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病理学_記述
  • のじ

  • 問題数 26 • 7/9/2023

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    問題一覧

  • 1

    慢性ウイルス性肝炎の炎症の主座とその組織所見を述べよ。

    慢性ウイルス性肝炎では、炎症の主座は門脈域で、インターフェイス肝炎と呼ばれる肝組織の境界領域の炎 症が特徴的である。これが長期にわたり続くと肝組織が破壊され、修復過程で進行する線維化により肝硬変 を引き起こし、肝機能が低下する。

  • 2

    原発性胆汁性胆管炎の好発年齢と性差、診断に有用な自己抗体を説明しなさい。さらに特徴的な組織所見について言及せよ。

    原発性胆汁性胆管炎は、主に 30 ~ 65 歳の中年女性に見られ、抗ミトコンドリア抗体の存在が診断の主要マ ーカーとなる。組織学的には、慢性非化膿性破壊性胆管炎が特徴で、胆管が炎症と共に破壊される。また、 類上皮肉芽腫という肉芽腫状の線維化が胆管周辺に形成される。

  • 3

    急性膵炎の原因と組織学的変化を説明しなさい。また、膵仮性嚢胞の発生機序について簡単に説明しなさい。

    急性膵炎は、胆石やアルコールが原因で膵液の流出が妨げられ、膵内圧上昇と膵酵素の活性化が引き起こさ れる。これにより自己消化性傷害が生じ、組織学的には脂肪壊死と間質出血が確認される。さらに、壊死し た膵臓組織が健康な組織に包まれ、膵仮性嚢胞が形成される。

  • 4

    膵粘液性嚢胞腫瘍と膵管内乳頭粘液性腫瘍の性差と好発部位、膵管との連続性について両 者 を比較して述べなさい。また、それぞれの組織所見について簡単に説明しなさい。

    膵粘液性嚢胞腫瘍は主に中年女性に見られ、膵体尾部に発生し、卵巣様間質が特徴となる。一方、膵管内乳 頭粘液性腫瘍は中高年男性に多く、膵頭部に発生し、膵管と連続し、粘液産生細胞の乳頭状増殖が特徴であ る。

  • 5

    慢性骨髄性白血病の骨髄像(骨髄 smear; Giemsa 染色)、遺伝子異常および治療について、 簡潔に述べよ。

    慢性骨髄性白血病では、骨髄像に全分化段階の骨髄球が確認され、特徴的なフィラデルフィア染色体による BCR/ABL 融合遺伝子が細胞増殖を促進する。治療としては、この異常なチロシンキナーゼを阻害する薬が用 いられ、CML の進行を抑制する。

  • 6

    多発性骨髄腫の骨髄像 (骨髄 smear; Giemsa 染色)、血液・尿から得られる蛋白分画法の所見および 4 大症状について、簡潔に述べよ。

    多発性骨髄腫は、骨髄像に偏在核や核周囲明庭を持つ形質細胞が特徴的で、血液や尿の蛋白分画法で軽鎖制限や M 蛋白が確認できる。また、形質細胞による連銭形成も見られる。この病態は、CRAB という高カルシウム血症、腎機能障害、貧血、骨病変という 4 つの症状により特徴づけられる。

  • 7

    濾胞性リンパ腫のリンパ節組織像、遺伝子異常について簡潔に述べよ。また、濾胞性リンパ腫がびまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫に形質転換する時に、遺伝子変化について簡潔に述べ よ。

    濾胞性リンパ腫は、結節性または濾胞状の増殖を特徴とし、t(14;18) 転座による BCL2 の異常発現が細胞のアポトーシス抑制を引き起こす。さらに、びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫への形質転換時には、cMYC や BCL6 の転座が生じ、これが細胞の異常な増殖と分化を導く。

  • 8

    消化管間質腫瘍 (Gastrointestinal stromal tumor; GIST) の好発臓器、典型的な肉眼所 見と組織所見に加えて、再発リスクの評価に重要な病理学的項目を述べなさい。さらに鑑別 となる疾患を少なくとも 2 つ挙げ、鑑別に有用な免疫組織化学マーカーを説明しなさい。

