令和4年度裁判所職員採用総合職試験
30問 • 1年前秦和久
1法の下の平等に関する次のア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア男性の定年年齢を60歳、女性の定年年齢を55歳と定める就業規則は、女性であることのみを理由として差別するものであり、性別による不合理な差別である。
イ父性の推定の重複を避けるために、女性についてのみ再婚禁止期間を100日と定める規定は、憲法第14条第1項に反する。
ウ我が国が法律婚主義を採った以上、家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたとしても、嫡出子と非嫡出子との間に別異の取扱いをするのはやむを得ず、非嫡出子の法定相続分を嫡出子の2分の1とすることは、法律婚の尊重と非嫡出子の保護の調整という合理的根拠を有し、憲法第14条第1項に反しない。
エ衆議院議員選挙における小選挙区の区割基準のうち一人別枠方式に係る部分は、選挙制度の変更に伴い人口の少ない県における定数が急激かつ大幅に削減されることに配慮した過渡的措置ではあるが、選挙制度が定着した後であっても、憲法の投票価値の平等の要求に反して違憲状態にあったとはいえない。
オ地方公務員の管理職選考試験の受験において、外国籍の職員の受験を拒否したことは、憲法第14条第1項に反しない。
1 ア、エ
2 ア、オ
3 イ、ウ
4 イ、オ
5 ウ、エ
2
2思想・良心の自由及び信教の自由に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア民法第723条にいう名誉の回復に適当な処分として謝罪広告を新聞紙等に掲載すべきことを加害者に命ずることは、それが単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明するにとどまる程度のものである場合であっても、加害者の倫理的な意思、良心の自由を侵害するものであるから、憲法第19条に違反する。
イ税理士会が、税理士に係る法令の制定改廃に関する要求を実現するため、政党等特定の政治団体に対して金員を寄付することは、税理士会の目的の範囲内の行為である。
ウ判例は、高等専門学校において、信仰上の理由によって剣道の必修実技の履修を拒否した学生に対して、正当な理由のない履修拒否と区別することなく、代替措置が不可能というわけでもないのに、代替措置について何ら検討することもなく、体育科目を不認定とした担当教員らの評価を受けて、原級留置処分をし、さらに、不認定の主たる理由及び全体成績について勘案することなく、2年続けて原級留置となったため退学処分をしたという校長の措置は、裁量権の範囲を超える違法なものであるとした。
ア イ ウ
1 誤 誤 正
2 誤 正 誤
3 正 誤 正
4 誤 正 正
5 正 正 誤
1
3居住・移転の自由、外国移住・国籍離脱の自由に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア憲法第22条は、我が国に在留する外国人について、外国へ一時旅行する自由を保障している。
イ憲法第22条第2項は、国籍離脱の自由を保障するが、その自由も他の国籍を有することが前提であり、無国籍になる自由を保障するものではない。
ウ憲法第22条は、日本人だけでなく、外国人についても入国の自由を保障している。
ア イ ウ
1 誤 正 正
2 誤 誤 誤
3 誤 正 誤
4 正 誤 正
5 正 正 誤
3
4職業選択の自由に関する記述として最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
1職業は、人が自己の生計を維持するためにする継続的活動であるから、経済的・社会的性質を有するものであり、個人の人格的発展と密接に関連する性質はもたない。
2司法書士以外の者が登記に関する手続の代理等の業務を行うことを禁止し、違反すれば処罰するとの規定は、資格制による不当な参入制限であり、公共の福祉に合致しないから、憲法第22条第1項に違反する。
3公衆浴場法による適正配置規制は、公衆浴場の偏在、濫立によって生ずる国民保健及び環境衛生上の弊害を防止する目的を有するが、公衆浴場業者の廃転業を防止し、安定した経営を確保する積極的、社会経済政策的な目的を持つことはない。
4職業選択の自由を規制する手段としては、届出制、許可制、資格制、特許制などがあるが、このうち、特許制は、主として国民の生命及び健康に対する危険を防止若しくは除去ないし緩和するために課せられる規制の典型例である。
5職業は、その選択、すなわち職業の開始、継続、廃止において自由であるばかりでなく、選択した職業の遂行自体、すなわちその職業活動の内容、態様においても、原則として自由であることが要請される。
5
5国会に関する次のア~エの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか。
ア国会が「唯一の立法機関」であるとは、法規という特定の内容の法規範を定立する実質的意味の立法は、専ら国会が定めなければならない趣旨であるから、国会が定めた法律の個別的・具体的な委任があったとしても、内閣が実質的意味の立法を政令で定めることはできない。
イ国会議員は、法律の定める場合を除いて、国会の会期中逮捕されないが、「法律の定める場合」とは、議員の所属する議院の許諾のある場合に限られる。
ウ国会議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われないが、この「責任」には、民事及び刑事上の責任が含まれる一方、政党が所属議員の発言や表決について、除名等の責任を問うことは含まれない。
エ各議院は、その議員の資格争訟の裁判権を有するが、これは議員の資格の有無に関する判断について議院の自律性を尊重する趣旨であるから、各議院における裁判について更に裁判所で争うことはできない。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、ウ
4 イ、エ
5 ウ、エ
5
6内閣に関する記述として最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
1内閣は、内閣総理大臣及びその他の国務大臣で組織される合議体であるが、国務大臣の過半数は、国会議員であるとともに、文民でなければならない。
2内閣総理大臣は、他の国務大臣と対等の地位にあるため、任意に国務大臣を罷免することはできない。
3内閣の権能の一つとして、最高裁判所長官その他の裁判官の任命権がある。
4内閣総理大臣は、閣議の決定が存在しない場合でも、少なくとも、内閣の明示の意思に反しない限り、行政各部に対し、随時、その所掌事務について一定の方向で処理するよう指導、助言等の指示を与える権限を有する。
5憲法第70条によれば、内閣総理大臣が欠けたときは内閣は総辞職をしなければならないが、この「内閣総理大臣が欠けたとき」とは、死亡した場合、国会議員たる地位を失った場合などのほか、病気や一時的な生死不明の場合を含む。
4
7裁判所に関する記述として最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
1最高裁判所裁判官の国民審査制度において、白票を罷免を可としない票に数えることは思想良心の自由に反する。
2非訟事件手続及び家事事件手続についても、憲法所定の例外の場合を除き公開の法廷における対審及び判決によってなされないならば、憲法第82条第1項に反する。
3憲法第82条第1項は、傍聴人に対して法廷でメモを取ることを権利として保障している。
