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刑事訴訟
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  • 1

    A職務質問に伴う有形力行使の可否及び限界

     確かに、犯罪の予防•鎮圧という行政警察活動の目的にかんがみると、ある程度の有形力行使は必要と解さざるを得ない。  もっとも、警職法2条3項が強制処分は刑訴法の規定によらなければならないとしていることから、警職法上は強制処分は許されないというべきである。  そこで、強制手段にあたらない有形力の行使は、必要性が認められる場合には、具体的状況の下で相当と認められる限度において許容されるものと解する(警察比例の原則、警職法1条2項参照)。

  • 2

    A所持品検査の可否及び限界

    (1) 警職法2条1項は職務質問について規定するのみであるが、所持品検査は口頭による質問と密接に関連し、かつ職務質問の効果をあげる上で必要性•有効性の認められる行為であるから、同条項による職務質問に付随してこれを行うことができると解する。  したがって、所持品検査自体は違法とはいえない。 (2) もっとも、任意手段たる職務質問の付随行為として許される以上、所持品検査は、所持人の承諾を得て行わなければ違法となるのが原則である。  ただし、常に承諾を要するとなると犯罪の予防•鎮圧よいう行政警察目的が達成できない。  そこで、所持人の承諾がない場合であっても、捜索に至らない程度の行為は強制にわたらない限り、所持品検査の必要性•緊急性、これにより侵害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡等を考慮し、具体的状況の下で相当と認められる限度において許容され得ると解すべきである。

  • 3

    A違法逮捕に引き続く勾留請求の可否

     そもそも、現行法が逮捕前置主義(207条1項参照)を採用した趣旨は、身体拘束が被処分者に対し重大な不利益を及ぼすことにかんがみ、身体拘束に二重の司法的抑制を及ぼし、もって不当な身体拘束を可及的に防止する点にある。  かかる趣旨にかんがみれば、前置される逮捕は当然に適法であることを要するというべきである。  したがって、違法逮捕に引き続く勾留請求は原則として許されないと考える。  もっとも、軽微な違法があるにすぎない場合にも一切勾留を認めないとするのでは、逃亡防止、罪証隠滅防止といった捜査の必要性をあまりに害する。  そこで、前置される逮捕に令状主義(憲法33条、法199条1項)の精神を没却するような重大な違法がある場合に限り、勾留請求は許されないと考える。具体的には、①違法逮捕の時点で緊急逮捕の要件が存在し、かつ②その時点から起算して制限時間内に勾留請求がなされた場合には、重大な違法はないとして、例外的に勾留請求は許されると考える。

  • 4

    A先行する逮捕が違法な場合の再逮捕  かかる場合の再逮捕の可否

     この点、厳格な身体拘束期間を定めた法の趣旨(203条ないし205条、208条、208条の2)及び将来の違法捜査抑止の見地から、先行する逮捕が違法であった場合、その後の再逮捕は原則として許されないと考える。  もっとも、違法の程度は様々である。それにもかかわらず、以上の程度を問わず一切再逮捕を認めないとするのでは、逃亡防止、罪証隠滅防止といった捜査の必要性をあまりに害する。  また、再逮捕を予定した規定が存在する以上(法199条3項、規則142条1項8号)、一定の要件の下で再逮捕を許容することも可能と解しうる。  そこで、①先行する逮捕の違法が著しく重大でなく、②犯罪が重大であり、③再逮捕を許さないことの捜査に及ぼす影響が大きい場合に限り、先行する逮捕が違法な場合の再逮捕も例外的に許されると考える。

  • 5

    A捜索差押許可状「差し押さえるべき物」 概括的記載が許されるのか

     この点について、「差し押さえるべき物」の特定が要求される趣旨は、一般探索的捜査を防止する点にあるから、「差し押さえるべき物」の記載はできる限り個別•具体的に特定してなされるのが望ましい。しかし、令状発付の判断の際には、差押え対象物の性質や形状等の詳細が判明しておらず、ある程度の概括的な記載にならざるを得ない。そこで、具体的例示を伴っており、かつ「本件」の内容が明らかである限り、上記概括的記載も許されると考える。

