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理論と方法II 単語帳1~8,9
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    問題一覧

  • 1

    @(identity) エリクソン(Erikson, E. H)によって理論化された 自我の生涯発達の基本概念。1自分は独自で固有な自分 であるとする「自己の斉一性」,2「時間的な連続性と 一貫性」,3自他ともに何らかの社会集団への帰属感を もつ「帰属性」,の3つの軸によって定義される。アイ デンティティの形成は生涯を通して行われるが,思春期 の第2次性徴を契機に危機が生じ,それを克服すること によって青年期には一応の確立をみる。成人期から老人 期に,アイデンティティの問い直しによる再危機が体験 される。自己同一性,自我同一性,あるいは主体性など と訳されることもある。

    アイデンティティ

  • 2

    ❗️(outreach) ❗️は,地域基盤のソーシャルワーク活動あ るいは福祉サービスの提供が重視されるようになり,ソーシャルワークや福祉サービスの一般的実施方法として広がってきた概念。リーチングアウト/リーチアウトが一般化したもの。リーチングアウト/リーチアウトとい う用語は,接近困難な人(福祉サービスの利用に不安を 感じていたり,否定的あるいは拒否的感情をもっており, ソーシャルワーカーが関わることが困難な人)に対して, 当事者からの要請がない場合でも積極的に出向いていき, 一般的には評価や査定と訳されることが多いが,ソー 信頼関係を構築したり,サービス利用の動機付けを行う, あるいは直接サービスを提供するアプローチを指して使 われていた。アグレッシブ・ケースワークは,その具体 的方法の一つ。 【参考用語】アグレッシブ・ケースワーク 【関連用語】リーチアウト

    アウトリーチ

  • 3

    ❗️(accountability) 本来は会計責任という意味。国民の委託を受けた税 金・財政を司る行政が,国民に対して会計的な責任を負 うこと。自らの行ってきた会計処理に対して,説明を行 う責任を有しているというところから,説明責任ともい われる。最近では,社会福祉事業者(ソーシャルワーカ ー自身も含まれる)を含め,社会的活動一般について, 議会,住民,利用者などに対して,自らの行動の内容や 結果の説明を行う責任と解されるようになっている。こ の場合,レスポンシビリティ(応答責任)の対語として 用いられる。さらに国民に対して包括的・応答的に社会 活動を行っていく責任として位置づけられるようになる など,その概念は多義的になっている。 【参考用語】アカウンタビリティ(行政の説明責任)

    アカウンタビリティ

  • 4

    ❗️(action system) ソーシャルワーカーが課題あるいは変革を達成する際 に協働する人や機関。このなかには,利用者(クライエ ント)も含まれる。ピンカス(Pincus, A.)およびミナハン(Minahan, A.)が『ソーシャルワーク実践モデル と方法(Social Work Practice: Model and Method)』 のなかで示した,ソーシャルワーカーが活動を展開する 際に関連する4つの基本的なシステムの一つ。 ※ 4つの基本的なシステムとは,❗️,チェインジ・エージェント・システム,クライエ ント・システム,ターゲット・システムである。 【参考用語】クライエント・システム 【関連用語】ターゲット・システム,チェインジ・エージェント・システム

    アクション・システム

  • 5

    ❗️(accessibility) 一般的に接近の容易さという意味であるが,社会福祉分野ではサービスの利用のしやすさ(accessibility of service)という意味で用いられることが多い。利用の しやすさの具体的内容には,サービスが提供される場所 の位置・距離的な適切さ,利用する建物や施設の物理的 障壁の解消,利用者に疎外感を抱かせない建造物といっ たハードウェアの面だけでなく,サービスに関する情報 提供の適切さ,利用しやすい利用時間帯の設定,利用手 続きの簡便さ,利用者の立場に立った対応といったソフ トウェアの面も含まれる。

    アクセシビリティ

  • 6

    ❗️(aggressive casework) 解決すべき問題やニーズを有しているにもかかわらず, その問題を解決できていない,あるいはニーズが充足さ れていない人々に対して,アウトリーチなどの手法を用 いて,積極的に関わろうとするケースワークのこと。1950 年代に欧米で好んで用いられ

    アグレッシブ・ケースワーク

  • 7

    ❗️ 一般的には評価や査定と訳されることが多いが,ソーシャルワークでは,援助を展開していくプロセスの一段 階を指す。エバリュエーション(evaluation)と区別す るために,「事前評価」や「初期評価」の訳語が使われ ることもあるが,現在ではカタカナの原語表記での使用 が多い。ソーシャルワークの黎明期には,リッチモンド (Richmond, M.)の著書のタイトル『社会診断(Social Diagnosis)』にも示されるように,診断(diagnosis) と呼んでいた。現在では,収集する情報が身体的(bio), 心理的(psycho),社会環境的(social)と広範囲にわ たり,人とその取り巻く環境との相互作用(person-in- environment),あるいはクライエントの長所や強み (strength)に焦点をあてる。

    アセスメント

  • 8

    ❗️(advocacy) 本来,法律分野の用語であるが,ソーシャルワークに おいては,その重要な機能を説明するために以前から使 われており,我が国でも「代弁」という訳語が用いられ てきた。しかし,近年では公的・私的に権利擁護関連の 新しい仕組みが登場してきたことに伴い「権利擁護」と いう訳語が使われることも多い。もともとケースワーク では,クライエントの利益を守るために,クライエント の立場に立って,クライエントに代わって主張すること を代弁的機能として位置づけてきた。現在ではこういっ た1つの事例にとどまらず,同様の問題やニーズを有す る顕在的・潜在的クライエント・グループの利益を守る 為に,ソーシャルワーカーが何らかの主張を展開するこ ともある。このようなアドボカシーは,「コーズ (cause)・アドボカシー」あるいは「クラス(class)・ アドボカシー」と呼ばれている。また最近は,当事者が 自らの権利を主張することをより強調する意味で「セル フ・アドボカシー」という用語も登場してきている。

    アドボカシー

  • 9

    ❗️(medical model) 人々の抱える問題や生活上の課題を取り除くこと,あ るいは修正することで援助を達成しようとする考え方。

    医学モデル

  • 10

    ❗️ ソーシャル・グループワークにおいて用いられる原則 のひとつ。グループワーカーが,メンバーに望ましい影 響を及ぼすように,グループに対して行う専門的な働き かけ(介入)。ワーカーとメンバーとの援助関係や,メ ンバー間の相互作用関係,グループ内の力動を活用,プ ログラムを活用すること等がある。グループの特性に応 じて,役割分担やリーダーシップ,規範などを活用する ことなどが含まれる。

    意図的介入の原則

  • 11

    ❗️(enabling) ソーシャルワークの機能を説明する際に用いられるが,特に決まった訳語はない。イネーブラー(enabler 力を 与える人)としてのソーシャルワーカーには,クライエ ントやクライエント・グループが,自らの力で,問題や ニーズを解決していけるように支援する役割が求められ る。支援内容の例としては,心理的な支持を与える,考 えや計画を整理するのを手伝う,新たなリソース(資源) を紹介する,代弁する等といったことが挙げられる。

    イネーブリング

  • 12

    ❗️(medical social work) 保健・医療機関等で行われる社会福祉実践。ソーシャ ルワーカーが保健や医療分野の職種と協働し,社会福祉 の観点から,疾病や障害および住民の健康問題などから 派生する生活問題の解決や緩和,予防を図る援助活動。 20 世紀の初頭にアメリカのキャボット(Cabot, R. C.) 医師が,医療のみでは人の疾病や障害は克服できず,生 活問題として疾病を捉えることが必要であるとし,マサ チューセッツ病院にソーシャルワーカーを配置したこと に始まるとされる。日本では,1920 年代に生江孝之によ って済生会病院に,また浅賀ふさによって聖路加病院に 医療ソーシャルワーカーが配置されたのが最初とされる

    医療ソーシャルワーク

  • 13

    ❗️(intergroup work) 1940 年代の米国において,当時のコミュニティ・オー ガニゼーションの技法の1つとして,ニューステッター (Newstetter, W.I.)によって提唱された概念,地域の 様々なグループ(機関,施設,団体など)の代表からな るインターグループを組織し,参加している各グループ が相互に満足できるような関係を築き,そこで選択され た社会的目的の達成を目指してインターグループを運営 していくというもの。ソーシャルワーカーには,イネー ブラーとしての役割が期待される。

    インターグループワーク

  • 14

    ❗️(intervention) ソーシャルワークのプロセスにおいて,ソーシャルワーカーが実際に援助を展開する段階のことを指し,「介入」と訳されることが多い。初期の頃のソーシャルワークでは,医療と同じ「トリートメント(treatment 治療,処置,処遇)」の用語が使われていたが,医療モデルからの脱却に伴い,インターベンションが使われることが

    インターベンション

  • 15

    ❗️(intake) 機関や施設が,利用者と最初に接触することを指し, 「受理面接」や「初回面接」と訳されることが多い。ソ ーシャルワークの最初の段階として位置づけられたり, あるいはアセスメント以降の,より専門的な援助プロセ スの前段階として位置づけられるが,明確に定まってい るわけではない。いずれにせよインテークでは利用者か らの基本的な情報収集と援助者(機関・施設)からの情 報提供(提供可能な援助の内容,利用要件,料金など)が主要な作業となる。インテークの終了時には,同じ援助者が援助を継続するのか,他の援助者に紹介するのか ということが決定される。なお欧米では,インテークと いう用語は使われることが少なくなっており,代わって エンゲージメント(engagement)という用語が用いられ ている。

    インテーク

  • 16

    ❗️(integration) 統合,統合化。ハンディキャップのある者が日常生活 の中で支障や差別なく地域社会と密接し生活できるよう 援助すること。つまり,多様な人々が,地域社会のなか でともに生活し合う状態を回復するための援助や活動。 なお,より発展した理念をインクルージョンと呼ぶ場合 がある。 ノーマライゼーションの類義に使われること もある。

    インテグレーション

  • 17

    ❗️(informal network) 福祉サービス提供者は公的資源(フォーマル),民間 資源(市場原理に基づくもの),非行的資源(インフォ ーマル)の 3 者に大別され,このうちの非公的資源(家 族・親族・近隣・友人・ボランティアなど)によって構 成される支援体制のこと。「フォーマル・ネットワーク」 の対立概念として用いられる。

    インフォーマル・ネットワーク

  • 18

    ❗️(informed consent) 「説明と同意」「十分に知らされた上での同意」と訳 される。ソーシャルワークで用いる場合は,アセスメン トを行い,それに基づいて援助方針を出すときに,専門 家の持っている知識や技術の卓越性を押し付けるのでは なく,十分に理解を得て選択してもらい合意することを 意味する。説明する内容は,アセスメントによって明ら かになった現状,問題を改善するための援助内容,その 場合の利益・不利益,さらには代替方法などで,クライ エントが理解できる表現で伝えることが重要である

    インフォームド・コンセント

  • 19

    ❗️(well-being) 社会福祉の歴史の中で救貧的な意味合いを有するウェルフェア(welfare)に対して,「人権保障」「自己実現の支援」をめざす新たな理念として使われている。日本語では「幸福」「福利」「よりよく暮らすこと」「良好な状態が続くこと」などと訳されているが,定訳はなく原 語でウエルビーイングと用いられることが多い。