4憲法第81条は、最高裁判所のみならず、下級裁判所も違憲審査権を有することを否定する趣旨を持つものではない。
5裁判官は、裁判により、回復の困難な心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合であっても、公の弾劾によらなければ罷免することができない。
4
8制限行為能力者に関する次のア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア成年被後見人がした行為であっても、日用品の購入は、取り消すことができない。
イ制限行為能力者のした契約について、制限行為能力者及びその法定代理人が取消権を有するときは、契約の相手方も取消権を有する。
ウ未成年者は、単に自身が未成年者であることを黙秘して契約を締結したにすぎないときは、その契約を取り消すことができる。
エ未成年者は、単に義務を免れる法律行為について、その法定代理人の同意を得ないとすることができない。
オ後見開始の審判は本人が請求することはできないが、保佐開始の審判及び補助開始の審判は本人も請求することができる。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、ウ
4 ウ、エ
5 ウ、オ
2
9条件及び期限に関する次のア~エの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
アAがBに対し「Bが今年甲大学に入学したら、入学金を贈与する。」と約束した場合、その約束の時点でBが今年甲大学に入学できないことが確定していたときも、Aは一旦はその贈与契約に基づく債務を負担する。
イAがBに対し「将来気が向いたら、私が所有する甲時計を贈与する。」と約束した場合、その贈与契約は無効である。
ウ条件が成就することによって利益を受ける当事者が、故意に条件を成就させた場合には、相手方は、条件が成就していないものとみなすことができる。
エ相殺の意思表示には、期限を付することができるが、条件を付することはできない。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、ウ
4 イ、エ
5 ウ、エ
3
10取得時効に関する次のア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、それが賃借の意思に基づくことが客観的に表現されているときは、土地賃借権の時効取得が可能である。
イ占有者がその占有開始時に目的物について他人の物であることを知らず、かつ、そのことについて過失がなくても、その後、占有継続中に他人の物であることを知った場合には、悪意の占有者として時効期間が計算される。
ウ時効取得を主張する相続人は、自己の占有のみを主張することも、被相続人の占有を併せて主張することもできる。
エ賃借人が、内心では所有の意思をもって占有している場合、その占有は自主占有となる。
オ他人の物を占有することが取得時効の要件であるから、所有権に基づいて不動産を占有していた場合には、取得時効は成立しない。
1 ア、ウ
2 ア、エ
3 イ、オ
4 ウ、エ
5 エ、オ
1
11時効に関する記述として最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
1所有権自体は消滅時効にかからないが、所有権に基づく返還請求権は、所有権から発生する独立の権利であるから、消滅時効にかかる。
2土地の所有権を時効取得すべき者から、土地上に同人が所有する建物を賃借している者は、土地の所有権の取得時効を援用することができる。
3A所有の不動産をBが占有し、取得時効が完成した後、登記を具備しないでいる間に、CがAから当該不動産を譲り受けて登記を経由した場合、Bは、Cに対し、当該不動産の時効による所有権取得を対抗することができる。
4消滅時効は、一定の期間権利を行使しないことによってその権利を失う制度であるから、債務者とされる者は時効の起算日以降に発生した遅延損害金について支払義務を負う。
5保証人が主債務に係る債権の消滅時効を援用しても、その効力は主債務者に及ばないが、主債務者が消滅時効を援用する場合、主債務だけでなく保証債務も消滅する。
5
12物権変動に関する次のア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア不特定物の売買においては、原則として、契約時に所有権移転の効力が生ずる。
イAが、Bに不動産を譲渡したが、所有権移転登記手続をしないまま死亡して唯一の相続人であるCが相続した場合において、Bは、Cに対し、所有権移転登記を具備していない以上、所有権を主張することはできない。
ウBが、Aから動産を買い受け、占有改定の方法で引渡しを受けたが、その後、CもAから当該動産を買い受け、占有改定の方法で引渡しを受けた場合、CがAのBに対する動産の売却について善意無過失であっても、Bは、当該動産の所有権をCに対抗することができる。
エAからBへ、BからCへ不動産が順次売買され、それぞれ所有権移転登記が行われたが、AB間及びBC間の所有権移転原因が無効であった場合に、Aは、CからAへ直接に所有権移転登記手続を請求することができる。
オ不動産の二重譲渡において、第二譲受人が背信的悪意者である場合、背信的悪意者は無権利者であるから、背信的悪意者からの譲受人は登記を備えたとしても、第一譲受人に対し不動産所有権の取得を対抗することはできない。
1 ア、イ
2 ア、オ
3 イ、ウ
4 ウ、エ
5 エ、オ
4
13所有権に関する記述として最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
1A所有の土地上に無権原でBが甲建物を所有し、B及びその妻Cが甲建物で同居していた場合に、Aは、Cに対し、土地所有権に基づく返還請求権としての建物退去土地明渡請求権を行使することができる。
2A所有の土地上に無権原でBが甲建物を所有し、BがこれをDに賃貸し、Dが甲建物に居住している場合、建物を占有しているのはDであるから、Aは、Bに対し、土地所有権に基づく返還請求権としての建物収去土地明渡請求権を行使することはできない。
3共有に係る建物を第三者に賃貸している場合、賃貸借契約の解除は、共有者全員の同意がない限り、することができない。
4A及びBが共有している土地について、Cが無断で占有している場合に、Aは、単独でCに対し建物収去土地明渡しを求める訴えを提起することはできない。
5A及びBが甲土地を共有している場合に、Bの持分についてC名義の不実の持分移転登記がなされた場合、Aは、Cに対し、自己の持分権に基づき、単独で当該持分移転登記の抹消登記手続を請求することができる。
5
14相殺に関する次のア~エの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア時効によって消滅した債権を自働債権とする相殺をするためには、消滅時効が援用された自働債権は、その消滅時効が援用される以前に受働債権と相殺適状にあったというだけでは足りず、その消滅時効期間が経過する以前に受働債権と相殺適状にあったことを要する。
イ賃料不払のため賃貸人が賃貸借契約を解除した後、賃借人が自働債権の存在を知って相殺の意思表示をし、賃料債務が遡って消滅した場合、賃貸人による上記解除は遡って無効となる。
ウAの債権者であるBは、AのCに対するX債権を差し押さえた。その後、CはAに対するY債権をDから取得したが、Y債権は差押え前の原因に基づいて生じたものであった。Cは、Y債権を自働債権、X債権を受働債権とする相殺をもってBに対抗することができる。
