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物権
31問 • 5ヶ月前
  • 柳健悟
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    問題一覧

  • 1

    177条の第三者に当たるもの、当たらないもの

    ア.実質的にみて当事者と同視できる者 イ.不法占有者・不法行為者(違法な侵害者) ウ.無権利者およびその譲受人(※無権利の法理) エ.相容れない物権取得者(Aから甲を適法に買い受けた譲受人) オ.賃借人(Aから甲を借りた賃借人) カ.差押債権者(Aに対して金銭を貸し付けたが、Aの弁済がないために甲を差し 押さえて強制執行に着手した債権者)

  • 2

    背信的悪意者 くわしく

    ⅰ.物権変動の事実に関する悪意+ⅱ.未登記の主張に関する信義則違反 *信義則違反の有無に関する主な判断要素 ア.実質的地位・矛盾態様(ex.Bの登記手続に協力すべき立場にある場合) イ.目的・手段の不当性(ex.Bの未登記に乗じて暴利を得る目的を有していた場合、 Bの登記手続を妨害した場合) ウ.第三者の認識の程度および保護の必要性(ex.Bが売買契約を締結しただけでなく、すでに売買代金を支払って甲の引渡しを受け、建物を建てて居住を開始するに至っていることを知りながら、所有の必要性が高くないのにあえて買い受けた場合)

  • 3

    Aは自己所有の甲不動産をBに売却したが、この売買を斡旋・仲介していたCが、Bへの所有権移転登記手続に協力せずに、自己の利益を図るためにAから甲を買い受けて登記を備えた上で、ただちに上記の事情を知らないDに転売して所有権移転登記手続を行った。BはDに対して甲の所有権を主張することができるか。

    ⅰ.背信的悪意者への譲渡(AC間の売買)自体は無効ではない➔Cは無権利者ではなく、転得者Dの有効な権利取得自体は妨げられない。 ⅱ.Cの権利主張は未登記権利者Bに対する関係において信義に反して許されない➜信義則違反(対抗することができない根拠)の態様は属人的要素であり、承継になじまない。 ➥前主Cの態様とは別個独立に、転得者D自身がBに対する関係において背信的悪意者か 否かについて評価 ➥Dの背信的悪意を主張・立証できなければ、Bの主張は認められない。

  • 4

    AがBに売った甲には賃借人Cがおり、Cの賃借権がすでに対抗要件を備えている場合において、その後にBが所有権移転登記を備える意味

    ⅲ.賃貸不動産の譲渡による賃貸人の地位の移転 ☆賃借権の対抗(賃借権に基づく使用収益の優先)➔不動産利用に関する権利関係の安定化➔賃貸人と所有者を合致させる必要性➔賃貸人の地位移転<A→B>(賃貸借関係の当然承継<AC間の賃貸借→BC間の賃貸借➔ 605 条の2第1項※譲渡当事者間の合意・賃借人の同意不要 ⅳ.賃貸人としての権利行使と登記の必要性 ア.所有権と賃貸人の地位との不可分性 イ.賃借人保護(賃貸人=所有者の確知につき正当な利益あり➔未登記譲受人の権利行使によるリスク回避➜賃借人の地位安定化)

  • 5

    A所有の甲不動産につき、売買を原因とする所有権移転登記がB名義で行われたが、Bに所有権が移転したかどうか不明である場合における、B名義の登記の意義

    権利推定の意義…権利の帰属に関する紛争➔登記名義人Bの所有権取得に関する立証責任免除➔これを争うAの側からの反証(Aが真正権利者であること)が認められた場合➔推定覆滅➔登記無効(不実登記)➔抹消登記手続請求可

  • 6

    A所有の甲不動産につき、AB間において有効な売買契約がないにもかかわらず、売買を原因とするB名義の所有権移転登記手続が行われ、この登記を信頼したCがBから甲を買い受けた。

    民法は否定(無権利の法理)➔静的安全に対する配慮 ☆不実登記を信頼した第三者の取引安全の必要性 ☆☆真正権利者に帰責事由ある場合に対する非難可能性 ➥不実登記の作出・存続が真正権利者の意思に基づく場合…民法 94 条 2 項類推適用による 善意者保護

  • 7

    A所有の甲不動産をBに売却する旨の本件売買契約が締結されて所有権移転登記手続が行われ、Bが甲をさらにCに転売した後、AがBの詐欺を理由として本件売買契約を取り消した。

    96条3項(取消しの遡及効<121条>に対する制限)➔取消し前の善意無過失の第三者保護➡取消し後の第三者は含まれない。➔取消し前後における不均衡・取消し後の第三者保護の必要性

  • 8

    AB売買契約がBの強迫によるものであった場合はどうか?Aが本件売買契約を取り消す旨の通知をBに対して行ったが、甲につき抹消登記手続請求をしないでいるうちに、BがCに甲を転売して所有権移転登記手続が行われた場合はどうか?

