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中間  古典単語(1)
51問 • 4ヶ月前
  • ななみ
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  • 1

    春は藤波を見る。紫雲のごとくして、西方ににほふ。 (にほふ)

    美しく照り映える 【全訳】春は藤の花房が波のようになびくさまを見る。紫雲のようで、西方に美しく照り映える。

  • 2

    例よりはひきつくろひて書きて、うつろひたる菊にさしたり。(うつろひ)

    色が変わっ 【全訳】いつもより気を配って書いて、色が変わった菊の花にさした。

  • 3

    おのづから御心移ろひて、こよなう思し慰むやうなるも、あはれなるわざなりけり。(移ろひ)

    移っ 【全訳】自然とお心が移って、この上なくお気持ちが慰められておいでのようなのも、しみじみとしたことであった。

  • 4

    男、「みやこへいなむ」といふ。(いな)

    行く 【全訳】男は、「都へ行くつもりだ」と言う。

  • 5

    あはれ今年の秋もいぬめり(いぬ)

    過ぎ去る 【全訳】ああ、今年の秋も過ぎ去るようだ。

  • 6

    とりどりに物の音ども調べあはせて遊び給ふ、いとおもしろし。(遊び)

    管弦を楽しみ 【全訳】それぞれ思い思いに楽器の音色を整えて管弦を楽しみなさるのは、とてもおもしろい。

  • 7

    良秀がよぢり不動とて、今に人々めで合へり。(めで)

    感嘆し 【全訳】「良秀のよじり不動」といって、今でも人々が感嘆しあっている。

  • 8

    人々の、花、蝶やとめづるこそ、はかなくあやしけれ。(めづる)

    愛する 【全訳】人々が、花よ蝶よと愛するのは、あさはかで奇妙なことだ。

  • 9

    ならはぬひなの住まいこそ、かねて思ふも悲しけれ。(ならは)

    慣れ 【全訳】慣れない田舎の生活は、あらかじめ想像するのも悲しいことだ。

  • 10

    ここは、かく久しく遊びきこえて、慣らひたてまつれり。(慣らひ)

    親しみ 【全訳】ここでは、このように長い間楽しく過ごし申し上げて、親しみ申し上げた。

  • 11

    親たちかしづき給ふこと限りなし。(かしづき)

    大切に養育し 【全訳】親たちが大切に養育しなさることはこの上もない。

  • 12

    この猫を北面にも出ださず、思ひかしづく。(かしづく)

    大切に世話をする 【全訳】この猫を北向きの部屋にも出さず、心にかけて大切に世話をする。

  • 13

    初心の人、二つの矢を持つことなかれ。後の矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。(頼み)

    あてにし 【全訳】初心者は、二本の矢を持ってならない。後の矢をあてにして、初めの矢においていい加減な気持ちがある。

  • 14

    我を頼めて来ぬ男、角三つ生ひたる鬼になれ。(頼め)

    あてにさせ 【全訳】わたしをあてにさせてやって来ない男よ、角が三本生えた鬼になれ。

  • 15

    下簾の狭間の開きたるより、この男まもれば、わが妻に似たり。(まもれ)

    見つめる 【全訳】下簾のすきまの開いている所から、この男が見つめると、自分の妻に似ている。

  • 16

    沖より舟どものうたひののしりて漕ぎ行くなども聞こゆ。(聞こゆ)

    聞こえる 【全訳】沖を通っていくつもの舟が大声で歌いながら漕いで行くのなんかも聞こえる。

  • 17

    これ、昔、名高く聞こえたる所なり。(聞こえ)

    世間にしられ 【全訳】ここは、昔、有名で世間に知られた所である。

  • 18

    聞こえぬことども言ひつつよろめきたる、いとかはゆし(聞こえ)

    理解でき 【全訳】理解できないことをいろいろ言いながらよろめいているのは、とても見るにたえない。

  • 19

    せちによばひければあひにけり。その朝に文もおこせず。夜まで音もせず。(おこせ)