エAの債権とBの債権が令和3年10月1日に相殺適状になったが、相殺されていない状態で、Bの債権についてAが同年11月1日に弁済した場合、その後、Bは相殺をすることができない。
1 ア、イ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 イ、エ
5 ウ、エ
2
15連帯債権・連帯債務に関する次のア~エの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
アAとBがCに対して1000万円の連帯債権を有しており、分与を受ける割合はAとBで平等である。AがCに対して免除の意思表示をした場合、BはCに対して500万円を請求することができる。
イAとBがCに対して1000万円の連帯債務を負い、AとBの負担部分は同じである。CがAに対して債務の全部を免除した場合、CはBに対して1000万円を請求することができるが、BはAに対して求償することができない。
ウAとBがCに対して1000万円の連帯債権を有しており(分与を受ける割合は平等)、CがAに対して1000万円の債権を有している。CがAに対して相殺の意思表示をした場合、BはCに対して500万円を請求することができる。
エAとBがCに対して1000万円の連帯債務を負い(負担部分は平等)、AがCに対して1000万円の債権を有している。AがCに対して相殺の意思表示をした場合、CはBに対して1000万円を請求することができない。
1 ア、イ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 イ、エ
5 ウ、エ
2
16債権譲渡に関する記述として最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
1債権の譲渡を禁止し、または制限する意思表示があるときは、それに反してされた譲渡は無効であるが、債務者は譲渡制限特約について善意無過失である譲受人その他の第三者に対抗することができない。
2債務者対抗要件である債権譲渡の通知は、譲渡と同時にしなければならないものではなく、事前又は事後でもよい。ただし、事前の通知に債務者対抗要件としての効力が生じるのは実際に債権譲渡がされた時であり、事後の通知に債務者対抗要件としての効力が生じるのは当該通知がされた時である。
3Aは、Bから譲り受けたCに対するX債権を自働債権、CのAに対するY債権を受働債権として相殺の意思表示をした。その後、Cの債権者であるDがY債権を差し押さえた。Aは、Cに対して確定日付のある証書による通知をしていないが、上記の債権譲渡及びこれを前提とする相殺の効力をDに対抗できる。
4債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互の間の優劣は、通知又は承諾が到達するまでの事情如何によって左右されるべきではないから、確定日付のある通知が債務者に到達した日時又は確定日付のある債務者の承諾の日時の先後ではなく、通知又は承諾に付された確定日付の先後によって決すべきである。
5債務者が異議をとどめないで債権譲渡の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由について譲受人が悪意あるいは善意有過失でない限り、債務者はこれをもって譲受人に対抗することができない。
3
17債務不履行に関する次のア~エの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア安全配慮義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償債務は、損害が発生した時から遅滞に陥る。
イ債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した後に履行の請求を受けた時又はその期限の到来を知った時のいずれか早い時から遅滞の責任を負う。
ウ善意の受益者の不当利得返還債務は、債権者に損失が生じた時から遅滞に陥る。
エ返還時期の定めがない消費貸借契約において、貸主が相当期間を定めずに目的物の返還を催告したときは、借主は催告の時から相当期間を経過した後に遅滞の責任を負う。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、ウ
4 イ、エ
5 ウ、エ
4
18債務不履行を理由とする契約の解除に関する次のア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア債務の全部の履行が不能である場合、債権者が契約を解除するためには催告をする必要がある。
イ催告をして契約を解除する場合に相当期間を定めないでした催告は、催告時から客観的にみて相当期間が経過したとしても無効である。
ウ催告をして契約を解除する場合、相当期間経過時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、債権者は、契約を解除することができない。
エ解除の意思表示は、解除の理由を示す必要がある。
オ債務者の帰責事由は、契約を解除するための要件とされていない。
1 ア、イ
2 ア、オ
3 イ、エ
4 ウ、エ
5 ウ、オ5
19売買に関する次のア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア買主は、目的物の引渡しと同時に代金を支払うべき契約においては、目的物の引渡しを先に受けた場合でも、目的物の引渡しを受けた場所において代金を支払わなければならない。
イ売主は、代金の支払を受けるまでは、売主の責に帰すべき事由により目的物の引渡しを遅滞している場合でも、目的物を引き渡すまでこれを使用し果実を取得することができる。
ウ他人の土地の所有権を買主に移転するという債務が売主の責に帰すべき事由により履行不能となった場合、売買契約を締結した買主は、目的物である土地を売主が所有していないことを知っていたとしても、売主に対して損害賠償を請求することができる。
エ売買の目的物が契約の内容に適合しないものである場合、その契約の不適合につき売主の責に帰すべき事由がないときは、買主は、契約の解除及び損害賠償請求をすることができない。
オ買主が売主に対して売買の目的物の品質が契約の内容に適合しないことについての担保責任に基づいて契約の解除及び損害賠償を請求する場合、買主は売買契約が成立した時から1年以内にこれをしなければならない。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、ウ
4 イ、エ
5 ウ、オ
3
20不法行為による損害賠償債権に関する次のア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア不法行為による損害賠償債務は、不法行為の時に履行遅滞に陥る。
イ民法第724条第1号にいう被害者が損害を知った時とは、被害者が損害の発生の可能性を現実に認識した時をいう。
ウ民法第724条第1号にいう被害者が加害者を知った時とは、被害者が損害賠償を請求するべき相手方を知った時をいうから、使用者が民法第715条の責任を負う場合における当該使用者との関係では、被害者が直接の加害者である被用者を知った時がこれに当たる。
エ民法第724条第2号の期間制限は、加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に当初予想し得なかった損害が発生した場合でも、加害行為の時から起算される。
オ民法第724条各号の期間経過による法的効果は、当事者が援用した場合に限り、裁判所はこれを考慮することができる。
1 ア、ウ
2 ア、オ
3 イ、エ
4 イ、オ
5 エ、オ
