兼受益者となり、不動産信託受益権の売主として販売勧誘行為を行うとき、金融商品取引業の登録は不要である。 3.第二種金融商品取引業を行う者には兼業規制があり、金融商品取引業以外には付随業務、届出業務(別途登録・免許を受けて貸金業や宅建業を営むことなど)、承認業務(建築確認等許認可取得、官庁折衝など)のみ行うことができる。 4.GK-TKスキームのSPCが不動産信託受益者として信託受託者に指図権を有しているとき、金融商品取引法の投資運用業者であるAMがその指図権を行使することで、例えばビルの保守管理方法などの軽微な点についても指図することができる。しかし、投資運用業者には金融商品取引法上の兼業規制があるため、信託受託者への指図が付随業務、届出業務、承認業務にあたる内容かに注意する必要がある。 5.金融商品取引業者は日本証券協会等の自主加入団体への加入が義務付けられている 6.第二種金融商品取引業者は、認可又は認定金融商品取引協会に加入していれば当該協会の自主規制規則に従う必要があるが、加入していなければ従う必要はない 7.第一種金融商品取引業と第二種金融商品取引業のいずれも最低資本金は原則として5,000万円である 8.不動産証券化のスキームを検討し、関係当事者との調整を行う者はアレンジャーと呼ばれるが、アレンジャーは金商法上のアレンジャー登録を行う必要がある。 9.第二種金融商品取引業を個人で行うときには営業保証金の供託が必要である。 10.GK-TKスキームのSPCが現物不動産を取得し、信託受益権化した上で、SPCが自ら信託受益権を販売するとき、当該SPCは第二種金融商品取引業の登録が必要である 答え 1.〇 2.〇 宅建業者が当初委託者兼受益者になるので宅建業者はオリジネーターであるが、オリジネーターは金融商品取引業の登録なしで不動産信託受益権の売主として販売勧誘行為を行うことができる。 3.× 兼業規制があるのは第一種金融商品取引業者と投資運用業者 4.〇 投資運用業者であるAMは、本来業務の投資判断に加えて、付随業務、届出業務、承認業務のみ行うことができるため、信託受託者への指図権の行使にあたっても指図が兼業規制との関係で問題ないか検討する必要がある。 5.× 6.× 第二種金融商品取引業者は、認可又は認定金融商品取引協会に加入していなくても当該協会の自主規制規則に準ずる社内規則を作成し、その社内規則を遵守する体制を整備しなくてはならない 7.× 8.× 金商法にはアレンジャーの登録制度はない。 9.〇 10.× SPCが信託を設定して当初委託者兼受益者となるので、信託受益権のSPCによる自己募集行為は金融商品取引行為にはあたらず、金融商品取引業の登録も必要ない
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合同会社(GK)と匿名組合契約(TK)を組み合わせたGK-TKスキームにおいて、不動産ファンドの実務においては、投資運用業の登録をしたAMに運用を一任することが一般的です。 しかし、匿名組合契約を締結する投資家が適格機関投資家でかつ一定の条件を満たす一般投資家が49名までであれば、届出することで投資運用業者のAMに運用を一任する必要がなくなります (適格機関投資家が自己運用・自己私募を行うことができる) これを適格機関投資家特例業務といいます。 🟠GK-TKスキームのパターン (投資運用業者に運用一任か、 投資家が適格機関投資家か) 適格機関投資家特例業務の届出者も、契約前締結書面の交付義務等の行為規制は適用される。 (2015年の金商法改正前までは、適格機関投資家特例業務の届出者には虚偽告知と損失補填の禁止のみが課されていたが、現在では規制が強化されている。) 🟠一問一答 1.適格機関投資家特例業務とは、適格機関投資家が投資家となることでSPCが自己運用業を行うために投資運用業の登録をする必要がなくなる制度であるが、匿名組合員の中に最低でも1名の適格機関投資家が必要になる 2.適格機関投資家特例業務における投資家として、適格機関投資家以外の投資家を含むことができるが、その投資家は資本金又は純資産が5,000万円以上の法人等である必要がある 3.適格機関投資家特例業務を行うためには、金商法に基づく登録は不要である 4.適格機関投資家特例業務においては、金商法の契約締結前交付書面を交付する必要はない 答え 1.〇 2.〇 3.〇 なお、適格機関投資家特例業務の届出は必要 4.X 金商法の契約締結前交付書面を交付する必要はないのは特定投資家。適格機関投資家特例業務においては、特定投資家ではない一般投資家も存在し得ることに注意
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ファンドを組成してファンドの投資家を募るというのは、金融商品取引法の金融商品取引業者が有価証券の取得の募集をするということです。 金融商品取引法では、一定の条件のもとでは、 有価証券の募集に際して有価証券届出書又は 有価証券通知書を提出する必要があります (開示規制) 特に、第一項有価証券は50名以上に勧誘すると 公募になるのに対して、第二項有価証券は勧誘を行い500 人以上が取得するときに公募になること (つまり500名以上に勧誘しても自動的には公募にはならないこと)がひっかけ問題として頻出です。 〇 第一項有価証券の勧誘先の数50名は、 同種の有価証券につき過去6カ月を通算する 〇 有価証券届出書又は有価証券通知書の届出を行わないときには、一定の例外を除いて、届出を行っていないことを相手方に告知する必要がある 〇 有価証券届出書を提出するときはEDINETを使わなければならない。(有価証券通知書を提出するときはEDINETは使わなくてもよい) 〇 一項有価証券等の総額1億円以上の募集・売り出しにかかる取得勧誘は、有価証券届出書の提出をするまでは勧誘を行うことはできない(届出の発効までは不要) 〇 それまでに有価証券届出・報告書を提出してていない会社が発行する株式を上場するときは、発行額が1億円未満でも有価証券届出書を提出する必要がある 一問一答 1.