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建築環境工学12
38問 • 1年前
  • 深井克真
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    問題一覧

  • 1

    ①と②はよく混同されるが、 この2つはまったく異なる現象である。今、ある壁体に音のエネルギーが入射すると、一部はその壁体の反対側に透過し、一部は反射され、一部はその壁面で②される。①とは音を遮ることであり、入射した音をその壁体の反対側に透過させない(反射+吸音)ことである。 一方、②というのは入射してきた音のエネルギーを反射もさせず、透過もさせず、その 壁へ吸収させることである。エネルギー不滅の法則により、吸収といっても音のエネル ギーを熱エネルギーに変える等の変換が行なわれるのが②という現象である。

    遮音, 吸音

  • 2

    ①とは、材料や構造体の遮音の程度を表わす量で、Transmission Lossの頭文字をとってTLと書き表わす。これは透過音のエネルギー に対する入射音のエネルギーの比の常用対数をとった値の10倍、すなわち(入射音のエ ネルギー)/(透過音のエネルギー)の値をデシベル値に直したものである。

    透過損失

  • 3

    ①は、透過損失と同じく、材料などの遮音の程度を表わすもので あるが、TLほどは用いられていない。TLとは逆に、入射音のエネルギーに対する透過音のエネルギーの比で示す。

    透過率

  • 4

    実際の建築物や室においては、単一の材料が使われることはむしろ少なく、壁、床、天井、 開口部など複数の材料が組み合わされている。このようなとき、室全体としての透過損失 は、各材料の面積に応じて、各々の材料の透過損失または透過率を加算して求める。これを ①とよぶ。

    総合透過損失

  • 5

    一般に単一材料からなる一重壁の透過損失は、その壁の①(単位面積当りの重量) が高い程②なる。これを、透過損失に関する③と呼ぶ。この関係は次式で示される。

    面密度, 大きく, 質量則

  • 6

    壁の透過損失は原則的に質量則によるが、 ある周波数の音が入射した場合、その壁が①を起こし、特定の周波数の透過損失が低下することがある。このような現象を②という。 一般に、単一材料の一重壁の透過損失は、 右上図の点線に示す傾向となるが、②を起こした周波数では、透過損 失が質量則からはずれて谷を生じたような形になっている。 このような周波数はさらに上方にもいくつかあるが、そのうち最低の周波数を③という。 材料の面密度が高く、柔軟で薄いほど、②を起こす周波数は高くなる。 

    屈曲運動の共振, コインシデンス効果, コインシデンス限界周波数

  • 7

    壁の遮音性能を高める方法として、壁を二重にすることが考えられる。壁厚を2倍にすると面密度は 2倍になるので、質量則によれば透過損失は6dB 向上するに過ぎない。一方、独立した二重壁では、 理論上はそれぞれの透過損失の和になるので、 大きな遮音性能の向上が期待できる。 ところが、実際は壁の間の中空層や支持材などで壁が構造的・音響的に連結してしまい(サウンドブ リッジ)、期待どおりの透過損失とならないばかりか、同じ面密度の一重壁よりも透過損失が小さくなる場合がある。 右図に、一重壁(点線)と比較して、同じ面密度の二重壁(実線)の透過損失を比較して示す。二重 壁では、低周波部分で透過損失の著しい落ち込みが見られる。これは、二重壁の間の空気層がバネの役割を果たし、音を透過させる効果によるものである。この現象を①と 呼び、低音域の遮音性能確保の上で問題となる。

    低音域共鳴透過

  • 8

    質量則にしたがって、重量のある壁にすれば、遮音性能が上がるが、壁の軽量化をはか るために、中空の二重壁を用いることがある。中空部では間柱や胴縁、周囲の取付部分 などで互いの壁は連結されている。このような場合、片側の壁に入射した音波による振動 が、この連結部を伝わって他方の壁に伝搬し、二重壁の透過損失を減少させることがあ る。このような連結部分に生じた音響的な短絡路を①とよんでいる。 二重壁のほか、集合住宅の床などで、コンクリートスラブの上に根太を置き、床材を貼っ た場合などに生じることもある。

    サウンドブリッジ

  • 9

    右図に、二重壁の間にさまざまな材 料を充てんした場合の透過損失の変 化の様子を示す。 多孔質材料を用いた図(a)では、全 般的に透過損失は向上する。 弾性材を用いた図(b)では、低音共 鳴透過が高い周波数で生じている。 剛性材を用いた図(c)では、コインシデンス周波数が低下して中高音域の 透過損失が大きく落ち込んでいる。 二重壁の遮音性能を向上させるには、 間柱を独立させて①か、②ことなどが有効である。

    構造的に独立させる, 空気層に多孔質材料を用いる

  • 10

    材料の遮音性能は、単位面積当りの質量の①ものほど一般的には良いが、周波数によってもその値は異なる。

    大きい

  • 11

    右図に、厚さを合計して6mmとし、面密 度を一定とした各種ガラス窓に関する 透過損失の比較を示す。 一枚ガラスと合わせガラスではほとん ど差はない。しかし、複層ガラスでは中 音域の透過損失に大きな落ち込みが見られる。複層ガラスでは空気層の密閉度が高く、中音域で①が生じているためである。 同一面密度の一重窓と比べても遮音性能は②ことから、遮音の目的には適さず、もっぱら断熱などの熱的性能の向上が目的と理解すべきである。遮音性能の向上を狙うためには、③などによる対策が必要となる