    胃に主に発生する GIST は、粘膜下腫瘤と紡錘形細胞の塊が特徴である。再発リスクは腫瘍径と核分裂像の数 に依存し、c-kit 陽性の場合は高まる。平滑筋腫や神経鞘腫との鑑別は、それぞれ Desmin や SMA、S-100 の免疫組織化学マーカーで行う。

  • 9

    進行胃癌の肉眼型の 4 つの分類を簡単に説明し、進行胃癌で最も多い肉眼型を述べなさい。 また、早期胃癌の定義を説明しなさい。

    進行胃癌は、腫瘤型、潰瘍限局型、潰瘍浸潤型、びまん浸潤型の 4 つの肉眼型に分類される。腫瘤型は塊を 形成し、潰瘍限局型は局所的な潰瘍、潰瘍浸潤型は広範な浸潤を伴う潰瘍、びまん浸潤型は全体が白色硬化する。最も多いのは潰瘍浸潤型である。早期胃癌は、癌が胃壁の粘膜と粘膜下層に限局する状態を指す。

  • 10

    潰瘍性大腸炎の病理学的特徴について、肉眼 (視鏡)) レベルと組織 (微鏡)) レベルに分けて説明しなさい。

    潰瘍性大腸炎は、肉眼的に炎症が腸全体に連続して広がり、びらんや潰瘍が観察される。組織学的には炎症 が粘膜と粘膜下層に限定され、粘膜固有層の拡大が見られる。特に、好中球性陰窩膿瘍が特徴的な所見である。

  • 11

    Crohn 病の病理学的特徴について、肉眼 (視鏡)) レベルと組織 (微鏡)) レベルに分けて説明しなさい。

    Crohn 病は、肉眼的に病変が非連続性で全腸に分散し、縦走潰瘍や敷石像が見られ、重症例では瘻孔も観察される。組織学的には、全層に及ぶ炎症と類上皮肉芽腫の形成が特徴的で、これは肉芽腫組織が上皮様に排列する特異的な所見である。

  • 12

    胸膜中皮腫の原因、肉眼像と組織学的な分類について説明せよ。

    胸膜中皮腫は、主にアスベスト曝露に起因し、胸膜の厚化や結節・腫瘤形成が見られる。組織学的には 3 型存在し、上皮型は細胞が整然と並び、肉腫型は細胞が不規則に並ぶ。混合型は上皮型と肉腫型の特徴を合わせ持つ。

  • 13

    非小細胞肺癌の代表例である扁平上皮癌と腺癌の組織像についてそれぞれ説明しなさい。

    扁平上皮癌は、細胞間橋と角化の特徴を持ち、細胞が層状に並ぶ。一方、腺癌は肺胞を置換するように成長し、腺構造を形成する。乳頭状の構造や粘液産生も特徴的で、これらは組織学的な観察により確認される。

  • 14

    サルコイドーシスについて代表的な胸部単純 X 線画像の所見と組織像を関連付けて説明せよ。また、サルコイドーシスは不整脈の原因にもなりうるが、考えられる病態を説明せよ。

    サルコイドーシスは、X 線画像での両側肺門縦隔リンパ節腫脹が特徴で、これは非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の多発が原因である。心臓への影響は、肉芽腫が特に房室結節に形成されると不整脈を引き起こし、これは心電伝導系の異常を招く。

  • 15

    アテローム硬化症の組織学的所見を述べよ。

    アテローム硬化症では、動脈の内膜に線維性肥厚が見られる。この肥厚部分は、脂質を貪食したマクロファージ(泡沫細胞)や平滑筋細胞、コレステリン結晶、線維組織などから成り立っている。これらの蓄積により、血管壁は硬化し、血流が阻害される。

  • 16

    結節性多発動脈炎の概要とその組織所見を説明しなさい。

    結節性多発動脈炎は、主に中等度の筋性動脈を侵す全身性の血管炎である。組織学的には、壊死性血管炎と呼ばれる特徴的な変化が見られ、血管壁にはフィブリノイド壊死が見られる。これにより、血管壁は厚くなり、血流が阻害される。