  • 6

    A「必要な処分」の意義

     この点について、捜査比例の原則(197条1項本文)から、「必要な処分」とは、①執行の目的を達成するために必要であり、かつ②社会的にも相当と認められる処分をいうと解する。

  • 7

    A場所に対する捜索許可状によって、人の身体を捜索できるか

     この点について、219条1項は明確に「場所」と人の「身体」を区別している。また、人格を有する「身体」の方が「場所」よりも捜索により侵害される利益は重大である。そこで、「場所」に対する捜索差押え許可状により人の「身体」を捜索することは原則としてできないと考える。  もっとも、その場に居合わせた者が差押目的物を身体に隠匿した場合でも一切捜索しえないとすると、捜査の必要性、真実発見(1条)が害される。そこで、①差押目的物を身体に隠匿していると疑うに足りる相当な理由があり、②必要性•緊急性が認められる場合には、例外的に「身体」を捜索することが許されると考える。

  • 8

    A捜索差押えにおける有形力行使の可否•限界

     捜索差押えの実施に際し被処分者による抵抗は通常予想されることから、有形力の行使自体は可能と考える。  もっとも、捜査比例の原則(197条1項本文)の見地から、①必要かつ②相当といえる限度で「必要な処分」として許容されると考える。

  • 9

    A場所に対する令状でその場に偶然居合わせた者の携帯物を捜索できるか

     その場に偶然居合わせた者の携帯物は居室の備品とはいえず、その携帯物について裁判官による審査を受けたとはいえない。また、通常このような携帯物に証拠物が存在する蓋然性は低く、捜索の必要性も認められない。   したがって、場所に対する令状でその場に居合わせた者の携帯物を捜索することは原則できないと解する。  もっとも、第三者が、その携帯物中に目的物を隠蔽していると疑うに足りる相当な理由が認められるときは、例外的に当該令状に基づく原状回復措置の一環として、携帯物に対する捜索が許されると解する。

  • 10

    A「逮捕する場合」

     そもそも、憲法35条、法220条1項2号が令状主義の例外として逮捕に伴う無令状捜索差押えを認めた根拠は、逮捕の現場に逮捕被疑事実に関連する証拠の存在する蓋然性が一般的に認められることに加えて、そのような証拠が被逮捕者等により隠滅破壊されることを防止してこれを保全する緊急の必要性にあると解する。  そこで、「逮捕する場合」といえるためには、かかる緊急の必要性が認められる状況の存在、すなわち、現に被疑者を逮捕する状況の存在が必要と解する。

  • 11

    A「逮捕の現場」

     そもそも、憲法35条、法220条1項2号が令状主義の例外として逮捕に伴う無令状捜索差押えを認めた根拠は、逮捕の現場に逮捕被疑事実に関連する証拠の存在する蓋然性が一般的に認められることに加えて、そのような証拠が被逮捕者等により隠滅破壊されることを防止してこれを保全する緊急の必要性にあると解する。(この前に根拠を書いていたら、前述の逮捕に伴う無令状捜索差押えを認めた根拠にかんがみ、と省略可)  そこで、「逮捕の現場」とは、証拠が被逮捕者等により隠滅破壊されることを防止してこれを保全する緊急の必要性が認められる場所的範囲に限定されるべきである。具体的には、被疑者の身体及びその直接支配下に限定されると解する。

  • 12

    A逮捕に伴う差押えの物的範囲

     そもそも、憲法35条、法220条1項2号が令状主義の例外として逮捕に伴う無令状捜索差押えを認めた根拠は、逮捕の現場に逮捕被疑事実に関連する証拠の存在する蓋然性が一般的に認められることに加えて、そのような証拠が被逮捕者等により隠滅破壊されることを防止してこれを保全する緊急の必要性にあると解する。(この論点の前にこの根拠を書いていたら前述の逮捕に伴う無令状捜索差押えを認めた根拠にかんがみ、と省略可)  そこで、逮捕に伴う無令状での差押えは、逮捕被疑事実に関連性のある物に限られると解する。

