問題一覧
1
固定の目的 3つ
可能な限り速やかに組織の自己融解を止める 組織や細胞の蛋白の安定化・不溶化させて生体内の状態に近づける 標本作製工程で使用される薬品等による変質・変性を少なくし、色素等と結合しやすくする
2
大きな臓器や皮膜を有する臓器の固定時の注意点は
浸透が悪いため、割を入れてから固定する。 変形などの支障をきたす時には一晩固定してから割を入れて再度固定する。
3
正しいものはどれか
生検材料などの小さい組織は乾燥しないように注意する, 固定容器は組織片が取り出しやすいように広口で透明な容器を使用する
4
ホルマリンに含まれるホルムアルデヒドは何に分類され、どのように規制されているか。
特定化学物質の第二類 作業環境測定士による6ヶ月以内に一度の作業環境測定、並びに定期健康診断が義務付けられている
5
ホルマリンの作業環境測定の基準、記録保存期間
0.1ppm以下 30年間
6
ホルマリンの定期健康診断の記録保存期間
5年
7
ホルマリンとは
ホルムアルデヒド(HCHO)を37%含む水溶液
8
ホルマリンの固定の原理は
架橋固定 ホルムアルデヒドが蛋白質中のアミノ基と反応するとヒドロキシメチル基が生じる(蛋白質をゲル化) これがさらにアミノ基と反応することでメチレン架橋(メチレンブリッジ)が形成され、蛋白質が安定化する
9
10%中性緩衝ホルマリンの組成
ホルマリン原液 100ml 第一リン酸ナトリウム(NaH2PO4) 4.0g 第二リン酸ナトリウム(Na2HPO4) 6.5g 蒸留水 900ml
10
ホルマリン色素ができる固定液は
10〜20#ホルマリン水溶液(ph3.2前後) ホルマリン原液 1容 水 9容
11
ホルマリン色素除去法二とその方法
カルダセウィッチ法 ベロケイ法
12
アルコール系固定液の利点
グリコーゲン、粘液等の水溶性物質の保存に優れ、蛋白質はほとんど変化を受けず固定される。
13
アルコール系固定液の種類
エタノール メタノール ホルマリン・メタノール(エタノール) カルノア液
14
カルノア液の組成
エタノール60ml クロロホルム30ml 氷酢酸 10ml
15
重クロム酸系固定液の利点と種類
類脂質の固定に優れている。 ミトコンドリアやゴルジ装置などの微細構造や核分裂像がよく保存される ミューラー オルト ヘリー ツェンカー スーサ マキシモウ
16
グリコーゲン、粘液などの水溶性物質の保存に優れた固定液は
アルコール系固定液
17
類脂質の固定に優れて、ミトコンドリアやゴルジ装置などの微細構造や核分裂像がよく保存される固定液は
重クロム酸系固定液
18
重クロム酸系固定液の種類と組成
ミュラー液 重クロム酸ナトリウム 2.5g 硫酸ナトリウム 1.0g 蒸留水 オルト液 ミュラー液9容 ホルマリン原液 1容
19
ピクリン酸系固定液の種類と利点
ブアン液 蛋白凝固作用、多糖類の沈澱作用と弱い脱灰作用。 多糖類やグリコーゲンの証明や、胎児組織、喀痰などの固定に適す。組織への浸透性に優れる。
20
水銀を含む固定液、利点
昇汞(しょうこう)系固定液 水銀イオンの結合性により、強い蛋白凝固作用があり、染色性が非常に良い。 核クロマチン構造がよく保たれ、造血臓器や血液細胞、内分泌臓器の検索に適し、膠原繊維や好銀線維もよく染まる
21
昇汞系固定液の種類と組成
ツァンカー液 ミューラー液 100ml 昇汞(塩化第二水洗HgCl2) 5g 氷酢酸 5ml ヘリー液 ミュラー液 100ml 昇汞 5g ホルマリン原液 5ml ツェンカー・ホルモール液(マキシモウ液) ミューラー液 10ml ホルマリン原液 10ml B5(ph5.8〜6) 昇汞 6g 酢酸ナトリウム(無水) 1.25g ホルマリン原液 10ml 蒸留水 100ml
22
脱昇汞操作は
脱パラ 水洗 ヨウ素・ヨウ化カリウム・エタノール溶液(30分:結晶の沈着を除く) 水洗 0.25%チオ硫酸ナトリウム水溶液(数分:切片が白くなるまで) 水洗 各種染色
23
アセトン固定液の利点
脱水力に優れ、血液細胞の塗沫標本に使用。単独で使用すると組織収縮が強いためAMeX法が用いられる
24
AMeX法とは(組成と固定液の種類)
アセトン系固定液のこと。
25
免疫組織化学固定液の種類と組成
PLP(periodate-lysine-paraformaldehyde)固定液 A液(0.1Mリジン0.05Mリン酸緩衝液(ph7.4) B液(8%パラホルムアルデヒド溶液) 使用前にA液とB液を3:1の割合で混合し、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)を0.01M(21.4mg/10ml)になるように加え撹拌する 固定時間は4〜12時間 4%パラホルムアルデヒド固定液 パラホルムアルデヒド粉末 4g 0.1Mリン酸緩衝液(ph7.4) 100ml ショ糖 8g 固定時間は24時間
26
電子顕微鏡固定液の種類とそれぞれが固定するもの
2%グルタールアルデヒド固定液 蛋白質 1%四酸化オスミウム固定液 脂質 二重固定液
27
凍結切片作製法を用いる目的4つ
術中迅速 酵素組織化学、免疫組織化学、脂肪染色で使用
28
凍結切片作製法の未固定凍結切片作製法、固定後凍結切片作製法の流れ
未固定凍結切片作製法
29
10%中性ホルマリンの組成と特徴
ホルマリン 炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウム
30
PLP液の組成と何に使用するか(何には不適か)
パラホルムアルデヒド リン酸緩衝液 リジン塩酸 メタ過ヨウ素酸
31
等張ホルマリンの組成と特徴
中性ホルマリン 塩化ナトリウム
32
ホルマリン固定について正しいものは
固定液量は組織体積の10倍以上, 切開した胃はゴム板に貼り付けて固定
33
キシレンとクロロホルムを比較した場合のキシレンの特性は
組織の収縮が強い
34
どれか
4
35
電顕で使用する前固定の固定液の色調と組織への浸透速度
グルタルアルデヒド 高濃度で粘性ありほとんど無色透明かやや黄色味を帯びている 組織への浸透速度は遅い 特有の刺激臭がある
36
電顕の後固定液の色調
オスミウム酸 四酸化オスミウムの形状は無色〜淡黄色の塊状または針状の結晶
37
ブアン液固定後の処理
固定された組織成分の流出を避けるため水洗せずに70%alcに浸漬し脱水操作を行う 70%alcを頻回に取り替えてピクリン酸を落とさないと染色性が低下する
38
ザンボーニ固定液の組成使用用途
パラホルムアルデヒド ピクリン酸 酵素抗体法の固定