問題一覧
1
Fick の法則に従う膜透過において、大きくなるほど薬物の透過速度は遅くなるのはどれか。2つ選 べ。 1 膜の面積、 2膜の厚さ、 3薬物分子の大きさ、 4薬物の膜/水の分配係数、 5膜内外の濃度差
2, 3
2
図1.2は脂溶性薬物の受動拡散による細胞膜透過を示した図である。KCout の濃度が Cout 濃度よ りも高いのはなぜか。最も適切なものを選べ。 1 促進拡散により輸送されるため 2 トランスポーターにより生体膜を構成する細胞外に排出されるため 3 膜の外側と内側では pH が異なるため 4 膜の内側では、血流によって薬物が瞬時に除去されるため 5 脂溶性の薬物は膜内に分配されやすいため
5
3
消化管における薬物の吸収を図1.2にあてはめて考えたときに、Cin はいつも Cout よりも低いのはな ぜか。最も適切なものを以下の選択肢より選べ。 1 促進拡散により輸送されるため 2 トランスポーターにより生体膜を構成する細胞外に排出されるため 3 膜の外側と内側では pH が異なるため 4 膜の内側では、血流によって薬物が瞬時に除去されるため 5 脂溶性の薬物は膜内に分配されやすいため
4
4
薬物の細胞膜透過において、細胞内代謝エネルギーに依存しない機構はどれか。すべて選べ。該当 するものが無い場合には5を選べ。 1 促進拡散 2 1 次性能動輸送 3 2 次性能動輸送 4 膜動輸送 5 1~4に該当するものはない。
1
5
ジペプチドトランスポーター(PEPT1)の輸送機構はどれか。1つ選ベ。 1 促進拡散 2 1 次性能動輸送 3 2 次性能動輸送 4 膜動輸送 5 1~4に該当するものはない。
3
6
P-糖タンパク質の輸送機構はどれか。1つ選べ。 1 促進拡散 2 1 次性能動輸送 3 2 次性能動輸送 4 膜動輸送 5 1~4に該当するものはない。
2
7
抗体医薬品やインスリンなどの細胞膜内へ輸送機構はどれか。1つ選ベ。 1 促進拡散 2 1 次性能動輸送 3 2 次性能動輸送 4 膜動輸送 5 1~4に該当するものはない。
4
8
pH が 7 の時、pKa が 6 の弱酸性化合物のイオン形の濃度は分子形濃度の何倍か。
10
9
弱酸性薬物のpKaである。十二指腸上部で最も膜透過しやすいものはどれか。1つ選べ。
5
10
経口投与後投与された薬物のうち、循環血液中に移行する薬物の割合を示すのはどれか。1つ選べ。 1 肝クリアランス 2 初回通過効果 3 バイオアベイラビリティ 4 膜/水の分配係数 5 液体クロマトグラフィー 6 腸肝循環
3
11
薬物が投与部位から全身循環血に移行する過程で起こる分解や代謝により薬物移行量が減少する 効果はどれか1つ選べ。 1 肝クリアランス 2 初回通過効果 3 バイオアベイラビリティ 4 膜/水の分配係数 5 液体クロマトグラフィー 6 腸肝循環
2
12
小腸細胞膜付近で小腸の運動による撹拌の影響を受け難く、脂溶性の高い薬物の吸収の妨げになる 層はどれか。1つ選べ。該当するものが無い場合には5を選べ。 1 角質層 2 淡明層 3 顆粒層 4 非攪拌水層 5 1~4に該当するものはない。
4
13
経皮投与の薬剤として、認知症薬の[ a ]や気管支拡張薬の [ b ]があげられる。 • 口腔投与からの薬剤として、狭心症治療薬の[ c ]が挙げられる。 • 経鼻投与では、尿崩症治療薬の[ d ]などの比較的分子量の小さいペプチド製剤の吸収経路として用いられる。 • 経肺投与では、エアゾールなどの剤型が用いられ、抗ウイルス薬の[ e ]が、この経路により投与され る。 a~e の空欄に入る、適切な文言の組み合わせはどれか。1つ選べ。ただし、同じ記号には同じ文言が入る。 1.a ラニナミビル, b 硝酸イソソルビド, c エストラジオール, d ゴナドトロピン, e アメナメビル 2.a リバスチグミン, b ツロブテロール, c 硝酸イソソルビド, , d デスモプレシン, e ザナミビル 3.a ニコチン, b ツロブテロール, c ニトログリセリン, d デスモプレシン, e アメナメビル 4.a エストラジオール, b リバスチグミン, c 硝酸イソソルビド, d ニコチン, e ラニナミビル 5.a ツロブテロール, b エストラジオール, c ニトログリセリン, d ニコチン, e ザナミビル 6.a リバスチグミン, b ゴナドトロピン, c 硝酸イソソルビド, d デスモプレシン, e ラニナミビル