(参照条文)民法
第724条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。
4
21被害者の承諾(同意)に関する次のア~ウの正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア甲は、Vを脅迫してその意思を抑圧した上で、「殴っていいよ」と言わせて、Vを殴って暴行を加えた。この場合、甲の暴行行為は、Vの承諾により違法性が阻却される。
イ甲は、Vの腕を手で殴ることについてVから承諾を得たものの、手ではなく金属バットで、Vの腕を殴った。この場合、金属バットで殴ることについての承諾はないから、甲の暴行行為は、違法性が阻却されない。
ウ甲は、手でVの顔面を殴り、軽度の傷害を負わせたが、その傷害結果が発生した後に、手で顔面を殴ることについてVの承諾を得た。この場合、甲の暴行行為は、Vの承諾により違法性が阻却される。
ア イ ウ
1 誤 正 誤
2 正 誤 正
3 正 正 誤
4 正 正 正
5 誤 誤 正
1
22正当防衛に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア正当防衛が認められる場合には、その刑を減軽又は免除しなければならない。
イ法益の侵害があらかじめ予期された場合、事前に何かしらの対抗手段を講ずることが可能だから、その侵害に対する対抗行為について、正当防衛は成立しない。
ウ「急迫不正の侵害」の「不正」とは、違法を意味するため、正当防衛行為に対する正当防衛は成立しないが、過剰防衛行為に対する正当防衛は成立する。
ア イ ウ
1 正 正 正
2 正 誤 正
3 誤 誤 正
4 正 正 誤
5 誤 正 誤3
23教唆犯及び幇助犯に関する記述として最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
1教唆犯を教唆した者は処罰されない。
2教唆犯に対しては、正犯の刑を科し、幇助犯に対しては、従犯の刑を科する。
3甲が乙に対し、窃盗を唆し、乙は窃盗を実行する気持ちになったが、結局、窃盗を実行しなかった。甲には、窃盗の教唆未遂罪が成立する。
4乙は金品窃取後、甲に対し、その金品を甲宅に隠匿するようお願いし、甲は、それに応じた。甲には、窃盗の幇助罪が成立する。
5甲は、既に窃盗の実行を決意していた乙に対し、さらに、窃盗の実行を唆した。甲には、窃盗の教唆罪が成立する。
2
24責任能力に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア責任能力は実行行為時に存在しなければならないから、実行行為時に心神喪失状態であれば、心神喪失状態に陥った原因を自ら作出した場合であっても、責任能力が否定され、処罰することができない。
イ事理弁識能力及び行動制御能力のいずれか一方を欠いていれば、他方の能力の程度いかんを問わず、心神喪失状態であるといえる。
ウ心神喪失又は心神耗弱に該当するかどうかの判断は法律判断であり、究極的には精神科医ではなく裁判所が判断すべきものである。
ア イ ウ
1 正 正 誤
2 正 誤 誤
3 誤 正 正
4 誤 誤 正
5 誤 誤 誤
3
25錯誤に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア甲は、覚醒剤を輸入するつもりで麻薬を輸入した。覚醒剤と麻薬では薬物の効果や取締りの目的等が大きく異なるから、構成要件の重なり合いは認められず、甲には麻薬輸入罪の故意は認められない。
イ甲が乙に対し、A家での窃盗を教唆したところ、乙が隣のB家をA家と間違えて窃盗を実行した場合、甲にはB家で窃盗をする認識はないから、故意が認められず、窃盗罪の教唆は成立しない。
ウ甲が、乙を殺害する目的で拳銃を発砲したところ、銃弾が乙を貫き偶然近くにいた丙にも命中し、乙も丙も死亡した場合、甲には、乙に対する殺人罪だけでなく、丙に対する殺人罪も成立する。
ア イ ウ
1 正 正 誤
2 正 誤 誤
3 誤 正 正
4 誤 誤 正
5 誤 正 誤
4
26次の事案における甲の罪責について最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
<事案>
甲は、乙から、乙が丙に対して貸していた100万円の回収を依頼され、実際に丙から現金100万円を回収し、乙のために保管していたが、乙に秘して、かかる100万円を自己の借金の返済のために費消した。その後、甲は、乙から100万円の返還を要求されたが、まだ丙から回収できていない旨嘘をつき、100万円の返還を免れた。
1 横領罪
2 一項詐欺罪
3 背任罪
4 横領罪及び一項詐欺罪
5 背任罪及び一項詐欺罪
1
27次の事案における甲の罪責について最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
<事案>
甲は、代金を支払うつもりで、レストランに入店し、飲食物を注文して食事をした後、財布を家に忘れてきたことに気付いた。そこで、甲は、飲食代金を踏み倒そうと考え、店員乙の様子を窺っていたところ、たまたま乙がその場を離れたので、その隙に、代金を支払うことなく逃走した。
1 一項詐欺罪
2 二項詐欺罪
3 二項詐欺未遂罪
4 窃盗罪
5 犯罪は成立しない
5
28強盗の罪に関する次のア~エの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア金品を強奪するため、殺意をもって相手の腹部を包丁で刺した者が、相手を死亡させてから、金品を奪取したときには、強盗殺人罪のみが成立する。
イ強盗に使用する目的で凶器を携えて百貨店内を徘徊していた者が、呼び止めてきた警備員に対し凶器を振り回しながら逃走し、同人を負傷させたときには、強盗致傷罪が成立する。
ウ強盗罪を犯した者が強制性交等罪を犯したときのみならず、強制性交等罪を犯した者が強盗罪を犯したときでも、強盗・強制性交等罪が成立する。
エ強盗罪と強制性交等罪が別個の機会に行われたときでも、強盗・強制性交等罪が成立する。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、ウ
4 イ、エ
5 ウ、エ
2
29人の身体に対する罪に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア暴行罪が、単に「暴行を加えた者」と規定せず、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」と規定していることに照らせば、暴行罪における「暴行」とは、傷害の結果を惹き起こす程度のものでなければならない。
イ暴行罪における「暴行」は、人の身体への接触を要しないので、狭い室内で脅かすために日本刀を振り回す行為も暴行罪における「暴行」にあたる。
ウ傷害罪が客体として規定する「人の身体」には精神的機能を含まないので、精神的障害は傷害に含まれない。
ア イ ウ
1 正 正 正
2 正 正 誤
3 誤 誤 正
4 誤 正 誤
5 誤 誤 誤
4
30横領罪に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア金銭の所有と占有は一致するという民法上の原則にかかわらず、使途を限定されて金銭を寄託された受託者は、特別の事情がない限り、横領罪にいう「他人の物」を占有する者に当たる。
イ横領罪における「占有」とは、物に対して事実上の支配力を有する状態のほか、物に対して法律上の支配力を有する状態も含む。
ウ他人から預かり保管中の動産について、所有者の承諾なく第三者に売却する意思表示をしたものの、代金を受け取っていない時点においては、横領未遂罪が成立する。