    ウェルビーイング

  • 20

    ❗️(ecomap) ソーシャルワークの記録方法の中の図表式の一種で, 生態地図や家族関係地図と呼ばれる。クライエントとそ の家族との関係や,その他の社会資源との情報を円や関 係線で表現する方法である。図式化することで,援助者・ 関係者(機関)・クライエント自身が問題が起きている 状況を把握し,今後の援助に必要な社会資源を検討する うえで利便性が高い。1975 年にハートマン(Hartman, A) が一般システム理論と生態学理論を基盤として考案した。 【関連用語】エコシステム,エコロジカル・ソーシャル ワーク

    エコマップ

  • 21

    ➖(ecosystem) 問題の発生要因を個人に焦点化する考え方に対して, 個人とそれを取り巻く特定の環境との接触を交互作用, 適合性,互酬性などの観点から力学的に把握するという 理論的枠組み。1983 年にメイヤー(Meyer, C. H.)が, 一般システム理論と生態学理論を統合させた。 【関連用語】エコマップ,エコロジカル・ソーシャルワ ーク

    エコシステム

  • 22

    ❗️(ecological social work )  人間と環境との相互関係を重視し,クライエントを環 境と切り離した個人としてではなく,家族や地域社会の 一員として捉え,生活上の諸問題を環境との関係上の所 産として把握しようとするソーシャルワーク実践の援助 理論のひとつである。このような生活問題の把握の仕方 に基づき,介入の焦点はクライエントと環境との間のイ ンターフェイス(接触面)に向ける。ソーシャルワーク に生態学の考え方を取り入れようとする動きは 1960 年 代後半から 70 年代にかけて生まれ,後にジャーメイン (Germain, C. B.)らによりライフモデルとして体系化 された。

    エコロジカル・ソーシャルワーク

  • 23

    ❗️(生活技能訓練)(social skills training) 対人関係の改善や,服薬の継続,症状自己管理など, 精神障害者の地域生活を支援するために開発された治療 技法,またはその学習パッケージ。行動療法と社会的学 習理論に基づき,精神障害者の認知・学習障害に対応し た訓練を実施し,生活技能と対処能力を高める。米国UCLA のリバーマンらが開発し,1988 年の来日を契機に日本で も本格的普及。現在では,精神障害者に限らず,知的障 害者や身体障害者分野などでも応用されている。生活技 能訓練,社会生活技能訓練,社会的スキル訓練,社会技 術訓練などと訳されることもある。

    SST

  • 24

    ❗️(事後評価)(evaluation) ソーシャルワークの実践過程は問題発見(ニーズキャ ッチ)から始まり,終結(クローズド)に終わるが,ソ ーシャルワーク援助が終結する時に,「その援助が何ら かの成果をもたらしたか」を評価すること。事後評価に は,大きく分けて,「プロセス評価」と「結果評価」が ある

    エバリュエーション

  • 25

    ❗️(encounter group) 全人格的な出会いの場として,ある一定期間(数時間 から数週間)維持されるグループのこと。職業,年令, 性別などを超えて対等の人間として素直に語り合う。本 音と本音の交流を通して,対人関係やコミュニケーショ ンの改善,豊かな感情体験や感情表現,自己覚知の深ま りなど,参加者の人間的な成長が期待される。類似のグ ループとして,組織の成長を主眼としたTグループ (training group の略)や個人の成長に関心を向けた感 受性訓練グループ(sensitivity training group)など がある。

    エンカウンターグループ

  • 26

    ❗️(empowerment approach) 個人,グループ,家族,コミュニティが,自己の真価 を発揮する力,人に働きかけ協働する力,社会的・経済 的な力,政治的・法的な力を獲得し発展させることを目 指すアプローチ。特に,差別や抑圧,搾取の対象とされ たり,社会・経済的力や政治的力を奪われたりしている 人々を念頭に置いて使われ,力を奪われた人々が自己決 定力や主体性,影響力を取り戻すことを重視する。

    エンパワーメント

  • 27

    ❗️(trauma) 戦争・災害・家族内での暴力・レイプなど,生命の危 機や自己存在を圧倒し否定されるような強い刺激や体験 に遭遇した場合,その体験が自己意識や認知的枠組みに 統合されず,時が経っても精神生活上強い影響を及ぼす ことをいう。トラウマは,抑鬱・不眠,フラッシュバッ ク,錯乱・幻覚,動悸・発汗・立ち眩みなどの自律神経 調節障害をはじめ,心理・身体・行動上の様々な問題・ 症状として残ることが多く,これらを「心的外傷後スト レス障害(症候群)」という。

    外傷体験,トラウマ

  • 28

    ❗️(counseling) クライエントの心理的な適応や健康,人生の課題の解 決,行動や認知の変容,自己理解の深まり,人間として の成長などを目指して行われる言語的・非言語的コミュ ニケーション。変容や成長が可能となる基盤として援助 者とクライエントとの人間関係が重視される。参加する 人の関係性によって,個人カウンセリング,家族カウン セリング,グループカウンセリング,ピアカウンセリン グなどの名称が使われる。行われる場所や扱う課題など によって学校カウンセリング,産業カウンセリング,結 婚カウンセリング,矯正カウンセリング,グリーフカウ ンセリング等,また寄って立つ価値観によってフェミニ スト・カウンセリングや牧会カウンセリング,仏教カウ ンセリングなどの諸方法がある。

    カウンセリング

  • 29

    ❗️(family systems theory) 家族を一つのシステムとして捉え,家族システムの構 成要素である夫(父親),妻(母親),息子(兄・弟), 娘(姉・妹)などの要素を相互関連的に捉えようとする 理論。家族の一部の変化が全体の変化を引き起こし,ま た,家族内部の弱者や犠牲者に加えられる圧力を軽減す る効果もあると考えられ,家族療法や家族ソーシャルワ ークなどに用いられている。

    家族システム理論

  • 30

    ❗️(family social work) クライエントが直面する問題を家族全体の中で捉え,家族関係のあり方に介入することで問題の解決・緩和を 図ろうとするソーシャルワークの一分野。

    家族ソーシャルワーク

  • 31

    ❗️(family therapy) 家族を一つの単位とし,システムとしての家族を治 療・援助の対象とする療法。家族は有機体の如く常に均 衡を維持しつつ発展している。これを一つのシステムと 捉え,このシステムの機能不全が家族構成員の問題行動 や症状として顕現すると捉え,治療・援助する方法であ る。家族療法における援助は,このシステム内の相互作 用のパターンに介入し,それに変化を起こさせることに よって,特定の問題行動や症状を呈しない新しいシステ ムを創り出すことが目標とされる。家族療法の焦点とし ては,夫婦関係の調整を伴う場合が極めて多い。

    家族療法

  • 32

    ❗️(task-centered approach) ソーシャルワーク援助は,問題そのものに対処する方 法と,問題をもつ人自身に重点を置き対処する方法とに 大別できるが,課題中心アプローチは,問題そのものに 対処する方法に分類される。対人関係に問題をかかえる ケースに有効であるとされ,問題を特定化し,その中で 具体的に解決できそうな課題を明らかにし,課題解決を 目標に利用者と援助者の協力により短期的に取り組む点 が特徴である。心理社会モデル,問題解決モデル,行動 療法,危機介入などのアプローチの知識と実践の成果を 統合して,1970 年代はじめに形成されたソーシャルワー クの実践モデルの一つ。リード(Reid, W. J.)らがこ のモデルの構築に寄与したとされている。

    課題中心アプローチ

  • 33

    ❗️(catharsis) 心の中に抑圧されている不満や恐れなどの感情や心の 傷,思い,過去の重要な出来事,それらにまつわる連想 などを言葉やその他の方法で表現すること。結果として 不安や緊張などが低減し気持ちがすっきりすることが期 待される。ギリシア語で「浄化」を意味する。

    カタルシス

  • 34

    ❗️(school social work) 学校において実践されるソーシャルワークの総称。ア メリカでは,不登校,校内暴力,いじめ問題など学校に おける問題が顕在化し,また家庭内暴力や児童虐待など 家庭内の問題が学校に持ち込まれることが多くなったこ とを背景として,児童・生徒個人や保護者,教師への心 理学的側面からのカウンセリングのみならず,学校と家 庭・地域社会との調整・連携によって児童・生徒を援助 していくソーシャルワーカーが配置されるようになった。 わが国では,主に非常勤のスクールカウンセラー,教育 相談員が学校や教育委員会に配置されているが,学校ソ ーシャルワークは教育現場に十分に根づいた実践にまで は至っていない。

    学校ソーシャルワーク

  • 35

    ❗️(reflection) クライエントの言葉,動作,表情の裏にある感情を評 価や批判を加えることなく,ワーカーが言葉で表現する こと。ワーカーがクライエントに共感していることを表 現する手段として活用される。

    感情の反映(反射)

  • 36

    ❗️(milieu therapy) クライエントの社会生活への適応性を高め,社会復帰の実現を促進するために,生活環境の変革を行う治療法 である。環境療法の主たる現場は病院や施設であるが, この目的のためには病院や施設全体の環境が治療的雰囲 気を持つ治療共同体であることが重要であり,また一方 において,この治療法は退院後の実社会での社会復帰活 動と連続性を持っており,地域精神医学との結びつきが 強い。

    環境療法

  • 37

    ❗️(indirect social work) 援助者と利用者との対面関係に基づく直接援助技術の 背景となる社会福祉の基盤作りを行なう技術である。具 体的にはコミュニティワーク,ソーシャルワーク・リサ ーチ,ソーシャル(ワーク)アドミニストレーション, ソーシャル・プランニング,ソーシャルアクションの5 つからなり,直接援助技術と併用,または統合されて実 践的効果を発揮する。

    間接援助技術

  • 38

    ❗️(crisis intervention) 個人,集団,地域社会が危機に直面しているとき,危 機理論に基づいて行う一連の援助方法。危機以前と同じ か,またはそれ以上のレベルにまで回復して危機を克服 するという短期集中的援助方法である。 【関連用語】危機理論 危機理論(crisis theory) 危機理論は,キャプラン(Caplan, G.)とリンデマン (Lindemann, E.)らによって 1940 年代から 1960 年代 にかけて構築された理論である。人が危機に陥りそこか ら回復する過程には一定の法則があり,長期に継続はし ない。危機に陥っている人には共通した特徴的な感情や 行動がみられ,対処方法によって結果が大きく変化する としている。

    危機介入

  • 39

    ❗️(functional approach) 人には自ら成長する自由な意志があるというランク (Rank, O.)の意志心理学の考え方に基づいている。人 の問題は自由意志と成長の力が,環境要因により損なわ れているために生じると考える。その要因を除去し,本 来人が持っている力を発揮できるように支援するアプロ ーチ。

    機能的アプローチ

  • 40

    ❗️(empathy) 相手の内面的立場に立って,相手が考え,思い,感じ ていることを,同じように感じとり理解し,それを相手に伝えること。伝える技法として感情の反射や,繰り返しなどが活用される。

    共感

  • 41

    ❗️(client) 専門的な社会福祉のサービスを利用する個人,グルー プ,家族,コミュニティなどのこと。対象者,被援助者,受給者,来談者などと訳されたり,クライアントと表記されたりするが,クライエントと言う表記が定着して来 ている。最近では,クライエントに代えて,利用者(user), 消費者(consumer)などの用語が用いられることもある。 クライエントになるのはサービス提供機関との契約が成 立した後であり,受付から契約までの段階では申請者(ア プリカント applicant)として区別できる。