第二種金融商品取引業者は、匿名組合出資持分の発行に際して募集や私募の取り扱いをすることはできない 2.金商法の一項有価証券を1億円以上発行するときの取得の勧誘は、有価証券届出書又の届出が発効するまではすることができない 3.投資法人の投資証券や特定目的会社の優先出資証券は第一項有価証券であるので、50 名以上の者に勧誘するときには、公募の要件を満たす。 4.第一項有価証券の勧誘先の数は、同種の有価証券につき過去6カ月を通算する。 5.第二項有価証券について、500名以上の者に勧誘するときには、公募の要件を満たす 6.第一項有価証券について、適格機関投資家のみを対象とするプロ私募と呼ばれる私募の類型があり、その類型では勧誘を行う適格機関投資家の人数の制限はない 7.第一項有価証券の募集・売出しの発行価格が1億円以下であれば有価証券届出書の提出は不要であるが、発行額が1,000万円以上であれば有価証券通知書の提出が必要である 8.有価証券届出書を提出するときはEDINETを使わなければならないが、有価証券通知書を提出するときはEDINETは使わなくてもよい 9.それまでに有価証券届出・報告書を提出してていない会社が発行する株式を上場するときは、発行額が1億円未満でも有価証券届出書を提出する必要がある 10.不特法の特例事業の事業参加者の権利は第二項有価証券となるため、500名以上の者に勧誘するときには、有価証券届出書の作成・提出が必要となる。 答え 1.× 匿名組合出資持分の募集や私募の取り扱いは第二種金融商品取引業者でも扱うことができる 2.× 募集・売出しは届出が発効するまではすることができないが、勧誘は届出さえすればすることができる 3.O 4.O 5.× 勧誘を行い500名以上が第二項有価証券を保有するときは公募となる。500名以上に勧誘を行っても実際に500名以上か保有しなければ公募とはならない 6.O 7.O 8.O 9.O 10.× 不特法の特例事業の事業参加者の権利はみなし有価証券にあたる。 しかし、不特法の事業は現物不動産に投資する事業であるため、「出資総額の50%超を有価証券に投資する事業」には該当せず、有価証券届出書の作成・提出は不要
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🟠金融商品仲介業 第一種金融商品取引業者、投資運用業者又は登録金融機関の委託を受けて、有価証券の売買の媒介・勧誘を行う業務を金融商品仲介業という。 金融商品仲介業者も金融庁検査の対象となる。 金融商品仲介業は、あくまで金融商品取引業者等のために媒介・勧誘をおこなうので、金融商品取引業者等に代理して契約を締結する権限はない。 そのため、契約締結時交付書面の交付を金融商品仲介業者は行わない。 一方で、金融商品仲介業につき顧客が被害を被ったときは、委託者(つまり、金融商品取引業者等)が賠償責任を負う。 🟠外務員 金商法の有価証券(みなし有価証券を含む)を販売するときは、みなし有価証券のみを扱うときを除いて、登録を受けた外務員が行わなくてはならず、違反すると刑事罰の対象になる。外務員は一切の裁判外の行為を行う権限があるものとみなされる。 🟠一問一答 1.金融商品仲介業者は、勧誘の相手方に対する契約締結時交付書面の交付義務を負う 2.金融商品仲介業者も金融庁検査の対象となる。 3.第一種金融商品取引業者が外務員の登録をしていない者に第一項有価証券の媒介・勧誘を行わせたときは、刑事罰の対象になる 4.金商法の有価証券を販売するときは、みなし有価証券のみを販売するときでも、登録を受けた外務員が行わなくてはならない 答え 1.× 2.O 3.O 4.× みなし有価証券のみを扱うときには登録を受けた外務員が販売をしなくてもいい
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🟠投資家に交付する義務がある書面 🟡目論見書: 有価証券等を1億円以上公募・売り出しするときに投資家に交付する義務。 不交付による損害があれば故意過失の有無を問わず賠償責任を負う。 私募のときは目論見書は必要ないが、届出が行われていないことを投資家に告知する必要がある。 広告等が目論見書であるという誤解を避けるために、「投資判断は目論見書を見て行うべき旨」や「目論見書の入手方法・入手場所」を表示する等の対応が必要 🟡契約締結前交付書面 特定投資家には不要 🟡契約締結時交付書面: 特定投資家に対しては不要。 なお、金商法以外でも、 信託業法:金商法の適格機関投資家以外への説明義務 不特法:不特法の特例投資家以外への書面交付義務、 宅建業法:宅建業者が信託受益権を販売するときの金商法の特例投資家以外への重説・書面交付義務 がそれぞれ定めらえている。 🟡法定帳簿 契約締結前交付書面や契約締結時交付書面の保存を欠くと、刑事罰の対象になる。 一問一答 1.交付義務のある目論見書の交付をしなかったとき、その不交付について故意過失がなければ、不交付と相当因果関係のある損害について賠償責任を負わない 2.特定投資家に対しては契約締結時交付書面の交付の必要はない 3.金融商品取引業者が契約締結時交付書面の保存をしていなかったとき、監督官庁である金融庁から行政処分を受ける可能性があるが、刑事罰の対象にまではならない 4.投資法人の投資口の発行が私募で行われるときは、目論見書の交付は必要ない 5.宅建業者である第二種金融商品取引業者が不動産信託受益権の販売の代理・仲介を行うとき、相手方が特定投資家でない限りは、宅建業法の書面交付義務に加えて、金商法の書面交付義務がある。 答え 1.× 目論見書の不交付による損害があれば故意過失の有無を問わず賠償責任を負う 2.O 3.× 4.O 5.O