    ① 取消しによる表意者の権利回復(復帰的物権変動<177条>B➔A)と第三者への譲渡(B➔C)は相容れない物権変動(対抗関係に適合) *取消しの遡及効「擬制」の趣旨…「原状回復」を導く法律構成としての擬制 ② 登記の有無に基づく権利関係の確定➡公示の要請に適った解決 先に登記したもん勝ち ③背信的悪意者排除による具体的妥当性の確保 だいたいCアウト

  • 9

    甲不動産を所有するAが死亡し、その子BとCが相続した。BとCの法定相続分は2分の1ずつであるものとする。遺産分割が終了していないにもかかわらず、甲についてBが自己の単独所有とする旨の相続登記手続を行って甲をDに売却し、所有権移転登記が経由された場合、CはDに対して甲の持分権を主張することができるか?

    各共同相続人は自己の法定相続分に基づく持分権につき登記なくして他の共同相続人からの譲受人に対抗できる ⅰ.無権利者からの譲受人≠177条の第三者(無権利の法理)+登記の公信力否定 ⅱ. 共同相続人の存否および法定相続分のDの認識可能性 ⅲ.遺産分割前の権利関係(共有状態)は流動的・過渡的であり、最終的な帰属未確定➜法定相続分についての未登記に対する非難可能性なし。 またやんのめんどい ➥CはDに対して更生登記手続請求可。 ※94条2項類推適用によるDの保護の可能性あり。

  • 10

    上の事例において、遺産分割協議が終了して甲をCの単独所有とする旨が確定したが、Cが相続登記手続をしないでいるうちに、Bが甲につき法定相続分に従って自己の持分割合を2分の1とする旨の共同相続登記手続を行い、この持分権をDに売却して持分権移転登記が経由された。CはDに対して甲に関する持分権を主張することができるか?

    ・法定相続分に対する遺産分割による変更(持分取得―登記を要する物権変動―)vs.第三者への譲渡(対抗関係に適合的)。 ・相続登記手続に対する期待可能性➔登記の有無による解決➔公示の要請に合致 ・背信的悪意者排除による調整 ➥2018年相続法改正➜899条の2第1項の新設

  • 11

    上の事例において、Aが「甲はCに相続させる」旨の遺言を行っていたが、Cがその旨の相続登記手続をしないでいるうちに、Bが甲につき自己の持分割合を2分の1とする旨の共同相続登記手続を行い、この持分権をDに売却して持分権移転登記が経由された。CはDに対して甲に関する持分権を主張することができるか?

    さっきと違いBはもとから持分権ない ・遺言による法定相続分を超える権利承継➜899条の2第1項により登記必要。 ☆遺言の有無・内容に関する第三者の認識困難➜取引安全に対する配慮の必要性 ☆☆相続登記手続に対する期待可能性

  • 12

    上の事例において、Aが「甲はCに贈与する」旨の遺言を行っていた場合はどうか?

    ・177条により、贈与契約による譲渡におけると同じく、登記必要

  • 13

    A所有の甲土地につきBが占有していたが、取得時効の成立前にCがA から甲地を譲り受けて所有権移転登記が経由された後、Bがそのまま占有を継続して取得時効が完成した。

    時効完成時の所有者➔「当事者」と同視しうる地位➔登記不要 時効完成前の譲受人も同➔登記不要 20年の時にAじゃなくC所有地が時効したとして、BCは当事者となる。Bは先に登記できない、Cは明渡しとかすればよかった

  • 14

    A所有の甲土地につきBの取得時効が完成したが、その旨につき登記しないでいるうちに、さらにCがAから甲地を譲り受けて所有権移転登記が経由された。

    時効完成後の譲受人-時効完成時を基準➔時効による所有権取得と第三者への譲渡との対立(対抗関係)➔登記必要 時効完成時Aが所有者、Bは先に登記できた

  • 15

    Aが所有する甲土地の隣地である乙土地をBが買い受けた占有を開始したが、その際に、Bは境界を誤認して甲地の一部に越境して公道に至る通路を開設し、自己の土地として利用し始めた。20 年以上経過後にAが甲地をCに売却して所有権移転登記が経由され、CがBに対して上記越境部分に関する通路の撤去と土地の明渡しを求めてきた

    多年に亘る占有継続に対する悪意+信義則違反

  • 16

    Aは自己所有の動産甲をBに賃貸または寄託していたか、これをCに売却した。CがBに対して甲の引渡しを求めるには、対抗要件(指図による引渡し)が必要か?