    共鳴透過現象, 劣る, 二重窓

  • 12

    建築物の設計に際し、遮音に対して考慮しなければならないことは、①に規定さ れている。 集合住宅の界壁は、厚さを10cm以上とし、遮音上有害な空隙のないこと、界壁は小屋裏または屋根裏まで達していなければならないこと、などが定められている。

    建築基準法

  • 13

    建築物の遮音性能を適切に評価するために1974年に制定された(2000年改定)JISでは、①と②の遮断性能の測定法及び遮音等級が定められている。

    空気音, 床衝撃音

  • 14

    ①の等級曲線は、2室間の壁、床など(集合住宅の隣り合う2室の界壁、あるいは同一住戸内の2室など)における空気伝搬音の遮音性能を表す。 ①は高周波ほど厳しく設定され、 ②という値でDr-30からDr-60の等級が定められている。数 値が大きいほど遮音性能は③。各種建築物や室用途別に、どの②を遮音性能の何級に適用させるかを日本建築学会が提案している。

    空気音遮断性能, D数, 良い

  • 15

    ①の等級曲線は、上下の界床(同一住戸内の場合でもよい)の床衝撃 音に対する遮音性能を表す。 音源室を上階、受音室を下階となるようにして、音源室に軽量衝撃(靴のかかとなどによ る加振)を想定した②と重量衝撃(子供の飛びはね加振)を想定した③による人工衝撃を与える。下階の受音室における音圧レベルの周波数特性を測定し、例えば、L-55のように評価する。 騒音源に対する受音室の音圧レベルによる評価なので、遮音等級の値の小さいほうが遮音性能が④ことを意味している。

    床衝撃音遮断性能, タッピングマシン, バングマシン, 高い

  • 16

    遮音等級は①という名でよばれ、Lr-②からLr-③の値に分けられている。右図は空気音遮断性能のグラフとは反対の右下がりの 折線となる。

    L数, 30, 80

  • 17

    グラスウールなど、多孔質 のものに音が入射すると、周囲との摩擦や粘性抵抗によって熱エネルギーに変換される。このような機構による吸音を①という。 その吸音特性は、一般に低音域では②、高音域では③。

    多孔質型吸音, 小さく, 大きい

  • 18

    薄板と剛壁との間に空気 層を設けた場合、音が入射されると板が振動し、 内部摩擦で熱エネルギーに変換される。このような機構による吸音を①よんで いる。その吸音特性は、低音域の共振周波数で②をつくるが、一般には吸音率はあまり大きくない。

    板振動型吸音, 山

  • 19

    ①(レゾネーター)に音を入射すると、共振周波数近くでは空気が激しく振動して、摩擦で熱エネルギーに変わる。②や、③のある材料は共鳴器が並んでいるとみなす。このような機構による吸音を④といい、その特徴は、共振周波数付近においてのみ吸音率が⑤なっている。

    共鳴器, 有孔板, スリット, 共鳴器型吸音, 非常に大きく

  • 20

    ①は、材料や壁体の吸音の程度を数値的に表わすもので、入射音のエネル ギーに対する、吸音された音のエネルギー(透過音のエネルギーも含む)の比で表わす。反射音以外はすべて吸音と考えて①を求める。①は次式で表わされる。

    吸音率

  • 21

    空室の場合、何種類かの材料が組み合わされてできている室内全体の吸音の程度は、各材料の吸音率をその使用面積の割合に応じて平均した①で表す。その算出式は次式で示される。

    平均吸音率

  • 22

    何種類かの材料が組み合わされてできている室内の総①は下式で計算される。単位は、面積(m2)に無次元の吸音率を掛けるため、平方メートル(㎡)となる。そのため①は②と称されることもある。面積と区別する場合に③と表記することがある。 ここに示した Ai は、④である。室内に人間や家具が存在するとそれ自体が吸音する。実際の計算を行なう際に無視できないが、壁や床のように表面積や吸音率を求めるのは難しいので、人間1人当り、家具1個当りの吸音力を加える。下表に人間や家具の①を示す。

    吸音力, 等価吸音面積, ㎡・sabine, 人間や家具の吸音力

  • 23

    材料の吸音性能は通常、吸音率で表わされる。①ごとにその値が異なるので、1オクターブバンドごとに示される。いろいろなタイプの吸音材や一般材料の吸音率を下表に示す。 これを見ると、同じ有孔板であっても、空気層や、背面に挿入した多孔質吸音材の厚さの違 いによって吸音率が異なること、周波数によって値に相当の差があることなどがわかる

    周波数

  • 24

    空気伝搬音の防止対策 a 設計計画の段階での配慮 設計計画の段階で、静かであるべき部屋や、騒音源の位置を考え、外部騒音に対しても、 内部発生音に対しても、各々の配置を考えなければならない。外部騒音(交通騒音など) に対しては、音源に面して静かであるべき室(寝室など)を配置しない、騒音源に面して開口部を設けない、などの配慮をする。 集合住宅では、上下の関係も大切で、給排水音の発生する水回りは上下に重ね、隣に寝室などを配置せず、クロゼットや廊下などの緩衝帯を設けるなどの工夫も必要である。遮音材で苦慮するよりも、①を優先的に試みる。経済的にも有利であり、メリットが多い。 b ②のよい材料や構法の採用 壁体(壁、床、天井)に②の良い材料を用いる。質量則にしたがった材料の選択、 二重壁の工夫などが望まれるが、③、④に対する留意を忘れない。 c すき間減少への配慮 開口部周囲のすき間はもちろんのこと、材料の接合部のすき間もなるべく少なくして、⑤を向上させることが大切である。しかし、気密性をよくした場合には、換気にも注意することを忘れてはならない。 d 開口部に対する注意 開口部は、周囲のすき間だけでなく、窓ガラスなどの②の低い材料の使用によって、弱点となりやすい。その位置、大きさに留意するとともに、防音サッシ、二重窓などの 工夫も考える。 e ⑥などの設置 可能であれば、騒音源に対して⑥を設けたり、⑦を設置するなどの工夫をする。また、同一建物内での発生音に対しては、押入、廊下などの⑧を設けるなどの配慮が必要である。 f 吸音効果の利用 同一室内で発生している音や、外部から侵入してしまった音に対しては、室内を⑨すると、反射音が少なくなり、騒音レベルが下がる