    クライエント

  • 42

    ❗️(client system) 援助の対象となるシステムのこと。個人,家族,グル ープ,組織であっても,システムとして捉えることによ って,それぞれと社会環境との相互作用を含めて援助の 対象とすることが明確になる。ソーシャルワークは,援 助の焦点を人と環境との相互作用にあてることを特徴と してきた。システム視点に立つと,クライエントは生活 上の問題をもつ個人や家族などと単体で把握されるので はなく,それらを含むより大きなシステムのなかで理解 される。 【参考用語】アクション・システム 【関連用語】ターゲット・システム,チェインジ・エー ジェント・システム

    クライエント・システム

  • 43

    ❗️(client-centered therapy) カール・ロジャースにより提唱された心理療法(カウ ンセリング)のアプローチ。理論的発展にあわせて,呼 称は「非指示的カウンセリング」「クライエント中心療 法」「人間中心療法」と変わった。しかし,クライエン ト自身が問題を解決し成長していく力を持っていると考 える基本姿勢は変わらなかった。理論的基盤として自己 理論を提唱,理想我(ideal self)と現実我(real self) のずれが不適応を招くと考え,思い込みの自己概念にと らわれずに自分のどんな体験や感情にも向き合える「自 己一致」の状態を大切な目標とした。クライエントが自 分に向き合うために治療者側に求められる条件として 「共感的理解,無条件の肯定的関心,純粋さ」を指摘し た。

    クライエント中心療法

  • 44

    ❗️(clinicalsocialwork) 個人や家族,小グループに直接関わる専門的ソーシャ ルワーク実践。具体的な内容については見解が分れ,狭 義には病理治療的な援助実践を指して使う人もいるが, 広義には種々の対面的なソーシャルワーク援助を包括す る用語として使われる。広義の用法では,直接援助 (direct practice)やミクロ実践(micro practice) とほぼ同義語と考えられる。用語の変遷の背景には,ソ ーシャルワークを取り巻く米国社会の変化やそれに伴う 旧来のケースワーク等への批判,福祉制度の変化,ソー シャルワーク自体の理論や資格制度の発展がある。

    クリニカル・ソーシャルワーク

  • 45

    ❗️(group dynamics) 1940 年代にアメリカで成立し,小集団による問題解決 過程における複雑な人間関係や,個人に与える小集団の 心理的力動性のこと。集団力学または集団力動と訳され る。グループ・ダイナミクスは,グループワーク理論に 大きな影響を及ぼし,多様な社会福祉活動に応用されて いる。 【関連用語】グループワーク

    グループ・ダイナミクス

  • 46

    ❗️(group work) ソーシャルワークの共通基盤に立脚した実践で,その うちの直接援助技術の一つ。ソーシャル・グループワー クが正式名称。社会福祉士及び介護福祉士の国家資格化 に伴い,集団援助技術とも呼ばれる。ソーシャルワーカ ーとしてのグループワーカーは,メンバー間の相互作用 を意図的に活用し,グループの持つ力動性とプログラム 活動(スポーツ,レクリエーション,等)を媒体にして実践していく。グループワークの目的は,メンバーの抱 える日常生活上の要求充足,社会生活能力の改善,パー ソナリテイの発達,諸課題の効果的達成に向けられ,さ らには民主社会の維持・発展と地域社会の発展も同時に 促す。ソーシャルワーク及びケースワークの原則は,グ ループワークの原則にも適用される。 【関連用語】グループ・ダイナミクス

    グループワーク

  • 47

    ❗️(care management (case management)) 1970 年代から欧米で開発された方法で,イギリスでは ケアマネジメント,アメリカではケースマネジメントと 一般に称されている。要支援者のアセスメントを基に, 関係者でチームを構成し,保健・医療・福祉サービスの 統合的利用と,家族,親戚,近隣住民,友人,同僚,ボ ランティア,民間サービスといった社会資源を効率的に 調整し,要支援者に結びつけて行く手法。ケアマネジメ ントには,緊急度の見極め,介入のきっかけや諸機会取 り込みの判断,介入に伴う予測効果,他職種とのチーム ワーク等は,十分考慮されなければならない。我が国で は高齢者分野のみならず,2003 年からは障害者福祉分野 でこの手法が導入された。子ども家庭福祉の分野ではケ ースマネジメントが使われている。

    ケアマネジメント(ケースマネジメント)

  • 48

    ❗️(care work) 心身の発達や障害,その他社会生活上の諸困難により, 日常生活の安定や維持・継続を保てない人々に対し,対 面的かつ具体的サービスを提供していく生活支援活動の 総称。具体的には,社会福祉の援助観や知識を背景にし, 身体介護(入浴・食事・排泄),保育・養護,家事援助 (掃除,洗濯,調理等),心理的サポートなどをさす。

    ケアワーク

  • 49

    ❗️ ソーシャルワーク面接を行うにあたって,基本となる 技法のひとつである。クライエントのペースで話しても らい,それに対して,うなずきや繰り返し,質問,感情 を受けとめ表現するなどの方法を通して,クライエント の話しを一生懸命に聴いていることを伝える。相手の話 しを正確に受けとめるという姿勢が,効果的なコミュニ ケーションの基本となる。

    傾聴

  • 50

    ❗️(engagement contract) ソーシャルワーク過程におけるひとつの段階で,クラ イエントとワーカーが達成目標や取り組みに関する合意 のことである。そのとき,互いの権利と義務,責任や期 待などについて明らかにする。契約の最大の意図は,ク ライエントとワーカーが対等な関係で問題解決に取り組 むことにある。クライエントを主体的な参画者として位 置付け,自己決定を保障するために情報提供や説明責任 が生じる。

    契約

  • 51

    ➖(case conference) サービス利用者が抱えるニーズ,問題や課題の把握, それらをふまえた支援計画の立案,支援方法の選択と決 定,さらには,その後の支援効果の評価等に関し,多職 種(保健・医療・福祉)が一堂に会し,検討を深める集 まりの総称。事例(ケース)検討会,あるいは事例(ケ ース)研究会ともいわれる。社会福祉の援助に固有の用語ではなく,他領域でも用いられている。

    ケースカンファレンス

  • 52

    ❗️(事例研究)(case study) 解決すべき問題や課題を抱えるケース(人・集団・地 域)への援助を,さまざまな角度から検討し,そこから ケースを取り巻く状況や抱える問題の原因,支援のあり 方と,必要な社会資源等を明らかにしていく研究手法。 手法としては,事例を包括的に提示しそこから総合的に 検討を深める「ハーバード方式」と,提示された事例の ある断片(インシデント/事件)から,参加者が改善・ 解決法を模索していく「インシデント・プロセス法」と がある。

    ケーススタディ

  • 53

    ❗️(case work) ソーシャルワークの共通基盤に立脚した実践で,その うちの直接援助技法の一つ。ソーシャル・ケースワーク が正式名称。社会福祉士及び介護福祉士の国家資格化に 伴い,個別援助技術とも呼ばれる。生活者としてのクラ イエントが社会的に機能していく過程で,当面する日常 生活上の問題に対し,ソーシャルワーカー(ケースワー カー)が,所属する社会福祉機関・施設の方針,信頼関 係(ラポール rapport)や安定した情緒的関係を基盤に,クライエントがより主体的に問題に対処・解決していけ るよう,その問題に潜む個別性を重んじながら,協働し ていくこと。

    ケースワーク

  • 54

    ❗️(case record) クライエントのおかれている状況及びサービス提供の 状況について記したもの。ソーシャルワーカーにより記 録され,ワーカーないし援助提供機関により保管される。 記録の様式及び内容については,援助提供機関やケース の内容によって変わってくるが,一般的にはフェイスシ ートと過程記録ないし経過記録と呼ばれるものから構成 される。

    ケース記録

  • 55

    ❗️ ソーシャルワーカーの機能のひとつで,クライエント の利益を守るために,クライエントの立場に立って支 援・代弁・擁護を行うこと。クライエントの主体性に価 値をおき,自己の権利やニーズの表明,制度活用を支援 すること,さらに,必要な場合に組織や制度の変革を求 めることも意味する。

    権利擁護

  • 56

    ❗️(verbalization) ソーシャルワーク面接のなかで,クライエントやワー カーが,共感される意味や意図を言語として表現するこ とをいう。言語化によって,クライエントははっきりと 意識化できない曖昧な感情や考えを明確化することや, 不安や怒りといった情動が生じた理由を自覚し,解決に 向けて取り組むべき課題が明らかになる。言語化のため には,ワーカーの意図的なかかわりが重要である。

    言語化

  • 57

    ❗️(verbal communication ) 言語によるコミュニケーションを指す。面接や日常的 な援助場面においては,援助者の言語的コミュニケーシ ョンの的確さが求められる。またクライエントの言語的 コミュニケーションに注目し,その内容だけでなく,表 現方法や意図するところや,言語化されないことにも関心をはらう必要がある。

    言語的コミュニケーション

  • 58

    ❗️(transaction) 交互作用とは,社会環境のなかで,個人,家族,小集 団,コミュニティは,それぞれ独立して存在するのでは なく相互に影響し合っているという考え方。相互作用は 一対一の作用であるが,交互作用はシステムの中で要素 が他の要素に影響を与え,またその要素が元の要素や他 の要素に影響を与えるという複雑な作用である。システ ム理論やライフモデルの登場以来,ソーシャルワークに おいて交互作用に焦点をあて,この関係性への介入を通 して援助効果を上げようとする考え方が強調されるよう になった。

    交互作用

  • 59

    ❗️(transactional model) グループワークをソーシャルワーク理論の中に包みこ み,共生的な相互依存関係にある個人と社会の交互作用 に焦点を当て,媒介者としてのワーカーが個人と社会の 双方を共に援助しようとする援助のモデル。シュワルツ (Schwartz, W.)によって構築された。

    交互作用モデル

  • 60

    社会福祉援助やサービスがクライエントの問題解決にどの程度役だっているかを,科学的方法を用いて測定すること。このことにより援助の質の向上を図り,クライ エントや社会全般に対して,専門的援助の重要性を示し ていく責任がある。効果測定の方法として,当初,統制 群実験計画法が行われたが,福祉臨床現場でクライエン トを実験群と統制群に分けることの倫理的問題やクライ エント個人の変化のプロセスを把握しやすいことから, 単一事例実験計画法が注目されている。

    効果測定(effective measure)

  • 61

    ❗️(structured interview) 構造化面接とは,来談者あるいは被調査者に対して, あらかじめ質問内容や選択肢を準備しておき,それにし たがって,面接や質問を進めること。共通の項目への回 答を比較するとか,質的内容を量的に把握する場合など に適している。これに対して,より構造化度が低いもの として,半構造化面接,非構造化面接が挙げられる。構 造化度が低くなるにしたがって,非面接者あるいは回答 者側の自由度が高くなる。これは,探索的な面接や調査 に適している。 【関連用語】半構造化面接,非構造化面接

    構造化面接

  • 62

    ❗️(structural approach) 社会福祉理論における制度政策論・運動論の立場から 地域福祉を把握しようとする接近法またはそれによって 形成される地域福祉論で,牧里毎治が命名したもの。1. 国家独占主義段階における地域政策であること,2.資 本主義社会の構造的必然として生みだされる貧困問題お よびそこから派生する問題を対象とした政策であること, 3.地域における最低生活保障を支える公的施策である こと,4.政策形成過程において,住民運動などの社会 運動の影響を受けること,5.公的責任のもとに実施さ れること,などを特徴とする。構造的アプローチの諸定 義は,1970 年代の公害反対・住民運動・革新自治体誕生 という当時の時代背景を地域福祉の概念規定に反映させ たものといえる。対概念は,機能的アプローチ。 【参考用語】機能的アプローチ

