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治療学総論①

治療学総論①
84問 • 1年前
  • 美帆
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    問題一覧

  • 1

    腫瘍の治療を目的によって3つに分けると?

    ・根治治療 ・緩和治療 ・予防的治療

  • 2

    根治治療が達成しやすい条件を3つ挙げると?

    ・腫瘍が原発部位に限局していること ・腫瘍の局所浸潤性や転移性が低いこと ・腫瘍の発生部位が外科や放射線療法を実施しやすい場所であること

  • 3

    一般的に転移性の強いがんで、原発部位に限局していると診断した場合、根治治療の適応は?

    顕微鏡レベルでの転移が成立していることが多いため、根治を目指すことは難しい。

  • 4

    根治治療の主軸となる治療方法は?どのように選択する?

    外科療法を中心に、放射線や化学療法を組み合わせる。 がんの種類や拡がりにより判断する。

  • 5

    緩和治療が適応となるのはどんな患者か?

    根治治療が適応とならないすべての症例。  すでに転移が成立している/転移性が強いと知られている腫瘍  全身性・播種性に発生している腫瘍  完全切除不能な部位への浸潤が見られる腫瘍  重大な機能不全を伴う併発疾患を持つ患者

  • 6

    緩和治療の目的の主体は?

    ・臨床症状や苦痛の軽減 ・機能不全の回復

  • 7

    緩和治療の手段として選択される治療法は?

    外科/放射線/化学療法から単独または併用し、  支持療法(対症療法)を組み合わせることで症状の改善を図る。

  • 8

    緩和療法としての外科治療での目的は?(例)

    QOLの改善やがんの減容積   ・疼痛緩和を目的とした断脚手術など

  • 9

    緩和療法としての化学療法が十分許容される腫瘍は?

    リンパ腫  質の良い延命を期待することができる。

  • 10

    緩和療法としての内科治療(抗がん剤を除く)で、効果が得られることがある例は?(3つ)

    ・リンパ系腫瘍_グルココルチコイド ・移行上皮癌/口腔内扁平上皮癌_COX-2阻害薬 ・高Ca血症/骨性疼痛/骨転移抑制_ビスフォスフォネート

  • 11

    支持療法はどの時点から行うべきか?

    治療開始時から。   症状の改善が、患者のQOL向上や飼い主の治療に対する意欲向上にもつながる

  • 12

    緩和療法に含まれる治療の例は?(5つ)

    ・疼痛緩和 ・栄養管理 ・呼吸管理(胸水管理など) ・腫瘍随伴症候群の緩和 ・消化器症状の緩和(制吐剤など)

  • 13

    がんの発生に関わる要因は?(2つ)

    ・遺伝的要因(ゴールデンレトリバーなど) ・環境的要因(環境汚染物質など)

  • 14

    がんの予防的治療の代表例は?(2つ)

    ・初回発情前の卵巣子宮摘出術:乳腺腫瘍の発生率低下 ・精巣摘出術:精巣腫瘍、肛門周囲腺腫の発生予防効果

  • 15

    発がんリスクと関係が報告されている環境要因は?(3つ)

    ・受動喫煙 ・アスベスト ・除草剤

  • 16

    ワクチン接種部位に発生した肉芽腫病変は、どのくらいの期間以上退縮しなければ切除すべきか?

    2ヶ月

  • 17

    細胞周期を構成する4つの期間とは?

    ・G1期 DNA合成準備期 ・S期 DNA合成期 ・G2期 細胞分裂準備期 ・M期 有糸分裂期

  • 18

    人の細胞周期は何時間程度で帰結するか?

    12〜24時間

  • 19

    細胞周期における【間期】とは、どの期間か?

    M期とM期の間(G1-S-G2)

  • 20

    M期の長さは何時間程度か?

    1時間程度

  • 21

    G0期とは何か?

    M期とS期の間の細胞分裂を行わない期間

  • 22

    細胞周期はどのように始まるか?

    M期の終わり頃から成長因子や細胞接着因子などに感作されることにより始まる。

  • 23

    R点とは何か?

    G1期に入ったのち、細胞増殖を行うか否かが決定される重要な分岐点。

  • 24

    DNA合成が正常に行われているかの監視において中心的な役割を担うタンパクをなんというか?

    サイクリン依存性タンパク(CDK)

  • 25

    がんの生物学的分類として、上皮系にも間葉系にも分類できない腫瘍の由来細胞は?