  • 13

    A現行犯逮捕

     そもそも、令状主義(憲法33条、法199条1項本文)の例外として現行犯逮捕が認められたのは、犯罪と犯人が明白で、誤認逮捕のおそれが少ないためである。そこで、現行犯逮捕は①逮捕者にとって犯罪と犯人が明白であり、②現行性または時間的場所的近接性がある場合に認められると解する。

  • 14

    A現行犯逮捕 明白性

    明白性を肯定できるのは逮捕者が現認した場合に限られず、被害者の供述や通報内容等逮捕者が認識した諸般の事情から合理的に判断して明白といえれば足りる。

  • 15

    A「逮捕の現場」場所移動

     同条が令状主義の例外として無令状で被逮捕者の身体の捜索を許容する趣旨は、その身体に証拠が存在する高度の蓋然性及び、その証拠の破壊を防ぐ緊急の必要性にあると解する。  そして、証拠が存在する高度の蓋然性は被逮捕者が「逮捕の現場」にいるか、ほかの場所にいるかによって変わらない。また、被逮捕者が所持する証拠物を破壊するおそれは一般的に高いので、それを阻止して緊急に証拠物を保全する必要性も高い。  そこで、その場で直ちに実施することが適当ではないときは、速やかに実施に適する最寄の場所まで連行して行うことも、なお「逮捕の現場」における捜索と同視することができ適法と解する。

  • 16

    A「強制処分」の意義

     科学的捜査方法による人権侵害の危険が高まっている今日においては、「強制の処分」か否かは処分を受ける側の侵害態様を基準とすべきである。  もっとも、権利・利益の内容や程度を考慮しなければ、ほとんどの捜査活動が「強制の処分」となりかねず、真実発見(1条)の見地から妥当でない。  そこで、「強制の処分」とは、相手方の明示又は黙示の意思に反して、重要な権利・利益の制約を伴う処分をいうと解する。

  • 17

    A任意捜査(処分)の限界

     もっとも、任意処分といっても無制約ではなく、捜査比例の原則(法197条1項本文)の観点から捜査のために必要な限度でのみ許される。そこで、①証拠保全の必要性、緊急性、②手段の相当性が認められる限度において許容されると考える

  • 18

    Aおとり捜査 定義

     捜査機関又はその依頼を受けた捜査協力者が、その身分や意図を相手方に秘して犯罪を実行するように働き掛け、相手方がこれに応じて犯罪の実行に出たところを現行犯逮捕等により検挙するもの 規範 ①直接の被害者がいない犯罪 ②通常の捜査方法のみでは摘発が困難 ③機会があれば犯罪を行う意思があると疑われる者を対象に行う

  • 19

    A違法収集証拠排除法則の肯否及びその判断基準

     違法収集証拠を無制約に許容すると、適正手続を受ける権利の保障(憲法31条)を無にし、将来における違法捜査の抑制及び司法の廉潔性が全うされない。  もっとも、些細な違法があるにすぎない場合にも常に証拠能力を否定するのであれば、真実発見(法1条)を著しく困難ならしめることになり妥当でない。  そこで、①証拠収集手続に令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、②これを証拠として許容することが将来の違法捜査抑止の見地から相当でない場合に限り、証拠能力を否定すべきと考える。

  • 20

    A共謀の日時・場所等について記載がない場合に訴因が特定(256条3項)されたといえるか

     この点について、当事者主義的訴訟構造(256条6項、298条1項、312条1項等)の下では、審判対象は当事者たる検察官が主張する具体的犯罪事実たる訴因である。そして、訴訟の特定の趣旨は、裁判所に対し審判対象を限定するとともに、被告人に対し防御の範囲を明示する点にあるところ、訴因が他の犯罪事実と識別されていれば防御の範囲は明確であり、告知機能が尽くされるから、訴因の第一次的な機能は識別機能であると解する。そして、他の共謀者の実行行為が日時・場所・方法等で特定している場合、共謀についてそれらの記載がなくとも他の犯罪事実から識別し得るから、「共謀の上」と記載すれば足りると解する。