    構造的アプローチ

  • 63

    ❗️(behavior therapy) 不適切な行動を学習された行動や習慣と考え,学習理 論に基づいて不適応行動を除去し,適応行動を形成・強 化する療法である。アルコール依存・食行動異常のグル ープには,認知行動療法が用いられている。

    行動療法

  • 64

    ❗️(coordinate) 種々の組織や団体の間で,仕事の量や質,その進み具 合あるいは利害関係などを調整していくソーシャルワー クの機能。コーディネーションともいう。

    コーディネート

  • 65

    ❗️(coping) 問題をはらむ状況に対応したり,それを下げたりする こと。問題対処。 コミュニティ・ディベロップメント(community development) 日常生活圏の社会的,経済的,文化的条件を改善する ために,住民が主体となって,住民間の社会的絆を強め, 自助努力を活性化させ,リーダーシップを発達させ,地 方制度を創出するような草の根的活動を重視する方法。 地域開発,あるいは地域共同社会開発などと訳される。

    コーピング

  • 66

    ❗️(community development) 日常生活圏の社会的,経済的,文化的条件を改善する ために,住民が主体となって,住民間の社会的絆を強め, 自助努力を活性化させ,リーダーシップを発達させ,地 方制度を創出するような草の根的活動を重視する方法。 地域開発,あるいは地域共同社会開発などと訳される。

    コミュニティ・ディベロップメント

  • 67

    ❗️(community relations) コミュニティ内部の住民組織,企業,福祉施設,団体 などがコミュニティの福祉に対して貢献し,協力関係を 形成していること。

    コミュニティ・リレーションズ

  • 68

    ❗️(community social work) 1982 年の英国『バークレイ報告』で提案された,コミ ュニティを重視したソーシャルワークの進め方。ただし, コミュニティワークとは異なり,対面的関係に基づく相 談(カウンセリング的対応)と,自立生活上必要なサー ビスを提供する個別援助技術の部分,それらの個別援助 を可能ならしめる資源開発やソーシャルサポート・ネッ トワーク形成から成り立つ。

    コミュニティ・ソーシャルワーク

  • 69

    ➖(community work) 地域社会の問題を解決していく専門技術であり,計画 立案や運営管理の技法をあわせ持つソーシャルワークの 一方法。コミュニティ・ディベロップメントやコミュニ ティ・オーガニゼーションといったものを包括する概念 として使用され,地域援助技術と訳される。その展開に おける主体としては,地域住民や民間の組織・団体が強 調されることが多いが,行政などの公的機関との協働や 連携も重視される。

    コミュニティワーク

  • 70

    ❗️(consultation) 社会的に専門性を持った組織や個人と,ある特定の問 題を解決するための専門性を必要とする個人,集団,コ ミュニティ等との間に形成される対人関係を通して,問 題解決を図ること。ソーシャルワーカーがコンサルテー ションを提供する側(コンサルタント)になることもあ れば,受ける側になることもある。類似概念としてスー パービジョンがあるが,スーパービジョンが同一職種によって行われるのに対し,コンサルテーションは他職種 から,特定のことに焦点をあてた助言を受ける。また, そこでなされた助言等を受け容れさせるような管理的機 能は発生しない。

    コンサルテーション

  • 71

    ❗️(consumer) 一般には消費者と記される。社会福祉では従来のクラ イエント(client)という表現に替わる用語として使用 される場合がある。コンシューマーは,消費者としての 権利を有しており,社会福祉の対象者が資本主義社会に おいて一般の人と同等の立場にあることを示す場合など に使用される。しかし消費者という概念には,ソーシャ ルワークのプロセスに参画するという意味がなく,不適 切であるという批判もある。 【関連用語】ユーザー,クライエント

    コンシューマー

  • 72

    ❗️(competence) 一般には,能力,適性と訳される。ソーシャルワーク で使用される場合は,専門職としての力量,能力,適性 をさす。専門職意識として使用される。全米ソーシャル ワーカー協会等の倫理綱領では,専門職に求められる力 量として「専門的価値」「機能」「知識」「技術」が挙げ られている。

    コンピテンス

  • 73

    ❗️(葛藤)(conflict) 2つまたは2つ以上の類似した,あるいは対立した欲 求が同時に同程度の強さで起こるときに,いずれかを選 択することが困難になる緊張状態。多くの場合,心理的 緊張状態をさす。

    コンフリクト

  • 74

    ❗️(complex) ユング(Jung, C. G.)によって提唱された精神分析 的概念であり,「感情によって色づけられた観念複合 体」または「無意識に抑圧され,自我を脅かすような影 響を及ぼす観念複合体」をいう。一般的に「コンプレッ クス」と呼ばれているものは,劣等感コンプレックスで あるが,コンプレックスは劣等感だけを指し示すもので はない。 【関連用語】エディプス・コンプレックス,劣等コンプ レックス

    コンプレックス

  • 75

    ❗️(reassurance) クライエントが過去に行った問題対処の努力に対して, 根拠を持って肯定的に評価し,保証することによってク ライエントを受けとめ,サポート・強化していく技法。

    再保証

  • 76

    ❗️(industrial social work) 企業において,従業員の福祉向上のために行うソーシ ャルワークのこと。北米では企業内でのソーシャルワー カーの配置や,外部の契約ソーシャルワーカーにより, 従業員の育児・家族問題や諸社会サービス利用に関する 相談援助などが一般的だが,わが国では従業員のメンタ ルヘルス確保のための産業カウンセリングのほうが一般 的である。

    産業ソーシャルワーク

  • 77

    単語集p7-8 ❗️(generalist approach) ソーシャルワークの総合的アプローチ。さまざまな問 題やニーズを包括的・総合的に捉え,その上で専門職としての援助技術を包括的・統一的に捉えていくソーシャルワークの共通基盤に立脚したアプローチ。ジェネリック・アプローチと呼ばれることもある。 【関連用語】ジュネリック・アプローチ

    ジェネラリスト・アプローチ

  • 78

    ❗️(self-awareness) 援助者が自らの感情,性格,価値基準等についてでき るだけ理解を深めること。自らの価値観や感情を援助場 面に持ち込むと問題の状況を誤って判断したり,受容や 非審判的態度を貫けなくなる。そのために援助者は自ら を知り,コントロールする自己覚知が必要となる。

    自己覚知

  • 79

    ❗️(self-determination) クライエントの自主性を尊重し,クライエントが自分 で選択していくプロセスを援助するという援助原則。

    自己決定

  • 80

    ❗️(self-actualization) 自己充足という欲求を達成するために,潜在的な可能 性を十分に発達させることを意味する。マズロー (Maslow,A.H.)によれば,自己実現欲求は,生存欲求, 安全欲求,所属欲求,自尊欲求等の基本的な欲求が充足 された後,追い求める欲求とされる。マズローは後に, 人間の最高位の欲求として,自己超越欲求を掲げた。一 般的に自己実現欲求を充足している人は,そうでない人 と比較して,他者を援助したいという願望があり,自意 識が低く,他人に対しては親切で,親密な対人関係を持 つとされる。

    自己実現

  • 81

    ❗️(supportive treatment) ワーカーが,クライエントの適応を可能にするために 用いる援助介入の技法。主に面接場面において,ワーカ ーがクライエントに対して,不安を軽減し安心感を与え る,適確な助言をする,役に立つ情報を提供する,クラ イエントが自分のストレングスや資源に気づく,自信を 回復させるなど,クライエントが問題解決に向かって動 機付けや意欲を高めることをねらいとする。

    支持的技法

  • 82

    ❗️(system theory) ソーシャルワークでは,問題解決や研究対象としての 個人や家族,社会をシステムとして捉え,システムの諸 特性に関する諸事情を分析する視点や枠組みをいう。20 世紀中頃に,ベルラタンフィ(Bertalanffy, L.)等に よって,機械論と有機体論を総合して「組織化された複 雑性」を扱うものとして,一般システム理論が提唱され た。社会学においてはパーソンズ(Persons, T.)によ って社会システム理論が構築された。

    システム理論

  • 83

    ❗️(existential Social Work) 実存主義に基づいたソーシャルワークのアプローチ。 このアプローチの基底にあるものは人間の個性を発展さ せ,その存在を価値づけようとするものである。したが って,問題状況は,単に人間の成長過程にすぎないとみ なしている。幻滅感を体験させ,苦悩の意味を発見させ ながら,真に自由で自立のある人生を獲得させようとす るところが特徴的である。

    実存主義アプローチ

  • 84

    ❗️(social resources) 社会生活上のニーズの充足や問題解決のために活用される多様な資源の総称。施設・機関,設備,備品,資金等の物的資源,ソーシャルワーカーなどの各種専門職, 家 族 , ボ ラ ン テ ィ ア 等 の 人 的 資 源 , 制 度 , 政 策 , 法 律 等の制度的資源のほか,知識,技能,情報などが含まれる。

    社会資源

  • 85

    ❗️(social diagnosis) 伝統的なソーシャルワークの一過程。インテークや調 査によって収集された資料・情報を分析することによっ て問題の原因や本質を明らかにし,問題解決の方針を立 てる過程である。

    社会診断

  • 86

    ❗️(social function) 社会から期待された役割に応え,役割を果たす機能。

    社会的機能

  • 87

    ❗️(social work) 社会福祉の援助において援助者が意図的・組織的に用 いる専門的援助技術の総称。直接援助技術,間接援助技 術,関連援助技術などに分けられる。しかし,最近では これらを統合し,共通基盤を確立しようという試みが行 われている。

    社会福祉援助技術

  • 88

    ❗️(Chief Complaint) クライエント本人がワーカーに対して具体的に表出す る主たる訴えのこと。クライエントの主訴が必ずしも本 人の真のニーズや解決すべき問題と合致するとは限らな い。したがって,ワーカーはクライエントと協働して問 題の明確化に取り組むことが求められる。

    主訴

  • 89

    ❗️(confidentiality) 特定の業務において知りえた情報を,正当な理由やク ライエント許諾を得ることなく,他の者に提供すること を禁ずること。秘密保持ともいう。国家および地方公務 員法等で規定されているほか,社会福祉士及び介護福祉 士法においても,「社会福祉士及び介護福祉士は,正当 な理由なく,その業務に関して知り得た人の秘密を漏ら してはならない。社会福祉士または介護福祉士でなくな った後においても,同様とする」という業務上の義務規 定及び違反者への罰則が定められている。

    守秘義務

  • 90

    ❗️(acceptance) 受容とは,ソーシャルワーカーがクライエントの感情 と思考の両面において,その肯定的な側面も否定的な側 面も,あるがままのクライエントとして受け止めること。 それにより,クライエントがソーシャルワーカーとの間 で安心感をもって自分自身を眺め,より現実的に対応で きるようになり,様々な防衛から自己を解放できるよう な関係を保てるようになる。

    受容

  • 91

    単語集p8-9 ❗️(goals) 終結とは,ソーシャルワークによる援助活動の終わり を示す局面である。援助活動が終結する理由としては1 当初の援助目標を達成し援助を終結する場合,2クライ エントが援助を必要としなくなって終結する場合,3ソ ーシャルワークの援助を継続することができなくなって 終結する場合,などがあげられる。また,終結場面にお いては,これまでの援助過程を振り返り,援助のあり方 と成果を評価するとともに,クライエントが援助過程を 通して得たものを,将来にわたって維持・改善・向上させていけるように強化する機会でもある。