    賃借人につき対抗要件必要(大判大正4・2・2民録21輯61頁)、受寄者につき対抗要件不要(最判昭和29・8・31民集8巻8号1567頁) a. 賃借人…動産賃借権には対抗要件がなく、譲受人の対抗要件の欠缺を主張して引渡しを拒み、使用収益を継続することにつき、正当な利益を有する。 b. 受寄者…保管義務を負うにとどまり、いつでも返還に応じなければならない立場にあるため(662条)、引渡しを拒むにつき正当な利益を有しない。

  • 17

    Aは自己所有の動産甲をBに売却し、Bに対して占有改定の方法による引渡しを行った後、 Bへの売却の事実を知らないCに対して甲を売却して、これをCに引き渡した。

    対抗要件(観念的引渡しを含む)の先後による優劣決定(178条)➜Bが優先➜Cの取引安全のための公信の原則による補充(192条)➜Cに関する即時取得の成否による最終的帰属の確定➜動産取引安全の確保における公信の原則(即時取得制度)の重要性

  • 18

    Aが所有する動産甲をBに寄託し、Bが保管していたところ、Bはこれを自己の所有物と称してCに売却した。Cは甲の所有権を取得することができるか?

    即時取得言えればいける 前主の所有権につき疑念を抱くべき事情があり、さらに調査確認すればその所有権の有無につき容易に知り得たにもかかわらず、調査確認を怠ったこと

  • 19

    Aが自己所有の絵画甲をBに寄託し、Bがこれを保管していたが、Bはこれを自己の所有物と称してCに売却した。その際、BC間の合意により甲はBの元にとどめてBがCのために保管することとされた。やがてこの事実を知るに至ったAが、Cに対して甲に関する所有権確認を求めるとともに、Bにその返還を求めた。これは認められるか?

    一般外観上従来の占有状態に変更を生じるがごとき占有を取得すること

  • 20

    Aは自己所有の絵画甲の管理をBに委ねてこれを引渡したが、その後Bが死亡してCが相続したところ、Cは甲がBの遺産に属すると信じて占有を開始した。20年以上経過してからAがCに対して甲の返還を求めたのに対して、Cはその所有権を主張して拒むことができるか?

    外形的客観的にみて、ア.新たな事実的支配の開始+イ.所有の意思に基づく支配が独自に開始された旨の証明➔自主占有肯定 ➥支配の実態に応じた保護と真正所有者の利益との調和 B C相続かわらん、倉庫にしまったはダメ、絵を飾ったならいい

  • 21

    AがB・Cの同意なく甲建物につき単独所有名義で登記した上でDに売却し、所有権移転登記が経由された

    持分権に基づく更正登記手続請求 ABC→DBC Dは全くの無権利者ではないAの分ある

  • 22

    Aが甲建物につきDに対して持分譲渡して持分権移転登記手続が行われたが、その譲渡が無効であった。

    各共有者は持分権に基づく妨害排除請求 無権利者の持分登記の存在自体が他の共有者の円満な持分権行使を害する。

  • 23

    A・B・Cの共有に属する甲建物につき、AがB・Cとの協議を経ずに甲を自己の住居兼仕事場として独占的に使用し始めた。B・CはAに対して甲の明渡しを求めることができるか?

    判例は否定 管理行為だから過半数の同意が必要 他の共有者の持分権侵害but 占有者にも共有物全体につき持分権に基づく使用収益権限あり➔その排除もAの持分権侵害➜明渡請求不可(最判昭和 41・5・19 民集 20 巻 5 号 947 頁) ➥持分に応じた対価償還請求(249 条 2 項)または不法行為責任による調整➔協議による利用方法の決定 or共有関係の解消+清算へ

  • 24

    上の事例において、AがB・Cに対して持分相当価格を支払うことによって甲建物をAの単独所有とする旨の分割を求めて訴訟を提起した場合、これは認められるか?

    ア.特定の共有者に取得させることの相当性 イ.価格の適正と支払能力 ➥全体としての実質的公平の確保(共有物支配の実態、共有者の意思・利益への配慮)

  • 25

    A所有の甲土地は他の土地に囲まれていて公道に通じておらず、公道に出るためにはB所有の隣地乙を通行する必要がある。Aはどのようにして乙における通行権を確保すればよいか。

    他の土地に囲まれて公道に通じない土地(袋地)➔所有権の内容としての「法定」の隣地通行権(210 条 1 項)➔袋地の所有権「拡張」・隣地の所有権の「制約・負担」 土地の性質上当然の権利➔登記による公示・対抗要件不要

  • 26

    甲土地(袋地ではない)を所有するAは、Bが所有する隣地乙に公道への進入路として車両も通行できる通路を開設したいと望んでいる 上の事例において、Bが乙地をCに売却して所有権移転登記手続が行われた場合、AはCに対して通行地役権をもって対抗することができるか?

