簡易課税制度の概要 9/27
問題一覧
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簡易課税制度は、まさしく、簡易な計算で申告できる制度です。原則の計算における仕入れに係る消費税額の控除の計算は、仕入れのうち課税仕入れに該当するか否かから始まり、課税仕入れに該当するものにつき、さらに3つの区分に区分経理を行っていくもので、ある程度の事務負担が強いられるものです。 事業規模が小さい事業者からするとその事務負担は大きいものであり、その事務負担に配慮して設けられたのが簡易課税制度です。 すなわち、一定規模以下の中小事業者に該当する場合は、その選択により、その複雑な仕入れに係る消費税額の計算に代えて、課税標準額に対する消費税額から、一定の割合を乗ずることにより、仕入れに係る消費税額を算出する簡易課税制度を認めています。 すなわち、課税標準額に対する消費税額に業種ごとに定められている「みなし仕入率」を乗じて計算します
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簡易課税制度の適用を受けるためには、次の2つの要件を満たさなければなりません。なお、簡易課税制度の適用が認められた場合は、原則の仕入税額控除の計算を行うことはできなくなります。また、実際の課税仕入れ等を基に計算を行うものではないため、帳簿及び請求書等の保存は要件とされません。 (1) 基準期間における課税売上高が5千万円以下であること (2) 「簡易課税制度選択届出書」を、原則として、簡易課税制度を適用しようとする課税期間開始の日の前日までに提出していること
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1.基準期間における課税売上高 50,000,000円>10,000,000円 ∴ 納税義務あり 2.簡易課税制度の適用の有無の判定 (1) 50,000,000円≦50,000,000円 (2) 前課税期間末までに簡易課税制度選択届出書を提出 ∴ 簡易課税制度の適用あり
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簡易課税制度選択届出書の効力は、原則として、その届出書を提出した課税期間の翌課税期間の初日から生じるため、簡易課税制度の適用を受けようとする場合には、その適用を受けようとする課税期間の前課税期間の末日までに、届出書を提出しておく必要があります。 なお、事業を開始した日の属する課税期間は前課税期間がないことから、また、相続や吸収合併、吸収分割の場合の納税義務の免除の特例が適用されたことに伴い、相続や吸収合併、吸収分割が行われた課税期間の途中から課税事業者となってしまう場合は、前課税期間の末日までに届出書を提出することは困難であることから、提出した課税期間からの適用が認められます
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簡易課税制度の適用をやめようとするとき又は事業を廃止したときには、「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出しなければなりません。 ただし、この不適用届出書は、簡易課税の効力が生じた課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ提出できません。すなわち、2年間は簡易課税制度を継続適用しなければならないこととなります。 「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出した場合は、提出した日の属する課税期間の末日の翌日(すなわち、翌課税期間)以後は、簡易課税制度の選択の届出の効力がなくなります。
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法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定による届出書(「簡易課税制度選択届出書」)は、課税事業者の基準期間における課税売上高が5千万円以下の課税期間について簡易課税制度を選択するものです。 そのため、その届出書を提出した事業者のその課税期間の基準期間における課税売上高が5千万円を超えることにより、その課税期間について同制度を適用することができなくなった場合又はその課税期間の基準期間における課税売上高が千万円以下となり免税事業者となった場合が生じることもあります。 ただし、その後の課税期間において基準期間における課税売上高が千万円を超え5千万円以下となったときには、その課税期間の初日の前日までに同条第4項《簡易課税制度の選択不適用》に規定する届出書を提出している場合を除き、その課税期間について再び簡易課税制度が適用されることになります
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災害などのやむを得ない事情により、簡易課税制度選択届出書(又は選択不適用届出書)をその適用を受けようとし、又は受けることをやめようとする課税期間の初日の前日までに提出できなかった場合において、納税地の所轄税務署長に「簡易課税制度選択(不適用)届出に係る特例承認申請書」を、やむを得ない事情がやんだ後2月以内に提出し、承認を受けた場合には、簡易課税制度選択届出書(又は選択不適用届出書)が提出期限までに提出されたものとみなされます。 したがって、災害などのやむを得ない事情により、届出書の提出が遅れても、承認を受けることにより、本来の適用を受けたい課税期間からの適用が可能となります。
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原則課税 仕入れに係る消費税額の控除(法30) 非課税資産の輸出(法31) 資産の国外移送(法31) 仕入れに係る対価の返還等(法32) 引取りに係る消費税額の還付(法32) 課税売上割合の著しい変動(法33) 調整対象固定資産の転用(法34、35) 棚卸資産に係る消費税額の調整
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第一種事業は卸売業が該当しますが、他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売(箱詰めなども該当します。)する事業で、他の事業者に対して販売する事業です。 なお、この卸売業は、この要件に当てはまる場合をいうため、卸売業者や小売業者でない事業者(例えばサービス業を行う者)が、これらの販売をした場合でも第一種事業に区分します。
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第二種事業は小売業が該当しますが、第一種事業と同じく、他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売する事業ですが、第二種事業は第一種事業に該当しない事業、すなわち通常は消費者に対して販売する事業です。 また、農林水産業も軽減税率が適用される飲食料品の譲渡に係る部分については、第二種事業に該当します。
