暗記メーカー
ログイン
民法(不法行為等)1
  • 深澤舞雪

  • 問題数 99 • 7/25/2023

    記憶度

    完璧

    14

    覚えた

    38

    うろ覚え

    0

    苦手

    0

    未解答

    0

    アカウント登録して、解答結果を保存しよう

    問題一覧

  • 1

    この授業で指定された教科書は、授業中に利用することはなく、購入の必要がない。

  • 2

    この授業では、指定されたポケット六法及び判例六法を試験に持ち込むことができる。

  • 3

    この授業の試験場に持ち込むことができる六法は、線やマーカーが引いてあってもよいが、文字、数字及び記号等の記載がある場合だけは試験に持ち込みできない。

  • 4

    この授業の最終試験は、日々のmoodle課題からそのまま選択式問題として出題され、さらに、レジュメで★がついた個所から論述式問題(最低50%はとらなければDとなる問題)が出題されるので、moodle課題の解答・解説公表後は速やかにそれらの内容を確認し、理解・記憶し、加えて、レジュメに★の記載がある部分は、毎回の授業後に、その内容の理解と記憶を進め、試験直前に慌てないようにするよう指示されている。

    ⭕️

  • 5

    この授業では、毎回の講義時に紙で配布されるレジュメが余った場合、その余りは西南コミュ二ケーションプラザ2階の法学部室(初回資料に地図の記載なし)に配置されるので、授業を欠席した者は自由に法学部室から取得してよいが(ただし自分の分1枚に限る)、授業で配布する資料や授業時のスライドはmoodleでも配布される。

  • 6

    授業を欠席した際の代替措置は全員に共通のものとしてmoodleによる課題とマイクでの発言点があり(マイクでの発言点は教員の前の席に座っている学生だけに点数が入り)、さらに、個人の事情や要望に応じて課題を個別に出題することがある。

  • 7

    この授業は最終試験以外にも様々な課題を加味して成績評価をするが、マイクによる発話を求めることは就職活動における面接や公務員試験受験後の面接をも意識したものであることが授業時に説明され、マイクによる発話を推奨すると教員が発言した。

    ⭕️

  • 8

    この授業では、moodleからのお知らせがあれば、その旨をTwitterにも掲載するが、その理由は、度々moodleからのお知らせを行って、メールがたまってしまうことなどを防ぐためであると説明されたが、簡易なお知らせはTwitterにだけ掲示する可能性もあると授業時に説明された。また、授業内の課題はTwitterでだけ解答を発信するので、アカウントを無料で作成できる以上、必要があれば、各自Twitterアカウントを設けるように案内がなされた。

    ⭕️

  • 9

    この授業は民法という法律を扱うので、抽象度が高い法制度の内容をそのまま理解することが重要となり、法制度の具体例や学説などを授業中に扱うことはなく、それらの重要度は低い。

  • 10

    民法の主たる構成要素は、人、物及び債権であり、債権の発生原因は契約と不法行為のみである。

  • 11

    債権とは、人が人に対して何らかの行為を請求する権利なので、債権者が権利を行使する対象者を債務者(債権を行使されて義務を果たすべき者)と呼び、債権者と債務者は必ず契約を締結している。

  • 12

    法定債権・債務関係を生じさせる代表例が不法行為であり、これは約定債権・債務関係と異なるものの、不法行為による損害賠償責任と契約違反による損害賠償責任が重複する事例として、授業時には環境問題の具体例が教員から口頭でのみ説明された。

  • 13

    不法行為に基づく損害賠償責任を認める民法の制度趣旨は損害の塡補であり、この責任は違法行為を行った犯罪者を処罰する刑事責任と目的や手続が異なる。ただし、現代でも、かつての附帯私訴(刑事裁判においてその事件に関連した損害賠償請求を行う制度)に類似した法制度が日本でも登場しており、例外的に損害賠償が刑事手続と重なることもある。

    ⭕️

  • 14

    債権のような権利のほか、その権利の主体となる人、そして、人に支配される物などの財産的なルールについてのみ定めるのが民法である。

  • 15

    過失責任主義あるいは過失責任の原則とは、過失ある者が責任を負うとの原則であり、これは同時に過失がない者は基本的に責任を負わないことも意味する。したがって、街の掲示物に接近し、それを静止状態で眺めていた原(この授業の担当教員)が急に他者から追突された場合、この追突によって生じた損害があれば、その賠償責任は、原でなく追突した側が負うのが基本との(実体験に基づく)説明が授業時になされた。