    配置の工夫, 遮音性能, サウンドブリッジ, コインシデンス効果, 気密性, 遮音壁, 袖壁, 緩衝帯, 吸音処理

  • 25

    固体音の防止対策 a ① 構造体に伝わってしまった振動を遮断することは難しい。そのため、固体音の原因となっ ている歩行、機械、給排水、建具の開閉、ピアノなどの①を考える。機械やピアノなどは脚部に防振ゴムを用いるなどして、振動源で直接防振する。歩行音は、じゅうたんなど柔らかい仕上材の使用、固いスリッパを履かないなど、固いもの同士がぶつから ない工夫をする。①をおろそかにしたため、地階の空調機騒音が8~9階まで伝わった例もある。 b 固体音の発生しにくい材料や構法の選択 ②や③のある材料が固体音の伝播防止に対して効果がある。一般に、RC造は木造 よりも有利な面はあるが、構造が一体的であり縁を切りにくいため、振動が広範囲に伝わる傾向がある。床衝撃音に対しては、振動の絶縁に効果のある浮床、重量や剛性を増すための厚いスラブなどは有効である。しかし、中空層をもつ床(根太床)は、共振やサウンドブリッジのために固体音が伝わりやすい。一方、中空層のない直床は、遮音上は有利であっても、人が倒れたときの衝撃が根太床より大きい傾向にあり、安全面での配慮が必要である。 c 設備の工夫 給排水設備に関しては、 ④や⑤を適正化することが重要である。配管支持金具 を構造体に取り付ける場所や方法、埋め込み配管、貫通部への緩街材の利用も固体音 防止に効果がある

    騒音源の防振, 重量, 剛性, 給水圧, 吐水量

  • 26

    < 音響設計の留意点 > 音響設計は、自分が聴きたいと思う音を、よりよい音で聴くために行なうが、音響設計に先立ち、建築的な基本計画や、騒音防止対策等が行なわれる必要がある。 a ①に合った響き 音響設計は、音楽、講演などを聴くホールや、スタジオ、教室など、様々な空間を対象とする。それぞれの①に合った響き(②)があり、十分な検討が様々な位置でなさ れることが望ましい。欧米では①に応じた専用ホールが多いが、日本では多目的ホールが多い。多目的ホールでは①に合った最良を期待することが②。 b ③、④さ 聴こうとする音が③で聞こえ、かつ話声など④さを要求される場合には④に聞こえる設計が望ましい。近年では「音の拡がり感」も重要視されている。 c ⑤な音場分布 ホール内のどの席においても、なるべく⑤な音場分布が得られることが望ましい。 d 音響障害の排除 エコーなどの⑥が出ては、せっかくの設計が台なしになる。音響上のいろいろな特異現象があるが、それらが出ない配慮をする。

    目的, 残響時間, 十分な音量, 明瞭, 均一, 音響障害

  • 27

    < 設計手順 > a 基本計画 室容積、室の寸法比などの基本的なことをまず決める。劇場、ホールなどは1席当り①~②㎡が必要であり、客席数に応じた 所要面積や付帯施設の算定をする。 b 室形の決定 室の平面形・断面形を決め、天井、側壁、バ ルコニー等の詳細を考える。そして、エコーなどは出ないか、音場分布は均一か、③や④の設置等を検討する。 c 内装設計 内装は残響時間の決定に大きな意味をもつ。 目的に応じた⑤を決め、⑥にしたがって⑦を選定する。家具も⑤に影響を与えるので、劇場の椅子などは選択に配慮を要する。

    0.65, 0.70, 拡散体, 反射板, 残響時間, 吸音率, 内装材

  • 28

    室内で発せられた音は、壁、床、天井などに何回も ぶつかり、その度に一部は反射されて再び室内に 残り、一部は吸音されて減衰する。反射音のために、音源の音が鳴り止んだ後まで音が残り、 ワーンという感じで聞こえる。これは音源からの直接音と反射音が一体となったもので一続きに聞こえる。 これを①とよんでいる。後に詳述する反響(ロングパス・エコー)とは区別される。 吸音による音の減衰により、残響音はしだいに小さ くなって行く。音源の音が鳴り止んだ時点から、音 響エネルギー密度が初めの10^-6になるまで、すなわち②dB下がるのに要する時間を③と いう。単位は秒(s)である

    残響, 60, 残響時間

  • 29

    残響は室内の音の響き、広がり感を特徴づける重要な要素である。音楽を快適に聴こうとすれば、ある程度の残響が必要であるが、 残響音が多すぎると話し言葉などの明瞭度が①する。したがって、用途によって、最適な残響時間は変化する。右図は最適残響時間を室用途、室容積別に示したものである。 一般に、室容積が大きいほうが長い残響音を必要としている。これは、大きな室では大きな②が必要となるためである。 