    メラニン産生細胞

  • 26

    DNAにダメージを与えるような外的因子・内的因子は?(2つ/2つ)

    ・放射線 ・化学物質 ・感染 ・慢性炎症

  • 27

    DNAにダメージを受けた細胞は、どのように処理されるか?

    細胞周期停止やアポトーシスを起こす。

  • 28

    p53遺伝子の作用は?(4つ)

    ・G1期の細胞分裂の停止 ・損傷を受けたDNAの修復タンパク活性 ・血管新生 ・DNAのダメージが修復不可能な時のアポトーシス誘導

  • 29

    悪性腫瘍に最も頻繁に異常が認められる遺伝子は? 変異の種類は?

    p53遺伝子、点変異

  • 30

    多段階発がん説の3つの段階は?

    イニシエーション  →プロモーション   →プログレッション

  • 31

    多段階発がん説において、イニシエーションとはどのような状態を指すか?

    発がん因子によって遺伝子に傷害を受け続け、細胞が変異した状態。

  • 32

    イニシエーションを起こした細胞の自己防衛機能とは、どのようなものか?

    遺伝子修復や、アポトーシス。

  • 33

    多段階発がん説におけるプロモーションとは、どのような状態か?

    遺伝子の傷害が複数蓄積され、自己防衛能を失い、がん促進因子が細胞を悪性へと向けていく状態。

  • 34

    多段階発がん説において、プログレッションとはどのような状態を指すか?

    細胞が多くの変異を起こし、増殖速度を増し高悪性度の細胞へと変化し、転移を起こすようになる状態。

  • 35

    がん遺伝子が初めて同定された腫瘍は?

    鳥ラウス肉腫

  • 36

    がん原遺伝子とは?

    そのものではがんを引き起こす能力はなく、元々の機能としては細胞の成長や増殖を行うが、 活性化されることでがん遺伝子となる。

  • 37

    がん原遺伝子として知られているものは?(5つ)

    ・成長因子 ・成長因子受容体 ・プロテインキナーゼ ・Gタンパクシグナルトランスデューサー ・核タンパク

  • 38

    がん遺伝子は、どのようにしてがん細胞の増殖を促すか?

    対遺伝子の異常として現れ、正常な対遺伝子を支配することにより 制御不能な細胞の成長と増殖を促進する。

  • 39

    がん遺伝子活性化メカニズムとして挙げられるものは?(4つ)

    ①染色体転座 ②遺伝子増幅 ③点変異 ④ウイルス挿入

  • 40

    染色体転座とは?  (例)

    染色体が相互に一部入れ替わり、遺伝子の再構築が行われること。 例)人の慢性骨髄性白血病のフィラデルフィア染色体

  • 41

    遺伝子増幅とは?

    染色体の一部が増幅・増数することで遺伝子のコピー数増加を招き、遺伝子の発現増加が見られること。 がん原遺伝子の活性化によく見られる。

  • 42

    点変異とは?(例)

    がん遺伝子の特定の塩基配列部位にヌクレオチドの変異が起こり、恒常的に活性化すること。 例)肥満細胞腫におけるc-kit遺伝子

  • 43

    ウイルス挿入とは?

    ウイルスがプロウイルスとして遺伝子に挿入されることで、 そのウイルスが増幅する際にがん原遺伝子機能の変化が起こること。

  • 44

    がん抑制遺伝子とはどのようなものか?

    本来は細胞の成長と増殖を抑制するように働くが、 変異することにより抑制不能となり腫瘍形成がなされる。

  • 45

    がん抑制遺伝子として最初に同定されたのは、なんの腫瘍のどの遺伝子か?

    網膜芽細胞腫のRb遺伝子

  • 46

    Rb遺伝子などで認められる「2ヒット理論」とはどのようなものか?

    通常対立遺伝子として存在し、片方の遺伝子に変異が起こったとしても、 もう片方の遺伝子により抑制タンパクが作成され、がん抑制機能を発揮することができるが、 対立遺伝子両方に変異をきたすと、有効な抑制タンパクが作られず、がん抑制機能が果たせなくなるという理論。

  • 47

    がんが発生する上で必要な特徴的な細胞の性質とは?(7つ)

    ①増殖シグナルの自己供給 ②抗増殖シグナルに対する不応性 ③アポトーシスを回避する能力 ④無制限の複製能力 ⑤持続的な血管新生 ⑥浸潤と転移 ⑦宿主免疫回避能

  • 48

    リンパ行性転移が起きやすい理由は?