    用益物権としての通行地役権 地役権の意義…他人の土地を自己の土地の便益のために利用する用益物権(280 条) 継続的な通路使用に関する外形的・客観的事実➡通行使用のための権利の推認➜通行地役権の認識可能性➡承役地の譲受人による登記の欠缺主張は信義則違反(背信的悪意の立証不要) 現況確認

  • 27

    甲土地を所有するAは、Bが所有する隣地である乙土地の一部をコンクリート舗装して通路を開設し、長年にわたって利用してきたが、通行のための利用権設定の有無は不明である。その後、Bが乙土地をCに売却して所有権移転登記が行われ、Cが A に対して乙土地の本件通路部分の明渡しおよび通路の撤去を求めた場合、Aはこれに応じなければならないか。

    ①時効取得の意義 ・近隣の好意的関係に基づく設定および軽度な支配・負担➔明確な設定行為の存否不明・証明困難 ②要件…継続的な権利行使+外形上の認識可能性(283 条) ・利用者につき時効による権利取得を承認するに値する支配の必要性 ・所有者につき時効完成阻止の可能性確保 ③取得時効と登記―承役地の譲受人に対する関係― ⅰ.時効完成後の承役地の譲受人に対して登記必要(大判昭和 14・ 7・ 19 民集 18 巻 856 頁) ⅱ. 譲受人が 177 条の第三者にあたらない場合

  • 28

    A所有の乙建物につき、賃借人Bが新たに部屋を増築した場合における増築部分の所有権は誰に帰属するか?

    242ただし書 ⅰ.無断増改築➔用法違反による債務不履行 普通はAのもの、賃借権は権原に含まれない ⅱ.増改築および所有権留保に対する賃貸人の同意+取引上の独立性

  • 29

    Aは、自己所有の土地上に建物を建設するため、Bとの間で請負契約を締結したが、Bの着工後間もなくしてAB間で請負代金の支払方法をめぐって紛争が生じ、Bが工事を中止したため、Aは請負契約を解除した上で、Cとの間であらためて請負契約を締結し、Cが追加工事を行って甲建物を完成させるに至った。Bが甲の所有権を主張してCに対してその引渡しを求めた場合、Cはこれを拒むことができるか?

    (1)他人の動産と労力の結合➔新たな加工物 (2)加工物の所有権帰属の確定 ①原則…材料所有者(246 条 1 項本文) ②材料の価値<工作・労力の価値の場合…加工者(同項ただし書) ①請負契約の中途解除の効果 ・工事内容が可分+既施工部分の給付につき注文者に利益がある場合➜原状回復(545 条 1項)の制限+将来に向かって未施工部分のみ解除➜既施工部分につき仕事完成+報酬債権発生 ②完成建物の所有権の帰属 ⅰ.建物は土地に付合しない。➜建設請負契約における建物所有権の帰属 ⅱ.AのB・Cに対する請負代金支払+引渡し or 特約がある場合…注文者Aに帰属 ⅲ.ⅱに該当しない場合…請負人BまたはCに帰属(材料・労力の提供による請負人帰属説による) ★不動産または動産の付合(既施工部分と材料の結合)or 加工(既施工部分への工作) ➥工作・労力の価値重視➜加工<246 条>の適用➜Cに帰属 *既施工部分が不動産となるに至っていた場合…246 条類推適用説

  • 30

    A所有の甲土地に、権原のないBが誤って苗木を植栽して付合が生じた場合、BはAに対して不当利得として償金の支払を請求することができるか?

    付合または加工により損失(ex.所有権喪失)を受けた者による償金請求(不当利得返還請求)による調整(248 条)

  • 31

    上の基本事例において、Bが自己に権原がないことを知りながらAに無断で甲土地上に苗木を植栽して付合が生じたため、Aが希望する建物を建てられない場合、Bは、Aによる苗木の収去請求を拒み、Aに対して償金の支払を請求することができるか?