    よこさ 【全訳】しきりに言い寄ったので契った。その翌朝に手紙もよこさない。夜になるまで音沙汰もない。

  • 20

    大傘一つまうけよ。(まうけよ)

    準備しろ 【全訳】大きな傘を一つ準備しろ。

  • 21

    子三人を呼びて語りけり。二人の子は、情けなくいらへてやみぬ。(いらへ)

    答え 【全訳】子三人を呼んで話をした。二人の子は、そっけなく答えて終わった。

  • 22

    今日は、宮の御方に昼渡り給ふ。(渡り)

    行き 【全訳】今日は、女三の宮のお部屋へ昼間に行きなさる。

  • 23

    おぼつかなく思しわたることの筋を聞こゆれば、いと奥ゆかしけれど、げに人目としげし。(わたる)

    ずっと 【全訳】ずっと不審にお思いになっていたことの方面を申し上げるので、もっと聞きたかったが、いかにも人目も多い。

  • 24

    霧いと深くたちわたれり。(わたれ)

    一面に 【全訳】霧がたいそう深く一面に立ちこめている。

  • 25

    この宮は腹々に御子の宮たちあまたわたらせ給ひけり。(わたらせ給ひ)

    いらっしゃっ 【全訳】この宮は奥様方に御子の宮たちが大勢いらっしゃった。

  • 26

    我をばいづちへ具して行かむとするぞ。(具して)

    連れ 【全訳】私をどこに連れて行こうとするのか。

  • 27

    我は一門に具して西国の方へ落ちゆくなり。(具し)

    つき従っ 【全訳】私は一門につき従って西国へ逃げていくのだ。

  • 28

    不死の薬壺に文具して、御使ひに賜はす。(具し)

    添え 【全訳】不死の薬の壺に手紙を添えて、御使いにお与えになる。

  • 29

    心ざし深かりける人、行きとぶらひけるをら正月の十日ばかりのほどに、ほかに隠れにけり。(とぶらひ)

    訪れ 【全訳】愛情が深かった男が、行って訪れたのだが、正月十日あたりのころに、よそに姿をかくしてしまった。

  • 30

    大弐の乳母のいたくわづらひて尼になりける、とぶらはむとて、五条なる家訪ねておはしたり。(とぶらは)

    見舞お 【全訳】大弐の乳母がひどく患って尼になったのを、見舞おうと思って、五条にある家を訪ねていらっしゃった。

  • 31

    かの御法事などし給ふにもいかめしうとぶらひ聞こえ給へり。(とぶらひ)

    弔問し 【全訳】あの方のご法事などなさるときにも、丁重に弔問し申し上げなさった。

  • 32

    維盛が後生をもとぶらへかし。(とぶらへ)

    供養してくれ 【全訳】維盛の来世を供養してくれよ。

  • 33

    日ごろものしつる人、今日ぞ帰りぬる。(ものし)

    い 【全訳】数日来いた人が、今日帰ってしまう。

  • 34

    馬にてものせむ。(ものせ)

    行こ 【全訳】馬で行こう。

  • 35

    中将はいづこよりものしつるぞ。(ものし)

    来 【全訳】中将はどこから来たのか。

  • 36

    魚などものせよ。(ものせよ)

    食べよ 【全訳】魚などを食べよ。

  • 37

    まづ御文をものせさえ給へ。(ものせ)

    書き 【全訳】まずお手紙をお書きください。

  • 38

    梅の香をかしきを見出だしてものしたまふ。(ものしたまふ)

    いらっしゃる 【全訳】梅がいいにおいで咲いているのを部屋の中から眺めていらっしゃる。

  • 39

    いと恐ろしと思してわななき給ふ。(わななき)

    ふるえ 【全訳】たいそう恐ろしいとお思いになってふるえなさる。

  • 40

    寛大にして極まらざるときは、喜怒これにさはらずして、物のためにわづらはず。(わづらは)

    思い悩ま 【全訳】心が広く大らかで狭く限ることがないときは、喜怒の感情が邪魔となることなく、物事のために思い悩まない。

  • 41

    漕ぎ上るに、川の水干て、悩みわづらふ。(わづらふ)