    リンパ管は基底膜がないため腫瘍が浸潤しやすいから。

  • 49

    がんが最初に到達するリンパ節をなんというか?

    センチネルリンパ節

  • 50

    スキップ転移とは何か?

    がんが原発巣から離れた部位に転移すること。

  • 51

    血行性転移カスケードの7つのステップは?

    ①原発巣からがん細胞が遊離し、遊走機能をもつ(Anoikisへの抵抗性獲得) ②がん細胞が分泌するMMP (マトリクスメタプロテアーゼ)が細胞間基質や基底膜を溶解してがん細胞の通り道を形成 ③各種走化因子によりがん細胞が②で作られた通り道や血管・リンパ管へと近づく ④がん細胞が血管たリンパ管に侵入し、血行動態へ侵入する ⑤がん細胞が自身のもつ接着因子による接着や、毛細血管床にトラップされ着床 ⑥血管外遊出が起こり、遠隔部位の間質に浸潤 ⑦遠隔部位での増殖と血管新生

  • 52

    血行性転移カスケードの阻害要因は?

    ・生体の免疫 ・遠隔部位での微小環境での不適合

  • 53

    mechanical and anatomical theory では、腹腔内臓器に発生した腫瘍はどのように拡がるか?

    腹腔内臓器→門脈→肝臓(毛細血管床が豊富であるため)に生着し転移が成立する。

  • 54

    がんの成長や転移に必要不可欠なことは?その促進因子群の1つは?

    血管新生、VEGF (vascular endothelial growth factor)

  • 55

    外科療法の利点は?(3つ)

    ・局所制御の効果が最大 ・腫瘍が限局していれば根治が可能 ・細胞毒性や発がん性がない

  • 56

    外科療法の欠点は?(3つ)

    ・全身麻酔のリスク ・外観変化や機能欠損が生じる可能性がある ・局所療法であり、全身性/播種性/遠隔転移のある症例では根治不可

  • 57

    腫瘍における外科療法の計画で必要な判断は?(2つ)

    ・腫瘍種が外科療法の適応であること ・切除範囲(サージカルマージン)   腫瘍の拡がりと生物学的挙動の予測から導き出す

  • 58

    腫瘍治療における外科療法の目的は?(4つの分類)

    ①根治的手術 ②緩和的手術(減量手術、対症的手術) ③診断的手術 ④予防的手術

  • 59

    外科療法において、根治を目指せるかどうかの判断要素は?(3つ)

    ・がんの拡がり ・生物学的挙動の予測 ・解剖学的な評価

  • 60

    外科療法において、初回の手術が根治を目指すために最適であるのはなぜか?(2つ)

    ・未治療のがんでは、周囲の正常な解剖学的特徴が維持されており、手術が実施しやすい  (再発時には周囲の正常組織の解剖学的特徴が損なわれており、閉鎖・再建が困難) ・がん細胞の増殖性の最も強い部分は、腫瘤辺縁の血流豊富な部分であり、  初回の手術で不完全切除となることは、最も活動的な領域を取り残すこととなり、  再発時には更なる浸潤・転移・播種の可能性があるため、より広範な切除が必要となる

  • 61

    緩和目的の手術が適応となる腫瘍の例は?(2つ)

    ・骨肉腫@四肢  疼痛緩和(肢1本の機能欠損より疼痛からの解放による機能回復効果が上回る) ・すでに肺転移した乳腺腫瘍  原発病変の自壊などでQOLが著しく下がっている場合  (原発病変を手術することで転移病巣の進行を速める可能性を示唆する報告もある)

  • 62

    転移病変に対する外科療法が適応となる条件は?(3つ) その例

    ①がんの進行が緩徐 ②転移病変が1〜2個に限局 ③原発病変が長期に管理されている Ex)骨肉腫の肺転移病変    ①細胞倍加時間が1ヶ月以上であり、1ヶ月以内に新たな転移病変が発生していない    ②確認可能な肺転移病変が2個以下であり、肺以外に転移病変がない    ③原発病変が1年以上無進行

  • 63

    腫瘍の切除が不可能でも症状緩和のために実施する対症的手術の例は?(7つ)

    ・消化管バイパス手術 ・尿路変更手術 ・永久気管瘻設置術 ・人工肛門設置術 ・出血部の外科的な止血 ・食道/胃/空腸への栄養チューブ設置 ・尿道へのステント設置

  • 64

    予防的手術の例は?その目的とは?

