問題一覧
1
公文書偽造罪は、 公文書・公図画の無形偽造を処罰するものであるのに対し、 虚偽公文書作成罪は、 公文書 公図画の有形偽造を処罰するものである。
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2
犯人蔵匿隠避罪には 「親族による犯罪に関する特例」 が適用されるので、犯人の親族が当該犯人の利益のために同罪を犯した場合は、その刑を免除することができる。
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3
逃走援助罪の行為は、 被拘禁者を逃走させる目的で器具を提供する等、逃走を容易にすることであって、当該行為を開始したときに実行の着手があり、被拘禁者が逃走行為に着手し、又は逃走を遂げることによって既遂となる。
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4
支払用カード電磁的記録に関する罪にいう「支払用カード」には、デビット機能のない単なるキャッシュカードは含まれない。
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5
甲が、X店から振り出された小切手の金額欄を100万円から1,000万円に書き直した場合、 甲には有価証券変造罪が成立する。
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6
甲が、 内容虚偽の住民異動届を区役所に提出し、 情を知らない同区役所係員をして住民基本台帳ファイルに不実の記録をさせた場合、甲には電磁的公正証書原本不実記録罪が成立する。
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7
有価証券偽造罪における 「有価証券」 とは、 財産上の権利が証券に表示され、その表示された財産上の権利の行使につきその証券の占有を必要とするものをいうところ、 商品券や小切手だけでなく、 保険証券や定期預金証書も 「有価証券」 に当たる。
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8
新聞紙や着物等の媒介物に点火して目的物たる現住建造物を焼損しようとした場合には、当該媒介物に点火しようとした時点で現住建造物等放火罪の着手が認められる。
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9
加重逃走罪の行為は、 拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、 暴行若しくは脅迫をし、 又は2人以上通謀して、逃走することであるところ、このうち拘禁場等の損壊と暴行・脅迫は、逃走の手段として行われることを要する。
◯
10
建造物等延焼罪は、自己所有非現住建造物等放火罪又は自己所有建造物等以外放火罪を犯し、所定の建造物等に延焼させたときに成立するところ、「延焼させた」 とは、 客体の建造物等の一部を焼損させることで足り、 独立燃焼するに至る必要はない。
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11
建造物等以外放火罪の既遂時期は、 放火して目的物を焼損さた時点ではなく、 公共の危険が具体的に発生した時点となることから、放火して目的物を焼損させたものの、具体的な公共の危険が発生しなかった場合には、 同罪の未遂罪が成立する。
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12
1個の放火行為により、所有者の異なる複数の現住建造物を焼損した場合であっても、1個の公共的法益を侵害したにすぎないときは、現住建造物等放火罪の単純一罪が成立する。
◯
13
会社員の甲は、起床した時点で既に出勤時間を過ぎていたことから、知人のAに殴られたことにして、警察に被害の届出をしていたと上司に言い訳をすれば許してもらえるだろうと考え、X署に赴き 「昨夜、 飲み屋で知人Aに殴られた。Aを許せないので訴えたい。」 などと虚偽の申告をして被害届を提出した。 甲には、 虚偽告訴罪が成立する。
◯
14
行使の目的なくして通貨を模造した者が、事後、当該模造通貨を商店で使用して商品の交付を受けたときは、通貨模造罪のみが成立し、詐欺は成立しない。
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15
虚偽公文書作成罪は、 作成権限を有する公務員が内容虚偽の公文書を作成した場合に成立するところ、 作成権限を有しない一般人が、事情を知らない公務員に対し虚偽の事実を申し向けて、虚偽の公文書を作成させた場合には、虚偽公文書作成罪の間接正犯が成立する。
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16
甲は、自己所有の一軒家に1人で暮らす乙から「自宅に放火して火災保険の保険金を得たい。 代わりに放火してくれないか。報酬として2割を支払う。」 との依頼を受けた。 甲は、 これを承諾して、 風のない日を見計らって誰もいない乙宅へ放火し、他の住宅等へ延焼させることなく乙宅のみを全焼させた。 甲は、非現住建造物等放火罪の刑責を負う。
◯
17
甲は、Aを困らせてやろうと考え、 同人が所有し居住する木造住宅に火を放ってこれを全焼させたところ、 火勢が増して隣接するB所有の材木店倉庫に燃え移り、 同倉庫をも全焼させた。同倉庫には、人が居住するスペースはなく、 現に人もいなかった。 甲には、 A宅に対する現住建造物等放火罪及びBの倉庫に対する他人所有非現住建造物等放火罪が成立する。
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18
甲は、居住地を転々と変えながら市役所等に転出・転入届を出さないまま放置していたところ、 運転免許証更新の際、 現在は居住していない場所を住所欄に記載して運転免許センターの係官に申請し、当該住所地が記載された運転免許証の交付を受けた。 甲は、免状不実記載罪の刑責を負う。
◯
19
