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免疫学実習試験
  • 赤壁柚紀

  • 問題数 33 • 6/11/2023

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    問題一覧

  • 1

    図AについてT細胞の機序を説明せよ。

    T細胞はDNT細胞(左下)→DPT細胞(右上)→SPT細胞(左上または右下)へと分化する。

  • 2

    図Bについて、右下及び右上の細胞群はそれぞれなんと呼ばれるか

    右上:CD4+T 右下:CD8+T

  • 3

    図A、C、Dを総合的に見るとT細胞の分化の過程でのCD4、CD8とTCRの発現順序が推定できる。理由を添えて答えよ。

    図1A及び図1Dより、DPT細胞のTCRの発現強度がTCR(-)あるいはTCRdullであることが分かり、図1Cより、全リンパ球のTCR発現ではTCRhighがあることが分かる。 これらのことからCD4、CD8が発現してからTCRが発現するということが推定される。

  • 4

    図Dは、図1AのPの分画(部分)を抗TCR抗体で解析したものである。何が分かるか述べよ。

    図1Dより、DPT細胞はTCRの発現に関してはTCR(-)あるいはTCRdullの細胞しか存在していないため、TCRhighと なる細胞はSPCD4+T細胞あるいはSP CD8+T 細胞であるということが分かる。

  • 5

    CD8+CD122(IL-2Rβ)+T細胞は図Aのどこに含まれるか。図中に四角で示せ。

    解説参照

  • 6

    図 B で CD4+NKT 細胞と考えられる細胞群はどれか。図中に四角で示せ。またその理由は何か

    図参照 理由:CD4 陽性かつ TCR の発現が intermediate な細胞群であるから

  • 7

    図 D は図 2A の J の分画を抗 CD4 抗体で解析したものである。何が分かるか。

    図 2A 中の J の分画の細胞群はNK1.1+ かつ TCRintの NKT 細胞である。 図2Dより、NKT細胞にはCD4陽性の細胞とCD4陰性の細胞との2種類があり、NKT細胞の約7割がCD4陽性の細胞である。

  • 8

    図 A の J の分画は 27%、図 2C の右上の分画は 20%である。この違いはどの細胞によるのか。またその細胞は図 2C ではどの部分に相当するか。図中に四角で示せ。

    DN(CD4-CD8-)な NKT 細胞によるものである。 下図 C [TCRint細胞は NK1.1 の発現も NK 細胞より少し低い)

  • 9

    下図はマウス肝臓のリンパ球のフローサイトメトリーである。図 3A 及び B は αβTCR、CD122、CD8 を蛍光抗体によ って染色した図である。この図から下記の細胞の占める割合を答えよ。(この際、DN TCRint 細胞は考慮せずとも 良い)

    解説参照

  • 10

    抗体のクラス(アイソタイプ)スイッチとは何か。説明せよ。(37,40,41

    そもそも抗体は抗原結合部位と定常部からなり、クラススイッチとはこの定常部分に起こるものである。抗原結合部位の遺伝子再編成が終わった後、定常部を構成する C 遺伝子に変化が生じ、この結果クラススイッチが起き る。このクラススイッチにより、IgM は抗原特異性を変化させることなくIgG,IgA,IgEへと変化し各分泌場所へとの移行が起きることになる。

  • 11

    マウスにヒツジ赤血球を腹腔投与すると最初に出てくる抗体と、アイソタイプスイッチにより後半に出てくる抗体 はそれぞれ何か。

    最初に出てくる抗体:IgM 後半に出てくる抗体:IgG

  • 12

    胎盤通過性を有する抗体と、母乳中に含まれる抗体はそれぞれ何か。

    胎盤通過性を有する抗体:IgG 母乳中に含まれる抗体:IgA

  • 13

    ヒツジ赤血球を腹腔投与した 1 週間後のマウス血清とヒツジ赤血球とを合わせ凝集反応を見るとき、2-ME が存 在すると凝集しなくなるのはどの抗体による凝集か?またそのメカニズムは何か?

    2-ME が存在すると IgM による凝集が見られなくなる。 メカニズム: まず、凝集反応は抗原に結合した抗体により抗原が架橋されて起こる。 そしてIgMは免疫グロブリン同士がS-S結合により架橋されていて 5 量体を形成しており、単量体の抗体よりも抗原結合部位が多いため、凝集反応を起こしやすい。 すなわち、抗体価が高い。 しかし2-MEは還元剤であり、このS-S結合を切断し5量体IgMを単量体に分解する。 このためIgMの抗体価が低下し、抗体による凝集反応が見られなくなる。

  • 14

    マウスのシュワルツマン反応について、2 種類の intermediate TCR 細胞と加齢を考慮して述べよ。ヒトの in vitro のシュワルツマン反応についても加齢を考慮して簡潔に述べよ。