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第三種事業は、農林水産業(上記以外)、鉱業、建設業、製造業(製造小売業を含みます。)、電気業、ガス業、熱供給業及び水道業をいい、第一種事業、第二種事業に該当するもの及び加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供(材料の支給を受けて加工のみを行う場合)を除きます。
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第五種事業は、第一種事業から第三種事業以外の事業とされる事業を対象として、運輸通信業、金融・保険業、サービス業(飲食店以外)に該当するものをいいます。
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第六種事業は、第一種事業から第三種事業及び第五種以外の不動産業が該当します。
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第四種事業は、第一種事業、第二種事業、第三種事業、第五種事業、第六種事業のいずれにも該当しない事業が該当します
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解答 (1) 第六種事業 (2) 第三種事業 (3) 第二種事業 (4) 第四種事業 (5) 第四種事業 (6) 第一種事業
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令第57条第5項第1号に規定する第一種事業(卸売業)及び同項第2号に規定する第二種事業(小売業)は、同条第6項の規定により「他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売する事業」をいうものとされていますが、この場合の「性質及び形状を変更しないで販売する」とは、他の者から購入した商品をそのまま販売することをいいます。
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(1) 他の者から購入した商品に、商標、ネーム等を貼付け又は表示する行為 (2) 運送の利便のために分解されている部品等を単に組み立てて販売する場合、例えば、組立て式の家具を組み立てて販売する場合のように仕入商品を組み立てる行為 (3) 2以上の仕入商品を箱詰めする等の方法により組み合わせて販売する場合のその組合せ行為 (4) 食料品小売店舗における軽微な加工(加熱を伴わない程度の加工で、加工前の食料品の販売店舗において一般的に行われると認められる魚を切る行為、肉を挽肉にして販売する行為) (注) その加工が軽微な加工でない場合は、その販売先を問わずに、第三種事業に該当します。
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(1) 第一種事業 (2) 第二種事業 (3) 第三種事業 (4) 第二種事業
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次の事業は、第三種事業に該当するものとして取り扱います。 (1) 自己の計算において原材料等を購入し、これをあらかじめ指示した条件に従って下請加工させて完成品として販売する、いわゆる製造問屋としての事業 なお、顧客から特注品の製造を受注し、下請先(又は外注先)等にその製品を製造させ顧客に引き渡す事業は、顧客からその特注品の製造を請け負うものであるから、原則として第三種事業に該当します。 (2) 自己が請け負った建設工事(第三種事業に該当するものに限ります。)の全部を下請に施工させる元請としての事業 (3) 天然水を採取して瓶詰等して人の飲用に販売する事業 (4) 新聞、書籍等の発行、出版を行う事業
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第六種事業に該当する不動産業は、第一種事業から第三種事業及び第五種以外の不動産業ですが、不動産の賃貸業や駐車場業、不動産の仲介・斡旋等のサービスのみを提供する事業が該当します。 したがって、不動産業であっても他者から購入した建物をその性質及び形状を変更しないで販売する不動産販売業は実質的に卸売業(第一種事業)又は小売業(第二種事業)に区分されます。また、自社で建設した建物を販売する事業は実質的に建設業(第三種事業)と区分されます。
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(1) 第一種事業 (2) 第三種事業 (3) 第五種事業 (4) 第六種事業 (5) 第二種事業 (6) 第六種事業
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飲食店業はサービス業の一種ですが、簡易課税制度における事業区分では、他のサービス業と同じ第五種事業には区分せず、第四種事業に区分されています。 食堂、レストラン、喫茶店、そば店、バー、キャバレー、酒場等(「食堂等」といいます。)のように、飲食のための設備を設けて、主として客の注文に応じその場所で飲食させる事業(「食堂等としての事業」といいます。)は、第四種事業に該当します。 食堂等が行う飲食物(店舗において顧客に提供するものと同種の調理済みのものに限ります。)の出前は食堂等としての事業であり、第四種事業に該当しますが、食堂等が自己の製造した飲食物を持ち帰り用として販売する事業は、製造小売業として第三種事業に該当します。 飲食のための設備を設けずに、自己の製造した飲食物を専ら宅配の方法により販売する事業は、製造小売業として第三種事業に該当することとなります。
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(1) 第四種事業 (2) 第二種事業 (3) 第三種事業 (4) 第四種事業 (5) 第四種事業
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令第57条第5項第4号ハ《第五種事業の種類》の規定により、サービス業から除くこととされている「飲食店業に該当するもの」とは、例えば、旅館、ホテル等の宿泊施設を経営する事業者が、宿泊者に対して宿泊に係る役務の提供に併せてその宿泊施設において飲食物の提供を行う場合又は宿泊者以外の者でも利用することができるその宿泊施設内の宴会場、レストラン、バー等において飲食物の提供を行う場合において、請求書、領収書等によりその飲食物の提供に係る対価の額を宿泊に係る役務の提供に係る対価の額と明確に区分して領収することとしているときのその飲食物の提供が該当します
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(1) 第五種事業 (2) 第五種事業 (3) 第二種事業 (4) 第四種事業