    ⭕️

  • 16

    過失責任主義あるいは過失責任の原則とは、過失に関する原則であり、故意には関係しない。

  • 17

    過失責任主義あるいは過失責任の原則があるものの、その例外として民法には過失がなくても損害賠償の責任を負う場合についての規定が複数存在している。

  • 18

    過失責任主義あるいは過失責任の原則があるものの、その例外として過失がなくても損害賠償の責任を負う場合について、授業時には民法のほか、水質汚濁法の規定に関する説明がなされた。

    ⭕️

  • 19

    民法709条の故意とは、侵害行為によって生じる結果を認識している状態であり、これだけを見ると、特定の事実を認識している状態を意味する悪意と全く同一の概念のように見えるものの、故意の存在を認めるためには侵害行為で生じる結果を認容していることまで必要とされるので、故意と悪意は異なる概念である。

    ⭕️

  • 20

    民法709条の過失とは、その定義を見ると、客観的な結果回避義務違反とだけ定義され、故意のような行為者の主観や心理を問題とする概念と異なり、客観的な概念である。

  • 21

    判例集18事件(72~73頁)を読むと、大審院大正5年の判決では、被告工場から流出したガスによる原告の被害は高い煙突の設置によって防止できたはずなので、このような煙突設備を設けなかった被告に不法行為責任が認められると判断されたとの記載がある。

  • 22

    民法709条の過失の有無を判断する場合、結果を回避すべき義務の内容をどのようなものと想定するかは、抽象的に仮定された一般人を基準とされ、それを前提に、上記義務違反があるか否かの判断がなされるので、過失の有無は、実際に加害行為を行った本人が事前にどの程度の注意をしていたかという問題ではない。

    ⭕️

  • 23

    民法709条の過失が存在するならば、709条の要件をみたし、損害賠償を請求できるので、このような損害賠償の請求を行う権利者(損害賠償請求権者)にとって有利な事情に該当する過失の存在は、損害賠償請求権者自身が裁判で証明すべきである。ただし、例外として損害賠償債務を負う者の側で自分に過失が存在しないことについて証明させるという民法上の制度も存在する。

    ⭕️

  • 24

    ア:「故意又は過失によって生じた損害を賠償する責任を負う」とのルールを、イ:「故意又は過失によって他人の権利を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」というルールと比較すると、イのルールの方が損害賠償の成立範囲が狭くなる。

    ⭕️

  • 25

    裁判所は、桃中軒雲右衛門事件において、民法709条に基づいて損害賠償請求をするためには権利侵害の要件が必要であり、この事件では著作権が侵害されたとの判断を示している。

  • 26

    判例集20事件では、店名、店の営業秘密及び店の営業上の信用等は、老舗(しにせ)と呼ばれ、老舗は特定の法律で権利として保護されているので、この法律上の権利を侵害した者は民法709条の権利侵害要件をみたしたものと判断され、損害賠償請求が認められた。

  • 27

    現在の民法709条は、故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負うと規定され、具体的に法律で認められた権利だけでなく、具体的な法律で保護されている利益(法益)の侵害がなされた場合にも不法行為の要件をみたすことが明確になった。

  • 28

    AがBの犬を殺した場合にはBの犬という物が失われることになり、犬に対するBの所有権もまた失われることが明白であるし、また、CがDに怪我をさせた場合、Dの身体はD自身に権利・利益が帰属しており、それらをDが侵害されていることもまた明白であるから、いずれの事例もAやCが民法709条の権利・法益の侵害要件をみたすとの判断は容易である。対して、人格権や人格的利益の多くでは権利・法益の侵害要件の判断は容易でなく、実際の裁判では、たとえば政治家の悪い噂やプライベートが報道機関によって無断で報道された場合に、報道機関によって政治家のプライバシー権や名誉などの侵害があると即断できず、権利を侵害された側の事情(プライバシー権や名誉)と侵害した側の事情(報道機関の表現の自由等)を対比する必要があり、侵害があったといえるかどうか総合的で慎重な枠組みでの検討がなされている。