2
14
経口投与が困難な乳児や高齢者に対して、抗炎症剤、鎮痛剤、抗がん剤などを投与するときに用いら れ、初回通過効果が比較的小さい投与経路はどれか。最も適切なものを1つ選べ。 1 経鼻投与 2 経肺投与 3 口腔投与 4 経皮投与 5 直腸投与
5
15
薬物の腎クリアランスを表す式として正しいものはどれか。1つ選べ。ただし、fpは血漿中蛋白非 結合率、GFR は糸球体濾過量、CLsec は尿細管分泌クリアランス、R は尿細管再吸収率とする。 1 (GFR + fp×CLsec)×R 2 (GFR - fp×CLsec)×(1 - R) 3 (GFR - fp×CLsec)×R 4 (fp×GFR - CLsec)×(1 - R) 5 (fp×GFR + CLsec)×(1 - R) 6 (fp×GFR + CLsec)×R
5
16
排泄に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 分子量1万程度の分子は糸球体濾過を免れる。 2 すべての薬物は尿細管において再吸収を受ける。 3 腎血流量の約 10 %が糸球体ろ過される。 4 健常人の GFR は 100-130 mL/min 程度である 5 グルコースの再吸収は主に近位尿細管における受動拡散で行われる。
3, 4
17
薬物 X の腎クリアランスは 50mL/min であった。糸球体ろ過速度(GFR)を 100mL/min としたとき に、この薬物の分泌クリアランスの値について次の選択肢の中で正しいものを 1 つ選べ。ただし、 薬物 X は再吸収されない。また、薬物 X の血中非結合形分率(fB)は不明であるが、血漿中非結 合形分率(fP)とは等しい。 ① 0 ~ 50 mL/min ② 100 ~ 150 mL/min ③ 200 ~ 250 mL/min ④ 300 mL/min 以上 この条件ではわからない
1
18
ある薬物の薬物動態は、1-コンパートメントモデルに従い、その消失速度は、dX/dt=-keX, (X は コンパートメントの薬物量、ke は消失速度定数)である。分布容積は変化しないものとする。正し いのはどれか。2つ選べ。 1 コンパートメント(血中)の濃度が濃いほど、消失速度定数は大きい。 2 コンパートメント(血中)の濃度が濃いほど、消失速度は小さい。 3 コンパートメント(血中)の濃度の濃さにかかわらず、消失速度定数は一定である。 4 コンパートメント(血中)の濃度が濃いほど、クリアランスは小さい。 5 投与後 1 時間のクリアランスは 2 時間の時の値よりも小さい。 6 投与後 1 時間のクリアランスは 2 時間の時の値と同じである
3, 6
19
カルバマゼピンにより誘導される CYP 分子種はどれか。すべて選べ。 1 CYP1A2 2 CYP3A4 3 CYP2D6 4 CYP2C19
1, 2, 4
20
血漿中タンパク質であるアルブミンの特徴について、正しい記述はどれか。2つ選べ。 1 血漿中タンパク質の約 5%を占めている。 2 酸性薬物との親和性が高い。 3 イヌリン、ゲンタマイシン、ワルファリン、クレアチニン、リチウムの中でアルブミンに最も結合しやす いのはクレアチニンである。 4 血漿中濃度は約 0.5%である。 5 分子量は約 66,000 である。
2, 5
21
正しいものを1つ選べ
2
22
薬物の分布容積(Vd)を表す式を用いて、以下の設問に答えよ。ただし、薬物Aのfp=0.01、ft= 0.2、薬物 B の fp = 0.1、ft = 0.02 とする。必要であれば、体重 70 kg の成人とし、Vp = 3 L、Vt = 39 L として計算せよ。 薬物 A、B とも血漿ではアルブミンと結合している。肝疾患によりアルブミン生合成が低下し血漿 タンパク結合が半分に低下した時に、分布容積の変動が大きい薬物は A と B のどちらか。以下 の説明から正しいものを1つ選べ。 ①薬物 A の方が低分布容積であり、血漿タンパク結合の低下による分布容積の変動が大きい。 ②薬物 A の方が高分布容積であり、血漿タンパク結合の低下による分布容積の変動が大きい。 ③薬物 B の方が低分布容積であり、血漿タンパク結合の低下による分布容積の変動が大きい。 ④薬物 B の方が高分布容積であり、血漿タンパク結合の低下による分布容積の変動が大きい。