    低下, 音量

  • 30

    室内音響において、次に示すような特異現象を起こすことがある。これらは、音楽ホール などでは障害とされる。しかし、逆に鳴竜などのようにそれを名物とする場合もある。 音源の直接音が聞こえたのち、それと分離して反射音が聞こえる、いわゆる山びこを①(フラッター・エコーと区別して②という)とよび、③と区別している。人間の聴覚は2音が④ms(1/20秒)以上離れると2音として聞き分けてしまう ので、反響となる。音速C=340m/sとして、340m/s× 0.05s = 17mとなるので、直接音と 反射音の行路差△L=L1+L2-Lが、17m以上で反射音が強いとエコーとなる可能性がある。 エコーは、言葉を聞き取りにくくさせたり、音楽のリズム感を狂わせるなど室内音響に悪い影響を及ぼす。

    反響, ロングパス・エコー, 残響, 50

  • 31

    平行な天井と床や凹曲面の反射壁 のような状況の場合、その間で発 せられた拍手の音などが、この平 行面の間を何回も往復反射して、 ピチピチ…、ブルブル… などという音に聞こえることがある。このように、 多数回くり返す反響を①と呼ぶ。 日光東照宮本地堂は、この現象で 有名であり、拍手の音が、ちょうど 天井に描かれた竜が鳴いているよ うに聞こえるので、この現象が鳴竜 といわれるようになった。①を生じないようにするには、壁面や天井に②をつけて音を③させるなどの工夫をする。

    フラッター・エコー, 凹凸, 拡散

  • 32

    音の反射には、音の波長が関係し、波長より十分寸法の大きい面では鏡面反射する。し たがって、左図に示すように、凹面があると音が集中する点が生じる。これを音の①というが、その他の部分では音圧の弱い②が生じるなど、音の分布が生じて好ましくない。これらは音響障害として避けるべき問題であるが、音の拡散不足を示しているともいえ、音圧分布の③を図るためには、④や⑤などで音の⑥を構成し、音を拡散させるよう工夫するとよい。

    焦点, デッドスポット, 均等化, 凸面, 折れ面, 反射面

  • 33

    初期音が均等に各座席に到達するためには、1次反射音が各席に到達するように、平面 形や断面形を考えなければならない。下図は、劇場、ホールなどの代表的な断面形であ る。(a)は舞台を客席から見ると額縁のように区切られている①、(b) は舞台上部と客席が続いている ②とよばれる。この図に示すように、直接音はもとより、第1反射音が各客席になるべく均等に落ちるように断面を考える。 天井はあまり高くせず、向かい合った壁は鉛直より少し③に倒し気味にすると反射音 が客席に落ちやすくなる。

    プロセニアム型, オープンステージ型, 内側

  • 34

    できる限り音源の近くの壁で、第1回目 の反射音が得られるようにし、遠くに行く にしたがって拡散性、吸音性にしてエ コーが出ないようにする。舞台を見やす く、形もきれいな円形や扇形の平面はよ く用いられるが、焦点を生じることで音が 片寄りやすいので、たとえば上図(a)のよ うな円形は(b)のように①をつけるなど 工夫をする。 建築物の構造上、平面形や断面形は長 方形もよく用いられ、 シューボックス型 などとよばれている。しかし平行壁面は 避けたいので、下図のようにして、音を拡散させるように配慮する。対称形より も、非対称形や不整形は②や③を少なくしやすい

    凹凸, 音響障害, 音の片寄り

  • 35

    < 特定の周波数で異常を起こさない形 > 比較的小さな直方体の部屋では、低音域において、ある周波数の振動が片寄った状態となり、ブンブン響くことがある。これを①とよんでいる。直方体の縦、横、高さの比を②にしないこと、なるべく③をつくらないことが、それを防止する手段である。古くから図に示す黄金比、(√5-1) : 2 : (√5+1)が推奨されてい る。

    ブーミング, 整数比, 平行壁面

  • 36

    エコーやデッドスポットといった音響障害が出な い形にすることも大切である。図のように、室に 直角の隅があると、音が元来た方向に再び反射 するのでエコーが出やすい。また、平行壁面はフ ラッターエコーを生じやすいし、凹面は音の焦点 を生じる傾向がある。これらの対策としては、①をつけて音を拡散させるような工夫や、部分的に②をするなどの配慮が必要である。

    凹凸, 吸音処理

  • 37

    床面には座席が並んでいるので、①と②によって吸音する。したがって、舞台からの 直接音は、その床面に沿って減衰する。後部でも直接音がよく聞えるようにするためには、 床の勾配を③し、前席で音が遮られないようにする。また、劇場では、視覚的に舞台 がよく見えることも大切である。一般に、前席の人の頭上と、舞台上の目標とする視焦点 との視野角は、視角的には7°以上、音響的には9°以上にすると良い。しかし、全席でこ の値を確保することは、後部が高くなり過ぎて難しい。 

    座席, 人間, 大きく

  • 38

    舞台の上に可動の①を用いること がある。これは客席に有効な反射音を送るためだけでなく、演奏者にも反射音を送って、自分の演奏がよく聞こえ、演奏しやすくするためである。また、客席の壁面等に設けて残響時間の調節に用いることもある。 音の拡散をよくするために、室内の壁や天井 に、かまぼこ型やびょうぶ折の形などの凹凸 をつけることが多い。これらを②とよんでいる。いろいろな波長の音を均等に拡散するように、大きさをさまざまにするのが望ましい