    ⭕️

  • 29

    民法709条の「損害」は、財産的損害と非財産的損害に分けることが可能であり、前者の中で、これから生じる利益を積極的に失う状態を積極的損害と呼び、また、後者の損害を精神的損害とも呼び、この損害を賠償するための金銭を慰謝料と呼ぶ。

  • 30

    民法709条の「損害」は、通説・判例によると、侵害行為がなかったならば被害者が有するはずの利益と侵害行為があったことで被害者が実際に有している利益の金銭的な差額で判断される不利益状態と解釈されるが、この解釈に対しては、たとえば、浮気をされた妻が夫の不倫相手に対して精神的損害の賠償を求める場合、妻の不利益を夫の不倫前と不倫後で金銭的な差額で示すことは困難であるとの批判がなされている。

    ⭕️

  • 31

    民法709条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と規定されているが、「これによって」という文言は権利・法益の侵害と損害の間の因果関係を示しており、この因果関係は、故意・過失による権利・法益の侵害がなければ損害もなかったとの条件関係を前提とするというのが通説・判例の解釈である。

    ⭕️

  • 32

    民法709条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と規定されているが、「これによって」との文言は権利・法益の侵害と損害の間の因果関係と呼ばれ、この因果関係は条件関係を前提としながらも、それだけでは損害賠償の範囲が拡大するおそれがあるので、条件関係を相当な範囲に制限するため、通説・判例は民法416条を類推適用している。すなわち、権利・法益の侵害からの通常損害については、侵害と通常損害の因果関係が当然に認められて賠償すべきことになるものの、権利・法益の侵害から通常生じない特別損害であれば、加害者が特別損害を予見できた場合のみ、侵害と特別損害の因果関係を認め、賠償すべきことになる。

    ⭕️

  • 33

    指定テキストⅰの191~193頁を読むと、X1がYによる事故に遭遇した場合、X1の家族であるX2(海外在住)がX1のために海外と日本を行き来する費用が、YによるX1への侵害と因果関係を認められているものの、これはYが事前に予見可能な特別損害だからと記載されている。

  • 34

    通説・判例によると、民法709条の因果関係とは条件関係を前提とし、それを通常損害及び予見された特別損害という基準によって相当な範囲に絞り込んだものといえるが、この基準は、突然の事故を原因とすることがほとんどの不法行為の事例において、加害者が被害者に生じる事情を事前に予見できる場合などは少ないとの理由で批判されており、通説・判例の解釈は機能しないと述べる学説も存在する。

    ⭕️

  • 35

    民法709条の損害や因果関係の解釈に関する通説・判例を批判する学説は、損害要件とは、不利益の金銭的な差額と解釈するのではなく、単なる事実(人が怪我をした、精神が傷ついた等の事実)の存在と解釈し、事実が存在すれば損害要件はみたされると述べ、生じた事実を金額としていくらに評価するかは民法709条の「賠償する責任を負う」という効果の中で計算すれば良いと考え、また、因果関係要件についても、相当因果関係ではなく、事実と事実との原因と結果の関係に過ぎず(事実的因果関係の有無で判断されるものとし)、原因と結果の連鎖関係が広がりすぎたとしても、拡大した因果関係のうち、どの事実までに損害賠償を認めるかは民法709条の「賠償する責任を負う」という効果をどこまで認めるのかという検討の中で判断すれば良いと述べており、通説・判例の解釈の中に含まれる多くの内容を、要件で検討する問題ではなく、効果の中で検討する問題としている。

    ⭕️

  • 36

    法的三段論法で文章を記載する最初の作業として、三段論法の第一段階として、その文章で記載すべき問題点を示す。

  • 37

    法的三段論法では最初に法規範が提示され、この法規範とは問題の解決基準であるので、その詳細な内容はすべて条文に示されており、あてはめをするための情報はすべて条文から入手することができ、法規範としては条文を記載することで足りる。

  • 38

    法規範の内容を示しているのは条文であり、条文は様々な事案に適用できるように抽象的な書き方となっているので、抽象的な条文を解釈する作業としては、条文上の言葉の意味や内容だけを示せばよく、法規範の提示は条文と解釈で足りる。

  • 39

    法的三段論法とは、ある具体的な問題を解決するために、抽象的な法規範へ具体的事実があてはまるかを検討し、その問題に対するに法的な結論を提示する思考方法であり、自分が採用した法規範がどのような内容であるかを示すのは当然のことであり、その後、問題となっている事実のうち、どの事実を法規範との関係で利用するのか示す必要がある。