ア イ ウ
1 正 正 誤
2 正 正 正
3 正 誤 正
4 誤 正 正
5 誤 正 誤
1
1法の下の平等に関する次のア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア男性の定年年齢を60歳、女性の定年年齢を55歳と定める就業規則は、女性であることのみを理由として差別するものであり、性別による不合理な差別である。
イ父性の推定の重複を避けるために、女性についてのみ再婚禁止期間を100日と定める規定は、憲法第14条第1項に反する。
ウ我が国が法律婚主義を採った以上、家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたとしても、嫡出子と非嫡出子との間に別異の取扱いをするのはやむを得ず、非嫡出子の法定相続分を嫡出子の2分の1とすることは、法律婚の尊重と非嫡出子の保護の調整という合理的根拠を有し、憲法第14条第1項に反しない。
エ衆議院議員選挙における小選挙区の区割基準のうち一人別枠方式に係る部分は、選挙制度の変更に伴い人口の少ない県における定数が急激かつ大幅に削減されることに配慮した過渡的措置ではあるが、選挙制度が定着した後であっても、憲法の投票価値の平等の要求に反して違憲状態にあったとはいえない。
オ地方公務員の管理職選考試験の受験において、外国籍の職員の受験を拒否したことは、憲法第14条第1項に反しない。
1 ア、エ
2 ア、オ
3 イ、ウ
4 イ、オ
5 ウ、エ
2
2思想・良心の自由及び信教の自由に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア民法第723条にいう名誉の回復に適当な処分として謝罪広告を新聞紙等に掲載すべきことを加害者に命ずることは、それが単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明するにとどまる程度のものである場合であっても、加害者の倫理的な意思、良心の自由を侵害するものであるから、憲法第19条に違反する。
イ税理士会が、税理士に係る法令の制定改廃に関する要求を実現するため、政党等特定の政治団体に対して金員を寄付することは、税理士会の目的の範囲内の行為である。
ウ判例は、高等専門学校において、信仰上の理由によって剣道の必修実技の履修を拒否した学生に対して、正当な理由のない履修拒否と区別することなく、代替措置が不可能というわけでもないのに、代替措置について何ら検討することもなく、体育科目を不認定とした担当教員らの評価を受けて、原級留置処分をし、さらに、不認定の主たる理由及び全体成績について勘案することなく、2年続けて原級留置となったため退学処分をしたという校長の措置は、裁量権の範囲を超える違法なものであるとした。
ア イ ウ
1 誤 誤 正
2 誤 正 誤
3 正 誤 正
4 誤 正 正
5 正 正 誤
1
3居住・移転の自由、外国移住・国籍離脱の自由に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア憲法第22条は、我が国に在留する外国人について、外国へ一時旅行する自由を保障している。
イ憲法第22条第2項は、国籍離脱の自由を保障するが、その自由も他の国籍を有することが前提であり、無国籍になる自由を保障するものではない。
ウ憲法第22条は、日本人だけでなく、外国人についても入国の自由を保障している。
ア イ ウ
1 誤 正 正
2 誤 誤 誤
3 誤 正 誤
4 正 誤 正
5 正 正 誤
3
4職業選択の自由に関する記述として最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
1職業は、人が自己の生計を維持するためにする継続的活動であるから、経済的・社会的性質を有するものであり、個人の人格的発展と密接に関連する性質はもたない。
2司法書士以外の者が登記に関する手続の代理等の業務を行うことを禁止し、違反すれば処罰するとの規定は、資格制による不当な参入制限であり、公共の福祉に合致しないから、憲法第22条第1項に違反する。
3公衆浴場法による適正配置規制は、公衆浴場の偏在、濫立によって生ずる国民保健及び環境衛生上の弊害を防止する目的を有するが、公衆浴場業者の廃転業を防止し、安定した経営を確保する積極的、社会経済政策的な目的を持つことはない。
4職業選択の自由を規制する手段としては、届出制、許可制、資格制、特許制などがあるが、このうち、特許制は、主として国民の生命及び健康に対する危険を防止若しくは除去ないし緩和するために課せられる規制の典型例である。
5職業は、その選択、すなわち職業の開始、継続、廃止において自由であるばかりでなく、選択した職業の遂行自体、すなわちその職業活動の内容、態様においても、原則として自由であることが要請される。
5
5国会に関する次のア~エの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか。
ア国会が「唯一の立法機関」であるとは、法規という特定の内容の法規範を定立する実質的意味の立法は、専ら国会が定めなければならない趣旨であるから、国会が定めた法律の個別的・具体的な委任があったとしても、内閣が実質的意味の立法を政令で定めることはできない。
イ国会議員は、法律の定める場合を除いて、国会の会期中逮捕されないが、「法律の定める場合」とは、議員の所属する議院の許諾のある場合に限られる。
ウ国会議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われないが、この「責任」には、民事及び刑事上の責任が含まれる一方、政党が所属議員の発言や表決について、除名等の責任を問うことは含まれない。
エ各議院は、その議員の資格争訟の裁判権を有するが、これは議員の資格の有無に関する判断について議院の自律性を尊重する趣旨であるから、各議院における裁判について更に裁判所で争うことはできない。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、ウ
4 イ、エ
5 ウ、エ
5
6内閣に関する記述として最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
1内閣は、内閣総理大臣及びその他の国務大臣で組織される合議体であるが、国務大臣の過半数は、国会議員であるとともに、文民でなければならない。
2内閣総理大臣は、他の国務大臣と対等の地位にあるため、任意に国務大臣を罷免することはできない。
3内閣の権能の一つとして、最高裁判所長官その他の裁判官の任命権がある。
4内閣総理大臣は、閣議の決定が存在しない場合でも、少なくとも、内閣の明示の意思に反しない限り、行政各部に対し、随時、その所掌事務について一定の方向で処理するよう指導、助言等の指示を与える権限を有する。
5憲法第70条によれば、内閣総理大臣が欠けたときは内閣は総辞職をしなければならないが、この「内閣総理大臣が欠けたとき」とは、死亡した場合、国会議員たる地位を失った場合などのほか、病気や一時的な生死不明の場合を含む。
4
7裁判所に関する記述として最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
1最高裁判所裁判官の国民審査制度において、白票を罷免を可としない票に数えることは思想良心の自由に反する。
2非訟事件手続及び家事事件手続についても、憲法所定の例外の場合を除き公開の法廷における対審及び判決によってなされないならば、憲法第82条第1項に反する。
3憲法第82条第1項は、傍聴人に対して法廷でメモを取ることを権利として保障している。