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🟠情報管理・守秘義務 〇 第一種金融商品取引業者と登録金融機関は、 書面による同意なしに顧客に関する非公開情報を 親会社・子会社等に共有することは 規制されている(金商法) 〇 個人情報保護法の対象は、特定の個人情報を 検索できるように体系的に構成した情報の集合物 を事業の用に供する者が対象になる (たとえば、電話帳に顧客リストが入っている ような状況も含むと考えられているため、 ほぼ全ての企業が対象になる) 🟠犯罪収益移転防止法 〇 資金移動を行う特定事業者に対して、 本人特定事項の確認などの義務を課している 〇 顧客が法人のときなど、顧客と取引担当者が 異なるときには顧客だけでなく取引担当者の 本人特定事項の確認も必要 〇 過去に取引がある顧客には都度改めて確認する 必要はない。しかし、イランや北朝鮮への 資金移動等マネーロンダリングが疑われるとき は、本人特定事項を再確認して、200万円超の 財産の移転のときは顧客の資産・収入の状況を 確認する必要がある。 一問一答 1.金商法上、第一種金融商品取引業者と登録金融機関は、親会社・子会社等との間である限りは、顧客に関する非公開情報のやりとりは禁じられていない 2.過去に取引がある顧客であっても、なりすまし取引等の疑いがあるときには本人特定事項を再確認する必要があり、また当該取引が200万円超のときは、それに加えて顧客の資産・収入の状況を確認する必要がある 答え 1.× 2.O
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🟠重要事項の説明義務がある顧客 金融商品販売業者等は、金融商品の販売(代理・媒介を含む)をするときは、以下の相手方以外には重要事項を説明する必要がある。 (金融サービス提供法では書面までは求められないが、金融商品取引法で求められる契約締結前交付書面を交付して説明することが多い) 1.特定投資家 2.オプトインをして特定投資家とみなされる投資家 3.金融商品販売業者 (オプトアウトした特定投資家は一般の投資家として扱われるので、重要事項の説明義務があることに注意) 顧客から説明を要しない旨の意思表示(金融サービス提供法では書面までは求められない)があれば、デリバティブ取引等でなければ、 重要事項の説明は不要 🟠金融サービス提供法の対象の金融商品販売行為 金融商品取引業法で金融商品取引行為にあたらないものの、金融サービス提供法の金融商品の販売行為にあたり金融サービス提供法の適用を受けるもの 〇 信託受託者が信託委託者と信託契約を締結する 〇 信託受益権の当初委託者兼受益者がSPCに 信託受益権を発行する行為 ※信託受益権の「売買」には金商法の適用がある が、「発行」は金商法の適用がない なお、不動産特定共同事業法は特例事業以外は金融サービス提供法の適用はない。 ⇨特例事業はサービス提供法の適用あり たとえば、現物を出資するときや賃貸型には金融商品販売法は適用されない 一問一答 1.金融商品販売業者等は特定投資家に対しては重要事項の説明義務はない 2.金融商品販売法上、金融商品販売業者等の重要事項の説明は口頭で行えば足り、書面の交付は不要である 3.オプトインして特定投資家とみなされる投資家には、金商法の契約締結前交付書面の交付と、金融商品販売法の重要事項の説明が不要になる 4.適格機関投資家がオプトアウトをすれば、金融商品販売業者等の重要事項の説明は不要になる 5.金融商品販売業者等が負う重要事実の説明義務には適用除外の規定があり、顧客から説明を要しない旨の意思表明が書面であった場合に限り、説明義務は不要になる。 6.不動産を現物出資する組合型の不動産特定共同事業法には金融商品販売法は適用されない 答え 1.〇 2.〇 3.〇 4.× 適格機関投資家、国、日本銀行はオプトアウトをすることはできない 5.× 書面までは不要 6.〇
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🟠金融サービス提供法の説明義務 🟡適合性のある説明義務: 顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品の契約を締結する目的に照らして、当該顧客に理解されるために必要な方法及び程度によるものでなければならない。つまり、顧客に応じて説明の方法や程度を変えなくてはならない。 🟡断定的判断の提供等の禁止: 不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤認させるおそれのあることを告げてはいけない。 金融サービス提供法の説明義務違反をすると、 事業者が損害賠償責任を負う。(刑事罰はない) 🟡損害額の推定: 金融商品販売業者等が重要事項について説明をしなかったこと又は断定的判断の提供等を行ったことによって当該顧客に生じた損害の額は、 元本欠損額と推定する。 説明義務違反と損害の因果関係については 推定規定がある。 🟠金融サービス仲介業 金融サービス提供法は、2020年に金融商品販売法から改正された法律で、新たに銀行、証券、保険分野を横断的にワンストップで仲介することができる登録制の金融サービス仲介業が創設された。 金融サービス仲介業は銀行や保険会社などの 特定の機関に属さない、町のほけんの窓口の ようなイメージ。 金融サービス提供法の金融サービス仲介業は、 金商法の金融商品仲介業と似ているが、 ①金融サービス仲介業は特定の金融機関に属さない ②そのため所属金融機関の賠償責任の制度はない ③専門的な商品は扱えない 点で異なる。 🟠消費者契約法 消費者契約法は投資契約についても適用されるが、一部制限がある。 例えば、事業者が消費者の住居に居座って契約に至ったときには、追認できる時から1年間(最長で契約締結から5年間)は取消せる。 消費者契約法には適合性の原則は規定されていない。 🟠一問一答 1.金融商品販売業者等が金融サービス提供法上の適切な説明を行わなかったことにより顧客に損害が生じたときには、元本欠損額が損害額と推定される 2.金融商品販売業者等が金融サービス提供法上の適切な説明を行わなかったことにより顧客に損害が生じたときには、損害が適切な説明を行わなかったために生じたと推定される 3.金融サービス提供法上の適切な説明がされないと刑事罰が課される 4.顧客ごとに説明内容に齟齬が生じることを防ぐために、顧客に応じて説明の方法等を変えることは避けるべきである 5.顧客の誤認を防ぐために、金融サービス仲介業者は銀行、証券、保険分野の商品のうちの一つの分野の商品のみを仲介を行うことができる 6.消費者契約法は個人と事業者の契約のすべてに適用されるので、投資口の取得についても取消権を制限なく行使できる 7.金融サービス仲介業につき顧客が被害を被ったときは、金融サービス仲介業者が商品を仲介した金融機関が賠償責任を負う。 8.事業者が消費者の住居に居座ったり勧誘場所から解放せずに契約に至ったときには、契約書面を受け取った日を含め8日以内は取消せる。 答え 1.〇 2.〇 3.× 4.× 5.× 6.× 7.× 金融サービス仲介業は特定の金融機関に属さないので、金融機関による賠償責任の制度はない(その代わりに保証金供託の制度がある。) 8.× 契約書面を受け取った日を含め8日以内ではなく、追認できる時から1年間 (最長で契約締結から5年間)