    ①添付制度の強行法規説➜Bの請求可 ②利得の消滅(Aが苗木を撤去して建物を建築した場合)による償金請求否定説➔Bの請求不可 ③権利濫用による償金請求否定説➜Bの請求不可 ③所有者の意思と利益に反する場合+分離可能な場合➜添付の適用否定説➜Bの請求不可+Aの所有権に基づく妨害排除請求可。

  • 会社法

    会社法

    柳健悟 · 83問 · 6ヶ月前

    会社法

    会社法

    83問 • 6ヶ月前
    柳健悟

    問題一覧

  • 1

    177条の第三者に当たるもの、当たらないもの

    ア.実質的にみて当事者と同視できる者 イ.不法占有者・不法行為者(違法な侵害者) ウ.無権利者およびその譲受人(※無権利の法理) エ.相容れない物権取得者(Aから甲を適法に買い受けた譲受人) オ.賃借人(Aから甲を借りた賃借人) カ.差押債権者(Aに対して金銭を貸し付けたが、Aの弁済がないために甲を差し 押さえて強制執行に着手した債権者)

  • 2

    背信的悪意者 くわしく

    ⅰ.物権変動の事実に関する悪意+ⅱ.未登記の主張に関する信義則違反 *信義則違反の有無に関する主な判断要素 ア.実質的地位・矛盾態様(ex.Bの登記手続に協力すべき立場にある場合) イ.目的・手段の不当性(ex.Bの未登記に乗じて暴利を得る目的を有していた場合、 Bの登記手続を妨害した場合) ウ.第三者の認識の程度および保護の必要性(ex.Bが売買契約を締結しただけでなく、すでに売買代金を支払って甲の引渡しを受け、建物を建てて居住を開始するに至っていることを知りながら、所有の必要性が高くないのにあえて買い受けた場合)

  • 3

    Aは自己所有の甲不動産をBに売却したが、この売買を斡旋・仲介していたCが、Bへの所有権移転登記手続に協力せずに、自己の利益を図るためにAから甲を買い受けて登記を備えた上で、ただちに上記の事情を知らないDに転売して所有権移転登記手続を行った。BはDに対して甲の所有権を主張することができるか。

    ⅰ.背信的悪意者への譲渡(AC間の売買)自体は無効ではない➔Cは無権利者ではなく、転得者Dの有効な権利取得自体は妨げられない。 ⅱ.Cの権利主張は未登記権利者Bに対する関係において信義に反して許されない➜信義則違反(対抗することができない根拠)の態様は属人的要素であり、承継になじまない。 ➥前主Cの態様とは別個独立に、転得者D自身がBに対する関係において背信的悪意者か 否かについて評価 ➥Dの背信的悪意を主張・立証できなければ、Bの主張は認められない。

  • 4

    AがBに売った甲には賃借人Cがおり、Cの賃借権がすでに対抗要件を備えている場合において、その後にBが所有権移転登記を備える意味

    ⅲ.賃貸不動産の譲渡による賃貸人の地位の移転 ☆賃借権の対抗(賃借権に基づく使用収益の優先)➔不動産利用に関する権利関係の安定化➔賃貸人と所有者を合致させる必要性➔賃貸人の地位移転<A→B>(賃貸借関係の当然承継<AC間の賃貸借→BC間の賃貸借➔ 605 条の2第1項※譲渡当事者間の合意・賃借人の同意不要 ⅳ.賃貸人としての権利行使と登記の必要性 ア.所有権と賃貸人の地位との不可分性 イ.賃借人保護(賃貸人=所有者の確知につき正当な利益あり➔未登記譲受人の権利行使によるリスク回避➜賃借人の地位安定化)

  • 5

    A所有の甲不動産につき、売買を原因とする所有権移転登記がB名義で行われたが、Bに所有権が移転したかどうか不明である場合における、B名義の登記の意義

    権利推定の意義…権利の帰属に関する紛争➔登記名義人Bの所有権取得に関する立証責任免除➔これを争うAの側からの反証(Aが真正権利者であること)が認められた場合➔推定覆滅➔登記無効(不実登記)➔抹消登記手続請求可

  • 6

    A所有の甲不動産につき、AB間において有効な売買契約がないにもかかわらず、売買を原因とするB名義の所有権移転登記手続が行われ、この登記を信頼したCがBから甲を買い受けた。

    民法は否定(無権利の法理)➔静的安全に対する配慮 ☆不実登記を信頼した第三者の取引安全の必要性 ☆☆真正権利者に帰責事由ある場合に対する非難可能性 ➥不実登記の作出・存続が真正権利者の意思に基づく場合…民法 94 条 2 項類推適用による 善意者保護

  • 7

    A所有の甲不動産をBに売却する旨の本件売買契約が締結されて所有権移転登記手続が行われ、Bが甲をさらにCに転売した後、AがBの詐欺を理由として本件売買契約を取り消した。

    96条3項(取消しの遡及効<121条>に対する制限)➔取消し前の善意無過失の第三者保護➡取消し後の第三者は含まれない。➔取消し前後における不均衡・取消し後の第三者保護の必要性

  • 8

    AB売買契約がBの強迫によるものであった場合はどうか?Aが本件売買契約を取り消す旨の通知をBに対して行ったが、甲につき抹消登記手続請求をしないでいるうちに、BがCに甲を転売して所有権移転登記手続が行われた場合はどうか?