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例えば、家電製品の販売の際に取付工事や洋服の販売の際に裾直しを行ったり、販売後の商品に修理を行ったりします。これらは一種のサービス業になるとも考えられますが、物品の販売の一環として行われたとも考えられます。そこで、このようなサービスについては、次のとおり区分します。
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第三種事業に該当する建設業、製造業等に係る事業に伴い生じた加工くず、副産物等の譲渡を行う事業は、第三種事業に該当します。 なお、第一種事業又は第二種事業から生じた段ボール等の不要物品等(その事業者が事業の用に供していた固定資産等を除きます。以下「不要物品等」といいます。)の譲渡を行う事業は、第四種事業に該当しますが、その事業者がその不要物品等が生じた事業区分に属するものとして処理しているときには、認められます。
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低額譲渡とみなし譲渡も「資産の譲渡」であるため、区分することになりますが、その区分は、次のとおりです。
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自動販売機関連の事業区分で注意すべきものは、次のとおりです。
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(1) 第四種事業 (2) 第二種事業 (3) 第五種事業 (4) 第四種事業 (5) 第二種事業
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納税義務の判定で、分割等があった場合は、分割することにより売上げが減少させ、納税義務の免除により、課税回避が行われる可能性があるため、納税義務の特例が設けられていました。簡易課税の適用要件である基準期間における課税売上高5千万円以下の判定においても、分割等前であれば、適用を受けられないところ、簡易課税の適用を受けるために意図的に分割等をすることにより、特に規定がなければ、適用を受けることを可能としてしまいます。 そこで、新設分割などの分割等により法人の一部を分割した場合には、分割等があった場合の納税義務の免除の特例と同様に、分割等前の事業規模に戻して判定を行います。 なお、相続や合併については、事業規模が拡大するものであり、簡易課税の適用が受けられなくなる可能性が高くなるため、このような特例はありません(吸収分割については、合併と類似する組織再編であるため、合併と同じ取扱いとなります。)。
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災害等の被害を受けたことにより、帳簿等が焼失することもあります。そのような場合には、仕入税額控除額の正確な計算は困難となるため、その災害等の被害を受けた課税期間から簡易課税制度の適用を受ける必要が生じることになります。 この災害等の理由が生じた日の属する課税期間を「選択被災課税期間」といいます。 すなわち、災害等のやむを得ない事情がある場合で、所轄税務署長の承認を受けたときは、簡易課税制度選択届出書の原則的な規定にかかわらず、提出した課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができます。 災害等があった場合の特例を受けようとする場合には、災害その他やむを得ない理由のやんだ日から原則として2月以内に、納税地の所轄税務署長に申請書を提出しなければなりません。ただし、災害その他やむを得ない理由のやんだ日が選択被災課税期間の末日の翌日以後に到来する場合には、選択被災課税期間に係る確定申告書の提出期限が申請書の提出期限となります。
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災害等の被害を受けたことにより、売上げが激減し、膨大な復旧費用のため、課税標準額に対する消費税額より、原則により計算した場合の仕入税額控除額の方が大きくなる場合もあります。一定額の仕入税額控除額しか認められない簡易課税の計算を継続すると、原則であれば納める必要がなかった消費税額を納めなければならず、原則課税に変更したいところです。 そこで、その災害等の被害を受けた課税期間から簡易課税制度の適用をやめる必要が生じることになります。 この場合においては、簡易課税制度選択不適用届出書についての提出制限は、適用されません。 すなわち、災害等の理由が生じた日の属する課税期間(「不適用被災課税期間」といいます。)から、簡易課税制度の適用をやめることができます。この場合において、簡易課税制度選択届出書の効力が生じた日から2年経過していなくても、不適用の届出を提出することができます。 なお、災害等があった場合の特例を受けようとする場合には、災害その他やむを得ない理由のやんだ日から原則として2月以内に、納税地の所轄税務署長に申請書を提出しなければなりません。 ただし、災害その他やむを得ない理由のやんだ日が不適用被災課税期間の末日の翌日以後に到来する場合には、不適用被災課税期間に係る確定申告書の提出期限が申請書を提出期限となります。 また、簡易課税制度選択不適用届出の特例は、災害等の特殊事情で、復旧作業が遅れたり、長引いたりすることも考慮して、適用の対象となる「不適用被災課税期間」には、災害等が生じた課税期間だけでなく、翌課税期間以後を「不適用被災課税期間」とすることも認められています。
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棚卸資産の譲渡を行った日は、その引渡しのあった日、請負による資産の譲渡等の時期は、別に定めるものを除き、物の引渡しを要する請負契約にあってはその目的物の全部を完成して相手方に引き渡した日、物の引渡しを要しない請負契約にあってはその約した役務の全部を完了した日、固定資産の譲渡の時期は、別に定めるものを除き、その引渡しがあった日とされています。 ただし、法人税法や所得税法において、特例が認められているものについては、調整を図るため①延払基準(リース譲渡)、②工事進行基準(工事の請負)、③現金基準(小規模事業者)、④収納基準(国又は地方公共団体)の資産の譲渡等の時期の特例を設けています 原則として、税法上のリース取引(ファイナンスリース)は売買取引とされ、消費税法においても、その賃貸時に譲渡があったものとされます。