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主な行為規制として 契約締結前・締結時の書面交付義務、 損失補填の禁止、 適合性の原則があり、 金融商品取引業法、不動産特定共同事業法、金融サービス法に定められています。 ============ 🟠損失補填禁止: 事業の損失を補償する事を予め約束してはいけない ただ、事業者が法律違反を行い、投資家に損害を及ぼしたときは損失補填は禁止されない。事業参加者が特例投資家でも例外はない。 🟠適合性の原則: 顧客の知識、経験、財産の状況、契約締結の目的に照らして不適当な勧誘を行なってはならないという原則。 (事業参加者が特例投資家だと適用されない?? ============ ⭕️適用される ❌適用されない 🟠金融商品取引法 書面交付義務 ⇨原則⭕️ 特定投資家❌ 適格機関投資家⭕️ ※特定には適用されないが適格にはされる!? 損失補填の禁止 ⇨原則⭕️ 特定投資家⭕️ 適格機関投資家⭕️ 適合性の原則 ⇨原則⭕️ 特定投資家❌ 適格機関投資家⭕️ 🟠不動産特定共同事業法 書面交付義務 ⇨原則⭕️ 特定事業❌ 適格特例投資家事業⭕️ ※特定には適用されないが適格にはされる?! 損失補填の禁止 ⇨金商法準用? 全てに適用⭕️⭕️⭕️ 適合性の原則 ⇨金商法準用? ⭕️❌❌? 🟠金融サービス法 書面交付義務 ⇨原則、特定顧客ともに❌ 適用しない! ※つまり、口頭説明でOK 実務的には書面あり 損失補填の禁止 ⇨そういうのはなさそう 適合性の原則 ⇨原則⭕️ 特定顧客❌ 試験でも横串で聞かれると意外と間違えてしまうところなので、この機会にまとめておきましょう。 一問一答 1.適格機関投資家特例業務では、顧客の投資経験が相当に高いと思われるので、顧客の知識、経験、財産の状況及び金消契約を締結する目的な勧誘を禁止する適合性の原則に立脚する必要はない 2.金商法の特定顧客に対しては、契約締結時交付書面の交付が免除されている ※金商法?キンサ法ではないのか? 3.金融サービス法の重要事項の説明は口頭で行えばよく、書面の交付は必要ない 4.金融商品販売業者等は、たとえば元本欠損が発生する可能性がある等の重要事項については、すべての顧客に対して何らかの説明をしなくてはならない 5.金商法の損失補填等の禁止の規定は、不特法で準用されている 6.不動産特定共同事業法の商品を特例投資家に販売するときに、不動産特定共同事業者は当該特例投資家に対して適合性の原則に基づいた勧誘を行わなくてはならない 7.金商法の適合性の原則の規定は、不特法及び金融サービス法で準用されている 8.不動産特定共同事業法の商品を販売するときには、金商法の規制は適用されない 答え 1.× 適合性の原則は金商法の適格機関投資家特例業務においても適用される。もともと適格機関投資家特例業務には適合性の原則は適用されていなかったが、適格機関投資家特例業務届出者が投資知識のない高齢者に対して自己私募を行い被害が生じる事例が多発したので、金商法が法改正された経緯がある。 2.O 3.O 実務上は、金商法・不特法の契約締結時等の交付書面を用いて説明することが多いです 4.× 特定顧客に対しては不要 5.O 6.× 不動産特定共同事業法の特例投資家には適合性の原則の適用はない 7.× 金商法の適合性の原則は不特法では準用されているが、金融サービス法では金商法の準用ではなくて金融サービス法独自の適合性の原則に関する条文を置いている。 8.× 不動産特定共同事業法の特例事業の契約上の権利は、金商法上の集団投資スキームにあたるので、金商法の規制も適用される。
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各スキームで宅建業法がどのように適用されるかについて、毎年何かしらの選択肢の中で問われています。このセクションで整理しておきましょう 各スキームと宅建業法との関係 🟠宅建業法の適用 ・不動産特定共同事業 ⇨適用⭕️みなし宅建業者 ※1〜4号事業者は宅建免許を有するため ・投資法人 ⇨適用⭕️みなし宅建業者 ※資産運用会社が宅建業免許を有するため ・特定目的会社 ⇨不適用❌ ※資産流動化計画では不動産の取得が制限される ・金商法GKTK ⇨不適用❌ ※GKTKは信託受益権のみ(現物不動産扱わない) 🟠AM等の宅建業免許の要否 ・不動産特定共同事業 ⇨必要⭕️ 1〜4号事業者、適格特例投資家限定事業者 なお、特例事業者は不要(でも業法の適用あり) ・投資法人 ⇨必要⭕️資産運用会社 ・特定目的会社 ⇨こっちは必要!!⭕️特定資産管理処分受託者 ・金商法GKTK ⇨不要❌ 一問一答 1.投資法人には宅建業法の適用はない 2.特定目的会社はみなし宅建業者となり宅建業法の一部の適用をうける 3.不動産特定共同事業法の特例事業者は、不動産特定共同事業法の第3号事業者に不動産取引を委託することになるので、宅建業法の適用は受けない 4.金商法のGK-TKにおいては、信託を利用して現物不動産の管理・処分は信託受託者が行うのであれば、宅建業法の適用はない 答え 1.× 投資法人はみなし宅建業者となり 宅建業法が適用される 2.× 特定目的会社には宅建業法の適用はない 3.× 不動産特定共同事業法の事業者は、特例事業者も含めて宅建業法の一部の適用がある 4.O