    苦労する 【全訳】こぎのぼるが、川の水が少なくなって、難儀き、苦労する。

  • 42

    勢多の橋みな崩れて、渡りわづらふ。(わづらふ)

    のに困る 【全訳】勢多の橋がみな崩れて、渡るのに困る。

  • 43

    心地惑ひにけり。(惑ひ)

    乱れ 【全訳】気持ちが乱れてしまった。

  • 44

    宮の御前、母北の方、そら殿、一つに手を取りかはして惑はせたまふ。(惑は)

    途方に暮れ 【全訳】宮の御前、母である北の方、そら殿は、手を取り合って途方に暮れなさる。

  • 45

    風の吹きまどひたるさま、恐ろしげなること、命かぎりつと思ひまどはる。(まどひ)

    ひどく 【全訳】風がひどく吹いているさまの、恐ろしげなことは、命もおしまいだと気が動転してしまう。

  • 46

    大将もものかづき、忠岑も禄賜はりなどしけり。(かづき)

    いただき 【全訳】大将も物をいただき、忠岑もほうびをいただくなどした。

  • 47

    御衣ひきかづきて臥し給へり。(かづき)

    かぶっ 【全訳】お召し物をひきかぶって寝ておしまいになる。

  • 48

    郎党までに物かづけたり。(かづけ)

    与え 【全訳】従者にいたるまでに物を与えた。

  • 49

    翁を、いとほし、かなしと思しつることも失せぬ。(失せ)

    消え 【全訳】翁を、気の毒だ、かわいそうだとお思いになっていたことも消えてしまった。

  • 50

    その人、ほどなく失せにけりと聞き侍りし。(失せ)

    亡くなっ 【全訳】その人は、間もなく亡くなったと聞きました。

  • 51

    持仏据えたてまつりて行ふ尼なりけり。(行ふ)

    仏道の修行をする 【全訳】持仏を安置申し上げて仏道の修行をする尼であった。

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    問題一覧

  • 1

    春は藤波を見る。紫雲のごとくして、西方ににほふ。 (にほふ)

    美しく照り映える 【全訳】春は藤の花房が波のようになびくさまを見る。紫雲のようで、西方に美しく照り映える。

  • 2

    例よりはひきつくろひて書きて、うつろひたる菊にさしたり。(うつろひ)

    色が変わっ 【全訳】いつもより気を配って書いて、色が変わった菊の花にさした。

  • 3

    おのづから御心移ろひて、こよなう思し慰むやうなるも、あはれなるわざなりけり。(移ろひ)

    移っ 【全訳】自然とお心が移って、この上なくお気持ちが慰められておいでのようなのも、しみじみとしたことであった。

  • 4

    男、「みやこへいなむ」といふ。(いな)

    行く 【全訳】男は、「都へ行くつもりだ」と言う。

  • 5

    あはれ今年の秋もいぬめり(いぬ)

    過ぎ去る 【全訳】ああ、今年の秋も過ぎ去るようだ。

  • 6

    とりどりに物の音ども調べあはせて遊び給ふ、いとおもしろし。(遊び)

    管弦を楽しみ 【全訳】それぞれ思い思いに楽器の音色を整えて管弦を楽しみなさるのは、とてもおもしろい。

  • 7

    良秀がよぢり不動とて、今に人々めで合へり。(めで)

    感嘆し 【全訳】「良秀のよじり不動」といって、今でも人々が感嘆しあっている。

  • 8

    人々の、花、蝶やとめづるこそ、はかなくあやしけれ。(めづる)

    愛する 【全訳】人々が、花よ蝶よと愛するのは、あさはかで奇妙なことだ。

  • 9

    ならはぬひなの住まいこそ、かねて思ふも悲しけれ。(ならは)

    慣れ 【全訳】慣れない田舎の生活は、あらかじめ想像するのも悲しいことだ。

  • 10

    ここは、かく久しく遊びきこえて、慣らひたてまつれり。(慣らひ)