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ファイナンスリースとは、借手(賃借人)が選んだものを貸手(賃貸人・リース会社等)が購入し、賃貸する取引のことをいいます。これは、リース取引の一形態で、通常の賃貸借やレンタルなどのように、既に賃貸人が保有しているものから賃借人が選んで借りるのではなく、賃借人(ユーザー)が選んだものを賃貸人(リース会社)が賃借人(ユーザー)に代わって購入して貸与し、その期間中にリース料として、物件の取得費用や金利、手数料などの総額を回収する仕組みとなっています。 一方、税法上のリース取引(原則としてファイナンスリース)は、次の2つの要件を満たすものとされています。 (1) 賃貸借期間の中途においてその契約の解除をすることができないものであること又はこれに準ずるものであること (2) 賃借人がその賃貸借に係る資産からもたらされる経済的な利益のすべてを実質的に享受することができ、かつ、その資産の使用に伴って生ずる費用のすべてを実質的に負担すべきこととされていること さらに、税法上のリース取引は、所有権移転リース取引(所有権が移転することが明らかなもの)と所有権移転外リース取引(返還されるもの)に分かれます。なお、仕入税額控除については税法上のリース取引が売買取引とされるため、賃借人の取得時に税額控除を行うことになります。ただし、所有権移転外リース取引は、通常の賃貸借取引に近いため、賃借人において、賃貸借処理する場合は、通常の賃貸借(オペレーティングリース)と同様に、リース料支払日の課税仕入れとする処理(分割控除)ができます。
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賃貸人(貸手)が税法上のリース取引を行った(リース譲渡といいます。)場合には、原則として、リース資産の引渡し時が資産の譲渡等の時期となりますが、所得税法又は法人税法において、延払基準の方法により経理することとしているときは、消費税法においても売上げを繰り延べる延払基準の適用をすることができます
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1) リース譲渡に係る賦払金の額 (2) リース譲渡をした日の属する課税期間においてその支払の期日が到来しないもの(その課税期間において支払を受けたものを除く。) =当課税期間において資産の譲渡等を行わなかったものとみなす部分 (3) 当課税期間における資産の譲渡等 (1)-(2)
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資産の譲渡等を行ったものとみなされる部分= そのリース譲渡に係る賦払金のうちその課税期間中にその支払の期日が到来するものに係る部分 -その賦払金につきその課税期間の初日の前日以前に既に支払を受けている金額 +その課税期間の末日の翌日以後に支払期日が到来する賦払金につきその課税期間中に支払を受けた金額
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法人税法に規定する延払基準の方法により経理していない場合 当課税期間 6,600,000円 翌課税期間 0 消費税法においても延払基準を適用する場合 当課税期間 6,600,000-(110,000×48回-220,000)=1,540,000円 翌課税期間 110,000×12回-220,000=1,100,000円
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消費税法においては、長期大規模工事又は工事にかかわらず、資産の譲渡等の時期は、工事完成基準により計上するのが原則ですが、所得税法又は法人税法において工事進行基準を適用している場合には、工事進行基準による資産の譲渡等の時期の特例が認められます
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工事進行基準を選択した場合のその課税期間の譲渡の対価の額の計算方法(工事進行基準の方法により計算)は、次のとおりです。なお、その収入金額が総収入金額に算入(その年の所得に算入されたの意味)されたそれぞれの年の12月31日の属する課税期間又はその収益の額が益金の額に算入(その事業年度の所得に算入されたの意味)されたそれぞれの事業年度終了の日の属する課税期間に計上することとされ、課税期間を短縮している場合は、工事進行基準の対価の額が計上される課税期間が12月31日又は事業年度終了の日の属する課税期間に限られます。 〈引渡し前の課税期間〉 請負対価の額 × (当期末までに要した原材料費、労務費その他の経費の額の合計額)/見積総工事原価 -その年又はその事業年度の前までに売上げとされた金額 〈引渡し課税期間〉 請負対価の額-引渡し課税期間前までに売上げとされた金額
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事業者が、建設工事等に係る目的物の完成前に行ったその建設工事等のための課税仕入れ等の金額について未成工事支出金として経理した場合においても、その課税仕入れ等については、その課税仕入れ等をした日の属する課税期間において法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されますが、その未成工事支出金として経理した課税仕入れ等につき、その目的物の引渡しをした日の属する課税期間における課税仕入れ等としているときは、継続適用を条件として、認められます。
43
事業者が、建設工事等に係る目的物の完成前に行ったその建設工事等のための課税仕入れ等の金額について建設仮勘定として経理した場合においても、その課税仕入れ等については、その課税仕入れ等をした日の属する課税期間において法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されますが、その建設仮勘定として経理した課税仕入れ等につき、その目的物の完成した日の属する課税期間における課税仕入れ等としているときは、認められます。すなわち、事務所や工場等の購入を行う事業者が、完成前に支払った設計や資材の購入等の建設に要する費用に関して、建設仮勘定として処理し、目的物の引渡しを受けた日の属する課税期間における課税仕入れ等とすることも認められます。
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A工事(工事進行基準) 500,000,000× 255,000,000/300,000,000 -200,000,000=225,000,000円 B工事(工事進行基準) 1,000,000,000× 150,000,000/600,000,000 =250,000,000円
免税事業者からの課税仕入れにかかる経過措置 9/14
免税事業者からの課税仕入れにかかる経過措置 9/14
いあ · 31問 · 1年前免税事業者からの課税仕入れにかかる経過措置 9/14
免税事業者からの課税仕入れにかかる経過措置 9/14
31問 • 1年前消費】 調整対象固定資産の課税仕入れ等の届出の制限2 9/15
消費】 調整対象固定資産の課税仕入れ等の届出の制限2 9/15
いあ · 34問 · 1年前消費】 調整対象固定資産の課税仕入れ等の届出の制限2 9/15
消費】 調整対象固定資産の課税仕入れ等の届出の制限2 9/15
34問 • 1年前旧税率から新税率への経過措置 9/16
旧税率から新税率への経過措置 9/16
いあ · 21問 · 1年前旧税率から新税率への経過措置 9/16
旧税率から新税率への経過措置 9/16
21問 • 1年前適格請求書発行事業者の義務等その1 9/20(9/13)