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特定目的会社と投資法人の違いを問う総合問題がほぼ毎年出題されています。以下の主な違いを整理しておきましょう 特定目的会社と投資法人の比較 🟠設立の主な要件 特定目的会社会社 資産流動化計画 投資法人 出資金1億以上、現物出資は🆖 🟠資産運用の委託 特定目的会社会社 不要 投資法人 必要 🟠資産の管理処分保管の委託 特定目的会社会社 ⇨信託受益権なら不要だが、現物不動産の場合は、 特定資産管理処分受託者への管理処分の委託必要 投資法人 ⇨資産保管会社への保管の委託が必要 ※現物不動産の管理処分は別に委託しなくても… 🟠宅建業法の適用 特定目的会社会社 ⇨適用されない ※資産流動化計画で不動産取得制限されてる 投資法人 ⇨投資法人がみなし宅建業者になるので 🟠自ら募集 特定目的会社会社 ⇨自ら募集は金融商品取引にあたらない 投資法人⇨🆖 🟠決算の承認 特定目的会社会社⇨特定社員 投資法人⇨役員会 🟠みなし賛成制度 特定目的会社会社 ⇨規約で定めれば優先出資社員の議決権のみ🆗 投資法人 ⇨規約で定めれば🆗 🟠従業員の雇用 特定目的会社会社⇨🆗 投資法人⇨🆖 秘書もダメ 🟠資産取得時の鑑定 特定目的会社会社 ⇨一定の場合で取得が不要 投資法人 ⇨絶対に利害関係人ではない鑑定士から鑑定を 取得する!義務! 一問一答 1.特定目的会社では投資判断を社員総会の決議で決めることができるが、投資法人では投資判断を投資法人の役員会で行うことは想定されていない⭐️ 2.不動産に対する投資を目的とする投資法人は、宅建業法の宅建免許及び取引一任代理等の認可を有し、金融商品取引法業法の投資運用業の登録をした資産運用会社に投資運用を委託する必要がある。 3.現物不動産を取得するとき、特定目的会社と投資法人は当該現物不動産の管理・処分を第三者に委託する必要がある 4.特定目的会社は現物不動産を取得することができ、特定目的会社はみなし宅建業者となる。 5.特定目的会社の社員総会、投資法人の投資主総会の両者において、特定目的会社の特定社員・優先出資社員と投資法人の投資主の議決権について、出席していなくても議案に賛成したとみなす旨を規約で定めることができる 6.特定目的会社は本店以外に支店を設けたり従業員を雇用することができるが、投資法人は本店以外に支店を設けたり従業員を雇用することはできない。 答え 1.O ⭐️ 投資法人では投資運用を資産運用会社に委託する必要があるため、投資判断を投資法人の役員会で行うことは想定されない。 特定目的会社は資産運用業者への委託は必要ではないため、特定目的会社の社員総会の決議で投資判断を行ってもいい 2.O 3.× ⭐️ 投資法人では資産管理保管会社に保管を委託する必要ではあるが、現物不動産の管理・処分を委託する必要まではない。 なお、特定目的会社は現物不動産を取得するときには特定資産管理処分受託者に管理・処分を委託する必要がある。 4.× 特定目的会社には宅建業法が適用されない 5.× 特定目的会社では、特定社員の議決権にはみなし賛成制度は使えない 6.O 投資法人について秘書も含めて雇用できないことは、投資法人①組織関係の論点で学習しました。特定目的会社では、支店を設けたり従業員を雇用することができることに注意しましょう。
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103法律編では、賃貸借契約についても出題されます。特に、改正民法におけるテナント承諾関係の論点についてはレジュメでも厚めに説明されているので、抑えておきましょう。 🟠オリジネーターの信託譲渡 当初委託者(オリジネーター)から信託受託者に信託譲渡されたとき、 信託受託者が対抗要件を備えれば、 対象不動産に設定されている賃貸借契約上の賃貸人としての地位を、 信託受託者は新所有者として自動的に承継する。 🟠セールス・アンド・リースバック (譲渡人がマスターレッシーとなるとき): 改正民法ではテナント承諾書は不要 セールス・アンド・リースバック構成を取り、 譲渡人が譲受人に対して所有権を移転するとき、 譲受人と譲渡人の合意があれば 賃貸人たる地位を譲渡人が維持することができる。 ※改正民法では、このときテナントの承諾書は不要 マスターレッシーとして、賃貸人たる地位を譲渡人(オリジネーター等)が維持しているケースで、譲渡人の債務不履行等によりマスターリースが終了したときは、譲受人(新所有者)に賃貸人の地位が自動的に移転する。 🟠賃貸人たる地位を維持してた譲渡人の マスターリースが終了する場合、 新たなマスターレッシーが登場するとき :旧民法と同様でテナント承諾書が必要 譲渡人が譲受人に対して所有権を移転するとき、 譲渡人がマスターレッシーになるのではなく、 新たな第三者が譲受人との間でマスターリース契約をしてテナントに転貸するときには、 テナントは賃借権から転借権になるため、 旧民法と同じくテナント承諾書が必要。 🟠問題 対象不動産が当初委託者(オリジネーター)から信託受託者に譲渡されるときに、 既存のテナントと新所有者である信託受託者との間に入り、既存のテナントに対して転貸借を行うマスターレッシーが入ることがある。その場合について、以下の記述の正誤を答えよ 1.オリジネーターがマスターレッシーになるときに、テナントの承諾があれば、オリジネーターは賃貸人たる地位を維持することができる。 2.オリジネーターがマスターレッシーとなり、 オリジネーターは賃貸人たる地位を維持していたが、後にオリジネーターの債務不履行によりマスターリース契約が解除された。 このとき、新所有者である信託受託者に賃貸人の地位が自動的に移転する。 3.新たな第三者がマスターレッシーになるときに、テナントの承諾がないと、マスターレッシーはテナントとの間で賃貸人たる地位を主張できない。 答え 1.× セールス・アンド・リースバックのときにはテナントの承諾は不要。譲渡人と譲受人の合意があればいい。 2.〇 3.〇 テナントは賃借権から転借権になるため、テナント承諾書が必要。