  • 21

    A幅のある記載でも訴因が特定(256条3項)されたといえるか

     この点について、当事者主義的訴訟構造(256条6項、298条1項、312条1項等)の下では、審判対象は一方当事者である検察官が主張する具体的犯罪事実たる訴因である。そして、訴因の特定の趣旨は、①裁判所に対し審判対象を限定するとともに(識別機能)、②被告人に対し防御の範囲を示す(告知機能)点にあることろ、かかる趣旨にかんがみれば、訴因は具体的に特定して記載することが望ましい。  しかし、常に厳格な特定を要求すると、被害者なき犯罪や密行性の高い犯罪等で捜査機関に無理を強いることになり、自白の強要、捜査の長期化等の弊害を招く危険があり妥当でない。  そこで、①犯罪の性質上、厳格に特定し得ない特殊事情があるときは、②上記訴因の趣旨に反しない限り、ある程度幅のある記載も許容されると解する。

  • 22

    A「公訴事実の同一性」

     そもそも、当事者主義的訴訟構造(256条6項、298条1項、312条1項等)の下では、審判対象は一方当事者である検察官が主張する具体的犯罪事実たる訴因である。そうだとすれば、「公訴事実の同一性」は訴因変更の限界を画する機能的概念にすぎず、その意義は訴訟の一回的解決という合目的性の要請と、被告人の防御権確保の要請との調和の観点から決せられるべきである。  そこで、新訴因が旧訴因と同一または単一の刑事責任の発生事由として主張されている場合に「公訴事実の同一性」が肯定されると解する。具体的には、両訴因における基本的事実関係が同一である場合には、「公訴事実の同一性」が認められると解する。そして、その判断は、事実的共通性を一時的基準とし、非両立性を補完的に考慮して行うものと解する。 両立する場合(単一性)の場合 両立かつ包括一罪、科刑上一罪の関係なら認められる

  • 23

    A訴因変更の要否

     この点について、当事者主義的訴訟構造(256条6項、298条1項、312条1項等)の下、審判対象は一方当事者である検察官の主張する具体的事実たる訴因と解される。そこで、事実に変化があった場合に訴因変更が必要と考える。もっとも、些細な事実の変化の場合にも常に訴因変更を要すると考えるのは現実的でない。そこで、一定の重要な事実に変化があった場合に変更が必要と考える。  そして、訴因には審判対象を画定するという訴因の識別機能と被告人の防御の範囲を示すという訴因の防御機能があるところ、訴因が他の犯罪事実と識別されていれば、いかなる犯罪について防御すべきかは明確であって、防御機能も尽くされたといえることから、訴因の機能としては、識別機能が第一次的なものであると考える。  そこで、まずは、①審判対象画定のために必要な事実に変化があった場合に訴因変更が必要と考える。そして、②それ以外の事実の変化であっても、それが一般的に被告人の防御にとって重要な事項といえる場合には、原則として訴因変更が必要と考える。ただし、③被告人の防御の具体的な状況等の審理の経過に照らし、被告人に不意打ちを与えるものではなく、かつ、訴因と比べて被告人にとってより不利益といえない場合には例外的に訴因変更は不要であると解する。

  • 24

    A不適法訴因への変更

     そもそも、当事者主義的訴訟構造(256条6項、298条1項、312条1項等)の下、訴因変更は検察官の専権事項である。そして、検察官による不適法訴因への変更は、新訴因について将来の実体裁判獲得のためになされるものであるといえる。  そこで、原則として訴訟条件を欠く不適法訴因への変更も許されると解する。  もっとも、新訴因について、公訴時効が成立しており免訴なる場合には、訴訟条件の回復の可能性はないから、将来の実体裁判の獲得はあり得ない。  そこで、かかる場合には、例外的に不適法訴因への訴因変更を認めるべきではないと解する。

  • 25

    A訴訟条件の存否の判断は訴因と裁判所の心証のいずれを基準になされるべきか

     そもそも、当事者主義的訴訟構造(256条6項、298条1項、312条1項等)の下、審判対象は一方当事者たる検察官の具体的事実の主張である訴因と解すべきである。  そこで、実体審判の有効要件たる訴訟条件の存否の判断も訴因を基準とすべきと解する。