適格請求書発行事業者の義務等その1 9/20(9/13)
いあ · 18問 · 1年前適格請求書発行事業者の義務等その1 9/20(9/13)
適格請求書発行事業者の義務等その1 9/20(9/13)
18問 • 1年前個人事業者の特殊項目 9/21
個人事業者の特殊項目 9/21
いあ · 36問 · 1年前個人事業者の特殊項目 9/21
個人事業者の特殊項目 9/21
36問 • 1年前間違えた問題
間違えた問題
いあ · 56問 · 1年前間違えた問題
間違えた問題
56問 • 1年前輸出取引等の範囲の特殊項目 9/23
輸出取引等の範囲の特殊項目 9/23
いあ · 38問 · 1年前輸出取引等の範囲の特殊項目 9/23
輸出取引等の範囲の特殊項目 9/23
38問 • 1年前覚え忘れてる事
覚え忘れてる事
いあ · 28問 · 1年前覚え忘れてる事
覚え忘れてる事
28問 • 1年前問題一覧
1
簡易課税制度は、まさしく、簡易な計算で申告できる制度です。原則の計算における仕入れに係る消費税額の控除の計算は、仕入れのうち課税仕入れに該当するか否かから始まり、課税仕入れに該当するものにつき、さらに3つの区分に区分経理を行っていくもので、ある程度の事務負担が強いられるものです。 事業規模が小さい事業者からするとその事務負担は大きいものであり、その事務負担に配慮して設けられたのが簡易課税制度です。 すなわち、一定規模以下の中小事業者に該当する場合は、その選択により、その複雑な仕入れに係る消費税額の計算に代えて、課税標準額に対する消費税額から、一定の割合を乗ずることにより、仕入れに係る消費税額を算出する簡易課税制度を認めています。 すなわち、課税標準額に対する消費税額に業種ごとに定められている「みなし仕入率」を乗じて計算します
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簡易課税制度の適用を受けるためには、次の2つの要件を満たさなければなりません。なお、簡易課税制度の適用が認められた場合は、原則の仕入税額控除の計算を行うことはできなくなります。また、実際の課税仕入れ等を基に計算を行うものではないため、帳簿及び請求書等の保存は要件とされません。 (1) 基準期間における課税売上高が5千万円以下であること (2) 「簡易課税制度選択届出書」を、原則として、簡易課税制度を適用しようとする課税期間開始の日の前日までに提出していること
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1.基準期間における課税売上高 50,000,000円>10,000,000円 ∴ 納税義務あり 2.簡易課税制度の適用の有無の判定 (1) 50,000,000円≦50,000,000円 (2) 前課税期間末までに簡易課税制度選択届出書を提出 ∴ 簡易課税制度の適用あり
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簡易課税制度選択届出書の効力は、原則として、その届出書を提出した課税期間の翌課税期間の初日から生じるため、簡易課税制度の適用を受けようとする場合には、その適用を受けようとする課税期間の前課税期間の末日までに、届出書を提出しておく必要があります。 なお、事業を開始した日の属する課税期間は前課税期間がないことから、また、相続や吸収合併、吸収分割の場合の納税義務の免除の特例が適用されたことに伴い、相続や吸収合併、吸収分割が行われた課税期間の途中から課税事業者となってしまう場合は、前課税期間の末日までに届出書を提出することは困難であることから、提出した課税期間からの適用が認められます
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簡易課税制度の適用をやめようとするとき又は事業を廃止したときには、「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出しなければなりません。 ただし、この不適用届出書は、簡易課税の効力が生じた課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ提出できません。すなわち、2年間は簡易課税制度を継続適用しなければならないこととなります。 「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出した場合は、提出した日の属する課税期間の末日の翌日(すなわち、翌課税期間)以後は、簡易課税制度の選択の届出の効力がなくなります。
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法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定による届出書(「簡易課税制度選択届出書」)は、課税事業者の基準期間における課税売上高が5千万円以下の課税期間について簡易課税制度を選択するものです。 そのため、その届出書を提出した事業者のその課税期間の基準期間における課税売上高が5千万円を超えることにより、その課税期間について同制度を適用することができなくなった場合又はその課税期間の基準期間における課税売上高が千万円以下となり免税事業者となった場合が生じることもあります。 ただし、その後の課税期間において基準期間における課税売上高が千万円を超え5千万円以下となったときには、その課税期間の初日の前日までに同条第4項《簡易課税制度の選択不適用》に規定する届出書を提出している場合を除き、その課税期間について再び簡易課税制度が適用されることになります
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災害などのやむを得ない事情により、簡易課税制度選択届出書(又は選択不適用届出書)をその適用を受けようとし、又は受けることをやめようとする課税期間の初日の前日までに提出できなかった場合において、納税地の所轄税務署長に「簡易課税制度選択(不適用)届出に係る特例承認申請書」を、やむを得ない事情がやんだ後2月以内に提出し、承認を受けた場合には、簡易課税制度選択届出書(又は選択不適用届出書)が提出期限までに提出されたものとみなされます。 したがって、災害などのやむを得ない事情により、届出書の提出が遅れても、承認を受けることにより、本来の適用を受けたい課税期間からの適用が可能となります。
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原則課税 仕入れに係る消費税額の控除(法30) 非課税資産の輸出(法31) 資産の国外移送(法31) 仕入れに係る対価の返還等(法32) 引取りに係る消費税額の還付(法32) 課税売上割合の著しい変動(法33) 調整対象固定資産の転用(法34、35) 棚卸資産に係る消費税額の調整