拘禁されている施設から逃走する際に拘禁場等を損壊した場合、 逃走の途中で損壊行為を開始した時に、 加重逃走罪の実行の着手が認められる。
◯
20
甲は、バスの定期乗車券を使用して通勤していたが、金欲しさに、有効期限切れの定期乗車券の「6」という数字を、一見しただけでは分からないように「8」に改ざんし、8月末日まで有効とする定期乗車券を作成した。甲には、有価証券偽造罪が成立する。
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21
加重逃走罪の主体には、 「裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者」のほか、「勾引状の執行を受けた者」 も含まれる。
◯
22
X会社で経理を担当する甲は、自己の借金の返済に充てる目的で、 代表取締役社長に対して虚偽の取引を申し向けたうえ、自分で振出日 金額欄等を記載した小切手を社長に提出し、 代表印を押させてその小切手を使用した。 甲は、 有価証券偽造罪の刑責を負う。
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23
甲は、乙が指名手配を受けていることを知りながらこれをかくまい、 逃走資金20万円を渡し逃走させた。 乙が真犯人でなかった場合、 甲の行為は犯人蔵匿隠避罪に当たらない。
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24
私文書偽造罪の客体である「他人の権利、 義務若しくは事実証明に関する文書」 は、 私人が作成したものに限られるので、外国の公務所 公務員が作成すべき文書は、 本罪の客体とはならない。
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25
通貨偽造・変造罪の客体は、 通用する貨幣、 紙幣又は銀行券であるところ、ここにいう「通用する」とは、我が国において強制通用力を有するという意味であることから、古銭や廃貨、通用期限後で引換期間中のものは同罪の客体に当たらない。
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26
電磁的記録部分が不正に作出されたクレジットカードであることを知りながら、商品を購入するために店員に同カードを示し、人の財産上の事務処理の用に供し、 他人の財物をだまし取った者には、不正電磁的記録カード所持罪 不正作出支払用カード電磁的記録供用罪及び詐欺罪が成立する。
◯
27
文書偽造の罪における無形偽造とは、作成権限のある者が内容虚偽の文書を作成することをいい、 刑法上、 私文書について、無形偽造が処罰の対象となるのは虚偽診断書等作成罪の行為に限られ、 その他の虚偽文書作成行為は処罰されない。
◯
28
甲は、うさ晴らしのため、 木造の建物が立ち並ぶ商店街の一角にある店ののぼり旗にライターで火をつけたところ、のぼり旗の布部分が燃えたものの、自然鎮火した。 甲には、器物損壊罪が成立する。
◯
29
甲は、自己所有の土地について、 強制執行を免れるため、息子のAに所有権を移転する旨の内容虚偽の登記申請をX地方法務局に行い、 情を知らない同法務局登記官Bをして、 土地登記簿の磁気ディスクにその旨の登記をなさしめた。 甲には、電磁的公正証書原本不実記録 同供用罪が成立する (東京高判平 28.2.19)。
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30
偽造文書が公務所又は公務員の職務権限内において作成されたものと一般人に信じさせるに足りる形式・外観を備えている場合でも、作成名義人である公務所又は公務員に作成権限がないときは、 公文書とはいえない。
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31
甲は、売春の対価として使う目的で、 カラー複写機で複写した1万円札5枚を作成したうえ、 行きずりのA女とホテルで性交し、その対価として、 複写した1万円札5枚を交付した。 甲には、 通貨偽造 同行使罪が成立する。
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32
公務員の名義を用いて作成された文書であっても、 退職届のように、その権限 職務に関係のない文書を偽造した場合には、私文書偽造罪が成立するにとどまる。
◯
33
現職市長である甲が、 その任期満了前に、 市長としての一般的職務権限に属する市庁舎建設工事の入札等に関し、再選後に担当すべき職務について請託を受け賄賂を収受した場合、 甲には受託収賄罪が成立する。
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34
税務署の法人課税部門に勤務し、 法人税査定の職務に従事している甲は、 遊興費を得ようと企て、 知り合いの会社社長乙に対し、「法人税に手心を加えるから謝礼として300万円出して「欲しい。」と申し向けた。 乙は要求を即時に承諾し、後日、300万円を甲に手渡した。甲には、単純収賄罪が成立する。
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35
文書変造の罪における 「変造」 とは、 文書の名義人でない者が、真正に成立した文書の内容に改ざんを加えることをいい、判例は、大型自動車免許の未取得者が、自己の運転免許証の免許種類中、 大型欄の「0」 を 「1」 に改ざんした場合は、変造に当たるとしている。
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36
不正作出支払用カード電磁的記録供用罪の客体である電磁的記録は、不正に作出されたものであれば足り、必ずしも人の財産上の事務処理を誤らせる目的で作られたことを要しない。
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37
犯人蔵匿罪における「拘禁中に逃走した者」とは、法令による拘禁を破って逃走した者をいい、少年院から脱走した少年は、これに当たらない。
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