民法上、権利能力を有するのは自然人のみである。

自然人で権利能力を有しない者はいない。

不法行為による損害賠償の請求、相続、遺贈については、胎児は既に生まれたものとみなされる。

失踪宣告を受けた者は、権利能力を失う。

民法に違反する法律行為は、原則として無効となる。

適法な法律行為が無効となることはない。

詐欺による意思表示は、取り消すことができる。

詐欺による取消しは、善意だが過失がある取消前の第三者には対抗できる。

詐欺による取消しは、善意無過失だが登記を備えていない取消前の第三者には対抗できる。

第三者による詐欺は、相手方が悪意の場合にのみ取り消せる。

強迫による意思表示は、無効となる。

強迫を受けた者が、意思の自由を完全に失うに至らなかったとしても、強迫が成立する。

強迫による取消しは、善意無過失である取消前の第三者には対抗できない。

第三者による強迫は、相手方が善意無過失でも取り消せる。

心裡留保による意思表示は、原則として無効となる。

心裡留保による意思表示は、相手方が表意者の真意ではないことを知っていれば無効となる。

心裡留保による無効は、善意だが過失がある第三者には対抗できない。

虚偽表示による契約は、無効となる。

虚偽表示による無効は、善意の第三者には対抗できない。

虚偽表示による無効は、善意だが過失がある第三者には対抗できる。

虚偽表示による無効は、善意だが登記を備えていない第三者には対抗できる。

利害関係を有した時点で善意であっても、その後虚偽表示であることを知った第三者は「善意の第三者」にあたらない。

ＡからＢに仮装譲渡された土地について、Ｂから抵当権の設定を受けたＣは、「第三者」にあたる。

ＡからＢに仮装譲渡された土地を差し押さえたＢの債権者Ｃは、「第三者」にあたらない。

ＡからＢに仮装譲渡された土地上にＢが建てた建物を賃借しているＣは、「第三者」にあたらない。

虚偽表示による無効は、善意の転得者には対抗できない。

第三者が善意であっても転得者が悪意であれば、虚偽表示の無効を転得者に対抗できる。

錯誤による意思表示は、無効となる。

錯誤が重要なものであっても、表意者に過失があると取消しを主張できない。

相手方が表意者の錯誤を知っている場合、表意者に重大な過失があっても表意者は契約を取り消すことができる。

表意者に重大な過失がある場合、相手方が表意者の錯誤を知らなかったことについて重大な過失があっても、表意者は契約を取り消すことはできない。

相手方が表意者と同じ錯誤に陥っていた場合であっても、表意者に重大な過失があれば表意者は契約を取り消すことはできない。

法律行為の基礎となる事情に関する表意者の認識が真実に反していた場合、表意者の認識していた事情が法律行為の基礎であることが相手方に表示されていなくても、表意者は法律行為を取り消すことができる。

