問題一覧
1
沿岸航海において、離岸距離を決定するにあたって考慮しなければならない事項を挙げよ。
船の喫水, 船位測定の難易度, 海図の精度, 陸岸から離れることによる航程の増加量, 沿岸航行船や漁船の交通量, 海流・潮流・風などの外力の影響, 視界の状態
2
沿岸航行中、変針目標の選定にあたって考慮しなければならない事項をあげよ。
新針路の方向であって、新針路と平行もしくは平行に近い線上の物標で、なるべく近距離のもの。, 転舵舷正横付近の物標で顕著なもの、あるいは重視目標などの精度の良いもの。, 重要な変針または顕著な目標が得られないところでは、予備目標を定めておく。, 一般に変針目標は、灯台・立標・島・山頂など明瞭な物標を選び、浮標などはやむを得ない場合を除いて選ばない方がよい。
3
狭水道通過に際し、あらかじめ航路を選定する場合、一般にどのようなことを考慮しなければならないか。
海図、水路誌、潮汐表などにより、航行区域の地形、水深、障害物を調べるとともに、航路標識、潮汐・潮流、気象、航行に関する規制なども把握しておく。また、重視線や顕著な目標の方位線を利用した航進目標、変針目標、避険線等を設定しておく。
4
狭水道の通行計画において、水道の入り口付近では、一般に、どのような航路を選定すればよいか。
遠方から水道内を見通せる航路を選ぶ。
5
狭水道の通航計画において、水道内では、一般に、どのような航路を選定すればよいか。
指定の航路、推薦航路がある場合はこれに従う。, この場合は航路中央やや右寄りを航行する。, 推薦航路等がない場合は、河口水域の中央を航行し、流行と平行になるように計画する。
6
狭水道の通航計画において、湾曲部では、一般に、どのような航路を選定すればよいか。
大角度変針は避け、小刻みに変針するような針路を計画する。また、できる限り船首に顕著な目標が得られるような航路を計画する。
7
航海計画において、ノーゴーエリアを設定する場合、どのような事項に留意しなければならないか。
自船の航行状態、船位の測定及び保持の精度を考慮して余裕をもって明示する。, 自船の進路、速力、喫水、操縦性能や風圧及び流圧の影響等の自然条件を考慮する。, 海図の測量制度や船位の測定の難易を考慮する。, 他船を避航するための余裕水域を考慮する。
8
出港時、船舶が輻輳して、見張りや操船のため、船位を測定する余裕のないことが予想される場合は、航海計画を立てるにあたり、あらかじめ、どのようなことを考慮しておかなければならないか。
船首尾目標を選んで、左右の変位が簡単にわかるようにしておく。, 錨地から直ちに定針できるように計画することが出来れば便利である。, 錨泊船等の障害物は、なるべくその風潮下を通るようにする。, 予定航路上を航行できないことが起こりやすいから、出航航路は一定線に限ることなく、大体の進行方向を定めたものとして、付近危険物に対して避険線を用意しておく。, 港則法に出入航路が指定されている場合は、これに従う。
9
港外から港内の指定錨地に至る入港航路を選定するにあたり、一般に注意しなければならい事項を挙げよ。
指定錨地付近の状況が遠くから視認できるような入港航路を選ぶ。, 航路からの左右変位が容易に検出できるような船首目標(できれば重視目標)のある入港航路を選ぶ, 入港航路上に他の停泊船や障害物が存在する場合があるので、あらかじめ予備の入港航路を選定しておく。, 風潮のある場合には、入港航路はなるべく風潮と平行になるように選ぶ。また、他の停泊船や障害物の付近を航行する場合には、それらの風潮下を通過するようにする。, 指定錨地付近で大角度の変針を行うような航路は避ける。
10
日本海流(黒潮)は本州南岸(紀伊半島沖)に達した後、どのような流路を取るか。概略を述べよ。
本州南岸に沿って東方または北東方に流れるが、紀伊半島・遠州灘沖に大きな冷水渦が現れる場合、黒潮の流路に紀伊水道沖合から伊豆諸島を迂回する蛇行現象が現れる。野島沖から房総半島に沿って北東流した黒潮は、鹿島灘東方沖で陸岸を離れて東方に向かう流れとなる。
11
日本海流主流の流速は、どのくらいか。
主流の流速はおよそ1~4ノット、最大5ノットに達する。
12
海流の最新の状況を知るためには、どのようなものを参考にすればよいか。
海洋速報または海流推測図を海上保安庁水路部のホームページで参照する。
13
北太平洋の大還流を形成している主要海流を4つ挙げ、還流の概要を述べよ。