  • 17

    心筋梗塞発症後 24 時間後の組織所見を述べよ。

    心筋梗塞後 24 時間後の組織所見では、壊死した心筋細胞は好酸性に染まり、細胞の収縮帯が明瞭になる。また、壊死部位の周囲には好中球が浸潤し、炎症反応が見られる。これらの変化は、心筋細胞の壊死と炎症反応の進行を示している。

  • 18

    膜性腎症の組織所見を説明しなさい。

    膜性腎症は、光顕鏡下では基底膜の厚化が特徴的で、電子顕微鏡下では基底膜上にスパイク形成が見られる。免疫組織化学的には、基底膜に沿って IgG と補体 C3 の沈着が認められる。PAS 染色では、基底膜の厚化とスパイク形成が強調され、スパイク・アンド・ドームが観察される。

  • 19

    IgA 腎症の臨床経過と組織所見について述べよ。

    IgA 腎症は、反復する血尿や蛋白尿を特徴とする慢性糸球体腎炎である。組織学的には、メサンギウム領域の細胞増殖と基質増加が見られる。免疫組織化学的には、メサンギウム領域に IgA の沈着が特徴的で、これが診断の鍵となる。病態は進行性で、時間とともに腎機能が低下し、最終的には腎不全に至ることがある。

  • 20

    急性腎盂腎炎の最も頻度の高い感染経路と起炎菌を説明せよ。

    急性腎盂腎炎は、最も一般的な感染経路は尿路からの逆流である。特に、膀胱から尿管を経由して腎臓にバクテリアが上昇することで発症する。最も頻度の高い起炎菌はグラム陰性桿菌で、その中でも特に大腸菌が多くを占める。大腸菌は通常、腸内に存在するが、尿路に侵入すると感染症を引き起こす。

  • 21

    膵島における 1 型糖尿病と 2 型糖尿病の組織像の相違点を説明せよ。

    1 型糖尿病では、自己免疫反応により膵島の β 細胞が CD8 陽性 T リンパ球によって破壊され、組織像はリンパ球浸潤が特徴的である。一方、2 型糖尿病では β 細胞の数自体は保たれるが、インスリンの分泌機能が低下し、組織像ではアミロイドが膵島に沈着する。

  • 22

    甲状腺乳頭癌と腺腫様甲状腺腫を鑑別する際に有用な組織所見を述べよ。

    甲状腺乳頭癌の特徴的な組織所見は、すりガラス状核、核溝、核内偽封入体などである。これらは乳頭癌の細胞核特性で、良性の腺腫様甲状腺腫には見られない。腺腫様甲状腺腫は、一般的に均一な細胞構成と規則正しい形状を示す。

  • 23

    褐色細胞腫 Pheochromocytoma の 10% ルールについて説明せよ。

    褐色細胞腫の 10% ルールとは、10% は両側性に発生し、10% は悪性で、10% は副腎外に発生する、という考えである。これは、褐色細胞腫の一部が副腎以外の場所で見つかり、また一部が悪性化し、両側の副腎に影響を及ぼす可能性があることを示しています。

  • 24

    浸潤性神経膠腫 (astrocytoma) と乏突起膠腫 (oligodendroglioma) に特徴的な遺伝子変異について、共通点と相違点を説明せよ。

    浸潤性神経膠腫と乏突起膠腫は、共に IDH1 または IDH2 の変異を持つ。しかし、それぞれTP53の変異と1p/19q の共欠失という特徴がある。これらの遺伝子変異は、細胞の生命維持と周期調節に関与する。

  • 25

    Glioblastomaの形態的な特徴を述べよ。

    グリオブラストーマは、核異型 / 多形性や核分裂像により、速やかな細胞増殖と成長を示す。微小血管増殖像は新規血管形成を示唆し、柵状配列と壊死は病状の進行と予後を示す指標となる。

  • 26

    単純ヘルペス脳炎について、好発部位と組織像に言及して説明せよ。

    単純ヘルペス脳炎は、主に側頭葉を侵す感染症で、壊死性動脈炎と神経細胞の核内封入体が特徴的である。 壊死性動脈炎は動脈壁の壊死と炎症細胞の浸潤を示し、核内封入体はウイルスの再生産の証となる。