    終結(

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    問題一覧

  • 1

    @(identity) エリクソン(Erikson, E. H)によって理論化された 自我の生涯発達の基本概念。1自分は独自で固有な自分 であるとする「自己の斉一性」,2「時間的な連続性と 一貫性」,3自他ともに何らかの社会集団への帰属感を もつ「帰属性」,の3つの軸によって定義される。アイ デンティティの形成は生涯を通して行われるが,思春期 の第2次性徴を契機に危機が生じ,それを克服すること によって青年期には一応の確立をみる。成人期から老人 期に,アイデンティティの問い直しによる再危機が体験 される。自己同一性,自我同一性,あるいは主体性など と訳されることもある。

    アイデンティティ

  • 2

    ❗️(outreach) ❗️は,地域基盤のソーシャルワーク活動あ るいは福祉サービスの提供が重視されるようになり,ソーシャルワークや福祉サービスの一般的実施方法として広がってきた概念。リーチングアウト/リーチアウトが一般化したもの。リーチングアウト/リーチアウトとい う用語は,接近困難な人(福祉サービスの利用に不安を 感じていたり,否定的あるいは拒否的感情をもっており, ソーシャルワーカーが関わることが困難な人)に対して, 当事者からの要請がない場合でも積極的に出向いていき, 一般的には評価や査定と訳されることが多いが,ソー 信頼関係を構築したり,サービス利用の動機付けを行う, あるいは直接サービスを提供するアプローチを指して使 われていた。アグレッシブ・ケースワークは,その具体 的方法の一つ。 【参考用語】アグレッシブ・ケースワーク 【関連用語】リーチアウト

    アウトリーチ

  • 3

    ❗️(accountability) 本来は会計責任という意味。国民の委託を受けた税 金・財政を司る行政が,国民に対して会計的な責任を負 うこと。自らの行ってきた会計処理に対して,説明を行 う責任を有しているというところから,説明責任ともい われる。最近では,社会福祉事業者(ソーシャルワーカ ー自身も含まれる)を含め,社会的活動一般について, 議会,住民,利用者などに対して,自らの行動の内容や 結果の説明を行う責任と解されるようになっている。こ の場合,レスポンシビリティ(応答責任)の対語として 用いられる。さらに国民に対して包括的・応答的に社会 活動を行っていく責任として位置づけられるようになる など,その概念は多義的になっている。 【参考用語】アカウンタビリティ(行政の説明責任)

    アカウンタビリティ

  • 4

    ❗️(action system) ソーシャルワーカーが課題あるいは変革を達成する際 に協働する人や機関。このなかには,利用者(クライエ ント)も含まれる。ピンカス(Pincus, A.)およびミナハン(Minahan, A.)が『ソーシャルワーク実践モデル と方法(Social Work Practice: Model and Method)』 のなかで示した,ソーシャルワーカーが活動を展開する 際に関連する4つの基本的なシステムの一つ。 ※ 4つの基本的なシステムとは,❗️,チェインジ・エージェント・システム,クライエ ント・システム,ターゲット・システムである。 【参考用語】クライエント・システム 【関連用語】ターゲット・システム,チェインジ・エージェント・システム

    アクション・システム

  • 5

    ❗️(accessibility) 一般的に接近の容易さという意味であるが,社会福祉分野ではサービスの利用のしやすさ(accessibility of service)という意味で用いられることが多い。利用の しやすさの具体的内容には,サービスが提供される場所 の位置・距離的な適切さ,利用する建物や施設の物理的 障壁の解消,利用者に疎外感を抱かせない建造物といっ たハードウェアの面だけでなく,サービスに関する情報 提供の適切さ,利用しやすい利用時間帯の設定,利用手 続きの簡便さ,利用者の立場に立った対応といったソフ トウェアの面も含まれる。

    アクセシビリティ

  • 6

    ❗️(aggressive casework) 解決すべき問題やニーズを有しているにもかかわらず, その問題を解決できていない,あるいはニーズが充足さ れていない人々に対して,アウトリーチなどの手法を用 いて,積極的に関わろうとするケースワークのこと。1950 年代に欧米で好んで用いられ

    アグレッシブ・ケースワーク

  • 7

    ❗️ 一般的には評価や査定と訳されることが多いが,ソーシャルワークでは,援助を展開していくプロセスの一段 階を指す。エバリュエーション(evaluation)と区別す るために,「事前評価」や「初期評価」の訳語が使われ ることもあるが,現在ではカタカナの原語表記での使用 が多い。ソーシャルワークの黎明期には,リッチモンド (Richmond, M.)の著書のタイトル『社会診断(Social Diagnosis)』にも示されるように,診断(diagnosis) と呼んでいた。現在では,収集する情報が身体的(bio), 心理的(psycho),社会環境的(social)と広範囲にわ たり,人とその取り巻く環境との相互作用(person-in- environment),あるいはクライエントの長所や強み (strength)に焦点をあてる。

    アセスメント

  • 8

    ❗️(advocacy) 本来,法律分野の用語であるが,ソーシャルワークに おいては,その重要な機能を説明するために以前から使 われており,我が国でも「代弁」という訳語が用いられ てきた。しかし,近年では公的・私的に権利擁護関連の 新しい仕組みが登場してきたことに伴い「権利擁護」と いう訳語が使われることも多い。もともとケースワーク では,クライエントの利益を守るために,クライエント の立場に立って,クライエントに代わって主張すること を代弁的機能として位置づけてきた。現在ではこういっ た1つの事例にとどまらず,同様の問題やニーズを有す る顕在的・潜在的クライエント・グループの利益を守る 為に,ソーシャルワーカーが何らかの主張を展開するこ ともある。このようなアドボカシーは,「コーズ (cause)・アドボカシー」あるいは「クラス(class)・ アドボカシー」と呼ばれている。また最近は,当事者が 自らの権利を主張することをより強調する意味で「セル フ・アドボカシー」という用語も登場してきている。

    アドボカシー

  • 9

    ❗️(medical model) 人々の抱える問題や生活上の課題を取り除くこと,あ るいは修正することで援助を達成しようとする考え方。

    医学モデル

  • 10

    ❗️ ソーシャル・グループワークにおいて用いられる原則 のひとつ。グループワーカーが,メンバーに望ましい影 響を及ぼすように,グループに対して行う専門的な働き かけ(介入)。ワーカーとメンバーとの援助関係や,メ ンバー間の相互作用関係,グループ内の力動を活用,プ ログラムを活用すること等がある。グループの特性に応 じて,役割分担やリーダーシップ,規範などを活用する ことなどが含まれる。

    意図的介入の原則

  • 11

    ❗️(enabling) ソーシャルワークの機能を説明する際に用いられるが,特に決まった訳語はない。イネーブラー(enabler 力を 与える人)としてのソーシャルワーカーには,クライエ ントやクライエント・グループが,自らの力で,問題や ニーズを解決していけるように支援する役割が求められ る。支援内容の例としては,心理的な支持を与える,考 えや計画を整理するのを手伝う,新たなリソース(資源) を紹介する,代弁する等といったことが挙げられる。

    イネーブリング

  • 12

    ❗️(medical social work) 保健・医療機関等で行われる社会福祉実践。ソーシャ ルワーカーが保健や医療分野の職種と協働し,社会福祉 の観点から,疾病や障害および住民の健康問題などから 派生する生活問題の解決や緩和,予防を図る援助活動。 20 世紀の初頭にアメリカのキャボット(Cabot, R. C.) 医師が,医療のみでは人の疾病や障害は克服できず,生 活問題として疾病を捉えることが必要であるとし,マサ チューセッツ病院にソーシャルワーカーを配置したこと に始まるとされる。日本では,1920 年代に生江孝之によ って済生会病院に,また浅賀ふさによって聖路加病院に 医療ソーシャルワーカーが配置されたのが最初とされる

    医療ソーシャルワーク

  • 13

    ❗️(intergroup work) 1940 年代の米国において,当時のコミュニティ・オー ガニゼーションの技法の1つとして,ニューステッター (Newstetter, W.I.)によって提唱された概念,地域の 様々なグループ(機関,施設,団体など)の代表からな るインターグループを組織し,参加している各グループ が相互に満足できるような関係を築き,そこで選択され た社会的目的の達成を目指してインターグループを運営 していくというもの。ソーシャルワーカーには,イネー ブラーとしての役割が期待される。

    インターグループワーク

  • 14

    ❗️(intervention) ソーシャルワークのプロセスにおいて,ソーシャルワーカーが実際に援助を展開する段階のことを指し,「介入」と訳されることが多い。初期の頃のソーシャルワークでは,医療と同じ「トリートメント(treatment 治療,処置,処遇)」の用語が使われていたが,医療モデルからの脱却に伴い,インターベンションが使われることが

    インターベンション

  • 15

    ❗️(intake) 機関や施設が,利用者と最初に接触することを指し, 「受理面接」や「初回面接」と訳されることが多い。ソ ーシャルワークの最初の段階として位置づけられたり, あるいはアセスメント以降の,より専門的な援助プロセ スの前段階として位置づけられるが,明確に定まってい るわけではない。いずれにせよインテークでは利用者か らの基本的な情報収集と援助者(機関・施設)からの情 報提供(提供可能な援助の内容,利用要件,料金など)が主要な作業となる。インテークの終了時には,同じ援助者が援助を継続するのか,他の援助者に紹介するのか ということが決定される。なお欧米では,インテークと いう用語は使われることが少なくなっており,代わって エンゲージメント(engagement)という用語が用いられ ている。

    インテーク

  • 16

    ❗️(integration) 統合,統合化。ハンディキャップのある者が日常生活 の中で支障や差別なく地域社会と密接し生活できるよう 援助すること。つまり,多様な人々が,地域社会のなか でともに生活し合う状態を回復するための援助や活動。 なお,より発展した理念をインクルージョンと呼ぶ場合 がある。 ノーマライゼーションの類義に使われること もある。

    インテグレーション

  • 17

    ❗️(informal network) 福祉サービス提供者は公的資源(フォーマル),民間 資源(市場原理に基づくもの),非行的資源(インフォ ーマル)の 3 者に大別され,このうちの非公的資源(家 族・親族・近隣・友人・ボランティアなど)によって構 成される支援体制のこと。「フォーマル・ネットワーク」 の対立概念として用いられる。

    インフォーマル・ネットワーク

  • 18

    ❗️(informed consent) 「説明と同意」「十分に知らされた上での同意」と訳 される。ソーシャルワークで用いる場合は,アセスメン トを行い,それに基づいて援助方針を出すときに,専門 家の持っている知識や技術の卓越性を押し付けるのでは なく,十分に理解を得て選択してもらい合意することを 意味する。説明する内容は,アセスメントによって明ら かになった現状,問題を改善するための援助内容,その 場合の利益・不利益,さらには代替方法などで,クライ エントが理解できる表現で伝えることが重要である

    インフォームド・コンセント

  • 19

    ❗️(well-being) 社会福祉の歴史の中で救貧的な意味合いを有するウェルフェア(welfare)に対して,「人権保障」「自己実現の支援」をめざす新たな理念として使われている。日本語では「幸福」「福利」「よりよく暮らすこと」「良好な状態が続くこと」などと訳されているが,定訳はなく原 語でウエルビーイングと用いられることが多い。

