問題一覧
1
かぐや姫の(のたまふ)やうに違はず作り出でつ。-かぐや姫が()とおりに違わないで作り上げた。
おっしゃる
2
御鷹の失せたるよし奏したまふ時に、帝、ものも(のたまはせ)ず。-御鷹がいなくなったことを奏上なさる時に、帝は、ものも()ない。
おっしゃら
3
などかくは(仰せ)らるる。-なぜこのように()のか。
おっしゃる
4
官も賜はむと(仰せ)給ひき。-官職も下さろうと()た。
おっしゃっ
5
「天人の五衰の悲しみは、人間にも候ひけるものかな」とぞ(仰せ)ける。-「天人の五衰の悲しみは、人間にもあったのですねえ。」と()た。
おっしゃっ
6
(きこしめす)人、涙を流し給はぬなし。-()人で、涙をお流しにならない人はいない。
お聞きになる
7
物も(聞こし召さ)ず、御遊びなどもなかりけり。-何も()ず、管弦の遊びなどもなさらなかった。
召し上がら
8
早う御文も(御覧ぜよ)。-早くお手紙を()。
ご覧になってください
9
いかに殿ばら、殊勝のことは(御覧じとがめ)ずや。。-なんと皆さん、このすばらしいことを()ないのですか。
お見とがめになら
10
供の者どもに問ひ給へば、「知らず」と(申す)。-伴の者たちに尋ねなさったところ、「知らない」と()。
申し上げる
11
刀どもを抜きかけてぞ守り(申し)ける。-刀などを抜きかけて()守り()た。
お申し上げ
12
いと切に(聞こえさす)べきこどありて、殿より人なむ参りたると、(聞こえ)給へ。-本当にぜひ()なければならないことがあって、御殿から人が参ったと、()てください。
申し上げ申し上げ
13
御文も(聞こえ)たまはず。-お手紙も()なさらない。
差し上げ
14
ここには、かく久しく遊び(きこえ)て、慣らひたてまつれり。-ここ(人間世界)では、このように長い間楽しく過ごし()て、(あなた方にも)なれ親しみ申し上げました。
申し上げ
15
竹の中に(おはする)にて知りぬ。-竹の中に()のでわかった。
いらっしゃる
16
今日しも端に(おはしまし)けるかな。-今日に限って端近なところに()ましたね。
いらっしゃい
17
「くらもちの皇子(おは)したり」と告ぐ。-「くらもちの皇子が()た」と告げる。
いらっしゃっ
18
惟喬の親王、例の狩りしに(おはします)供に、馬の頭なる翁つかうまつれり。|惟喬の親王が、いつものように狩りしに()供に、右馬頭である翁がお仕えしている。
いらっしゃる
19
聞きしにも過ぎて、尊くこそ(おはし)けれ。-聞いていた以上に、尊いご様子で()た。
いらっしゃっ
20
上もきこしめして、興ぜさへ(おはしまし)つ。-天皇もお聞きになって、おもしろがっ()た。
ていらっしゃっ
21
もの馴れのさまや、と君は(思す)。-もの馴れたものだ、と君は()。
お思いになる
22
あはれ、死ぬとも(おぼし)出づべきことのなきなむ、いと悲しかりける。-ああ、私が死んだとしても()出し()だろうことがないのが、ひどく悲しいことだ。
お思いになる
23
使いに禄(たまへ)りけり。-使いにごほうびを()た。
お与えになっ
24
かぐや姫、いといたく泣き(たまふ)。-かぐや姫は、たいそうひどく()泣き()。
おになる
25
中納言も、「まだこそ見(たまへ)ね」とて見たまふ。-中納言も、「私もまだ見()ん」といって御覧になる。
ておりませ
26
これをなむ、身にとりては面歌と思ひ(たまふる)。-これを、私としては代表歌だと思っ()。
ております
27
後涼殿にもとよりさぶらひ給ふ更衣の曹司を、ほかに移させ給ひて、上局に(賜はす)。-後涼殿に、以前からお仕えになさっている更衣の部屋を、他の場所へお移しになって、桐壺の更衣に控えの部屋として()。
お与えになる
28
忠岑も禄(たまはり)などしけり。-忠岑もほうびの品を()などした。
いただき
29
かしこき仰せ言をたびたび(うけたまはり)ながら、みづからはえなん思ひ給へ立つまじき。-帝のおそれ多いお言葉をたびたび()ながら、私自身は参内を思い立つことができませんでした。
お受けし
30
定めて習ひあることに侍らむ。ちと(承ら)ばや。-きっといわれがあることでございましょう。少し()たい。
お聞きし
31
簾少し上げて、花(奉る)めり。-簾を少し巻き上げて、仏前に花を()ようだ。
差し上げる
32
かぐや姫をやしなひ(たてまつる)こと二十余年になりぬ。かぐや姫を養育し()ことは二十余年になった。
申し上げる
33
帝は赤色の御衣(奉れ)り。-帝は赤色の御衣を()ている。
お召しになっ
34
壺なる御薬(たてまつれ)。穢き所の物きこしめしたれば、御心地悪しからむものぞ。-壺に入っているお薬を()。穢い地上の物を召し上がったので、ご気分が悪いことでしょう。
召し上がれ
35
宿直人にて(侍ら)む。-(私が)宿直の番人として()よう。
お仕えし
36
おのがもとにめでたき琴(侍り)。-私の手もとにすばらしい七弦の琴が()。