    ⭕️

  • 40

    法的三段論法の第二段階でなされるあてはめでは、法規範と法規範に対応する事実を比較することになるが、この作業は単に条文と問題文の事実を並列させて書き写せばよく、それで点数が与えられる。

  • 41

    法的三段論法とは、ある具体的な問題を解決するために、抽象的な法規範に具体的事実をあてはめて、その問題における一定の結論を提示する思考方法なので、その問題の事実関係が法規範にあてはまるのか、そうでないのかを明確に提示する必要がある。

    ⭕️

  • 42

    法的三段論法とは、ある具体的な問題を解決するために、抽象的な法規範に具体的事実をあてはめて、その問題における一定の結論を提示する思考方法なので、その問題について答案などで記述する際、答案用紙の冒頭に、その問題の事実関係を何行にもわたって書き写すことが重要であり、必ずやらなければいけないし、空白行を答案に空けることは見やすさのために必要であるので、答案に空白行を空けても問題ない。

  • 43

    不法行為に基づく損害賠償請求をする際、民法709条の各要件がみたされることは、損害賠償を請求する側によって証明されることになる。

    ⭕️

  • 44

    不法行為の要件のうち、因果関係の証明は損害賠償請求を行う側が証明するものであり、権利や法益に対する侵害と損害の間に因果関係があるという高度の蓋然性のみを証明すれば足りる。

  • 45

    不法行為の裁判では、権利や法益に対する侵害と損害との間に因果関係が確実に存在していることを証明しなければいけないが、特定の場合には、因果関係の証明の程度が相当程度の可能性で良いとされることも裁判所によって認められている。

    ⭕️

  • 46

    加害者数人が共同で不法行為をした場合、その不法行為の被害者は、加害者のうち誰の侵害行為によって損害を受けたのかという因果関係を証明しなくても損害賠償請求できる。 

    ⭕️

  • 47

    加害者数人が共同で不法行為をした場合、その加害者のうちの1人が、自分の行為によって被害者に損害が生じていないことを証明しても、民法719条1項後段で他の加害者と連帯して被害者に対する損害賠償の責任を負う。

  • 48

    不法行為に関する全ての事項は、当該損害賠償請求をする者によって裁判の場で証明されるべきなので、不法行為を行った者の能力や不法行為を行った者が防衛の目的で行為をしていたなどの不法行為を妨げる可能性がある事情についても損害賠償請求をする者が証明することになる。

  • 49

    自己の行為の責任を弁識する能力を責任能力と呼び、この能力を備えていない未成年者は、709条の要件をみたしても不法行為に基づく損害賠償の責任を負わないことになっているため、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能のことを責任能力と呼ぶわけではない。

  • 50

    自己の行為の責任を弁識する能力がない者は自らの行動を理解できておらず、責めることができないため、不法行為による損害賠償責任を負わないので、この場合、いかなる民法上の制度をもってしても、被害者が損害賠償請求の手段で損害を埋め合わせることはできない。

  • 51

    指定テキストⅰの182~183頁をみると、責任能力が認められるのは平均的に12歳程度であると記載されている。

    ⭕️

  • 52

    Y(21歳)は、ついついのみすぎて1人で酩酊状態となり、全く道も分からず、意識もほぼない中で、道ですれ違ったXを殴りつけたという場合、Xに損害を加えたYは、Xに対する損害賠償の責任を負うことになる。

  • 53

    Y(21歳)は、酔うと暴れることが常であり、飲酒後に毎回酩酊状態となって他人に怪我をさせていたところ、その日も飲みすぎて全く道も分からず、意識もほぼない中で、道ですれ違ったXを殴りつけたならば、Xに損害を加えたYは、Xに対する損害賠償責任を負うことになる。

    ⭕️

  • 54

    民法における正当防衛とは、他人からの不法行為に対し、自分や他人の権利や法益を防衛する目的で、やむを得ずに加害行為をしてしまった場合に、正当防衛者が損害賠償の請求を受けないという制度であり、やむを得ない加害行為とは、他に適切な行為がとれない中で自分に起こる被害と自分がする加害の均衡がとれている行為と解釈されている。