    反射板, 拡散体

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  • 1

    ①と②はよく混同されるが、 この2つはまったく異なる現象である。今、ある壁体に音のエネルギーが入射すると、一部はその壁体の反対側に透過し、一部は反射され、一部はその壁面で②される。①とは音を遮ることであり、入射した音をその壁体の反対側に透過させない(反射+吸音)ことである。 一方、②というのは入射してきた音のエネルギーを反射もさせず、透過もさせず、その 壁へ吸収させることである。エネルギー不滅の法則により、吸収といっても音のエネル ギーを熱エネルギーに変える等の変換が行なわれるのが②という現象である。

    遮音, 吸音

  • 2

    ①とは、材料や構造体の遮音の程度を表わす量で、Transmission Lossの頭文字をとってTLと書き表わす。これは透過音のエネルギー に対する入射音のエネルギーの比の常用対数をとった値の10倍、すなわち(入射音のエ ネルギー)/(透過音のエネルギー)の値をデシベル値に直したものである。

    透過損失

  • 3

    ①は、透過損失と同じく、材料などの遮音の程度を表わすもので あるが、TLほどは用いられていない。TLとは逆に、入射音のエネルギーに対する透過音のエネルギーの比で示す。

    透過率

  • 4

    実際の建築物や室においては、単一の材料が使われることはむしろ少なく、壁、床、天井、 開口部など複数の材料が組み合わされている。このようなとき、室全体としての透過損失 は、各材料の面積に応じて、各々の材料の透過損失または透過率を加算して求める。これを ①とよぶ。

    総合透過損失

  • 5

    一般に単一材料からなる一重壁の透過損失は、その壁の①(単位面積当りの重量) が高い程②なる。これを、透過損失に関する③と呼ぶ。この関係は次式で示される。

    面密度, 大きく, 質量則

  • 6

    壁の透過損失は原則的に質量則によるが、 ある周波数の音が入射した場合、その壁が①を起こし、特定の周波数の透過損失が低下することがある。このような現象を②という。 一般に、単一材料の一重壁の透過損失は、 右上図の点線に示す傾向となるが、②を起こした周波数では、透過損 失が質量則からはずれて谷を生じたような形になっている。 このような周波数はさらに上方にもいくつかあるが、そのうち最低の周波数を③という。 材料の面密度が高く、柔軟で薄いほど、②を起こす周波数は高くなる。 

    屈曲運動の共振, コインシデンス効果, コインシデンス限界周波数

  • 7

    壁の遮音性能を高める方法として、壁を二重にすることが考えられる。壁厚を2倍にすると面密度は 2倍になるので、質量則によれば透過損失は6dB 向上するに過ぎない。一方、独立した二重壁では、 理論上はそれぞれの透過損失の和になるので、 大きな遮音性能の向上が期待できる。 ところが、実際は壁の間の中空層や支持材などで壁が構造的・音響的に連結してしまい(サウンドブ リッジ)、期待どおりの透過損失とならないばかりか、同じ面密度の一重壁よりも透過損失が小さくなる場合がある。 右図に、一重壁(点線)と比較して、同じ面密度の二重壁(実線)の透過損失を比較して示す。二重 壁では、低周波部分で透過損失の著しい落ち込みが見られる。これは、二重壁の間の空気層がバネの役割を果たし、音を透過させる効果によるものである。この現象を①と 呼び、低音域の遮音性能確保の上で問題となる。

    低音域共鳴透過

  • 8

    質量則にしたがって、重量のある壁にすれば、遮音性能が上がるが、壁の軽量化をはか るために、中空の二重壁を用いることがある。中空部では間柱や胴縁、周囲の取付部分 などで互いの壁は連結されている。このような場合、片側の壁に入射した音波による振動 が、この連結部を伝わって他方の壁に伝搬し、二重壁の透過損失を減少させることがあ る。このような連結部分に生じた音響的な短絡路を①とよんでいる。 二重壁のほか、集合住宅の床などで、コンクリートスラブの上に根太を置き、床材を貼っ た場合などに生じることもある。

    サウンドブリッジ

  • 9

    右図に、二重壁の間にさまざまな材 料を充てんした場合の透過損失の変 化の様子を示す。 多孔質材料を用いた図(a)では、全 般的に透過損失は向上する。 弾性材を用いた図(b)では、低音共 鳴透過が高い周波数で生じている。 剛性材を用いた図(c)では、コインシデンス周波数が低下して中高音域の 透過損失が大きく落ち込んでいる。 二重壁の遮音性能を向上させるには、 間柱を独立させて①か、②ことなどが有効である。

    構造的に独立させる, 空気層に多孔質材料を用いる

  • 10

    材料の遮音性能は、単位面積当りの質量の①ものほど一般的には良いが、周波数によってもその値は異なる。

    大きい

  • 11

    右図に、厚さを合計して6mmとし、面密 度を一定とした各種ガラス窓に関する 透過損失の比較を示す。 一枚ガラスと合わせガラスではほとん ど差はない。しかし、複層ガラスでは中 音域の透過損失に大きな落ち込みが見られる。複層ガラスでは空気層の密閉度が高く、中音域で①が生じているためである。 同一面密度の一重窓と比べても遮音性能は②ことから、遮音の目的には適さず、もっぱら断熱などの熱的性能の向上が目的と理解すべきである。遮音性能の向上を狙うためには、③などによる対策が必要となる