    ウェルビーイング

  • 20

    ❗️(ecomap) ソーシャルワークの記録方法の中の図表式の一種で, 生態地図や家族関係地図と呼ばれる。クライエントとそ の家族との関係や,その他の社会資源との情報を円や関 係線で表現する方法である。図式化することで,援助者・ 関係者(機関)・クライエント自身が問題が起きている 状況を把握し,今後の援助に必要な社会資源を検討する うえで利便性が高い。1975 年にハートマン(Hartman, A) が一般システム理論と生態学理論を基盤として考案した。 【関連用語】エコシステム,エコロジカル・ソーシャル ワーク

    エコマップ

  • 21

    ➖(ecosystem) 問題の発生要因を個人に焦点化する考え方に対して, 個人とそれを取り巻く特定の環境との接触を交互作用, 適合性,互酬性などの観点から力学的に把握するという 理論的枠組み。1983 年にメイヤー(Meyer, C. H.)が, 一般システム理論と生態学理論を統合させた。 【関連用語】エコマップ,エコロジカル・ソーシャルワ ーク

    エコシステム

  • 22

    ❗️(ecological social work )  人間と環境との相互関係を重視し,クライエントを環 境と切り離した個人としてではなく,家族や地域社会の 一員として捉え,生活上の諸問題を環境との関係上の所 産として把握しようとするソーシャルワーク実践の援助 理論のひとつである。このような生活問題の把握の仕方 に基づき,介入の焦点はクライエントと環境との間のイ ンターフェイス(接触面)に向ける。ソーシャルワーク に生態学の考え方を取り入れようとする動きは 1960 年 代後半から 70 年代にかけて生まれ,後にジャーメイン (Germain, C. B.)らによりライフモデルとして体系化 された。

    エコロジカル・ソーシャルワーク

  • 23

    ❗️(生活技能訓練)(social skills training) 対人関係の改善や,服薬の継続,症状自己管理など, 精神障害者の地域生活を支援するために開発された治療 技法,またはその学習パッケージ。行動療法と社会的学 習理論に基づき,精神障害者の認知・学習障害に対応し た訓練を実施し,生活技能と対処能力を高める。米国UCLA のリバーマンらが開発し,1988 年の来日を契機に日本で も本格的普及。現在では,精神障害者に限らず,知的障 害者や身体障害者分野などでも応用されている。生活技 能訓練,社会生活技能訓練,社会的スキル訓練,社会技 術訓練などと訳されることもある。

    SST

  • 24

    ❗️(事後評価)(evaluation) ソーシャルワークの実践過程は問題発見(ニーズキャ ッチ)から始まり,終結(クローズド)に終わるが,ソ ーシャルワーク援助が終結する時に,「その援助が何ら かの成果をもたらしたか」を評価すること。事後評価に は,大きく分けて,「プロセス評価」と「結果評価」が ある

    エバリュエーション

  • 25

    ❗️(encounter group) 全人格的な出会いの場として,ある一定期間(数時間 から数週間)維持されるグループのこと。職業,年令, 性別などを超えて対等の人間として素直に語り合う。本 音と本音の交流を通して,対人関係やコミュニケーショ ンの改善,豊かな感情体験や感情表現,自己覚知の深ま りなど,参加者の人間的な成長が期待される。類似のグ ループとして,組織の成長を主眼としたTグループ (training group の略)や個人の成長に関心を向けた感 受性訓練グループ(sensitivity training group)など がある。

    エンカウンターグループ

  • 26

    ❗️(empowerment approach) 個人,グループ,家族,コミュニティが,自己の真価 を発揮する力,人に働きかけ協働する力,社会的・経済 的な力,政治的・法的な力を獲得し発展させることを目 指すアプローチ。特に,差別や抑圧,搾取の対象とされ たり,社会・経済的力や政治的力を奪われたりしている 人々を念頭に置いて使われ,力を奪われた人々が自己決 定力や主体性,影響力を取り戻すことを重視する。

    エンパワーメント

  • 27

    ❗️(trauma) 戦争・災害・家族内での暴力・レイプなど,生命の危 機や自己存在を圧倒し否定されるような強い刺激や体験 に遭遇した場合,その体験が自己意識や認知的枠組みに 統合されず,時が経っても精神生活上強い影響を及ぼす ことをいう。トラウマは,抑鬱・不眠,フラッシュバッ ク,錯乱・幻覚,動悸・発汗・立ち眩みなどの自律神経 調節障害をはじめ,心理・身体・行動上の様々な問題・ 症状として残ることが多く,これらを「心的外傷後スト レス障害(症候群)」という。

    外傷体験,トラウマ

  • 28

    ❗️(counseling) クライエントの心理的な適応や健康,人生の課題の解 決,行動や認知の変容,自己理解の深まり,人間として の成長などを目指して行われる言語的・非言語的コミュ ニケーション。変容や成長が可能となる基盤として援助 者とクライエントとの人間関係が重視される。参加する 人の関係性によって,個人カウンセリング,家族カウン セリング,グループカウンセリング,ピアカウンセリン グなどの名称が使われる。行われる場所や扱う課題など によって学校カウンセリング,産業カウンセリング,結 婚カウンセリング,矯正カウンセリング,グリーフカウ ンセリング等,また寄って立つ価値観によってフェミニ スト・カウンセリングや牧会カウンセリング,仏教カウ ンセリングなどの諸方法がある。

    カウンセリング

  • 29

    ❗️(family systems theory) 家族を一つのシステムとして捉え,家族システムの構 成要素である夫(父親),妻(母親),息子(兄・弟), 娘(姉・妹)などの要素を相互関連的に捉えようとする 理論。家族の一部の変化が全体の変化を引き起こし,ま た,家族内部の弱者や犠牲者に加えられる圧力を軽減す る効果もあると考えられ,家族療法や家族ソーシャルワ ークなどに用いられている。

    家族システム理論

  • 30

    ❗️(family social work) クライエントが直面する問題を家族全体の中で捉え,家族関係のあり方に介入することで問題の解決・緩和を 図ろうとするソーシャルワークの一分野。

    家族ソーシャルワーク

  • 31

    ❗️(family therapy) 家族を一つの単位とし,システムとしての家族を治 療・援助の対象とする療法。家族は有機体の如く常に均 衡を維持しつつ発展している。これを一つのシステムと 捉え,このシステムの機能不全が家族構成員の問題行動 や症状として顕現すると捉え,治療・援助する方法であ る。家族療法における援助は,このシステム内の相互作 用のパターンに介入し,それに変化を起こさせることに よって,特定の問題行動や症状を呈しない新しいシステ ムを創り出すことが目標とされる。家族療法の焦点とし ては,夫婦関係の調整を伴う場合が極めて多い。

    家族療法

  • 32

    ❗️(task-centered approach) ソーシャルワーク援助は,問題そのものに対処する方 法と,問題をもつ人自身に重点を置き対処する方法とに 大別できるが,課題中心アプローチは,問題そのものに 対処する方法に分類される。対人関係に問題をかかえる ケースに有効であるとされ,問題を特定化し,その中で 具体的に解決できそうな課題を明らかにし,課題解決を 目標に利用者と援助者の協力により短期的に取り組む点 が特徴である。心理社会モデル,問題解決モデル,行動 療法,危機介入などのアプローチの知識と実践の成果を 統合して,1970 年代はじめに形成されたソーシャルワー クの実践モデルの一つ。リード(Reid, W. J.)らがこ のモデルの構築に寄与したとされている。

    課題中心アプローチ

  • 33

    ❗️(catharsis) 心の中に抑圧されている不満や恐れなどの感情や心の 傷,思い,過去の重要な出来事,それらにまつわる連想 などを言葉やその他の方法で表現すること。結果として 不安や緊張などが低減し気持ちがすっきりすることが期 待される。ギリシア語で「浄化」を意味する。

    カタルシス

  • 34

    ❗️(school social work) 学校において実践されるソーシャルワークの総称。ア メリカでは,不登校,校内暴力,いじめ問題など学校に おける問題が顕在化し,また家庭内暴力や児童虐待など 家庭内の問題が学校に持ち込まれることが多くなったこ とを背景として,児童・生徒個人や保護者,教師への心 理学的側面からのカウンセリングのみならず,学校と家 庭・地域社会との調整・連携によって児童・生徒を援助 していくソーシャルワーカーが配置されるようになった。 わが国では,主に非常勤のスクールカウンセラー,教育 相談員が学校や教育委員会に配置されているが,学校ソ ーシャルワークは教育現場に十分に根づいた実践にまで は至っていない。

    学校ソーシャルワーク

  • 35

    ❗️(reflection) クライエントの言葉,動作,表情の裏にある感情を評 価や批判を加えることなく,ワーカーが言葉で表現する こと。ワーカーがクライエントに共感していることを表 現する手段として活用される。

    感情の反映(反射)

  • 36

    ❗️(milieu therapy) クライエントの社会生活への適応性を高め,社会復帰の実現を促進するために,生活環境の変革を行う治療法 である。環境療法の主たる現場は病院や施設であるが, この目的のためには病院や施設全体の環境が治療的雰囲 気を持つ治療共同体であることが重要であり,また一方 において,この治療法は退院後の実社会での社会復帰活 動と連続性を持っており,地域精神医学との結びつきが 強い。

    環境療法

  • 37

    ❗️(indirect social work) 援助者と利用者との対面関係に基づく直接援助技術の 背景となる社会福祉の基盤作りを行なう技術である。具 体的にはコミュニティワーク,ソーシャルワーク・リサ ーチ,ソーシャル(ワーク)アドミニストレーション, ソーシャル・プランニング,ソーシャルアクションの5 つからなり,直接援助技術と併用,または統合されて実 践的効果を発揮する。

    間接援助技術

  • 38

    ❗️(crisis intervention) 個人,集団,地域社会が危機に直面しているとき,危 機理論に基づいて行う一連の援助方法。危機以前と同じ か,またはそれ以上のレベルにまで回復して危機を克服 するという短期集中的援助方法である。 【関連用語】危機理論 危機理論(crisis theory) 危機理論は,キャプラン(Caplan, G.)とリンデマン (Lindemann, E.)らによって 1940 年代から 1960 年代 にかけて構築された理論である。人が危機に陥りそこか ら回復する過程には一定の法則があり,長期に継続はし ない。危機に陥っている人には共通した特徴的な感情や 行動がみられ,対処方法によって結果が大きく変化する としている。

    危機介入

  • 39

    ❗️(functional approach) 人には自ら成長する自由な意志があるというランク (Rank, O.)の意志心理学の考え方に基づいている。人 の問題は自由意志と成長の力が,環境要因により損なわ れているために生じると考える。その要因を除去し,本 来人が持っている力を発揮できるように支援するアプロ ーチ。

    機能的アプローチ

  • 40

    ❗️(empathy) 相手の内面的立場に立って,相手が考え,思い,感じ ていることを,同じように感じとり理解し,それを相手に伝えること。伝える技法として感情の反射や,繰り返しなどが活用される。

    共感

  • 41

    ❗️(client) 専門的な社会福祉のサービスを利用する個人,グルー プ,家族,コミュニティなどのこと。対象者,被援助者,受給者,来談者などと訳されたり,クライアントと表記されたりするが,クライエントと言う表記が定着して来 ている。最近では,クライエントに代えて,利用者(user), 消費者(consumer)などの用語が用いられることもある。 クライエントになるのはサービス提供機関との契約が成 立した後であり,受付から契約までの段階では申請者(ア プリカント applicant)として区別できる。