    ⭕️

  • 55

    民法における正当防衛とは、他人からの不法行為に対し、自分や他人の権利や法益を防衛する目的で、やむを得ずに加害行為をしてしまった場合に、この正当防衛者が損害賠償の請求を受けないというものあり、ここでいう、加害行為には、正当防衛者が不法行為者に対して行った反撃としての加害行為だけでなく、正当防衛者が第三者(不法行為者と正当防衛者以外の者)にしてしまった加害行為も含まれ、正当防衛者が第三者に生じさせた加害についても損害賠償の請求を受けない。

    ⭕️

  • 56

    現役プロボクサーのX(25歳)がY(70歳)を殴ろうとしたので、Yは咄嗟にZの庭から家に入り込んだところ、Zの家のガラス戸が破損した場合、Yは、本来であればZに対して不法行為に基づく損害賠償の責任を負うべきところ、Xの攻撃(不法行為)から身を守る目的でZの家を破損しただけなので、Zに対する損害賠償責任を負わないことになり、Zはもはやガラス戸の破損についての損害賠償請求を誰に対しても行うことができない。

  • 57

    民法における正当防衛は、「他人の不法行為に対し」、防衛のためにした加害行為であれば、損害賠償の責任を問わないというものであり、人ではなく、物が危険を発生させる場合、その物に対して攻撃行為を行っても正当防衛にはならない。

    ⭕️

  • 58

    他人の物から生じた急迫の危難を避けるために物を損傷した場合には緊急避難となり、物を損傷した者は損害賠償の責任を負わないというのが民法上の制度なので、Aの飼っている毒蛇が檻から逃げてBに噛みつこうとしたので、Bが咄嗟に横にいたCの服で防いだので服が破損した場合、緊急避難が成立し、Bは Cからの損害賠償請求を拒むことができる。

  • 59

    指定テキストⅰの183頁の下から3行目から185頁までを読むと、自力救済が例外的に認められたり、あるいは、正当業務行為や被害者の承諾があったりすることによって、正当防衛や緊急避難の場合と同様に不法行為に基づく損害賠償責任を否定される(不法行為の違法性)阻却事由が認められるとの見解が示されている。

    ⭕️

  • 60

    民法709条の効果は金銭による損害賠償のみである。

  • 61

    損害賠償請求は人損に関する財産的損害と非財産的損害、そして、物損に関する財産的損害と非財産的損害に分かれている。

    ⭕️

  • 62

    人損のうち、積極的損害よりも消極的損害の方が計算にあたってしばしば困難を伴う。

    ⭕️

  • 63

    自動車通勤をしているXが自分の所有する自動車をYに破壊され、修理期間が3ヶ月かかった場合、YはXに自動車の修理費用を賠償するだけでXの物損を塡補することができるので、他の物損が生じることはあり得ない。

  • 64

    被害者に過失があることで損害が拡大した場合、過失相殺によって加害者の負担する賠償額を減額することがあるものの、その場合、被害者は自らの過失によって金銭的な責任を負うことになるので責任能力がなければいけない。

  • 65

    民法722条2項の過失相殺とは、損害を公平に分担することを趣旨としているので、被害者に過失が存在するという要件は、被害者以外や過失以外の場面にも適用する解釈がされている。

    ⭕️

  • 66

    被害者が不法行為に基づく損害賠償請求をする際、過失相殺がなされると、被害者の損害額が必ず減額される。

  • 67

    民法710条は「他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。」と記載されており、念のため、不法行為者の加害者が、被害者に対して、財産的損害のほかにも非財産的損害を賠償する必要があること記載している。

    ⭕️

  • 68

    民法711条は「他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。」と記載されており、不法行為者の加害者が、その不法行為の被害者以外の者に対して財産的損害がない場合にも財産的損害を賠償することを定めている。

  • 69

    民法711条は「他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。」と記載されているが、父母、配偶者及び子以外の者からの請求を認めることもあり、また、生命を侵害された事例以外の場合も請求を認めることがある。