錯誤による取消しは、善意無過失である取消前の第三者には対抗できない。

意思表示は、相手方がその意思表示の内容を了知した時に効力が発生する。

表意者が意思表示の相手方を知らない場合、意思表示を行うことはできない。

意思無能力者がなした法律行為は無効となる。

制限行為能力者がなした法律行為は無効となる。

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者は、直ちに成年被後見人となる。

被保佐人は、精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な者である。

本人以外の者の請求に基づいて補助開始の審判をするには、本人の同意が必要である。

成年被後見人が成年後見人の同意を得たうえでなした法律行為は、取り消せない。

成年被後見人が事理弁識能力を回復した状態でなした法律行為は、取り消せない。

成年被後見人が結んだ日用品を購入する契約は、取り消せない。

未成年者が法定代理人の同意を得ずにした契約は、原則として取り消せる。

未成年者が結んだ土地の贈与を受ける契約は、取り消せない。

法定代理人が処分を許した財産を未成年者が処分する行為は、取り消せる。

営業を許された未成年者がその営業に関してなした行為は、その後、法定代理人が営業に関する許可を取り消しても有効である。

被保佐人が保佐人の同意を得ずにした契約は、全て取り消せる。

被保佐人が保佐人の同意を得ずにした土地の売買契約は、取り消せない。

被保佐人が保佐人の同意を得ずにした建物を 3 年間賃貸借する契約は、取り消せない。

被補助人が補助人の同意を得ずにした契約は、原則として取り消せない。

制限行為能力者は、取り消された行為によって受けた利益を全て相手方に返還しなければならない。

被保佐人が保佐人の同意を得ずになした法律行為を、保佐人は取り消せない。

本人以外の者の請求によって保佐人に代理権を付与する場合、本人の同意が必要となる。

制限行為能力者は、自ら法律行為を取り消すことはできない。

成年被後見人が成年後見人の同意を得ずに法律行為を取り消した場合、成年後見人は当該取消しを取り消すことができる。

被保佐人と土地の売買契約を締結した相手方が保佐人に対して催告した場合、保佐人が確答しなければ当該売買契約を追認したものとみなされる。

被保佐人と土地の売買契約を締結した相手方が被保佐人に対して催告した場合、被保佐人が確答しなければ当該売買契約を追認したものとみなされる。

制限行為能力者が自己の能力の制限を黙秘していた場合、直ちに詐術となる。

制限行為能力者が自己の能力の制限を黙秘していたとしても、詐術となることはない。

失踪宣告を受けた者は、死亡したものと推定される。

7 年間の生死不明により失踪宣告を受けた者は、7 年の期間満了時に死亡したものとみなされる。

危難に遭遇し、危難が去ってから 1 年間の生死不明により失踪宣告を受けた者は、1 年の期間満了時に死亡したものとみなされる。

失踪宣告が取り消されるのは、失踪者の生存が証明された場合に限られる。

失踪者の生存が証明されても、失踪宣告が直ちに無効となるわけではない。

失踪宣告によって利益を得た者は、失踪宣告が取り消された場合、受けた利益を全て返還しなければならない。

社団とは、一定の目的のために結集した人の集合体であり、財団とは、社団のうち一定規模以上の財産を保有するものである。

営利を目的とした営利財団法人は存在しない。

民法上、法人を設立するためには、主務官庁の許可を要する。

民法上、法人は設立登記によって法人格を取得すると解されている。

法人の権利能力は、性質、法令、目的による制限を受ける。

法人の性質上、名誉権は認められていない。

権利能力なき社団であるためには、①団体としての組織、②多数決の原則、③構成員の変更があっても団体が存続すること、④代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定していることが必要である。

権利能力なき社団の財産は、構成員全員の共有となる。

権利能力なき社団の構成員は、権利能力なき社団に対して自己の持分の分割を請求できる。

権利能力なき社団の不動産を、代表者の肩書を付けた代表者名義で登記することはできない。

権利能力なき社団の債務については、各構成員が個人的に弁済する義務を負う。

権利能力なき社団は、民事訴訟において原告または被告となることができる。

本人の意思に基づかずに代理権が発生することはない。

任意代理人の権限の範囲が定められていない場合、代理人は保存行為、利用行為及び改良行為のみをなしうる。

代理人が自ら契約相手となることは、禁止されていない。

双方代理であっても、本人の同意があれば有効な代理行為となる。

債務の履行を当事者双方の代理人として行うことはできない。

代理人には利益となるが本人にとって損失となる代理行為は、無権代理行為とみなされる。

本人が死亡または破産した場合のほか、後見開始の審判を受けたときも代理権は消滅する。

代理人が死亡または破産した場合のほか、保佐開始の審判を受けたときも代理権は消滅する。

代理人が本人のためであることを示さずにした意思表示は、相手方が悪意でも代理人に効果帰属する。

代理人が騙されて契約した場合、本人はその契約を取り消すことができる。

特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。

相手方が代理人に騙されて契約した場合、相手方は本人が代理人の詐欺を知っていた場合のみ、当該契約を取り消すことができる。

本人は、成年被後見人に代理権を付与することができる。

任意代理の場合、本人は代理人の制限行為能力を理由として代理行為を取り消すことができる。

未成年者の親権者が被保佐人である場合、未成年者は親権者が代理人としてなした契約を取り消すことができる。

無権代理行為は、原則として本人に効果帰属しない。

本人が無権代理行為を追認すると、追認の時から本人に効果帰属する。

本人が無権代理人に追認の意思表示を行っても、相手方が追認を知れば相手方に対抗できる。

無権代理行為の相手方は、無権代理人に履行と損害賠償の双方を請求できる。

無権代理行為の相手方は、無権代理人が無過失であっても無権代理人の責任を追及できる。

無権代理行為の相手方は、表見代理が成立する場合は、無権代理人の責任を追及することはできない。