    共鳴透過現象, 劣る, 二重窓

  • 12

    建築物の設計に際し、遮音に対して考慮しなければならないことは、①に規定さ れている。 集合住宅の界壁は、厚さを10cm以上とし、遮音上有害な空隙のないこと、界壁は小屋裏または屋根裏まで達していなければならないこと、などが定められている。

    建築基準法

  • 13

    建築物の遮音性能を適切に評価するために1974年に制定された(2000年改定)JISでは、①と②の遮断性能の測定法及び遮音等級が定められている。

    空気音, 床衝撃音

  • 14

    ①の等級曲線は、2室間の壁、床など(集合住宅の隣り合う2室の界壁、あるいは同一住戸内の2室など)における空気伝搬音の遮音性能を表す。 ①は高周波ほど厳しく設定され、 ②という値でDr-30からDr-60の等級が定められている。数 値が大きいほど遮音性能は③。各種建築物や室用途別に、どの②を遮音性能の何級に適用させるかを日本建築学会が提案している。

    空気音遮断性能, D数, 良い

  • 15

    ①の等級曲線は、上下の界床(同一住戸内の場合でもよい)の床衝撃 音に対する遮音性能を表す。 音源室を上階、受音室を下階となるようにして、音源室に軽量衝撃(靴のかかとなどによ る加振)を想定した②と重量衝撃(子供の飛びはね加振)を想定した③による人工衝撃を与える。下階の受音室における音圧レベルの周波数特性を測定し、例えば、L-55のように評価する。 騒音源に対する受音室の音圧レベルによる評価なので、遮音等級の値の小さいほうが遮音性能が④ことを意味している。

    床衝撃音遮断性能, タッピングマシン, バングマシン, 高い

  • 16

    遮音等級は①という名でよばれ、Lr-②からLr-③の値に分けられている。右図は空気音遮断性能のグラフとは反対の右下がりの 折線となる。

    L数, 30, 80

  • 17

    グラスウールなど、多孔質 のものに音が入射すると、周囲との摩擦や粘性抵抗によって熱エネルギーに変換される。このような機構による吸音を①という。 その吸音特性は、一般に低音域では②、高音域では③。

    多孔質型吸音, 小さく, 大きい

  • 18

    薄板と剛壁との間に空気 層を設けた場合、音が入射されると板が振動し、 内部摩擦で熱エネルギーに変換される。このような機構による吸音を①よんで いる。その吸音特性は、低音域の共振周波数で②をつくるが、一般には吸音率はあまり大きくない。

    板振動型吸音, 山

  • 19

    ①(レゾネーター)に音を入射すると、共振周波数近くでは空気が激しく振動して、摩擦で熱エネルギーに変わる。②や、③のある材料は共鳴器が並んでいるとみなす。このような機構による吸音を④といい、その特徴は、共振周波数付近においてのみ吸音率が⑤なっている。

    共鳴器, 有孔板, スリット, 共鳴器型吸音, 非常に大きく

  • 20

    ①は、材料や壁体の吸音の程度を数値的に表わすもので、入射音のエネル ギーに対する、吸音された音のエネルギー(透過音のエネルギーも含む)の比で表わす。反射音以外はすべて吸音と考えて①を求める。①は次式で表わされる。

    吸音率

  • 21

    空室の場合、何種類かの材料が組み合わされてできている室内全体の吸音の程度は、各材料の吸音率をその使用面積の割合に応じて平均した①で表す。その算出式は次式で示される。

    平均吸音率

  • 22

    何種類かの材料が組み合わされてできている室内の総①は下式で計算される。単位は、面積(m2)に無次元の吸音率を掛けるため、平方メートル(㎡)となる。そのため①は②と称されることもある。面積と区別する場合に③と表記することがある。 ここに示した Ai は、④である。室内に人間や家具が存在するとそれ自体が吸音する。実際の計算を行なう際に無視できないが、壁や床のように表面積や吸音率を求めるのは難しいので、人間1人当り、家具1個当りの吸音力を加える。下表に人間や家具の①を示す。

    吸音力, 等価吸音面積, ㎡・sabine, 人間や家具の吸音力

  • 23

    材料の吸音性能は通常、吸音率で表わされる。①ごとにその値が異なるので、1オクターブバンドごとに示される。いろいろなタイプの吸音材や一般材料の吸音率を下表に示す。 これを見ると、同じ有孔板であっても、空気層や、背面に挿入した多孔質吸音材の厚さの違 いによって吸音率が異なること、周波数によって値に相当の差があることなどがわかる

    周波数

  • 24

    空気伝搬音の防止対策 a 設計計画の段階での配慮 設計計画の段階で、静かであるべき部屋や、騒音源の位置を考え、外部騒音に対しても、 内部発生音に対しても、各々の配置を考えなければならない。外部騒音(交通騒音など) に対しては、音源に面して静かであるべき室(寝室など)を配置しない、騒音源に面して開口部を設けない、などの配慮をする。 集合住宅では、上下の関係も大切で、給排水音の発生する水回りは上下に重ね、隣に寝室などを配置せず、クロゼットや廊下などの緩衝帯を設けるなどの工夫も必要である。遮音材で苦慮するよりも、①を優先的に試みる。経済的にも有利であり、メリットが多い。 b ②のよい材料や構法の採用 壁体(壁、床、天井)に②の良い材料を用いる。質量則にしたがった材料の選択、 二重壁の工夫などが望まれるが、③、④に対する留意を忘れない。 c すき間減少への配慮 開口部周囲のすき間はもちろんのこと、材料の接合部のすき間もなるべく少なくして、⑤を向上させることが大切である。しかし、気密性をよくした場合には、換気にも注意することを忘れてはならない。 d 開口部に対する注意 開口部は、周囲のすき間だけでなく、窓ガラスなどの②の低い材料の使用によって、弱点となりやすい。その位置、大きさに留意するとともに、防音サッシ、二重窓などの 工夫も考える。 e ⑥などの設置 可能であれば、騒音源に対して⑥を設けたり、⑦を設置するなどの工夫をする。また、同一建物内での発生音に対しては、押入、廊下などの⑧を設けるなどの配慮が必要である。 f 吸音効果の利用 同一室内で発生している音や、外部から侵入してしまった音に対しては、室内を⑨すると、反射音が少なくなり、騒音レベルが下がる