    ① 取消しによる表意者の権利回復(復帰的物権変動<177条>B➔A)と第三者への譲渡(B➔C)は相容れない物権変動(対抗関係に適合) *取消しの遡及効「擬制」の趣旨…「原状回復」を導く法律構成としての擬制 ② 登記の有無に基づく権利関係の確定➡公示の要請に適った解決 先に登記したもん勝ち ③背信的悪意者排除による具体的妥当性の確保 だいたいCアウト

  • 9

    甲不動産を所有するAが死亡し、その子BとCが相続した。BとCの法定相続分は2分の1ずつであるものとする。遺産分割が終了していないにもかかわらず、甲についてBが自己の単独所有とする旨の相続登記手続を行って甲をDに売却し、所有権移転登記が経由された場合、CはDに対して甲の持分権を主張することができるか?

    各共同相続人は自己の法定相続分に基づく持分権につき登記なくして他の共同相続人からの譲受人に対抗できる ⅰ.無権利者からの譲受人≠177条の第三者(無権利の法理)+登記の公信力否定 ⅱ. 共同相続人の存否および法定相続分のDの認識可能性 ⅲ.遺産分割前の権利関係(共有状態)は流動的・過渡的であり、最終的な帰属未確定➜法定相続分についての未登記に対する非難可能性なし。 またやんのめんどい ➥CはDに対して更生登記手続請求可。 ※94条2項類推適用によるDの保護の可能性あり。

  • 10

    上の事例において、遺産分割協議が終了して甲をCの単独所有とする旨が確定したが、Cが相続登記手続をしないでいるうちに、Bが甲につき法定相続分に従って自己の持分割合を2分の1とする旨の共同相続登記手続を行い、この持分権をDに売却して持分権移転登記が経由された。CはDに対して甲に関する持分権を主張することができるか?

    ・法定相続分に対する遺産分割による変更(持分取得―登記を要する物権変動―)vs.第三者への譲渡(対抗関係に適合的)。 ・相続登記手続に対する期待可能性➔登記の有無による解決➔公示の要請に合致 ・背信的悪意者排除による調整 ➥2018年相続法改正➜899条の2第1項の新設

  • 11

    上の事例において、Aが「甲はCに相続させる」旨の遺言を行っていたが、Cがその旨の相続登記手続をしないでいるうちに、Bが甲につき自己の持分割合を2分の1とする旨の共同相続登記手続を行い、この持分権をDに売却して持分権移転登記が経由された。CはDに対して甲に関する持分権を主張することができるか?

    さっきと違いBはもとから持分権ない ・遺言による法定相続分を超える権利承継➜899条の2第1項により登記必要。 ☆遺言の有無・内容に関する第三者の認識困難➜取引安全に対する配慮の必要性 ☆☆相続登記手続に対する期待可能性

  • 12

    上の事例において、Aが「甲はCに贈与する」旨の遺言を行っていた場合はどうか?

    ・177条により、贈与契約による譲渡におけると同じく、登記必要

  • 13

    A所有の甲土地につきBが占有していたが、取得時効の成立前にCがA から甲地を譲り受けて所有権移転登記が経由された後、Bがそのまま占有を継続して取得時効が完成した。

    時効完成時の所有者➔「当事者」と同視しうる地位➔登記不要 時効完成前の譲受人も同➔登記不要 20年の時にAじゃなくC所有地が時効したとして、BCは当事者となる。Bは先に登記できない、Cは明渡しとかすればよかった

  • 14

    A所有の甲土地につきBの取得時効が完成したが、その旨につき登記しないでいるうちに、さらにCがAから甲地を譲り受けて所有権移転登記が経由された。

    時効完成後の譲受人-時効完成時を基準➔時効による所有権取得と第三者への譲渡との対立(対抗関係)➔登記必要 時効完成時Aが所有者、Bは先に登記できた

  • 15

    Aが所有する甲土地の隣地である乙土地をBが買い受けた占有を開始したが、その際に、Bは境界を誤認して甲地の一部に越境して公道に至る通路を開設し、自己の土地として利用し始めた。20 年以上経過後にAが甲地をCに売却して所有権移転登記が経由され、CがBに対して上記越境部分に関する通路の撤去と土地の明渡しを求めてきた

    多年に亘る占有継続に対する悪意+信義則違反

  • 16

    Aは自己所有の動産甲をBに賃貸または寄託していたか、これをCに売却した。CがBに対して甲の引渡しを求めるには、対抗要件(指図による引渡し)が必要か?