    クライエント

  • 42

    ❗️(client system) 援助の対象となるシステムのこと。個人,家族,グル ープ,組織であっても,システムとして捉えることによ って,それぞれと社会環境との相互作用を含めて援助の 対象とすることが明確になる。ソーシャルワークは,援 助の焦点を人と環境との相互作用にあてることを特徴と してきた。システム視点に立つと,クライエントは生活 上の問題をもつ個人や家族などと単体で把握されるので はなく,それらを含むより大きなシステムのなかで理解 される。 【参考用語】アクション・システム 【関連用語】ターゲット・システム,チェインジ・エー ジェント・システム

    クライエント・システム

  • 43

    ❗️(client-centered therapy) カール・ロジャースにより提唱された心理療法(カウ ンセリング)のアプローチ。理論的発展にあわせて,呼 称は「非指示的カウンセリング」「クライエント中心療 法」「人間中心療法」と変わった。しかし,クライエン ト自身が問題を解決し成長していく力を持っていると考 える基本姿勢は変わらなかった。理論的基盤として自己 理論を提唱,理想我(ideal self)と現実我(real self) のずれが不適応を招くと考え,思い込みの自己概念にと らわれずに自分のどんな体験や感情にも向き合える「自 己一致」の状態を大切な目標とした。クライエントが自 分に向き合うために治療者側に求められる条件として 「共感的理解,無条件の肯定的関心,純粋さ」を指摘し た。

    クライエント中心療法

  • 44

    ❗️(clinicalsocialwork) 個人や家族,小グループに直接関わる専門的ソーシャ ルワーク実践。具体的な内容については見解が分れ,狭 義には病理治療的な援助実践を指して使う人もいるが, 広義には種々の対面的なソーシャルワーク援助を包括す る用語として使われる。広義の用法では,直接援助 (direct practice)やミクロ実践(micro practice) とほぼ同義語と考えられる。用語の変遷の背景には,ソ ーシャルワークを取り巻く米国社会の変化やそれに伴う 旧来のケースワーク等への批判,福祉制度の変化,ソー シャルワーク自体の理論や資格制度の発展がある。

    クリニカル・ソーシャルワーク

  • 45

    ❗️(group dynamics) 1940 年代にアメリカで成立し,小集団による問題解決 過程における複雑な人間関係や,個人に与える小集団の 心理的力動性のこと。集団力学または集団力動と訳され る。グループ・ダイナミクスは,グループワーク理論に 大きな影響を及ぼし,多様な社会福祉活動に応用されて いる。 【関連用語】グループワーク

    グループ・ダイナミクス

  • 46

    ❗️(group work) ソーシャルワークの共通基盤に立脚した実践で,その うちの直接援助技術の一つ。ソーシャル・グループワー クが正式名称。社会福祉士及び介護福祉士の国家資格化 に伴い,集団援助技術とも呼ばれる。ソーシャルワーカ ーとしてのグループワーカーは,メンバー間の相互作用 を意図的に活用し,グループの持つ力動性とプログラム 活動(スポーツ,レクリエーション,等)を媒体にして実践していく。グループワークの目的は,メンバーの抱 える日常生活上の要求充足,社会生活能力の改善,パー ソナリテイの発達,諸課題の効果的達成に向けられ,さ らには民主社会の維持・発展と地域社会の発展も同時に 促す。ソーシャルワーク及びケースワークの原則は,グ ループワークの原則にも適用される。 【関連用語】グループ・ダイナミクス

    グループワーク

  • 47

    ❗️(care management (case management)) 1970 年代から欧米で開発された方法で,イギリスでは ケアマネジメント,アメリカではケースマネジメントと 一般に称されている。要支援者のアセスメントを基に, 関係者でチームを構成し,保健・医療・福祉サービスの 統合的利用と,家族,親戚,近隣住民,友人,同僚,ボ ランティア,民間サービスといった社会資源を効率的に 調整し,要支援者に結びつけて行く手法。ケアマネジメ ントには,緊急度の見極め,介入のきっかけや諸機会取 り込みの判断,介入に伴う予測効果,他職種とのチーム ワーク等は,十分考慮されなければならない。我が国で は高齢者分野のみならず,2003 年からは障害者福祉分野 でこの手法が導入された。子ども家庭福祉の分野ではケ ースマネジメントが使われている。

    ケアマネジメント(ケースマネジメント)

  • 48

    ❗️(care work) 心身の発達や障害,その他社会生活上の諸困難により, 日常生活の安定や維持・継続を保てない人々に対し,対 面的かつ具体的サービスを提供していく生活支援活動の 総称。具体的には,社会福祉の援助観や知識を背景にし, 身体介護(入浴・食事・排泄),保育・養護,家事援助 (掃除,洗濯,調理等),心理的サポートなどをさす。

    ケアワーク

  • 49

    ❗️ ソーシャルワーク面接を行うにあたって,基本となる 技法のひとつである。クライエントのペースで話しても らい,それに対して,うなずきや繰り返し,質問,感情 を受けとめ表現するなどの方法を通して,クライエント の話しを一生懸命に聴いていることを伝える。相手の話 しを正確に受けとめるという姿勢が,効果的なコミュニ ケーションの基本となる。

    傾聴

  • 50

    ❗️(engagement contract) ソーシャルワーク過程におけるひとつの段階で,クラ イエントとワーカーが達成目標や取り組みに関する合意 のことである。そのとき,互いの権利と義務,責任や期 待などについて明らかにする。契約の最大の意図は,ク ライエントとワーカーが対等な関係で問題解決に取り組 むことにある。クライエントを主体的な参画者として位 置付け,自己決定を保障するために情報提供や説明責任 が生じる。

    契約

  • 51

    ➖(case conference) サービス利用者が抱えるニーズ,問題や課題の把握, それらをふまえた支援計画の立案,支援方法の選択と決 定,さらには,その後の支援効果の評価等に関し,多職 種(保健・医療・福祉)が一堂に会し,検討を深める集 まりの総称。事例(ケース)検討会,あるいは事例(ケ ース)研究会ともいわれる。社会福祉の援助に固有の用語ではなく,他領域でも用いられている。

    ケースカンファレンス

  • 52

    ❗️(事例研究)(case study) 解決すべき問題や課題を抱えるケース(人・集団・地 域)への援助を,さまざまな角度から検討し,そこから ケースを取り巻く状況や抱える問題の原因,支援のあり 方と,必要な社会資源等を明らかにしていく研究手法。 手法としては,事例を包括的に提示しそこから総合的に 検討を深める「ハーバード方式」と,提示された事例の ある断片(インシデント/事件)から,参加者が改善・ 解決法を模索していく「インシデント・プロセス法」と がある。

    ケーススタディ

  • 53

    ❗️(case work) ソーシャルワークの共通基盤に立脚した実践で,その うちの直接援助技法の一つ。ソーシャル・ケースワーク が正式名称。社会福祉士及び介護福祉士の国家資格化に 伴い,個別援助技術とも呼ばれる。生活者としてのクラ イエントが社会的に機能していく過程で,当面する日常 生活上の問題に対し,ソーシャルワーカー(ケースワー カー)が,所属する社会福祉機関・施設の方針,信頼関 係(ラポール rapport)や安定した情緒的関係を基盤に,クライエントがより主体的に問題に対処・解決していけ るよう,その問題に潜む個別性を重んじながら,協働し ていくこと。

    ケースワーク

  • 54

    ❗️(case record) クライエントのおかれている状況及びサービス提供の 状況について記したもの。ソーシャルワーカーにより記 録され,ワーカーないし援助提供機関により保管される。 記録の様式及び内容については,援助提供機関やケース の内容によって変わってくるが,一般的にはフェイスシ ートと過程記録ないし経過記録と呼ばれるものから構成 される。

    ケース記録

  • 55

    ❗️ ソーシャルワーカーの機能のひとつで,クライエント の利益を守るために,クライエントの立場に立って支 援・代弁・擁護を行うこと。クライエントの主体性に価 値をおき,自己の権利やニーズの表明,制度活用を支援 すること,さらに,必要な場合に組織や制度の変革を求 めることも意味する。

    権利擁護

  • 56

    ❗️(verbalization) ソーシャルワーク面接のなかで,クライエントやワー カーが,共感される意味や意図を言語として表現するこ とをいう。言語化によって,クライエントははっきりと 意識化できない曖昧な感情や考えを明確化することや, 不安や怒りといった情動が生じた理由を自覚し,解決に 向けて取り組むべき課題が明らかになる。言語化のため には,ワーカーの意図的なかかわりが重要である。

    言語化

  • 57

    ❗️(verbal communication ) 言語によるコミュニケーションを指す。面接や日常的 な援助場面においては,援助者の言語的コミュニケーシ ョンの的確さが求められる。またクライエントの言語的 コミュニケーションに注目し,その内容だけでなく,表 現方法や意図するところや,言語化されないことにも関心をはらう必要がある。

    言語的コミュニケーション

  • 58

    ❗️(transaction) 交互作用とは,社会環境のなかで,個人,家族,小集 団,コミュニティは,それぞれ独立して存在するのでは なく相互に影響し合っているという考え方。相互作用は 一対一の作用であるが,交互作用はシステムの中で要素 が他の要素に影響を与え,またその要素が元の要素や他 の要素に影響を与えるという複雑な作用である。システ ム理論やライフモデルの登場以来,ソーシャルワークに おいて交互作用に焦点をあて,この関係性への介入を通 して援助効果を上げようとする考え方が強調されるよう になった。

    交互作用

  • 59

    ❗️(transactional model) グループワークをソーシャルワーク理論の中に包みこ み,共生的な相互依存関係にある個人と社会の交互作用 に焦点を当て,媒介者としてのワーカーが個人と社会の 双方を共に援助しようとする援助のモデル。シュワルツ (Schwartz, W.)によって構築された。

    交互作用モデル

  • 60

    社会福祉援助やサービスがクライエントの問題解決にどの程度役だっているかを,科学的方法を用いて測定すること。このことにより援助の質の向上を図り,クライ エントや社会全般に対して,専門的援助の重要性を示し ていく責任がある。効果測定の方法として,当初,統制 群実験計画法が行われたが,福祉臨床現場でクライエン トを実験群と統制群に分けることの倫理的問題やクライ エント個人の変化のプロセスを把握しやすいことから, 単一事例実験計画法が注目されている。

    効果測定(effective measure)

  • 61

    ❗️(structured interview) 構造化面接とは,来談者あるいは被調査者に対して, あらかじめ質問内容や選択肢を準備しておき,それにし たがって,面接や質問を進めること。共通の項目への回 答を比較するとか,質的内容を量的に把握する場合など に適している。これに対して,より構造化度が低いもの として,半構造化面接,非構造化面接が挙げられる。構 造化度が低くなるにしたがって,非面接者あるいは回答 者側の自由度が高くなる。これは,探索的な面接や調査 に適している。 【関連用語】半構造化面接,非構造化面接

    構造化面接

  • 62

    ❗️(structural approach) 社会福祉理論における制度政策論・運動論の立場から 地域福祉を把握しようとする接近法またはそれによって 形成される地域福祉論で,牧里毎治が命名したもの。1. 国家独占主義段階における地域政策であること,2.資 本主義社会の構造的必然として生みだされる貧困問題お よびそこから派生する問題を対象とした政策であること, 3.地域における最低生活保障を支える公的施策である こと,4.政策形成過程において,住民運動などの社会 運動の影響を受けること,5.公的責任のもとに実施さ れること,などを特徴とする。構造的アプローチの諸定 義は,1970 年代の公害反対・住民運動・革新自治体誕生 という当時の時代背景を地域福祉の概念規定に反映させ たものといえる。対概念は,機能的アプローチ。 【参考用語】機能的アプローチ