北赤道海流 北東貿易風によって生じる吹送流で約8°~23°Nの緯度帯を西に流れる。, 黒潮 フィリピン東方で北に向きを変えた北赤道海流は、黒潮となって南西諸島から日本南岸を北東に流れる。, 北太平洋海流 黒潮が日本東方で扇形に広がってきた太平洋海流を形成し、40°~50°Nの中緯度偏西風の影響で、北米西岸付近まで東流する。, カリフォルニア海流 北太平洋海流は、カリフォルニア海流となって北米西岸を南南西に流れ、北赤道海流と接続する。
14
「North Pacific Current」はどの付近をどのように流れているか。
扇状に広がった黒潮の末端から形成され、40°~50°Nの中緯度偏西風の影響で、北米西岸付近まで東流する。末端はカリフォルニア海流となる。
15
「Peru Current」はどの付近をどのように流れているか。
西風皮流が南米チリ沿岸に突き当たり北上する海流。末端は南赤道海流に連なる。
16
「South Equatorial Current」はどの付近をどのように流れているか。
南東貿易風により南緯15°付近を西行する海流。マダガスカル島北端を経てアフリカ東岸に突き当たり、一部は北上して冬は赤道反流、夏は南西季節風の源泉となり、一部はモザンビーク海峡を南下する。
17
「Gulf Stream」はどの付近をどのように流れているか。
フロリダ半島沖から始まる北流で、32°Nあたりで北東流となり、その後36°N以北、65°W~50°Wあたりで偏東流となり、50°Wの当方まで扇形に広がっている。
18
「North Atlantic Current」はどの付近をどのように流れているか。
イギリス近海に達した海流が北東~北北東に進み、ノルウェー沿岸に達する海流を言い、その末端は北極海の中層に潜行する。流速は南西風のときは強く、最大1ノットに達する。
19
「Somali Current」はどの付近をどのように流れているか。
北インド洋の北東季節風季になるとソマリ沖では、海流が向きを変えて1月中には南西方向に流れるようになり、東アフリカ海流と合流し赤道反流の源泉となる。一方南西季節風季には、東アフリカ海流の延長として岸沿いに北東流が非常に強くなる。ソコトラ島南方の海流は世界で最強と言われ、平均流速は3ノット、最強流速は7ノット。
20
「East Australian Coast Current」はどの付近をどのように流れているか。
西へ流れる南赤道海流が、ニューギニア沖で南に向きを変えてこの海流となりオーストラリア東岸を南下する。この海流はタスマニア沖で東に向きを変え、さらにニュージーランド西岸沖で北に転じ、タスマン海を反時計回りに回る循環を形成する。
21
「California Current」はどの付近をどのように流れているか。
北太平洋西風皮流が突き当たる北米西岸(45°N付近)に端を発し、北米大陸の太平洋沿岸を南下して、メキシコ沖(20°~25°N付近)から流向を南西へ転じ、さらに西流となる。末端は北赤道海流となる。
22
「North Equatorial Current」はどの付近をどのように流れているか。
北東貿易風により、ほぼ北回帰線から赤道までの海域を西方に流れる。
23
「Canary Current」はどの付近をどのように流れているか。
メキシコ湾流の末枝が東方に流れてポルトガル沖で南転し、アフリカ大陸北西岸沿いのカナリー諸島付近を南西に流れ、北赤道海流に連なっている。
24
船舶通航信号所の情報を利用するにあたって、注意しなければならい事項を述べよ。
船舶通航信号所において、船舶からの依頼による情報の提供は、船舶がサービスエリア内にあり、船舶通航信号所と常に対応できる場合に行う。, 船舶通航信号所からの通報は、操船を指示するものではない。, 船舶通航信号所のレーダー映像上には、船舶の構造や天候により映像とならないときもあり、特定の船舶を識別できない場合がある。
25
航海計画を立案する際、海上交通サービス(Vessel Traffic Service)に関してどのようなことを調査するか。
VTSの適用海域, 対象船舶, 使用するVHFチャンネル, VTSへの通報要領, Traffic Separation Scheme(TSS)の航法, 強制水先制度の有無
26
海上交通サービスセンターの情報を利用するにあたって、注意しなければならない事項を述べよ。
一般情報と聴取義務が課せられる特定船舶に対する情報がある。, 特定船舶は聴取義務海域においては情報聴取義務を負う。, 一般情報としてAIS、ラジオ、管制信号による情報提供があることを確認する。
27
海上交通サービスセンターから特定の船舶に提供される通信内容の種類は、「情報」のほか、どのようなものがあるか。
指示, 勧告, 警告, 質問, 回答, 要求, 意図