    賃借人につき対抗要件必要(大判大正4・2・2民録21輯61頁)、受寄者につき対抗要件不要(最判昭和29・8・31民集8巻8号1567頁) a. 賃借人…動産賃借権には対抗要件がなく、譲受人の対抗要件の欠缺を主張して引渡しを拒み、使用収益を継続することにつき、正当な利益を有する。 b. 受寄者…保管義務を負うにとどまり、いつでも返還に応じなければならない立場にあるため(662条)、引渡しを拒むにつき正当な利益を有しない。

  • 17

    Aは自己所有の動産甲をBに売却し、Bに対して占有改定の方法による引渡しを行った後、 Bへの売却の事実を知らないCに対して甲を売却して、これをCに引き渡した。

    対抗要件(観念的引渡しを含む)の先後による優劣決定(178条)➜Bが優先➜Cの取引安全のための公信の原則による補充(192条)➜Cに関する即時取得の成否による最終的帰属の確定➜動産取引安全の確保における公信の原則(即時取得制度)の重要性

  • 18

    Aが所有する動産甲をBに寄託し、Bが保管していたところ、Bはこれを自己の所有物と称してCに売却した。Cは甲の所有権を取得することができるか?

    即時取得言えればいける 前主の所有権につき疑念を抱くべき事情があり、さらに調査確認すればその所有権の有無につき容易に知り得たにもかかわらず、調査確認を怠ったこと

  • 19

    Aが自己所有の絵画甲をBに寄託し、Bがこれを保管していたが、Bはこれを自己の所有物と称してCに売却した。その際、BC間の合意により甲はBの元にとどめてBがCのために保管することとされた。やがてこの事実を知るに至ったAが、Cに対して甲に関する所有権確認を求めるとともに、Bにその返還を求めた。これは認められるか?

    一般外観上従来の占有状態に変更を生じるがごとき占有を取得すること

  • 20

    Aは自己所有の絵画甲の管理をBに委ねてこれを引渡したが、その後Bが死亡してCが相続したところ、Cは甲がBの遺産に属すると信じて占有を開始した。20年以上経過してからAがCに対して甲の返還を求めたのに対して、Cはその所有権を主張して拒むことができるか?

    外形的客観的にみて、ア.新たな事実的支配の開始+イ.所有の意思に基づく支配が独自に開始された旨の証明➔自主占有肯定 ➥支配の実態に応じた保護と真正所有者の利益との調和 B C相続かわらん、倉庫にしまったはダメ、絵を飾ったならいい

  • 21

    AがB・Cの同意なく甲建物につき単独所有名義で登記した上でDに売却し、所有権移転登記が経由された

    持分権に基づく更正登記手続請求 ABC→DBC Dは全くの無権利者ではないAの分ある

  • 22

    Aが甲建物につきDに対して持分譲渡して持分権移転登記手続が行われたが、その譲渡が無効であった。

    各共有者は持分権に基づく妨害排除請求 無権利者の持分登記の存在自体が他の共有者の円満な持分権行使を害する。

  • 23

    A・B・Cの共有に属する甲建物につき、AがB・Cとの協議を経ずに甲を自己の住居兼仕事場として独占的に使用し始めた。B・CはAに対して甲の明渡しを求めることができるか?

    判例は否定 管理行為だから過半数の同意が必要 他の共有者の持分権侵害but 占有者にも共有物全体につき持分権に基づく使用収益権限あり➔その排除もAの持分権侵害➜明渡請求不可(最判昭和 41・5・19 民集 20 巻 5 号 947 頁) ➥持分に応じた対価償還請求(249 条 2 項)または不法行為責任による調整➔協議による利用方法の決定 or共有関係の解消+清算へ

  • 24

    上の事例において、AがB・Cに対して持分相当価格を支払うことによって甲建物をAの単独所有とする旨の分割を求めて訴訟を提起した場合、これは認められるか?

    ア.特定の共有者に取得させることの相当性 イ.価格の適正と支払能力 ➥全体としての実質的公平の確保(共有物支配の実態、共有者の意思・利益への配慮)

  • 25

    A所有の甲土地は他の土地に囲まれていて公道に通じておらず、公道に出るためにはB所有の隣地乙を通行する必要がある。Aはどのようにして乙における通行権を確保すればよいか。

    他の土地に囲まれて公道に通じない土地(袋地)➔所有権の内容としての「法定」の隣地通行権(210 条 1 項)➔袋地の所有権「拡張」・隣地の所有権の「制約・負担」 土地の性質上当然の権利➔登記による公示・対抗要件不要

  • 26

    甲土地(袋地ではない)を所有するAは、Bが所有する隣地乙に公道への進入路として車両も通行できる通路を開設したいと望んでいる 上の事例において、Bが乙地をCに売却して所有権移転登記手続が行われた場合、AはCに対して通行地役権をもって対抗することができるか?