    マウスのシュワルツマン反応において働く TCRint 細胞は NKT 細胞と CD8+ CD122+ T 細胞とであり、ヒトの in vitro なシュワルツマン反応において働く TCRint細胞は CD56+ NK 細胞である。 そもそもシュワルツマン反応とは以下の様なものである。IL-12 または LPS の投与により TCRint細胞が刺激され、 IFN-γ を産生し、この結果マクロファージが感作され、マクロファージの感受性が上がる。そこに再び LPS を投与 するとマクロファージがより強く刺激されるため、多量の TNF が産生され、これによって多臓器不全が起こる。 加齢に伴ってマウスでは CD8+ CD122+ T 細胞、ヒトでは CD57+ T 細胞が増加するため、IFN-γ の産生量が増え、結果 としてシュワルツマン反応が増悪することになる。

  • 15

    ET 比が50:1の時の抗腫瘍活性(%Cr 放出値)の計算式(答え不要)をそれぞれ示せ。 A)Target:Yac-1 B)Target:EL

    A)(1307−198/2315−198)× 100 B)(905−153/1979−153)× 100

  • 16

    抗 AGM1 抗体をマウスに IL-12 の前に前投与した場合、どのリンパ球が消失し、どちらの腫瘍に対して抗腫瘍活性 が低下するか。また、その理由を述べよ。

    NK 細胞が消失し、YAC-1 に対する抗腫瘍活性が著しく低下する。 理由…YAC-1 は MHC クラスⅠを持つが EL-4 は MHC クラスⅠを持たない。このため抗腫瘍活性について、YAC-1 は NK細胞感受性であるが EL-4 は NK 細胞抵抗性である。したがって、抗アシアロ GM1 抗体で NK 細胞を除去するとYAC-1 に対する抗腫瘍活性は著しく低下する。

  • 17

    (1) P、Q、R に含まれる細胞群の名称を答えよ。ただし R に含まれる細胞は 2 つある。 (2) それぞれの細胞に該当するグラフを a、b、c より選択せよ。 (3) それぞれの細胞に該当するグラフを k、l、m より選択せよ

    解説参照

  • 18

    抗体の種類と以下の問いに答えよ ①構造 ②存在場所 ③血中濃度 ④オプソニン化 ⑤補体活性能 ⑥胎盤透過性

    解説参照

  • 19

    脾臓は(a, )と(b. )に分けられる。 T 細胞は(c)周囲に多く存在し、B 細胞は(d)や(e)に存在する。 血中から T 細胞や B 細胞に運ばれた抗原はそれぞれの領域の樹状細胞に捕捉される。 T 細胞と B 細胞がそれぞれの領域の境界へ移動し抗原提示する際に、Follicular T 細胞 (f)が(g)の亜型として働く。 抗原提示後、B 細胞は増加し、可変部では(h)が、定常部では(i)が起こり、多様性が生まれる。 そして抗原により活性化すると、T 細胞は(j)に、B 細胞は(k)や(l)に分化する。

    白脾髄, 赤脾髄, 中心細動脈, 濾胞, 辺縁帯, Tfh細胞, CD4+T細胞, 遺伝子再編成, クラススイッチ, ヘルパーT細胞, 形質細胞, メモリーB細胞

  • 20

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  • 21

    次のグラフはどこの臓器? またその理由は?

    脾臓 理由…αβTCR(dull)T細胞が多く存在するから。

  • 22

    赤枠に含まれる細胞のうち多いものを2個

    NK細胞、Mφ

  • 23

    (a)で産生された前駆 T 細胞は胸腺へ運ばれて分化する。

    骨髄

  • 24

    CD4 陽性 T 細胞の分化過程について。 分化機序とCD4,CD8,αβTCRについてそれぞれのべよ。

    解説参照

  • 25

    T 細胞受容体、B 細胞受容体、もしくは両方のどれに当てはまるか a.脾臓に存在する b.α 鎖と β 鎖が存在する。 c.遺伝子再編成が骨髄で行われる d.遺伝子再編成の際にヌクレオチドの追加が行われる。

    a. 両方 b.T 細胞 c.B 細胞 d.両方

  • 26

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  • 27

    表面マーカー CD3 CD4 CD8 CD14 CD19 CD56

    CD3 : T 細胞 CD4 : ヘルパーT 細胞 CD8 : 細胞障害性 T 細胞 CD14 : 単球 CD19 : B 細胞 CD56 : NK 細胞

  • 28

    採血した末梢血に加えるべき試薬は何か。 a. ヘパリン b. LSM c. PBS

    a

  • 29

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  • 30

    HIV において数が変化する細胞は。

    CD4+T細胞

  • 31

    図の赤丸の細胞の名称

    左:細胞傷害性 T 細胞 右:ヘルパーT 細胞

  • 32

    抗腫瘍活性の計算式は

    (測定値-min/Max-min)×100

  • 33

    それぞれの細胞は、CD56+NK 細胞、CD56+T 細胞、Conventional T 細胞、B 細胞の どれに当たるか。

    上から CD56+NK 細胞 Conventional T 細胞 B 細胞 CD56+T 細胞

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