4
23
切片はそれぞれ何を意味するか。適切な組み合わせを1つ選べ。 ①(a) 結合定数、(b) 結合部位数、(c) 結合部位数÷結合定数 ②(a) 結合定数、(b) 結合部位数、(c) 結合部位数×結合定数 ③(a) 結合定数、(b) 結合部位数×結合定数、(c) 結合部位数 ④(a) 結合部位数、(b) 結合定数、(c) 結合定数÷結合部位数 ⑤(a) 結合部位数、(b) 結合定数、(c) 結合部位数×結合定数 ⑥(a) 結合部位数、(b) 結合部位数×結合定数、(c) 結合定数
2
24
薬物の血漿タンパク結合、組織結合及び分布容積に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ 選べ。 1 薬物の組織分布が平衡に達すると、血漿中と組織中の非結合形濃度は等しくなる。 2 血漿タンパク結合の変動が分布容積に及ぼす影響は、組織結合性が弱い薬物ほど顕著である。 3 アンチピリンの分布容積は、血漿容積に近似できる。 4 体重 70 kg のヒトで分布容積が 14 L の薬物は、血漿中および細胞外に分布する。 5 組織成分との結合が強い薬物でも、分布容積が総体液量を超えることはない
1, 4
25
[]に入る適切な用語の正しい組み合わせはどれか。1つ選べ。 血液-脳関門の実体は[ a ]であり、血液-脳脊髄液関門の実体は[ b ]である。脂溶性が[ c ]と脳 に入りやすいが、薬物によってはトランスポーターにより脳への移行を制御されている。 脂溶性が[ c ]薬物はリンパ管系にも移行し得るが、流速は血管系よりかなり[ d ]。筋肉内もしく は皮下に高分子薬物を注射した場合は、[ e ]に行き易い。 ①[a]毛細血管内皮細胞、 [b]脈絡叢上皮細胞、[c]低い、[d]遅い、[e]血管系 ②[a]毛細血管内皮細胞、 [b]脈絡叢上皮細胞、[c]高い、[d]速い、[e]血管系 ③[a]毛細血管内皮細胞、 [b]脈絡叢上皮細胞、[c]高い、[d]遅い、[e]リンパ管系 ④[a]脈絡叢上皮細胞、 [b]毛細血管内皮細胞、[c]低い、[d]遅い、[e]血管系 ⑤[a]脈絡叢上皮細胞、 [b]毛細血管内皮細胞、[c]高い、[d]速い、[e]リンパ管系 ⑥[a]脈絡叢上皮細胞、 [b]毛細血管内皮細胞、[c]高い、[d]遅い、[e]リンパ管系
3
26
血液胎盤関門に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 グルコースやアミノ酸は、血液胎盤関門の透過性が低い。 2 多くの薬物の胎盤透過は、pH 分配仮説に従う。 3 ワルファリンは妊婦に投与可能な抗凝固薬である。 4 ビタミン A 誘導体であるエトレチナートは妊婦に投与禁忌である。 5 一般に、母体中の血漿タンパク非結合形薬物は、胎児へ移行しない。
2, 4
27
38歳女性。腰痛のため近医を受診したところ以下の薬剤を処方され、1歳0ヶ月の幼児(体重9 kg)を伴って薬局を訪れた。 (処方)アセトアミノフェン錠 200 mg 1 回 2 錠(1 日 4 錠) 1日2回 朝夕食後 7日分 幼児は、1 回の授乳で 200 mL 程度の母乳を飲むことがあるとのこと。母乳による育児の継続を強く望ん でいるが、薬の服用後に母乳中に薬が移行して幼児に影響することに不安を持っているとのことであった。 アセトアミノフェンの乳汁/血漿中薬物濃度比は 0.91~1.4 とされている。また、アセトアミノフェン錠の添付 文書から薬物動態及び用法・用量に関する以下の情報を得た。 【薬物動態】成人にアセトアミノフェン 400 mgを経口単回投与後の最高血漿中濃度は 9.0 μg/mL であり、 投与 12 時間後には血漿中からほぼ完全に消失していた。 【用法・用量】通常、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重 1 kgあたり 1 回 10~15 mgを経口投 与する。 