    用益物権としての通行地役権 地役権の意義…他人の土地を自己の土地の便益のために利用する用益物権(280 条) 継続的な通路使用に関する外形的・客観的事実➡通行使用のための権利の推認➜通行地役権の認識可能性➡承役地の譲受人による登記の欠缺主張は信義則違反(背信的悪意の立証不要) 現況確認

  • 27

    甲土地を所有するAは、Bが所有する隣地である乙土地の一部をコンクリート舗装して通路を開設し、長年にわたって利用してきたが、通行のための利用権設定の有無は不明である。その後、Bが乙土地をCに売却して所有権移転登記が行われ、Cが A に対して乙土地の本件通路部分の明渡しおよび通路の撤去を求めた場合、Aはこれに応じなければならないか。

    ①時効取得の意義 ・近隣の好意的関係に基づく設定および軽度な支配・負担➔明確な設定行為の存否不明・証明困難 ②要件…継続的な権利行使+外形上の認識可能性(283 条) ・利用者につき時効による権利取得を承認するに値する支配の必要性 ・所有者につき時効完成阻止の可能性確保 ③取得時効と登記―承役地の譲受人に対する関係― ⅰ.時効完成後の承役地の譲受人に対して登記必要(大判昭和 14・ 7・ 19 民集 18 巻 856 頁) ⅱ. 譲受人が 177 条の第三者にあたらない場合

  • 28

    A所有の乙建物につき、賃借人Bが新たに部屋を増築した場合における増築部分の所有権は誰に帰属するか?

    242ただし書 ⅰ.無断増改築➔用法違反による債務不履行 普通はAのもの、賃借権は権原に含まれない ⅱ.増改築および所有権留保に対する賃貸人の同意+取引上の独立性

  • 29

    Aは、自己所有の土地上に建物を建設するため、Bとの間で請負契約を締結したが、Bの着工後間もなくしてAB間で請負代金の支払方法をめぐって紛争が生じ、Bが工事を中止したため、Aは請負契約を解除した上で、Cとの間であらためて請負契約を締結し、Cが追加工事を行って甲建物を完成させるに至った。Bが甲の所有権を主張してCに対してその引渡しを求めた場合、Cはこれを拒むことができるか?

    (1)他人の動産と労力の結合➔新たな加工物 (2)加工物の所有権帰属の確定 ①原則…材料所有者(246 条 1 項本文) ②材料の価値<工作・労力の価値の場合…加工者(同項ただし書) ①請負契約の中途解除の効果 ・工事内容が可分+既施工部分の給付につき注文者に利益がある場合➜原状回復(545 条 1項)の制限+将来に向かって未施工部分のみ解除➜既施工部分につき仕事完成+報酬債権発生 ②完成建物の所有権の帰属 ⅰ.建物は土地に付合しない。➜建設請負契約における建物所有権の帰属 ⅱ.AのB・Cに対する請負代金支払+引渡し or 特約がある場合…注文者Aに帰属 ⅲ.ⅱに該当しない場合…請負人BまたはCに帰属(材料・労力の提供による請負人帰属説による) ★不動産または動産の付合(既施工部分と材料の結合)or 加工(既施工部分への工作) ➥工作・労力の価値重視➜加工<246 条>の適用➜Cに帰属 *既施工部分が不動産となるに至っていた場合…246 条類推適用説

  • 30

    A所有の甲土地に、権原のないBが誤って苗木を植栽して付合が生じた場合、BはAに対して不当利得として償金の支払を請求することができるか?

    付合または加工により損失(ex.所有権喪失)を受けた者による償金請求(不当利得返還請求)による調整(248 条)

  • 31

    上の基本事例において、Bが自己に権原がないことを知りながらAに無断で甲土地上に苗木を植栽して付合が生じたため、Aが希望する建物を建てられない場合、Bは、Aによる苗木の収去請求を拒み、Aに対して償金の支払を請求することができるか?

    ①添付制度の強行法規説➜Bの請求可 ②利得の消滅(Aが苗木を撤去して建物を建築した場合)による償金請求否定説➔Bの請求不可 ③権利濫用による償金請求否定説➜Bの請求不可 ③所有者の意思と利益に反する場合+分離可能な場合➜添付の適用否定説➜Bの請求不可+Aの所有権に基づく妨害排除請求可。