    配置の工夫, 遮音性能, サウンドブリッジ, コインシデンス効果, 気密性, 遮音壁, 袖壁, 緩衝帯, 吸音処理

  • 25

    固体音の防止対策 a ① 構造体に伝わってしまった振動を遮断することは難しい。そのため、固体音の原因となっ ている歩行、機械、給排水、建具の開閉、ピアノなどの①を考える。機械やピアノなどは脚部に防振ゴムを用いるなどして、振動源で直接防振する。歩行音は、じゅうたんなど柔らかい仕上材の使用、固いスリッパを履かないなど、固いもの同士がぶつから ない工夫をする。①をおろそかにしたため、地階の空調機騒音が8~9階まで伝わった例もある。 b 固体音の発生しにくい材料や構法の選択 ②や③のある材料が固体音の伝播防止に対して効果がある。一般に、RC造は木造 よりも有利な面はあるが、構造が一体的であり縁を切りにくいため、振動が広範囲に伝わる傾向がある。床衝撃音に対しては、振動の絶縁に効果のある浮床、重量や剛性を増すための厚いスラブなどは有効である。しかし、中空層をもつ床(根太床)は、共振やサウンドブリッジのために固体音が伝わりやすい。一方、中空層のない直床は、遮音上は有利であっても、人が倒れたときの衝撃が根太床より大きい傾向にあり、安全面での配慮が必要である。 c 設備の工夫 給排水設備に関しては、 ④や⑤を適正化することが重要である。配管支持金具 を構造体に取り付ける場所や方法、埋め込み配管、貫通部への緩街材の利用も固体音 防止に効果がある

    騒音源の防振, 重量, 剛性, 給水圧, 吐水量

  • 26

    < 音響設計の留意点 > 音響設計は、自分が聴きたいと思う音を、よりよい音で聴くために行なうが、音響設計に先立ち、建築的な基本計画や、騒音防止対策等が行なわれる必要がある。 a ①に合った響き 音響設計は、音楽、講演などを聴くホールや、スタジオ、教室など、様々な空間を対象とする。それぞれの①に合った響き(②)があり、十分な検討が様々な位置でなさ れることが望ましい。欧米では①に応じた専用ホールが多いが、日本では多目的ホールが多い。多目的ホールでは①に合った最良を期待することが②。 b ③、④さ 聴こうとする音が③で聞こえ、かつ話声など④さを要求される場合には④に聞こえる設計が望ましい。近年では「音の拡がり感」も重要視されている。 c ⑤な音場分布 ホール内のどの席においても、なるべく⑤な音場分布が得られることが望ましい。 d 音響障害の排除 エコーなどの⑥が出ては、せっかくの設計が台なしになる。音響上のいろいろな特異現象があるが、それらが出ない配慮をする。

    目的, 残響時間, 十分な音量, 明瞭, 均一, 音響障害

  • 27

    < 設計手順 > a 基本計画 室容積、室の寸法比などの基本的なことをまず決める。劇場、ホールなどは1席当り①~②㎡が必要であり、客席数に応じた 所要面積や付帯施設の算定をする。 b 室形の決定 室の平面形・断面形を決め、天井、側壁、バ ルコニー等の詳細を考える。そして、エコーなどは出ないか、音場分布は均一か、③や④の設置等を検討する。 c 内装設計 内装は残響時間の決定に大きな意味をもつ。 目的に応じた⑤を決め、⑥にしたがって⑦を選定する。家具も⑤に影響を与えるので、劇場の椅子などは選択に配慮を要する。

    0.65, 0.70, 拡散体, 反射板, 残響時間, 吸音率, 内装材

  • 28

    室内で発せられた音は、壁、床、天井などに何回も ぶつかり、その度に一部は反射されて再び室内に 残り、一部は吸音されて減衰する。反射音のために、音源の音が鳴り止んだ後まで音が残り、 ワーンという感じで聞こえる。これは音源からの直接音と反射音が一体となったもので一続きに聞こえる。 これを①とよんでいる。後に詳述する反響(ロングパス・エコー)とは区別される。 吸音による音の減衰により、残響音はしだいに小さ くなって行く。音源の音が鳴り止んだ時点から、音 響エネルギー密度が初めの10^-6になるまで、すなわち②dB下がるのに要する時間を③と いう。単位は秒(s)である

    残響, 60, 残響時間

  • 29

    残響は室内の音の響き、広がり感を特徴づける重要な要素である。音楽を快適に聴こうとすれば、ある程度の残響が必要であるが、 残響音が多すぎると話し言葉などの明瞭度が①する。したがって、用途によって、最適な残響時間は変化する。右図は最適残響時間を室用途、室容積別に示したものである。 一般に、室容積が大きいほうが長い残響音を必要としている。これは、大きな室では大きな②が必要となるためである。 