  • 26

    A犯罪の手口などの態様に際立った特徴がある場合に、犯人性を立証するための証拠として同種の前科を用いることができるか

     この点について、前科に係る犯罪事実が顕著な特徴を有し、かつ、それが起訴された犯罪事実と相当程度類似することから、それ自体で両者の犯人が同一であることを合理的に推認させるようなものである場合には、当該前科には、犯人性に対する強い推認力が認められ、悪性格を介在させることなく、犯人性を合理的に推認できるといえる。  そこで、かかる場合には、法律的関連性が認められると解する。

  • 27

    A同種前科を証明するための証拠に法律的関連性が認められるか

     この点について、前科を証明するための証拠の法律的関連性が原則として否定されると考える。なぜなら、前科による事実認定は、一般に、その事実から被告人の悪性格を推認し、かかる悪性格から被告人が犯罪事実を行ったことを推認するという二重の推認過程を経るものであるところ、二段階目の推認は弱いにもかかわらず、上記のような不当な偏見をもたらすおそれが強いからである。  そこで、前科にかかる不当偏見のおそれを上回る強い推認力が認められ、悪性格の推認を介在させることなく、犯罪事実の存在を合理的に推認できるような場合には、前科を証明するための証拠にも法律的関連性が認められると解する。

  • 28

    A違法な収集手続に異議がない旨(又は同意)を述べた場合、手続の瑕疵が治癒されるか

     そもそも、違法収集証拠排除法則の根拠は、適性手続保障(憲法31条)、司法の廉潔性、将来の違法捜査抑止にあるところ、適正手続保障は放棄可能な権利であることから、証拠収集手続の違法が被告人による放棄可能な権利利益に関係する場合には、同意により証拠能力を認め得るとも考え得る。  もっとも、司法の廉潔性、将来の違法捜査抑止の点に鑑みれば、たとえ放棄可能な権利利益に関係する場合でも、被告人の同意により当然に証拠能力を認めるべきではない。  そこで、①重大な違法があり、②手続の基本的公正に反する場合は、同意があっても証拠能力は否定されると考える。

  • 29

    A毒樹の果実(違法捜査によって発見された証拠に基づいて更に発見された派生的証拠も排除されるか)

     この点について、違法収集証拠と関連した派生的証拠も排除しなければ、違法収集証拠の排除法則は骨抜きとなってしまう。  そこで、違法収集証拠と密接に関連する場合には、派生的証拠も排除され得ると解する。  そして、排除されるかどうかは、第1次証拠の収集方法の違法の重大性、両証拠の関連性等を総合衡量して判断すべきである。

  • 30

    A自白法則(任意性説)「任意にされたものでない疑のある自白」

     そもそも、不任意自白の証拠能力が否定される根拠は、かかる自白は虚偽であるおそれが類型的に高く、誤判を招くおそれがあること及びかかる自白の証拠能力を否定することにより黙秘権を中心とする人権の侵害を防止し、もって人権保障の実効性を担保することにあると解する。  そこで、不任意自白か否かは、①虚偽自白を誘発する状況の有無、②黙秘権を中心とする人権を不当に圧迫する状況の有無によって判断すべきと考える。

  • 31

    A伝聞法則

     そもそも、伝聞法則の趣旨は、伝聞証拠に対しては反対尋問等をなしえないという点にある。すなわち、供述証拠は知覚、記憶、叙述の過程を経て証拠化されるところ、各過程には誤りが介在するおそれがあるので、公判期日において、反対尋問(憲法37条2項前段参照)等による吟味が必要である。しかるに、伝聞証拠に対してはかかる反対尋問等をなしえない。故に伝聞証拠の証拠能力は否定されるのである。そこで、かかる趣旨に鑑み、伝聞証拠にあたるか否かは、供述内容の正確性・真実性について反対尋問等による吟味が要請されるか否か、すなわち、要証事実との関係で相対的に決せられると考える。  したがって、伝聞証拠とは、公判期日外の供述を内容とする証拠で、その供述内容の真実性を立証するために提出・使用される証拠をいうと解する。