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第一種事業は卸売業が該当しますが、他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売(箱詰めなども該当します。)する事業で、他の事業者に対して販売する事業です。 なお、この卸売業は、この要件に当てはまる場合をいうため、卸売業者や小売業者でない事業者(例えばサービス業を行う者)が、これらの販売をした場合でも第一種事業に区分します。
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第二種事業は小売業が該当しますが、第一種事業と同じく、他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売する事業ですが、第二種事業は第一種事業に該当しない事業、すなわち通常は消費者に対して販売する事業です。 また、農林水産業も軽減税率が適用される飲食料品の譲渡に係る部分については、第二種事業に該当します。
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第三種事業は、農林水産業(上記以外)、鉱業、建設業、製造業(製造小売業を含みます。)、電気業、ガス業、熱供給業及び水道業をいい、第一種事業、第二種事業に該当するもの及び加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供(材料の支給を受けて加工のみを行う場合)を除きます。
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第五種事業は、第一種事業から第三種事業以外の事業とされる事業を対象として、運輸通信業、金融・保険業、サービス業(飲食店以外)に該当するものをいいます。
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第六種事業は、第一種事業から第三種事業及び第五種以外の不動産業が該当します。
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第四種事業は、第一種事業、第二種事業、第三種事業、第五種事業、第六種事業のいずれにも該当しない事業が該当します
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解答 (1) 第六種事業 (2) 第三種事業 (3) 第二種事業 (4) 第四種事業 (5) 第四種事業 (6) 第一種事業
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令第57条第5項第1号に規定する第一種事業(卸売業)及び同項第2号に規定する第二種事業(小売業)は、同条第6項の規定により「他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売する事業」をいうものとされていますが、この場合の「性質及び形状を変更しないで販売する」とは、他の者から購入した商品をそのまま販売することをいいます。
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(1) 他の者から購入した商品に、商標、ネーム等を貼付け又は表示する行為 (2) 運送の利便のために分解されている部品等を単に組み立てて販売する場合、例えば、組立て式の家具を組み立てて販売する場合のように仕入商品を組み立てる行為 (3) 2以上の仕入商品を箱詰めする等の方法により組み合わせて販売する場合のその組合せ行為 (4) 食料品小売店舗における軽微な加工(加熱を伴わない程度の加工で、加工前の食料品の販売店舗において一般的に行われると認められる魚を切る行為、肉を挽肉にして販売する行為) (注) その加工が軽微な加工でない場合は、その販売先を問わずに、第三種事業に該当します。
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(1) 第一種事業 (2) 第二種事業 (3) 第三種事業 (4) 第二種事業
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次の事業は、第三種事業に該当するものとして取り扱います。 (1) 自己の計算において原材料等を購入し、これをあらかじめ指示した条件に従って下請加工させて完成品として販売する、いわゆる製造問屋としての事業 なお、顧客から特注品の製造を受注し、下請先(又は外注先)等にその製品を製造させ顧客に引き渡す事業は、顧客からその特注品の製造を請け負うものであるから、原則として第三種事業に該当します。 (2) 自己が請け負った建設工事(第三種事業に該当するものに限ります。)の全部を下請に施工させる元請としての事業 (3) 天然水を採取して瓶詰等して人の飲用に販売する事業 (4) 新聞、書籍等の発行、出版を行う事業
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第六種事業に該当する不動産業は、第一種事業から第三種事業及び第五種以外の不動産業ですが、不動産の賃貸業や駐車場業、不動産の仲介・斡旋等のサービスのみを提供する事業が該当します。 したがって、不動産業であっても他者から購入した建物をその性質及び形状を変更しないで販売する不動産販売業は実質的に卸売業(第一種事業)又は小売業(第二種事業)に区分されます。また、自社で建設した建物を販売する事業は実質的に建設業(第三種事業)と区分されます。
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(1) 第一種事業 (2) 第三種事業 (3) 第五種事業 (4) 第六種事業 (5) 第二種事業 (6) 第六種事業
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飲食店業はサービス業の一種ですが、簡易課税制度における事業区分では、他のサービス業と同じ第五種事業には区分せず、第四種事業に区分されています。 食堂、レストラン、喫茶店、そば店、バー、キャバレー、酒場等(「食堂等」といいます。)のように、飲食のための設備を設けて、主として客の注文に応じその場所で飲食させる事業(「食堂等としての事業」といいます。)は、第四種事業に該当します。 食堂等が行う飲食物(店舗において顧客に提供するものと同種の調理済みのものに限ります。)の出前は食堂等としての事業であり、第四種事業に該当しますが、食堂等が自己の製造した飲食物を持ち帰り用として販売する事業は、製造小売業として第三種事業に該当します。 飲食のための設備を設けずに、自己の製造した飲食物を専ら宅配の方法により販売する事業は、製造小売業として第三種事業に該当することとなります。
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(1) 第四種事業 (2) 第二種事業 (3) 第三種事業 (4) 第四種事業 (5) 第四種事業
