問題一覧
1
立ち出で給ふ
出かけなさる
2
帰し給ひて
帰しなさって
3
据ゑ奉りて行ふ
お据え申し上げておつとめしている
4
奉るめり
お供えしているようだ
5
いとなやましげに
たいそう苦しそうに
6
あて
上品
7
なかなか
かえって
8
清げなる大人二人ばかり
こざっぱりとした年輩の女房が二人ほど
9
十ばかりにやあらむ
十歳くらいであろうか
10
いみじく生ひ先見えて、うつくしげなるかたちなり。
たいそう成長していく先の美しさが今から想像されて、かわいらしい容貌だ。
11
顔は、いと赤くすりなして立てり。
顔は,真っ赤になるほどこすって立っている。
12
「何事ぞや。童べと腹立ち給へるか。」
何事ですか。子供たちと喧嘩をなさったのか。
13
少しおぼえたるところあれば、
少し似ているところがあるので、
14
とて、いとくちをしと思へり。
たいそう残念に思っている.
15
例の,心なしの、かかるわざをしてさいなまるるこそ、いと心づきなれ。
いつものようにうっかり者が 、こんな失敗をしでかして叱られるなんて、本当に気にくわない。
16
鳥などもこそ見つくれ。
鳥などが見つけたら大変だ。
17
この子の後見なるべし
この子の
18
いで、あなをさなや。
なんと、まぁ子供っぽいことよ。
19
何ともおぼしたらで、
なんともお思いにならないで
20
常に聞こゆるを、心憂く。
いつも申し上げているのに、なさけないことよ。
21
「こちや。」
「こちらへいらっしゃい。」
22
つらつきいとらうたげにて、
顔の様子はとても可愛らしげで
23
髪ざし
髪の生え具合
24
さるは、限りなう心を尽くし聞こゆる人に、いとよう似奉れるが、まもらるるなりけりと、思ふにも涙ぞ落つる。
それというのも実は、このうえもなくひたすらお慕い申し上げている人に、たいそうよく似申し上げているが、視線もおのずととまるのだなあと、思うにつけても涙が落ちるのだった。