4憲法第81条は、最高裁判所のみならず、下級裁判所も違憲審査権を有することを否定する趣旨を持つものではない。
5裁判官は、裁判により、回復の困難な心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合であっても、公の弾劾によらなければ罷免することができない。
4
8制限行為能力者に関する次のア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア成年被後見人がした行為であっても、日用品の購入は、取り消すことができない。
イ制限行為能力者のした契約について、制限行為能力者及びその法定代理人が取消権を有するときは、契約の相手方も取消権を有する。
ウ未成年者は、単に自身が未成年者であることを黙秘して契約を締結したにすぎないときは、その契約を取り消すことができる。
エ未成年者は、単に義務を免れる法律行為について、その法定代理人の同意を得ないとすることができない。
オ後見開始の審判は本人が請求することはできないが、保佐開始の審判及び補助開始の審判は本人も請求することができる。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、ウ
4 ウ、エ
5 ウ、オ
2
9条件及び期限に関する次のア~エの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
アAがBに対し「Bが今年甲大学に入学したら、入学金を贈与する。」と約束した場合、その約束の時点でBが今年甲大学に入学できないことが確定していたときも、Aは一旦はその贈与契約に基づく債務を負担する。
イAがBに対し「将来気が向いたら、私が所有する甲時計を贈与する。」と約束した場合、その贈与契約は無効である。
ウ条件が成就することによって利益を受ける当事者が、故意に条件を成就させた場合には、相手方は、条件が成就していないものとみなすことができる。
エ相殺の意思表示には、期限を付することができるが、条件を付することはできない。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、ウ
4 イ、エ
5 ウ、エ
3
10取得時効に関する次のア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、それが賃借の意思に基づくことが客観的に表現されているときは、土地賃借権の時効取得が可能である。
イ占有者がその占有開始時に目的物について他人の物であることを知らず、かつ、そのことについて過失がなくても、その後、占有継続中に他人の物であることを知った場合には、悪意の占有者として時効期間が計算される。
ウ時効取得を主張する相続人は、自己の占有のみを主張することも、被相続人の占有を併せて主張することもできる。
エ賃借人が、内心では所有の意思をもって占有している場合、その占有は自主占有となる。
オ他人の物を占有することが取得時効の要件であるから、所有権に基づいて不動産を占有していた場合には、取得時効は成立しない。
1 ア、ウ
2 ア、エ
3 イ、オ
4 ウ、エ
5 エ、オ
1
11時効に関する記述として最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
1所有権自体は消滅時効にかからないが、所有権に基づく返還請求権は、所有権から発生する独立の権利であるから、消滅時効にかかる。
2土地の所有権を時効取得すべき者から、土地上に同人が所有する建物を賃借している者は、土地の所有権の取得時効を援用することができる。
3A所有の不動産をBが占有し、取得時効が完成した後、登記を具備しないでいる間に、CがAから当該不動産を譲り受けて登記を経由した場合、Bは、Cに対し、当該不動産の時効による所有権取得を対抗することができる。
4消滅時効は、一定の期間権利を行使しないことによってその権利を失う制度であるから、債務者とされる者は時効の起算日以降に発生した遅延損害金について支払義務を負う。
5保証人が主債務に係る債権の消滅時効を援用しても、その効力は主債務者に及ばないが、主債務者が消滅時効を援用する場合、主債務だけでなく保証債務も消滅する。
5
12物権変動に関する次のア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア不特定物の売買においては、原則として、契約時に所有権移転の効力が生ずる。
イAが、Bに不動産を譲渡したが、所有権移転登記手続をしないまま死亡して唯一の相続人であるCが相続した場合において、Bは、Cに対し、所有権移転登記を具備していない以上、所有権を主張することはできない。
ウBが、Aから動産を買い受け、占有改定の方法で引渡しを受けたが、その後、CもAから当該動産を買い受け、占有改定の方法で引渡しを受けた場合、CがAのBに対する動産の売却について善意無過失であっても、Bは、当該動産の所有権をCに対抗することができる。
エAからBへ、BからCへ不動産が順次売買され、それぞれ所有権移転登記が行われたが、AB間及びBC間の所有権移転原因が無効であった場合に、Aは、CからAへ直接に所有権移転登記手続を請求することができる。
オ不動産の二重譲渡において、第二譲受人が背信的悪意者である場合、背信的悪意者は無権利者であるから、背信的悪意者からの譲受人は登記を備えたとしても、第一譲受人に対し不動産所有権の取得を対抗することはできない。
1 ア、イ
2 ア、オ
3 イ、ウ
4 ウ、エ
5 エ、オ
4
13所有権に関する記述として最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
1A所有の土地上に無権原でBが甲建物を所有し、B及びその妻Cが甲建物で同居していた場合に、Aは、Cに対し、土地所有権に基づく返還請求権としての建物退去土地明渡請求権を行使することができる。
2A所有の土地上に無権原でBが甲建物を所有し、BがこれをDに賃貸し、Dが甲建物に居住している場合、建物を占有しているのはDであるから、Aは、Bに対し、土地所有権に基づく返還請求権としての建物収去土地明渡請求権を行使することはできない。
3共有に係る建物を第三者に賃貸している場合、賃貸借契約の解除は、共有者全員の同意がない限り、することができない。
4A及びBが共有している土地について、Cが無断で占有している場合に、Aは、単独でCに対し建物収去土地明渡しを求める訴えを提起することはできない。
5A及びBが甲土地を共有している場合に、Bの持分についてC名義の不実の持分移転登記がなされた場合、Aは、Cに対し、自己の持分権に基づき、単独で当該持分移転登記の抹消登記手続を請求することができる。
5
14相殺に関する次のア~エの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア時効によって消滅した債権を自働債権とする相殺をするためには、消滅時効が援用された自働債権は、その消滅時効が援用される以前に受働債権と相殺適状にあったというだけでは足りず、その消滅時効期間が経過する以前に受働債権と相殺適状にあったことを要する。
イ賃料不払のため賃貸人が賃貸借契約を解除した後、賃借人が自働債権の存在を知って相殺の意思表示をし、賃料債務が遡って消滅した場合、賃貸人による上記解除は遡って無効となる。
ウAの債権者であるBは、AのCに対するX債権を差し押さえた。その後、CはAに対するY債権をDから取得したが、Y債権は差押え前の原因に基づいて生じたものであった。Cは、Y債権を自働債権、X債権を受働債権とする相殺をもってBに対抗することができる。