    ⭕️

  • 70

    人は生まれると権利能力を有し、権利能力があるから権利を取得できるため、人が不法行為で死亡した場合には権利能力を失っており、死亡者は加害者に対する損害賠償請求権を取得することはないため、死亡者の不法行為に基づく損害賠償請求権が遺族に相続されることはないという見解が存在するものの、この見解では、死亡者が出たケースにおいて死亡者の不法行為に基づく損害賠償請求権の相続ができないのに対し、人が重傷で生き残れば後の莫大な治療費や休業損害などを請求できることになり、死亡者がでた重大な事案の方が不法行為の賠償額を低く算定することになる矛盾を指摘されている。

    ⭕️

  • 71

    人は生まれると権利能力を有し、権利能力があるからこそ権利を取得できるため、人が不法行為で死亡した場合には権利能力を失っており、加害者に対する損害賠償請求権を取得することはなく、不法行為の被害者からその遺族に損害賠償請求権が相続されることはないというのが判例の立場である。

  • 72

    企業の従業員が不法行為の被害者となっても、その企業自体は不法行為の直接の被害者ではないが、従業員の休業で企業の収益が減少した場合、その企業を不法行為の間接被害者と呼ぶ。この場合、企業が加害者に損害賠償請求することは一定の例外を除いて認められていないのが日本の裁判所の判断の現状である。

    ⭕️

  • 73

    人は生まれると権利能力を有し、権利能力があるから権利を取得できるため、出生されていない胎児は権利能力を有しないのが原則であるが、不法行為に基づく損害賠償請求権の取得に関しては、胎児は例外的に既に生まれたものとみなされ、権利能力があることを前提に権利取得を肯定する条文が存在している。

    ⭕️

  • 74

    消滅時効を主張する要件は、時効の完成と時効の援用だが、前者の要件につき不法行為の場合、いくつかの期間が存在している。

    ⭕️

  • 75

    民法は、被害者が損害賠償請求権を行使可能でありながら、それを行使しない状態が一定期間に及んだ場合、加害者を保護するため、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しない場合のみ被害者の不法行為に基づく損害賠償請求権は時効で消滅すると定めている。

  • 76

    民法724条1号の「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から」という文言は、被害者あるいはその法定代理人のいずれかによって損害の発生を現実に認識されており損害賠償請求が事実上可能な程度に加害者の情報を得た状態を意味し、加害者の氏名を認識した程度では「加害者を知った」とはいえない。

    ⭕️

  • 77

    被害者が長期にわたって不法行為に基づく損害賠償請求権を行使しない場合、権利関係が安定しない可能性があるので、民法724条2号では、不法行為の時から20年間行使されていない損害賠償請求権は時効によって消滅すると定められている。

    ⭕️

  • 78

    民法724条2号では「不法行為の時から20年間行使しない」場合に損害賠償請求権は時効によって消滅すると定められているので、①加害者の故意または過失によって被害者の権利または法益の侵害がなされたことにより、②被害者に損害を生じた時点から20年間行使されない損害賠償請求権は時効によって消滅するのであり、724条2号の消滅時効は常に①の時点から20年を計算することで要件をみたすか否か判断できる。

  • 79

    不法行為の効果として、原状回復や差止めのような金銭賠償以外の効果を認める余地があることを民法の条文や判例で認められてきた。

    ⭕️

  • 80

    不法行為者に責任能力が無い場合でも、その不法行為者(責任無能力者)を監督する者と法が定めた法定監督義務者が存在する場合のみ、民法714条の損害賠償責任を問うことができる。

  • 81

    民法714条の責任は、監督者の監督対象である者が民法709条の要件を全て満たしていることのほか、その監督の対象者が責任能力を欠いていることが要件である。

    ⭕️

  • 82

    民法714条1項の「法定の義務を負う者」とは、責任無能力者が未成年者の場合には親権者であることが多いが、責任無能力者が成年者の場合には未成年者のように成年者を監督する立場にある者が法定されていないため、だれが法定監督義務者になるのか明確でなく、諸般の事情を総合的に考慮し、不法行為をした責任無能力者との関係や接触状況からみて監督義務を引き受けたとみるべき特段の事情を有する者がいれば、その者が法定監督義務者に準じる者として民法714条1項の責任を負うことがある。

    ⭕️

  • 83

    民法714条1項ただし書では、「監督義務者がその義務を怠らなかったとき」または「義務を怠らなくても損害が生ずべきであったとき」に監督者の損害賠償責任を生じないとしているので、これらの事由は被害者ではなく加害者に有利に働くものであり、この事由に関する証明は加害者が行うことになる。