    性ホルモン関連腫瘍の性線切除手術  →発生率や再発率の減少/腫瘍自体の退縮が目的

  • 65

    診断的手術とは?

    肉眼的•病理組織学的検査で確定診断を得るための手術。

  • 66

    診断的手術の際に注意すべき点は?

    その後の治療の妨げにならないように採取する。

  • 67

    放射線療法の最大の利点とは?

    機能や形態を温存しながら腫瘍の局所制御効果が得られること。 局所制御効果は外科療法に次ぐ。

  • 68

    放射線療法を選択することが多い部位はどこか?

    鼻腔腫瘍をはじめとする頭頸部腫瘍

  • 69

    外科療法と放射線療法を併用するケースは、どのような腫瘍に対してか?

    局所再発率の高い腫瘍に対して。

  • 70

    放射線障害において、回避すべきなのは早発障害/晩発障害のどちらか?(理由)

    晩発障害(遅発性障害) →不可逆的であるから。(早発障害は容易に起こるが可逆性である。)

  • 71

    放射線療法を根治目的で行う条件は?(3つ)

    ・腫瘍の放射線感受性が高いこと ・腫瘍が局所に限局していること ・転移していないこと

  • 72

    緩和目的の放射線療法の目的は?(2つ)

    疼痛緩和 機能障害の軽減

  • 73

    緩和目的の放射線療法で注意すべき点は?(3つ)

    ・QOLを重視する ・放射線障害のリスクを最小限に抑える ・合理的に最短期間で照射計画を立てる

  • 74

    緩和目的の放射線療法が適応となる状態とは?(3つ)

    ・特定の部位での疼痛や機能障害、出血が問題となり、他の治療では緩和が望めないケース ・放射線感受性が高く、十分な局所制御効果が望めるものの転移が成立しているケース ・外科療法が適応だが、機能の温存を重視するケース

  • 75

    放射線療法を実施しやすい周囲組織の条件とは?

    周囲の正常組織の耐用線量に余裕があること

  • 76

    放射線による細胞死の機序は?(2つ)

    ・間期死(細胞が分裂することなく不活化し細胞死に至る) ・分裂死(細胞の代謝は継続しつつも増殖能を失い細胞死に至る)

  • 77

    腫瘍細胞における細胞周期による放射線感受性の違いは?

    増殖期の細胞によく効き、休止期の細胞は放射線の障害を受けにくい。

  • 78

    固形がんに対して放射線療法が効果を示しにくい理由は?(2つ)

    固形がんの内部では  ・休止期の細胞が多い  ・血管分布が乏く低栄養、低酸素 であるため治療効果が到達しにくい。

  • 79

    固形がんに対して外科療法と放射線療法を併用するのはどんな場合か?(理由)

    外科療法での完全切除が困難である場合。 固形がんの塊は休止期の細胞主体で放射線感抵抗性であり外科療法が推奨されるが、 術後に残るような周囲の顕微鏡的病変の腫瘍細胞は、酸素化され分裂が盛んであり、放射線感受性が高いため。

  • 80

    外科療法と術後放射線療法を併用する場合に、放射線抵抗性の細胞が残る可能性があるのは、どのような部位か?(2つ)

    ・肉眼で確認可能な病変が残されている場合 ・術創上に残存した顕微鏡的病変(比較的低酸素状態となるため)

  • 81

    術前での放射線療法の欠点は?

    ・外科療法実施までの期間が延長すること ・外科療法での切除範囲の決定とマージンの組織学的評価が曖昧になること

  • 82

    固形がんに対して化学療法と放射線療法を併用する方法が選択されるケースは?(2つ)

    ・局所病変に放射線、転移に対して化学療法 ・化学療法剤を放射線増感剤として併用する (プラチナ製剤)

  • 83

    放射線療法において、的確な照射野を決定するために注意することは?

    腫瘍全体だけでなく、マージンを含み、隣接する潜在病変を照射野に含め、 正常組織を可能な限り保護する。

  • 84

    放射線療法における放射線の種類は?(2つ)

    ・オルソボルテージ ・メガボルテージ

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    問題一覧

  • 1

    腫瘍の治療を目的によって3つに分けると?