エAの債権とBの債権が令和3年10月1日に相殺適状になったが、相殺されていない状態で、Bの債権についてAが同年11月1日に弁済した場合、その後、Bは相殺をすることができない。
1 ア、イ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 イ、エ
5 ウ、エ
2
15連帯債権・連帯債務に関する次のア~エの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
アAとBがCに対して1000万円の連帯債権を有しており、分与を受ける割合はAとBで平等である。AがCに対して免除の意思表示をした場合、BはCに対して500万円を請求することができる。
イAとBがCに対して1000万円の連帯債務を負い、AとBの負担部分は同じである。CがAに対して債務の全部を免除した場合、CはBに対して1000万円を請求することができるが、BはAに対して求償することができない。
ウAとBがCに対して1000万円の連帯債権を有しており(分与を受ける割合は平等)、CがAに対して1000万円の債権を有している。CがAに対して相殺の意思表示をした場合、BはCに対して500万円を請求することができる。
エAとBがCに対して1000万円の連帯債務を負い(負担部分は平等)、AがCに対して1000万円の債権を有している。AがCに対して相殺の意思表示をした場合、CはBに対して1000万円を請求することができない。
1 ア、イ
2 ア、エ
3 イ、ウ
4 イ、エ
5 ウ、エ
2
16債権譲渡に関する記述として最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
1債権の譲渡を禁止し、または制限する意思表示があるときは、それに反してされた譲渡は無効であるが、債務者は譲渡制限特約について善意無過失である譲受人その他の第三者に対抗することができない。
2債務者対抗要件である債権譲渡の通知は、譲渡と同時にしなければならないものではなく、事前又は事後でもよい。ただし、事前の通知に債務者対抗要件としての効力が生じるのは実際に債権譲渡がされた時であり、事後の通知に債務者対抗要件としての効力が生じるのは当該通知がされた時である。
3Aは、Bから譲り受けたCに対するX債権を自働債権、CのAに対するY債権を受働債権として相殺の意思表示をした。その後、Cの債権者であるDがY債権を差し押さえた。Aは、Cに対して確定日付のある証書による通知をしていないが、上記の債権譲渡及びこれを前提とする相殺の効力をDに対抗できる。
4債権が二重に譲渡された場合、譲受人相互の間の優劣は、通知又は承諾が到達するまでの事情如何によって左右されるべきではないから、確定日付のある通知が債務者に到達した日時又は確定日付のある債務者の承諾の日時の先後ではなく、通知又は承諾に付された確定日付の先後によって決すべきである。
5債務者が異議をとどめないで債権譲渡の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由について譲受人が悪意あるいは善意有過失でない限り、債務者はこれをもって譲受人に対抗することができない。
3
17債務不履行に関する次のア~エの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア安全配慮義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償債務は、損害が発生した時から遅滞に陥る。
イ債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した後に履行の請求を受けた時又はその期限の到来を知った時のいずれか早い時から遅滞の責任を負う。
ウ善意の受益者の不当利得返還債務は、債権者に損失が生じた時から遅滞に陥る。
エ返還時期の定めがない消費貸借契約において、貸主が相当期間を定めずに目的物の返還を催告したときは、借主は催告の時から相当期間を経過した後に遅滞の責任を負う。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、ウ
4 イ、エ
5 ウ、エ
4
18債務不履行を理由とする契約の解除に関する次のア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア債務の全部の履行が不能である場合、債権者が契約を解除するためには催告をする必要がある。
イ催告をして契約を解除する場合に相当期間を定めないでした催告は、催告時から客観的にみて相当期間が経過したとしても無効である。
ウ催告をして契約を解除する場合、相当期間経過時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、債権者は、契約を解除することができない。
エ解除の意思表示は、解除の理由を示す必要がある。
オ債務者の帰責事由は、契約を解除するための要件とされていない。
1 ア、イ
2 ア、オ
3 イ、エ
4 ウ、エ
5 ウ、オ5
19売買に関する次のア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア買主は、目的物の引渡しと同時に代金を支払うべき契約においては、目的物の引渡しを先に受けた場合でも、目的物の引渡しを受けた場所において代金を支払わなければならない。
イ売主は、代金の支払を受けるまでは、売主の責に帰すべき事由により目的物の引渡しを遅滞している場合でも、目的物を引き渡すまでこれを使用し果実を取得することができる。
ウ他人の土地の所有権を買主に移転するという債務が売主の責に帰すべき事由により履行不能となった場合、売買契約を締結した買主は、目的物である土地を売主が所有していないことを知っていたとしても、売主に対して損害賠償を請求することができる。
エ売買の目的物が契約の内容に適合しないものである場合、その契約の不適合につき売主の責に帰すべき事由がないときは、買主は、契約の解除及び損害賠償請求をすることができない。
オ買主が売主に対して売買の目的物の品質が契約の内容に適合しないことについての担保責任に基づいて契約の解除及び損害賠償を請求する場合、買主は売買契約が成立した時から1年以内にこれをしなければならない。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、ウ
4 イ、エ
5 ウ、オ
3
20不法行為による損害賠償債権に関する次のア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア不法行為による損害賠償債務は、不法行為の時に履行遅滞に陥る。
イ民法第724条第1号にいう被害者が損害を知った時とは、被害者が損害の発生の可能性を現実に認識した時をいう。
ウ民法第724条第1号にいう被害者が加害者を知った時とは、被害者が損害賠償を請求するべき相手方を知った時をいうから、使用者が民法第715条の責任を負う場合における当該使用者との関係では、被害者が直接の加害者である被用者を知った時がこれに当たる。
エ民法第724条第2号の期間制限は、加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に当初予想し得なかった損害が発生した場合でも、加害行為の時から起算される。
オ民法第724条各号の期間経過による法的効果は、当事者が援用した場合に限り、裁判所はこれを考慮することができる。
1 ア、ウ
2 ア、オ
3 イ、エ
4 イ、オ
5 エ、オ
(参照条文)民法
第724条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。