    ⭕️

  • 84

    未成年者で責任能力が無い者が不法行為を行った場合、民法714条の要件がみたされたならば、未成年者の監督者に損害賠償の責任が生じるものの、未成年者で責任能力がある者が不法行為をした場合には、その未成年者自身が常に民法709条によって損害賠償責任を負うことになる。

  • 85

    民法715条の使用者責任は、被用者が不法行為をしたことを前提に、実際の不法行為者ではない使用者が被用者に代って責任を負う代位責任であり、実際の行為者と別の者が損害賠償責任を負うのは使用者が被用者を利用して利益をあげていることのみを理由として認められている。

  • 86

    民法715条の「ある事業のために他人を使用する者」とは、何らかの仕事のために被用者への指揮命令を行う者を意味しており、裁判をするように弁護士に有償で依頼する営利の法的な契約関係がある場合のほか、非営利な事実上の指揮命令関係がある場合も、この要件をみたす。

  • 87

    民法715条の使用者責任は、被用者が「事業の執行」につき不法行為をしたことも要件となるところ、これは被用者が使用者の指揮命令に従って仕事を行ったことによる不法行為であることを意味しており、その不法行為が「事業の執行」であったか否か(使用者の指揮命令に従って仕事を行ったことによるものか否か)は、被用者の行為の外形から客観的にみて職務範囲に含まれるか否かで判断するほか、場合によっては、その行為が使用者の事業の執行を契機として事業と密接な関連性を有するか否かでも判断される。

    ⭕️

  • 88

    使用者が、①被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたときのほか、②相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、使用者責任を負わないため、①及び②を加害者の免責事由と呼ぶ。

    ⭕️

  • 89

    被用者が不法行為をしても、民法715条の要件がみたされた場合、使用者に損害賠償の責任が生じるが、被用者は、使用者から求償権を行使されると、被用者の代わりに使用者が被害者に賠償をした損害賠償金について使用者に対し、一定範囲で支払いをする必要が生じ、これは民法714条の場合も同様である。

  • 90

    不法行為には、取引(契約のような意思に基づいて、その意思通りの法的効果を実現しようとする法律行為)によって他者に損害を与える取引的不法行為と取引の介在しない事実行為(意思通りの法的効果を発生させる法律行為ではなく、単に、自動車で人にぶつかる・人を殴る等の行為)によって他者に損害を与える事実的不法行為の場合がある。

    ⭕️

  • 91

    土地の工作物の土地設置時点で存在する安全性の欠如や工作物設置後に生じた安全性の欠如によって他人に損害を生じた場合、その工作物の占有者だけが被害者に損害賠償の責任を負うことになる。

  • 92

    占有されている動物が他人に損害を与えた場合、その動物の占有者が被害者に対する損害賠償責任を負うが、このような責任は工作物責任同様に、危険責任の原理が根底にある。

    ⭕️

  • 93

    民法719条1項前段では、「数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたとき」を要件とした損害賠償を認めるが、各不法行為者が行ったそれぞれの行為の間に「共同」関係が必要となるところ、この「共同」関係は複数人の意思が合致した場合のみが該当する。

  • 94

    民法719条1項後段では、「共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないとき」を要件とした損害賠償を認めるが、これは1項前段と異なり、行為者間で共同がないままに不法行為が重なった場合を想定しているので、不特定多数の不法行為者のうち、誰が損害という結果を発生させたかわからない場合に、その不特定多数者に対して被害者からの損害賠償請求を認める制度である。

  • 95

    民法719条1項の共同不法行為の効果は、前段も後段も被害者が複数の加害者のうち誰に対しても損害全額について賠償請求可能というものであり、これは複数の加害者が損害賠償の連帯債務を負うことを意味するので、加害者は他の加害者の負担すべき賠償額を払う必要が無いと反論して全損害の支払いを拒否できるわけではない。ただし、加害者の内の1人が被害者へ全損害を支払ったならば、この加害者は他の加害者に対して求償の請求をすることができる。

    ⭕️

  • 96

    事務管理が用意された理由は、人々が利他行為を避けることを防止し、このような行為をすすめることにある。

    ⭕️

  • 97

    事務管理の要件は、義務なく本人のために仕事をすることであり、他人のためにする意識はないのが基本であり、このような意思なき行為が事務管理になることがある。