    ・根治治療 ・緩和治療 ・予防的治療

  • 2

    根治治療が達成しやすい条件を3つ挙げると?

    ・腫瘍が原発部位に限局していること ・腫瘍の局所浸潤性や転移性が低いこと ・腫瘍の発生部位が外科や放射線療法を実施しやすい場所であること

  • 3

    一般的に転移性の強いがんで、原発部位に限局していると診断した場合、根治治療の適応は?

    顕微鏡レベルでの転移が成立していることが多いため、根治を目指すことは難しい。

  • 4

    根治治療の主軸となる治療方法は?どのように選択する?

    外科療法を中心に、放射線や化学療法を組み合わせる。 がんの種類や拡がりにより判断する。

  • 5

    緩和治療が適応となるのはどんな患者か?

    根治治療が適応とならないすべての症例。  すでに転移が成立している/転移性が強いと知られている腫瘍  全身性・播種性に発生している腫瘍  完全切除不能な部位への浸潤が見られる腫瘍  重大な機能不全を伴う併発疾患を持つ患者

  • 6

    緩和治療の目的の主体は?

    ・臨床症状や苦痛の軽減 ・機能不全の回復

  • 7

    緩和治療の手段として選択される治療法は?

    外科/放射線/化学療法から単独または併用し、  支持療法(対症療法)を組み合わせることで症状の改善を図る。

  • 8

    緩和療法としての外科治療での目的は?(例)

    QOLの改善やがんの減容積   ・疼痛緩和を目的とした断脚手術など

  • 9

    緩和療法としての化学療法が十分許容される腫瘍は?

    リンパ腫  質の良い延命を期待することができる。

  • 10

    緩和療法としての内科治療(抗がん剤を除く)で、効果が得られることがある例は?(3つ)

    ・リンパ系腫瘍_グルココルチコイド ・移行上皮癌/口腔内扁平上皮癌_COX-2阻害薬 ・高Ca血症/骨性疼痛/骨転移抑制_ビスフォスフォネート

  • 11

    支持療法はどの時点から行うべきか?

    治療開始時から。   症状の改善が、患者のQOL向上や飼い主の治療に対する意欲向上にもつながる

  • 12

    緩和療法に含まれる治療の例は?(5つ)

    ・疼痛緩和 ・栄養管理 ・呼吸管理(胸水管理など) ・腫瘍随伴症候群の緩和 ・消化器症状の緩和(制吐剤など)

  • 13

    がんの発生に関わる要因は?(2つ)

    ・遺伝的要因(ゴールデンレトリバーなど) ・環境的要因(環境汚染物質など)

  • 14

    がんの予防的治療の代表例は?(2つ)

    ・初回発情前の卵巣子宮摘出術:乳腺腫瘍の発生率低下 ・精巣摘出術:精巣腫瘍、肛門周囲腺腫の発生予防効果

  • 15

    発がんリスクと関係が報告されている環境要因は?(3つ)

    ・受動喫煙 ・アスベスト ・除草剤

  • 16

    ワクチン接種部位に発生した肉芽腫病変は、どのくらいの期間以上退縮しなければ切除すべきか?

    2ヶ月

  • 17

    細胞周期を構成する4つの期間とは?

    ・G1期 DNA合成準備期 ・S期 DNA合成期 ・G2期 細胞分裂準備期 ・M期 有糸分裂期

  • 18

    人の細胞周期は何時間程度で帰結するか?

    12〜24時間

  • 19

    細胞周期における【間期】とは、どの期間か?

    M期とM期の間(G1-S-G2)

  • 20

    M期の長さは何時間程度か?

    1時間程度

  • 21

    G0期とは何か?

    M期とS期の間の細胞分裂を行わない期間

  • 22

    細胞周期はどのように始まるか?

    M期の終わり頃から成長因子や細胞接着因子などに感作されることにより始まる。

  • 23

    R点とは何か?

    G1期に入ったのち、細胞増殖を行うか否かが決定される重要な分岐点。

  • 24

    DNA合成が正常に行われているかの監視において中心的な役割を担うタンパクをなんというか?

    サイクリン依存性タンパク(CDK)

  • 25

    がんの生物学的分類として、上皮系にも間葉系にも分類できない腫瘍の由来細胞は?