4
21被害者の承諾(同意)に関する次のア~ウの正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア甲は、Vを脅迫してその意思を抑圧した上で、「殴っていいよ」と言わせて、Vを殴って暴行を加えた。この場合、甲の暴行行為は、Vの承諾により違法性が阻却される。
イ甲は、Vの腕を手で殴ることについてVから承諾を得たものの、手ではなく金属バットで、Vの腕を殴った。この場合、金属バットで殴ることについての承諾はないから、甲の暴行行為は、違法性が阻却されない。
ウ甲は、手でVの顔面を殴り、軽度の傷害を負わせたが、その傷害結果が発生した後に、手で顔面を殴ることについてVの承諾を得た。この場合、甲の暴行行為は、Vの承諾により違法性が阻却される。
ア イ ウ
1 誤 正 誤
2 正 誤 正
3 正 正 誤
4 正 正 正
5 誤 誤 正
1
22正当防衛に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア正当防衛が認められる場合には、その刑を減軽又は免除しなければならない。
イ法益の侵害があらかじめ予期された場合、事前に何かしらの対抗手段を講ずることが可能だから、その侵害に対する対抗行為について、正当防衛は成立しない。
ウ「急迫不正の侵害」の「不正」とは、違法を意味するため、正当防衛行為に対する正当防衛は成立しないが、過剰防衛行為に対する正当防衛は成立する。
ア イ ウ
1 正 正 正
2 正 誤 正
3 誤 誤 正
4 正 正 誤
5 誤 正 誤3
23教唆犯及び幇助犯に関する記述として最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
1教唆犯を教唆した者は処罰されない。
2教唆犯に対しては、正犯の刑を科し、幇助犯に対しては、従犯の刑を科する。
3甲が乙に対し、窃盗を唆し、乙は窃盗を実行する気持ちになったが、結局、窃盗を実行しなかった。甲には、窃盗の教唆未遂罪が成立する。
4乙は金品窃取後、甲に対し、その金品を甲宅に隠匿するようお願いし、甲は、それに応じた。甲には、窃盗の幇助罪が成立する。
5甲は、既に窃盗の実行を決意していた乙に対し、さらに、窃盗の実行を唆した。甲には、窃盗の教唆罪が成立する。
2
24責任能力に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア責任能力は実行行為時に存在しなければならないから、実行行為時に心神喪失状態であれば、心神喪失状態に陥った原因を自ら作出した場合であっても、責任能力が否定され、処罰することができない。
イ事理弁識能力及び行動制御能力のいずれか一方を欠いていれば、他方の能力の程度いかんを問わず、心神喪失状態であるといえる。
ウ心神喪失又は心神耗弱に該当するかどうかの判断は法律判断であり、究極的には精神科医ではなく裁判所が判断すべきものである。
ア イ ウ
1 正 正 誤
2 正 誤 誤
3 誤 正 正
4 誤 誤 正
5 誤 誤 誤
3
25錯誤に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア甲は、覚醒剤を輸入するつもりで麻薬を輸入した。覚醒剤と麻薬では薬物の効果や取締りの目的等が大きく異なるから、構成要件の重なり合いは認められず、甲には麻薬輸入罪の故意は認められない。
イ甲が乙に対し、A家での窃盗を教唆したところ、乙が隣のB家をA家と間違えて窃盗を実行した場合、甲にはB家で窃盗をする認識はないから、故意が認められず、窃盗罪の教唆は成立しない。
ウ甲が、乙を殺害する目的で拳銃を発砲したところ、銃弾が乙を貫き偶然近くにいた丙にも命中し、乙も丙も死亡した場合、甲には、乙に対する殺人罪だけでなく、丙に対する殺人罪も成立する。
ア イ ウ
1 正 正 誤
2 正 誤 誤
3 誤 正 正
4 誤 誤 正
5 誤 正 誤
4
26次の事案における甲の罪責について最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
<事案>
甲は、乙から、乙が丙に対して貸していた100万円の回収を依頼され、実際に丙から現金100万円を回収し、乙のために保管していたが、乙に秘して、かかる100万円を自己の借金の返済のために費消した。その後、甲は、乙から100万円の返還を要求されたが、まだ丙から回収できていない旨嘘をつき、100万円の返還を免れた。
1 横領罪
2 一項詐欺罪
3 背任罪
4 横領罪及び一項詐欺罪
5 背任罪及び一項詐欺罪
1
27次の事案における甲の罪責について最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
<事案>
甲は、代金を支払うつもりで、レストランに入店し、飲食物を注文して食事をした後、財布を家に忘れてきたことに気付いた。そこで、甲は、飲食代金を踏み倒そうと考え、店員乙の様子を窺っていたところ、たまたま乙がその場を離れたので、その隙に、代金を支払うことなく逃走した。
1 一項詐欺罪
2 二項詐欺罪
3 二項詐欺未遂罪
4 窃盗罪
5 犯罪は成立しない
5
28強盗の罪に関する次のア~エの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア金品を強奪するため、殺意をもって相手の腹部を包丁で刺した者が、相手を死亡させてから、金品を奪取したときには、強盗殺人罪のみが成立する。
イ強盗に使用する目的で凶器を携えて百貨店内を徘徊していた者が、呼び止めてきた警備員に対し凶器を振り回しながら逃走し、同人を負傷させたときには、強盗致傷罪が成立する。
ウ強盗罪を犯した者が強制性交等罪を犯したときのみならず、強制性交等罪を犯した者が強盗罪を犯したときでも、強盗・強制性交等罪が成立する。
エ強盗罪と強制性交等罪が別個の機会に行われたときでも、強盗・強制性交等罪が成立する。
1 ア、イ
2 ア、ウ
3 イ、ウ
4 イ、エ
5 ウ、エ
2
29人の身体に対する罪に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア暴行罪が、単に「暴行を加えた者」と規定せず、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」と規定していることに照らせば、暴行罪における「暴行」とは、傷害の結果を惹き起こす程度のものでなければならない。
イ暴行罪における「暴行」は、人の身体への接触を要しないので、狭い室内で脅かすために日本刀を振り回す行為も暴行罪における「暴行」にあたる。
ウ傷害罪が客体として規定する「人の身体」には精神的機能を含まないので、精神的障害は傷害に含まれない。
ア イ ウ
1 正 正 正
2 正 正 誤
3 誤 誤 正
4 誤 正 誤
5 誤 誤 誤
4
30横領罪に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは、判例の見解による。)。
ア金銭の所有と占有は一致するという民法上の原則にかかわらず、使途を限定されて金銭を寄託された受託者は、特別の事情がない限り、横領罪にいう「他人の物」を占有する者に当たる。
イ横領罪における「占有」とは、物に対して事実上の支配力を有する状態のほか、物に対して法律上の支配力を有する状態も含む。
ウ他人から預かり保管中の動産について、所有者の承諾なく第三者に売却する意思表示をしたものの、代金を受け取っていない時点においては、横領未遂罪が成立する。
ア イ ウ
1 正 正 誤
2 正 正 正
3 正 誤 正
4 誤 正 正
5 誤 正 誤
1