梓弓

梓弓
19問 • 3年前
  • Saori K.
  • 通報

    問題一覧

  • 1

    昔、男、片田舎に住みけり。

    昔、男が、片田舎に住んだ。

  • 2

    男、宮仕へしにとて、

    男は宮仕えしに行くといって、

  • 3

    別れ惜しみて行きにけるままに、

    別れを惜しんで行ったままに、

  • 4

    三年来ざりければ、

    三年男は来なかったので、

  • 5

    待ちわびたりけるに、

    待ちわびていたところ、

  • 6

    いとねむごろに言ひける人に

    たいそう心を込めて言い寄った人に

  • 7

    「今宵逢はむ」と契りたりけるに、この男来たりけり。

    「今夜結婚しましょう」と約束してしまったその日にこの男が帰ってきてしまった。

  • 8

    「この戸開け給へ」と叩きけれど、開けで、歌をなむ詠みて出だしたりける

    「この戸を開けてください」と戸を叩いたけれど、開けないで、歌を詠んでさし出したのだった。その歌、

  • 9

    あらたまの年の三年を待ちわびて ただ今宵こそ新枕すれ

    三年間待ちわびて、ちょうど今夜別の人と結婚するのです。

  • 10

    と言ひ出したりければ、

    と歌をさし出したところ、

  • 11

    梓弓真弓槻弓を経て わがせしがごとうるはしみせよ

    何年にもわたって私があなたにしたように新しい夫に親しんでください

  • 12

    と言ひて、住なむとしければ、女、

    と言って行こうとしたので、女は

  • 13

    梓弓引かねど昔より心は君に寄りにしものを

    あなたが私の心を引こうが引くまいが、昔から私の心はあなたを思っていたのに

  • 14

    と言ひけれど、男帰りにけり。

    と詠んだけれども男は帰ってしまった。

  • 15

    女、いと悲しくて、後に立ちて追ひ行けど

    女は、とても悲しくて、後に立って追っていくけれど

  • 16

    え追ひつかで、清水のある所に伏しにけり。

    追いつくことができないで、清水のある所に倒れ伏してしまった。

  • 17

    そこなりける岩に、指の血して書きつける、

    そこにあった岩に、指の血で書きつけた歌、

  • 18

    あひ思はで離れぬる人をとどめかね わが身は今ぞ果てぬめる

    互いに思わないで、離れてしまった人を止めることができず、私の身は今にも消え果ててしまうようです

  • 19

    と書きて、そこにいたずらになりにけり。

    と書いて、そこで死んでしまった。

  • 伊勢物語

    伊勢物語

    Saori K. · 9問 · 3年前

    伊勢物語

    伊勢物語

    9問 • 3年前
    Saori K.

    品詞分解

    品詞分解

    Saori K. · 11問 · 3年前

    品詞分解

    品詞分解

    11問 • 3年前
    Saori K.

    現社村上

    現社村上

    Saori K. · 40問 · 2年前

    現社村上

    現社村上

    40問 • 2年前
    Saori K.

    現社野村

    現社野村

    Saori K. · 47問 · 2年前

    現社野村

    現社野村

    47問 • 2年前
    Saori K.

    Art英 

    Art英 

    Saori K. · 8問 · 2年前

    Art英 

    Art英 

    8問 • 2年前
    Saori K.

    art英

    art英

    Saori K. · 58問 · 2年前

    art英

    art英

    58問 • 2年前
    Saori K.

    問題一覧

  • 1

    昔、男、片田舎に住みけり。

    昔、男が、片田舎に住んだ。

  • 2

    男、宮仕へしにとて、

    男は宮仕えしに行くといって、

  • 3

    別れ惜しみて行きにけるままに、

    別れを惜しんで行ったままに、

  • 4

    三年来ざりければ、

    三年男は来なかったので、

  • 5

    待ちわびたりけるに、

    待ちわびていたところ、

  • 6

    いとねむごろに言ひける人に

    たいそう心を込めて言い寄った人に

  • 7

    「今宵逢はむ」と契りたりけるに、この男来たりけり。

    「今夜結婚しましょう」と約束してしまったその日にこの男が帰ってきてしまった。

  • 8

    「この戸開け給へ」と叩きけれど、開けで、歌をなむ詠みて出だしたりける

    「この戸を開けてください」と戸を叩いたけれど、開けないで、歌を詠んでさし出したのだった。その歌、

  • 9

    あらたまの年の三年を待ちわびて ただ今宵こそ新枕すれ

    三年間待ちわびて、ちょうど今夜別の人と結婚するのです。

  • 10

    と言ひ出したりければ、

    と歌をさし出したところ、

  • 11

    梓弓真弓槻弓を経て わがせしがごとうるはしみせよ

    何年にもわたって私があなたにしたように新しい夫に親しんでください

  • 12

    と言ひて、住なむとしければ、女、

    と言って行こうとしたので、女は

  • 13

    梓弓引かねど昔より心は君に寄りにしものを

    あなたが私の心を引こうが引くまいが、昔から私の心はあなたを思っていたのに

  • 14

    と言ひけれど、男帰りにけり。

    と詠んだけれども男は帰ってしまった。

  • 15

    女、いと悲しくて、後に立ちて追ひ行けど

    女は、とても悲しくて、後に立って追っていくけれど

  • 16

    え追ひつかで、清水のある所に伏しにけり。

    追いつくことができないで、清水のある所に倒れ伏してしまった。

  • 17

    そこなりける岩に、指の血して書きつける、

    そこにあった岩に、指の血で書きつけた歌、

  • 18

    あひ思はで離れぬる人をとどめかね わが身は今ぞ果てぬめる

    互いに思わないで、離れてしまった人を止めることができず、私の身は今にも消え果ててしまうようです

  • 19

    と書きて、そこにいたずらになりにけり。

    と書いて、そこで死んでしまった。