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通常の信託では、信託財産の受託者が信託事務の処理により負うことになった債務について、 受託者はその信託財産だけではなく 受託者の固有財産からも負担します。 この債務を、信託財産責任負担債務といいます。 たとえば、不動産の信託受託者である信託銀行が、その不動産が原因で第三者に損害賠償を負うことになったときには、信託財産のみでなく、 信託銀行自らの資産からも損害賠償債務を 負担しなくてはならない、ということです。 しかし、そのような債務を負うことは信託受託者には酷なので、信託法上では、 信託財産をもってのみで債務の負担をする 信託財産限定責任債務があります。 実務上は、信託財産限定責任債務となるように特約を結ぶことが殆どです。 また、不動産証券化の実務で使うことは稀ですが、受託者の固有財産等のみで負担する固有財産等責任負担債務もあります。 🟠信託受託者の債務の種類と負担財産 ①信託財産責任債務 ⇨信託財産と固有財産が負担する範囲 ②信託財産限定責任債務 ⇨信託財産のみ ③固有財産等責任負担債務 ⇨固有財産と、そのほかの信託財産も。 一問一答 1.信託受益者が、信託不動産に瑕疵があることにより第三者に対して損害賠償債務を負ったが、 信託受託者は自己の固有財産をもって責任を負うことはない 2.不動産の信託受託者が、当該信託不動産の賃貸人として賃借人に対して負う敷金返還債務は、 信託受託者が自己の固有財産をもって負担する必要がある。 3.信託受益権者に分配されるべき信託収入(受益債権)を、信託銀行は自らの債務を返済に充当してしまった。このときに、信託受益権者は信託銀行の固有財産から信託収入 の分配を受けることができる 答え 1.× 受託者が信託財産の事務の一環や信託財産が原因で生じる債務を負担するときには、特約等がなければ、信託財産と信託受託者の自己の財産が責任財産になる 2.O 信託財産である不動産の賃貸借契約上の債務は、信託財産責任債務となり、受託者の固有財産も責任財産になる。 3.× 受益債権は信託財産限定負担債務なので、信託銀行は自己の固有財産でもって債務を履行しなくてもよい 2と3よくわからはい
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自己信託業とは、現物不動産を保有しているオリジネーターが当該不動産を信託受益権化して、投資家に販売する信託法上の業のことです。 50人以上の投資家が信託受益権を取得するときには、自己信託業の登録をする必要があります。 ただ、オリジネーター(受託者)が信託受益権の全部を1年間継続して保有するときは、信託が終了すると定められています。 また、信託財産は独立しているので、信託委託者や受益者の債権者等は債権保全のため信託財産そのものの差押さえ等をすることができません (信託財産の独立性) しかし、自己信託は、オリジネーターが自己が保有する不動産の差押さえを逃れるために使われる懸念もあるため、信託財産の独立性の例外として、 自己信託でオリジネーターがその債権者を害する ことを知ってした信託については、 オリジネーター(受託者)の債権者等は 債権保全のため信託財産の差押さえ等をすることができます。 🟠信託財産の独立: 信託委託者や受益者の債権者等は債権保全のため信託財産そのものの差押さえ等をすることができない(なお、信託委託者が保有する信託受益権の差し押さえをすることはできる) 🟠信託財産の独立の例外: 自己信託におけるオリジネーター(受託者)の詐害行為 一問一答 1.オリジネーターが保有する現物不動産に対して自己信託を設定した。この場合、オリジネーターは信託受益権の全部を1年を超えて保有することはできない。 2.オリジネーターが保有する現物不動産に対して自己信託を設定して、当該信託受益権を49人の投資家に売却するときには、自己信託業の登録が必要になる。 3.金商法のGK-TKの営業者が不動産信託受益権を保有しているとき、営業者の債権者は信託財産である不動産に対して仮差押や強制執行をすることができない。 4.オリジネーターが保有する現物不動産に対して自己信託を設定したとき、当該信託行為が詐害行為にあたるときは、オリジネーターの債権者は債権保全のために仮差押さえをすることができる。 答え 1.O 2.× 3.O 4.O
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組合の制度について、数年に一度問われています。内容は簡単なので、試験までに一度目を通しておきましょう。 ぜんぜんおぼえてない。 🟠根拠法 匿名組合 商法 任意組合 民法 投資事業有限責任組合 特別法 🟠対外的な共同事業制 匿名組合 ❌営業者の単独事業 任意組合 ⭕️ 投資事業有限責任組合 ⭕️ いみよくわからん 🟠業務執行 匿名組合 営業者が単独執行 任意組合 任意組合員が単独執行 投資事業有限責任組合 無限責任組合員が単独執行 有限責任組合員の執行は🆖 🟠登記の要否 匿名組合 不要 任意組合 不要 投資事業有限責任組合 必要!(第三者対抗要件) 🟠債務の負担 匿名組合 有限責任 任意組合 無限責任 投資事業有限責任組合 無限責任組合員と有限責任組合員がいる 🟠財産に対する権利 匿名組合 営業者に帰属 任意組合 総組合員の合有 投資事業有限責任組合 総組合員の合有 🟠営業の範囲 匿名組合 - 任意組合 - 投資事業有限責任組合 現物不動産の取得と保有は🆖 信託受益権や集団スキームは🆗 🟠一問一答 1,匿名組合は商法、任意組合は民法、投資事業有限責任組合は特別法を根拠法としている。 2.匿名組合員は営業者の行為につき第三者に対して義務・義務を負わないため、基本的には有限責任であるとされている 3.有責組合は登記により成立する 4.すべての有責組合員は無限責任を負う 5.有責組合では無限責任組合員と有限責任組合員が共同で業務執行を行う 6.匿名組合の組合財産に対する権利は総組合員の合有となる 7.有責組合の事業目的には現物不動産の取得・保有は含まれていないが、不動産信託受益権の取得及び保有は否定されない 答え 1.O 2.O 3.× 有責組合は民法の任意組合を基礎とする特別法に基づく制度で、任意組合と同じく共同事業と出資の合意で成立する。有責組合の登記は第三者対抗要件であって、成立要件ではない。 4.× 有責組合は無限責任組合員と有限責任組合員で構成される 5.× 無限責任組合員が業務執行する 6.× 7.O
