実数分析とは、財務諸表項目などの会計データやその他のデータの実数を、そのまま分析の対象とすることにより、企業の財政状態及び経営成績を分析する方法である。

実数分析の限界としては、企業規模が異なる企業間の比較を行う場合には常に有効な方法とは限らないことである。企業規模が異なる場合には、運用資本の大小により稼得される利益額も変わるはずであり、利益額という実数で収益額の優劣を判断することは不合理と言えるからである。

分析としては、単純実数分析、比較増減分析、関数均衡分析が挙げられる。単純実数分析とは、データの実数そのものを分析するものである。比較増減分析とは、二期間以上に渡るデータを対比して差額を求め、その増減の原因分析を行うものである。関数均衡分析とは、資本・収益・費用などの個々のデータ相互間の均衡点または分岐点を図表や算式を使って算出し、利益管理や資金管理に活用する手法であり、損益分岐点分析に代表される方法である。

比率分析とは、財務諸表などの資料から相互に関連するデータ間の割合を示す比率を計算し、企業の財務内容を分析する方法である。

比率分析には、構成比率分析、関係比率分析、趨勢比率分析がある。 構成比率分析とは、全体数値の中に占める構成要素の数値の比率を算出し、その内容を分析する方法である。 関係比率分析とは、相互に関連のある項目間の比率である関係比率を用いて、企業の内容を分析する方法である。 趨勢比率分析とは、ある年度をを基準年度とし、その後の年度の財務諸表の数値を基準年度に対する百分比として示し、当該項目の趨勢を分析する方法である。

比率分析の長所としては、企業規模が異なる場合でも比較を可能にすることが挙げられる。その反面、短所としては比較する企業の業種や会計処理の基準が同一でなければ比較可能性が弱まり、分析を有効に行うことができない点が挙げられる。

関係比率分析とは、財務諸表などの資料から相互に関連のある２項目間の比率である関係比率を用いて、企業の財務内容を分析する方法である。

関係比率分析の長所としては、、企業の規模が異なる場合でも比較を可能にするが挙げられる。その反面、短所としては比較する企業の業種や会計処理の基準が同一でなければ標準比率との比較可能性が弱まり、分析を有効に行うことができない点が挙げられる。

構成比率分析とは、財務諸表を用いて分析を行う場合に、構成部分の数値とそれを含む全体の数値との関係により、財務内容の状態を分析する方法である。

適用例としては、損益計算書の完成工事高を100として損益項目の百分比を求める百分率損益計算書、総資本額の百分比で示した百分率貸借対照表、当期完成工事原価の百分比で示した百分率完成工事原価報告書などが挙げられる。 長所としては、数字が百分比で示されるため企業の状態を把握しやすいこと、また、期間比較や企業間比較が容易であることなどが挙げられる。

趨勢比率分析とは、ある年度を基準年度とし、その後の年度における同一項目の財務数値を、これに対する百分比として分析する方法である。種類としては、趨勢比率を算定する際に基準年度を固定する固定基準法と、前年度を基準年度としてこれに対する当年度の比率を算定する移動基準法がある。

長所は、数期間の数値を観察することにより、企業の業績の動向を容易に把握することができることや、比率の算定が簡単であることが挙げられる。短所は、現在の財務状態や経営成績の問題点が明確になりにくいこと、及び基準年度の取り方によっては経営成績の動向を把握することが困難になることなどが挙げられる。

貸借対照表の分析は実数分析と比率分析に分けることができる。 実数分析は、単純実数分析、、比較増減分析、関数均衡分析に分けることができる。単純実数分析とは、データの実数をそのまま分析する方法である。比較増減分析とは、複数期間のデータを比較して分析する方法である。関数均衡分析とは、データ相互間の均衡点や分岐点を分析する方法である。 比率分析は、構成比率分析、趨勢比率分析、関係比率分析に分けることができる。構成比率分析とは、総資産あるいは総資本をを100として各資産・負債・純資産の構成割合を分析する方法である。趨勢比率分析とは、ある基準年度の貸借対照表項目を100としてその項目がどのように変化したかを分析する方法である。関係比率分析とは、貸借対照表の項目相互間の関係を比較して分析する方法である。

損益計算書の実数分析としては、単純実数分析、比較増減分析、関数均衡分析が挙げられる。単純実数分析とは一定時点における損益計算書項目について、その金額と内容を分析することである。比較増減分析とは二期間以上にわたる一企業の財務諸表項目を比較損益計算書や利益増減分析表を用いて比較・分析し、その増減の原因を明らかにすることである。関数均衡分析とは、企業の総収益と総費用とが一致する均衡点を分析する損益分岐点分析に代表される方法である。

構成比率分析の１つである百分率キャッシュフロー計算書とは、営業活動による収入を１００％とし、他の項目をこれに対する割合で示したものである。