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令第57条第5項第4号ハ《第五種事業の種類》の規定により、サービス業から除くこととされている「飲食店業に該当するもの」とは、例えば、旅館、ホテル等の宿泊施設を経営する事業者が、宿泊者に対して宿泊に係る役務の提供に併せてその宿泊施設において飲食物の提供を行う場合又は宿泊者以外の者でも利用することができるその宿泊施設内の宴会場、レストラン、バー等において飲食物の提供を行う場合において、請求書、領収書等によりその飲食物の提供に係る対価の額を宿泊に係る役務の提供に係る対価の額と明確に区分して領収することとしているときのその飲食物の提供が該当します
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(1) 第五種事業 (2) 第五種事業 (3) 第二種事業 (4) 第四種事業
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例えば、家電製品の販売の際に取付工事や洋服の販売の際に裾直しを行ったり、販売後の商品に修理を行ったりします。これらは一種のサービス業になるとも考えられますが、物品の販売の一環として行われたとも考えられます。そこで、このようなサービスについては、次のとおり区分します。
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第三種事業に該当する建設業、製造業等に係る事業に伴い生じた加工くず、副産物等の譲渡を行う事業は、第三種事業に該当します。 なお、第一種事業又は第二種事業から生じた段ボール等の不要物品等(その事業者が事業の用に供していた固定資産等を除きます。以下「不要物品等」といいます。)の譲渡を行う事業は、第四種事業に該当しますが、その事業者がその不要物品等が生じた事業区分に属するものとして処理しているときには、認められます。
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低額譲渡とみなし譲渡も「資産の譲渡」であるため、区分することになりますが、その区分は、次のとおりです。
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自動販売機関連の事業区分で注意すべきものは、次のとおりです。
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(1) 第四種事業 (2) 第二種事業 (3) 第五種事業 (4) 第四種事業 (5) 第二種事業
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納税義務の判定で、分割等があった場合は、分割することにより売上げが減少させ、納税義務の免除により、課税回避が行われる可能性があるため、納税義務の特例が設けられていました。簡易課税の適用要件である基準期間における課税売上高5千万円以下の判定においても、分割等前であれば、適用を受けられないところ、簡易課税の適用を受けるために意図的に分割等をすることにより、特に規定がなければ、適用を受けることを可能としてしまいます。 そこで、新設分割などの分割等により法人の一部を分割した場合には、分割等があった場合の納税義務の免除の特例と同様に、分割等前の事業規模に戻して判定を行います。 なお、相続や合併については、事業規模が拡大するものであり、簡易課税の適用が受けられなくなる可能性が高くなるため、このような特例はありません(吸収分割については、合併と類似する組織再編であるため、合併と同じ取扱いとなります。)。
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災害等の被害を受けたことにより、帳簿等が焼失することもあります。そのような場合には、仕入税額控除額の正確な計算は困難となるため、その災害等の被害を受けた課税期間から簡易課税制度の適用を受ける必要が生じることになります。 この災害等の理由が生じた日の属する課税期間を「選択被災課税期間」といいます。 すなわち、災害等のやむを得ない事情がある場合で、所轄税務署長の承認を受けたときは、簡易課税制度選択届出書の原則的な規定にかかわらず、提出した課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができます。 災害等があった場合の特例を受けようとする場合には、災害その他やむを得ない理由のやんだ日から原則として2月以内に、納税地の所轄税務署長に申請書を提出しなければなりません。ただし、災害その他やむを得ない理由のやんだ日が選択被災課税期間の末日の翌日以後に到来する場合には、選択被災課税期間に係る確定申告書の提出期限が申請書の提出期限となります。
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災害等の被害を受けたことにより、売上げが激減し、膨大な復旧費用のため、課税標準額に対する消費税額より、原則により計算した場合の仕入税額控除額の方が大きくなる場合もあります。一定額の仕入税額控除額しか認められない簡易課税の計算を継続すると、原則であれば納める必要がなかった消費税額を納めなければならず、原則課税に変更したいところです。 そこで、その災害等の被害を受けた課税期間から簡易課税制度の適用をやめる必要が生じることになります。 この場合においては、簡易課税制度選択不適用届出書についての提出制限は、適用されません。 すなわち、災害等の理由が生じた日の属する課税期間(「不適用被災課税期間」といいます。)から、簡易課税制度の適用をやめることができます。この場合において、簡易課税制度選択届出書の効力が生じた日から2年経過していなくても、不適用の届出を提出することができます。 なお、災害等があった場合の特例を受けようとする場合には、災害その他やむを得ない理由のやんだ日から原則として2月以内に、納税地の所轄税務署長に申請書を提出しなければなりません。 ただし、災害その他やむを得ない理由のやんだ日が不適用被災課税期間の末日の翌日以後に到来する場合には、不適用被災課税期間に係る確定申告書の提出期限が申請書を提出期限となります。 また、簡易課税制度選択不適用届出の特例は、災害等の特殊事情で、復旧作業が遅れたり、長引いたりすることも考慮して、適用の対象となる「不適用被災課税期間」には、災害等が生じた課税期間だけでなく、翌課税期間以後を「不適用被災課税期間」とすることも認められています。
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棚卸資産の譲渡を行った日は、その引渡しのあった日、請負による資産の譲渡等の時期は、別に定めるものを除き、物の引渡しを要する請負契約にあってはその目的物の全部を完成して相手方に引き渡した日、物の引渡しを要しない請負契約にあってはその約した役務の全部を完了した日、固定資産の譲渡の時期は、別に定めるものを除き、その引渡しがあった日とされています。 ただし、法人税法や所得税法において、特例が認められているものについては、調整を図るため①延払基準(リース譲渡)、②工事進行基準(工事の請負)、③現金基準(小規模事業者)、④収納基準(国又は地方公共団体)の資産の譲渡等の時期の特例を設けています 原則として、税法上のリース取引(ファイナンスリース)は売買取引とされ、消費税法においても、その賃貸時に譲渡があったものとされます。