    低下, 音量

  • 30

    室内音響において、次に示すような特異現象を起こすことがある。これらは、音楽ホール などでは障害とされる。しかし、逆に鳴竜などのようにそれを名物とする場合もある。 音源の直接音が聞こえたのち、それと分離して反射音が聞こえる、いわゆる山びこを①(フラッター・エコーと区別して②という)とよび、③と区別している。人間の聴覚は2音が④ms(1/20秒)以上離れると2音として聞き分けてしまう ので、反響となる。音速C=340m/sとして、340m/s× 0.05s = 17mとなるので、直接音と 反射音の行路差△L=L1+L2-Lが、17m以上で反射音が強いとエコーとなる可能性がある。 エコーは、言葉を聞き取りにくくさせたり、音楽のリズム感を狂わせるなど室内音響に悪い影響を及ぼす。

    反響, ロングパス・エコー, 残響, 50

  • 31

    平行な天井と床や凹曲面の反射壁 のような状況の場合、その間で発 せられた拍手の音などが、この平 行面の間を何回も往復反射して、 ピチピチ…、ブルブル… などという音に聞こえることがある。このように、 多数回くり返す反響を①と呼ぶ。 日光東照宮本地堂は、この現象で 有名であり、拍手の音が、ちょうど 天井に描かれた竜が鳴いているよ うに聞こえるので、この現象が鳴竜 といわれるようになった。①を生じないようにするには、壁面や天井に②をつけて音を③させるなどの工夫をする。

    フラッター・エコー, 凹凸, 拡散

  • 32

    音の反射には、音の波長が関係し、波長より十分寸法の大きい面では鏡面反射する。し たがって、左図に示すように、凹面があると音が集中する点が生じる。これを音の①というが、その他の部分では音圧の弱い②が生じるなど、音の分布が生じて好ましくない。これらは音響障害として避けるべき問題であるが、音の拡散不足を示しているともいえ、音圧分布の③を図るためには、④や⑤などで音の⑥を構成し、音を拡散させるよう工夫するとよい。

    焦点, デッドスポット, 均等化, 凸面, 折れ面, 反射面

  • 33

    初期音が均等に各座席に到達するためには、1次反射音が各席に到達するように、平面 形や断面形を考えなければならない。下図は、劇場、ホールなどの代表的な断面形であ る。(a)は舞台を客席から見ると額縁のように区切られている①、(b) は舞台上部と客席が続いている ②とよばれる。この図に示すように、直接音はもとより、第1反射音が各客席になるべく均等に落ちるように断面を考える。 天井はあまり高くせず、向かい合った壁は鉛直より少し③に倒し気味にすると反射音 が客席に落ちやすくなる。

    プロセニアム型, オープンステージ型, 内側

  • 34

    できる限り音源の近くの壁で、第1回目 の反射音が得られるようにし、遠くに行く にしたがって拡散性、吸音性にしてエ コーが出ないようにする。舞台を見やす く、形もきれいな円形や扇形の平面はよ く用いられるが、焦点を生じることで音が 片寄りやすいので、たとえば上図(a)のよ うな円形は(b)のように①をつけるなど 工夫をする。 建築物の構造上、平面形や断面形は長 方形もよく用いられ、 シューボックス型 などとよばれている。しかし平行壁面は 避けたいので、下図のようにして、音を拡散させるように配慮する。対称形より も、非対称形や不整形は②や③を少なくしやすい

    凹凸, 音響障害, 音の片寄り

  • 35

    < 特定の周波数で異常を起こさない形 > 比較的小さな直方体の部屋では、低音域において、ある周波数の振動が片寄った状態となり、ブンブン響くことがある。これを①とよんでいる。直方体の縦、横、高さの比を②にしないこと、なるべく③をつくらないことが、それを防止する手段である。古くから図に示す黄金比、(√5-1) : 2 : (√5+1)が推奨されてい る。

    ブーミング, 整数比, 平行壁面

  • 36

    エコーやデッドスポットといった音響障害が出な い形にすることも大切である。図のように、室に 直角の隅があると、音が元来た方向に再び反射 するのでエコーが出やすい。また、平行壁面はフ ラッターエコーを生じやすいし、凹面は音の焦点 を生じる傾向がある。これらの対策としては、①をつけて音を拡散させるような工夫や、部分的に②をするなどの配慮が必要である。

    凹凸, 吸音処理

  • 37

    床面には座席が並んでいるので、①と②によって吸音する。したがって、舞台からの 直接音は、その床面に沿って減衰する。後部でも直接音がよく聞えるようにするためには、 床の勾配を③し、前席で音が遮られないようにする。また、劇場では、視覚的に舞台 がよく見えることも大切である。一般に、前席の人の頭上と、舞台上の目標とする視焦点 との視野角は、視角的には7°以上、音響的には9°以上にすると良い。しかし、全席でこ の値を確保することは、後部が高くなり過ぎて難しい。 

    座席, 人間, 大きく

  • 38

    舞台の上に可動の①を用いること がある。これは客席に有効な反射音を送るためだけでなく、演奏者にも反射音を送って、自分の演奏がよく聞こえ、演奏しやすくするためである。また、客席の壁面等に設けて残響時間の調節に用いることもある。 音の拡散をよくするために、室内の壁や天井 に、かまぼこ型やびょうぶ折の形などの凹凸 をつけることが多い。これらを②とよんでいる。いろいろな波長の音を均等に拡散するように、大きさをさまざまにするのが望ましい

    反射板, 拡散体