    メラニン産生細胞

  • 26

    DNAにダメージを与えるような外的因子・内的因子は?(2つ/2つ)

    ・放射線 ・化学物質 ・感染 ・慢性炎症

  • 27

    DNAにダメージを受けた細胞は、どのように処理されるか?

    細胞周期停止やアポトーシスを起こす。

  • 28

    p53遺伝子の作用は?(4つ)

    ・G1期の細胞分裂の停止 ・損傷を受けたDNAの修復タンパク活性 ・血管新生 ・DNAのダメージが修復不可能な時のアポトーシス誘導

  • 29

    悪性腫瘍に最も頻繁に異常が認められる遺伝子は? 変異の種類は?

    p53遺伝子、点変異

  • 30

    多段階発がん説の3つの段階は?

    イニシエーション  →プロモーション   →プログレッション

  • 31

    多段階発がん説において、イニシエーションとはどのような状態を指すか?

    発がん因子によって遺伝子に傷害を受け続け、細胞が変異した状態。

  • 32

    イニシエーションを起こした細胞の自己防衛機能とは、どのようなものか?

    遺伝子修復や、アポトーシス。

  • 33

    多段階発がん説におけるプロモーションとは、どのような状態か?

    遺伝子の傷害が複数蓄積され、自己防衛能を失い、がん促進因子が細胞を悪性へと向けていく状態。

  • 34

    多段階発がん説において、プログレッションとはどのような状態を指すか?

    細胞が多くの変異を起こし、増殖速度を増し高悪性度の細胞へと変化し、転移を起こすようになる状態。

  • 35

    がん遺伝子が初めて同定された腫瘍は?

    鳥ラウス肉腫

  • 36

    がん原遺伝子とは?

    そのものではがんを引き起こす能力はなく、元々の機能としては細胞の成長や増殖を行うが、 活性化されることでがん遺伝子となる。

  • 37

    がん原遺伝子として知られているものは?(5つ)

    ・成長因子 ・成長因子受容体 ・プロテインキナーゼ ・Gタンパクシグナルトランスデューサー ・核タンパク

  • 38

    がん遺伝子は、どのようにしてがん細胞の増殖を促すか?

    対遺伝子の異常として現れ、正常な対遺伝子を支配することにより 制御不能な細胞の成長と増殖を促進する。

  • 39

    がん遺伝子活性化メカニズムとして挙げられるものは?(4つ)

    ①染色体転座 ②遺伝子増幅 ③点変異 ④ウイルス挿入

  • 40

    染色体転座とは?  (例)

    染色体が相互に一部入れ替わり、遺伝子の再構築が行われること。 例)人の慢性骨髄性白血病のフィラデルフィア染色体

  • 41

    遺伝子増幅とは?

    染色体の一部が増幅・増数することで遺伝子のコピー数増加を招き、遺伝子の発現増加が見られること。 がん原遺伝子の活性化によく見られる。

  • 42

    点変異とは?(例)

    がん遺伝子の特定の塩基配列部位にヌクレオチドの変異が起こり、恒常的に活性化すること。 例)肥満細胞腫におけるc-kit遺伝子

  • 43

    ウイルス挿入とは?

    ウイルスがプロウイルスとして遺伝子に挿入されることで、 そのウイルスが増幅する際にがん原遺伝子機能の変化が起こること。

  • 44

    がん抑制遺伝子とはどのようなものか?

    本来は細胞の成長と増殖を抑制するように働くが、 変異することにより抑制不能となり腫瘍形成がなされる。

  • 45

    がん抑制遺伝子として最初に同定されたのは、なんの腫瘍のどの遺伝子か?

    網膜芽細胞腫のRb遺伝子

  • 46

    Rb遺伝子などで認められる「2ヒット理論」とはどのようなものか?

    通常対立遺伝子として存在し、片方の遺伝子に変異が起こったとしても、 もう片方の遺伝子により抑制タンパクが作成され、がん抑制機能を発揮することができるが、 対立遺伝子両方に変異をきたすと、有効な抑制タンパクが作られず、がん抑制機能が果たせなくなるという理論。

  • 47

    がんが発生する上で必要な特徴的な細胞の性質とは?(7つ)

    ①増殖シグナルの自己供給 ②抗増殖シグナルに対する不応性 ③アポトーシスを回避する能力 ④無制限の複製能力 ⑤持続的な血管新生 ⑥浸潤と転移 ⑦宿主免疫回避能

  • 48

    リンパ行性転移が起きやすい理由は?