患者が指示どおりに服用した場合、乳汁 200 mL あたりに含まれるアセトアミノフェン量は、保育する幼児 における最低用量に対し、最大で 2.8%に達する可能性があると計算された。薬剤師の患者への説明とし て最も適切なのはどれか。1 つ選べ。 1 母乳中への薬物の移行量が多いので、処方の中止を医師に連絡する必要があります。 2 母乳中への薬物の移行量は少量であり、薬剤服用中でも授乳可能です。 3 母乳中への薬物の移行量は少量ですが、授乳は中止してください。 4 母乳と粉ミルクで育児に大きな違いはないので、授乳を中止するのが無難です。 5 イブプロフェン錠に変更すれば、母乳中に薬物が移行しないので安全です。
2
28
薬物のリンパ管系への移行に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 消化管からリンパ系を介して吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けずに全身循環系に到達する。 2 リンパ系に移行した薬物は、血液循環系へ移行した薬物に比べてゆっくりと全身に分布する。 3 毛細リンパ管内皮細胞は密着結合を形成しているため、分子量の小さい薬物の方が透過しやすい。 4 皮下投与された抗体医薬品は、リンパ系へ移行しにくい。 5 リンパ系に移行した薬物は、胸管リンパを経て肺動脈に入り、全身循環血を介して体内に分布する。
1, 2
29
生体内の異物解毒システムの特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 一つの薬物の体内動態に複数の分子種が関わることはない 2 薬物代謝酵素は幅広い基質選択性を持つ分子種が多い。 3 薬物代謝酵素の機能には比較的高頻度に個人差が存在する。 4 生体内の 種差はほとんど存在しない。 5 一般に代謝によって薬物の脂溶性が増大することで体内から排泄されやすくなる
2, 3
30
以下に示す薬物代謝反応のうち、第II相代謝反応はどれか。3つ選べ。
1, 2, 3
31
シトクロムP450(CYP)に関する記述のうち、誤っているものはどれか。2つ選べ。 1 CYP3A4 の阻害薬としてエリスロマイシン、シメチジン、アゾール系薬物が知られる。 2 CYP2D6 の相対的な存在量は多くないものの、塩基性薬物の代謝を担う例が多い。 3 CYP2C19 には機能低下を伴う遺伝的多型が存在するため、注意が必要である。 4 CYP2C9 は喫煙による誘導の影響を受けやすい。 5 CYP1A2 の典型的基質としてワルファリンやフェニトインが知られる。
4, 5
32
一般に、薬物の脂溶性が上昇する代謝反応はどれか。1つ選べ。 1 グルクロン酸抱合 2 アセチル抱合 3 アルキル側鎖の水酸化 4 N-脱アルキル化 5 エステルの加水分解
2
33
下図は遠心分離による細胞内小器官の分画の手順を表したものである。UDP-グルクロン酸転移 酵素はどこに多く含まれるか。図中の1〜5から1つ選ベ。
4
34
消化管吸収後、体内でCYP2A6によって代謝され、抗悪性腫瘍作用を示すプロドラッグはどれ か。1つ選べ。 1 イリノテカン 2 ドキシフルリジン 3 サラゾスルファピリジン 4 アラセプリル 5 テガフール
5
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65歳男性。がんで入院中。当初、医療チームの方針として、アプレピタントカプセルを制吐剤とし て投与することが計画されていたが、口内炎が悪化したため、ホスアプレピタントの点滴静注への変更につ いて再度検討することとなった。処方の再検討に際して、薬剤師が医療チームに行う説明として適切でない のはどれか。1つ選べ。 1 ホスアプレピタントは、アプレピタントの経口投与が困難な患者さんのために開発された薬剤です。 2 ホスアプレピタントは、アプレピタントの脂溶性を向上させたプロドラッグです。 3 ホスアプレピタントは生体内の代謝反応を通じて、速やかにアプレピタントに変化します。 4 ホスアプレピタントの投与においても、アプレピタントにおいて認められているような代謝酵素の阻害に基づ く薬物相互作用に注意する必要があります。
2