    構造的アプローチ

  • 63

    ❗️(behavior therapy) 不適切な行動を学習された行動や習慣と考え,学習理 論に基づいて不適応行動を除去し,適応行動を形成・強 化する療法である。アルコール依存・食行動異常のグル ープには,認知行動療法が用いられている。

    行動療法

  • 64

    ❗️(coordinate) 種々の組織や団体の間で,仕事の量や質,その進み具 合あるいは利害関係などを調整していくソーシャルワー クの機能。コーディネーションともいう。

    コーディネート

  • 65

    ❗️(coping) 問題をはらむ状況に対応したり,それを下げたりする こと。問題対処。 コミュニティ・ディベロップメント(community development) 日常生活圏の社会的,経済的,文化的条件を改善する ために,住民が主体となって,住民間の社会的絆を強め, 自助努力を活性化させ,リーダーシップを発達させ,地 方制度を創出するような草の根的活動を重視する方法。 地域開発,あるいは地域共同社会開発などと訳される。

    コーピング

  • 66

    ❗️(community development) 日常生活圏の社会的,経済的,文化的条件を改善する ために,住民が主体となって,住民間の社会的絆を強め, 自助努力を活性化させ,リーダーシップを発達させ,地 方制度を創出するような草の根的活動を重視する方法。 地域開発,あるいは地域共同社会開発などと訳される。

    コミュニティ・ディベロップメント

  • 67

    ❗️(community relations) コミュニティ内部の住民組織,企業,福祉施設,団体 などがコミュニティの福祉に対して貢献し,協力関係を 形成していること。

    コミュニティ・リレーションズ

  • 68

    ❗️(community social work) 1982 年の英国『バークレイ報告』で提案された,コミ ュニティを重視したソーシャルワークの進め方。ただし, コミュニティワークとは異なり,対面的関係に基づく相 談(カウンセリング的対応)と,自立生活上必要なサー ビスを提供する個別援助技術の部分,それらの個別援助 を可能ならしめる資源開発やソーシャルサポート・ネッ トワーク形成から成り立つ。

    コミュニティ・ソーシャルワーク

  • 69

    ➖(community work) 地域社会の問題を解決していく専門技術であり,計画 立案や運営管理の技法をあわせ持つソーシャルワークの 一方法。コミュニティ・ディベロップメントやコミュニ ティ・オーガニゼーションといったものを包括する概念 として使用され,地域援助技術と訳される。その展開に おける主体としては,地域住民や民間の組織・団体が強 調されることが多いが,行政などの公的機関との協働や 連携も重視される。

    コミュニティワーク

  • 70

    ❗️(consultation) 社会的に専門性を持った組織や個人と,ある特定の問 題を解決するための専門性を必要とする個人,集団,コ ミュニティ等との間に形成される対人関係を通して,問 題解決を図ること。ソーシャルワーカーがコンサルテー ションを提供する側(コンサルタント)になることもあ れば,受ける側になることもある。類似概念としてスー パービジョンがあるが,スーパービジョンが同一職種によって行われるのに対し,コンサルテーションは他職種 から,特定のことに焦点をあてた助言を受ける。また, そこでなされた助言等を受け容れさせるような管理的機 能は発生しない。

    コンサルテーション

  • 71

    ❗️(consumer) 一般には消費者と記される。社会福祉では従来のクラ イエント(client)という表現に替わる用語として使用 される場合がある。コンシューマーは,消費者としての 権利を有しており,社会福祉の対象者が資本主義社会に おいて一般の人と同等の立場にあることを示す場合など に使用される。しかし消費者という概念には,ソーシャ ルワークのプロセスに参画するという意味がなく,不適 切であるという批判もある。 【関連用語】ユーザー,クライエント

    コンシューマー

  • 72

    ❗️(competence) 一般には,能力,適性と訳される。ソーシャルワーク で使用される場合は,専門職としての力量,能力,適性 をさす。専門職意識として使用される。全米ソーシャル ワーカー協会等の倫理綱領では,専門職に求められる力 量として「専門的価値」「機能」「知識」「技術」が挙げ られている。

    コンピテンス

  • 73

    ❗️(葛藤)(conflict) 2つまたは2つ以上の類似した,あるいは対立した欲 求が同時に同程度の強さで起こるときに,いずれかを選 択することが困難になる緊張状態。多くの場合,心理的 緊張状態をさす。

    コンフリクト

  • 74

    ❗️(complex) ユング(Jung, C. G.)によって提唱された精神分析 的概念であり,「感情によって色づけられた観念複合 体」または「無意識に抑圧され,自我を脅かすような影 響を及ぼす観念複合体」をいう。一般的に「コンプレッ クス」と呼ばれているものは,劣等感コンプレックスで あるが,コンプレックスは劣等感だけを指し示すもので はない。 【関連用語】エディプス・コンプレックス,劣等コンプ レックス

    コンプレックス

  • 75

    ❗️(reassurance) クライエントが過去に行った問題対処の努力に対して, 根拠を持って肯定的に評価し,保証することによってク ライエントを受けとめ,サポート・強化していく技法。

    再保証

  • 76

    ❗️(industrial social work) 企業において,従業員の福祉向上のために行うソーシ ャルワークのこと。北米では企業内でのソーシャルワー カーの配置や,外部の契約ソーシャルワーカーにより, 従業員の育児・家族問題や諸社会サービス利用に関する 相談援助などが一般的だが,わが国では従業員のメンタ ルヘルス確保のための産業カウンセリングのほうが一般 的である。

    産業ソーシャルワーク

  • 77

    単語集p7-8 ❗️(generalist approach) ソーシャルワークの総合的アプローチ。さまざまな問 題やニーズを包括的・総合的に捉え,その上で専門職としての援助技術を包括的・統一的に捉えていくソーシャルワークの共通基盤に立脚したアプローチ。ジェネリック・アプローチと呼ばれることもある。 【関連用語】ジュネリック・アプローチ

    ジェネラリスト・アプローチ

  • 78

    ❗️(self-awareness) 援助者が自らの感情,性格,価値基準等についてでき るだけ理解を深めること。自らの価値観や感情を援助場 面に持ち込むと問題の状況を誤って判断したり,受容や 非審判的態度を貫けなくなる。そのために援助者は自ら を知り,コントロールする自己覚知が必要となる。

    自己覚知

  • 79

    ❗️(self-determination) クライエントの自主性を尊重し,クライエントが自分 で選択していくプロセスを援助するという援助原則。

    自己決定

  • 80

    ❗️(self-actualization) 自己充足という欲求を達成するために,潜在的な可能 性を十分に発達させることを意味する。マズロー (Maslow,A.H.)によれば,自己実現欲求は,生存欲求, 安全欲求,所属欲求,自尊欲求等の基本的な欲求が充足 された後,追い求める欲求とされる。マズローは後に, 人間の最高位の欲求として,自己超越欲求を掲げた。一 般的に自己実現欲求を充足している人は,そうでない人 と比較して,他者を援助したいという願望があり,自意 識が低く,他人に対しては親切で,親密な対人関係を持 つとされる。

    自己実現

  • 81

    ❗️(supportive treatment) ワーカーが,クライエントの適応を可能にするために 用いる援助介入の技法。主に面接場面において,ワーカ ーがクライエントに対して,不安を軽減し安心感を与え る,適確な助言をする,役に立つ情報を提供する,クラ イエントが自分のストレングスや資源に気づく,自信を 回復させるなど,クライエントが問題解決に向かって動 機付けや意欲を高めることをねらいとする。

    支持的技法

  • 82

    ❗️(system theory) ソーシャルワークでは,問題解決や研究対象としての 個人や家族,社会をシステムとして捉え,システムの諸 特性に関する諸事情を分析する視点や枠組みをいう。20 世紀中頃に,ベルラタンフィ(Bertalanffy, L.)等に よって,機械論と有機体論を総合して「組織化された複 雑性」を扱うものとして,一般システム理論が提唱され た。社会学においてはパーソンズ(Persons, T.)によ って社会システム理論が構築された。

    システム理論

  • 83

    ❗️(existential Social Work) 実存主義に基づいたソーシャルワークのアプローチ。 このアプローチの基底にあるものは人間の個性を発展さ せ,その存在を価値づけようとするものである。したが って,問題状況は,単に人間の成長過程にすぎないとみ なしている。幻滅感を体験させ,苦悩の意味を発見させ ながら,真に自由で自立のある人生を獲得させようとす るところが特徴的である。

    実存主義アプローチ

  • 84

    ❗️(social resources) 社会生活上のニーズの充足や問題解決のために活用される多様な資源の総称。施設・機関,設備,備品,資金等の物的資源,ソーシャルワーカーなどの各種専門職, 家 族 , ボ ラ ン テ ィ ア 等 の 人 的 資 源 , 制 度 , 政 策 , 法 律 等の制度的資源のほか,知識,技能,情報などが含まれる。

    社会資源

  • 85

    ❗️(social diagnosis) 伝統的なソーシャルワークの一過程。インテークや調 査によって収集された資料・情報を分析することによっ て問題の原因や本質を明らかにし,問題解決の方針を立 てる過程である。

    社会診断

  • 86

    ❗️(social function) 社会から期待された役割に応え,役割を果たす機能。

    社会的機能

  • 87

    ❗️(social work) 社会福祉の援助において援助者が意図的・組織的に用 いる専門的援助技術の総称。直接援助技術,間接援助技 術,関連援助技術などに分けられる。しかし,最近では これらを統合し,共通基盤を確立しようという試みが行 われている。

    社会福祉援助技術

  • 88

    ❗️(Chief Complaint) クライエント本人がワーカーに対して具体的に表出す る主たる訴えのこと。クライエントの主訴が必ずしも本 人の真のニーズや解決すべき問題と合致するとは限らな い。したがって,ワーカーはクライエントと協働して問 題の明確化に取り組むことが求められる。

    主訴

  • 89

    ❗️(confidentiality) 特定の業務において知りえた情報を,正当な理由やク ライエント許諾を得ることなく,他の者に提供すること を禁ずること。秘密保持ともいう。国家および地方公務 員法等で規定されているほか,社会福祉士及び介護福祉 士法においても,「社会福祉士及び介護福祉士は,正当 な理由なく,その業務に関して知り得た人の秘密を漏ら してはならない。社会福祉士または介護福祉士でなくな った後においても,同様とする」という業務上の義務規 定及び違反者への罰則が定められている。

    守秘義務

  • 90

    ❗️(acceptance) 受容とは,ソーシャルワーカーがクライエントの感情 と思考の両面において,その肯定的な側面も否定的な側 面も,あるがままのクライエントとして受け止めること。 それにより,クライエントがソーシャルワーカーとの間 で安心感をもって自分自身を眺め,より現実的に対応で きるようになり,様々な防衛から自己を解放できるよう な関係を保てるようになる。

    受容

  • 91

    単語集p8-9 ❗️(goals) 終結とは,ソーシャルワークによる援助活動の終わり を示す局面である。援助活動が終結する理由としては1 当初の援助目標を達成し援助を終結する場合,2クライ エントが援助を必要としなくなって終結する場合,3ソ ーシャルワークの援助を継続することができなくなって 終結する場合,などがあげられる。また,終結場面にお いては,これまでの援助過程を振り返り,援助のあり方 と成果を評価するとともに,クライエントが援助過程を 通して得たものを,将来にわたって維持・改善・向上させていけるように強化する機会でもある。

    終結(