    リンパ管は基底膜がないため腫瘍が浸潤しやすいから。

  • 49

    がんが最初に到達するリンパ節をなんというか?

    センチネルリンパ節

  • 50

    スキップ転移とは何か?

    がんが原発巣から離れた部位に転移すること。

  • 51

    血行性転移カスケードの7つのステップは?

    ①原発巣からがん細胞が遊離し、遊走機能をもつ(Anoikisへの抵抗性獲得) ②がん細胞が分泌するMMP (マトリクスメタプロテアーゼ)が細胞間基質や基底膜を溶解してがん細胞の通り道を形成 ③各種走化因子によりがん細胞が②で作られた通り道や血管・リンパ管へと近づく ④がん細胞が血管たリンパ管に侵入し、血行動態へ侵入する ⑤がん細胞が自身のもつ接着因子による接着や、毛細血管床にトラップされ着床 ⑥血管外遊出が起こり、遠隔部位の間質に浸潤 ⑦遠隔部位での増殖と血管新生

  • 52

    血行性転移カスケードの阻害要因は?

    ・生体の免疫 ・遠隔部位での微小環境での不適合

  • 53

    mechanical and anatomical theory では、腹腔内臓器に発生した腫瘍はどのように拡がるか?

    腹腔内臓器→門脈→肝臓(毛細血管床が豊富であるため)に生着し転移が成立する。

  • 54

    がんの成長や転移に必要不可欠なことは?その促進因子群の1つは?

    血管新生、VEGF (vascular endothelial growth factor)

  • 55

    外科療法の利点は?(3つ)

    ・局所制御の効果が最大 ・腫瘍が限局していれば根治が可能 ・細胞毒性や発がん性がない

  • 56

    外科療法の欠点は?(3つ)

    ・全身麻酔のリスク ・外観変化や機能欠損が生じる可能性がある ・局所療法であり、全身性/播種性/遠隔転移のある症例では根治不可

  • 57

    腫瘍における外科療法の計画で必要な判断は?(2つ)

    ・腫瘍種が外科療法の適応であること ・切除範囲(サージカルマージン)   腫瘍の拡がりと生物学的挙動の予測から導き出す

  • 58

    腫瘍治療における外科療法の目的は?(4つの分類)

    ①根治的手術 ②緩和的手術(減量手術、対症的手術) ③診断的手術 ④予防的手術

  • 59

    外科療法において、根治を目指せるかどうかの判断要素は?(3つ)

    ・がんの拡がり ・生物学的挙動の予測 ・解剖学的な評価

  • 60

    外科療法において、初回の手術が根治を目指すために最適であるのはなぜか?(2つ)

    ・未治療のがんでは、周囲の正常な解剖学的特徴が維持されており、手術が実施しやすい  (再発時には周囲の正常組織の解剖学的特徴が損なわれており、閉鎖・再建が困難) ・がん細胞の増殖性の最も強い部分は、腫瘤辺縁の血流豊富な部分であり、  初回の手術で不完全切除となることは、最も活動的な領域を取り残すこととなり、  再発時には更なる浸潤・転移・播種の可能性があるため、より広範な切除が必要となる

  • 61

    緩和目的の手術が適応となる腫瘍の例は?(2つ)

    ・骨肉腫@四肢  疼痛緩和(肢1本の機能欠損より疼痛からの解放による機能回復効果が上回る) ・すでに肺転移した乳腺腫瘍  原発病変の自壊などでQOLが著しく下がっている場合  (原発病変を手術することで転移病巣の進行を速める可能性を示唆する報告もある)

  • 62

    転移病変に対する外科療法が適応となる条件は?(3つ) その例

    ①がんの進行が緩徐 ②転移病変が1〜2個に限局 ③原発病変が長期に管理されている Ex)骨肉腫の肺転移病変    ①細胞倍加時間が1ヶ月以上であり、1ヶ月以内に新たな転移病変が発生していない    ②確認可能な肺転移病変が2個以下であり、肺以外に転移病変がない    ③原発病変が1年以上無進行

  • 63

    腫瘍の切除が不可能でも症状緩和のために実施する対症的手術の例は?(7つ)

    ・消化管バイパス手術 ・尿路変更手術 ・永久気管瘻設置術 ・人工肛門設置術 ・出血部の外科的な止血 ・食道/胃/空腸への栄養チューブ設置 ・尿道へのステント設置

  • 64

    予防的手術の例は?その目的とは?