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ファイナンスリースとは、借手(賃借人)が選んだものを貸手(賃貸人・リース会社等)が購入し、賃貸する取引のことをいいます。これは、リース取引の一形態で、通常の賃貸借やレンタルなどのように、既に賃貸人が保有しているものから賃借人が選んで借りるのではなく、賃借人(ユーザー)が選んだものを賃貸人(リース会社)が賃借人(ユーザー)に代わって購入して貸与し、その期間中にリース料として、物件の取得費用や金利、手数料などの総額を回収する仕組みとなっています。 一方、税法上のリース取引(原則としてファイナンスリース)は、次の2つの要件を満たすものとされています。 (1) 賃貸借期間の中途においてその契約の解除をすることができないものであること又はこれに準ずるものであること (2) 賃借人がその賃貸借に係る資産からもたらされる経済的な利益のすべてを実質的に享受することができ、かつ、その資産の使用に伴って生ずる費用のすべてを実質的に負担すべきこととされていること さらに、税法上のリース取引は、所有権移転リース取引(所有権が移転することが明らかなもの)と所有権移転外リース取引(返還されるもの)に分かれます。なお、仕入税額控除については税法上のリース取引が売買取引とされるため、賃借人の取得時に税額控除を行うことになります。ただし、所有権移転外リース取引は、通常の賃貸借取引に近いため、賃借人において、賃貸借処理する場合は、通常の賃貸借(オペレーティングリース)と同様に、リース料支払日の課税仕入れとする処理(分割控除)ができます。
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賃貸人(貸手)が税法上のリース取引を行った(リース譲渡といいます。)場合には、原則として、リース資産の引渡し時が資産の譲渡等の時期となりますが、所得税法又は法人税法において、延払基準の方法により経理することとしているときは、消費税法においても売上げを繰り延べる延払基準の適用をすることができます
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1) リース譲渡に係る賦払金の額 (2) リース譲渡をした日の属する課税期間においてその支払の期日が到来しないもの(その課税期間において支払を受けたものを除く。) =当課税期間において資産の譲渡等を行わなかったものとみなす部分 (3) 当課税期間における資産の譲渡等 (1)-(2)
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資産の譲渡等を行ったものとみなされる部分= そのリース譲渡に係る賦払金のうちその課税期間中にその支払の期日が到来するものに係る部分 -その賦払金につきその課税期間の初日の前日以前に既に支払を受けている金額 +その課税期間の末日の翌日以後に支払期日が到来する賦払金につきその課税期間中に支払を受けた金額
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法人税法に規定する延払基準の方法により経理していない場合 当課税期間 6,600,000円 翌課税期間 0 消費税法においても延払基準を適用する場合 当課税期間 6,600,000-(110,000×48回-220,000)=1,540,000円 翌課税期間 110,000×12回-220,000=1,100,000円
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消費税法においては、長期大規模工事又は工事にかかわらず、資産の譲渡等の時期は、工事完成基準により計上するのが原則ですが、所得税法又は法人税法において工事進行基準を適用している場合には、工事進行基準による資産の譲渡等の時期の特例が認められます
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工事進行基準を選択した場合のその課税期間の譲渡の対価の額の計算方法(工事進行基準の方法により計算)は、次のとおりです。なお、その収入金額が総収入金額に算入(その年の所得に算入されたの意味)されたそれぞれの年の12月31日の属する課税期間又はその収益の額が益金の額に算入(その事業年度の所得に算入されたの意味)されたそれぞれの事業年度終了の日の属する課税期間に計上することとされ、課税期間を短縮している場合は、工事進行基準の対価の額が計上される課税期間が12月31日又は事業年度終了の日の属する課税期間に限られます。 〈引渡し前の課税期間〉 請負対価の額 × (当期末までに要した原材料費、労務費その他の経費の額の合計額)/見積総工事原価 -その年又はその事業年度の前までに売上げとされた金額 〈引渡し課税期間〉 請負対価の額-引渡し課税期間前までに売上げとされた金額
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事業者が、建設工事等に係る目的物の完成前に行ったその建設工事等のための課税仕入れ等の金額について未成工事支出金として経理した場合においても、その課税仕入れ等については、その課税仕入れ等をした日の属する課税期間において法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されますが、その未成工事支出金として経理した課税仕入れ等につき、その目的物の引渡しをした日の属する課税期間における課税仕入れ等としているときは、継続適用を条件として、認められます。
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事業者が、建設工事等に係る目的物の完成前に行ったその建設工事等のための課税仕入れ等の金額について建設仮勘定として経理した場合においても、その課税仕入れ等については、その課税仕入れ等をした日の属する課税期間において法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用されますが、その建設仮勘定として経理した課税仕入れ等につき、その目的物の完成した日の属する課税期間における課税仕入れ等としているときは、認められます。すなわち、事務所や工場等の購入を行う事業者が、完成前に支払った設計や資材の購入等の建設に要する費用に関して、建設仮勘定として処理し、目的物の引渡しを受けた日の属する課税期間における課税仕入れ等とすることも認められます。
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A工事(工事進行基準) 500,000,000× 255,000,000/300,000,000 -200,000,000=225,000,000円 B工事(工事進行基準) 1,000,000,000× 150,000,000/600,000,000 =250,000,000円