    親しみ 【全訳】ここでは、このように長い間楽しく過ごし申し上げて、親しみ申し上げた。

  • 11

    親たちかしづき給ふこと限りなし。(かしづき)

    大切に養育し 【全訳】親たちが大切に養育しなさることはこの上もない。

  • 12

    この猫を北面にも出ださず、思ひかしづく。(かしづく)

    大切に世話をする 【全訳】この猫を北向きの部屋にも出さず、心にかけて大切に世話をする。

  • 13

    初心の人、二つの矢を持つことなかれ。後の矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。(頼み)

    あてにし 【全訳】初心者は、二本の矢を持ってならない。後の矢をあてにして、初めの矢においていい加減な気持ちがある。

  • 14

    我を頼めて来ぬ男、角三つ生ひたる鬼になれ。(頼め)

    あてにさせ 【全訳】わたしをあてにさせてやって来ない男よ、角が三本生えた鬼になれ。

  • 15

    下簾の狭間の開きたるより、この男まもれば、わが妻に似たり。(まもれ)

    見つめる 【全訳】下簾のすきまの開いている所から、この男が見つめると、自分の妻に似ている。

  • 16

    沖より舟どものうたひののしりて漕ぎ行くなども聞こゆ。(聞こゆ)

    聞こえる 【全訳】沖を通っていくつもの舟が大声で歌いながら漕いで行くのなんかも聞こえる。

  • 17

    これ、昔、名高く聞こえたる所なり。(聞こえ)

    世間にしられ 【全訳】ここは、昔、有名で世間に知られた所である。

  • 18

    聞こえぬことども言ひつつよろめきたる、いとかはゆし(聞こえ)

    理解でき 【全訳】理解できないことをいろいろ言いながらよろめいているのは、とても見るにたえない。

  • 19

    せちによばひければあひにけり。その朝に文もおこせず。夜まで音もせず。(おこせ)

    よこさ 【全訳】しきりに言い寄ったので契った。その翌朝に手紙もよこさない。夜になるまで音沙汰もない。

  • 20

    大傘一つまうけよ。(まうけよ)

    準備しろ 【全訳】大きな傘を一つ準備しろ。

  • 21

    子三人を呼びて語りけり。二人の子は、情けなくいらへてやみぬ。(いらへ)

    答え 【全訳】子三人を呼んで話をした。二人の子は、そっけなく答えて終わった。

  • 22

    今日は、宮の御方に昼渡り給ふ。(渡り)

    行き 【全訳】今日は、女三の宮のお部屋へ昼間に行きなさる。

  • 23

    おぼつかなく思しわたることの筋を聞こゆれば、いと奥ゆかしけれど、げに人目としげし。(わたる)

    ずっと 【全訳】ずっと不審にお思いになっていたことの方面を申し上げるので、もっと聞きたかったが、いかにも人目も多い。

  • 24

    霧いと深くたちわたれり。(わたれ)

    一面に 【全訳】霧がたいそう深く一面に立ちこめている。

  • 25

    この宮は腹々に御子の宮たちあまたわたらせ給ひけり。(わたらせ給ひ)

    いらっしゃっ 【全訳】この宮は奥様方に御子の宮たちが大勢いらっしゃった。

  • 26

    我をばいづちへ具して行かむとするぞ。(具して)

    連れ 【全訳】私をどこに連れて行こうとするのか。

  • 27

    我は一門に具して西国の方へ落ちゆくなり。(具し)

    つき従っ 【全訳】私は一門につき従って西国へ逃げていくのだ。

  • 28

    不死の薬壺に文具して、御使ひに賜はす。(具し)

    添え 【全訳】不死の薬の壺に手紙を添えて、御使いにお与えになる。

  • 29

    心ざし深かりける人、行きとぶらひけるをら正月の十日ばかりのほどに、ほかに隠れにけり。(とぶらひ)