    性ホルモン関連腫瘍の性線切除手術  →発生率や再発率の減少/腫瘍自体の退縮が目的

  • 65

    診断的手術とは?

    肉眼的•病理組織学的検査で確定診断を得るための手術。

  • 66

    診断的手術の際に注意すべき点は?

    その後の治療の妨げにならないように採取する。

  • 67

    放射線療法の最大の利点とは?

    機能や形態を温存しながら腫瘍の局所制御効果が得られること。 局所制御効果は外科療法に次ぐ。

  • 68

    放射線療法を選択することが多い部位はどこか?

    鼻腔腫瘍をはじめとする頭頸部腫瘍

  • 69

    外科療法と放射線療法を併用するケースは、どのような腫瘍に対してか?

    局所再発率の高い腫瘍に対して。

  • 70

    放射線障害において、回避すべきなのは早発障害/晩発障害のどちらか?(理由)

    晩発障害(遅発性障害) →不可逆的であるから。(早発障害は容易に起こるが可逆性である。)

  • 71

    放射線療法を根治目的で行う条件は?(3つ)

    ・腫瘍の放射線感受性が高いこと ・腫瘍が局所に限局していること ・転移していないこと

  • 72

    緩和目的の放射線療法の目的は?(2つ)

    疼痛緩和 機能障害の軽減

  • 73

    緩和目的の放射線療法で注意すべき点は?(3つ)

    ・QOLを重視する ・放射線障害のリスクを最小限に抑える ・合理的に最短期間で照射計画を立てる

  • 74

    緩和目的の放射線療法が適応となる状態とは?(3つ)

    ・特定の部位での疼痛や機能障害、出血が問題となり、他の治療では緩和が望めないケース ・放射線感受性が高く、十分な局所制御効果が望めるものの転移が成立しているケース ・外科療法が適応だが、機能の温存を重視するケース

  • 75

    放射線療法を実施しやすい周囲組織の条件とは?

    周囲の正常組織の耐用線量に余裕があること

  • 76

    放射線による細胞死の機序は?(2つ)

    ・間期死(細胞が分裂することなく不活化し細胞死に至る) ・分裂死(細胞の代謝は継続しつつも増殖能を失い細胞死に至る)

  • 77

    腫瘍細胞における細胞周期による放射線感受性の違いは?

    増殖期の細胞によく効き、休止期の細胞は放射線の障害を受けにくい。

  • 78

    固形がんに対して放射線療法が効果を示しにくい理由は?(2つ)

    固形がんの内部では  ・休止期の細胞が多い  ・血管分布が乏く低栄養、低酸素 であるため治療効果が到達しにくい。

  • 79

    固形がんに対して外科療法と放射線療法を併用するのはどんな場合か?(理由)

    外科療法での完全切除が困難である場合。 固形がんの塊は休止期の細胞主体で放射線感抵抗性であり外科療法が推奨されるが、 術後に残るような周囲の顕微鏡的病変の腫瘍細胞は、酸素化され分裂が盛んであり、放射線感受性が高いため。

  • 80

    外科療法と術後放射線療法を併用する場合に、放射線抵抗性の細胞が残る可能性があるのは、どのような部位か?(2つ)

    ・肉眼で確認可能な病変が残されている場合 ・術創上に残存した顕微鏡的病変(比較的低酸素状態となるため)

  • 81

    術前での放射線療法の欠点は?

    ・外科療法実施までの期間が延長すること ・外科療法での切除範囲の決定とマージンの組織学的評価が曖昧になること

  • 82

    固形がんに対して化学療法と放射線療法を併用する方法が選択されるケースは?(2つ)

    ・局所病変に放射線、転移に対して化学療法 ・化学療法剤を放射線増感剤として併用する (プラチナ製剤)

  • 83

    放射線療法において、的確な照射野を決定するために注意することは?

    腫瘍全体だけでなく、マージンを含み、隣接する潜在病変を照射野に含め、 正常組織を可能な限り保護する。

  • 84

    放射線療法における放射線の種類は?(2つ)

    ・オルソボルテージ ・メガボルテージ