  • 32

    A伝聞例外趣旨

     真実発見(1条)の見地から、法は証拠としての必要性があり、また、反対尋問にかわる信用性の情況的保障がある場合を類型化して伝聞例外を定めている(321条以下)

  • 33

    A共同被告人の公判廷外供述に適用されうる伝聞例外規定

     この点、被告人本人からみれば共同被告人も第三者であり、「被告人以外の者」に該当するといえる。  そこで、322条1項ではなく、321条1項各号によって証拠とできないかを検討すべきである。

  • 34

    A不任意自白からの派生的物的証拠(任意性説)

     確かに、不任意自白に基づいて獲得された派生的証拠には、自白と異なり、虚偽であるおそれや黙秘権侵害のおそれはない。そうすると、不任意自白の派生的証拠は証拠能力を否定されないとも思える。  しかし、常に派生的証拠の証拠能力が認められるとすると、派生的証拠獲得ぼため、取調べにおいて黙秘権が侵害される危険や虚偽自白を招来する危険が残存するので、不任意自白を証拠排除する意味が損なわれかねない。  そこで、不任意自白と派生的証拠との因果性の程度、派生的証拠の重要性等を総合衡量して、派生的証拠の証拠能力が否定されるか否かで判断すべきと考える。

  • 35

    A反復自白(任意性説)

     この点について、反復自白の証拠能力の有無は、第2自白の任意性の有無により判断すべきと考える。  そして、第2自白の任意性の有無は、第1自白の不任意性との関係を考慮しながら判断すべきと考える。  すなわち、第2自白の任意性の有無は、第1自白の不任意性をもたらした事情が第2自白を行った時点においてもなお残存しているかどうかで判断すべきと考える。 考慮要素 第2自白の時点では、そのような心理的誘引・圧迫が何らかの事情により解消されたかを、各取調べの主体や目的の異同、各取調べの時間的間隔や場所的同一性、第2自白の際の取調官の言動、第1自白後の弁護人との接見の有無等を考慮

  • 36

    A補強証拠が必要な事実の範囲

     この点について、判例は、自白に係る事実の真実性を保障し得る証拠があれば足りるとする。しかし、301条は、自白は他の証拠が取り調べられた後にしかその取調べを請求できないと規定し、補強証拠が自白と独立して取り調べられることが予定されているので、上記のように解することは現行法の建前に合わない。  そもそも、補強法則の趣旨は、自由心証主義(318条)を制限して、自白偏重による誤判を防止する点にあるので、補強証拠が必要な事実の範囲については、客観化された明確な基準を用いるべきである。  そこで、補強証拠が必要な事実の範囲は、罪体、すなわち、犯罪事実の客観的側面の部分であると解する。

  • 37

    A犯人と被告人の同一性が犯罪事実の主要部分に含まれるか

     確かに、補強法則の趣旨である自白偏重による誤判防止を強調すれば、犯人と被告人との同一性についてまで補強を必要とすることが望ましい。  しかし、犯人と被告人の同一性については補強証拠が少ないことが多く、一律に補強を必要とするとあまりに真実発見の要請(1条)が害されてしまう。また、かかる補強証拠の有無という偶然の事情により、有罪・無罪が左右されるという弊害が生じてしまう。  そこで、犯人と被告人との同一性は犯罪事実の主要部分に含まれないと解する。

  • 38

    A精神状態に関する供述が伝聞証拠にあたるか

     この点、精神状態に関する供述は、その内容をなす感情・心理状態の真実性を問題とするものであるから、伝聞証拠にあたるとも思える。  しかし、精神状態に関する供述は、通常の供述証拠と異なり、知覚・記憶の過程を経ないので、その部分の正確性は問題とならず、叙述の正確性・誠実性のみが問題となるにすぎない。  そして、叙述の正確性・誠実性については、一般的な関連性の問題として検討すれば足り、反対尋問等による吟味の必要性は乏しいといえる。  また、本人の精神状態に関する供述は、本人の当時の精神状態を証明する上で価値の高い最良証拠といえるので、非伝聞証拠と扱うのが妥当である。  そこで、精神状態に関する供述は伝聞証拠にあたらないと解する。