    訪れ 【全訳】愛情が深かった男が、行って訪れたのだが、正月十日あたりのころに、よそに姿をかくしてしまった。

  • 30

    大弐の乳母のいたくわづらひて尼になりける、とぶらはむとて、五条なる家訪ねておはしたり。(とぶらは)

    見舞お 【全訳】大弐の乳母がひどく患って尼になったのを、見舞おうと思って、五条にある家を訪ねていらっしゃった。

  • 31

    かの御法事などし給ふにもいかめしうとぶらひ聞こえ給へり。(とぶらひ)

    弔問し 【全訳】あの方のご法事などなさるときにも、丁重に弔問し申し上げなさった。

  • 32

    維盛が後生をもとぶらへかし。(とぶらへ)

    供養してくれ 【全訳】維盛の来世を供養してくれよ。

  • 33

    日ごろものしつる人、今日ぞ帰りぬる。(ものし)

    い 【全訳】数日来いた人が、今日帰ってしまう。

  • 34

    馬にてものせむ。(ものせ)

    行こ 【全訳】馬で行こう。

  • 35

    中将はいづこよりものしつるぞ。(ものし)

    来 【全訳】中将はどこから来たのか。

  • 36

    魚などものせよ。(ものせよ)

    食べよ 【全訳】魚などを食べよ。

  • 37

    まづ御文をものせさえ給へ。(ものせ)

    書き 【全訳】まずお手紙をお書きください。

  • 38

    梅の香をかしきを見出だしてものしたまふ。(ものしたまふ)

    いらっしゃる 【全訳】梅がいいにおいで咲いているのを部屋の中から眺めていらっしゃる。

  • 39

    いと恐ろしと思してわななき給ふ。(わななき)

    ふるえ 【全訳】たいそう恐ろしいとお思いになってふるえなさる。

  • 40

    寛大にして極まらざるときは、喜怒これにさはらずして、物のためにわづらはず。(わづらは)

    思い悩ま 【全訳】心が広く大らかで狭く限ることがないときは、喜怒の感情が邪魔となることなく、物事のために思い悩まない。

  • 41

    漕ぎ上るに、川の水干て、悩みわづらふ。(わづらふ)

    苦労する 【全訳】こぎのぼるが、川の水が少なくなって、難儀き、苦労する。

  • 42

    勢多の橋みな崩れて、渡りわづらふ。(わづらふ)

    のに困る 【全訳】勢多の橋がみな崩れて、渡るのに困る。

  • 43

    心地惑ひにけり。(惑ひ)

    乱れ 【全訳】気持ちが乱れてしまった。

  • 44

    宮の御前、母北の方、そら殿、一つに手を取りかはして惑はせたまふ。(惑は)

    途方に暮れ 【全訳】宮の御前、母である北の方、そら殿は、手を取り合って途方に暮れなさる。

  • 45

    風の吹きまどひたるさま、恐ろしげなること、命かぎりつと思ひまどはる。(まどひ)

    ひどく 【全訳】風がひどく吹いているさまの、恐ろしげなことは、命もおしまいだと気が動転してしまう。

  • 46

    大将もものかづき、忠岑も禄賜はりなどしけり。(かづき)

    いただき 【全訳】大将も物をいただき、忠岑もほうびをいただくなどした。

  • 47

    御衣ひきかづきて臥し給へり。(かづき)

    かぶっ 【全訳】お召し物をひきかぶって寝ておしまいになる。

  • 48

    郎党までに物かづけたり。(かづけ)

    与え 【全訳】従者にいたるまでに物を与えた。

  • 49

    翁を、いとほし、かなしと思しつることも失せぬ。(失せ)

    消え 【全訳】翁を、気の毒だ、かわいそうだとお思いになっていたことも消えてしまった。

  • 50

    その人、ほどなく失せにけりと聞き侍りし。(失せ)

    亡くなっ 【全訳】その人は、間もなく亡くなったと聞きました。

  • 51

    持仏据えたてまつりて行ふ尼なりけり。(行ふ)

    仏道の修行をする 【全訳】持仏を安置申し上げて仏道の修行をする尼であった。