あります
37
御気色悪しく(はべり)き。-ご機嫌が悪う()た。
ございまし
38
故宮に(さぶらひ)し小舎人童なりけり。-亡き宮様に()ていた小舎人童であった。
お仕えし
39
「さること(候ひ)き」と申す。-「そういうことが()た。」と申し上げる。
ありまし
40
大原山のおく、寂光院と申す所こそ閑に(さぶらへ)。-大原山の奥、寂光院と申します所は静かで()。
ございます
41
その郎等を(召す)に、跡をくらみて失せぬ。-その家来を()と、その家来は行方をくらませて消えてしまった。
お呼び寄せになる
42
箸とつて(召す)よししけり。-箸を取って()ふりをした。
召し上がる
43
帝ばかりは御衣を(召す)。残りは皆裸なり。-天皇だけがお着物を()。残りは皆裸である。
お召になる
44
主上をはじめ奉りて、人々皆御舟に(召す)。-主人をはじめとして、人々はみなお舟に()。
お乗りになる
45
ここに侍りながら、御とぶらひにも(まうで)ざりける。-ここにおりながら、光源氏の所へお見舞いにも()なかった。
参上し
46
その秋、住吉に(詣で)給ふ。-光源氏はその秋、住吉大社にご()になる。
参詣
47
四月に内裏へ(参り)給ふ。-四月に宮中に()なさる。
参上し
48
親王に、馬の頭、大御酒(参る)。-親王に、右馬頭が、お酒を()。
差し上げる
49
加持など(まいる)ほど、日高くさしあがりぬ。-病気の光源氏に祈祷など()うちに、日も高く昇った。
し申し上げる
50
大御酒(まいり)、御遊びなどし給ふ。-お酒を()、楽器の演奏などをなさる。
召し上がり
51
薬の壺に御文添へて(参らす)。-薬が入った壺にお手紙を添えて帝に()。
差し上げる
52
「かかる人こそは世におはしましけれ」と、驚かるるまでぞ、まもひ(参らする)。-「このような方が世にいらっしゃったのだ」と、自然とはっとした気持ちになるまで、()見つめ()。
お申し上げる
53
憶良らは今は(まから)む子泣くらむ-憶良め(私)はもう宴席を()よう。
退出し
54
「追ひてなむ(まかる)べき」とをものせよ。-「私も母の後を追って()つもりだ」と言いなさい。
参る
55
今井の四郎兼平生年三十三に(まかり)なる。-今井の四郎兼平は年齢は三十三になり()。
申す
56
藤壺の宮、なやみ給ふことありて、(まかで)給へり。-藤壺の宮は、ご病気のことがあって、宮中から()なさった。
退出し
57
それより大殿に(まかで)給へり。-そこから()大臣家に()なさった。
退出して行き
58
老いかがまりて室の外にも(まかで)ず。-年老いて腰も屈みまして庵室の外にも()ん。
出かけませ
59
二千人の人を、竹取が家に(つかはす)。-帝は二千人の人を、竹取の翁の家に()。
おやりになる
60
御身に馴れたるどもを(つかはす)。-光源氏は気慣れた何着かの衣服を明石の君に()。
お与えになる
61
藤袴を読みて人に(つかはし)ける-ふじばかまの花を詠んで人に()た。
贈っ
62
帝、御琴をぞいみじう(あそばし)ける。-帝は、お琴をたいそう上手に()た。
演奏なさっ
63
(藤原良房は)和歌も(あそばし)けるにこそ、古今にも、あまた侍るめるは。-藤原良房は和歌もよく()た「古今和歌集」にも、たくさん入っているようですよ。
お詠みになっ
64
御硯召し寄せて、みづから御返事(あそばさ)れけり。-お硯を取り寄せなさって、ご自身でお返事を()た。
なさっ
65
昔、二条の后に(仕うまつる)男ありけり。-昔、二条の后に()男がいた。
お仕え申し上げる
66
このはたおりをば聞くや。一首(つかうまつれ)。-このきりぎりすの声を聞いたか。一首()。
詠み申し上げよ
67
はや、この皇子にあひ(つかうまつり)給へ。-早く、この皇子に結婚し()なさい。
申し上げ
68
親王、(大殿ごもら)で明かしたまうてけり。-親王は、()ないで夜を明かしておしまいになった。
おやすみになら
69
御心あきらかに、よく人を(しろしめせ)り。-文徳天皇はご聡明で、よく人を()た。
ご存知であっ
70
天皇の、天の下(しろしめす)こと、四つの時、九返りになむなりぬる。-醍醐天皇が、天下を()ことは、四季が、九回になった。
お治めになる
71
おほやけも(行幸)せしめたまふ。-天皇も()なさいます。
お出かけ
72
中宮は御車にたてまつて(行啓)あり。-中宮はお車にお乗りになって()になる。
お出かけ
73
法皇夜を籠めて大原の奥へぞ御幸なる。法皇は夜が明けきらぬうちに大原の奥へ()なさる。
お出かけ
74
かぐや姫をえ戦ひ止めずなりぬること、こまごまと(奏す)。-かぐや姫を天人と戦って止めることができなくなったことを、細かく天皇に()。
申し上げる
75
よきに奏し給へ、(啓し)給へ。-よろしく天皇に申し上げてください。()てください。
皇后にも申し上げ