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J-REITの利益相反取引規制は、投信法と金商法で規定されている手続きの中身が問われます。 J-REITの利益相反取引規制 🟠投信法での規制 ①投資法人の監査役員と一定の関係をもつ者 への資産運用委託の禁止 ②投資法人と資産運用会社の一定の 資産取引禁止 ③利益相反取引を行う場合は投資法人役員会の 事前同意が必要、取引書面を投資法人へ交付 ④不動産鑑定は第三者 🟠金商法での規制 ⑤有価証券報告書等で利益相反取引の制限の 有無や内容を記載 ※上記の法律での規制に加えて、投信協会規則、東証規則、各社の社内規則で追加の規制がある。 🟠一問一答 日本ビルファンド投資法人は三井不動産により設立され、運用会社の日本ビルファンドマネジメントとともに、三井不動産が利害関係人となっている。日本ビルファンド投資法人が、三井不動産から不動産を取得するときに必要な以下の手続きについて、正誤を答えよ。 1.日本ビルファンドマネジメントは、三井不動産から不動産を取得した後に、金融庁に対して取引報告書面を提出した。 2.日本ビルファンドマネジメントは、三井不動産から不動産を取得するに際して、社内の不動産鑑定士により対象不動産の鑑定評価を行い、その結果を日本ビルファンド投資法人に提出した。 3.日本ビルファンドマネジメントは、三井不動産から不動産を取得する前に、日本ビルファンド投資法人の執行役員から事前の同意を得た(当該執行役員は、役員会での同意を得た)。 4.日本ビルファンド投資法人は、三井不動産から取得した高級マンションの一室を、投信法上の手続きを経ることなく三井不動産の取締役に対して賃貸した。 答え 1.X 取引報告書面は資産運用会社から投資法人に対して提出する。金融庁への提出は不要 2.X 第三者鑑定を取得する必要がある 3.O 4.O 資産運用会社の親会社の取締役と不動産取引を行うことは投信法上で禁止されていない。ただ、一般論としては、社内ルール等で妥当性を検証するべきである。
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J-REITのインサイダー取引について毎年問われます。もともとは、J-REITが発行する投資証券の取引はインサイダー取引の規制対象外でしたが、法改正によりJ-REITもインサイダー取引の対象となりました。 インサイダー取引は、 J-REITの投資法人・資産運用会社を含む 「上場会社等に係る会社関係者等」が、 「重要事実」を知った場合において、 その「重要事実が公表される前」に、 その会社の株式等の売買等を行う取引 と定義されています。 関係者:資産運用会社の親会社を含む 重要事実:投資者の投資判断に著しい影響を与えるとされる、会社の運営、業務、財産に関する情報 公表される前:自社のホームページでの掲載、マスコミのスクープでは要件を満たさない 🟠インサイダー取引の定義 ※もともとは、J-REITが発行する投資証券の取引はインサイダー取引の規制対象外であったが、法改正によりJ-REITもインサイダー取引の対象となった。 🟠一問一答 1.従来は上場投資法人が発行する投資証券の取引はインサイダー取引の規制対象外とされてきたが、法改正によりJ-REITにも規制が導入された。 2.投資法人の資産運用会社のある従業員が「重要事実」を「重要事実が公表される前」に友人に話した。 友人は「重要事実」を知った後に当該投資法人の投資口の売買等は行わなかったが、この従業員は罰せられる 3.投資法人の資産運用会社のある従業員が当該投資法人の投資口を保有していた。 当該従業員は、その投資口の保有期間が3年を超えれば自由に売却することができる 4.インサイダー取引規制は、「重要事実が公表」された後であれば解除される。 5.自社のホームページへ重要事実にあたる情報を掲載すれば「重要事実の公表」があったと見做され、インサイダー取引規制が解除される 6.大手新聞社によるスクープ記事が全国紙に掲載され、重要事実にあたる情報が一般に知れ渡ったときには「重要事実の公表」があったと見做され、インサイダー取引規制が解除される 7.上場投資法人の会社関係者が、当該投資法人に関する未公開の重要事実を知って、当該投資法人の投資口を10口売却しようとするとき、投資口が10口と少額であることと、投資口の売却によって損失が出るときには、その取引はインサイダー取引にあたらない 答え 1.O 2.× 重要事実の公表前に利益を得る又は損失を回避する目的で取引を行っていないので、罰せられない 3.× この従業員は投資法人の運用会社の従業員なので、「上場会社等に係る会社関係者等」にあたる。この従業員が「重要事実」を知っているときには、「重要事実が公表される前」に、 その会社の株式等の売買等を行うことはできない。投資口の保有期間は関係ない 4.O 5.× 自社ホームページへの掲載のみでは公表要件を満たさない。 6.× 大手新聞社の全国紙であっても、新聞による憶測記事は公表要件には該当しない 7.× 「重要事実が公表される前」に、 その会社の株式等の売買等を行えばインサイダー取引となる。売買の規模や損失の有無は関係ない