  • 39

    A「前の供述を信用すべき特別の情況」(321条1項2号ただし書)

     「前の供述を信用すべき特別の情況」とは、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況が存することを意味すると解する。  そして、特信情況は証拠能力の要件であるので、かかる情況の存否は、供述がなされた際の外部的付随事情を基礎に判断すべきである。もっとも、かかる外部的付随事情を推知させるための一資料として、供述内容を考慮することは許されると解する。

  • 40

    A321条1項2号前段「供述することができない」は供述不能を要件とするが、証言拒否もこれに含まれるか

     確かに、同号前段が列挙する供述不能事由には、証言拒否は含まれていない。しかし、同号前段は、公判期日において原供述者の供述が得られない場合の典型的事由を示したにとどまるから、上記事由は例示列挙にすぎないと解する。  そして、証人が一切の供述を拒否した場合、公判期日において供述は全く得られないから、供述者の死亡等の場合と何ら異なるところはないといえる。  そこで、証言拒否も、全面的に供述が得られなかった場合は供述不能に当たると解する。

  • 41

    A検証調書についての321条3項が実況見分調書にも適用されるか

     そもそも、321条3項が比較的緩やかな要件で伝聞例外を許容した趣旨は、検証が専門的な訓練を受けた捜査官による技術的作業で恣意が入る余地が小さく、また、検証結果は複雑で書面による方が正確な点にある。  そして、検証と実況見分は強制処分か任意処分かの違いがあるにすぎず行われる作業は同じであるから、実況見分調書にもかかる趣旨は妥当する。  そこで、同項は実況見分調書にも適用されると考える。

  • 42

    Aビデオテープそのものは供述証拠か

     ビデオテープは、映像部分は現場写真と同視でき、また、音声部分は録画テープと同視できる。そこで、ビデオテープは両者の複合物であると考える。  そして、両者はいずれも映像や音声を機械的に記録・再生するものであるから非供述証拠であるといえる。  したがって、両者の複合物であるビデオテープも非供述証拠であると考える。

  • 43

    A先行する逮捕が適法な場合の再逮捕

     この点について、再逮捕は、通常、被疑者の身体拘束の厳格な時間制限(203条以下)を無意味にする不当な蒸し返しであり、原則として違法となると解する。もっとも、捜査の流動性から、再逮捕は一切許されないとするのは現実的ではない。また、法は、再逮捕を予定する規定を置いている(199条3項、規則142条1項8号)。そこで、不当な蒸し返しとはいえない場合、具体的には、①新証拠の出現、逃亡・罪証隠滅のおそれの再発生等の新事情の出現による再逮捕の必要性、②被逮捕者の利益を考慮してもなお再逮捕がやむを得ないといえる程度の高度の必要性、③逮捕の不当な蒸し返しといえない場合に限り、再逮捕できると解する。

  • 44

    A再勾留の可否

     確かに、再逮捕と異なり、再勾留を予定した規定は存在しない。  しかし、被疑者勾留には逮捕の先行が必要であるところ、再逮捕が許容されうるのに、再勾留は一切不可というのは不合理である。再逮捕が許容された場合、その後勾留に移行し得ることは法が予定しているところというべきである。  そこで、再勾留も一定の場合には許容されると解する。具体的には、再逮捕と同様の要件を満たす場合には再勾留も許されると解する。ただし、再勾留の場合、先の身柄拘束期間が比較的長期間に及んでいることから、①〜③の要件はより厳格に判断されるべきと考える。

  • 45

    A訴因変更命令の義務(維持命令の義務も同様)

     そもそも,当事者主義の下では、審判対象は検察官の具体的犯罪事実の主張たる訴因であると解され、審判の対象設定はあくまで検察官の任務となるので,裁判所の訴因変更命令義務は原則として否定される。  もっとも、検察官の不注意を放置しておくことは真実主義から妥当でないことから、犯罪の重大性と証拠の明白性を要件として、例外的に訴因変更命令の義務を認めるべきである。

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