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🟠有価証券届出書、有価証券通知書 1000万円以上1億未満で公募する (第一種も第二種も) ⇨通知書 1億円以上で公募する ⇨届出書 ※私募や1000万未満公募では不要 投資家に交付するのではなく、 発行会社が内閣総理大臣宛に届け出る 融商品取引法では、一定の条件のもとでは、 有価証券の募集に際して有価証券届出書又は 有価証券通知書を提出する必要があります (開示規制) 特に、第一項有価証券は50名以上に勧誘すると 公募になるのに対して、第二項有価証券は勧誘を行い500 人以上が取得するときに公募になること (つまり500名以上に勧誘しても自動的には公募にはならないこと)がひっかけ問題として頻出です。 〇 第一項有価証券の勧誘先の数50名は、 同種の有価証券につき過去6カ月を通算する 〇 有価証券届出書又は有価証券通知書の届出を行わないときには、一定の例外を除いて、届出を行っていないことを相手方に告知する必要がある 〇 有価証券届出書を提出するときはEDINETを使わなければならない。(有価証券通知書を提出するときはEDINETは使わなくてもよい) 〇 一項有価証券等の総額1億円以上の募集・売り出しにかかる取得勧誘は、有価証券届出書の提出をするまでは勧誘を行うことはできない(届出の発効までは不要) 〇 それまでに有価証券届出・報告書を提出してていない会社が発行する株式を上場するときは、発行額が1億円未満でも有価証券届出書を提出する必要がある 🟠目論見書 有価証券等を1億円以上公募・売り出しするときに投資家に交付する義務。 目論見書発行の対象となる有価証券の代表的なものとしては株式、社債、投資信託などがあげられる。 不交付による損害があれば故意過失の有無を問わず賠償責任を負う。 私募のときは目論見書は必要ないが、届出が行われていないことを投資家に告知する必要がある。 🟠契約締結前書面 金融商品取引法第37条の3は、金融商品取引業者に対し、契約を締結する前に顧客に対して契約締結前交付書面の交付をすることを義務付けています。 書面交付義務は、投資家が特定投資家に該当する場合には免除されますが、一般投資家が契約の相手方である限り、契約締結前交付書面をはじめとする法定書面を必ず交付しなければいけません。 契約締結前交付書面は、取引の種類に応じて、取引の概要、リスク、手数料、税金など細かく記載事項が定まっています。 ?? 第二種で500人以上契約するとき(not勧誘) ※500人以上契約なら金額は関係ない 🟠契約締結時書面 特定投資家には交付不要。 契約締結前交付書面や契約締結時交付書面の保存を欠くと、刑事罰の対象になる。
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ファンドの種類として、民法上の組合と投資事業有限責任組合では何が違うのでしょうか。 投資事業有限責任組合は組合の一種であり、法律上、民法上の組合に関する規定が多数準用されているため(投資事業有限責任組合契約に関する法律第16条)、民法上の組合と投資事業有限責任組合は基本的には類似した性質を有しています。但し、投資事業有限責任組合は投資のためのビークルとして想定されており、無限責任組合員以外の組合員の責任が有限責任である点が大きく異なります。また、法律上、事業年度毎の財務諸表を作成し、公認会計士等の意見を得る必要がある点でも異なっています。その他、投資事業有限責任組合では、事業目的が法律に定める事項に限定され(同法第3条)、労務出資が認められておらず(同法第6条第2項、民法第667条第2項)、さらに登記制度が存在している(投資事業有限責任組合契約に関する法律第17条)等の違いがあります。 組合(LPS、匿名組合、任意組合、LLP)の比較 各組合の共通点と相違点をまとめました。 ※GP:無限責任組合員 LP:有限責任組合員 🟥任意組合(民法上の組合) 🔷投資事業有限責任組合(LPS) 🔺匿名組合 🔶有限責任事業組合(LLP) 組合財産 組合員の共有 組合員の共有 営業者に帰属 !💬 組合員の共有 🟠納税主体 組合員課税 組合員課税 営業者と組合員は個別に課税! 組合員課税 🟠組合員の資格 制限なし GPは、組合だと登記上の問題ありLPは制限なし 営業者は商人 組合員は制限なし 1人は国内の居住者又は内国法人 🟠組合員の責任 無限責任 無限責任と有限責任(GPは1名以上必要) 有限責任(営業者は無限責任) 有限責任 🟠出資 労務出資〇 労務出資× 労務出資× 労務出資× 🟠業務執行 組合員の過半数 業務執行者の選任可能 GPの過半数 営業者のみ 総組合員の全員一致で行うが、LLP契約の定めにより全員一致以外の方法をとることもできる。但し、①重要な財産の処分・譲受け、②多額の借財 は原則として総組合員の同意が必要 🟠事業目的 制限なし 制限あり 制限なし 一部制限あり 🟠登記制度 なし あり なし あり 🟠会計監査 任意 強制 任意 任意 投資事業を行うビークルとして、民法上の組合が利用されてきましたが、組合員全員が無限責任を負う民法上の組合では、投資家のニーズを満たせないため、有限責任を法的に担保された投資事業有限責任組合(LPS)の制度ができたという経緯があり、 そのため、LPSは民法上の組合よりも規制が多くなっており、投資家保護のため、会計監査が強制される等、ガバナンスの強化が図られています。 LLPは共同事業という面があり、出資者(組合員)が自ら経営を行うということから、 「共同事業要件」が他の組合に比べて厳しく求められます。 民法上の任意組合やLPSのような業務執行組合員を定め、いわゆる「丸投げ」というのは認められられません。 匿名組合は、営業者と匿名組合員の2者間のみで成立し、財産は組合員ではなく営業者に帰属することに特徴があります。 財産は営業者に帰属されますが、損益は匿名組合員に分配されることによって、二重課税の回避が図られると同時に、匿名組合員が利益を享受できる仕組みとなっています。 匿名組合は、事業目的に制限がなく、業務執行も営業者が行うため、ガバナンスについては緩くなっています。 特にGK-TKスキームだと、GKは定款自治によるため、自由な運営ができることが利点ですが、その分ガバナンスが緩くなっているため、第三者である会計事務所に支払い等の事務を委任したり、任意での会計監査をする等、ガバナンスの手当をする場合があります。
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REITのエクイティストーリーとは、 投資、運用、管理、分配の方針、 財務・成長の戦略を含む方針や目標